JP2004121371A - 空気清浄用部材および空気清浄用エレメント - Google Patents

空気清浄用部材および空気清浄用エレメント Download PDF

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Abstract

【課題】その製造を容易に行なうことができ、且つ一旦担持された光触媒は運搬時や使用時において容易に脱落することがなく、空気清浄化能に優れた空気清浄用部材を提供する。
【解決手段】空気を清浄化するための部材であって、基材上の少なくとも片面に表面凹凸を有する粒子が被覆されており、更に光触媒作用を有する微粒子が担持されており、実質的に空気を通さない空気清浄用部材を開示する。当該構成を採用することにより、光触媒の担持を簡便且つ強固に行なうことができ、また、光触媒と空気との有効接触表面積を大きく、その接触時間を長くできることから、空気清浄化能を大幅に向上させることができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄用部材およびこれを用いた空気清浄用エレメントに関するものである。更に詳しくは、本発明の空気清浄用部材は、その製造工程において光触媒の担持を容易に行なうことができるという高い利便性を有し、また、被処理空気に対する光触媒の有効表面積が大きく優れた空気清浄化能を有している上に成形性や保形性を享有させることも可能であるので、空気清浄装置等の部材として有用である。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン等の光触媒は、吸着剤の様に破過寿命がなく長期に亘って活性を維持し、空気中の有害物質や臭気物質を分解したり殺菌し続けることができることから、空気清浄装置等に広く活用されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の空気浄化ユニット等では、光触媒を担持したエアフィルターを構成部材とし、また、特許文献2で開示されている空気清浄機では、ハニカム構造体に光触媒を担持させることによって、照射される光が一定でない場合でも少なくとも一部に光が照射される様に工夫されている。
【0004】
しかし、これら何れの部材も空気を通過させることによって浄化する機構であるため空気と光触媒との接触時間が短く、空気清浄化能は充分でない。また、こうした接触時間の短さは、エアフィルター等に担持された光触媒と空気との有効接触表面積の小ささにも起因している。
【0005】
この様な空気清浄化能の問題は、有害物質や臭気物質を多量に含む様な工業的設備から発生する排気ガスの処理において重要である。また、空気清浄用部材を家庭的に使用する場合であっても、空気清浄化能が低ければシックハウス症候群などを充分に防止できない。
【0006】
また、特許文献1にはシリカやアルミナによってアンダーコート層を形成し、その上に光触媒を担持させる旨の記載もみられるが、エアフィルターが目詰まりを起こす程にアンダーコート層を形成することはできないので、満足のいく空気清浄化能を発揮させるに足る充分量の光触媒を担持させることはできない。
【0007】
更に、これら従来技術は繊維等に光触媒を担持させたものであるため成形性や保形性に乏しく、これら自体を空気清浄装置等の主骨格とすることができない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−325444号公報(請求項1等)
【特許文献2】
特開2001−79070号公報(請求項1等)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に着目して為されたものであって、その目的は、その製造工程において光触媒の担持を容易に行なうことができ、且つ一旦担持された光触媒は運搬時や使用時において容易に脱落することがなく、成形性や保形性をも享有でき、その上、光触媒と空気との有効接触表面積が非常に広く接触時間が長いことから優れた空気清浄化能を発揮できる空気清浄用部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、空気と光触媒との接触面積を拡大すると共に接触時間を長くできる条件について鋭意研究を進めたところ、先ず基材に表面凹凸を有する粒子を接着しその上に光触媒を担持させれば、製造が非常に容易である上に光触媒の保持性も向上し、光触媒と空気との接触面積が大幅に拡大されること、また、実質的に空気が通らない様な構造とすれば空気清浄化能の非常に優れた部材が得られることを見出して本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明に係る空気清浄用部材は、空気を清浄化するための部材であって、基材上の少なくとも片面に表面凹凸を有する粒子が被覆されていると共に、光触媒作用を有する微粒子が担持されており、実質的に空気を通さないことを特徴とする。
【0012】
この「表面凹凸を有する粒子」の平均粒径は、約7μm〜約500μmが好ましい。また、その種類としては、溶融アルミナ,炭化珪素,ジルコニア,およびエメリーからなる群より選択される1種以上を好適に使用できる。
【0013】
「光触媒作用を有する微粒子」の平均粒径は約30nm以下が好ましく、その素材として酸化チタンを好適に使用することができる。また、酸化チタンの結晶構造はアナターゼ型であることが好ましい。
【0014】
本発明の空気清浄用エレメントは、上記空気清浄用部材と光源を構成要素として含み、該空気清浄用部材が気流に接触し且つ光源からの光照射を受ける部位に配置されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る空気清浄用部材が有する最大の特徴は、空気と光触媒との接触面積が大きく接触時間を長くとれることから空気清浄化能が非常に優れている上に、その製造時においてバインダーを使用しなくても光触媒微粒子の担持が非常に容易であり、更には一旦担持された微粒子は容易に脱落することがない点にある。即ち本発明では、上記構成要件を採用することによって、空気清浄化能が充分でなかった従来の空気清浄用部材を改良し空気清浄化能を顕著に高めることに成功したものである。
【0016】
以下に、斯かる特徴を発揮する本発明の実施形態、及びその効果について詳細に説明する。
【0017】
本発明の空気清浄用部材は、基材上の少なくとも片面に表面凹凸を有する粒子が被覆されており、更に光触媒作用を有する微粒子が担持されることによって構成される。
【0018】
使用される「基材」としては、紙,布,金属,木材等を特に制限なく使用することができる。即ち、粒子を被覆することができるものであれば、特に制限されない。但し、「基材」としては可塑性を有し、自由に加工できるものを使用することが好ましい。従来品は空気を透過させるエアフィルターを使用していたので成形性に乏しく、成形できる場合であっても保形性を有しなかったが、本発明の「基材」は材質の選択における自由度が大であるため、空気清浄用装置等、空気を清浄化するためのあらゆる機器への応用を可能とすることができる。この場合には、目的に応じて材質やその厚さを選択すればよいが、紙,布や金属を使用し、その厚さは約50μm〜約900μmであることが好ましい。この様な「基材」であれば成形性や保形性を有し、加工が可能となるからである。当該加工は、微粒子を担持した後に行なってもよいし、粒子を被覆した後に行なって更に微粒子を担持させてもよいし、或いは加工を行った後に粒子を被覆し更に微粒子を担持してもよい。
【0019】
基材上に被覆する「表面凹凸を有する粒子」の主たる作用効果は、光触媒作用を有する微粒子の担持を容易とし、且つ当該粒子の表面に存在する孔や凹部、更に粒子同士の間隙に微粒子を担持して脱落を防止することにある。つまり、基材にこの「表面凹凸を有する粒子」を被覆することによって、バインダーを使用しなくても容易に光触媒微粒子を担持させ、且つ容易に脱落させないことが可能となり、また、光触媒微粒子がバインダーに埋没することによる空気との接触面積の減少を回避することができる。よって、「表面凹凸を有する粒子」としては、基材への被覆が容易であり、また、微粒子を担持できる様に微細な凹凸で覆われているものや多孔性のものが使用される。
【0020】
このような「表面凹凸を有する粒子」の例としては、例えば溶融アルミナ,アルミナ,炭化珪素,ジルコニア,ガーネット,エメリー,ダイアモンド,柘榴石,珪石,珪藻土,酸化鉄,酸化クロム,焼成アルミナ,炭化硼素,炭化タングステン,焼成ドロマイト,トルマリン,シリカ,アルミニウム,白金,鉄,銅,ゼオライト等を挙げることができ、これらから選択される1種を単独で使用するか、或いは2種以上を適宜組合わせて使用することができる。これらのうち溶融アルミナ,炭化珪素,ジルコニアおよびエメリーは、安価であり製造時の利便性が高い。また、酸化鉄,酸化クロム,アルミニウム,白金,および銅は、光触媒として酸化チタンを使用する場合にその触媒活性を高める作用を有する。更に、トルマリンやゼオライトは、それ自体が脱臭機能を有する。
【0021】
「表面凹凸を有する粒子」の平均粒径は、約7μm〜約500μmが好ましい。約7μm未満であると光触媒作用を有する微粒子の担持能が不足気味となり、また、約500μmを超えると基板から脱落し易くなり、ひいては光触媒微粒子を担持できなくなるからである。従って、当該平均粒径は、約10μm以上,約100μm以下が更に好ましい。
【0022】
このような「凹凸の粒子」の作成方法は、一般的な公知方法を特に制限なく使用することができ、例えば上記原料を機械的に粉砕した後、ふるい分けや水中における浮遊・沈降度等により粒度を整えることによって作製することができる。
【0023】
表面凹凸を有する粒子を基材に被覆する方法は、微粒子が担持されるべき粒子の表面凹凸や粒子同士の間隙が残留するものであれば、一般的なものを使用することができる。例えば、基板上に薄く接着剤を延展し、その上に粒子を接着させて被覆する方法が挙げられる。この場合の接着剤としては、一般的には膠や耐水レジン等のレジンなどを挙げることができる。また、表面凹凸を有する粒子を被覆した基材として、例えば市販のサンドペーパーをそのまま使用し、これに光触媒微粒子を担持させることもできる。
【0024】
「光触媒作用を有する微粒子」としては、光を照射することによって空気中のアルデヒド類等の有害物質を分解除去したり、悪臭の原因物質を吸着分解したり、殺菌・滅菌作用や防汚効果を発揮できるものを使用する。具体的には、遷移金属やその酸化物を光触媒として使用することができ、例えば酸化チタン,酸化亜鉛,酸化タングステン,酸化カドニウム,酸化インジウム,酸化銀,酸化マンガン,酸化鉄,酸化スズ,酸化バナジウム,酸化ニオブ等を挙げることができる。これらのうち、酸化チタンを好適に用いることができる。酸化チタンは劣化し難く半永久的に触媒を発揮できるのみならず、安全に使用できるからである。また、酸化チタンの結晶構造にはルチル型とアナターゼ型の2種類があるが、光触媒活性の点からアナターゼ型が好適に用いられる。
【0025】
「光触媒作用を有する微粒子」の平均粒径は、約30nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下である。「表面凹凸を有する粒子」の表面に存在する凹部や孔等に担持され易く、また、約30nmを超えると光触媒活性が不足気味となるおそれがあるからである。平均粒径の好ましい下限は、5nmである。これ未満になると、必要以上に微細な粒子が空気清浄用部材から脱落し易くなるからである。また、上記範囲内の微粒子であれば水分によって凝集し易く、充分な活性を保持しつつ担持され易いという効果もある。
【0026】
好ましい粒径の「光触媒作用を有する微粒子」を得るには、例えば液相法や気相法を使用することができる。ここで液相法とは、原料物質を加水分解し生成した沈殿を焼成する方法であり、気相法とは、原料物質を高温下に酸素により燃焼させる方法である。
【0027】
本発明の空気清浄用部材は、実質的に空気を通さない。空気清浄装置等に使用されている従来の空気清浄用部材は、空気を通すフィルター等に光触媒を担持させたものであるため、空気と光触媒との接触時間が短く、空気を充分に浄化することができない。一方、本発明の空気清浄用部材は実質的に空気を通さないため、気流に沿って部材を配置すれば空気との接触時間が長くなり、充分な空気の清浄化を図ることができる。また、エアフィルターにおける目詰まり等を考慮する必要がないことから、充分量の光触媒を担持することが可能である。尚、当該要件を満たすためには、基材として実質的に空気を通さない材料を使用するのが一般的である。
【0028】
本発明の構成を採用すれば、光触媒作用を有する微粒子の担持を、バインダーを用いることなく非常に簡便に行なうことができる。表面凹凸を有する粒子が被覆された基材上に光触媒作用を有する微粒子を担持する方法は特に制限されないが、一般的な方法を使用することができる。例えば、粒子が被覆された基材上に微粒子を直接塗り付け(擦り付け)たり、事前に微粒子をスラリー状としたものを乾燥しておき、これを粒子が被覆された基材上に擦り付けたり、或いは粒子が被覆された基材を微粒子スラリーにディップし乾燥した後に、余分に付着した微粒子を落とすといった非常に簡便な方法を採用することができる。
【0029】
この様に製造される空気清浄用部材の模式図を図1に示す。当該図の通り、「光触媒作用を有する微粒子」3は「表面凹凸を有する粒子」2表面上の凹凸や粒子間の間隙に担持されるので、容易に脱落することはない。また、「光触媒作用を有する微粒子」が空気と接触する面積は非常に大きくなるので、本発明に係る空気清浄用部材は優れた空気清浄化能を享有するものとなる。
【0030】
本発明に係る空気清浄用部材を使用した空気清浄用エレメントの例を図2に示す。当該エレメントでは、ケーシング部4の内面に沿って本発明の空気清浄用部材5が設置されており、その中に光触媒を活性化するための光源6が配置されている。そして、当該エレメント内に導入された空気は、部材5を通過することなくこれに沿って移動するため表面に担持されている光触媒と充分に接触できるため、空気中の有害成分や臭気成分等は効率的に分解される。尚、ここで使用される光源は光触媒の触媒能を発揮させ得るものを使用し、光触媒の種類に応じた最適なものを選択すればよい。例えば、照射すべき光が外部に漏れない場合には、光触媒の触媒活性を最大限に発揮させることができる紫外線ランプを使用することができる。
【0031】
工業的設備等から発生する大量の排気を処理する場合等には、例えば図3に示す様な多数のエレメントを積層する等によって、有害成分等が含まれる大量の排気ガスの処理に適応できるようにすることも可能である。また、この様に排気ガス等を大量に処理する場合等には、基材の両面に光触媒作用を有する微粒子を担持させることによって、より効率的な処理を行なうこともできる。
【0032】
勿論、上記の図によって本発明の範囲が限定されるものではない。例えば上記の他にも、本発明の空気清浄用部材を太陽光や室内光の照射を受ける部位の壁紙等として設置すれば、恒常的に空気内の有害成分等を分解し続けるため、シックハウス症候群などを防止することができる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例および試験例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)空気清浄用部材の作製
平均粒径80μmの炭化珪素が接着された10cm角のサンドペーパー((株)コクヨ製,耐水ペーパー#320)上に、平均粒径7nmの酸化チタン(石原産業製,ST−01)微粉末をスラリー状にした後乾燥したものを満遍なく擦り付け、余分な酸化チタンを振るい落として空気清浄用部材を作製した。
【0035】
(試験例1)空気清浄化能試験
容積7.5Lの密閉金属容器内に、実施例1で作製した10cm角の空気清浄用部材を設置し、更に、当該試験部材の表面に紫外線が当たるように上部から6cm離した場所に紫外線殺菌灯(波長254nm)を設置した。
【0036】
この密閉容器内にアセトアルデヒドを適当量装入し、紫外線殺菌灯を点灯せずに30分間静置した後、殺菌灯を点灯し(図4中、時間0のポイント)、アセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーにて測定した。
【0037】
また、フィルターに光触媒を担持させた以下の従来品を比較例として、同様に試験を行なった。
【0038】
A−ガラス繊維織布フィルター((株)オーシステム製)
B−ハニカムフィルター(三菱製紙(株)の「アクアラジット」)
C−多孔質金属フィルター(日立金属(株)の「TiOMET])
D−酸化チタン溶射フィルター((財)近畿高エネルギー加工技術研究所製)
E−結晶型酸化チタンフィルター((株)神戸製鋼所製)
更に、対照として空気清浄用部材を設置しない場合も、同様に測定を行なった。結果をグラフとして図4に示す。
【0039】
図4の結果によれば、エアフィルターに光触媒を担持させた従来品は、必ずしも空気清浄能が充分でないことが明らかにされた。尚、紫外線ランプを点灯する前にもアセトアルデヒド濃度が低減しているのは、夫々の材質における孔に捕捉されているのが原因と考えられる。
【0040】
紫外線ランプ点灯後においても、Eを除いてその傾きが殆ど変化していない。即ち、従来品の空気清浄能は材質の化合物吸着能に依存しており、光触媒の特性は殆ど発揮されていないことが解かる。また、多少の光触媒効果が観察されるEでも、空気清浄能は充分でない。尚、アセトアルデヒド濃度だけをみれば製品Bはそれなりに空気清浄能が優れているが、濃度の減少が大方紫外線ランプの点灯前に終了しており、光触媒は殆ど作用していない。このことは吸着能が飽和すれば最早それ以上の空気清浄能は望めず、持続的な効果は期待できないことを意味する。
【0041】
一方、実施例1によれば、本発明の空気清浄用部材は非常に簡便に光触媒を担持することにより製造することができ、また、図4の結果によれば、僅か30分という短時間でも有害物質を殆ど分解でき、60分後では有害物質を数ppmまで低減することができるという高い空気清浄化能を有することが明らかとなった。これは、本発明部材が「基材」に「凹凸を有する粒子」を被覆し、それに「光触媒微粒子」を担持するという構成によって、容易に「光触媒微粒子」を担持することができるにも拘わらず、より多くの「光触媒微粒子」を堅固に担持することができ、且つバインダーを使用する必要がないため空気に対する接触表面積が非常に大きいことに起因していると考えられる。また、本発明品の空気清浄能は材質の有害物質吸着能に依存していないため、恒常的かつ半永久的にその特性を発揮し続けることが可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の空気清浄用部材は、その製造工程において光触媒の担持を容易に行なうことができ、且つ一旦担持された光触媒は運搬時や使用時において容易に脱落することがなく、その上、光触媒と空気との有効接触表面積が非常に大きく接触時間を長くすることができ、優れた空気清浄化能を有する。また、本発明の空気清浄用エレメントは、空気清浄用部材が享有するこれら効果をそのまま有効に発揮できるので、工業的設備等から発生する大量の有害排気ガス等の処理にも応用が可能であり、空気清浄装置等の部品として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気清浄用部材の模式図
【図2】本発明に係る空気清浄用部材を利用した空気清浄用エレメントの模式図
【図3】本発明に係る空気清浄用部材を利用した空気清浄用エレメントの模式図
【図4】空気清浄化能試験の結果を示すグラフ
【符号の説明】
1:基材
2:表面凹凸を有する粒子
3:光触媒作用を有する微粒子
4:ケーシング部
5,8:本発明の空気清浄用部材
6,9:光源
7,10:気流

Claims (7)

  1. 空気を清浄化するための部材であって、基材上の少なくとも片面に表面凹凸を有する粒子が被覆されていると共に、光触媒作用を有する微粒子が担持されており、実質的に空気を通さないことを特徴とする空気清浄用部材。
  2. 上記表面凹凸を有する粒子の平均粒径が約7μm〜約500μmである請求項1に記載の空気清浄用部材。
  3. 上記表面凹凸を有する粒子が、溶融アルミナ,炭化珪素,ジルコニア,およびエメリーからなる群より選択される1種以上である請求項1または2に記載の空気清浄部材。
  4. 上記光触媒作用を有する微粒子の平均粒径が約30nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の空気清浄用部材。
  5. 上記光触媒作用を有する微粒子が酸化チタンである請求項1〜4のいずれかに記載の空気清浄用部材。
  6. 上記酸化チタンの結晶構造がアナターゼ型である請求項5に記載の空気清浄用部材。
  7. 空気を清浄化するためのエレメントであって、請求項1〜6のいずれかに記載の空気清浄用部材と光源を構成要素として含み、該空気清浄用部材が気流に接触し且つ光源からの光照射を受ける部位に配置されていることを特徴とする空気清浄用エレメント。
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