JP2004538342A - 活性化合物を制御して放出するための化合物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、香料の分野に関する。特に、活性化合物を遊離できるエステルおよび近くに前記化合物の放出を容易にするカルバモイル官能基を有する担持カルバモイル/エステル部分を有する化合物に関する。本明細書は、前記化合物の使用ならびに前記化合物を含む組成物に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、香料の分野に関する。特に、活性化合物を遊離できるエステルおよび近くに前記化合物の放出を容易にするカルバモイル官能基を有する担持カルバモイル/エステル部分を有する化合物に関する。本明細書は、前記化合物の使用ならびに前記化合物を含む組成物にも関する。
【0002】
先行技術
工業では、例えば、揮発性でありすぎる香料成分を使用する場合に遭遇する問題を克服するために、一定期間にわたり活性化合物の長い効果が可能である化合物に特に関心がある。米国特許5649979には、特に、酵素、特にリパーゼの存在のような特定の活性条件下で、長い期間にわたり香料成分を遊離できる化合物が開示されている。これらの化合物は、種々の用途を有することができる。繊維の洗浄は特殊な分野であり、この分野では、洗浄および乾燥後に、芳香物質の効果を一定の期間で有効にするための絶え間ない追求があるである。このタイプの用途に特に適切であるフレグランスを有する多くの物質は、実は、洗濯物において粘着性を欠くか、または濯がれる時に、洗濯物に残留しないことが知られおり、その結果、これらの香料効果は短くだけ、かつ極めて弱くしか体験できない。香料工業におけるこのタイプの用途の重要性があるため、特に前記の問題に対する新規なおかつ効果的な解決法を見出す目的で、この分野での研究が続けられてきた。
【0003】
本発明の説明
意外にも、活性化合物を遊離できるエステル、および近くに外部の活性剤を用いることなく前記活性化合物の遊離を容易にするカルバモイル官能基を有するオリゴマーまたはポリマー担持カルバモイル/エステル部分を基礎とする、従来技術に記載されていないような新規化合物の存在が見出された。”活性”という用語は、ここでは周囲環境に利点または効果をもたらすことができる成分または物質、特に、香料効果、香味効果、昆虫駆除効果または昆虫誘引効果、殺菌または防カビ剤効果を意味する。例えば、”活性化合物”とは、ここでは、周囲環境に利点または効果をもたらすことができる場合によりエノールの形のアルコールまたはケトンまたはアルデヒド、特に香料、香味、昆虫駆除剤または昆虫誘引剤、殺菌剤または防カビ剤アルコールまたはケトンまたはアルデヒドを意味し、後者は、場合によりエノールの形である。
【0004】
本発明の化合物は、以下の式を有する:
【0005】
【化1】
[式中、
a)kは1または0を表し、
b)nは0〜4の整数を表し、
c)xは1〜50000の整数を表し、
d)x≧2の場合には、pは1または0を表し、またはx=1の場合には、pは1を表し、
e)x>1の場合には、mは1または2を表し、x=1の場合には、mは2〜4の整数を表し、またはMが樹状コアを表す場合には、mは2〜80の整数を表し、
f)R1は、水素原子を表し(n=0の場合)、50g/mol〜4500g/molから成る平均分子量を有するポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールから誘導される多価基(n+1価を有する)、または場合により置換されたC1〜C22−線状または分枝状アルキル、アルケニルまたはアルキルベンゼン基から誘導される多価基(n+1価を有する)であり、かつ前記基は、主鎖にカーボネート、エーテル、エステル、ケトン、アミン、第四アミンおよびアミドから成る群から選択される1〜10個の官能基を含有していてもよいが、但し、式(I)中の少なくとも2個のR1は、水素原子ではなく、
g)Qは、水素原子または式
【0006】
【化2】
(式中、波線は前記Q部分とNH基の間の結合の位置を示し、点線は、単結合または二重結合の位置を示し、
R2は、式R2OHの活性アルコールまたはエノールから誘導される基を示し、
R3、R4、R4’は、水素原子を表すか、または場合により置換され、かつ場合により1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20−線状または分枝状、飽和または不飽和の基を表すか、または前記R3、R4、R4’は、これらが結合する炭素原子と一緒になると考える場合には、芳香族または脂肪族単環、二環または三環の基を形成できるが、但し、式(I)中の少なくとも2個のQは、水素原子ではない)の基を表し、
h)Tは、水素原子またはハロゲン化物原子、スルフェートまたはスルホネート基、C1〜C10−エステル、アルキル、アルコラートまたはシアノアルキル基、カルボン酸またはN(R5)2基、および相応するC1〜C6−アルキル化された四級塩を表し、R5は、水素原子、またはC1〜C15−アルキル、アルケニルまたは芳香族基を表し、前記基は、場合により主鎖にエーテル、エステル、ケトン、アミン、第四アミンおよびアミドから成る群から選択される1〜5個の官能基を含有し、
i)Mは、0〜7世代の樹状コア、式A)の基を表すか、または”モノマー単位”の基を表すか、式B)〜G)のサッカリドおよびモノマー単位およびこれらの混合物から成る群:
【0007】
【化3】
{式中、式A)〜G)の細かい平行線は、前記の基A)〜G)とR1との間の結合の位置を表し、R5は前記の意味を表し、
wは、1または0であり、
yは、1〜12の整数を表し、
jは、2〜4の整数を表し、
zは、1〜5の整数を表し、
Wは、窒素または炭素原子を表すか、またはNR5、NR5 2、O、CO、OC(O)O、C(O)O、C(N)OまたはNC(O)N官能基を示し、
R6は、水素原子または酸素原子またはC1〜C15−アルキルまたはグリコール基を表し、
Uは、アミノ酸の側鎖を表し、かつ
Zは、式i)〜x)の官能基および式xi)〜xiii)の分枝単位およびこれらの混合物から成る群から選択される官能基:
【0008】
【化4】
(式中、細かい平行線は、前記の意味を表し、点線の矢印は、前記Zとモノマー単位の残りの部分との間の結合の位置を示し、かつ矢印は、前記ZとR1またはモノマー単位の残りの部分との間の結合の位置を示し、
R5は、前記の意味を表し、
z’は、0〜5の整数であるが、但し、Mが式C)またはD)の基を示す場合には、Zは式i)、iii)、v)、vii)およびix)の基を表さない)を表す}
から選択されるポリマー鎖の”モノマー単位”を表す]。
【0009】
式(I)の化合物中には、いかなる時も1個以上のQ基があると解釈され、よって、前記基のそれぞれは、同一であるか、または他のQ基と異なっていてもよい。同じことは、その他の記号k、n、m、x、p、M、TおよびR1にも当てはまる。
【0010】
R1、R3、R4、R4’またはR5の可能性のある置換基である基は、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基またはポリグリコール基、芳香族基またはアルキル芳香族基、アミンおよび特に第四アンモニウム官能基、アミド、ジアルキルアミド、SO3HまたはOSO3H基、N−オキシドまたはカルボン酸基(carboxylic group)である。有利には、置換基は、ポリエチレンまたはプロピレングリコール、ポリサッカリド、スルホネートおよび第四アンモニウム官能基、例えば、式xiv)〜xvi):
【0011】
【化5】
(式中、太線は前記R1、R3、R4、R4’またはR5基への結合を示す)
を有する群から選択される。
【0012】
式(I)の有利な化合物は、次のものである:
− k、n、x、pおよびmが上記の意味を有し、
− R1が50g/mol〜1200g/molから成る平均分子量を有するポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールから誘導される多価基を表すか、または場合により、主鎖にカーボネート、エステル、エーテル、カルボニルまたはアミンから成る群から選択される1個または2個の官能基を含有する線状または分枝状のC1〜C12−多価アルキル基を表し、
− Qが場合により置換されたフタル酸またはマレイン酸誘導体から得られる基を表し、かつ式R2OHの活性アルコールまたはエノールを表し、
− Tが水素原子、N(R5)2基、C1〜C5−アルキル、アルコラート、シアノアルキルまたはエステル基、スルホネートまたはスルフェート基を表し、かつ
− Mが0〜5世代の樹状コア、サッカリドまたは式A)(式中、j=2およびWは、酸素原子またはNR5またはNR5 2基を表す)、B)、C)、E)およびF)またはこれらの混合物から成る群から選択される”構成ブロック”を表し、かつ前記式中、w、y、z、R5、R6、UおよびZは前記の意味を有する。
【0013】
より有利には、式(I)の化合物中、k、n、x、p、m、R1、QおよびTは、上記の意味を有し、かつMは、次の群から選択される基を表す:
− ポリアルキルイミンデンドリマー、グリコアミンデンドリマー、アミノ酸(例えば、リシン)デンドリマー、混合アミノ/エーテルデンドリマーおよび混合アミノ/アミドデンドリマーの群から選択される0〜5世代の樹状コア、
− グルコース、グルコサミン、セルロース、アミロース、マンヌロン酸またはグルロン酸の群から選択されるサッカリド誘導体、
− j=2かつWは酸素原子またはNR5またはNR5 2基を表す式A)の基、
− アクリル酸誘導体(例えば、アクリル酸またはアクリルアミド誘導体)またはスチレン誘導体(例えば、ビニルベンジルクロリド、ビニル安息香酸、またはビニルアニリン誘導体)を表す式B)の基、
− エチレンイミンまたはプロピレンアミン誘導体を表す式E)の基、かつ
− リシン、セリン、トレオニンまたはチロシンを表し、かつその際、式A)、B)およびE)のうち、記号R5、R6、wおよびyは、上記の意味を有し、R5は、水素原子またはC1〜C3−基を表す式F)の基。
【0014】
式(I)の他の有利な化合物は、Qが上記の意味を有し、かつ(T)p−[M−((R1)k−(NH)n)m]x−(T)p部分が次の群から選択される化合物のうち1つから誘導される基を表すものである:
− ポリアミドアミンデンドリマー、ポリアルキルアミンデンドリマー、より有利にはポリプロピレンイミンデンドリマー、例えば、Dendritech Inc.社からPAMAM Starburst(R)の商品名で、またはDSM社からASTRAMOL(R)の商品名で入手可能なもの;
− 少なくとも2個のNH2基を含有するキトサン、ポリアミノアルギネートまたはセルロース、シクロデキストリンまたはデンプン誘導体、例えばCarbomer社から市販されているもの;
− ポリアルキレンイミン、例えば、BASF社からLupasol(R)の商品名で、Clariant社からSternamines(R)の商品名で、またはMitsibushi社からJeffamine(R)の商品名で市販されているポリ越レンイミン;および
− ポリエチレン、例えば、ポリ−DL−シリン;
ここで、(T)p−[M−((R1)k−(NH)n)m]x−(T)p部分の記号k、n、x、pおよびmは上記の意味を有する。
【0015】
さらに、Q、R1、k、n、x、pおよびmが上記の意味を有し、かつ(T)p−[M]x−(T)p部分が、ポリスチレン、架橋ポリスリレン、例えば、メリフィールド樹脂、またはアクリル酸もしくはメタクリル酸を基礎とするポリマー、またはアクリル酸もしくはC1〜C4−アルコールのアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルを基礎とするポリマーの群から選択される化合物のうち1つから誘導される基を表す、本発明の化合物も有利である。選択的に、(T)p−[M]x−(T)p部分は、セルロースまたはアミノ酸、例えば、セルロースまたはアミノ酸を基礎とする天然繊維、例えば、綿、リネン、シルク、ビスコースまたは紙から誘導されるポリマーを表す。
【0016】
式(I)の化合物は、市販の化合物から通常の方法により合成することができる。一般的には、本発明の化合物は、以下の工程を含む方法により得ることができる:
a)二酸または無水物、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸または無水グルタル酸または酸と、式R2OHの活性化合物を反応させて、エステル結合およびカルボン酸官能基を含有する誘導体を形成し、
b)工程a)で得られたカルボン酸官能基を変換して、塩化アシルまたはフッ化アシルまたは混合無水物にし、かつ
c)工程b)で得られた誘導体を、上記のような式T−[M−((R1)k−(NH2)n)m]x−Tの化合物の第一アミノ官能基と反応させるか、または二者択一的に
d)工程b)で得られた誘導体を、上記のようなポリマー骨格Mのモノマー前駆体の第一アミノ官能基と反応させ、かつ
e)標準の方法により、工程d)で得られた化合物を重合する。
【0017】
このアプローチの1例は、以下のスキームで説明される:
【0018】
【化6】
【0019】
本発明の化合物は、2つの主要部分であるキャリア部分(T)p−[M−((R1)k−)m]x−(T)pと放出部分(release moiety)NHQから成る。
【0020】
キャリア部分(T)p−[M−((R1)k)m]x−(T)pは、実質的に、これに結合する数個の放出単位NHQを支持する役割をする。しかし、本発明の化合物が表面での付着を含む用途を意図する場合には、前記キャリア部分は、式(I)の化合物の効果的付着および表面実質性(surface substantivity)、とりわけ織物において重要な役割をすることもできる。効果的付着における前記の役割は、キャリア部分の特異的な化学特性に応じ、かつ当業者に周知である。
【0021】
R1の性質は、活性化合物R2OH、例えばアルコールの放出速度論の細かなチューニングにおいても重要な役割をする。一般的には、第一アルコールは、第二アルコールまたは第三アルコールよりも迅速に放出されるが、しかし、R1の適切な選択により、活性カルコール放出速度を相当に影響させることができる。事実、R2OHの放出は、鎖長、主鎖上のヘテロ原子の数、または前記R1基の分枝度により多少なりとも速く実施される。
【0022】
本発明の特別な特徴は、放出部分NHQの構造にある。この特殊構造のおかげで、活性化合物の遊離を引き起こすエステル基の加水分解が、エステル官能基に隣接する求核基であるCONH−R1により補助される。この補助は、全く予想外の利点であった。すなわち、これは、以下のスキームに示されるように、中性またはアルカリ条件下での加水分解により、エステル結合の開裂を可能にする。
【0023】
【化7】
【0024】
このようなpHの変化は、例えば、繊維の洗濯サイクルの通常の状態であり、その際、pHは、洗濯サイクルの間に、酸性媒体に相当する値から中性または塩基性媒体に相当する値まで変化させてもよく、従って、本発明による化合物が加水分解工程の実施を可能にする。
【0025】
さらに、当然ながら反応を熱の存在で触媒してもよい。これは、例えば、洗濯物が特に電気乾燥機中で乾燥された形、またはアイロン、特にスチームアイロンがけされた形の場合である。加水分解反応は、活性化合物R2OH(ここで、R2は、上記の意味を有し、かつ初めの前駆体の残基、イミドである)の遊離を導く。前記残基は、一般的に、かつ有利に不活性である。すなわち、R2OHが芳香化合物である場合には無臭である。
反応は、先行技術に記載されているリパーゼのような他の外部薬剤を必要としない。
【0026】
上記のように、本発明の化合物は式R2OHの発香性化合物、すなわち、香料製造業で一般的に使用されているケトンまたはアルデヒドから生じる香料アルコールまたはエノールを放出することができる。近年公知の、本発明により使用可能な式R2OHの発香性化合物の徹底的なリストは提供できないが、以下のものが例として挙げられる:
a)アルコールとして:オイゲノール、2−シクロヘキシル−1−プロパノール、1−デカノール、ゲラニオール、ネロール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、シトロネロール、1−ドデカノール、エチルバニリン、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ヘキサノール、ピポール、ベゼトール(vegetol)、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(vanilline)、4−(4−ヒドロキシ−1−フェニル)−2−ブタノン(raspberry ketone)、7−p−メタン−1−オール(Mayol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、アニスアルコール、グアイアコール、2−メトキシ−2−フェニル−1−エタノール、イソオイゲノール、シクロメチレン、シクロネロール、2−メチル−4−フェニル−1−ペンタノール、2−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、6−ノネン−1−オール、2,6−ノナジエン−1−オール、1−オクタノール、2−フェノキシ−1−エタノール、1−フェニル−1−エタノール、2−フェニル−1−エタノール、2−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、ケイ皮アルコール、サリシレート、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、ファルネソール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−ウンデカノール、10−ウンデカノール−1−オール、パッショーネ(patchone)、2−tert−ブチル−4−メチル−1−シクロヘキサノール(rootanol)、6,8−ジメチル−2−ノナノール、4,8−ジメチル−7−ノネン−2−オール、(E)−3,3−ジメチル−5−(2',2',3'−トリメチル−3'−シクロペンテン−1'−イル)−4−ペンテン−2−オール(Polysantol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、エチル3−ヒドロキシヘキサノエート、5−エチルー2−ノナノール、ダルタノール(dartanol)、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、1−(4−イソプロピル−1−シクロヘキシル)−1−エタノール、メタノール、8−p−メンテン−2−オール、イソプレゴール、7−メトキシ−3,7−ジメチル−2−オクタノール、2−メトキシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノール(Tarragol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、4−メチル−3−デセン−5−オール(製造元:Givaudan SA, Geneva, Switzerland)、1−(4−メチルフェニル)−1−エタノール(メチルパラトリルカルビノール)、4−メチル−1−フェニル−2−ペンタノール、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,2,6,8−テトラメチル−1−ナフタレノール、3ーメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール(製造元:Givaudan SA, Geneva, Switzerland)、2−オクタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール(kohinol)、2−ペンチル−1−シクロペンタノール(シクロペントール)、4−フェニル−2−ブタノール、4−フェニル−3−ブテン−2−オール、1−フェニル−2−ヘキサノール、1−フェニル−2−ペンタノール、1−フェニル−2−プロパノール、リンバノール(limbanol)、フェンコール、ブルエノール、3−(5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプチ−2−イル)−1−シクロヘキサノール(Sandela(R);Givaudan)、ベバノール(vebanol)、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテノール(β−イオノール)、α−イオノール、ノルリンバノール(norlimbanol)、2−ウンデカノール、3−ベンジル−3−ペンタノール、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール(製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、エチルリナロール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール(リナロール)、3,7−ジメチル−3−オクタノール(テトラヒドロリナロール)、2,6−ジメチル−2−オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール(ジヒドロミルセノール)、ヒドロキシシトロネラール、8−p−メタノール、ターピネノール、α−ターピネオール、メチル−4−フェニル−2−ブタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、2−(4−メチルフェニル)−2−プロパノール、ペルヒドロ−4,8a−ジメチル−4a−ナフタレノール(geosmin)、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール(Florol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、リナリルオキシド、2,6,10,10−テトラメチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−6−オール(spiranol)、2,6,6,8−テトラメチル−トリシクロ[5.3.1.0(1,5)]ウンデカン−8−オール(cedrenol)、ネロリドールおよびピナノール;
b)エノールを提供しやすいアルデヒドとして:シトラール、シトロネラル、カンホレンアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、ヘキシルケイ皮アルデヒド、ホルミルピナン、ヒドロキシシトロネラル、クミンアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、Lilial(R) [3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパノール;製造元:Givaudan-Roure SA, Vernier, Switzerland)]、Lyral(R) [4−および3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:International Flavors & Fragrances, USA]、Bourgeonal(R) [3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール;製造元:Quest International. Naaden, Netherlands]、ヘリオプロパナル[3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナール;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)]、ツエストバー(Zestover)(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland))、Trifernal(R) (3−フェニルブタナール;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、α−シネンサル、(4−メチルフェノキシ)アセトアルデヒド、1,3−ベンゾジオキソールー5−カルボキシアルデヒド(heliotropine)、Scentenal(R) [8(9)−メトキシ−トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン−3(4)−カルバアルデヒド;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)]、Liminal(R) [(4R)−1−p−メンテン−9−カルバアルデヒド;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、シクロサル[3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、オルト−およびパラ−アニスアルデヒド、3−メチル−5−フェニルペンタナール、Acropal(R) [4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:Givaudan-Roure SA, Vernier, Switzerland]、Intreleven(R) アルデヒド(10−ウンデセナールと9−ウンデセナールの混合物;製造元:International Flavors & Fragrances, USA)、マゲットアルデヒド[(3,7−ジメチル−6−オクテニル)アセトアルデヒド;製造元:International Flavors & Fragrances, USA]、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、Precyclemone(R) B [1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;International Flavors & Fragrances, USA]およびIsocyclocitral(R) (2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:International Flavors & Fragrances, USA);
c)エノールを提供しやすいケトン:カンファー、カルボン、メントン、イオノン、イロン、ダマスセネス(damascenones)およびダマコネス(damacones)、ベンジルアセトン(4−フェニル−2−ブタノン)、1−カルボン、4−(4−ヒドロキシ−1−フェニル)−2−ブタノン(raspberry ketone)、Hedione(R) (メチルジヒドロジャスモネート;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、ネオブテノン[1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、Calone(R) (7−メチル−2H、4H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン;製造元:C.A.L. SA, Grasse, France)、Sulfox[(1R,4R)−8−メルカプト−3−p−メンタノン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、Orivone(R) [4−(1,1−ジメチルプロピル)−1−シクロヘキサノン;製造元: International Flavors & Fragrances, USA]、デルフォン(2−ペンチル−1−シクロペンタノン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、2−ナフラレニル−1−エタノン、ベロウトン(Veloutone)(2,2,5−トリメチル−5−ペンチル−1−シクロペンタノン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、4−イソプロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、Iso E Super(R) [1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−tetrame−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:International Flavors & Fragrances, USA]、Plicatone[5−メチル−エキソトリシクロ[6.2.1.0(2.7)ウンデカン−4−オン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerlandの混合異性体];および大環状ケトン、例えば、Exaltone(R) (シクロペンタデカノン)、デルタ−ムセノン(3−メチル−4−シクロペンタデセン−1−オンと3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンの混合物)およびムスコン(3−メチル−1−シクロペンタデカノン)、全てFrimenich SA, Geneva, Switzerland社製。
【0027】
本発明による化合物は、活性化合物、特にフレグランス成分の有利な前駆体であることが判明した。前記のように、これらの主要な利点は、一方では、外部薬剤を必要としないことであり、他方で、エステル結合の加水分解反応を上記のように基R1の選択により力学的見地からコントロールできることである。これらの挙動は、本発明による系を多くの可能性のある用途の要求に適応させ、かつ明白な利点を示すことができるようにする。
【0028】
さらに、これらの化合物は、一般的には表面上、特に洗濯物において優れた耐久力または粘着性を有し、特に機能的香料製造と関連する用途に関して、これらを極めて安定な前駆体にする。このような形で粉セッケンまたは洗剤のような製品中に存在する香料成分は、僅かな耐久力しかなく、その結果、例えば機械洗浄の間にすすぎ水中で頻繁に取り除かれてしまう。逆に言えば、本発明による化合物は、その実質性(substantivity)および発香化合物のコントロールされた遊離ゆえに、すすぎ工程および乾燥工程を越えても良好に持続するフレグランスおよび新鮮さを洗濯物に与えることができる。
【0029】
従って、式(I)の化合物は、香料用途に意図された組成物と有利に関連するであろう。従って、式(I)の化合物を有する香料組成物または着香された商品もまた、本発明の対象である。
【0030】
従って、本発明による化合物は、上記のような発香成分の迅速または延長した遊離の効果を必要とするどのような用途にも用いることができる。これらは、特に機能性香料工業、とりわけ繊維を処理する液体または固体洗剤および/または織物柔軟剤のような用途において使用できる。本発明の主要な利点の1つは、この化合物が、発香化合物によって生じる強いフレグランスを洗濯物に与えるという事実にあるが、このことは、アルコールがそのまま使用された場合、すなわち前駆体が無い場合には、十分に長い期間にわたり洗濯物において検出することができないであろう。
【0031】
本発明による化合物は、全てのタイプの組成物中、例えば、洗剤または柔軟剤ベース中で洗濯用香料成分として使用できる。必要な場合には、より強力な媒体、例えば、洗剤のような塩基性媒体中で、式(I)の化合物を例えばカプセル封入することにより早期分解から保護しなくてはならないこともある。
【0032】
有利な香料組成物または着香された製品は、pH7未満を有する織物柔軟剤であり、この中でこれらの化合物はより安定である。
【0033】
本発明の化合物を組込むことができる繊維洗剤または柔軟剤組成物の一般的な例は、前者に関してはWO 97/34986に、後者に関しては米国特許第4137180号明細書および第5236615号明細書またはEP 799885に記載されている。使用可能な他の一般的な洗剤および柔軟剤組成物は、Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry, vol. A8、315〜448ページ(1987)およびVol. A25、747〜817ページ(1994); Flick, Advanced Cleaning Product Formulations, Noye Publication, Park Ridge, New York Jersey (1989); Showell, in Surfactant Science Series, vol. 71; Powdered Detergents, Marcel Dekker, New York (1988); Proceedings of the World Conference on Detergents(4th, 1998, Montreux, Switzerland), AOCS print.のような論文に記載されている。
【0034】
当然ながら、本発明による化合物の使用は上記の製品に限定されることはない。これらの化合物は、香料工業で一般的な別の用途全般、すなわちセッケンおよびシャワーまたはバスジェル、アフターシェービング用品、衛生用品またはシャンプーなどのヘアケア製品、例えば、シャンプーまたはコンディショナーならびにデオドラントおよびエアーフレッシュナーおよび化粧品の着香に同様に好適である。
【0035】
化合物は、家庭用または工業用であるような応じて、種々の表面を洗浄またはクリーニングするための洗剤組成物またはクリーニング製品のような用途において使用できる。
【0036】
これらの用途において、前記化合物は単独でも、一緒に混合した形または香料工業で通常使用される他の香料成分、溶剤または添加剤との混合物として使用できる。これらの補助成分の性質およびタイプについては、いずれにせよ網羅できるものではなく、当業者は、その一般知識に基づいて着香すべき製品の性質および所望の発香効果により、これらを選択することができると思われるため、ここで詳説することはしない。これらの香料成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素含有複素環および硫黄含有複素環化合物および天然または合成起源の精油のような種々の化学的クラスに属する。これらの成分の多くは、いずれにせよ、S. Arctanderによる書物, Perfume and Flavor Chemicals(1969, Montclair, New Jersey, USA)またはその最新版、あるいは他の同様の書物、またはこの分野で通常入手可能な専門特許文献のような参考文献に掲載されている。
【0037】
前記の種々の製品に組み込むことができる本発明による化合物の割合は、広い値の範囲で変化する。これらの値は、着香すべき商品または製品の性質および所望の臭覚効果に依存し、ならびに本発明による化合物を従来技術で通常使用されている香料補助成分、溶剤または添加剤と混合する場合には、所定の組成物中の補助成分の性質に応じる。
【0038】
例えば、一般的な濃度は、前記化合物が組み込まれる組成物の質量に対して、これらの化合物0.1質量%〜10質量%のオーダー、またはむしろそれ以上である。これよりも低い濃度は、これらの化合物が、上記の種々の消費製品の着香において直接使用する場合に使用することができる。
【0039】
本発明の化合物により発揮することできる着香効果の特別な記載がなされてきたが、同じ原則は、香味または衛生化合物の放出を目的とする本発明の同様の化合物にもあてはまり、芳香化合物は香味または衛生化合物と置き換えられる。”衛生化合物”という用語は、ここでは、ある種の昆虫、例えば、イエバエまたは蚊に対して誘引または駆除効果をはたらく物質、または殺カビ、殺菌または静菌活性を有することができるものを意味する。従って、式(I)の香味、昆虫駆除または誘引剤、殺カビ剤または殺菌剤前駆体、またはこれらを含有する組成物、商品または製品を有することができる。前記の用途で、これらは単独でまたは一緒に混合した形または各々の分野で通常使用される他の活性成分、溶剤または添加剤と混合した形で使用することができる。
【0040】
このような薬剤の混合物を使用できることは説明するまでもない。
【0041】
本発明は、表面で活性化合物の拡散効果を補強または延長する方法にも関し、前記表面は式(I)の化合物と接触することに特徴づけられる。有利には、前記表面は繊維であり、かつ式(I)の化合物は、洗剤および/または織物柔軟剤に含有されている。
【0042】
本発明の他の対象は、式(I)の化合物の活性成分、例えば、着香成分としての、または活性アルコール、ケトンまたはアルデヒドまたはこれらの混合物を遊離できる前駆体としての使用である。
【0043】
上記の用途および使用方法とは別に、式(I)の化合物の幾つかは、活性繊維(active fiber)として使用することもでき、これは、例えば活性紙(active paper)または布地の製造に有効である。ここでの“活性繊維”とは、周囲環境に、利点または効果をもたらすことができる繊維を意味し、特に香料、昆虫駆除剤または誘引剤、殺カビ剤、殺菌剤の形を意味する。
【0044】
事実、これは(T)p[M]x(T)p部分がセルロースまたはアミノ酸から誘導されるポリマーまたは繊維、例えば、綿、リネン、シルク、ビスコースまたは紙を表す場合である。このような場合には、活性化合物前駆体は、(R1)k(NHQ)n部分が化学結合した繊維自体である。従って、繊維は、上記の用途の洗剤の場合のように、洗濯サイクルのような付加的な処置をしなくても所望の利点を与えることができる。
【0045】
従って、活性化合物R2OHは、繊維の使用において、例えば、汗のような不快な臭いを打ち消すために遊離させることができる。このような繊維または紙は、例えば、エアーフレッシュナーまたは昆虫駆除剤または昆虫誘引剤パッドとしても有効である。
【0046】
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、省略語は、この分野で一般的な意味を有し、温度は、摂氏(℃)で表され、NMRスペクトルデータは、1Hについては、CDCl3中、360MHzで記録され、13Cについては90.6MHzで記録された(特記されない限り)、化学変位(chemical displacement)δは、標準物としてのTMSに関してppmで示され、カップリング定数Jは、Hzで示され、かつ全ての略語は、この分野で一般的な意味を有する。UV/Visスペクトルは、Perkin-Elmer Lambda 14測定器により記録し、IRスペクトルは、Perkin-Elmer 1600 FTIR分光計により記録した。
【0047】
市販されている試薬および溶剤は、特記されない限りはさらに精製せずに使用した。反応は、N2下に、標準のガラス器具中で行った。カラムクロマトグラフィー:SDS社のSilica gel 60 A(35〜70ミクロン)。HPLC分析は、オンライン真空脱ガス剤、SpectraSystem P4000 quaternary pump、20℃でサーモスタット調節されたSpectra System AS 3000 autosamplerおよびSEDERE Sedex 55蒸発光散乱検出器と組み合わされたSpectra System UV 6000 LPダイオードアレー検出器から成るThermo Separation Products装置において実施した。以下に記載された非変性および変性ポリマーのNH2基の量(mmol/g樹脂で)を、文献(B. F. Gisin, Anal. Chim. Acta 1972, 58, 248〜249頁)に記載されているギシン試験(Gisin test)を使用することにより決定した。デンドリマーおよびそれらの誘導体は、G. R. Baker and J. K. Young in Advances in Dendritic Macromolecules, 第1巻、1994、G. R. Newcome (Ed.), JAI Press Inc. Greenwich, Connecticut, USAにより命名された。
例1
(6E,11Z,19Z,24E)−2,6,25,29−テトラメチル−9,22−ジオキサ−14,17−ジアザ−2,6,11,19,24,28−トリアコンタ−ヘキサン−10,13,18,21−テトロンの製造
【0048】
【化8】
【0049】
ゲラノール(3.08g、20mmol)および無水マレイン酸(1.98g、20mmol)をCH2Cl2 40ml中に溶解した。トリエチルアミン(3ml、20mmol)を添加し、かつ反応混合物物を室温で一晩撹拌した。形成されたモノゲラニルマレエートをそのままで次の工程で使用した。トリエチルアミン(3ml、20mol)を反応混合物に添加し、かつ温度を−20℃まで下げた。ピバロイルクロリド(2.66g、22mmol)を滴加し、かつ反応混合物を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2 20ml中の1,2−エチレンジアミン(0.70ml、10mmol)を45分間の間、滴加した。反応混合物をさらに3.5時間撹拌した。次に、得られた溶液をKHSO4(5%)水溶液を使用して酸性化しておいた。有機相を水で3回洗浄し、NaSO4上で乾燥させ、かつ濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル3:7)により、油1.43g(収率=14%)が得られた。
【0050】
【化9】
例2
a)1−ベンジルブチル水素フタレートの製造
無水フタル酸4.85g(32.7mmol)を、1−フェニル−2−ペンタノール5.38g(32.7mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.40g(3.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミノ(DIEA)4.23g(3.3mmol)含有のCH2Cl2 70ml中に少しずつ添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次に水性KHSO4(5%)100ml上に注ぎ、水性KHSO4(5%)50mlで抽出し、かつ塩水50mlで3回抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濃縮して僅かに黄色い油9.94g(収率=97%)が得られ、これをゆっくり晶出した。
【0051】
【化10】
b)(±)−ビス(1−ベンジルブチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエートの製造
【0052】
【化11】
【0053】
CH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.35g(3,2mmol)を5分間滴加する前に、CH2Cl2 10ml中の1−ベンジルブチル水素フタレート1.00g(3.2mmol)およびトリエチルアミン0.65g(6.4mmol)の溶液を0℃まで冷却した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次にCH2Cl2 5ml中の3,3’−メチルアミノ−ビス(プロパンアミン)0.21g(1.4mmol)を添加した。最後に、さらにCH2Cl2 2ml中のエチルクロロホルメート0.05g(0.5mmol)を10分後に添加し、続いてCH2Cl2 3ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.12g(1,3mmol)を15分後に添加した。この混合物を0℃で15分間撹拌し続け、次に水性KHSO4(5%)および氷り50mlに注ぎ、CH2Cl2 50mlで抽出した。有機相を水性KHSO4(5%)50mlで10回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮し、かつ高真空下で乾燥させて白色固体1.11g(収率=99%)が得られた。
【0054】
【化12】
例3
a)(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレートの製造
水素化カリウム8.0g(油中20%、39.9mmol)をペンタンおよびTHFで洗浄した。次に新たなTHF10mlを添加し、かつTHF10ml中の2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール5g(33.3mmol)を15分間滴加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。引き続き、反応混合物を、THF200ml中の無水フタル酸4.93g(33.3mmol)、DIEA 4.30g(33.3mmol)およびDMAP0.40g(3.3mmol)の機械的に撹拌された溶液に15分間にわたり滴加した。導入の終わりに、別のTHF50mlを添加し、反応混合物を50℃まで加熱し、室温まで1時間の間冷却した。反応混合物を、氷り300mlおよび水性KHSO4(5%)200mlの撹拌混合物に注いだ。エーテル200mlを添加し、かつ有機相を水性KHSO4(5%)100mlで2回抽出し、かつ塩水で3回抽出した。飽和NaHCO3水溶液100mlでの抽出(2回)、KHSO4 25gを用いる水相の処理、エーテル100mlでの2回の再抽出、水性KHSO4(5%)50mlでの2回の洗浄、乾燥および濃縮により、白色結晶7.42g(収率=75%)が得られた。
【0055】
【化13】
b)ビス(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエーの製造
【0056】
【化14】
【0057】
この化合物は、例2bに記載されているように、CH2Cl2 20ml中の(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレート1.00g(3.4mmol)、トリエチルアミン0.68g(6.7mmol)、CH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.36g(3.4mmmol)、CH2Cl2 5ml中の3,3’−メチルアミノ−ビス(プロパンアミン)0.21g(1.4mmol)および更にCH2Cl2 1ml中のエチルクロロホルメート0.06g(0.5mmol)に続いて、CH2Cl2 3ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.12g(1.3mmol)を用いて合成して、僅かに黄色い固体1.03g(収率=97%)が得られた。
【0058】
【化15】
例4
ビス(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)2,2’−(1,11−ジオキソ−2,10−ジアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエートの製造
【0059】
【化16】
【0060】
この化合物は、例2bに記載されているように、CH2Cl2 20ml中の(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレート(例3aに記載されているように製造)2.00g(6.7mmol)、トリエチルアミン1.35g(13.4mmol)、CH2Cl2 10ml中のエチルクロロホルメート0.73g(6.7mmmol)、CH2Cl2 10ml中の1,7−ジアミノヘプタン0.39g(3.0mmol)および更にCH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.11g(1.0mmol)に続いて、CH2Cl2 5ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.11g(1.2mmol)を用いて合成した。この混合物を15分間撹拌し続け、次に水性KHSO4(5%)50ml中に注ぎ、1時間撹拌し、かつCH2Cl2 30mlで抽出した。有機相を水性KHSO4(5%)20mlで6回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、かつ高真空下で乾燥させた。逆相RP C4シリカゲル(Vydac (R))50gにおける水/アセトニトリル1:1、次に単にアセトニトリル(両方ともTFA0.1%を含有する)を用いて粗製反応生成物をプラグ濾過(plug filtration)し、高真空下で乾燥した後に、高度に粘性の黄色い油1.36g(収率=29%)が得られた。
【0061】
【化17】
例5
a)(±)−(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)水素フタレートの製造
水素化カリウム8.74g(油中20%、43.6mmol)をペンタンおよびTHFで洗浄した。次に、THF20mlを添加し、かつTHF10ml中のリナノール6.17g(40.0mmol)を15分間の間滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に、THF250ml中の無水フタル酸5.40g(36.4mmol)、DIEA 4.70g(36.4mmol)およびDMAP 0.44g(3.6mmol)の機械的に撹拌された溶液に15分間の間滴加し、次に反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を、氷り300ml上に注ぎ、かつ水性KHSO4(5%)400mlを添加し、かつエーテル300mlで抽出した。水相をエーテル100mlで再抽出した。合わされた有機相を水性KHSO4(5%)100mlで洗浄し、濃縮し、かつエーテル50中に取った。次に溶液をNaHCO3(5%)水溶液20mlで処理し、かつ塩水20mlで2回洗浄した。Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、僅かに橙色の油10.63g(収率=91%)が得られた。
【0062】
【化18】
b)(±)−ビス(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエートの製造
【0063】
【化19】
【0064】
この化合物は、例2bに記載されているように、CH2Cl2 10ml中の(±)−(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)水素フタレート0.20g(0.66mmol)およびトリエチルアミン0.14g(1.39mmol)、CH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.075g(0.69mmmol)、CH2Cl2 5ml中の3,3’−メチルアミノ−ビス(プロパンアミン)0.090g(0.62mmol)および更にCH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.011g(0.1mmol)に続いて、20分後にCH2Cl2 3ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.050g(0.55mmol)を用いて合成した。この混合物を0℃で10分間撹拌し続け、次に水性KHSO4(5%)20ml中に注ぎ、室温で1時間撹拌した。有機相を水性KHSO4(5%)50mlで10回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、かつ高真空下で乾燥させ、化合物0.14g(収率=32%)が得られた。
【0065】
【化20】
例6
a)1,1ージメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエートの製造
CH2Cl2 5ml中のフッ化シアヌル1.60g(12.1mmol)を10分間で添加する前に、CH2Cl2 25ml中の(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレート(例3aに記載のように製造)3.00g(10.1mmol)およびピリジン0.80g(10.1mmol)の溶液を−20℃まで冷却した。反応混合物を−20℃で30分間撹拌し、次に室温で1時間撹拌し、濾過し、かつジクロロメタン20mlで濯いだ。濾液を水60mlで洗浄した。水相をCH2Cl2 20mlで2回抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン/エーテル 4:1)および乾燥(0.2mbar、30分間)により、僅かに黄色い油2.37g(収率=78%)が得られた。
【0066】
【化21】
b)デンドリマー4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:N−(2−[1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミンの製造
【0067】
【化22】
【0068】
ジクロロメタン2ml中のデンドリマー4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:プロピルアミン(Astramol(R)−Am−4、製造元:DSM)0.077g(0.24mmol)の溶液を、ジクロロメタン6ml中の新たに製造した1,1−ジメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエート0.35g(1.17mmol)およびトリエチルアミン0.235g(2.33mmol)の撹拌溶液に5分間の間、0℃で滴加した。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温まで加熱し、かつ水性KHSO4(5%)10mlで抽出した。水相をCH2Cl2 5mlで2回再抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥した。カラムクロマトグラフィー(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1、TFA0.1%含有)および高真空下での乾燥により、表題化合物0.163g(収率=47%)が得られた。
【0069】
【化23】
例7
デンドリマー8−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:1−アザブチリジン:N−(2−[(1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミンの製造
【0070】
【化24】
【0071】
ジクロロメタン10ml中のデンドリマー8−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:1−アザブチリデン:プロピルアミン(Astramol(R)−Am−4、製造元:DSM)0.36g(0.47mmol)の溶液を、ジクロロメタン20ml中の新たに製造した1,1−ジメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエート(例6a参照)1.34g(4.46mmol)およびトリエチルアミン0.90g(8.92mmol)の撹拌溶液に室温で10分間の間滴加した。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を水性KHSO4(5%)および氷り50ml中に注ぎ、かつCH2Cl2 20mlで抽出した。水相をCH2Cl2 20mlで再抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥した。カラムクロマトグラフィー(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1、次に単にアセトニトリル、両方ともTFA0.1%含有)および高真空下での乾燥により、表題化合物0.40g(収率=28%)が得られた。
【0072】
【化25】
例8
デンドリマー16−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:1−アザブチリジン)2:N−(2−[(1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミンの製造
【0073】
【化26】
【0074】
この化合物は、例7に記載されているように、ジクロロメタン10ml中のデンドリマー16−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:(1−アザブチリジン)2:プロピルアミン(Astramol(R) −Am−16、製造元:DSM)0.33g(0.20mmol)、ジクロロメタン20ml中の新たに製造した1,1−ジメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエート1.05g(3.50mmol)およびトリエチルアミン0.71g(6.99mmol)を用いて合成した。反応混合物を水性KHSO4(5%)30ml中に注ぎ、抽出し、かつNa2SO4上で乾燥させた。生成物フラクションに、KHSO4 0.015gを添加しながら、MPLC(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1、次に1:4、TFA0.1%含有)、濃縮および凍結乾燥後に、白色固体0.19g(収率約15%)が得られた。
【0075】
【化27】
例9
a)(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル水素フタレートの製造
ジクロロメタン130ml中のゲラニオール10.0g(64.9mmol)、無水フタル酸9.6g(64.9mmol)、DIEA 8.4g(64.9mmol)およびDMAP 0.8g(6.5mmol)の溶液を室温で5時間撹拌した。この反応混合物を水性KHSO4(5%)で抽出し、水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ濃縮して、モノフタレート17.5g(89%)が淡黄色油として得られた。
【0076】
【化28】
b)2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネートの製造
エチルクロロホルメート(3.59g、1当量)を、ジクロロメタン60ml中の(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル水素フタレート10g(33mmol)およびトリエチルアミン4.5ml(1当量)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に、水性KHSO4(5%)および水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ溶剤を蒸留した。粗製混合無水カルボン酸(11.23g、91%粗製収率)をアルゴン雰囲気下に冷凍器中に置き、かつポリマーのグラフティング用にそのまま使用した。
c)(E)−N−[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0077】
【化29】
【0078】
ジクロロメタン10ml中の2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]エチルカーボネート0.5g(1.33mmol)、NH2基1.38mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM樹脂VHL、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.967gおよびDIEA(1当量)0.45mlの混合物を機械的に混合した。1時間後に、ジクロロメタン10ml中の2番目の混合無水物の当量を添加し、かつ反応をさらに2.5時間撹拌した。液相を吸引により除去し、かつ樹脂ビーズを二者択一的にジクロロメタンおよびメタノールで濯いだ。樹脂をフラスコに移し、かつ真空下で乾燥させ、1.29gの収率になった。Gisin試験は、グラフト収率98.5%に相当する不飽和NG2基0.015mmol/gの存在を示した(樹脂の重量増大を考慮に入れた)。
【0079】
【化30】
例10
a)グリシル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
ジクロロメタン30ml中のN−tert−ブチルオキシカルボニル−グリシン0.484g(2.76mmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(R)、製造元:Novabiochem, Switzerland)1.44g(2当量)、NH2基1.38mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM樹脂VHL、製造元:Novabiochem, Swizerland)1g、DIEA(1当量)0.5mlの混合物を機械的に混合した。1.5時間後に、反応混合物を除去し、樹脂を洗浄し、かつTFA/ジクロロメタン1:1の混合物50mlと1時間反応させ、次に単にTFA50mlと2時間反応させた。
b)(E)−2−{[2−(3.7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}エタノイル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0080】
【化31】
【0081】
この混合物は、例9cに記載されているように、上記のように得られた樹脂0.5gおよび2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネート(例9b参照)0.5g(2当量)を用いて合成して、変性ポリマー0.55gが得られた。。Gisin試験は、グラフト収率99.7%に相当する不飽和NH2基0.0028mmol/gの存在を示した。
【0082】
【化32】
例11
a)(E)−12−[(12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイル)アミノ]ドデカン酸(A)および(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカン酸(B)の製造
ジクロロメタン60ml中のエチルクロロホルメート1.8g(16.5mmol)の溶液を、ジクロロメタン100ml中の(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル水素フタレート5.0g(16.5mmol)およびトリエチルアミン3.3g(33.0mmol)の撹拌溶液に0℃で滴加した(15分間の間)。室温まで加熱した後に、12−アミノドデカン酸3.6g(16.5mmol)を少量ずつ添加し、反応混合物を18時間撹拌した。濾過し、水性KHSO4(5%)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ濃縮して、粗製生成物7.3gを生じた。アセトニトリル20mlからの再結晶は、A 2.84g(収率=25%)を白色固体として生じた。
【0083】
【化33】
【0084】
母液の濃縮により、黄色い油3.46gが得られた。2g(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1 TFA 0.1%含有)のMPLCは、B 0.87g(収率=18%)を生じた。
【0085】
【化34】
b)(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイルエチルカーボネートの製造
エチルクロロホルメート(0.136ml、1当量)を、ジクロロメタン20ml中の(E)−12{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカン酸0.71g(1.4mmol)およびトリエチルアミン0.2ml(1当量)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を室温で2時間撹拌し、かつポリマーのグラフティング用にそのまま使用した。
c)(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0086】
【化35】
【0087】
この化合物は、例9cに記載されているように、NH2基1.38mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM樹脂VHL、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.5gおよび上記のような(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイルエチルカーボネートの溶液を用いて合成し、変性0.77gが得られた。Gisin試験は、グラフト収率97.0%に相当する不飽和NH2基0.0255mmol/gの存在を示した。
【0088】
【化36】
例12
(E)−N−[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]およびN’−[(2−メトキシエトキシ)−ポリ−(2−エトキシ)]カルボニル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0089】
【化37】
【0090】
この化合物は、例9cに記載されているように、NH2基0.72mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM NovaGel HL、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.464gおよび2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネート(例9c参照)0.5g(4当量)を用いて合成し、変性0.34gが得られた。Gisin試験は、グラフト収率97.8%に相当する不飽和NH2基0.013mmol/gの存在を示した。
【0091】
【化38】
例13
2−{(E)−[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}[エトキシ−2−ポリ−(2−エトキシ)]メチル置換ポリスチレンの製造
【0092】
【化39】
【0093】
この化合物は、例9cに記載されているように、NH2基0.27mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM NovaSyn TG、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.495gおよび2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネート(例9c参照)0.2g(4当量)を用いて合成し、変性ポリマー0.34gが得られた。Gisin試験は、グラフト収率97.8%に相当する不飽和NH2基0.013mmol/gの存在を示した。
【0094】
【化40】
例14
HPLCによるフレグランスの測定
2種のホスフェートまたはボレート緩衝タブレット(製造元:Fluka, Switzerland)を、それぞれ水160mlとアセトニトリル40mlの混合物中に溶解させることにより、緩衝液を製造した。反応溶液の正確なpH値を決定するために、緩衝液10mlをアセトニトリル2mlで希釈し、かつpH値を測定(InLab 410 Ag/AgClガラス電極を備えたMettler Toledo MP 220装置において)し、7.62(ホスフェート緩衝液)および10.47(ボレート緩衝液)となった。
a)アルカリ加水分解条件下での前駆体の環化量
アセトニトリル25ml中の前駆体35〜45mgの溶液0.2mlを緩衝液1.0ml中に20℃で添加した。この混合物をHPLC装置に即座に注入し(t=0)、逆相カラムにおいて1ml/分で、TFA1%含有の水/アセトニトリル混合物を用いて溶離した。次に、前駆体量の減少および環化生成物の同時形成を、λ=254および280nmで、種々の時間間隔でモニターした。クロマトグラムは、水/アセトニトリル勾配(70:30〜20:80、20分間の間)を使用してMacherey-Nagel, Nucleosil(R) 100-5 C18カラム(250×4mm 内径)において、または水/アセトニトリル勾配(70:30〜40:60、3分間の間)を使用してMerck ChromolithTM SpeedROD RP-C18eカラム(50×4.6mm 内径)において記録した。結果は、以下の表にまとめられている:
【0095】
【表1】
【0096】
試験された全ての化合物は、所望の香料アルコールを放出した。放出速度は、pHの選択、放出させるべきアルコールのタイプならびにカルバモイル部分に結合する基質の性質により影響させることができる。
b)アルカリ加水分解により放出された香料アルコールの量
前駆体約25mgを緩衝液1ml中に置き、アセトニトリル0.2mlを添加し、上澄み溶液を即座にHPLC装置に即座に注入し(t=0)、逆相カラムにおいて3ml/分で、TFA0.1%含有の水/アセトニトリル混合物を用いて溶離した。放出されたアルコールの量を、HPLC分析によりλ=214または254nmで、種々の時間間隔でモニターした。アセトニトリル中の相応するアルコールの外部校正曲線(external calibration curve)は、4〜8希釈から得られた。クロマトグラムは、水/アセトニトリル勾配(100:0で0.2分間、次に0:100で10分間または80:20〜20:80で10分間の間)を使用してMerck ChromolithTM Performance RP-C18eカラム(100×4.6mm 内径)において記録した。結果は、以下の表にまとめられている:
【0097】
【表2】
【0098】
ポリマー(10mg)を単にアセトニトリル(0.5ml)で洗浄することによって、ポリマービーズ(例9〜13の化合物)が遊離ゲラニオールを含有しないことが検査された。デンドリマー2−カルバモイル前駆体(a参照)に関しては、カルバモイル部分に結合した基質の性質により、疎水性環境での遅い放出から、より親水性環境での速い放出まで動的放出を調節することができる。よって、前駆体分部に近づく水分子の良好な近づき易さは、フレグランス放出の速度に関して重要なファクターである。このことは、前駆体とポリマーの間の親水性スペーサーの存在によるか、または前駆体部分に近い親水性アームの存在により達成できるであろう。
例15
UV分析分光法によるフレグランス放出の測定
前駆体溶液(アセトニトリル25ml中35〜55mg、20℃で)2mlを、t=0でリン酸塩緩衝液(例14に記載されているように製造)10mlに添加した。加水分解に続いて、260〜360nmの範囲内で、一定の時間の間隔で、加水分解が完了するまで960nm/分の走査速度を用いて反応混合物の吸収スペクトルを記録した。
図1:UV分析分光法による(±)−ビス(1−ベンジルブチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例2b)の動的測定。
【0099】
同じ方法を使用して、以下の化合物の加水分解を検査した:ビス(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例3b)、ビス(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例5b)およびデンドリマー4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4,N,N,N’,N’]:N−(2−[(1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミン(例6b)。
例16
周囲空気条件下でのグラフトポリマーの放出特性
例12および13で製造されたポリマーは、室温で空気の周囲湿度に簡単に曝すことでゲラニオールを放出することができる。従って、例4bに記載されたHPLCにより測定して、これらは100日後に、それぞれゲラニオール8%および33%を放出した。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は、UV分析分光法による(±)−ビス(1−ベンジルブチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例2b)の動的測定を表す図である。
【0001】
技術分野
本発明は、香料の分野に関する。特に、活性化合物を遊離できるエステルおよび近くに前記化合物の放出を容易にするカルバモイル官能基を有する担持カルバモイル/エステル部分を有する化合物に関する。本明細書は、前記化合物の使用ならびに前記化合物を含む組成物にも関する。
【0002】
先行技術
工業では、例えば、揮発性でありすぎる香料成分を使用する場合に遭遇する問題を克服するために、一定期間にわたり活性化合物の長い効果が可能である化合物に特に関心がある。米国特許5649979には、特に、酵素、特にリパーゼの存在のような特定の活性条件下で、長い期間にわたり香料成分を遊離できる化合物が開示されている。これらの化合物は、種々の用途を有することができる。繊維の洗浄は特殊な分野であり、この分野では、洗浄および乾燥後に、芳香物質の効果を一定の期間で有効にするための絶え間ない追求があるである。このタイプの用途に特に適切であるフレグランスを有する多くの物質は、実は、洗濯物において粘着性を欠くか、または濯がれる時に、洗濯物に残留しないことが知られおり、その結果、これらの香料効果は短くだけ、かつ極めて弱くしか体験できない。香料工業におけるこのタイプの用途の重要性があるため、特に前記の問題に対する新規なおかつ効果的な解決法を見出す目的で、この分野での研究が続けられてきた。
【0003】
本発明の説明
意外にも、活性化合物を遊離できるエステル、および近くに外部の活性剤を用いることなく前記活性化合物の遊離を容易にするカルバモイル官能基を有するオリゴマーまたはポリマー担持カルバモイル/エステル部分を基礎とする、従来技術に記載されていないような新規化合物の存在が見出された。”活性”という用語は、ここでは周囲環境に利点または効果をもたらすことができる成分または物質、特に、香料効果、香味効果、昆虫駆除効果または昆虫誘引効果、殺菌または防カビ剤効果を意味する。例えば、”活性化合物”とは、ここでは、周囲環境に利点または効果をもたらすことができる場合によりエノールの形のアルコールまたはケトンまたはアルデヒド、特に香料、香味、昆虫駆除剤または昆虫誘引剤、殺菌剤または防カビ剤アルコールまたはケトンまたはアルデヒドを意味し、後者は、場合によりエノールの形である。
【0004】
本発明の化合物は、以下の式を有する:
【0005】
【化1】
[式中、
a)kは1または0を表し、
b)nは0〜4の整数を表し、
c)xは1〜50000の整数を表し、
d)x≧2の場合には、pは1または0を表し、またはx=1の場合には、pは1を表し、
e)x>1の場合には、mは1または2を表し、x=1の場合には、mは2〜4の整数を表し、またはMが樹状コアを表す場合には、mは2〜80の整数を表し、
f)R1は、水素原子を表し(n=0の場合)、50g/mol〜4500g/molから成る平均分子量を有するポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールから誘導される多価基(n+1価を有する)、または場合により置換されたC1〜C22−線状または分枝状アルキル、アルケニルまたはアルキルベンゼン基から誘導される多価基(n+1価を有する)であり、かつ前記基は、主鎖にカーボネート、エーテル、エステル、ケトン、アミン、第四アミンおよびアミドから成る群から選択される1〜10個の官能基を含有していてもよいが、但し、式(I)中の少なくとも2個のR1は、水素原子ではなく、
g)Qは、水素原子または式
【0006】
【化2】
(式中、波線は前記Q部分とNH基の間の結合の位置を示し、点線は、単結合または二重結合の位置を示し、
R2は、式R2OHの活性アルコールまたはエノールから誘導される基を示し、
R3、R4、R4’は、水素原子を表すか、または場合により置換され、かつ場合により1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20−線状または分枝状、飽和または不飽和の基を表すか、または前記R3、R4、R4’は、これらが結合する炭素原子と一緒になると考える場合には、芳香族または脂肪族単環、二環または三環の基を形成できるが、但し、式(I)中の少なくとも2個のQは、水素原子ではない)の基を表し、
h)Tは、水素原子またはハロゲン化物原子、スルフェートまたはスルホネート基、C1〜C10−エステル、アルキル、アルコラートまたはシアノアルキル基、カルボン酸またはN(R5)2基、および相応するC1〜C6−アルキル化された四級塩を表し、R5は、水素原子、またはC1〜C15−アルキル、アルケニルまたは芳香族基を表し、前記基は、場合により主鎖にエーテル、エステル、ケトン、アミン、第四アミンおよびアミドから成る群から選択される1〜5個の官能基を含有し、
i)Mは、0〜7世代の樹状コア、式A)の基を表すか、または”モノマー単位”の基を表すか、式B)〜G)のサッカリドおよびモノマー単位およびこれらの混合物から成る群:
【0007】
【化3】
{式中、式A)〜G)の細かい平行線は、前記の基A)〜G)とR1との間の結合の位置を表し、R5は前記の意味を表し、
wは、1または0であり、
yは、1〜12の整数を表し、
jは、2〜4の整数を表し、
zは、1〜5の整数を表し、
Wは、窒素または炭素原子を表すか、またはNR5、NR5 2、O、CO、OC(O)O、C(O)O、C(N)OまたはNC(O)N官能基を示し、
R6は、水素原子または酸素原子またはC1〜C15−アルキルまたはグリコール基を表し、
Uは、アミノ酸の側鎖を表し、かつ
Zは、式i)〜x)の官能基および式xi)〜xiii)の分枝単位およびこれらの混合物から成る群から選択される官能基:
【0008】
【化4】
(式中、細かい平行線は、前記の意味を表し、点線の矢印は、前記Zとモノマー単位の残りの部分との間の結合の位置を示し、かつ矢印は、前記ZとR1またはモノマー単位の残りの部分との間の結合の位置を示し、
R5は、前記の意味を表し、
z’は、0〜5の整数であるが、但し、Mが式C)またはD)の基を示す場合には、Zは式i)、iii)、v)、vii)およびix)の基を表さない)を表す}
から選択されるポリマー鎖の”モノマー単位”を表す]。
【0009】
式(I)の化合物中には、いかなる時も1個以上のQ基があると解釈され、よって、前記基のそれぞれは、同一であるか、または他のQ基と異なっていてもよい。同じことは、その他の記号k、n、m、x、p、M、TおよびR1にも当てはまる。
【0010】
R1、R3、R4、R4’またはR5の可能性のある置換基である基は、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基またはポリグリコール基、芳香族基またはアルキル芳香族基、アミンおよび特に第四アンモニウム官能基、アミド、ジアルキルアミド、SO3HまたはOSO3H基、N−オキシドまたはカルボン酸基(carboxylic group)である。有利には、置換基は、ポリエチレンまたはプロピレングリコール、ポリサッカリド、スルホネートおよび第四アンモニウム官能基、例えば、式xiv)〜xvi):
【0011】
【化5】
(式中、太線は前記R1、R3、R4、R4’またはR5基への結合を示す)
を有する群から選択される。
【0012】
式(I)の有利な化合物は、次のものである:
− k、n、x、pおよびmが上記の意味を有し、
− R1が50g/mol〜1200g/molから成る平均分子量を有するポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールから誘導される多価基を表すか、または場合により、主鎖にカーボネート、エステル、エーテル、カルボニルまたはアミンから成る群から選択される1個または2個の官能基を含有する線状または分枝状のC1〜C12−多価アルキル基を表し、
− Qが場合により置換されたフタル酸またはマレイン酸誘導体から得られる基を表し、かつ式R2OHの活性アルコールまたはエノールを表し、
− Tが水素原子、N(R5)2基、C1〜C5−アルキル、アルコラート、シアノアルキルまたはエステル基、スルホネートまたはスルフェート基を表し、かつ
− Mが0〜5世代の樹状コア、サッカリドまたは式A)(式中、j=2およびWは、酸素原子またはNR5またはNR5 2基を表す)、B)、C)、E)およびF)またはこれらの混合物から成る群から選択される”構成ブロック”を表し、かつ前記式中、w、y、z、R5、R6、UおよびZは前記の意味を有する。
【0013】
より有利には、式(I)の化合物中、k、n、x、p、m、R1、QおよびTは、上記の意味を有し、かつMは、次の群から選択される基を表す:
− ポリアルキルイミンデンドリマー、グリコアミンデンドリマー、アミノ酸(例えば、リシン)デンドリマー、混合アミノ/エーテルデンドリマーおよび混合アミノ/アミドデンドリマーの群から選択される0〜5世代の樹状コア、
− グルコース、グルコサミン、セルロース、アミロース、マンヌロン酸またはグルロン酸の群から選択されるサッカリド誘導体、
− j=2かつWは酸素原子またはNR5またはNR5 2基を表す式A)の基、
− アクリル酸誘導体(例えば、アクリル酸またはアクリルアミド誘導体)またはスチレン誘導体(例えば、ビニルベンジルクロリド、ビニル安息香酸、またはビニルアニリン誘導体)を表す式B)の基、
− エチレンイミンまたはプロピレンアミン誘導体を表す式E)の基、かつ
− リシン、セリン、トレオニンまたはチロシンを表し、かつその際、式A)、B)およびE)のうち、記号R5、R6、wおよびyは、上記の意味を有し、R5は、水素原子またはC1〜C3−基を表す式F)の基。
【0014】
式(I)の他の有利な化合物は、Qが上記の意味を有し、かつ(T)p−[M−((R1)k−(NH)n)m]x−(T)p部分が次の群から選択される化合物のうち1つから誘導される基を表すものである:
− ポリアミドアミンデンドリマー、ポリアルキルアミンデンドリマー、より有利にはポリプロピレンイミンデンドリマー、例えば、Dendritech Inc.社からPAMAM Starburst(R)の商品名で、またはDSM社からASTRAMOL(R)の商品名で入手可能なもの;
− 少なくとも2個のNH2基を含有するキトサン、ポリアミノアルギネートまたはセルロース、シクロデキストリンまたはデンプン誘導体、例えばCarbomer社から市販されているもの;
− ポリアルキレンイミン、例えば、BASF社からLupasol(R)の商品名で、Clariant社からSternamines(R)の商品名で、またはMitsibushi社からJeffamine(R)の商品名で市販されているポリ越レンイミン;および
− ポリエチレン、例えば、ポリ−DL−シリン;
ここで、(T)p−[M−((R1)k−(NH)n)m]x−(T)p部分の記号k、n、x、pおよびmは上記の意味を有する。
【0015】
さらに、Q、R1、k、n、x、pおよびmが上記の意味を有し、かつ(T)p−[M]x−(T)p部分が、ポリスチレン、架橋ポリスリレン、例えば、メリフィールド樹脂、またはアクリル酸もしくはメタクリル酸を基礎とするポリマー、またはアクリル酸もしくはC1〜C4−アルコールのアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルを基礎とするポリマーの群から選択される化合物のうち1つから誘導される基を表す、本発明の化合物も有利である。選択的に、(T)p−[M]x−(T)p部分は、セルロースまたはアミノ酸、例えば、セルロースまたはアミノ酸を基礎とする天然繊維、例えば、綿、リネン、シルク、ビスコースまたは紙から誘導されるポリマーを表す。
【0016】
式(I)の化合物は、市販の化合物から通常の方法により合成することができる。一般的には、本発明の化合物は、以下の工程を含む方法により得ることができる:
a)二酸または無水物、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸または無水グルタル酸または酸と、式R2OHの活性化合物を反応させて、エステル結合およびカルボン酸官能基を含有する誘導体を形成し、
b)工程a)で得られたカルボン酸官能基を変換して、塩化アシルまたはフッ化アシルまたは混合無水物にし、かつ
c)工程b)で得られた誘導体を、上記のような式T−[M−((R1)k−(NH2)n)m]x−Tの化合物の第一アミノ官能基と反応させるか、または二者択一的に
d)工程b)で得られた誘導体を、上記のようなポリマー骨格Mのモノマー前駆体の第一アミノ官能基と反応させ、かつ
e)標準の方法により、工程d)で得られた化合物を重合する。
【0017】
このアプローチの1例は、以下のスキームで説明される:
【0018】
【化6】
【0019】
本発明の化合物は、2つの主要部分であるキャリア部分(T)p−[M−((R1)k−)m]x−(T)pと放出部分(release moiety)NHQから成る。
【0020】
キャリア部分(T)p−[M−((R1)k)m]x−(T)pは、実質的に、これに結合する数個の放出単位NHQを支持する役割をする。しかし、本発明の化合物が表面での付着を含む用途を意図する場合には、前記キャリア部分は、式(I)の化合物の効果的付着および表面実質性(surface substantivity)、とりわけ織物において重要な役割をすることもできる。効果的付着における前記の役割は、キャリア部分の特異的な化学特性に応じ、かつ当業者に周知である。
【0021】
R1の性質は、活性化合物R2OH、例えばアルコールの放出速度論の細かなチューニングにおいても重要な役割をする。一般的には、第一アルコールは、第二アルコールまたは第三アルコールよりも迅速に放出されるが、しかし、R1の適切な選択により、活性カルコール放出速度を相当に影響させることができる。事実、R2OHの放出は、鎖長、主鎖上のヘテロ原子の数、または前記R1基の分枝度により多少なりとも速く実施される。
【0022】
本発明の特別な特徴は、放出部分NHQの構造にある。この特殊構造のおかげで、活性化合物の遊離を引き起こすエステル基の加水分解が、エステル官能基に隣接する求核基であるCONH−R1により補助される。この補助は、全く予想外の利点であった。すなわち、これは、以下のスキームに示されるように、中性またはアルカリ条件下での加水分解により、エステル結合の開裂を可能にする。
【0023】
【化7】
【0024】
このようなpHの変化は、例えば、繊維の洗濯サイクルの通常の状態であり、その際、pHは、洗濯サイクルの間に、酸性媒体に相当する値から中性または塩基性媒体に相当する値まで変化させてもよく、従って、本発明による化合物が加水分解工程の実施を可能にする。
【0025】
さらに、当然ながら反応を熱の存在で触媒してもよい。これは、例えば、洗濯物が特に電気乾燥機中で乾燥された形、またはアイロン、特にスチームアイロンがけされた形の場合である。加水分解反応は、活性化合物R2OH(ここで、R2は、上記の意味を有し、かつ初めの前駆体の残基、イミドである)の遊離を導く。前記残基は、一般的に、かつ有利に不活性である。すなわち、R2OHが芳香化合物である場合には無臭である。
反応は、先行技術に記載されているリパーゼのような他の外部薬剤を必要としない。
【0026】
上記のように、本発明の化合物は式R2OHの発香性化合物、すなわち、香料製造業で一般的に使用されているケトンまたはアルデヒドから生じる香料アルコールまたはエノールを放出することができる。近年公知の、本発明により使用可能な式R2OHの発香性化合物の徹底的なリストは提供できないが、以下のものが例として挙げられる:
a)アルコールとして:オイゲノール、2−シクロヘキシル−1−プロパノール、1−デカノール、ゲラニオール、ネロール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、シトロネロール、1−ドデカノール、エチルバニリン、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ヘキサノール、ピポール、ベゼトール(vegetol)、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(vanilline)、4−(4−ヒドロキシ−1−フェニル)−2−ブタノン(raspberry ketone)、7−p−メタン−1−オール(Mayol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、アニスアルコール、グアイアコール、2−メトキシ−2−フェニル−1−エタノール、イソオイゲノール、シクロメチレン、シクロネロール、2−メチル−4−フェニル−1−ペンタノール、2−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、6−ノネン−1−オール、2,6−ノナジエン−1−オール、1−オクタノール、2−フェノキシ−1−エタノール、1−フェニル−1−エタノール、2−フェニル−1−エタノール、2−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、ケイ皮アルコール、サリシレート、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、ファルネソール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−ウンデカノール、10−ウンデカノール−1−オール、パッショーネ(patchone)、2−tert−ブチル−4−メチル−1−シクロヘキサノール(rootanol)、6,8−ジメチル−2−ノナノール、4,8−ジメチル−7−ノネン−2−オール、(E)−3,3−ジメチル−5−(2',2',3'−トリメチル−3'−シクロペンテン−1'−イル)−4−ペンテン−2−オール(Polysantol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、エチル3−ヒドロキシヘキサノエート、5−エチルー2−ノナノール、ダルタノール(dartanol)、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、1−(4−イソプロピル−1−シクロヘキシル)−1−エタノール、メタノール、8−p−メンテン−2−オール、イソプレゴール、7−メトキシ−3,7−ジメチル−2−オクタノール、2−メトキシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノール(Tarragol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、4−メチル−3−デセン−5−オール(製造元:Givaudan SA, Geneva, Switzerland)、1−(4−メチルフェニル)−1−エタノール(メチルパラトリルカルビノール)、4−メチル−1−フェニル−2−ペンタノール、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,2,6,8−テトラメチル−1−ナフタレノール、3ーメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール(製造元:Givaudan SA, Geneva, Switzerland)、2−オクタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール(kohinol)、2−ペンチル−1−シクロペンタノール(シクロペントール)、4−フェニル−2−ブタノール、4−フェニル−3−ブテン−2−オール、1−フェニル−2−ヘキサノール、1−フェニル−2−ペンタノール、1−フェニル−2−プロパノール、リンバノール(limbanol)、フェンコール、ブルエノール、3−(5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプチ−2−イル)−1−シクロヘキサノール(Sandela(R);Givaudan)、ベバノール(vebanol)、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテノール(β−イオノール)、α−イオノール、ノルリンバノール(norlimbanol)、2−ウンデカノール、3−ベンジル−3−ペンタノール、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール(製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、エチルリナロール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール(リナロール)、3,7−ジメチル−3−オクタノール(テトラヒドロリナロール)、2,6−ジメチル−2−オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール(ジヒドロミルセノール)、ヒドロキシシトロネラール、8−p−メタノール、ターピネノール、α−ターピネオール、メチル−4−フェニル−2−ブタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、2−(4−メチルフェニル)−2−プロパノール、ペルヒドロ−4,8a−ジメチル−4a−ナフタレノール(geosmin)、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール(Florol(R);製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、リナリルオキシド、2,6,10,10−テトラメチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−6−オール(spiranol)、2,6,6,8−テトラメチル−トリシクロ[5.3.1.0(1,5)]ウンデカン−8−オール(cedrenol)、ネロリドールおよびピナノール;
b)エノールを提供しやすいアルデヒドとして:シトラール、シトロネラル、カンホレンアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、ヘキシルケイ皮アルデヒド、ホルミルピナン、ヒドロキシシトロネラル、クミンアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、Lilial(R) [3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパノール;製造元:Givaudan-Roure SA, Vernier, Switzerland)]、Lyral(R) [4−および3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:International Flavors & Fragrances, USA]、Bourgeonal(R) [3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール;製造元:Quest International. Naaden, Netherlands]、ヘリオプロパナル[3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナール;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)]、ツエストバー(Zestover)(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland))、Trifernal(R) (3−フェニルブタナール;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、α−シネンサル、(4−メチルフェノキシ)アセトアルデヒド、1,3−ベンゾジオキソールー5−カルボキシアルデヒド(heliotropine)、Scentenal(R) [8(9)−メトキシ−トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン−3(4)−カルバアルデヒド;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)]、Liminal(R) [(4R)−1−p−メンテン−9−カルバアルデヒド;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、シクロサル[3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、オルト−およびパラ−アニスアルデヒド、3−メチル−5−フェニルペンタナール、Acropal(R) [4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:Givaudan-Roure SA, Vernier, Switzerland]、Intreleven(R) アルデヒド(10−ウンデセナールと9−ウンデセナールの混合物;製造元:International Flavors & Fragrances, USA)、マゲットアルデヒド[(3,7−ジメチル−6−オクテニル)アセトアルデヒド;製造元:International Flavors & Fragrances, USA]、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、Precyclemone(R) B [1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;International Flavors & Fragrances, USA]およびIsocyclocitral(R) (2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバアルデヒド;製造元:International Flavors & Fragrances, USA);
c)エノールを提供しやすいケトン:カンファー、カルボン、メントン、イオノン、イロン、ダマスセネス(damascenones)およびダマコネス(damacones)、ベンジルアセトン(4−フェニル−2−ブタノン)、1−カルボン、4−(4−ヒドロキシ−1−フェニル)−2−ブタノン(raspberry ketone)、Hedione(R) (メチルジヒドロジャスモネート;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、ネオブテノン[1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、Calone(R) (7−メチル−2H、4H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン;製造元:C.A.L. SA, Grasse, France)、Sulfox[(1R,4R)−8−メルカプト−3−p−メンタノン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland]、Orivone(R) [4−(1,1−ジメチルプロピル)−1−シクロヘキサノン;製造元: International Flavors & Fragrances, USA]、デルフォン(2−ペンチル−1−シクロペンタノン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、2−ナフラレニル−1−エタノン、ベロウトン(Veloutone)(2,2,5−トリメチル−5−ペンチル−1−シクロペンタノン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerland)、4−イソプロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、Iso E Super(R) [1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−tetrame−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:International Flavors & Fragrances, USA]、Plicatone[5−メチル−エキソトリシクロ[6.2.1.0(2.7)ウンデカン−4−オン;製造元:Frimenich SA, Geneva, Switzerlandの混合異性体];および大環状ケトン、例えば、Exaltone(R) (シクロペンタデカノン)、デルタ−ムセノン(3−メチル−4−シクロペンタデセン−1−オンと3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンの混合物)およびムスコン(3−メチル−1−シクロペンタデカノン)、全てFrimenich SA, Geneva, Switzerland社製。
【0027】
本発明による化合物は、活性化合物、特にフレグランス成分の有利な前駆体であることが判明した。前記のように、これらの主要な利点は、一方では、外部薬剤を必要としないことであり、他方で、エステル結合の加水分解反応を上記のように基R1の選択により力学的見地からコントロールできることである。これらの挙動は、本発明による系を多くの可能性のある用途の要求に適応させ、かつ明白な利点を示すことができるようにする。
【0028】
さらに、これらの化合物は、一般的には表面上、特に洗濯物において優れた耐久力または粘着性を有し、特に機能的香料製造と関連する用途に関して、これらを極めて安定な前駆体にする。このような形で粉セッケンまたは洗剤のような製品中に存在する香料成分は、僅かな耐久力しかなく、その結果、例えば機械洗浄の間にすすぎ水中で頻繁に取り除かれてしまう。逆に言えば、本発明による化合物は、その実質性(substantivity)および発香化合物のコントロールされた遊離ゆえに、すすぎ工程および乾燥工程を越えても良好に持続するフレグランスおよび新鮮さを洗濯物に与えることができる。
【0029】
従って、式(I)の化合物は、香料用途に意図された組成物と有利に関連するであろう。従って、式(I)の化合物を有する香料組成物または着香された商品もまた、本発明の対象である。
【0030】
従って、本発明による化合物は、上記のような発香成分の迅速または延長した遊離の効果を必要とするどのような用途にも用いることができる。これらは、特に機能性香料工業、とりわけ繊維を処理する液体または固体洗剤および/または織物柔軟剤のような用途において使用できる。本発明の主要な利点の1つは、この化合物が、発香化合物によって生じる強いフレグランスを洗濯物に与えるという事実にあるが、このことは、アルコールがそのまま使用された場合、すなわち前駆体が無い場合には、十分に長い期間にわたり洗濯物において検出することができないであろう。
【0031】
本発明による化合物は、全てのタイプの組成物中、例えば、洗剤または柔軟剤ベース中で洗濯用香料成分として使用できる。必要な場合には、より強力な媒体、例えば、洗剤のような塩基性媒体中で、式(I)の化合物を例えばカプセル封入することにより早期分解から保護しなくてはならないこともある。
【0032】
有利な香料組成物または着香された製品は、pH7未満を有する織物柔軟剤であり、この中でこれらの化合物はより安定である。
【0033】
本発明の化合物を組込むことができる繊維洗剤または柔軟剤組成物の一般的な例は、前者に関してはWO 97/34986に、後者に関しては米国特許第4137180号明細書および第5236615号明細書またはEP 799885に記載されている。使用可能な他の一般的な洗剤および柔軟剤組成物は、Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry, vol. A8、315〜448ページ(1987)およびVol. A25、747〜817ページ(1994); Flick, Advanced Cleaning Product Formulations, Noye Publication, Park Ridge, New York Jersey (1989); Showell, in Surfactant Science Series, vol. 71; Powdered Detergents, Marcel Dekker, New York (1988); Proceedings of the World Conference on Detergents(4th, 1998, Montreux, Switzerland), AOCS print.のような論文に記載されている。
【0034】
当然ながら、本発明による化合物の使用は上記の製品に限定されることはない。これらの化合物は、香料工業で一般的な別の用途全般、すなわちセッケンおよびシャワーまたはバスジェル、アフターシェービング用品、衛生用品またはシャンプーなどのヘアケア製品、例えば、シャンプーまたはコンディショナーならびにデオドラントおよびエアーフレッシュナーおよび化粧品の着香に同様に好適である。
【0035】
化合物は、家庭用または工業用であるような応じて、種々の表面を洗浄またはクリーニングするための洗剤組成物またはクリーニング製品のような用途において使用できる。
【0036】
これらの用途において、前記化合物は単独でも、一緒に混合した形または香料工業で通常使用される他の香料成分、溶剤または添加剤との混合物として使用できる。これらの補助成分の性質およびタイプについては、いずれにせよ網羅できるものではなく、当業者は、その一般知識に基づいて着香すべき製品の性質および所望の発香効果により、これらを選択することができると思われるため、ここで詳説することはしない。これらの香料成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素含有複素環および硫黄含有複素環化合物および天然または合成起源の精油のような種々の化学的クラスに属する。これらの成分の多くは、いずれにせよ、S. Arctanderによる書物, Perfume and Flavor Chemicals(1969, Montclair, New Jersey, USA)またはその最新版、あるいは他の同様の書物、またはこの分野で通常入手可能な専門特許文献のような参考文献に掲載されている。
【0037】
前記の種々の製品に組み込むことができる本発明による化合物の割合は、広い値の範囲で変化する。これらの値は、着香すべき商品または製品の性質および所望の臭覚効果に依存し、ならびに本発明による化合物を従来技術で通常使用されている香料補助成分、溶剤または添加剤と混合する場合には、所定の組成物中の補助成分の性質に応じる。
【0038】
例えば、一般的な濃度は、前記化合物が組み込まれる組成物の質量に対して、これらの化合物0.1質量%〜10質量%のオーダー、またはむしろそれ以上である。これよりも低い濃度は、これらの化合物が、上記の種々の消費製品の着香において直接使用する場合に使用することができる。
【0039】
本発明の化合物により発揮することできる着香効果の特別な記載がなされてきたが、同じ原則は、香味または衛生化合物の放出を目的とする本発明の同様の化合物にもあてはまり、芳香化合物は香味または衛生化合物と置き換えられる。”衛生化合物”という用語は、ここでは、ある種の昆虫、例えば、イエバエまたは蚊に対して誘引または駆除効果をはたらく物質、または殺カビ、殺菌または静菌活性を有することができるものを意味する。従って、式(I)の香味、昆虫駆除または誘引剤、殺カビ剤または殺菌剤前駆体、またはこれらを含有する組成物、商品または製品を有することができる。前記の用途で、これらは単独でまたは一緒に混合した形または各々の分野で通常使用される他の活性成分、溶剤または添加剤と混合した形で使用することができる。
【0040】
このような薬剤の混合物を使用できることは説明するまでもない。
【0041】
本発明は、表面で活性化合物の拡散効果を補強または延長する方法にも関し、前記表面は式(I)の化合物と接触することに特徴づけられる。有利には、前記表面は繊維であり、かつ式(I)の化合物は、洗剤および/または織物柔軟剤に含有されている。
【0042】
本発明の他の対象は、式(I)の化合物の活性成分、例えば、着香成分としての、または活性アルコール、ケトンまたはアルデヒドまたはこれらの混合物を遊離できる前駆体としての使用である。
【0043】
上記の用途および使用方法とは別に、式(I)の化合物の幾つかは、活性繊維(active fiber)として使用することもでき、これは、例えば活性紙(active paper)または布地の製造に有効である。ここでの“活性繊維”とは、周囲環境に、利点または効果をもたらすことができる繊維を意味し、特に香料、昆虫駆除剤または誘引剤、殺カビ剤、殺菌剤の形を意味する。
【0044】
事実、これは(T)p[M]x(T)p部分がセルロースまたはアミノ酸から誘導されるポリマーまたは繊維、例えば、綿、リネン、シルク、ビスコースまたは紙を表す場合である。このような場合には、活性化合物前駆体は、(R1)k(NHQ)n部分が化学結合した繊維自体である。従って、繊維は、上記の用途の洗剤の場合のように、洗濯サイクルのような付加的な処置をしなくても所望の利点を与えることができる。
【0045】
従って、活性化合物R2OHは、繊維の使用において、例えば、汗のような不快な臭いを打ち消すために遊離させることができる。このような繊維または紙は、例えば、エアーフレッシュナーまたは昆虫駆除剤または昆虫誘引剤パッドとしても有効である。
【0046】
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、省略語は、この分野で一般的な意味を有し、温度は、摂氏(℃)で表され、NMRスペクトルデータは、1Hについては、CDCl3中、360MHzで記録され、13Cについては90.6MHzで記録された(特記されない限り)、化学変位(chemical displacement)δは、標準物としてのTMSに関してppmで示され、カップリング定数Jは、Hzで示され、かつ全ての略語は、この分野で一般的な意味を有する。UV/Visスペクトルは、Perkin-Elmer Lambda 14測定器により記録し、IRスペクトルは、Perkin-Elmer 1600 FTIR分光計により記録した。
【0047】
市販されている試薬および溶剤は、特記されない限りはさらに精製せずに使用した。反応は、N2下に、標準のガラス器具中で行った。カラムクロマトグラフィー:SDS社のSilica gel 60 A(35〜70ミクロン)。HPLC分析は、オンライン真空脱ガス剤、SpectraSystem P4000 quaternary pump、20℃でサーモスタット調節されたSpectra System AS 3000 autosamplerおよびSEDERE Sedex 55蒸発光散乱検出器と組み合わされたSpectra System UV 6000 LPダイオードアレー検出器から成るThermo Separation Products装置において実施した。以下に記載された非変性および変性ポリマーのNH2基の量(mmol/g樹脂で)を、文献(B. F. Gisin, Anal. Chim. Acta 1972, 58, 248〜249頁)に記載されているギシン試験(Gisin test)を使用することにより決定した。デンドリマーおよびそれらの誘導体は、G. R. Baker and J. K. Young in Advances in Dendritic Macromolecules, 第1巻、1994、G. R. Newcome (Ed.), JAI Press Inc. Greenwich, Connecticut, USAにより命名された。
例1
(6E,11Z,19Z,24E)−2,6,25,29−テトラメチル−9,22−ジオキサ−14,17−ジアザ−2,6,11,19,24,28−トリアコンタ−ヘキサン−10,13,18,21−テトロンの製造
【0048】
【化8】
【0049】
ゲラノール(3.08g、20mmol)および無水マレイン酸(1.98g、20mmol)をCH2Cl2 40ml中に溶解した。トリエチルアミン(3ml、20mmol)を添加し、かつ反応混合物物を室温で一晩撹拌した。形成されたモノゲラニルマレエートをそのままで次の工程で使用した。トリエチルアミン(3ml、20mol)を反応混合物に添加し、かつ温度を−20℃まで下げた。ピバロイルクロリド(2.66g、22mmol)を滴加し、かつ反応混合物を室温で2時間撹拌した。CH2Cl2 20ml中の1,2−エチレンジアミン(0.70ml、10mmol)を45分間の間、滴加した。反応混合物をさらに3.5時間撹拌した。次に、得られた溶液をKHSO4(5%)水溶液を使用して酸性化しておいた。有機相を水で3回洗浄し、NaSO4上で乾燥させ、かつ濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル3:7)により、油1.43g(収率=14%)が得られた。
【0050】
【化9】
例2
a)1−ベンジルブチル水素フタレートの製造
無水フタル酸4.85g(32.7mmol)を、1−フェニル−2−ペンタノール5.38g(32.7mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.40g(3.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミノ(DIEA)4.23g(3.3mmol)含有のCH2Cl2 70ml中に少しずつ添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次に水性KHSO4(5%)100ml上に注ぎ、水性KHSO4(5%)50mlで抽出し、かつ塩水50mlで3回抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濃縮して僅かに黄色い油9.94g(収率=97%)が得られ、これをゆっくり晶出した。
【0051】
【化10】
b)(±)−ビス(1−ベンジルブチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエートの製造
【0052】
【化11】
【0053】
CH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.35g(3,2mmol)を5分間滴加する前に、CH2Cl2 10ml中の1−ベンジルブチル水素フタレート1.00g(3.2mmol)およびトリエチルアミン0.65g(6.4mmol)の溶液を0℃まで冷却した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次にCH2Cl2 5ml中の3,3’−メチルアミノ−ビス(プロパンアミン)0.21g(1.4mmol)を添加した。最後に、さらにCH2Cl2 2ml中のエチルクロロホルメート0.05g(0.5mmol)を10分後に添加し、続いてCH2Cl2 3ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.12g(1,3mmol)を15分後に添加した。この混合物を0℃で15分間撹拌し続け、次に水性KHSO4(5%)および氷り50mlに注ぎ、CH2Cl2 50mlで抽出した。有機相を水性KHSO4(5%)50mlで10回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮し、かつ高真空下で乾燥させて白色固体1.11g(収率=99%)が得られた。
【0054】
【化12】
例3
a)(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレートの製造
水素化カリウム8.0g(油中20%、39.9mmol)をペンタンおよびTHFで洗浄した。次に新たなTHF10mlを添加し、かつTHF10ml中の2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール5g(33.3mmol)を15分間滴加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。引き続き、反応混合物を、THF200ml中の無水フタル酸4.93g(33.3mmol)、DIEA 4.30g(33.3mmol)およびDMAP0.40g(3.3mmol)の機械的に撹拌された溶液に15分間にわたり滴加した。導入の終わりに、別のTHF50mlを添加し、反応混合物を50℃まで加熱し、室温まで1時間の間冷却した。反応混合物を、氷り300mlおよび水性KHSO4(5%)200mlの撹拌混合物に注いだ。エーテル200mlを添加し、かつ有機相を水性KHSO4(5%)100mlで2回抽出し、かつ塩水で3回抽出した。飽和NaHCO3水溶液100mlでの抽出(2回)、KHSO4 25gを用いる水相の処理、エーテル100mlでの2回の再抽出、水性KHSO4(5%)50mlでの2回の洗浄、乾燥および濃縮により、白色結晶7.42g(収率=75%)が得られた。
【0055】
【化13】
b)ビス(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエーの製造
【0056】
【化14】
【0057】
この化合物は、例2bに記載されているように、CH2Cl2 20ml中の(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレート1.00g(3.4mmol)、トリエチルアミン0.68g(6.7mmol)、CH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.36g(3.4mmmol)、CH2Cl2 5ml中の3,3’−メチルアミノ−ビス(プロパンアミン)0.21g(1.4mmol)および更にCH2Cl2 1ml中のエチルクロロホルメート0.06g(0.5mmol)に続いて、CH2Cl2 3ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.12g(1.3mmol)を用いて合成して、僅かに黄色い固体1.03g(収率=97%)が得られた。
【0058】
【化15】
例4
ビス(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)2,2’−(1,11−ジオキソ−2,10−ジアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエートの製造
【0059】
【化16】
【0060】
この化合物は、例2bに記載されているように、CH2Cl2 20ml中の(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレート(例3aに記載されているように製造)2.00g(6.7mmol)、トリエチルアミン1.35g(13.4mmol)、CH2Cl2 10ml中のエチルクロロホルメート0.73g(6.7mmmol)、CH2Cl2 10ml中の1,7−ジアミノヘプタン0.39g(3.0mmol)および更にCH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.11g(1.0mmol)に続いて、CH2Cl2 5ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.11g(1.2mmol)を用いて合成した。この混合物を15分間撹拌し続け、次に水性KHSO4(5%)50ml中に注ぎ、1時間撹拌し、かつCH2Cl2 30mlで抽出した。有機相を水性KHSO4(5%)20mlで6回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、かつ高真空下で乾燥させた。逆相RP C4シリカゲル(Vydac (R))50gにおける水/アセトニトリル1:1、次に単にアセトニトリル(両方ともTFA0.1%を含有する)を用いて粗製反応生成物をプラグ濾過(plug filtration)し、高真空下で乾燥した後に、高度に粘性の黄色い油1.36g(収率=29%)が得られた。
【0061】
【化17】
例5
a)(±)−(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)水素フタレートの製造
水素化カリウム8.74g(油中20%、43.6mmol)をペンタンおよびTHFで洗浄した。次に、THF20mlを添加し、かつTHF10ml中のリナノール6.17g(40.0mmol)を15分間の間滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に、THF250ml中の無水フタル酸5.40g(36.4mmol)、DIEA 4.70g(36.4mmol)およびDMAP 0.44g(3.6mmol)の機械的に撹拌された溶液に15分間の間滴加し、次に反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を、氷り300ml上に注ぎ、かつ水性KHSO4(5%)400mlを添加し、かつエーテル300mlで抽出した。水相をエーテル100mlで再抽出した。合わされた有機相を水性KHSO4(5%)100mlで洗浄し、濃縮し、かつエーテル50中に取った。次に溶液をNaHCO3(5%)水溶液20mlで処理し、かつ塩水20mlで2回洗浄した。Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、僅かに橙色の油10.63g(収率=91%)が得られた。
【0062】
【化18】
b)(±)−ビス(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエートの製造
【0063】
【化19】
【0064】
この化合物は、例2bに記載されているように、CH2Cl2 10ml中の(±)−(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)水素フタレート0.20g(0.66mmol)およびトリエチルアミン0.14g(1.39mmol)、CH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.075g(0.69mmmol)、CH2Cl2 5ml中の3,3’−メチルアミノ−ビス(プロパンアミン)0.090g(0.62mmol)および更にCH2Cl2 5ml中のエチルクロロホルメート0.011g(0.1mmol)に続いて、20分後にCH2Cl2 3ml中のN,N−ジメチルエチレンジアミン0.050g(0.55mmol)を用いて合成した。この混合物を0℃で10分間撹拌し続け、次に水性KHSO4(5%)20ml中に注ぎ、室温で1時間撹拌した。有機相を水性KHSO4(5%)50mlで10回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、かつ高真空下で乾燥させ、化合物0.14g(収率=32%)が得られた。
【0065】
【化20】
例6
a)1,1ージメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエートの製造
CH2Cl2 5ml中のフッ化シアヌル1.60g(12.1mmol)を10分間で添加する前に、CH2Cl2 25ml中の(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)水素フタレート(例3aに記載のように製造)3.00g(10.1mmol)およびピリジン0.80g(10.1mmol)の溶液を−20℃まで冷却した。反応混合物を−20℃で30分間撹拌し、次に室温で1時間撹拌し、濾過し、かつジクロロメタン20mlで濯いだ。濾液を水60mlで洗浄した。水相をCH2Cl2 20mlで2回抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン/エーテル 4:1)および乾燥(0.2mbar、30分間)により、僅かに黄色い油2.37g(収率=78%)が得られた。
【0066】
【化21】
b)デンドリマー4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:N−(2−[1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミンの製造
【0067】
【化22】
【0068】
ジクロロメタン2ml中のデンドリマー4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:プロピルアミン(Astramol(R)−Am−4、製造元:DSM)0.077g(0.24mmol)の溶液を、ジクロロメタン6ml中の新たに製造した1,1−ジメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエート0.35g(1.17mmol)およびトリエチルアミン0.235g(2.33mmol)の撹拌溶液に5分間の間、0℃で滴加した。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温まで加熱し、かつ水性KHSO4(5%)10mlで抽出した。水相をCH2Cl2 5mlで2回再抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥した。カラムクロマトグラフィー(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1、TFA0.1%含有)および高真空下での乾燥により、表題化合物0.163g(収率=47%)が得られた。
【0069】
【化23】
例7
デンドリマー8−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:1−アザブチリジン:N−(2−[(1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミンの製造
【0070】
【化24】
【0071】
ジクロロメタン10ml中のデンドリマー8−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:1−アザブチリデン:プロピルアミン(Astramol(R)−Am−4、製造元:DSM)0.36g(0.47mmol)の溶液を、ジクロロメタン20ml中の新たに製造した1,1−ジメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエート(例6a参照)1.34g(4.46mmol)およびトリエチルアミン0.90g(8.92mmol)の撹拌溶液に室温で10分間の間滴加した。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を水性KHSO4(5%)および氷り50ml中に注ぎ、かつCH2Cl2 20mlで抽出した。水相をCH2Cl2 20mlで再抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥した。カラムクロマトグラフィー(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1、次に単にアセトニトリル、両方ともTFA0.1%含有)および高真空下での乾燥により、表題化合物0.40g(収率=28%)が得られた。
【0072】
【化25】
例8
デンドリマー16−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:1−アザブチリジン)2:N−(2−[(1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミンの製造
【0073】
【化26】
【0074】
この化合物は、例7に記載されているように、ジクロロメタン10ml中のデンドリマー16−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4-N,N,N',N']:(1−アザブチリジン)2:プロピルアミン(Astramol(R) −Am−16、製造元:DSM)0.33g(0.20mmol)、ジクロロメタン20ml中の新たに製造した1,1−ジメチル−2−フェニルエチル2−(フルオロカルボニル)ベンゾエート1.05g(3.50mmol)およびトリエチルアミン0.71g(6.99mmol)を用いて合成した。反応混合物を水性KHSO4(5%)30ml中に注ぎ、抽出し、かつNa2SO4上で乾燥させた。生成物フラクションに、KHSO4 0.015gを添加しながら、MPLC(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1、次に1:4、TFA0.1%含有)、濃縮および凍結乾燥後に、白色固体0.19g(収率約15%)が得られた。
【0075】
【化27】
例9
a)(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル水素フタレートの製造
ジクロロメタン130ml中のゲラニオール10.0g(64.9mmol)、無水フタル酸9.6g(64.9mmol)、DIEA 8.4g(64.9mmol)およびDMAP 0.8g(6.5mmol)の溶液を室温で5時間撹拌した。この反応混合物を水性KHSO4(5%)で抽出し、水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ濃縮して、モノフタレート17.5g(89%)が淡黄色油として得られた。
【0076】
【化28】
b)2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネートの製造
エチルクロロホルメート(3.59g、1当量)を、ジクロロメタン60ml中の(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル水素フタレート10g(33mmol)およびトリエチルアミン4.5ml(1当量)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に、水性KHSO4(5%)および水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ溶剤を蒸留した。粗製混合無水カルボン酸(11.23g、91%粗製収率)をアルゴン雰囲気下に冷凍器中に置き、かつポリマーのグラフティング用にそのまま使用した。
c)(E)−N−[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0077】
【化29】
【0078】
ジクロロメタン10ml中の2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]エチルカーボネート0.5g(1.33mmol)、NH2基1.38mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM樹脂VHL、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.967gおよびDIEA(1当量)0.45mlの混合物を機械的に混合した。1時間後に、ジクロロメタン10ml中の2番目の混合無水物の当量を添加し、かつ反応をさらに2.5時間撹拌した。液相を吸引により除去し、かつ樹脂ビーズを二者択一的にジクロロメタンおよびメタノールで濯いだ。樹脂をフラスコに移し、かつ真空下で乾燥させ、1.29gの収率になった。Gisin試験は、グラフト収率98.5%に相当する不飽和NG2基0.015mmol/gの存在を示した(樹脂の重量増大を考慮に入れた)。
【0079】
【化30】
例10
a)グリシル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
ジクロロメタン30ml中のN−tert−ブチルオキシカルボニル−グリシン0.484g(2.76mmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(R)、製造元:Novabiochem, Switzerland)1.44g(2当量)、NH2基1.38mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM樹脂VHL、製造元:Novabiochem, Swizerland)1g、DIEA(1当量)0.5mlの混合物を機械的に混合した。1.5時間後に、反応混合物を除去し、樹脂を洗浄し、かつTFA/ジクロロメタン1:1の混合物50mlと1時間反応させ、次に単にTFA50mlと2時間反応させた。
b)(E)−2−{[2−(3.7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}エタノイル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0080】
【化31】
【0081】
この混合物は、例9cに記載されているように、上記のように得られた樹脂0.5gおよび2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネート(例9b参照)0.5g(2当量)を用いて合成して、変性ポリマー0.55gが得られた。。Gisin試験は、グラフト収率99.7%に相当する不飽和NH2基0.0028mmol/gの存在を示した。
【0082】
【化32】
例11
a)(E)−12−[(12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイル)アミノ]ドデカン酸(A)および(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカン酸(B)の製造
ジクロロメタン60ml中のエチルクロロホルメート1.8g(16.5mmol)の溶液を、ジクロロメタン100ml中の(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル水素フタレート5.0g(16.5mmol)およびトリエチルアミン3.3g(33.0mmol)の撹拌溶液に0℃で滴加した(15分間の間)。室温まで加熱した後に、12−アミノドデカン酸3.6g(16.5mmol)を少量ずつ添加し、反応混合物を18時間撹拌した。濾過し、水性KHSO4(5%)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ濃縮して、粗製生成物7.3gを生じた。アセトニトリル20mlからの再結晶は、A 2.84g(収率=25%)を白色固体として生じた。
【0083】
【化33】
【0084】
母液の濃縮により、黄色い油3.46gが得られた。2g(RP−C4(Vydac(R) 214TP C4)、水/アセトニトリル 1:1 TFA 0.1%含有)のMPLCは、B 0.87g(収率=18%)を生じた。
【0085】
【化34】
b)(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイルエチルカーボネートの製造
エチルクロロホルメート(0.136ml、1当量)を、ジクロロメタン20ml中の(E)−12{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカン酸0.71g(1.4mmol)およびトリエチルアミン0.2ml(1当量)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を室温で2時間撹拌し、かつポリマーのグラフティング用にそのまま使用した。
c)(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0086】
【化35】
【0087】
この化合物は、例9cに記載されているように、NH2基1.38mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM樹脂VHL、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.5gおよび上記のような(E)−12−{[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}ドデカノイルエチルカーボネートの溶液を用いて合成し、変性0.77gが得られた。Gisin試験は、グラフト収率97.0%に相当する不飽和NH2基0.0255mmol/gの存在を示した。
【0088】
【化36】
例12
(E)−N−[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル)ベンゾイル]およびN’−[(2−メトキシエトキシ)−ポリ−(2−エトキシ)]カルボニル置換アミノメチル化ポリスチレンの製造
【0089】
【化37】
【0090】
この化合物は、例9cに記載されているように、NH2基0.72mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM NovaGel HL、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.464gおよび2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネート(例9c参照)0.5g(4当量)を用いて合成し、変性0.34gが得られた。Gisin試験は、グラフト収率97.8%に相当する不飽和NH2基0.013mmol/gの存在を示した。
【0091】
【化38】
例13
2−{(E)−[2−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル−オキシカルボニル)ベンゾイル]アミノ}[エトキシ−2−ポリ−(2−エトキシ)]メチル置換ポリスチレンの製造
【0092】
【化39】
【0093】
この化合物は、例9cに記載されているように、NH2基0.27mmol/g(1.0当量)を有するジビニルベンゼンと架橋したアミノメチル化ポリスチレン樹脂(AM NovaSyn TG、製造元:Novabiochem, Swizerland)0.495gおよび2−[(E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシカルボニル]ベンゾイルエチルカーボネート(例9c参照)0.2g(4当量)を用いて合成し、変性ポリマー0.34gが得られた。Gisin試験は、グラフト収率97.8%に相当する不飽和NH2基0.013mmol/gの存在を示した。
【0094】
【化40】
例14
HPLCによるフレグランスの測定
2種のホスフェートまたはボレート緩衝タブレット(製造元:Fluka, Switzerland)を、それぞれ水160mlとアセトニトリル40mlの混合物中に溶解させることにより、緩衝液を製造した。反応溶液の正確なpH値を決定するために、緩衝液10mlをアセトニトリル2mlで希釈し、かつpH値を測定(InLab 410 Ag/AgClガラス電極を備えたMettler Toledo MP 220装置において)し、7.62(ホスフェート緩衝液)および10.47(ボレート緩衝液)となった。
a)アルカリ加水分解条件下での前駆体の環化量
アセトニトリル25ml中の前駆体35〜45mgの溶液0.2mlを緩衝液1.0ml中に20℃で添加した。この混合物をHPLC装置に即座に注入し(t=0)、逆相カラムにおいて1ml/分で、TFA1%含有の水/アセトニトリル混合物を用いて溶離した。次に、前駆体量の減少および環化生成物の同時形成を、λ=254および280nmで、種々の時間間隔でモニターした。クロマトグラムは、水/アセトニトリル勾配(70:30〜20:80、20分間の間)を使用してMacherey-Nagel, Nucleosil(R) 100-5 C18カラム(250×4mm 内径)において、または水/アセトニトリル勾配(70:30〜40:60、3分間の間)を使用してMerck ChromolithTM SpeedROD RP-C18eカラム(50×4.6mm 内径)において記録した。結果は、以下の表にまとめられている:
【0095】
【表1】
【0096】
試験された全ての化合物は、所望の香料アルコールを放出した。放出速度は、pHの選択、放出させるべきアルコールのタイプならびにカルバモイル部分に結合する基質の性質により影響させることができる。
b)アルカリ加水分解により放出された香料アルコールの量
前駆体約25mgを緩衝液1ml中に置き、アセトニトリル0.2mlを添加し、上澄み溶液を即座にHPLC装置に即座に注入し(t=0)、逆相カラムにおいて3ml/分で、TFA0.1%含有の水/アセトニトリル混合物を用いて溶離した。放出されたアルコールの量を、HPLC分析によりλ=214または254nmで、種々の時間間隔でモニターした。アセトニトリル中の相応するアルコールの外部校正曲線(external calibration curve)は、4〜8希釈から得られた。クロマトグラムは、水/アセトニトリル勾配(100:0で0.2分間、次に0:100で10分間または80:20〜20:80で10分間の間)を使用してMerck ChromolithTM Performance RP-C18eカラム(100×4.6mm 内径)において記録した。結果は、以下の表にまとめられている:
【0097】
【表2】
【0098】
ポリマー(10mg)を単にアセトニトリル(0.5ml)で洗浄することによって、ポリマービーズ(例9〜13の化合物)が遊離ゲラニオールを含有しないことが検査された。デンドリマー2−カルバモイル前駆体(a参照)に関しては、カルバモイル部分に結合した基質の性質により、疎水性環境での遅い放出から、より親水性環境での速い放出まで動的放出を調節することができる。よって、前駆体分部に近づく水分子の良好な近づき易さは、フレグランス放出の速度に関して重要なファクターである。このことは、前駆体とポリマーの間の親水性スペーサーの存在によるか、または前駆体部分に近い親水性アームの存在により達成できるであろう。
例15
UV分析分光法によるフレグランス放出の測定
前駆体溶液(アセトニトリル25ml中35〜55mg、20℃で)2mlを、t=0でリン酸塩緩衝液(例14に記載されているように製造)10mlに添加した。加水分解に続いて、260〜360nmの範囲内で、一定の時間の間隔で、加水分解が完了するまで960nm/分の走査速度を用いて反応混合物の吸収スペクトルを記録した。
図1:UV分析分光法による(±)−ビス(1−ベンジルブチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例2b)の動的測定。
【0099】
同じ方法を使用して、以下の化合物の加水分解を検査した:ビス(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例3b)、ビス(1,5−ジメチル−1−ビニル−4−ヘキセニル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例5b)およびデンドリマー4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4,N,N,N’,N’]:N−(2−[(1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ)カルボニル]ベンゾイル)プロピルアミン(例6b)。
例16
周囲空気条件下でのグラフトポリマーの放出特性
例12および13で製造されたポリマーは、室温で空気の周囲湿度に簡単に曝すことでゲラニオールを放出することができる。従って、例4bに記載されたHPLCにより測定して、これらは100日後に、それぞれゲラニオール8%および33%を放出した。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は、UV分析分光法による(±)−ビス(1−ベンジルブチル)2,2’−(6−メチル−1,11−ジオキソ−2,6,10−トリアザウンデカン−1,11−ジイル)ジベンゾエート(例2b)の動的測定を表す図である。
Claims (13)
- 式
a)kは1または0を表し、
b)nは0〜4の整数を表し、
c)xは1〜50000の整数を表し、
d)x≧2の場合には、pは1または0を表し、またはx=1の場合には、pは1を表し、
e)x>1の場合には、mは1または2を表し、x=1の場合には、mは2〜4の整数を表し、またはMが樹状コアを表す場合には、mは2〜80の整数を表し、
f)R1は、水素原子を表し(n=0の場合)、50g/mol〜4500g/molから成る平均分子量を有するポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールから誘導される多価基(n+1価を有する)を表すか、または場合により置換されたC1〜C22−線状または分枝状アルキル、アルケニルまたはアルキルベンゼン基から誘導される多価基(n+1価を有する)を表し、かつ前記基は、主鎖にカーボネート、エーテル、エステル、ケトン、アミン、第四アミンおよびアミドから成る群から選択される1〜10個の官能基を含有していてもよいが、但し、式(I)中の少なくとも2個のR1は、水素原子ではなく、
g)Qは、水素原子または式
R2は、式R2OHの活性アルコールまたはエノールから誘導される基を示し、
R3、R4、R4’は、水素原子を表すか、または場合により置換され、かつ場合により1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20−線状または分枝状、飽和または不飽和の基を表すか、または前記R3、R4、R4’は、これらが結合する炭素原子と一緒になると考える場合には、芳香族または脂肪族単環、二環または三環の基を形成できるが、但し、式(I)中の少なくとも2個のQは、水素原子ではない)の基を表し、
h)Tは、水素原子またはハロゲン化物原子、スルフェートまたはスルホネート基、C1〜C10−エステル、アルキル、アルコラートまたはシアノアルキル基、カルボン酸またはN(R5)2基、および相応するC1〜C6−アルキル化された四級塩を表し、R5は、水素原子またはC1〜C15−アルキル、アルケニルまたは芳香族基を表し、前記基は、場合により主鎖にエーテル、エステル、ケトン、アミン、第四アミンおよびアミドから成る群から選択される1〜5個の官能基を含有し、
i)Mは、0〜7世代の樹状コア、式A)の基を表すか、またはサッカリドおよび式B)〜G)のモノマー単位およびこれらの混合物から成る群から選択されるポリマー鎖の”モノマー単位”を表す:
wは、1または0であり、
yは、1〜12の整数を表し、
jは、2〜4の整数を表し、
zは、1〜5の整数を表し、
Wは、窒素原子または炭素原子を表すか、またはNR5、NR5 2、O、CO、OC(O)O、C(O)O、C(N)OまたはNC(O)N官能基を示し、
R6は、水素原子または酸素原子またはC1〜C15−アルキルまたはグリコール基を表し、
Uは、アミノ酸の側鎖を表し、かつ
Zは、式i)〜x)の官能基および式xi)〜xiii)の分枝単位およびこれらの混合物から成る群から選択される官能基:
R5は、前記の意味を表し、
z’は、0〜5の整数であるが、
但し、Mが式C)またはD)の基を示す場合には、Zは式i)、iii)、v)、vii)およびix)の基を表さない)を表す}]
の化合物。 - 式(I)中、
− k、n、x、pおよびmが請求項1に記載の意味を有し、
− R1が50g/mol〜1200g/molから成る平均分子量を有するポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールから誘導される多価基を表すか、または場合により、主鎖にカーボネート、エステル、エーテル、カルボニルまたはアミンから成る群から選択される1個または2個の官能基を含有する線状または分枝状のC1〜C12−多価アルキル基を表し、
− Qが場合により置換されたフタル酸またはマレイン酸誘導体から得られる基を表し、、かつ式R2OHの活性アルコールまたはエノールを表し、
− Tが水素原子、N(R5)2基、C1〜C5−アルキル、アルコラート、シアノアルキルまたはエステル基、スルホネートまたはスルフェート基を表し、かつ
− Mが0〜5世代の樹状コア、サッカリドまたは式A)(式中、j=2およびWは、酸素原子またはNR5またはNR5 2基を表す)、B)、C)、E)およびF)またはこれらの混合物から成る群から選択される”構成ブロック”を表し、かつ前記式中、w、y、z、R5、R6、UおよびZは、請求項1に記載の意味を有する、
請求項1に記載の化合物。 - Mが、次のものから成る群:
− ポリアルキルイミンデンドリマー、グリコアミンデンドリマー、アミノ酸デンドリマー、混合アミノ/エーテルデンドリマーおよび混合アミノ/アミドデンドリマーから成る群から選択される0〜5世代の樹状コア、
− グルコース、グルコサミン、セルロース、アミロース、マンヌロン酸またはグルロン酸から成る群から選択されるサッカリド誘導体、
− j=2、かつWが酸素原子またはNR5またはNR5 2基を表す式A)の基、
− アクリル酸誘導体またはスチレン誘導体を表す式B)の基、
− エチレンイミンまたはプロピレンイミン誘導体を表す式E)の基、かつ
− リシン、セリン、トレオニンまたはチロシンを表す式F)の基、その際、式A)、B)およびE)の記号R5、R6、wおよびyは、請求項1に記載の意味を有し、R5は、水素原子またはC1〜C3−基を表す
から選択される基を表す、請求項2に記載の化合物。 - 式(I)中、Qは、請求項2に記載の意味を有し、かつ
(T)p−[M−((R1)k−(NH)n)m]x−(T)p部分が、次のもの:
− ポリアミドアミンデンドリマー、ポリアルキルアミンデンドリマー、
− 少なくとも2個のNH2基を含有するキトサン、ポリアミノアルギネートまたはセルロース、シクロデキストリンまたはデンプン誘導体、
− ポリアルキレンイミン、および
− ポリリシン
から成る群から選択される化合物のうちの1つから誘導される基を表し、
かつ(T)p−[M−((R1)k−(NH)n)m]x−(T)p部分のうち、記号k、n、x、pおよびmは上記の意味を有する、請求項1に記載の化合物。 - 式(I)中、Q、R1、k、n、x、pおよびmが請求項2に記載の意味を有し、
(T)p−[M]x−(T)p部分が、次のもの:
ポリスチレン、架橋ポリスチレンまたはアクリル酸もしくはマレイン酸を基礎とするか、またはC1〜C4アルコールのアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルを基礎とするポリマー
から成る群から選択される化合物のうちの1つから誘導される基を表す、請求項1に記載の化合物。 - 式(I)中、Q、R1、k、n、x、pおよびmが請求項2に記載の意味を有し、かつ
(T)p−[M]x−(T)p部分が、セルロースまたはアミノ酸を基礎とする天然繊維を表す、請求項1に記載の化合物。 - 次の:
a)二酸または無水物、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸または無水グルタル酸または酸と、式R2OHの活性化合物を反応させて、エステル結合およびカルボン酸官能基を含有する誘導体を形成し、
b)工程a)で得られたカルボン酸官能基を変換して、塩化アシルまたはフッ化アシルまたは混合無水物にし、かつ
c)工程b)で得られた誘導体を、請求項1から5までのいずれか1項に記載の式T−[M−((R1)k−(NH2)n)m]x−Tの化合物の第一アミノ官能基と反応させるか、または二者択一的に、
d)工程b)で得られた誘導体を、請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー骨格Mのモノマー前駆体の第一アミノ官能基と反応させ、かつ
e)標準の方法により、工程d)で得られた化合物を重合する
工程を含む方法により得られる化合物。 - 請求項1から7までのいずれか1項に記載の化合物の、活性アルコール、ケトンまたはアルデヒドまたはこれらの混合物を遊離できる活性成分または前駆体としての使用。
- 活性成分として請求項1から7までのいずれか1項に記載の化合物を、常用の活性成分、溶剤または補助剤と一緒に有する香料、香味料、昆虫駆除剤または昆虫誘引剤、殺カビ剤または殺菌剤組成物、商品または製品。
- 前記化合物の残留物が活性化合物の遊離後に不活性である、請求項9に記載の組成物、商品または製品。
- アフターシェービングローション、セッケン、バスまたはシャワージェル、シャンプーまたはコンディショナーまたは他のヘアーケア製品、デオドラントまたはエアーフレッシュナー、化粧調製物、衛生用品、洗剤または織物柔軟剤またはクリーニング製品の形の、請求項9または10に記載の組成物、商品または製品。
- 表面での活性化合物の拡散効果を増強または延長する方法において、前記表面が請求項1から7までのいずれか1項に記載の式(I)の化合物と接触することを特徴とする、表面での活性化合物の拡散効果を増強または延長する方法。
- 前記表面が繊維であり、かつ式(I)の化合物が洗剤および/または織物柔軟剤中に含有されている、請求項12に記載の方法。
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