JP2005015772A - エチレン−プロピレンブロック共重合体、これを含むプロピレン樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

エチレン−プロピレンブロック共重合体、これを含むプロピレン樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性と耐衝撃性が改良され、臭気が低減され、更には射出成形性に優れ
る成形体を提供すること、および射出成形において最小厚みが0.2mm以下と
いう超薄肉の製品でも成形可能な材料を提供すること。
【解決手段】230℃におけるメルトフローレートが90〜110(g/10分
)でホモ部立体規則性が0.960以上、23℃におけるp−キシレン可溶分量
が10.0wt%〜13.0wt%、エチレン含有量32〜40wt%、且つ
デカリン溶媒における極限粘度[η]が2.7〜3.3[dl/g]であるエチレン−プロピ
レンブロック共重合体、およびこれを含むプロピレン樹脂組成物、並びに該プロ
ピレン樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする食品容器、医療容器、皿、
ディスクケース。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレン−プロピレンブロック共重合体、これを含むプロピレン樹脂組成物およびこの組成物からなる食品容器、医療容器、皿、ディスクケースに関する。更に詳しくは、剛性と耐衝撃性と臭気、特に射出成形性が飛躍的に優れる成形体を提供することに関する。
一般にプロピレン樹脂は化学的特性および物理的特性に優れ、しかも、優れた成形加工性を有するため、食品容器、医療容器、キャップ、自動車部品等の成形品製造に幅広く利用されている。これら用途向けの樹脂では、剛性、耐衝撃性、成形加工性が共に高いことが望ましいが、すべての性能を一律に目標レベルに合わせることは難しかった。
また、プロピレン樹脂成形品を最も汎用生産性の高い射出成形する際、ハイサイクル且つ薄肉製品を製造するには流動性(MFR)の非常に高い材料が必要であり、これを満足する為に、低い流動性(MFR)の材料を過酸化物によって分子切断(熱減成)し、流動性を向上させることが一般的に行われているが剛性の低下を招く場合もある。更に、近年、市場の高機能化や安全性の高まりに伴い、薄肉化しても従来製品と同等物性を有する製品が要望され、これに用いる材料の要望も高機能化しているが、これら全てを満足する材料が存在しないのが実情である。
すなわち、前記の諸問題を改良するために、種々の材料が既存の製造法によって生産が試みられたが、剛性、耐衝撃性、成形性、臭気の全て満足できなかった。
本発明は、従来技術に伴う前記の問題点を全てを解決しようとするものであって、剛性と耐衝撃性が改良され、大幅な臭気低減が可能であり、更には射出成形性が飛躍的に優れる成形体を提供することに関する。特に、射出成形において最小厚みが0.3mm以下という超薄肉の製品でも成形可能な、従来に無い材料を提供することに関する。
すなわち本発明の第一の解決手段は、230℃におけるメルトフローレートが90〜110(g/10分)でホモ部立体規則性が0.970以上であり、23℃におけるp−キシレン可溶分量が10.0wt%〜13.0wt%であり、エチレン含有量33〜40wt%であり、且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.7〜3.3[dl/g]であることを特徴とするエチレン−プロピレンブロック共重合体の提供である。
また本発明の第二の解決手段は、前記のエチレン−プロピレンブロック共重合体にさらに造核剤を、0.05〜0.3重量部を配合したプロピレン樹脂組成物の提供であり、その造核剤としては、有機リン酸エステル金属塩であることが好ましい。
また本発明は、前記のプロピレン樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする食品容器、医療容器、皿、ディスクケースに関する。
また、特にプロピレン樹脂組成物を用いて最小厚みが0.3mm以下であることを特徴とする、射出成形された食品容器、医療容器、皿、ディスクケースに関する。
本発明によれば、剛性と耐衝撃性、耐熱性、低臭全てを兼ね備え、且つ超薄肉成形も可能とした高流動性を有する新規性の高い樹脂組成物を得ることができる。 また、造核剤は通常樹脂の透明性を高めたり、時には剛性を高めるために配合されているが、本発明の樹脂組成物では、剛性と耐衝撃性との優れたバランスを実現すると共に、本発明の高立体規則性ポリプロピレンを用いることにより、飛躍的に結晶化速度すなわち生産性向上を大きく改善することができる。このことにより、生産時の生産サイクル向上及びバリ解消効果が可能となる。
従って、本樹脂組成物から得られた食品容器、医療容器、皿、ディスクケース
は、剛性と耐衝撃性、耐熱性、臭気、生産速度が求められるこれらの用途に適し
ており、現在、更なる薄肉化、最小厚み0.3mm以下の新規製品を開発する上
で要求されている全ての要求を満たした初の発明であり非常に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
エチレン−プロピレンブロック共重合体
エチレン−プロピレンブロック共重合体は、ポリプロピレンセグメントとエチレン・プロピレン共重合体セグメントとから基本的に構成された重合体であって、必要に応じてさらにポリエチレンセグメントが共存していてもよい。ポリプロピレンセグメントは結晶性であって、主にブロック共重合体の剛性等の機械強度付与に寄与している。エチレン・プロピレン共重合体セグメントはゴム的な性質を有しており、ブロック共重合体のゴム部分を形成し、耐衝撃性の付与に寄与している。
ブロック共重合体中に占めるポリプロピレンセグメントは、88〜89.5、好ましくは88.5〜89.5重量%であり、エチレン・プロピレン共重合体セグメントは10.0〜13.0、好ましくは10.5〜12.5重量%であって、この範囲にある場合にのみ剛性と耐衝撃性のバランスを本高流動性プロピレン樹脂組成物において発揮できる。正確には、エチレン・プロピレン共重合体が均一に反応し、ゴム質となった成分が耐衝撃性に大きく寄与し、このためには、23℃におけるp−キシレン可溶分量が10.0wt%〜13.0wt%、好ましくは10.5〜12.5重量%且つエチレン含有量33〜40wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.7〜3.3[dl/g]であることが必要である。
この可溶成分には、重合時、エチレンのみが反応して生成したポリエチレン成分は殆ど溶出しないので含まれない。
ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D−1238に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定した値が、90〜110、好ましくは95〜105(g/10分)であって、この範囲にあると剛性と耐衝撃性バランスを高レベルで維持したまま、樹脂組成物の成形温度に由来する高生産速度、超薄肉製品に適した樹脂組成物を与える。
このブロック共重合体の立体規則性は、ブロック共重合体中のプロピレン単独重合体部分の立体規則性を意味し、炭素核磁気共鳴分析で求められるペンタッド分率mmmmが、0.970以上であることが必須である。0.970未満では、本特許記載の超薄肉製品の力によるたわみや熱によるたわみに耐えられない製品となる。なお、炭素核磁気共鳴分析の測定装置としては日本電子製EX-400型FT-NMRを使用し、測定条件は、13Cを観測核とし溶媒(o−ジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1)に試料を10%(wt/vol)溶解させ、130℃にて8000回積算することによってペンタッド分率mmmmを求めた。
このようなブロック共重合体は、オレフィンの立体規則性重合触媒の存在下に、プロピレンの単独重合、次いでプロピレンとエチレンとの共重合、必要に応じてエチレンの単独重合を行う、いわゆる多段重合法を採用することによって製造することができる。また、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、必要に応じてエチレン単独重合体を機械的に溶融混練りすることによっても製造することができる。
造核剤
本発明に係わるプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて造核剤(以下の説明では単に核剤とも云う)を添加配合することができる。使用できる造核剤としては、(a)p−tert−ブチル安息香酸アルミニウム等のカルボン酸金属塩、(b)ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、(c)ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等の有機リン酸エステル金属塩、(d)分岐状オレフィン、例えば3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の単独重合体または共重合体等のポリマー核剤、等を挙げることができる。
これらの中でも有機リン酸エステル金属塩が好ましく、その添加によってプロピレン樹脂組成物の剛性と耐衝撃性との良好なバランスを図り、かつ臭気に優れた特性を得ることができる。有機リン酸エステル金属塩として、式1で表されるナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、式2で表されるアルミニウム化合物等を例示することができる。特に、式1で表される化合物の効果が高い。
Figure 2005015772

ここで、t−Buは、tert-ブチル基を示す。
Figure 2005015772
式2において、R1およびR2は、各々独立して水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、アミル、tert-アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−エチルヘキシル等の基を例示することができる。Xはアルキレン基であって、メチレン、エチレン、プロピレン基等を挙げることができる。
具体的には、Xがメチレン基であって、R1がtert-ブチル基、R2がメチル基の化合物、またXがメチレン基であって、R1およびR2がtert-ブチル基の化合物、さらにXがメチレン基であって、R1およびR2がtert-アミル基の化合物を例示することができる。
プロピレン樹脂組成物
本発明に係わる樹脂組成物は、230℃におけるメルトフローレートが90〜110(g/10分)でホモ部立体規則性が0.970以上、23℃におけるp−キシレン可溶分量が10.0wt%〜13.0wt%、エチレン含有量33〜40wt%、且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.7〜3.3であることを特徴とするエチレン−プロピレンブロック共重合体を含むプロピレン樹脂組成物に関する。
さらに本発明では、エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、造核剤を0.05〜0.3、好ましくは0.05〜0.2、さらに好ましくは0.1〜0.15重量部配合することができる。この範囲内であると、プロピレン樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、結晶化速度向上による生産性と更なる耐熱性向上、コストといった全てのバランスに優れた組成物を得ることが可能となる。
プロピレン樹脂組成物には、必要に応じてフェノール系、リン系、あるいはチオエーテル系の酸化防止剤、中和剤、光安定剤、耐候性安定剤、難燃剤、顔料、染料、ステアリルアミドやエルシルアミド等の滑剤、充填剤等の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明に係わるプロピレン樹脂組成物は、エチレン−プロピレンブロック共重合体、必要に応じて造核剤、その他の添加剤を前記した配合量範囲で、ヘンシェルミキサー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどの混合機を用いて混合した後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練りすることによって、均一組成の組成物を得ることができる。
立体規則性については下記に述べる方法で測定を行った。
測定装置は炭素核磁気共鳴装置、日本電子製EX-400型FT-NMR。測定条件は、13Cを観測核とし、溶媒o−ジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1に試料を10%(wt/vol)溶解させ、130℃にて8000回積算し、ペンタッド分率mmmmをもとめた。
成形体
前記したプロピレン樹脂組成物に必要に応じ顔料マスターバッチをブレンドし、これを射出成形により、各種の成形品を製造することができる。食品容器や医療容器では遮光性を必要とするものが多く、酸化チタン含有の白色顔料マスターバッチが一般的である。
次に実施例を通して本発明を説明するが、本発明はそれ等実施例に限定されるものではない。まず実施例および比較例で用いた樹脂および添加剤について説明する。
(A-1)エチレン−プロピレンブロック共重合体;p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]で、メルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が100(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.973。
(A-2)エチレン−プロピレンブロック共重合体;p−キシレン可溶分量が12.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]で、メルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が100(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.973。
(B)エチレン−プロピレンブロック共重合体:p−キシレン可溶分量が8.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]でメルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が100(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.963。
(C)エチレン−プロピレンブロック共重合体:p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量28wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]でメルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が100(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.973。
(D)エチレン−プロピレンブロック共重合体:p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が6.0[dl/g]でメルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が100(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.973。
(E)エチレン−プロピレンブロック共重合体:p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]でメルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が100(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.962。
(F)エチレン−プロピレンブロック共重合体:p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]でメルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が35(g/10分)のエチレン−プロピレンブロック共重合体を、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサンによって熱減成し、メルトフローレートを100とした。ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.962。
(G)エチレン−プロピレンブロック共重合体;p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]で、メルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が80(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.973。
(H)エチレン−プロピレンブロック共重合体;p−キシレン可溶分量が10.5wt%且つエチレン含有量37wt%且つデカリン溶媒における極限粘度[η]が2.8[dl/g]で、メルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が120(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.973。
(I)フェノール系酸化防止剤;テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
(J)リン系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
(K)中和剤;ステアリン酸カルシウム
(L)中和剤;ハイドロタルサイト。
(M)造核剤リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム
(実施例1〜3)
前記した樹脂および添加剤を表1記載の配合割合(重量部)で準備し、その後ヘンシェルミキサー中で均一混合した。次いで、日本製鋼所製CIM−50高速二軸押出機を用いて、樹脂温度180℃にて溶融混練し、その混練物を押出してペレットを得た。このペレットで結晶化速度、曲げ,アイゾット試験、加熱変形温度、高速面衝撃試験においては射出成形を行い試験片作成した。
このペレット及びキャップを用いて、次の方法で、各種物性を調べた。
(a)メルトフローレート(MFR);ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重、単位は(g/10分)。
(b)曲げ初期弾性率;23℃にて、ASTM D-790に準じて行った。単位は、(MPa)。
(c)アイゾット衝撃強度;ノッチ付きの試験片を用い、23℃にてASTM D-256に準じて行った。単位は、(J/m)。
(d)加熱変形温度;ASTM D648に準じて行った。単位は℃。
(e)高速面衝撃試験;長さ12cm、幅11cm、厚み2mmの角板を射出成形し、23℃及び5℃にて、3m/sの速度で打撃芯(1/2インチ直径の半球状先端)を角板中央に打撃し、破壊や貫通に至るまでに試料が吸収したエネルギーをもとめた。角板は3インチ直径の穴のあいたクランプで支えている。なお、表中、全とは降伏してから破壊するまでの全ての吸収エネルギー。延性とは、全エネルギーから降伏までのエネルギーを引いたもので、どれだけ延性破壊しているかを見る指標である。単位はジュール。
(f)結晶化速度は、DSCによって測定。方法は240℃で6分溶融し、プレスフィルムを厚み200μmにして作成。これを5mg取りだし、230℃10分溶融し、200℃/minの速度で温度を135℃まで下げ、結晶飽和となる半分の時間、いわゆるt1/2(半結晶化時間)をもとめた。単位は分。
(g)臭気試験;ペレット100g、蒸留水100mlを500mlの蓋付きガラス容器に入れ、90℃のウォーターバスに1時間漬け、臭気を有無を○×評価した。
(h)成形性試験;容器形状で容器容量200ml、容器の最小肉厚部が0.25mm、金型1ショットのキャヒ゛ティー数を4ケである形状のもので容器成形を実施。
流動性不良による成形性不具合(ハ゛リやショートショット)、ハイサイクル成形性(可塑化時間)に問題がないか確認した。
(比較例1〜5)
表1に記載した樹脂および添加剤を用いた以外は実施例1と同様に行い、ペレットおよび試験片を得た。その後、物性試験を行い、その結果を表1に併せて記した。
実施例1,2は、比較例1〜5に比べ、全ての試験項目において優れている。
比較例1では、p−キシレン可溶分量すなわちゴム成分量不足によりアイゾット衝撃強度及び高速面衝撃吸収エネルギーが実施例に比べ悪くなる。特に低温になると高速面衝撃吸収エネルギーが低い。
比較例2では、p−キシレン可溶分のゴム質すなわちゴム成分の低温特性不足により低温の高速面衝撃吸収エネルギーが低い。
比較例3では、アイゾット衝撃強度はいいが、実際の衝撃強度に相関する高速面衝撃吸収エネルギーが実施例に比べ非常に悪くなる。
比較例4では、耐衝撃性は良好であるが、立体規則性が低い為に剛性が低く、加熱変形温度も低く、結晶化速度も遅くなり、製品を薄肉化した場合、力及び熱環境によってたわみやすく、且つ結晶化速度が遅いためにサイクルが改善されない。薄肉ケースの場合、射出成形時の冷却時間を延ばさないと天面が膨らむ問題がでる。
比較例5では、熱減成によって剛性の低下、加熱変形温度の低下、更には臭気の悪化が著しい。
比較例6では、MFRが低い事により、ショートショットとなり、無理に流動させた場合、容器にそりが発生し、良品が得られなかった。
比較例7では、MFRが高すぎる事によってバリが発生しやすくなり、且つ樹脂を
溶融可塑化し、計量する過程で粘度が低すぎて計量に時間がかかり、逆にハイサイクル成形とならなかった。
表1から明らかなように、実施例1,2で得られた樹脂組成物は、比較例1〜5に比べて、必要物性を満足し、且つ高速生産性を更に改良できる組成物であることがわかる。
Figure 2005015772

Claims (5)

  1. 下記要件(i)〜(v)を同時に満たすエチレン−プロピレンブロック共重合体。
    (i)230℃におけるメルトフローレートが90〜110(g/10分)、
    (ii)ホモ部立体規則性が0.970以上、
    (iii)23℃におけるp−キシレン可溶分量が10.0wt%〜13.0wt%、
    (iv)エチレン含有量が33〜40wt%、
    (v)デカリン溶媒における極限粘度[η]が2.7〜3.3[dl/g]
  2. 請求項1記載のエチレン−プロピレンブロック共重合体にさらに造核剤を、該エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、0.05〜0.3重量部配合したことを特徴とするプロピレン樹脂組成物。
  3. 請求項2記載の造核剤が、有機リン酸エステル金属塩であることを特徴とするプロピレン樹脂組成物。
  4. 請求項2〜3のいずれかに記載のプロピレン樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする食品容器、医療容器、皿、ディスクケース。
  5. 請求項2〜3のいずれかに記載のプロピレン樹脂組成物を用いて最小厚みが0.3mm以下である事を特徴とする、射出成形された食品容器、医療容器、皿、ディスクケース。
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JP2012533648A (ja) * 2009-07-14 2012-12-27 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 高いメルトフローおよびアイゾット延性を有する耐衝撃性ポリプロピレンコポリマー
EP2006314B2 (en) 2006-03-29 2019-07-31 Mitsui Chemicals, Inc. Propylene random block copolymer, resin compositions containing the copolymer, and moldings of both

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