JP2005003186A - 配管制振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二重配管の内側配管と外側配管とが熱膨張差や振動により発生する相対変位の影響を緩和し、二重配管の内側配管への最適な制振を行うことである。
【解決手段】流体を流す配管で大口径の外側配管19の内部に小口径の内側配管13を設置した二重配管12の内側配管13に内側制振部材29を設け、その内側制振部材29に対向して外側配管19に外側制振部材23を設けて構成される。そして、内側制振部材29は内側配管13の外周面から外側配管19の内周面方向に突出して設けられる。また、外側制振部材23は外側配管19の内周面から突出して設けられ、二重配管12に振動が発生したとき内側制振部材29と外側制振部材23とが接触して、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面との衝突を防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】流体を流す配管で大口径の外側配管19の内部に小口径の内側配管13を設置した二重配管12の内側配管13に内側制振部材29を設け、その内側制振部材29に対向して外側配管19に外側制振部材23を設けて構成される。そして、内側制振部材29は内側配管13の外周面から外側配管19の内周面方向に突出して設けられる。また、外側制振部材23は外側配管19の内周面から突出して設けられ、二重配管12に振動が発生したとき内側制振部材29と外側制振部材23とが接触して、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面との衝突を防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所や火力発電所などの高温・高圧熱流体を流す高温配管と低温の流体を流す低温配管とを一体化した二重配管の振動を抑制する配管制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所や火力発電所では、原子炉やボイラーで発生した蒸気は、主蒸気配管を通じてタービンに導かれ、タービンで仕事を終えた蒸気は復水器で凝縮されて冷却された流体となり、復水ポンプと加熱器を介して給水配管を通って原子炉に戻される。蒸気や流体が通るこれらのそれぞれの配管は、自重や流体流動による流体励振力や地震時の地震力などにより、たわみ変形したり大きく振動するので、振動が発生した場合であっても破損しないように、周囲の建物壁や架台構造物から支持装置を設けて固定されている。
【0003】
一方、大幅な高効率が期待される新型原子炉としての超臨界圧水冷却炉では、高温・高圧熱流体を流す高温配管と低温の流体を流す低温配管とを一体化した二重配管の採用が考えられている。この配管では、超臨界圧水冷却炉から高温高圧の流体が二重配管の高温配管を通り、タービンで仕事を終え、高温熱流体の熱が取り出され冷却された低温の流体が二重配管の低温配管に導かれ、原子炉へ戻されるようになっている。二重配管を採用するのは、高温配管の熱応力を緩和するためである。
【0004】
図7は、原子炉として超臨界圧水冷却炉を採用し配管の一部に二重配管を採用した原子力発電所の構成図である。原子炉(超臨界圧水冷却炉)11からは高温高圧の蒸気が発生する。約550℃、約25MPa(約250気圧)程度の熱せられた蒸気が発生し、その高温高圧の蒸気は二重配管12の内側配管13を通りタービン14に導かれる。タービン14は高温高圧の蒸気により回転し発電機15を駆動する。タービン14で仕事を終えた蒸気は復水器16で低温の水に戻され給水ポンプ17により給水配管18を通り、二重配管12の外側配管19を通って原子炉11に戻される。給水配管18や外側配管19には、約300℃前後、約250気圧程度の低温流体が流れることになる。
【0005】
ここで、内側配管13を流れる流体(蒸気)は高温高圧であるため、本来、配管の肉厚を厚くして圧力に耐える構造でなければならない。この場合、高温流体が流れるため配管外側の温度が常温程度に低い場合は、厚肉配管では外側熱応力と内側熱応力との差が大きくなり、発生応力が材料強度上、材料強度許容値を超え破損する可能性が高いので、内側配管13の周囲に外側配管19を設け、給水配管18からの常温よりは十分温度の高い流体を外側配管19に流して内側配管に生ずる熱応力低減を図ることができる。
【0006】
すなわち、図7に示すように、内側配管13の周囲を取り囲むように外側配管19を設置する二重配管12の構造として、この外側配管19内に300℃前後の給水を流し、内側配管13の内壁と外壁の温度差を小さくし熱応力の緩和を図るとともに、還流する給水の圧力を内側配管13内の圧力と同程度にすることにより、内側配管13を耐圧構造としなくとも済むようにしている。これにより、内側配管13の肉厚を薄くすることができ、内側配管13に発生する熱応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0007】
このような構成の二重配管12では、流体の流動による流体励振力や地震時の地震力などにより、大きく振動し破損することを防止するため、一般的には外側配管19を周囲の建物壁や架台構造物から支持装置を設けて固定することが考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、原子炉として上述の超臨界圧水冷却炉を採用し二重配管を採用した原子力発電所では、一般の原子力発電所の配管構造と異なり、以下のような課題がある。一つめは、二重配管構造において、高温流体が流れる内側配管13の温度は約550℃前後であり、外側配管19内の内側配管13の外周囲を流れる給水流体の温度は約220〜300℃程度であるため、これら配管の温度差により配管同士の熱膨張の伸びの差は非常に大きいことである。たとえば、ステンレス製の配管では、二重配管の直進部の長さが10〜20m程度の場合、内側配管13は外側配管19に対して、常温で設置した時に比べ、約5cm〜10cm程度長くなる。
【0009】
図8は、内側配管13と外側配管19との温度差による内側配管13の熱変形の説明図である。外側配管19は建物(建屋の壁や架台構造物)20に支持装置21で固定されており、内側配管13は外側配管19内に収納されている。内側配管13と外側配管19との温度差が大きくなると、図8の点線で示すように、内側配管13は、大きく変形する。すなわち、内側配管13がより大きな熱膨張により伸び、大きい複雑な変形をしたり、内側配管13が外側配管19に強く接触したり、内側配管13に高い圧縮応力や曲げ応力が発生する可能性がある。また、外側配管19内を流れる環流する流体の流れが変化し、内側配管13の外壁の温度分布が変化すると、高い熱応力が発生し力学的変形や熱変形による応力が重ね合わさり、内側配管13が破損する恐れがある。
【0010】
さらに、大地震時には、剛性の低い内側配管13が大きく揺れ、内側配管13と外側配管19とが互いに接触あるいは衝突したり、衝撃でそれぞれの配管が損傷する恐れがある。図9は大地震時に内側配管13が振動した場合の内側配管13の振動変形の説明図である。内側配管13が振動変形している様子を点線で示している。
【0011】
このように、二重配管12の内側配管13および外側配管19の温度差が大きい場合には、熱膨張差による配管どうしの相対変位が大きく発生し、大地震のような大きな振動が発生した場合には、薄肉の内側配管13がより大きな振動をする。このことが二重配管12の構造健全性に悪影響を及ぼすことになる。
【0012】
熱膨張差による対策として、図10に示すように、より大きく熱膨張する内側配管13の一部あるいは全部に熱膨張による変形(伸び)を吸収するベローズ配管などのフレキシブル配管22を設置する対策案が考えられている。しかしながら、この対策であると内側配管13の全体剛性がさらに低下するので、二重配管12の内部を流れる流体の流体力により振動が大きく励起されたり、中小地震などでも大きく振動したりするなど、通常運転においても振動による変形や応力発生にて材料疲労現象で配管が破損する恐れがある。
【0013】
二つめは、二重配管12の支持は、外側配管19だけが支持装置21で建物の壁や架台構造物20に支持され、外側配管19内に収められている内側配管13は支持されない状態で設置せざるを得ないという問題がある。これは、従来より、常温の大気圧中で使用されているメカニカルスナッバーやオイルダンパーなどの支持装置は、外側配管19と内側配管13との間のスペースが狭いこと、流体の流れを阻害する恐れがあること、流体温度が高いことなどから、内側配管13に対しては適用困難であるからである。
【0014】
また、もう一つの理由は、取り付けが可能である簡素な構造の固定棒のようなハンガー類は内側配管13と外側配管19との熱膨張差が大いため、その相対変位吸収を行うことが困難なため、適用困難と考えられることである。このように、取り付けスペース、環境、大きな熱膨張差などの問題から内側配管13に外側配管19から支持装置21を取り付けることは難しい。
【0015】
このような場合、大地震が発生すると、すでに図9に示したように支持されていない内側配管13は、水平方向や上下方向に大きく揺れ、大きな曲げ変形が発生し、また、外側配管19と激しく衝突し、それぞれの配管が大きく損傷したり破壊したりする恐れがある。また、一つめの課題である熱膨張変形を解決する変位吸収機構であるフレキシブル配管22は、柔らかくなるため内側配管13全体の剛性が下がり、地震時の揺れはさらに増加するという課題がある。特に、大型原子炉発電所では主配管系の二重配管12は大型化するので、地震時の外側配管19と内側配管13との衝突による配管同士の破損は避けなければならない。
【0016】
以上のように、超臨界圧水冷却炉システムに欠かせない主配管系を二重配管12とするためには、配管の熱膨張による配管同士の相対的な変形の影響低減(相対変位対策)や、二重配管12の内部を流れる流体による内側配管13の振動防止や地震の大振幅による配管同士の衝突を防止することが必要不可欠である。
【0017】
本発明の目的は、二重配管の内側配管と外側配管とが熱膨張差や振動により発生する相対変位の影響を緩和し、二重配管の内側配管への最適な制振を行うことができる配管制振装置を得ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の配管制振装置は、流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の内側配管に内側制振部材を設け、その内側制振部材に対向して外側配管に外側制振部材を設けて構成される。そして、内側制振部材は内側配管の外周面から外側配管の内周面方向に突出して設けられる。また、外側制振部材は外側配管の内周面から突出して設けられ、二重配管に振動が発生したとき内側制振部材と外側制振部材とが接触して、外側配管の内周面と内側配管の外周面との衝突を防止する。
【0019】
また、必要に応じて、外側制振部材は内側制振部材を内側配管の周方向に取り囲むように設け、二重配管に振動が発生したとき内側配管と外側配管との周方向変位を拘束し、内側配管のねじれを防止する。さらに、内側制振部材および外側制振部材の先端部は流線型に形成し流体の流れを円滑にする。
【0020】
また、内側制振部材の内側配管の外周面への取付部および外側制振部材の外側配管の内周面への取付部は断面形状が台形状となるように形成したり、バネ部材で形成して、取付部に生じる応力を緩和する。
【0021】
さらに、内側制振部材が取り付けられた部分の内側配管および外側制振部材が取り付けられた部分の外側配管は、各々両端をフランジで形成して他の内側配管および他の外側配管と接合するように構成したり、各々両端を溶接して他の内側配管および他の外側配管と接合するように構成する。これにより、内側制振部材や外側制振部材が取り付けられた二重配管の施工性およびメンテナンス性を向上させる。さらに、内側制振部材の内側配管の外周面への取付および外側制振部材の外側配管の内周面への取付は、嵌め込み構造により取り付けられるように構成し、内側制振部材や外側制振部材が取り付けられた二重配管の施工性およびメンテナンス性を向上させる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図1(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線での断面図である。
【0023】
図1(a)において、二重配管12は大口径の外側配管19の内部に小口径の内側配管13がほぼ同一中心軸を持つように配置され、また、外側配管19は支持装置21を介して建物20に固定されている。外側配管19に流れる流体と内側配管13に流れる流体は矢印に示すように逆向きに流れるようになっている。
【0024】
また、内側配管13には内側制振部材29が設けられ、一方、外側配管19にはその内側制振部材29に対向して外側制振部材23が設けられており、これら内側制振部材29および外側制振部材23で配管制振装置を構成している。すなわち、二重配管12に振動が発生したとき内側制振部材29と外側制振部材23とが接触して、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面との衝突を防止する。
【0025】
図1(b)に示すように、内側制振部材29は内側配管13の外周面から外側配管19の内周面方向に突出して設けられ、外側制振部材23は外側配管19の内周面から突出して設けられる。そして、外側制振部材23は、内側制振部材29を内側配管13の周方向に取り囲むように、内側制振部材29と所定の間隔を保って配置され、二重配管12に振動が発生したとき内側配管13と外側配管19との周方向変位を拘束する。一方、内側配管13と外側配管19との軸方向には開放されており、内側配管13と外側配管19の各々の軸方向変位は拘束しない。
【0026】
いま、熱膨脹により外側配管19と内側配管13との相対的な変形(相対変位)、二重配管12の内部を流れる流体による内側配管13の振動、あるいは地震により生じる振動が発生したとする。二重配管12の半径方向では、外側配管19の内側に取り付けられた外側制振部材23と、内側配管13の外側に取り付けられた内側制振部材29とが干渉するので、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面との衝突を防止できると共に、その振動を抑制することができる。
【0027】
一方、二重配管12の軸方向は、外側制振部材23が内側制振部材29を取り囲んでいないので開放状態にあり自由に動く。この場合、軸方向の動きが自由であっても、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面とが衝突することはない。
【0028】
第1の実施の形態によれば、内側制振部材29および外側制振部材23により内側配管13と外側配管19同士の衝突を防止すると共に振動を防止するので、内側配管13と外側配管19同士の相対的な変形の影響低減(相対変位対策)、二重配管12内部を流れる流体による内側配管13の振動、さらには地震による振動に対して、適正に制振できる。
【0029】
また、構造が簡単であるので取り付け困難な場所にも取り付けが可能であり、原子力プラントや火力プラントで用いられている従来の配管支持装置であるメカニカルスナッバ−等と同様の効果を期待できる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図2(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線での断面図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29および外側制振部材23の先端部を流線型に形成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0031】
内側配管13の外周面に取り付けられた内側制振部材29および外側配管19の内周面に取り付けられた外側制振部材23は、各々の形状が流線型をしており、内側配管13と外側配管19との間を流れる流体に対する流体抵抗を低減する。
【0032】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、外側配管19と内側配管13の間を流れる外側配管内19の流体に対する流体抵抗を低減することができる。すなわち、内側配管13と外側配管19との相対変位や振動による衝突を防止できると共に、内側制振部材29および外側制振部材23の流体抵抗を低減することができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図3(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図3(b)は図3(a)のA−A’線での断面図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材13の内側配管13の外周面への取付部および外側制振部材23の外側配管19の内周面への取付部の断面形状を台形状に形成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0034】
外側配管19の内周面への外側制振部材23は、四角錐体の上部を切り取って台形状錐体に形成され、その底部が外側配管19の内周面に取り付けられる。従って、外側配管19の内周面への取付部の断面形状は台形状となる。内側配管13の外周面への内側制振部材29も、同様に四角錐体の上部を切り取って台形状錐体に形成され、その底部が内側配管13の外周面に取り付けられる。従って、内側配管13の内周面への取付部の断面形状も台形状となる。
【0035】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態に効果に加え、外側制振部材23の取付部および内側制振部材29の取付部の断面形状が台形状となっているので、外側制振部材23と内側制振部材29とが干渉して生じる外側制振部材23および内側制振部材29の応力を緩和できる。
【0036】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図4(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図4(b)は図4(a)のA−A’線での断面図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29の内側配管13の外周面への取付部および外側制振部材23の外側配管19の内周面への取付部をバネ部材24で形成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0037】
内側制振部材29はバネ部材24を介して内側配管13の外周面に取り付けられ、同様に、外側制振部材23はバネ部材24を介して外側配管19の内周面に取り付けられる。すなわち、内側配管13への内側制振部材29の取付部および外側配管19への外側制振部材23の取付部は、それぞれバネ部材24で形成される。
【0038】
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、内側制振部材29および外側制振部材23の取付部にバネ部材24を用いるので、外側制振部材23と内側制振部材29とが干渉して生じる外側制振部材23および内側制振部材29の応力を緩和できる。
【0039】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29が取り付けられた部分の内側配管13Aおよび外側制振部材23が取り付けられた部分の外側配管19Aは、各々両端がフランジ26、25で形成され、このフランジ25、26を介して他の内側配管13B、13Cおよび他の外側配管19B、19Cと接合されるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0040】
図5に示すように、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aの両端にはフランジ25Aが設けられ、隣接して設けられる外側配管19B、19Cのフランジ25B、25Cと接合して連結される。同様に、内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aの両端にはフランジ26Aが設けられ、隣接して設けられる内側配管13B、13Cのフランジ26B、26Cと接合して連結される。隣接して設けられる外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cには、通常、外側制振部材23や内側制振部材29は取り付けられていない。従って、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19や内側制振部材29が取り付けられた内側配管13の施工性およびメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0041】
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aや内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aは、隣接する外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cとフランジ25、26により接合されるので、内側制振部材29や外側制振部材23が設置されている部分だけの取り外しが可能となり、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図である。この第6の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29が取り付けられた部分の内側配管13Aおよび外側制振部材23が取り付けられた部分の外側配管19Aは、各々両端が溶接28、27により他の内側配管13B、13Cおよび他の外側配管19B、19Cと接合されるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aの両端は溶接27A、27Bにより、隣接して設けられた外側配管19B、19Cと接合して連結される。同様に、内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aの両端は溶接28A、28Bにより、隣接して設けられた内側配管13B、13Cと接合して連結される。隣接して設けられる外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cには、通常、外側制振部材23や内側制振部材29は取り付けられていない。従って、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19や内側制振部材29が取り付けられた内側配管13の施工性およびメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0044】
第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aや内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aは、隣接する外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cと溶接により接合されるので、内側制振部材29や外側制振部材23が設置されている部分だけの取り外しが可能となり、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0045】
ここで、内側制振部材29の内側配管13の外周面への取り付けは、溶接や取付部材で取り付けることに加え、内側制振部材29と内側配管13の外周面とに嵌め込み構造を形成し、その嵌め込み構造により内側制振部材29と内側配管13とを取り付けるようにすることも可能である。同様に、外側制振部材23の外側配管19の内周面への取り付けについても、溶接や取付部材で取り付けることに加え、外側制振部材23と外側配管19の内周面とに嵌め込み構造を形成し、その嵌め込み構造により外側制振部材23と外側配管19とを取り付けるようにすることも可能である。このような構成により、内側制振部材29や外側制振部材23の取り付けおよび交換が容易となるので施工性およびメンテナンス性の向上が図れる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、二重配管の外側配管の内周面および内側配管の外周面に、外側制振部材および内側制振部材を設置するので、地震時の振動や配管を流れる流体から内側配管が振動力を受けても、外側制振部と内側制振部材とが干渉するため、内側配管の振動を制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図。
【図7】原子炉として超臨界圧水冷却炉を採用し配管の一部に二重配管を採用した原子力発電所の構成図。
【図8】二重配管の内側配管と外側配管との温度差による内側配管の熱変形の説明図。
【図9】大地震時に二重配管の内側配管が振動した場合の内側配管の振動変形の説明図。
【図10】従来の配管装置の系統図。
【符号の説明】
11…原子炉、12…二重配管、13…内側配管、14…タービン、15…発電機、16…復水器、17…給水ポンプ、18…給水配管、19…外側配管、20…建物、21…支持装置、22…フレキシブル配管、23…外側制振部材、24…バネ部材、25、26…フランジ、27、28…溶接、29…内側制振部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所や火力発電所などの高温・高圧熱流体を流す高温配管と低温の流体を流す低温配管とを一体化した二重配管の振動を抑制する配管制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所や火力発電所では、原子炉やボイラーで発生した蒸気は、主蒸気配管を通じてタービンに導かれ、タービンで仕事を終えた蒸気は復水器で凝縮されて冷却された流体となり、復水ポンプと加熱器を介して給水配管を通って原子炉に戻される。蒸気や流体が通るこれらのそれぞれの配管は、自重や流体流動による流体励振力や地震時の地震力などにより、たわみ変形したり大きく振動するので、振動が発生した場合であっても破損しないように、周囲の建物壁や架台構造物から支持装置を設けて固定されている。
【0003】
一方、大幅な高効率が期待される新型原子炉としての超臨界圧水冷却炉では、高温・高圧熱流体を流す高温配管と低温の流体を流す低温配管とを一体化した二重配管の採用が考えられている。この配管では、超臨界圧水冷却炉から高温高圧の流体が二重配管の高温配管を通り、タービンで仕事を終え、高温熱流体の熱が取り出され冷却された低温の流体が二重配管の低温配管に導かれ、原子炉へ戻されるようになっている。二重配管を採用するのは、高温配管の熱応力を緩和するためである。
【0004】
図7は、原子炉として超臨界圧水冷却炉を採用し配管の一部に二重配管を採用した原子力発電所の構成図である。原子炉(超臨界圧水冷却炉)11からは高温高圧の蒸気が発生する。約550℃、約25MPa(約250気圧)程度の熱せられた蒸気が発生し、その高温高圧の蒸気は二重配管12の内側配管13を通りタービン14に導かれる。タービン14は高温高圧の蒸気により回転し発電機15を駆動する。タービン14で仕事を終えた蒸気は復水器16で低温の水に戻され給水ポンプ17により給水配管18を通り、二重配管12の外側配管19を通って原子炉11に戻される。給水配管18や外側配管19には、約300℃前後、約250気圧程度の低温流体が流れることになる。
【0005】
ここで、内側配管13を流れる流体(蒸気)は高温高圧であるため、本来、配管の肉厚を厚くして圧力に耐える構造でなければならない。この場合、高温流体が流れるため配管外側の温度が常温程度に低い場合は、厚肉配管では外側熱応力と内側熱応力との差が大きくなり、発生応力が材料強度上、材料強度許容値を超え破損する可能性が高いので、内側配管13の周囲に外側配管19を設け、給水配管18からの常温よりは十分温度の高い流体を外側配管19に流して内側配管に生ずる熱応力低減を図ることができる。
【0006】
すなわち、図7に示すように、内側配管13の周囲を取り囲むように外側配管19を設置する二重配管12の構造として、この外側配管19内に300℃前後の給水を流し、内側配管13の内壁と外壁の温度差を小さくし熱応力の緩和を図るとともに、還流する給水の圧力を内側配管13内の圧力と同程度にすることにより、内側配管13を耐圧構造としなくとも済むようにしている。これにより、内側配管13の肉厚を薄くすることができ、内側配管13に発生する熱応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0007】
このような構成の二重配管12では、流体の流動による流体励振力や地震時の地震力などにより、大きく振動し破損することを防止するため、一般的には外側配管19を周囲の建物壁や架台構造物から支持装置を設けて固定することが考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、原子炉として上述の超臨界圧水冷却炉を採用し二重配管を採用した原子力発電所では、一般の原子力発電所の配管構造と異なり、以下のような課題がある。一つめは、二重配管構造において、高温流体が流れる内側配管13の温度は約550℃前後であり、外側配管19内の内側配管13の外周囲を流れる給水流体の温度は約220〜300℃程度であるため、これら配管の温度差により配管同士の熱膨張の伸びの差は非常に大きいことである。たとえば、ステンレス製の配管では、二重配管の直進部の長さが10〜20m程度の場合、内側配管13は外側配管19に対して、常温で設置した時に比べ、約5cm〜10cm程度長くなる。
【0009】
図8は、内側配管13と外側配管19との温度差による内側配管13の熱変形の説明図である。外側配管19は建物(建屋の壁や架台構造物)20に支持装置21で固定されており、内側配管13は外側配管19内に収納されている。内側配管13と外側配管19との温度差が大きくなると、図8の点線で示すように、内側配管13は、大きく変形する。すなわち、内側配管13がより大きな熱膨張により伸び、大きい複雑な変形をしたり、内側配管13が外側配管19に強く接触したり、内側配管13に高い圧縮応力や曲げ応力が発生する可能性がある。また、外側配管19内を流れる環流する流体の流れが変化し、内側配管13の外壁の温度分布が変化すると、高い熱応力が発生し力学的変形や熱変形による応力が重ね合わさり、内側配管13が破損する恐れがある。
【0010】
さらに、大地震時には、剛性の低い内側配管13が大きく揺れ、内側配管13と外側配管19とが互いに接触あるいは衝突したり、衝撃でそれぞれの配管が損傷する恐れがある。図9は大地震時に内側配管13が振動した場合の内側配管13の振動変形の説明図である。内側配管13が振動変形している様子を点線で示している。
【0011】
このように、二重配管12の内側配管13および外側配管19の温度差が大きい場合には、熱膨張差による配管どうしの相対変位が大きく発生し、大地震のような大きな振動が発生した場合には、薄肉の内側配管13がより大きな振動をする。このことが二重配管12の構造健全性に悪影響を及ぼすことになる。
【0012】
熱膨張差による対策として、図10に示すように、より大きく熱膨張する内側配管13の一部あるいは全部に熱膨張による変形(伸び)を吸収するベローズ配管などのフレキシブル配管22を設置する対策案が考えられている。しかしながら、この対策であると内側配管13の全体剛性がさらに低下するので、二重配管12の内部を流れる流体の流体力により振動が大きく励起されたり、中小地震などでも大きく振動したりするなど、通常運転においても振動による変形や応力発生にて材料疲労現象で配管が破損する恐れがある。
【0013】
二つめは、二重配管12の支持は、外側配管19だけが支持装置21で建物の壁や架台構造物20に支持され、外側配管19内に収められている内側配管13は支持されない状態で設置せざるを得ないという問題がある。これは、従来より、常温の大気圧中で使用されているメカニカルスナッバーやオイルダンパーなどの支持装置は、外側配管19と内側配管13との間のスペースが狭いこと、流体の流れを阻害する恐れがあること、流体温度が高いことなどから、内側配管13に対しては適用困難であるからである。
【0014】
また、もう一つの理由は、取り付けが可能である簡素な構造の固定棒のようなハンガー類は内側配管13と外側配管19との熱膨張差が大いため、その相対変位吸収を行うことが困難なため、適用困難と考えられることである。このように、取り付けスペース、環境、大きな熱膨張差などの問題から内側配管13に外側配管19から支持装置21を取り付けることは難しい。
【0015】
このような場合、大地震が発生すると、すでに図9に示したように支持されていない内側配管13は、水平方向や上下方向に大きく揺れ、大きな曲げ変形が発生し、また、外側配管19と激しく衝突し、それぞれの配管が大きく損傷したり破壊したりする恐れがある。また、一つめの課題である熱膨張変形を解決する変位吸収機構であるフレキシブル配管22は、柔らかくなるため内側配管13全体の剛性が下がり、地震時の揺れはさらに増加するという課題がある。特に、大型原子炉発電所では主配管系の二重配管12は大型化するので、地震時の外側配管19と内側配管13との衝突による配管同士の破損は避けなければならない。
【0016】
以上のように、超臨界圧水冷却炉システムに欠かせない主配管系を二重配管12とするためには、配管の熱膨張による配管同士の相対的な変形の影響低減(相対変位対策)や、二重配管12の内部を流れる流体による内側配管13の振動防止や地震の大振幅による配管同士の衝突を防止することが必要不可欠である。
【0017】
本発明の目的は、二重配管の内側配管と外側配管とが熱膨張差や振動により発生する相対変位の影響を緩和し、二重配管の内側配管への最適な制振を行うことができる配管制振装置を得ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の配管制振装置は、流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の内側配管に内側制振部材を設け、その内側制振部材に対向して外側配管に外側制振部材を設けて構成される。そして、内側制振部材は内側配管の外周面から外側配管の内周面方向に突出して設けられる。また、外側制振部材は外側配管の内周面から突出して設けられ、二重配管に振動が発生したとき内側制振部材と外側制振部材とが接触して、外側配管の内周面と内側配管の外周面との衝突を防止する。
【0019】
また、必要に応じて、外側制振部材は内側制振部材を内側配管の周方向に取り囲むように設け、二重配管に振動が発生したとき内側配管と外側配管との周方向変位を拘束し、内側配管のねじれを防止する。さらに、内側制振部材および外側制振部材の先端部は流線型に形成し流体の流れを円滑にする。
【0020】
また、内側制振部材の内側配管の外周面への取付部および外側制振部材の外側配管の内周面への取付部は断面形状が台形状となるように形成したり、バネ部材で形成して、取付部に生じる応力を緩和する。
【0021】
さらに、内側制振部材が取り付けられた部分の内側配管および外側制振部材が取り付けられた部分の外側配管は、各々両端をフランジで形成して他の内側配管および他の外側配管と接合するように構成したり、各々両端を溶接して他の内側配管および他の外側配管と接合するように構成する。これにより、内側制振部材や外側制振部材が取り付けられた二重配管の施工性およびメンテナンス性を向上させる。さらに、内側制振部材の内側配管の外周面への取付および外側制振部材の外側配管の内周面への取付は、嵌め込み構造により取り付けられるように構成し、内側制振部材や外側制振部材が取り付けられた二重配管の施工性およびメンテナンス性を向上させる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図1(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線での断面図である。
【0023】
図1(a)において、二重配管12は大口径の外側配管19の内部に小口径の内側配管13がほぼ同一中心軸を持つように配置され、また、外側配管19は支持装置21を介して建物20に固定されている。外側配管19に流れる流体と内側配管13に流れる流体は矢印に示すように逆向きに流れるようになっている。
【0024】
また、内側配管13には内側制振部材29が設けられ、一方、外側配管19にはその内側制振部材29に対向して外側制振部材23が設けられており、これら内側制振部材29および外側制振部材23で配管制振装置を構成している。すなわち、二重配管12に振動が発生したとき内側制振部材29と外側制振部材23とが接触して、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面との衝突を防止する。
【0025】
図1(b)に示すように、内側制振部材29は内側配管13の外周面から外側配管19の内周面方向に突出して設けられ、外側制振部材23は外側配管19の内周面から突出して設けられる。そして、外側制振部材23は、内側制振部材29を内側配管13の周方向に取り囲むように、内側制振部材29と所定の間隔を保って配置され、二重配管12に振動が発生したとき内側配管13と外側配管19との周方向変位を拘束する。一方、内側配管13と外側配管19との軸方向には開放されており、内側配管13と外側配管19の各々の軸方向変位は拘束しない。
【0026】
いま、熱膨脹により外側配管19と内側配管13との相対的な変形(相対変位)、二重配管12の内部を流れる流体による内側配管13の振動、あるいは地震により生じる振動が発生したとする。二重配管12の半径方向では、外側配管19の内側に取り付けられた外側制振部材23と、内側配管13の外側に取り付けられた内側制振部材29とが干渉するので、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面との衝突を防止できると共に、その振動を抑制することができる。
【0027】
一方、二重配管12の軸方向は、外側制振部材23が内側制振部材29を取り囲んでいないので開放状態にあり自由に動く。この場合、軸方向の動きが自由であっても、外側配管19の内周面と内側配管13の外周面とが衝突することはない。
【0028】
第1の実施の形態によれば、内側制振部材29および外側制振部材23により内側配管13と外側配管19同士の衝突を防止すると共に振動を防止するので、内側配管13と外側配管19同士の相対的な変形の影響低減(相対変位対策)、二重配管12内部を流れる流体による内側配管13の振動、さらには地震による振動に対して、適正に制振できる。
【0029】
また、構造が簡単であるので取り付け困難な場所にも取り付けが可能であり、原子力プラントや火力プラントで用いられている従来の配管支持装置であるメカニカルスナッバ−等と同様の効果を期待できる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図2(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線での断面図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29および外側制振部材23の先端部を流線型に形成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0031】
内側配管13の外周面に取り付けられた内側制振部材29および外側配管19の内周面に取り付けられた外側制振部材23は、各々の形状が流線型をしており、内側配管13と外側配管19との間を流れる流体に対する流体抵抗を低減する。
【0032】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、外側配管19と内側配管13の間を流れる外側配管内19の流体に対する流体抵抗を低減することができる。すなわち、内側配管13と外側配管19との相対変位や振動による衝突を防止できると共に、内側制振部材29および外側制振部材23の流体抵抗を低減することができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図3(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図3(b)は図3(a)のA−A’線での断面図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材13の内側配管13の外周面への取付部および外側制振部材23の外側配管19の内周面への取付部の断面形状を台形状に形成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0034】
外側配管19の内周面への外側制振部材23は、四角錐体の上部を切り取って台形状錐体に形成され、その底部が外側配管19の内周面に取り付けられる。従って、外側配管19の内周面への取付部の断面形状は台形状となる。内側配管13の外周面への内側制振部材29も、同様に四角錐体の上部を切り取って台形状錐体に形成され、その底部が内側配管13の外周面に取り付けられる。従って、内側配管13の内周面への取付部の断面形状も台形状となる。
【0035】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態に効果に加え、外側制振部材23の取付部および内側制振部材29の取付部の断面形状が台形状となっているので、外側制振部材23と内側制振部材29とが干渉して生じる外側制振部材23および内側制振部材29の応力を緩和できる。
【0036】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図であり、図4(a)は二重配管の軸方向の一部切欠断面図、図4(b)は図4(a)のA−A’線での断面図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29の内側配管13の外周面への取付部および外側制振部材23の外側配管19の内周面への取付部をバネ部材24で形成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0037】
内側制振部材29はバネ部材24を介して内側配管13の外周面に取り付けられ、同様に、外側制振部材23はバネ部材24を介して外側配管19の内周面に取り付けられる。すなわち、内側配管13への内側制振部材29の取付部および外側配管19への外側制振部材23の取付部は、それぞれバネ部材24で形成される。
【0038】
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、内側制振部材29および外側制振部材23の取付部にバネ部材24を用いるので、外側制振部材23と内側制振部材29とが干渉して生じる外側制振部材23および内側制振部材29の応力を緩和できる。
【0039】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29が取り付けられた部分の内側配管13Aおよび外側制振部材23が取り付けられた部分の外側配管19Aは、各々両端がフランジ26、25で形成され、このフランジ25、26を介して他の内側配管13B、13Cおよび他の外側配管19B、19Cと接合されるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0040】
図5に示すように、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aの両端にはフランジ25Aが設けられ、隣接して設けられる外側配管19B、19Cのフランジ25B、25Cと接合して連結される。同様に、内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aの両端にはフランジ26Aが設けられ、隣接して設けられる内側配管13B、13Cのフランジ26B、26Cと接合して連結される。隣接して設けられる外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cには、通常、外側制振部材23や内側制振部材29は取り付けられていない。従って、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19や内側制振部材29が取り付けられた内側配管13の施工性およびメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0041】
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aや内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aは、隣接する外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cとフランジ25、26により接合されるので、内側制振部材29や外側制振部材23が設置されている部分だけの取り外しが可能となり、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図である。この第6の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、内側制振部材29が取り付けられた部分の内側配管13Aおよび外側制振部材23が取り付けられた部分の外側配管19Aは、各々両端が溶接28、27により他の内側配管13B、13Cおよび他の外側配管19B、19Cと接合されるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aの両端は溶接27A、27Bにより、隣接して設けられた外側配管19B、19Cと接合して連結される。同様に、内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aの両端は溶接28A、28Bにより、隣接して設けられた内側配管13B、13Cと接合して連結される。隣接して設けられる外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cには、通常、外側制振部材23や内側制振部材29は取り付けられていない。従って、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19や内側制振部材29が取り付けられた内側配管13の施工性およびメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0044】
第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、外側制振部材23が取り付けられた外側配管19Aや内側制振部材29が取り付けられた内側配管13Aは、隣接する外側配管19B、19Cや内側配管13B、13Cと溶接により接合されるので、内側制振部材29や外側制振部材23が設置されている部分だけの取り外しが可能となり、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0045】
ここで、内側制振部材29の内側配管13の外周面への取り付けは、溶接や取付部材で取り付けることに加え、内側制振部材29と内側配管13の外周面とに嵌め込み構造を形成し、その嵌め込み構造により内側制振部材29と内側配管13とを取り付けるようにすることも可能である。同様に、外側制振部材23の外側配管19の内周面への取り付けについても、溶接や取付部材で取り付けることに加え、外側制振部材23と外側配管19の内周面とに嵌め込み構造を形成し、その嵌め込み構造により外側制振部材23と外側配管19とを取り付けるようにすることも可能である。このような構成により、内側制振部材29や外側制振部材23の取り付けおよび交換が容易となるので施工性およびメンテナンス性の向上が図れる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、二重配管の外側配管の内周面および内側配管の外周面に、外側制振部材および内側制振部材を設置するので、地震時の振動や配管を流れる流体から内側配管が振動力を受けても、外側制振部と内側制振部材とが干渉するため、内側配管の振動を制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係わる配管制振装置の説明図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係わる配管制振装置を装着した二重配管の軸方向の一部切欠断面図。
【図7】原子炉として超臨界圧水冷却炉を採用し配管の一部に二重配管を採用した原子力発電所の構成図。
【図8】二重配管の内側配管と外側配管との温度差による内側配管の熱変形の説明図。
【図9】大地震時に二重配管の内側配管が振動した場合の内側配管の振動変形の説明図。
【図10】従来の配管装置の系統図。
【符号の説明】
11…原子炉、12…二重配管、13…内側配管、14…タービン、15…発電機、16…復水器、17…給水ポンプ、18…給水配管、19…外側配管、20…建物、21…支持装置、22…フレキシブル配管、23…外側制振部材、24…バネ部材、25、26…フランジ、27、28…溶接、29…内側制振部材
Claims (7)
- 流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の配管制振装置において、前記内側配管の外周面から前記外側配管の内周面方向に突出して設けられた内側制振部材と、前記内側制振部材に対向して前記外側配管の内周面から突出して設けられ振動が発生したとき前記内側制振部材と接触し前記外側配管と前記内側配管との衝突を防止する外側制振部材とを備えたことを特徴とする配管制振装置。
- 前記外側制振部材は、前記内側制振部材を前記内側配管の周方向に取り囲んで設けられ、振動が発生したとき前記内側配管と前記外側配管との周方向変位を拘束することを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。
- 前記内側制振部材および前記外側制振部材の先端部は流線型に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の配管制振装置。
- 前記内側制振部材の前記内側配管の外周面への取付部および前記外側制振部材の前記外側配管の内周面への取付部は、断面形状が台形状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の配管制振装置。
- 前記内側制振部材の前記内側配管の外周面への取付部および前記外側制振部材の前記外側配管の内周面への取付部は、バネ部材で形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の配管制振装置。
- 前記内側制振部材が取り付けられた部分の内側配管および前記外側制振部材が取り付けられた部分の外側配管は、各々両端がフランジで形成され他の内側配管および他の外側配管と接合されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の配管制振装置。
- 前記内側制振部材が取り付けられた部分の内側配管および前記外側制振部材が取り付けられた部分の外側配管は、各々両端が溶接により他の内側配管および他の外側配管と接合されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の配管制振装置。
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- 2003-06-16 JP JP2003170592A patent/JP2005003186A/ja active Pending
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