JP2005011725A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極と、負極と、非水電解質とを備え、正極または負極が、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質を集電体上に堆積して形成した電極であり、かつ該活物質がその厚み方向に形成された切れ目によって柱状に分離されており、該柱状部分の底部が集電体と密着している電極であるリチウム二次電池において、充放電サイクル特性を向上させる。
【解決手段】非水電解質の溶質として、例えば、化学式(1)で表されるようなフッ素含有ホウ酸リチウム誘導体が含有されていることを特徴としている。
【化1】
Figure 2005011725

【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高出力及び高エネルギー密度の新型二次電池の1つとして、非水電解質を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うリチウム二次電池が利用されている。
【0003】
このようなリチウム二次電池用電極として、リチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたものが検討されている。リチウムと合金化する材料としては、例えばシリコンが検討されている。しかしながら、シリコン等のリチウムと合金化する材料は、リチウムを吸蔵・放出する際に、活物質の体積が膨張・収縮するため、充放電に伴い活物質が微粉化したり、活物質が集電体から脱離する。このため、電極内の集電性が低下し、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった。
【0004】
本出願人は、非晶質シリコン薄膜や微結晶シリコン薄膜などのリチウムを吸蔵・放出する活物質薄膜を集電体上に堆積して形成した電極が、高い充放電容量を示し、かつ優れた充放電サイクル特性を示すことを見出している(特許文献1)。
【0005】
このような電極において、活物質薄膜はその厚み方向に形成された切り目によって柱状に分離されており、該柱状部分の底部が集電体と密着した構造を有している。このような構造を有する電極では、柱状部分の周囲に隙間が形成されており、この隙間によって充放電サイクルに伴う薄膜の膨張・収縮による応力が緩和され、活物質薄膜が集電体から剥離するような応力の発生を抑制することができるため、優れた充放電サイクル特性が得られる。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第01/29913号パンフレット
【特許文献2】
特開2002−110235号公報
【特許文献3】
特開2002−184460号公報
【特許文献4】
特開2002−184465号公報
【特許文献5】
特開2002−373703号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電極を用いたリチウム二次電池においては、充放電サイクル特性をさらに向上させたいという要望があった。
【0008】
本発明の目的は、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質を集電体上に堆積して形成した電極を用いたリチウム二次電池において、充放電サイクル特性がさらに向上したリチウム二次電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のリチウム二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備え、正極または負極が、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質を集電体上に堆積して形成した電極であり、かつ該活物質がその厚み方向に形成された切れ目によって柱状に分離されており、該柱状部分の底部が集電体と密着している電極であるリチウム二次電池において、非水電解質の溶質として、フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体が含有されていることを特徴としている。
【0010】
本発明においては、正極または負極として、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質を集電体上に堆積して形成した電極が用いられている。この電極において、活物質の薄膜の厚み方向に切れ目が形成され、薄膜が柱状に分離されている。このため、充放電によって薄膜の体積が膨張・収縮しても、柱状部分の周囲に存在する空隙により、このような体積の膨張及び収縮を吸収して、薄膜に応力が発生するのを抑制することができる。このため、薄膜の微粉化及び集電体からの剥離を防止することができ、充放電サイクル特性を高めることができる。本発明においては、非水電解質の溶質として、フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体が含有されており、このフッ素含有ホウ酸リチウム誘導体は、このようにして形成された柱状部分の側部の表面に作用し、被膜を形成するものと思われる。フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体により安定した被膜が形成されるため、柱状部分の構造が安定化し、活物質薄膜の微粉化がさらに抑制されて、充放電サイクル特性が飛躍的に改善されるものと思われる。
【0011】
本発明において用いるフッ素含有ホウ酸リチウム誘導体としては、例えば、以下の化学式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0012】
【化2】
Figure 2005011725
【0013】
上記のフッ素含有ホウ酸リチウム誘導体は、特許文献2〜5において、リチウム二次電池の非水電解質に溶解させる溶質として開示されている。しかしながら、これらのリチウム二次電池は、いずれも負極活物質に炭素系材料を用いている。また、その作用効果としては、アルミニウム集電体の表面に被膜を形成し、アルミニウム集電体の腐食を防止することが説明されている。従って、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵するシリコン等の活物質を用いた場合についての作用効果については開示されていない。本発明においては、従来の代表的な非水電解質の溶質であるLiPFを用いた場合に比べ、充放電サイクル特性が飛躍的に向上するという作用効果が得られる。このような作用効果については、上記特許文献には何ら記載されていない。
【0014】
本発明において、フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体は、非水電解質中に、0.1重量%以上含有されていることが好ましく、さらに好ましくは1重量%以上である。溶解量の上限値は特に限定されるものではなく、使用する溶媒に対する溶解度により異なる。通常、20重量%以下であることが好ましい。
【0015】
本発明における活物質の薄膜は、リチウムを吸蔵すると体積が膨張し、吸蔵したリチウムを放出すると体積が収縮する。このような体積の膨張及び収縮により薄膜に切れ目が形成される。特に、集電体表面に凹凸が存在すると、切れ目がより発生し易くなる。
【0016】
すなわち、表面に凹凸を有する集電体の上に活物質の薄膜を堆積して形成することにより、活物質の薄膜の表面にも、下地層である集電体表面の凹凸に対応した凹凸を形成することができる。このような薄膜の凹凸の谷部と、集電体表面の凹凸の谷部を結ぶ領域に、低密度領域が形成され易い。上記切れ目は、このような領域に沿って形成され、これによって薄膜が柱状に分離される。
【0017】
本発明において、集電体表面は、上述のように凹凸が形成されていることが好ましい。従って、集電体表面は粗面化されていることが好ましい。集電体表面の算術平均粗さRaは0.1μm以上であることが好ましく、0.1〜1μmであることがさらに好ましい。算術平均粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められている。算術平均粗さRaは、例えば、表面粗さ計により測定することができる。
【0018】
集電体表面を粗面化する方法としては、めっき法、気相成長法、エッチング法、及び研磨法などが挙げられる。めっき法及び気相成長法は、金属箔からなる集電体の上に、表面に凹凸を有する薄膜層を形成することにより、表面を粗面化する方法である。めっき法としては、電解めっき法及び無電解めっき法が挙げられる。また、気相成長法としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等が挙げられる。エッチング法としては、物理的エッチングや化学的エッチングによる方法が挙げられる。また、研磨法としては、サンドペーパーによる研磨やブラスト法による研磨等が挙げられる。
【0019】
本発明における集電体は、導電性金属箔から形成されていることが好ましい。導電性金属箔としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属またはこれらの組み合わせからなる合金のものを挙げることができる。特に、活物質材料中に拡散し易い金属元素を含有するものが好ましい。このようなものとしては、銅元素を含む金属箔、特に銅箔または銅合金箔が挙げられる。銅合金箔としては、耐熱性銅合金箔を用いることが好ましい。耐熱性銅合金とは、200℃1時間の焼鈍後の引張り強度が300MPa以上である銅合金を意味している。このような耐熱性銅合金箔の上に、算術平均粗さRaを大きくするために、電解法により銅層または銅合金層を設けた集電体が好ましく用いられる。
【0020】
本発明における活物質は、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質である。このような活物質としては、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、インジウム等が挙げられる。これらの中でも、シリコン及びゲルマニウムが、その高い理論容量から好ましく用いられる。特に、本発明における活物質は、シリコンを主成分とすることが好ましい。シリコンを主成分とする薄膜としては、シリコンを50原子%以上含む薄膜が挙げられる。具体的には、Si−Co合金薄膜、Si−Fe合金薄膜、Si−Zn合金薄膜、Si−Zr合金薄膜等が挙げられる。
【0021】
本発明において、活物質は、非晶質または微結晶であることが好ましい。従って、活物質がシリコンである場合には、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンであることが好ましい。
【0022】
本発明において、活物質は、CVD法、スパッタリング法、蒸着法またはめっき法により集電体上に堆積して形成された薄膜であることが好ましい。
本発明において、非水電解質の溶質としては、フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体以外の溶質が混合して含まれていてもよい。このような溶質としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。
【0023】
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではなく、リチウム二次電池の溶媒として用いることができるものであればよい。溶媒としては、環状カーボネートあるいは鎖状カーボネートが好ましい。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、特にエチレンカーボネートが好ましく用いられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。さらに溶媒としては、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であることが好ましい。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒であることが好ましい。
【0024】
また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒との混合溶媒も好ましく用いられる。
また、本発明においては、電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル等のポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、LiNなどの無機固体電解質であってもよい。
【0025】
本発明において、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質は、正極または負極のいずれに用いてもよいが、一般には負極活物質として用いることが好ましい。この場合の正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiCo0.5Ni0.5、LiNi0.7Co0.2Mn0.1などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnOなどのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0027】
(実験1)
〔負極の作製〕
耐熱性圧延銅合金箔の表面上に、電解法により銅を析出させて表面を粗面化させた銅合金箔(算術平均粗さRa:0.25μm、厚み:26μm)を集電体として用いた。この集電体の上に、表1に示す条件で非晶質シリコン薄膜を堆積し、電極を作製した。ここでは、スパッタリング用の電力として直流パルスを供給しているが、直流や高周波でも同様の条件でスパッタリングが可能である。なお、表1において、流量の単位であるsccmは、standard cubiccentimeter per minutesである。
【0028】
【表1】
Figure 2005011725
【0029】
得られた薄膜を、集電体と共に25mm×25mmの大きさに切取り、負極とした。
【0030】
〔正極の作製〕
出発原料として、LiCO及びCoCOを用いて、Li:Coの原子比が1:1となるように秤量して乳鉢で混合し、これを直径17mmの金型でプレスし、加圧成形した後、空気中において、800℃で24時間焼成し、LiCoOの焼成体を得た。これを乳鉢で粉砕し、平均粒子径20μmに調製した。
【0031】
得られたLiCoO粉末90重量部と、導電剤としての人工黒鉛粉末5重量部を、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量部を含む5重量%のN−メチルピロリドン溶液に混合し、正極合剤スラリーとした。
【0032】
この正極合剤スラリーを、集電体であるアルミニウム箔の上に塗布し、乾燥した後圧延した。得られたものを20mm×20mmに切り抜き、正極とした。
【0033】
〔電解液Aの作製〕
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合した溶媒に、化学式(1)に示す、セントラル硝子株式会社製フッ素含有ホウ酸リチウム誘電体を1モル/リットル溶解し、電解液Aを作製した。
【0034】
〔電解液Bの作製〕
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合した溶媒に、LiPFを1モル/リットル溶解し、電解液Bを作製した。
【0035】
〔電池の作製〕
上記の正極及び負極に、それぞれ正極集電タブ及び負極集電タブを取り付けた後、正極及び負極の間に多孔質ポリエチレンからなるセパレータを挟んで電極群とし、この電極群をアルミニウムラミネートからなる外装体内に挿入した。次に、上記電解液A及びBを600μl注入し、電池A1及び電池B1を作製した。電池の設計容量は、14mAhである。
【0036】
〔充放電特性の評価〕
上記の電池A1及びB1について、充放電サイクル特性を評価した。各電池を25℃において、電流値14mAで4.2Vまで充電した後、電流値14mAで2.75Vまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。充放電試験のサイクル特性を図1に示す。また、初期充放電容量と、100サイクル後及び200サイクル後の容量維持率を表2に示す。なお、Nサイクル後の容量維持率は、以下の計算式により求めた。
【0037】
Nサイクル後の容量維持率(%)=(Nサイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100
【0038】
【表2】
Figure 2005011725
【0039】
図1及び表2に示す結果から明らかなように、本発明に従いフッ素含有ホウ酸リチウム誘導体を溶質として含有した電池A1は、電池B1よりも高い容量維持率を示しており、充放電サイクル特性に優れていることがわかる。これは、非水電解質中の溶質と活物質との反応により、被膜が、活物質薄膜の柱状部分の側部の表面に選択的に形成され、これによって薄膜の柱状構造が安定化されたためと考えられる。このため、柱状部分の劣化や崩壊が抑制され、充放電サイクル特性を向上することができたと考えられる。
【0040】
〔電極のSEM観察〕
200サイクル目の放電後の電池A1から負極A11を取り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。図4は、負極A11のSEM像である。図4から明らかなように、薄膜が厚み方向の切れ目により分離され、柱状構造が形成されていることがわかる。
【0041】
〔負極の深さ方向の組成分析〕
負極の表面に形成された被膜を調べるため、1サイクルの充電後における電池A1及び電池B1からそれぞれ負極A11及び負極B11を取り出し、これらの負極をArイオンでエッチングしながらX線光電子分光分析装置を用いて、深さ方向の組成を分析した。Arイオンによるスパッタリング速度は10nm/分である。
【0042】
図2は、負極A11表面の深さ方向の組成を示しており、図3は、負極B11表面の深さ方向の組成を示している。組成としては、Si、C、F及びBを示している。
【0043】
また、表面から深さ約50nm(スパッタ時間5分)までの酸素(O)、フッ素(F)及びホウ素(B)の最大値を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 2005011725
【0045】
図2及び図3において、電極の表面で炭素濃度が高い値を示しているが、これは電極表面に付着した残留物または汚染によるものと考えられる。
図2、図3及び表3の結果より、本発明に従い溶質としてフッ素含有ホウ酸リチウム誘電体を用いた電極A11の表面近傍には、電極B11に比べ、フッ素及びホウ素が多く含まれていることがわかる。このことから、溶質としてフッ素含有ホウ酸リチウム誘導体を用いることにより、電極の表面にフッ素とホウ素を多く含む安定な被膜が形成されているものと思われる。また、被膜中におけるフッ素とホウ素の組成比はF/B=3〜15の範囲で表されるものと考えられる。このような被膜が、充放電によって新たに生じた活性な活物質薄膜の表面に順次形成されることにより、柱状部分の構造が安定化し、充放電サイクル特性が飛躍的に向上したものと考えられる。
【0046】
なお、負極活物質として、黒鉛系材料を用いた場合には、フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体を用いることによる充放電サイクル特性の向上の効果は認められなかった。従って、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質を用いた場合に、このような充放電サイクル特性の向上が認められるものと思われる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、充放電サイクル特性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例のリチウム二次電池の充放電サイクル特性を示す図。
【図2】本発明に従う実施例の負極A11表面の深さ方向の組成を示す図。
【図3】比較の負極B11表面の深さ方向の組成を示す図。
【図4】本発明に従う実施例の負極A11のSEM像を示す図。

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、非水電解質とを備え、前記正極または前記負極が、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する活物質を集電体上に堆積して形成した電極であり、かつ該活物質がその厚み方向に形成された切れ目によって柱状に分離されており、該柱状部分の底部が前記集電体と密着している電極であるリチウム二次電池において、
    前記非水電解質の溶質として、フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体が含有されていることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記集電体表面の算術平均粗さRaが0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記活物質が、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射法またはめっき法により形成された薄膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記活物質が、シリコンを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記活物質が、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記フッ素含有ホウ酸リチウム誘導体が以下の化学式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
    Figure 2005011725
  7. 前記非水電解質が2種類以上の溶媒からなる混合溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  8. 前記混合溶媒が、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒であることを特徴とする請求項7に記載のリチウム二次電池。
  9. 前記環状カーボネートとしてエチレンカーボネートが含まれることを特徴とする請求項8に記載のリチウム二次電池。
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