JP2005006053A - 低音用スピーカー装置及び該低音用スピーカー装置を備えたマルチウェイスピーカー装置 - Google Patents

低音用スピーカー装置及び該低音用スピーカー装置を備えたマルチウェイスピーカー装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホーン型ミッドバスと、外観と音響の両面で調和し得る低音用スピーカー装置を提供する。
【解決手段】前面に放射開口71を有する内空部75を備えたキャビネット70に、コーン型ウーファー3の装着部72を有するバッフル板2を内空部75に奥まって配設し、該バッフル板2前方に放射開口71と連通する共振を発生する共振空洞73を区画形成した低音用スピーカー装置Aを構成して、ホーン型ミッドバス80と音源位置を前後に一致させた状態で、その両スピーカー装置A、80の前端部を略一致させて、外見上の一体性を確保すると共に、前記放射開口71外周辺の空気のマスと共振空洞73内の空気バネとが150〜400Hzの範囲において所要周波数で共振するように、共振空洞73と放射開口71の形態を夫々設定し、共振空洞73内で生じる周波数特性のひずみを容易に補正可能とした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチウェイスピーカー装置を構成する低音用スピーカー装置、及び該低音用スピーカー装置を備えるマルチウェイスピーカー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホーン型スピーカー装置のホーンは、低音まで再生できる装置にすると大型になるのでホーンを途中で屈曲し、部屋の隅を利用するなどして実用化している。ホーン型は過渡特性に優れ、歯切れの良い低音が得られるため多くの熱烈なマニアがいる。しかしかかるホーン型スピーカー装置では歯切れの良い低音を再生することが可能でも、低音から高音までスピーカー装置の音源からリスナーまでの距離を一様に揃えて再生することはできない。一般には中音用まではホーン型スピーカー装置を使用して、低音用のスピーカー装置には直接放射型を使用することが多い。
【0003】
マルチウェイスピーカー装置にあっては、各音域を再生するスピーカー装置間で音源の位置を極力一致させて位相を合わせ、各スピーカー装置間のクロスオーバー周波数付近での音圧特性を平坦にすることが重要である。上記のホーン型と直接放射型のスピーカー装置を組み合わせたマルチウェイスピーカー装置にあっては、各スピーカー装置を上下方向に積層してその音源の位置を一致させた場合、ホーン型スピーカー装置の前部が直接放射型の低音用スピーカー装置の前面より前方に突出することとなり、マルチウェイスピーカー装置の外形が一体感を欠き、ぎこちないものとなると共に、低音用スピーカー装置からの放射音が、中音用スピーカー装置のホーンで反射して、低音用スピーカー装置の音圧特性や音色が劣化してしまうという問題が生じる。
【0004】
このため、従来のマルチウェイスピーカー装置では、ホーン型と直接放射型を併用する場合、音源の一致よりも、上記の欠点の解決を優先し、ホーン型中音用スピーカー装置の音源位置よりも前方に直接放射型スピーカー装置の音源位置を設置してスピーカー装置の一体性を確保している。さらに、音源位置の差異がクロスオーバー周波数の波長の倍数となるように設定して位相のずれを黙認し、濾波回路により減衰率の高いフィルタリングを行いクロスオーバー周波数付近での音圧特性が平坦になるように努めている(例えば特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−130689号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のマルチウェイスピーカー装置にあっては音源位置の差異から生じる位相のずれを改善することはできないし、濾波回路の強引なフィルタリングにより電気的な位相のずれも生じている。このような影響は試験室内での連続波による測定では明確には顕れないかもしれないが、複雑な波形が刻々変化する実際の音楽再生においては十分にあると思われる。
【0007】
このように、ホーン型の中音用スピーカー装置と、直接放射型の低音用スピーカー装置を併用してマルチウェイスピーカー装置を構成する場合には、外見での一体性或いは音響面での一体感のいずれかに不具合を生じていた。
【0008】
ところで、コーン型スピーカーユニットを用いた中低音用ホーン型スピーカー装置を使用すれば、150Hz程度の音域まではホーン型スピーカー装置でも音源位置を揃えて適切に再生できる。ホーン型中低音用スピーカー装置にはダイアフラムを振動板とするスロートから開口部までの音道が1〜2mある形態とコーン型ユニットを振動板とする音道が20〜50cmの形態のものがある。本件は、後者の中低音用スピーカ装置と、外観と音響の両面で調和し得る該低音用スピーカー装置、及び該低音用スピーカー装置を備えるマルチウェイスピーカー装置を提供し、上記の問題の解決を試みたものである。なお、本発明の低音用スピーカ装置と併用する「コーン型ユニットを振動板とする中低音用スピーカー装置」をダイアフラムを振動板とする形態と区別する意味で、以降は「ホーン型ミッドバス」としてこれを表示する。
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために、ホーン型ミッドバスと外観が調和可能なキャビネット形状の低音用スピーカー装置を試作し、その周波数特性を検討した。その結果、コーン型ウーファー前方で「キャビティ効果」と呼ばれる共振現象を特定周波数域で起こすようにキャビネットの形状を設定した場合に、濾波回路によるフィルタリングで、該キャビティ効果による周波数特性のひずみを容易に補正できることを見出し、本発明に至った。
【0010】
ここで、「キャビティ効果」について説明すると、キャビティ効果は、平面部に窪みがある場合に、窪みの部分の空気バネと、窪みの開口外周辺の空気マスとが共振を起こす現象で、コーン型ウーファー等のスピーカーユニットの前方を四方から囲うように空洞を形成すると、このキャビティ効果により、スピーカー装置の周波数特性にピークが形成されることが知られている。なお、空洞の開口部を空洞の深部より広くした場合には、キャビティ効果は発生せず、空洞がホーンとして働き周波数特性を異なる形態で変化させることとなる。
【0011】
このように、スピーカーユニットの前方を上下左右から囲い、空洞を形成することは、スピーカー装置の周波数特性を乱す要因となる。このため、以下に説明するようにスピーカーユニットをキャビネットに奥まって配置して、スピーカーユニット前方に空洞を形成することは、通常のキャビネットの設計においては禁則とされていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コーン型ウーファーをキャビネットの内部に配設してなる、マルチウェイスピーカー装置を構成するための低音用スピーカー装置において、前記キャビネットは、前面に放射開口を有する内空部を備え、該内空部にウーファー装着部を有するバッフル板を、放射開口に対向するように縦断状に配設して、バッフル板前方に放射開口と連通する共振空洞を区画形成すると共に、放射開口外周辺の空気のマスと共振空洞内の空気バネとが150〜400Hzの範囲において所要周波数で共振するように、共振空洞と放射開口の形態を夫々設定し、該共振による音圧の増強をその共振周波数域で略相殺する濾波回路に接続するようにしたことを特徴とする低音用スピーカー装置である(請求項1)。
【0013】
かかる構成は、中低音用スピーカ装置であるホーン型ミッドバスと音源位置を前後で略一致させるものであり、コーン型ウーファー前方に形成した共振空洞により外形上の問題をクリアすると共に、共振空洞で生じる周波数特性のひずみを濾波回路によるフィルタリングにより容易に補正可能なように共振空洞と放射開口の形状を設定して、音響面での問題点を解決可能としたものである。
【0014】
すなわち、キャビネットの内空部に設けたバッフル板にコーン型ウーファーを奥まって配設し、該コーン型ウーファー前方を囲うように共振空洞を形成することにより、ホーン型ミッドバスと音源位置を前後で一致させた状態で、ホーン型ミッドバスの前端と、該低音用スピーカー装置の前端とを略一致させることが可能となり、外見上の一体性が確保され、且つ放射開口から放出される音波がホーン型ミッドバスのホーンやキャビネットに反射せず、外形上の課題は満足される。
【0015】
キャビティ効果による周波数特性の変化が、濾波回路により容易に補正できる理由について詳しく述べる。通常の低音用スピーカー装置は設定したクロスオーバー周波数が−3dBになることを基準として濾波回路のハイカットフィルターにより音圧を減衰させる。
【0016】
しかし、本発明の低音用スピーカー装置では、設定したクロスオーバー周波数の基準より約1オクターブ程低い周波数、つまり、キャビティ効果による周波数特性のピークが発生し始める点から、そのピークの上昇を打ち消すようにハイカットフィルターにより音圧を減衰させる。こうして低音用スピーカー装置の周波数特性は、前記ピーク発生時点からピーク頂点までの該キャビティ効果による音圧増強効果が、このハイカットフィルターによる減衰効果により相殺されて略平坦となる。
【0017】
そして、このピークの周波数を超えるとキャビティ効果による減衰と、ハイカットフィルターの減衰効果により音圧が急激に減衰していくことになる。このように、濾波回路のフィルタリングで周波数特性は、キャビティ効果による共振周波数以下では平坦に、そして共振周波数を超えた不要な中高音域は急峻な減衰傾斜となるように補正されることとなる。
【0018】
このように、本発明の低音用スピーカー装置にあっては、キャビティ効果の共振周波数をホーン型ミッドバスとクロスオーバー可能な150〜400Hzの範囲内に設定することにより、コーン型ウーファー前方の共振空洞による周波数特性の変化を、濾波回路のハイカットフィルターで容易に補正可能となり、ホーン型ミッドバスと、外観、音響の両面で一体的に調和することができる。
【0019】
そして、ホーン型ミッドバスの再生帯域より高音域を再生する従来のダイアフラムを振動板とするホーン型中高音用スピーカー装置は、振動板よりホーンの開口部までの距離がホーン型ミッドバスと同程度であり、その音源位置を前後で容易に一致させ得るものである。本発明の低音用スピーカー装置の音源と、ホーン型ミッドバスの音源と、従来のホーン型中高音用スピーカー装置の音源とを前後に略一致させ、各スピーカー装置のスピーカーユニットを濾波回路に接続すれば、外形的に一体性を有し、且つ音響的にも満足できるマルチウェイスピーカー装置を構成することができる。
【0020】
共振空洞と放射開口の形態について述べると、キャビティ効果による共振周波数は、共振空洞の体積と放射開口の面積とにより決定されるので、共振空洞の寸法及び放射開口の面積の修正によりクロスオーバーできる周波数を変更することができホーン型ミッドバスとの形態別の組み合わせが可能となる。
【0021】
キャビティ効果は共振空洞の奥行きが深くなるに従い効果の起きる周波数は低く且つ強力になり、又共振空洞の奥行きが浅くなるに従い効果の起きる周波数は高く且つ微弱になる。150Hz以下では強力であるが他のスピーカー装置とのバランスが崩れ、400Hz以上では効果が微弱で魅力に欠けたものとなる。150Hz〜400Hzの周波数間では、キャビティ効果による音圧増強効果、それを相殺する濾波回路による音圧減衰効果、ホーン型ミッドバスと各スピーカー装置の周波数帯域、そして該低音用スピーカー装置と各スピーカー装置の音源位置などが好適に関連して相互作用する。
【0022】
そして、こうした好適な相関関係を生じさせるには、低音用スピーカ装置の共振空洞の奥行き、すなわち振動板と放射開口までの距離を、10〜40cmの範囲にするのが望ましい(請求項2)。例えば、口径30cm規格のコーン型スピーカーユニットを使用したホーン型ミッドバスと該低音用スピーカー装置をクロスオーバーすると音源位置が前後で略一致する。200Hzでクロスオーバーする場合の振動板の位置は各スピーカー装置とも開口部より約30cmであり、300Hzでクロスオーバーする場合には約20cmで、ホーン型ミッドバスの音源位置と該低音用スピーカー装置の音源位置はいずれも略一致する。なお、この「奥行き」はコーン型ウーファーの振動板の中心から放射開口までの最短距離であり、キャビネットの内空部にコーン型ウーファーを複数配設する場合には、各コーン型ウーファーの振動板と放射開口までの最短距離の平均がこの範囲内であればよい。
【0023】
また一致せず誤差の範囲が僅かの場合は放射開口の面積と濾波回路を修正してクロスオーバー周波数付近の音圧を平坦にできる。しかし誤差の範囲が修正不可能な場合には使用するホーン型ミッドバスのコーン型スピーカーユニットの口径を25cmに、或いは25cmのダブル使用に変更するか、共振空洞の寸法及び放射開口の面積を修正する。
【0024】
本発明の低音用スピーカー装置にあっては、濾波回路によりキャビティ効果を好適に補正した場合には、クロスオーバー周波数付近の音圧の減衰率は、キャビティ効果との相乗効果でフィルターの遮断傾斜よりも急峻となる。ここで、濾波回路のハイカットフィルターの遮断傾斜は、キャビティ効果による周波数特性のピークの傾斜に合わせるものであるが、キャビネットの大きさが通常範囲内であれば、この立ち上がり傾斜は大抵4〜10dB/octの範囲となるため、かかるキャビティ効果は一素子型(−6dB/oct)のハイカットフィルターにより好適に補正される。そして、好適に補正できない場合は共振空洞の奥行きと放射開口の面積との比率を修正してキャビティ効果の強弱と周波数を変更し補正する。
【0025】
遮断傾斜の緩い一素子型のハイカットフィルターであるが、キャビティ効果が相乗するため、補正後の周波数特性におけるクロスオーバー周波数付近の減衰率は−6dB/octよりはるかに急峻となる。すなわち、かかる構成にあっては位相や波形の変化がなく、かつクロスオーバー周波数からの減衰率が急峻であり、優れた周波数特性が実現されることとなる。
【0026】
また、共振空洞には、中音域を減衰させる種々の工夫を施し、低音用スピーカー装置の周波数特性をさらに向上させることが考えられる。例えば、コーン型ウーファーを、その放射方向をキャビネットの前方に対して傾けて装着し、共振空洞内の音波干渉により、コーン型ウーファーの放射音の不要なる中高音域部分を減衰させることが提案される(請求項3)。かかる構成にあっては、コーン型ウーファーの上部からの放射音と下部からの放射音とは位相がずれており、さらに共振空洞の内壁で反射して、放射音と位相の異なる反射音とが共振空洞内で干渉し合うこととなる。波長の長い低周波の放射音は、位相のずれが小さいため干渉による音圧の減衰は僅かで、波長の短い中高音域部分だけが干渉効果によって減衰する。
【0027】
なお、中高音域の減衰効果はコーン型ウーファーの傾斜角度が大きいほど良好であるが、一方で傾斜角度を過度に大きくすると、音色や音の放射効率が損なわれるため、試作品では50°〜70°の範囲内で好結果が得られた。また、コーン型ウーファーの傾斜は、放射音の左右のブレを発生させるため、左右方向にも傾斜させ、バッフル板の片側に寄せ中心を外して装着してもよい。
【0028】
ここで、キャビネットの内空部のバッフル板には、単一のコーン型ウーファーでなく複数のコーン型ウーファーを装着してもよい(請求項4)。かかる低音用スピーカー装置にあっては、複数のコーン型ウーファーはその音源位置が異なっているため、各コーン型ウーファーの放射音が共振空洞内で相互に干渉して、各コーン型ウーファーの中高音域部分を好適に減衰させることとなる。なお、かかる構成では、上述のように各コーン型ウーファーの放射方向をキャビネットの前方に対して傾けると、中高音域の減衰効果を一層向上させることができる。
【0029】
本構成のように、内空部に複数のコーン型ウーファーを装着する場合には、一枚のバッフル板に複数のコーン型ウーファーを取り付けてもよいが、内空部に、前後左右に位置の異なる複数のバッフル板を、放射開口と対向するように縦断状に配設し、各バッフル板に夫々コーン型ウーファーを取り付けるようにしてもよい。また、装着するコーン型ウーファーの数は多いほど音源位置が増え、共振空洞内で各コーン型ウーファーの放射音が干渉するため不要な中高音域の減衰効果は大きいが、所定のキャビネットの形状では、2〜6個程度にするのが望ましい。
【0030】
また、共振空洞の内壁に、不要なる特定の帯域部分を減衰させる吸音材としてヘルムホルツ共鳴器を配設してもよい(請求項5)。かかる構成にあっては、ヘルムホルツ共鳴器は吸音周波数の選択性が高いため、コーン型ウーファーや共振空洞の周波数特性に応じたヘルムホルツ共鳴器を配設すれば、減衰させるべき不要な帯域を選択的に抑えることが可能となる。また、吸音材であるフェルトを併用すればより効果的である。
【0031】
なお、本発明の低音用スピーカー装置のキャビネットは、密閉形を採用することができるが、バッフル板を貫通して背面に形成した空洞へ突出し、共振空洞と背面の空洞を連通するバスレフ用ダクトを配設すれば、バスレフ形として用いることもできる。
【0032】
また、本発明は低音用スピーカー装置単体として構成するだけでなく、上記の低音用スピーカー装置と、該低音用スピーカー装置の共振空洞の奥行きと略同長のホーンを具備し、該低音用スピーカー装置と音源位置を前後に一致させて設置されるコーン型ユニットをドライバーとするホーン型中低音用スピーカー装置(ホーン型ミッドバス)と、両スピーカー装置を150〜400Hzの範囲でクロスオーバーさせ、該低音用スピーカー装置の共振空洞内の共振による音圧の増強をその共振周波数域で略相殺する濾波回路とを備えたマルチウェイスピーカー装置としてもよい(請求項6)。かかる構成にあっては、上記の低音用スピーカー装置と外見、音響面で調和するホーン型ミッドバスと、濾波回路とが組み合わさったマルチウェイスピーカー装置を構成するものであり、寸法の統一や、キャビネットの一体化等が可能となるため、マルチウェイスピーカー装置が一体性に富んだものとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は第一実施例の低音用スピーカー装置Aを示す。この低音用スピーカー装置Aの上方にはコーン型スピーカーユニット81の前方にホーン83を備えてなるホーン型ミッドバス80を設置し、さらにその上方にはホーン型中高音用スピーカー装置90を設置する。そして、これらの各スピーカー装置A,80,90を接続する濾波回路(図示省略)とによりマルチウェイスピーカー装置100を構成する。
【0034】
このマルチウェイスピーカー装置100にあっては、濾波回路が入力信号を三つの帯域に分割して各スピーカー装置A,80,90へ出力する。そして、中高音用スピーカー装置90は約800Hz以上を再生し、ホーン型ミッドバス80が200〜800Hzを、そして、本発明の低音用スピーカー装置Aが200Hz以下の周波数帯域を再生するようになっている。ここで、低音用スピーカー装置Aは、ホーン型ミッドバス80及び中高音用スピーカー装置90とその音源が前後に一致するように相互の前後位置を設定する。かかるスピーカー装置A,80,90ではそれぞれスピーカーユニットは一つずつであるため、それぞれの振動板の前後位置を合わせた状態と略一致する。
【0035】
低音用スピーカー装置Aの構造について説明すると、低音用スピーカー装置Aは、図1,2に示すように、コーン型ウーファー3と、該コーン型ウーファー3を収納するキャビネット70とで構成される。かかるコーン型ウーファー3は、既存のものを用いることができ、このコーン型ウーファー3の形状や特性に合わせてキャビネット70の寸法を決定する。キャビネット70は合板を組み付けてなり、内空部75を有する直方体の箱状をなし、その前面には矩形の放射開口71を形成する。そして、内空部75には、バッフル板2を放射開口71に対向するように縦断状に配設し、内空部75を前方の共振空洞73と後方の背面空洞74とに区画する。このバッフル板2の中央に円形のウーファー装着部72を形成し、この装着部72にコーン型ウーファー3をその放射方向を放射開口71側に向けて装着する。ここで、バッフル板2は、仰角60°で前方に傾斜するように配設し、コーン型ウーファー3の放射方向を前下方に30°傾いたものとする。
【0036】
また、ウーファー装着部72の近傍には、バッフル板2を貫通して共振空洞73と背面空洞74を連通させるバスレフ用ダクト11を設け、コーン型ウーファー3背面からの放射音の低音域部分を前方に補給して、低音用スピーカー装置Aの低音再生限界周波数を低くする。
【0037】
バッフル板2は、共振空洞73の奥行き、すなわちコーン型ウーファー3の振動板の中心から放射開口71までの距離が30cmとなるように内空部75に配設する。かかる共振空洞73の奥行きは、本実施例で併用するホーン型ミッドバス80のホーン長も略30cmのものを用いるものであり、上述のように各スピーカー装置A,80,90の音源位置を合わせた状態で、それぞれの前端の位置が略一致しており、マルチウェイスピーカー装置100が外形面で一体性を有するものとなっている。
【0038】
次に、本実施例の要部である共振空洞73の構成について説明する。
共振空洞73の形状は、放射開口71外周辺の空気のマスと共振空洞内の空気バネが約200Hzで共振するようにその形状を設定する。共振空洞73の共振周波数は、放射開口71の面積と、共振空洞73の容積により略決定されるので、共振空洞73の奥行きや幅は、併用するスピーカー装置80,90と調和する形状に設定されるため、共振空洞73の共振周波数は、放射開口71の面積で調整し、共振周波数が200Hzとなるように設定する。
【0039】
また、キャビネット70の形態及びコーン型ウーファー3の特性により600〜1kHz間で「キャビティ効果」の戻りが大きく音圧の高くなる部分が発生する際は、共振空洞73の内壁を構成する側板4及び地板6にフェルト等を併用したヘルムホルツ共鳴器7,8を取り付けて不要なる中音域の高音圧部分を選択的に吸音する。
【0040】
この低音用スピーカー装置A及び比較品A’の周波数特性を図3に示す。なお、比較品A’は低音用スピーカー装置Aと同じコーン型ウーファー3を備え、その背面空洞は低音用スピーカー装置Aの背面空洞74と同体積で、コーン型ウーファー3前面に何も形成しない直接放射型の低音用スピーカー装置である。
【0041】
これによれば、比較品A’は、約50Hz〜2kHzまで、略平坦な周波数特性を有する。これに対し、低音用スピーカー装置Aは、約90Hz以下では比較品A’と略同音圧を示すが、90Hzを超えた辺りから音圧が上昇し、約200Hzでその音圧は最大となる。そして、200Hzを超えると音圧は減少し始め、250Hzで比較品A’と同レベルになり、その後も下降し続け500Hzで極少値となる。この「うねり」が、共振空洞73のキャビティ効果である。そして、キャビティ効果後の中高音域では、比較品A’の音圧よりも約6dB低い音圧で推移する。この音圧減少は主に、コーン型ウーファー3をキャビネット70の前方に対して傾けたことによる干渉効果である。
【0042】
このように、本実施例の低音用スピーカー装置Aにおいては、約90Hz以下では、比較品A’と同様の周波数特性を有するが、90Hz〜250Hzでは、キャビティ効果による増強が見られ、不要な250Hz以上では、キャビティ効果と干渉吸音効果により音圧が減少することとなる。
【0043】
図4には、濾波回路の電気的負荷により中音域を減衰させた際の低音用スピーカー装置Aの周波数特性を示す。ここではキャビティ効果の音圧増強が見られた90Hzから、一素子型(−6dB/oct)のハイカットフィルターをかけることにより音圧を減衰させたものである。かかる周波数特性にあっては、50〜200Hzまでは略平坦であり、200Hzを超えた付近から約−15dB/octの急峻な勾配で音圧が減衰することとなる。
【0044】
かかる周波数特性は、90〜200Hzの周波数域においては、ハイカットフィルターによる音圧の減衰により、キャビティ効果による音圧増強が略相殺され、その周波数特性が平坦となる。そして、共振周波数である200Hzを超えると、共振空洞73のキャビティ効果の減衰と、濾波回路の減衰効果と相まって、音圧の急激な減衰が生じることとなる。
【0045】
このように、本実施例の低音用スピーカー装置Aにあっては、コーン型ウーファー3をキャビネット70の内空部75に奥まって配設し、コーン型ウーファー3の前方に特定の周波数で共振を発生する共振空洞73を形成することにより、ホーン型ミッドバス80、ホーン型中高音用スピーカー装置90と、音源位置を前後に揃えた状態で組み合わせ、外形の調和したマルチウェイスピーカー装置100を構成する。
【0046】
そして、共振空洞73の形状を上記のように設定すれば、共振空洞73のキャビティ効果による周波数特性のひずみは濾波回路により好適に補正され、低音用スピーカー装置Aはホーン型ミッドバス80と好適にクロスオーバーすることとなり、音響的な一体性も実現される。また、かかる実施例にあっては、キャビティ効果のお陰で、位相・波形変化がない一素子型の濾波回路だけで、急激な減衰率を有するため、ホーン型ミッドバスと理想的にクロスオーバーすることが可能となっている。
【0047】
図5は第二実施例の低音用スピーカー装置Bを示し、本実施例にあっては、キャビネット70bの内空部75bに60°の仰角で固定されたバッフル板33に、二つのコーン型ウーファー35,35を前後上下に位置をずらせ装着する。本実施例にあっても、共振空洞73bは約200Hzの共振周波数でキャビティ効果が起き平均の奥行きが30cmになるようにその形状を設定する。なお、他の構成については、第一実施例の低音用スピーカー装置Aと同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
【0048】
この低音用スピーカー装置Bを一素子型の濾波回路に繋いで、キャビティ効果による周波数特性のピークを補正した際の周波数特性を図6に示す。この場合には、周波数特性は60〜200Hzで平坦となり、200Hzを超えた辺りから−20dB/octの急激な減衰率で音圧が減少する。かかる大きな減衰率は、キャビネット70b内に二つのコーン型ウーファー35,35を設け、音源が複数存在するため、コーン型ウーファー35,35の放射音が共振空洞73b内で満遍なく干渉し合うことにより生じると考えられる。このように、低音用スピーカー装置Bに複数のコーン型ウーファー35を装着した構成にあっては、中高音域の音圧を極めて効率よく減衰することが可能となる。
【0049】
また、図7に示す第三実施例の低音用スピーカー装置Cは、キャビネット70cの内空部75cに、前後にずらして配置した上下二枚のバッフル板23,26に、夫々コーン型ウーファー27,27を装着したものである。かかる構成にあっては、第二実施例の低音用スピーカー装置Bと比べ、コーン型ウーファー27が同一バッフル板上に配設されていないため、キャビネット70cの大きさに比して、より大口径のコーン型ウーファー27を装着することが可能であり、キャビネット70cをコンパクト化することができる。
【0050】
さらに、図8,9は、第四実施例の低音用スピーカー装置Dを示し、かかる低音用スピーカー装置Dにあっては、キャビネット70dの内空部75dを前後左右上下に位置の異なる四枚のバッフル板41,43,45,47により、共振空洞73dと、背面空洞74dを区画し、各バッフル板41,43,45,47に一つずつ、計四個の同型コーン型ウーファー42を装着する。その他の構成については、第一実施例の低音用スピーカー装置Aと同様であるため、共通する部分の説明は省略する。かかる構成にあっては、全てのコーン型ウーファー42の放射方向は、キャビネット70dの前方を向いているが、各コーン型ウーファー42の装着位置が前後にずれているため、その放射音が相互に干渉作用を起こし、中高音域部分の音圧が減衰することとなる。
【0051】
以上に説明したように本発明は実施され得るものであるが、本発明は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0052】
例えば、複数のコーン型ウーファーを備えたキャビネットにあっては、複数のコーン型ウーファーを異なる方向に傾斜させてもよい。さらに、濾波回路を定番の−6dB/octから−12dB/oct或いは−18dB/octに変更しても電気的な位相のずれが発生するが従来の音源位置の著しくずれた装置と比較すれば上述したように格段の改良で音楽を楽しむ事ができる。また本発明の低音用スピーカー装置はホーン型ミッドバスでホーン型中高音用スピーカー装置を上下で挟み込み仮想同軸型として各スピーカーが一体化したマルチウェイスピーカーとしても製造することが可能である。
【0053】
【発明の効果】
このように、本発明は、キャビネットが、前面に放射開口を有する内空部を備え、該内空部にウーファー装着部を有するバッフル板を、放射開口に対向するように縦断状に配設して、バッフル板前方に放射開口と連通する共振空洞を区画形成すると共に、放射開口外周辺の空気のマスと共振空洞内の空気バネとが150〜400Hzの範囲において所要周波数で共振するように、共振空洞と放射開口の形態を夫々設定し、該共振による音圧の増強をその共振周波数域で略相殺する濾波回路に接続するようにしたものであるから(請求項1)。前記ホーン型ミッドバスと音源位置を前後で略一致させた状態で、外形と音響面の両面で調和し得ることとなり、中高音域以上を再生する各ホーン型スピーカー装置を併用することで、各スピーカー装置が物理的にも音響的にも適切に組み合わさったマルチウェイスピーカー装置を実現できる。
【0054】
本発明の低音用スピーカー装置にあっては、濾波回路の減衰率が低くても、その周波数特性の急峻な減衰を生じ得るものであり、位相・波形が変化しない一素子型(−6dB/oct)の濾波回路でホーン型ミッドバスと理想的にクロスオーバーさせることができる。またホーン型ミッドバスの低域側も音響抵抗が懸からなくなり始めており一素子型の濾波回路で十分な減衰になる。一素子型の濾波回路はどの周波数でも位相差は常に90度になっているので連続波、過渡波を問わずいかなる入力波形であろうと合成波形は全く同一の元の波形になる理想的な濾波回路で接続される。
【0055】
前述したように、従来の周波数特性の急峻な減衰による位相のずれなどは黙認出来るほど音源位置の著しくずれた、低音用に直接放射型のキャビネットを併用したホーン型スピーカー装置、また、これらの欠点がさらに拡大した大型のホーン型スピーカー装置に比べれば、本発明の低音用スピーカー装置とホーン型ミッドバスの併用は、このようにして理想的な濾波回路と理想的な音源位置の双方でクロスオーバーでき、尚且つ90Hz以上はキャビティ効果で音響抵抗が掛かっているので、物理的のみならず音響的にも素直に繋がり、低音まで再生可能な一つのホーン型装置のように一体性がある。
【0056】
また、共振空洞の奥行きを10〜40cmの範囲とした場合には(請求項2)、前記ホーン型ミッドバスと外形面が調和した形状で、共振空洞の共振周波数を150〜400Hzの範囲内に設定することが容易となる。
【0057】
そして、コーン型ウーファーを、その放射方向をキャビネットの前方に対して傾けて装着し、共振空洞内の音波干渉により、コーン型ウーファーの放射音の不要なる中高音域部分を減衰させるようにした場合には(請求項3)、コーン型ウーファーの放射音に含まれる不要な中高音域部分が、ホーン型ミッドバスから放射される中低音域の音に混じることによる音質の劣化を防止でき、低音用スピーカー装置と、ホーン型ミッドバスとを好適にクロスオーバーさせることができる。
【0058】
さらに、キャビネットの内空部に配設されたバッフル板に、複数のコーン型ウーファーを装着した場合にも(請求項4)、各コーン型ウーファーから発する音が共振空洞内で干渉して、不要な中高音域の音圧が減衰するため、ホーン型ミッドバスとの理想的なクロスオーバーが可能となる。
【0059】
また、共振空洞の内壁に、不要なる特定の帯域部分を減衰させる吸音材としてヘルムホルツ共鳴器を配設した場合には(請求項5)、特定の周波数領域を選択的に吸音可能となるため、該コーン型ウーファーから出る不要な音を効率的に抑えることができる。
【0060】
そして、上記低音用スピーカー装置と、該低音用スピーカー装置の共振空洞の奥行きと略同長のホーンを具備し、該低音用スピーカー装置と音源位置を前後に一致させて設置されるコーン型ユニットをドライバーとするホーン型中低音用スピーカー装置(ホーン型ミッドバス)と、両スピーカー装置を150〜400Hzの範囲でクロスオーバーさせ、該低音用スピーカー装置の共振空洞内の共振による音圧の増強をその共振周波数域で略相殺する濾波回路とを備えたことを特徴とするマルチウェイスピーカー装置にあっては(請求項6)、ホーン型のスピーカー装置と、低音用のスピーカー装置とが、外見と音響の両面で調和することとなり、視覚的に一体感を有するマルチウェイスピーカー装置により、ホーン独特の音色と、歯切れのよい低音とが素直に繋がった音を再生できる。また、かかる構成にあっては、低音用スピーカー装置と、中低音・中高音用スピーカー装置等のキャビネットを一体化すれば、マルチウェイスピーカー装置の統一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低音用スピーカー装置Aを備えるマルチウェイスピーカー装置100の斜視図である。
【図2】マルチウェイスピーカー装置100の右側断面図である。
【図3】低音用スピーカー装置Aの周波数特性図である。なお、比較品A’の周波数特性図を破線で示す。
【図4】中高音域を一素子の濾波回路で減衰させた低音用スピーカー装置Aの周波数特性図である。なお、比較品A’の周波数特性図を破線で示す。
【図5】低音用スピーカー装置Bの右側断面図である。
【図6】中高音域を一素子の濾波回路で減衰させた低音用スピーカー装置Bの周波数特性図である。
【図7】低音用スピーカー装置Cの右側断面図である。
【図8】低音用スピーカー装置Dの右側断面図である。
【図9】キャビネット70dの外郭部を透過視して、コーン型ウーファー42の配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,28,31,48 天板
2,23,26,33, 41,43,45,47 バッフル板
3,27,35,42 コーン型ウーファー
4,9 側板
5,21,32,49 前板
6,22,34,50 地板
7,8 ヘルムホルツ共鳴器
10,25,36,51 裏板
11 バスレフ用ダクト
24,44,46 合板
70,70b〜70d キャビネット
71,71b〜71d 放射開口
72,72b〜72d ウーファー装着部
73,73b〜73d 共振空洞
74,74b〜74d 背面空洞
75,75b〜75d 内空部
80 ホーン型ミッドバス(中低音用スピーカー装置)
81 スピーカーユニット
82 キャビネット
90 中高音用スピーカー装置
100 マルチウェイスピーカー装置
A〜D 低音用スピーカー装置

Claims (6)

  1. コーン型ウーファーをキャビネットの内部に配設してなる、マルチウェイスピーカー装置を構成するための低音用スピーカー装置において、
    前記キャビネットは、前面に放射開口を有する内空部を備え、該内空部にウーファー装着部を有するバッフル板を、放射開口に対向するように縦断状に配設して、バッフル板前方に放射開口と連通する共振空洞を区画形成すると共に、放射開口外周辺の空気のマスと共振空洞内の空気バネとが150〜400Hzの範囲において所要周波数で共振するように、共振空洞と放射開口の形態を夫々設定し、該共振による音圧の増強をその共振周波数域で略相殺する濾波回路に接続するようにしたことを特徴とする低音用スピーカー装置。
  2. 前記共振空洞の奥行きが10〜40cmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の低音用スピーカー装置。
  3. コーン型ウーファーを、その放射方向をキャビネットの前方に対して傾けて装着し、共振空洞内の音波干渉により、コーン型ウーファーの放射音の不要なる中高音域部分を減衰させるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の低音用スピーカー装置。
  4. キャビネットの内空部に配設されたバッフル板に、複数のコーン型ウーファーを装着したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の低音用スピーカー装置。
  5. 共振空洞の内壁に、不要なる特定の帯域部分を減衰させる吸音材としてヘルムホルツ共鳴器を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の低音用スピーカー装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の低音用スピーカー装置と、
    該低音用スピーカー装置の共振空洞の奥行きと略同長のホーンを具備し、該低音用スピーカー装置と音源位置を前後に一致させて設置されるコーン型ユニットをドライバーとするホーン型中低音用スピーカー装置と、
    両スピーカー装置を150〜400Hzの範囲でクロスオーバーさせ、該低音用スピーカー装置の共振空洞内の共振による音圧の増強をその共振周波数域で略相殺する濾波回路とを備えたことを特徴とするマルチウェイスピーカー装置。
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