JP2004528163A - 排水の生物学的処理方法と装置 - Google Patents

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Abstract

縦坑バイオリアクタにおいて、生活排水、都市排水および産業排水を含む排水の強化された二次および/または三次処理のために改良された装置と方法がここに提供される。本発明の装置と方法は、BODとTSS除去を含む、強化された二次排水処理に有用である。三次処理は、アンモニアの硝化と、硝化および脱窒化と、硝化、脱窒化および化学的脱リン化処理を伴うバイオリアクタで、代替的または付加的に可能である。ここでは、オプションとしてA級バイオソリッドを製造し、下水スラッジの好熱好気消化と消毒を達成する、縦坑バイオリアクタも提供されている。

Description

【技術分野】
【0001】
本出願は排水処理の方法と装置に関連する。さらに具体的に言えば、本発明は縦坑バイオリアクタ型排水処理装置とその使用および建設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は2001年2月23日出願の米国仮出願60/271,201号に基づく特典を請求する。
【0003】
世界の人口が増加の一途をたどるにつれ、高効率の排水処理の重要性は高まっている。人間の消費および他の用途に必要とされる水の量は急速に増加してきたが、一方で自然界から得られる水の量は増えていない。使用可能な清浄な水に対する絶え間なく増加する要求により、排水の再利用は人口増加と人類の発展のための基本的な要素となっている。
【0004】
米国およびその他の先進国においては、大都市の過密化とともに、都市開発業者に対しては従来開発されていなかった地域に新たに住居施設を建設することが推奨され、または求められている。これらの未開発地域では、多くの場合、人間の消費、灌漑およびその他の同様な目的のための水が不足しており、水資源の再生および再利用が必要となっている。それらの地域における開発を成功させるためには、一般的に排水とよばれている、住居地域からの下水が再生の主要対象となる。
【0005】
生活排水は高い含水率を持っているが、人間の***物および他の汚染物を含有しているので、再使用を可能にするためには、相当な処理が必要である。既存の下水処理施設から孤立している多くの新開発地域における生活排水の再生を実現するためには、現地での下水処理と再生が非常に有効であり、または不可欠である。
【0006】
すでに、居住下水およびその他の分類に属する排水を再生するために、数多くの排水処理システムが提案されている。そのようなシステムの1つである以下の特許文献1に開示されたものは、排水から固形廃棄物、すなわち「スラッジ(下水汚泥)」を分離するために、簡単な沈殿槽を使用している。沈殿したのち、スラッジは消化システムに送られ、そこでスラッジは沈降し、スラッジから水性の上澄み液が分離される。清浄化された液体は再び沈殿槽に戻される。残念ながら、このシステムにはいくつかの短所があり、そのため効率が悪い。具体的には、このシステムは流入する下水を分離するだけで、下水を曝気したり、処理することがないという、比較的粗雑な沈殿システムよりなる。
【特許文献1】
米国特許第2,528,649号明細書
【0007】
一方、COD、リンおよび/または窒素を排水から分離するために、活性化されたバイオマスまたはスラッジに含まれる微生物を利用した「生物学的」システムから構成されている排水処理法もいくつかある。これらの処理法は、一般的に複数の処理段階ないし「ゾーン」、すなわち、(1)前処理エリア;(2)一次処理エリア;および(3)二次処理エリアからなる。前処理は、未処理の排水から固形の有機物を除去することを主とする。一般的に、この前段階はスクリーンおよび/または沈殿によって固形物を取り除く、2段階の処理プロセスからなる。有機物は後処理のために液体の流れによって運び出される。一次処理は、糞、食物のかけらなどの浮遊している固形物を含む有機物の一部分が、浮遊または沈殿によって除去される物理的なプロセスを伴っている。二次処理は一般的に微生物を使って残りに有機物、窒素およびリンを排水の流れから除去する生物学的処理プロセスを含んでいる。そこでは成長条件を制御することによって微生物の成長と新陳代謝活動が利用され、制御されている。
【0008】
都市または産業用の大規模のシステムでは、排水をバイオマス/スラッジの浮遊物と混ぜ合わせるために、微生物処理プロセスに一般的に地上槽または貯槽を使用している。微生物のその後の成長と新陳代謝ならびにそれによる廃水処理は、好気性および/または嫌気性/無酸素状態下で実施される。都市または産業用のほとんどの大規模処理システムにおいては、処理プロセスの様々な要素が個別の地上槽またはリアクタの中で実施される。したがって、排水は1つのプロセスから次のプロセスへ連続的に流れる。活動的な微生物を含んでいるバイオマスは、1つのプロセスから次のプロセスへリサイクルされることもあり得る。特定の種類の代謝プロセス、たとえばリン酸塩の除去や窒素の除去を行う傾向を持つ特殊な微生物のサブグループの成長を増強するためのそのようなバイオマスの状態調節は、以下の特許文献2〜5の米国特許など多数の特許の主題となっている。生物学的排水処理の他の要素または様相の最適化も、以下の特許文献6〜23の米国特許および特許文献24〜29のカナダ特許など多数の特許の主題となっている。
【特許文献2】
米国特許第4,056,465号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,487,697号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,568,462号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,344,562号明細書
【特許文献6】
米国特許第2,788,127号明細書
【特許文献7】
米国特許第2,875,151号明細書
【特許文献8】
米国特許第3,440,669号明細書
【特許文献9】
米国特許第3,543,294号明細書
【特許文献10】
米国特許第4,522,722号明細書
【特許文献11】
米国特許第4,824,572号明細書
【特許文献12】
米国特許第5,290,435号明細書
【特許文献13】
米国特許第5,354,471号明細書
【特許文献14】
米国特許第5,395,527号明細書
【特許文献15】
米国特許第5,480,548号明細書
【特許文献16】
米国特許第4,259,182号明細書
【特許文献17】
米国特許第4,780,208号明細書
【特許文献18】
米国特許第5,252,214号明細書
【特許文献19】
米国特許第5,022,993号明細書
【特許文献20】
米国特許第5,342,522号明細書
【特許文献21】
米国特許第3,957,632号明細書
【特許文献22】
米国特許第5,098,572号明細書
【特許文献23】
米国特許第5,290,451号明細書
【特許文献24】
カナダ特許第1,064,169号明細書
【特許文献25】
カナダ特許第1,096,976号明細書
【特許文献26】
カナダ特許第1,198,837号明細書
【特許文献27】
カナダ特許第1,304,839号明細書
【特許文献28】
カナダ特許第1,307,059号明細書
【特許文献29】
カナダ特許第2,041,329号明細書
【0009】
排水から有機炭素、窒素およびリン化合物を生物学的に除去するには、処理機器に特別な環境的条件を考慮しなければならない。たとえば、バクテリアおよび他の微生物を使って有機炭素化合物(BODとして測定される)を変換するためには、良く混合された好気的な環境を必要とする。BOD1ポンドを除去するためには、約1ポンドの酸素を必要とする。窒素化合物を窒素気体と炭酸気体に変換するためには、ニトロソーマとニトロバクタが無機炭素を消費するために好気的環境の下で作用しなければならない。アンモニアーNの1ポンドを硝酸塩―Nに変換するためには(十分なアルカリ性があると仮定して)約4.6ポンドの酸素が必要である。その後、条件的バクテリアは無酸素環境の下で有機炭素を消費し、窒素気体を放出して働く。硝酸―Nの1ポンドが窒素気体に変換する際には約2.6ポンドの酸素が回収される。リン酸塩を生物学的に細胞集団中に束縛するためには、揮発性の脂肪酸を生成するための嫌気性段階が必要である。その後には、嫌気性環境の中で揮発性脂肪酸を代謝し、それによってバイオマス中のリン酸塩を濃縮するために必要な大量のリンを消費するポリP微生物が続く(たとえば、以下の非特許文献1を参照)。
【非特許文献1】
W.ウィルソン博士によるカナダ水と排水会議の抄録、アルバータ州カルガリー市、2002年1月
【0010】
これら数多くの生物学的プロセスの組み合わせが理想的に行われた場合には三次処理とも呼ばれる生物学的栄養分除去(BNR)プロセスが達成される。しかしながら、巧みに設計された三次処理の実行には、要素、プロセスおよび条件の複雑な組み合わせが互いに協調し、順序よく行われなければならない。構成要素である微生物学的処理の各段階は、それぞれ独自の速度で進行し、特定の環境パラメータを必要とする。効率の良い三次プロセスを行うためには、微生物の個体群を維持し、特定のプロセス機能を実行するために、適正な量の特殊微生物が必要になる。
【0011】
三次処理を提供するための現行の排水処理システムにはアップフロー・スラッジ・ベッド・フィルタ(USBF)、シーケンシング・バッチ・リアクタ(SBR)および分離膜活性化スラッジ(MSAS)システムが含まれる。シーケンシングバッチリアクタ(SBR)プロセスは通常の活性化スラッジプロセスの一変形である。以下の特許文献30の米国特許はSBR技術に応用された長い垂直軸リアクタを開示している。SBRプロセスはいくつかの個別の段階から成り、その典型としては、密封したリアクタ内にバイオマスを含む排水を逐次充填し、反応、沈殿させた後に沈殿を乱さないように静かに取り出す。このプロセスの最初の段階では、バイオマスを入れたリアクタに排水を移して混合液を形成する。この処理プロセスの反応段階では、バイオマスの微生物が排水中の窒素、リンおよび/または有機物質を利用および代謝および/または吸収する。これらの後半の反応は、生物の成長、個体群の動態および汚染体処理を操作するために、嫌気性条件、無酸素条件、好気性条件、またはそれらの組み合わせの下で実行される。この段階の長さは排水の特性、バイオマスの濃度、およびその他の要因に依存する。反応サイクルに続いて、混合液中のバイオマスは沈殿の機会を与えられる。リアクタの底にはスラッジブランケットが沈殿し、処理された流出液の上澄み液が分離される。処理後の浄化された排水(すなわち流出液)はその後静かに流し出されれる。反応容器は次に再充填され、処理プロセスが再開される。したがって、順次バッチ処理リアクタのプロセスは時間的に区切られた個別作業を基礎においており、一方、他の排水処理プロセスは空間的に個別の作業、たとえば異なる反応を個別の反応容器で行うことを基礎においている。
【特許文献30】
米国特許第5,503,748号明細書
【0012】
いくつかの排水処理デザインでは、機械的に単純な気体・液体複合流装置であるエアリフトリアクタをその特徴としており、その装置では特別設計のチャンネルを規定のサイクルパターンに従って液体が循環する。液体の動きはリアクタのアップフロー(上昇管)とダウンフロー(下降管)の平均密度の差により生じる。エアリフトリアクタは、一般的に各々異なる流れパターンを持つ特定の各域からなる。上昇管は、一般的に注入される気体が密度の差を発生し、その結果、液相と気相両方の上昇流を生むゾーンである。リアクタの上部には、一般的に液が水平に流れ、かつ、気体の気泡が液相から分離する逆流するゾーンである、気体と液体の分離部が設けられている。下降管は一般的に気体・液体分散体または脱気液が上昇管に戻るゾーンである。下降管では、泡の自由上昇速度より液体の速度の方が大きいかどうかによって、単相、2相、または2相混合等方向−異方向下降流のいずれかが発生する。容器の底に近い基部は下降管の出口と上昇管の入口を連絡している。
【0013】
エアリフトリアクタは主としてICI単細胞蛋白生産のような微生物発酵プロセスに使用される。いずれにしても、廃水処理のためにエアリフトリアクタを利用する多数のシステムが知られている。これらの例としては、ベッツ(Betz)・リアクタ(非特許文献2)および流出液処理用の「ディープシャフト」バイオリアクタ(非特許文献3を参照)が挙げられる。
【非特許文献2】
ガスナー(Gasner)、Biotech.Bioeng.、16巻、1179−1195頁、1974年
【非特許文献3】
ハインズ(Hines)ら、Chem.Eng.Sym.Ser.U.K.、41巻、D1−D10頁、1975年
【0014】
ディープシャフト・バイオリアクタの原開発に続いて最近では排水処理用として長い縦坑のバイオリアクタシステムに関する開発が進められている。これらの改良としては、ポラック(Pollack)による特許文献31〜33の米国特許は生分解性の排水および/またはスラッジ処理のための改良縦坑バイオリアクタシステムをそれぞれ開示している。一般的に、これらの縦坑バイオリアクタシステムはバイオリアクタ、固体/液体分離機およびバイオリアクタと分離機の間に介在する機器を含んでいる。バイオリアクタは、並列または同軸に置かれた2つ以上の縦型チャンバーー、ダウンフローチャンバー(下降管)およびアップフロー(上昇管)を含む1つの循環システムを構成している。これらのチャンバーはその上部においては地上槽で互いに連結されており、その下部では下降管の底部に隣接して設けた共通の「混合ゾーン」によって連絡し合っている。
【特許文献31】
米国特許第4,279,754号明細書
【特許文献32】
米国特許第5,645,726号明細書
【特許文献33】
米国特許第5,650,070号明細書
【0015】
混合ゾーンに加えて、これらのリアクタは混合ゾーンの下にあり、それと連絡している「プラグフローゾーン」があることが特徴である。上述のように、用語「プラグフローゾーン」は混合ゾーンからリアクタの底部に設けられた流出液出口への固形物粒子の相対的な下降移動を意味する。スラッジ吸収の1つの応用における相対的な下降移動がGuildらによって報告(非特許文献4)されており、局部バックミキシングだけであるが、長期間の作業中(たとえば約16時間)ゾーン間混合が発生したことが示された。
【非特許文献4】
Guildら、2001年10月ジョージア州アトランタでのWEF会議議事録
【0016】
廃棄物を含む液(「混合液」)は、酸素を含む気体、通常は空気をリアクタの底部近く(たとえば混合ゾーンおよびプラグフローゾーン)に吹き込むことによって、循環システム(たとえばダウンフローチャンバーとアップフローチャンバーの間、地上槽と混合ゾーンの間)を通じて押し流される。循環流の一部はプラグフローゾーンに向けられ、その下端で流出液として除去される。排水処理リアクタにおいては、空気は、一般的にリアクタの底部より5−10フィート上、時には、下降管の下端の直近に吹き込まれる。最も深い空気吹き込み点は、プラグフローゾーンを空気吹き込みの最深点より上の局部バックミキシングを伴う準プラグフローゾーンと、最深点より下の混合がまったく生じないと報告されている完全プラグフローとに分ける。
【0017】
バイオリアクタの始動時には、エアリフトポンプのように上昇管の中に空気が吹き込まれ、混合液を上昇流チャンバーと下降流チャンバーの間で還流させる。下降管の中の液体は、上昇管の中の液体と泡の混合体よりも高い密度を持ち、それによって循還流を維持するのに十分な持ち上げ力を提供する。
【0018】
こうしてバイオリアクタの循環流が始まると、全ての空気吹き込みを混合ゾーンおよび/またはプラグフローゾーンに向ける。これらのゾーンから上がってくる気泡はアップフローチャンバーに導かれ、気泡の上昇率よりも混合液の下降管が上回っているダウンフローチャンバーから引き離される。循環する混合液中に溶解した酸素は廃棄物の生物化学的分解のための主たる反応剤である。混合液が上昇管の中を上昇し低静水圧のゾーンに達すると、これと他の溶解した気体が分離し、気泡が発生する。上昇管の液体/気泡の混合物が地上槽に達すると、気体の離脱が発生する。この目的の達成を容易にするために、地上槽は、一般的にアップフローチャンバーの上部に水平のバッフルが設けられており、混合液が地上槽の表面の全面を流れ、液が次の処理のためにダウンフローチャンバーに入る前に使用済みの気体を放出するように強制的に導く。
【0019】
以下の特許文献34の米国特許は、流入する汚水が流入管の上向きの部分から上向きに上昇流チャンバーの深部に導入されるプロセスを開示している。循環流が下向きから上向きに変わるとき、転回速度水頭によって下向きチャンバーの下部に乱流域が発生する。この混合ゾーンは十分に定義されていないが、通常は15−25フィートの深さである。上述のように、処理済の流出液がプラグフローゾーンの底部から流出ラインに排除される量に見合って、混合ゾーンにある混合液の一部は下向きに流れてプラグフローゾーンの上部に入る。バイオリアクタの作業中、流入液の流れとバイオリアクタからの流出液は、連結している上部槽の液面レベルの変化に応じて制御されている。
【特許文献34】
米国特許第5,650,070号明細書
【0020】
廃棄物、溶解酸素、栄養素およびバイオマス(活性化された微生物個体群も含む)の間の反応は、その大部分が地上槽、上昇流チャンバー、下降流チャンバーおよび混合ゾーンとして定義されるバイオリアクタの上部循環ゾーンの中で発生する。混合ゾーンの成分の大半は上昇チャンバーの中に上向きに循環する。上昇チャンバー内では、不溶解気体(大半が窒素)は膨張して気体リフトを生じ、リアクタ上部への混合液の循環を助ける。混合液が地上槽のバッフルを回る間に、使用済みの気体は混合液から放出される。上部循環ゾーンの下部に存在するプラグフローゾーンは、混合ゾーンから下向きに流れ、リアクタの下部から流出する混合液の最終処理、いわば「仕上げ」を行う。
【0021】
吹き込まれた酸素を含む気体はプラグフロー中の液に圧力のために容易に溶解し、そこでは局部的なバックミキシングが生じてその結果ゆっくりした相対的に下向きの動きが生じる。不溶解気体(気泡)は圧力によって上向きに移動し、乱流ゾーンに達する。このゾーンにおける気体から液体への移転は非常に活発で、総合的なリアクタ酸素移転効率が65%以上に達する。反応生成物は炭酸気体と追加のバイオマスであり、そのバイオマスは流入汚水に含まれていた未反応固形物質とともにスラッジ(バイオソリッド)を形成する。
【0022】
BODの好気性吸収に加えて、普通の排水処理における窒素とリンの化合物の生物学的栄養分除去(BNR)の重要性はますます増えている。流出液の質の高さに対する要求が高まる現在、本発明が提供する技術の必要性は疑いようもない。過去の二次的生物学的処理基準である、30mg/L BODと30mg/L TSSはいまや多くの地域において不十分となっており、またさらに窒素やリンの制限値も設けられつつある。これらの栄養素の効果的な除去は、天然水の富栄養化とそれから生じる付随エコシステムの被害の防止を図る既存の、またこれから開発される環境保護法の観点から不可欠である。
【0023】
基本的には、窒素の除去は混合液の流れに含まれるアンモニアを酸素の存在する状態で亜硝酸塩と硝酸塩に変換すること、すなわち、好気性硝化段階により達成される。アンモニアの亜硝酸塩への変換はニトロソモナスとして知られる微生物により行われ、亜硝酸塩の硝酸塩への変換はニトロバクタにより行われる。硝酸塩の窒素気体への変換は、溶解酸素がない成長停止環境において行われる無酸素脱窒段階で発生する。窒素、二酸化炭素と水が作られ、気体はシステムから放出される。硝化率は相互に依存し合う排水流のパラメータ、たとえば温度、溶解酸素レベル(D.O.)、pH、固体保留時間(SRT)、アンモニア濃度とBOD/TKN比(総合Kjeldahl窒素、すなわちTKNは有機窒素にアンモニアとアンモニウムからの窒素が加わったもの)などを制御することによって最適化できる。高温と高溶解酸素レベルは硝化率を増進させる傾向があり、pHレベルが7.0から8.0の範囲にある場合も同様である。スラッジ留保時間が3.5から5、さらに望ましくは5−8日であるときには、硝化率が劇的に増加し、それ以上留保時間が長くても効率は不変である。アンモニアの濃度の増加は硝化率を増加させるが、最大値に達した後は、アンモニアの濃度を増やしても硝化率はあまり増加しない。率はBOD/TKN比1.0以下で最大値に達することが認められた(たとえばWestern Canada Water and Wastewater BNR、カナダ国アルバータ州カルガリー、2002年1月におけるウィルソン(W. Wilson)博士の発表参照)。
【0024】
物理的/生化学的リン除去は、一般的に嫌気性成長停止ゾーンとリン摂取生物(アシネトバクタ)のエネルギー需要のために揮発性脂肪酸(VFA)を供給するスラッジ発酵タンクとを必要とする。最近では、嫌気性フォースメインが生物学的脱リン化を達成するのに十分な揮発性酸を発生することが報告されている。
【0025】
このプロセスの最終浄化段階の後に不応性処理と仕上げ段階が追加されることもある。多くの排水流において、有機化合物の大半(80%−90%)は容易に生分解可能である。残りの部分はより緩やかに生分解し、したがって「不応性」化合物と称される。先行技術による生化学栄養素除去デザインは、たとえばバーナード(Barnard)の特許文献35米国特許の場合、単一スラッジと単一浄化剤で組み立てられているが、その場合、システムの総合的な酸化率は酸化速度が最も遅いものに合わせて減少されなければならない。
【特許文献35】
米国特許第3,964,998号明細書
【0026】
生物学的栄養分除去(BNR)システムは多様なプロセス形態をとり得る。そのような実施例はバーナードの以下の特許文献36の米国特許に基づく5段階から成る修正BardenphoTMプロセスに見られる。それはリン、窒素および有機酸の除去に嫌気、無酸素および好気段階を提供する。現在24のBardenphoTM処理プラントが稼動中であり、そのほとんどが、従来の4段階プロセスに変えて5段階プロセスを使用している。こえらの施設のほとんどが、1.0mg/L以下の流出リンの規制を満たすためには補助の薬品追加を必要としている。このプロセスを使っているプラントは様々な曝気法、タンク構成、ポンプ設備およびスラッジ処理法を実施している。
【特許文献36】
米国特許第3,964,998号明細書
【非特許文献5】
WEF Manual of Practice(WEF実施マニュアル)第8号、「都市排水処理工場の設計(Design of Municipal Wastewater Treatment Plants)」、第2巻、1991年
【0027】
縦型バイオリアクタ技術に関連して、ポラック(Pollock)(特許文献36の米国特許、1997年7月29日発行、ここに言及することによって本出願に援用)は浮遊セパレータを介して浸水フィルタに連結された縦型バイオリアクタを利用した革新的なプロセスを開示している。このデザインによると、バイオマスを高効率の好気性有機炭素除去段階用と、別に設けられた好気性硝化段階に使われる硝化バイオマスに分けることで反応率を改善することができる。これらの段階の次には、有機炭素源を提供して酸素を消費するために流入液と戻り混合液すなわち流出液をそのゾーンに供給することにより出現する無酸素環境にしつらえられた高効率の脱窒段階が控えている。
【特許文献37】
米国特許第5,651,892号明細書
【0028】
脱リン酸化のために嫌気性プロセス段階を組み込むことは、一般的に別のリアクタで行われるが、これは揮発性脂肪酸を生成するのに長時間がかかるからである。さらに、当該プロセスの好気性部分で生成されたリン酸塩に富んだバイオマスは捕捉されているリン酸塩を再び溶解可能にする危険があり、したがって無気性発酵リアクタ生成物に接触させるべきではないので、単一の混合液システムにおける脱リン化は困難である。別の場合には、金属塩、たとえば塩化鉄またはミョウバンを追加することによって生物学的脱リン化を増強することができる。これらはリン酸塩を化学的に結合するためにリアクタの好気性ゾーンに直接加えることができる。
【0029】
したがって、縦坑リアクタとSBRの組み合わせを含む、数多くの処理システムが成功裏に三次排水処理用に使用されている。しかしながら、これらの三次処理システムは単一の混合液体プロセスを扱うものである一方、プロセスで取り扱われている特殊微生物のすべてが互いに混合されている。それらは有機物質(たとえば、硝化剤ニトロソモナスおよびニトロバクタ)からのエネルギーを利用する自家栄養生物や、有機エネルギー源を利用するもので好気性BODとアシネトバクタ生物学的脱リン剤(バイオーP生物)を含む従属栄養生物を含む。したがって、これらすべての種類のシステムにおいて、処理速度は反応が最も遅い微生物、すなわち一般的にはアンモニアを亜硝酸塩に変換するニトロソーマによって決まってしまう。処理速度が遅いので、これらの単一混合液システムは拡張型曝気システムと呼ばれ、非常にエネルギー依存度が高い。
【0030】
上記のような排水処理技術における開発と進歩にもかかわらず、拡大された応用範囲と、既存の排水処理技術では満たされないさらに強力な機能を満たし得る改良された排水処理システムの技術への切迫したニーズが存在する。たとえば、簡素化された排水処理プロセスの技術とより強力な生物学的栄養分除去(BNR)を提供する機器に対しては今まで長いこと満たされなかったニーズがあり、後者の場合、特定の実施例においては無制限の陸地への応用が求められているA級バイオー固体を生成し得るものである。さらに、これらの拡張された機能を満たす一方で従来の排水処理プラントへの据付と運用に対するコストと環境への影響を最小にし得る排水処理システムへの満たされていないニーズも残っている。
【0031】
驚くべきことは、本発明はこれらのニーズを満足し、追加された目的と利点を満たすものであり、そのことは以下の説明と添付した図面から明らかになるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明は、生活排水、都市排水および産業排水の増強二次および/三次排水処理を提供するために適用される、運営上および副次的機能とプロセス段階を含む排水処理用の改良された縦坑バイオリアクタおよびそれに関連する方法を提供して、前述のニーズを満たし、さらに付加的目的をも満たすものである。
【0033】
本発明の装置は、高度のBODとTSS除去を含む、増強された二次的排水処理を達成するために建設され、副次的機能を持って構成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、人口5,000人の集落から出る生活排水を、中型のバンガロー程度の大きさの建物のなかで処理する能力を持つ装置と方法を提供する。この結果は、リサイクルクラスの水、A級のバイオソリッド、および無臭清浄なオフ気体を生成する装置と方法によって達成できる。
【0035】
その代替または追加として、アンモニアの硝化(アンモニアの硝酸塩への変換)と共に増強された二次的処理が同じバイオリアクタで達成可能である。
【0036】
他の代替実施例においては、本発明のバイオリアクタにおいて硝化と脱窒(アンモニアと硝酸塩の除去)と共に増強された二次的処理が提供される。
【0037】
本発明のさらに別の装置と方法においては、バイオリアクタにおける増強された二次的排水処理には硝化、脱窒、および化学的脱リン化処理(三次処理)が付加されている。負荷率が低いときは、本発明で可能になった非常に緩慢な下降循環率と嫌気バクテリアの付加成長の存在の故に、嫌気ダウンフローチャンネルにおいてはある程度の生物学的脱リン化が予想される。ある種の負荷条件の下では、同様なリアクタのダウンフローチャンネルの壁に嫌気性の生物学的なヘドロが発見されている。
【0038】
本発明のさらに別の実施例においては、下水のスラッジの好熱好気性消化および殺菌を達成し、オプションで、すなわち必要に応じて、A級のバイオソリッドを生成する目的で、新規なデザインと方法による縦坑バイオリアクタが構成されている。
【0039】
実施例の説明
添付した図面に図示したように、本発明は排水処理のための長い縦坑バイオリアクタ10を提供する。本発明のバイオリアクタは、前述の縦坑バイオリアクタシステム(たとえばPollackによる特許文献38〜40の米国特許、いずれもここに言及することにより本出願に援用)といくつかの構造的および機能的特徴を共有しているが、いくつかの重要な点で違いがあり、かつ新規な様態を含んでいる。
【特許文献38】
米国特許第4,279,754号明細書
【特許文献39】
米国特許第5,645,726号明細書
【特許文献40】
米国特許第5,650,070号明細書
【0040】
図1において、本発明の縦坑バイオリアクタシステム10は、2つ以上のほぼ垂直なチャンネルを含み、さらに少なくとも1つの上昇流チャンネル、または上昇管チャンネル14に、開放または閉鎖回路パスによって流体的に連結された、少なくとも1つの下降流チャンネル、または下降管チャンネル12を含む排水循環システムであることをその特徴とする。下降管と上昇流チャンネルは、一般的にはそれらの上端で開放または閉鎖された地上槽またはヘッドタンク16により相互に連結され、下端では下降管の下部ポートまたは開口20の下にある混合ゾーン18に相当する下部接合部で連結されている。
【0041】
下降管12チャンネルと上昇管14チャンネルは、一般的には個別の導管、たとえば個別の円筒壁パイプである。しかし、別の形態では、それらは相互に連結され、1つまたは複数の壁を共有する相互に連結された個室またはチャンネルを形成しており、たとえば、長尺の個室化された容器またはフレームの中に設けられた、隔壁構造物(たとえば半径方向の隔壁)で区切られた並行チャンネルとなっている。下降管チャンネルと上昇管チャンネルは互いにほぼ並行、たとえば並列または同心円的であることが望ましい。
【0042】
一般的には、下降管チャンネル12と上昇管チャンネル14は各々少なくとも全長の一部において個別の導管となっている。1例の場合、下降管チャンネルは、大径の円筒壁上昇管24(これはバイオリアクタ組立全体の外壁またはケーシングに相当することが多い)の中に同心円的に収められた別個の円筒壁下降管(例えば鋼鉄のパイプ)22となっている。したがって、添付された図面は一般的に概要図として理解されるべきであり、そこでは図解の便宜上、下降管が上昇管と並置されたように描かれているが、これは並列または大きい上昇管の内側に同心円的に配置された下降管を意図されたものとして理解されるべきである。
【0043】
本発明を生活排水に適用した1つの実施例においては、本発明の排水処理バイオリアクタ10は人口約5,000人の小集落のために建設される。一般的に、EPAの冗長要件を満たすための二つの平行したバイオリアクタは、通常のドリリング技術で掘られた地中の穴に縦位置に設置される。本発明のバイオリアクタは様々な実施例において、二次的機能、または二次的および/または三次的な処理を果たすように建設することができる。
a)二次的処理(BODとTSSの除去)のみ
b)アンモニアの硝化(アンモニアを硝酸塩に変換すること)を伴う二次的処理
c)硝化と脱窒(アンモニアと硝酸塩の除去)を伴う二次的処理
d)硝化、脱窒、および化学的脱リン化(三次処理)を伴う二次的処理低負荷の場合は生物学的脱リン化が生じる。
e)下水スラッジの好熱好気性消化と殺菌によるA級バイオスラッジの生成
【0044】
下記の説明に関連するが、上記a)の二次的処理は、ゾーン1のヘッドタンク16と下降管チャンネル12、およびゾーン2の上昇流チャンネル82とヘッドタンク15を完全に好気的にすることも可能である。この構成には直径約30インチで深さ250フィートの縦坑、直径約6フィート深さ10フィートのゾーン1ヘッドタンク、および直径約12フィート深さ10フィートの同心円ゾーン2ヘッドタンクが使われる。同心円浄化槽は、直径約28フィート負荷さ10フィートで、スラッジの除去用として掻き取り機構を備えている。さらに詳しい実施例においては、このリアクタは少なくとも人口2,500人の集落からの生活下水を処理し、< 30mg/L TBODおよび<30mg/L TSSを生成する。
【0045】
二次処理プロセスb)は、完全に好気性でありゾーン2ヘッドタンクの直径が約16フィートである以外はa)と同様である。ゾーン1の底部に発生する空気の大半は、切り替え機構84によってゾーン2に向けられる。前述の処理システムc)は、ゾーン1の下降管とヘッドタンクにおける無酸素条件のために設計されている。ある実施例の場合、このリアクタは少なくとも人口2,500人の集落からの生活下水を処理し、<1mg/L アンモニアーN、<15mg/L TBODおよび<15mg/L TSSを生成する。
【0046】
ゾーン1の底部に発生する空気のごく僅かの部分が、ゾーン1上昇流チャンネル40に向けられる。ゾーン1の上端への流入原液に加えて、リサイクルされる硝化流出液または浄化槽または、代わりにゾーン2からの活性化された戻りスラッジが流入原液に加えられて、無酸素条件を生じる。
【0047】
この処理プロセスにおいては、リアクタは直径が約36インチに拡大、ゾーン1ヘッドタンクは直径が約8フィートに拡大、ゾーン2ヘッドタンクは直径が約16フィートに拡大されている。同心円浄化槽は外径が約30フィートであり、掻き取り機構がもうけられている。さらに詳しい実施例においては、このプロセスは少なくとも人口2,500人の集落からの生活下水を処理し、<5mg/L TKN、<10mg/L TBODおよび<10mg/L TSSを生成する。
【0048】
前述の処理システムd)は、c)と寸法が全般的に同一である。処理プロセスd)においては、塩化鉄のミョウバンをゾーン2にリンの化学的活性化のために加えることがある。高度の脱リン化(例えば残存量が2−3mg/L)のために生物学的脱リン化プロセスのみを小規模のプラントで使用することは、揮発性脂肪酸(VFA)をつくるために予備的発酵を必要とすることがあるので一般的に不経済である。このプラントからの流出液の一般的な特性は:TBOD<10mg/L; TSS<10mg/L;TN<5mg/L;PO4<1mg/Lである。
【0049】
スラッジ処理e)の場合、リアクタは異なった構成であり、ゾーン1がゾーン2を取り巻くか、またはリアクタの長さの大半にわたってゾーン2に並置され、かつゾーン2のヘッドタンク15’がゾーン1のヘッドタンク16’を取り巻く形式である。ゾーン1とゾーン2はゾーン2の底部で自動バッチングエアロック装置を介して流体的に連結されており、同装置は各バッチがプロセスされている間にゾーン1の内容がゾーン2に入らないようにしている。構成e)における好熱好気消化器の容量は、バイオマスを生成する排水処理用リアクタの容量の約半分である。スラッジ収容装置を建設するほうがリアクタに余裕を持たせるより経済的なので、2つのリアクタに対して1つの消化器しか必要でない。したがって人口5000人の小さい町は、すべて同じサイズの処理リアクタ2基とスラッジ消化器1基を必要とする。上記の例は人口約5000人の小さいコミュニティのための典型的なデザインである。
【0050】
どんなエアリフトリアクタでも、空隙(エアリフト、airlift)の約80%は上部の80−100フィートに集中しているので、上部のチャンネルは深さ150と50フィート、さらに望ましくは80−88の間で有効であり、それは2重に無作為に選ばれた長さのパイプの2つのジョイントの標準長さである。市販の標準エアコンプレッサには100、125および150 psiの各モデルがあり、それぞれ深さ200、250および300フィートの縦坑に対応する。エアリフトバイオリアクタは深さ60フィートと500フィートの間で作られているが、普通は150から350フィートであり、さらに現在もっとも普通なのは200フィートから300フィートのものである。
【0051】
普通の井戸のリグは直径約48インチまで、パイリング用の深基礎装置なら直径約10フィートまでドリリングが可能である。オーガー(土質が許す限り)は直径約20フィートまでドリリング可能だが、深さは約200フィートが最大である。鉱山の縦坑は最大直径30フィート、深さは制限はない。
【0052】
小規模の都市用プラントリアクタ(人口5000)には、一般的に普通の井戸掘り用リグを使用し、直径は約24から48インチである。
【0053】
より大きいコミュニティ(人口10,000−50,000人)の場合は、直径5ないし10フィートx深さ200フィートの縦坑を深基礎パイリング用機械とオーガーを使って掘ることが必要であり、大型工場(例えばパルプ工場)の場合は鉱山用の技術で縦坑を掘らなければならない場合がある。
【0054】
本発明の長い縦坑のバイオリアクタ10は、排水またはスラッジからなる流入液を流入管30経由で受け取り、流入チャンネル32に導入する。流入液は流入チャンネルの底まで下がり、そこで遮蔽された流入ポート34を通り、流入ポートの脇のゾーン1上昇流チャンネル40内の上昇流と混じり合う。ゾーン1上昇流チャンネルの下からの泡が流入チャンネルに入り込まないように、流入ポートは上向きにされているか、遮蔽されている。
【0055】
本発明の別の実施例では、流入チャンネル32がバイオリアクタ10のゾーン1のヘッドタンク16からのリサイクル液を受け入れるようにすることもできる。この流れは、たとえば、手動またはモータ駆動のバッフル、バルブまたは他の流量規制装置から成るゾーン1のリサイクルレギュレータ50によって規制される。この方式の場合、ゾーン1のリサイクルレギュレータ50を通過する流入液は、一般的に流入量絞り制御機構によって絞られる。これは、たとえば、バルブまたはバッフルアクチュエータ52および流入量および/またはゾーン1リサイクル流量を測定するオプションの流量センサ53または53’または酸素レベルをモニタする溶解酸素DOプローブ49に連結されたシステム制御ユニット51(例えば制御マイクロプロセッサ)を含んでいる。流入量の上記レギュレータによる制御は、ゾーン1の上昇流チャンネル40を調節し、重力流入量を増やすような機能をも果たす。ゾーン1上昇流チャンネル内の混合流は、無酸素気泡(以下参照)を含むので流入チャンネル32内の液体より軽く、上昇する。ここで無酸素気泡とは、主として利用できる酸素以外の気体を含む気泡を意味する。ゾーン1上昇流チャンネル40は水平方向の脱気板54を通過し、元々含んでいた気泡をほとんど失って重力によって下降管チャンネル12を下り、混合ゾーン18の付近の主上昇管チャンネル14に入り、そこで強力に空気を取り入れる。
【0056】
バイオリアクタ10のスタートアップでは、圧縮空気または他の酸素を含む気体または、代わりの液体/気体溶液または懸濁液がリアクタの下部に送られ、バイオリアクタにおける好気性排水処理のための酸素供給源となる。一般的に、プロセス用空気を大幅に分散されたアレーとして送り込むために、下降管チャンネル12の下部ポートより低く、上昇管チャンネル14の底部付近に固定されたスパージャまたは空気分配ヘッダ60から圧縮空気が供給される。一般的には、空気分配ヘッダは上が平らまたは円錐形で、オプションで下側周辺に固定された鋸歯状スカートがついたものである。ヘッダはプロセス用の空気をほぼ均一な、気泡の円状アレイとして分散し、その結果、気泡はヘッダの周辺−下降管チャンネルの下部ポート20の下と混合ゾーン18の周辺から気泡のカーテンとして上昇する。したがって、本発明の1つの実施例における混合ゾーンは、上昇管チャンネルの下部、下降管チャンネルの下部ポートの周辺および空気配分ヘッダの上および周辺として定義される。下降管チャンネルからの流れは分配ヘッダの上面61に衝突し、一部は上向きに方向を変えられる。同時に、ヘッダの周囲から発する気泡は下降管チャンネルからの流れと混じり合い、この物質の激しい混合に寄与し、その結果、下降管チャンネル内の液体にくらべて気泡が混じった分だけ密度は小さくなる。したがって、その結果生じた液体と気泡の混合物は上昇管チャンネル14の中を上昇し、バイオリアクタのこの部分に図1に矢印で示したような一般的な循環パターンを持つ循環を生む。
【0057】
バイオリアクタ10の酸素添加源として使用する圧縮空気または酸素を含む気体または液体は、一般的に、圧縮空気ライン62のような専用の単独または複数のラインを通じて供給される。専用の圧縮空気ラインは、地上に置かれた圧縮空気源に接続され、上昇管チャンネル(例えば上昇管24に内蔵された)に平行に下向きに走って酸素添加ポート、たとえば空気供給ポート64に達しており、後者は上昇管チャンネル14に流体的に開口している。空気供給ポート64は一般的に空気分配ヘッダ60の下に配置されて、前述のようにヘッダが分配する圧縮空気を供給する。本発明の実施例においては、圧縮空気(または他の酸素を含む気体または液体)曝気・固体摘出兼用ライン66によってバイオリアクタ内で代替方法として、あるいは追加的に供給されるものもある。このラインは、たとえば前述のシステム制御ユニット51により代替方法として圧縮空気または他の酸素含有気体または液体を供給するように制御することができ、第2の運用モードにおいては、上昇管チャンネルの底部に配置されたリアクタの排水溜め67から固体廃棄物をパージするための固体廃棄物摘出ライン66としても機能する。固体廃棄物摘出ラインは地表から(地上に設置された固体廃棄物摘出・浮遊槽)排水溜めと流体接続する酸素添加・固体廃棄物摘出ポート68まで伸びている。排水溜めに沈殿する固体廃棄物は何時間も運転された結果蓄積する。バイオリアクタの運転時間の大部分において、曝気・固体摘出兼用ラインは圧縮空気の流れによって連続的にパージされており、したがって排水溜め67は十分にかき混ぜられ、酸素が添加され、したがって混合ゾーン18の機能的な一部を構成している。曝気・固体摘出兼用ラインは定期的に減圧され、それによって排水溜め内に沈殿した固形物は、リアクタの最上部に急速に送られ、そこで取り除かれる。これらの固形物は高度に酸素添加されており、非常に安定(無臭化)しており、気体成分が高いので濃縮化されたスラッジの上に浮かび上がる。
【0058】
本発明の関連実施例において、改良された縦坑バイオリアクタ10は上昇流を生み、バイオリアクタ内にプロセス用の空気を供給するために、同時に作動する2本の酸素添加ラインまたはポートを持つている。2本の酸素添加ラインは、専用の圧縮空気ライン62と曝気・固体摘出兼用ライン66で例示されており、その場合両ライン共にバイオリアクタの運転時間の大半において圧縮空気供給モードで使用される。このモードでは、2本のラインが協調的に本発明の複数の圧縮空気源を提供してリアクタの混合ゾーン18における乱流と微細な気泡の生成能力を助け、複数の圧縮空気源またはポートの働きでリアクタの効果をさらに高める。この増強された乱流と微細な気泡の生成機構の1つの態様においては、専用の空気ライン62の空気供給ポート64によって例示される第1の曝気ライン開口部は、空気分配ヘッダ60の下、かつ曝気・固体摘出兼用ラインの曝気・固体摘出ポート68により例示される第2の曝気ライン開口部の上に配置される。この下部曝気ポートから放出される圧縮空気は、上昇管チャンネル14の底部付近の液体のミキシングと気泡の生成に刺激を与え、第1の循環パスまたはベクトルを設定する。その結果としての循環する液体・気泡混合体は、第1の、上部空気ライン62からの圧縮空気によって生成された液体・気泡混合体と上向きにおよび/または横向きに衝突する。これによって、せん弾力が増し、単一の曝気ラインの運転により得られる結果にくらべてより細かい気泡がより広い混合ゾーンに生まれる(図1参照)。
【0059】
上述の協調的に複数の圧縮空気源を使用する方法に加えて、本発明の一部の実施例では修正された(一般的には段階的、チャンバー構成、またはバッフルつきの)ヘッダ、または複要素ヘッダを使用して、複数の相互作用的曝気源により乱流と微細な気泡の生成機構をさらに増強している。1つの態様においては、協調するせん断ヘッダ70は上昇管チャンバー14の中で主気泡分配ヘッダ60の下に取り付けられ、ほぼ前述と同じように2つの垂直方向に段階が設けられた2つの曝気源と協力して働く。せん断ヘッダは、第2の低い位置に設けられた曝気源(曝気・固体摘出ポート68)によって生成される混合ゾーンを上向きおよび/または横向きまたは半径方向の流れ成分を増強するような任意の変流または分岐装置であればよい。ひとつの実施例では、せん断ヘッダは分配ヘッダの下側に垂直支柱によって取り付けられた、内部に段が付いた吸出し管(図1)を含んでいる。曝気・固体摘出ライン66に供給された圧縮空気は段付き吸出し管にエアリフト効果を生じ、それによって図1に示したように混合ゾーンの下部に別の循環パターンをまたはべクトルを発生する。この上向きおよび/または横向きまたは半径方向の循環流は、最初の上部空気ライン62による圧縮空気の導入によって分配ヘッダの周辺に発生した混合液と気泡に衝突し、その相互作用は部分的に曝気・固体摘出ポートを介して供給された空気によって規制され、一方、残りのプロセス空気は専用の空気供給ポート64を通じて供給される。これによって鋸歯状スカートの内側に非常に強い流れを発生し、それは気泡をせん断して細かいサイズにすることにおおいに役立つ。従来のバイオリアクタが一般的に直径で0.5−0.75インチの気泡を分配器の近傍で生成していたのに対して、本発明の新らしい相互作用による流れのメカニズムおよび協調的ヘッダのデザインは、一般的には直径0.25−0.5インチ、多くの場合0.25インチ以下、場合によっては0.2−0.125インチあるいはそれ以下の細かい気泡をを生成する。例えば、以下の非特許文献6に記載された研究(ここに言及することによって本出願に援用)は、混合と酸素移転のために最適な気泡の直径は約2 mmであると結論している。しかしこの大きさの気泡は、気泡をせん断しない限り、オリフィスで自然には発生しないない。気泡のサイズは浮力とオリフィスでの牽引力とが等しいときに決まり、気泡のサイズは必ずしもオリフィスのサイズの関数ではない。このサイズ範囲の気泡が水中での浮上速度が毎秒0.8−1.0 フィートなので、鋸歯状スカート60の近傍の下向き循環速度が毎秒1フィート以上であると気泡がオリフィスからせん断される。循環速度はライン68に吹き込まれる空気量によって規制され、オリフィス64に適用される空気によって独立に調整される。定期的にライン66で抽出されるサンプルは酸素溶解量の測定に使うことができる。曝気要素60と70の間の循環速度は酸素移転を最大にするために調節することができる。この新規なデザインは、目詰まりを生じることなく混合と気泡配分を増強することを可能にしている。曝気・固体摘出ラインがバイオマスの処理に使用されているときは、専用空気ラインの空気流がリアクタ循環を維持する。このとき、せん断ヘッダのリアクタバレルが減圧されると、新規なバッチの排水バイオマスが混合ゾーン18から排水溜めに送られ、せん断ヘッダのリアクタバレル内のバイオマスの曝気が再開される。
【非特許文献6】
Water Environment Research Journal、1999年5/6月号、307−315頁
【0060】
本発明のさらに別の実施例では、バイオマス10内での液体、空気および/またはバイオマスのチャンネル化、循環化、および分離化が特徴となっている。これらの特徴は、リアクタの構成に応じて本発明の様々な態様の中で可変であり、組み合わせ可能であるし、また調整可能でもあり、それによって様々な排水処理と期待される結果に応じてリアクタを使用し、変更することができる。一般的に、本発明のバイオリアクタは、排水、溶解酸素、栄養素およびバイオマス(活性化した微生物個体群を含む)の基本的反応の大半(例えば80%以上、最高90−95%以上)が起こるゾーン1と呼ばれる第1の処理またはプロセス「ゾーン」を持つことを特徴としている。ある種の実施例の場合、このゾーンは地上槽またはヘッドタンク16、上昇管チャンネル14、下降管チャンネル12、および混合ゾーン18からなる中央容量を含む主反応チャンバー80を含むものとして定義される。
【0061】
混合ゾーン18の成分の大半は液体と気泡の混合体であり、下降管チャンネル12内の液体より密度が低いので、混合ゾーンから上に向かって循環して主反応チャンバー80に入る。溶解していない気体、主として窒素は、膨張してリアクタ10の上部にある混合液に各図に矢印で示したようなパターンの循環を起こさせるために必要な気体の浮力を提供する。反応生成物は炭酸気体と追加のバイオマスであり、そのバイオマスは流入汚水に含まれていた未反応固形物質とともにスラッジ(バイオソリッド)を形成する。
【0062】
ある種の実施例の場合、本発明の図1に示したように、主リアクタチャンネル80内の液体の上昇流はバイオリアクタ10の中で複数の小さい上昇流チャンネルに分割される。1つの実施例の場合、主リアクタチャンネルからの上昇流は、図1に示したゾーン1上昇流チャンネル40とゾーン2(一般的には仕上げゾーンとして使われる)上昇流チャンネル82で例示されるように、少なくとも2つの独立した上部上昇流チャンネルに転流される。1つの実施例の場合、主リアクタチャンネルからの流れの複数の上部チャンネルへの転流は、主リアクタチャンネル上部付近に固定した固定のまたは調節可能な転流板84またはそれに相当する転流装置を使用して達成される。
【0063】
転流板84は主リアクタチャンネル80上昇流を複数の上部チャンネルに転流するような構造と寸法になっている。一般的に転流板は、主リアクタチャンネルからの液・気泡混合体の全上昇流量の大半を捕捉して、以下に詳述するようにバイオリアクタ10の望ましい運転モードに応じて選ばれた「好気性」上昇流チャンネルに転流できるような構造と寸法になっている。図1に示した実施例の場合、主リアクタチャンネルからの液・気泡混合体の全上昇流量の大半を第1ゾーン上昇流チャンネル40または第2ゾーン上昇流チャンネル82に転流させる転流板は、主リアクタチャンネル内を上向きに流れる液・気泡混合体の転流板の上、横または半径方向に伸びる転流板の転流延長部88に沿った分離・チャンネル化を助ける垂直バッフル86を持つことを特徴とする。したがって、液・気泡混合体の全上昇流量の小部分は残された上部上昇流チャンネル40に流れることを許され、それによって主なプロセス決定子として、曝気された液体流のこの残されたチャンネルへの侵入を制限し、よって必要な場合にこのチャンネルに嫌気性状態を生成することに寄与する。
【0064】
転流機構の選択、位置および調節は、バイオリアクタ10の選ばれた運転モードに依存する。別の実施例においては、主リアクタチャンネル80からの液・気泡混合体の上昇流を1つまたはそれ以上の上部チャンネルに分流し、それによって高い好気性環境条件を選ばれたチャンネルに実現し、一方では1つまたはそれ以上の上部チャンネルへの上昇流(特に高酸素含有液体の上昇流)を制限して低い好気性、場合によっては嫌気性の環境条件を実現するように、転流板84の位置、形状・寸法を合わせ、また調節することができる。調節可能なバッフル86と84の定常状態の機能を実施例を参考にして下記に説明する。図1において、ゾーン1の上部でバッフル86のすぐ下に10個の気泡が一様に上昇する姿が描かれている。バッフルは、3個の気泡がエリア39に、7個がエリア81に別れるように調節されている。しかし、エリア81への流量はほぼQに等しく、したがって流入/流出液+1.75Q硝酸塩リサイクル流=2.75Qとなる。このデザイン例においては、エリア39への流入量は5Qに制御されている。したがって、エリア39における気泡1つ当りの流量は5/3=1.7Qであり、エリア81においては気泡1つ当りの流量は2.75/=0.4Qである。同様に上部チャンネルおよびヘッドタンクにおける酸素の需要と供給も計算できる。一般的に、エリア39と81の平均BODは約10mg/Lで、除去すべき平均のアンモニアーN濃度は15mg/L(細胞合成に使用された後のアンモニア)で、脱窒化リサイクル流量は1.75Qである。したがって平均的なアンモニア濃度は15/1.75=8.57mg/Lである。このアンモニアーNレベルはBOD相当値8.75mg/L−Nx4.6# 酸素/#N=39mg/Lと同等である。したがってゾーン2への合計負荷は2.75Q[10+39]=134Q酸素単位となる。これには気泡7個の酸素単位が関わっているので、気泡当りの負荷は134/7=19酸素単位である。同様に、エリア39への負荷は5Qx10mg/L BOD=50Q酸素単位が必要である。しかし、ポート34の上のチャンネル40内では、必要な全負荷250Q単位に対して負荷が50Q単位+Qx200単位に増える(流入BODが200mg/Lであると仮定)。この場合関係するのは気泡3個だけなので、気泡当り必要な酸素は250/3=83酸素単位である。したがって、気泡当りに必要とされる酸素単位はヘッドタンク16のほうがヘッドタンク15より83/19=4.3倍高いことになる。この結果、ヘッドタンク16に対して計量できる溶解酸素がヘッドタンク16にあれば、ヘッドタンク15には余剰DOがあるはずで、もしヘッドタンク16に余剰DOがあればバッフル86から下の混合ゾーン18までのあらゆるレベルにかなりのDOがある。バッフル86は広範囲の負荷と流量値に対して調節可能である。
【0065】
したがって、本発明の1つの態様においては、BODの好気性消化ならびに単一の混合液プロセスBNR処理を提供することにより、改良された縦坑バイオリアクタが多目的排水処理に対して機能する。図2において、主リアクタチャンネルからの液・気泡混合体の上昇流の大半を第2ゾーン上昇流チャンネル82に転流させ、一方では主リアクタチャンネル80からの液・気泡混合体が第1ゾーン上昇流チャンネル40に進入することを防止するために、転流板84は図示のように構成されている(仮想線90で示された代替転流板と比較のこと)。流入チャンネル32とゾーン1上昇流チャンネル(主リアクタチャンネルからの気泡の僅かな部分のみを阻止する)への流れとの流量比は、微細に調節可能である。ここで、この転流板の構成においては、ゾーン2上昇流チャンネルにおけるエアリフトと緩慢な循環率に比べて比較的少量のエアリフトと緩慢な循環率をゾーン1上昇流チャンネルに対して提供することが可能である。したがってゾーン1上昇流チャンネルにおける混合液の滞留時間が増加し、ゾーン1上昇流チャンネル40における酸素移転能力は気泡の上昇流の減少に伴って減少する。ここで注意すべきことは、酸素が主としてゾーン1の下部および中部(特に混合ゾーン18と転流板の下の主リアクタチャンネル80を含む)で消費されてしまうので、ゾーン1上昇流チャンネル内の気泡が主として窒素であるという点である。
【0066】
本実施例とバイオリアクタ10の調節/運転モードの中で、ゾーン1上昇流チャンネル40と呼ばれる上部チャンネルは、相対的に低い酸素流入量と原流入液の酸素に対する高い要求度によって達成される無酸素環境を提供するために選択することが可能である。この無酸素ゾーンは、図2の矢印でおおよそ示したように、ゾーン1上昇流チャンネルと下降管チャンネル12の間の循環経路全体にわたって継続する。この無酸素ゾーンの中では、BNRプロセスの最終段階、すなわち、ゾーン1上昇流チャンネルの液体に元々含まれていた硝酸塩の脱窒が行われる。図示された経路をたどってこの混合液が混合ゾーン18に到達すると、下部下降管ポート20に存在する無酸素流の再曝気が発生し、無酸素ゾーンで除去されなかった残存BODがゾーン1(混合ゾーンえお主リアクタチャンネル80を含む)の下部で酸化される。その後、主リアクタチャンネル内の上昇流の一部が上向きに流れてゾーン1上昇流チャンネル40に入り、ゾーン1の上部は無酸素であるように設計されているので、生物学的酸化に必要な気泡の数が減少する。エアリフト効果はまた大幅に減少し、それによってリアクタのこの部分の上昇流が緩慢になる。さらに、ゾーン1リサイクルレギュレータ50を経由して流入する流れを制御する能力はまた、ゾーン1上昇流チャンネル内の流量とエアリフトを調整することもできる。
【0067】
バイオリアクタ10の前述の運転モードの中で、主リアクタチャンネル80内の上昇空気流の大半は上向きに流れ、別の上部上昇流チャンネル、たとえばゾーン2上昇流チャンネル82に入る。こうして分離された相対的下部液体上昇流部分は、ゾーン1の下端で発生した気泡(気泡配分ヘッダ60とせん断ヘッダ70で例示されたオプションのせん断増強機構と協調して働く専用の空気ライン62とオプションの多目的曝気・固体摘出ライン66により発生した気泡)の大半を含む。転流板84の作用によってゾーン2に分離されたこの活性化した、液体・気泡混合体は、ゾーン2上昇流チャンネルに入り、ゾーン2にゾーン2再循環チャンネル110(ゾーン2ヘッドタンク15からの液を再循環させるもの)を経由して流入する激しい再循環流と混じり合う。この再循環流は、オプションとして、手動またはモータ駆動のじゃま板、バルブまたは他の流量規制装置から成るゾーン2のリサイクルレギュレータ112によって規制される。このリサイクル流レギュレータは、オプションとして、バルブまたはバッフルアクチュエータ52とオプションの流量センサ53にリンクされている流量制御ユニット51(たとえばシステム制御マイクロプロセッサ)によって制御されている(ゾーン2のリサイクル流量を決定するために)。
【0068】
バイオリアクタ10がこのようにBNRの除去のために構成および/または調節されると、上述の構造と運転の詳細に従って、バイオリアクタのゾーン2内の混合液の硝化が効率的に実施および制御される。ゾーン2からの混合液の一部は、分離型120または組み込み型固体・液体分離器(浄化器)に排出することができる(図2−4、および図6参照)。ゾーン2からの混合液の一部は、上述のように流入チャンネル32に戻されて脱窒され、このサイクルが繰り返される。オプションとしては、浄化された流出液の一部は、流量が少ない時にチャンネル32に戻されて、さらに窒素化合物全体を除去することもできる。
【0069】
本発明のさらに詳しい実施例においては、流入液、浄化された戻り流出液(例えば独立した浄化器120または組み込まれた浄化器120’からリサイクルされるもの)、および活性化された戻りスラッジはバイオリアクタ10の運転にふさわしいあらかじめ選ばれた割合で混合される。これは本発明の様々な制御機能を使って、また、一部はゾーン1活性化スラッジ戻りチャンネル122とゾーン2活性化スラッジ戻りチャンネル124との協調と制御された運転(たとえば、浄化器に連結されたスラッジ摘出ライン126経由)により、また、スラッジをゾーン1流入チャンネル32またはゾーン2リサイクルチャンネル110にそれぞれ向けることにより達成される(例えば図2−4、8参照)。添付した各図面に図示された供給ライン、連絡ラインおよびドレンライン中および相互間の流量制御は、バルブアクチュエータまたはバッフルアクチュエータ52および/または流量センサと連結された各流量レギュレータ50によって容易に達成可能であり、それらすべては1つあるいはそれ以上の制御ユニット52によって操作が統合され、制御されている。
【0070】
流入する典型的な都市排水の流入量に対する選択された混合比は、大は浄化済流出液の容量3に対し戻り活性化済スラッジの容量1から、小は浄化済流出液の容量1に対し戻り活性化済スラッジの容量1まで様々である。流入液の1容量に対して浄化流出液または混合液の1.75容量によって総窒素量の約85%がNに変換される(例えば、以下の非特許文献7;ここに言及することによって本出願に援用)。しかしながら、一部の産業排水の場合には流入液の単位量に対して100倍以上のリサイクル量を必要とすることもある。
【非特許文献7】
谷口ナオヒロら、硝化および脱窒のためのエアリフト再循環、日本下水道工事局研究開発部、1987年
【0071】
バイオリアクタ10の硝化プロセス機能に関しては、上述の各種のリアクタ特性と運転パラメータの選択または調節によって、さらに修正または増強することができる。さらに、システムはBNRプロセス機能を増強するために、追加のシステム機能または部品を容易に組み込んだり、結合することができる。BODはゾーン2で低いので、BOD除去生物の発育は一般的に低く抑えられ、硝化バクテリアにバイオマスを支配させることができる。この特徴に加えて、脱硝バクテリア濃度を増加することにより、アンモニアの亜硝酸塩と硝酸塩への変換率を大幅に改善することができる。一部の硝化剤は添加生物であるので、添加サイトを混合液中にスポンジボール、懸濁媒体、液中に小径のプラスチックまたはゴム(エラストーマ系)ポリエチレンチューブの切れ端、多孔質繊維のひもの形で提供することは、本発明の装置と方法において非常に有効である(例えば、非特許文献8;ここに言及することによって本出願に援用)。たとえば、図4において、硝化バクテリアのための基板を包含するまたは提供する懸濁媒体130をゾーン2のリサイクリング循環経路に含むことにより、バイオリアクタのBNRプロセスは大幅に改善可能であり(非特許文献9を参照のこと;ここに言及することによって本出願に援用)、その修正はゾーン1とゾーン2の間の新規な相対位置決めとゾーン間分離により便宜が図られている。移動ベッド媒体が流出液に逃げることは、例えば簡単な網で防止することが可能である。代替案として、固定媒体132をヘッドタンクに固定してBNRプロセスのために微生物のバイオマスを増加することもできる。これらの修正はより優れたBNRの性能をもたらす。例えば、BOD除去バクテリアを減少させるゾーン2の領域を硝化バクテリアの増加した添付成長バイオマス(例えば15−20g/L相当の脱窒剤)と組み合わせることは、本発明のバイオリアクタ中の高度に有効なBNRプロセスを提供する。単一のスラッジ拡張好気プロセスは、一般的に15−20%(スラッジマスの重量または個体数パーセンテージ)の硝化バクテリアを含む。しかし、添付媒体が本発明で使用された場合、硝化剤のバイオマスはシステムの個体数の30%以上、しばしば60−70%、最高75−85%かそれ以上にも拡大できる。これは本プロセス段階とシステムのゾーンにおけるBODの相対的な消化、また、ゾーン2内の固定または循環添付媒体の効果的な利用に関連する。これらの新規な特徴と特性は、本発明の改善型単一スラッジシステムを他の単一スラッジプロセスから際立たせるものである。
【非特許文献8】
キース・ガンゼ(Keith Ganze)、“Moving Bed Aerobic Treatment”、Industrial Water Waste Water、1998年11/12月
【非特許文献9】
T・レセル(T Lessel)ら、“Erfahrungen mit getauchten Festbettreaktorn fur die Nitrifikation”、38.Jahrgang、Heft 12/1991、1652〜1665頁
【0072】
本発明のその他の態様には、新規な消化プロセスが提供されており、それはプロセスの原動力としての酸素の源泉として、ゾーン1の底部付近に発生する残存溶解酸素に大半をあるいは全的に依存している。さらにゾーン1からの未使用気体を使うことから生じるもう1つの利益と差別は有機炭素源として硝化バクテリアも必要とする高レベルのCOが得られることである。他の硝化システムにおいては、基本的な有機炭素源を排水のアルカリ性に依存しており、一般的にはCaCOの存在によって決定される。本発明のバイオリアクタプロセスシステムは、したがって現在の拡張型好気性システムよりコンパクトであり、少ないエネルギーで稼動する。本発明に基づいて建設され、運転されるバイオリアクタはさらに、より良質で(必要ならA級バイオソリッドを含む)、原液からより簡単に分離できるバイオマスを作り出す。
【0073】
本発明のバイオリアクタ10の機能と運転をさらに増強するために、組み合わされたまたは統合された様々の特徴をバイオリアクタに組み込んで排水処理の能力を高める。図2に示したように、本発明によるバイオリアクタを排水処理に使用する場合、普通の独立した沈殿浄化槽120が使われることがある。バイオリアクタはさらにオプションとして、曝気された仕上げバイオフィルタ133および/または紫外線殺菌チャンバー134および/または洗浄タンクと流体結合されている。一部の実施例では、ライン136はバックウォッシュを流入液に戻す。
【0074】
代替案として、図3と図8(各々概略図および部分的断面斜視図)は本発明によるバイオリアクタ10の別の実施例を示すが、その特徴は円形ゾーン2ヘッドタンク15を取り巻く統合された円形沈殿浄化槽120’であり、前者はさらに円形ゾーン1ヘッドタンク16を取り巻いている(この縦型リアクタではこれら3つのタンクがいずれも同心である)。これらの実施例では、沈殿した活性化スラッジは重力でゾーン1またはゾーン2に戻る。
【0075】
図4に示したバイオリアクタ10の代替実施例は、移動ベッド媒体130がゾーン2で循環しているほか、追加的または代替的に、固定媒体132がゾーン2のヘッドタンク15に懸濁している。別の実施例では、図5のように、加圧されたヘッドタンク135、およびオプションのオフ気体収集器136(例えば、ポラック(Pollack)の特許文献41の米国特許;ここに言及することにより、本発明に援用)が含まれ、オフ気体がヘッドタンク圧力に対抗するためエアリフト流入液ポンプ137を駆動し、オプションの薄膜フィルタカートリッジ138(例えば以下の非特許文献10を参照;ここに言及することによって本出願に援用)がバイオマスを液と清浄水から分離するために圧力下で作動し、紫外光線(UV)殺菌チャンバー139がまた薄膜バックウォッシュのための保管室としても機能する。図6に示すさらに別の実施例では、統合された浄化槽120’が曝気された仕上げバイオフィルタ133、紫外光線(UV)殺菌チャンバー134およびフィルタバックウォッシュタンクと流体的に連結されている。
【特許文献41】
米国特許第4,272,379号明細書
【非特許文献10】
ジョウジ・ハイナー(George Heiner)ら、”Membrane Bioreactors”、Pollution Engineering、1999年12月
【0076】
一般的には、長尺縦坑バイオリアクタにおいて、生物学的酸化プロセスのための最適生物学的空気供給率は、本件の場合、ゾーン1上昇流チャンネル40およびゾーン2上昇流チャンネル82によって例示される上昇流チャンネルと同等な過剰な「空隙」をリアクタの上部に発生する。過剰な空隙は望ましくない振動(水撃現象)を生じ、振動に基づくリアクタの損傷を生じる可能性がある。振動を生じるエア空隙はまた循環する液体内の酸素の移転がうまくいっていないことも意味する。本発明はこれらの問題に様々な方法で対処するが、その中には循環速度を制御する新たな方法や、リアクタの特定な部分やチャンネルの気体成分を調整する方法も含む。
【0077】
リアクタ10内の液体の上昇流の流速に比較して酸素の移転と酸素の利用率は比較的緩やかに生じるので、流速を増加させることはリアクタの運転効率を低下させるだけに終わる。流速を上げると気泡の接触時間が減少し、酸素の移転を遅らせ、その結果プロセスの最適化のためにより多くの曝気が必要になる。同様に、曝気を減少するとリアクタの能力が下がる。エア空隙や関連する問題の解決法の1つとして、2000年5月11日に出願された以下の特許文献42の米国特許出願(ここに言及することにより本出願に援用)が「ヴェルトリート(VerTreat) II」バイオリアクタを提案している。この開示によれば、上昇管チャンネルの下部にオリフィスを設けて流速を下げると良い効果が上がるとされている。しかし、この解決策は水撃現象に対する根本的な解決策ではなく、むしろオリフィス板が腐敗や異常な問題を生じ、特に小都市のプラントでその傾向が顕著である。
【特許文献42】
米国特許出願第09/570,162号明細書
【0078】
本発明のバイオリアクタ10は、ゾーン1とゾーン2の新規な相対的な構成を導入することにより、これらの問題を部分的に解決している。ゾーン1の下にゾーン2を設けたのでゾーン2内の空隙発生を規制できるという上述の「ヴェルトリート(VerTreat)II」バイオリアクタ(1997年7月22日登録の以下の特許文献43の米国特許を参照のこと;ここに言及することにより本出願に援用)と異なり、本発明は各ゾーンにおける流れと気体成分を独立に制御できる。従来の技術による「深縦坑」リアクタの場合、毎秒2フィートの上昇流の流速で水撃現象が発生する。上記のオリフィス板つきヴェルトリート(VerTreat)IIリアクタは毎秒1.25フィートまでは運転可能である。本バイオリアクタ内では、上昇管チャンネルの下部においてこの値を毎秒0.25ないし0.5フィートまで下げることができる。上昇管速度が低いと、一部の重い固形物は排水溜め67に沈殿する。これらの固形物は、必要に応じて曝気・固体摘出兼用ライン66のパージングを行うことにより、余剰バイオマスと一緒に(例えば、せん断ヘッダ70および周囲の混合ゾーン18内で循環させることにより)容易に取り出すことが可能である。
【特許文献43】
米国特許第5,650,070号明細書
【0079】
本発明は、流速を下げるうえで先行技術の方法に比べてはるかに有効な新規な機能と方法を提供しており、それには上述のように気泡が混入していない液体によってリアクタの1つまたは複数の上部上昇流チャンネル内のエアリフト流を薄める能力が含まれている。これらのヴェルトリート(VerTreat)II技術を上回る機能と方法の利点は、特に小径のリアクタの場合に問題となる、上昇管チャンネルの下部および到達不可能な部分にあるオリフィス板が詰まる可能性を解消することを含んでいる。
【0080】
本発明のバイオリアクタ10のような液体と気体の混合体が垂直のチャンネルを循環する長尺の縦坑リアクタにおいては、一定の体積を持つ液体の中の気体の体積は圧力によって変化する(気体の法則)。したがって、リアクタの底部においては液体の中の気体の体積(空隙)は小さく、一方、リアクタの上部においては、膨張によって気体の体積の液体の体積に対する比率は何倍も大きくなる。水柱34フィートが約1気圧に相当するので、地表における1立方フィートの空気は深さ34フィートの水底では0.5立方フィート、深さ68フィートの水底では0.33立方フィート、深さ102フィートの水底では0.25立方フィートとなることは容易に計算できる。したがって、体積の下にある面積対深さの曲線を積分することによって、リアクタの上から102フィートの範囲で気体体積の78%の空隙が発生することがわかる。
【0081】
エアリフトポンプとその他の気泡/水柱に関する多くの研究により、水撃現象は空隙が11−14%の時に発生することがわかっている。水撃は気泡が集合してさらに大きい気泡をつくるときにリアクタに振動を生じるので望ましいことではなく、さらに重要なのは大きい気泡は酸素の移転特性が非常に悪いことである。これらの欠点を改善するために空隙を規制することは、過去にも少なくとも2つの方法で試みられている。1つの規制方法は、気体が気体・液体混合体から遊離するのに十分なだけリアクタの断面積を広げることである。代替方法として、リアクタ上部において気体・液体混合体の残存圧力を維持することが試みられた。これらの提案された規制方法は、それぞれ欠点があり、本発明のバイオリアクタで使用するには望ましくない。例えば、一部のエアリフトリアクタのヘッドタンクのデザインでは、0.5気圧の水深(17フィート)が使用されている。これによって最大空隙が17%減少されるが、深さ17フィートよりもはるかに深いヘッドタンクは製作が困難である。さらに、地上高の高いヘッドタンクは、かなりな水頭に対抗してポンプで流入液を押し上げる必要を生じ、相当なエネルギーの無駄を生じる。
【0082】
本発明は空隙を規制し、水撃現象の悪影響を改善する新規な機能と方法を提供する。簡単に言えば、これらの機能と方法は、リアクタ10の1つまたは複数のチャンネルまたはチャンバーにおいて、液量を増やすか気体量を減らすことによって液体の単位量に対する気泡の量を減少するものである。さらに詳しく述べるならば、リアクタの上部(例えば60−90’)からのリサイクル液を、脱泡段階を経由し上部の底に近いリサイクル流入点(例えば、地表から60−90フィート下)まで戻して増やすことによって、リアクタの1つまたは複数のチャンネルの上部上昇流チャンネル内の液体の流量を増やす。一般的には、総気体流量(空気流)は生物学的な最適化要件によって決定されると考えられているが、この総気体流量はまた、ここに説明する新規な流量制御機構を使って選ばれた、リアクタ上部の各上昇流チャンネルに分配することができる。
【0083】
空隙の約75−80%はリアクタの上部60−90%で生じるので、リサイクルチャンネル(ゾーン1リサイクルポート140からのゾーン1リサイクルおよびゾーン2リサイクルポート110からのリサイクルを受け取る、オプションとしてネスティングされた流入チャンネル32によって例示される)は典型的なバイオリアクタの全深さの約25−35%しかなく、リアクタの断面積と体積の僅かな部分を占めるのみである。実際には、リアクタのゾーン1とゾーン2はほぼ同等の液体体積からなるが、BNR除去の場合、ゾーン2ヘッドタンク15の直径を大きくしてゾーン2は硝化のために体積が拡大されている。ゾーン2ヘッドタンク15からの気体抜きされた液体のリサイクル流をゾーン2リサイクルレギュレータ112で十分に調節可能なように設計することにより、ゾーン2リサイクルチャンネルの空隙は広範囲の運転条件下で容易に制御可能である。したがって、ゾーン1上昇流チャンネル40の気泡体積は、流入流量の最小最大値の許容範囲によって制限される範囲内で、その範囲に多少の制限があるものの、脱泡した液体によって希釈可能である。この制限を解消するために、ゾーン1リサイクル流量レギュレータ50(システム制御ユニットによって操作される)の調節によって規制された量の液体がゾーン1リサイクルポートを介して分流される。このように協調したヘッドタンクからの制御流は、流出液の重力供給を維持するために必要である。
【0084】
本発明はしたがって、低いバイオリアクタ10流速での水撃現象を軽減するためのいくつかの個別かつ選択随意な協調機構と方法を提供する。別な態様においては、この問題は固定または調節可能な機構84で例示される、調節可能な転流板またはバッフル装置を提供することで軽減される。この例示された転流板の構成(大きさ、形状、位置および姿勢)はリアクタの建設および据付時に決めても良い。代替案として、これらのそしてその他の転流板のパラメータは自由に選択・変更することが可能であり、たとえばシステムコントローラ51による機能的な制御(位置および姿勢のパラメータ)のためにオプションとして組み込まれた手動またはモータ駆動の転流板調節機構を使用することができる。転流板の操作は主リアクタチャンネル80からの上昇流で運ばれる大半のあるいは一部の気泡を1つまたは複数の選ばれた上部チャンネルに向ける役目を果たし、例えば液・気泡混合体の大部分をゾーン2上昇流チャンネル82に向け、残りの部分をゾーン1上昇流チャンネル40に向けて転流する。
【0085】
望ましい部分の気泡がこうしてゾーン2上昇流チャンネル82に向けて転流されると、ゾーン2リサイクル流レギュレータ112を調整してゾーン2リサイクル流量を変更することにより、このチャンネル内の空隙は容易に修正することができる。循環ループ(ゾーン2上昇流チャンネル82、ゾーン2脱気板150、ゾーン2リサイクルレギュレータ112、ゾーン2リサイクルチャンネル110、ゾーン2遮蔽された循環ポート152を経る矢印をたどるループ)と最上部の地上槽またはゾーン2ヘッドタンク15はゾーン2を構成し、ゾーン1の排水気体で駆動されるバイオリアクタの仕上げプロセスおよびオプションの硝化機能を代表する。ゾーン2上昇流チャンネル82内の液体と気泡が共に一方方向的に上向きなので、流れを上部の各上昇流チャンネルに分配する転流板の構成によって、処理液がゾーン2からゾーン1に移ることが防止される。この点においては、上述したように、ゾーン2の循環の特性は固定媒体132(図4)および代替的または強調的に薄膜分離部品(図5)の適用にとって理想的である。リアクタの代替プロセスモードにおける硝化作用を増強するために、ゾーン2はゾーン1から完全に独立して循環するので、移動ベッド媒体130(図4)も使用することができる。
【0086】
水力学的に言えば、バイオリアクタ10のゾーン1へ入る流れ(ならびに浄化槽120またはゾーン2ヘッドタンク15からの外部リサイクル流)はゾーン2の底に入ることによってゾーン1を離れるはずである。ゾーン1は閉ループであり、すなわちゾーン1上昇流チャンネル40、ゾーン1ヘッドタンク16、下降管12および主リアクタチャンネル80からなるので、このループのリサイクル数と流速は転流板84でゾーン1上昇流チャンネル40に転流される気泡の体積に直接依存している。たとえば、一般的な都市排水の200mg/L BODにおいて、内部リサイクル数はほぼmg/Lで表したBODをリアクタ中のOで除し、酸素の移転効率で除した値に等しい。深さ250フィートのリアクタにおいては、酸素は約7.3気圧で注入される。水中、1気圧、20℃におけるOの溶解度は約8mg/Lである。これは酸素の7.3気圧における溶解酸素のポテンシャルが7.3x8=59mg/L、または移転効率を70%としたとき約40mg/Lであることを意味する。したがって、最低リサイクル数は200を59x0.70で除し、すなわち約5である。現実には6ないし7が安全値として使用されるであろう。液圧損失計算により6ないし7の内部リサイクル数に対して必要な空気の割合、たとえば、ゾーン1の底部に投入した空気の30%という割合を決めることができる。プラントへの有機負荷の増減に伴って空気の割合は調節され、BODの要件を満たすように内部リサイクル数が増減される。しかし、転流板84により決定される定数である、投入した空気の30%は定常的に維持される。例えば、レギュレータバルブ50を調節してゾーン1上昇流チャンネル40内のリサイクル流を変え、それによってエアリフト能力を増減することによって、現地調整が行われる。
【0087】
同様にゾーン1からゾーン2に入る流れは、ゾーン2からの流出流として離れるはずである。ゾーン2の下部は上昇流チャンネル82を構成しているので、また、隣接する下降チャンネル110は一般的になんらゾーン1との内部リサイクルと連結していないので、ゾーン1からゾーン2へ転送された空気はゾーン2の上部チャンネルに循環を生じるだけであり、ゾーン1の循環率には一切変化を生じない(ただし、ゾーン1の空気率変化はゾーン2の循環率に影響を及ぼすが、その逆は起こらない)。
【0088】
したがって、本発明のある態様においては、ゾーン1の底部で生じた空気の例えば70%をゾーン2に転流してもゾーン2の循環に影響を及ぼすだけであり、それはゾーン2リサイクルレギュレータ112で容易に制御できる。水力学的に言えば、ゾーン1に入る流量は上昇してゾーン2に入り、リアクタ10内のゾーン2からの流出量と同じであり、すなわちゾーン1からリアクタに入る流れはゾーン2から出る。先行技術による都市廃水処理の縦坑バイオリアクタに関して、内部サイクルの流量は流入量または流出量の10ないし12倍である。上述のような新規なエアリフト制御を特徴とする本プロセスはこの流量を2−3分の1に、多くの場合、5−6分の1に、またはそれ以上減少することができる。
【0089】
転流器の構成を調節することにより(一般的には主リアクタチャンネル80からの流れを複数の上部上昇チャンネルに分ける任意の転流装置を意味する)、ゾーン1とゾーン2で最適の運転が達成できるように、主リアクタチャンネル内の選択された気泡部分のみを(一般的に液体流の部分と一致しない)選んだ任意の比率で任意の数のチャンネルに(リアクタのサイズと目的に応じて、普通は2、4、または6)に分けることが可能である(図8に示された各上部チャンネルはそれの反対側にペアとなるチャンネルがあり、これが2つ以上の浄化槽を使う大型リアクタでは典型的なレイアウトであることに注意。小型のリアクタでは、図7に示すように4つのチャンネルと中央に1本の下降管があるだけである。)。例えば、ゾーン1上昇流チャンネル40における典型的な流量は、転流板84のレベルにおけるゾーン1の上部(ゾーン2上昇流チャンネル82の直下)でゾーン2に入る流量の6−8倍に選択されるかもしれないが(代替として、BNRでは2−3倍)、水撃現象のないエアリフト効果を作るためには空気量の20−30%を必要とするだけである。代替案として、BNRを使っていないときは、ゾーン2上昇流チャンネルへの流量はゾーン1上昇流チャンネルへの流量の約6分の1に選び、代わりに約75−85%の空気を受け取ることができる。ゾーン2上昇流チャンネルにおける空気流の設定値は、したがって広範囲の設定値、たとえば、10−15%、20−30%、30−50%、50−75%、75−90%、またはそれ以上の値をとることができる。
【0090】
ゾーン2上昇流をたとえばゾーン2ヘッドタンク15からゾーン2リサイクルレギュレータ112を経由するリサイクル流の8−10倍に希釈したのちは、ゾーン2上昇流チャンネルにおけるエアリフト効果は容易に制御可能である。この制御は、縦コラム中の曝気された流れを分け、2つ以上の上部縦コラムに異なる割合でチャンネル分けする一方で、気泡は完全に異なる割合でこれらの縦コラムに分けることができるという新規な機構と方法に依存している。このエアリフト制御の新規な方法により、酸素供給(流速の関数である、酸素の溶解のため圧力をかけるために得られる時間に依存する)と呼吸率の関数である酸素利用(気泡の量よりも溶解した酸素に依存する)の間のより優れた生物学的適合が得られる。
【0091】
本発明のさらに別な態様の中に、副産物スラッジおよび/またはバイオリアクタ10処理プロセスからの余剰バイオソリッドの廃棄に関する問題に対処するための新規な機能と方法が提示されている。これらのバイオソリッドの栄養価を認めた米国のEPAは1993年に40 CFR 503を採択したが、それは土壌補完品として無制限に使用するためのA級バイオソリッドを得るために各種のプロセス基準を規定している。できる限り、バイオソリッドの有効再利用が推奨されている。A級バイオソリッドに対する基準の1つは、揮発性固形物の最低削減と時間−温度関係であり、たとえば揮発性固形物の38%削減と5時間で60℃というのがA級製品の合格基準である。図12
【0092】
図7に示す本発明の修正実施例においては、バイオリアクタ10が廃棄物スラッジ消化器として機能し、かつ、A級製品の合格基準である揮発性固形物の最低削減と時間−温度関係を満たすように設計されている。この点に関して、リアクタは、58−65℃、一般的には58−62℃、しばしば60℃で運転される好熱好気性バクテリアを利用して、5−6日、しばしば3−4日、さらにそれ以下の日数で急速にA級バイオソリッドを生産できるユニークな流量とゾーン分離方法を持つように特に設計され、運転されている。揮発性固形物の38%削減はバイオマスの安定性またはベクトル引力削減(VAR)の算定基準であり、一方、高温処理により製品を殺菌して大腸菌を抑制し、サルモネラ菌を事実上絶滅させる。揮発性物質の38%消化により、臭気を削減し、好熱性バクテリアに十分な食物エネルギーを供給して外来の熱を供給しなくともリアクタ温度を60℃以上にあげることができる。
【0093】
A級バイオソリッドを生産するための既存の縦坑バイオリアクタに関しては2つの問題点が出版されたデータから伺える(たとえば、以下の非特許文献11;ここに言及することにより本出願に援用)。始めに、小型の縦坑バイオリアクタ(例えば2000年5月11日出願の以下の特許文献44の米国特許出願に「ヴェルタド・リアクター(VerTad reactors)」として説明されたもの;ここに言及することにより本出願に援用)はゾーン1の下にゾーン2を相対配置することを特徴としている。これらのリアクタは、容積に対して比較的大きい表面積の比率を持っており、周囲の土地に過剰な熱を失っている。したがって、小型のリアクタはA級バイオソリッド生産のために補助熱源を必要とし、コンプレッサまたは高温の流出流から熱を回収してまかなっている。
【非特許文献11】
Report on VerTad operations King County WA、project 30900、2001年5月
【特許文献44】
米国特許出願第09/570,162号明細書
【0094】
高品質バイオソリッド生産を狙った従来の縦坑バイオリアクタの2番目の問題は、ゾーン1とゾーン2の間の液体隔離のための液体が不十分なことである。ヴェルタド・リアクタにおけるトレーサ調査の発表されたデータは、ゾーン2(仕上げゾーン)が局部的バックミキシングの重要な機能を持つプラグフローリアクタとして働いていることを示している。約8時間のあいだに、ゾーン2はゾーン1との混合を開始し、システム全体(ゾーン1とゾーン2)が16−20時間で混合を完了した。したがって、サルモネラまたはその他の禁止されている汚染物質である可能性がある一部の固形粒子はゾーン1からゾーン2にかけて沈殿し、殺菌温度で必要な時間保留されなくともA級バイオソリッドの要件を満たすことができる。
【0095】
本発明の改良されたバイオリアクタ/消化器10’は、与えられたリアクタ体積に対して表面対体積比が前述のリアクタより小さくて高品質バイオソリッドの生産に向いており、周囲の土地への熱損失もはるかに小さくなるような、特定な様式でゾーン2を取り巻くゾーン1(図7)に構成されている。改良されたバイオリアクタ/消化器は、ゾーン1とゾーン2の間の転移点で改良された液対液隔離を提供する。転移点は、図7に示したように、普通はエアバックバッフル170を含むエアロック機構172(例えば無ダイアフラム式空気操作弁)により指示される。バッフルは、空気供給ポート64付きの専用の空気ライン62または同等のポート68付きの曝気・固体摘出ラインから清浄な加圧された空気を供給することにより生じたエアポケットに向かって、上向きに伸びている。ゾーン1はポート69を経由して曝気されている。
【0096】
本発明のこの態様においては、装置が好気好熱性スラッジ消化器として使われている場合に、ゾーン2内の殺菌された製品が再び菌に接触する危険を防ぐためにゾーン1からの気泡がゾーン2に侵入しないことが肝要であると考えられている。この防止策としては、エアロック内の圧力は新鮮清浄な加圧空気によって維持され、ゾーン1とゾーン2の間に液体の流れまたは接触がなく、またゾーン1の汚染された空気がゾーン2に移動しないことが必要である。エアロックは、バッチからバッチの間にゾーン間の液体の混じり合いが生じることを防ぎ、ゾーン2内の殺菌されたバイオマスがバッチ処理中にゾーン1によって再び病原菌に接触することが無いように、設計されている。一例として、5−8時間ごとに1バッチのスラッジが処理され、各バッチにおいて臨界時間温度の60℃が5時間にわたり必ず維持される。
【0097】
本発明のこの実施例の運転において、廃棄物バイオマスは継続的または間欠的にリアクタ/消化器10’、例えばゾーン1ヘッドタンク16’に供給される。ゾーン1のヘッドタンクはゾーン2のヘッドタンク15’より背が高いので、エアロックの中央バッフル170の上に圧力差が生じる。結果的にエアロック内のゾーン1の液面はバッフルの高さを越えることになり、液体がゾーン1からゾーン2に侵入する。ライン64の空気供給はエアロック内のゾーン2の液面レベルよりやや下に設置されており、そのためゾーン1からゾーン2への流れが始めて起きるとき、気泡がゾーン2側へ流されエアロックが崩壊する。ヘッドタンクレベルが各々等しくなると流れは止まり、エアロックが自動的に再設定される。ゾーン2ヘッドタンク15’をドレンすることにより、バッチが再び始まる。図7はバッチ移転に近づきつつある、エアロックとドレンされているゾーン2ヘッドタンクとを示す。バッチのサイズはヘッドタンクレベルの変化にタンクの表面積を乗じたものである。したがって、フルバッチはたかだかヘッドタンク内の1−2フィートの液面レベルの変化に相当するだけなので、バッフル170のエアロック172への挿入量は1−2フィートで良い。本発明のこの態様におけるその他の水力学的な考慮は、記述の各実施例に対するものと同じである。
【0098】
バイオリアクタ10’が廃棄物スラッジ消化器(例えば図7参照)として機能するとき、一般的に重量で4−5%である濃縮された廃棄物スラッジが例えば流入管30経由でリアクタに供給される。この供給は、スラッジを生成する排水処理システムの運転に応じて、連続またはバッチ的に行われる。生のスラッジは一般的に、流入管チャンネル32を経由してリアクタに降下し、気泡のパーセンテージの高い(例えば10−15%)ゾーン1上昇流40’に達する。混合流は流入液32’または12’下降管チャンネル12’内の流れより濃度が低く、その結果、下降循環が下降管チャンネルおよび流入チャンネル内に誘発される。こうして、流入液はリアクタ内に引き込まれ、循環と曝気がゾーン1内に発生する。図7において、ゾーン1上昇流チャンネル40’から下降管チャンネル12’へのヘッドタンク循環は、矢印で示したようにゾーン2ヘッドタンク15’の背後にある点を認識することが重要である。
【0099】
ゾーン1とゾーン2が水力学的に無ダイアフラム式空気弁(エアロック172)によって隔離されていることに加えて、各ゾーンの下部は擬似プラグフローゾーンとして機能し、一方、各ゾーンの最上部は上部チャンネル内を循環して十分に混合されている。仕上がり製品が原流入液と接触することに対する二重ガードとして、ゾーン1とゾーン2の各々はさらに2つの小さいゾーンに分割されている。本発明がスラッジ消化器として使用される場合、バッフル86はリアクタ深さの70−90%まで伸びており、バッフル84はゾーン2の底部をゾーン1から完全に遮蔽している。交差汚染を絶対に起こさせないようにするために、ゾーン2はさらに第2の外壁197によって図10と図11に示すように外部ケーシング196の近辺でシール、すなわちされている。エアブロック170がゾーン1とゾーン2の間の隔壁をバッフル84の上、ただしポート34と152の下で貫通していることが示されている。ゾーン1はゾーン2の下に少なくとも1バッチ、できれば2バッチの曝気体積を持っている。
【0100】
したがって図7のリアクタ/消化器10’は図1に図示された排水処理リアクタと良く似た運転を行うが、下記の4点で異なる:
1.ゾーン1はゾーン2を取り囲んでいる;
2.ゾーン2はゾーン1内のリアクタの深さの約70−90%まで下に伸びている;
3.各ゾーンは各々の曝気手段を持っている;
4.ゾーン1とゾーン2の間にはエアロック172を使った液対液の隔離がある;
5.ゾーン1とゾーン2の各々はさらに上部循環ゾーンと下部擬似プラグフローゾーンによって隔離されている。
【0101】
スラッジがいったんリアクタ/消化器10’に入ると、滞留期間はゾーン1で約2−3日、ゾーン2で約2−3日となる。A級バイオソリッドの生産に関するEPA基準は、温度で変化するバッチ間の時間を60℃のバッチの最低滞留期間が5時間、言い換えれば1日4.8バッチとしている。したがって、ゾーン1とゾーン2には理論上9.6−14.4バッチが存在することになる。しかし、実際には、各バッチは約8時間であり、したがってゾーン1とゾーン2には6−9バッチが存在することになる。総合的な滞留期間はスラッジの生分解性で決まる。A級バイオソリッドに対して、プロセスは揮発性固形分を最低38%削減しなければならないが、それには3.5−5日かかる。バッチングタイムは温度で決まる(例えば図12参照)。推奨される運転温度である58−62℃は約8−4時間を要する。
【0102】
上述のように、バッチングを制御するためのリアクタ/消化器10’のエアロック172の空気圧を維持するためにエアライン62を使うことができる。エアライン62の空気流を止めると、適当なプロセス時間後にバッチの排出が始まる。ゾーン2ヘッドタンク15’の液面を下げることによっても、バッチが始まる。いったんゾーン2のバッチが排出されると、ゾーン1と2の底部の間に設けられた自動バッチングバルブによって、ゾーン1内のヘッドタンク液面が自動的に同じ量だけ下げられ、サイクルが繰り返される。バッチがリアクタを通じてプロセスされると、固形成分が4−5%から約2−3%に削減される。この製品(A級バイオソリッド)は次に脱水される。
【0103】
ワシントン大学 (非特許文献12;ここに言及することにより本出願に援用)から出版されている研究によれば、本発明のリアクタと共通のある種の特徴を有する縦坑リアクタからの好熱性好気性で消化されたスラッジが中等温度好性嫌気性消化器に供給されると、嫌気性消化器における滞留時間が削減され、総合的な揮発性固形分の削減の改善、脱水性の改善が得られ、ポリマーの使用量を削減できる。好熱好気消化器は約2日間の滞留期間で稼動し、A級バイオソリッドの基準を満たす熱を発生することができる。
【非特許文献12】
ギルド(Guild)ら、Proceedings of WEF Conference、Atlanta GA、2001年
【0104】
バイオマスの好気性好熱性消化期間中に42℃以上の温度ではアンモニアの硝化は僅かしか生じないことが数多く記録されている。また、バイオマスの嫌気性消化(無抜気)においては、アンモニアと二酸化炭素が反応して重炭酸アンモニウムを精製する。縦型好熱好気消化器においては、圧力のせいで大量のアンモニアと二酸化炭素が溶液中に残存しているために、重炭酸アンモニウムが生成されると考えてよい。
【0105】
重炭酸アンモニウムは約60℃で分解するので、長尺の縦型好熱好気消化器においては運転温度の選択が非常に重要である。重炭酸アンモニウムはプロセス中の気液分離(脱水)段階の効率において非常に重要である。たとえば、深い縦型好熱好気消化器を55−58℃で運転する場合、消化されたスラッジのサンプルはサンプルを乾燥する前は非常に粒状性だが、104℃で乾燥させた後は粒状性でない。一例においては、リアクタを冷まさずにヘッドタンクを開いたところ(フロートスイッチの緊急修理のため)、内面、特に絶縁されていないカバー、が細かい白色の塩か砂糖のような結晶で覆われていた。これらの結晶はその後消滅し、高温では2度と現れなかった。一般的な別の例では、ある製品のバッチを約58℃でソークゾーンに持ち込んだところ(ほとんど生物学的活動はなかった)、温度が上昇し、約2時間ほど一定温度を保ち、その後温水で運転したところ、リアクタの冷却率で冷却した。重炭酸アンモニウムの10,000mg/Lの結晶化熱がソークゾーンにおける発熱原因である。実験的には、これらの観察は、重炭酸アンモニウムの結晶が60℃以下で生成していることを示唆している。これは重炭酸アンモニウムが水に非常によく溶けるという事実と矛盾しているが、他の水溶性の塩が多く存在する場合はそれほどでもなく、多分微生物の表面化学が結晶プロセスを助けているものと思われる。たとえば、スツルバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム)は、生物学的脱リン反応を使っているプラントの嫌気性消化器中で容易に生成されるが、化学的脱リン反応を使っているプラントでは生成されない。リアクタ温度を60℃以下に制御していると、重炭酸アンモニウムの結晶が容易に生成されて、スラッジから分離して浮遊する。
【0106】
表1は、本発明と同様な深縦型好熱好気消化器から得られた好熱好気消化スラッジの浮遊性能、栄養素分別、および脱水化性を比較するものである。好熱性消化されたスラッジは、はるかに多量のポリマーを使用した嫌気性消化されたバイオソリッドよりも脱水性に優れていることが良く知られている。多量のポリマーの必要性の理由に関する従来の研究で、ナトリウム、カリウム、およぼ特にアンモニウムイオンのような1価のイオンがフロックにおける電荷架橋メカニズムと干渉する可能性が突き止められている。通常の好熱好気消化器においてアンモニアの硝化は42℃を超えると抑制され、したがって生成されたアンモニアは主として溶液中にあることがpHの高さからも証明されている。生成された二酸化炭素は、これらの消化器によって必要とされる大量の空気流によって大幅に除去されており、重炭酸アンモニウムを生成するための二酸化炭素は溶液中にわずかに残っているだけである。気泡の接触はほんの数秒であり、アンモニアの溶解速度は二酸化炭素のそれよりはるかに速いので、その環境は重炭酸アンモニウムの生成には不利である。
【0107】
【表1−1】
Figure 2004528163
【0108】
【表1−2】
Figure 2004528163
【0109】
深縦坑バイオリアクタ内では、60℃以下の温度では二酸化炭素とアンモニアの濃度が高いことと長期にわたって圧力がかかるため、重炭酸アンモニウムが形成されると信じられている。しかし60℃以上の温度では、通常の好熱好気性プロセスと同様に重炭酸アンモニウムが分解し、二酸化炭素とアンモニアが空気流で取り出される。60℃以下の温度で処理された最終製品が硫酸、ミョウバン、または硫化鉄などで酸性化すると、硫化アンモニウムが形成され、COが放出され、スラッジが浮上する。意外なことだが、浮上した製品は非常に良く脱水する。Murthyらによる最近の報告 (Mesophilic Aeration of Auto Thermal Thermophilic Aerobically Digested Biosolids to Improve Plant Operations Water Environment Research 72, 476, 2000; Aerobic Thermophilic Digestion in A Deep Vertical Reactor, Project 30900, Prepared for King County Department of Natural Resources, 2001年3月28日, それぞれここに言及することにより本出願に援用)によると、好熱好気消化プロセスにおけるバイオポリマ(蛋白と多糖類)の濃度は好熱消化プロセスにおける滞留時間を制限することで 削減することができるとされている。本発明の滞留時間は通常の好熱好気消化器の1/3ないし1/2である。溶液中のバイオポリマと1価イオン、特にアンモニアの存在とポリマー消費の増加との間には強い相関性がある。重炭酸アンモニウムの形成はアンモニウムイオンを大幅に削減する。
【0110】
酸のpHを約5.0に低下することによって、バイオソリッドの濃度は約10−12%に浮上する。pHを4.5−4.0に低下し、生産量を下げれば浮遊物の分離速度は速まるが、そのためには調節、例えばpHを5.5−6.0、すなわち消化前のスラッジのpH範囲にする必要がある。60℃以下での消化はリアクタpHを7.8−8.0に制御するが、60℃以上での消化は重炭酸アンモニウムの分解による自由アンモニアの効果を反映して作動pH8.6−8.8をもたらす。全ての分類において、浮遊分離は60℃以下のほうが60℃以上より有利であり、酸の使用量がs少ないので浮遊ブランケットが厚くなり、栄養素の分別に有利である。これらのバイオソリッドは、さらに乾燥バイオマス1トン当り15ポンドの低ポリマーを使って遠心分離することにより30−35%の固形物濃度を得ることができる。酸性化プロセスは多少の細胞溶解を起こすが、それによってもスラッジの脱水が行われる。
【0111】
これらの結果は、バイオソリッドの乾燥重量1トンに対して30−50ポンドのポリマーを必要し、遠心分離の結果20−25%しか収穫できない通常の好熱好気消化器プロセスよりはるかに優れている。普通の好熱好気消化器製品の酸性化では固形物を浮遊させることができないが、その理由は重炭酸アンモニウムが欠けているからであろう。
【0112】
表1のデータを検討すると、リアクタの運転を60℃以下か、60℃以上でするかによって、固形物の浮遊、脱水、および栄養素分別において重大な差が生じることがわかる。60℃以下で運転した場合、自由アンモニアと重炭酸アンモニウムの生成が少なく、したがってpHが低く、オフ気体に存在するアンモニアわずかである。2組のデータの間で比較するための共通のベースとして、濃度係数が計算される。濃縮率(CF)とは最終濃度の最初の濃度に対する比率である。
【0113】
「60℃以下」のデータをみると、浮遊固形物は消化された固形物に比べて2.2倍、浮遊物が含む窒素の合計は2.4倍、浮遊物が含むアンモニアの合計は1.6倍、有機窒素は3.1倍、リンの合計は2.8倍に濃度が高まっていることがわかる。固形物の濃縮率が2.2であったのに対して、アンモニア以外の栄養素の濃縮率は2.4から3.1であった。
【0114】
「60℃以上」のデータをみると、浮遊固形物は消化された固形物に比べて1.5倍、浮遊物が含む窒素の合計は1.7倍、浮遊物が含むアンモニアの合計は1.2倍、有機窒素は2.1倍、リンの合計は1.3倍に濃度が高まっていることがわかる。固形物の濃度率が1.5であったのに対して、アンモニアを含む栄養素の濃度率は1.2から2.1であった。
【0115】
これらのデータは栄養素が固形物濃縮率とほとんど同じ比率でスラッジの固形物に分別されことを示唆している(ただし、以下に検討する60℃以下のアンモニアを除く)。同じ分別が浮遊固形物の脱水中にも発生することが予想される。
【0116】
しかしながら、低浮遊性またはリサイクル流と比較して浮遊固形物を検討すると、完全に異なる驚くべき事実が現れる。
【0117】
「60℃以下」のデータによると、浮遊物の合計窒素量はリサイクル流の濃度の7.1倍であり、同じく浮遊物のアンモニアは1.2倍、有機窒素は500倍、リンの合計は24倍濃縮されている。アンモニアを除く全ての栄養素は、清浄なリサイクル液からスラッジ固形物に劇的な変容を遂げている。言い換えれば、アンモニアを除いた他の栄養素はリサイクル流から大幅に除去され、したがって処理プラントの運転を助け、バイオソリッドの栄養価を改善している。
【0118】
「60℃以上」のデータによると、浮遊物の合計窒素量はリサイクル流の濃度の3.4倍であり、同じく浮遊物のアンモニアは1.8倍、有機窒素は10倍、リンの合計は1.6倍濃縮されている。アンモニアとリン以外の栄養素はかなり動いているが、混濁リサイクル液の固形物への移動と比べるとそれほど劇的ではない。
【0119】
アンモニアの固形物への移動の説明としては、重炭酸アンモニウムの酸性化によって硫化アンモニウムが発生し、それが非常に安定しており、非常に可溶性が高いことが挙げられる。有機窒素の固形スラッジへの移動は、有機窒素が消化されたスラッジの微粒子物質内に存在していて、容易に浮遊するからと考えられる。重炭酸アンモニウム結晶は、もし酸性化の後に残っているとすれば、やはり微粒子として浮遊する。リンのスラッジ固形物へのスラッジの酸性化による移動は、スラッジの中に自然に起こり得る高い濃度の金属の存在の下に不溶性の微粒子が形成されるからであるとして説明できる。この効果が60℃以上の場合ほど顕著ではないのは、浮遊分離が不十分で沈殿物中の細かい分子が浮遊し難いからであろう。
【0120】
本発明の改良された縦坑バイオリアクタ10の建設と据付において、2連バイオリアクタ(EPAの冗長性要件を満たすために)が直径36インチで深さ250フィートという鉄筋コンクリートで枠を作ったような縦坑に収められることも少なくない。ここに例示するリアクタの設計の範囲は、約5000人のコミュニティに適切なものであり、生物学的栄養分除去を行う三次処理プラントは次のようなものである。またここに例示の目的で説明するものは、新規なモジュール式のバイオリアクタの構成のデザインであるが、本発明の実施には必ずしもモジュール式の構成方法は必要とされないことを理解すべきである。
【0121】
この据付例の内側ヘッドタンクは直径約8フィートで高さが12フィートである。リアクタ内部の製造には各々長さ40フィートのチューブを6個束ねてフランジを持つものが使われた。40フィートの長さ(第1長さ)の下部は曝気分配器60、せん断ヘッダ70、空気ライン62および66から成り、短い下降管12に取り付けられている。第2、3および4チューブ束は、空気ライン62および66羽取り付けられた、長さ40フィートの中央下降管22モジュール式セクション190を含んでいる(図9−11参照)。これらのセクションは、先行部分が縦坑に下ろされていくときに、次々とモジュール式セクションジョイント192で先行部分にボルトなどで連結し、継ぎ足されていく。最上部の2つのセクション5と6は、中央下降管22と半径方向チャンネル隔壁194を使って一体に形成された下降管エアラインと上部チャンネルを含んでいる。据付後、半径方向隔壁は軽い締まりばめでリアクタシェルにはめられる(たとえば、上昇管24の内壁196に対して)。
【0122】
バイオリアクタ10の建設を容易にするために、上部チャンネル形成半径方向隔壁194は、それを挿入するときに、半径方向隔壁に対してほぼ垂直方向に(例えば図11)中央導管(例えば下降管22)の直径を押し広げてリアクタの内壁196に対して余裕をもたせる。この方法において下降管を拡張するために使われるのが、図9に示した新規な導管拡張装置198であり、例えば下降管内に挿入して拡張器として使えるような寸法になっている。拡張器は1組の、相反する、往復動をする部品200と202から成り、手動で交互に緩めた状態と張った状態に置かれる(例えば、ねじを使った拡張子204を外部から回し、それが拡張器の前記両部品と係合して図9の矢印のように外向きに両部品を押し広げたり、逆向きに動いて緩めたりする)。図10はリアクタ内部の端面図で下降管と半径方向のバッフルを示している。拡張器198が下降管22の中心にあって弛緩した状態が図示されている。したがって、この図では下降管も弛緩した状態にある。図11はリアクタ内部の端面図であり、下降管が拡張状態にある拡張器によって押し広げられ円形から歪んだ状態を示し、下降管に連結された半径方向バッフル194は内側ケーシング壁196から強制的に引きこめられており、リアクタセクション190を挿入しやすくしている。本発明が消化器として使用される場合、半分の組立上で第2の外壁197を追加することにより、シールされたゾーン2を提供することができる。この第2の壁が円周の半分にしか適用されないので、拡張器によって中央管は変形させられ、したって隔壁の壁の圧力が緩む。
【0123】
この段階への組み付けが完了すると、ゾーン1ヘッドタンク16は最終セクションの上部にボルトで取り付けられる。ゾーン2ヘッドタンク15はプレハブのセクションを使って現地で組み立てられる。モジュール式リアクタチューブの束は1台のトラックで、ヘッドタンクは2台目のトラックで現地に運搬可能である。浄化器120シェルは、現地でコンクリート打ちするかまたは鋼鉄製のプレハブ製のセクションとして製作することができる。浄化器には普通のスキマ機構が取り付けられる。最後にコンプレッサおよびその他の補機類が接続される。このような小型のプラントならば、容易に1つのビルディングに収めることができる。
【0124】
このような新規の機器を使った排水処理の顕著で異なる各方法のさらに深い理解のために、図13に示したブロック流れ線図で各種の流れパターンと、各単位プロセスの相関関係を示している。図13は点線で示したように、4つのエリアに分割できる。左下のエリアは普通の前処理エリアで、そこでは排水がユニットAの細目の網を通じて流れ、ハイドロクローンセパレータCで粒子が取り除かれる。網で取ったものと粒子はホッパBに入れられて埋め土に使われる。
【0125】
図13について下記の符号が適用される: 予備的処理
A 細目フィルタ
B 固形物ホッパ・フィルタおよび洗った細粒
C ハイドラクローン(Hydraclone)脱粒器
本書で説明さる排水BNR処理
D 脱酸素ユニット[チャンネル32+40]
E 脱窒[ヘッドタンク16]
F 無酸素/嫌気ユニット[チャンネル12]
G 好気性ユニット[ゾーン1チャンネル80]
H 硝化[ゾーン2ヘッドタンク、110と82]
I 沈殿浄化槽[120]
J 排水活性スラッジ浮遊濃縮器
K ミョウバンまたは塩化鉄フィーダ
L プロセスエアコンプレッサ
リサイクル高品質水[法定上必要とされる単位]
M 凝集タンク
N 布製円板フィルタ
0 塩素消毒
P 紫外線殺菌
Q バックウォッシュポンプ
本書で説明される好熱好気性消化
A級バイオソリッド
R ゾーン1好熱好気性消化器
S ゾーン2
T 酸フィーダ
U ポリマーフィーダ
V 遠心分離機脱水
W 浮遊セル
X エアコンプレッサ
Y オフ気体収集システム
Z A級バイオソリッド収集
【0126】
図13の左上のエリアは本発明の排水処理とバイオリアクタのBNR部分であり、その特徴的な部品が例示されている。ユニットDは脱酸素段階と予行脱窒段階で、図1のチャンネル40、チャンネル32およびリサイクル50と関連している。ユニットDは図1の下部ゾーン1(チャンネル80)からの無酸素排気体によって攪拌されている。ライン301は系統的には下部ゾーン1(チャンネル80)から上部ゾーン1(チャンネル40)への排気体の移動を代表するが、本発明のこの態様においては、下部ゾーン1は上部ゾーン1のすぐ下にあり、移動ラインは不要である。ユニットDはユニットCからの原流入液(チャンネル30)、ヘッドタンクEからのリサイクル液およびゾーン2(ユニットH)からの脱硝リサイクル液を受け取る。ユニットDの目的は、全ての使用可能な分子酸素を除去し、リサイクル液から硝酸塩を、また、アンモニアとBODを原流入液がら受け取る。
【0127】
ユニットEはヘッドタンク16を代表する。このユニットは無酸素気体(309)をユニットDから受け取り、後者はヘッドタンク16の内容を混合する役目を果たす。ユニットEはまた、アンモニア約25mg/Lを含む原排水、およびアンモニアまたはBODを含まない硝酸塩リサイクル液1.75体積分を受け取る。混合後、硝酸塩リサイクル液1.75体積分中の硝酸塩は窒素気体に変換され、濃縮流入液は、例えば1 Qx25mg/Lアンモニア+1.75xnilアンモニア/2.75Q=25/2.75=9mg/Lアンモニアおよび200/2.75 =72mg/L BOD同様にで希釈される。脱窒プロセスは、たとえば1mgの脱窒された硝酸塩当り約2.6mgの酸素を開放してアルカリ性の一部が回複する。 これらの数量は典型的なものであり、プロセスにとって有利に働くものである。脱窒は非常に早い反応であり、微生物によって排水のなかで自然に起こる。
【0128】
ユニットFは、例えば、約2.75体積のほぼ9mg/Lのアンモニアと72mg/LのBODを含む脱窒された排水を受け取る。分子酸素または結合された酸素が無いので、バイオマスは嫌気性となり、アミノ酸をつくるために原下水中のタンパクを使用し始める。システム中のポリP微生物は持っているリンを放出しVFAをロードする。嫌気性のヘドロがパイプの壁に集積することが許されているところでは嫌気性の下水管内でVFAが生成され得ることが実験で照明されている。ロープのような縒りチューブ(131)をヘッドタンクから清浄な穴のチャンネル12の中に垂らす。他の従来のリアクタと異なり、絡んでしまうようなエアラインや他のパイプが無いので、チャンネルが詰まる可能性はほとんどゼロである。嫌気性のバイオマスがロープの上に集積し、ある程度VFAが生成され、ある程度生物学的リンの除去が行われることが予想される。ロープの重量をモニタすることにより、存在するバイオマスの量がある程度判明する。ロープの柔軟性と水の流速によって過剰なバイオマスはチャンバー67の排水溜めに落下するので、そこで廃棄物スラッジとして取り出すことができる。
【0129】
ユニットGはゾーン1の下部を示している。このエリアは高度の好気性であり、嫌気性の混合液をできるだけ迅速に再曝気するように設計されている。ゾーン1の下部に流入する混合液は豊かなBOD、アンモニアおよび十分なVFAを含むので、ゾーン1の下部における酸素の要求はリアクタのあらゆる部分に比べて最大である。BOD除去段階は、BODの5%または約4mg/Lである細胞合成のアンモニアを要求する。約[細胞合成で消費されるゾーン1−4における9] = 5mg/Lのアンモニアを含むゾーン2に移動する2.75Qのフィードフォワード流が存在する。縦型バイオリアクタの経験によると、アンモニアの一部は実際に下部ゾーン1で硝化される。硝化しないように設計されているバイオリアクタの中に2−3mg/Lの硝酸塩が見つかることは稀ではない。硝化するように設計されたBNRプラントの場合、ゾーン2からゾーン1への1.75Qリサイクル流れのために、一部の硝化バクテリアはゾーン1に落ち着く。さらに、ゾーン1から出す酸素化ユニットDへの5Qの流れ(2mg/Lの硝酸塩を含む)がある。これらの流れは脱窒され、さらにシステムから窒素を取り除く。控えめに見ても、ゾーン1からゾーン2への流出液は5mg/Lより以上のBOD、3mg/Lより以上のアンモニア、および2mg/Lより以上の硝酸塩を含むことはあり得ない。3mg/Lのアンモニアはゾーン2で完全に硝酸塩に変換される。したがって、結果的に、流出液は約<10mg/L BOD、<10mg/L TSS および< 5mg/L全窒素となる。
【0130】
ユニットHはヘッドタンク15を代表し、非常に低い負荷率の下で運転する。ゾーン2への供給率は2.75Qで、3mg/Lのアンモニアと10mg/LのBODを含んでいる。ゾーン2はゾーン1から空気の供給を受ける(ライン302として図示されている)。BODが低いので、バイオマス生産も低く、硝化によって生産されるバイオマスはBOD削減の生産量の1/5−1/3である。硝化バクテリアの緩慢な成長のゆえに、ゾーン1への1.75リサイクル流においてはそれらがゾーン2から洗い流されることがあってはならない。幸い、これらのバクテリアは付着微生物であり、あらゆる固定または移動ベッド媒体の上に成長する。本発明の場合、ゾーン2の下端はゾーン1に逆流しないように設計されており、簡単な網で媒体が上部に逃げないようにすることができるので、移動ベッド媒体を有利に利用することが可能である。固定の媒体も利用できるが、固定の媒体は目詰まりを生じる傾向があり、掃除や交換がひつようである。移動ベッド媒体は自己浄化作用をもつ傾向があるが、しかしそれも時間と共に減耗する。
【0131】
ユニットIはバイオソリッドを流出液から分離する普通の沈殿浄化器であり、これらのバイオソリッド(活性化されたスラッジ、RAS)をユニットDまたはEに戻す。BNRプラントにおいては、流出液とRAS中の硝酸塩が脱窒し、それによってスラッジが浄化器中で浮遊し始めるので、RASは決して無酸素にしてはならない。本発明には、高いDOを伴うが酸素要求が低い流出液をゾーン2から提供し、それによって浄化器において無酸素状態の出現を妨げる能力を潜めている。浄化器におけるリン酸塩と再可溶化をもたらしかねないので、流出液における非常に高いDOは望ましくない。
【0132】
薄膜分離は高価につくという欠点があるものの、BNRプラントにおける浄化器に関する運用上の問題の多くを解消することができる。本発明の薄膜分離は、はるかに高いMLSSと小型のリアクタの使用を可能にしている。薄膜分離は現在の業界基準が求めるものより質の高いリサイクル水を提供する。
【0133】
図13の右上には、リサイクル基準を満たす三次水の最終的な化学処理を示す。現行の法律では、化学的凝集、ろ過および残留塩素が使用されなければならない。ユニットMは機械的ミキサつきの凝集タンクである。ユニットNは回転式布フィルタである。ユニットPは紫外線消毒チャンネルと組み合わせたバックウォッシュタンクである。ユニットOはパイプラインに残渣を維持するにぎりぎり必要な塩素を添加する塩素処理段階である。ユニットQは必要に応じて布フィルタまたは薄膜をバックウォッシュするのに使用可能なバックウォッシュポンプである。
【0134】
図13の左下はプラントの好熱好気消化部を示している。ユニットRは2段階プロセスの最初の好気性段階(ゾーン1)を示している。ユニットSは硝化またはゾーン2の第2段階を示している。これら2つのゾーンはエアロックバルブで連結されている。ユニットWは酸浮遊濃縮段階を示している。ユニットTは酸の供給器である。ユニットVは、ユニットポリマー供給器Uを持つ脱水段階、この場合は遠心分離機を示す。
【0135】
上記のBNRプロセスは、従来のバイオリアクタ設計において報告されなかったプロセスの利点を明示するために、図13において詳細に検討されている。これらの新規なプロセスの利点の中には、網を通して細粒を除去した流入液が脱酸素チャンネル40に供給され、ヘッドタンク16からの脱窒化された液と混合されることが含まれる。ヘッドタンク16は、チャンネル40の中で製造され、DOが0.05未満の無酸素気体と共に攪拌される。ヘッドタンク16からの脱窒された液体は、無酸素または場合によっては嫌気性状態の下にチャンネル12に降下して脱窒プロセスを完成させ、また場合によってはVFAを生成する。
【0136】
さらに、チャンネル12内の下降流は、激しい混合領域にある曝気分配器の周辺でゾーン1の底部に入る。ゾーン1の主要部であるチャンネル80は高度に好気性であり、BODを除去し、急速にVFAのリンを消費し、場合によってはアンモニアの一部を硝化する。
【0137】
さらに注目すべきは、チャンネル80において上昇する液体は脱酸化領域に分流し、一部はゾーン2へ上昇する。ゾーン2はBODの残りの部分を大幅に劣化させ、残ったアンモニアを硝酸に変換する。
【0138】
また別の態様においては、チャンネル80からの排気体は脱酸素チャンネル32と40を経由して循環し、ゾーン2におけるBODとアンモニアのバイオ酸化をも提供する。
【0139】
さらに注目すべきは、硝化された液は脱窒段階に戻され、そこで硝酸塩の−Nが窒素気体に変換され、また第2の部分は浄化段階に行ってバイオマスが流出液から分離される。バイオマスは脱窒段階に戻され、浄化された流出液が排出される。
【0140】
関連する各実施例においては、無酸素気体が無酸素液の攪拌に使用される。ユニットDは各種の液流だけでなく、ユニットを通過する気体流をも脱酸素する。この脱酸素された気体は、その後脱硝ユニットEの内容物の攪拌にも使用することができる。これは機械的なミキサを不要にするので、エネルギー、メンテナンスおよび資本の節約をももたらす。
【0141】
本発明の別の実施例においては、新規な嫌気性プロセスが提供されている。ユニットFは長尺の垂直チャンネルで、VFAを生成する目的の嫌気性チャンバーとして使うことができる。本発明においては、ユニットF中になんら空気ラインまたは抽出ラインがない。これによって、例えば開放縒りロープまたはチューブのような媒体を、チャンネルを目詰まりさせたり、他のパイプと絡んだりするおそれなく、リアクタ内に懸垂させて使用することができる。固定媒体の目的は付着型嫌気性バクテリア(酸形成体)を集積することである。固定媒体と嫌気性バイオマスの量は、地上からロープまたは布のチューブを巻き取ることによって調節することができる。媒体の量はロープの重さを測定してオンラインでモニタすることができる。チャンネル12内の液体の下降速度によって、バイオマスが過剰に形成されるのが防止され、余剰量は落下する。チャンネル12が底部で開口しているので、廃棄物嫌気性バイオマスが排水溜め67に集積し、浮遊タンクユニットJで除去される。
【0142】
さらに別の実施例においては、スラッジを空気ライン66または69を通じて廃棄することにより、減圧と共に瞬時かつ同時に浮上させることができる。従来の設計では考えも及ばなかったプロセスである、十分に曝気され混合されているゾーン1からのスラッジの廃棄(WAS)は、スラッジ中のリンの捕獲に役立っている。浮遊固形物はそれ以上濃縮することなく消化に適している。
【0143】
前記の発明の説明において、理解を助けるために例を使って詳述したが、この開示から、ここに説明した発明の本旨の範囲内における様々な変化や修正は当業者にとって容易に理解でき、また本発明の範囲において不必要な実験をせずに実施できることは明らかである。ここに参照したすべての印刷物、特許および特許申請はそれらを言及することによって、それらの目的に関する内容の全体が本特許に組み込まれるものとする。
【0144】
本発明のその他の実施例とさらに詳細な様相が、以下の説明と添付図面によって例示されている。
図1は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図である。
図2は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図である。本実施例は従来の沈殿清澄器の後に好気性仕上げバイオフィルタを置き、さらにその後に紫外線殺菌チャンバーとバックウォッシュタンクを続けたものである。
図3は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図である。本実施例は、円形ゾーン1ヘッドタンクの周囲に設けた円形ゾーン2ヘッドタンクの周囲に設けた統合円形沈殿清澄器をその特徴とする。これら3個のタンクはすべて縦坑リアクタと同心円を成している。沈殿した活性化されたスラッジは重力でゾーン1ないしゾーン2に戻されるような仕組みになっている。
図4は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図である。本実施例は移動ベッドがメディアをゾーン2で循環させるか、またはゾーン2の中に懸垂された固定メディアがその特徴である。
図5は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図である。本実施例は加圧ヘッドタンク、オフガス収集手段から成り、前記オフガスが前記ヘッドタンク圧力に対抗するのに必要なエアリフト流入ポンプを駆動し、薄膜フィルタカートリッジが圧力下でバイオマスを液体から分離し、さらに浄水紫外線(UV)殺菌チャンバーは薄膜フィルタのバックウォッシュのためのバックウォッシュ格納器の機能も果たしている。
図6は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図である。本実施例は統合された沈殿清澄器の後に好気性仕上げバイオフィルタを置き、さらにその後に紫外線殺菌チャンバーとフィルタバックウォッシュタンクを続けたものである。
図7は本発明の実施例であるバイオソリッド処理用のバイオリアクタの縦断面図である。この実施例は、バイオリアクタの底部にあるゾーン間自動バッチングエアロックをその特徴とする。この場合、ゾーン2ヘッドタンクはゾーン1ヘッドタンクと同心円をなしており、その内部にある。
図8は本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタのアイソメトリック縦断面図である。この断面には典型的な各種のチャンネルの配置と曝気ヘッダの位置、ゾーン1ヘッドタンク、ゾーン2ヘッドタンクおよびそれらと一体の沈殿清澄器が示されている。
図9はリアクタ内部の各チャンネル一部と下降管がフランジを介してボルトで結合されている部分のアイソメトリック断面図である。この図は組立をリアクタケーシングに挿入するときに使用される下降管拡張工具を示す。
図10はリアクタ内部の端面図で下降管と半径方向のバッフルを示している。中央に示されているのは、弛緩状態の拡張工具である。下降管も弛緩位置で示されている。地上レベルから作動手段によって操作される取り外し可能な拡張工具は組み付け時には弛緩状態で挿入される。
図11はリアクタ内部の端面図で、拡張工具によって丸い状態から変形させられた下降管を示している。下降管に連結された半径方向のバッフルは、楽に挿入できるようにケーシングの壁から離れ、弛緩した状態にあることが示されている。
図12はA級バイオソリッドに対するEPAの時間と温度に関する要件のグラフィック表示である。
図13は、リサイクルクラスの水、A級のバイオソリッド、清浄な無臭オフガスを生成するための本発明のブロック流れ図の一例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図2】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図3】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図4】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図5】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図6】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図7】本発明の実施例であるバイオソリッド処理用のバイオリアクタの縦断面図。
【図8】本発明の実施例である排水処理用のバイオリアクタのアイソメトリック縦断面図。
【図9】リアクタ内部の各チャンネル一部と下降管がフランジを介してボルトで結合されている部分のアイソメトリック断面図。
【図10】下降管と半径方向のバッフルを示す、リアクタ内部の端面図。
【図11】拡張工具によって丸い状態から変形させられた下降管を示す、リアクタ内部の端面図。
【図12】A級バイオソリッドに対するEPAの時間と温度に関する要件を示すグラフ。
【図13】リサイクルクラスの水、A級のバイオソリッド、清浄な無臭オフ気体を生成するための本発明の一例のブロック流れ図。
【符号の説明】
【0146】
10 縦坑バイオリアクタシステム
12 主下降流チャンネル
14 主上昇管チャンネル
15,16 ヘッドタンク
18 混合ゾーン
20 下部ポート
32 流入チャンネル
40、82 上昇流チャンネル
50、112 レギュレータ
54、150 脱気板
64 気体配分ポートまたは空気供給ポート
110 再循環チャンネル

Claims (74)

  1. 生分解性有機性物質を含む排水の浄化のための長尺縦坑バイオリアクタであって、
    前記バイオリアクタの全深さの約70−90%の深さまで伸びている、少なくとも1個の主下降流チャンネルと、
    該主下降流チャンネルと流体的に連結する少なくとも1個の主上昇流チャンネルであって、前記主下降流チャンネルの下部ポートの下に位置して混合ゾーンが形成され、前記主上昇流チャンネルは少なくとも1個の隔壁、バルブ、またはバッフルによって前記主上昇流チャンネルと流体的に連結された少なくとも第1および第2の上部上昇流チャンネルが形成される、少なくとも1個の主上昇流チャンネルと、
    第1のヘッドタンクを介して前記主下降流チャンネルと流体的に連結する前記第1の上部上昇流チャンネルであって、前記第1のヘッドタンクには、流れを前記第1の上部上昇流チャンネルから横に向けて脱気を行わせる脱気板が取り付けられている、第1の上部上昇流チャンネルと、
    該第1の上部上昇流チャンネルと流体的に連結する排水流入チャンネルと、
    該排水流入チャンネルと前記第1上部上昇流チャンネルとの間の液体流を調整する作動可能な第1の液体流量レギュレータと、
    第2のヘッドタンクと流体的に連結する前記第2の上部上昇流チャンネルであって、前記第2のヘッドタンクには、流れを前記第2の上部上昇流チャンネルから横に向けて脱気を行わせる脱気板が取り付けられている、第2の上部上昇流チャンネルと、
    該第2の上部上昇流チャンネルと流体的に連結する再循環チャンネルと、
    該再循環チャンネルと前記第2の上部上昇流チャンネルとの間の液体流を調整するために作動可能な第2の液体流量レギュレータと、
    前記主上昇流チャンネル内にエアリフトを生成するため、酸素を含む気体を前記主上昇流チャンネルに配分する気体配分ポートとを含む、長尺縦坑バイオリアクタ。
  2. 前記主上昇流チャンネルは、該主上昇流チャンネル内を上昇する前記酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向け、同時に、全液体流量の異なる部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けるような位置および構成で設けられた少なくとも1個の転流バッフルによって区分される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  3. 前記主上昇流チャンネル内における液体の滞留時間が、前記主上昇流チャンネル内を上昇する前記の酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向け、同時に全液体流量を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けることによって、調節可能に制御されている、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  4. 前記長尺縦坑バイオリアクタは、リサイクルされ脱気された液体を前記第1のヘッドタンクから前記第1の上部上昇チャンネルに必要に応じて仕向けるために、前記第1のヘッドタンクと前記第1の上部上昇流チャンネルの間に設けられるリサイクルチャンネルを含み、
    前記主上昇流チャンネル内の液体の滞留時間は、前記主上昇流チャンネル内を上昇する前記酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けるような位置と構成で転流バッフルを設けることによって部分的に調節可能に制御され、
    前記液体の滞留時間は、前記リサイクルチャンネルから前記第1の上部上昇流チャンネルの間のリサイクル流量を選択的に調整すること、およびまたは前記再循環チャンネルと前記第2の上部上昇流チャンネルとの間の再循環流量を選択的に調整することによって部分的に調整可能に制御される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  5. 前記排水流入チャンネルは、上向きのポートにより前記第1の上部上昇流チャンネルと連結する下降流チャンネルによって、前記第1上部上昇流チャンネルと流体的に連結される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  6. 前記再循環チャンネルは、上向きのポートにより前記第2の上部上昇流チャンネルと連結する下降流チャンネルによって、前記第2の上部上昇流チャンネルと流体的に連結される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  7. 前記第2のヘッドタンクには前記第2のヘッドタンクから流出液を必要に応じて排出する排出装置が取り付けられる、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  8. 前記第2のヘッドタンクから前記流出液が必要に応じて排出される浄化器を含む、請求項7に記載のバイオリアクタ。
  9. 前記主上昇流チャンネル内の液体滞留時間は、前記バイオリアクタ内の酸素供給率を該バイオリアクタ内の微生物のバイオマスによる酸素取り込み率とほぼ適合させるように調整可能に制御される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  10. バイオリアクタ内の空隙制御は、前記第2のヘッドタンクと前記第2の上部上昇流チャンネルとの間の脱気されたリサイクル液流の流量を調整することによって効果的に達成される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  11. 空隙制御は、前記主上昇流チャンネル内の酸素を含む気体の流量を変えることなく、前記第2のヘッドタンクと前記第2の上部上昇流チャンネルとの間の脱気されたリサイクル液流の流量を調整することによって効果的に行われる、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  12. 前記主上昇流チャンネル内の液体の滞留時間は、前記第2のヘッドタンクと前記第2の上部上昇流チャンネルとの間の脱気されたリサイクル液流の流量を規制して空隙を調整することにより、調節可能に制御される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  13. 1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルへの酸素を含む気体の流れは、前記1または2個以上の上部上昇流チャンネルへの液体流量と独立に調節可能である、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  14. 前記第1の上部上昇流チャンネルへの酸素を含む気体の流れは、該第1の上部上昇流チャンネルへの液体流量と独立に調節可能である、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  15. 前記第2の上部上昇流チャンネルへの酸素を含む気体の流れは、前記第2の上部上昇流チャンネルへの液体流量と独立に調節可能である、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  16. 前記第1および/または第2のヘッドタンクから前記第1および/または第2の上部上昇流チャンネルへの脱気液体のリサイクルまたは循環が、システムのマイクロプロセッサ制御または手動制御されたバルブまたはバッフルアクチュエータによって調節可能に制御される、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  17. 沈殿浄化槽を含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  18. 仕上げバイオフィルタを含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  19. 消毒チャンバーを含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  20. 沈殿した活性化スラッジを前記バイオリアクタに戻す手段を含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  21. 前記第2のヘッドタンクおよび/または前記第1の上部上昇流チャンネル内で固定されたまたは循環する微生物を付着させるための付着媒体を含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  22. 前記第1の上部上昇流チャンネルと第2の上部上昇流チャンネルとの間に置かれた自動バッチングエアロックを含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  23. 前記バイオリアクタの下部から廃棄固形物を取り出す手段を含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  24. 前記混合ゾーンにおける混合および/または気泡生成を増強するために前記気体配分ポートと作動可能に一体化されたせん断ヘッダまたは気泡配分機構を含む、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  25. 前記主下降流チャンネルおよび前記第1の上部上昇流チャンネルに十分な嫌気性環境を提供するように選択的に作動可能である、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  26. 前記主下降流チャンネルおよび前記第1の上部上昇流チャンネルにおいて実質的に嫌気性環境を提供するように調整可能であり、このモードにおけるバイオリアクタの運転は硝酸塩の脱窒を含む栄養素処理の最終段階である、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  27. 前記再循環チャンネルによって連結された前記第2の上部上昇流チャンネルと前記第2のヘッドタンクとにより区切られた第2の処理ゾーンにおいて増強された硝化方法を提供するように調節可能な、請求項1のバイオリアクタ。
  28. 前記硝化方法を増強するための第2の処理ゾーン内の固定または移動付着媒体を含む、請求項27に記載のバイオリアクタ。
  29. 前記再循環チャンネルによって連結された前記第2の上部上昇流チャンネルと前記第2のヘッドタンクとにより区切られた第2の処理ゾーンにおいて増強された硝化方法を行うように調節可能な請求項1に記載の長尺縦坑バイオリアクタであって、
    前記硝化方法は、前記主上昇流チャンネルから前記第2の上部上昇流チャンネルに少なくとも部分的には未使用の気体を分流することによって進行する、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  30. チャンネルを形成することができる1または2個以上の半径方向の隔壁によって囲まれる中央導管を有するリアクタのモジュール式部品を特徴とする、請求項1に記載のバイオリアクタ。
  31. 前記未使用気体は、前記硝化方法を進行させる無機炭素の供給源となる二酸化炭素の濃度が高い、請求項29に記載のバイオリアクタ。
  32. 生分解性有機性物質を含む排水の浄化のための長縦坑バイオリアクタであって、
    前記バイオリアクタの全深さの約70−90%の深さまで伸びている少なくとも1個の主下降流チャンネルと、
    前記主下降チャンネルと流体的に連結する少なくとも1個の主上昇流チャンネルであって、前記主上昇流チャンネルの下側のポートの下に位置して混合ゾーンが形成され、前記主上昇流チャンネルには少なくとも1個の隔壁、バルブ、またはバッフルが設けられて前記主上昇流チャンネルと流体的に連結された少なくとも第1および第2の上部上昇流チャンネルが形成される、少なくとも1つの主上昇流チャンネルと、
    第1のヘッドタンクを介して前記主下降流チャンネルと流体的に連結する前記第1の上部上昇流チャンネルであって、前記第1のヘッドタンクには、流れを前記第1の上部上昇流チャンネルから横に向けて脱気を行わせる脱気板が取り付けられる、第1の上部上昇流チャンネルと、
    該第1の上部上昇流と流体的に連結する排水流入チャンネルと、
    該排水流入チャンネルと前記第1の上部上昇流チャンネルとの間の液体流を調整する第1の液体流量レギュレータと、
    第2のヘッドタンクと流体的に連結する前記第2の上部上昇流チャンネルであって、前記第2のヘッドタンクには、流れを前記第2の上部上昇流チャンネルから横に向けて脱気を行わせる脱気板が取り付けられる、第2の上部上昇流チャンネルと、
    該第2の上部上昇流チャンネルと流体的に連結する再循環チャンネルと、
    該再循環チャンネルと前記第2の上部上昇流チャンネルとの間の液体流を調整する第2の液体流量レギュレータと、
    前記主上昇流チャンネル内にエアリフトを発生するため、酸素を含むガスを前記主上昇流チャンネルに配分する気体配分ポートであって、前記第1の上部上昇流チャンネルおよび前記第1のヘッドタンクは第1の処理ゾーンを部分的に区切り、前記第2の上部上昇流チャンネルおよび前記第2ヘッドタンクは第2処理ゾーンを部分的に区切る、気体配分ポートとを含む、長縦坑バイオリアクタ。
  33. 前記第1の処理ゾーンと第2の処理ゾーンとの間に液体の実質的な移動が起きないように前記第1の処理ゾーンと第2の処理ゾーンとが構造的に分離されている、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  34. 前記第1の処理ゾーンと第2の処理ゾーンとの間に液体の実質的な移動が起きないように、自動バッチングエアロックによって前記第1の処理ゾーンと第2の処理ゾーンとが構造的に分離されている、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  35. 前記第1の処理ゾーンが前記第2の処理ゾーンを囲むように、または前記第1の処理ゾーンが前記第2の処理ゾーンと隣接するように配置される、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  36. 前記第1の処理ゾーンは前記主下降流チャンネルと前記主上昇流チャンネルとを含む、前記請求項32に記載のバイオリアクタ。
  37. 前記第2の処理ゾーンは、前記バイオリアクタから周辺の地学的材料への熱損失を最小にするために、第2の封止された第2の外壁によって囲まれている、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  38. 前記第1および第2の処理ゾーンの各々は独立した曝気手段を含む、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  39. 前記第1および第2の処理ゾーンの各々は上部循環ゾーンと下部擬似プラグフローゾーンとを含む、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  40. 前記第1の処理ゾーン内の脱酸素化は機械的なミキサーなしに達成される、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  41. 前記第1の処理ゾーン内の脱窒化は機械的なミキサーなしに達成される、請求項32に記載のバイオリアクタ。
  42. 長尺縦坑バイオリアクタを使う改良された排水処理方法であって、前記バイオリアクタの主上昇流チャンネル内を上昇する酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の上部上昇流チャンネルに仕向けること、および、
    全液体流量の異なる部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けることを同時に含む、排水処理方法。
  43. 前記主上昇流チャンネル内における液体の滞留時間は、前記主上昇流チャンネル内を上昇する前記の酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けること、および
    全液体流量を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けることを同時に行うことにより調節可能に制御される、請求項42に記載の方法。
  44. リサイクルされ脱気された液体を前記バイオリアクタの第1のヘッドタンクから第1の上部上昇流チャンネルに仕向けることを含む請求項42に記載の改良された排水処理方法であって、
    前記主上昇流チャンネルは主上昇流チャンネル内を上昇する前記の酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けること、および同時に、全液体流量を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けるような位置と構成で転流バッフルを設けることによって、部分的に、前記主上昇流チャンネル内の液体の滞留時間は調節可能に制御されることを含む、改良された排水処理方法。
  45. 前記主上昇流チャンネル内の前記液体滞留時間は、1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルへの脱気された液体のリサイクル流量を選択可能に調節することにより、少なくとも部分的には調節可能に制御される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記主上昇流チャンネル内の液体滞留時間は、前記バイオリアクタ内の酸素供給率を前記バイオリアクタ内の微生物のバイオマスによる酸素取り込み率とほぼ適合させるように調節可能に制御される、請求項42に記載の方法。
  47. 前記バイオリアクタ内の空隙制御は、第2の処理ゾーンヘッドタンクと第2の処理ゾーン上部上昇流チャンネルとの間の脱気されたリサイクル液流の流量を調整することによって効果的に達成される、請求項42に記載の方法。
  48. 空隙制御は、前記バイオリアタの前記主上昇流チャンネル内の酸素を含む気体の流量を変えることなく、第2の処理ゾーンヘッドタンクと前記処理ゾーン上部上昇流チャンネルとの間の脱気されたリサイクル液流の流量を調整することによって効果的に達成される、請求項42に記載の方法。
  49. 前記主上昇流チャンネル内の液体の滞留時間は、前記第2の処理ゾーンヘッドタンクと前記第2の処理ゾーン上部上昇流チャンネルとの間の脱気されたリサイクル液流の流量を規制して空隙を調整することによって調節可能に制御される、請求項42に記載の方法。
  50. 前記バイオリアクタの1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルへの酸素を含む気体の流れは、前記1または2個以上の上部上昇流チャンネルへの液体流量と独立して調節される、請求項42に記載の方法。
  51. 前記バイオリアクタの前記第1の上部上昇流チャンネルへの酸素を含む気体の流れは、前記第1の上部上昇流チャンネルへの液体流量と独立して調節される、請求項42に記載の方法。
  52. 前記バイオリアクタのヘッドタンクから前記バイオリアクタの上昇流チャンネルへの脱気された液体のリサイクルまたは循環は、システムのマイクロプロセッサで制御され、または手動で制御されたバルブまたはバッフルアクチュエータによって調節可能に制御される、請求項42に記載の方法。
  53. 混合ゾーンにおける機械的混合および/または気泡の発生を増強するために、前記バイオリアクタの気体配分ポートと一体化されたせん断ヘッダまたは気泡の配分機構の運転により、混合ゾーンにおいて混合することおよび/または気泡を発生させることを含む、請求項42に記載の方法。
  54. 前記バイオリアクタの主下降流チャンネルおよび第1の上部上昇流チャンネルに実質的に嫌気性の環境を設けることを含む、請求項42に記載の方法。
  55. 前記バイオリアクタの主下降流チャンネルおよび第1の上部上昇流チャンネルに実質的に嫌気性の環境を設けることを含み、本モードにおけるバイオリアクタの運転は硝酸塩の脱窒化を含む栄養素処理の最終段階である、請求項42に記載の方法。
  56. 循環チャンネルで連結された第2の上部上昇流チャンネルと第2のヘッドタンクとによって区切られる前記バイオリアクタの第2の処理ゾーンにおいて増強された硝化方法を行うことを含む、請求項42に記載の方法。
  57. 循環チャンネルで連結された第2の上部上昇流チャンネルと第2のヘッドタンクとによって区切られる前記バイオリアクタの第2の処理ゾーンにおいて増強された硝化方法を行うことを含み、該硝化方法は、前記主上昇流チャンネルから前記第2の上部上昇流チャンネルに未使用の気体を分流することによって少なくとも部分的に進行する、請求項42に記載の方法。
  58. 前記未使用気体は、前記硝化方法を進行させる無機炭素の供給源となる二酸化炭素の濃度が高い、請求項57に記載の方法。
  59. 加圧好気性バイオリアクタ処理とその後スラッジの脱水とから得られるバイオマスの懸濁液またはスラッジからバイオマスを浮遊分別するための改良された方法であって、浮遊化の前に前記バイオマスの懸濁液またはスラッジに酸性化剤を添加することを含む方法。
  60. 前記バイオリアクタは縦坑バイオリアクタである、請求項59に記載の方法。
  61. 前記酸性化剤は鉱酸である、請求項59に記載の方法。
  62. 前記鉱酸は硫酸である、請求項61に記載の方法。
  63. 前記酸性化剤は酸性凝集剤である、請求項59に記載の方法。
  64. 前記酸性凝集剤はミョウバンである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記酸性凝集剤は塩化鉄である、請求項63に記載の方法。
  66. 浮遊分別の前に前記バイオマスまたはスラッジのpHが3.0から5.5の間の値に低下させる、請求項59に記載の方法。
  67. 長尺縦坑バイオリアクタを使う改良された排水処理方法であって、
    該バイオリアクタの主上昇流チャンネル内を上昇する酸素を含む気体の予め決められた部分を1または2個以上の上部上昇流チャンネルに仕向けること、および、
    全液体流量の異なる部分を1または2個以上の前記上部上昇流チャンネルに仕向けることを同時に含み、
    前記主上部上昇流チャンネル内の非プラッギングフローはオリフィス板なしで達成される、長尺縦坑バイオリアクタを使う改良された排水処理方法。
  68. 前記主上昇流チャンネル内の流速が毎秒0.25フィートに効果的に調整される、請求項67に記載の方法。
  69. 機械的混合をせずに脱酸素化を行わせるために、脱気された液体および/または原流入液を前記バイオリアクタの第1の処理ゾーン内にリサイクルさせることを含む、請求項67に記載の方法。
  70. 機械的混合をせずに脱窒を行わせるために、脱気された液体および/または原流入液を前記バイオリアクタの第1の処理ゾーン内にリサイクルさせることを含む、請求項67に記載の方法。
  71. 前記バイオリアクタの前記主上昇流チャンネル内における滞留時間を変えることなく、曝気率を約0.2−0.5mg/L DOに維持することを含む、請求項67に記載の方法。
  72. 縦坑バイオリアクタの改良された建設方法であって、
    掘削されたリアクタ部位にリアクタの内壁を構成する筒状のリアクタハウジングを設置すること、
    該ハウジング内にチャンネルを形成する半径方向の1または2個以上の隔壁で囲まれた中央導管を有するモジュール式リアクタ部品を挿入し、挿入の際に、前記中央導管の直径を前記隔壁とほぼ垂直な方向に拡張することにより、前記隔壁を前記内壁から引き離すように変形させること、
    前記モジュール式リアクタ部品の変形を弛緩させて前記隔壁を前記内壁の近傍にくるようにすることを含む、縦坑バイオリアクタの改良された建設方法。
  73. 前記中央導管の中に挿入できる寸法の拡張器によって前記中央導管を機械的に拡張させる、請求項72に記載の方法。
  74. 前記拡張器は、拡張状態の形状と弛緩状態の形状との間を手動で往復しながら位置を変えることが可能な一対の向き合って往復運動する部品を有する、請求項73に記載の方法。
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