JP2004526830A - 官能化されたキュービック液晶相物質並びにその調製方法及び使用方法 - Google Patents

官能化されたキュービック液晶相物質並びにその調製方法及び使用方法 Download PDF

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Abstract

要約書なし。

Description

【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互対照)
本出願は、2001年2月21日に提出された米国特許仮出願番号第60/270,306号の利益を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は官能化されたキュービック液晶相並びにその調製方法及び使用方法に関する。より具体的には、本発明は特定の使用法に合わせた特性を有する官能化されたキュービック液晶相物質に関する。
【背景技術】
【0003】
共連続相キュービック液晶に対する関心の多くは、その特異な構造の影響にある。それらは、二分子層に配列した脂質と水の混合物で構成される。該二分子層は、次に、撚り合わさって、二分子層の曲げに伴うエネルギーを最小にする(即ち、曲率エネルギーを最小にする)周期的な三次元構造になる。ハイド(HYDE,S.)、アンダーソン(ANDERSSON,S.)、ラルソン(LARRSON,K.)、ブラム(BLUM,Z.)、ランド(LANDH,T.)、リディン(LIDIN,S.)、ニンハム(NINHAM,B.W.)著、形状用語辞典(THE LANGUAGE OF SHAPE)(エルゼビア出版(ELSEVIER PRESS)、ニューヨーク、1997年)を参照のこと。これらの構造は、水と、有機ゼオライト又は高構造マイクロエマルションを彷彿とさせる脂質との共連続領域(ドメイン:DOMAIN)を有する「蜂の巣」状である。故に、この構造は、水溶性分子、脂溶性分子、及び両親媒性分子を同時に収容でき、水溶性及び脂溶性物質の拡散経路を提供することができる。キュービック相は多数提案されているが、認められている共連続液晶構造に次の3つがある:Pn3m(D面)、Ia3d(G面)、及びIm3m(P面)。ルザッティ(Luzzati,V.)、バルガス(Vargas,R.)、マリアニ(Mariani,P.)、グリック(Gulik,A.)、デラコリックス(Delacroix,H.)著、分子生物学誌(J.Mol.Biol.)、1993年、229、540〜551頁を参照のこと。これらの構造は、厳密な数学的用語で表すことが困難な場合がある。しかしながら、節面に関して表現すれば、構造及び形状に近似することができる。フォン・シュナ−リング(von Schnering,H.G.)、ネスパー(Nesper,R.Z.)著、物理B−凝縮系(Phys.B-Condensed Matter)、1991年、83、407〜412頁を参照のこと。広範なモノグリセリドの相挙動が記録されており、該相挙動への変更が定義されている、キウ(Qiu,H.)、キャフレイ(Caffrey,M)著、「モノオレイン/水系の相図:準安定性及び平衡の側面(The phase diagram of the monoolein/water system:metastability and equilibrium aspects)」、バイオマテリアルズ(Biomaterials)、1999年、21(3)、223〜234頁を参照のこと。それ故に、モノオレインベースの共連続キュービック液晶相は優れた温度安定性、高い内部表面積、ゲル様の粘性率、塩及び溶媒組成物への相対的非感受性を有し、低コスト原料を使用することで、商業用途において実用的となっている。モノオレインは本来Pn3m及びIa3dを呈し、Im3mはタンパク質の付加を示す。ルンメル(Rummel,G.)、ハードメイヤー(Hardmeyer,A.)、ウィドマー(Widmer,C.)、チウ(Chiu,M.L.)、ノレルト(Nollert,P.)、ロッヒャー(Locher,K.P.)、ペドルジ(Pedruzzi,I.)、ランドウ(Landau,E.M.)、ローゼンブッシュ(Rosenbusch,J.P.)著、構造生物学誌(J.Structural Biology)、1998年、121、82〜91頁を参照のこと。
【0004】
キュービック相液晶は、ゲル、分散物、及び前駆体の形態で使用されている。『ゲル』は、キュービック相液晶の大部分を含有する混合物である。いずれの混合物も、キュービック液晶相を排他的に含有するのが一般的である。これらのゲルの用途は、薬剤送達手段(シャー(Shah,J.C.)、シャドハル(Sadhale,Y.)、チルクリ(Chilukuri,D.M.)著、先進薬剤送達レビュー(Adv.Drug Delivery Rev.)、2001年、47(2−3)、229〜250頁参照のこと)から、その中で膜タンパク質が結晶化できるマトリックス(ランダウ(Landau,E.)、ローゼンブッシュ(Rosenbusch,J.)著、全米科学アカデミー議事録(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)、1996年、93(25)、14532〜14535頁参照のこと)、又はその中で中間細孔ナノ粒子が形成できるマトリックス(クルーズ(Cruise,N.)、ジャンソン(Jansson,K.)、ホルムバーグ(Holmberg,K.)、コロイド界面科学誌(J.Colloid Interface Sci.)、2001年、241(2)、527〜529頁参照のこと)にまで及ぶ。
【0005】
ニールセン(Nielsen)のPCT国際公開特許WO98/47487は、生物接着性液晶ゲルの組成物を、キュービック相液晶及び前駆体を含めて開示している。組成物は、活性なキュービック相形成脂質及び液晶の構造を変化することなく添加される構造剤(ストラクチュラント:structurant)を包含する。これらの組成物は、液晶を形成するためのヒドロトロープの使用を開示していない。
【0006】
エングストロム(Engstrom)らの米国特許第5,753,259号は、制御された放出用途への液晶ゲルの使用を開示しており、これにキュービック相液晶が包含されている。開示されているゲルは、脂質、溶媒、及び核酸を包含する生物活性物質の混合物から製造されている。しかし、これらのゲル組成物はヒドロトロープを使用していない。
【0007】
『分散物』は、多くの場合サブミクロンの大きさのキュービック液晶相物質の粒子である粒子は一般に、液体媒質中に分散され、多くの場合、キュボソーム(Cubosome)と呼ばれる。脂質及び液体の混合物に空洞を形成することは、一般に、キュービック相液晶の分散物を作る。この場合、均一ナノ粒子分散物が生成するまでに高圧及び多数の経路を必要とする(ユースベルグ−バーレン(Ljusberg-Wahren,H.)、ナイベルグ(Nyberg,L.)、ラルソン(Larsson,K.)著、キミカ・オッジ(Chimica Oggi)、1996年、14、40〜43頁参照のこと)。キュボソームは平衡相であることから、ビヒクル及びリポソームと比べて明確な実用的利点を持つ(ラフリン(Laughlin,R.G.)著、コロイド及び表面A(Colloids and Surfaces A)、1997年、128、27〜38頁参照)。キュボソームはまた、ビヒクル又はリポソームよりもはるかに大きい内表面積を持ち、分解に対する弾力性が大きい。
【0008】
アンダーソン(Anderson)のPCT国際公開特許WO99/12640、及びランド(Landh)らの米国特許第5,531,925号は、活性物質の送達及び摂取のためのキュービック相組成物及び製剤を開示している。該粒子は、液晶又は液体物質を含有する中心部と、固体微粒子の外部とを具備する。液体の組成物は、ヒドロトロープを使用(sue)せずに脂質及び極性溶媒を含む。
【0009】
『前駆体』は、キュービック液晶相ではなく、刺激の結果としてキュービック相液晶を形成する混合物である。前駆体は、容易に流動するが標的場所で刺激によってより粘稠な液晶に自然に変換する形態で混合物を分配するために使用できる。これは、歯周病の治療に適用できる(ノーリング(Norling)、トーマス(Tomas)、ラディング(Lading)、ピア(Pia)、エングストロエム(Engstroem)、スヴェン(Sven)、ラルソン(Larsson)、カレ(Kare)、クロッグ(Krog)、ニールズ(Niels)、ニッセン(Nissen)、ソエレン・ソー(Soeren Soe)著、臨床歯周学誌(J.Clin.Periodontol)、1992年、19(9,Pt.2)、687〜92頁参照のこと)。
【0010】
ラルソン(Larson)らの米国特許第5,196,201号は、骨組織の修復のような栄養物を処理するためのインプラントとして使用する前駆体の調製及び組成物を開示している。これらの前駆体は、水性液体、脂質、及び任意選択的に、より濃縮されたL2又はD相を形成するために混合されたトリグリセリドから構成され、これはより容易に流動し、水の添加によりキュービック相に変換する。レング(Leng)らの米国特許第5,593,663号は、制汗剤の組み合わせ及び調製を開示しており、これは適用と同時に汗を取り込んで粘稠な液晶相(キュービック相を包含する)を形成する。しかし、これらの物質はいずれも官能化物質を含有していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
キュービック液晶相物質は、その本来の、即ち変性されていない特性の制限により、使用が限られる。例えば、キュービック相の本来の特性は、活性成分の可溶化能力を制限する。事実、キュービック相は取り込まれた活性物質と個別に相互作用しないことから、幅広い分類の活性物質が有効に取り込み(又はその後で放出)されない。活性物質は、キュービック相に有効に取り込まれるよう変性された場合、その効力を失う可能性がある。さらに、キュービック相からの特定の目標又は強化された活性物質の付着を提供する工業的に簡便な方法は存在しない。最後に、『オンデマンド(要求に応じた)』用途に好適なキュービック相は存在しない。「オンデマンド」は、pHの変化のような何らかの刺激の結果としてのキュービック相の特性の変化を表す。結果として、キュービック相の変性及びキュービック相の有用性の大幅な増大のために技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(A)ヒドロトロープ、(B)キュービック液晶相を形成する能力がある両親媒性物質、(C)溶媒、及び(D)アンカー(anchor)、テザー(tether)及びそれらの組み合わせから成る群から選択される添加剤を含むキュービック液晶相前駆体であって、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)が互いに1.0=a+b+c+dの関係の質量分率で存在し、式中aは成分(A)の質量分率であり、bは成分(B)の質量分率であり、cは成分(C)の質量分率であり、dは成分(D)の質量分率であって、及び1.0>a>0、1.0>b>0、1.0>c≧0、1.0>d>0であり、ただしa、b、c及びdは成分(A)、(B)、(C)及び(D)の相挙動を表す相図上のキュービック液晶相領域内に入らないことを条件とする、キュービック液晶相前駆体。
【0013】
(A)ヒドロトロープ、(B)キュービック液晶相を形成する能力がある両親媒性物質、(C)溶媒、及び(D)アンカー、テザー及びそれらの組み合わせから成る群から選択される添加剤を含むバルクのキュービック液晶ゲルであって、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)が互いに1.0=a+b+c+dの関係の質量分率で存在し、式中aは成分(A)の質量分率であり、bは成分(B)の質量分率であり、cは成分(C)の質量分率であり、dは成分(D)の質量分率であって、及び1.0>a>0、1.0>b>0、1.0>c>0、1.0>d>0であり、ただしa、b、c及びdは成分(A)、(B)、(C)及び(D)の相挙動を表す相図上のキュービック液晶相領域内に入ることを条件とする、バルクのキュービック液晶ゲル。
【0014】
(A)ヒドロトロープ、(B)キュービック液晶相を形成する能力がある両親媒性物質、(C)任意選択的な溶媒、及び(D)アンカー、テザー及びそれらの組み合わせから成る群から選択される添加剤を含むキュービック液晶ゲル粒子の分散物であって、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)が互いに1.0=a+b+c+dの関係の質量分率で存在し、式中aは成分(A)の質量分率であり、bは成分(B)の質量分率であり、cは成分(C)の質量分率であり、dは成分(D)の質量分率であって、及び1.0>a>0、1.0>b>0、1.0>c>0、1.0>d>0であり、ただし該分散物が他の相に分散する官能化されたキュービック液晶ゲル粒子の形態を持つことを条件として、a、b、c及びdは、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の相挙動を表す相図上のキュービック液晶相と少なくとも1の他の相との組み合わせを表す領域に入ることを条件とする分散物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、前駆体、バルクのキュービック液晶ゲル、キュービック液晶ゲル粒子の分散物、キュービック液晶ゲル粒子及びそれらの組み合わせに関する。本明細書で使用されるすべてのパーセンテージ、比率及び割合は特に指定のない限り重量による。全ての測定は、特に指定しない限り25℃で行う。引用された米国特許及び印刷出版物は、すべて本明細書に引用し援用する。
【0016】
(用語の定義と用法)
「両親媒性物質」とは、親水性基及び疎水性(親油性)基の両方を有する分子を意味する(例えば、界面活性剤、脂質及びポリマー)。
【0017】
「アンカー」とは、脂溶性の『尾』と共に水溶性の『頭』を有する界面活性剤を包含する、小分子を意味する。理論に拘束されることを望まないが、脂溶性の尾の役割は、キュービック相の二分子層に溶解することにあり、水溶性の頭の役割は、問題物質との静電結合又は水素結合のような特定の(又は個別に合わせた)相互作用を提供することにあると考えられる。
【0018】
「バルクのキュービックゲル」とは、通常の又は反転したキュービック液晶構造を有する、粘稠な、構造的に等方性のゲル(透明、半透明又は不透明)を意味し、該組成物の成分の相挙動を表す相図のキュービック液晶領域に適合する組成物を有する。バルクのキュービックゲルはまた、本明細書において、バルクのキュービック液晶ゲルと呼ばれる。
【0019】
「コロイド的に安定」とはキュービックゲル粒子が溶媒に分散した場合、ある程度合理的な時間にわたって粒子が合体、凝集又は粒塊しないことを意味する。
【0020】
「キュービックゲル粒子」はバルクのキュービックゲルの分散した形態であり、技術的に溶媒、等方性液体相、層状相のどれか又はこれらの2つの組み合わせのいずれかと平衡であるキュービック液晶ゲルである。キュービックゲル粒子は、本明細書でキュービック液晶ゲル粒子とも呼ばれる。
【0021】
「キュービック液晶相物質」とは、該組成物の成分の相挙動を表す相図のキュービック液晶相領域に適合する組成物、又はキュービック液晶相が別の相と平衡状態にある相図上の一領域に適合する組成物を意味する。キュービック液晶相物質には、バルクのキュービックゲル、キュービックゲル粒子、及びキュービックゲル粒子の分散物が挙げられる。
【0022】
「キュボプレックス(Cuboplex)」とは、本発明による官能化されたキュービック液晶相物質を意味する。
【0023】
「ゲル」とは、粘弾性的に半固体の系を意味する。ゲルには、バルクのキュービックゲル及びキュービックゲル粒子の分散物などのキュービック液晶物質が挙げられる。
【0024】
「ヒドロトロープ」とは、界面活性剤型分子(少なくとも1つの親水性基、及び少なくとも1つの疎水性基を含む)を意味し、この分子は短かすぎるか若しくは溶解しすぎる疎水性基又は不溶性すぎるか若しくは大きすぎる親水性基を有するため、界面活性剤の相挙動を示さない。ヒドロトロープは高度に水溶性であり、溶液中で集合体(例えばミセル)を形成しない。ヒドロトロープは両親媒性物質を溶解する。ヒドロトロープ及び両親媒性物質の混合物の溶媒による希釈により、ヒドロトロープはキュービック液晶相の形成を妨げない。ヒドロトロープは弱極性、あるいは水溶液中の非水溶性分子(モノオレインのような)の混和性を高めるが、この効果は一般に「逆塩析」として既知である。ヒドロトロープは上記の屈水性の特性を示すために、典型的には相当な濃度(即ち1%以上)で存在する。
【0025】
「L1]とは、希釈された液相を意味する。
「L2」とは、濃縮された液相を意味する。
【0026】
「脂質」とは、相当な部分の脂肪族又は芳香族炭化水素を含有する中間分子量のいかなる両親媒性分子をも意味する。
【0027】
「ペースト」とは局所適用、好ましくは動物(好ましくは人間)の皮膚への適用のための液体を意味し、その粘度は、非溶解の、並びに溶解した固体の存在により流れが大きく妨げられる点まで高められている。
【0028】
「前駆体」とは、刺激による作用でキュービック液晶相物質を形成する形成体を意味する。刺激は追加のヒドロトロープ、両親媒性物質又は溶媒のような幾つかの指定された物質の追加、一部のヒドロトロープ、両親媒性物質又は溶媒のような幾つかの指定された物質の除去;温度の変化、圧力の変化、塩の追加;又は水性システムにおけるpHの変化である可能性がある。
【0029】
「安定剤」とは、分散した相の粒子の集合化、合体、凝集を妨げる剤を意味する。安定剤は分散したキュービックゲル粒子にコロイド的な安定性を付与する。安定剤には、粒子の表面上に吸着する小さい粒子状物質、イオン性物質、ポリマー、荷電脂質、界面活性剤、及び粒子の表面に吸着された液晶相が挙げられる。
【0030】
「界面活性剤」とは水中で次の特性:(1)界面張力を減少する、(2)低濃度の溶液中において自己集合することを示す両親媒性物質を意味する。
【0031】
「テザー」とは、アンカーよりも大きな分子を意味し、脂溶性フラグメント及び水溶性フラグメントを有する変性ポリマー、タンパク質、及び酵素が挙げられる。理論に拘束されることを望まないが、脂溶性フラグメントの役割は、キュービック相の二分子層に溶解することにあり、水溶性フラグメントの役割は、問題物質との静電結合又は水素結合のような特定の(又は個別に合わせた)相互作用を提供することにあると考えられる。
【0032】
「熱力学的に安定」とは、系が最低エネルギー状態にあるか、又はある程度の合理的な時間にわたって同状態に動力学的にトラップされた系を意味する。
【0033】
(前駆体)
前駆体は一般に、ヒドロトロープ、キュービック液晶相を形成する能力のある両親媒性物質、任意選択の溶媒、並びにアンカー、テザー及び/又はそれらの組み合わせから成る群から選択される添加剤を含むことができる。前駆体は、任意選択的に活性成分を含むことができる。
【0034】
ヒドロトロープ
ヒドロトロープは、両親媒性物質を溶解する能力があり、等方性液相中に分散したキュービックゲル粒子の形成を可能にする単一のヒドロトロープ又は2つ若しくはそれ以上のヒドロトロープの組み合わせであることができる。好ましくは、ヒドロトロープは、ヒドロトロープ及び両親媒性物質、並びに溶媒の混合物の十分な希釈によるキュービック液晶相の形成を妨げない。ヒドロトロープは、前駆体、ゲル、分散物、及びその他の本発明の粒子を製造するための方法において両親媒性物質を溶解するため及び固体処理を排除するための加工助剤として機能できる。ヒドロトロープはまた、添加剤が結晶化するのを防ぎ、前駆体、ゲル、分散物、及び/又は粒子に添加できる添加剤の量を増やすこともできる。理論により制限されることを望まないが、ヒドロトロープが約10%までの量で存在する場合は、ヒドロトロープはキュービック液晶相を形成するのに十分な親水性を有すべきであると考えられている。
【0035】
代表的なヒドロトロープにはアルコール、ポリオール、アルコールエトキシレート、単糖類及び多糖類から誘導される界面活性剤、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪酸エトキシレート、ソルビタン誘導体類、酪酸ナトリウム、ニコチンアミド、塩酸プロカイン、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、及びポリグリセリルエステル及びそのエトキシル化誘導体、並びにそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。代表的なヒドロトロープには、メタノール、エタノール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、酪酸ナトリウム、ニコチンアミド、及び塩酸プロカインが挙げられる。
【0036】
好適なヒドロトロープは、提案されたヒドロトロープ、両親媒性物質、及び溶媒を含む組成物の調製によって決定される。組成物が1つのキュービック相又は別の相と共にキュービック相を形成する場合、ヒドロトロープが好ましくなり得る。好ましいヒドロトロープ組成物は、1つのキュービック相又は等方性液体と共にキュービック相を形成する。
【0037】
組成物がキュービック相を形成するか否かを判断するのに偏光顕微鏡法(PLM)を使用することができる。PLMはローリン,R.G.(Laughlin,R.G.)著、ジャーナル・オブ・コロイド・インターフェース・サイエンス(J.Colloid Interface Sci.)、55、239〜242頁(1976年)に記載されているように、偏光顕微鏡又は組立て式のライトボックスにおいて行われる。L1、L2、L3、及びキュービック相は複屈折を全く示さず、暗く見える。キュービック相は非常に粘稠であり、一方他の相(即ち、L1、L2及びL3)は水のようにそれほど粘稠ではない。したがって、複屈折の欠如とバルクの固体様粘弾性特性との組み合わせは、キュービック相の存在を示すと考えられている。
【0038】
両親媒性物質
両親媒性物質は、キュービック液晶相を形成する能力のある1つの両親媒性物質又は2つ若しくはそれ以上の両親媒性物質の組み合わせ(例えば、混合物)であることができる。好ましくは、両親媒性物質はヒドロトロープ、溶媒、及び添加剤の存在下でキュービック液晶相を形成する能力のある界面活性剤である。好適な親水性基及び好適な親水性基の選択方法は、ローリン,R.G.(Laughlin,R.G.)の界面活性剤の水性相の挙動(The Aqueous Phase Behavior of Surfactants)、アカデミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク、1994年、255頁、及びPCT国際公開特許WO99/12640に開示されている。好適な両親媒性物質の非限定例を、以下の表1〜5に抜粋する。
【0039】
【表1】
Figure 2004526830
【0040】
【表2】
Figure 2004526830
【0041】
【表3】
Figure 2004526830
【0042】
【表4】
Figure 2004526830
【0043】
【表5】
Figure 2004526830
表1〜5において、R’は炭化水素基、好ましくはアルキル基を表す。Mは金属原子を表す。下付きのmは、1、2、又は3である。Xはハロゲン原子を表す。
【0044】
代表的な親油基には、一価炭化水素基、置換一価炭化水素基、界面活性剤、及びシロキサンが挙げられるがこれらに限定されない。好適な一価の炭化水素基は6〜22個の炭素原子を有し、好ましくは8〜22個の炭素原子を有し、より好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。置換された一価の炭化水素基にはハロゲン化された一価の炭化水素基が挙げられ、典型的には6〜22個の炭素原子を有する。一価の炭化水素基及び置換された一価の炭化水素基は、飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖である。好ましい分枝状炭化水素基は、典型的にはに8〜22個の炭素原子を有する。好ましい直鎖炭化水素基は8〜18個の炭素原子を有する。
【0045】
両親媒性物質は、約2.1〜約4.6のHLB値を有する界面活性剤を包含することが好ましい。ポーター(Porter,M.R.)著、界面活性剤ハンドブック(Handbook of Surfactants)、第2版、ブラッキー・アカデミック&プロフェッショナル(Blackie Academic & Professional)、188〜236頁を参照のこと。好適なモノグリセリドは、溶媒及びヒドロトロープと共にキュービック液晶相を形成するのに十分な純度を有する。モノグリセリドは典型的には約40%を超え100%までの純度であり、好ましくは約82.5〜100%の純度であるが、約40%未満の純度もまた好適な場合がある。
【0046】
好ましい界面活性剤の分類には、次の一般式を有するモノグリセリドが挙げられる:
【0047】
【化1】
Figure 2004526830
Rは6〜22個の炭素原子、好ましくは8〜22個の炭素原子、より好ましくは10〜18個の炭素原子を有する一価炭化水素基、及び6〜22個の炭素原子を有する一価ハロゲン化炭化水素基から成る群から選択される。この一価の炭化水素基は、飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖であり得る。好ましい分枝状炭化水素基は典型的には8〜22個の炭素原子を有する。好ましい直鎖炭化水素基は8〜18個の炭素原子を有する。好ましいモノグリセリドは融点≧40℃を有する。PCT国際公開特許WO99/12640には、キュービック液晶相を形成できる好適な両親媒性物質が開示されている。
【0048】
代表的な両親媒性物質は米国特許第5,756,108号に開示されており、例えば3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、フィタントリオール、N−メチルグルカミンのN−2−アルコキシカルボニル誘導体、及び不飽和脂肪酸モノグリセリド、グリセロールモノオレエート(HLB3.8)及びグリセロールモノステアレート(HLB3.4)のようなモノグリセリド界面活性剤、C12EO2、C12EO23、及びC16EO3のようなエトキシル化アルコール界面活性剤(式中EOは、エチレンオキシド基を表す)(リンチ(Lynch)ら、「C12E2−水系における水相挙動及びキュービック相含有エマルション」(Aqueous Phase Behavior and Cubic Phase-Containing Emulsions in the C12E2-Water System)、ラングミュア(Langmuir)、第16巻、第7号、3537〜3542頁(2000年)参照のこと)、モノリノレイン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
その他の好適な両親媒性物質には、ベタイン、グリシネート、アミノプロピオネート、及びそれらの組み合わせのような両性界面活性剤が挙げられる。さらなる好適な両親媒性物質には、脂肪酸、アシルグリセロール、グリセロールホスホリピド、ホスファチジン酸(及びその塩)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴリピド(spingolipids)(セラミド)、スフィンゴミエリン(spingomyelin)、セレブロシド、グルコセレブロシド、ガングリオシド、ステロイド、コレステロールエステル(ステアレート等)、糖ベース界面活性剤、グルコリピド、ガラクトリピド、及びそれらの組み合わせのような生物起源の脂質が挙げられる。
【0050】
溶媒
溶媒は、単一溶媒でも2つ又はそれ以上の極性又は無極性溶媒の組み合わせでもよく、並びに緩衝剤及び/又は安定剤のような他の成分を含有してもよい。代表的な極性溶媒には水、グリセロール、ポリエチレングリコールのようなポリグリコール、ホルムアミド、n−メチルホルムアミド及びジメチルホルムアミドのようなホルムアミド、エチルアンモニウムニトレート及びそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。代表的な無極性溶媒には、脂肪族炭化水素、例えばアルカン及びラノリンのような脂肪酸エステル、並びにハロゲン化炭化水素のような置換炭化水素が挙げられるがこれらに限定されない。
【0051】
添加物
一般に、添加剤は、結晶化を防ぐために、低クラフト点、好ましくは約25℃以下のクラフト点を有するアンカー、テザー、及び/又はそれらの組み合わせである。最も好ましくは、アンカーは正に荷電した界面活性剤及び負に荷電した界面活性剤から成る群から選択される。好適な界面活性剤の例は、マカッチャン(McCutcheon)著、乳化剤及び洗剤(Emulsifiers & Detergents)、北米版、第1巻(1994年)に見出すことができる。好ましい正に荷電した界面活性剤には、ジオクチルデシルアミン塩酸塩が挙げられる。好ましい負に荷電した界面活性剤には、オレイン酸カリウムが挙げられる。テザーは、好ましくは誘導体化された多糖類及び直鎖置換ポリマーから成る群から選択される。しかし、アンカー及び/又はテザーの正確な選択は、前駆体の使用目的、ゲル、分散物、又は前記アンカー及び/又はテザーを組み込む粒子、及び添加される活性成分に依存する。
【0052】
テザーは、少なくとも2種類存在する。1つの種類は大型界面活性剤と考えることができ、例えば、
【0053】
【化2】
Figure 2004526830
であって、式中分子の一方の末端は脂溶性フラグメント又は鎖であり、もう一方の末端は特定の官能性のために付加された水溶性フラグメントである。大型高分子スペーサ又は主鎖は、これらの基を離すことができる。
【0054】
別のテザーは、二分子層に結合できる脂溶性フラグメント(例えば、脂肪族鎖)を相互作用の部位を複数持つ水溶性高分子フラグメント(例えば、次のような多歯状配位子)と共に導入する:
【0055】
【化3】
Figure 2004526830
図は、二分子層に固定されることができる代表的な荷電ペプチドフラグメントを示す(Lys=リシン)。下に示すように、類似の状態が、リシンがポリビニルアルコール(PVA)で置換されたポリマーに存在しうる。リシンをポリビニルアルコール(PVA)で置換する(relace)ことも起こり得る。例えば:
【0056】
【化4】
Figure 2004526830
式中nは、約1〜約50の整数である。
【0057】
好ましいテザーは、直鎖、分枝状、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、又はグラフトコポリマーである。代表的なモノマー(モノ又はコポリマー用途における)、アンカー、及びテザーを表6にまとめる。別の方法としては、上記の表3及び4の親水性基を有する界面活性剤を、両親媒性物質として使用していない場合にテザー又は活性物質として使用してもよい。
【0058】
好ましくは、添加剤はキュービック相の二分子層における有効溶解度を改良するためにキュービック相の疎水性ドメインに合致した疎水性鎖長を有する。さらに、添加剤は、添加剤が溶媒中に分配されずにキュービック相に付随することを確実にするために、溶媒において極小の溶解度を有することができる。アンカーの場合、二鎖が単鎖の界面活性剤及び脂質よりも好ましい。テザーの場合、複数の分子結合部位を有する可能性があることから、対応するアンカーよりも高い溶媒溶解度が必要になる場合がある。荷電先端基を有する界面活性剤、脂質、及びポリマーは、pH、溶媒又はイオン強度に誘発される処方を所望するときに使用される。加えて、添加剤は静電結合及び水素結合の規則を用いて選択でき、例えば、他の活性成分のような標的と静電的相互作用を持つよう添加剤を選択することができる。しかしながら、一般にはアンカー又はテザー上の電荷を最大にすることが好ましい。これは、点電荷を、例えばカルボキシレートのプロトン化によって取り除くことで変えることができる。さらに、媒質のいかなる誘電率も必要に応じて変動できる。塩の添加は溶液の誘電率を上昇し、物質間の相互作用を減少する。したがって、相互作用を最大にするためには物質をできるだけ近づけることが好ましいと考えられている。加えて、添加剤中のヒドロトロープの存在は、添加剤が結晶化するのを防ぎ、添加剤の増量又は使用できる添加剤の範囲の拡大を可能にする。
【0059】
別の実施形態においては、標的、例えば活性成分と水素結合するよう添加剤を選択することができる。エチレンオキシドベ−スの先端基を持つ界面活性剤、脂質及びポリマーは、温度に誘発される『オンデマンド』処方を所望するときに使用できる。
【0060】
【表6】
Figure 2004526830
【0061】
有効成分
上述の前駆体は、活性成分(活性物質)をさらに含んでもよい。活性物質は、1つの活性物質でも2つ以上の活性物質の組み合わせでもよい。活性物質は、前駆体から形成されたバルクのキュービックゲルが、約15重量%までの、好ましくは約1〜約10重量%のゲルを含有するような量で加えることができる。
【0062】
活性物質は、水溶性及び非水溶性殺虫剤及び除草剤のような農薬であることができる。殺虫剤及び除草剤は、向水性を有する活性成分として、又はヒドロトロープとは別の活性成分として三成分系に組み込まれてもよい。代表的な殺虫剤には、ジアジノンのような有機リン酸塩及びジクロホップ−メチル、テラゾール、ビンクロゾリン、アトラジン、オキサミルプロパルギット及びトリアレートのような非有機リン酸塩が挙げられるがこれらに限定されない。代表的な除草剤には、アトラジン、ニコスルフロン、カルフェントラゾン、イマザピル、ベネフィン及びアシフルオルフェンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
活性成分は、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、ケプトプロフェン)、メトロニダゾール、アセチルサリチル酸、クロトリマゾール、インスリン、リドカイン、塩酸塩、ニトログリセリン、プリロカイン、塩酸テトラサイクリン、ベンジルペニシリン、アシクロビル、グアイフェネシン、メラトニン、メトロニダゾール、フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイドエフェドリン(pseudophedrine hydrochloride)、マレイン酸チモロール、アシクロビル、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル(ロゲイン(Rogaine))、クエン酸シルデナフィル(バイアグラ(Viagra))、塩酸エフロルニチン(バニカ(Vaniqua))、ジンクピリチオン、皮膚加湿剤、及びそれらの組み合わせなどの薬剤又は化粧用化合物であることができる。活性成分は、酵素又は栄養素、例えばビタミンE、C、亜鉛又は鉄のようなビタミン又はミネラルであることもできる。
【0064】
図1は、ヒドロトロープ103、両親媒性物質及び添加剤の組み合わせ106、並びに溶媒109の系の三相図100を表す。単一の相(キュービック相ではなく)は前駆体として用いられ得る。例えば、等方性液体領域124及び層状領域121のように、相図の単一相領域に収まる組成物は好適な前駆体である。キュービック相を形成しない複数の相領域112に収まる組成物は前駆体としてもまた好適である。ルザッティ(Luzzati)ら、分子生物学誌(J.Mol.Biol.)、229、540〜551頁(1993年)に論じられているように、Pn3mキュービック相領域115及びIa3dキュービック相領域118に入らない組成物は、好適な前駆体である。
【0065】
前駆体は、特定の1組の条件の下、例えば、汗、唾液、又は2つのキュービック相115、118のどちらかを囲む領域、又は2つのキュービック相115、118内にあるように、システムの組成物を変化させるであろう他の物質の存在の下で、キュービック相の形成が望まれる用途において用いることができる。本発明の前駆体を、すべて配合者の所望により、バルクのキュービックゲル、分散されたキュービックゲル粒子又はその2つの組み合わせのどちらかを直接形成するのに用いてもよい。
【0066】
(バルクのキュービックゲル及び分散物)
図1では、分散物は相図100上の別の相127との組み合わせによるキュービック液晶相を表す領域内に収まる必要がある。したがって、バルクのキュービックゲルにおける(A)、(B)、(C)、及び(D)の質量分率は、好ましくは0.1≧a>0、0.8≧b>0、0.4≧c>0、及び0.1≧d>0、より好ましくは、0.1≧a>0、0.1≧b>0、0.95≧c>0、及び0.1≧d>0の関係に従う。
【0067】
(A)、(B)、(C)、及び(D)は、上に記載されている。しかし、(A)、(B)、(C)及び(D)の量が異なるため、バルクのキュービックゲル又はキュービック液晶ゲル分散物のいずれかが生成する。バルクのキュービックゲルの場合、各成分の量は、混合された成分がキュービック液晶相、又は1以上の他の相との組み合わせによるキュービック液晶相を形成するような量である必要がある。理論により制限されることを望まないが、相図のキュービック液晶相領域内に入る成分の量の組み合わせは、本発明に好適であると考えられている。図1を参照すると、溶媒109、ヒドロトロープ103、並びに両親媒性物質及び添加剤の組み合わせ106の量は、それらが相図のキュービック相領域115、118の1つに収まる必要がある。さらに、活性物質をバルクのキュービックゲルに加えることができる。
【0068】
(前駆体及び官能化されたキュービック相物質の調製方法)
前駆体
前駆体の調製方法は、1)キュービック液晶相を形成する能力のある両親媒性物質を任意選択的にヒドロトロープと組み合わせる工程と、2)アンカー、テザー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される添加剤を加える工程と、並びに3)任意選択的に溶媒を添加する工程を含む。
【0069】
工程1)においては、ヒドロトロープと両親媒性物質を組み合わせる。両親媒性物質が液体のとき、ヒドロトロープ及び両親媒性物質は、混合によって組み合わされることができる。両親媒性物質がモノオレインのような固体である場合は、ヒドロトロープ及び両親媒性物質は、好ましくは該両親媒性物質ををその融点より高い温度まで加熱した後、融解した両親媒性物質をヒドロトロープと組み合わせることによって組み合わせられる。あるいは、両親媒性物質を固体粒子に細分して、ヒドロトロープと組み合わせることもできる。任意選択的に、ヒドロトロープを水性ヒドロトロープ溶液に溶解し、該溶液を工程1)において両親媒性物質と組み合わせることができる。
【0070】
工程2)及び3)は、前記方法のいずれの時点でも実施できる。工程2)の生成物は、キュービック相が形成しない、関連する相図のいずれかの領域に対応する量の成分(A)、(B)、(C)、及び(D)を含有することができる。好ましくは、工程3)の生成物は、25℃で等方性液体である。
【0071】
該方法は、上記のいずれかの時点で活性物質の添加をさらに含んでもよい。活性物質の量は、前駆体から形成されたゲルが、(A)、(B)、(C)、及び(D)を組み合わせた重量の約15重量%まで、好ましくは約0〜約10重量%を含有するときに十分となり得る。
【0072】
バルクのキュービック液晶ゲル
バルクのキュービック液晶ゲルは、調製された前駆体に刺激を適用することにより調製できる。非限定的な刺激には、温度の変化、圧力の変化、塩の追加、pHの変化、追加のヒドロトロープ、両親媒性物質又は溶媒のような指定された物質の追加、一部のヒドロトロープ、両親媒性物質又は溶媒のような指定された物質の除去、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
前駆体は、例えば前駆体を追加の(A)ヒドロトロープ、(B)両親媒性物質又は(C)溶媒と混合することにより希釈することができる。バルクのキュービック液晶ゲルは、関連する相図上のキュービック相領域に対応する、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の量を混合することにより直接調製できる。バルクのキュービック液晶ゲルの形成が完了した後、ヒドロトロープのすべて又は一部を取り除いてもよい。
【0074】
分散したキュービック液晶ゲル粒子
分散したキュービック液晶ゲル粒子は、バルクのキュービックゲルから又は少なくとも1つの前駆体から直接調製できる。
分散物は、1)分散工程であって、a)上記の前駆体を溶媒の中に分散する工程、及びb)溶媒を前記前駆体の中に分散しその後希釈する工程、から成る群から選択される工程;及び2)工程1)の生成物を任意選択的に安定化させる工程、によって少なくとも1の前駆体から直接調製できる。
【0075】
工程a)及びb)は、剪断式粉砕機中のような流体剪断を適用すること、超音波を適用すること、小孔の膜から押し出すこと(膜乳化処理)、クロスメンブレン乳化処理、前駆体の流れと溶媒の流れの対立する噴流から衝突させること、静止型混合器を使用すること、又は流れを分散するため、層流又は乱流の剪断流の状態のどちらかを利用するマイクロミキサーの中で、溶媒と前駆体の流れを混合することによって実施してもよい。前駆体はまた、前駆体の微細な霧を溶媒蒸気を含む環境に噴霧することによって、溶媒と接触させてもよい。噴霧はキュービック液晶相の表面コーティングに液滴を形成させる。液滴は続いて粒子に分散するために、ばらで水中に収集され、キュービック液晶ゲル粒子への変換を完了する。あるいは、気化した溶媒を前駆体中にバブリングすることによって溶媒を前駆体に加えることができる。工程1)の生成物は、凝集に対して不安定である可能性があるキュービック液晶ゲル粒子の分散物である。
【0076】
工程1)の生成物は、(F)安定剤を添加することにより、又は層状の液晶相のコーティングを粒子の表面に形成することにより安定化できる。工程1)の生成物はまた、カルボマー(Carbomer)セルロースポリマーのような水溶性安定剤により形成されるマトリックスのような粘稠な水性マトリックスへの直接の分散により安定化させてもよい。工程2)の生成物は、コロイド状に安定したキュービック液晶ゲル粒子の分散物である。
【0077】
あるいは、工程1)と2)を組み合わせることができる。工程1)及び工程2)は、安定剤(F)を溶媒(C)に添加して安定化組成物を形成し、その後、該安定化組成物を工程1)の生成物と組み合わせることによって、組み合わせることができる。
【0078】
前駆体は層状液晶粒子の分散物、小胞又は容易に分散したエマルションのような中間体を形成するように希釈してもよい。これらの中間体のいずれも、工程1)及び工程2)における上記の分散物及び安定化技術のいずれかとの組み合わせによる、さらなる希釈により、コロイド的に安定したキュービック液晶ゲル粒子の分散物を形成するのに用い得る。これは粒子の形成に先立って、分散物が形成され、安定化されるためである。これは中間体は、より粘稠な可能性のある分散より、より容易に分散及び安定化し、及び一旦安定化したら、結果として得られる安定化した中間体は希釈されることができ、さらに安定化する必要のないキュービック液晶ゲル粒子を形成できるという利益を提供する。
【0079】
キュービックゲル粒子は、バルクのキュービックゲルの剪断式粉砕機中での剪断、超音波処理、マイクロミキサーによる分散、又は膜乳化処理によるバルクのキュービックゲルの細分化によっても調製できる。
粒子は、十分な量の溶媒(C)及び/又は溶媒(C)及びヒドロトロープ(A)の組み合わせを取り除くことによって、調製された分散物から分離できる。粒子は、蒸発によって乾燥してもよく、又は遠心分離、ろ過、及びそれらの組み合わせによって分散物から除去されてもよい。
【0080】
(使用方法)
アンカー及びテザーでの官能化は、活性成分の送達及び制御された放出を可能にするよう官能化されたキュービック液晶相物質の内部特性を変更する能力を提供することができる。図2は、ジオクチルデシルジメチルアミンクロライド202(DODMAC)で官能化された共連続キュービック液晶200に固定された負に荷電した物質201(例えば、イオン化されたケトプロフェン(Ketoprofen))を図示している。この相互作用は、取り込みレベルを上昇し、物質の放出特性を高めることができる。本発明の1つの実施態様においては、前駆体、ゲル、分散物及び粒子を、活性成分、例えばケトプロフェン(Ketoprofen)及び上記のような医薬及び/又は化粧品用活性物質の局所送達のために使用できる。
【0081】
前駆体、ゲル、分散物、及び粒子は、栄養素の送達、封入、安定化、及び/又は酵素の送達、並びに膜貫通型タンパク質結晶構造の生成に使用することができる。さらに、キュボプレックスは、何らかの生物学的標的を消費する孔の内部の酵素に付着することによって、小型反応器へと作ることができ、及び凝集体中で濃縮した後で廃水から取り除かれる重金属のような有害化合物をその環境から取り除くために作ることができる。
【0082】
官能化は、物質の外部特性を強化する付加能力を提供し、コロイド安定性を高めることができる。非限定例として、基質の付着を強化するためにキュボプレックスの外部を電荷で変性してもよい。標的基質の非限定例には、皮膚、毛髪、布地、及び植物表面が挙げられる。凝集体が何らかの薬学的利益を含有している状態で該凝集体の外側に酵素タンパク質を付着することによって、生物学的部位への凝集体の選択的付着を提供することも可能である。付着した大型分子は、付着したポリマーによって生じる合体の立体的防止として作用できると考えられている。
【0083】
官能化は「オンデマンド」製品を作るさらなる能力を提供する。「オンデマンド」は、刺激の結果としてのキュボプレックス放出又は物質捕捉の内部及び外部特性を表す。非限定的な放出又は捕捉は、pH(定義されたpKaを有する荷電種)によって、塩の添加(静電遮蔽の減少)によって、誘電溶媒の導入(静電気の役割を最少化する)によって、又は該領域に選択的に結合できる構成成分の添加又は選択的除去によって起こされてもよい。
【0084】
好ましくは、植物又は虫の表面のような基質へ除草剤及び殺虫剤などの農薬を包含する活性成分の制御された放出は、キュービックゲル前駆体を用いて、蒸発及び/又は希釈により行うことができる。蒸発及び/又は希釈処理は、「反応性」液体を生成し、この液体は、残留水分による希釈又は噴霧の結果としての蒸発のような刺激に反応して、活性成分の目標とする送達を提供する。蒸発及び希釈処理は相図において、開始点から終点まで引かれた線により表わされてもよい。
【0085】
希釈
希釈処理の開始点は相図上の前述したいかなる前駆体領域にあってもよく、終点は単一相のキュービック液晶又は複数の相のいかなる領域にあってもよい。希釈経路の軌道は、三成分の相図の開始点と溶媒の頂点の間に引かれた直線により決めることができる。一旦開始点が選択されると、終点はその直線に沿って収まるべきである。
【0086】
希釈処理の1つの代表的実施形態において、両親媒性物質の混合物及びヒドロトロピー特性のある活性成分、又はヒドロトロープと組み合わせた別の活性物質のいずれかが混合されて、等方性液体前駆体を形成し、続いて該前駆体が溶媒でコーティングされた基質上に噴霧される。噴霧は、前駆体を、基質をコーティングし、溶媒に接触する小さい液滴に分散できる。溶媒を基質上で前駆体と混合することで、希釈は液滴系を相図のキュービック+溶媒領域に進み始め、再び溶媒、活性成分及びゆっくりと活性物質を基質に放出するキュービック液晶物質のコーティングを生成する。モノグリセリドは、活性成分により葉の表面の浸透を高めることができると考えられるため、モノグリセリドは植物への適用のための前駆体中の両親媒性物質として好ましい。
【0087】
蒸発
蒸発処理は希釈に似ているが、これは三成分の相図の開始点もまた前駆体であり、そこから溶媒及び/又はヒドロトロープが蒸発でき、相図の単一相のキュービック液晶又は複数相(少なくとも1つの相はキュービック液晶である)の領域にある終点にシステムを進めるからである。蒸発の場合には、開始点を選択することにより、処理軌道が相図の両親媒性物質の頂点に向かって進行することが決定される。取られる正確な経路は、溶媒とヒドロトロープとの混合物の蒸気圧の関数であり得るが、希釈の場合のように線状ではないかもしれない。蒸発は、噴霧中に及び/又は目標の基質に付着した後に起きてもよい。
【0088】
蒸発処理の1つの実施態様においては、両親媒性物質、ヒドロトロープ、溶媒、及び活性成分の混合物が組み合わされ、基質上に噴霧される等方性液体前駆体を形成する。噴霧により前駆体は小さい液滴に分散でき、その有効噴霧面積を増やし、溶媒及び/又はヒドロトロープを蒸発させる能力を高める。蒸発工程が進むと、液滴システムは迅速に三成分の相図のキュービック液晶領域に入り、再び溶媒、活性物質及びゆっくりと活性物質を基質に放出するキュービック液晶物質のコーティングを生成する。モノグリセリドは、活性成分により葉の表面の浸透を高めることができると考えられるため、モノグリセリドは植物への適用のための前駆体中の両親媒性物質として好ましい。
【実施例1】
【0089】
(ヒドロトロープの有用性の測定)
ヒドロトロープとして用いられる化合物を、ヒドロトロープ溶液を形成する量で水に溶解する。
【0090】
溶液をモノオレイン(ジモダン(DIMODAN)(登録商標)MO90K)に添加し、組成物を生じさせる。該組成物を25〜30℃の温度で一晩放置して平衡させ、上述の偏光顕微鏡法(PLM)によって分析する。
【0091】
(低温透過電子顕微鏡(低温TEM))
キュービック相が形成されたか否かを判断するため、試料を低温TEMにより測定する。低温TEMのために、試料は制御環境ガラス化システム(CEVS)において調製され、これはベラーレ,J.R.(Bellare,J.R.)、デービス,H.T.(Davis,H.T.)、シュライブン,L.E.(Scriven,L.E.)、タルモン,Y.(Talmon,Y.)によって「制御環境ガラス化技術」(Controlled environment vitrification technique)、ジャーナル・オブ・エレクトロン・マイクロスコープ・テクノロジー(J.Electron Microsc.Tech.)、1988年、10、87〜111頁に記載されている。
【0092】
(小角X線錯乱(SAXS))
SAXSパターンは、液晶の種類ごとに特異的である。したがって、SAXSは液晶の構造を確認する優れた手法である。代表的な液晶のSAXSパターンは、ルザッティ(Luzzati,V.,)、ターデュー(Tardieu,A.)、グリックークリツウィキ(Gulik-Kryzwicki,T.)、ライバス(Rivas,E.)、リース−ハッソン(Riess-Husson,F.)、ネイチャー(Nature)、1968年、220、485〜488頁に与えられている。キュービック相の対称性のためには、
【0093】
【数1】
Figure 2004526830
に対してピーク位置をプロットした結果が、キュービック相液晶の存在を確認する格子パラメータに反比例する勾配を有する直線となる。キュービック相の対称のための典型的な鏡映は:Pn3m:[110]、[111]、[200]、[211]、[220]、及び[221];Ia3d:[211]、[220]、[321]、[400]、[420]、及び[332]である。
【0094】
(実施例1−キュボプレックスの調製)
2.02512gのモノオレインをバイアル瓶に加え、40℃で融解する。続いて、0.03977gのステアリン酸及び0.08190gのエタノールを前記混合物に加える。最後に、4.71316gのpH=10緩衝剤を前記混合物に加える。該試料を平衡になるまで数時間放置し、SAXSによって測定する。
【0095】
(比較例1)
2グラムのモノオレイン、4.67グラムのpH=10緩衝剤、及び2%ステアリン酸ナトリウムの混合物をバイアル瓶に調製する。前記モノオレインをホットプレート上で40℃で加熱し、ステアリン酸を加える。ステアリン酸が完全に溶解した後、適量の緩衝剤を加える。得られるゲルをX線回折で分析する。
【0096】
(実施例2)
2グラムのモノオレイン、4.67グラムのpH=10緩衝剤、2%ステアリン酸ナトリウム(添加剤)及び4%エタノール(ヒドロトロープ)の混合物をバイアル瓶に調製する。前記モノオレインをホットプレート上で40℃で加熱し、ステアリン酸及びエタノールを加える。すべての構成成分が溶解した後、pH10緩衝剤を加え、ゲルをX線回折を用いて分析する。
【0097】
(比較例2)
4%エタノールを含有するモノオレインベースのキュービック液晶相。
【0098】
(実施例3)
2グラムのモノオレイン、4.67グラムのpH=10緩衝剤、2%ステアリン酸ナトリウム及び4%エタノール(ヒドロトロープ)の混合物を比較例2の通りに調製及び分析する。
【0099】
(実施例4)
活性物質(ケプロプロフェン)及びモノオレイン(20%のアンカー取り込み)に対するジ(キャノーラエチルエステル)ジメチルアンモニウムクロライド(DEDAC)。
【0100】
(実施例5)
0.09510グラムのモノオレイン及び0.0063gのジ(キャノーラエチルエステル)ジメチルアミン塩酸塩(DEEDAC)の混合物を最少量のエタノールに完全に溶解した。官能化されたキュービック液晶相の分散物を提供するため、水を加えて水:エタノール比が95%:5%になるまで希釈した。
【0101】
上記の実施例2、3、及び4の適合度データを表7にまとめる。
【0102】
【表7】
Figure 2004526830
本発明の特定の実施形態を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の変更及び修正が可能であることは、当業者に明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内にある全てのそのような変形と変更を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】ヒドロトロープ、両親媒性物質及び添加剤の組み合わせ、並びに溶媒を含有する組成物の挙動を表す相図である。
【図2】官能化されたキュービック相二分子層中のケトプロフェン分子を表す。

Claims (10)

  1. キュービック液晶相前駆体であって、
    (A)ヒドロトロープ、
    (B)キュービック液晶相を形成する能力がある両親媒性物質、
    (C)任意の溶媒、及び
    (D)アンカー(anchor)、テザー(tether)及びそれらの組み合わせから成る群から選択される添加剤、を含むことを特徴とし、
    その際(A)、(B)、(C)、及び(D)が互いに次のような関係の質量分率で存在することを特徴とし、
    1.0=a+b+c+d
    式中aは(A)の質量分率であり、bは(B)の質量分率であり、cは(C)の質量分率であり、dは(D)の質量分率であることを特徴とし、1.0>a>0、1.0>b>0、1.0>c≧0、1.0>d>0であることを特徴とするが、a、b、c及びdは(A)、(B)、(C)及び(D)の相挙動を表す相図上のキュービック液晶相領域内に入らないことを条件とする、キュービック液晶相前駆体。
  2. (A)が低分子量アルコール;ポリオール;アルコールエトキシレート;単糖類及び多糖類から誘導される界面活性剤;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー;脂肪酸エトキシレート;ソルビタン誘導体;酪酸ナトリウム;ニコチンアミド;塩酸プロカイン;並びにエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、及びポリグリセリルエステル、及びそのエトキシル化誘導体;並びにそれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の前駆体。
  3. (B)が次の式を有するモノグリセリドであることを特徴とし、
    Figure 2004526830
    式中Rが、6〜22個の炭素原子を有する一価の炭化水素基、及び6〜22個の炭素原子を有する一価のハロゲン化炭化水素基から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の前駆体。
  4. (D)が正に荷電した界面活性剤、負に荷電した界面活性剤、両性界面活性剤、生物起源の脂質、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるアンカーであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の前駆体。
  5. 前記アンカーが、第四級界面活性剤、イミダゾリンベースの界面活性剤、置換アミノ酸、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される正に荷電した界面活性剤であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の前駆体。
  6. (D)が、誘導体化された多糖類、直鎖置換ポリマー、スターポリマー、ポリペプチド、及びポリヌクレオチド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるテザーであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の前駆体。
  7. 前記テザーが、セルロース誘導体、キチン誘導体、デンプン誘導体、グリコーゲン、グリコアミノグリカン、糖タンパク質、リグナンベースのポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される誘導体化された多糖類であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の前駆体。
  8. (C)が存在することを特徴とし、及び(D)が極性及び無極性溶媒から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の前駆体。
  9. 活性成分(E)をさらに含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の前駆体。
  10. (C)が存在することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の前駆体。
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