JP2005016333A - 内燃機関のブリーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルミストの吸引量が少なく、かつ、内燃機関の高さおよび全幅を大きくすることなく設置することのできるブリーザ装置を提供する。
【解決手段】シリンダ孔に対しカムチェーン室またはプッシュロッド室とは反対側のシリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部に、クランク室から排出されるガス中のオイルを分離する気液分離室を設ける。また、クランク軸の端部に該クランク軸で駆動される交流発電機を収容する発電機室を備えた内燃機関において、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部、かつ上記発電機室の上方に、クランク室から排出されるガス中のオイルを分離する気液分離室を設けると共に、クランク室を発電機室と連通させ、かつ発電機室を上記気液分離室の入口側と連通させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4ストロークサイクル内燃機関において、クランク室の内圧変動を緩和してピストンの動きを円滑にし、ブローバイガスを燃焼室へ還流させ、かつ、ガス中のオイル分を分離してクランク室へ戻すブリーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブリーザ装置は、内燃機関運転時における、クランク室の内圧増加時にクランク室内の空気を排出し、クランク室の内圧減少時にクランク室内へ空気を導入することによって、ピストンの動きを円滑にすることを目的とするクランク室呼吸装置である。この目的を達成する際に、付随して生じる次の二つの事項が考慮される。
【0003】
4ストロークサイクル内燃機関では、ピストンがシリンダ内を往復運動する行程で、ピストンリングとシリンダライナ内壁面との間隙を通って、燃焼室内からブローバイガスがクランク室内へ流出する。このブローバイガスの大部分は圧縮行程で生じる混合気であり、大気汚染物質の炭化水素(HC)を大量に含んでいる。一般に、大気汚染防止のため、ブローバイガスを吸気系に導き、吸気に混合して燃焼室へ還流させ、燃焼させる。なお、ピストン上昇時のクランク室の内圧減少時には、上記吸気系から新鮮な空気をクランク室内へ導入する。
【0004】
また、内燃機関運転時には、クランク室内の潤滑用オイルが、クランク軸や動力伝達用歯車の高速回転により、激しく撹拌されてオイルミストとなり、これがクランク室内に充満する。このため、前記クランク室から空気を排出する際に、オイルミストも同時に排出されるので、一般に、潤滑油の消耗を防ぐため、空気排出経路上に気液分離室を設け、排出空気からオイルを分離して、クランク室内へ戻す。気液分離室は内部を邪魔板で仕切って迷路状流路を形成した室であり、上部に気体排出口、下部にオイル排出口が設けられる。
【0005】
一般的な4ストロークサイクル内燃機関のブリーザ装置の構成は上記のようになっているが、クランク室からの空気排出経路の設置場所の種々相、および上記空気排出経路上に設けられる気液分離室の設置位置・構造の種々相などの組み合せによって、いろいろなブリーザ装置が提案されている。
【0006】
従来の技術として、内燃機関シリンダヘッドカバーの内側に気液分離室を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成では、シリンダ部の全高が高くなるので、内燃機関を自動二輪車に搭載する場合には、フレームへの搭載性が落ちるという問題がある
また、カムチェーン室の内部に気液分離室を設けた例が知られている(例えば、特許文献2参照。)。自動二輪車の場合は、カムチェーン室の空き空間の容積は非常に少ないので、カムチェーン室を側方に拡張しない限り、十分なオイル分離の出来る容量の気液分離室を設けることが出来ないという問題があるとともに、オイルミストの吸引量が多いという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−90205号公報(図3、図5)
【特許文献2】
特公平7−99088号公報(図1、図2)。
【0008】
【解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の問題を解消し、オイルミストの吸引量が少なく、かつ、内燃機関の高さおよび全幅を大きくすることなく設置することのできるブリーザ装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、4ストロークサイクル内燃機関のブリーザ装置において、シリンダ孔に対しカムチェーン室またはプッシュロッド室とは反対側のシリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部に、クランク室から排出されるガス中のオイルを分離する気液分離室を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明は上記のように構成されているので、ブリーザ装置のガス通路がカムチェーン室またはプッシュロッド室から離れた独立専用のガス通路を形成することができ、シリンダヘッドからの戻りオイルや動弁系を伝わって流れるオイルの吸い込みが無く、オイルミストの吸引量の少ないブリーザ装置を構成することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のブリーザ装置において、上記気液分離室を、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部に一体的に設けた気液分離室本体部と、該本体部に取り付けられる気液分離室蓋部材とから構成し、該気液分離室蓋部材は、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側方から取付けられることを特徴とするものである。
【0012】
本発明は上記のように構成されているので、内燃機関の高さおよび全幅を増加させることなく気液分離室を設置できると共に、内燃機関の外部から気液分離室を分解することができるので、メンテナンスが容易となる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、クランク軸の端部に該クランク軸で駆動される交流発電機を収容する発電機室を備えた4ストロークサイクル内燃機関のブリーザ装置において、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部、かつ上記発電機室の上方に、クランク室から排出されるガス中のオイルを分離する気液分離室を設けると共に、クランク室を発電機室と連通させ、かつ発電機室を上記気液分離室の入口側と連通させたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明は上記のように構成されており、気液分離室とクランク室との間に、飛沫オイルの少ない発電機室を介在させ、気液分離室の入口を発電機室と連通させたので、気液分離室へのオイルミストの流入を少なくすることができ、効果的な気液分離ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のブリーザ装置が搭載される内燃機関1の側面図(一部縦断面あり)、図2は同内燃機関の断面を上から見た図(図1のII−II断面図)である。内燃機関1は4ストロークサイクルV型2気筒内燃機関であり、気筒は第1気筒2Aと第2気筒2Bの2本から成り、90°の間隔でV型となっている。内燃機関を上から見たときの左側の気筒が第1気筒2Aであり、側面から見ると上方若干後方へ指向して傾斜している。上から見たときの右側の気筒が第2気筒2Bであり、側面から見ると前方若干上向きに指向して傾斜している。図1には第1気筒2Aと第2気筒2Bが示してあり、第1気筒2Aの側部に本発明のブリーザ装置の気液分離室50が示してある。図2には、気筒は第2気筒2Bのみが、断面で示してある。
【0016】
図2において、クランクケース3は左右割りで、左クランクケース3Lと右クランクケース3Rとからなっている。第1気筒2A、第2気筒2Bの内部構造は同じであるから、図2に示された第2気筒2Bに基づいて、両気筒の符号を区別しないで、構造を説明する。気筒外殻はシリンダブロック4、シリンダヘッド5、シリンダヘッドカバー6とからなっている。シリンダブロック4の各シリンダ孔7に摺動自在に嵌合されたピストン8の往復動がコンロッド9を介して、クランクケース3に回転自在に支持された左右方向のクランク軸10に伝達され、クランク軸10が回転する。クランク軸10の左端部には交流発電機(ACG)45のロータ44が固定され、その左方は左クランクケース3Lに結合された発電機カバー41によって覆われている。なお、図2には第1気筒2Aの構造は示していないが、第1気筒のコンロッドの大端部9xだけは図に現れている。
【0017】
図2において、シリンダヘッド5には動弁機構が設けられている。シリンダヘッド5にカム軸13が回転自在に支持され、クランク軸10の右端部に固定された駆動スプロケット14とカム軸13の右端部に固定された従動スプロケット15とに掛け渡されたカムチェーン16により、カム軸13はクランク軸10の1/2の減速比で回転駆動される。カム軸13に一体的に設けられた吸気カム13aと排気カム13bが、吸気弁と排気弁をそれぞれ開閉駆動する。そして、燃料噴射弁から吸気通路に噴射された燃料が空気と共に吸気弁を通って燃焼室17に吸入され、点火プラグ18により着火されて燃焼した後、既燃ガスが排気弁を通って排気通路に排出される。
【0018】
次に、変速装置について図2によって説明する。変速装置は変速装置ケースの中に収容されている。変速装置ケースは、左変速装置ケース20L、右変速装置ケース20R、および歯車カバー21の3部材から構成されている。左変速装置ケース20Lは、ボルト22によって右クランクケース3Rに固定され、右変速装置ケース20Rはボルト23によって左変速装置ケース20Lに固定され、歯車カバー21はボルト24によって左変速装置ケース20Lに固定されている。
【0019】
変速装置には、駆動プーリ軸25、従動プーリ軸26、中間軸27、および出力軸28の4本の回転軸が設けてある。駆動プーリ軸25は、右クランクケース3Lと左クランクケース3Rと右変速装置ケース20Lによって玉軸受を介して支持され、従動プーリ軸26は、左変速装置ケース20Lと右変速装置ケース20Rによって玉軸受を介して支持され、中間軸27は、歯車カバー21と左変速装置ケース20Lによって玉軸受を介して支持され、出力軸28は、歯車カバー21と左変速装置ケース20Lによって玉軸受を介して支持されている。
【0020】
クランク軸10には駆動歯車30が固定され、駆動プーリ軸25のクランク室11内の部分には従動歯車31が固定されている。上記両歯車は噛合っている。これによって、駆動プーリ軸25はクランク軸10によって回転駆動される。
【0021】
駆動プーリ軸25には、同駆動プーリ軸25とともに回転する駆動プーリ32が取付けられ、従動プーリ軸26には、同従動プーリ軸26に対して回転可能に従動プーリ33が取付けられ、上記両プーリには、Vベルト34が巻き掛けられている。これによって、駆動プーリ軸25の回転は駆動プーリ32を介して従動プーリ33に伝達される。
【0022】
従動プーリ軸26には、更に、上記従動プーリ33と従動プーリ軸26との間に遠心式の発進クラッチ35が取付けられている。クランク軸10の回転速度が所定値より大になると、従動プーリ33の回転も上昇し、これにより発進クラッチ35が接続され、従動プーリ軸26が回転駆動される。上記駆動プーリ32、Vベルト34、従動プーリ33および発進クラッチ35によって、Vベルト式変速装置が構成されている。
【0023】
従動プーリ軸26と出力軸28の間には、歯車列が設けてある。これは、従動プーリ軸26の左端に一体的に設けられた小歯車36、中間軸に一体的に設けられ、上記小歯車に噛合う中間歯車37、および出力軸28に固定された出力軸歯車38の3個の歯車である。これらの歯車によって、従動プーリ軸26の回転は出力軸28に伝達される。上記小歯車36、中間歯車37、および出力軸歯車38によって歯車減速装置が構成されている。
【0024】
出力軸28の左端外方に出力軸28と同一軸線上に、駆動スプロケットを備えた後輪駆動軸(図示なし)が回転可能に設けられ、出力軸28の左端に接続されている。車両の後輪軸(図示なし)には従動スプロケットが設けられ、上記駆動スプロケットとの間にチェーンが掛け回される。車両の後輪は、クランク軸10によって、駆動プーリ軸25、従動プーリ軸26、中間軸27、出力軸28、後輪駆動軸および後輪軸を経由して回転駆動される。
【0025】
次に、図2と図1によって、発電機室40およびその内部の構成について述べる。発電機室40はクランクケースの左側に設けられ、左クランクケース3Lと、発電機カバー41との間に形成されている。発電機カバー41はボルト42を介して上記左クランクケース3Lに固定されている。クランク軸10の左端部は、左クランクケース3Lを貫通して、発電機室40内に突出している。発電機室40の内部空間とクランク室11の内部空間とは、左クランクケース3Lに鋳造時に形成された鋳抜き貫通孔71、72、73(図1)を介して連通している。
【0026】
発電機カバー41の内側には発電機ステータ43が固定されている。クランク軸10の、発電機室40内への突出部には、上記発電機ステータ43の外周を囲む形の発電機ロータ44が取付けてある。上記発電機ステータ43と発電機ロータ44とによって交流発電機45が形成され、発電機ロータ44がクランク軸10とともに回転した時に発電するようになっている。
【0027】
2個の気筒の間にスタータモータ(図示なし)が設けてある。同スタータモータの回転軸は発電機室40内に突出し、同回転軸の発電機室40内突出部分に、図1に示すように、スタータモータピニオン46が固定してある。またクランク軸10の発電機室40内部分に始動用歯車47が固定してある。更に、上記スタータモータピニオン46と始動用歯車47との間に歯車列48が介装されている。内燃機関の始動のために上記スタータモータが回転した時には、上記スタータモータピニオン46と歯車列48と始動用歯車47を介して、クランク軸10に始動回転が与えられる。
【0028】
次に、図1によって、ブリーザ装置の気液分離室50の概要について述べる。ブリーザ装置の気液分離室50は、シリンダブロック4の側部かつ発電機室40の上方に設けてある。気液分離室50は、内部に複数の邪魔板を配置して、迷路状のガス通路を形成したものである。気液分離室50の下部に流通口51、52が設けてある。気液分離室50の内部は、上記流通口51、52と、発電機室40の上部に設けられた連絡孔74、75を介して、発電機室40の内部に連通している。気液分離室50の上部にはガス流出管53が設けてある。
【0029】
次に上記気液分離室50の位置および構造の詳細について述べる。図3はシリンダブロック4を上方から見た図、図4はシリンダブロック4の横断面を後方から見た図(図3のIV−IV断面図)、図5はシリンダブロック4を下方から見た図である。これらの図において、矢印Fは第1気筒のシリンダ軸線に直角方向の前方を指し、矢印Uは第1気筒のシリンダ軸線に平行方向の上方を指している。なお、図9の矢印Fも同様である。
【0030】
シリンダブロック4の中央部にはシリンダ孔7が設けてあり、シリンダ孔7の周囲部の壁体内にはウオータジャケット54が設けられ(図3、図4)、上記壁体部にはウオータジャケット54に連なる冷却水出口管55が設けてある(図3、図5)。図4において、シリンダブロック4の下部にはクランクケース3に挿入されるシリンダ延長部56が設けてある。また、シリンダ孔7の内面にはシリンダライナ57が設けてある(図4、図5)。シリンダブロック4の上面にはシリンダヘッド5との合わせ面58があり、シリンダブロック4の下面にはクランクケース3とのとの合わせ面59がある。図3と図5において、上記の合わせ面58と59には、それぞれ点々を付して示してある。シリンダブロック4の右側部にはシリンダブロック4と一体的にカムチェーン室60が設けてあり、これの反対側、すなわち、シリンダブロック4の左側部にはシリンダブロック4と一体的にブリーザ装置の気液分離室50の本体部61が設けてある。
【0031】
図6はシリンダブロック4を左方から見た図であり、気液分離室本体部61の正面が示されている。図7および図8は上記気液分離室本体部61に装着される気液分離室蓋部材62の図であり、図7は表側から見た図、図8は内側から見た図である。図6と図8において、本体部61と蓋部材62との互いの合わせ面には、それぞれ点々を付して示してある。気液分離室本体部61と気液分離室蓋部材62とが一体に結合されて、一個の気液分離室50が形成される。
【0032】
図6において、気液分離室本体部61には邪魔板63A、邪魔板64Aがシリンダブロック4と一体的に形成してある。邪魔板64Aには、ガス通路65が設けてある。また本体部61の下部には、流通孔51、52が設けてある。気液分離室50の内部は、流通孔51、52を介して、気液分離室本体部61の下部に設けてある連絡室66に連通している(図4、図5、図6)。図4には連絡室66の断面が示してある。上記連絡室66の下向きの開口66aは、シリンダブロック4と左クランクケース3Lとの合わせ面を介して、上記発電機室40と対向している。
【0033】
図8において、気液分離室蓋部材62には邪魔板63B、邪魔板64Bが蓋部材62と一体的に形成してある。邪魔板63Bには、ガス通路67が設けてある。蓋部材62の上部にはガス流出管53が取付けてある。このガス流出管53は、ホースによって、図示していないエアクリーナボックスの清浄側へ接続されている。
【0034】
気液分離室本体部61と気液分離室蓋部材62とが、蓋部材の4箇所のボルト挿通孔69に挿通された4本のボルトを、本体部61の4箇所の雌ネジ孔68に螺着することによって一体に結合され、気液分離室50が形成される。
【0035】
図9は、左クランクケース3Lを上方から見た図である。シリンダブロック4との合わせ面77には点々を付してある。左クランクケース3L上面の、上記気液分離室50に隣接して設けられた連絡室66の下向きの開口66a(図4、図5)に対応する位置に、発電機室40への連絡孔74、75が設けてある。連絡孔74、75の位置は図1にも示してある。
【0036】
なお、図1において、上記連絡孔74、75の下方に左クランクケース3Lと一体に形成されたオイル防護板79が設けてある。発電機室40内はオイルミストの少ない場所であるが、発電機ロータ44の回転によって生じるオイル飛沫が上記連絡孔74、75の方へ飛ぶことを防ぐと共に、気液分離室50からの戻りオイルが発電機ロータ44に直接滴下することを防ぐためのものである。
【0037】
図10は、気液分離室50内のガスおよびオイルの流れを説明するための断面図である。ガス流出管53、ガス通路65、ガス通路66は互いに異なる断面上にあり、本来は1枚の断面図には表し得ないものであるが、ガスおよびオイルの流れを分かり易く説明するために、あえて、異なる断面の部分図を合成して1枚の断面図として表現した図である。この図は、内燃機関1を車両に搭載した時の姿勢となるよう傾けて図示してある。この図の矢印Fは車両の前方、矢印Uは車両の上方を指している。図中の太い破線はガスの流れ、太い実線はオイルの流れを示している。
【0038】
ブローバイガスとオイルミストを含むガスが流通孔51、52を経て気液分離室50の第1室50aに流入すると、次にガス通路67を経て第2室50bへ流入する。この時、ガスは邪魔板64に衝突し、ガス中の油分が邪魔板64の下面に付着する。ガスは更にガス通路65を経て第3室50cへ流入する。この時、ガスは、第3室50cの天井部へ衝突し、ガス中の油分が上記天井部の下面に付着する。油分が分離除去されたガスは、ガス流出管53および同ガス流出管53に接続されたホース(図示なし)を経て、エアクリーナボックスの清浄側へ供給され、吸気ポートを経て内燃機関の燃焼室に送られ燃焼させられる。
【0039】
邪魔板64の下面や、第3室の天井部に付着した油分は雫となって滴下し邪魔板64、63の上面を流下し、下側の流通孔52から排出される。このオイルは、発電機室40を経てクランク室11へ戻る。上述のガス流れの説明は、作用を単純化した説明である。実際にはガスは気液分離室50内で複雑な流れ方をするので、油分は上記以外の他の部分にも付着して回収される。
【0040】
本発明のブリーザ装置は上述の構造を備えている。次にその作用を述べる。内燃機関1が運転されると、圧縮燃焼行程でピストン8とシリンダライナ57内壁面との間隙を通って燃焼室17内からブローバイガスがクランク室11内へ流出する。また、クランク室11内の潤滑用オイルが、クランク軸10や動力伝達用歯車30、31などの高速回転により、激しく撹拌されてオイルミストとなり、これがクランク室11内に充満する。
【0041】
ピストンが下降行程に入った時には、ブローバイガスとオイルミストを含むクランク室11内空気は、左クランクケース3Lの鋳抜き貫通孔71、72、73(図1)を経て発電機室40へ排出され、次いで左クランクケース3Lの連絡孔74、75(図1、図9)、シリンダブロック4の連絡室66(図4、図5、図6)、および流通孔51、52(図1、図4、図6)を経て、気液分離室へ入る。
【0042】
気液分離室50は内部を邪魔板63、64で仕切って迷路状流路を形成した室であり、ここでブローバイガスを含んだ空気とオイル分とが分離され、ブローバイガスを含んだ空気は、気液分離室状部のガス流出管53(図1、図7、図8)を経てエアクリーナボックスの清浄側へ導かれ新鮮空気と共に内燃機関の吸気ポートを経て燃焼室へ吸入され、混合気に加えられ燃焼させられる。
【0043】
分離されたオイル分は、気液分離室50の中を流下し、2個の流通孔51、52のうち、主に、内燃機関の車載状態で低い位置となる流通孔52、連絡室66、および低い位置の連絡孔75を経て、発電機室40へ戻り、さらに3個のの鋳抜き貫通孔71、72、73のうち、最も低い位置にある鋳抜き貫通孔73を経てクランク室11内へ帰る。
【0044】
本実施形態の内燃機関1はドライサンプ方式の潤滑系を採用しており、クランク室11内に戻ったオイルは、図示していないオイルポンプによって、図1の発電機室40の下方に設けられたオイル吸出し通路78から吸出され、図示していないオイルタンクへ送られる。
【0045】
ピストンが上昇行程に入った時には、クランク室11内が減圧されるので、エアクリーナボックスの清浄側の空気が、図示していないホース、ガス流出管53、気液分離室50、流通孔51、52、連絡室66、連絡孔74、75、発電機室40、鋳抜き貫通孔71、72、73を経て、クランク室11に供給される。
【0046】
本実施形態のブリーザ装置は上記のよに構成され作用するので、次のような効果がある。まず、ブリーザ装置のガス通路を、カムチェーン室から離れた独立専用のガス通路としているので、シリンダヘッドからの戻りオイルや動弁系を伝わって流れるオイルの吸い込みが無く、オイルミストの吸引量の少ないブリーザ装置となっている。なお、カムチェーン室内のカムチェーンの代りに、プッシュロッド室を設けて、プッシュロッドで吸排気弁を駆動する内燃機関においても同様に、プッシュロッド室から離れた独立専用のガス通路とすることによって、オイルの吸い込みが無く、オイルミストの吸引量の少ないブリーザ装置とすることができる。
【0047】
次に、気液分離室を、シリンダブロックの側部に設けているので、内燃機関の高さおよび全幅を増加させることなく気液分離室を設置できると共に、内燃機関の外部から気液分離室を分解することができるので、メンテナンスが容易となっている。
【0048】
さらに、気液分離室とクランク室との間に、飛沫オイルの少ない発電機室を介在させ、気液分離室の入口を発電機室と連通させたので、気液分離室へのオイルミストの流入を少なくすることができ、効果的な気液分離が可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブリーザ装置が搭載される内燃機関1の側面図(一部縦断面あり)である。
【図2】上記内燃機関の断面を上から見た図(図1のII−II断面図)である。
【図3】シリンダブロック4を上方から見た図である。
【図4】シリンダブロック4の横断面を後方から見た図(図3のIV−IV断面図)である。
【図5】シリンダブロック4を下方から見た図である。
【図6】シリンダブロック4を左方から見た図であり、気液分離室本体部61の正面が示されている。
【図7】気液分離室蓋部材62の図であり、表側から見た図である。
【図8】気液分離室蓋部材62の図であり、内側から見た図である
【図9】左クランクケース3Lを上方から見た図である。
【図10】気液分離室50のガスおよびオイルの流れ説明図である。
【符号の説明】
1…4ストロークサイクルV型2気筒内燃機関、2A…第1気筒、2B…第2気筒、3…クランクケース、3L…左クランクケース、3R…右クランクケース、4…シリンダブロック、4a…冷却水通路、5…シリンダヘッド、6…シリンダヘッドカバー、7…シリンダ孔、8…ピストン、9…コンロッド、9x…第1気筒のコンロッドの大端部、10…クランク軸、11…クランク室、13…カム軸、13a…吸気カム、13b…排気カム、14…駆動スプロケット、15…従動スプロケット、16…カムチェーン、17…燃焼室、18…点火プラグ、20L…左変速装置ケース、20R…右変速装置ケース、21…歯車カバー、22…ボルト、23…ボルト、24…ボルト、25…駆動プーリ軸、26…従動プーリ軸、27…中間軸、28…出力軸、30…駆動歯車、31…従動歯車、32…駆動プーリ、33…従動プーリ、34…Vベルト、35…発進クラッチ、36…小歯車、37…中間歯車、38…出力軸歯車、40…発電機室、41…発電機カバー、42…ボルト、43…発電機ステータ、44…発電機ロータ、45…交流発電機、46…スタータモータのピニオン、47…始動用歯車、48…歯車列、50…気液分離室、50a…第1室、50b…第2室、50c…第3室、51…流通孔、52…流通孔、53…ガス流出管、54…ウオータジャケット、55…冷却水出口管、56…シリンダ延長部、57…シリンダライナ、58…シリンダヘッド5との合わせ面、59…クランクケース3とのとの合わせ面、60…カムチェーン室、61…気液分離室本体部、62…気液分離室蓋部材、63…邪魔板、63A…邪魔板、63B…邪魔板、64…邪魔板、64A…邪魔板、64B…邪魔板、65…ガス通路、66…発電機室40と気液分離室50との間の連絡室、66a…連絡室の開口、67…ガス通路、68…雌ネジ孔、69…ボルト挿通孔、71…鋳抜き貫通孔、72…鋳抜き貫通孔、73…鋳抜き貫通孔、74…連絡孔、75…連絡孔、76…飛沫防護板、77…シリンダブロック4との合わせ面、78…オイル吸出し通路、79…オイル防護板。

Claims (3)

  1. 4ストロークサイクル内燃機関のブリーザ装置において、
    シリンダ孔に対しカムチェーン室またはプッシュロッド室とは反対側のシリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部に、クランク室から排出されるガス中のオイルを分離する気液分離室を設けたことを特徴とする内燃機関のブリーザ装置。
  2. 上記気液分離室を、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部に一体的に設けた気液分離室本体部と、該本体部に取り付けられる気液分離室蓋部材とから構成し、該気液分離室蓋部材は、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側方から取付けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のブリーザ装置。
  3. クランク軸の端部に該クランク軸で駆動される交流発電機を収容する発電機室を備えた4ストロークサイクル内燃機関のブリーザ装置において、
    シリンダブロックまたはシリンダヘッドの側部、かつ上記発電機室の上方に、クランク室から排出されるガス中のオイルを分離する気液分離室を設けると共に、クランク室を発電機室と連通させ、かつ発電機室を上記気液分離室の入口側と連通させたことを特徴とする内燃機関のブリーザ装置。
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