JP2005002928A - ガスタービン高温部品の冷却方法及びそれを利用したガスタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない蒸気量で冷却能力の高い冷却を実現する。また、従来よりも高いタービン入口ガス温度を実現可能とする。
【解決手段】天然ガスを燃料とするガスタービンの高温部品の冷却方法において、天然ガスの一部若しくは全部を水蒸気と混合して冷却を必要とする高温部品内部に設けられている冷却ガス通路に供給し、冷却ガス通路内に存在するメタン改質触媒下に高温部品からの熱を受けて天然ガスに含まれるメタンと水蒸気のメタン水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応で高温部品を冷却すると共に改質で得られた水素を含む可燃性ガスを燃焼器に燃料として供給するようにしている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスタービンの冷却方法及び装置並びにそれを利用したガスタービンシステムに関する。更に詳述すると、本発明は、天然ガスやLPGなどの水蒸気改質可能なガスを燃料とするガスタービンの高温部品の冷却方法及び装置並びにそれを利用したガスタービンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、発電用ガスタービン複合発電システムはタービン入口温度1500℃級のものが開発されている。このガスタービンはタービン動静翼(および燃焼器)の冷却に、高圧蒸気タービン出口蒸気が用いられ、高温部品の冷却を行い高温となった蒸気は中圧蒸気タービンに戻される。すなわち、蒸気冷却ガスタービンは、排熱回収蒸気システムの伝熱管(再熱器)として機能している。
【0003】
ガスタービン入口温度は現在1500℃まで達成しているが、熱効率向上のためには、さらにタービン入口温度の高温化が必要となる。タービン入口温度の高温化には高温ガスに晒される高温部品の冷却強化が不可欠である。そこで、1500℃級ガスタービンでは、1300℃級のガスタービンの冷却で冷媒として用いられている空気に代わって、熱伝達率の大きい水蒸気が用いられている。例えば、燃焼器の内壁と外壁との間の波板で仕切られた複数本の通路に蒸気を交互に逆方向に流して冷却したり(特開平8−338633)、ガスタービン静翼の翼後流側に冷却蒸気を供給して全量回収可能とした冷却通路を形成して蒸気で翼を冷却する方法(特開平9−280004)が採られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−338633号
【特許文献2】
特開平9−280004号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、蒸気システムのサイクル構成上、冷却に使用できる蒸気量には限界があり(蒸気タービンの蒸気量以下)、蒸気温度も中圧蒸気タービン入口温度(500〜550℃)に制限される。そのため、さらにタービン入口温度を上昇させて、熱効率を改善しようとする場合は、蒸気冷却だけでは高温部品の冷却が不十分となる恐れがある。また、タービン入口温度を上昇させても冷却蒸気量を増加させると、複合発電全体の熱効率改善効果が十分に現れない可能性がある。
【0006】
特に、タービン入口温度が1500℃を超えると、高温部品の冷却にさらに多くの蒸気が必要となるが、サイクル上冷却に使える蒸気量には限界がある。また、高温部品の金属温度が高くなると、寿命が短くなり、熱効率的にもタービン入口温度を上昇した効果が十分に反映されない。
【0007】
しかも、さらにタービン入口の燃焼ガス温度を高く例えば1700℃程度にしようとすると、冷却媒体の温度上昇による冷却(顕熱冷却)では限界があると考えられる。即ち、従来の冷却技術では、冷却を強化するために、冷却媒体の流量を増加する必要があり、タービン入口ガス温度を向上した効果が減少し、ガス温度の高温化の効果が熱効率に反映されない問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、少ない蒸気量で冷却能力の高い冷却方法及び装置並びにそれを利用したガスタービンシステムを提供することを目的とする。また、本発明は従来よりも高いタービン入口ガス温度を実現可能な冷却方法及び装置並びにそれを利用したガスタービンシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明者等が種々実験・研究した結果、ガスタービンの燃料として用いられている天然ガスを水蒸気に混合して冷却冷媒として利用することで、天然ガス中のメタンと水蒸気の改質反応に伴う吸熱反応を用いて高温部品の冷却が可能となることを知見するに至った。
【0010】
本発明は、かかる知見に基づくものであって、天然ガスのように、水蒸気改質可能なガスを燃料とするガスタービンの高温部品の冷却方法において、燃料ガスの一部若しくは全部を水蒸気と混合して冷却を必要とする高温部品内部に設けられている冷却ガス通路に供給し、冷却ガス通路内に存在する改質触媒下に高温部品からの熱を受けて燃料ガスと水蒸気の水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応で高温部品を冷却すると共に改質で得られた水素、水蒸気、未反応天然ガスを含む可燃性ガス(以下、改質ガスと呼ぶ)を燃焼器に燃料として供給するようにしている。
【0011】
また、本発明のガスタービンの高温部品の冷却方法は例えば請求項4記載のガスタービンによって実現される。即ち、請求項4記載の発明は、天然ガスのように改質反応を起こすガスを燃料とするガスタービンにおいて、冷却を必要とする高温部品に冷却ガスを通過させる流路を備えると共に、該冷却ガス通路内に改質触媒を配置し、燃料ガスの一部若しくは全部を水蒸気と混合して冷却ガス通路に供給して、冷却ガス通路内で改質触媒下に高温部品からの熱を受けて燃料ガスと水蒸気の水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応と燃料ガスと水蒸気との混合ガス自体の温度上昇による冷却効果で高温部品を冷却すると共に、水蒸気改質で得られた水素を含む可燃性ガスを燃焼器に供給して燃焼させるようにしている。
【0012】
したがって、冷却ガス通路内に蒸気と改質反応を起こすガス燃料例えば天然ガスやLPG等を混合して供給すると、改質反応が起こる温度までは混合ガス自体の温度上昇によって冷却され、冷却により混合ガスの温度が上昇して改質反応が起こる高温になると、改質反応による吸熱により高温部品の冷却が行われる。例えば、混合ガス温度が800℃以上になれば反応が促進し吸熱量は増大して、高温部品温度が同様に900℃程度に抑えられる。即ち、水蒸気改質は、化学平衡上温度が上がると反応が進み、吸熱量が増加することから、温度の自己平衡性があり、例えば高圧燃焼器やタービン静翼の第1段目などの、より高い温度となり冷却を必要とするガスタービンの高温部品ほど冷却に効果を上げる。単位流量あたりの吸熱効果は、従来の水蒸気の顕熱を利用した冷却方式の2〜6倍の吸熱効果が期待され、従来の蒸気冷却に比べて少ない蒸気量で効果的な冷却が可能となる。
【0013】
ここで、請求項1記載のガスタービン高温部品の冷却方法において、燃料ガスは、水蒸気と混合して前記冷却ガス通路に供給する前に、水蒸気改質反応に適した温度までタービンからの排熱を回収して、あるいは可燃性ガスの熱を利用して加熱・予熱させることが好ましい。この場合には、早期に水蒸気改質反応による吸熱により高温部品の冷却が行われるので、冷却効果がより高くなる。ここで、水蒸気改質反応に適した温度とは、改質触媒によっても異なるが、例えば安価で活性の高いニッケル触媒をアルミナで担持した触媒の場合には、少なくとも500℃位、好ましくは600℃程度である。
【0014】
更に、請求項1または2記載のガスタービン高温部品の冷却方法において、燃料ガスが液相として供給される場合は、改質反応に適した温度まで予熱される前に、保有する冷熱を圧縮機入口での空気冷却並びに圧縮機途中での中間冷却に利用することが好ましい。この場合、従来無駄に廃棄されていた液化燃料の冷熱を有効利用して圧縮空気の体積流量を減らして圧縮動力を低減する(ガスタービンの熱効率を上げる)ことができると共に、燃料ガスを加温して改質反応に適した温度まで予熱するために必要とするガスタービンから回収される排熱や改質ガスの熱の使用量を少なくすることができる。これにより排熱回収蒸気タービンの出口や熱供給用の蒸気量を増加することができる。
【0015】
また、請求項4記載のガスタービンにおいて、高温部品はガスタービンの静翼であり、冷却ガス通路が静翼内の空洞で形成されていると共に、冷却ガス通路内面に改質触媒層を被覆させるか、あるいは改質触媒を充填すること若しくは改質触媒の被覆及び充填することのいずれかにより配置されるようにしている。この場合には、静翼内の空洞で静翼から熱を奪って改質反応が起こるので、静翼を内側から冷却できる。
【0016】
また、請求項4記載のガスタービンにおいて、高温部品は燃焼器の内筒であり、該燃焼器内筒を燃料ガスと水蒸気の混合ガスを通過させる冷却管を束ねることで作り、その管内面に改質触媒層を被覆させることにより配置されるようにしている。この場合、燃焼器内筒を構成する冷却管の全長は相当な長さとなるので、水蒸気と燃料ガスとの混合ガスの滞留時間が長くなるので、水蒸気改質反応が十分に進む。
【0017】
また、請求項4記載のガスタービンにおいて、燃料ガスは冷却ガス通路に供給される前に水蒸気改質反応に適した温度までガスタービンからの排熱を回収して加熱されるようにしている。この場合には、早期に水蒸気改質反応による吸熱により高温部品の冷却が行われるので、冷却効果がより高くなる。
【0018】
また、請求項4から7のいずれかに記載のガスタービンにおいて、燃料ガスが液相として供給される場合、燃料ガスは水蒸気改質反応に適した温度まで予熱される前に、その全量を圧縮機入口での空気冷却並びに圧縮機途中での中間冷却に利用するようにしている。この場合、従来無駄に廃棄されていた液化燃料の冷熱を有効利用して圧縮空気の体積流量を減らして圧縮動力を低減する(ガスタービンの熱効率を上げる)ことができると共に、天然ガスを加温して水蒸気改質反応に適した温度まで予熱するために必要とするガスタービンから回収される排熱や改質ガスの熱の使用量を少なくすることができる。
【0019】
また、請求項4から8のいずれかに記載のガスタービンにおいて、ガスタービンは、高圧燃焼器と再燃器とを有し、再燃器内にNOx還元型触媒と燃焼触媒を直列に設置すると共に、再燃器をNOx還元型触媒の反応温度まで作動ガス温度が降下する高圧側タービンの最終段の後に配置して、高圧側タービンから排気される作動ガスに燃料の一部を混合してNOx還元型触媒に供給し、高圧燃焼器で発生した作動ガス中のサーマルNOxを、前段のNOx還元型触媒を用いて酸素を含む雰囲気下で燃料により選択的に還元除去し、引き続き後段の燃焼触媒で燃料を燃焼させて作動ガスを昇温させてから低圧側タービンに再び導入させる再熱型であることを特徴とする。
【0020】
この場合には、ガスタービン入口ガス温度を従来のガスタービンよりも高く例えば1700℃程度とすることにより高濃度のNOxが作動ガス中に含まれたとしても、NOx還元型触媒の反応温度まで作動ガスを膨張させてから燃料を混合して再燃器に供給すると、NOx還元触媒で燃焼ガス中のNOxが燃料によって還元された後、燃焼触媒でサーマルNOxを生成せずに燃料が燃焼される。そして、低圧側タービンを駆動させ得る。ここで、再燃器に供給する燃料は、高圧燃焼器に供給する燃料ガスでもよいが、その中に炭素数が2以上の炭化水素が含まれるLPG等を添加することがより好ましく、またガスタービンに供給される主燃料の10vol%程度が好ましい。
【0021】
更に、請求項4から9のいずれかに記載のガスタービンは、ガスタービンから排出される作動ガスを排熱回収した後、冷却することにより発生する凝縮水を排熱回収ボイラで蒸発させて、改質用蒸気として循環利用するようにしている。
【0022】
この場合においては、水蒸気改質による高温部品の冷却に使用する蒸気は、水蒸気改質反応後の水素を含む可燃性ガスと共に高圧燃焼器で燃やされ、作動ガスとしてガスタービンを廻し(再燃型では再燃して再度低圧ガスタービンを廻し)た後に、排熱回収ボイラで熱回収されてからドレン水として回収され、これを排熱回収ボイラで蒸発、過熱して、再びメタン水蒸気改質用の水蒸気として繰り返し利用される。したがって、ガスタービンからの比較的高温の排ガスを熱源として蒸気タービンを駆動する複合発電システムや、蒸気または温水を発生させるガスタービンコージェネレーション(熱電併給)に適用される場合には、蒸気タービン用の蒸気や蒸気・温水発生装置の蒸気や温水とは完全に分離され、またメタン水蒸気改質反応が起こりやすくなる温度まで排熱回収ボイラで過熱されて供給可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本発明のガスタービンの高温部品の冷却方法は、天然ガスやLPGなどの改質反応を起こすガスを燃料として燃焼させるガスタービンに適用されるものである。本実施形態では、天然ガス1を燃料とする例を挙げる。
【0025】
本発明の冷却方法は、天然ガス1の一部若しくは全部を水蒸気3と混合して冷却を必要とする高温部品内部に設けられている冷却ガス通路4に供給し、冷却ガス通路4内に存在するメタン改質触媒5下に高温部品からの熱を受けて天然ガス1に含まれるメタンと水蒸気3のメタン水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応で高温部品を冷却すると共に得られた改質ガス6並びに未反応の天然ガス1を燃焼器8に燃料として供給するようにしている。
【0026】
このメタン水蒸気改質反応を利用した冷却方法を利用したガスタービンの一実施形態を図1〜図8に示す。このガスタービンは、冷却を必要とする高温部品に冷却ガスを通過させる冷却ガス通路4を備えると共に、該冷却ガス通路4内にメタン改質触媒5を配置し、天然ガス1の一部若しくは全部を水蒸気3と混合して冷却ガス通路4に供給して、冷却ガス通路4内でメタン改質触媒5下に高温部品からの熱を受けて天然ガス1に含まれるメタンと水蒸気3のメタン水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応と天然ガス1と水蒸気3との混合ガス自身の温度上昇による冷却効果で高温部品を冷却すると共に、メタン水蒸気改質で得られた改質ガス6を燃焼器8に供給して燃焼させるようにしている。
【0027】
冷却ガスを通過させる冷却ガス通路4を備える高温部品としては、例えば燃焼器内筒9やタービン静翼10などが挙げられる。本実施形態の場合、燃焼器内筒9とタービン静翼10の第1段目をメタン水蒸気改質反応を利用した冷却対象としており、かつタービン静翼10を冷却した後に燃焼器内筒9を冷却して改質による改質ガス6を燃焼器8に供給するようにしている。しかし、タービン静翼10を冷却した後の改質ガス6はさらに燃焼器内筒9に導入されて改質・冷却を行う(直列タイプ)か、あるいは逆に燃焼器内筒9を冷却した後の改質ガス6をさらにタービン静翼10に導入して改質・冷却を行う(直列タイプ)か、水蒸気3と天然ガス1との混合ガスで静翼10の冷却・改質と燃焼器内筒9の改質・冷却に別々に並行して行う(並列タイプ)かはいずれでも良く、特に限定されるものではない。また、場合によっては、燃焼器内筒9の改質・冷却とタービン静翼10の改質・冷却のいずれか一方だけを行うようにしても良い。
【0028】
発電用ガスタービン燃焼器8は多缶型(図9(B)参照)かアニュラ型(図9(C)参照)が多く採用されている。ここでは多缶型燃焼器8を例にとったが、アニュラ型燃焼器8でも同様に使用できる。多缶型燃焼器8は一般的には燃焼器内筒9、尾筒11(ドライ低NOx燃焼器8では内筒は主室、副室等)からなり、燃焼器内筒9は冷却ガス通路4と一体型のガス冷却壁構造が採用されている。具体的には、本実施形態の場合には、燃焼器内筒9は冷却管12を巻回若しくは縦に並べて束ねることにより、冷却管12そのもので構成されており、その内面に厚さ1〜2mm程度のメタン改質触媒層5Aが被覆されている。尚、単缶型(図9(A)参照)の燃焼器内筒9にも適用できることは言うまでもない。
【0029】
冷却管12による燃焼器8の構成方法としては、例えばスパイラル方式(図3参照)、縦型方式(図4参照)並びにその中間の捻り管方式(図5参照)が挙げられる。そして、スパイラル方式の場合には、1本ないし2本の冷却管12がコイル状に巻回されて、その一端がコネクタ13の混合ガス導入口14に、他端が改質ガス取出し口15にそれぞれ接続されている。本実施形態では、筒の後半部の熱負荷が高いので、中央よりも後寄りにコネクタ13を配置し、そこから2本の冷却管12をそれぞれ前方と後方へ延びるように巻いて、両端からコネクタ13の改質ガス取り出し口15へ接続されるように設けられている。そして、隣接する冷却管12同士が溶接によって接合されると共に高温ガス側即ち筒の内側の面に相当する部位にTBC(遮熱コーティング)16が施されている。また、縦型方式並びに捻り管方式の場合には、中央よりも後寄りのヘッダリング17から前方と後方へそれぞれ複数本の冷却管12が互いに接するように縦方向(内筒の軸芯方向)に並べて配置され、かつ互いに隣接する管同士を接合すると共に筒の内側の面にTBC16を施して筒形に束ねられている。そして、各冷却管12の両端はそれぞれヘッダリング17に接続されると共に接続管18を介してコネクタ13の混合ガス導入口14と改質ガス取出し口15にそれぞれ接続されている。そして、中央のコネクタ13から混合ガスが内筒9の前方と後方へそれぞれ流れ、両端で再び中央のコネクタ13に戻されてから改質ガス6が取り出されるようにしている。
【0030】
タービン静翼10の場合には、翼内に冷却ガス通路4を設け、冷却ガスたる天然ガス1と水蒸気3の混合ガスを流すことにより内面から冷却する。ここでは、静翼10の内面(冷却ガス通路4表面)に厚さ1〜2mm程度のメタン改質触媒層5Aを被覆するようにしている。タービン静翼10内に形成される冷却ガス通路4は、燃焼器内筒9に比べて、混合ガスの滞留時間が短いので、改質反応が十分に進まない場合もある。この場合には、図2に示すように、冷却ガス通路4に粒状の触媒5Bを充填するようにしても良い。更には、冷却ガス通路4内面にメタン改質触媒層5Aを被覆させると共にメタン改質触媒粒5Bを充填するようにしても良い。
【0031】
また、本実施形態におけるタービン静翼10内の冷却ガス通路4内面は、伝熱効率を上げると共に比表面積を広げるため、混合ガスの流れ方向に凹凸20を設けてその上にメタン改質触媒層5Aを被覆させるようにしている。冷却ガスが接触する冷却ガス通路4の表面の形状は必ずしも凹凸20を設けることはないし、メタン改質触媒層5Aも厚さ1〜2mm程度に限られない。
【0032】
ここで、メタン改質触媒5としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム(Rh、Ru、Ir)などの貴金属触媒およびニッケル、コバルト、鉄(Ni、Co、Fe)などの遷移金属触媒が挙げられるが、安価で活性も比較的高いニッケル触媒の使用が好ましい。触媒は活性表面積の増加などの目的でアルミナなどの担体に担持され、担持触媒として使用される。
【0033】
また、改質用の水蒸気3は、改質された改質ガス6と共に高圧燃焼器8で燃焼させられ、高温高圧の燃焼ガスとなってガスタービンを駆動した後常圧となってガスタービン排ガスとして排出されることから、蒸気タービン駆動用蒸気のように特に浄化されている必要はない。排熱回収ボイラ21で生成された蒸気タービン駆動用の蒸気の一部を抽出して利用しても良いが、補給水量を少なくするために排熱回収ボイラ21の出口ガスを冷却して発生するドレーン水を排熱回収ボイラ21で蒸発させて循環利用することが好ましい。
【0034】
また、燃料の天然ガス1はわが国では一般的に液化天然ガス(LNG)で供給される。ここで、高温部品の冷却においては、ヒートショックなどを考慮しなければならないので、加熱側と受熱側の温度差はあまり大きくない方が好ましい。しかし、LNG1aは−169℃の極低温であり、そのまま高温部品内の冷却ガス通路4に供給することは好ましくない。現在、LNG1aは海水で加熱して気化させてから使用されているが、これでは高質の冷熱を無駄に廃棄することとなる。一方、燃料としてLNG1aを用いる場合、その冷熱(気化熱)を利用してガスタービン入口空気を冷却し(LNG冷熱利用入口空気冷却器)、圧力比30以上の高圧力比空気圧縮機23を使用する場合は、気化した天然ガス1で更に圧縮空気の中間冷却を行う(LNG冷熱利用中間冷却器)。その後排熱回収ボイラ21で、メタン改質反応に必要な高温まで予熱を行う(燃料予熱器)ことが可能である。そこで、本実施形態では圧縮機23での空気冷却に利用することによって有効利用している。即ち、ガスタービン入口空気を冷却するとともに、圧縮機23中間で圧縮空気を冷却し、空気の体積を極力減少することにより、体積流量に比例する圧縮に要する動力を減少させる。気化した天然ガス1は、排熱回収ボイラ21でメタン水蒸気改質反応に適した温度例えば少なくとも500℃程度、好ましくは600℃程度まで予熱する。ここで、メタン改質反応が起こる温度は天然ガス1と水素の混合比によっても変わるが、だいたい750℃位から上である。しかし、あまり必要以上に高い温度まで混合ガス並びに改質用蒸気を予熱して供給することは配管を高温に耐え得るものとしてなければならないので好ましくないし、その反面高温部品への混合ガスの供給温度が低すぎると、メタン改質反応が起こる前に高温部品の内部の冷却ガス通路4を通過して混合ガスの温度上昇による冷却だけで冷却を終えて出てしまうことになる。そこで、メタン水蒸気改質反応に適した温度とは、メタン改質触媒5によっても異なるが、例えば噴火で活性の高いニッケル触媒をアルミナで担持した触媒の場合には、少なくとも500℃位、好ましくは600℃程度である。メタン改質冷却用蒸気に予熱した天然ガス1(の一部)を混合し、冷却する燃焼器8とタービン静翼10の冷却管12に供給する。供給された混合ガスはそれ自体の温度上昇と、メタン水蒸気改質反応に伴う吸熱反応により、冷却ガス通路4の周りの高温部品を冷却する。改質反応により一部水素に変換された改質ガス6は高圧燃焼器8に供給し燃焼される。
【0035】
以上のように構成されたガスタービンによれば、以下に説明するように超高温ガスに晒される燃焼器内筒9、タービン第一段静翼10の冷却が可能となることから、1700℃級の超高温ガスタービンを実現することができる。
【0036】
メタンを主成分とする天然ガス1は水蒸気3を加えると触媒下で水素とCOに改質する。これはメタン水蒸気改質反応と呼ばれ、水素が必要な場合に利用されるが、この反応は吸熱反応であり、高温の燃焼器8や静翼10の第1段目(場合によっては第2段目以降も含まれる)から熱を奪うことからそれらの冷却に利用することができる。このメタン水蒸気改質は化学平衡上温度が上がると反応が進み、吸熱量が増加する。よって、メタン水蒸気改質反応を利用した冷却は温度の自己平衡性があり、高圧燃焼器8やタービン静翼10の冷却に最適であり、従来の蒸気冷却に比べて少ない蒸気量で効果的な冷却が可能となる。例えば、混合ガス温度が800℃以上になれば反応が促進し吸熱量は増大して、高温部品温度が同様に900℃程度に抑えられる。
【0037】
例えば、冷却媒体が水蒸気3の場合、入口350℃、出口500℃のエンタルピ差による吸熱量は、
Figure 2005002928
である。それに対して、メタン水蒸気改質反応は、
【0038】
Figure 2005002928
であり、冷却熱量は一桁大きくなり、蒸気冷却の場合の約6.7倍の冷却量となる。したがって、この反応が60%起これば、2290 kJ/kgHOの吸熱効果があり、蒸気の単位流量当りの吸熱量は従来の蒸気冷却方式の3倍以上となる。
【0039】
このメタン改質冷却方式の高温部品冷却効果と蒸気冷却との比較を行うと、次の通りである。まず、蒸気冷却の場合の冷却効果を次の熱流束QSC(kW/m)で評価できる。
【0040】
次に、本発明の冷却方法を適用した再燃型ガスタービンの一実施形態を図6に示す。
【0041】
ガスタービンはクリーンなLNGを用いても、燃焼温度の上昇に伴って、高温の燃焼器8内で空気中の窒素と酸素が反応して窒素酸化物であるサーマルNOxが発生し、NOx排出濃度は増大する。特に、燃焼温度が1500℃を越えると、希薄予混合燃焼法によってもNOx排出濃度は増大する。ここで、排熱回収ボイラ21内に設置する排煙脱硝装置の高性能化が必要となるが、リークアンモニアの問題から脱硝率は90%程度が限界とされており、脱硝装置に供給される燃焼排ガス中のNOxが高濃度になると、発電設備から排出されるNOx濃度を必要なレベルに低減できない恐れがある。
【0042】
本発明のガスタービンはメタン水蒸気改質冷却により燃焼温度が従来よりも高い1700℃とすることができる。そこで、ガスタービンから排出されるNOx濃度をガスタービン内で抑制することが望まれる。
【0043】
そこで、本発明のガスタービンは、高圧燃焼器8と再燃器24とを備え、再燃器24内にNOx還元型触媒26と燃焼触媒27を直列に設置すると共に、再燃器24をガスタービンを駆動する作動ガス25の温度が作動ガス25の膨張によりNOx還元型触媒26の反応温度まで降下する段(これを高圧側タービンの最終段とする)の後に配置して、高圧側タービンから排気される作動ガス25に高圧燃焼器8に供給する燃料の一部7を混合してNOx還元型触媒26に供給し、高圧燃焼器8で発生した作動ガス25中のサーマルNOxを、前段のNOx還元型触媒26を用いて酸素を含む雰囲気下で燃料により選択的に還元除去し、引き続き後段の燃焼触媒27で追加混合した燃料7を燃焼ガス中の酸素により燃焼させて作動ガス25を昇温させてから低圧側タービンに供給するようにしている。
【0044】
ここで、NOx還元型触媒26としては、例えばMg, Al, Si, P, Ca, Sc, Ti, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu,Zn,Ga, Sr, Y, Zr, Nb, Mo,Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, In, Sn, Ba, La, Ce, Pr,Nd, Sm, Eu,Gd, Tb, W, Ir, Pt, Auのうち少なくとも一つと酸素を含む化合物から成る触媒、およびこれらの化合物とRu, Rh, Pd, Ag, Ir, Pt, Auのうち少なくとも一つの金属を組み合わせた触媒が挙げられ、好ましくはCu−ゼオライトの使用である。尚、NOx還元型触媒26の作動温度の可能範囲は200℃〜850℃程度であり、好適な範囲は300℃〜750℃、最も効率の良い範囲は400℃〜650℃である。
【0045】
また、燃焼触媒27としては、例えばMg, Al, Si, P, Ca, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Sr, Y, Zr, Rh, Pd, Sn, Ba, La, Ce, Pr, Nd, Ptのうち少なくとも一つと酸素を含む化合物から成る触媒、およびこれらの化合物とRh, Pd, Ptのうち少なくとも一つの金属を組み合わせた触媒が挙げられ、好ましくは酸化パラジウムの使用である。尚、燃焼触媒27の作動温度の可能範囲は300℃〜1200℃ 、好適な範囲は600℃〜1200℃、最も効率の良い範囲は900℃〜1200℃である。
【0046】
以上のように構成された再熱型のガスタービンによれば、ガスタービン入口ガス温度を従来のガスタービンよりも高く例えば1700℃程度とすることにより高濃度のNOxが作動ガス25中に含まれたとしても、NOx還元型触媒26の反応温度まで作動ガス25を膨張させてから燃料を混合して再燃器24に供給すると、NOx還元型触媒26で燃焼ガス中のNOxが燃料によって還元された後、燃焼触媒27でサーマルNOxを生成せずに燃料が燃焼される。そして、低圧側タービンを駆動させ得る。例えば、再燃器24の入口温度において、NOxの化学平衡濃度は極めて低いことから、反応速度が十分速ければ、高圧燃焼器8で生成したNOxが窒素に転換される。そこで、再燃器24の入口温度は好ましくは700℃程度以下、より好ましくは650℃程度である。ここで、再燃器24に供給する燃料は、主燃料の天然ガス1でも良いがその中に炭素数が2以上の炭化水素が含まれる燃料、例えば液化プロパンガス(LPG)等を混合することが好ましい。またこの再燃器24に供給される燃料はガスタービンに供給される燃料の10%vol程度が好ましい。
【0047】
また、本発明の冷却方式を利用したガスタービンは、再燃型ガスタービン複合発電システム28としても有用である。
【0048】
即ち、上述のガスタービンと該ガスタービンからの排ガスを熱源とする蒸気タービンとを備え、排熱回収ボイラ21の出口ガスを冷却して発生するドレーン水を排熱回収ボイラ21で蒸発させて、前記改質用蒸気として循環利用するようにすることで、蒸気サイクルの作動蒸気を完全に分離するガスタービン複合発電システムを構成することができる。
【0049】
図7に示す再燃型ガスタービン複合発電システム28は、LNG冷熱による入口空気冷却、中間冷却器30およびメタン改質冷却高圧燃焼器8、メタン改質冷却高圧タービン静翼10、NOx還元型再燃器24を組み合わせるとともに、これに超臨界圧2段再熱型排熱回収蒸気系を組み合わせたものである。ガスタービン複合発電システムの高効率化には、排熱回収蒸気サイクルの高性能化も合わせて必要であることから、主蒸気条件を高温高圧化し超々臨界圧2段再熱型(例えば33.3Mpa/600℃/600℃/430℃)とした。
【0050】
また、メタン改質冷却に必要な水蒸気3は排熱回収ボイラ21の中圧蒸気系より供給し、燃焼ガス中の水蒸気3は、排熱回収ボイラ21出口ガスを冷却凝縮させ、その凝縮水を循環使用することとした。尚、図中の符号46は、超高効率再燃型ガスタービン、47は超臨界圧2段再熱型蒸気タービン、21は排熱回収ボイラ、31は発電機である。また、23は空気圧縮機、2Aは高圧ガスタービン、2Bは低圧ガスタービン、29は入口空気冷却器、8は高圧燃焼器、24はNOx還元型再燃器、22Aは超高圧蒸気タービン、22Bは高圧蒸気タービン、22Cは中圧蒸気タービン、22Dは低圧蒸気タービン、32は復水器、33は高圧再熱器、34は中圧再熱器、35は中圧過熱器、36は燃料予熱器、37は高圧蒸発過熱器、38は中圧蒸発器、39は低圧過熱器、40は中圧節炭器、41は高圧節炭器、42は低圧蒸発器、43は低圧節炭器、44は中圧ドラム、45は低圧ドラム、59はドレイン、60は復水器、61は煙突である。
【0051】
以上の構成の複合発電システム28によれば、蒸気と天然ガス1を混合し、冷却を必要とする高温部品、例えば燃焼器内筒9や第一タービン静翼10の冷却ガス通路4内での改質冷却により発生した改質ガス6は、高圧燃焼器8で燃やされる。そして、その燃焼ガスでガスタービンを廻し(再燃型では再燃して再度低圧ガスタービン2Bを廻し)、仕事をして常圧となったガスタービン排ガスは、排熱回収ボイラ21でさらに熱回収し、例えば90℃以下の低温となり排熱回収ボイラ21を出る。この排ガスを海水等でさらに例えば60℃程度まで冷却し、凝縮した水を再度排熱回収ボイラ21に供給して蒸発、過熱して、メタン改質冷却に繰り返し利用する。ここで、メタン改質冷却に使用する蒸気は例えば6MPa(約60気圧)の中圧蒸気であり、燃焼反応を経過するのでこちらの蒸気はやや汚く、ドレーンを十分濾過してから再利用する必要があり、不純物を嫌う蒸気タービン用の蒸気とは完全に分離している。また、メタン改質冷却用蒸気はメタン改質反応が起こりやすくするため、例えば排熱回収ボイラ21の中圧過熱器35で600℃まで過熱し供給する。同様に、燃料の天然ガス1も、メタン改質反応が起こりやすくするため、入口空気冷却器29と空気圧縮機23での中間冷却によって300℃程度に昇温した後、燃料予熱器36で例えば600℃まで過熱し供給する。
【0052】
以上の複合発電システム28での熱効率を試算すると、排熱回収ボイラ21(HRSG)における最小温度差を5度としたとき、HTIT1700℃、LTIT800℃の場合、ガスタービン効率47.0%、複合発電効率は60.1%に達する。これは1500℃級ガスタービン複合発電システムの54%に比べて6ポイントの効率向上である。この超高効率再燃型ガスタービン複合発電システム28の熱効率改善は、再燃型ガスタービン、HTITの向上、蒸気条件の向上に加えて、メタン改質冷却方式の採用よる効果によるものである。
【0053】
しかも、メタン水蒸気改質による高温部品の冷却に使用する蒸気は、蒸気タービン用の蒸気とは完全に分離されているので、蒸気タービンの蒸気量を変えずに供給することができるし、循環利用することも可能である。
【0054】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、メタン改質冷却に使う中圧蒸気は蒸気タービンに供給する蒸気系と全く独立していることから、蒸気タービンが必ずしも存在しなくとも問題はない。ただし、ガスタービン排熱が余るので、これらを何らかの手段で回収しないと熱効率を低下させる。そこで、本実施形態では、ガスタービン排熱を有効利用して全体の熱効率を高めるため、蒸気タービンを組み合わせた複合発電システムとして構成しているが、ガスタービン排熱を有効利用する手法としてはこれに特に限られず、他の手法を適用することも可能である。例えば、図10に示すガスタービンと該ガスタービンからの排ガスを熱源とする蒸気または温水発生装置とを備えたガスタービンコージェネレーション(熱電供給)システムとしても良い。そして、排熱回収ボイラ21出口ガスを冷却して発生するドレーン水を排熱回収ボイラ21で蒸発させて、改質用蒸気として循環利用するようにしても良い。尚、図中の符号48は、排熱回収ボイラ、49は蒸気過熱器、50は燃料予熱器、51は中圧蒸発器、52は中圧過熱器、53は低圧過熱器、54は低圧蒸発器、55は中圧節炭器、56は低圧節炭器、57は低圧ドラム、58は中圧ドラム、59はドレイン、60は復水器、61は煙突である。
【0055】
また、本実施形態においては燃焼器8の内筒9は、メタン改質触媒5の層を内面に被覆した管を巻回若しくは縦に並べて束ねることにより、管そのもので内筒を構成するようにしているが、場合によっては、耐熱鋼板の筒の外に管を密着させて巻回若しくは縦に並べて束ねることにより冷却ガス通路4を取り付けて一体化することも可能である。この場合においても、耐熱鋼板の筒とその外に密着する冷却管12とで冷却ガス通路4一体型の内筒が構成されるので、燃焼器内筒9の内部に冷却ガス通路4が設けられることとなる。
【0056】
燃焼器8の内筒9を冷却管12で構成する場合には、冷却管12が細長いので、管内面にメタン改質触媒5を層にして被覆することが好ましいが、場合によっては管内にメタン改質触媒5を充填するようにしても良い。
【0057】
更に、上述の実施形態では、圧縮機23での入り口空気冷却並びに中間冷却だけで予熱を完了するのではなく、ガスタービンから排出される燃焼ガスから排熱を回収する排熱回収ボイラ21で燃料をメタン水蒸気改質に適した温度まで予熱するようにしているが、これに特に限られず、その他の燃料予熱器、例えばタービンの高温部品を冷却した後の高温の改質ガス6で予熱するようにしても良いし、場合によっては圧縮空気の熱を利用して予熱するようにしても良い。即ち、圧縮機23の空気温度は例えば圧力比が55であれば出口では600℃以上となることから、圧縮機23出口に燃料予熱器を設置して圧縮空気の熱を利用して天然ガス1を600℃程度まで加熱することも可能である。また、天然ガス1の入口冷却と中間冷却は止めて、海水で気化・加熱させてから、排熱回収ボイラ21だけであるいは改質ガス6や圧縮空気の熱だけで必要温度まで予熱することも可能である。
【0058】
更に、本実施形態では天然ガス1を燃料として用いた例を主に挙げて説明したが、改質反応を起こす燃料としては、天然ガス1に限られずLPGのようなものでも良い。この場合、LPGと水蒸気3と混合して冷却ガス通路4に供給すれば、プロパン水蒸気改質を起こし、高温部品を冷却する。尚、改質触媒としては、LPGの場合にもメタン改質触媒5と同じ触媒を使用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1及び4記載の発明によると、冷却ガス通路内に蒸気と燃料ガスを混合して供給すると、水蒸気改質反応が起こる温度までは燃料ガスと水蒸気との混合ガス自体の温度上昇によって冷却され、冷却により混合ガスの温度が上昇して水蒸気改質反応が起こる高温になると、水蒸気改質反応による吸熱により高温部品の冷却が行われる。例えば、混合ガス温度が800℃以上になれば反応が促進し吸熱量は増大して、高音部品温度が同様に900℃程度に抑えられる。即ち、水蒸気改質は、化学平衡上温度が上がると反応が進み、吸熱量が増加することから、温度の自己平衡性があり、例えば高圧燃焼器やタービン静翼の第1段目などの、より高い温度となり冷却を必要とするガスタービンの高温部品ほど冷却に効果を上げる。単位流量あたりの吸熱効果は、従来の水蒸気の顕熱を利用した冷却方式の2〜6倍の吸熱効果が期待され、従来の蒸気冷却に比べて少ない蒸気量で効果的な冷却が可能となる。
【0060】
また、請求項2記載の発明によると、早期に水蒸気改質反応による吸熱により高温部品の冷却が行われるので、冷却効果がより高くなる。
【0061】
更に、請求項3記載の発明によると、従来無駄に廃棄されていた液化燃料の冷熱を有効利用して圧縮空気の体積流量を減らして圧縮動力を低減する(圧縮効率を上げる)ことができると共に、液化燃料を加温してガス化し、水蒸気改質反応に適した温度まで予熱するために必要とする熱、例えばガスタービンから回収される排熱や改質ガスの熱の使用量を少なくすることができる。
【0062】
また、請求項5記載の発明によると、静翼内の空洞で静翼から熱を奪って水蒸気改質反応が起こるので、静翼を内側から冷却できる。
【0063】
また、請求項6記載の発明によると、燃焼器内筒を構成する冷却管の全長は相当な長さとなるので、水蒸気と天然ガスとの混合ガスの滞留時間が長くなるので、水蒸気改質反応が十分に進む。
【0064】
また、請求項7記載の発明によると、早期に水蒸気改質反応による吸熱により高温部品の冷却が行われるので、冷却効果がより高くなる。
【0065】
また、請求項8記載の発明によると、従来無駄に廃棄されていた液化燃料の冷熱を有効利用して圧縮空気の体積流量を減らして圧縮動力を低減する(熱効率を上げる)ことができると共に、液化燃料を加温して水蒸気改質反応に適した温度まで予熱するために必要とする系内の排熱や改質ガスの熱の使用量を少なくすることができる。
【0066】
また、請求項9記載の発明によると、ガスタービン入口ガス温度を従来のガスタービンよりも高く例えば1700℃程度とすることにより高濃度のNOxが作動ガス中に含まれたとしても、NOx還元型触媒の反応温度まで作動ガスを膨張させてから燃料を混合して再燃器に供給すると、NOx還元触媒で燃焼ガス中のNOxが燃料によって還元された後、燃焼触媒でサーマルNOxを生成せずに燃料が燃焼されるので、ガスタービン効率の向上とNOx低減が同時に実現できる。そして、脱硝装置を無くすか、その負荷を大幅に軽減できる。
【0067】
更に、請求項10記載の発明によると、水蒸気改質による高温部品の冷却に使用する蒸気は、ガスタービン排ガスからドレン水として回収され、再度蒸発、過熱して、メタン水蒸気改質用の水蒸気として繰り返し利用できる。したがって、複合発電システムや、ガスタービンコージェネレーション(熱電併給)に適用される場合には、蒸気タービン用の蒸気や蒸気・温水発生装置の蒸気などとは完全に分離され、これらの蒸気使用量に制限を受けない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却方法を適用したタービン静翼の概略を示す図で、(A)は斜視図、(B)は翼の縦断面図、(C)は翼を長手方向に断面した縦断面図である。
【図2】本発明の冷却方法を適用したタービン静翼の他の実施形態を示す図で、翼を長手方向の縦断面図で、粒状改質触媒を充填した状態を示す。
【図3】本発明の冷却方法を適用したスパイラル方式の燃焼器内筒を示す図で、(A)は斜視図、(B)は冷却管の横断面図である。
【図4】本発明の冷却方法を適用した縦型方式の燃焼器内筒を示す図で、(A)は斜視図、(B)は冷却管の横断面図である。
【図5】本発明の冷却方法を適用した捻り管方式の燃焼器内筒を示す図で、(A)は斜視図、(B)は冷却管の横断面図である。
【図6】本発明の冷却方法を適用した再燃型高圧ガスタービンの縦断面図である。
【図7】本発明の冷却方法を適用したガスタービン複合発電システムの概略図である。
【図8】再燃器の一実施例を示す説明図で、(A)は再燃器におけるNOx濃度と燃焼ガス温度の変化を示すグラフ、(B)は再燃器の縦断面図である。
【図9】ガスタービン燃焼器の概略図であり、(A)は単缶型、(B)は多缶型、(C)はアニュラ型を示す。
【図10】本発明の冷却方法を適用したガスタービンコージェネレーションシステムの概略図である。
【符号の説明】
1 天然ガス(改質可能な燃料)
3 水蒸気
4 冷却ガス通路
5 メタン改質触媒
5A メタン改質触媒層
5B メタン改質触媒粒
6 改質ガス、可燃性ガス
7 NOx還元型触媒に供給する燃料
8 燃焼器
9 燃焼器内筒
10 タービン静翼
12 冷却管
21 排熱回収ボイラ
23 圧縮機
24 再燃器
25 作動ガス
26 NOx還元型触媒
27 燃焼触媒
28 ガスタービン複合発電システム
29 入口空気冷却器
30 中間冷却器
31 発電機
60 復水器
59 ドレイン
36 燃料予熱器

Claims (10)

  1. ガスタービンの高温部品の冷却方法において、前記燃料ガスの一部若しくは全部を水蒸気と混合して冷却を必要とする高温部品内部に設けられている冷却ガス通路に供給し、前記冷却ガス通路内に存在する改質触媒下に前記高温部品からの熱を受けて燃料ガスと水蒸気の水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応で前記高温部品を冷却すると共に得られた水素を含む可燃性ガスを燃焼器に燃料として供給することを特徴とするガスタービン高温部品の冷却方法。
  2. 前記燃料ガスは、水蒸気と混合して前記冷却ガス通路に供給する前に、水蒸気改質反応に適した温度までタービンからの排熱を回収して、あるいは前記可燃性ガスの熱を利用して加熱させることを特徴とする請求項1記載のガスタービン高温部品の冷却方法。
  3. 前記燃料ガスは、液相として供給される場合、水蒸気改質反応に適した温度まで予熱される前に、保有する冷熱を圧縮機入口での空気冷却並びに圧縮機途中での中間冷却に利用することを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン高温部品の冷却方法。
  4. 改質反応を起こすガスを燃料とするガスタービンにおいて、冷却を必要とする高温部品に冷却ガスを通過させる流路を備えると共に、該冷却ガス通路内に改質触媒を配置し、前記燃料ガスの一部若しくは全部を水蒸気と混合して前記冷却ガス通路に供給して、前記冷却ガス通路内で改質触媒下に前記高温部品からの熱を受けて燃料と水蒸気の水蒸気改質反応を起こさせ、そのときの吸熱反応と前記燃料ガスと水蒸気との混合ガス自体の温度上昇による冷却効果で前記高温部品を冷却すると共に、前記水蒸気改質で得られた水素を含む可燃性ガスを燃焼器に供給して燃焼させることを特徴とするガスタービン。
  5. 前記高温部品はガスタービンの静翼であり、前記冷却ガス通路が前記静翼内の空洞で形成されていると共に、冷却ガス通路内面に改質触媒層を被覆させるか、あるいは改質触媒を充填すること若しくは改質触媒の被覆及び充填することのいずれかにより配置されることを特徴とする請求項4記載のガスタービン。
  6. 前記高温部品は燃焼器の内筒であり、該燃焼器内筒を前記燃料ガスと水蒸気の混合ガスを通過させる冷却管を束ねることで作り、その管内面に改質触媒層を被覆させることにより配置されることを特徴とする請求項4記載のガスタービン。
  7. 前記燃料ガスは前記冷却ガス通路に供給される前に水蒸気改質反応に適した温度までガスタービンからの排熱を回収して加熱されていることを特徴とする請求項4記載のガスタービン。
  8. 前記燃料ガスは水蒸気改質反応に適した温度まで予熱される前に、その全量を圧縮機入口での空気冷却並びに圧縮機途中での中間冷却に利用することを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のガスタービン。
  9. 前記ガスタービンは、高圧燃焼器と再燃器とを有し、前記再燃器内にNOx還元型触媒と燃焼触媒を直列に設置すると共に、前記再燃器を前記NOx還元型触媒の反応温度まで作動ガス温度が降下する高圧側タービンの最終段に配置して、高圧側タービンから排気される作動ガスに前記燃料の一部を混合して前記NOx還元型触媒に供給し、前記高圧燃焼器で発生した作動ガス中のサーマルNOxを、前段のNOx還元型触媒を用いて酸素を含む雰囲気下で燃料により選択的に還元除去し、引き続き後段の燃焼触媒で燃料を燃焼させて前記作動ガスを昇温させてから低圧側タービンに再び導入させる再熱型である請求項4から8のいずれかに記載のガスタービン。
  10. 前記ガスタービンから排出される作動ガスを排熱回収した後、冷却することにより発生する凝縮水を排熱回収ボイラで蒸発させて、前記改質用蒸気として循環利用することを特徴とする請求項4から9のいずれかに記載のガスタービン。
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