JP2005007300A - 光触媒反応装置 - Google Patents

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Yusuke Arai
裕介 新居
Shuichi Yoshida
修一 吉田
Shigehiro Suzuki
重浩 鈴木
Katsuhiro Tokukura
勝浩 徳倉
Masayuki Yamamoto
昌幸 山本
Toshinao Nakahara
利直 仲原
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Abstract

【課題】光触媒反応の効率を向上させ得るような光触媒反応装置を提供する。
【解決手段】光触媒反応装置は、多孔質材料からなる触媒支持層2、および触媒支持層2上に設けられた光触媒層3A、3Bを備えている光触媒部材1を備えている。光触媒層3Aに対してレーザー光Lを照射することによって光触媒反応を生じさせる。レーザー光の光軸Lが光触媒層3Aの表面に対してθ傾斜している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】新しい浄化方法として、光触媒を利用した浄化方法が提案されている。光触媒は、半永久的に有機物質の分解が行えるという利点があるものの、分解反応が紫外線照射部分の表面に限られる為、膜状に被覆した場合、被処理体との接触効率が悪く、吸着剤に比較して除去能力が劣るという問題がある。そこで、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、吸着剤の吸着力と光触媒の分解力の双方の機能を利用したハイブリッド型の光触媒が提案されている。
【特許文献1】
特開平9−249824号公報
【特許文献2】
特開平10−94587号公報
【特許文献3】
特開2000−102736号公報
【0003】また、特許文献4には、紫外線ランプからの紫外線を光触媒に照射するのに際して、光触媒効率を向上させ、かつ取り扱い易い光触媒カートリッジが開示されている。
【特許文献4】
特許第3354273号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光触媒反応装置の光源には、低圧水銀灯やブラックライトを使用することが一般的である。しかし、これらの拡散光源を用いた場合、光強度が距離の二乗に反比例する。このため、奥行きが例えば5cm以上ある光触媒反応装置では、光が反応装置の奥の方にある光触媒層に充分に届かない。このため、光触媒反応装置の奥行きを大きくして、光触媒層の表面積を大きくし、反応効率を向上させることができない。
【0005】このため、本発明者は、拡散光源ではなく、奥まで充分に進入するレーザー光を、奥行きの深い触媒支持体(例えばハニカム構造体)へと照射することを検討した。しかし、レーザー光は、距離による光強度の低下が少ない代りに、直進性がきわめて優れているために、光がハニカム構造体の細孔を突き抜けてしまい、光触媒層において有効に利用されず、光触媒反応の効率を、ある程度以上向上させることが難しい。
【0006】本発明の課題は、光触媒反応の効率を向上させ得るような光触媒反応装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一の態様に係る発明は、多孔質材料からなる触媒支持層、およびこの触媒支持層上に設けられた光触媒層を備えている光触媒部材を備えており、光触媒層に対してレーザー光を照射することによって光触媒反応を生じさせる装置であって、レーザー光の光軸が光触媒層の表面に対して傾斜していることを特徴とする。
【0008】本発明者は、光触媒層に対してレーザー光を照射することによって光触媒反応を生じさせるの共に、レーザー光の光軸を光触媒層の表面に対して傾斜させるように構成することを想到した。この結果、レーザー光の直進性を有効に利用し、長い距離にわたって光触媒層へと有効に照射することができる。これによって、光触媒部材における光触媒反応の効率を向上させることが可能となった。
【0009】また、第二の態様に係る発明は、ハニカム構造体、およびこのハニカム構造体の細孔に面する内壁面に設けられた光触媒層を備えている光触媒部材を備えており、光触媒層に対してレーザー光を照射することによって光触媒反応を生じさせる装置であって、レーザー光の光軸が光触媒層の表面に対して傾斜していることを特徴とする。
【0010】本発明者は、ハニカム構造体の細孔中にレーザー光を照射することによって光触媒反応を生じさせるの共に、レーザー光の光軸を光触媒層の表面に対して傾斜させるように構成することを想到した。この結果、レーザー光の直進性を有効に利用し、ハニカム構造体の細孔内において、長い距離にわたって光触媒層へと有効に照射することができる。これによって、光触媒部材における光触媒反応の効率を向上させることが可能となった。
【0011】第一の発明、第二の発明においては、レーザー光の光軸が光触媒層の表面に対して傾斜している。この傾斜角度θは、本発明の作用効果の観点からは、0.1°以上であることが好ましく、0.25°以上であることが更に好ましい。一方、θが大きくなりすぎると、反応装置の単位体積あたりの表面積を大きくすることが困難となる。従って、傾斜角度θは、本発明の作用効果の観点からは、20°以下であることが好ましく、10°以下であることが更に好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】光触媒を構成する物質の種類は特に限定されず、TiO、SnO、WO、ZnO、SrTiO等の光触媒物質を例示できる。アナターゼ型酸化チタンが特に好ましい。
【0013】光触媒層内にはパインダーを更に含有させることができる。このようなバインダーとしては、アルコキシシラン、シリカゾル等の無機バインダーが好ましい。
光触媒層には吸着剤を添加することができる。このような吸着剤としては、ゼオライトや活性炭等を例示できる。
【0014】光触媒層を製造するには、例えば、基体上に、光散乱粒子、および光触媒機能を持つ光触媒粒子を含む塗布液からなる塗膜を形成し、この塗膜を少なくとも乾燥させる。この塗布液の分散媒は特に限定されず、水であってよく、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールなどの有機溶媒であってよく、水と有機溶媒との混合物であってよい。また、塗布液の塗布方法は特に限定されず、ディップコート、スピンコート、スプレーコートなどであってよい。
【0015】ゾルゲル法の場合には、例えばチタンアルコキシドをアルコール等の溶媒に溶かし、アミン類を安定化分散剤として用い、酸を解膠作用の目的に添加して調整する。又、上記光触媒の担持方法としてゾルゲル法を用いる場合、触媒活性の高いアナターゼ型にするためには、焼成を300〜700℃で行うこともできる。
【0016】また、光触媒層を、物理的気相成長法、化学的気相成長法、有機金属化学的気相成長法などの気相法によって成膜することもできる。
【0017】図1は、本発明の一実施形態に係る光触媒反応装置用の光触媒部材1を模式的に示す図である。本例においては、複数の平板状の触媒支持層2を配列している。各触媒支持層2の一方の面2a、他方の面2bを被覆するように、それぞれ光触媒層3A、3Bが形成されている。複数の触媒支持層2が、図1において、レーザー光の光軸Lに対して略垂直方向へと向かって配列および積層されている。各触媒支持層2上の各光触媒層3Aの表面3aの方向Cは、レーザー光の光軸Lに対して角度θだけ傾斜している。また、隣接する触媒支持層2上の各光触媒層3Aのなす角度は2θになっている。この結果、各触媒支持層2はジグザグに形成され、図示しない保持部材によって形状保持されている。隣接する触媒支持層2の間においては、一方の面2a側には、断面楔形の空隙4が形成されており、他方の面2b側には、断面楔形の空隙5が形成されている。
【0018】本例の光触媒部材を被処理物質の汚染除去用途に使用する場合には、一方の面2a側から矢印Lのようにレーザー光を照射し、他方の面2b側から矢印Aのように被処理物質を流す。被処理物質Aは、光触媒層3Bに接触し、多孔質材料からなる触媒支持層2を透過し、光触媒層3Aを透過し、矢印Bのように排出される。
【0019】また、図2の光触媒装置においては、光触媒部材の一方の面2a側にレーザー光Lを照射すると共に、一方の面2a側に被処理物質を矢印Aのように供給する。被処理物質Aは、光触媒層3Aに接触し、多孔質材料からなる触媒支持層2を透過し、光触媒層3Bを透過し、矢印Bのように排出される。
【0020】図3の光触媒反応装置においては、一方の面2a側から矢印Lのようにレーザー光を照射し、かつ,他方の面2b側から矢印Rのようにレーザー光を照射する。そして、他方の面2b側から矢印Aのように被処理物質を流す。被処理物質Aは、光触媒層3Bに接触し、多孔質材料からなる触媒支持層2を透過し、光触媒層3Aを透過し、矢印Bのように排出される。
【0021】第一の発明において好ましくは、複数の光触媒部材を設け、複数の光触媒部材を所定方向に配列する。この例は例えば図1〜図3に示した。
【0022】また、第一の発明において好ましくは、触媒支持層の光軸L方向の長さT(図1参照)が5cm以上である。これが5cmを超えると、拡散光源からの光の減衰が大きくなるので、本発明が一層効果的である。
【0023】また、第一の発明において、多孔質材料は特に限定されず、セラミックス、ガラス、金属、セラミックス−金属複合体であってよい。特に好ましくは、多孔質材料がセラミック焼結体である。これにはコージェライト、アルミナを例示できる。
【0024】本発明においては、触媒支持層の一方の面のみに光触媒層を形成できるが、特に好ましくは触媒支持層の両面に光触媒層を設けることができる。この実施形態は図1〜図3に示した。この場合、レーザー光を矢印Lのように一方の面2a側からのみ照射する場合には、他方の面2b側の光触媒層3Bの活性を向上させるためには、触媒支持層2が透明または半透明であることが好ましい。また、図3に示すように、矢印L、Rのように両面からそれぞれレーザー光を照射することができる。
【0025】また、本発明においては、触媒支持層の一方の面側にレーザー光を照射し、触媒支持層の他方の面側に被処理物質を供給することができる。
被処理物質中に含まれるダストが光触媒層上に堆積し、光触媒層を被覆すると、光触媒層の触媒活性が低下する。本実施形態においては、触媒支持層から見て、レーザー光の照射面と被処理物質の供給面とを反対側にしている。これによって、被処理物質中のダストは、レーザー光が直接照射される光触媒層上ではなく、触媒支持層の他方の面側に堆積する。従って、被処理物質中のダストの堆積による触媒活性の低下を抑制できる。
【0026】前記の被処理物質は特に限定されない。被処理物質は、例えば、有害成分や汚染成分を含むガスであってよく、液体であってよい。汚染物質ないし有害物質としては、VOC、NOx、ダイオキシン、色度成分、COD、トリハロメタン、環境ホルモン、POPS、重金属などであってよい。
【0027】レーザー光の種類、波長、出力は特に限定されず、目的とする光触媒作用に応じて選定される。レーザー光源としては、例えば赤色半導体レーザーと光学非線形素子の一種であるSHGを組み合わせた全固体紫外レーザーを例示できる。また、レーザー光の波長は、例えば、DVD−R用に市販されている発振波長660nmの赤色レーザー光をSHG素子で変換した330nmである。
【0028】第一の発明の好適な実施形態においては、多孔質材料が、不織布または織布からなる。特に好ましくは、不織布を折り畳むことによって、複数の触媒支持層を形成することができる。これによって、任意の形態の触媒支持層を容易に形成できる。
【0029】また、隣接する触媒支持層の間にスペーサーを挟むことによって、触媒支持層の形態を保持することが有利である。特に、不織布を折り畳むことによって複数の触媒支持層を形成した場合には、隣接する触媒支持層の間にスペーサーを挟むことが特に有利である。
【0030】この場合には、スペーサー上にも光触媒層を形成することによって、装置の光触媒効率を一層向上させることができる。また、スペーサー上に、レーザー光を反射する反射部を設けることできる。これによって、スペーサーに照射されたレーザー光を反射し、触媒支持層上の光触媒層へと照射することができるので、レーザー光の出力の利用効率が一層高くなる。
【0031】図6は、本実施形態の光触媒部材13を概略的に示す斜視図である。図4は、本実施形態の光触媒部材13を示す正面図であり、図6において矢印IV側から見た図である。図5は、図4の光触媒部材13を、図6において矢印L側から見た図である。
【0032】光触媒部材13においては、不織布を折り畳むことによって、複数の触媒支持層10をジグザグ形状に成形している。各触媒支持層10の一方の面10aを被覆するように光触媒層11が形成されている。複数の触媒支持層10が、図4において、レーザー光の光軸Lに対して略垂直方向へと向かって配列および積層されている。各触媒支持層10上の各光触媒層11の表面11aの方向Cは、レーザー光の光軸Lに対して角度θだけ傾斜している。また、隣接する触媒支持層10上の各光触媒層11の表面11aのなす角度は2θになっている。この結果、各触媒支持層2はジグザグに形成されている。隣接する触媒支持層10の間においては、一方の面10a側には、断面楔形の空隙4が形成されており、他方の面10b側には、断面楔形の空隙5が形成されている。
【0033】各空隙4中には、図5、図6に示すように、波形に成形されたスペーサー12が挿入されており、スペーサー12によって、隣接する各触媒支持層10の位置が固定されている。本例では、例えば、スペーサー12の表面を鏡面とすることによって、レーザー光Lをスペーサー12の表面で反射し、各光触媒反応装置11へと照射することができる。
【0034】本例の光触媒部材を被処理物質の汚染除去用途に使用する場合には、触媒支持層10の一方の面10a側から矢印Lのようにレーザー光を照射し、他方の面10b側から矢印Aのように被処理物質を流す。被処理物質Aは、多孔質材料からなる触媒支持層10を透過し、光触媒層11を透過し、矢印Bのように排出される。
【0035】また、図7に示すように、スペーサー12Aの本体12a上に、反射層14A、14Bを設けることができる。反射層14A、14Bの材質としては、最上部にSiO等の保護膜を設けたアルミニウム、誘電体多層膜を例示できる。
【0036】あるいは、スペーサー12Aの本体12a上に、光触媒層14A、14Bを設けることができる。光触媒層14A、14Bは、前述したものと同様のものである。
【0037】図8は、第二の発明に係る光触媒部材20を概略的に示す断面図である。本例においては、ハニカム構造体21を準備する。ハニカム構造体21には細孔21aが設けられている。21b、21cは各細孔21の開口である。そして、各細孔21中には、光触媒物質からなる層22が形成されており、光触媒層22の内側に流通孔23が形成されている。本例では、流通孔23の孔径は、開口21bから21cへと向かって徐々に小さくなっている。各流通孔23は、レーザー光の光軸Lに対して略垂直方向へと向かって配列されている。
【0038】各光触媒層22の表面22aの方向Cは、レーザー光の光軸Lに対して角度θだけ傾斜している。また、同じ細孔21a内で隣接する光触媒層22のなす角度は2θになっている。
【0039】本例の光触媒部材20を被処理物質の汚染除去用途に使用する場合には、一方の開口21b側から矢印Lのようにレーザー光を照射し、他方の開口21cから被処理物質を矢印Aのように流す。被処理物質Aは、細孔の流通孔23内で触媒作用を受け、矢印Bのように開口21bから排出される。ただし被処理物質は開口21b側から矢印Lのように流して、開口21cから排出させても良い。
【0040】ここで、被処理物質、光触媒層の構成は、前述したとおりである。また、ハニカム構造体それ自体は公知のものであり、その材質は限定されず、例えばセラミックス、金属、セラミックス−金属複合体であってよい。
【0041】第二の発明においては、ハニカム構造体21の光軸L方向の長さTが5cm以上になると、本発明の作用効果が特に顕著となる。
【0042】第一、第二の発明においては、光触媒部材へと被処理物質を供給する前に、被処理物質からダストを除去するためのダスト除去機構を設けることができる。あるいは、触媒層への吸着物を洗浄するための洗浄機構を設けることができる。これによって、被処理物質中のダストの光触媒層上への堆積による、光触媒効率の低下を抑制できる。
【0043】例えば図9のブロック図に示すように、被処理物質(例えば被処理ガス)を矢印Dのようにダスト除去設備25へと供給し、ダスト除去設備通過後の被処理物質を矢印Aのように光触媒反応部26へと送る。反応部26内には、前述した第一、第二の発明に係る各光触媒部材が内蔵されている。そして、レーザー光源27から矢印Lのようにレーザー光を照射し、清浄ガスを矢印Bのように排出する。ダスト除去装置25がある場合は、光触媒表面には基本的にはダストは堆積せず、触媒表面には被処理物質の反応副生成物のみが光触媒上に蓄積する。これらの反応副生成物は清浄機構28を用いて洗浄除去する。
【0044】このようなダスト除去設備としては、フィルター、スクラバー、電気集塵装置を例示できる。
また、清浄機構としては、ジェット水流洗浄装置、薬品洗浄装置を例示できる。
【0045】
【実施例】(実施例1)
図1に示すような形態の光触媒部材1を作製した。幅30mm、厚さ1mm、奥行き30mm、50mm、100mm、300mmまたは500mmのコージェライト製多孔質板2を焼成した。多孔質板2の表面2a、2bに、光触媒として酸化チタン用スラリーをディップコートし、400℃で1時間焼成した。これを66枚用いて、図1に示すようなV字構造とし、V字構造を33段積層した。隣接する各多孔質板2は、無機接着剤で封口し、固定し、反応装置に組み込んだ。θは0.6°である。
【0046】光源は、半導体赤色レーザーにSHG素子を組み合わせた波長360nm出力50mWの紫外光レーザーを200個組み合わせ、総出力10Wのシステムを使用した。この反応装置に、処理ガスとしてアセトアルデヒド100ppmを含む空気を流量1Nm/minで通し、処理特性を計測した。光の照射方向に対してガスは対向で流した。
【0047】比較のため、この装置の光源を200Wのブラックライト(紫外線出力10W)に交換したものついて、測定を行なった。測定結果を表1示す。
【0048】
【表1】
Figure 2005007300
【0049】奥行きTが5cm未満では、レーザーとブラックライトでの測定結果に大きな差が認められない。しかし、奥行きTが5cm以上になると、レーザー光源を使用した場合には、ブラックライトを使用した場合と比べて、処理能力、量子効率が高くなることが確認された。
【0050】(実施例2)
図4〜図7に示す光触媒部材13を作製した。具体的には、幅30mm、厚さ3mm、長さ33mのガラス繊維の不織布を用意し、50cm単位で折りたたみ、V字構造の積層体を形成した。この表面に光触媒11として市販の常温硬化型の酸化チタンをディップコートし、乾燥、硬化させ、反応装置に組み込んだ。θが1°に保持できるように、あらかじめガラス繊維不織布と同じ光触媒14A、14Bをコートした金属製のスペーサー12Aを挿入した。光源は、実施例1と同じシステムを使用した。この反応装置に処理ガスとしてアセトアルデヒド50ppmを含む空気を流量1Nm/minで通し、処理特性を計測した。光の照射方向に対して、ガスを対向方向に流した。
【0051】比較のため、光触媒をコートしていない金属製スペーサーと鏡面加工したスペーサーを用いた実験も行なった。評価結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 2005007300
【0053】このように、スペーサー表面に鏡面処理を施したり、光触媒層を設けることによって、光触媒効率、量子効率を一層向上させ得ることが分かった。
【0054】(実施例3)
図8に示す光触媒部材20を作製した。具体的には、断面が150mm×150mm、壁厚1mm、開口部形状5mm角、長さ500mmのコージェライト製ハニカム構造体を準備した。
本発明例においては、平均粒径3ミクロンの酸化チタンを水溶性バインダーを含む水溶液に懸濁させたスラリーに多層ディップコートを行ない、ハニカムの口径が連続的に変化させたものを作製した。多層ディップコートは、最初に500mm全体をスラリーにディップし、引き上げた後、100℃で乾燥する。乾燥後、上部100mm残して400mmをディップし、引き上げた後、100℃で乾燥する。同様に上部200mm残して300mmをディップし、引き上げ、乾燥する。次いで、上部300mm残して200mmをディップし、引き上げ、乾燥する。次いで、上部400mm残して100mmをディップ、引き上げ、乾燥を行なった。乾燥後のハニカムを450℃で1時間焼成した。この結果、上部開口部形状は約5mm角、下部開口部形状はφ約1mmとなった。
【0055】比較例においては、ハニカム構造体の細孔中に、酸化チタン光触媒ゾルに平均膜厚0.2μmになるようディップコートし、乾燥後、400℃で5時間、焼成を行なった。
【0056】本発明例および比較例の各光触媒部材を反応管に入れ、実施例1のガスおよび紫外線光源を用いて評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
Figure 2005007300
【0058】比較例においては、レーザー光の透過率が38.5%と大きく、光触媒に光が有効に当らないため、処理速度、量子効率とも低かった。本発明例においては、レーザー光が有効に利用されていることが確認された。
【0059】(実施例4)
実施例2の装置を用い、処理ガスの流す方向をガスと光照射方向が並流になるようにした場合と、ガスと光照射方向が向流になるように試験を行ない、比較を行なった。ガスにはベンゼンと粉塵を含む実際の排ガスを使用した。結果を図10に示す。初期は両者共ほぼ同じ特性を示したが。時間がたつに従って、処理ガスの流す方向と光照射方向が並流の場合は、ベンゼンの分解性能が大きく低下した。試験後のガラス繊維不織布を調査したところ、並流運転した場合は、光触媒上に粉塵が堆積して光触媒を被覆してしまったため、光触媒に光があたる面積が減少したためと判明した。しかし、堆積したダストを除去後に再び並流運転した場合は、分解性能は回復した。また、前段にダスト除去機能を付加した場合は、ベンゼンの分解性能は高い状態で維持することができた。一方、向流運転した場合は、ガラス繊維不織布がフィルターの役目をしたため、粉塵が光触媒側に通過せず、光触媒の受光面積が減少しなかった。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、光触媒反応の効率を向上させ得るような光触媒反応装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光触媒部材1を模式的に示す図であり、レーザー光Lに対して被処理物質Aが反対方向から供給されている。
【図2】光触媒部材1を模式的に示す図であり、レーザー光Lに対して被処理物質Aが同じ方向から供給されている。
【図3】光触媒部材1を模式的に示す図であり、レーザー光L、Rが触媒支持層2の両側から照射されている。
【図4】光触媒部材13を模式的に示す図である。
【図5】光触媒部材13のスペーサー12の形態を示す図である。
【図6】光触媒部材13を概略的に示す斜視図である。
【図7】他のスペーサー12Aの形態を示す図である。
【図8】ハニカム構造体を利用した光触媒部材20を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る光触媒反応装置のブロック図である。
【図10】実施例4において、被処理物質の反応速度と経過時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】1、13、20 光触媒部材 2、10 触媒支持層 3A、3B、11 光触媒層 3a、11a 光触媒層の表面 4、5 空隙 12、12A スペーサー 14A、14B 反射層あるいは光触媒層 21 ハニカム構造体 21a 細孔 21b、21c 細孔21の開口 22 光触媒層 22a 光触媒層の表面 25 ダスト除去設備 26 光触媒反応部 27 レーザー光源 28 洗浄機構 A 被処理物質 B 反応後の被処理物質 L、R レーザー光の光軸 T 光触媒部材の奥行き θ 光触媒層の表面とレーザー光の光軸とがなす角度

Claims (21)

  1. 多孔質材料からなる触媒支持層、およびこの触媒支持層上に設けられた光触媒層を有する光触媒部材を備えており、前記光触媒層に対してレーザー光を照射することによって光触媒反応を生じさせる装置であって、
    前記レーザー光の光軸が前記光触媒層の表面に対して傾斜していることを特徴とする、光触媒反応装置。
  2. 複数の前記触媒支持層を備えており、複数の前記触媒支持層が所定方向に配列されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 前記触媒支持層の前記光軸方向の長さが5cm以上であることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
  4. 前記多孔質材料がセラミック焼結体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  5. 前記多孔質材料が、不織布または織布からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  6. 複数の前記触媒支持層が、前記不織布を折り畳むことによって形成されていることを特徴とする、請求項5記載の装置。
  7. 隣接する前記触媒支持層の間にスペーサーが挟まれていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  8. 前記スペーサー上に光触媒層が形成されていることを特徴とする、請求項7記載の装置。
  9. 前記スペーサー上に、前記レーザー光を反射する反射部が設けられていることを特徴とする、請求項7記載の装置。
  10. 前記触媒支持層の両面に前記光触媒層が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  11. 前記触媒支持層の一方の面側に前記レーザー光を照射し、前記触媒支持層の他方の面側に被処理物質を供給することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  12. 前記触媒支持層の一方の面側に前記レーザー光を照射し、前記触媒支持層の前記一方の面側に被処理物質を供給することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  13. 前記触媒支持層の前記両面側に前記レーザー光を照射することを特徴とする、請求項10記載の装置。
  14. 前記光触媒部材へと前記被処理物質を供給する前に、前記被処理物質からダストを除去するためのダスト除去機構を備えていることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  15. 前記光触媒層への吸着物を洗浄するための洗浄機構を備えていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  16. ハニカム構造体、およびこのハニカム構造体の細孔に面する内壁面に設けられた光触媒層を有する光触媒部材を備えており、前記光触媒層に対してレーザー光を照射することによって光触媒反応を生じさせる装置であって、
    前記レーザー光の光軸が前記光触媒層の表面に対して傾斜していることを特徴とする、光触媒反応装置。
  17. 前記ハニカム構造体の前記光軸方向の長さが5cm以上であることを特徴とする、請求項16記載の装置。
  18. 前記ハニカム構造体の前記細孔の一方の開口側に前記レーザー光を照射し、前記細孔の他方の開口側に被処理物質を供給することを特徴とする、請求項16または17記載の装置。
  19. 前記細孔の一方の開口側に前記レーザー光を照射し、前記細孔の前記一方の開口側に被処理物質を供給することを特徴とする、請求項16または17記載の装置。
  20. 前記光触媒部材へと前記被処理物質を供給する前に、前記被処理物質からダストを除去するためのダスト除去機構を備えていることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  21. 前記光触媒層への吸着物を洗浄するための洗浄機構を備えていることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一つの請求項に記載の装置。
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