JP2004523620A - 高分子繊維 - Google Patents

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Abstract

ポリエステルとアクリル系高分子とを含み、そのアクリル系高分子の熱分解温度が295℃以下の組成物。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子組成物、ならびに高分子組成物、特にポリエステルと添加剤高分子を含む組成物の製造方法および高分子繊維の製造方法に関する。特に、限定するものではないが、本発明は、高速紡糸方法により高分子繊維を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子混合物を紡糸する様々な方法が知られている。通常、これらの方法は、紡糸の引取速度の増加と得られる糸の残留伸び(residual elongation)とのバランスをはかることによって、紡糸工程の生産性および利益性を高めることを目指している。紡糸の引取速度が増加すると、紡糸口から押し出される溶融物の量は通常増加する。しかし、引取速度の増加は、通常、紡糸の分子配向を増強し、それによって、得られる非引き抜き紡糸の残留伸びが通常低下する。この結果、次ぎの引き抜き工程または仮撚工程の効率が低下することになる。この理由は、このような紡糸は、低速度で紡績される紡糸と比較して破壊伸びが通常低いためである。
【0003】
したがって、添加剤高分子により改質されていない高分子自体と比べて、特定の紡績速度における撚り糸の破壊伸び(elongation at break)が高い合成繊維を形成すべく、高分子混合物(つまり、高分子および添加剤高分子)を紡績することに注意が向けられてきた。したがって、最終製造紡糸の引張り比(stretching ratio)が高いほど、生産性が高い紡績ユニットが生じると言われている。
【0004】
また、紡績工程の生産性が、高分子混合物および得られる紡糸の熱安定性、添加剤の利用性と費用、高価な複合高速製造施設の必要条件、ならびに引き抜きおよび仮撚などの二次工程の実施の容易さなどの他の因子によって決まることもわかっている。
【0005】
ポリエステルおよび高分子添加剤を含む高分子混合物の処理および紡績に関連する技術的課題に、処理中の高分子混合物と得られる繊維製品の熱安定性に及ぼす添加剤高分子の影響がある。通常、ポリエステルに必要とされる処理温度は、添加剤高分子を処理するために必要な温度よりもかなり高い。このため、処理中に添加剤材料が分解することがあり、それによって揮発性種が生成されるため、紡績工程の総体的効率が低下し、最終製品に有害な作用を及ぼすことになる。添加剤高分子の分解は、高分子混合物と製品紡糸の熱安定性(例えば、熱安定性を低下させる)、機械特性および外観に有害に作用を及ぼすことがある。特に、添加剤材料の分解は、製品紡糸の変色を招き、紡糸が規格外れとなるか、染色中に補正が必要となることがある。添加剤高分子および/または高分子混合物の熱不安定性から生じる総体的な作用は、紡糸製造工程の総体的効率の低下であると思われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、ポリエステル、特に、添加剤高分子を含むポリエステル由来繊維の製造に関連する前述の問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様によれば、本発明は、ポリエステルとアクリル系高分子とを含み、そのアクリル系高分子の熱分解温度が295℃以下である組成物を提供する。
【0008】
このような組成物を以後、本発明の組成物と呼ぶ。
【0009】
本発明の組成物は、高分子繊維紡糸、特に、ポリエステル繊維紡糸の製造に関する前述の技術的問題点を解決しようとするものである。特に、本発明の組成物から製造された繊維は伸縮性仮撚に適し得、本発明の組成物のアクリル系高分子は、通常、製造コストが低い。本発明の組成物は、アクリル系高分子を含まない単独のポリエステルと比較して、高い引取速度で紡績し、破壊伸びが高い繊維を製造するために適し得る。これらの要因により、アクリル系高分子を含まない非改質ポリエステルと比較して、本発明の組成物由来の繊維を形成する工程の生産性が総体的に向上し得る。しかも、本発明の組成物および/またはそれから得られる繊維は、アクリル系高分子を含まない非改質ポリエステルと同程度の熱安定性を有し得る。このため、本発明の組成物によって、繊維形成工程中の熱分解が回避または軽減されることにより、紡糸製造工程の総体的効率が向上し得る。しかも、本発明の組成物は、非改質ポリエステルに用いる条件下で熱可塑的に処理することができ、これによって本発明の組成物を処理する装置を改良する必要性がなくなる。
【0010】
「熱分解温度」との用語は、135℃を超える温度であって、本明細書に記載した熱重量測定手順に従って加熱したときに、アクリル系高分子の重量が135℃で測定したアクリル系高分子の初期重量を基準として1重量%以上減少するために必要となる温度を意味する。適切には、アクリル系高分子は、5℃/分の速度で加熱する。
【0011】
本発明の組成物のアクリル系高分子の「熱分解温度」は、TAインスツルメンツ(TA Instruments、米国19720デラウェア州ニューキャッスル ルーケンス ドライブ109所在)により供給されるTGA2950装置を用いた熱重量分析により測定することが適している。適切には、TGA2950装置に、完全密閉式発熱体を設けた、TAインスツルメンツ(TA Instruments)から入手可能な発生ガス分析(EGA)炉(部品番号952351.901)を取り付ける。適切には、TGA2950装置は、TAインスツルメンツ(TA Instruments)により供給されるアルメル線試料およびニッケル線の試料を用いて温度を較正する。適切には、通常、長さ3mm、断面径3mmの10〜20mgのアクリル系高分子の円筒形ペレット1つを白金皿上に置き、EGA炉内に入れる。適切には、TGA2950装置は、流速100ml/分の窒素でパージし、流動の10%がバランスチャンバーへ向かい、流動の90%が炉に向かうようにする。適切には、アクリル系高分子を室温から5℃/分の速度で最大600℃に加熱し、経時的に粒子重量を測定する。アクリル系高分子の重量が、アクリル系高分子の温度の上昇に伴って減少することを示すプロットを作成する。室温から135℃の温度範囲でのアクリル系高分子の減量はいずれも、高分子から蒸発する水分を示し、この値は、熱分解温度の測定には考慮されない。熱分解温度は、アクリル系高分子の重量が135℃で測定した高分子の重量を基準として1%以上減少する温度である。
【0012】
したがって、本明細書に開示した熱重量分析方法に従って測定したとき、本発明の組成物のアクリル系高分子の熱分解温度が、通常、アクリル系高分子中に存在し得る少量の水分(約0.3重量%以下の水)により影響を受けないことは、当業者はわかるであろう。
【0013】
適切には、アクリル系高分子の熱分解温度が295℃以下であれば、通常、本発明の組成物の熱安定性は、確実に非改質ポリエステルに匹敵する。
【0014】
アクリル系高分子の熱分解温度は、270℃以上、より適切には272℃以上、好ましくは、273℃以上、好ましくは、275℃以上、より好ましくは278℃以上、好ましくは280℃以上、特に282℃以上が適している。
【0015】
アクリル系高分子の熱分解温度は、295℃以下、好ましくは、294℃以下、好ましくは、293℃以下、より好ましくは292℃以下、特に290℃以下が適している。
【0016】
アクリル系高分子の特に好適な熱分解温度は、285℃以上で、かつ290℃以下、特に286℃以下である。
【0017】
適切には、熱分解温度は、135℃を超える温度であって、本明細書に記載の熱重量測定手順に従ってアクリル系高分子を加熱したときに、135℃で測定したアクリル系高分子の重量を基礎としたアクリル系高分子重量が、2重量%未満、好ましくは1.7重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、好ましくは、1.3重量%未満、好ましくは1.1重量%未満、特に1重量%未満低下するために必要とされる温度である。
【0018】
アクリル系高分子の熱分解温度がアクリル系高分子の熱安定性を表すことは、当業者はわかるであろう。適切には、熱分解温度が高いほど、通常、アクリル系高分子の熱安定性が大きいことを示す。
【0019】
意外にも、特に、ポリエステル類の処理に用いられる280〜310℃のような温度範囲での本発明の組成物の熱安定性は、通常、295℃以上の熱分解温度を有するアクリル系高分子を添加する場合よりも、前述範囲内の熱分解温度を有するアクリル系高分子の添加によって増加する。適切には、例えば、295℃より高い熱分解温度を有するアクリル系高分子は、ポリエステルに添加したとき、特に、通常、280〜310℃の温度範囲で高分子混合物を用いて繊維を製造する場合、例えば、295℃以下、好ましくは上記に規定の範囲内の低い熱分解温度のアクリル系高分子と比較して、高い熱安定性高分子混合物が生成できると期待されるかもしれない。しかし、逆の作用が表れるようである。
【0020】
適切には、所定の時間、特定の温度で加熱したアクリル系高分子の熱分解量もまた、通常、高分子の熱安定性を表す。適切には、特定温度で所定時間にわたって加熱したときの高分子重量の低下が大きいほど、通常、高分子の熱安定性が低いことを表す。
【0021】
適切には、295℃で1時間加熱後の本発明の組成物のアクリル系高分子の重量は、295℃で最初に測定したときのアクリル系高分子の初期重量を基準として10重量%以上、最適には、11重量%以上、好ましくは12重量%以上、より好ましくは15重量%以上減少する。
【0022】
適切には、295℃で1時間加熱後の本発明の組成物のアクリル系高分子の重量は、295℃で最初に測定したときのアクリル系高分子の初期重量を基準として20重量%以下、好ましくは18重量%以下、より好ましくは17重量%以下、最も好適には、16重量%以下減少する。
【0023】
適切には、特定温度で所定時間加熱した高分子の熱分解量は、本明細書に記載のTGA2950装置とEGA炉とを用いた熱重量分析により測定し得る。適切には、TGA2950装置を流速100ml/分の窒素でパージし、流動の10%がバランスチャンバーを向き、流動の90%が炉を向くようにする。適切には、長さ及び断面径が3mmの既知重量(通常、10〜20mg)の高分子の円筒状ペレット1つを白金皿の上に置き、これをEGA炉内に入れる。適切には、高分子は、通常、295℃の温度に50℃/分で加熱する。温度が295℃に達したら、高分子の最初の重量を記録する。295℃での加熱を特定の時間(通常1時間)継続した後、高分子の最終重量を記録する。高分子の最終重量と初期重量との差を高分子の初期重量で割った値を百分率で表したものは、295℃で測定した高分子の初期重量を基礎とした高分子の減少値(例えば、高分子の熱分解量)の重量%となる。
【0024】
上記に述べたように、本発明のアクリル系高分子は、本明細書に記載の熱重量分析方法に従って測定したとき、295℃で1時間加熱時、10重量%以上の減量を示すことがあるが、通常、295℃で1時間加熱後の本発明の組成物の重量は、295℃で最初に測定時の本発明の組成物の初期重量を基準として0.4重量%以下、好ましくは0.35重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、最も好ましくは1.5重量%以下である。
【0025】
意外にも、アクリル系高分子の熱不安定性が増加するにつれて(例えば、295℃のアクリル系高分子の鎖末端不飽和の増加および/または減量の増加と共に)、熱分解による本発明の組成物の重量低下が通常減少することが認められている。
【0026】
適切には、本発明の組成物は、アクリル系高分子を含まない非改質ポリエステルと同等の熱安定性を示す。しかも、特定の紡績速度において本発明の組成物から形成した繊維は、通常、同じ特定紡績速度でポリエステルのみから形成した繊維より高い破壊伸びを示す。適切には、本発明の組成物を用いる紡糸製造工程の総体的効率は、組成物の熱分解が繊維形成工程中に回避または軽減し得るため、増加し得る。
【0027】
適切には、本発明の組成物のアクリル系高分子の鎖末端不飽和(chain end unsaturation)の量は、通常アクリル系高分子の熱安定性を表すことが認められている。特に、ポリエステル類の処理に用いる280〜310℃のような温度範囲でのアクリル系高分子の熱安定性は、鎖末端不飽和度の増加に伴って低下することは当業者に公知となっている[カヒワギ(Kahiwagi)ら、Macromolecules、19、2160−2168(1986)]。
【0028】
意外にも、本発明の組成物の熱安定性は、通常、鎖末端不飽和の多いアクリル系高分子添加剤を添加することにより上昇することが知られている。
【0029】
第二の態様によれば、本発明は、ポリエステルとアクリル系高分子とを含み、そのアクリル系高分子が、鎖末端不飽和を1.0%以上有する組成物を提供する。
【0030】
このような組成物も、本明細書において本発明の組成物とする。
【0031】
通常、鎖末端不飽和は、不均化反応による高分子鎖の連鎖停止から生じ、鎖末端のビニリデン基の存在により代表される。したがって、ポリエステルに添加するとき、熱安定性の高いアクリル系高分子のほうが、熱安定性の低い対応アクリル系高分子と比較して、熱安定性の高い高分子混合物を生成し得ることが期待されるかもしれない。言い換えれば、鎖末端不飽和度が低いアクリル系高分子は、鎖末端不飽和度が高いアクリル系高分子よりも、熱安定性の高い高分子混合物を生成し得ることが期待されるかもしれない。しかし、逆の作用が存在するようである。
【0032】
好ましくは、鎖末端不飽和が1%以上のアクリル系高分子を添加することにより、通常、本発明の組成物の熱安定性が、非改質ポリエステルの熱安定性に確実に匹敵するようになる。より好ましくは、アクリル系高分子は、1.2%以上、最も好ましくは1.5%以上、特に2%以上の鎖末端不飽和を有する。アクリル系高分子は、20%以下、より好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下、より好ましくは9%以下、最も好ましくは6%以下、特に5%以下の鎖末端不飽和を有することが好ましい。
【0033】
アクリル系高分子は無定形が適している。アクリル系高分子は、実質的にポリエステルと非混和性を有することが好ましい。「実質的に非混和性である」との用語には、通常、280〜310℃の紡績温度において、アクリル系高分子がポリエステルと二相の溶融物を形成することが含まれる。言い換えれば、この紡績温度において、ポリエステルは、その中に分散した状態の溶融アクリル系添加剤高分子を有する溶融マトリックスを形成する。このような溶融物を顕微鏡で観察すると、非混和性アクリル系高分子が、連続したポリエステルマトリックス中に分散した小滴または小球体の形状(任意の形状になり得る)で存在する二相系が確認される。通常、小滴/小球体の形状は、球形、円筒形および/または楕円形の形状である。小滴/小球体の形状は、球形および/または楕円形の形状が最も好ましい。適切には、アクリル系添加剤高分子は、ポリエステル高分子と独立して存在している。
【0034】
先に述べたように、本発明の組成物は、溶融組成物を紡績口に通し、得られる繊維を巻き付け器に巻き取ることにより、繊維に形成してもよい。通常、巻き取り器に巻き取る前に紡績口から出てくる自由落下繊維中の添加剤の形状は、小滴か小球体である。本添加剤の小滴/小球体は、自由落下繊維中に棒状の含有物を形成しないことが最も好ましい。しかし、自由落下繊維中の添加剤の形状は、繊維を巻き取り器に巻き取るとき、変化し得る。繊維を巻き取り器に巻き取るとき、添加剤が棒状の含有物を形成し得ることが適している。
【0035】
アクリル系高分子は、液晶高分子を含まないことが好ましい。つまり、本発明の組成物を溶融紡績し得る温度範囲、例えば、270〜310℃において、せん断応力の除去後、異方性溶融した状態に留まることが好ましい。
【0036】
アクリル系高分子は、2重量%未満のスチレン高分子を含むことが好ましい。より好ましくは、アクリル系高分子は、1重量%未満、最も好ましくは0.5重量%未満のスチレン高分子を含む。特に好適なアクリル系高分子は、スチレン高分子を一切含まない。
【0037】
アクリル系高分子は、適切には、アクリレートおよび/またはアルカアクリレートおよび/またはアルキル(alk)アクリレートの単量体を含む単独重合体及び共重合体(その用語は、二種以上の異なる反復単位を有する高分子を含む)を含む。本明細書において、「アルキル(alk)アクリレート(alkyl(alk)acrylate)」との用語は、相当するアクリレートエステルまたはアルカアクリレートエステルのいずれかを指し、これらは、通常、それぞれ該当アクリレートかアルカアクリレートから形成される。言い換えれば、用語「アルキル(alk)アクリレート」は、アルキルアルカアクリレートかアルキルアクリレートを指す。
【0038】
アルキル(alk)アクリレートは、(C−C22)アルキル((C−C10)alk)アクリレートが好ましい。アルキル(alk)アクリレートのC−C22アルキル基例には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、iso−プロピル、ペンチル、ヘキシル、シクロへキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ベヘニルおよびそれらの異性体が含まれる。アルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。好ましくは、(C−C22)アルキル基は、上記に規定したように(C−C)アルキル基をであり、より好ましくは、上記に規定のような(C−C)アルキル基である。アルキル(alk)アクリレートのC1−10alk基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルおよびそれらの異性体が含まれる。alk基は、直鎖または分枝鎖であり得る。好ましくは、(C−C10)alk基は、上記に規定したように(C−C)alk基であり、より好ましくは、上記に規定のように(C−C)alk基である。
【0039】
アルキル(alk)アクリレートは、(C−C)アルキル((C−C)alk)アクリレートが好ましく、(C−C)アルキル(メタ)アクリレートが最も好ましい。用語(C−C)アルキル(メタ)アクリレートは、(C−C)アルキルアクリレートまたは(C−C)アルキルメタアクリレートのいずれかを指すことはわかるであろう。(C−C)アルキル(メタ)アクリレートの例には、メチルメタアクリレート(MMA)、エチルメタアクリレート(EMA)、n−プロピルメタアクリレート(PMA)、イソプロピルメタアクリレート(IPMA)、n−ブチルメタアクリレート(BMA)、イソブチルメタアクリレート(IBMA)、tert−ブチルメタアクリレート(TBMA):メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、n−プロピルアクリレート(PA)、n−ブチルアクリレート(BA)、イソプロピルアクリレート(IPA)、イソブチルアクリル酸(IBA)およびそれらの組み合わせが包含される。
【0040】
アルカアクリル酸単量体は、(C−C10)アルカアクリル酸が好ましい。(C−C10)アルカアクリル酸の例には、メタアクリル酸、エタアクリル酸、n−プロパアクリル酸、iso−プロパアクリル酸、n−ブタアクリル酸、iso−ブタアクリル酸、tert−ブタアクリル酸、ペンタアクリル酸、ヘキサアクリル酸、ヘプタアクリル酸およびそれらの異性体が含まれる。(C−C10)アルカアクリル酸は、(C−C)アルカアクリル酸が好ましく、最も好ましくは、メタアクリル酸である。
【0041】
アクリル系高分子は、アクリル系共重合体が好ましい。アクリル系共重合体は、本明細書で既に規定したようなアルキル(alk)アクリレートおよび/またはアクリル酸および/またはアルカアクリル酸から得た単量体を含むことが好ましい。アクリル系共重合体は、アルキル(alk)アクリレートから得た単量体、つまり、本明細書で既に規定したような共重合可能なアルキルアクリレートとアルキルアルカアクリレート単量体を含むことが最も好ましい。特に好適なアクリル系共重合体には、(C−C)アルキルアクリレート単量体と共重合可能な(C−C)アルキル(C−C)アルカアクリレート共単量体、特に、メチルメタアクリレートと、共重合可能なメチルアクリレートおよび/またはエチルアクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレートの共単量体とから形成された共重合体が含まれる。
【0042】
アクリル系高分子は、アクリル系高分子の全重量を基準として80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に97重量%以上のアクリル系高分子を含むことが好ましい。
【0043】
アクリル系高分子は、アクリル系高分子の全重量を基準として20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に3重量%以下の、本明細書で既に規定したようなアルキル(alk)アクリレートを含むことが好ましい。アルキル(alk)アクリレートは、アルキルアクリレート、特に、本明細書で既に規定の(C−C)アルキルアクリレートが好ましい。アルキル(alk)アクリレートは、エチルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートとそれらの異性体が最も好ましい。
【0044】
アクリル系共重合体は、80〜100重量%のメチルメタアクリレート、0〜20重量%の共重合可能な一種類以上の他のアルキル(alk)アクリレート共単量体、0〜0.5重量%の開始剤および0〜1.0重量%の連鎖移動剤を含む単量体混合物から得た単独重合体または共重合体を含むことが好ましい。
【0045】
アクリル系高分子がアクリル系共重合体、特に、メチルメタアクリレートのアクリル系共重合体の場合、アクリル系高分子は、本明細書で既に規定した単一の共重合可能なアルキルアクリレート、特に、エチルアクリレートまたはブチルアクリレートおよびそれらの異性体を含むことが好ましい。
【0046】
アクリル系共重合体は、本明細書で既に規定のアルキルアクリレート0.1〜20重量%と本明細書で既に規定のアルキルアルカアクリレート、特に、メチルメタアクリレート80〜99重量%とを含むことが好ましい。アクリル系共重合体は、アルキルアクリレート1〜15重量%とアルキルアルカアクリレート85〜99重量%とを含むことがより好ましい。より好ましくは、アクリル系共重合体は、アルキルアクリレート1〜10重量%とアルキルアルカアクリレート90〜99重量%とを含む。特に好適なアクリル系共重合体は、本明細書で既に規定のアルキルアクリレート1〜5重量%とアルキルアルカアクリレート、特に、メチルメタアクリレート95〜99重量%とを含む。
【0047】
適切には、アクリル系高分子が本明細書で既に規定したような一種類以上のアルキルアルカアクリレート、特に、メチルメタアクリレートと本明細書で既に規定の一種類以上の他の共重合可能なアルキルアクリレート共単量体、特に、エチルアクリレートおよび/またはブチルとの単量体混合物から得た共重合体の場合、アクリル系共重合体中のアルキルアルカアクリレートの重量とアルキルアクリレートの重量との比は、4:1以上が適しており、好ましくは5:1以上、好ましくは6:1以上、好ましくは8:1以上、好ましくは10:1以上、より好ましくは15:1以上、より好ましくは19:1以上である。
【0048】
特に好適なアクリレート共重合体は、1.0重量%、1.75重量%、2重量%、3重量%および5重量%の、本明細書で既に規定のアルキルアクリレート、特に、メチルアクリレートおよび/またはエチルアクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレートと、それぞれ99.0重量%、98.25重量%、98重量%、97重量%および95重量%の本明細書で既に規定のアルキルアルカアクリレート、特にメチルメタアクリレートとを含む。
【0049】
アクリル系高分子の重量平均分子量は、50,000以上が好ましく、75,000以上がより好ましく、85,000以上が最も好ましい。アクリル系高分子の重量平均分子量は、300,000未満が好ましく、200,000未満が好ましく、125,000未満がより好ましく、100,000未満が最も好ましい。重量平均分子量が約90,000のアクリル系高分子は、特に好適である。適切には、アクリル系高分子の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーのような当業者にとって公知の技術により測定してもよい。アクリル系高分子は、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley and Sons)刊のKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第16巻、p.506〜537、特にp.525〜727に概略した懸濁重合のような当業者にとって公知の技術により合成してもよい。
【0050】
適切には、懸濁重合方法は、一種類以上の開始剤と一種類以上の連鎖移動剤の存在下、本明細書で既に規定のアクリレート、アルカアクリレートまたはアルキル(alk)アクリレートの一種類以上の単量体の重合を伴う。
【0051】
適切な開始剤は、ペルオキシ、ヒドロペルオキシおよびアゾのようなフリーラジカル開始剤および、例えば、2,2’−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾ−ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾ−ビス(α−メチルブチロニトリル)、過酸化アセチル、過酸化ドデシル、過酸化ベンゾイルなどを含む。アクリル系高分子は、アクリル系高分子の全重量を基準として0.01重量%以上の開始剤を含むことが好ましく、より好ましくは0.02重量%以上、最も好ましくは0.04重量%以上の開始剤を含む。アクリル系高分子は、アクリル系高分子の全重量を基準として0.5重量%未満の開始剤を含むことが好ましく、より好ましくは0.3重量%未満、最も好ましくは0.25重量%未満の開始剤を含む。
【0052】
適切には、連鎖移動剤は、ドデシルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、チオフェノールおよびブタンチオールなどのチオール類が含まれる。アクリル系高分子は、アクリル系高分子の全重量を基準として0.03重量%以上の連鎖移動剤を含むことが好ましく、好ましくは0.05重量%以上、好ましくは0.8重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、最も好ましくは0.15重量%以上の連鎖移動剤を含む。アクリル系高分子は、アクリル系高分子の全重量を基準として1重量%未満の連鎖移動剤を含むことが好ましく、好ましくは、0.9重量%未満、好ましくは0.8重量%未満、好ましくは0.7重量%未満、好ましくは0.6重量%未満、最も好ましくは0.5重量%未満の連鎖移動剤を含む。
【0053】
適切には、本発明のアクリル系高分子を懸濁重合により調製する場合、その重合工程で用いられる開始剤と連鎖移動剤とのモル比は、通常、アクリル系高分子の熱分解温度および/または熱安定性および/または鎖末端不飽和量に影響を及ぼすことが知られている。
【0054】
その重合工程で用いられる開始剤と連鎖移動剤とのモル比は、11:1以下が好ましく、好ましくは8:1以下、好ましくは、7:1以下、より好ましくは6:1以下、より好ましくは5:1以下、最も好ましくは4:1以下である。
【0055】
その重合工程で用いられる連鎖移動剤と開始剤とのモル比は、1:1以上が好ましく、好ましくは1.5:1以上、2:1以上がより好ましい。
【0056】
その重合工程で用いられる連鎖移動剤と開始剤とのモル比の特に好適な範囲は、1:1以上、2.5:1以下である。
【0057】
適切には、アクリル系高分子は、前述のモル比の開始剤と連鎖移動剤とを含有し得る。
【0058】
適切には、本明細書で既に規定したような所望の分解温度、熱安定性、および鎖末端不飽和量の少なくともいずれかを有するアクリル系高分子は、上記に述べたモル比の連鎖移動剤対開始剤を用いる懸濁重合方法で製造することになる。
【0059】
鎖末端不飽和度、カヒワギ(Kahiwagi)ら、Macromolecules、19、2160−2168(1986)に開示された方法により、容易に測定することができる。
【0060】
適切には、ポリエステルは、熱可塑的に処理でき、繊維形成特性を有する。
【0061】
ポリエステルは、主要酸成分として芳香族ジカルボン酸残基を有することが好ましい。主要酸成分は、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸およびナフタレン−1,5−ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、および4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸のようなジフェノキシエタンジカルボン酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチルおよびtert−ブチルのような(C−C)アルキル基により置換してもよい。言い換えれば、メチルテレフタル酸およびメチルイソフタル酸でもよい。ポリエステルは、主要アルコール成分として脂肪族ジオールまたは脂環式ジオールを有することが好ましい。主要アルコール成分は、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメンタノールが好ましい。ポリエステルは、ポリ(C−C)アルキレンテレフタレートまたはポリ(C−C)アルキレンナフタレートが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−シクロヘキサン−ジメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートが含まれる。ポリエステルは、単独重合体または共重合体でもよい。単独重合体が好ましい。しかし、これらのポリエステルとジエチレングリコール、イソフタル酸および/またはアジピン酸のような従来の単量体との高分子もまた、可能である。さらに、二種以上のこれらのポリエステルの混合物を使用してもよい。これらのポリエステル中でポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。
【0062】
ポリエステルの固有粘度は、8%のo−クロロフェノール中25℃で測定した場合、0.4以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上である。ポリエステルの固有粘度は、8%のo−クロロフェノール中25℃で測定した場合、1.1未満であることが好ましい。
【0063】
ポリエステルは、艶消し剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、停止剤および蛍光増白剤、または二種以上のこれらの添加剤の混合物から選択した一種類以上の添加剤を含んでもよい。
【0064】
本明細書で既に規定したアクリル系高分子は、ポリエステルの0.05重量%以上の量をポリエステルに添加することが好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、最も好ましくは0.2重量%以上の量をポリエステルに添加する。アクリル系高分子は、ポリエステルの10重量%以下の量をポリエステルに加えることが好ましく、より好ましくは5重量%以下、最も好ましくは2.5重量%以下の量をポリエステルに添加する。このような低量を添加することにより、工程全体の経費がさらに減少し、それによって達成すべき生産性が著しく向上し得る。
【0065】
本発明の組成物中のアクリル系高分子の量は、本発明の組成物の全重量を基準として0.05重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、最も好ましくは0.2重量%以上である。
【0066】
本発明の組成物中のアクリル系高分子の量は、本発明の組成物の全重量を基準として10重量%以下が好ましく、好ましくは、5重量%以下、より好ましくは2.5重量%以下である。
【0067】
本発明の組成物中のポリエステル量は、本発明の組成物の全重量を基準として90重量%以上が好ましく、95重量%以上が好ましく、97.5重量%以上がより好ましい。
【0068】
本発明の組成物中のポリエステル量は、本発明の組成物の全重量を基準として99.95重量%未満が好ましく、99.9重量%未満がより好ましく、99.8重量%未満が最も好ましい。
【0069】
適切には、本発明の組成物の物理的形態は、高分子単独の形態と実質的に同一であるべきである。本発明の組成物と高分子単独とは、円筒状ペレットであることが好ましく、円筒状ペレットの断面径が、0.1mm以上、3mm以下、長さが3mm以下であることが好ましい。長さ3mm、断面径3mmの円筒状ペレットが特に好ましい。
【0070】
アクリル系高分子は、種々の方法によりポリエステルに混ぜ合わせてもよい。例えば、アクリル系高分子の添加は、ポリエステルを形成する重合工程中に行ってもよい。別法として、アクリル系高分子をポリエステルと調合し、ペレットを形成してもよい。ペレットは、次いで270〜310℃の温度で押し出し、紡糸に紡績してもよい。さらに、アクリル系高分子は、押出成形機のホッパー中でポリエステルと混合してもよく、得られた混合物を270〜310℃の温度で押し出し、紡糸に紡績してもよい。別法として、アクリル系高分子の溶融流をクロスヘッド押出(side extrusion)工程または射出工程によりポリエステルの溶融流に添加してもよい。
【0071】
非溶融アクリル系高分子を押し込み工程(cramming process)によりポリエステルの溶融物流(例えば、約290℃の温度で)に加えるのが最も好ましい。このような溶融物流に非溶融アクリル系高分子を添加することにより、本発明の組成物を製造工程中に容易に制御および変更できるようなる。製造機器の融通性によって、特に、本発明の組成物を変更する必要がある場合に、経費が大幅に節減できると共に、生産性が向上し得る。しかも、この種の添加工程は、高温ポリエステル処理条件にアクリル系高分子が曝露することが最小限に抑え得、より安定な高分子混合物を形成できる。
【0072】
さらに別の態様によれば、本発明は、本明細書に規定のポリエステルを提供する工程と本明細書に規定のアクリル系高分子をポリエステルに添加する工程とを含む本発明の組成物を製造するための工程を提供する。非溶融アクリル系高分子を溶融ポリエステルに添加することが好ましい。
【0073】
さらに別の態様によれば、本発明は、本明細書に規定の本発明の溶融組成物を提供する工程と本発明の溶融組成物から繊維を形成する工程とを含む高分子繊維を製造する工程を提供する。
【0074】
本発明の溶融組成物は、本明細書に規定の非溶融アクリル系高分子を溶融ポリエステルに添加することにより形成することが好ましい。
【0075】
非溶融アクリル系高分子は、紡績ラインの種々の点で添加してもよい。紡績ラインが押出成形機を含まないなら、つまり、溶融ポリエステルをブースターポンプにより紡績口の上流の静止型混合器および/または動力型混合器一式に給送するなら、溶融ポリエステルが静止型および/または動力型混合器に到達する直前の一点で、非溶融アクリル系高分子を溶融ポリエステル流に加えることが好ましい。適切には、この点で添加することによって、高温高分子処理条件にアクリル系高分子が曝露することを最小限にする一方で、アクリル系高分子を溶融高分子と適当に混合できるようになる。
【0076】
非溶融アクリル系高分子をブースターポンプと静止型および/または動力型混合器との間の任意の点で溶融ポリエステル流に添加してもよいことはわかるであろう。別法として、非溶融アクリル系高分子を、ブースターポンプ内またはブースターポンプの上流の一点で、つまり、高分子流がブースターポンプに達する前の一点で溶融ポリエステル流に添加してもよい。
【0077】
紡績ラインに、ブースターポンプと反対に押出成形機が含まれるなら、非溶融アクリル系高分子を押出成形機のスクリュー部分に添加してもよい。別法として、非溶融アクリル系高分子は、押出成形機のすぐ下流、つまり、スクリューの先端または先端の先で添加し、圧力のため溶融ポリエステル流でアクリル系高分子が前方に運ばれるようにしてもよい。別法として、非溶融アクリル系高分子を溶融ポリエステル流が静止型混合器および/または動力型混合器一式に到達する直前の一点で押出成形機の下流に添加してもよい。この点で添加することによって、例えば、270〜310℃の高温処理条件にアクリル系高分子が曝露するのがさらに最小限に押さえられ得る。非溶融アクリル系高分子は、押出成形機のスクリュー部分に添加することが好ましい。ポリエステルが押出成形機内で溶融する押出成形機のスクリュー部分の一点が最も好ましい。この点で添加することによって、通常、アクリル系高分子が適当なせん断力を確実に受け、紡績口から出てくる前に小滴が形成される一方で、高温処理条件、通常270〜310℃にアクリル系高分子添加剤が曝露することが最小限に押さえられ得る。
【0078】
非溶融高分子は、ベェルナー アンド プライデーラー(Werner & Pfleiderer)により供給される二軸スクリュー詰め込み機、ZS−B25型、またはシュテーバー(Stoeber)により供給される二軸スクリュー詰め込み機、R17型のような詰め込み機により溶融ポリエステルに添加することが好ましい。
【0079】
ポリエステル溶融物に非溶融アクリル系高分子を加える上記の添加点の種々の組み合わせが本発明に含まれるのは、当業者はわかるであろう。しかも、非溶融アクリル系高分子の代わりに、溶融アクリル系高分子を完全にまたは部分的に使用してもよい。
【0080】
アクリル系高分子は、押出成形機内で混合することにより、および/または分散マニホルドおよび/またはスピンパック内の静止型および/または動力型混合器を用いることにより、溶融ポリエステル中に均質に分散させ、アクリル系高分子添加剤が分散した溶融ポリエステルマトリックスを形成することが好ましい。適切には、アクリル系高分子の添加点を変えることにより、使用者が溶融ポリエステルと混合するアクリル系高分子の種類および程度を変えられるようにする。適切には、これにより、使用者がアクリル系高分子の流動特性を変えられるようにし、それによって、本発明の組成物が紡績口を通過する前に、本発明の組成物中のアクリル系高分子の粒子サイズ分布を制御できるようにする。
【0081】
高分子マトリックス中の添加剤の最適小滴サイズは、50〜400nmの最大寸法にすべきであると考えられている。
【0082】
本発明の組成物中の添加剤の最大断面寸法は、400nm以下が適しており、300nm以下がより好ましい。本発明の組成物中の添加剤の最大断面寸法は、50nm以上が適しており、75nm以上がより好ましい。本発明の組成物中の添加剤の特に好適な最大断面寸法は、200nmである。
【0083】
適切には、ホッパーに給送される添加剤アクリル系高分子のサイズは、押出成形機の型および/または紡績口から出てくる添加剤サイズよりも大きい。
【0084】
本発明の組成物中の添加剤のサイズ(その断面寸法など)は、当業者にとって公知の方法、例えば、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によって測定してもよい。走査型電子顕微鏡では、本発明の組成物を、通常液体窒素中で凍結した後、破砕し、添加材料を露出させて、そのサイズを電子顕微鏡により測定する。透過型電子顕微鏡では、本発明の組成物を、通常液体窒素中で凍結した後、電子顕微鏡で分析するために破片を薄く削る。
【0085】
高分子繊維の製造は、それ自体公知の紡績装置を用いて高速紡績により行うことが好ましい。500m℃/分以上の紡績速度が好ましく、2000m℃/分以上がより好ましく、最も好ましくは3000m℃/分以上の紡績速度を用いる。紡績速度は、10000m℃/分以下が好ましく、7500m℃/分以下がより好ましく、6000m℃/分以下が最も好ましい。
【0086】
さらに別の態様によれば、本発明は、本明細書に規定のアクリル径高分子を含む繊維を提供する。好適には、本繊維は、さらに、本明細書で既に規定のようなポリエステルを含む。
【0087】
さらに別の態様によれば、本発明は、本明細書に規定のアクリル系高分子の用途または繊維を形成する本発明の組成物の用途を提供する。
【0088】
さらに別の態様によれば、本発明は、本明細書に規定のアクリル系高分子を提供する。
【0089】
さらに別の態様によれば、本発明は、本明細書に規定のアクリル系高分子を形成する方法を提供する。アクリル系高分子は、懸濁重合により形成することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0090】
本発明をさらに、以下の非制限実施例を用いて、添付の図面を参照して説明する。
【0091】
図1に、溶融アクリル系高分子をポリエステルの溶融物流に添加する装置を示す。この装置は、アクリル系高分子を収容するホッパー(1)およびホッパー(1)からアクリル系高分子を押し出す押出成形機(2)を有する。本装置は、さらに、ポリエステル高分子を収容する別のホッパー(3)およびホッパー(3)からポリエステル高分子を押し出す押出成形機(4)を有する。押出成形機(4)は、静止型混合器を含む管状マニホルドシステム(5)に給送する。管状マニホルドシステム(5)は、スピンパックおよび紡績口(6)に流れ込む。紡績口は、直径がそれぞれ約0.3mmの20個以上の孔を通常有するプレートを含む。
【0092】
使用時、ホッパー(1),(3)に、アクリル系高分子およびポリエステル高分子の乾燥主成分チップ(通常、長さ3mm、断面径3mmの円筒状チップ)を各々詰める。押出成形機(2),(4)は、ホッパー(1および2)からアクリル系高分子とポリエステルを押し出し、二種類の高分子の270〜310℃の温度の溶融物流を別個に形成する。溶融アクリル系高分子をポリエステル高分子の溶融物流に添加する。この添加は、ライン20で示すように、押出成形機(4)のスクリュー内、および/またはライン21で示すように、押出成形機のすぐ下流の一点(つまり、スクリューの先端または先端の僅かに先)で、および/またはライン22で示すように、静止型混合器のすぐ上流の一点で行われてもよい。上記の添加点を組み合わせて用いてもよいことはわかるであろう。しかも、溶融アクリル系高分子は、パックおよび紡績口(6)前のマニホルドシステム(5)に沿った任意の点で溶融ポリエステル高分子に添加してもよい。高分子混合物をマニホルドシステム(5)の静止型混合器によって混合した後に、スピンパックおよび紡績口(6)に計量しながら供給する。スピンパックには粉砕金属が充填されており、非常に高いせん断度が生じており、高分子混合物のフィラメント(7)が紡績口から出てくるようにする。フィラメント(7)は、当業者にとって公知の適当な巻き取りステーション(8)に送られ、このステーションは種々の最終仕上段階または包装段階を含み得る。
【0093】
図2に、非溶融アクリル系高分子(通常、長さ3mm、断面径3mmの円筒状チップ、あるいは篩で測定したときの平均粒子サイズが200〜900nmの、懸濁重合により製造したビーズ)をポリエステル高分子の溶融物流に添加する装置を示す。この装置は、ポリエステル高分子を収容するホッパー(11)およびポリエステル高分子の溶融物流を形成する押出成形機(12)を有する。押出成形機(12)の終端には、静止型混合器を備えた管状マニホルドシステム(13)が存在する。管状マニホルドシステム(13)は、図1の装置について上記に記載したようにスピンパックおよび紡績口(14)に流れ込む。本装置は、さらに、アクリル系高分子を収容する別のホッパー(9)および非溶融アクリル系高分子をポリエステル溶融物流に送達する、シュテーバー(Stoeber)により供給されるような詰め込み機(10)を含む。
【0094】
使用時、ホッパー(11)と(9)との各々に、ポリエステル高分子およびアクリル系高分子の乾燥主成分チップを詰める。押出成形機(12)は、ホッパー(11)からのポリエステル高分子を押し出し、溶融流を生成する。詰め込み機(10)は、非溶融アクリル系高分子をポリエステル溶融物流に運ぶ。詰め込み機は、独自の熱源を含まないので、アクリル系高分子を溶融しない。任意に、詰め込み機に、冷却装置を含めてもよい。非溶融アクリル系高分子をライン23で示すように、押出成形機(12)のスクリューに、および/またはライン24で示すように、押出成形機のすぐ下流の一点(つまり、スクリューの先端または先端の僅かに先)で、および/またはライン25で示すように、管状マニホルド(13)の静止型混合器のすぐ上流の一点で添加してもよい。一般に、非溶融アクリル系高分子は、スピンパックおよび紡績口(14)の前の管状マニホルドシステム(13)に沿った任意の点で添加することができる。アクリル系高分子を押出成形機(12)のスクリューに添加する場合、適合するのであれば、添加剤詰め込み機(10)を添加剤射出機と対向する側に配置することが好ましい。前記のように、フィラメント(15)は、適当な巻き取りシステム(16)に送られ、このシステムは種々の最終仕上段階または包装段階を含み得る。
【0095】
図1,2のシステムが、例えば、連続重合工程からポリエステル溶融物を給送するのであれば、この装置の押出成形機(4および12)の少なくとも一つをブースターポンプと置き換えてもよいことは、当業者はわかるであろう。適切には、詰め込み機は、容量式または重量式のフィーダーと置き換えてもよい。
【0096】
以下の実施例では、本発明の工程により形成される高分子繊維が、ポリエステル自体と比較して特定の紡績速度における撚糸の破壊伸びが高いのみならず、非改質ポリエステルと同程度の熱安定性も有することを説明する。これによって、紡績工程の生産性が総体的に向上し得る。
【0097】
以下の実施例において、繊維の破壊伸びを容量5kgの負荷セルを設けたインストロン(Instron)引っ張り試験機を用いて測定した。同試験機は、チャート記録計が記録紙200mmで最大2kgの負荷を与えるように較正した。10の各紡糸試料を試験した。各紡糸の個々の試料を、試験長が200mmの正方形のカードに取り付けた。取り付けた試料は、24時間、65%の相対湿度で状態調整した。チャート記録計は、5mm/秒の速度に設定した。試料を引っ張り試験機のジョーに手で差し込み、確実に把持されるようにする。厚紙の台紙の両端を慎重に切断し、クロスヘッド速度20mm℃/分で試験を完了した。破壊伸び%は、実験的応力−歪み曲線から直接測定した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートを真空下、150℃で8時間乾燥し[アクゾ(Akzo)から入手可能な繊維等級]、次いで単軸スクリュー押出成形機内で溶融した。溶融物を295℃の温度でズルツァー(Sulzer)(スイス、チューリッヒ所在)SMX型静止型混合部材と空パイプ部とを含むマニホルドからギア計量ポンプへ給送した。これは、各々の径が0.35mmの24個のノズルを有する紡績口に給送した。
【0098】
型プレートの孔から出てくる撚糸を従来の冷却管内で空気により冷却した後、防水ピンを用いて束ね、紡績油−水乳液を供給した。
【0099】
糸束をs−型に巻きつける二駆動ゴデットを用いて引き抜き、バルマグ(Barmag)(ドイツ、レムシャイト所在)巻き取りユニット内の紡糸パッケージの空ボビンに巻き取り、120デニールの繊維を製造した。
【0100】
引取速度を2500m℃/分に調整した。このデータを表1に要約する。
【0101】
【表1】
Figure 2004523620
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート(上記の実施例1で用いたような)を真空下、150℃で8時間乾燥し、実施例1におけるように紡績して120デニールの繊維を製造したが、引取速度は3250m℃/分であった。このデータを表2に要約する。
【0102】
【表2】
Figure 2004523620
(実施例3)
(メチルメタアクリレート98.25重量%とエチルアクリレート1.75重量%とを含む本発明のアクリレート共重合体添加剤の懸濁重合による調製)
フラスコ壁体に4つの調節装置を設け、蒸留冷却器にそって通じる軸駆動パドル撹拌器を装備した5Lの丸底フラスコに、リン酸水素二ナトリウム二水和物28g、脱イオン水2000gおよび1%ポリメタアクリル酸ナトリウム100g(NaOHで中和した高分子量ポリメチルアクリル酸塩)の水溶液を入れる。本懸濁液を撹拌しながら40〜50℃に加熱してポリメタアクリル酸ナトリウムを溶解させ、溶液に窒素の気泡を30分間発生させて、酸素を除去する。窒素パージを停止し、次ぎに、メチルメタアクリレート1080g、エチルアクリレート19.25g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)2.50gおよびドデシルメルカプタン3.40gを反応フラスコに入れる。窒素で反応体上を覆う。反応混合物を〜82℃の還流温度に加熱し、反応が進行する間、その温度を維持する。撹拌器速度は、約95℃に温度が上昇し得る発熱反応中には上げる必要があり、水浴が過剰に発泡する場合は水を添加する必要があり得る。発熱が低下し始めると、水浴を加熱処理し、残留単量体濃度を減少させ、90℃で1時間加熱すると、残留している開始剤が全て分解する。反応混合物を冷却した後、反応スラリーを遠心バッグに注ぎ込み、脱水して2Lの脱イオン水で2回洗浄することにより(加えるたびに脱水する)、遠心洗浄する。遠心バッグの孔サイズは、約75μである。ろ過し、洗浄した高分子をトレイ上に広げ、温度75℃の恒温槽で24時間乾燥して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が98,000の上記のアクリレート共重合体を得る。
【0103】
アクリレート共重合体は、メルトフローインデックス(MFI)(ASTM D1238、230℃、3.8kg)が2.3g/10m、粘度が56ccm/g(0.5%クロロホルム溶液として測定)であり、本明細書で既に参照したカヒワギ(Kahiwagi)らの方法を用いて測定したとき、12.03%の鎖末端不飽和を有した。
(実施例4)
実施例3のアクリレート共重合体を、汎用スクリューを備えたクレクストラール(Clextral)によって供給されるBC21同時回転二軸スクリュー押出成形機を用い、230℃、スクリュー速度250rpm、産出量10kg/時間で運転して、ペレットに調合する。このように形成したそれぞれのアクリレート共重合体ペレットを、PETまたはナイロンの処理に適したスクリューを備えたベルナー フライデーラー(Werner Pfleiderer)の2SK30同時回転二軸スクリュー押出成形機を用い、270℃、スクリュー速度275rpm、押出成形機からの産出量15kg/時間で運転して、ポリエチレンテレフタレートペレット(アクゾ(Akzo)から入手可能な繊維等級)と1重量%濃度で調合する。ペレット型で得られた組成物を真空下、150℃で8時間乾燥した後、実施例1の単一軸スクリュー押出成形機および紡績ラインに給送する。この溶融物配合物を実施例1におけるように紡績した。材料を巻上げ速度2500m℃/分で集め、120デニール繊維を製造した。そのデータを表3に要約する。
【0104】
【表3】
Figure 2004523620
この結果から、本発明の組成物から形成した高分子繊は、非改質ポリエステルと比べて撚糸の破壊伸びが高いことが示される。
(実施例5)
実施例3のアクリレート共重合体は、汎用スクリューを備えたクレクストラール(Clextral)によって供給されるBC21同時回転二軸スクリュー押出成形機を用い、230℃、スクリュー速度250rpm、産出量10kg/時間で運転して、ペレットに調合する。このように形成したそれぞれのアクリレート共重合体ペレットをPETまたはナイロンの処理に適したスクリューを備えたベルナー フライデーラー(Werner Pfleiderer)の2SK30同時回転二軸スクリュー押出成形機を用い、270℃、スクリュー速度275rpm、押出成形機からの産出量15kg/時間で運転して、1重量%濃度でポリエチレンテレフタレートペレット(アクゾ(Akzo)から入手可能な繊維等級)と調合する。ペレット型で得られた組成物を真空下、150℃で8時間乾燥した後、実施例1の単一軸スクリュー押出成形機および紡績ラインに給送する。この溶融物配合物を実施例2におけるように紡績した。材料を巻上げ速度3250m℃/分で集め、120デニール繊維を製造した。そのデータを表4に要約する。
【0105】
【表4】
Figure 2004523620
この結果から、本発明の組成物から形成した高分子繊維が非改質ポリエステルと比較して撚糸の破壊伸びが高いことが示される。
(実施例6)
(メチルメタアクリレート99.5重量%とエチルアクリレート0.5重量%とを含む比較用アクリレート共重合体添加剤のバッグ重合による調製)
以下の材料を10Lのガラス製丸底フラスコで蒸留冷却器にそって通じる軸駆動パドル撹拌機を用いて完全に混合した。
メチルメタアクリレート 4923.30g
エチルアクリレート 24.70g
過酸化ラウリル 2.40g
t−ブチルペルオキシアセテート(50%活性) 0.54g
ドデシルメルカプタン 23.09g
蓚酸溶液(7.16重量%水溶液) 0.73g
75重量%ナトリウムジオクチルスルホサクシネートのエタノール/水溶液(AOT75) 0.91g
ジチオ−ビス−ステアリルプロピオネート 4.95g
ステアリルメタアクリレート 19.80g
反応混合物を撹拌し、フラスコを窒素で30分間パージする。重合のために、生成した単量体混合物を壁厚0.8mm未満のナイロン6,6(またはナイロン6)高分子バッグに入れる。バッグは、単量体混合物を収容するために十分な寸法を有し、3cm以下のバッグ厚を得るプラスチックトラッシュバッグと外観が類似している。そのバッグを金属トレイ上に置き、単量体混合物を詰める。トラップされている空気を除去し、バッグを金属クリップで密閉する。トレイとバッグを適切に設計した乾燥器に置き、乾燥器温度を以下の表に詳述するように制御する。
【0106】
【表5】
Figure 2004523620
この特性表は、98%を超える換算レベル(conversion level)を達成し、表面に不規則性または「ホットスポット(hot spot)」がなく、外観が非常に滑らかなバルク高分子を生成した。ナイロンバッグを除去し、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したとき、重量平均分子量が77,000の上記のアクリレート共重合体を得た。
【0107】
このように製造したアクリレート高分子は、メルトフローインデックス(MFI)(ASTM D1238、230℃、3.8kg)が3.4g/10分であり、カヒワギ(Kahiwagi)らの方法によって、鎖末端不飽和が0.39%であると測定された。
(実施例7)
(メチルメタアクリレート98.0重量%とエチルアクリレート2.0重量%とを含む本発明のアクリレート共重合体添加剤の懸濁重合による調製)
フラスコ壁体に4つの調節装置を設け、蒸留冷却器にそって通じる軸駆動パドル撹拌機を装備した5Lの丸底フラスコに、リン酸水素二ナトリウム二水和物28g、脱イオン水2000gおよび1%ポリメタアクリル酸ナトリウム100g(NaOHで中和した高分子量ポリメチルアクリル酸塩)水溶液を入れる。本懸濁液を撹拌しながら40〜50℃に加熱して、ポリメタアクリル酸ナトリウムを溶解し、溶液に窒素の気泡を30分間発生させて、酸素を除去する。窒素パージを停止し、次ぎに、メチルメタアクリレート1080g、エチルアクリレート22g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)0.6gおよびドデシルメルカプタン3.60gを反応フラスコに入れる。窒素で反応体を覆う。反応混合物を〜82℃の還流温度に加熱し、反応が進行する間、その温度を維持する。撹拌機速度は、約95℃に温度が上昇し得る発熱反応中には上げる必要があり、バッチが過剰に発泡する場合は水を添加する必要があり得る。発熱が低下し始めると、水浴を加熱処理し、残留単量体レベルを減らし、90℃で1時間加熱すると、残留している開始剤が全ての分解する。反応混合物を冷却した後、反応スラリーを遠心バッグに注ぎ、脱水して2Lの脱イオン水で2回洗浄することにより(加えるたびに脱水する)、遠心洗浄する。遠心バッグの孔サイズは、約75μである。ろ過し、洗浄した高分子をトレイ上に広げ、75℃の恒温槽内で24時間乾燥して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が95,000の上記のアクリレート共重合体を得る。
【0108】
このように製造したアクリレート高分子は、メルトフローインデックス(MFI)(ASTM D1238、230℃、3.8kg)が3.0g/10分であり、カヒワギ(Kahiwagi)らの方法によって鎖末端不飽和が1.18%であると測定された。
(実施例8)
(分解温度および295℃での高分子の減量を測定する一般的な手順)
本高分子の分解温度および減量を、TAインスツルメンツ(Instruments)から入手可能なTGA2950装置を用いて熱重量分析により測定する。TGA2950装置は、完全密閉式加熱体の利点を有するガス発生分析(EGA)炉を備えている。TGA290装置は、試料と隣接する試料チャンバー内に熱電対を備えているという利点を有する。結果として、測定温度は、炉温度値よりむしろ試料の真の温度を表す。流速100ml/分の窒素ガスで装置をパージし、バランスチャンバーへの流動が10%、炉への流動が90%になるようにする。EGA炉からの移動ラインは、抜き取りフードへ通じる。
【0109】
装置は、TAインスツルメンツ(Instruments)により供給されるアルメル線(PIN 952398.901)およびニッケル線(PIN 952385.901)の試料を用いて較正する。得られた値は、アルメル線で154.16℃、ニッケル線で368.23℃であった。これらの結果は、TAインスツルメンツ(Instruments)較正文献中の様々な材料について示した標準温度にと共に、本装置の温度較正メニューのそれぞれ点1と点2として入力する。装置は、TGA1000℃モードに設定し、データ採取間隔を2秒/点に設定する。
【0110】
高分子試料を入れる容量100μlの白金皿を全ての測定に用いる。この皿は、使用前に、最低5秒間、赤熱するまで、または可燃性物質全てが除去されるまでガスバーナーを用いて加熱することによって洗浄する。洗浄した皿は、使用前に装置テア(Tare)関数を用いて常にベースラインを測定し、確実に高分子試料の重量だけが記録されるようにする。
アクリル系高分子の分解温度
長さ約3mm、断面径約3mmの円筒形の形状をしたアクリル系高分子のペレット1個(重量は、約10〜20mg)を清潔な白金皿上に置き、EGA炉に入れる。
【0111】
アクリル系高分子を5℃/分の速度で最大温度600℃に加熱する。装置は、時間の関数としてアクリル系高分子の重量を記録する。重量対温度プロットの分析により、室温から135℃に試料を加熱したときの重量損失量に応じた、試料中に存在する水分量を得ることができる。135℃を超え、アクリル系高分子がさらにその重量を1%損失する温度は、高分子の熱分解温度Td(1%)に相当する。言い換えれば、135℃を超え、135℃で測定したアクリル系高分子の重量が熱分解によって1重量%以上減少するように、アクリル系高分子を加熱するために必要な温度である。
(295℃での高分子の減量)
長さ約3mm、断面径約3mmの円筒形の形状をした高分子材料のペレット1個(重量は約10〜25mg)を真空下、150℃で8時間乾燥後、清潔な白金皿上に置き、EGA炉に入れる。
【0112】
乾燥ペレットを窒素雰囲気下、50℃/分の速度で周囲温度から150℃の温度に加熱する。温度は、150℃で1時間維持し、全水分がペレットから確実に除去されるようにする。次ぎに、ペレットを窒素下、50℃/分の速度で295℃の温度に加熱する。295℃に達すると同時に、ペレットの重量(初期重量)を記録し、1時間、加熱し続ける。1時間後、ペレットの重量(最終重量)を記録する。
【0113】
ペレットの最終と初期重量の差をペレットの初期重量で割り、百分率で表し、295℃で測定した高分子の初期重量を基礎とした高分子の減少値を重量%で提供する。
(実施例9)
(295℃でのポリエチレンテレフタレートの減量)
長さが約3mm、断面径が約3mmの円筒形ペレットのポリエチレンテレフタレート(アクゾ(Akzo)から入手可能な繊維等級)(10〜25mg)の減量を上記の実施例8に記載の方法に従って、295℃で1時間測定した。
【0114】
ポリエチレンテレフタレートを295℃の温度に1時間曝露後、本材料は、初期重量の0.28%を損失した。
(実施例10)
種々のアクリル系高分子(ビーズの重量は、10〜25mg)の、295℃における1時間にわたる減量と分解温度を実施例8の手順に従って測定した。その結果を以下の表6に示す。この表中の資料は下記のとおりである。
試料A−アクリレート単独重合体Delpet 80N。アサヒ(Asahi)により供給されるポリメチルメタアクリレートであり、比較目的で評価する。
試料B−アクリレート共重合体Degalan G8E。デグサ(Degussa)により供給され、比較目的で評価する。
試料C−実施例6において調製したメチルメタアクリレート99.5重量%とエチルアクリレート0.5重量%とを含む比較用アクリレート共重合体添加剤である。
試料D−実施例7において調製したメチルメタアクリレート98.0重量%とエチルアクリレート2.0重量%とを含むアクリレート共重合体添加剤である。
試料E−実施例3において調製したメチルメタアクリレート98.25重量%とエチルアクリレート1.75重量%を含むアクリレート共重合体添加剤である。
【0115】
本材料は、一定範囲の鎖末端不飽和を示すように選択したが、PET処理条件下において、固有の類似粘度を有する。鎖末端不飽和は、以下のカヒワギ(Kahiwagi)らにより開発された方法を用いて窒素雰囲気下で評価した。
【0116】
【表6】
Figure 2004523620
本結果によって、本発明のアクリル系高分子が、比較用アクリル系高分子と比較して低い熱分解温度、および高い鎖末端不飽和を有し、295℃、1時間で大きな減量を示すことがわかる。
(実施例11)
上記の実施例8の方法を用いて、以下の組成物(ビーズ重量は約10〜25mg)の295℃で1時間にわたる減量を評価した。
試料 − 組成物
試料F−ポリエチレンテレフタレート99重量%:メチルメタアクリレー99.5重量%トとエチルアクリレート0.5重量%とを含む実施例6の比較用アクリレート共重合体1重量%。
試料G−ポリエチレンテレフタレート99重量%:メチルメタアクリレート98.0重量%とエチルアクリレート2.0重量%とを含む実施例7のアクリレート共重合体1重量%。
試料H−ポリエチレンテレフタレート99重量%:メチルメタアクリレート98.25重量%とエチルアクリレート1.75重量%とを含む実施例3のアクリレート共重合体1重量%。
【0117】
各組成物は、汎用スクリューを設けたクレクストラール(Clextral)によるBC21同時回転二軸スクリュー押出成形機を用い、230℃、スクリュー速度250rpmおよび産出量10kg/時間で運転して、それぞれのアクリレート共重合体をペレットに調合することにより製造する。このように形成したそれぞれのアクリレート共重合体ペレットは、PETまたはナイロン処理に適したスクリューを設けたベルナー フライデーラー(Werner Pfleiderer)による2SK30同時回転二軸スクリュー押出成形機を用い、270℃、スクリュー速度275rpmおよび押出成形機からの産出量15kg/時間で運転して、1重量%濃度でポリエチレンテレフタレートペレット(アクゾ(Akzo)から入手可能な繊維等級)と調合する。
【0118】
得られた結果を表7に示す。
【0119】
【表7】
Figure 2004523620
本結果から、高い鎖末端不飽和を有し、熱安定性が低いアクリレート共重合体を用いるほど、熱安定性の高いポリエチレンテレフタレート(PET)/アクリレート共重合体配合物が形成されることがわかる。
【0120】
読者の注意は、本出願に関連して、本明細書と同時か、又はその前に提出された文献及び文書に喚起される。公衆の検証のために本明細書と共に開示されており、これらの全ての文献および文書の内容を参照によりここに援用する。
【0121】
本明細書に開示した特徴の全て(特許請求の範囲、要約書および図面のいずれも含め)および/またはそのように開示された任意の方法または工程の全段階は、このような特徴および/または段階の少なくとも幾つかの相容れない組み合わせを除けば、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。
【0122】
本明細書に開示した各特徴(特許請求の範囲、要約書および図面のいずれも含め)は、特に明記しない限り、同一、同等または類似の目的に沿った別の特徴と置き換えられ得る。したがって、特に明記しない限り、開示した各特徴は、一連の同等または類似の全特徴の一実施例にすぎない。
【0123】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約書および図面のいずれも含め)に開示した任意の新規な一つの特徴または任意の新規の特徴の組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法か工程の任意の新規な一つの段階または任意の新規の段階の組み合わせにわたる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】溶融アクリル系高分子をポリエステルの溶融物流に混ぜ込むことにより高分子繊維を製造する紡績ラインを示す工程系統図。
【図2】非溶融アクリル系高分子をポリエステルの溶融物流に混ぜ込むことにより高分子繊維を製造する紡績ラインを示す工程系統図。

Claims (29)

  1. ポリエステルとアクリル系高分子とを含み、前記アクリル系高分子の熱分解温度が295℃以下である組成物。
  2. 前記アクリル系高分子は1.0%以上の鎖末端不飽和を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. ポリエステルとアクリル系高分子とを含み、前記アクリル系高分子は1.0%以上の鎖末端不飽和を有する、組成物。
  4. 前記アクリル系高分子の熱分解温度が270℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 295℃で1時間加熱後の前記アクリル系高分子の重量が、295℃で最初に測定した前記アクリル系高分子の初期重量を基準として10重量%以上減少する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 295℃で1時間加熱後の前記組成物の重量が、295℃で最初に測定した前記組成物の初期重量を基準として0.4重量%以下減少する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記アクリル系高分子は20%以下の鎖末端不飽和を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記アクリル系高分子は80〜100重量%のメチルメタアクリレート、0〜20重量%の一種類以上の他の共重合可能なアルキル(alk)アクリレート共単量体、0〜0.5重量%の開始剤および0〜1.0重量%の連鎖移動剤を含む単量体から得られた単独重合体または共重合体を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記アクリル系高分子は85重量%以上のメチルメタアクリレートを含む単量体混合物から得られる、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記アクリル系高分子は共重合可能なアルキル(alk)アクリレート単量体を含む単量体混合物から得られる、請求項9または10に記載の組成物。
  12. 前記共重合可能なアルキル(alk)アクリレート共単量体はアルキルアクリレートである、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記アクリル系高分子は0.05〜0.25重量%の開始剤を含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記アクリル系高分子は0.05〜0.5重量%の連鎖移動剤を含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記アクリル系高分子はアクリル系共重合体である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 0.05重量%以上の前記アクリル系高分子を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記アクリル系高分子の重量平均分子量が50,000より大きくかつ200,000未満である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記組成物は溶融している、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. ポリエステルを提供するステップと前記ポリエステルに請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクリル系高分子を添加するステップとを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物を製造する工程。
  20. 非溶融のアクリル系高分子を溶融したポリエステルに添加する、請求項19に記載の工程。
  21. 請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクリル系高分子。
  22. 溶融した請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物を提供するステップと前記溶融組成物から繊維を製造するステップとを含む、高分子繊維の製造工程。
  23. 前記溶融組成物は、ポリエステルの溶融物を形成し、前記ポリエステルに非溶融のアクリル系高分子を添加することによって製造される、請求項22に記載の工程。
  24. 前記ポリエステル溶融物を混合器に給送し、前記溶融組成物を形成するために前記混合器の上流の一点で前記ポリエステル溶融物に前記非溶融アクリル系高分子が添加されて、前記溶融組成物を混合後、前記溶融組成物から繊維を製造する、請求項23に記載の工程。
  25. 前記ポリエステルを押し出すことによって前記ポリエステル溶融物を形成し、押出成形機内、および前記押出成形機の下流でかつ前記混合器の上流の一点の少なくともいずれかにおいて前記ポリエステル溶融物に前記非溶融アクリル系高分子が添加される、請求項24に記載の工程。
  26. 前記ポリエステルを押し出すことによって前記ポリエステル溶融物を形成し、押出成形機内、および前記押出成形機の下流の一点の少なくともいずれかにおいて前記ポリエステル溶融物に前記非溶融アクリル系高分子が添加される、請求項23に記載の工程。
  27. 繊維形成を目的とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクリル系高分子の用途。
  28. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物を含む繊維。
  29. 繊維形成を目的とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物の用途。
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