JP2005005507A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】投影光学系と基板との間を水で満たして露光する際、基板上に投影されるパターン像の劣化を抑えることができる露光装置を提供する。
【解決手段】投影光学系と基板との間の少なくとも一部に供給される水50は、温度変化に対する屈折率変化が少ない4℃若しくはその近傍に温度調整されている。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影光学系と基板との間の少なくとも一部を水で満たした状態で投影光学系を介して基板にパターンを露光する露光装置、及びこの露光装置を用いるデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや液晶表示デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、マスクを支持するマスクステージと基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に転写するものである。近年、デバイスパターンのより一層の高集積化に対応するために投影光学系の更なる高解像度化が望まれている。投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短くなるほど、また投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、露光装置で使用される露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大している。そして、現在主流の露光波長は、KrFエキシマレーザの248nmであるが、更に短波長のArFエキシマレーザの193nmも実用化されつつある。また、露光を行う際には、解像度と同様に焦点深度(DOF)も重要となる。解像度R、及び焦点深度δはそれぞれ以下の式で表される。
【0003】
R=k・λ/NA … (1)
δ=±k・λ/NA … (2)
ここで、λは露光波長、NAは投影光学系の開口数、k、kはプロセス係数である。(1)式、(2)式より、解像度Rを高めるために、露光波長λを短くして、開口数NAを大きくすると、焦点深度δが狭くなることが分かる。
【0004】
焦点深度δが狭くなり過ぎると、投影光学系の像面に対して基板表面を合致させることが困難となり、露光動作時のマージンが不足する恐れがある。そこで、実質的に露光波長を短くして、且つ焦点深度を広くする方法として、例えば下記特許文献1に開示されている液浸法が提案されている。この液浸法は、投影光学系の下面と基板表面との間を水や有機溶媒等の液体で満たし、液体中での露光光の波長が、空気中の1/n(nは液体の屈折率で通常1.2〜1.6程度)になることを利用して解像度を向上するとともに、焦点深度を約n倍に拡大するというものである。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第99/49504号パンフレット
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投影光学系の下面と基板表面との間を水で満たした状態では、露光光の照射により水が温まり、水の屈折率が変化することによって、各種収差特性などが変化して、基板上に投影されるパターン像が劣化する恐れがあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、投影光学系と基板との間に液体を満たして露光処理する際、パターン像の劣化を抑えることができる露光装置、及びこの露光装置を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図6に対応付けした以下の構成を採用している。
【0009】
本発明の露光装置(EX)は、投影光学系(PL)と基板(P)との間の少なくとも一部を水(50)で満たし、投影光学系(PL)と水(50)とを介してパターン像を基板(P)上に投影して、基板(P)を露光する露光装置において、水(50)は4℃、若しくはその近傍に温度制御されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のデバイス製造方法は、上記記載の露光装置(EX)を用いることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、投影光学系と基板との間の水の温度を、水の温度変化に対して屈折率変化が起きにくい4℃、もしくはその近傍に調整しているので、露光光の照射によって水の温度変化が起きてもパターン像の劣化が抑制され、高いパターン精度を有するデバイスを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置及びデバイス製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0014】
図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
【0015】
ここで、本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上にレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
【0016】
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態では、ArFエキシマレーザ光を用いる。
【0017】
マスクステージMSTは、マスクMを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。マスクステージMSTはリニアモータ等のマスクステージ駆動装置MSTDにより駆動される。マスクステージ駆動装置MSTDは制御装置CONTにより制御される。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動することでマスクステージMSTに支持されているマスクMの位置決めを行う。
【0018】
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光するものであって、複数の光学素子(レンズ)で構成されており、これら光学素子は金属部材としての鏡筒PKで支持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、本実施形態の投影光学系PLの先端側(基板P側)には、光学素子(レンズ)60が鏡筒PKより露出している。この光学素子60は鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に設けられている。
【0019】
基板ステージPSTは、基板Pを支持するものであって、基板Pを基板ホルダを介して保持するZステージ51と、Zステージ51を支持するXYステージ52と、XYステージ52を支持するベース53とを備えている。基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動装置PSTDにより駆動される。基板ステージ駆動装置PSTDは制御装置CONTにより制御される。Zステージ51を駆動することにより、Zステージ51に保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置が制御される。また、XYステージ52を駆動することにより、基板PのXY方向における位置(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向の位置)が制御される。すなわち、Zステージ51は、基板Pのフォーカス位置及び傾斜角を制御して基板Pの表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ52は基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行う。なお、ZステージとXYステージとを一体的に設けてよいことは言うまでもない。
【0020】
基板ステージPST(Zステージ51)上には移動鏡54が設けられている。また、移動鏡54に対向する位置にはレーザ干渉計55が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計55によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計55の計測結果に基づいて基板ステージ駆動装置PSTDを駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板Pの位置決めを行う。
【0021】
本実施形態では、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに、焦点深度を実質的に広くするために、液浸法を適用する。そのため、少なくともマスクMのパターンの像を基板P上に転写している間は、基板Pの表面と投影光学系PLの基板P側の光学素子(レンズ)60の先端面(下面)7との間に所定の純水50が満たされる。上述したように、投影光学系PLの先端側にはレンズ60が露出しており、純水50はレンズ60のみに接触するように構成されている。これにより、金属からなる鏡筒PKの腐蝕等が防止されている。本実施形態において、純水50には純水が用いられる。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、露光光ELを例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
【0022】
露光装置EXは、投影光学系PLの先端面(レンズ60の先端面)7と基板Pとの間の空間56に所定の純水50を供給する純水供給装置1と、空間56の純水50を回収する純水回収装置2とを備えている。純水供給装置1は、投影光学系PLと基板Pとの間を純水50で満たすためのものであって、純水50を収容するタンク、加圧ポンプなどを備えている。純水供給装置1には供給管3の一端部が接続され、供給管3の他端部には供給ノズル4が接続されている。純水供給装置1は供給管3及び供給ノズル4を介して空間56に純水50を供給する。
【0023】
純水回収装置2は、吸引ポンプ、回収した純水50を収容するタンクなどを備えている。純水回収装置2には回収管6の一端部が接続され、回収管6の他端部には回収ノズル5が接続されている。純水回収装置2は回収ノズル5及び回収管6を介して空間56の純水50を回収する。空間56に純水50を満たす際、制御装置CONTは純水供給装置1を駆動し、供給管3及び供給ノズル4を介して空間56に対して単位時間当たり所定量の純水50を供給するとともに、純水回収装置2を駆動し、回収ノズル5及び回収管6を介して単位時間当たり所定量の純水50を空間56より回収する。これにより、投影光学系PLの先端面7と基板Pとの間の空間56に純水50で満たされる。
【0024】
図2は、露光装置EXの投影光学系PLの下部、純水供給装置1、及び純水回収装置2などを示す正面図である。図2において、投影光学系PLの最下端のレンズ60は、先端部60Aが走査方向に必要な部分だけを残してY軸方向(非走査方向)に細長い矩形状に形成されている。走査露光時には、先端部60Aの直下の矩形の投影領域にマスクMの一部のパターン像が投影され、投影光学系PLに対して、マスクMが−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、XYステージ52を介して基板Pが+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。そして、1つのショット領域への露光終了後に、基板Pのステッピングによって次のショット領域が走査開始位置に移動し、以下、ステップ・アンド・スキャン方式で各ショット領域に対する露光処理が順次行われる。本実施形態では、基板Pの移動方向と平行に、基板Pの移動方向と同一方向に純水50が流れる。
【0025】
図3は、投影光学系PLのレンズ60の先端部60Aと、純水50をX軸方向に供給する供給ノズル4(4A〜4C)と、純水50を回収する回収ノズル5(5A、5B)との位置関係を示す図である。図3において、レンズ60の先端部60Aの形状はY軸方向に細長い矩形状となっており、投影光学系PLのレンズ60の先端部60AをX軸方向に挟むように、+X方向側に3つの供給ノズル4A〜4Cが配置され、−X方向側に2つの回収ノズル5A、5Bが配置されている。そして、供給ノズル4A〜4Cは供給管3を介して純水供給装置1に接続され、回収ノズル5A、5Bは回収管4を介して純水回収装置2に接続されている。また、供給ノズル4A〜4Cと回収ノズル5A、5Bとをほぼ180°回転した配置に、供給ノズル8A〜8Cと、回収ノズル9A、9Bとが配置されている。供給ノズル4A〜4Cと回収ノズル9A、9BとはY軸方向に交互に配列され、供給ノズル8A〜8Cと回収ノズル5A、5BとはY軸方向に交互に配列され、供給ノズル8A〜8Cは供給管10を介して純水供給装置1に接続され、回収ノズル9A、9Bは回収管11を介して純水回収装置2に接続されている。
【0026】
図4は、純水供給装置1の構成図である。図4に示すように、純水供給装置1は、純水50中に溶解している気体を除去する脱気装置21を備えている。また本実施形態においては、純水50は純水供給装置1と純水回収装置2との間で循環するようになっており、純水回収装置2からの純水50は循環管12を介して純水供給装置1に戻されるようになっている。
【0027】
純水供給装置1は、純水回収装置2で回収された純水50内の異物等を除去するためのフィルタ20と、フィルタ20を通過した純水50を脱気する脱気装置21と、脱気装置21により加熱された純水50の温度を調整する温度調整装置22とを備えている。
【0028】
図5は、純水の温度Tと温度変化に対する屈折率変化dn/dTとの関係を示すグラフである。図5からも明らかなように、純水50は、4℃付近においては、温度変化に対する屈折率変化がほぼ零である。
【0029】
本実施形態においては、純水供給装置1の温度調整装置22は、純水の温度を、温度変化に対する屈折率変化がほぼ零となる4℃に調整している。
【0030】
温度調整装置22には供給管3、10が接続されており、温度調整装置22により温度調整された純水50は不図示の加圧ポンプの作用により供給管3(10)を介して空間56に供給される。
【0031】
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを基板Pに露光する手順について説明する。
【0032】
マスクMがマスクステージMSTにロードされるとともに、基板Pが基板ステージPSTにロードされたら、制御装置CONTは純水供給装置1を駆動し、空間56に対する液体供給動作を開始する。純水供給装置1において、空間56に供給されるべき純水50は、フィルタ20を通過することにより異物等を除去された状態で脱気装置21に供給される。脱気装置21に供給された純水50は脱気される。脱気された気体成分は排気装置の一部を構成する排気管13を介して装置外部に排出される。脱気された純水50は温度調整装置22に供給され、4℃に調整された後、供給管3及び供給ノズル4を介して空間56に供給される。
【0033】
そして、矢印Xa(図3参照)で示す走査方向(−X方向)に基板Pを移動させて走査露光を行う場合には、供給管3、供給ノズル4A〜4C、回収管4、及び回収ノズル5A、5Bを用いて、純水供給装置1及び純水回収装置2により純水50の供給及び回収が行われる。すなわち、基板Pが−X方向に移動する際には、供給管3及び供給ノズル4(4A〜4C)を介して純水供給装置1から気泡の発生を抑制された純水50が投影光学系PLと基板Pとの間に供給されるとともに、回収ノズル5(5A、5B)、及び回収管6を介して純水50が純水回収装置2に回収され、レンズ60と基板Pとの間を満たすように−X方向に純水50が流れる。一方、矢印Xbで示す走査方向(+X方向)に基板Pを移動させて走査露光を行う場合には、供給管10、供給ノズル8A〜8C、回収管11、及び回収ノズル9A、9Bを用いて、純水供給装置1及び純水回収装置2により純水50の供給及び回収が行われる。すなわち、基板Pが+X方向に移動する際には、供給管10及び供給ノズル8(8A〜8C)を介して純水供給装置1から気泡の発生を抑制された純水50が投影光学系PLと基板Pとの間に供給されるとともに、回収ノズル9(9A、9B)、及び回収管11を介して純水50が純水回収装置2に回収され、レンズ60と基板Pとの間を満たすように+X方向に純水50が流れる。このように、本実施形態においては、基板Pの移動方向に沿って純水50が流れる。この場合、例えば純水供給装置1から供給ノズル4を介して供給される純水50は基板Pの−X方向への移動に伴って空間56に引き込まれるようにして流れるので、純水供給装置1の供給エネルギーが小さくでも純水50を空間56に容易に供給できる。そして、走査方向に応じて純水50を流す方向を切り替えることにより、+X方向、又は−X方向のどちらの方向に基板Pを走査する場合にも、レンズ60の先端面7と基板Pとの間を純水50で満たすことができ、高い解像度及び広い焦点深度を得ることができる。同様にして、ステップ・アンド・スキャン方式で各ショット領域に対する露光処理が順次行われる。
【0034】
また各ショット領域の露光中に、投影光学系PLと基板Pとの間の純水50に露光光が入射することによって純水50の温度Tが変化する可能性があるが、投影光学系PLと基板Pとの間に供給される液体50は4℃に調整されているので、露光光の照射によって純水50の温度がわずかに変化しても、純水50の屈折率の変化は抑制される。したがって、露光光の照射による純水50の温度変動の影響は極めて小さく、純水50を介して基板P上に所望状態のパターン像を形成することできる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に純水50を満たして液浸露光法を実行しているので、解像度が向上するとともに、焦点深度を実質的に広くすることができる。また投影光学系PLと基板Pとの間に供給する純水の温度を4℃に調整しているので、基板P上に所望のパターン像を投影することができ、高いパターン精度を有するデバイスを製造することができる。
【0036】
上述したように、本実施形態における純水50は純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。
【0037】
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44であるため、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
【0038】
また本実施形態では、投影光学系PLの先端にレンズ60が取り付けられているが、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整に用いる光学プレートであってもよい。
【0039】
上記各実施形態において、上述したノズルの形状は特に限定されるものでなく、例えば先端部60Aの長辺について2対のノズルで純水50の供給又は回収を行うようにしてもよい。なお、この場合には、+X方向、又は−X方向のどちらの方向からも純水50の供給及び回収を行うことができるようにするため、供給ノズルと回収ノズルと上下に並べて配置してもよい。
【0040】
また、上述の実施形態においては、純水回収装置2で回収された液体を純水供給装置1へ戻す機構になっているが、必ずしもその必要はなく、純水供給装置1へは新しい純水を送り、純水回収装置2で回収された液体は廃棄するようにしてもよい。
【0041】
また純水は正確に4℃に調整する必要はなく、その近傍であれば純水の温度変化に対する屈折率変化は極めて小さいので、上記実施形態と同様に所望のパターン像を基板P上に形成することができる。
【0042】
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0043】
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間を局所的に液体で満たす露光装置を採用しているが、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置にも本発明を適用可能である。
【0044】
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0045】
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0046】
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0047】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0048】
各ステージPST、MSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージPST、MSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージPST、MSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージPST、MSTの移動面側に設ければよい。
【0049】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0050】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0051】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0052】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図6に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、パターン像の劣化を防止し、高いパターン精度を有するデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】投影光学系の先端部と純水供給装置及び純水回収装置との位置関係を示す図である。
【図3】供給ノズル及び回収ノズルの配置例を示す図である。
【図4】純水供給装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図5】純水の温度と純水の温度変化に対する屈折率変化との関係を示すグラフである。
【図6】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…純水供給装置
2…純水回収装置、
21…脱気装置
22…温度調整装置
50…純水
EX…露光装置、
PL…投影光学系
P…基板

Claims (2)

  1. 投影光学系と基板との間の少なくとも一部を水で満たし、前記投影光学系と前記水とを介してパターン像を前記基板上に投影して、前記基板を露光する露光装置において、
    前記水は4℃、若しくはその近傍に温度制御されていることを特徴とする露光装置。
  2. 請求項1記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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