JP2005002294A - 接着剤組成物、それを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板 - Google Patents
接着剤組成物、それを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005002294A JP2005002294A JP2003170218A JP2003170218A JP2005002294A JP 2005002294 A JP2005002294 A JP 2005002294A JP 2003170218 A JP2003170218 A JP 2003170218A JP 2003170218 A JP2003170218 A JP 2003170218A JP 2005002294 A JP2005002294 A JP 2005002294A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive composition
- film
- phosphorus
- component
- epoxy resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
Abstract
【課題】剥離特性、半田耐熱性、難燃性および電気特性に優れた、高温プレス時に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、ならびに、それらの製造に有用な接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)リン含有エポキシ樹脂、
(B)リン非含有エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、
(D)硬化促進剤、
(E)カルボキシル基変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
(F)ホスファゼン化合物、および、
(G)無機充填剤、
を含有してなる接着剤組成物、ならびに、それを用いたカバーレイおよびフレキシブル印刷配線板。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)リン含有エポキシ樹脂、
(B)リン非含有エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、
(D)硬化促進剤、
(E)カルボキシル基変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
(F)ホスファゼン化合物、および、
(G)無機充填剤、
を含有してなる接着剤組成物、ならびに、それを用いたカバーレイおよびフレキシブル印刷配線板。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、諸特性に優れた、プレス加工をする際に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、および、それらの製造に有用な接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、電子機器等における回路基板の小型化、高密度化、軽量化が進んでおり、これらの性能に対する要求がより高度なものとなっている。この要求に応えるために、狭い空間に立体的高密度の部品の実装が可能なフレキシブル印刷配線板の役割が重要となり、その用途が拡大しつつある。
【0003】
フレキシブル印刷配線板とは、フレキシブル銅張積層板上に回路を印刷し、この回路を保護する形でカバーレイフィルムを貼り合わせたものである。これらのフレキシブル印刷配線板およびカバーレイフィルムには、電気絶縁性フィルムと回路を形成する金属箔との間の接着の耐久性、剥離特性、半田耐熱性、電気特性、難燃性等の特性が要求される。
また、フレキシブル印刷配線板の積層には接着剤組成物が用いられ、その接着剤組成物は、接着の耐久性、硬化性、耐熱性等の特性に優れるだけでなく、近年では、環境問題、人体に対する安全性等の観点から、臭素系難燃剤を使用しない、ハロゲン成分を含まない接着剤組成物であることが望まれている。
【0004】
接着剤組成物の非ハロゲン化の方法としては、有機リン酸エステルを含有した難燃剤の添加が検討されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、大量の難燃剤を添加しなければ十分な難燃性が得られないという問題があった。さらに、形成された回路間の電気絶縁性が吸湿時に低下したり、接着剤組成物に含まれるリン添加剤から発生するリン酸イオンのマイグレーションにより樹枝状突起物(デンドライト)が発生し、該デンドライトの成長によって導体間が短絡し、回路が破壊されたりする等の電気特性上の不具合もあった。
また、フレキシブル銅張積層板上に印刷された回路上にカバーレイフィルムを積層一体化する方法として、10枚程度の積層物を150〜160℃の温度で30分間、一括してプレス処理することが一般的に行われていた。しかし、最近では、積層物を1枚ずつ、より高温(例えば、180℃)で短時間に処理する方法が用いられるようになっている。このような高温プレス処理においては、上記のような非ハロゲン系難燃剤が融解、ブリーディング等してしまう問題が指摘されている。
また、リン含有エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノール樹脂を用いた接着剤組成物、その接着剤組成物を使用したカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板(特許文献2)、ならびに、リン含有エポキシ樹脂の硬化剤として芳香族アミン系硬化剤を使用した接着剤組成物、その接着剤組成物を使用したカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板(特許文献3)について開示されているが、これらのカバーレイフィルムの難燃性は、不十分なものであった。また、ホスファゼン化合物を難燃剤として使用した接着剤組成物、その接着剤組成物を使用したカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板(特許文献4)について開示されているが、高温プレス処理によるホスファゼン化合物の融解、ブリーディング等の問題があった。
このように、剥離特性、半田耐熱性等の諸特性を満足しつつ、上記の問題点を解決したカバーレイ、フレキシブル印刷配線板、および、それらの製造に有用な接着剤組成物は見出されていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−345035号公報
【特許文献2】
特開2002−20715号公報
【特許文献3】
特開2002−146310号公報
【特許文献4】
特開2001−19930号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、剥離特性、半田耐熱性、難燃性および電気特性に優れた、高温プレス時に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、ならびに、それらの製造に有用な接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、
(A)リン含有エポキシ樹脂、
(B)リン非含有エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、
(D)硬化促進剤、
(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
(F)ホスファゼン化合物、および、
(G)無機充填剤、
を含有してなる接着剤組成物を提供する。
また、本発明は、電気絶縁性フィルムと、該フィルム上に設けられた上記接着剤組成物からなる層と、該接着剤組成物からなる層を被覆する保護層とを有する被覆カバーレイフィルムを提供する。
さらに、本発明は、電気絶縁性フィルムが上記接着剤組成物で接着されたカバーレイフィルムを有してなるフレキシブル印刷配線板を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、上記(A)〜(G)成分を含有してなる熱硬化性接着剤組成物であり、必要に応じて、有機溶剤等の任意成分を含有していてもよい。
本明細書中において、「有機樹脂成分」とは、本発明の接着剤組成物を硬化させたときに得られる硬化物を構成する不揮発性有機成分であり、具体的には(A)〜(F)成分であり、場合によって加えられる成分をも含み、該接着剤組成物が有機溶剤を含む場合には、通常、有機溶剤は有機樹脂成分に含まれない。また、「無機固形成分」とは、本発明の接着剤組成物に含まれる不揮発性無機固体成分であり、具体的には(G)成分であり、場合によって加えられる成分をも含む。
以下に本発明について、より詳細に説明する。
【0009】
<接着剤組成物>
〔(A)リン含有エポキシ樹脂〕
(A)成分であるリン含有エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であって、その分子中にリン原子を含有し、ハロゲン原子を含有しないものであれば、特に限定されない。中でも、リン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量が、200〜2,000であることが好ましく、300〜800であることが特に好ましい。これらのリン含有エポキシ樹脂は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0010】
該リン含有エポキシ樹脂としては、例えば、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド(三光(株)製、商品名:HCA)、この化合物中のリン原子に結合している水素原子をヒドロキノンで置換した化合物(三光(株)製、商品名:HCA−HQ)等と、エポキシ樹脂とを反応させることにより得られる化合物が用いられる。この化合物としては、例えば、商品名で、FX279B(東都化成(株)製、リン含有率:2%、エポキシ当量:308)、エピクロンEXA9734(大日本インキ化学工業(株)製、リン含率:3.5%、エポキシ当量:710)等が挙げられる。
【0011】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0012】
前記リン含有エポキシ樹脂の合成法は、例えば、特許第3268498号に記載されている公知の方法を用いればよく、前記リン含有エポキシ樹脂に硬化剤を添加して反応させた樹脂組成物の合成法は、例えば、特許第3092009号に記載されている公知の方法を用いればよい。
【0013】
前記リン含有エポキシ樹脂中のリン含有率は、得られるカバーレイフィルムの難燃性を確保する点から、リン含有率のできるだけ高いエポキシ樹脂を用いると有利であるが、その他の特性とのバランスを考慮して選択することが望ましく、好ましくは2〜5重量%、特に好ましくは3.2〜4.5重量%である。
【0014】
〔(B)リン非含有エポキシ樹脂〕
(B)成分であるリン非含有エポキシ樹脂は、得られる接着剤組成物の、銅箔との接着の耐久性、耐熱性、硬化性を向上させるために(A)成分のリン含有エポキシ樹脂と併用される。該リン非含有エポキシ樹脂は、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であって、その分子中にリン原子およびハロゲン原子を含有しないものであれば、特に限定されない。中でも、リン非含有エポキシ樹脂のエポキシ当量が、180〜2,000であることが好ましく、190〜500であることが特に好ましい。これらのリン非含有エポキシ樹脂は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記エポキシ樹脂としては、上記(A)成分に用いられるエポキシ樹脂として例示したものと同じものが挙げられる。
【0015】
(B)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、特に好ましくは15〜40重量部である。
【0016】
〔(C)硬化剤〕
(C)成分である硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常使用されるものであれば、特に限定されない。この硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン系硬化剤、イソホロンジアミン等の脂環式アミン系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン系硬化剤、無水フタル酸、ピロメリト酸無水物、トリメリト酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、フェノール樹脂等が挙げられ、好ましくはジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、フェノール樹脂等、特に好ましくはジシアンジアミドが挙げられる。
【0017】
(C)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部、特に好ましくは4〜6重量部である。
【0018】
〔(D)硬化促進剤〕
(D)成分である硬化促進剤は、エポキシ樹脂とその硬化剤との反応の促進に用いられる物質であれば、特に限定されない。この硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等のトリオルガノホスフィン類、第四級ホスフォニウム塩、トリエチレンアンモニウムトリフェニルボレート等の第三級アミン、そのテトラフェニルホウ素酸塩、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化錫、ホウフッ化ニッケル等のホウフッ化物、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩、イミダゾール触媒等が挙げられ、好ましくはトリオルガノホスフィン、イミダゾール触媒、特に好ましくはイミダゾール触媒が挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記イミダゾール触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、および、これらのエチルイソシアネート化合物、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等、好ましくは2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。
【0020】
(D)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。また、(C)成分の硬化剤と(D)成分の硬化促進剤との配合比は、重量換算で、好ましくは40:1〜2:1、より好ましくは5:1〜3:1である。
【0021】
〔(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム〕
(E)成分であるカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、「アクリロニトリル−ブタジエンゴム」を「NBR」という)は、得られるカバーレイフィルムに柔軟性を与えるための主成分として作用する。NBRにカルボキシル基を含有させることにより、得られるカバーレイフィルムをフレキシブル印刷配線板上にプレス処理して積層一体化する際に、適度な接着剤の流れを作り出すことができる(フロー特性)。この接着剤の流れが、前記フレキシブル印刷配線板上において、回路を形成する金属箔部分をカバーして保護する。
【0022】
前記カルボキシル基含有NBRとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンとを、好ましくはアクリロニトリル量が10〜50重量%、特に好ましくは20〜30重量%の重量割合となるように共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化したもの、または、アクリロニトリルおよびブタジエンとアクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマーとの共重合ゴム等が挙げられる。
【0023】
前記カルボキシル基含有NBR中におけるカルボキシル基の割合は、特に限定されないが、好ましくは2〜10モル%、特に好ましくは3〜5モル%である。このカルボキシル基の割合が2モル%未満では、得られる接着剤組成物の流動性コントロールが難しくその硬化性も不十分となり、10モル%を超えると、該接着剤組成物の硬化性が高くなり硬くなりすぎてカバーレイの寿命が短くなる。
【0024】
このようなカルボキシル基含有NBRとしては、例えば、商品名で、ニッポール1072J(日本ゼオン製)、イオン不純物量が少なく高純度品であるPNR−1H(JSR製)等が使用できる。
【0025】
(E)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは20〜100重量部、特に好ましくは30〜50重量部である。
【0026】
〔(F)ホスファゼン化合物〕
(F)成分であるホスファゼン化合物は、その分子中にリン原子および窒素原子を含有するため、得られるカバーレイフィルムに難燃性を付与する成分として作用するものである。前記ホスファゼン化合物は、分子中にホスファゼン構造を有する化合物であって、ハロゲン原子を含有しないものであれば、特に限定されないが、ホスファゼン化合物中のリン含有率は、通常5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%である。なお、ホスファゼン構造とは、−P(R2)=N−[式中、Rは有機基を表す]で表される構造を意味する。このようなホスファゼン化合物としては、シクロホスファゼン系化合物を用いるのが好ましく、例えば、商品名で、SPE−100(大塚化学製、シクロホスファゼン系化合物)等が挙げられる。
【0027】
(F)成分の配合量は、得られるカバーレイフィルムに難燃性を付与する点から多いほど好ましいが、前記シクロホスファゼン系化合物SPE−100の融点は100℃程度であり、高温(特に180℃以上)プレス処理によりフレキシブル印刷配線板を積層一体化する工程等において、接着剤組成物中のホスファゼン化合物が融解し、ブリーディングすることが考えられるため、得られる特性と生じる問題点とのバランスを考えて選択すると有利である。上記の観点から、(F)成分のホスファゼン化合物の、全有機樹脂成分および無機固形成分の合計に対する割合が、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%となる量を配合すればよい。この配合量が2〜20重量%の範囲を満たすと、高温プレス時にホスファゼン化合物のブリーディングを防止できるだけでなく、得られるカバーレイフィルムは難燃性に優れたものとなる。
【0028】
〔(G)無機充填剤〕
(G)成分である無機充填剤は、従来、カバーレイフィルムに使用されている材料であれば、特に限定されない。この無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化モリブデン等の金属酸化物等が挙げられるが、難燃助剤としても作用する点から、好ましくは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化モリブデン等の金属酸化物等、特に好ましくは水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムが挙げられる。
【0029】
(G)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは15〜60重量部、より好ましくは20〜30重量部である。
【0030】
〔その他の任意成分〕
上記(A)〜(G)成分に加えて、必要に応じて、その他の任意成分を添加してもよい。例えば、接着剤組成物を接着剤溶液として用いるために、有機溶剤を添加することができる。
【0031】
・有機溶剤
上記の(A)〜(G)成分を含有してなる接着剤組成物は、そのまま用いてもよいが、有機溶剤に溶解して、接着剤溶液として用いてもよい。この有機溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、特に好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトンが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0032】
上記接着剤溶液中の全有機樹脂成分および無機固形成分の合計濃度は、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは30〜40重量%である。この濃度が10〜45重量%の範囲を満足すると、得られる接着剤溶液が、粘度、塗布性等において優れたものとなる。この接着剤組成物と有機溶剤とは、ポットミル、ボールミル、ホモジナイザ、スーパーミル等を用いて混合すればよい。
【0033】
〔好ましい実施形態〕
本発明の好ましい一実施形態では、得られる接着剤組成物の硬化性をより高めるために、(C)成分の硬化剤であるジシアンジアミドと(D)成分の硬化促進剤であるイミダゾール触媒とを選択的に組み合わせて用いられる。この組み合わせは、(A)成分のリン含有エポキシ樹脂および(F)成分のホスファゼン化合物を含有する接着剤組成物の、DSC(示差熱分析)測定での反応熱ピーク温度をより低くすることができ、得られる接着剤組成物の反応性、即ち、硬化性を高めることができる。また、この組み合わせは、(E)成分のカルボキシル基含有NBRとの安定性の点からも優れている。ジシアンジアミドとイミダゾール触媒とは、予め混合してから用いても、他の成分と同時に混合して用いてもよい。
【0034】
〔リン元素の割合〕
本発明の接着剤組成物は、リン元素の全有機樹脂成分に対する割合が2〜5重量%の範囲であることが好ましく、3〜4重量%の範囲であることがより好ましい。この割合が2重量%未満では得られるカバーレイフィルムの難燃性が低下し、5重量%を超えると、高温プレス時のブリーディング、接着剤組成物の硬化性の低下等が起こる。
【0035】
<カバーレイフィルム>
上記接着剤組成物は、カバーレイフィルムの製造に用いることができる。具体的には、例えば、電気絶縁性フィルムと、該フィルム上に設けられた上記接着剤組成物からなる層と、該接着剤組成物からなる層を被覆する保護層とを有する被覆カバーレイフィルムが挙げられる。
以下、カバーレイフィルムを構成する各フィルムについて、より詳しく説明する。
【0036】
〔電気絶縁性フィルム〕
前記電気絶縁性フィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、アラミドフィルム;ガラス繊維やアラミド繊維、ポリエステル繊維等をベースにして、これにマトリックスになるエポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂を含浸して、フィルムまたはシート状にして銅箔と貼り合わせたもの等が挙げられ、得られるカバーレイの耐熱性、寸法安定性、機械特性等の点から、特に好ましくはポリイミドフィルムが挙げられる。ポリイミドフィルムとしては、通常カバーレイフィルムに用いられるものであればよい。
【0037】
前記電気絶縁性フィルムに対して、必要に応じて、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理等、好ましくは低温プラズマ処理により表面処理を行ってもよい。
【0038】
低温プラズマ処理は、例えば、減圧可能な低温プラズマ処理装置内に電気絶縁性フィルムを入れ、装置内を無機ガスの雰囲気とした後に、圧力を0.133〜1333Pa、好ましくは1.33〜133Paに保持した状態で、電極間に0.1〜10kV、好ましくは1〜5kVの直流あるいは交流電圧を印加して、グロー放電させることにより無機ガスの低温プラズマを発生させ、次いで、前記フィルムを移動させながら、その表面を連続的に0.1〜100秒間、好ましくは1〜10秒間、低温プラズマ処理する方法により行われる。前記無機ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、空気等、好ましくは、アルゴンを使用すればよく、これらの無機ガスは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0039】
上記電気絶縁性フィルムの厚さは、必要に応じて任意の厚さを選択できるが、通常10〜125μm、好ましくは12.5〜30μmである。
【0040】
〔接着剤層〕
上記接着剤組成物からなる接着剤層の厚さは、乾燥状態で、通常5〜45μm、好ましくは5〜35μm、特に好ましくは20〜35μmである。
【0041】
〔保護層〕
上記保護層は、接着剤層の形態を損なうことなく剥離できるものであれば特に限定されないが、通常、ポリエステルフィルム、離型性を有する離型紙等、好ましくは、離型性を有する離型紙が用いられる。保護層の厚さは、通常100〜200μm、好ましくは120〜140μmである。
【0042】
〔製造方法〕
以下、上記接着剤組成物からなるカバーレイフィルムの製造方法について、詳細に説明する。ここでは、一実施形態として、接着剤組成物を有機溶剤に添加してなる接着剤溶液として使用した場合を例に説明する。
予め、調製された接着剤組成物に所定の溶剤を混合してなる接着剤溶液をリバースロールコータ、コンマコータ等を用いて、電気絶縁性フィルムに塗布する。得られる接着剤付電気絶縁性フィルムをインラインドライヤに通し、80〜160℃で2〜10分間処理し、溶剤を除去することにより乾燥させて、半硬化状態とし、保護層と積層一体化することで本発明のカバーレイフィルムが得られる。なお、「半硬化状態」とは、接着剤組成物が乾燥した状態、乃至、その一部において硬化反応が進行している状態を意味する。
【0043】
<フレキシブル印刷配線板>
上記カバーレイフィルムは、フレキシブル印刷配線板を製造する際に用いることができる。具体的には、例えば、フレキシブル銅張積層板と、その上に印刷された回路と、上記カバーレイフィルムとを有してなるフレキシブル印刷配線板が挙げられる。
【0044】
該フレキシブル銅張積層板としては、電気絶縁性フィルムの片面もしくは両面に前記接着剤を介して銅箔を積層したもの等が挙げられる。フレキシブル印刷配線板は、フレキシブル銅張積層板の銅箔上にエッチング法により回路のパターン形成を施すことで得られる。この回路パターン上に該カバーレイフィルムを積層し、加熱プレスまたは加熱ロール装置を使用して両者を貼り合わせ、さらにプレス加熱することにより硬化させて製造できる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明について実施例および比較例を用いて説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。(A)〜(G)成分は、具体的には下記のとおりである。
【0046】
<接着剤組成物の成分>
・(A)リン含有エポキシ樹脂
FX289BZ4(商品名)(東都化成製、リン含有率:4重量%、エポキシ当量:380)
エピクロンEXA(商品名)(大日本インキ化学工業製、リン含有率:3.5重量%、エポキシ当量:710)
FX279B(商品名)(東都化成製、リン含有率:2.5重量%、エポキシ当量:305)
・(B)リン非含有エポキシ樹脂
エピコート828(商品名)(ジャパンエポキシレジン製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190)
EPPN−102H(商品名)(日本化薬製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:168)
・(C)硬化剤
ジシアンジアミド(アミン当量:21)
DDS(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン)(アミン当量:62.1)
・(D)硬化促進剤
2E4MZ(商品名)(四国化成製、イミダゾール)
2E4MZ−CN(商品名)(四国化成製、イミダゾール)
BF3MEA(商品名)(和光純薬工業製、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体)
・(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム
ニッポール1072J(商品名)(日本ゼオン製)
PNR−1H(商品名)(JSR製)
・(F)ホスファゼン化合物
SPE−100(商品名)(大塚化学製、リン含有率:13重量%)
・(G)無機充填剤
ハイジライトH432ST(商品名)(昭和電工製、水酸化アルミニウム)
キスマ5A(商品名)(協和化学製、水酸化マグネシウム)
・(その他)リン酸エステル系難燃剤
PX−200(商品名)(大八化学製、リン含有率:13重量%)
【0047】
<実施例1,2、比較例1,2>
接着剤組成物の各成分を表1に示す割合で混合し、得られた混合物を、体積比が(N,N−ジメチルアセトアミド)/(MEK)=90/10である混合溶剤に添加することにより、全有機樹脂成分および無機固形成分の合計濃度が35重量%の接着剤溶液を得た。
【0048】
一方、ポリイミドフィルム(商品名:アピカルNPI、鐘淵化学製、厚さ:12.5μm)の片面に、圧力:13.3Pa、アルゴン流量:1.0L/分、印加電圧:2kV、周波数:110kHz、電力:30kW、処理スピード:10m/分の条件で低温プラズマ処理した。次いで、アプリケータで、上記接着剤溶液を乾燥後の厚さが25μmとなるようにポリイミドフィルム表面に塗布し、150℃で10分間、送風オーブン内で乾燥することにより接着剤組成物を半硬化状態とし、カバーレイフィルム(厚さ:37.5μm)を得た。このカバーレイフィルムの特性について、下記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
【0049】
<測定方法>
1.剥離特性
JIS−C6481に準拠して測定を行った。厚さ35μmの電解銅箔の光沢面と、実施例1,2および比較例1,2において得られた各々のカバーレイフィルムの接着剤面とをプレス装置により、温度:160℃、圧力:50kg/cm2、時間:40分の条件で圧着して、積層体を得た。この積層体を切断して、試験片(1cm×15cm、厚さ:72μm)とした。この試験片のポリイミドフィルム側を引張試験機に固定し、25℃において、銅箔を引張り方向が、銅箔面に垂直となるように50mm/分の速度で引き剥がした。このときの剥離力(N/cm)を測定した。
【0050】
2.半田耐熱性
JIS−C6481に準拠して測定を行った。上記積層体を25mm角に切断し、試験片とした。この試験片をフロー半田上に30秒間浮かべて、膨れ、剥れ等を生じない温度の最高値(℃)を測定した。
【0051】
3.電気特性
マイグレーション性について以下のようにして評価を行い、その結果を電気特性についての評価とした。フレキシブル銅張積層板(商品名:RAS32S57、信越化学工業製)に70μmピッチの回路を印刷した基板に対し、実施例1,2および比較例1,2で得られた各々のカバーレイフィルムをプレス装置(温度:160℃、圧力:50kg/cm2、時間:40分)を用いて圧着することにより、フレキシブル印刷配線板を得た。このフレキシブル印刷配線板上の回路間に、温度135℃、湿度85%の環境下において、100Vの電圧を印加した。1,000時間経過後に、導体間に短絡が発生せず、デンドライトの成長が認められなかった場合を○と評価した。一方、導体間に短絡が発生し、デンドライトの成長が認められた場合を×と評価した。
【0052】
4.難燃性
上記接着剤溶液を乾燥後の厚さが25μmとなるようにポリイミドフィルムの表面に塗布した以外は各実施例と同様にして、カバーレイフィルムを得た。このカバーレイフィルムについて、UL94VTM−0規格に準拠して、難燃性グレードを測定した。UL94VTM−0規格を満足する難燃性を示した場合を○と評価し、前記カバーレイフィルムが燃焼した場合を×と評価した。
【0053】
5.高温プレス時のホスファゼン化合物のブリーディング
上記剥離特性測定用積層体の製造工程において、プレス条件を温度:180℃、圧力:50kg/cm2、時間:10分とした以外は同様にして、積層体を得た。プレス後におけるカバーレイフィルムの接着剤層からのブリーディングの有無を目視にて評価した。ブリーディングが認められた場合を「有り」と評価し、ブリーディングが認められなかった場合を「無し」と評価した。
【0054】
【表1】
表中の配合量を表す数値は重量部を意味する。*:(F)成分の代わりに配合したリン酸エステル系難燃剤の含有率を表す。
【0055】
<評価>
実施例1および2は、本発明の接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムであり、剥離特性、半田耐熱性、電気特性および難燃性に優れ、さらに、高温プレス時においても接着剤層からのブリーディング現象が認められなかった。
比較例1は、本発明の(F)成分の代わりにリン酸エステル系難燃剤を用いて調製された接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムであり、剥離特性、半田耐熱性および電気特性が劣り、さらに、高温プレス時において接着剤層からのブリーディング現象が認められた。
比較例2は、本発明の(F)成分を添加しないで調製された接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムであり、剥離特性、半田耐熱性および難燃性が劣っていた。
【0056】
【発明の効果】
本発明により、剥離特性、半田耐熱性、難燃性および電気特性に優れた、高温プレス時に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、ならびに、それらの製造に有用であり、硬化性に優れた接着剤組成物を得ることが可能になった。
さらに、硬化剤であるジシアンジアミドと、硬化促進剤であるイミダゾール触媒とを組み合わせることにより、得られる接着剤組成物は、より硬化性に優れたものとなった。
以上のように、本発明を適用することにより、カバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板の信頼性がより高くなるため、実用上、その利用価値は高い。
【発明の属する技術分野】
本発明は、諸特性に優れた、プレス加工をする際に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、および、それらの製造に有用な接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、電子機器等における回路基板の小型化、高密度化、軽量化が進んでおり、これらの性能に対する要求がより高度なものとなっている。この要求に応えるために、狭い空間に立体的高密度の部品の実装が可能なフレキシブル印刷配線板の役割が重要となり、その用途が拡大しつつある。
【0003】
フレキシブル印刷配線板とは、フレキシブル銅張積層板上に回路を印刷し、この回路を保護する形でカバーレイフィルムを貼り合わせたものである。これらのフレキシブル印刷配線板およびカバーレイフィルムには、電気絶縁性フィルムと回路を形成する金属箔との間の接着の耐久性、剥離特性、半田耐熱性、電気特性、難燃性等の特性が要求される。
また、フレキシブル印刷配線板の積層には接着剤組成物が用いられ、その接着剤組成物は、接着の耐久性、硬化性、耐熱性等の特性に優れるだけでなく、近年では、環境問題、人体に対する安全性等の観点から、臭素系難燃剤を使用しない、ハロゲン成分を含まない接着剤組成物であることが望まれている。
【0004】
接着剤組成物の非ハロゲン化の方法としては、有機リン酸エステルを含有した難燃剤の添加が検討されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、大量の難燃剤を添加しなければ十分な難燃性が得られないという問題があった。さらに、形成された回路間の電気絶縁性が吸湿時に低下したり、接着剤組成物に含まれるリン添加剤から発生するリン酸イオンのマイグレーションにより樹枝状突起物(デンドライト)が発生し、該デンドライトの成長によって導体間が短絡し、回路が破壊されたりする等の電気特性上の不具合もあった。
また、フレキシブル銅張積層板上に印刷された回路上にカバーレイフィルムを積層一体化する方法として、10枚程度の積層物を150〜160℃の温度で30分間、一括してプレス処理することが一般的に行われていた。しかし、最近では、積層物を1枚ずつ、より高温(例えば、180℃)で短時間に処理する方法が用いられるようになっている。このような高温プレス処理においては、上記のような非ハロゲン系難燃剤が融解、ブリーディング等してしまう問題が指摘されている。
また、リン含有エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノール樹脂を用いた接着剤組成物、その接着剤組成物を使用したカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板(特許文献2)、ならびに、リン含有エポキシ樹脂の硬化剤として芳香族アミン系硬化剤を使用した接着剤組成物、その接着剤組成物を使用したカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板(特許文献3)について開示されているが、これらのカバーレイフィルムの難燃性は、不十分なものであった。また、ホスファゼン化合物を難燃剤として使用した接着剤組成物、その接着剤組成物を使用したカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板(特許文献4)について開示されているが、高温プレス処理によるホスファゼン化合物の融解、ブリーディング等の問題があった。
このように、剥離特性、半田耐熱性等の諸特性を満足しつつ、上記の問題点を解決したカバーレイ、フレキシブル印刷配線板、および、それらの製造に有用な接着剤組成物は見出されていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−345035号公報
【特許文献2】
特開2002−20715号公報
【特許文献3】
特開2002−146310号公報
【特許文献4】
特開2001−19930号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、剥離特性、半田耐熱性、難燃性および電気特性に優れた、高温プレス時に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、ならびに、それらの製造に有用な接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、
(A)リン含有エポキシ樹脂、
(B)リン非含有エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、
(D)硬化促進剤、
(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
(F)ホスファゼン化合物、および、
(G)無機充填剤、
を含有してなる接着剤組成物を提供する。
また、本発明は、電気絶縁性フィルムと、該フィルム上に設けられた上記接着剤組成物からなる層と、該接着剤組成物からなる層を被覆する保護層とを有する被覆カバーレイフィルムを提供する。
さらに、本発明は、電気絶縁性フィルムが上記接着剤組成物で接着されたカバーレイフィルムを有してなるフレキシブル印刷配線板を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、上記(A)〜(G)成分を含有してなる熱硬化性接着剤組成物であり、必要に応じて、有機溶剤等の任意成分を含有していてもよい。
本明細書中において、「有機樹脂成分」とは、本発明の接着剤組成物を硬化させたときに得られる硬化物を構成する不揮発性有機成分であり、具体的には(A)〜(F)成分であり、場合によって加えられる成分をも含み、該接着剤組成物が有機溶剤を含む場合には、通常、有機溶剤は有機樹脂成分に含まれない。また、「無機固形成分」とは、本発明の接着剤組成物に含まれる不揮発性無機固体成分であり、具体的には(G)成分であり、場合によって加えられる成分をも含む。
以下に本発明について、より詳細に説明する。
【0009】
<接着剤組成物>
〔(A)リン含有エポキシ樹脂〕
(A)成分であるリン含有エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であって、その分子中にリン原子を含有し、ハロゲン原子を含有しないものであれば、特に限定されない。中でも、リン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量が、200〜2,000であることが好ましく、300〜800であることが特に好ましい。これらのリン含有エポキシ樹脂は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0010】
該リン含有エポキシ樹脂としては、例えば、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド(三光(株)製、商品名:HCA)、この化合物中のリン原子に結合している水素原子をヒドロキノンで置換した化合物(三光(株)製、商品名:HCA−HQ)等と、エポキシ樹脂とを反応させることにより得られる化合物が用いられる。この化合物としては、例えば、商品名で、FX279B(東都化成(株)製、リン含有率:2%、エポキシ当量:308)、エピクロンEXA9734(大日本インキ化学工業(株)製、リン含率:3.5%、エポキシ当量:710)等が挙げられる。
【0011】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0012】
前記リン含有エポキシ樹脂の合成法は、例えば、特許第3268498号に記載されている公知の方法を用いればよく、前記リン含有エポキシ樹脂に硬化剤を添加して反応させた樹脂組成物の合成法は、例えば、特許第3092009号に記載されている公知の方法を用いればよい。
【0013】
前記リン含有エポキシ樹脂中のリン含有率は、得られるカバーレイフィルムの難燃性を確保する点から、リン含有率のできるだけ高いエポキシ樹脂を用いると有利であるが、その他の特性とのバランスを考慮して選択することが望ましく、好ましくは2〜5重量%、特に好ましくは3.2〜4.5重量%である。
【0014】
〔(B)リン非含有エポキシ樹脂〕
(B)成分であるリン非含有エポキシ樹脂は、得られる接着剤組成物の、銅箔との接着の耐久性、耐熱性、硬化性を向上させるために(A)成分のリン含有エポキシ樹脂と併用される。該リン非含有エポキシ樹脂は、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であって、その分子中にリン原子およびハロゲン原子を含有しないものであれば、特に限定されない。中でも、リン非含有エポキシ樹脂のエポキシ当量が、180〜2,000であることが好ましく、190〜500であることが特に好ましい。これらのリン非含有エポキシ樹脂は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記エポキシ樹脂としては、上記(A)成分に用いられるエポキシ樹脂として例示したものと同じものが挙げられる。
【0015】
(B)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、特に好ましくは15〜40重量部である。
【0016】
〔(C)硬化剤〕
(C)成分である硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常使用されるものであれば、特に限定されない。この硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン系硬化剤、イソホロンジアミン等の脂環式アミン系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン系硬化剤、無水フタル酸、ピロメリト酸無水物、トリメリト酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、フェノール樹脂等が挙げられ、好ましくはジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、フェノール樹脂等、特に好ましくはジシアンジアミドが挙げられる。
【0017】
(C)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部、特に好ましくは4〜6重量部である。
【0018】
〔(D)硬化促進剤〕
(D)成分である硬化促進剤は、エポキシ樹脂とその硬化剤との反応の促進に用いられる物質であれば、特に限定されない。この硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等のトリオルガノホスフィン類、第四級ホスフォニウム塩、トリエチレンアンモニウムトリフェニルボレート等の第三級アミン、そのテトラフェニルホウ素酸塩、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化錫、ホウフッ化ニッケル等のホウフッ化物、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩、イミダゾール触媒等が挙げられ、好ましくはトリオルガノホスフィン、イミダゾール触媒、特に好ましくはイミダゾール触媒が挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記イミダゾール触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、および、これらのエチルイソシアネート化合物、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等、好ましくは2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。
【0020】
(D)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。また、(C)成分の硬化剤と(D)成分の硬化促進剤との配合比は、重量換算で、好ましくは40:1〜2:1、より好ましくは5:1〜3:1である。
【0021】
〔(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム〕
(E)成分であるカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、「アクリロニトリル−ブタジエンゴム」を「NBR」という)は、得られるカバーレイフィルムに柔軟性を与えるための主成分として作用する。NBRにカルボキシル基を含有させることにより、得られるカバーレイフィルムをフレキシブル印刷配線板上にプレス処理して積層一体化する際に、適度な接着剤の流れを作り出すことができる(フロー特性)。この接着剤の流れが、前記フレキシブル印刷配線板上において、回路を形成する金属箔部分をカバーして保護する。
【0022】
前記カルボキシル基含有NBRとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンとを、好ましくはアクリロニトリル量が10〜50重量%、特に好ましくは20〜30重量%の重量割合となるように共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化したもの、または、アクリロニトリルおよびブタジエンとアクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマーとの共重合ゴム等が挙げられる。
【0023】
前記カルボキシル基含有NBR中におけるカルボキシル基の割合は、特に限定されないが、好ましくは2〜10モル%、特に好ましくは3〜5モル%である。このカルボキシル基の割合が2モル%未満では、得られる接着剤組成物の流動性コントロールが難しくその硬化性も不十分となり、10モル%を超えると、該接着剤組成物の硬化性が高くなり硬くなりすぎてカバーレイの寿命が短くなる。
【0024】
このようなカルボキシル基含有NBRとしては、例えば、商品名で、ニッポール1072J(日本ゼオン製)、イオン不純物量が少なく高純度品であるPNR−1H(JSR製)等が使用できる。
【0025】
(E)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは20〜100重量部、特に好ましくは30〜50重量部である。
【0026】
〔(F)ホスファゼン化合物〕
(F)成分であるホスファゼン化合物は、その分子中にリン原子および窒素原子を含有するため、得られるカバーレイフィルムに難燃性を付与する成分として作用するものである。前記ホスファゼン化合物は、分子中にホスファゼン構造を有する化合物であって、ハロゲン原子を含有しないものであれば、特に限定されないが、ホスファゼン化合物中のリン含有率は、通常5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%である。なお、ホスファゼン構造とは、−P(R2)=N−[式中、Rは有機基を表す]で表される構造を意味する。このようなホスファゼン化合物としては、シクロホスファゼン系化合物を用いるのが好ましく、例えば、商品名で、SPE−100(大塚化学製、シクロホスファゼン系化合物)等が挙げられる。
【0027】
(F)成分の配合量は、得られるカバーレイフィルムに難燃性を付与する点から多いほど好ましいが、前記シクロホスファゼン系化合物SPE−100の融点は100℃程度であり、高温(特に180℃以上)プレス処理によりフレキシブル印刷配線板を積層一体化する工程等において、接着剤組成物中のホスファゼン化合物が融解し、ブリーディングすることが考えられるため、得られる特性と生じる問題点とのバランスを考えて選択すると有利である。上記の観点から、(F)成分のホスファゼン化合物の、全有機樹脂成分および無機固形成分の合計に対する割合が、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%となる量を配合すればよい。この配合量が2〜20重量%の範囲を満たすと、高温プレス時にホスファゼン化合物のブリーディングを防止できるだけでなく、得られるカバーレイフィルムは難燃性に優れたものとなる。
【0028】
〔(G)無機充填剤〕
(G)成分である無機充填剤は、従来、カバーレイフィルムに使用されている材料であれば、特に限定されない。この無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化モリブデン等の金属酸化物等が挙げられるが、難燃助剤としても作用する点から、好ましくは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化モリブデン等の金属酸化物等、特に好ましくは水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムが挙げられる。
【0029】
(G)成分の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは15〜60重量部、より好ましくは20〜30重量部である。
【0030】
〔その他の任意成分〕
上記(A)〜(G)成分に加えて、必要に応じて、その他の任意成分を添加してもよい。例えば、接着剤組成物を接着剤溶液として用いるために、有機溶剤を添加することができる。
【0031】
・有機溶剤
上記の(A)〜(G)成分を含有してなる接着剤組成物は、そのまま用いてもよいが、有機溶剤に溶解して、接着剤溶液として用いてもよい。この有機溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、特に好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトンが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0032】
上記接着剤溶液中の全有機樹脂成分および無機固形成分の合計濃度は、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは30〜40重量%である。この濃度が10〜45重量%の範囲を満足すると、得られる接着剤溶液が、粘度、塗布性等において優れたものとなる。この接着剤組成物と有機溶剤とは、ポットミル、ボールミル、ホモジナイザ、スーパーミル等を用いて混合すればよい。
【0033】
〔好ましい実施形態〕
本発明の好ましい一実施形態では、得られる接着剤組成物の硬化性をより高めるために、(C)成分の硬化剤であるジシアンジアミドと(D)成分の硬化促進剤であるイミダゾール触媒とを選択的に組み合わせて用いられる。この組み合わせは、(A)成分のリン含有エポキシ樹脂および(F)成分のホスファゼン化合物を含有する接着剤組成物の、DSC(示差熱分析)測定での反応熱ピーク温度をより低くすることができ、得られる接着剤組成物の反応性、即ち、硬化性を高めることができる。また、この組み合わせは、(E)成分のカルボキシル基含有NBRとの安定性の点からも優れている。ジシアンジアミドとイミダゾール触媒とは、予め混合してから用いても、他の成分と同時に混合して用いてもよい。
【0034】
〔リン元素の割合〕
本発明の接着剤組成物は、リン元素の全有機樹脂成分に対する割合が2〜5重量%の範囲であることが好ましく、3〜4重量%の範囲であることがより好ましい。この割合が2重量%未満では得られるカバーレイフィルムの難燃性が低下し、5重量%を超えると、高温プレス時のブリーディング、接着剤組成物の硬化性の低下等が起こる。
【0035】
<カバーレイフィルム>
上記接着剤組成物は、カバーレイフィルムの製造に用いることができる。具体的には、例えば、電気絶縁性フィルムと、該フィルム上に設けられた上記接着剤組成物からなる層と、該接着剤組成物からなる層を被覆する保護層とを有する被覆カバーレイフィルムが挙げられる。
以下、カバーレイフィルムを構成する各フィルムについて、より詳しく説明する。
【0036】
〔電気絶縁性フィルム〕
前記電気絶縁性フィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、アラミドフィルム;ガラス繊維やアラミド繊維、ポリエステル繊維等をベースにして、これにマトリックスになるエポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂を含浸して、フィルムまたはシート状にして銅箔と貼り合わせたもの等が挙げられ、得られるカバーレイの耐熱性、寸法安定性、機械特性等の点から、特に好ましくはポリイミドフィルムが挙げられる。ポリイミドフィルムとしては、通常カバーレイフィルムに用いられるものであればよい。
【0037】
前記電気絶縁性フィルムに対して、必要に応じて、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理等、好ましくは低温プラズマ処理により表面処理を行ってもよい。
【0038】
低温プラズマ処理は、例えば、減圧可能な低温プラズマ処理装置内に電気絶縁性フィルムを入れ、装置内を無機ガスの雰囲気とした後に、圧力を0.133〜1333Pa、好ましくは1.33〜133Paに保持した状態で、電極間に0.1〜10kV、好ましくは1〜5kVの直流あるいは交流電圧を印加して、グロー放電させることにより無機ガスの低温プラズマを発生させ、次いで、前記フィルムを移動させながら、その表面を連続的に0.1〜100秒間、好ましくは1〜10秒間、低温プラズマ処理する方法により行われる。前記無機ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、空気等、好ましくは、アルゴンを使用すればよく、これらの無機ガスは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0039】
上記電気絶縁性フィルムの厚さは、必要に応じて任意の厚さを選択できるが、通常10〜125μm、好ましくは12.5〜30μmである。
【0040】
〔接着剤層〕
上記接着剤組成物からなる接着剤層の厚さは、乾燥状態で、通常5〜45μm、好ましくは5〜35μm、特に好ましくは20〜35μmである。
【0041】
〔保護層〕
上記保護層は、接着剤層の形態を損なうことなく剥離できるものであれば特に限定されないが、通常、ポリエステルフィルム、離型性を有する離型紙等、好ましくは、離型性を有する離型紙が用いられる。保護層の厚さは、通常100〜200μm、好ましくは120〜140μmである。
【0042】
〔製造方法〕
以下、上記接着剤組成物からなるカバーレイフィルムの製造方法について、詳細に説明する。ここでは、一実施形態として、接着剤組成物を有機溶剤に添加してなる接着剤溶液として使用した場合を例に説明する。
予め、調製された接着剤組成物に所定の溶剤を混合してなる接着剤溶液をリバースロールコータ、コンマコータ等を用いて、電気絶縁性フィルムに塗布する。得られる接着剤付電気絶縁性フィルムをインラインドライヤに通し、80〜160℃で2〜10分間処理し、溶剤を除去することにより乾燥させて、半硬化状態とし、保護層と積層一体化することで本発明のカバーレイフィルムが得られる。なお、「半硬化状態」とは、接着剤組成物が乾燥した状態、乃至、その一部において硬化反応が進行している状態を意味する。
【0043】
<フレキシブル印刷配線板>
上記カバーレイフィルムは、フレキシブル印刷配線板を製造する際に用いることができる。具体的には、例えば、フレキシブル銅張積層板と、その上に印刷された回路と、上記カバーレイフィルムとを有してなるフレキシブル印刷配線板が挙げられる。
【0044】
該フレキシブル銅張積層板としては、電気絶縁性フィルムの片面もしくは両面に前記接着剤を介して銅箔を積層したもの等が挙げられる。フレキシブル印刷配線板は、フレキシブル銅張積層板の銅箔上にエッチング法により回路のパターン形成を施すことで得られる。この回路パターン上に該カバーレイフィルムを積層し、加熱プレスまたは加熱ロール装置を使用して両者を貼り合わせ、さらにプレス加熱することにより硬化させて製造できる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明について実施例および比較例を用いて説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。(A)〜(G)成分は、具体的には下記のとおりである。
【0046】
<接着剤組成物の成分>
・(A)リン含有エポキシ樹脂
FX289BZ4(商品名)(東都化成製、リン含有率:4重量%、エポキシ当量:380)
エピクロンEXA(商品名)(大日本インキ化学工業製、リン含有率:3.5重量%、エポキシ当量:710)
FX279B(商品名)(東都化成製、リン含有率:2.5重量%、エポキシ当量:305)
・(B)リン非含有エポキシ樹脂
エピコート828(商品名)(ジャパンエポキシレジン製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190)
EPPN−102H(商品名)(日本化薬製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:168)
・(C)硬化剤
ジシアンジアミド(アミン当量:21)
DDS(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン)(アミン当量:62.1)
・(D)硬化促進剤
2E4MZ(商品名)(四国化成製、イミダゾール)
2E4MZ−CN(商品名)(四国化成製、イミダゾール)
BF3MEA(商品名)(和光純薬工業製、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体)
・(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム
ニッポール1072J(商品名)(日本ゼオン製)
PNR−1H(商品名)(JSR製)
・(F)ホスファゼン化合物
SPE−100(商品名)(大塚化学製、リン含有率:13重量%)
・(G)無機充填剤
ハイジライトH432ST(商品名)(昭和電工製、水酸化アルミニウム)
キスマ5A(商品名)(協和化学製、水酸化マグネシウム)
・(その他)リン酸エステル系難燃剤
PX−200(商品名)(大八化学製、リン含有率:13重量%)
【0047】
<実施例1,2、比較例1,2>
接着剤組成物の各成分を表1に示す割合で混合し、得られた混合物を、体積比が(N,N−ジメチルアセトアミド)/(MEK)=90/10である混合溶剤に添加することにより、全有機樹脂成分および無機固形成分の合計濃度が35重量%の接着剤溶液を得た。
【0048】
一方、ポリイミドフィルム(商品名:アピカルNPI、鐘淵化学製、厚さ:12.5μm)の片面に、圧力:13.3Pa、アルゴン流量:1.0L/分、印加電圧:2kV、周波数:110kHz、電力:30kW、処理スピード:10m/分の条件で低温プラズマ処理した。次いで、アプリケータで、上記接着剤溶液を乾燥後の厚さが25μmとなるようにポリイミドフィルム表面に塗布し、150℃で10分間、送風オーブン内で乾燥することにより接着剤組成物を半硬化状態とし、カバーレイフィルム(厚さ:37.5μm)を得た。このカバーレイフィルムの特性について、下記の測定方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
【0049】
<測定方法>
1.剥離特性
JIS−C6481に準拠して測定を行った。厚さ35μmの電解銅箔の光沢面と、実施例1,2および比較例1,2において得られた各々のカバーレイフィルムの接着剤面とをプレス装置により、温度:160℃、圧力:50kg/cm2、時間:40分の条件で圧着して、積層体を得た。この積層体を切断して、試験片(1cm×15cm、厚さ:72μm)とした。この試験片のポリイミドフィルム側を引張試験機に固定し、25℃において、銅箔を引張り方向が、銅箔面に垂直となるように50mm/分の速度で引き剥がした。このときの剥離力(N/cm)を測定した。
【0050】
2.半田耐熱性
JIS−C6481に準拠して測定を行った。上記積層体を25mm角に切断し、試験片とした。この試験片をフロー半田上に30秒間浮かべて、膨れ、剥れ等を生じない温度の最高値(℃)を測定した。
【0051】
3.電気特性
マイグレーション性について以下のようにして評価を行い、その結果を電気特性についての評価とした。フレキシブル銅張積層板(商品名:RAS32S57、信越化学工業製)に70μmピッチの回路を印刷した基板に対し、実施例1,2および比較例1,2で得られた各々のカバーレイフィルムをプレス装置(温度:160℃、圧力:50kg/cm2、時間:40分)を用いて圧着することにより、フレキシブル印刷配線板を得た。このフレキシブル印刷配線板上の回路間に、温度135℃、湿度85%の環境下において、100Vの電圧を印加した。1,000時間経過後に、導体間に短絡が発生せず、デンドライトの成長が認められなかった場合を○と評価した。一方、導体間に短絡が発生し、デンドライトの成長が認められた場合を×と評価した。
【0052】
4.難燃性
上記接着剤溶液を乾燥後の厚さが25μmとなるようにポリイミドフィルムの表面に塗布した以外は各実施例と同様にして、カバーレイフィルムを得た。このカバーレイフィルムについて、UL94VTM−0規格に準拠して、難燃性グレードを測定した。UL94VTM−0規格を満足する難燃性を示した場合を○と評価し、前記カバーレイフィルムが燃焼した場合を×と評価した。
【0053】
5.高温プレス時のホスファゼン化合物のブリーディング
上記剥離特性測定用積層体の製造工程において、プレス条件を温度:180℃、圧力:50kg/cm2、時間:10分とした以外は同様にして、積層体を得た。プレス後におけるカバーレイフィルムの接着剤層からのブリーディングの有無を目視にて評価した。ブリーディングが認められた場合を「有り」と評価し、ブリーディングが認められなかった場合を「無し」と評価した。
【0054】
【表1】
表中の配合量を表す数値は重量部を意味する。*:(F)成分の代わりに配合したリン酸エステル系難燃剤の含有率を表す。
【0055】
<評価>
実施例1および2は、本発明の接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムであり、剥離特性、半田耐熱性、電気特性および難燃性に優れ、さらに、高温プレス時においても接着剤層からのブリーディング現象が認められなかった。
比較例1は、本発明の(F)成分の代わりにリン酸エステル系難燃剤を用いて調製された接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムであり、剥離特性、半田耐熱性および電気特性が劣り、さらに、高温プレス時において接着剤層からのブリーディング現象が認められた。
比較例2は、本発明の(F)成分を添加しないで調製された接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムであり、剥離特性、半田耐熱性および難燃性が劣っていた。
【0056】
【発明の効果】
本発明により、剥離特性、半田耐熱性、難燃性および電気特性に優れた、高温プレス時に添加剤のブリーディングが少ない、ハロゲン成分を含まないカバーレイフィルム、フレキシブル印刷配線板、ならびに、それらの製造に有用であり、硬化性に優れた接着剤組成物を得ることが可能になった。
さらに、硬化剤であるジシアンジアミドと、硬化促進剤であるイミダゾール触媒とを組み合わせることにより、得られる接着剤組成物は、より硬化性に優れたものとなった。
以上のように、本発明を適用することにより、カバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板の信頼性がより高くなるため、実用上、その利用価値は高い。
Claims (8)
- (A)リン含有エポキシ樹脂、
(B)リン非含有エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、
(D)硬化促進剤、
(E)カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
(F)ホスファゼン化合物、および、
(G)無機充填剤、
を含有してなる接着剤組成物。 - (C)成分の硬化剤がジシアンジアミドである請求項1に記載の接着剤組成物。
- (D)成分の硬化促進剤がイミダゾール触媒である請求項1または2に記載の接着剤組成物。
- (F)成分のホスファゼン化合物の、全有機樹脂成分および無機固形成分の合計に対する割合が、2〜20重量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- リン元素の全有機樹脂成分に対する割合が2〜5重量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 電気絶縁性フィルムと、該フィルム上に設けられた請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物からなる層と、該接着剤組成物からなる層を被覆する保護層とを有する被覆カバーレイフィルム。
- 前記電気絶縁性フィルムが、ポリイミドフィルムである請求項6に記載の被覆カバーレイフィルム。
- 電気絶縁性フィルムが請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物で接着されたカバーレイフィルムを有してなるフレキシブル印刷配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170218A JP2005002294A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 接着剤組成物、それを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170218A JP2005002294A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 接着剤組成物、それを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005002294A true JP2005002294A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34095080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003170218A Pending JP2005002294A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 接着剤組成物、それを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005002294A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316234A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-11-24 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 |
JP2007182469A (ja) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | Fujikura Ltd | エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板 |
WO2007100734A2 (en) * | 2006-02-23 | 2007-09-07 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | A halogen-free phosphorous epoxy resin composition |
US7524394B2 (en) * | 2005-04-13 | 2009-04-28 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Flame retardant adhesive composition, and adhesive sheet, coverlay film and flexible copper-clad laminate using same |
US20100108368A1 (en) * | 2007-03-20 | 2010-05-06 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | Resin composition for forming insulating layer of printed wiring board |
JP2013229578A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Taiyo Ink Mfg Ltd | 積層構造体、ドライフィルムおよび積層構造体の製造方法 |
EP2282622A4 (en) * | 2008-05-26 | 2015-12-09 | Mitsui Mining & Smelting Co | RESIN COMPOSITION FOR FORMING THE HAFT LAYERS OF A MULTILAYER FLEXIBLE PCB |
JP2020122034A (ja) * | 2019-01-29 | 2020-08-13 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170218A patent/JP2005002294A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316234A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-11-24 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 |
US7524394B2 (en) * | 2005-04-13 | 2009-04-28 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Flame retardant adhesive composition, and adhesive sheet, coverlay film and flexible copper-clad laminate using same |
JP2007182469A (ja) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | Fujikura Ltd | エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板 |
WO2007100734A2 (en) * | 2006-02-23 | 2007-09-07 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | A halogen-free phosphorous epoxy resin composition |
WO2007100734A3 (en) * | 2006-02-23 | 2007-11-22 | Du Pont | A halogen-free phosphorous epoxy resin composition |
EP2135885A4 (en) * | 2007-03-20 | 2012-08-01 | Mitsui Mining & Smelting Co | RESIN COMPOSITION FOR FORMING AN INSULATING LAYER OF PRINTED CIRCUIT BOARD |
US20100108368A1 (en) * | 2007-03-20 | 2010-05-06 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | Resin composition for forming insulating layer of printed wiring board |
US8431224B2 (en) * | 2007-03-20 | 2013-04-30 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | Resin composition for forming insulating layer of printed wiring board |
JP5704793B2 (ja) * | 2007-03-20 | 2015-04-22 | 三井金属鉱業株式会社 | プリント配線板の絶縁層構成用の樹脂組成物 |
EP2282622A4 (en) * | 2008-05-26 | 2015-12-09 | Mitsui Mining & Smelting Co | RESIN COMPOSITION FOR FORMING THE HAFT LAYERS OF A MULTILAYER FLEXIBLE PCB |
JP2013229578A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Taiyo Ink Mfg Ltd | 積層構造体、ドライフィルムおよび積層構造体の製造方法 |
US9497856B2 (en) | 2012-03-30 | 2016-11-15 | Taiyo Ink Mfg. Co., Ltd. | Laminated structure, dry film and method of producing laminated structure |
JP2020122034A (ja) * | 2019-01-29 | 2020-08-13 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4672505B2 (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2005248048A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2006316234A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
US7524563B2 (en) | Flame retardant adhesive composition, and adhesive sheet, coverlay film and flexible copper-clad laminate using same | |
JP2006328112A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2008088302A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着剤シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2006232985A (ja) | 非ハロゲン系接着剤組成物ならびにそれを用いたカバーレイフィルムおよび接着シート | |
JP2008291171A (ja) | 難燃性接着剤組成物、及びそれを用いたカバーレイフィルム | |
JP2002069270A (ja) | 難燃性非ハロゲンエポキシ樹脂組成物及びその用途 | |
JP2008111102A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着剤シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP5008536B2 (ja) | 接着剤組成物ならびにそれを用いたカバーレイフィルムおよび接着シート | |
JP2012097197A (ja) | 難燃性接着剤組成物、並びにそれを用いた接着シート及びカバーレイフィルム | |
JP2006328113A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2006328114A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2006342333A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2008201884A (ja) | 難燃性接着剤組成物、フレキシブル銅張積層板、カバーレイおよび接着剤シート | |
JP2005248134A (ja) | 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板 | |
JP2005002294A (ja) | 接着剤組成物、それを用いたカバーレイフィルムおよびフレキシブル印刷配線板 | |
JP2006169446A (ja) | 接着剤組成物およびカバーレイフィルム | |
JP2003105167A (ja) | 難燃性樹脂組成物とそれを用いた半導体装置用接着剤シート、カバーレイフィルム並びにフレキシブルプリント配線基板 | |
JP2004331783A (ja) | 難燃性接着剤組成物、フレキシブル銅張積層板、カバーレイおよび接着フィルム | |
JP3945642B2 (ja) | カバーレイ | |
JP2004059777A (ja) | 難燃性接着剤組成物及びフレキシブル銅張積層板とその関連製品 | |
JP2010254757A (ja) | ハロゲンフリーの難燃性エポキシ樹脂組成物及び難燃性接着剤組成物、並びにその接着剤組成物を用いたフレキシブル銅張積層板、カバーレイ、接着剤フィルム及びプリント配線板 | |
JP2003027028A (ja) | 接着剤組成物及びこれを用いたフレキシブル印刷配線用基板、カバーレイフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050223 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090407 |