JP2004528328A - 徐放性粒子 - Google Patents
徐放性粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004528328A JP2004528328A JP2002582705A JP2002582705A JP2004528328A JP 2004528328 A JP2004528328 A JP 2004528328A JP 2002582705 A JP2002582705 A JP 2002582705A JP 2002582705 A JP2002582705 A JP 2002582705A JP 2004528328 A JP2004528328 A JP 2004528328A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- particle
- article
- particles
- active agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N31/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic oxygen or sulfur compounds
- A01N31/02—Acyclic compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N25/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
- A01N25/08—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing solids as carriers or diluents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N25/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
- A01N25/18—Vapour or smoke emitting compositions with delayed or sustained release
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N37/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic compounds containing a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most two bonds to halogen, e.g. carboxylic acids
- A01N37/02—Saturated carboxylic acids or thio analogues thereof; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Agronomy & Crop Science (AREA)
- Pest Control & Pesticides (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Dentistry (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Environmental Sciences (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Oncology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
Description
【0001】
本発明は徐放性の活性薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の徐放性を達成するのが望ましいことが多い。しかしながら、薬剤の性質およびその薬剤を放出する環境が原因となって、徐放性を達成するのが困難となることもあり得る。たとえば揮発性の化合物の場合、それらの不安定性のために、徐放性に関しては独特の問題を呈する。揮発性の化合物の徐放性を達成するための1つの試みでは、吸収剤粒子に揮発性の化合物を含浸させ、それによって、時間の経過とともにその化合物を吸収剤から揮発させる。さらなる試みとしては、そのような揮発性の化合物を吸着させた粒子をさらに溶融させた熱可塑性ポリマーでコーティングして、所望の放出までその化合物を粒子内に保持しようとするものもある。
【0003】
このようなカプセル化技術に使用される吸収剤粒子にはゼオライトのようなモレキュラーシーブや、界面活性剤をテンプレートとして用いた(surfactant templated)粒子がしばしば用いられる。モレキュラーシーブは多孔質な構造体であって、天然にも存在するし、合成的に調製することもできる。界面活性剤をテンプレートとして用いた粒子は、細孔形成性材料または「テンプレート(template)」の周りに無機マトリックスを凝縮させることによって調製される多孔質構造体である。粒子を成形したら、この無機マトリックスを高温焼成または溶媒抽出にかけて、界面活性剤を除去する。残った無機マトリックスは多孔質構造を有し、揮発性の化合物のための吸収剤サイトとして使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1の態様において、本発明は、チャネルを含む無機マトリックスを含む粒子およびそのチャネル内に配置した組成物を特徴とし、ここでその組成物には有機構造誘導性(structure−directing)薬剤および活性薬剤を含み、またその粒子は活性薬剤を徐放することが可能である。1つの実施態様において、その粒子には、その組成物を含む鋳型をさらに含む。他の実施態様において、この無機マトリックスは組成物の存在下に形成されたものである。いくつかの実施態様において、銅のKα線照射を使用したときの2θが6度未満のX線回折ピークを有する。
【0005】
いくつかの実施態様において、この活性薬剤は疎水性である。他の実施態様において、この活性薬剤は親水性である。また別の実施態様において、この活性薬剤にはフェロモンを含む。他の実施態様においてこの活性薬剤は、トランス−8,トランス−10−デデカジエン−1−オル、酢酸Z−11−テトラデセニル、酢酸E−11−テトラデセニル、酢酸Z−8−ドデセニル、酢酸E−8ドデセニル、Z−8−ドデセノール、酢酸Z,Z−3,13−オクタデシルジエニル、酢酸E,Z−3,13−オクタデシルジエニル、および酢酸Z−9−ドデセニル、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される。
【0006】
また別の実施態様において、この活性薬剤には硬化剤を含む。いくつかの実施態様において、この活性薬剤は、医薬用薬剤、治療用薬剤、抗菌剤、農業用薬剤、衛生用薬剤、防腐剤、消毒剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される。1つの実施態様において、この活性薬剤は、クロルヘキシジンジグルコネート、銀イオン、グリセロールモノラウレート、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
【0007】
いくつかの実施態様において、この活性薬剤は有機構造誘導性薬剤中に溶解される。他の実施態様において、この活性薬剤は有機構造誘導性薬剤と結合される。
【0008】
各種の実施態様において、この粒子は約20μm以下、約15μm以下、約1000nm以下または約100nm以下の平均粒径を有する。
【0009】
また別の実施態様において、この有機構造誘導性薬剤には界面活性剤を含む。いくつかの実施態様において、この有機構造誘導性薬剤にはラテックス粒子を含む。
【0010】
いくつかの実施態様において、この粒子のチャネルは、約50nm以下の平均断面寸法(cross−sectional dimension)を有する。他の実施態様において、この粒子のチャネルは、30nm以下の平均断面寸法を有する。いくつかの実施態様において、これらのチャネルは略平行な関係にある。他の実施態様において、これらのチャネルは相互に結合したネットワークを形成している。
【0011】
1つの実施態様において、この無機マトリックスには金属酸化物粒子の結合体(aggregate)を含む。他の実施態様において、この無機マトリックスには、アルミナ、チタニア、ジルコニアおよびそれらの組合せからなる群より選択される金属酸化物を含む。いくつかの実施態様において、この無機マトリックスにはシリカを含む。
【0012】
第2の態様において、本発明は、チャネルを含む無機マトリックスを含む複数の粒子を含む第1の組成物およびそのチャネル内に配置された第2の組成物とを特徴とし、前記第2の組成物には、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含み、そして前記粒子は活性薬剤を徐放することが可能である。いくつかの実施態様において、この無機マトリックスは第2の組成物の存在下に形成されたものである。
【0013】
他の実施態様において、この組成物にはビヒクルをさらに含む。いくつかの実施態様において、このビヒクルは、水、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、エステル、カルボキシレート、ポリオール、炭化水素、フルオロカーボン、およびそれらの組合せからなる群より選択される。また別の実施態様において、このビヒクルには重合性モノマーを含む。また別の実施態様において、このビヒクルには、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーを含む。1つの実施態様において、このビヒクルにはエポキシ樹脂を含み、そしてこの活性薬剤には硬化剤を含む。他の実施態様において、このビヒクルには接着剤組成物を含む。
【0014】
また別の実施態様において、この有機構造誘導性薬剤には界面活性剤を含む。いくつかの実施態様において、この有機構造誘導性薬剤にはラテックス粒子を含む。他の実施態様において、この活性薬剤にはフェロモンを含む。また別の実施態様においてこの活性薬剤は、トランス−8,トランス−10−デデカジエン−1−オル、酢酸Z−11−テトラデセニル、酢酸E−11−テトラデセニル、酢酸Z−8−ドデセニル、酢酸E−8ドデセニル、Z−8−ドデセノール、酢酸Z,Z−3,13−オクタデシルジエニル、酢酸E,Z−3,13−オクタデシルジエニル、および酢酸Z−9−ドデセニル、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される。他の実施態様において、この活性薬剤は、医薬用薬剤、治療用薬剤、抗微生物剤、農業用薬剤、衛生用薬剤、防腐剤、消毒剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される。また別の実施態様において、この活性薬剤は、クロルヘキシジンジグルコネート、銀イオン、グリセロールモノラウレート、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
【0015】
1つの実施態様において、この無機マトリックスにはシリカを含む。
【0016】
第3の態様において、本発明は、上述の組成物を含む粉体を特徴とする。いくつかの態様において、本発明は上述の組成物を含むフィルムを特徴とする。さらに他の態様において、本発明は上述の組成物を含む物品を特徴とする。1つの実施態様において、この物品は、タブレット、ペレットおよびブリックからなる群より選択される形態をとる。
【0017】
第4の態様において、本発明は、容器およびチャネルを含む無機マトリックスを含む複数の粒子およびそのチャネル内に配置された組成物を含む物品を特徴とし、前記の組成物には、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含み、そして前記粒子は活性薬剤を徐放することが可能である。1つの実施態様において、この物品にはエアロゾル噴射剤をさらに含む。また別の実施態様において、この物品にはビヒクルをさらに含む。いくつかの実施態様において、この粒子はビヒクル内に配置される。他の実施態様において、このビヒクルは、水、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、エステル、カルボキシレート、ポリオール、炭化水素、フルオロカーボン、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
【0018】
1つの実施態様において、この活性薬剤は、医薬用薬剤、治療用薬剤、抗微生物剤、農業用薬剤、衛生用薬剤、防腐剤、消毒剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される。また別の実施態様において、この活性薬剤にはフェロモンを含む。
【0019】
第5の態様において、本発明は、ターゲットと、チャネルを含む無機マトリックスを含む複数の粒子を含む第1の組成物およびそのチャネル内に配置された第2の組成物とを接触させるステップを含む方法を特徴とし、前記の第2の組成物には、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含み、前記粒子は活性薬剤を徐放することが可能である。1つの実施態様において、このターゲットには土壌を含む。他の実施態様において、このターゲットには植物を含む。いくつかの実施態様において、このターゲットには樹木を含む。
【0020】
1つの実施態様において、この方法には第1の組成物を噴霧するステップをさらに含む。いくつかの実施態様において、この第1の組成物にはビヒクルをさらに含む。他の実施態様において、このビヒクルは、水、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、エステル、カルボキシレート、ポリオール、炭化水素、フルオロカーボン、およびそれらの組合せからなる群より選択される。いくつかの実施態様において、このビヒクルには、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーを含む。
【0021】
また別の実施態様において、この方法には、粒子を線エネルギー(radiation)暴露させて活性薬剤を放出させることをさらに含む。いくつかの実施態様において、この線エネルギーは熱線、紫外線および電子ビーム線からなる群より選択される。
【0022】
他の実施態様において、この活性薬剤には硬化剤を含む。
【0023】
第6の態様において、本発明は、有効量の活性薬剤を徐放することが可能な粒子を作製する方法を特徴とし、この方法には、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物の存在下に無機マトリックスを形成させることを含む。1つの実施態様において、無機マトリックスを形成させることには、無機成分を凝縮させることを含む。いくつかの実施態様において、この無機成分は、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属塩、およびそれらの組合せからなる群より選択される。他の実施態様において、この無機成分にはアルコキシシランを含む。また別の実施態様において、この無機マトリックスにはシリカを含む。
【0024】
1つの実施態様において、テンプレートの存在下に無機成分を凝縮させるステップを含む無機マトリックスの形成には組成物を含む。いくつかの実施態様において、無機マトリックスの形成にはコロイド状金属酸化物粒子を非可逆的に凝集するステップを含む。他の実施態様において、この方法には凝集した金属酸化物粒子を乾燥させるステップをさらに含む。1つの実施態様において、この有機構造誘導性薬剤には界面活性剤を含む。また別の実施態様において、この有機構造誘導性薬剤にはラテックス粒子を含む。いくつかの実施態様において、この方法には組成物を含むテンプレートの存在下に無機マトリックスを形成させるステップをさらに含む。
【0025】
第7の態様において、本発明は、チャネルを含む無機マトリックスを含む粒子およびそのチャネル内に配置された組成物を特徴とし、前記の組成物には界面活性剤および医薬用薬剤、治療用薬剤、抗微生物剤、農業用薬剤、硬化剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される活性薬剤を含み、前記粒子は活性薬剤を徐放することが可能である。1つの実施態様において、この活性薬剤にはフェロモンを含む。
【0026】
第8の態様において、本発明は複数の上述の粒子を含む組成物を特徴とする。
【0027】
第9の態様において、本発明は、容器、およびその容器の中に配置された複数の上述の粒子を含む物品を特徴とする。1つの実施態様において、この物品にはエアロゾル噴射剤をさらに含む。
【0028】
第10の態様において、本発明は、ターゲットを複数の上述の粒子を含む第1の組成物と接触させる方法を特徴とする。各種の実施態様において、このターゲットには土壌、植物またはリンゴの樹木を含む。
【0029】
いくつかの実施態様において、この方法には第1の組成物を噴霧するステップをさらに含む。他の実施態様において、この第1の組成物にはビヒクルをさらに含む。いくつかの実施態様において、このビヒクルは、水、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、エステル、カルボキシレート、ポリオール、炭化水素、フルオロカーボン、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
【0030】
第11の態様において、本発明は、活性薬剤を徐放することが可能な粒子を作製する方法を特徴とし、その方法には、無機成分、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物を乾燥させるステップを含む。いくつかの実施態様において、この方法には、基材の上に組成物を噴霧させた後にその組成物を乾燥させるステップをさらに含む。他の実施態様において、この組成物は4〜9のpHを有する。
【0031】
第12の態様において、本発明は、ターゲットを処理する方法を特徴とし、その方法は、a)そのターゲットを無機成分、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物と接触させるステップ、およびb)その組成物を乾燥させて、活性薬剤を徐放することが可能である粒子を形成させるステップを含む。1つの実施態様において、この組成物は4〜9のpHを有する。また別の実施態様において、この方法には組成物を噴霧するステップをさらに含む。
【0032】
第13の態様において、本発明は、活性薬剤を徐放することが可能な粒子を作製する方法を特徴とし、この方法には、4〜9のpHを有する組成物の存在下に無機マトリックスを形成させるステップとを含み、その組成物には無機成分、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む。
【0033】
「構造誘導性薬剤」という用語は、凝縮可能な無機成分が存在する場合に、無機成分が凝縮するときに、形成する構造を誘導(指向)することが可能な薬剤を意味する。
【0034】
「活性薬剤」という用語は、粒子から放出されたときに、生物学的システム、化学的システムまたはそれらを組み合わせたものに対して、相互作用を発揮できる薬剤を指している。
【0035】
本発明の粒子は、あらかじめ定めた条件下で、活性薬剤を徐放することが可能である。この粒子は、活性薬剤が複合物から放出される速度を調節できるように配合することも可能である。この粒子は、不安定な活性薬剤を保護し、いくつかの活性薬剤ではその貯蔵寿命を延ばすことができる。
【0036】
この粒子は揮発性の活性薬剤をカプセル化し、揮発性の活性薬剤を徐放させるのには特に適している。
【0037】
いくつかの配合において、この粒子は、その中に含まれている活性薬剤を放出することなく液状ビヒクル中に置くことができ、それによって、その粒子を水性ビヒクルを必要とする他の化合物に一緒に配合することができ、それら同じ化合物と同時に適用することができる。
【0038】
反応混合物を形成する徐放性粒子を配合して、基材の上たとえばターゲットに適用することができる。この混合物が乾燥するにつれて基材の上に徐放性粒子が形成され、このことが混合物の使用および活性薬剤の適用に役立つ。
【0039】
金属酸化物粒子を含み、粒子の無機マトリックスの形成に触媒作用を有する強酸または強塩基を実質的に含まない混合物から徐放性粒子を調製すると、その混合物から後で強酸や強塩基を除去する必要がなくなり、粒子の製造プロセスが単純化される。
【0040】
本発明の他の特徴は、以下の本発明の好適な実施態様の説明および特許請求の範囲からも明らかとなるであろう。
【0041】
徐放性粒子は各種の無機凝縮方法に従って調製することができる。無機凝縮方法では一般に、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤の存在下に無機成分を凝縮させるステップを含む。
【0042】
有用な無機凝縮方法の1つ例としては、界面活性剤テンプレートの有機構造誘導性薬剤の存在下に分子前駆体を凝縮させるステップが挙げられる。この方法には、水、界面活性剤、活性薬剤、凝縮可能な無機成分、および場合によっては凝縮触媒を含む混合物を調製するステップを含む。説明をする目的で、この方法を界面活性剤ミセルの形態の有機構造誘導性薬剤について記述するが、この方法は他の有機構造誘導性薬剤、たとえば、リオトロピック界面活性液晶およびラテックス粒子などを使用するのにも適していることは理解されたい。充分な量の界面活性剤を水に添加して、界面活性剤ミセルを形成させる。活性薬剤はこの界面活性剤ミセルに、結合、溶解、分散またはそれらの組み合わせた形態となる。次いで凝縮可能な無機成分の水性分散体をその界面活性剤混合物に添加すると、それによって界面活性剤ミセルが凝集し、界面活性剤テンプレートを形成する。次いで凝縮可能な無機成分がその界面活性剤テンプレートのまわりに集まり、凝縮反応を起こして無機マトリックスを形成する。そのまわりに無機マトリックスが形成された界面活性剤テンプレートが、無機マトリックスのチャネルをのパターンを決める。
【0043】
粒子の型を形成する他の有用な方法は、たとえば、米国特許第5,264,203号明細書およびWO 00/37705に記載されている。
【0044】
徐放性粒子を調製するまた別の方法としては、コロイド状金属酸化物粒子の形態の凝縮可能な無機成分を、有機構造誘導性薬剤、活性薬剤および水を含む混合物に添加するステップが挙げられる。この組成物が乾燥するにつれて、コロイド状金属酸化物粒子が有機構造誘導性薬剤のまわりに凝縮、すなわち、非可逆的に凝集し、有機構造誘導性薬剤によってパターン化されたチャネルを含む固体の無機マトリックスを形成する。
【0045】
この徐放性粒子には、チャネルを有する無機マトリックス、およびそのチャネルに配置された有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物を含む。この徐放性粒子の無機マトリックスは無機構造体で、各種の無機物質を含むことができるが、そのようなものとしてはたとえば、金属酸化物(たとえば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアおよびたとえばアルミナシリケートのようなシリケート)、金属スルフィド、金属(たとえば、白金)およびそれらの組合せなどが挙げられる。この無機マトリックスは焼成されていないのが好ましいが、これはすなわち、無機マトリックスを形成させたときに存在していた有機成分を劣化または分解させたり、実質的にその無機マトリックスを脱ヒドロキシル化したり、またはその両方を起こすのに充分な温度には無機マトリックスを加熱していないということである。
【0046】
この無機マトリックスは、凝縮可能な無機成分を凝縮させることにより形成させる。有用な凝縮可能な無機成分としては、たとえば、分子前駆体、金属塩および無機コロイド状粒子などが挙げられる。有用な凝縮可能な分子前駆体としては、たとえば、金属たとえばシリカ、ジルコニウム、チタン、希土類イオン、ゲルマニウム、スズ、タングステンおよびアルミニウムなどのアルコキシドおよびカルボキシレートを挙げることができる。有用なシリカ前駆体の例としては、アルコキシシランたとえばテトラメトキシシラン、テトラアルコキシシランたとえば、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、イソ−プロポキシシラン、sec−ブトキシシランおよびtert−ブトキシシランおよびそれらの組合せ、テトラクロロシラン、およびそれらの組合せなどが挙げられる。
【0047】
有用な金属塩の例を挙げれば、金属ハライド、たとえば、金属クロリド(たとえば、塩化鉄および塩化アルミニウム)および金属硝酸塩たとえば、硝酸鉄および硝酸アルミニウムなどがある。
【0048】
好適なコロイド状粒子としては、たとえば、金属酸化物(たとえば、アルミナ、シリカ、チタニアおよびジルコニア)、金属スルフィド、シリケート(たとえば、アルミナシリケート)およびそれらの組合せなどが挙げられる。コロイド状シリカは特に有用な無機マトリックスを与える。好適なコロイド状金属酸化物粒子は、2nm〜100nmの平均粒径を有している。
【0049】
無機マトリックスのチャネルの中に配置された組成物には、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む。有用な有機構造誘導性薬剤には超分子集合体(supramolecular assemblies)を含み、それらの例としては、界面活性剤ミセルおよびラテックス粒子などがある。徐放性粒子を形成させる際に、この有機構造誘導性薬剤を、徐放性粒子が形成している間にそのまわりに無機マトリックスが凝縮するパターンを与えるに充分な量で存在させておく。数多くの有機構造誘導性薬剤が凝集して、そのまわりに無機マトリックスが形成されるようなパターンを形成させることができる。このパターンはたとえばテンプレートを用いたように規則的とすることもできるし、不規則なものにすることもできる。有機構造誘導性薬剤は、たとえば界面活性剤テンプレートまたはラテックステンプレートのような規則的なパターンを形成するのが好ましい。この有機構造誘導性薬剤が、銅のKα線照射を使用したときの2θが6度未満のX線回折ピーク有する、すなわちd−間隔(d−spacing)が約15オングストローム(Å)に相当する粒子を製作するに充分な性質を有する規則的なテンプレートを形成するのが好ましい。
【0050】
有機構造誘導性薬剤が無機マトリックスのチャネルをパターン化して、無機マトリックスの中に拡がるチャネルを、各種の配置たとえば規則的な配列やランダムな配置として与える。1つの配置として、チャネルの少なくともいくつかが相互に結合したネットワークをチャネルが形成する。他の配置として、チャネルが平行に配列した形で存在し、平行なチャネルの多数の層とすることもできる。無機マトリックスのチャネルの大部分が、粒子の1つの表面から他の表面にまで連続的に拡がっていて、そのためにチャネルの入口と出口が粒子の表面に位置しているのが好ましい。このチャネルが、活性薬剤が粒子から拡散して出ていくことを促進している。この無機マトリックスのチャネルの平均横断寸法は、たとえば直径が、1.5nm〜2000nm、好ましくは1.5nm〜50nm、より好ましくは1.5nm〜30nmであるのが好ましい。この粒子には独立気泡細孔が含まれていてもよく、その中には、各種の成分たとえば、気体(たとえば空気)、有機構造誘導性薬剤、溶媒およびそれらの組合せが含まれていてもよい。
【0051】
有機構造誘導性薬剤は、あらかじめ定められた活性薬剤を徐放性粒子の中に取り込むことができ、そして好ましくは、その徐放性粒子からその活性薬剤を徐放するのに役立つように、選択する。有機構造誘導性薬剤は、あらかじめ定められた活性薬剤が有機構造誘導性薬剤に溶解するように選択するのが好ましい。この有機構造誘導性薬剤はさらに、あらかじめ定められた断面直径を有するチャネルが得られるように選択することが好ましいが、これについては後に詳しく説明する。
【0052】
この有機構造誘導性薬剤はまた、外部から粒子に加えられる因子、たとえば、加熱、照射、湿度、溶媒、かき混ぜ、圧力変化、pH、イオン強度、およびそれらの組合せなどによって、活性薬剤の放出が開始されれように選択することも可能である。このような外部因子は、活性薬剤が粒子から放出される速度を変化させるのにも使用することができる。
【0053】
好適な有機構造誘導性薬剤としては、ラテックス粒子および界面活性剤が挙げられる。有用なラテックス有機構造誘導性薬剤としては、たとえば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ステアリルメタクリレート−ヘキサンジオールジアクリレート)およびそれらの組合せなどが挙げられる。
【0054】
有用な界面活性剤タイプの構造誘導性薬剤としては、たとえば、カチオン性、アニオン性、ノニオン性および双生イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0055】
好適なカチオン性界面活性剤としては、式CnH2n+1N(CH3)3X(ここでXはOH、Cl、Br、HSO4またはOHおよびClの組合せ、そしてnは8〜22の整数)、および式CnH2n+1N(C2H5)3X(ここで、nは12〜18の整数)を有するアルキルアンモニウム塩;ゲミニ(gemini)界面活性剤、たとえば式[C16H33N(CH3)2CmH2m+1]X(ここでmは2〜12の整数、Xは先に定義したもの);および、セチルエチルピペリジニウム塩、たとえばC16H33N(C2H5)(C5H10)X(ここでXは先に定義したもの)などが挙げられる。好適なアルキルアンモニウム塩には、アルキルトリメチルアンモニウムクロリドたとえば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびアルキルトリメチルアンモニウムブロミドたとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロミドおよびデシルトリメチルアンモニウムブロミドなどがある。有用な4級アンモニウム塩の例としては、アンモニウムクロリドがある。
【0056】
有用なアニオン性界面活性剤としては、たとえば、式CnH2n+1OSO3 -M+(ここでnは12〜18)を有するアルキル硫酸塩;C16H33SO3 -M+およびC12H25C6H4SO3 -M+などのアルキルスルホン酸塩;たとえば、C12H25OPO3 -M+、およびC14H29OPO3 -などのアルキルリン酸塩;および、たとえば、C17H35CO2 -およびC14H25COOHのアルキルカルボキシレートなどが挙げられるが、ここでM+はアルカリ金属アンモニウムまたはアルキルアンモニウム、好ましくはM+は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムである。
【0057】
その他の有用なアニオン性界面活性剤としては、たとえば、アルキル硫酸およびスルホン酸のアルカリ金属および(アルキル)アンモニウム塩(たとえば、ドデシル硫酸ナトリウムおよびドデカンスルホン酸カリウム)、直鎖または分岐鎖脂肪族アルコールおよびカルボン酸のポリエトキシル化誘導体の硫酸塩、アルキルベンゼンおよびアルキナフタレンスルホン酸塩および硫酸塩(たとえば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルカルボキシレート(たとえば、ドデシルカルボキシレート)、エトキシル化およびポリエトキシル化アルキルおよびアラルキルアルコールのカルボキシレート、およびアルキルリン酸塩(たとえば、エトキシル化ドデシルリン酸塩)などが挙げられる。
【0058】
有用なノニオン性界面活性剤としては、たとえば、アルキルアミンたとえば式CnH2n+1NH2の構造を有するアルキルアミン、ポリ(オキシエチレンオキシド)、ポリ(オクタエチレングリコールモノデシルエーテル)(C12EO8)、ポリ(オクタエチレングリコニルノンヘキサデシルエーテル)(C16EO8)、およびポリ(アルキレンオキシド)三元ブロックコポリマー、たとえば、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)などが挙げられる。市場で入手可能な有用なノニオン性コポリマー界面活性剤の例としては、ニュージャージー州マウントオリーブのBASF社(BASF Corporation(Mount Olive、NJ))から商品名プルロニック(PLURONIC)のたとえば、P123、F98、25R4、10R5および17R4として入手可能なノニオン性コポリマー界面活性剤がある。
【0059】
その他の有用なタイプの界面活性剤としては、エトキシル化アミンがあるが、これはエトキシル化脂肪族アミンとも呼ばれている。好適なエトキシル化アミンは、式R−N(CH2CH2O)xH(CH2CH2O)yHを有するもので、ここでx+y=15および50であり、これはイリノイ州シカゴのアクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel(Chicago、IL))から商品名エトメーン(ETHOMEEN)として市販されている。
【0060】
また別の好適なタイプの界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤があり、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company(St. Paul、MN))から商品名フルオラッド(FLUORAD)(たとえば、フルオラッドFC−431)として入手可能なフッ素系界面活性剤などがある。
【0061】
有機構造誘導性薬剤の分子量、および徐放性粒子を形成させるための混合物中での有機構造誘導性薬剤の濃度を選択して、その粒子から活性薬剤が放出される速度を調節することができる。無機マトリックスのチャネルの平均断面積(たとえば、通常は円筒状のチャネルの平均直径)を大きくすると、活性薬剤が無機マトリックスから放出される速度を大きくすることができるし、チャネルの平均断面積を小さくすると活性薬剤が粒子から放出される速度も小さくなる。チャネルの平均断面積およびチャネルの断面積の均一性は、界面活性剤の分子量を変化させることによって調整できる。界面活性剤の分子量および反応混合物中の界面活性剤の濃度は、無機マトリックスのチャネルが目標とする断面積および無機マトリックス内部のチャネルの断面積が目標とする均一性を基準に選定することができる。たとえば、比較的短いアルキル鎖を有する界面活性剤は、比較的小さな断面積のチャネルを有する無機マトリックスの型となるし、比較的長いアルキル鎖を有する界面活性剤は、比較的大きな断面積のチャネルを有する無機マトリックスの型となる。
【0062】
1.5nm〜5nmの断面直径を有するチャネルを含む複合物を調整するために好適な界面活性剤の例としては、分子量が約1000未満のカチオン性、アニオン性、ノニオン性、双生イオン性およびフルオロカーボン系界面活性剤で、たとえば、アルキルアンモニウム、リン酸塩、硫酸塩およびカルボキシレート系界面活性剤が挙げられる。5nm〜約30nmの断面直径を有するチャネルを含む複合物を調整するために好適な界面活性剤としては、500〜15,000の分子量を有する中性またはフルオロカーボン系界面活性剤が挙げられ、その例としては、三元ブロックコポリマー、たとえば、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)コポリマーおよびポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)コポリマーなどがニュージャージー州マウントオリーブのBASF社(BASF Corp.(Mount Olive、NJ))から商品名プルロニック(PLURONIC)として入手可能である。
【0063】
反応混合物を形成する粒子の中に存在する有機構造誘導性薬剤の濃度もまた、徐放性粒子のチャネルの断面直径に影響を与える。たとえば、濃度を上げればチャネルの断面直径を大きくすることができ、逆に濃度を下げればチャネルの断面直径を小さくすることができる。
【0064】
徐放性粒子中における有機構造誘導性薬剤の無機マトリックスに対する容積比は、好ましくは10%〜90%、より好ましくは25%〜75%、最も好ましくは40%〜60%である。
【0065】
活性薬剤は徐放性粒子から放出されると、有益な効果をもたらす。この有益な効果は、直接的、間接的、あるいはそれらの組合せになっていてもよい。医薬用組成物のような活性薬剤は、ヒトに有益な効果をもたらすように処方することができる。農業用薬剤のような活性薬剤は、配合によって有害な(harmful)効果たとえば農業害虫を殺すこともできるし、一方では有益な効果たとえば収穫量を増大させたり、ヒトへ病気が蔓延するのを防いだりすることができる。
【0066】
徐放性を与えるのに好適な活性薬剤としては、たとえば、医薬用薬剤、治療用薬剤、抗微生物剤、農業用薬剤(たとえば、肥料、農薬(pesticide)、除草剤、殺虫剤(insecticide)、殺真菌剤(fungicide)、殺菌剤(germicide)、栄養剤、成長阻害剤、成長調節剤、およびフェロモン)、硬化剤(たとえば、硬化剤、架橋剤、重合剤および触媒)、防腐剤、消毒剤、衛生用薬剤(たとえば、口腔衛生用薬剤たとえば、歯磨剤、賦香剤(flavorant)および白化剤、およびボディ用衛生用薬剤たとえば、発汗抑制剤、体臭防止剤および芳香剤)およびそれらの組合せなどが挙げられる。
【0067】
好適な農業用活性薬剤の例としては、メントンおよびフェロモンを挙げることができる。有用なフェロモンの例を挙げれば、トランス−8、トランス−10−デデカジエン−1−オル(すなわち、コドルモン(codlemone))、酢酸Z−11−テトラデセニル、酢酸E−11−テトラデセニル、酢酸Z−8−ドデセニル、酢酸E−8ドデセニル、酢酸Z−8−ドデセニル、酢酸Z,Z−3,13−オクタデシルジエニル、酢酸E,Z−3,13−オクタデシルジエニル、および酢酸Z−9−ドデセニル、ならびにそれらの混合物などがある。
【0068】
有用な抗微生物剤の例を挙げれば、クロルヘキシジンジグルコネート、銀イオンおよびグリセロールモノラウレートなどがある。
【0069】
有用な活性薬剤には疎水性活性薬剤と親水性活性薬剤とが含まれる。徐放性粒子が界面活性剤の有機構造誘導性薬剤を含む場合には、その活性薬剤は疎水性で界面活性剤に溶解するものが好ましく、それによってその活性薬剤が界面活性剤ミセルの疎水性領域に位置することになる。比較的に親水性が高い活性薬剤は界面活性剤ミセルの極性端に結合することができ、それによってその活性薬剤がミセルの外側、すなわち、ミセルと完成品の徐放性粒子の中のチャネルの壁との間に位置することになる。徐放性粒子にはさらに、同一または異なったメカニズムによって界面活性剤と結合するような多くの活性薬剤を含むことができる。
【0070】
活性薬剤は徐放性粒子の中に有効量、すなわち徐放性粒子から放出されたときに所望の効果をもたらすのに充分な量で存在するのが好ましい。
【0071】
徐放性粒子を形成させるための混合物には、得られる無機マトリックスのチャネルの横断寸法を変化させるための孔径拡張剤を含ませることもできる。有用な孔径拡張剤には、低誘電率液体が含まれる。有用な低誘電率液体の例を挙げれば、ベンゼン、アルカン(たとえば、直鎖または分岐鎖炭化水素)、アルケン、および芳香族化合物(たとえば、メシチレンおよびトルエン)およびその他の低誘電率分子などがある。有用な孔径拡張剤の一例は1,3,5−トリメチルベンゼンである。その他の好適な低誘電率液体については、米国特許第5,057,296号明細書(ベック(Beck))にも記載されている。
【0072】
たとえば孔径拡張剤を、約1000未満の分子量を有するカチオン性、アニオン性、ノニオン性およびフルオロカーボン系界面活性剤などの界面活性剤(たとえば、アルキルアンモニウム、リン酸塩、硫酸塩およびカルボキシレート界面活性剤)と組み合わせることによって、1.5nm〜10nmの孔径を有する粒子を製作することができる。
【0073】
徐放性粒子を形成する反応混合物には、場合によっては、無機マトリックスを形成するのに触媒作用を有する触媒を含めることもできる。好適な触媒としては、たとえば酸および塩基を挙げることができる。この酸は有機酸でも無機酸でもよい。好適な酸の例としては、鉱酸、たとえば塩酸、硫酸、臭化水素酸、フッ化水素酸などが挙げられる。有用な塩基の例としては、アルカリ金属のヒドロキシド、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムおよびアルキル水酸化アンモニウム(たとえば、テトラメチル水酸化アンモニウム)などが挙げられる。
【0074】
徐放性粒子を形成するコロイド状金属酸化物粒子を含む反応混合物は、強酸または強塩基のような触媒を、実質的に含まないのが好ましく、含まなければより好ましい。「実質的に含まない」という用語は、その混合物中に存在する強酸または強塩基の量が、後でその強酸または強塩基を除去するための洗浄工程を必要とするほど量ではないということを意味する。そのような粒子を形成する反応混合物は、pHが4〜9であるのが好ましい。
【0075】
徐放性粒子を形成する反応混合物にはさらに、任意に共溶媒を含むことができる。この共溶媒は組成物に各種の機能を与えるために加えることができるが、それらの機能とはたとえば、溶液の均質性の向上、粒径の変更、粒子のモルホロジーの変更、チャネル孔径の変更、粒子形成組成物の誘電率の調整、およびそれらを組み合わせたものである。共溶媒はまた、界面活性剤中に活性薬剤が溶解するのを促進させるために添加することもできる。有用な共溶媒の例を挙げれば、アルコール、エステル(たとえば酢酸エステル)、ケトン、ジオール、トリオール、エーテル、アミドおよびアミンなどがある。好ましい共溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルなどが挙げられる。
【0076】
反応混合物の中に存在する水の極性溶媒に対する比率は、組成物の活性薬剤および界面活性剤に応じて変化させることができる。水:極性溶媒の比は好ましくは、100:0から3:97までである。
【0077】
徐放性粒子を形成する混合物には、その他の添加剤たとえば、抗酸化剤などを含ませることもできる。好適な抗酸化剤の例を挙げれば、ヒンダードフェノール(たとえば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、テトラビスメチレン3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン(たとえば、イルガノックス(IRGANOX)1010(ニューヨーク州アーズリーのチバ・ガイギー社(Ciba−Geigy Corp.(Ardsley、NY)))、チオジエチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート(たとえば、イルガノックス(IRGANOX)1035(チバ・ガイギー社(Ciba−Geigy Corp.)))、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(たとえば、Q−1301(バージニア州リッチモンドのワコー・ケミカルズ・USA(Wako Chemicals USA、Inc.(Richmond、Va)))、ヒドロキノンおよびその誘導体たとえば、メチルヒドロキノンおよび重合化トリメチルジヒドロキノン、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス(IRGANOX)1076、チバ・ガイギー社(Ciba−Geigy Corp.))、ジステアリルチオジプロピオネートおよびそれらの組合せ、などがある。
【0078】
好ましくはこの徐放性粒子の平均断面寸法は、約20μm以下、好ましくは約15μm以下、より好ましくは1000nm以下、最も好ましくは約100nm以下である。この徐放性粒子は、銅のKα線照射を使用したときのX線回折分析で求められる2θが6度未満の少なくとも1つの低角ブラッグピークを有するのが好ましく、すなわちこれはd−間隔が約15オングストローム(Å)に相当する。
【0079】
徐放性粒子は、たとえば、粉体、組成物、フィルム、コーティング、凝集物(agglomerates)、複合物、ペレットおよびモノリスなど、各種の形態で提供することができる。
【0080】
この徐放性粒子には、他の成分たとえば、バインダーおよびビヒクルなどを配合することもできる。バインダーを配合に含めることによって、その徐放性粒子をたとえば、タブレット、ペレットまたはブリックのようなあらかじめ定められた形状にするのに役立ち、またそのような形状を維持することができる。好適なバインダーとしては、ポリマー、デンプン、ガム、クレーなどを挙げることができる。
【0081】
ビヒクルを選択することで、ターゲットに徐放性粒子を塗布したり、粒子をハンドリングするのに役立たせることができる。ビヒクルをシステムの一部とすることも可能で、その場合には、ビヒクルの中に活性薬剤が放出されることで、ビヒクルと所望の相互作用(たとえば反応)を起こさせる。そのようなシステムの例としては、活性薬剤が硬化剤(たとえば、架橋剤、重合開始剤およびそれらの組合せ)であり、そしてビヒクルが硬化性、たとえば重合性、架橋性およびそれらを組合せた性質を有する場合である。放出されることによってその活性薬剤が、重合させたりポリマーを架橋させたりして、硬化組成物を形成する。有用な硬化剤の例としては、重合開始剤、架橋剤およびそれらの組合せなどが挙げられる。
【0082】
有用な硬化性ビヒクルの例としては、アクリル酸、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびそれらの組合せなどが挙げられる。その他の有用なビヒクルとしては、たとえば、水、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、エステル、カルボキシレート、ポリオール、炭化水素、フルオロカーボンおよびそれらの組合せ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、重合性樹脂、架橋性樹脂、ラテックス組成物および湿分硬化性組成物などが挙げられる。
【0083】
この徐放性粒子は広い範囲の用途において有用であり、たとえば、農業、林業、医薬品、接着剤、塗料、シーラント、化粧品および芳香剤などに使用できる。この徐放性粒子は、たとえば土壌、植物(たとえば、樹木)、哺乳動物および基材のようなターゲットを処理するのに有用で、あらかじめ定められた期間にわたって活性薬剤を放出するように、配合することができる。活性薬剤は、所望の結果を達成するのに効果のある量で放出されるのが好ましい。
【0084】
この徐放性粒子は、噴霧、コーティングおよび押出しのような方法を用いてターゲットに塗布することができる。1つの有用な方法では、液状の粒子を形成する反応混合物を、基材たとえばターゲットまたは粒子のコレクションサーフェス(collection surface)の上に噴霧し、混合物の液状成分を蒸発させ、それによって、徐放性粒子および徐放性粒子の結合体を基材の上に形成させる。
【0085】
徐放性粒子は容器の中にエアロゾル噴射剤と共に配合して貯蔵し、噴霧用途に利用することができる。
【0086】
以下の実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。実施例において記述されるすべての部、比、パーセントおよび量は、特に断らない限り重量基準である。
【実施例】
【0087】
試験手順
実施例中で使用される試験手順は以下のものである。
【0088】
コドルモン含量を定量するためのガスクロマトグラフ法
約0.3〜0.4gの試料をシスルチューブ(thistle tube)に入れ、次いでその試料に約1.5mLの酢酸エチルを添加して、試料を調製する。次いでその試料をチューブの中で、中を丸めたガラス棒で試料を押しつけて潰す。次いでその潰した試料を、酢酸エチルで数回すすぎながら、10.0mLのメスフラスコに移す。この試料を酢酸エチルを用いて定容する。試料を室温で20分間実験台の上に放置して抽出を行わせる。次いでこの試料を0.2μmのフィルターを通して濾過してから、コドルモンでの検量済みのヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)5890ガスクロマトグラフ(カリフォルニア州パロアルトのヒューレット・パッカード社(Hewlett Packard Corp.(Palo Alto、CA)))に注入してコドルモン含量を定量する。
【0089】
この試料は、250℃に加熱しスプリット比が20:1の1マイクロリットルのスプリットインジェクションポートに注入する。この試料を、中空チューブで30m×0.32mmの、HP5の厚みが0.25μmの固定相(アジレント(Agilent))上に5%のフェニルジメチルシランをコーティングしたキャピラリーカラムの中を通すが、このときの、キャリアガスのヘリウムの流量は3.5mL/分で一定、ヘッド部の圧は14.8psiとする。注入後に、槽の温度を50℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させる。炎イオン化検出器を用い、325℃で試料の検出を行った。
【0090】
抗菌試験法
luxABを発現するスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)をクロラムフェニコール(10μg/mL)を含むトリプシンダイズブロス中で、37℃で一夜成育する。培養物の少量を使い捨て用のキュベットに取り、紫外分光光度計(カリフォルニア州フラートンのベックマン・コールター社(Beckman Coulter Company(Fullerton、CA)))を用いて600nmの光学密度を測定して、濃度を定量する。この培養物を稀釈して、約4×106/mLの作業濃度とする。稀釈した細菌の250μLの試料を、0.45ミクロンの孔径を有する13mmのナイロンフィルター(ミリポア(Millipore))の表面に均等に付着させてから、真空濾過をする。こうして得られる細菌でコーティングしたフィルターを、3%トリプシンダイズ寒天を含む培養プレートの上に、細菌でコーティングした表面が外側に向くように置く。このフィルター/寒天プレートを10分間かけて平衡化させる。
【0091】
次いで試料から、中空のパンチとハンマーを用いて15mmの円板を切り取る。試験試料(5mg)および対称材料(5mg)を細菌でコーティングしたフィルターの上に置き、直ちにCCDカメラシステム(ハママツ(Hamamatsu))の「時間ゼロ」の読みを記録する。カメラのそれぞれの読み取りの前に、細菌を3分間デカナール(シグマ(Sigma))蒸気に暴露させる。これは、元のシャーレの蓋を、その内部表面上にエタノール中1%デカナールの薄膜を含む蓋と取り替えることによって達成される。これは、細菌にアルデヒド基質を与え、光の発生を促進させるものである。
【0092】
CCDカメラのそれぞれの読みには、外部光源で2分間取り込んだ明視野画像とバクテリアが発生する光による生物発光画像の両方を集めたものが含まれる。これら2つの画像を、コンピュータを利用して組み合わせた重ね合わせ画像とし、生物発光の大きさを疑似カラー表示して、明視野画像に重ね合わせる。それぞれの画像化サンプルの光子強度を、コンピュータのソフトウェアツールによって「対象の領域」を特定することにより定量し、次いで得られた相対的な強度単位を記録する。このシステムは、標準曲線を用いて定量化されている。
【0093】
相対的な強度単位が生物発光細菌の成長が不変または妨げられていないことを反映していれば、「ゼロ」を割り当てる。生物発光細菌の少なくとも99%が死滅していれば、「+」を割り当てる。
【0094】
X線回折定量
X線回折データは、銅Kα回転照射アノード(日本国東京の理学電気(Rigaku))と、線形位置敏感検出器(独国ミュンヘンのM.ブラウン(M. Braun(Munich、Germany)))を装備したクラツキーカメラ(オーストリア国グラーツのアントン・パール(Anton Paar(Graz、Austria)))を用いて集積する。試料は1.0mmガラスキャピラリーに入れ、透過型配置を採用する。2θが0〜10度の範囲をスキャンする。回折ピークの位置をJADEソフトウェア(カリフォルニア州リバーモアのマテリアルズ・データ社(Materials Data Inc.(Livermore、CA)))により求めた。
【0095】
熱重量分析
約20mgの粉体(乾燥)試料を、風袋秤量済みの白金皿の上に置く。この皿を、サーモグラビメトリック・アナリシス・インスツルメント(Thermogravimetirc Analysis Instrument)(デラウェア州ニューキャスルのTA・インスツルメンツ(TA Instruments(New Castle、DE)))の中に入れる。この試料を室温から950℃まで10℃/分で昇温させる。これで得られる重量損失対温度のデータを、ユニバーサル・アナリシス・ソフトウェア(Universal Analysis Software)(デラウェア州ニューキャスルのTA・インスツルメンツ(TA Instruments(New Castle、DE)))を用いて解析し、全有機物含量(g/g試料)を定量する。次いで洗浄後の試料のデータと、未洗浄試料のそれとを比較して、洗浄によって放出された有機物の百分率を定量する。(洗浄による有機物損失%=(洗浄試料中の有機物g/洗浄試料g)/(未洗浄試料中の有機物g/未洗浄試料g))。
【0096】
実施例1
実施例1の粒子は、以下の物を混合により組み合わせて調製した:0.3gのブチレーテッドヒドロキシトルエン、20gの10重量%コドルモンのエタノール溶液、20gの10重量%プルロニック(PLURONIC)123エチレンオキシド−プロピレンオキシド−エチレンオキシド界面活性剤(ニュージャージー州マウントオリーブのBASF社(BASF Corp.(Mount Olive、NJ)))の脱イオン水溶液および、50.7gのナイアコール(NYACOL)2034DI水中34重量%コロイド状シリカ(メーカー発表の平均粒径約20nm)(ジョージア州マリエッタのアクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel((Marietta、GA)))。この混合物をローラーミル上で30分間混合した。次いで、徐放性粒子含有液状組成物を乾燥させると、徐放性粒子の結合体が生成した。
【0097】
実施例2
実施例1に記載したのと同様にして実施例2の粒子を調製したが、ただし、組成物にはさらに58gのCAT80、すなわちシリカおよびアルミナの42重量%酸安定化水性コロイド状溶液(メーカー発表の粒径約80nm)(アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)を含むが、ナイアコール(NYACOL)2034DIは含まなかった。次いで、徐放性粒子含有液状組成物を乾燥させると、徐放性粒子の結合体が生成した。
【0098】
実施例3
実施例1に記載したのと同様にして実施例3の粒子を調製したが、ただし、実施例3の組成物には、0.6gのブチレーテッドヒドロキシトルエンおよび58gのナイアコール(NYACOL)2034DIコロイド状シリカが含まれていた。次いで、徐放性粒子含有液状組成物を乾燥させると、徐放性粒子の結合体が生成した。
【0099】
実施例4
実施例1に記載したのと同様にして実施例4の粒子を調製したが、ただし、実施例4の組成物には、1.0gのブチレーテッドヒドロキシトルエンおよび56gのナイアコール(NYACOL)2034DIコロイド状シリカが含まれていた。次いで、徐放性粒子含有液状組成物を乾燥させると、徐放性粒子の結合体が生成した。
【0100】
対照例1
対照例1の組成物を、20gの10%コドルモンのエタノール溶液および50gのナイアコール(NYACOL)2034DIコロイド状シリカを組み合わせることにより調製した。
【0101】
乾燥させる前に、実施例1〜4および対照例1の組成物から試料量を除去しておいた。それらの試料を、皿に入れ大気に暴露することによってエージングした。一夜空気に暴露した後では、試料の液体成分は蒸発して、目に見えるフィルムが後に残っていた。このエージング後の試料を次いで、ガスクロマトグラフ法により試験して、コドルモン含量を定量した。結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
実施例5
ガラス容器の中で次のものを混合することによって粒子組成物を調製した:103gの10重量%のプルロニック(PLURONIC)P123界面活性剤の脱イオン水溶液、15gの濃水酸化アンモニウム、50gの10重量%コドルモンのエタノール溶液、15gのエタノールおよび41gのナルコ(NALCO)1042コロイド状シリカ。この組成物を20時間室温で撹拌してから、40℃の炉に24時間入れ、それから濾過、乾燥をした。組成物の第1の部分は室温に保持し、組成物の第2の部分は40℃に加熱した。7、14、28および42日後に組成物中に残存しているコドルモンの重量%を、ガスクロマトグラフ法により測定して、コドルモン含量を定量した。結果をコドルモンの重量%として、表3に示す。
【0104】
【表2】
【0105】
実施例6
実施例6を、20gのエポキシ硬化剤である2−エチル−4−メチル−2−イミダゾールと、10gの10重量%プルロニック(PLURONIC)P123界面活性剤水溶液とを組み合わせることによって、調製した。次いでその混合物に、70gのナイアコール(NYACOL)2034DIコロイド状シリカを組み合わせて、混合した。次いでこの混合物をローラーミル上で3時間混合してから、一夜静置し、それから空気に暴露して水を蒸発させた。形成された組成物は白色の脆いシートで、乳鉢と乳棒を用いて粉砕し粉体とした。
【0106】
3gの粉体(触媒として約1.4g)を、10gのエポン(EPON)828ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(テキサス州ヒューストンのシェル・ケミカル社(Shell Chemical Co.(Houston、TX)))と混合し、45℃の炉の中に24時間入れておいた。翌日調べたところでは、この組成物は液状であった。
【0107】
次いで、その液状物の温度を上げて100℃とし、一夜100℃に保った。翌日調べたところでは、この組成物は硬化していた。
【0108】
比較例1
1gの2−エチル−4メチル2−イミダゾリン粉体と、10gのエポン(EPON)828エポキシ樹脂を混合し、45℃の炉の中に24時間入れておいて、比較例1の組成物を調製した。翌日調べたところでは、この組成物は硬化して固体状になっていた。
【0109】
実施例7
1のテトラメトキシシラン:0.13のセチルトリメチルアンモニウムブロミド:18.1のメタノール:96の水:0.10のNH4OH:0.2のメントン((C8H170)ジャガイモ発芽抑制剤)のモル比の粒子を有する組成物を調製するのに、0.2gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド、7.40gの脱イオン水、2.45gのメタノール、0.049gの30重量%水酸化アンモニウムおよび0.15mLのメントンを20mLのバイアルの中で混合した。この混合物に激しく撹拌しながら、0.625mLのテトラメトキシシランを添加した。約10秒以内に、ミルク状の白色の分散体が形成された。これは安定で、1年超分散状態を保っていた。
【0110】
組成物の一部を濾過して、粒子を除去した。その後、濾過した粒子を1週間後に調べてみると、メントンの香りが検出された。
【0111】
実施例8
1のテトラメトキシシラン:0.13のセチルトリメチルアンモニウムブロミド:22.7のメタノール:92.6の水:0.10のNH4OH:0.13のコドルモンのモル比の粒子を有する組成物を調製するのに、2.0gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド、70gの脱イオン水、39.1mLのメタノール、0.49gの30重量%水酸化アンモニウムおよび1gのE,E−8,10ドデカジエン−l−オル(コドルモン、コドリンガのフェロモン)を125mLのポリプロピレンびんの中で混合した。次いで6.25mLのテトラメトキシシランをその混合物に添加した。その混合物をマグネチックスターラーを用いて900rpmで撹拌すると、約15秒以内にミルク状の白色の粒子分散体が形成された。
【0112】
実施例9
1のテトラメトキシシラン:0.13のドデシルトリメチルアンモニウムブロミド:22.7のメタノール:92.6の水:0.10のNH4OH:0.13のコドルモンのモル比の粒子を有する組成物を、実施例13に従って調製したが、ただし、セチルトリメチルアンモニウムブロミドに代えてドデシルトリメチルアンモニウムブロミドを使用して粒子を調製した。ミルク状の白色の安定な粒子分散体が形成された。
【0113】
実施例10A〜10C
0.2gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド、4.8gの水、3.9mLのメタノール、0.1gのコドルモン、3.5mLの30%水酸化アンモニウムおよび0.625mLのテトラメトキシシランを混合して実施例10A、10Bおよび10Cの粒子を調製した。これらの組成物を1400rpmで撹拌すると、2秒後にはゲル化して白色で不透明なゲルが生成した。
【0114】
調製してから数時間後に:実施例Aは、吸引濾過をして濾紙の上で水で洗浄、実施例Bは、濾過、水洗浄の後に300mLのメタノールで洗浄、そして実施例Cは、濾過後に300mLの75:25の水:メタノール溶媒で洗浄した。
【0115】
対照例2
対照例2は、実施例10A〜10Cに従って調製したが、ただし、混合物にコドルモンを添加しなかった。調製後、対照例2は濾過し300mLの水で洗浄した。
【0116】
実施例10A〜10Cおよび対照例2を、熱重量分析試験法に従って試験した。実験の結果次のことが明らかになった。すなわち、実施例Aでは、コドルモンおよび界面活性剤のほとんどすべてが粒子の中に残り、実施例Bでは約30%のコドルモンプラス界面活性剤が粒子から洗い出され、実施例Cでは93%のコドルモンプラス界面活性剤が粒子の中に残り、そして、対照例2では界面活性剤のすべてが粒子の中に残っていた。
【0117】
実施例11A〜F
6種類の粒子組成物を、一定の65:35(w/w)水:メタノール比および各種のコドルモン:セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)比の溶液に、水、メタノール、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、コドルモン、および30重量%のNH4OHを混合することによって組み合わせて調製したが、それらの量は表4に示した。実施例11A〜11Cの組成物は透明であった。実施例11D〜11Fの組成物は、エマルションを形成した。
【0118】
ついでそれらの組成物を高速撹拌しながらテトラメトキシシランを添加した。実施例11A〜11Cの組成物は2〜3秒後にはゲルを形成した。実施例11D〜11Eの組成物は、白色の懸濁液を形成した。実施例11Fは、白色の流動性の分散体を形成した。
【0119】
対照例3
65:35の水:メタノール中の0.6重量%コドルモン混合物溶液は直ちにエマルションを形成した。
【0120】
実施例11A〜Fおよび対照例3を濾過、乾燥してから、X線回折を用いて試験した。このX線回折の結果を表4に示す。
【0121】
【表3】
【0122】
実施例12
46gの塩酸および210gの蒸留水からなる酸性溶液に溶解させた8gのプルロニック(PLURONIC)P123界面活性剤、10gのクロルヘキシジンジグルコネートおよび17gのテトラエトキシシランをガラス容器に仕込んだ。この組成物を一夜、35℃で撹拌した。この組成物から粒子が生成し、その粒子を濾過により単離した。
【0123】
対照例4
46gの塩酸および210gの蒸留水からなる酸性溶液および10gのクロルヘキシジンジグルコネートをガラス容器に仕込んだ。この組成物を一夜、35℃で撹拌した。
【0124】
対照例5
46gの塩酸および210gの蒸留水からなる酸性溶液、10gのクロルヘキシジンジグルコネート、130gのアクリル酸ステアリルおよび17gのテトラエトキシシランをガラス容器に仕込んだ。この組成物を一夜、35℃で撹拌した。
【0125】
対照例6
23gの塩酸および105gの蒸留水を含む酸性溶液および8gのテトラエトキシシランをガラス容器に仕込んだ。この組成物を一夜、35℃で撹拌した。この組成物から粒子が生成し、その粒子を濾過により単離した。
【0126】
実施例12の粒子を抗菌試験法に従って試験し、その結果を表5に示すが、ここで「0」は殺菌作用なし、「+」は少なくとも99%の細菌が死滅したことを表している。
【0127】
実施例12は開始時には殺菌作用が示されないが、3時間後には少なくとも99%の細菌が死滅している。実施例12と対照4および5についてさらに5時間および7時間の試験をすると、その時点ではさらなる細菌の成育はなく、それらの試料は少なくとも99%の殺菌作用を依然として示していた。
【0128】
クロルヘキシジンジグルコネートを含まない対照例6は、実験時間の間(7時間)細菌の生物発光の減少を示さなかった。
【0129】
【表4】
【0130】
実施例13
実施例10に従って、コドルモンを含む粒子組成物を調製した。この組成物を濾過し、濾過した粒子を3インチ×5インチの風袋秤量済みの金属皿に入れた。
【0131】
60日間にわたって定期的に、実施例13のコドルモンの臭気を調べた。この定期的な検査および60日目を通して、実施例13ではコドルモンが検出されたが、このことは、コドルモンが少なくとも60日間にわたって放出され続けたことを示している。
Claims (54)
- チャネルを含む無機マトリックス;および
前記チャネル内に配置された組成物を含む粒子であって、
前記組成物が有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含み、
前記粒子が前記活性薬剤を徐放することが可能である、粒子。 - 請求項1に記載の複数の粒子を含む粒子組成物。
- a)容器;および
b)請求項1に記載の複数の粒子、
を含む物品。 - ターゲットに請求項2に記載の粒子組成物を接触させるステップを含む方法。
- 請求項1に記載の粒子を作製する方法であって、前記方法が有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物の存在下に無機マトリックスを形成させるステップを含む、方法。
- a.ターゲットを無機成分、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物と接触させるステップと、
b.前記組成物を乾燥させて前記活性薬剤を徐放することが可能な粒子を形成させるステップとを含む、
ターゲットを処理する方法。 - 活性薬剤を徐放することが可能な粒子を作製する方法であって、前記方法が、無機成分、有機構造誘導性薬剤および活性薬剤を含む組成物を乾燥させるステップを含む、方法。
- 前記組成物を含むテンプレートをさらに含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項7に記載の方法。
- 銅のKα線照射を使用したときの2θが6度未満のX線回折ピークを有する、請求項1に記載の粒子。
- 前記無機マトリックスを前記組成物の存在下に形成させた、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、または請求項3に記載の物品。
- 前記活性薬剤が疎水性である、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が親水性である、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤がフェロモンを含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が、トランス−8,トランス−10−デデカジエン−1−オル、酢酸Z−11−テトラデセニル、酢酸E−11−テトラデセニル、酢酸Z−8−ドデセニル、酢酸E−8ドデセニル、Z−8−ドデセノール、酢酸Z,Z−3,13−オクタデシルジエニル、酢酸E,Z−3,13−オクタデシルジエニル、および酢酸Z−9−ドデセニル、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が硬化剤を含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が、医薬用薬剤、治療用薬剤、抗微生物剤、農業用薬剤、衛生用薬剤、防腐剤、消毒剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が、クロルヘキシジンジグルコネート、銀イオン、グリセロールモノラウレート、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が前記有機構造誘導性薬剤中に溶解される、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記活性薬剤が前記有機構造誘導性薬剤と結合(associated with)される、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粒子が約20μm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粒子が約15μm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粒子が約1000nm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粒子が約100nm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粒子のチャネルが、約50nm以下の平均断面寸法を有する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4に記載の方法。
- 前記粒子のチャネルが、30nm以下の平均断面寸法を有する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4に記載の方法。
- 前記有機構造誘導性薬剤が界面活性剤を含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記有機構造誘導性薬剤がラテックス粒子を含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記チャネルが略平行な関係にある、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4に記載の方法。
- 前記チャネルが相互に結合したネットワークを形成する、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4に記載の方法。
- 前記無機マトリックスが金属酸化物粒子の結合体を含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、請求項4に記載の方法、または請求項5に記載の方法。
- 前記無機マトリックスが、アルミナ、チタニア、ジルコニアおよびそれらの組合せからなる群より選択される金属酸化物を含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、請求項4に記載の方法、または請求項5に記載の方法。
- 前記無機マトリックスがシリカを含む、請求項1に記載の粒子、請求項2に記載の組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜5に記載のいずれかの方法。
- 前記無機マトリックスが、前記チャネル内に配置された前記組成物の存在下に形成される、請求項2に記載の粒子組成物。
- ビヒクルをさらに含む、請求項2に記載の粒子組成物、請求項3に記載の物品、または請求項4〜5に記載のいずれかの方法。
- 前記ビヒクルが、水、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、エステル、カルボキシレート、ポリオール、炭化水素、フルオロカーボン、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項34に記載の粒子組成物、物品、またはいずれかの方法。
- 前記ビヒクルが重合性モノマーを含む、請求項34に記載の粒子組成物、物品、またはいずれかの方法。
- 前記ビヒクルが、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマーおよびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項34に記載の粒子組成物、物品、またはいずれかの方法。
- 前記ビヒクルがエポキシ樹脂を含み、そして前記活性薬剤が硬化剤を含む、請求項34に記載の粒子組成物、物品、またはいずれかの方法。
- 前記ビヒクルが接着剤組成物を含む、請求項34に記載の粒子組成物、物品、またはいずれかの方法。
- 請求項2に記載の粒子組成物を含む粉体。
- 請求項2に記載の粒子組成物を含むフィルム。
- 請求項2に記載の粒子組成物を含む物品であって、
前記物品がタブレット、ペレットおよびブリックからなる群より選択される形態を含む、物品。 - エアロゾル噴射剤、ビヒクル、またはエアロゾル噴射剤およびビヒクルをさらに含む、請求項3に記載の物品。
- 前記ターゲットが土壌、植物、または樹木を含む、請求項4または5に記載の方法。
- 前記粒子組成物を噴霧することをさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
- 前記活性薬剤を放出させるために前記粒子を線エネルギー(radiation)暴露することをさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
- 前記線エネルギーが熱線、紫外線および電子ビーム線からなる群より選択される、請求項46に記載のいずれかの方法。
- 無機マトリックスを形成させるステップが、無機成分を凝縮させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記無機成分が、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属塩、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項48に記載の方法。
- 前記無機成分がアルコキシシランを含む、請求項6、7、または48に記載の方法。
- 前記無機マトリックスを形成させるステップが、前記組成物を含むテンプレートの存在下に無機成分を凝縮させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記無機マトリックスを形成させるステップが、コロイド状金属酸化物粒子を非可逆的に凝集するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記組成物が抗酸化剤をさらに含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組成物が4〜9のpHを有する、請求項6または7に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US83885401A | 2001-04-20 | 2001-04-20 | |
US09/920,689 US20030031694A1 (en) | 2001-04-20 | 2001-08-02 | Controlled release particles |
PCT/US2002/008969 WO2002085113A1 (en) | 2001-04-20 | 2002-03-22 | Controlled release particles |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004528328A true JP2004528328A (ja) | 2004-09-16 |
JP2004528328A5 JP2004528328A5 (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=27126066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002582705A Pending JP2004528328A (ja) | 2001-04-20 | 2002-03-22 | 徐放性粒子 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US20030031694A1 (ja) |
EP (1) | EP1392115A1 (ja) |
JP (1) | JP2004528328A (ja) |
CA (1) | CA2443518A1 (ja) |
WO (1) | WO2002085113A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010053056A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-11 | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute | 徐放性製剤とその製造方法 |
KR101541797B1 (ko) * | 2013-08-29 | 2015-08-04 | 이동하 | 해충 방제용 서방형 루어의 제조방법 |
KR101773820B1 (ko) * | 2014-11-14 | 2017-09-01 | 이동하 | 솔수염하늘소 유인용 페로몬 조성물 및 서방형 루어의 제조 방법 |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7758888B2 (en) | 2000-04-21 | 2010-07-20 | Sol-Gel Technologies Ltd. | Composition exhibiting enhanced formulation stability and delivery of topical active ingredients |
US7247374B2 (en) * | 2002-06-12 | 2007-07-24 | Traptek Llc | Encapsulated active particles and methods for making and using the same |
WO2004081222A2 (en) | 2003-03-14 | 2004-09-23 | Sol-Gel Technologies Ltd. | Agent-encapsulating micro- and nanoparticles, methods for preparation of same and products containing same |
WO2005005548A1 (ja) * | 2003-07-09 | 2005-01-20 | Tokyo University Of Science, Educational Foundation | 多孔質粒子とポリマー分子のコンジュゲートならびにその使用 |
BRPI0413131A (pt) | 2003-07-31 | 2007-04-10 | Sol Gel Technologies Ltd | micro-cápsulas carregadas com ingredientes ativos e um método para sua preparação |
US20060115506A1 (en) * | 2004-11-30 | 2006-06-01 | Harmer Mark A | Compositions and method of wood preservation |
EA015815B1 (ru) | 2005-08-02 | 2011-12-30 | Сол-Джел Текнолоджиз Лтд. | Покрытие из оксида металла для водонерастворимых ингредиентов |
CA2623888C (en) * | 2005-09-27 | 2013-08-06 | Sol-Gel Technologies Ltd. | Methods for crop protection |
WO2007133640A1 (en) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Traptek Llc | Active particle-enhanced membrane and methods for making and using the same |
WO2008063557A2 (en) * | 2006-11-16 | 2008-05-29 | Gregory Haggquist | Exothermic-enhanced articles and methods for making the same |
US8283027B2 (en) * | 2010-06-11 | 2012-10-09 | The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Navy | Composite for controlled release of small molecules in aquatic environments |
US20150328360A1 (en) | 2012-08-28 | 2015-11-19 | 3M Innovative Properties Company | Chlorhexidine gluconate compositions, resin systems and articles |
MX367220B (es) * | 2012-08-28 | 2019-08-09 | 3M Innovative Properties Co | Gluconato de clorhexidina solubilizado en un monoacilglicerido hidrofobo. |
US9687465B2 (en) | 2012-11-27 | 2017-06-27 | Sol-Gel Technologies Ltd. | Compositions for the treatment of rosacea |
WO2019043697A1 (en) * | 2017-08-27 | 2019-03-07 | Agrorim, Ltd. | PHEROMONE CLATHRATES |
WO2023195875A1 (en) * | 2022-04-08 | 2023-10-12 | Saudi Arabian Oil Company | Radiation activated well treatment |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63225302A (ja) * | 1987-03-12 | 1988-09-20 | Lion Corp | 湿度感応性製剤の製造方法 |
JPH04339869A (ja) * | 1991-05-16 | 1992-11-26 | Furukawa Alum Co Ltd | 防かび親水性塗布組成物 |
EP0680753A2 (de) * | 1994-05-06 | 1995-11-08 | Feinchemie GmbH Sebnitz | Metalloxidkomposit mit steuerbarer Wirkstoffabgabe |
JPH0899801A (ja) * | 1994-10-03 | 1996-04-16 | Suzuki Yushi Kogyo Kk | 抗菌性無機多孔質微粒子 |
JPH11131049A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-18 | Japan Science & Technology Corp | シリカ有機物複合体とその製造方法 |
WO1999037705A1 (en) * | 1997-12-09 | 1999-07-29 | The Regents Of The University Of California | Block polymer processing for mesostructured inorganic oxide materials |
JPH11263702A (ja) * | 1997-12-11 | 1999-09-28 | Rohm & Haas Co | 徐放性組成物 |
WO2000051724A1 (en) * | 1999-02-27 | 2000-09-08 | The Procter & Gamble Company | Method for protecting and/or controlled release of active ingredients |
Family Cites Families (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4579779A (en) * | 1983-09-30 | 1986-04-01 | Freund Industrial Co., Ltd. | Method of encapsulating volatile organic liquids |
JPS6327502A (ja) * | 1986-07-22 | 1988-02-05 | Agency Of Ind Science & Technol | シクロデキストリン−シリカ複合体及びその製造方法 |
US4818522A (en) * | 1987-09-14 | 1989-04-04 | Reheis, Inc. | Encapsulation of adjuvants within antiperspirant actives |
US6005162A (en) * | 1988-04-20 | 1999-12-21 | Norian Corporation | Methods of repairing bone |
AR244505A1 (es) * | 1988-05-14 | 1993-11-30 | Deutsche Ges Schaedlingsbek | Metodo para impedir o retardar la formacion de niveles indeseables de fosfina en un espacio o ambiente, y producto plaguicida para llevar a cabo dicho metodo. |
US5264203A (en) * | 1990-01-25 | 1993-11-23 | Mobil Oil Corporation | Synthetic mesoporous crystalline materials |
US5057296A (en) * | 1990-12-10 | 1991-10-15 | Mobil Oil Corp. | Method for synthesizing mesoporous crystalline material |
GB9021061D0 (en) * | 1990-09-27 | 1990-11-07 | Unilever Plc | Encapsulating method and products containing encapsulated material |
DE4100119A1 (de) * | 1991-01-04 | 1992-07-09 | Bayer Ag | Verwendung von polyether-polycarbonat-blockcopolymeren als beschichtungen fuer kunststofformkoerper |
CA2080424A1 (en) * | 1991-10-25 | 1993-04-26 | Jerry Moy | Microcapsules containing inorganic colloids and method for making the same |
US5169403A (en) * | 1991-11-01 | 1992-12-08 | Clairol, Inc. | Direct dyes having a quaternary center with a long aliphatic chain |
US5591453A (en) * | 1994-07-27 | 1997-01-07 | The Trustees Of The University Of Pennsylvania | Incorporation of biologically active molecules into bioactive glasses |
US6027742A (en) * | 1995-05-19 | 2000-02-22 | Etex Corporation | Bioresorbable ceramic composites |
US5856271A (en) * | 1995-06-07 | 1999-01-05 | Battelle Memorial Institute | Method of making controlled released devices |
US5730996A (en) * | 1996-05-23 | 1998-03-24 | Amcol International Corporation | Intercalates and expoliates formed with organic pesticide compounds and compositions containing the same |
US5730912A (en) * | 1996-05-30 | 1998-03-24 | M-Cap Technologies International | Method of the encapsulation of liquids |
DE59702854D1 (de) * | 1996-12-19 | 2001-02-08 | Ciba Sc Holding Ag | Farbmittelbeladenes Molekularsieb |
US5876690A (en) * | 1997-02-11 | 1999-03-02 | National Science Council | Mesoporous aluminosilicate molecular sieves having "tubules-within-a-tubule" hierarchical order morphology and the preparation thereof |
ES2156481B1 (es) * | 1998-03-03 | 2002-02-01 | Univ Valencia Politecnica | Procedimiento de obtencion de tamices moleculares inorganicos modificados y su uso como emisores de semioquimicos. |
US6096469A (en) * | 1999-05-18 | 2000-08-01 | 3M Innovative Properties Company | Ink receptor media suitable for inkjet printing |
US6011067A (en) * | 1999-06-11 | 2000-01-04 | Thione International, Inc. | Antioxidant composition for the treatment of psoriasis and related diseases |
AUPQ573300A0 (en) * | 2000-02-21 | 2000-03-16 | Australian Nuclear Science & Technology Organisation | Controlled release ceramic particles, compositions thereof, processes of preparation and methods of use |
US6387453B1 (en) * | 2000-03-02 | 2002-05-14 | Sandia Corporation | Method for making surfactant-templated thin films |
-
2001
- 2001-08-02 US US09/920,689 patent/US20030031694A1/en not_active Abandoned
-
2002
- 2002-03-22 CA CA002443518A patent/CA2443518A1/en not_active Abandoned
- 2002-03-22 JP JP2002582705A patent/JP2004528328A/ja active Pending
- 2002-03-22 EP EP02764149A patent/EP1392115A1/en not_active Withdrawn
- 2002-03-22 WO PCT/US2002/008969 patent/WO2002085113A1/en not_active Application Discontinuation
-
2005
- 2005-01-04 US US11/029,192 patent/US20050196456A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63225302A (ja) * | 1987-03-12 | 1988-09-20 | Lion Corp | 湿度感応性製剤の製造方法 |
JPH04339869A (ja) * | 1991-05-16 | 1992-11-26 | Furukawa Alum Co Ltd | 防かび親水性塗布組成物 |
EP0680753A2 (de) * | 1994-05-06 | 1995-11-08 | Feinchemie GmbH Sebnitz | Metalloxidkomposit mit steuerbarer Wirkstoffabgabe |
JPH0899801A (ja) * | 1994-10-03 | 1996-04-16 | Suzuki Yushi Kogyo Kk | 抗菌性無機多孔質微粒子 |
JPH11131049A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-18 | Japan Science & Technology Corp | シリカ有機物複合体とその製造方法 |
WO1999037705A1 (en) * | 1997-12-09 | 1999-07-29 | The Regents Of The University Of California | Block polymer processing for mesostructured inorganic oxide materials |
JPH11263702A (ja) * | 1997-12-11 | 1999-09-28 | Rohm & Haas Co | 徐放性組成物 |
WO2000051724A1 (en) * | 1999-02-27 | 2000-09-08 | The Procter & Gamble Company | Method for protecting and/or controlled release of active ingredients |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010053056A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-11 | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute | 徐放性製剤とその製造方法 |
KR101541797B1 (ko) * | 2013-08-29 | 2015-08-04 | 이동하 | 해충 방제용 서방형 루어의 제조방법 |
KR101773820B1 (ko) * | 2014-11-14 | 2017-09-01 | 이동하 | 솔수염하늘소 유인용 페로몬 조성물 및 서방형 루어의 제조 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20050196456A1 (en) | 2005-09-08 |
CA2443518A1 (en) | 2002-10-31 |
EP1392115A1 (en) | 2004-03-03 |
WO2002085113A1 (en) | 2002-10-31 |
US20030031694A1 (en) | 2003-02-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004528328A (ja) | 徐放性粒子 | |
CN1141875C (zh) | 气凝胶在农业中的用途 | |
KR101457712B1 (ko) | 중합체 비드 및 중합체 비드의 제조 방법 | |
JPH05155725A (ja) | 抗菌性組成物、その製造法、それを用いた樹脂およびコーキング材 | |
Liu et al. | Near-infrared light-responsively controlled-release herbicide using biochar as a photothermal agent | |
JPH07165611A (ja) | 外科的処置のための皮膚表面の予備処理 | |
US20050147637A1 (en) | Insect pest-repellent film, insect pest-repellent paint and method for producing the same | |
CN111406740B (zh) | 一种基于氮化硼纳米片接枝亲水高分子的纳米农药制剂及其制备方法 | |
AU6831300A (en) | Composition containing an active substance, production and use thereof | |
Henriquez et al. | In situ silver nanoparticle formation embedded into a photopolymerized hydrogel with biocide properties | |
JP2003171619A (ja) | 水性塗料組成物 | |
TW201714945A (zh) | 一種含奈米銀粒子之高分子乳膠顆粒組成物 | |
Huang et al. | Synthesis of acryloyl copolymer core–shell microspheres with antibacterial activity and surface cationic effects | |
JP2005520004A (ja) | 拡散装置用ゲル組成物 | |
JP2912142B2 (ja) | 抗有膜ウィルス性組成物およびその製造方法 | |
WO2020045413A1 (ja) | 抗ウイルス用組成物、抗ノロウイルス用組成物、スプレー、ワイパー | |
KR100550657B1 (ko) | 은나노 및 피톤치드를 포함하는 도배풀을 이용한 주택 유해물질 차단 방법 | |
Maurin et al. | UV powder coatings containing synthetic Ag-beidellite for antibacterial properties | |
Sharma et al. | Gum Dammar and poly (acrylamide)-based hydrogels and zirconium-based organic-inorganic hybrid materials for controlled drug delivery and their biodegradation studies | |
JPH06158552A (ja) | 徐放性繊維材料およびその製造方法 | |
Li et al. | Comparative study on two different methods for fabrication of sustained release boscalid based on mesoporous silica | |
JPH04300801A (ja) | 抗菌性物質インターカレート組成物 | |
EP0410530B1 (en) | Dispenser for insect semiochemicals, method for the preparation thereof and method for the control of insects | |
WO2023054461A1 (ja) | 銀-樹脂複合粒子、及びその製造方法 | |
WO2022025114A1 (ja) | 反応性組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050308 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050308 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090304 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090317 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20090616 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20090623 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090917 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100921 |