JP2005015597A - 石油樹脂組成物及び熱溶融型道路標示塗料組成物 - Google Patents

石油樹脂組成物及び熱溶融型道路標示塗料組成物 Download PDF

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春雄 柳瀬
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Abstract

【課題】短い溶融混練時間で、経時後での老化クラックの発生を抑制できる熱溶融型道路標示塗料組成物、該塗料組成物の製造方法および該塗料組成物に好適な石油樹脂組成物を提供する。
【解決手段】石油樹脂(a)50〜97重量%および熱可塑性エラストマー(b)50〜3重量%からなる石油樹脂組成物。該石油樹脂組成物、充填剤および着色顔料からなる塗料組成物を乾式混合して得られる熱溶融型道路標示塗料組成物。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短い溶融混練時間で、経時後での老化クラックの発生を抑制できる熱溶融型道路標示塗料組成物、該塗料組成物の製造方法および該塗料組成物に好適な石油樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
横断歩道、中央線、外側線などの路面区画線標示用に使用される道路標示塗料としては、粘結樹脂、着色顔料、充填剤、可塑剤、ワックス、安定剤、酸化防止剤、およびガラスビーズなどからなる熱溶融型の塗料が汎用されている。このような熱溶融型道路標示塗料は、それを構成する各成分をミキサーで乾式混合した混合物を、施工現場において、加熱ニーダ−を用いて溶融混練し、得られた溶融物を溶融状態で塗布することにより施工される。
【0003】
従来の熱溶融型道路標示塗料は、経時後に老化クラックが発生しやすい。可塑剤の増量などにより、ある程度このような問題点を改良できるものの、その改良度合いは不十分であった。
【0004】
経時後の老化クラックの発生を抑制するために、従来の熱溶融型道路標示塗料組成物に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などの融点が60〜140℃のゴム弾性樹脂を0.1〜20重量%の割合で配合した塗料組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような塗料組成物を用いることにより、経時後の老化クラックの発生を抑制できるものの、その老化クラック抑制性能を十分に発現させるには、塗料組成物を構成する各成分を予め乾式混合した混合物を施工現場において溶融混練する時間を従来のものよりかなり長くする必要があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−160058号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、短い溶融混練時間で、経時後の老化クラックの発生を抑制できる熱溶融型道路標示塗料組成物、該塗料組成物の製造方法および該塗料組成物に好適な石油樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討を進めた結果、石油樹脂に特定量の熱可塑性エラストマーを含有させた石油樹脂組成物と、塗料組成物を構成する他の成分とを乾式混合する方法を採用することにより、塗料組成物を構成する各成分を乾式混合した混合物の溶融混練時間を短くしても、経時後の老化クラックの発生を十分に抑制できることを見出し、この知見に基づき発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明によれば、石油樹脂(a)50〜97重量%および熱可塑性エラストマー(b)50〜3重量%からなる石油樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記の石油樹脂組成物、充填剤および着色顔料からなる塗料組成物を乾式混合することを特徴とする熱溶融型道路標示塗料組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の製造方法で得られる熱溶融型道路標示塗料組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる石油樹脂(a)は、ナフサ中の炭素数5の不飽和炭化水素を主成分として含む留分(以下、「C5留分」ともいう。)、炭素数9の不飽和炭化水素を主成分として含む留分(以下、「C9留分」ともいう。)、またはこれらの混合物を単量体として、フリーデルクラフト触媒を用いて、カチオン重合して得られる重合体である。
【0010】
C5留分を構成する化合物としては、例えば、イソプレン、ピペリレン、2−メチルブテン−1、シクロペンタジエンなどが挙げられる。
C9留分を構成する化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなどが挙げられる。
【0011】
フリーデルクラフト触媒としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムなどのハロゲン化アルミニウム;三フッ化ホウ素などが挙げられる。
【0012】
カチオン重合は、前記の単量体と、前記のフリーデルクラフト触媒とを接触させることにより行なわれる。カチオン重合は、重合反応を阻害しない重合溶媒の存在下で行なうこともできる。そのような重合溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロへキサンなどの鎖状または環状の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが使用できる。
【0013】
本発明で用いる石油樹脂(a)は、上記のようにして得られた重合体に無水マレイン酸などを付加させた変性重合体であっても、上記のようにして得られた重合体を水素添加した水添重合体であってもよい。
本発明の石油樹脂組成物を熱溶融型道路標示塗料の必須成分として用いる場合は、石油樹脂(a)として、無水マレイン酸変性石油樹脂が好ましく使用できる。
【0014】
C5留分から得られる重合体をC5系石油樹脂、C9留分から得られる重合体をC9系石油樹脂、C5留分とC9留分の混合物から得られる重合体をC5−C9系石油樹脂、およびこれらの重合体を水素添加して得られる重合体を水添石油樹脂と略称でいう場合がある。
【0015】
石油樹脂(a)の軟化点は、好ましくは70〜150℃、より好ましくは90〜130℃である。
【0016】
本発明で用いる熱可塑性エラストマー(b)は、0℃以下に少なくともひとつのガラス転移温度を有する重合体であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、低密度ポリエチレン、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどがある。なかでも、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーが好ましく使用できる。
【0017】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などが挙げられる。なかでも、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体が好ましく、ポリ芳香族ビニルブロック−ポリ共役ジエンブロック−ポリ芳香族ビニルブロック構造を有するブロック共重合体がより好ましく使用できる。
【0018】
ポリ芳香族ビニルブロック−ポリ共役ジエンブロック構造を有するブロック共重合体としては、例えば、下記一般式(I)または(II)で表される末端に2つ以上のポリ芳香族ビニルブロックを有するもの、下記一般式(III)で表されるジブロック型のもの、およびそれらの混合物を使用することができる。なかでも、老化クラックの発生を抑制する効果に優れる点で、一般式(III)で表されるジブロック型ブロック共重合体を10〜90重量%含むブロック共重合体混合物が好ましく使用できる。
【0019】
A−B−A 一般式(I)
(式中、Aはポリ芳香族ビニルブロックを表し、Bはポリ共役ジエンブロックを表す。)
(A−B)nX 一般式(II)
(式中、Aはポリ芳香族ビニルブロックを表し、Bはポリ共役ジエンブロックを表し、Xはカップリング剤残基を表し、nは2以上の整数である。)
A−B 一般式(III)
(式中、Aはポリ芳香族ビニルブロックを表し、Bはポリ共役ジエンブロックを表す。)
【0020】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンなどが挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。
【0021】
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。なかでも、イソプレンが好ましい。
【0022】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーの芳香族ビニル単量体単位量は、特に限定されないが、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
【0023】
熱可塑性エラストマー(b)の重量平均分子量は、好ましくは30,000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜500,000である。
【0024】
本発明の石油樹脂組成物は、石油樹脂(a)50〜97重量%、好ましくは60〜85重量%および熱可塑性エラストマー(b)50〜3重量%、好ましくは40〜15重量%からなる。
石油樹脂(a)の含有量が少ないと、本発明の効果が発現せず、逆に多いと、熱溶融型道路標示塗料組成物中の熱可塑性エラストマー(b)の含有量を所定の範囲に調整することが困難となったり、石油樹脂組成物を大量に配合する必要が生じて、熱溶融型道路標示塗料組成物としての物性のバランスを調節することが困難になったりする。
【0025】
本発明の石油樹脂組成物は、石油樹脂(a)および熱可塑性エラストマー(b)を溶融状態で混合したり、両者を溶解し得る溶媒を用いて、溶液状態で混合した後、溶媒を除去したりして調製できる。なかでも、両者を溶融状態で混合する方法が好ましい。
【0026】
両者を溶融状態で混合する方法としては、例えば、加熱ロール混練機、密閉式の単軸または2軸のローター混練機、単軸押出機、多軸押出機などを用いて、加熱溶融状態で混合する方法が挙げられる。
【0027】
本発明の石油樹脂組成物の形状としては、特に限定されないが、ベール状、ストランド状、クラム状、ペレット状、フレーク状、粉末状などの形状が挙げられる。なかでも、ペレット状の形状であることが好ましい。
ペレット状の形状は、詳細には、ビーズ状、楕円球状、円柱状、楕円柱状、サイコロ状などの形状が挙げられるが、これらの形状には何ら限定されない。
ペレットの大きさは、長径が好ましくは1〜10mmである。
【0028】
ペレット状に成形するには、例えば、単軸押出機または多軸押出機で溶融混合した後、押出機の出口でホットカットまたは水中カットしたり、ストランド状の押出物をストランドカットしたり、シート状の押出物をシートカットする方法が採用できる。
【0029】
本発明の石油樹脂組成物は、本発明の効果を本質的に損なわない範囲において、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、着色顔料、染料、消臭剤などを含有していてもよい。
【0030】
石油樹脂組成物がペレット状の形状を有する場合、石油樹脂(a)および熱可塑性エラストマー(b)の合計100重量部に対して、ブロッキング防止剤(c)0.05〜2重量部を添加することが好ましい。ブロッキング防止剤(c)を添加することにより、石油樹脂組成物ペレットを長期に亘り保管しても、ペレット同士のブロッキングが抑制でき、石油樹脂組成物ペレットの取り扱いが容易である。
【0031】
ブロッキング防止剤(c)の添加方法としては、使用した石油樹脂(a)の軟化温度以下の温度で、ペレット状の石油樹脂組成物とブロッキング防止剤(c)とを混合する方法が好ましい。混合は、例えば、タンデムミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合装置を用いればよい。
【0032】
ブロッキング防止剤(c)としては、例えば、融点が30℃以上のワックス、無機粉体、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩などが挙げられる。なかでも、融点が30℃以上のワックスおよび無機粉体が好ましく使用できる。
【0033】
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。ワックスの融点は、30℃以上、より好ましくは50℃以上である。
ワックスの添加量は、石油樹脂(a)および熱可塑性エラストマー(b)の合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜1重量部である。
【0034】
無機粉体としては、例えば、タルク、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、ケイ酸アルミニウムなどの粉体が挙げられる。なかでも、炭酸カルシウムが好ましく使用できる。
無機粉体の数平均粒子径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。
無機粉体の添加量は、石油樹脂(a)および熱可塑性エラストマー(b)の合計100重量部に対して、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0035】
本発明の石油樹脂組成物は、例えば、テープ、ラベルなどの粘接着製品の粘接着剤、アスファルト改質剤、熱溶融型道路標示塗料などに使用できる。なかでも、熱溶融型道路標示塗料に好適に使用できる。
【0036】
本発明の熱溶融型道路標示塗料組成物の製造方法は、前記の石油樹脂組成物、充填剤および着色顔料からなる塗料組成物を乾式混合することを特徴とする。
【0037】
石油樹脂組成物の配合量は、塗料組成物中、熱可塑性エラストマー(b)が好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲となる量である。
【0038】
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、寒水石、タルク、溶融アルミナ等従来から用いられているものが使用できる。その配合量は、塗料組成物中、好ましくは25〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。
【0039】
着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白等の白色顔料;黄鉛、耐熱黄鉛、有機系黄色顔料等の黄色顔料が挙げられる。着色顔料の配合量は、塗料組成物中、1〜10重量%が好ましく、2〜6重量%がより好ましい。着色顔料の配合量がこの範囲であれば、昼間、夜間とも視認性が良好である。
【0040】
前記塗料組成物には、上記の成分以外に、粘結樹脂、可塑剤、反射材、無機繊維、有機繊維、蓄光顔料、蛍光顔料、夜光顔料、沈降防止剤、流動性改良剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などを配合してもよい。
【0041】
粘結樹脂としては、例えば、生ロジン、マレイン化ロジン、マレイン化ロジンエステル樹脂、水添ロジン、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。粘結樹脂の軟化点は、好ましくは70〜150℃、より好ましくは90〜130℃である。
粘結樹脂の配合量は、塗料組成物に配合される石油樹脂組成物中の石油樹脂(a)と粘結樹脂との総量で、塗料組成物中、好ましくは10〜20重量%になる量である。
【0042】
可塑剤としては、例えば、植物油、鉱物油、エポキシ化油、液状ゴムなどが挙げられる。その配合量は、塗料組成物中、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜4重量%である。可塑剤の配合量がこの範囲であれば、施工し易く、低温時の可とう性、乾燥性および汚染性も良好である。
【0043】
反射材としては、主にガラスビーズが用いられる。ガラスビーズの粒径は、好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmである。粒径がこの範囲であれば、視認性に優れる。
反射材の配合量は、前記塗料組成物中、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。配合量がこの範囲にあれば、施工し易く、夜間での視認性にも優れている。
経日の視認性を向上させる目的でガラスカレット(粒径0.1〜3mm程度)を混合しても良い。
【0044】
以上の塗料組成物を構成する各成分を乾式混合することにより、熱溶融型道路標示塗料組成物が製造できる。本発明において、乾式混合するとは、配合された石油樹脂組成物が溶融しない条件で、各成分を混合することをいう。
乾式混合の方法としては、例えば、ヘンシェルミキサーなどで、100℃以下、好ましくは80℃以下で混合する方法が挙げられる。
得られた熱溶融型道路標示塗料組成物は、ポリエチレン製や紙製の袋に所定量詰めることにより、運搬し易くなる。
【0045】
本発明の熱溶融型道路標示塗料組成物は、前記の方法で得られるものである。
この熱溶融型道路標示塗料組成物は、通常、施工現場に運搬された後、加熱ニーダーなどの加熱溶融混練装置を用いて、170〜210℃で溶融混練される。得られた溶融物は、平滑表示・区画線用施工機を用いて、溶融状態で道路上に施工される。施工にあたり、予め道路表面に下地処理を施すこともできる。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。例中における「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0047】
熱溶融型道路標示塗料組成物の評価は、以下のように行なった。
(1)溶融混練状態
乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物を、ニーダ−混練機を用いて、180℃にて30分間混練した。30分間混練した直後の混練物の表面状態を観察して、以下の基準で判定した。
○:表面に艶があり、未溶融物が観察されない。
×:表面に未溶融物が観察される。
(2)経時でのクラック発生状態
溶融した熱溶融型道路標示塗料組成物を、スレート板に膜厚が2mmになるように塗装した試験片を作製した。この試験片をサンシャイン・スーパーロングライフウェザーメーター(WEL−SUN−HC:スガ試験機(株)製)にセットし、老化クラックの促進試験を行い、経時で、試験片の塗装表面を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:塗装表面にクラックが観察されない。
×:塗装表面にクラックが観察される。
【0048】
(実施例1)
石油樹脂(クイントンC200S:日本ゼオン(株)製)70部および熱可塑性エラストマーとしてスチレン−イソプレンブロック共重合体(クインタック3520:日本ゼオン(株)製)30部を、2軸のローター混練機を用いて、160℃で1時間混練した。さらに、この混練物を、押出機の出口にホットカット装置を備えた単軸押出機に供給して、長径が約3mmのビーズ状のペレットを得た。
冷却後の上記ペレットと、該ペレット100部に対して、0.5部に相当するブロッキング防止剤(ネオワックスACL:ヤスハラケミカル(株)製)とを、ヘンシェルミキサーを用いて、均一に混合して、石油樹脂組成物ペレットAを得た。配合組成を表1に示す。
【0049】
(実施例2)
ブロッキング防止剤として、ネオワックスACL0.5部に代えて、重質炭酸カルシウム1部を用いる以外は、実施例1と同様にして、石油樹脂組成物ペレットBを得た。配合組成を表1に示す。
【0050】
(比較例1)
石油樹脂の使用量を30部に、熱可塑性エラストマーの使用量を70部に変更する以外は、実施例2と同様にして、石油樹脂組成物ペレットCを得た。配合組成を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 2005015597
【0052】
(実施例3)
粘結樹脂として石油樹脂(クイントンC200S:日本ゼオン(株)製)14部、可塑剤として大豆油1.8部、充填剤として炭酸カルシウム(No.A重炭:丸尾カルシウム(株)製およびホワイトンSB青:白石カルシウム(株)製の1/1(重量比)混合物)64.2部、着色顔料として二酸化チタン(タイペークA220:石原産業(株)製)5部、反射材としてガラスビーズ(GB−153:東芝バロティーニ(株)製)15部、ワックス(ネオワックスL:ヤスハラケミカル(株)製)1部および0.5部の石油樹脂組成物ペレットAを、ヘンシェルミキサーを用いて、室温にて乾式混合し、熱溶融型道路標示塗料組成物を得た。この塗料組成物の溶融混練状態および経時でのクラック発生状態を測定し、その結果を表2に示す。
【0053】
(実施例4)
石油樹脂組成物ペレットAの使用量を3部に変更する以外は、実施例3と同様にして、乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物を得た。この塗料組成物の溶融混練状態および経時でのクラック発生状態を測定し、その結果を表2に示す。
【0054】
(実施例5)
石油樹脂組成物ペレットAの代わりに、石油樹脂組成物ペレットB3部を使用する以外は、実施例3と同様にして、乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物を得た。この塗料組成物の溶融混練状態および経時でのクラック発生状態を測定し、その結果を表2に示す。
【0055】
(比較例2)
石油樹脂組成物ペレットAを使用しない以外は、実施例3と同様にして、乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物を得た。この塗料組成物の溶融混練状態および経時でのクラック発生状態を測定し、その結果を表2に示す。
【0056】
(比較例3)
石油樹脂組成物ペレットAの代わりに、熱可塑性エラストマー(クインタック3520:日本ゼオン(株)製)0.9部を使用する以外は、実施例3と同様にして、乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物を得た。この塗料組成物の溶融混練状態および経時でのクラック発生状態を測定し、その結果を表2に示す。
【0057】
(比較例4)
石油樹脂組成物ペレットAの代わりに、石油樹脂組成物ペレットC3部を使用する以外は、実施例3と同様にして、乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物を得た。この塗料組成物の溶融混練状態および経時でのクラック発生状態を測定し、その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
Figure 2005015597
【0059】
表2から以下のようなことがわかる。
熱可塑性エラストマーを配合しない比較例2の熱溶融型道路標示塗料組成物は、比較的短時間で、均一に混合できるものの、老化クラックが発生し易い。
熱可塑性エラストマーを乾式混合した比較例3の熱溶融型道路標示塗料組成物は、比較的短時間で均一に混合することが困難であり、かつ老化クラックが発生し易い。
石油樹脂の割合が、本発明で規定する範囲より少ない石油樹脂組成物ペレットCを乾式混合した比較例4の熱溶融型道路標示塗料組成物は、比較的短時間で均一に混合することが困難であり、かつ老化クラックが発生し易い。
【0060】
これらの比較例に対して、本発明で規定する範囲内の石油樹脂組成物ペレットAまたはBを乾式混合した熱溶融型道路標示塗料組成物は、比較的短時間で均一に混合することができ、かつ老化クラックの発生も抑制されている(実施例3〜5)。
【0061】
【発明の効果】
短い溶融混練時間で、経時後での老化クラックの発生を抑制できる熱溶融型道路標示塗料組成物、該塗料組成物の製造方法および該塗料組成物に好適な石油樹脂組成物を提供する。

Claims (7)

  1. 石油樹脂(a)50〜97重量%および熱可塑性エラストマー(b)50〜3重量%からなる石油樹脂組成物。
  2. ペレット状である請求項1記載の石油樹脂組成物。
  3. 熱可塑性エラストマー(b)が芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体である請求項1又は2記載の石油樹脂組成物。
  4. 石油樹脂(a)および熱可塑性エラストマー(b)の合計100重量部に対して、ブロッキング防止剤(c)0.05〜2重量部を添加してなる請求項2記載の石油樹脂組成物。
  5. ブロッキング防止剤(c)が融点30℃以上のワックスまたは無機粉体である請求項4記載の石油樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の石油樹脂組成物、充填剤および着色顔料からなる塗料組成物を乾式混合することを特徴とする熱溶融型道路標示塗料組成物の製造方法。
  7. 請求項6の製造方法で得られる熱溶融型道路標示塗料組成物。
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