JP2005013819A - 円筒型ミストフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】捕集されたミストの再飛散が発生せず、しかも圧力損失が小さく、長寿命である円筒型ミストフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】ミストを含んだガス流を円筒型フィルタエレメント内に通過させてガス中のミストを分離する円筒型ミストフィルタにおいて、前記円筒型フィルタエレメントをガス流に対する上流層と下流層の二層構造に構成し、前記下流層を微小ミストを捕集するための微細繊維層に形成し、前記上流層を比較的大きいミストを捕集するための前記下流層よりも太い太繊維層に形成し、前記太繊維層を無機質長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体を用いて形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、酸ミスト、オイルミスト、可塑剤ミスト、水ミスト等の各種ミストをガス中から分離除去するために用いる円筒型ミストフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のミストフィルタとしては、繊維径1μm程度の微細ガラス繊維層と、これより太い繊維径のガラス繊維層との内外二層構造に構成した円筒型フィルタエレメントをパンチングメタル等の通気性ケーシング内に収容保持し、これをミスト捕集装置内に設けられた支持プレートに着脱自在としたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の二層構造の円筒型ミストフィルタの場合、ガス流の上流側に繊維径の太いガラス繊維層、下流側に微細ガラス繊維層が配置されているため、下流側の微細ガラス繊維層に上流層で捕集されなかった多くのミストを含むガス流が通過し、下流側で捕集するミストの量が多くなって、下流層の圧力損失が上昇し、この下流層にガス流が通過することにより、微細ガラス繊維層の表面からミスト液が再飛散してしまうという不都合があった。また、逆にガス流の上流側に微細ガラス繊維層、下流側に繊維径の太いガラス繊維層が配置されるようにして使用すると、上流側の微細ガラス繊維層で全てのミストが捕集されてしまい、上流側の微細ガラス繊維層の圧力損失が大きくなるという不都合を有している。このような従来のミストフィルタは圧力損失が大きいためフィルタ寿命が短いという問題がある。
そこで、本発明は前記従来の不都合を解消し、捕集されたミストの再飛散が発生せず、しかも圧力損失が小さく、長寿命である円筒型ミストフィルタを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の円筒型ミストフィルタは、前記目的を達成するべく、請求項1に記載の通り、ミストを含んだガス流を円筒型フィルタエレメント内に通過させてガス中のミストを分離する円筒型ミストフィルタにおいて、前記円筒型フィルタエレメントをガス流に対する上流層と下流層の二層構造に構成し、前記下流層を微小ミストを捕集するための微細繊維層に形成し、前記上流層を比較的大きいミストを捕集するための前記下流層よりも太い太繊維層に形成し、前記太繊維層を無機質長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体を用いて形成したことを特徴とする。
また、請求項2記載の円筒型ミストフィルタは、請求項1記載の円筒型ミストフィルタにおいて、前記下流層を繊維径0.5〜3μm、前記上流層を繊維径10〜30μmの各繊維で構成したこと特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の円筒型フィルタエレメントは、ガス流に対する上流層と下流層の二層構造に構成し、前記下流層を微細繊維層に形成し、前記上流層を前記微細繊維層の繊維よりも太い繊維で構成した太繊維層に形成している。この太繊維層は、無機質長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体を単数あるいは複数層巻き付けて形成している。
ガス流中のミストは、前記太繊維層から形成された上流層で比較的大きいミストが捕集され、前記微細繊維層から形成された下流層で微細なミストが捕集される。
本発明は、上流層となる太繊維層をカール形状に積層した多孔質構造体から形成しているため、繊維の交絡部分にガス流中のミストが付着しやすくなり、付着量が増大して液化しやすくなったミストが重力沈降により間隙の多い多孔質構造体を構成する繊維を伝わって落下除去しやすくなる。このように上流層のミスト捕集効率が向上するため、次層である微細繊維層を通過するガス流中には、微細なミストのみが含有され、微細繊維層に捕集されるミスト液が過大量とならず、また、微細繊維層の圧力損失も上昇しないため、過大量のミスト液が捕集されて圧力損失が上昇し、微細繊維層にガス流が通過することによって発生するミスト液の再飛散を防止することができる。
【0006】
前記上流層を形成する太繊維層は、無機質長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体を用いて形成している。
前記無機質長繊維の繊維径は、10〜30μmであることが好ましい。
前記範囲の繊維径が好ましいのは、以下の理由による。上流層の繊維の繊維径が10μm未満であるとミスト捕集効率が高すぎて、圧力損失が高くなり、ダストによる目詰まりが早く、寿命が短くなることに加えて毛細管力が働き、液滴化したミストが下部に落下除去しにくくなること、また30μmを超えるとミストを十分に捕集できず、次層での負荷が大きくなることに加えて空隙率が大き過ぎてコアレッシング効果によってミストを液滴化できないからである。
また、前記無機質長繊維としては、ガラス長繊維を用いることが好ましい。ガラス長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体は、下記の方法によって製造することができる。すなわち、例えば、左右に微動する巻き取りドラムの幅範囲で、溶融ガラスを引き出すためのノズルを微動させながら波形の連続繊維状に紡糸したガラス長繊維にバインダを吹き付けながらドラムに巻き取ってガラス長繊維が積層されたコンデンスマットを得、前記コンデンスマットをドラムから切り出してドラムに巻き付けた円周方向に対して、垂直方向に引っ張り、ガラス長繊維同士を展開することで、繊維がほぐれ、ガラス長繊維がカール形状に積層した多孔質構造体を形成することができる。
前記多孔質構造体は、嵩密度が4〜20kg/m、より好ましくは4〜12kg/mの低密度に形成することが好ましい。
前記嵩密度が4kg/m未満では、ミストを十分に捕集できない問題があり、20kg/mを超えると圧力損失が大きくなり好ましくない。
前記4〜12kg/mの低密度に形成した多孔質構造体の平均孔径は、100〜500μmであり、厚さは5〜20mmである。
なお、多孔質構造体は、ガラス長繊維だけでは繊維同士がほぐれてしまう場合があるため、前述のようにバインダで繊維同士を結束することが好ましい。バインダとしては、例えば、アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等を用いることが可能である。これらの樹脂からなるバインダは、カール形状に積層された繊維同士の交絡点を結束するものであるが、ガラス長繊維の表面にも担持されるため、バインダの担持量が多すぎると多孔質構造体の柔軟性を損なうことがある。
このため、バインダは、繊維総量に対して、2〜15質量%とすることが好ましい。
【0007】
前記下流層を形成する微細繊維層は、例えば、ガラスを火炎法、遠心法等により紡糸したガラス繊維等の無機質繊維からなり、前記無機質繊維は、ガス中の微小ミストを捕集するために繊維径が0.5〜3μmの微細繊維であることが好ましい。
前記下流層を形成する微細繊維の繊維径が0.5μm未満であると圧力損失が高くなりすぎ、このような微細繊維を形成することは製造上困難であり、製造コストが高くなるという問題があるからである。また、前記微細繊維の繊維径が3μmを超えると微小ミストの捕集効率が十分に得られないという問題があるからである。
前記下流層を構成する微細繊維層は、前記無機質繊維をバインダとともに集綿した生ウールを円筒型の繊維層として形成している。該繊維層は、嵩密度10〜100kg/m、平均孔径20〜100μm、厚さ10〜20mm程度にすることが好ましい。
【0008】
【実施例】
次に、本発明の円筒型ミストフィルタからなる円筒型フィルタエレメントとミスト捕集装置の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の円筒型ミストフィルタからなる円筒型フィルタエレメントの一実施例を示すもので、円筒型フィルタエレメント1は、ガス流を外方から内方へと通過させるタイプのものである。円筒型フィルタエレメント1は、強度を得るために内部に円筒型のパンチングメタル製またはクリンプ金網製等の補強用通気性コア4を備え、該補強用通気性コア4の外側に、内周部となる繊維径0.5〜3μmのガラス繊維からなる微細繊維層である下流層3を設け、該下流層3の外側に、外周部となる繊維径10〜30μmのガラス長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体を単数あるいは複数層巻き付けて形成した太繊維層である上流層2を設けた二層構造の円筒型ミストフィルタFを設けている。
【0009】
図2は、本発明の一実施例であるミスト捕集装置20の一部縦断面を示す側面図であり、図3は、図2のA−A矢視横断面図である。図2および図3中符号5は、円筒型ケーシングを示し、この円筒型ケーシング5は、側部上方に前記フィルタエレメント1の外周に接する仮想接線L上に位置するガス流入口6と、上部中央にガス排出口7とを設けている。円筒型ケーシング5の底部には、中央部に向かって傾斜を付けたドレン受け底盤5aを設け、該底盤5aの中央最下部には、ドレン抜き13を設けている。
また、本実施例においては、前記円筒型ケーシング5の上部に、ガス排出口7の下流側となるファン8と、このファン8を駆動するモータ9とを、円筒型ケーシング5に対して着脱自在となるように載置している。ファン8を収納しているケースには、円筒型ケーシング5のガス排出口7から排出されてきたガス流をミスト捕集装置20外部に流出する吹出口8aを設けている。
円筒型フィルタエレメント1は、円筒型の補強通気性コア4の中心部を通って円筒型フィルタエレメント1の底部を閉塞するミスト受皿11を下方から蝶ネジ12で固定した吊下治具10によって、円筒型ケーシング5の上部中央から着脱自在に吊下げ支持されている。なお、この吊下治具10は、円筒型ケーシング5のガス排出口7に設けた通気性のある支持プレート(図示省略)等によって、円筒型ケーシング5に支持されている。
ファン8およびモータ9を円筒型ケーシング5の上部に着脱自在に載置し、円筒型フィルタエレメント1を円筒型ケーシング5の上部中央から吊下治具10により着脱自在に支持したことによって、ファン8およびモータ9を円筒型ケーシング5から取り外し、さらに、円筒型フィルタエレメント1を取り外すことによって、簡単に円筒型ミストフィルタFを交換することができる。
【0010】
ミストを含んだガス流は、円筒型ケーシング5の上部に設置したファン8の駆動により、円筒型フィルタエレメント1の仮想接線上に位置する側部上方のガス流入口6から円筒型ケーシング5内に流入する。円筒型ケーシング5の側部上方に設けたガス流入口6から流入したガス流の一部は、直進して円筒型ケーシング5の壁にぶつかり、ガス流中の大きいミストが円筒型ケーシング5の壁部を伝わって分離されるため、円筒型フィルタエレメント1の主に上流層2の捕集負荷を低減することができる。円筒型ケーシング5内に流入したガス流は、ファン8の駆動によって、円筒型フィルタエレメント1の外方から内方へと吸い込まれ、外周部の上流層2から内周部の下流層3を通過する。
【0011】
円筒型フィルタエレメント1は、ガス流が流入する流入口6の面積に対して、フィルタ面積が十分大きく、ガス流入口6の下方まで配置されている。この円筒型フィルタエレメント1全体で、ガス流入口6から流入してきたガス流を円筒型フィルタエレメント1の外方から内方へ吸い込もうとするため、ファン8に近い円筒型フィルタエレメント1の上部において、最も多くのガス流が直接円筒型フィルタエレメント1の外方から内方へと吸い込まれ、ガス流の一部は、円筒型フィルタエレメント1の抵抗によって円周方向に沿って旋回流となり、ガス流の一部は、下方に位置する円筒型フィルタエレメント1によって下降流となって外方から内方へと吸い込まれる。円筒型ケーシング5内に流入したガス流の一部が旋回流もしくは下降流となって、円筒型ケーシング5の内壁にぶつかるガス流量が多くなるため、ガス流中の大きいミストが円筒型ケーシング5の壁部を伝わって分離される量が多くなり、円筒型フィルタエレメント1の捕集負荷を低減することができ、円筒型フィルタエレメント1を長寿命化することができる。
【0012】
そして、ガス流の一部が旋回流もしくは下降流となって、上流層2から下流層3へと通過したガス流は、円筒型フィルタエレメント1の補強用通気性コア4の内部から上昇流となって円筒型ケーシング5の上部に設けたガス排出口7から排出され、さらに、吹出口8aからミスト捕集装置20外に排出される。
【0013】
円筒型フィルタエレメント1の外周部の上流層2で捕集されたガス流中の比較的大きなミストは、繊維を伝わりながら下方へいくほど凝集・合体して大きな液滴に成長するコアレッシング効果により、上方から下方へと重力沈降し、ミスト受皿11へと落下除去される。一定量のミスト液がミスト受皿11に溜まると、ミスト液は、ミスト受皿11から補強通気性コア4、下流層3、上流層2を介して溢流し、円筒型ケーシング5のドレン受け底盤5aに滴下して中央最下部に集められる。なお、円筒型ケーシング5の壁部にぶつかってガス流中から分離除去されたミストも、円筒型ケーシング5の壁部を伝わって、底盤5aの中央最下部に集められる。そして、底盤5aの中央最下部に集められたミスト液は、ドレン抜き13から円筒型ケーシング5の外部に排出除去される。
【0014】
次に具体的な実施例を比較例とともに説明する。
(実施例)
前記実施例の円筒型フィルタエレメント1の構成において、上流層2を、平均繊維径が20μmのガラス長繊維にメラミン樹脂バインダを吹き付けて上記方法によって得たコンデスマットを上記方法で引っ張ってガラス長繊維を展開し、前記ガラス長繊維がカール形状に積層した、嵩密度10kg/m、平均孔径300μm、厚さ10mmの多孔質構造体を二層巻き付けて厚さ20mmに形成し、この上流層2を補強用通気性コア4の外周部に設けた。上流層2を形成する多孔質構造体は、厚さ方向に繊維密度勾配を有している。このような繊維密度勾配を有する多孔質構造体は、溶融ガラスを引き出すためのノズルを左右に移動させるスピードやドラムの回転数を変化させることにより、厚さ方向に繊維密度勾配を有するコンデスマットを得、このコンデンスマットを垂直方向に引っ張って、ガラス長繊維同士を展開して形成することができる。なお、前記多孔質構造体は、日本無機株式会社製のコスモ(登録商標)フィルタと同様のものである。そして、下流層3を、平均繊維径1μm、平均繊維長10〜20mmの微細ガラス繊維を集綿した嵩密度10kg/m、平均孔径8μm、厚さ7mmのフェルト状ガラスウールを1回巻き付けて、厚さ4mm、嵩密度18kg/mに圧縮形成し、前記上流層2の内周部に前記下流層3を設け、外周部の上流層2と内周部の下流層3の総厚が24mmの円筒型ミストフィルタFを設けた円筒型フィルタエレメント1とした。この円筒型フィルタエレメント1を前記実施例のミスト捕集装置20に取り付けた。
【0015】
(比較例)
上流層を、上記方法で得た実施例1と同様のコンデンスマットを特に引っ張ることなく展開して得られた厚さ2mmmのカール形状ではない平形ガラス繊維板を10枚を積層して、嵩密度60kg/m、平均孔径20μm、厚さ20mmに平形ガラス繊維板に形成し、この上流層を補強用通気性コアの外周部に設けた。そして、下流層を、前記実施例と同様に形成し、前記上流層2の内周部に前記下流層を設け、外周部の上流層と内周部の下流層の総厚が24mmの円筒型ミストフィルタを設け、円筒型フィルタエレメントとした。この円筒型フィルタエレメントを前記実施例のミスト捕集装置に取り付けた。
【0016】
前記実施例および比較例のミスト捕集装置について、0.3μm以上の粒子におけるミスト捕集効率、ミスト再飛散、前記ミスト捕集装置に用いた円筒型ミストフィルタの圧力損失、フィルタ寿命について、以下の方法で試験を行った。
[捕集効率]
DOP試験方法で、常温の条件下で重量法試験装置により測定した。
判定基準:捕集効率が90%以上の場合を○、捕集効率が90%未満の場合を×とした。
[ミスト再飛散]
通常運転の条件下で重量法試験装置により測定した。
判定基準:ミスト再飛散がない場合を○、ミスト再飛散がある場合を×とした。[圧力損失]
通常運転の条件下で圧力計試験装置により測定した。
判定基準:圧力損失が300Pa以下の場合を○、圧力損失が300Paを超えた場合を×とした。
[フィルタ寿命]
フィールド試験方法で、寿命試験装置により測定した。
判定基準:フィルタ寿命が8000時間以上の場合を○、フィルタ寿命が8000時間未満の場合を×とした。
[総体評価]
判定基準:捕集効率、ミスト再飛散、圧力損失、フィルタ寿命の評価が全て○の場合を優良とし、捕集効率、圧力損失、ミスト再飛散、フィルタ寿命のいずれかが×の場合を否とした。前記実施例および比較例のミスト捕集装置における前記試験の結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 2005013819
【0018】
表1から明らかなとおり、実施例のミスト捕集装置は、総体評価が優良であり、実施例の円筒型フィルタエレメントの上流層である太繊維層をガラス長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体から形成したため、繊維の交絡部分でミスト付着量を増大させてミストを液滴化しやすくし、さらに、間隙の多い多孔質構造体を構成する繊維に液滴化したミストが伝わって落下除去しやすくなるため、ミストの捕集効率が高いことが確認できた。また、上流層でガス流中の比較的大きなミストを確実に捕集するため、ミスト液の再飛散がなく、円筒型ミストフィルタの圧力損失が低く、フィルタ寿命が長いことが確認できた。なお、ミスト捕集装置の構成により、ガス流入口から直進して壁部にぶつかるガス流中のミストおよび下降流もしくは旋回流となって壁部にぶつかるガス流中のミストを、円筒型ケーシングの壁部に伝わらせて分離除去することができるため、このミスト捕集装置の構成によっても、ミスト捕集効率が向上されている。
比較例のミスト捕集装置に用いた円筒型ミストフィルタは、総体評価が否であり、ミストの再飛散はないものの、フィルタ寿命が短く、圧力損失が高いという問題があることが確認できた。また、実施例と同様の構成のミスト捕集装置であったとしても、円筒型フィルタエレメントの外周部に設けた太繊維層である上流層を通常の平形ガラス繊維板から形成した場合は、前記実施例ほどミスト捕集効率が向上されておらず、ガス中のミストの捕集効率は、目標とする90%まで達成できていなかった。
【0019】
【発明の効果】
本発明の円筒型ミストフィルタは、上流層が下流層よりも繊維径の太い太繊維からなり、前記上流層を無機質長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体から形成したため、多孔質構造体を構成する無機質長繊維の交絡部分でミスト付着量を増大させてミストを液滴化しやすくし、間隙の大きい多孔質構造体に伝わらせて落下除去するため、ミストの捕集効率を向上することができる。また、上流層においてガス流中の比較的大きいミストを確実に捕集するため、下流層となる微細繊維層に捕集するミストが過大量とならず、微細繊維層の圧力損失を上昇することがないため、過大量のミストを捕集して圧力損失が上昇した微細繊維層にガス流が通過することによって発生するミスト液の再飛散がなくなる。また、上流層の捕集効率を向上して円筒型ミストフィルタ全体の圧力損失が低下するため、円筒型ミストフィルタの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型フィルタエレメントの一部断面図含む斜視図。
【図2】本発明のミスト捕集装置の一実施例を示す一部縦断面図を含む側面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【符号の説明】
1 円筒型フィルタエレメント
2 上流層
3 下流層
4 補強用通気性コア
5 円筒型ケーシング
5a ドレン受け底盤
6 ガス流入口
7 ガス排出口
8 ファン
8a 吹出口
9 モータ
10 吊下治具
11 ミスト受皿
12 蝶ネジ
13 ドレン抜き
20 ミスト捕集装置
F 円筒型ミストフィルタ
L 仮想接線

Claims (2)

  1. ミストを含んだガス流を円筒型フィルタエレメント内に通過させてガス中のミストを分離する円筒型ミストフィルタにおいて、前記円筒型フィルタエレメントをガス流に対する上流層と下流層の二層構造に構成し、前記下流層を微小ミストを捕集するための微細繊維層に形成し、前記上流層を比較的大きいミストを捕集するための前記下流層よりも太い太繊維層に形成し、前記太繊維層を無機質長繊維をカール形状に積層した多孔質構造体を用いて形成したことを特徴とする円筒型ミストフィルタ。
  2. 前記下流層を繊維径0.5〜3μm、前記上流層を繊維径10〜30μmの各繊維で構成したこと特徴とする請求項1記載の円筒型ミストフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313495A (ja) * 2006-04-28 2007-12-06 Toray Ind Inc 均一に積層された捕捉材およびその製造方法
JP2013094699A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Toyota Boshoku Corp ミストセパレータ用の濾材
JP2015517896A (ja) * 2012-03-15 2015-06-25 アラントゥームAlantum エアゾール分離器

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