JP2005010768A - 偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法 - Google Patents

偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005010768A
JP2005010768A JP2004153534A JP2004153534A JP2005010768A JP 2005010768 A JP2005010768 A JP 2005010768A JP 2004153534 A JP2004153534 A JP 2004153534A JP 2004153534 A JP2004153534 A JP 2004153534A JP 2005010768 A JP2005010768 A JP 2005010768A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
polarizing
resin layer
substrate
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004153534A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4488793B2 (ja
Inventor
Masahito Okabe
将人 岡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2004153534A priority Critical patent/JP4488793B2/ja
Publication of JP2005010768A publication Critical patent/JP2005010768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4488793B2 publication Critical patent/JP4488793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、偏光性能が良く、薄膜化が可能であり、製造効率のよい偏光板を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材上に形成され、かつ表面に凹部または凸部がパターン状に形成された樹脂層と、上記樹脂層上に形成され、かつ平板状色素を含有する偏光層とを有することを特徴とする偏光板を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いることが可能な偏光板およびその製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置は、各種ディスプレイ用の表示装置として目覚ましい発展を遂げており、この液晶表示装置の薄型化に伴い、液晶表示装置に用いられる偏光板に対しても、薄膜化や製造効率の向上等、様々な要求がある。
従来より一般的に用いられている偏光板としては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸し、その表面にヨウ素や二色性直接染料等を吸着配向させたものが挙げられ、強度の付与や、水分からの保護等の目的から、上記偏光板の両面にトリアセチルセルロースフィルムのような透明保護フィルムと貼りあわせて用いられている。
しかしながら、上記の偏光板においては、通常延伸後のフィルムの厚みは30μm程度有することから薄膜化が困難であるという問題があった。
このような問題を解決するため、例えば基材をラビング処理した後、コロナ処理を施し、その上に二色性直接染料を塗布し、ラビング方向に上記二色性直接染料を配向させて偏光層を形成する偏光板が提案されている(特許文献1)。しかしながら、上記方法等により得られる偏光板は偏光性能が不十分であることから、実用化には至っておらず、透過率やコントラストについて、より一層の向上が求められている。
特開平3−54506号公報
以上のことから、偏光性能が良く、薄膜化が可能であり、製造効率のよい偏光板の提供が望まれている。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材上に形成され、かつ表面に凹部または凸部がパターン状に形成された樹脂層と、上記樹脂層上に形成され、かつ平板状色素を含有する偏光層とを有することを特徴とする偏光板を提供する。
本発明によれば、凹部または凸部を有する樹脂層が形成されていることから、例えば上記平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を、上記樹脂層上に塗布することにより、その樹脂層表面の凹部のパターンにより容易に上記平板状色素を一定方向に整列して配向させ、偏光層とすることが可能となる。したがって基材を延伸等することなく偏光層を形成することができることから、偏光板の膜厚を薄いものとすることができ、また効率よく製造された偏光板とすることができるのである。
上記発明においては、上記平板状色素がアントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ナフタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、インダンスレン系色素、アクリジン系色素、ペリレン系色素、ピラゾロン系色素、アクリドン系色素、ピランスロン系色素、およびイソビオラントロン系色素からなる群より選ばれる色素であることが好ましい。これらの平板状色素は、可視光域において、光吸収異方性を有するからである。
また本発明においては、上記平板状色素は、上記平板状色素の法線方向が上記基材の一定方向を向いて積み重なったカラム構造を形成し、上記カラム構造が上記樹脂層の凹部に沿って配向していることが好ましい。上記樹脂層の凹部に沿って平板状色素からなるカラム構造が配向するので、偏光特性がよく、耐熱性に優れた偏光層を容易に形成することができるからである。
さらに本発明においては、上記平板状色素は、溶液中でリオトロピック液晶相を示すものであることが好ましい。上記平板状色素は、溶液中で自己組織化によりカラム構造を形成し、リオトロピック液晶相を示すので、このような平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布することにより、カラム構造を容易に配向させることができるからである。
また本発明においては、上記樹脂層表面に親水化処理が施されていることが好ましい。通常、このような凹凸構造を複製する場合、形成された表面は撥水性が高くなり、平板色素がうまく配向しない可能性があるからである。
本発明は、また、上記記載の偏光板と、液晶セルとが積層されたことを特徴とする液晶表示装置を提供する。本発明によれば、上記偏光板を用いることにより、液晶表示装置の膜厚を薄いものとすることができ、また製造効率やコストの面でも好ましい液晶表示装置とすることが可能となるのである。
また本発明は、基材または表面に凸部がパターン状に形成された凹部形成用基板上に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程、上記基材および上記凹部形成用基板を、上記硬化性樹脂組成物を挟んで重ね合わせる配置工程、上記硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化性樹脂とする硬化工程、および、上記硬化性樹脂組成物または上記硬化性樹脂から上記凹部形成用基板を剥離して凹部をパターン状に形成する凹部形成工程を行うことにより、樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
上記樹脂層上に平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布し、上記樹脂層の凹部により上記平板状色素を配向させて塗膜を形成する塗膜形成工程、上記塗膜を乾燥させる乾燥工程、および、上記平板状色素の配向状態を固定化する固定化工程を行うことにより偏光層を形成する偏光層形成工程と
を有することを特徴とする偏光板の製造方法を提供する。
本発明によれば、例えばパターン状に凸部が形成された上記凹部形成用基板と、基材との間に硬化性樹脂組成物を挟んで硬化させることにより、表面にパターン状に凹部を有する樹脂層を形成することができる。続いて、この樹脂層上に上記平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布することにより、上記凹部のパターンにより平板状色素を一定方向に整列して配向させることが可能となり、偏光層とすることができるのである。これにより、効率よく、また基材の種類や膜厚が限定されることなく偏光板を製造することが可能となるのである。
上記発明においては、上記平板状色素は、上記平板状色素の法線方向が上記基材の一定方向を向いて積み重なったカラム構造を形成し、上記偏光層形成用塗工液中でリオトロピック液晶相を示すものであり、上記カラム構造は上記樹脂層の凹部に沿って配向していることが好ましい。このような平板状色素は、溶液中で自己組織化によりカラム構造を形成し、リオトロピック液晶相を示すので、この平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布することにより、樹脂層の凹部に沿ってカラム構造を容易に配向させることができるからである。
また本発明においては、上記偏光層形成工程の塗膜形成工程では、上記偏光層形成用塗工液に対して剪断応力が加わらない塗布方法が用いられることが好ましい。剪断応力のかかる塗布方法を用いると、塗布方向に平板状色素が配向する可能性があり、樹脂層の凹部により配向しにくくなる場合があるからである。
さらに本発明においては、上記偏光層形成工程の固定化工程では、上記平板状色素を架橋する方法が用いられることが好ましい。上記平板状色素を架橋することにより、偏光度が高く、耐熱性に優れた偏光層を形成することができるからである。
また本発明においては、上述した樹脂層形成工程の後、凹部が形成された樹脂層表面を親水化する親水化処理工程が行われることが好ましい。通常、このような樹脂層形成工程を行うと、形成された樹脂層表面は撥水性が高くなり、液晶がうまく配向しない可能性があるからである。
本発明によれば、上記凹部を有する樹脂層が形成されていることから、例えば上記平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を、上記樹脂層上に塗布することにより、その樹脂層表面の凹部のパターンにより容易に上記平板状色素を一定方向に整列して配向させ、偏光層とすることが可能となる。したがって基材を延伸し、これにヨウ素を含浸させて形成する従来の偏光板と比較して、偏光板の膜厚を薄いものとすることができ、また効率よく製造された偏光板とすることができるのである。
本発明は、液晶表示装置等に用いることが可能な偏光板、その偏光板を用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法に関するものである。以下、それぞれについてわけて説明する。
A.偏光板
まず、本発明の偏光板について説明する。本発明の偏光板は、基材と、上記基材上に形成され、かつ表面に凹部または凸部がパターン状に形成された樹脂層と、上記樹脂層上に形成され、かつ平板状色素を含有する偏光層とを有するものである。
本発明の偏光板について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の偏光板の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の偏光板は、基材1と、この基材1上に形成され、かつ表面に凹部または凸部がパターン状に形成された樹脂層2と、この樹脂層2上に形成され、平板状色素を含有する偏光層3とを有するものである。
本発明によれば、凹部または凸部を有する樹脂層が形成されていることから、この樹脂層上に、例えば上記平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布することにより、その表面の凹凸により容易に上記平板状色素を一定方向に整列して配向させることが可能となる。したがって、上記偏光層を形成する際に、基材を延伸等する必要がないことから、偏光板の膜厚は基材の膜厚に左右されず、薄膜とすることも可能となり、また基材の種類も限定されないことから、様々な種類の基材を用いることができる。これにより、偏光板に強度や耐性等、様々な特性を付与することが可能となる。またさらに、上記偏光層形成用塗工液を塗布することにより、偏光層を形成することができることから、偏光板を効率良く製造されたものとすることができるのである。
以下、このような本発明の偏光層における各構成について説明する。
1.樹脂層
まず、本発明に用いられる樹脂層について説明する。本発明に用いられる樹脂層は、後述する基材上に形成され、かつ表面に凹部または凸部がパターン状に形成されたものである。本発明においては、樹脂層が凹部または凸部を有することから、平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布することによって、平板状色素を凹部のパターンにより一定方向に整列して配向させることができ、後述する偏光層とすることが可能となるのである。
本発明における樹脂層の凹部または凸部のパターンの形状としては、平板状色素を配向させた際、偏光性を有する層とすることが可能となる形状であれば特に限定されるものではないが、中でもストライプ状に一定の間隔で規則的に形成されているパターンであることが好ましい。ストライプ状の凹部により、容易に平板状色素を配向させることができるからである。
本発明において、このような凹部の幅としては、後述する偏光層の項で説明する平板状色素の種類等によって異なるものであるが、通常0.1μm〜100μmの範囲内、好ましくは0.1μm〜10μmの範囲内、特に0.2μm〜1μmの範囲内とすることが好ましい。凹部の幅を上記範囲よりも狭く形成するのは製造法的に困難であり、逆に凹部の幅を広くし過ぎると平板状色素からなるカラム構造を配列させることが困難となる場合があるからである。ここで、凹部の幅とは、例えば図2のaで示される幅であり、凹状に形成されている部分の幅をいうこととする。
また、凹部の深さとしては、通常0.05μm〜1μmの範囲内、中でも0.1μm〜0.2μmの範囲内であることが好ましい。凹部の深さが浅すぎると平板状色素からなるカラム構造を配向させる性能が低くなり、逆に凹部の深さが深すぎると平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を樹脂層上に塗布する際に塗りムラが生じる可能性があるからである。ここで、凹部の深さとは、例えば図2のbで示される深さであり、凹部内の最深部から凹部の端部までの高さをいうこととする。
さらに、凹部または凸部のパターンがストライプ状である場合、凹部の間隔は、後述する平板状色素の種類等により異なるものであるが、通常隣接する凹部の端と凹部の端との間隔、すなわち凸部の幅が可視光の波長の半分以下とされ、好ましくは0.05μm〜2μmの範囲内、より好ましくは0.1μm〜1μmの範囲内、特に0.1μm〜0.2μmの範囲内とされることが好ましい。隣接する凹部の端の間隔を上記範囲よりも狭く形成するのは製造法的に困難であり、逆に隣接する凹部の端の間隔を広くし過ぎると平板状色素からなるカラム構造を配列させることが困難となる場合があるからである。また、隣接する凹部の端と凹部の端との間隔が可視光の波長に近い値であると、光の回折により光学的に色付き等の不具合が生じる可能性があるからである。ここで、隣接する凹部の端と凹部の端との間隔とは、例えば図2のcで示される間隔である。
また、凹部のピッチとしては、後述する平板状色素の種類等により適宜選択されるものであるが、通常0.1μm〜10μmの範囲内、好ましくは0.2μm〜1μmの範囲内、特に0.2μm〜0.4μmの範囲内とすることが好ましい。凹部のピッチを上記範囲よりも狭く形成するのは製造法的に困難であり、逆に凹部のピッチを広くし過ぎると平板状色素からなるカラム構造を配列させることが困難となる場合があるからである。ここで、凹部のピッチとは、例えば図2のdで示されるピッチであり、隣接する凹部の中心から凹部の中心までの距離をいうこととする。
上記樹脂層の凹部の断面形状としては特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように凹部の断面形状が矩形であってもよく、また凹部の断面形状が台形等、その他の形状であってもよい。本発明においては、中でも凹部の断面形状が矩形であることが、後述する平板状色素からなるカラム構造を容易に一定方向に整列して配向させることが可能となる面から好ましい。
上述したような凹部を有する樹脂層は、目的とする凹部の形状と対称である凸部を表面に有する凹部形成用基板を準備し、この凹部形成用基板と後述する基材との間に硬化性樹脂組成物を挟んで硬化させることにより形成することができる。このような樹脂組成物に用いられる硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、もしくはトリアジン系アクリレート等の硬化性樹脂を単独または混合して用いることができる。また、上記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂であってもよく、またこれらを組み合わせたものであってもよい。
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて硬化剤や、光重合開始剤等、各種添加剤を加えたものであってもよく、また後述する基材上に塗布または、後述する基材と上記凹部形成用基板との間に流し込むために、溶剤やモノマー等を用いて粘度を調整したものとしてもよい。
また、上記樹脂層の膜厚は、偏光板の種類によって異なるものではあるが、凹部の厚みが通常1μm以下、好ましくは0.2μm以下とする。凹部の厚みが厚すぎると、本発明の偏光板が重厚となる可能性があるからである。また、偏光板の薄型化を考慮すると凹部の厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎるものを形成するのは困難であることから、凹部の厚みは通常0.1μm以上である。ここで、凹部の厚みとは、例えば図2のeで示されるような凹部が形成されている部分の厚みをいう。
なお、上記樹脂層の形成方法については、後述する「C.偏光板の製造方法」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、通常、このような凹凸構造を複製する場合、形成された樹脂層表面は撥水性が高くなり、液晶がうまく配向しない可能性がある。この樹脂層上に、後述する偏光層を形成する偏光層形成用塗工液が塗布されることから、上記樹脂層は親水性であることが好ましく、上記樹脂層上に親水性層が設けられていてもよく、また上記樹脂層表面が親水化処理されたものであってもよい。上記樹脂層の表面を親液性となるように表面処理する方法としては、アルゴンや水などを利用したプラズマ処理による親液性表面処理等が挙げられ、また樹脂層上に形成する親液性層としては、例えばテトラエトキシシランのゾルゲル法によるシリカ膜等を挙げることができる。
2.偏光層
次に、本発明に用いられる偏光層について説明する。本発明に用いられる偏光層は、平板状色素を含有する層であり、その平板状色素が、上記樹脂層の凹部のパターンにより、一定方向に整列して配向されているものであれば、特に限定されるものではない。
このような偏光層に用いられる平板状色素としては、上記樹脂層の凹部により配向するものであり、配向することにより偏光性を有する層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばアントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ナフタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、インダンスレン系色素、アクリジン系色素、ペリレン系色素、ピラゾロン系色素、アクリドン系色素、ピランスロン系色素、およびイソビオラントロン系色素からなる群より選ばれる色素等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる平板状色素は、平板状色素の法線方向が基材の一定方向を向いて積み重なったカラム構造を形成するものであることが好ましい。上記平板状色素の自己組織化により形成されたカラム構造は、上記樹脂層の凹部に沿って一定方向に容易に配向するため、偏光特性のよい偏光層とすることができるからである。
図3は、本発明に用いられる偏光層の概略斜視図である。図3に示すように、この偏光層においては、平板状色素13は、樹脂層2の凹部に沿って、平板状色素13の法線方向nが基材1の一定方向を向いて積層してカラム構造13´を形成し、このようなカラム構造13´が複数配列して偏光層を構成している。このように平板状色素13が配列して構成される偏光層においては、複数のカラム構造13´のカラムの軸方向が基材1の一定方向を向いているので、偏光性を有する層とすることができる。
このような平板状色素としては、柱状に積層することによりカラム構造を形成することができるものであれば特に限定されるものではない。カラム構造を形成する平板状色素としては、例えば、スルホン酸基等の親水性基を有する平板状色素、または長鎖のアルキル基等の疎水性基を有する平板状色素が挙げられる。中でも、親水性基を有する平板状色素を用いることが好ましい。親水性基を有する平板状色素は、この親水性基が小さく、隣接するカラム構造同士の距離が近いため、容易にカラム構造を配列させることができるからである。また、スルホン酸基等の親水部を中和して水に難溶もしくは不溶とすることで固定化処理が容易となるからである。上記親水性基としては、スルホン酸基、スルホン酸ナトリウム基、スルホン酸アンモニウム基、スルホン酸リチウム基、スルホン酸カリウム基等のスルホン酸系の親水性基、カルボキシル基、カルボン酸ナトリウム基、カルボン酸アンモニウム基、カルボン酸リチウム基、カルボン酸カリウム基等のカルボン酸系の親水性基、水酸基、アミノ基などが挙げられる。これらの中でも、スルホン酸系の親水性基であることが好ましい。
ここで、平板状色素がカラム構造を形成しているとは、X線回折装置を用いて測定することにより確認することがきる。
本発明に用いられる平板状色素としては、上記の中でも、溶液中でリオトロピック液晶相を示すものであることが好ましい。上記平板状色素は、溶液中でカラム構造を形成し、リオトロピック液晶相を示すので、このような平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布することにより、カラム構造を容易に配向させることができるからである。
このような溶液中でリオトロピック液晶相を示す平板状色素としては、水溶液中でリオトロピック液晶相を示す平板状色素、または有機溶媒中でリオトロピック液晶相を示す平板状色素が挙げられる。上記の溶液の種類は、上記平板状色素の置換基によって異なるものであり、平板状色素がスルホン酸基等の親水性基を有する場合は水溶液が用いられ、長鎖のアルキル基等の疎水性基を有する場合は有機溶媒が用いられる。これらの中でも、水溶液中でリオトロピック液晶相を示す平板状色素を用いることが好ましい。上記平板状色素が親水性基を有し、水溶液中でリオトロピック液晶相を示すものであることにより、後述する平板状色素の配向状態を固定化する際の処理が簡便になるからである。
上述したカラム構造を形成し、水溶液中でリオトロピック液晶相を示す平板状色素の具体例としては、下記化学式で示される物質が挙げられる。
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
Figure 2005010768
上記各化学式中のアルキル基は、炭素原子1〜4個を有するものであることが好ましい。また、上記各化学式中のハロゲンとしては、Cl、Brであることが好ましい。さらに、上記各化学式中のカチオンとしては、H、Li、Na、K、Cs又はNH が挙げられる。これらの物質は単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、上記の中でも、上記化学式I〜Vで表される物質が好適に用いられる。
また、上記平板状色素としては、上述したようなリオトロピック液晶相を示すものに限定されるものではなく、サーモトロピック液晶相を示すものであってもよい。
さらに、本発明に用いられる偏光層としては、上記平板状色素の他に、液晶材料を含有していてもよい。例えば、平板状色素が樹脂層の凹部により配向しにくいものであったとしても、液晶材料を凹部に沿って配向させることにより、この液晶材料の配向方向に沿って平板状色素を配向させることができるからである。上記液晶材料としては、一般に偏光層に用いることができる液晶材料を使用することができる。また、上記液晶材料と平板状色素との液晶組成物は、リオトロピック液晶相を示すものであっても、サーモトロピック液晶相を示すものであってもよいが、通常はサーモトロピック液晶相を示すものが用いられる。
本発明において形成される偏光層の膜厚は、上記平板状色素の種類や偏光板の目的とする透過率等により、異なるものであるが、通常50nm〜2000nmとし、中でも100nm〜1000nmの範囲内とすることが好ましい。
なお、偏光層の形成方法に関しては、後述する「C.偏光板の製造方法」の項に記載するため、ここでの説明は省略する。
3.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明においては、上記樹脂層を形成可能であれば、特に限定されるものではない。本発明においては、上記樹脂層の凹部を利用して上記偏光層が形成されることから、基材は延伸される必要がなく、基材も限定されない。したがって、例えば基材として例えば強度や耐性等、種々の機能性を有するものを用いることも可能となり、形成される偏光板の種類により、適宜選択することができる。また、可撓性を有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよく、可撓性を有さないもの、例えばガラス基材等であってもよい。
本発明においては、上述したように、基材上に硬化性樹脂組成物を塗布し、基材および凸部を有する凹部形成用基板の間に硬化性樹脂組成物を挟みこむことにより凹部を形成して樹脂層を形成することが可能であることから、ロールトゥロールプロセスにより連続的に偏光板を作製することもできる。この場合、上記基材としては、可撓性を有し、光透過率が80%以上の透明な樹脂製フィルムであることが好ましい。このような樹脂製フィルムとしては、セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂、およびシクロオレフィン系樹脂等のフィルム、さらにポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、およびポリエーテルスルホン等のフィルムを使用することができる。
また、上記樹脂層を形成する際に、基材側から例えば紫外線を照射して硬化性樹脂を硬化させる場合は、上記基材は紫外線透過性を有する必要がある。
さらに、本発明の偏光板が、透過型偏光板として用いられる場合には、通常基材に透明性が必要とされるが、例えば、基材の表面に金属等からなる反射層が形成されて反射型偏光板や半透過型偏光板とされる場合には、上記基材に透明性は必ずしも必要とされない。
本発明に用いられる基材の膜厚は、偏光板の種類や用途によって異なるものであるが、通常100〜1000μmの範囲内とすることが可能である。
また、基材と樹脂層との密着性を向上させるために、基材に表面処理を行ってもよい。具体的には、グロー放電処理、コロナ放電処理、UV処理、ケン化処理等を用いることができる。また、基材上にプライマー層を形成してもよい。さらに、硬化性樹脂から基材を保護する目的でプライマー層(バリア層)を設けてもよい。このようなプライマー層としては、例えばシラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
さらに、上記基材上には、機能層が形成されていてもよい。本発明に用いられる機能層としては、一般に液晶表示装置に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えばカラーフィルタ層等を挙げることができる。カラーフィルタ層としては、一般に液晶表示装置のカラーフィルタ層として用いられているものであれば特に限定されるものではなく、顔料や樹脂を用いたものを使用することができる。また、各色の間にブラックマトリックスが形成されていてもよい。
4.偏光板
次に、本発明の偏光板について説明する。本発明の偏光板は、上述した基材上に上記樹脂層が形成され、その樹脂層表面の凹部により平板状色素が一定方向に整列して配向することで偏光層が形成されているものであれば、特に限定されるものではない。
本発明の偏光板の膜厚は、その偏光板の用途や種類により適宜選択されるものであるが、通常50μm〜1000μmの範囲内とすることができる。
本発明においては、上記基材上に金属等からなる反射層が形成された反射型偏光板とするものであってもよく、また、上記基材上にある程度可視光に対して透過性を有するように上記反射層が形成された半透過反射型偏光板とするものであってもよい。
このような反射層としては、例えばアルミニウムや銀等のような高反射率の金属を、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができ、例えば反射型偏光板を形成する場合には、膜厚を通常10nm〜100nmの範囲内、また半透過反射型偏光板を形成する場合には、膜厚を通常10nm〜30nmの範囲内とすることができる。また、上記金属からなる反射層を形成した場合には、上記反射層の劣化を防止するために、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等の保護層を形成することが好ましい。また、必要に応じて光拡散層等が形成されたものであってもよい。
B.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、上述した偏光板と液晶セルとが積層されたものであれば、特に限定されるものではなく、例えば液晶セルの両面に上記偏光板が積層されたものであってもよく、また液晶セルの前面偏光板もしくは背面偏光板として、液晶セルの片面に積層されたものであってもよい。またさらに、液晶セルが、2枚の高分子フィルムが対向して配置されたプラスチック液晶セル等である場合には、その液晶フィルムセルを構成する高分子フィルムとして、上記偏光板を用いるものであってもよい。
本発明の液晶表示装置は、上記偏光板を用いることから、薄型なものとすることが可能であり、また製造効率やコストの面からも好ましいものとすることが可能となるのである。
本発明に用いられる液晶セルは、通常液晶表示装置に用いられるものを用いることが可能である。
C.偏光板の製造方法
次に、本発明の偏光板の製造方法について説明する。
本発明の偏光板の製造方法は、基材または表面に凸部がパターン状に形成された凹部形成用基板上に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程、上記基材および上記凹部形成用基板を、上記硬化性樹脂組成物を挟んで重ね合わせる配置工程、上記硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化性樹脂とする硬化工程、および、上記硬化性樹脂組成物または上記硬化性樹脂から上記凹部形成用基板を剥離して凹部をパターン状に形成する凹部形成工程を行うことにより、樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
上記樹脂層上に平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布し、上記樹脂層の凹部により上記平板状色素を配向させて塗膜を形成する塗膜形成工程、上記塗膜を乾燥させる乾燥工程、および、上記平板状色素の配向状態を固定化する固定化工程を行うことにより偏光層を形成する偏光層形成工程と
を有するものである。
本発明の偏光板の製造方法について図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の偏光板の製造方法の一例を示す工程図である。図4に示すように、本発明の偏光板の製造方法においては、まず、基材1上に硬化性樹脂組成物12を塗布し(図4(a))、基材1および凸部がパターン状に形成された凹部形成用基板4を硬化性樹脂組成物12を挟んで重ね合わせ、紫外線21を照射することにより硬化性樹脂組成物12を硬化させる(図4(b))。さらに、凹部形成用基板4を剥離することにより(図4(c))、凹部を有する樹脂層2が形成される(図4(d))。このようにして樹脂層形成工程が行われる。次に、上記樹脂層2上に平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布し、樹脂層2の凹部により平板状色素を配向させ、平板状色素の配向状態を固定化することにより偏光層3を形成する(図4(e))。このようにして偏光層形成工程が行われる。
本発明によれば、上記樹脂層形成工程により、表面にパターン状に凹部が形成された樹脂層が形成されることから、この樹脂層の凹部のパターンにより、容易に上記平板状色素を一定方向に整列して配向させることができ、偏光層とすることが可能となる。これにより、効率よく、また基材の種類や膜厚が限定されることなく偏光板を製造することが可能となるのである。
以下、本発明の偏光板の製造方法の各工程について説明する。
1.樹脂層形成工程
まず、本発明における樹脂層形成工程について説明する。本発明における樹脂層形成工程は、基材上または表面に凸部がパターン状に形成された凹部形成用基板上に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、上記基材および上記凹部形成用基板を、上記硬化性樹脂組成物を挟んで重ね合わせる配置工程と、上記硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化性樹脂とする硬化工程と、および、上記硬化性樹脂組成物または上記硬化性樹脂から上記凹部形成用基板を剥離して凹部を形成する凹部形成工程とを有するものである。
以下、このような樹脂層形成工程の各工程について説明する。
(1)塗布工程
本発明における樹脂層形成工程においては、まず、基材上または表面に凸部がパターン状に形成された凹部形成用基板上に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程が行われる。
なお、本工程に用いられる硬化性樹脂組成物、基材等については、上述した「A.偏光板」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、凹部形成用基板および硬化性樹脂組成物の塗布方法について説明する。
(凹部形成用基板)
まず、本工程に用いられる凹部形成用基板について説明する。本工程に用いられる凹部形成用基板は、表面に凸部がパターン状に形成されたものであり、この凸部の形状およびパターンは、目的とする樹脂層の凹部のパターンの形状と対称となるように形成されているものである。
なお、凸部の幅や高さ、パターンの形状等は上述した「A.偏光板」における樹脂層の項で説明した、樹脂層上に形成された凹部の形状と対応するものであるので、ここでの説明は省略する。
このような凹部形成用基板としては、上記のようなパターンが形成されているものであれば、その種類等は特に限定されるものではなく、可撓性を有するもの、例えば樹脂フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス等であってもよい。本発明においては、凹部形成用基板は繰り返し用いられるものであることから、所定の強度を有する材料が好適に用いられる。具体的には、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができる。このような材料は、後述する凸部の形成方法により、適宜選択されるものである。さらに、上記凹部形成用基板は、後述する硬化工程における硬化性樹脂組成物を硬化させる際の紫外線の照射方法により適宜選択される。すなわち、凹部形成用基板側から紫外線を照射する場合は、紫外線透過性を有する必要があるが、基材側から紫外線を照射する場合は、特に限定されるものではない。
また、上記凹部形成用基板は、凹凸用円筒ドラムにより移動していてもよく、さらには凹部形成用基板自体が凹凸用円筒ドラムを構成している、すなわち凹凸用円筒ドラムの表面に凸部が形成されていてもよい。ロールトゥロールプロセスを経ることにより、基材上に凹部を連続的に複製することができ、製造効率が向上するからである。また、このような凹部形成用基板の原版を一度作製するだけで、偏光特性の良好な偏光板を大量に製造できるため、製造効率をより一層向上させることができる。
このようなパターン状の凸部の形成方法としては、例えばガラスや樹脂フィルム等をパターニングする方法、ガラス等の表面に感光性樹脂層等を塗布して、この感光性樹脂層をパターニングする方法などを用いることができる。パターニング方法としては、一般的な方法を用いることが可能であり、例えばフォトリソグラフィー法、スパッタ法、また機械的に切削する方法等が挙げられる。さらに、斜め蒸着法、ラビング法等を用いることもできる。
(硬化性樹脂組成物の塗布方法)
本工程においては、硬化性樹脂組成物12は、例えば図4(a)に示すように基材1上に塗布してもよく、図示しないが凹部形成用基板上に塗布してもよい。また、基材と凹部形成用基板とを所定の間隙をおいて固定し、その間に硬化性樹脂組成物を流し込み、塗布するものであってもよい。
上記硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、ディップコート法、カーテンコート法(ダイコート法)等が挙げられる。
塗布された硬化性樹脂組成物の膜厚としては、0.1〜30μmの範囲内、中でも0.2〜10μmの範囲内であることが好ましい。硬化性樹脂組成物の膜厚が薄すぎると、硬化性樹脂組成物への凹部の複製が十分に行われない可能性があるからである。また、膜厚が厚すぎると、本発明により製造された偏光板の薄型化が困難となり、さらに基材がフィルムである場合、塗布面がカールしやすくなる可能性があるからである。
また、上記硬化性樹脂組成物が所望の膜厚となるように、塗布量を制御して上述した方法により塗布してもよく、塗布した後に余剰な硬化性樹脂組成物を取り除いてもよい。余剰な硬化性樹脂組成物を取り除く方法としては、ローラーを用いて取り除く方法、ドクターを用いて掻き取る方法等が挙げられる。また、このような余剰な硬化性樹脂組成物を取り除く工程は、塗布工程後に行ってもよく、後述する配置工程後に行ってもよい。
(2)配置工程
次に、本発明における樹脂層形成工程の配置工程について説明する。本発明における配置工程は、上記基材および上記凹部形成用基板を、上記硬化性樹脂組成物を挟んで重ね合わせる工程である。
上記基材および凹部形成用基板の配置方法としては、塗布された硬化性樹脂組成物が基材および凹部形成用基板と接するように配置されていれば特に限定されないが、硬化性樹脂組成物が基材と密着するように配置されることが好ましい。硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化性樹脂からなる樹脂層は基材上に形成されるため、硬化性樹脂組成物が基材と密着することが好ましいからである。また、上記基材と上記凹部形成用基板とは、硬化性樹脂組成物が目的の膜厚となるように、間隙をおいて配置されることが好ましい。
また、上記基材と上記硬化性樹脂組成物との密着性を向上させるために、基材に表面処理行うことが好ましい。具体的には、グロー放電処理、コロナ放電処理、UV処理、ケン化処理等を用いることができる。また、基材上にプライマー層を形成してもよい。さらに、硬化性樹脂から基材を保護する目的でプライマー層(バリア層)を設けてもよい。このようなプライマー層としては、例えばシラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
(3)硬化工程
本発明における樹脂層形成工程においては、上記硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化性樹脂とする硬化工程が行われる。
上記硬化性樹脂組成物の硬化の方法は、硬化性樹脂組成物の種類により適宜選択されるものであり、上記硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂が、熱硬化性樹脂である場合には、常温で、または加温して所定の時間放置することにより行うことができる。また、上記硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂が、紫外線硬化性樹脂である場合には、紫外線を照射することにより行うことができる。この場合、上記基材または凹部形成用基板のいずれかが紫外線透過性を有することが必要とされる。
また、硬化性樹脂組成物を硬化することにより得られる硬化性樹脂の膜厚としては、0.1〜30μmの範囲内、中でも0.2〜10μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合は、本発明により製造された偏光板の薄型化が困難となる可能性があるからである。また、膜厚が上記範囲より薄い場合は、強靭性に劣るからである。
本発明において、硬化工程は、上記塗布工程後、上記配置工程後、または凹部形成工程中のいずれに行ってもよいものである。すなわち、硬化性樹脂組成物を基材または凹部形成用基板上に塗布した後に硬化させる(塗布工程後)、硬化性樹脂組成物を挟んで基材および凹部形成用基板を重ね合わせて配置した後に硬化させる(配置工程後)、または、硬化性樹脂組成物から凹部形成用基板を剥離した後に硬化させる(凹部形成工程中)のどの場合で行ってもよいものである。以下、各態様について説明する。
(第1の態様)
本発明において、硬化工程の第1の態様は、硬化性樹脂組成物を基材または凹部形成用基板上に塗布し、加熱または紫外線照射により上記硬化性樹脂組成物を硬化し、硬化して得られる硬化性樹脂を挟んで基材および凹部形成用基板を重ね合わせて配置し、上記硬化性樹脂から凹部形成用基板を剥離し、凹部を形成するものである。本態様においては、例えば図5に示すように、硬化性樹脂組成物12を基材1上に塗布した後に、紫外線21を照射して上記硬化性樹脂組成物12を硬化させる。図5においては、硬化性樹脂組成物12を基材1上に塗布しているが、凹部形成用基板上に塗布してもよい。
この際、上記硬化性樹脂組成物を硬化させるための紫外線の照射方向としては、基材または凹部形成用基板側からでもよく、硬化性樹脂組成物側からでもよい。ただし、基材または凹部形成用基板上に硬化性樹脂組成物を塗布し、基材または凹部形成用基板側から照射する場合は、基材または凹部形成用基板が紫外線透過性を有している必要がある。
また、基材上に硬化性樹脂組成物を塗布して硬化させる場合は、硬化して得られる硬化性樹脂の表面に凹部形成用基板を配置して、凹部を複製することから、硬化後も硬化性樹脂は所定の粘度を有している必要がある。よって、硬化性樹脂組成物を完全に硬化させないことが好ましく、硬化性樹脂の表面に凹部形成用基板を配置した後、または硬化性樹脂から凹部形成用基板を剥離した後に、再度硬化させてもよい。
(第2の態様)
本発明において、硬化工程の第2の態様は、硬化性樹脂組成物を基材または凹部形成用基板上に塗布し、上記硬化性樹脂組成物を挟んで基材および凹部形成用基板を重ね合わせて配置し、加熱または紫外線照射により上記硬化性樹脂組成物を硬化し、硬化して得られる硬化性樹脂から凹部形成用基板を剥離し、凹部を形成するものである。本態様においては、例えば図4(b)に示すように、硬化性樹脂組成物12を挟んで基材1および凹部形成用基板4を重ね合わせて配置した後に、紫外線21を照射して上記硬化性樹脂組成物12を硬化させる。
この際、上記硬化性樹脂組成物を硬化させるための紫外線の照射方向としては、凹部形成用基板側からでもよく、基材側からでもよい。ただし、基材側から照射する場合は、基材が紫外線透過性を有している必要があり、また凹部形成用基板側から照射する場合は、凹部形成用基板が紫外線透過性を有している必要がある。
(第3の態様)
本発明において、硬化工程の第3の態様は、硬化性樹脂組成物を基材または凹部形成用基板上に塗布し、上記硬化性樹脂組成物を挟んで基材および凹部形成用基板を重ね合わせて配置し、上記硬化性樹脂組成物から凹部形成用基板を剥離し、加熱または紫外線照射により上記硬化性樹脂組成物を硬化し、凹部を形成するものである。本態様においては、例えば図6に示すように、硬化性樹脂組成物12から凹部形成用基板4を剥離した後に、紫外線21を照射して上記硬化性樹脂組成物12を硬化させる。
この際、上記硬化性樹脂組成物を硬化させるためのエネルギー線の照射方向としては、硬化性樹脂組成物側からでもよく、基材側からでもよい。ただし、基材側から照射する場合は、基材が紫外線透過性を有している必要がある。
また、硬化性樹脂組成物から凹部形成用基板を剥離した後に、硬化性樹脂組成物を硬化させることから、硬化性樹脂組成物は凹部形成用基板を剥離した後も凹部を維持している必要がある。よって、硬化性樹脂組成物が所定の粘度を有するように、硬化性樹脂組成物から凹部形成用基板を剥離する前に、予め半硬化状態とさせてもよい。
(4)凹部形成工程
本発明における樹脂層形成工程においては、上記硬化性樹脂組成物または上記硬化性樹脂から上記凹部形成用基板を剥離して凹部をパターン状に形成する凹部形成工程が行われる。これにより、例えば図4(c)に示すように、上記凹部形成用基板4の凸部のパターンに対応した凹部のパターンを有する樹脂層2を形成することができるのである。
上記硬化性樹脂組成物もしくは上記硬化性樹脂から凹部形成用基板を剥離する方法としては、硬化性樹脂組成物もしくは硬化性樹脂が凹部形成用基板から剥がれ、基材に密着しており、かつ凹部が形成されていれば、特に限定されるものではない。
また、本発明においては、凹部形成用基板が凹凸用円筒ドラムにより移動し、基材が基材用円筒ドラムにより移動しており、上記二つの円筒ドラム上で硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂を挟んで基材および凹部形成用基板を重ね合わせ、上記硬化性樹脂組成物または上記硬化性樹脂から上記凹部形成用基板を剥離し、上記基材上に連続的に凹部を複製することにより、凹部を有する樹脂層が形成されてもよい。さらに、上記凹部形成用基板が、凹凸用円筒ドラムであってもよい。ロールトゥロールプロセスを経ることにより、基材上に凹部の複製を連続的に行うことができ、製造効率が向上するからである。また、このような凹部形成用基板の原版を一度作製するだけで、偏光特性の良好な偏光板を大量に製造できるからである。
2.偏光層形成工程
次に、本発明における偏光層形成工程について説明する。本発明における偏光層形成工程は、上記樹脂層上に平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布し、上記樹脂層の凹部により上記平板状色素を配向させて塗膜を形成する塗膜形成工程と、上記塗膜を乾燥させる乾燥工程と、上記平板状色素の配向状態を固定化する固定化工程とを行うことにより偏光層を形成する工程である。
本発明においては、上記樹脂層上に凹部がパターン状に形成されていることから、この凹部のパターンにより、平板状色素を一定方向に整列して配向させることが可能となるのである。
以下、このような偏光層形成工程における各工程について説明する。
(1)塗膜形成工程
本発明における塗膜形成工程は、樹脂層上に平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布し、上記平板状色素を配向させて塗膜を形成する工程である。
本工程に用いられる偏光層形成用塗工液は、平板状色素を含有するものである。なお、平板状色素については、上述した「A.偏光板」の偏光層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
上記偏光層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上記平板状色素に導入された置換基によって適宜選択される。例えばスルホン酸基等の親水性基が導入されている場合は、溶媒としては水が用いられる。一方、長鎖のアルキル基等の疎水性基が導入されている場合は、有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒としては、一般的なものを使用することができる。また、上記偏光層形成用塗工液は、必要に応じて例えばポリエチレングリコール等の界面活性剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明においては、上記の中でも、偏光層形成用塗工液が水系であることが好ましい。本発明に用いられる平板状色素として、カラム構造を形成し、親水性基を有しており、水溶液中でリオトロピック液晶相を示すものが好適に用いられるからである。
また、上記偏光層形成用塗工液は、上記平板状色素の他に、液晶材料を含有していてもよい。例えば、平板状色素が樹脂層の凹部により配向しにくい場合であっても、液晶材料を樹脂層の凹部に沿って配向させ、この液晶材料の配向方向に沿って平板状色素を配向させることができるからである。なお、液晶材料については、上述した「A.偏光板」の偏光層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
このような偏光層形成用塗工液の塗布方法としては、偏光層形成用塗工液が塗布可能であり、上記平板状色素を上記樹脂層の凹部のパターンにより一定方向に配列可能であれば、特に限定されるものではないが、剪断応力が加わらない塗布方法であることが好ましい。剪断応力のかかる塗布方法を用いると、塗布方向に平板状色素が配向し、上記樹脂層の凹部のパターンにより配向しにくくなる可能性があるからである。このような剪断応力が加わらない塗布方法としては、例えばスプレーコート、インクジェット法、フレキソ印刷法等が挙げられる。これらの中でもインクジェット法が好ましく用いられる。
(2)乾燥工程
本発明における乾燥工程は、上記塗膜形成工程にて形成された塗膜を乾燥する工程であり、上記偏光層形成用塗工液中に含有される溶媒を乾燥させる工程である。本発明においては、この乾燥工程を設けることにより、後述する固定化工程を円滑に行うようにしている。
上記偏光層形成用塗工液中の溶媒の乾燥方法としては、一般的に溶媒の乾燥に用いられている方法、例えば加熱乾燥、常温乾燥、凍結乾燥、遠赤外乾燥等を用いることができる。
(3)固定化工程
本発明における固定化工程は、上記平板状色素の配向状態を固定化する工程である。本発明においては、このような固定化工程を行うことにより、偏光層に耐水性および耐熱性を付与することができ、本発明により製造された偏光板の使用環境等により平板状色素の配向性が乱れることなく、配向安定性に優れたものとすることができる。
本発明に用いられる平板状色素の配向状態の固定化方法としては、平板状色素を架橋させる方法を用いることができる。この平板状色素の架橋方法としては、上記平板状色素に導入された置換基によって異なるものである。
上記平板状色素がスルホン酸基等の親水性基を有する場合は、この親水性基を疎水化処理する架橋方法が用いられる。上記平板状色素の親水性基を疎水化処理すると、隣接する平板状色素間で架橋が形成され、平板状色素の配向状態が固定化されるのである。上記平板状色素が水溶液中でリオトロピック液晶相を示すものであるときは、このような疎水化処理を行わないと、耐水性が悪く、空気中の湿気等により配向状態が乱れ易く、不安定となる場合がある。
上記疎水化処理の際に用いられる疎水化処理液としては、上記親水性基を疎水化できるものであれば特に限定されるものではなく、用いられる平板状色素の親水性基により異なるものであるが、隣接する平板状色素間で架橋を形成できるものであることが好ましい。例えば2価の金属の塩の水溶液を用いることができる。2価の金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。具体的には、塩化バリウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、塩化カルシウム水溶液等を用いることができる。
隣接する平板状色素が架橋される機構は以下の通りである。例えば、平板状色素がSONa基を有しており、塩化バリウム水溶液を用いて疎水化処理する場合、平板状色素のSONa基のSOイオンと、塩化バリウム水溶液中のBaイオンとが結合することにより、隣接する平板状色素が架橋され、配向状態が固定化されるのである。すなわち、平板状色素の法線方向が一定方向を向いて積み重なった状態で、隣接する平板状色素が架橋されるので、カラム構造が固定化されるのである。
また、疎水化処理の方法としては、上記親水性の置換基を疎水化できる方法であれば特に限定されるものではなく、上記偏光層形成用塗工液を乾燥させた後、上記疎水化処理液を塗布する方法、上記疎水化処理液に浸漬する方法などが挙げられる。この疎水化処理液の塗布後または浸漬後は、洗浄および乾燥することにより、偏光層とすることができる。
一方、上記平板状色素が長鎖のアルキル基等の疎水性基を有する場合は、例えば平板状色素のコア部分あるいはアルキル側鎖の一部に重合性基を導入し、この重合性基を重合させることにより、平板状色素を線状または網目状に架橋させ、配向状態を固定化する架橋方法が用いられる。
さらに、上記偏光層形成用塗工液が上述した液晶材料を含有する場合は、この液晶材料を重合させることによっても平板状色素の配向状態を固定化することができる。この場合、上記液晶材料は重合性基を有している必要がある。
3.その他
本発明においては、上記樹脂層形成工程の後、凹部が形成された樹脂層表面を親水化する親水化処理工程が行われることが好ましい。通常、上述したような樹脂層形成工程を行うと、形成された樹脂層表面は撥水性が高くなり、液晶がうまく配向しない可能性があるからである。なお、親水化処理方法に関しては、上記「A.偏光板」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
洗浄したガラス基板上に、下記の組成のUV硬化型のアクリレート樹脂をスピンコートし、これに電子ビーム描画法により凹凸を形成した原版を載せ、100kgの加重を1分間かける。この状態で、UV光を100mJ/cm照射し、さらに原版を剥離した後、UV光を3000mJ/cm照射し、凹部の幅1μm、凹部のピッチ2μm、凹部の深さ0.2μmの凹部または凸部パターンを形成した。これにプラズマ処理を加えることで、表面の親水化処理を行った。
このように形成した凹部または凸部パターンの溝方向に沿って、マイヤーバーを用いて、平板構造の色素を含有する水溶液(オプティバ社製;LCPN013)をコーティングし、乾燥後、15wt%の塩化バリウム水溶液に約1秒間浸漬させた。さらに洗浄して、再度乾燥し300nmの偏光板を得た。偏光度を測定したところ、88%であった。
<UV硬化型アクリレート樹脂の組成>
・ゴーセラックUV−7500B(日本合成化薬社製) 40重量部
・1,6ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬社製) 35重量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成化学社製) 21重量部
・1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製) 2重量部
・ベンゾフェノン(日本化薬社製) 2重量部
(実施例2)
形状を、凹部の幅0.2μm、凹部のピッチ0.4μm、凹部の深さ0.2μmとした以外は実施例1と同様にして凹部または凸部パターンを形成し、これにプラズマ処理を加えることで、表面の親水化処理を行った。
このように形成した凹部または凸部パターンの溝方向に沿って、インクジェットを用いて、平板構造の色素を含有する水溶液(オプティバ社製;N015)をコーティングし、乾燥後、15wt%の塩化バリウム水溶液に約1秒間浸漬させた。さらに洗浄して、再度乾燥し300nmの偏光版を得た。偏光度を測定したところ、98%であった。
(比較例1)
洗浄したガラス基板にマイヤーバーを用いて、平板構造の色素を含有する水溶液(オプティバ社製;LCPN013)をコーティングし、乾燥後、15wt%の塩化バリウム水溶液に約1秒間浸漬させた。さらに洗浄して、再度乾燥し300nmの偏光版を得た。偏光度を測定したところ、83%であった。
(比較例2)
洗浄したガラス基板にマイヤーバーを用いて、平板構造の色素を含有する水溶液(オプティバ社製;N015)をコーティングし、乾燥後、15wt%の塩化バリウム水溶液に約1秒間浸漬させた。さらに洗浄して、再度乾燥し300nmの偏光版を得た。偏光度を測定したところ、93%であった。
本発明の偏光板の一例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる樹脂層の形状の一例を示す概略断面図である。 平板状色素を説明するための説明図である。 本発明の偏光板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の偏光板の製造方法における硬化工程の一例を示す工程図である。 本発明の偏光板の製造方法における硬化工程の他の例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 樹脂層
3 … 偏光層
4 … 凹部形成用基板
12 … 硬化性樹脂組成物
13 … 平板状色素

Claims (11)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、かつ表面に凹部または凸部がパターン状に形成された樹脂層と、前記樹脂層上に形成され、かつ平板状色素を含有する偏光層とを有することを特徴とする偏光板。
  2. 前記平板状色素がアントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ナフタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、インダンスレン系色素、アクリジン系色素、ペリレン系色素、ピラゾロン系色素、アクリドン系色素、ピランスロン系色素、およびイソビオラントロン系色素からなる群より選ばれる色素であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記平板状色素は、前記平板状色素の法線方向が前記基材の一定方向を向いて積み重なったカラム構造を形成し、前記カラム構造が前記樹脂層の凹部に沿って配向していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光板。
  4. 前記平板状色素は、溶液中でリオトロピック液晶相を示すものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の偏光板。
  5. 前記樹脂層表面に親水化処理が施されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の偏光板。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の偏光板と、液晶セルとが積層されたことを特徴とする液晶表示装置。
  7. 基材または表面に凸部がパターン状に形成された凹部形成用基板上に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程、前記基材および前記凹部形成用基板を、前記硬化性樹脂組成物を挟んで重ね合わせる配置工程、前記硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化性樹脂とする硬化工程、および、前記硬化性樹脂組成物または前記硬化性樹脂から前記凹部形成用基板を剥離して凹部をパターン状に形成する凹部形成工程を行うことにより、樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層上に平板状色素を含有する偏光層形成用塗工液を塗布し、前記樹脂層の凹部により前記平板状色素を配向させて塗膜を形成する塗膜形成工程、前記塗膜を乾燥させる乾燥工程、および、前記平板状色素の配向状態を固定化する固定化工程を行うことにより偏光層を形成する偏光層形成工程と
    を有することを特徴とする偏光板の製造方法。
  8. 前記平板状色素は、前記平板状色素の法線方向が前記基材の一定方向を向いて積み重なったカラム構造を形成し、前記偏光層形成用塗工液中でリオトロピック液晶相を示すものであり、前記カラム構造は前記樹脂層の凹部に沿って配向していることを特徴とする請求項7に記載の偏光板の製造方法。
  9. 前記偏光層形成工程の塗膜形成工程では、前記偏光層形成用塗工液に対して剪断応力が加わらない塗布方法が用いられることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の偏光板の製造方法。
  10. 前記偏光層形成工程の固定化工程では、前記平板状色素を架橋する方法が用いられることを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれかの請求項に記載の偏光板の製造方法。
  11. 前記樹脂層形成工程の後、凹部が形成された樹脂層表面を親水化する親水化処理工程が行われることを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれかの請求項に記載の偏光板の製造方法。
JP2004153534A 2003-05-26 2004-05-24 偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法 Expired - Fee Related JP4488793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004153534A JP4488793B2 (ja) 2003-05-26 2004-05-24 偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003147899 2003-05-26
JP2004153534A JP4488793B2 (ja) 2003-05-26 2004-05-24 偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005010768A true JP2005010768A (ja) 2005-01-13
JP4488793B2 JP4488793B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=34106642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004153534A Expired - Fee Related JP4488793B2 (ja) 2003-05-26 2004-05-24 偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4488793B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009122574A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Nitto Denko Corp 偏光膜生成用コーティング液及び偏光膜
JP2011509192A (ja) * 2007-11-23 2011-03-24 ゾルテッヒ アーゲー 機能性複合材料
JP2011203757A (ja) * 2005-07-01 2011-10-13 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置
JP2012137762A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Boe Technology Group Co Ltd 偏光板、表示装置及び偏光板の製造方法
US8514351B2 (en) 2005-07-01 2013-08-20 Hitachi Displays, Ltd. Liquid crystal display
JP2015116509A (ja) * 2013-12-16 2015-06-25 日本ゼオン株式会社 液晶組成物の硬化物の膜の製造方法
JP2018022125A (ja) * 2016-07-22 2018-02-08 日東電工株式会社 高耐熱性偏光フィルム
KR20190027054A (ko) * 2017-09-05 2019-03-14 삼성디스플레이 주식회사 편광 소자 및 그 제조 방법
KR20210053662A (ko) * 2019-11-04 2021-05-12 주식회사 캐머론 편광판, 액정 표시 장치 및 편광판 제조 방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0921913A (ja) * 1995-07-05 1997-01-21 Sharp Corp 軸対称偏光板及びその製造方法,並びに液晶表示装置
JP2001504238A (ja) * 1996-04-15 2001-03-27 オプティバ,インコーポレイティド 液晶ディスプレイ及び方法
JP2002180052A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Fuji Photo Film Co Ltd 水溶性二色性色素、光学フイルム、偏光素子、二色性色素のミセルを配向させる方法および光学フイルムの製造方法
JP2002311246A (ja) * 2001-02-07 2002-10-23 Sumitomo Chem Co Ltd 偏光板、その製造方法及び液晶表示装置
JP2003149439A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Dainippon Printing Co Ltd 円偏光制御光学素子の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0921913A (ja) * 1995-07-05 1997-01-21 Sharp Corp 軸対称偏光板及びその製造方法,並びに液晶表示装置
JP2001504238A (ja) * 1996-04-15 2001-03-27 オプティバ,インコーポレイティド 液晶ディスプレイ及び方法
JP2002180052A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Fuji Photo Film Co Ltd 水溶性二色性色素、光学フイルム、偏光素子、二色性色素のミセルを配向させる方法および光学フイルムの製造方法
JP2002311246A (ja) * 2001-02-07 2002-10-23 Sumitomo Chem Co Ltd 偏光板、その製造方法及び液晶表示装置
JP2003149439A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Dainippon Printing Co Ltd 円偏光制御光学素子の製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011203757A (ja) * 2005-07-01 2011-10-13 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置
US8514351B2 (en) 2005-07-01 2013-08-20 Hitachi Displays, Ltd. Liquid crystal display
JP2009122574A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Nitto Denko Corp 偏光膜生成用コーティング液及び偏光膜
JP2011509192A (ja) * 2007-11-23 2011-03-24 ゾルテッヒ アーゲー 機能性複合材料
JP2012137762A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Boe Technology Group Co Ltd 偏光板、表示装置及び偏光板の製造方法
US9217818B2 (en) 2010-12-27 2015-12-22 Boe Technology Group Co., Ltd. Polarizer, display device and manufacturing method of polarizer
JP2015116509A (ja) * 2013-12-16 2015-06-25 日本ゼオン株式会社 液晶組成物の硬化物の膜の製造方法
JP2018022125A (ja) * 2016-07-22 2018-02-08 日東電工株式会社 高耐熱性偏光フィルム
KR20190027054A (ko) * 2017-09-05 2019-03-14 삼성디스플레이 주식회사 편광 소자 및 그 제조 방법
KR102580799B1 (ko) * 2017-09-05 2023-09-20 삼성디스플레이 주식회사 편광 소자 및 그 제조 방법
KR20210053662A (ko) * 2019-11-04 2021-05-12 주식회사 캐머론 편광판, 액정 표시 장치 및 편광판 제조 방법
KR102273006B1 (ko) 2019-11-04 2021-07-05 주식회사 캐머론 편광판, 액정 표시 장치 및 편광판 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4488793B2 (ja) 2010-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101063919B1 (ko) 위상차 판의 제조 방법
TW405048B (en) Production processes of color filter and liquid crystal display device
TWI798202B (zh) 光學膜及其製造方法
KR100261405B1 (ko) 컬러 필터 생산 공정 및 액정 표시 장치
KR20020079602A (ko) 액정 조성물, 컬러필터 및 액정표시장치
TW201708904A (zh) 積層體、含有該積層體之圓偏光板,及具備該積層體之顯示裝置
JP4488793B2 (ja) 偏光板、これを用いた液晶表示装置、および偏光板の製造方法
US10132978B2 (en) Polarizing element, and manufacturing method for polarizing element
US20050068476A1 (en) Polarizing plate, liquid crystal display using the same and method for manufacturing polarizing plate
TW201921001A (zh) 附光學補償功能之相位差板
JP6765429B2 (ja) 光学積層体
JP4514555B2 (ja) 光学補償偏光板
JP4459765B2 (ja) 位相差板
JP4472460B2 (ja) 位相差板
JP5189888B2 (ja) 位相差層の製造方法
TW201921000A (zh) 可撓性顯示器用附光學補償功能之相位差板
JP2005352320A (ja) 偏光板およびその製造方法
TW202214429A (zh) 光學積層體及包含此之橢圓偏光板
JP2003228052A (ja) ホログラムおよび導電層を含む表示素子
US10989849B2 (en) Optical laminate
JP7302954B2 (ja) 水平配向液晶硬化膜を含む積層体
JP2005352321A (ja) 偏光板、これを用いた液晶表示素子、およびこれらの製造方法
JP2006171260A (ja) 積層型位相差板
JP2006171262A (ja) 光学補償偏光板
JP2003035812A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100330

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees