JP2005006466A - 駆動方法及び駆動システム並びにpwmインバ−タ装置 - Google Patents

駆動方法及び駆動システム並びにpwmインバ−タ装置 Download PDF

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Kotaro Wada
耕太郎 和田
Norikazu Torii
令和 鳥居
Takamasa Tsuji
孝誠 辻
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Abstract

【課題】PWMインバータと回転機から成る駆動システムにおいて、回転機起動時または定常運転中に他の回転数への変速時に、回転機軸受内に発生する軸受放電回数を低減し、軸受の電蝕を抑制する。
【解決手段】交流を直流に変換するコンバータ231とこのコンバータ231の出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力するPWMインバータ232とから成るPWMインバータ装置23、および前記PWMインバータ232の出力を電源とし被駆動装置を駆動する回転機22を備え、前記回転機22の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タ232の出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タ232を制御する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、PWMインバ−タの出力を電源とする電動機により被駆動装置を駆動する駆動方法、及び駆動システム、並びに交流を直流に変換するコンバータ部とこのコンバータ部の出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力しこの出力を電動機の電源とするPWMインバータとを備えたPWMインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PWMインバータ装置を利用したエワ−シャワ−装置や水中ポンプなどの所謂PWMインバータ装置とPWMインバータ装置によって駆動される回転機とからなる駆動装置を使った製品においては、前記回転機の軸受に電蝕が生じる現象があり、当該電蝕により軸受が損傷する。従って、従来においては、このような電蝕による軸受の損傷を軽減あるいは防止するために、軸受を改善する提案がなされている。
【0003】
例えば、特開2000−121115号公報(特許文献1)においては、誘導電動機の回転軸を固定するボ−ルベアリングのボ−ル或いはベアリング全体をセラミック(絶縁物)で形成し、回転軸とア−ス側とを絶縁することにより電蝕による軸受の損傷を防止している。
【0004】
また、特開2001−107887号公報(特許文献2)においては、軸受の回転部分と静止部分との間の空隙に導電グリ−スを充填し、モ−タの回転子とモ−タのフレームケースとを電気的に導通させ両者間の電位差を減少させ、電蝕による軸受の損傷を防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−121115号公報(図1、段落番号0016)
【特許文献2】
特開2001−107887号公報(図1〜図6、段落番号0008〜0010)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献1及び特許文献2のような機械的手段に依存した軸受の電蝕対策では次のような問題が生じる。即ち、特許文献1に記載のようなセラミックベアリングを使用する誘導電動機では、セラミックベアリングの値段が汎用の金属で構成されるベアリングに比べて数10倍の値段となり、汎用電動機に適用する際には無視できない金額となる。また、特許文献2に記載のようなベアリングに封入するグリースとして導電性グリースを用いた誘導電動機では、グリース内にカーボンを混入することにより電気伝導性を持たせるために微小のカーボン粉がグリース内に存在するので、このカーボン粉により軸受内輪または外輪の起動輪側の機械的ストレスが増大し、却って軸受の寿命が減少する可能性がある。
【0007】
この発明は、前述のような従来の実情に鑑みてなされたもので、観点を変え、電気的手段により軸受の電蝕を軽減することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る駆動方法は、PWMインバ−タの出力を電源とする電動機により被駆動装置を駆動する駆動方法において、前記電動機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度を小さくして前記電動機により前記駆動動装置を駆動するものである。
【0009】
この発明に係る駆動システムは、交流を直流に変換するコンバータとこのコンバータの出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力するPWMインバータとから成るPWMインバータ装置、および前記PWMインバータの出力を電源とし被駆動装置を駆動する回転機を備え、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タを制御するものである。
【0010】
この発明に係るPWMインバータ装置は、交流を直流に変換するコンバータとこのコンバータの出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力しこの出力を回転機の電源とするPWMインバータとを備えたPWMインバータ装置において、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タが制御されるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1は、前述の特許文献1及び特許文献2のような機械的手段に依存した軸受の電蝕対策とは観点を変え、電気的手段により軸受の電蝕を軽減する方策についての発明者等の研究に基づく実施の形態である。
【0012】
以下、この発明の実施の形態1を、回転機が3相誘導電動機の場合の事例について、図1〜6に基づいて説明する。図1は回転機の回転軸に発生する軸電圧の発生原理を示す等価回路、図2は前記研究に基づく起動システムの構成の一例を示す図、図3は前記研究で見出された軸受部の放電回数と回転機の回転数と搬送波周波数との関係を示す線図、図4は前記研究で見出された軸受部の放電回数と回転機の運転状態との関係を示す線図、図5はPWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を変えずに回転機を変速した場合の各部の波形の一例を示す図、図6は回転機起動時にPWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を少なくした場合の各部の波形の一例を示す図である。
【0013】
回転機の回転軸に発生する軸電圧の発生原理を示す等価回路(図1)において、PWMインバ−タによって駆動される3相誘導電動機の場合に原理的に生じる中性点電圧11が、固定子巻線と接地電位のフレ−ムケ−スとの間にかかる。固定子巻線と接地電位のフレ−ムケ−スとの間には静電容量12が存在する。同様に、固定子巻線と回転軸との間には静電容量13が、回転軸の軸受部における回転軸とフレ−ムケ−スとの間には静電容量14が、軸受部以外の部分における回転軸とフレ−ムケ−スとの間には静電容量15が、それぞれ存在する。軸受部には、前記中性点電圧11が、前記静電容量13〜15によって分圧された電圧が軸電圧16としてかかる。
【0014】
軸受部での放電は、前記軸電圧16により、つまり前記中性点電圧11に依存して、更にはPWMインバ−タの出力電圧に依存して、軸受部の内輪と外輪との間に発生し、この放電は、図1の等価回路では、前記軸受部における回転軸とフレ−ムケ−スとの間の静電容量14と並列を成す模擬スイッチがオンとなり、回転軸とフレ−ムケ−スとが軸受部を介して短絡する、つまり軸受部の内輪と外輪とに跨って放電電流が流れることを意味し、この軸受部の内輪と外輪とに跨って流れる放電電流が軸受部の電蝕を誘発する。
【0015】
前述のように、軸電圧は模擬的には中性点電圧を分圧したものとなる。ここで、発明者等の研究に基づき更に詳細に言及すると、中性点電圧が変動すると軸電圧も同時刻で変動する。分圧比は電動機の形状や定格により異なるが、概ね約20:1であり、200Vインバータ−電動機システムでは電動機回転軸に最大約15Vの軸電圧が発生する。軸電圧が軸受内部の内輪と起動輪間および起動輪と外輪間の間隙のグリ−ス油膜の絶縁破壊電圧を超過すると軸受内部に放電が生じ、定常状態に比べて大きな電流が流れる。この放電時のエネルギーにより軸受が損傷し、ついには動作不能に至るのが軸受電蝕現象である。前記軸受内部の絶縁破壊電圧は軸受内部のグリースの状態、使用している軸受の種類により異なるが数Vであり、同一の電動機においても、起動時および変速動作時と定速動作時で異なる。
【0016】
また、誘導電動機の速度を変化させている時間では、軸受内部の状態が安定しておらず、軸受内部の絶縁破壊電圧が変動し、10V以上になることがある。一方、速度を変化させていない定常運転状態での軸受内部の絶縁破壊電圧は安定しており、比較的低い絶縁破壊電圧となる。軸受の絶縁破壊電圧が低ければ、軸電圧の変動のたびに軸受内部に放電が生じるが、放電エネルギーが小さいために軸電蝕発生の可能性は殆どない。また、軸受の絶縁破壊電圧が電動機回転軸の軸電圧よりも高ければ、軸電圧変動時にも軸受内部に放電が発生せず、軸電蝕発生の可能性はない。しかし、軸受内部の絶縁破壊電圧が軸電圧の最大値を超えない程度に高い場合は放電エネルギーが大きくなり、軸受電蝕が発生する危険が大きくなる。
【0017】
この点につき以下に更に詳しく説明する。
軸電蝕の原因となる放電エネルギーEは、軸受内部の放電回数をn,放電発生時の軸電圧をV、軸電流をIとすると、E∝n×V×Iで表される。また、軸電流Iは軸電圧Vに比例するので、I∝Vと表される。これより、Aを比例定数とすると、E=A×n×V^2と表され、軸受に与えるエネルギーは放電回数nおよび放電時の軸電圧Vの2乗に比例することになる。
【0018】
電動機起動時および回転速度変化時には、軸受内部の絶縁破壊電圧が定速運転時と比較して安定しておらず、破壊電圧が大きくなることが多い。後述の図3は起動時および定速動作時に軸電流が或るしきい値を超える回数を測定した例を示したものであり、起動時には大きな軸電流が流れる回数が、定速動作時に比べて極めて多い。このため、エアシャワー装置などのように、比較的高頻度に速度変化を繰り返す用途に使用される電動機では、回転速度変化時に多数回発生する軸放電が電蝕の主要因となる。
【0019】
発明者等は前述の回転機の回転軸に発生する軸電圧の発生原理を示す等価回路に基づき、軸受部の内輪と外輪とに跨って流れる放電電流が軸受部の電蝕を軽減する電気的手段による具体的方策の研究を、図2の起動システム(一例)を使用して行った。
【0020】
この起動システム(一例)は、図2に示すように、商用周波電源21を電源とし出力電圧により3相誘導電動機から成る回転機22を起動するPWMインバ−タの主回路23と、このPWMインバ−タの主回路23へゲ−ト信号を供給するベ−スドライブ回路24と、PWM変調を司るマイコン25とで構成されている。
【0021】
前記PWMインバ−タの主回路23は、コンバ−タ231と、このコンバ−タ出力を直流電源とし前記ベ−スドライブ回路24によって制御されるPWMインバ−タ232とで構成されている。
【0022】
前記PWM変調を司るマイコン25は、PWMインバ−タ装置の起動指令および起動後の定速運転途中での変速指令26により作動するタイマ251と、このタイマ251が作動すると当該タイマ251の時限時間T251の間だけその出力三角波周波数が低い周波数となる搬送波発生回路252と、変調波発生回路253と、前記搬送波発生回路252の三角波出力と前記変調波発生回路253の変調波出力とを入力し前記三角波と前記変調波とのクロスポイントで前記ベ−スドライブ回路24へPWM制御信号を出力する比較器254とで構成されている。
【0023】
前記PWMインバ−タの主回路23は、前記PWM変調を司るマイコン25と前記ベ−スドライブ回路24とによって、実効値と周波数とが可変な3相交流出力電圧を発生し、この3相交流出力電圧によって前記3相誘導電動機から成る回転機22が起動され、定速運転され、変速運転される。
【0024】
次に、図2の起動システム(一例)による各種試験により見出された事象を、図3及び図4により説明する。
【0025】
図3における縦軸は軸受部の放電回数(例えば軸電流が或る値を超過した回数)(単位:PU)、同図の横軸はPWMインバ−タ装置により制御される回転機(3相誘導電動機)の回転数(rpm)である。
【0026】
図3において、実線31は、前記搬送波発生回路252の出力三角波周波数を定常運転時の5kHzのまま変えない場合、つまりPWM変調に依存するPWMインバ−タ232の出力変動を変えない場合、の前記放電回数(単位:PU)と前記回転数(rpm)との関係を示してある。
【0027】
この実線31から見られるように、回転数が低い程、放電回数は多い(現象1)。
【0028】
一点鎖線32は、前記搬送波発生回路252の出力三角波周波数を定常運転時の5kHzより下げて1kHzとした場合、つまりPWM変調に依存するPWMインバ−タ232の出力変動の頻度を小さくした場合、の前記放電回数(単位:PU)と前記回転数(rpm)との関係を示してある。この一点鎖線32から見られるように、放電回数は、低回転数領域から高低回転数領域までの全域に亘って、定常運転時の5kHzの場合より少なくなり、特に、回転数が低い程、低下の度合いが大きい。
【0029】
換言すれば、搬送波発生回路252の出力三角波周波数(PWM変調に依存するPWMインバ−タ232の出力電圧変動の頻度)を小さくすれば、放電回数は減少する(現象2)。
【0030】
図4における左縦軸はPWMインバ−タ装置により制御される回転機(3相誘導電動機)の回転数、同図の右縦軸は放電回数、同図の横軸は時間(t)である。
【0031】
図4において、実線41は、前記回転機をPWMインバ−タ装置による運転状態を示し、領域41Aは起動時の増速(変速)状態、領域41Bは起動完了後の定速運転状態、領域41Cは定速運転途中での増速(変速)状態、領域41Dは増速(変速)完了後の定速運転状態、領域41Eは増速(変速)完了後の定速運転途中での減速(変速)状態、領域41Fは減速(変速)完了後の定速運転状態、を夫々示してある。
【0032】
一点鎖線42は、前記回転機(3相誘導電動機)の運転状態と前記各領域41A〜41Fに対応する軸受部の放電状態との関係を示してあり、領域42Aは前記領域41Aに対応し、同様に、領域42Bは前記領域41Bに、領域42Cは前記領域41Cに、領域42Dは前記領域41Dに、領域42Eは前記領域41Eに、領域42Fは前記領域41Fに、対応している。この一点鎖線から見られるように、放電回数は、起動時の増速(変速)領域41A,42A、定速運転途中での増速(変速)領域41C,42C、及び定速運転途中での減速(変速)領域41E,42Eでは多く、定速運転領域41B,42B、41D,42D、及び41F,42Fでは少ない。
【0033】
つまり、起動時や運転中の変速時等の変速時には、非変速時に比べ、放電回数が多い(現象3)。なお、同じ非変速領域、つまり同じ定速運転領域であっても、回転数が高い領域41D,42Dの方が、回転数が低い領域41B,42B、及び41F,42Fより、放電回数は若干少ない。
【0034】
発明者等は、前述の現象1〜現象3を見出し、これら現象1〜現象3を考慮に入れて、従来とは観点を変え、電気的手段により軸受の電蝕を軽減することを目的として、本件出願の駆動方法及び駆動システム並びにPWMインバ−タ装置の発明に至った。
【0035】
次に、先ず、PWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を変えずに、具体的には前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を変えずに、回転機を増速(変速)する駆動方式の場合の各部の波形について図5により説明し、その後、PWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を小さくして、具体的には前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を低くして、回転機を起動(変速)する駆動方式の場合の各部の波形について図6により説明する。
【0036】
図5において、(a)は横軸を時間軸とした図で、前記PWMインバータ232(図2)に時刻t0に入力される誘導電動機の回転速度を変化させる指令26と、PWMインバータ232(図2)の任意の一相の変調波253Wを示してある。
【0037】
図5(b)は横軸を時間軸とした図で、誘導電動機の回転速度を変化させる指令がインバータに入力される前の搬送波(三角波)、各相の変調波、各相のインバータ出力電圧、中性点電圧を拡大した波形を表しており、搬送波(三角波)252Wおよびu相,v相,w相の各相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0038】
図5(c)は横軸を時間軸とした図で、誘導電動機の回転速度を変化させる指令がインバータに入力された後の波形を表しており、搬送波(三角波)252Wおよびu相,v相,w相の各相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0039】
図5(b)および図5(c)から分かるように、インバータ232(図2)に誘導電動機の回転速度を変化させる指令26が入力される前(時刻txの前)、及び当該指令26が入力され回転速度が変化している期間(時刻tx以降)、の何れの場合も、搬送波発生回路252(図2)の出力である三角波周波数は一定のままであり、結果としてインバータ232の出力電圧の変動頻度(PWM変調に基づく変動頻度)、ひいては中性点電圧11(図1)の変動頻度(PWM変調に基づく変動頻度)が、回転速度変化時と定速運転時とで変わらずに一定である。
【0040】
前述の図5(a)(b)(c)に示してあるように、誘導電動機の回転速度を変化させる指令26が入力される前、及び当該指令26が入力され回転速度が変化している期間、の何れの場合も、搬送波発生回路252(図2)の出力である三角波周波数は一定のままとし、インバータ232の出力電圧の変動頻度(PWM変調に基づく変動頻度)、ひいては中性点電圧11(図1)の変動頻度(PWM変調に基づく変動頻度)が、回転速度変化時と定速運転時とで変わらずに一定である場合は、前述の図3における特性31での運転となり、前述の図4の現象がそのまま生じ、回転速度が変化している期間は、前述の軸受部での放電回数が増加する。従って、長期間の間に回転速度の変化が繰り返されている間に、軸受部が前記放電による電蝕が進み、軸受部の損傷に至る。
【0041】
次に、PWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を小さくして、具体的には前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を低くして、回転機を起動(変速)した場合の各部の波形について図6により説明する。
【0042】
図6は誘導電動機の起動指令がインバータに入力されたときの制御方式を説明するための図でもある。
【0043】
図6において、(a)は横軸を時間軸とした図で、前記PWMインバータ232(図2)に時刻t0に入力される誘導電動機(図2の回転機22)の起動指令26と、PWMインバータ232の任意の一相の変調波253Wと、誘導電動機の起動指令26(図2も参照)により時刻t0で作動し時刻t1で作動を終えるタイマ251(図2)の時限時間T251、とを示してある。尚、前記時刻t1は、誘導電動機の起動を終え定速運転が始まる時点でもあり、このように誘導電動機の起動を終え定速運転が始まる時点t1にタイマ251(図2)の作動が終わるようにタイマ251(図2)の時限を設定してある。
【0044】
このタイマ251(図2)の時限時間T251は、前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を一時的に、起動後の定速運転時よりも小さくしてインバータを運転する期間であり、具体的には、時刻t0で前記出力三角波周波数を一時的に、起動後の定速運転時よりも小さくし、時刻t1で、起動後の定速運転時の出力三角波周波数に戻される。
【0045】
図6(b)は横軸を時間軸とした図で、誘導電動機の起動指令26(図2)が時刻t0でPWMインバータ232(図2)に入力された後、時刻t1に至る前の搬送波、各相の変調波、各相のインバータ出力電圧、中性点電圧の波形を拡大した波形を表しており、起動指令26がPWMインバータ232に入力された後、時刻t1に至るまでの搬送波252W、およびu相、v相、w相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0046】
図6(c)は横軸を時間軸とした図で、誘導電動機の起動指令26(図2)が時刻t0で入力された後、タイマ251(図2)の時限時間T251を経過し、時刻t1となって搬送波発生発生回路252(図2)の出力三角波周波数が定速運転時の三角波周波数になった後の搬送波、変調波波形を拡大した波形を表しており、搬送波252W、およびu相、v相、w相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0047】
誘導電動機(図2の回転機22)の起動指令26により、誘導電動機(図2の回転機22)は時刻t0時点の回転数0から徐々に回転数が上昇し、前記タイマ251の時限時間T251の終了時点t1で定速運転に入り回転数が一定となるが、前記時刻t0〜t1間の時限時間T251の間は変速状態にある。従って、誘導電動機(図2の回転機22)の軸受内部の絶縁破壊電圧が不安定で軸受部での放電回数が多い状況下にあるが、図6(b)に示すように前記変速状態にある時刻t0〜t1間の時限時間T251の間は前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を一時的に、起動後の定速運転時(図6(c))よりも小さくして起動運転するので、その間はPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図6(b))の変動頻度は、起動終了後の定速運転の状態におけるPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図6(c))の変動頻度より小さくなり、ひいては前記変速状態にある起動時の時刻t0〜t1間の時限時間T251の間は中性点電圧232nの変動頻度も、起動終了後の定速運転の状態における中性点電圧232nの変動頻度より小さくなっている。
【0048】
なお、追加的に説明すると、起動時(変速時)に搬送波周波数を一時的に下げる図6(b)を、変速時にも搬送波周波数を下げずに一定のままとする図5(b)と比較すると分かるように、起動時(変速時)に搬送波周波数を一時的に下げる図6(b)においては、インバータ各相出力電圧232u,232v,232wの変動回数(変動頻度)が、変速時にも搬送波周波数を下げずに一定のままとする図5(b)に比べて減少している。また、そのために、中性点電圧232nの変動回数(変動頻度)も低減している。インバータ各相出力電圧232u,232v,232wの変動回数(変動頻度)の低減に伴って中性点電圧232nの変動回数(変動頻度)が変動するは、u相、v相、w相のインバータ出力電圧をVu,Vv,Vwとすると、中性点電圧Vmは、
【数1】
Figure 2005006466
で表されることからも明らかである。
【0049】
前述の図6(b)に示すように、PWMインバ−タ装置による回転機の起動時に、変速状態にある時刻t0〜t1間の時限時間T251の間は、前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を一時的に、起動後の定速運転時(図6(c))よりも小さくして起動運転することにより、その間のPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図6(b))の変動頻度は、起動終了後の定速運転の状態におけるPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図6(c))の変動頻度より小さくなり、ひいては前記変速状態にある起動時の時刻t0〜t1間の時限時間T251の間は中性点電圧232nの変動頻度も、起動終了後の定速運転の状態における中性点電圧232nの変動頻度も小さくなる。即ち、軸受部にかかる軸電圧16(図1)の変動頻度も小さくなり、軸受部の放電回数は減少し、軸受部の放電による軸受部の電蝕が抑制され、軸受部の損傷が抑制される。つまり、PWMインバ−タ起動の回転機の軸受部を、高価なセラミック製の軸受部とすることなく、PWMインバ−タ起動の回転機において軸受部電蝕対策として電気的な方策により、安価な一般的な通常の軸受部を使用した安価で寿命の長い回転機による起動方式、起動システムの実現に寄与できる。また、観点を変えれば、前述のような安価で寿命の長い回転機による起動方式、起動システムを実現するPWMインバ−タ装置の実現に寄与できる。
【0050】
なお、前述したように、回転速度変化時の放電エネルギーの低減のためには、放電回数を減らすことが対策となり、放電回数を減らすにはインバータの搬送波周波数を減じればよいが、現実には回転速度変化のない定常運転状態にある場合も含めて低搬送波周波数で運転すると、PWMインバ−タ装置により起動される回転機の場合は、回転機から発生する音が大きくなるので用途によっては適用が困難である場合がある。そこで、前述の図6に示す運転方式のように、定常運転状態(図6の時刻t1以降の運転状態)は軸受の絶縁破壊電圧が低く安定しているために放電回数が増加しても問題とならないので高搬送波周波数で運転し、軸受内部の状態が不安定な速度変動時(図6のt0〜t1までの起動運転時)の短時間のみを低搬送波数で運転することにより、騒音の問題を回避し、同時に大幅に軸受内部の放電エネルギーを低減することができる。
【0051】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を、図7により説明する。図7は回転機起動後の定常運転状態において回転機の回転数を他の回転数へ変える場合に、PWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を少なくする場合の運転方式を、各部の波形の一例で示す図である。なお、図7において、前述の図6と同一または相当部分については、図6と同一符号を付し、図7についての説明は、説明内容を簡明化する為、前述の図6と同一機能、同一動作についての説明は、極力省略する。
【0052】
図7において、(a)は横軸を時間軸とした図で、或る定常回転数で運転中の誘導電動機(図2の回転機22)を他の回転数に変えるために前記PWMインバータ232(図2)に時刻txに入力される変速指令26と、PWMインバータ232の任意の一相の変調波253Wと、誘導電動機の変速指令26(図2も参照)により時刻txで回転速度が指令回転数に向けて変化し始め時刻t2で指令回転数に至る時間、即ちタイマ251(図2)の時限時間T251、とを示してある。
【0053】
このタイマ251(図2)の時限時間T251は、前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数(搬送波周波数)を一時的に、指令回転数に至り指令回転数での定常運転時よりも小さくしてインバータを運転する期間であり、具体的には、時刻t0で前記出力三角波周波数を一時的に、指令回転数での定常運転時よりも小さくし、時刻t2で、指令回転数での定常運転時の出力三角波周波数に戻される。
【0054】
図7(b)は横軸を時間軸とした図で、或る定常回転数で運転中の誘導電動機(図2の回転機22)に対し他の回転数への変速指令26(図2)が時刻txでPWMインバータ232(図2)に入力される前の搬送波、各相の変調波、各相のインバータ出力電圧、中性点電圧の波形を拡大した波形を表しており、搬送波252W、およびu相、v相、w相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0055】
図7(c)は横軸を時間軸とした図で、或る定常回転数で運転中の誘導電動機(図2の回転機22)に対し他の回転数への変速指令26(図2)が時刻txでPWMインバータ232(図2)に入力された後、時刻t2に至る前の搬送波、各相の変調波、各相のインバータ出力電圧、中性点電圧の波形を拡大した波形を表しており、変速指令26がPWMインバータ232に入力された後、時刻t2に至るまでの搬送波252W、およびu相、v相、w相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0056】
図7(d)は横軸を時間軸とした図で、誘導電動機の変速指令26(図2)が時刻txで入力された後、タイマ251(図2)の時限時間T251を経過し、時刻t2となって、搬送波発生発生回路252(図2)の出力三角波周波数をt0前の定常運転時の三角波周波数に戻した後の搬送波、変調波波形を拡大した波形を表しており、搬送波252W、およびu相、v相、w相の変調波253u,253v,253wと、u相,v相,w相のインバータ各相出力電圧232u,232v,232wおよび中性点電圧232nとを同じ時間軸で示してある。
【0057】
或る定常回転数で運転中の誘導電動機(図2の回転機22)の回転数を他の回転数へ変える変速指令26により、誘導電動機(図2の回転機22)は時刻tx時点の或る定常回転数から指令回転数に向けて徐々に上昇あるいは下降し、前記タイマ251の時限時間T251の終了時点t2で指令回転数に至りその後回転数が指令回転数のまま一定となるが、前記時刻tx〜t2間の時限時間T251の間は変速状態にある。従って、誘導電動機(図2の回転機22)の軸受内部の絶縁破壊電圧は、前述の起動時と同様に不安定で軸受部での放電回数が多い状況下にあるが、図7(c)に示してあるように、前記変速状態にある時刻tx〜t2間の時限時間T251の間は前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を一時的に、変速開始の時刻tx前の定速運転時(図7(b))よりも小さくして変速運転するので、その間はPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図7(c))の変動頻度は、変速開始前の定常運転態及び他の回転数への指令回転数での定常運転の各状態におけるPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図7(b)(d))の変動頻度よりも小さくなり、ひいては前記変速状態にある時刻tx〜t2間の時限時間T251の間は中性点電圧232nの変動頻度も、変速開始前および変速終了後の各定速運転状態における中性点電圧232nの変動頻度より小さくなっている。
【0058】
前述の図7(c)に示すように、PWMインバ−タ装置による回転機の或る定常状態から他の回転数への変速時に、変速状態にある時刻tx〜t2間の時限時間T251の間は、前記搬送波発生回路252(図2)の出力三角波周波数を一時的に、変速開始前の定速運転時(図7(b))及び変速終了後の定速運転時(図7(d))よりも小さくして運転することにより、その間はPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図7(c))の変動頻度は、変速開始前の定速運転時(図7(b))及び変速終了後の定速運転時(図7(d))のPWMインバ−タ232(図2)の各相の出力電圧232u,232v,232w(図7(b)(d))の変動頻度より小さくなり、ひいては前記変速状態にある起動時の時刻tx〜t2間の時限時間T251の間は中性点電圧232nの変動頻度も、変速開始前および変速終了後の各定速運転の状態における中性点電圧232nの変動頻度より小さくなる。即ち、軸受部にかかる軸電圧16(図1)の変動頻度も小さくなり、軸受部の放電回数は減少し、軸受部の放電による軸受部の電蝕が抑制され、軸受部の損傷が抑制される。つまり、PWMインバ−タ起動の回転機の軸受部を、高価なセラミック製の軸受部とすることなく、PWMインバ−タ起動の回転機において軸受部電蝕対策として電気的な方策により、安価な一般的な通常の軸受部を使用した安価で寿命の長い回転機による起動方式、起動システムの実現に寄与できる。また、観点を変えれば、前述のような安価で寿命の長い回転機による起動方式、起動システムを実現するPWMインバ−タ装置の実現に寄与できる。
【0059】
実施の形態3.
前述のこの発明の実施の形態1においては図6に示すように回転機の起動時の変速時にPWMインバ−タ装置の出力電圧の変動頻度を一時的に小さくして軸受部の電蝕を抑制する方式を例示し、前述のこの発明の実施の形態2においては図7に示すように定常運転中に他の回転数へ変える時にPWMインバ−タ装置の出力電圧の変動頻度を一時的に小さくして軸受部の電蝕を抑制する方式を例示した。前述のこの発明の実施の形態1の方式は、起動後は回転数の変更がなされないが、長期間の間に起動停止が何度も行われるような用途の回転機の場合に適用し、前述のこの発明の実施の形態2の方式は、長期間の間に起動停止は何度も行われないが定常運転中に他の回転数へ変える変速運転が何度も行われるような用途の回転機の場合に適用して、それぞれの効果を奏する。一方、長期間の間に起動停止および定常運転中に他の回転数へ変える変速運転の何れもが何度も行われるような用途の回転機の場合は、前述のこの発明の実施の形態1の方式および前述のこの発明の実施の形態2の方式の双方を適用することで、軸受部の電蝕を抑制することができる。
【0060】
なお、この場合は、PWMインバ−タ装置の出力電圧の変動頻度を一時的に小さくする時間を、起動時と定常運転中に他の回転数へ変える変速運転時とで異なる時間にした方が好ましい場合も場合があり、その場合は、前述の図2におけるタイマ251は、起動指令で作動し起動時間に対応する時限を有したタイマと、定常運転中に他の回転数へ変える変速運転時の変速指令で作動し変速動作時間に対応する時限を有したタイマと2種類のタイマ機能を設け、起動時と定常運転中に他の回転数へ変える変速運転時とでタイマ機能を使い分けるシステム或いはソフトにすることで対応できる。
【0061】
前述のこの発明の実施の形態1〜3を総括すると、具体的には、従来の金属で構成される汎用ベアリングを使用し、グリースも従来の絶縁グリースを使用した誘導電動機を使用した際にも、PWMインバ−タを使用することで軸受の電蝕が危惧されるような用途であっても、軸受自体に電食対策を実施した誘導電動機に取り替えることなく、中性点電圧に起因する電食現象による軸受の破損寿命の長寿命化が図れる駆動方式を実現するため、パルス幅変調によって出力電圧の実効値および周波数が可変であり高搬送波周波数、具体的には、例えば搬送波周波数4kHz以上で運転することが可能な三相PWMインバータと誘導電動機からなる駆動方式において、電動機の起動時または回転速度変化時にインバータに起動指令または速度変化指令が入力されてから数秒間にわたり搬送波周波数を低搬送波周波数とすることにより、電動機始動時または回転速度変化時の数秒間における中性点電位の変動回数を低減させる。この結果、中性点電位による静電誘導によって生じる回転軸の軸電圧の変動回数を低減させ、軸電圧が軸受に印加されることで発生する軸受放電回数を低減させる。この結果、軸受内部の放電による軸受の損傷を低減でき、電動機の長寿命化が達成される。
【0062】
また、前述のこの発明の実施の形態1〜3を概念的に総括すると、3相交流により回転駆動する誘導電動機と、交流を直流に変換するコンバータ部とコンバータ部出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力する搬送波周波数4kHz以上で運転することが可能な三相PWMインバータから成る駆動方式/駆動システムにおいて、電動機の回転速度をある速度から他の速度へ変化させる数秒間の搬送波周波数を定常時の搬送波周波数より小さな搬送波周波数で運転し、回転速度変化後、回転速度が安定した時点で搬送波周波数を定常時の搬送波周波数に上昇させるものであり、また、前記誘導電動機と、前記三相PWMインバータから成る駆動方式/駆動システムにおいて、電動機起動時の数秒間の搬送波周波数を定常時の搬送波周波数より小さな搬送波周波数で運転し、電動機起動後、回転速度が安定した時点で搬送波周波数を定常時の搬送波周波数に上昇させるものである。
【0063】
また、換言すれば、交流を直流に変換するコンバータ部とこのコンバータ部の出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力するPWMインバータとから成るPWMインバータ装置、および前記PWMインバータの出力により回転駆動され被駆動装置を駆動する電動機を備え、前記電動機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に前記PWMインバ−タの搬送波周波数を非変速運転時の前記搬送波周波数より小さな搬送波周波数で前記PWMインバータを作動させ、前記変速運転後の非変速運転時には前記搬送波周波数を非変速運転時の前記搬送波周波数に上昇させ前記PWMインバータを作動させて前記電動機により前記被駆動装置を駆動する駆動方法/駆動システムである。
【0064】
また、前述のこの発明の実施の形態1〜3を更に上位概念で総括すると、PWMインバ−タの出力を電源とする回転機により被駆動装置を駆動する駆動方法において、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度を小さくして前記回転機により前記被駆動装置を駆動する駆動方法であり、また、交流を直流に変換するコンバータ部とこのコンバータ部の出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力するPWMインバータとから成るPWMインバータ装置、および前記PWMインバータの出力を電源とし被駆動装置を駆動する回転機を備え、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タを制御する起動システムであり、また、交流を直流に変換するコンバータ部とこのコンバータ部の出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力しこの出力を回転機の電源とするPWMインバータとを備えたPWMインバータ装置において、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タが制御されるPWMインバータ装置である。
【0065】
なお、前述のこの発明の実施の形態1〜3の何れにおいても、PWMインバータは、回転機の起動時または回転速度変化時における低減する搬送波周波数値および搬送波周波数値を低減する期間を任意に設定することは容易に可能であり、また、起動時、回転速度変化時、及びその両者の時点の少なくとも一に、搬送波周波数を低減する制御を適用するか否かを選択することが可能なようにシステム或いはソフトを構成することも容易に可能である。
【0066】
また、前述の図2のタイマ251に代えて、回転数の微分値から求まる回転数変化率を利用して、所定値以上の変化率が続いている間、搬送波周波数値を低減する方式を採用しても、前述のタイマを使用した場合と同様な効果を奏する。
【0067】
【発明の効果】
この発明は、前述のように、PWMインバ−タの出力を電源とする回転機により被駆動装置を駆動する駆動方法において、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度を小さくして前記回転機により前記被駆動装置を駆動するので、回転機の軸受自体に電蝕対策を施さなくても軸受の電蝕を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、回転機の回転軸に発生する軸電圧の発生原理を示す等価回路である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、研究に基づく起動システムの構成の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、研究で見出された軸受部の放電回数と回転機の回転数と搬送波周波数との関係を示す線図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、研究で見出された軸受部の放電回数と回転機の運転状態との関係を示す線図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、PWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を変えずに回転機を変速した場合の各部の波形の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、回転機起動時にPWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を少なくした場合の各部の波形の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2を示す図で、回転機起動後の定常運転状態において回転機の回転数を他の回転数へ変える場合に、PWM変調に基づくPWMインバ−タ出力電圧の変動頻度を少なくする場合の運転方式を、各部の波形の一例で示す図である。
【符号の説明】
22 回転機、 23 PWMインバ−タ装置、
231 コンバ−タ、 232 PWMインバ−タ、
232u,232v,232w インバ−タ出力電圧。

Claims (3)

  1. PWMインバ−タの出力を電源とする回転機により被駆動装置を駆動する駆動方法において、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度を小さくして前記回転機により前記被駆動装置を駆動する駆動方法。
  2. 交流を直流に変換するコンバータとこのコンバータの出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力するPWMインバータとから成るPWMインバータ装置、および前記PWMインバータの出力を電源とし被駆動装置を駆動する回転機を備え、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タを制御する駆動システム。
  3. 交流を直流に変換するコンバータとこのコンバータの出力をパルス幅変調によって可変電圧可変周波数の電圧を出力しこの出力を回転機の電源とするPWMインバータとを備えたPWMインバータ装置において、前記回転機の回転速度を或る速度から他の速度へ変化させる変速運転時に、前記回転数の非変速運転時に比べ、前記PWMインバ−タの出力電圧の変動頻度が小さくなる方向に前記PWMインバ−タが制御されることを特徴とするPWMインバータ装置。
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