JP5081540B2 - プロピレン樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

プロピレン樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン樹脂組成物およびその組成物からなる成形品に関し、更に詳しくは、難白化性と剛性と耐衝撃性のバランスに優れ、且つ高い生産性を有するプロピレン樹脂組成物、およびその組成物からなる成形品、容器用樹脂キャップに関する。
一般にプロピレン樹脂は、化学的特性および物理的特性に優れ、しかも、優れた成形加工性を有するため、食品容器、医療容器、キャップ、自動車部品等の成形品製造に幅広く利用されている。これら用途向けの樹脂では、剛性、耐衝撃性、成形加工性などが共に高いことが望ましいが、すべての性能を一律に目標レベルに合わせることは難しい。
プロピレン樹脂を用いて最も生産性を高くキャップを成形する方法としては、圧縮成形(コンプレッション成形)が挙げられるが、圧縮成形でキャップを成形する際、製造ラインでのキャップネジ部の無理抜き(ネジ部を回して抜くのではなく、無理やり引き抜く工程)があり、キャップの形状及び色調によっては、従来のエチレン−プロピレンブロック共重合体では白化して使用できなかった。また、キャップを実使用する上で容器(ボトル、チューブ等)に充填された内容物によっては、低温(5℃近傍)での流通、保管、消費されるものがあり、取り扱いミス等によるキャップの破損防止の為にも低温での耐衝撃性が必要となる。
白化を防止するには、ポリプロピレン単独重合体やエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いることが考えられるが(例えば、特許文献1参照。)、これらの系では低温での耐衝撃性は得られない。また、剛性が低い材料で成形したキャップを使用した場合、炭酸飲料などは内圧が高く、キャップ天面が凸状になったり、キャップが外れる危険性がある。また、内容物によっては内容物を高温で充填するキャップもあり、耐熱性も必要となる場合がある。ポリプロピレン樹脂組成物は、耐熱性が高いがポリエチレン樹脂組成物は耐熱性が低く、この懸念がある。現在まで、これら全てを満足するキャップは存在しない。
特許第3853924号
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、難白化性、高剛性、低温衝撃性、耐熱性に優れたプロピレン樹脂組成物、及びこれを用いた成形体や容器用樹脂キャップを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン−プロピレンブロック共重合体と特定のポリエチレンとを特定量配合したプロピレン樹脂組成物が難白化性、高剛性、低温衝撃性、耐熱性に優れた樹脂組成物になり得ることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A)230℃におけるメルトフローレートが2〜80g/10分、ホモ部立体規則性が0.960以上、且つ全エチレン含有量が3〜12重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜99重量部と、(B)190℃におけるメルトフローレートが1〜60g/10分、密度が0.898〜0.907g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とを含有することを特徴とするプロピレン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、造核剤を、該組成物100重量部に対して、0.05〜0.3重量部の割合で配合することを特徴とするプロピレン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、造核剤が、有機リン酸エステル金属塩であることを特徴とするプロピレン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第2の発明において、造核剤が、下記一般式(I)で表される成分を主成分とする造核剤であることを特徴とするプロピレン樹脂組成物が提供される。
Figure 0005081540
(式(I)中、Metalは1価又は3価の金属を示す。)
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、さらに、エルカ酸アミド又はオレイン酸アミドを、該組成物100重量部に対して、0.01〜2重量部の割合で配合することを特徴とするプロピレン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明のプロピレン樹脂組成物から圧縮成形、又は射出成形してなることを特徴とする成形品が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、容器用樹脂キャップであることを特徴とする成形品が提供される。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物では、特定のエチレン−プロピレンブロック共重合体に特定の低密度のポリエチレンを配合したことにより材料のモルフォロジーが変化し、低温衝撃性を保持しつつ白化しにくい樹脂組成物となる。また、造核剤を配合して更に剛性を高めバランスの良い樹脂組成物を得ることができる。よって、本プロピレン樹脂組成物から得られたキャップは、難白化性、剛性、低温耐衝撃性、耐熱性などが求められる飲料キャップの用途に適しており、現在、キャップに要求されている全ての要求を満たす。
本発明は、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体と(B)ポリエチレンを含有し、必要に応じて、さらに造核剤、エルカ酸アミド又はオレイン酸アミド等を含有するプロピレン樹脂組成物、および該樹脂組成物から成形された樹脂キャップである。以下、プロピレン樹脂組成物を構成する成分、樹脂組成物の製造方法、成形品について詳細に説明する。
1.プロピレン樹脂組成物
(1)エチレン−プロピレンブロック共重合体(A)
本発明のプロピレン樹脂組成物に用いる(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体は、ポリプロピレンセグメント(以下、ホモ部ということがある。)とエチレン・プロピレン共重合体セグメントとから基本的に構成された重合体であって、必要に応じてさらにポリエチレンセグメントが共存していてもよい。ポリプロピレンセグメントは結晶性であって、主にブロック共重合体の剛性等の機械強度付与に寄与している。エチレン・プロピレン共重合体セグメントはゴム的な性質を有しており、ブロック共重合体のゴム部分を形成し、耐衝撃性の付与に寄与している。
ブロック共重合体中に占めるポリプロピレンセグメントは、70〜95重量%が好ましく、より好ましくは86〜93重量%であり、エチレン・プロピレン共重合体セグメントは、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは7〜14重量%である。この範囲にあると樹脂組成物の諸機械的な物性向上に適している。
ブロック共重合体の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、2〜80g/10分、好ましくは7〜13g/10分である。この範囲にあると樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、成形温度に由来する高生産速度に適した樹脂組成物を与え、MFRが2g/10分未満では成形が困難になり、80g/10分を超えると良好な耐衝撃性が得られなくなる。
ここで、230℃におけるMFRは、ASTM D−1238に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定する値である。
また、ホモ部(ポリプロピレンセグメント)の立体規則性は、0.960以上であり、好ましくは0.965以上である。立体規則性が0.960未満では成形時に成形品が変形しやすくなる。
ここで、立体規則性は、13C−NMR法で測定する値である。
さらに、ブロック共重合体中の全エチレン含有量は、2〜12重量%であり、好ましくは4〜9重量%である。この範囲にあると樹脂組成物の耐衝撃性に適している。全エチレン含有量が2重量%未満であると耐衝撃性が不十分であり、12重量%を超えると剛性が不十分となる。
ここで、エチレン含有量は、IR法で測定する値である。
このようなエチレン−プロピレンブロック共重合体は、オレフィンの立体規則性重合触媒の存在下に、プロピレンの単独重合、次いでプロピレンとエチレンとの共重合、必要に応じてエチレンの単独重合を行う、いわゆる多段重合法を採用することによって製造することができる。また、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、必要に応じてエチレン単独重合体を機械的に溶融混練りすることによっても製造することができる。
本発明で用いられるエチレン−プロピレンブロック共重合体を得るために用いられる触媒としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウムを組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報等に記載)が使用できる。本発明では、剛性、耐衝撃性のバランスが良いプロピレン系ブロック共重合体が特に好ましいため、一般的に立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒がより好ましい。またメタロセン触媒を用いて製造したエチレン−プロピレンブロック共重合体は、(B)成分がメタロセン触媒を用いて製造した低密度ポリエチレンである場合、相溶性が良くより好ましい。
(2)ポリエチレン(B)
本発明のプロピレン樹脂組成物に用いるポリエチレン(B)は、密度0.860〜0.940g/cmのポリエチレンであって、エチレン単独重合体でも構わないが、ポリエチレン(B)の30wt%以下、好ましくは15〜25wt%の他のα−オレフィンとを共重合させた重合体を用いると耐衝撃性が良好となる。他のα−オレフィンの例としては、プロパン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。
また、分子量分布の幅の指標である(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は7未満が良く、好ましくは3.5未満で、更に3未満であると剛性と耐衝撃性の物性バランスが良好となる。尚、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は一般的なGPCにより測定する事ができる。
ポリエチレンの190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、1〜60g/10分、好ましくは3〜40g/10分である。この範囲にあると樹脂組成物の(A)成分と(B)成分の混ざりが良く、難白化性に優れたバランスのとれた樹脂組成物を得ることができる。MFRが1g/10分未満、または60g/10分を超えると(A)成分への分散が悪くなり安定した組成物が得られなくなる。
ここで、190℃におけるMFRは、ASTM D−1238に準拠して190℃、2.16kg荷重下で測定した値である。
また、ポリエチレンの密度は、0.860〜0.940g/cmであり、好ましくは0.880〜0.920g/cmである。密度が0.860g/cm未満であると剛性が不十分であり、0.940g/cmを超えると白化が目立ちやすくなる。
ここで、密度は、ASTM D1505に準拠して測定する値である。
このような(B)ポリエチレンは、オレフィンの立体規則性重合触媒を用い、分子量調整を図りつつエチレンおよび必要に応じて他のα−オレフィンを共存させて重合することによって、製造することができる。
(3)造核剤
本発明のプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて、造核剤(以下の説明では単に核剤とも云う。)を添加配合することができる。使用できる造核剤としては、(a)p−tert−ブチル安息香酸アルミニウム等のカルボン酸金属塩、(b)ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、(c)ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等の有機リン酸エステル金属塩、(d)分岐状オレフィン、例えば3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の単独重合体または共重合体等のポリマー核剤、等々を挙げることができる。
これらの中でも有機リン酸エステル金属塩が好ましく、臭気が少なく食品用途に向くばかりでなく、その添加によってプロピレン樹脂組成物の剛性と耐衝撃性との良好なバランスを図り、かつ優れた難白化性を付与することができる。有機リン酸エステル金属塩としては、構造式(II)で表されるナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、一般式(III)で表されるアルミニウム化合物等を例示することができる。特に、式(II)で表される化合物の効果が高い。
Figure 0005081540
(式(II)中、t−Buはtert−ブチル基を示す。)
Figure 0005081540
上記式(III)において、RおよびRは、各々独立して水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−エチルヘキシル等の基を例示することができる。Xはアルキレン基であって、メチレン、エチレン、プロピレン基等を挙げることができる。
具体的には、Xがメチレン基であって、Rがtert−ブチル基、Rがメチル基の化合物、またXがメチレン基であって、RおよびRがtert−ブチル基の化合物、さらにXがメチレン基であって、RおよびRがtert−アミル基の化合物を例示することができる。
また、キャップの生産速度を特に重要視したい場合は、キャップの接液する飲料によって造核剤が抽出されない飲料系で下記一般式(I)で表される成分を主成分とする造核剤を用いることが好ましい。なお、本発明でいう「主成分」とは含有量が50重量%以上であることを示す。また含有量は70重量%以上が好ましく、80重量%以上が特に好ましい。
Figure 0005081540
上記式(I)において、Metalは1価または3価の金属を指し、その中でも1価が好ましい。特に好ましいMetalは、ナトリウムである。なお、3価金属の場合は水酸基を含むアルミニウム金属も可能である。
(4)その他の添加剤
本発明のプロピレン樹脂組成物には、さらに必要に応じて、フェノール系、リン系、あるいはチオエーテル系の酸化防止剤、中和剤、光安定剤、耐候性安定剤、顔料、染料、ステアリルアミドやエルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の滑剤、タルクなどの充填剤等の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。
特に、滑剤を添加するとキャップ成形時の無理抜きの際などに発生する白化を防止する効果が向上される。エルカ酸アミド又はオレイン酸アミドを配合する場合は、組成物100重量部に対して、0.01〜2重量部の割合で配合するのが好ましい。
(5)各成分の配合割合
本発明のプロピレン樹脂組成物における、上記(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体と(B)ポリエチレンの配合割合は、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体が60〜99重量部、好ましくは80〜95重量部であり、(B)ポリエチレンが1〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。この範囲内であると、製品であるキャップは白化しにくく、低温での耐衝撃性が優れる樹脂組成物となる。
本発明のプロピレン樹脂組成物において、造核剤を配合する場合は、組成物100重量部に対して、造核剤を好ましくは0.05〜0.30重量部、より好ましくは0.07〜0.30重量部、さらに好ましくは0.07〜0.20重量部の割合で配合する。配合割合がこの範囲内であると、プロピレン樹脂組成物の剛性と更なる耐熱性、結晶化速度向上といった全てのバランスに優れた組成物を得ることができる。
2.プロピレン樹脂組成物の製造
本発明のプロピレン樹脂組成物は、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体、および(B)ポリエチレン、必要に応じて造核剤、その他の添加剤を前記した配合量範囲で、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどの混合機を用いて混合した後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練りすることによって、均一組成の組成物を得ることができる。
3.成形体
前記のプロピレン樹脂組成物に、必要に応じ、顔料マスターバッチをブレンドし、これを圧縮成形、又は射出成形により、キャップ等の各種の成形品を製造することができる。
上記で使用される顔料マスターバッチとしては、無機顔料または有機顔料系のマスターバッチのいずれも使用することができる。前者としては各種金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、後者はフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンジジン系、クロモフタル系、ペリレン系の化合物が挙げられる。
成形品として、樹脂キャップを製造する場合は、最も生産性の高い圧縮成形が特に好ましい。本発明のキャップは、食品分野、医療分野などのキャップとしての広範囲の産業分野で利用することができる。
特に、食品容器およびそのキャップ、具体的にはPETボトルキャップへの利用に適しており、高い難白化性と耐衝撃性を有していることから、炭酸飲料用のライナーの有るキャップやライナーの無いキャップに活用することができる(ただし、PETボルトのキャップは、シール性を保持する為にキャップの内側天面にライナー材をつけたタイプとライナーを使わず形状でシール性を保持するタイプがあり、ライナー材は、柔らかい材質でキャップ本体の材料とは異なる。)。
本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた物性値の測定法、評価法、樹脂および添加剤は以下の通りである。
1.物性の測定法、評価法
(1)メルトフローレート(MFR):ASTM D−1238に準拠して、プロピレン系樹脂は230℃、2.16kg荷重で測定し、エチレン系樹脂は190℃、2.16kg荷重で測定した(単位:g/10分)。
(2)曲げ弾性率:23℃にて、ASTM D−790に準じて測定した(単位:MPa)。
(3)アイゾット衝撃強度:ノッチ付きの試験片を用い、5℃又は0℃にて、ASTM D−256に準じて測定した(単位:J/m)。
(4)白化性:
その1:
デュポン衝撃試験装置を用い、12.7mmの受け台、半径8mmの半円形の撃芯先端、1kgの荷重を用い、受け台の上にキャップを置きキャップ天面の中央に撃芯を当て30cmの高さから荷重を落下させ白化程度を確認し、次の基準で判定した。
◎:とても良好
○:良好
△:白化が目立つ
×:白化が著しく目立つ
その2:
その1と同様にデュポン衝撃試験装置を用い、12.7mmの受け台、半径8mmの半円形の撃芯先端にて、100mm×100mm×肉厚1mmの平板に撃芯を当て30cmの高さより荷重を落下させた時の白化程度を確認した。荷重は100g〜1000gまで100g毎に平板の位置をずらして落下させ、白化程度を確認し、その1と同じ判定基準で判断した。また、その試験後の平板を写真撮影した。
(5)成形性:キャップを射出成形したときの成形具合を観察し、次の基準で判定した。
○:良好な成形品が得られる。
×:成形品が変形している。
(6)ヘイズ:JIS K7105に準拠し肉厚2mm又は1mmのヘイズ(%)を測定した。
(7)引張降伏強度、及び引張破断伸び(引張試験):JIS K7113に準拠して降伏強度と伸びを測定した。
2.各成分(樹脂、添加剤)
イ.PP成分
(A−1)エチレン−プロピレンブロック共重合体:エチレン含有量5wt%、エチレン・プロピレン共重合体セグメント10wt%、MFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、ホモ部立体規則性0.970(13C−NMRによる測定)
(A−2)エチレン−プロピレンブロック共重合体:エチレン含有量5wt%、エチレン・プロピレン共重合体セグメント10wt%、MFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、ホモ部立体規則性0.950(13C−NMRによる測定)
(A−3)エチレン−プロピレンランダム共重合体:エチレン含有量2wt%、MFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、
(A−4)プロピレン単独重合体:MFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、立体規則性0.970(13C−NMRによる測定)
(A−5)エチレン−プロピレンブロック共重合体:エチレン含有量3.5wt%、エチレン・プロピレン共重合体セグメント7wt%、MFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、ホモ部立体規則性0.960(13C−NMRによる測定)
ロ.PE成分
(B−1)低密度ポリエチレン:密度(ASTM D1505)0.907g/cm、MFR(ASTM D−1238,190℃、2.16kg荷重)12g/10分。日本ポリエチレン(株)カーネル KS571。
(B−2)高密度ポリエチレン:密度(ASTM D−1505)0.963g/cm、MFR(ASTMD−1238、190℃、2.16kg荷重)3.5g/10分。
(B−3)低密度ポリエチレン:密度(ASTM D−1505)0.905g/cm、MFR(ASTMD−1238、190℃、2.16kg荷重)3.5g/10分。日本ポリエチレン(株)カーネル KF370。
(B−4)低密度ポリエチレン:密度(ASTM D−1505)0.898g/cm、MFR(ASTMD−1238、190℃、2.16kg荷重)38g/10分。日本ポリエチレン(株)カーネル KJ650T。
(B−5)高密度ポリエチレン:密度(ASTM D−1505)0.964g/cm、MFR(ASTMD−1238、190℃、2.16kg荷重)7.0g/10分。日本ポリエチレン(株)ノバテックHD HJ560。
ハ.添加剤成分
(C)フェノール系酸化防止剤:テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
(D)リン系酸化防止剤:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
(E)中和剤:ステアリン酸カルシウム
(F−1)造核剤:リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム
(F−2)造核剤:前記一般式(I)で表されるCAS No.351870−33−2;80wt%、CAS No.7631−86−9;10wt%、CAS No.112−84−5;10wt%から構成される商品名HPN−68L(ミリケンジャパン製)
(G)滑剤:エルカ酸アミド
(H)フィラー:タルク(松村産業株式会社のタルク ハイ・フィラーP7)
(実施例1〜3)
樹脂および添加剤を表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、その後ヘンシェルミキサー中で均一混合した。次いで、高速二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃にて溶融混練し、その混練物を押出してペレットを得た。このペレットを用いて射出成形にて試験片を作成し、曲げ試験、アイゾット試験をおこなった。また、射出成形にてキャップを成形し成形性を確認し、このキャップ天面に高さ30cmの位置から1kgの荷重を落下させた時の白化程度を確認した。結果を表1に示す。
(比較例1〜5)
表1に記載した樹脂および添加剤を用いた以外は、実施例1と同様に行い、ペレットおよび試験片を得た。その後、物性試験を行い、その結果を表1に示す。
(実施例4〜12)
樹脂および添加剤を表2に記載の配合割合(重量部)で準備し、その後ヘンシェルミキサー中で均一混合した。次いで、高速二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃にて溶融混練し、その混練物を押出してペレットを得た。このペレットを用いて射出成形にて試験片を作成し、曲げ試験、アイゾット試験、ヘイズ測定、引張試験、白化性試験(その2)をおこなった。また、射出成形にてキャップを成形し、成形性を確認した。結果を表2に示す。
(比較例6〜8)
表2に記載した樹脂および添加剤を用いた以外は、実施例4と同様に行い、ペレットおよび試験片を得た。その後、物性試験を行い、その結果を表2に示す。
Figure 0005081540
Figure 0005081540
表1と2から明らかなように、実施例1〜12は、難白化性が良好で、高剛性であり低温衝撃性に優れている。一方、比較例1,6,8では白化が著しく、比較例2,7も白化が目立つ。また、比較例3は、射出成形時の取り出し時に製品が変形してしまう不具合が発生した。比較例4と比較例5は、難白化性は良好であるが、低温の衝撃性が低い。
また、表2より、本発明の範囲内であれば充填剤であるタルクを実施例8に示す程度を添加しても、難白化性が良好で、剛性と衝撃のバランスの優れた成形品が得られる事が判る。
以上より、実施例1〜12で得られた樹脂組成物は、比較例1〜8と比べて、難白化性、高剛性、低温衝撃性、成形性の優れた組成物であることがわかる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、低温衝撃性を保持しつつ白化しにくい樹脂組成物であるので、本樹脂組成物から得られたキャップは、難白化性、剛性、低温耐衝撃性、耐熱性などが求められる飲料キャップの用途に適し、現在、キャップに要求されている全ての要求を満たす。したがって、食品分野、医療分野などのキャップとしての広範囲の産業分野で利用することができる。

Claims (7)

  1. (A)230℃におけるメルトフローレートが2〜80g/10分、ホモ部立体規則性が0.960以上、且つ全エチレン含有量が2〜12重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜99重量部と、(B)190℃におけるメルトフローレートが1〜60g/10分、密度が0.898〜0.907g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とを含有することを特徴とするプロピレン樹脂組成物。
  2. さらに、造核剤を、該組成物100重量部に対して、0.05〜0.3重量部の割合で配合することを特徴とする請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  3. 造核剤が、有機リン酸エステル金属塩であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレン樹脂組成物。
  4. 造核剤が、下記一般式(I)で表される成分を主成分とする造核剤であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレン樹脂組成物。
    Figure 0005081540
    (式(I)中、Metalは1価又は3価の金属を示す。)
  5. さらに、エルカ酸アミド又はオレイン酸アミドを、該組成物100重量部に対して、0.01〜2重量部の割合で配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン樹脂組成物から圧縮成形、又は射出成形してなることを特徴とする成形品。
  7. 容器用樹脂キャップであることを特徴とする請求項6に記載の成形品。
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