JP2004520765A - 情報信号への補助データの埋め込み - Google Patents
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Abstract
グレースケールの画像又は音声の信号のような情報信号は、PCM信号のサンプルのシーケンスとして表現される。前記信号の最下位ビットに補助データを埋め込むために、前記信号は僅かに歪められる。与えられた特定の歪みレベルDに対して最大の埋め込みレートRを与える、所謂「レート歪み関数」(20)がある。LSB置換のような先行技術の埋め込み方式(21、22)の効率は改善されることができるように思われる。本発明はかような埋め込み方式を開示する(23、24)。本発明によれば、前記信号はL個(L>1)の信号サンプル(x)のグループに分割される。信号サンプルの各グループに対して、前記信号サンプルの最下位部(x mod n)のベクトルが生成される。n=2に対しては、前記ベクトルは各前記信号サンプルの最下位ビットを有する。前記ベクトルの(エラー検出及び訂正の分野において定義されるものとしての)シンドロームは埋め込まれたデータを表現する。前記グループの1つだけの(又は数個の、いずれにしてもLより小さい数の)信号サンプルが、前記ベクトルが所望のシンドローム値をとることを達成するために変更される必要がある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報信号に補助データを埋め込む方法及び装置に関する。本発明は前記補助データを検出する方法及び装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】
PCM符号化情報信号への補助データの埋め込みの既知の方法は、脆い電子透かし(fragile watermarking)とも呼ばれるが、欧州特許第EP−B0205200号において開示されている。この先行技術の方法においては、n個毎の信号サンプルの最下位ビットが、補助データビットに置換される。この埋め込み方式の改善された変形は、欧州特許出願第EP−A0359325号において開示されている。ここでは、実際の補助データビットだけでなく、同一のPCMサンプルの1つ以上の他のビットにも依存して、PCMサンプルの最下位ビットが変更される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、PCM信号への補助データの埋め込みの方法を更に改善することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本目的は請求項1に定義された方法によって達成される。本方法はレート歪み比(rate−distortion ratio)の改善をもたらす。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、補助データ埋め込み及びデコードシステム10の概略的な模式図を示す。分離したメモリレス(memoryless)な送信源11は、記号(symbol)x1...xNのホストシーケンス(host sequence)xを発する。エンコーダ12は、埋め込み部とも呼ばれるが、1/Mの確率で記号0...Mのメッセージwを受信する。前記埋め込み部は前記シーケンスx1...xNを、x及びwの関数として記号y1...y2の混成シーケンスに変更する。前記混成シーケンスyは送信先13に供給され、埋め込まれた前記メッセージを確実に復元することが要求されるデコーダ14によっても観測される。
【0006】
最初の段落において述べた先行技術の埋め込み方法においては、PCMサンプルの最下位ビットが埋め込まれるべきデータビットと既に等しいため、ホスト信号の記号の半分が変更されない。前記記号の残りの半分は、前記ビットを埋め込まれるべき前記データビットに等しくするために、前記最下位ビットを反転させることにより変更される。変更された記号はかくして、前記ホストのPCMサンプルから+1又は−1だけ異なる。このことは以下の表1にまとめられる。
【0007】
【表1】
ホスト記号の変更は歪みを引き起こす。(音声サンプル、画像ピクセルのような)PCM符号化情報信号に関しては、「二乗誤差(squared error)」がしばしば利用される。これは以下のように定義される:
【数1】
前記先行技術の埋め込み方式の平均の歪みは:
【数2】
となる。前記先行技術の埋め込み方式の埋め込みレート(embedding rate)はR=1bit/symbolであり、レート歪み比はそれ故、R/D=2である。
【0008】
前記先行技術の埋め込み方法は、最下位ビット置換の一種であり、ここでは前記メッセージが、前記信号記号のR個の最下位ビット中に埋め込まれる(Rは正の整数)。以下の表2aは、R=2に対する前記最下位ビット置換の方式を示す。
【0009】
【表2a】
この場合、平均の歪みは:
【数3】
であり、レート歪み比はR/D=0.8である。
【0010】
表2aのR=2の埋め込み方式においては、ホスト記号の2つの最下位ビットが、2ビットのメッセージwによって置換されることに留意されたい。前記表が示すように、このことは記号毎にD=32の歪みをもたらす。明らかに、サンプルに3を足すのではなく、1を減じるほうが望ましい。R=2に対するこの戦略は以下の表2bにまとめられる。
【0011】
【表2b】
この場合、歪みは:
【数4】
となり、レート歪み比はR/D=1.33となる。これは表2aにおいて示された方式の比R/D=0.8よりも相当に良い。
【0012】
当発明者は、より良いレート歪み比を持つ埋め込み方式が存在する筈であることを示す、理論的に実現可能なレート歪み曲線を見出した。この「境界」曲線は図2において参照番号20により示される。表1及び表2bに対応する2つの(R,D)ペア、(1,0.5)及び(2,1.5)は、本図においてそれぞれ参照番号21及び22により示される。認識されるように、前記レート歪み比の改善の余地がある。例えば、歪みD≒0.2は理論的にR=1(R/D≒5)に対して実現されることができ、歪みD≒0.9は理論的にR=2(R/D≒2)に対して実現されることができる。大きな埋め込みレートRを小さな歪みDと組み合わせる、即ち大きなレート歪み比R/Dの埋め込み戦略を見出すことに関心がある。
【0013】
「符号化された」LSB変調
本発明の第1の態様によれば、前記メッセージの記号は、L個のホスト記号のグループの各々の最下位ビットにより形成されるベクトルのシンドローム(syndrome)によって表現される。該ベクトルはここではLSBベクトルとも呼ばれる。「シンドローム」という表現は、エラー訂正の分野においては良く知られた概念である。エラー訂正の方式において、受信されたデータワード(data word)(入力ベクトル)は、自身のシンドロームを得るために処理される。通常(必要というわけではないが)、前記処理は与えられたマトリックスによる前記データワードの乗算を含む。前記シンドロームが0である場合、前記データワードの全てのビットが正しい。前記シンドロームが0でない場合、その0でない値は誤ったビットの位置を表す。ハミング符号は3のハミング距離を持ち、従って訂正されるべき1つの誤ったビットを許容する。ゴレイ(Golay)符号のような他の符号は、訂正されるべき複数のデータワードを許容する。
【0014】
数学的な意味で、本発明によるデータ埋め込み方法は、エラー訂正に類似している。多数のデータビットをL個のホスト記号のグループ中に埋め込むために、エンコーダ(図1の参照番号12)は前記グループの1つ以上のホスト記号を変更する。数学的に、ハミングの意味でx1・・・xLに最も近い出力ベクトルy1・・・yLが算出される。デコーダ(図1の参照番号14)は単に、受信された前記LSBベクトルの前記シンドロームを決定する必要がある。前記シンドロームは埋め込まれた補助データを表す。
【0015】
以下の例においては、(7,4,3)のハミング符号が、ホスト記号の最下位ビットにデータを埋め込むために利用される。エラー訂正の分野においては、(7,4,3)のハミング符号は、7−4=3個のパリティビットを利用して、7ビッドのデータワードの中の訂正されるべき1つのビットを許容する(ハミング距離は3である)。これと同様に、本埋め込みの実施例は、ホスト記号において埋め込まれるべき3個のメッセージビットを許容する。前記シンドロームを算出するために、7個のホスト記号の最下位ビットは以下の3×7行列によって乗算される(全ての数学的演算はモジュロ2の演算である):
【数5】
この行列の列は000以外の全てのとりうる組み合わせを含む。
【0016】
7個のホスト記号が最下位ビット0、0、1、1、0、1、0を持つ場合、即ち入力LSBベクトルが(0011010)である場合を仮定する。上述の行列を利用したこのベクトルのモジュロ2の乗算は以下の結果となる:
【数6】
この乗算の出力(001)は、前記入力ベクトル(0011010)の前記シンドロームである。埋め込まれた前記メッセージ記号を表すものは、このシンドロームである。
【0017】
明らかに、元のホスト記号により表される前記シンドロームは、一般に埋め込まれるべき前記メッセージ記号ではない。前記ホスト記号の1つだけの最下位ビットはそれ故変更される必要がある。このことは、以下のステップにより達成される。
・元のLSBベクトルとのシンドロームと、埋め込まれるべき前記メッセージとの差を算出する。例えば、埋め込まれるべき前記メッセージが(010)である場合、モジュロ2の差は(010)−(001)=(011)である。
・前記行列における前記差の列位置dを決定する。本例では、差(011)は前記行列の第3列(d=3)に見出される。
・d個目のホスト記号の最下位ビットを変更する。
【0018】
本例においては3個目のホスト記号の最下位ビットがかように変更され、変更されたベクトル(0001010)に帰着する。前記デコーダにおいて、このベクトルはシンドローム決定を受けさせられる。結果は、
【数7】
となり、実際に前記メッセージ記号(010)を表す。
【0019】
7個の記号毎の歪みは
【数8】
であり(前記ホスト記号の1つも変化されない確率1/8、及び1つの記号が±1だけ変化される確率7/8)、記号毎の平均歪みはD=1/8となる。埋め込みレートは7個の記号毎に3ビット、即ちR=3/7である。対応する(R,D)ペアは図2において参照番号23で表される記号「+」として示される。前記レート歪み比はR/D≒3.4である。
【0020】
より一般的に、ハミング符号に基づく埋め込みは、mビットのメッセージ記号の2m−1個のホスト記号への埋め込みを可能とし、このとき埋め込みレートは、
【数9】
であり、歪みは
【数10】
である。m=2、3、4及び5に対応する(R,D)ペアは図2における記号「+」として示される。前記レート歪み比は
【数11】
となり、大きなmに対しては略mに等しくなる。m=10に対しては、この比は低ビット変調(low−bit modulation)よりもおおよそ5倍だけ大きい。この著しい改善は、埋め込み及びデコードハードウェア又はソフトウェアの適度の複雑さによって達成される。
【0021】
2進のハミング符号の代わりに、ゴレイ符号が利用されることができる。1つの2進のゴレイ符号、即ち(23,12,7)ゴレイ符号がある。エラー訂正符号の分野においては、前記ゴレイ符号は、12個の情報ビットと23−12=11個の保護ビットを持つ23ビットのデータワードにおける3個の誤ったビットを検出し訂正することができる(ハミング距離7)。これと同様に、(23,12,7)ゴレイ符号は、最大で3個の記号を変更することにより、23個のホスト記号に11個のデータビットを埋め込むことができる。前記ゴレイ符号の適用は以下を導く。
【数12】
及び
【数13】
対応する(R,D)ペアは図2の参照番号24で表される「◇」によって示される。前記レート歪み比はR/D≒3.85であり、LSB変調によって達成されることができるものよりも、殆ど2倍良い値である。
【0022】
3進( ternary )埋め込み法
本発明の第2の態様によれば、前記メッセージ記号は、ホスト記号の所謂「クラス」によって表される。w=0、1、2に対してx mod 3=wである場合は、記号xは「クラスw」に属すると言う。言い換えると:
PCM値0、3、6、・・・(クラス0)はメッセージ記号w=0を表し、
PCM値1、4、7、・・・(クラス1)はメッセージ記号w=1を表し、
PCM値2、5、8、・・・(クラス2)はメッセージ記号w=2を表す。
【0023】
データ埋め込み部12(図1を見よ)はここで、変更された記号yiがクラスwとなるように入力記号xiを変更する。これは「低トリット変調(low−trit modulation)」とも呼ばれる。以下の表3はホスト記号xi=9、10及び11に対するこの埋め込み方式を示す。
【0024】
【表3】
埋め込みレートはR=log23≒1.585となり、平均歪み率はD=1/9・6=2/3である。対応する(R,D)ペアは図3において参照番号30により表される記号「◇」として示される(参照を容易にするため、図2に示される境界20及び(R,D)ペア21及び22も本図に示されている)。レート歪み比はR/D≒2.378となり、非常に良い値である。
【0025】
各ホスト記号が埋め込まれたデータを持つ、3進埋め込みの上述した形式は、「符号化されない(uncoded)」3進変調と呼ばれる。しかしながらまた、「符号化された」LSB変調に関して前述したものと同様の方法により、即ちホスト記号のグループに3進記号を埋め込むことにより、「符号化された(coded)」3進変調を実行することが可能である。またこのことは、(3進の)ハミング符号又は(3進の)ゴレイ符号を利用することによっても可能である。
【0026】
m=2のパリティチェックによる3進のハミング符号を利用した埋め込み操作を以下により詳細に示す。2進のハミング符号について上述した原理に従って、3m−1=8個の列(00以外の全ての組み合わせ)を持つ行列が予想されるであろう。しかしながら、他の列の倍数となる列は、前記行列に含まれる必要はない。従って、列の数は(3m−1)/2=4となる。これはベクトルを形成するホスト記号の数でもある。前記行列は、
【数14】
となる。該3進ハミング符号は、それぞれクラス1、2、0及び1を持つ4個のホスト記号のグループに収容されるべき2個の2進メッセージ記号を許容する。ホストベクトル(1,2,0,1)のシンドロームは(ここで全ての数学的演算はモジュロ3であることに留意されたい):
【数15】
となる。このホスト記号のグループに2個の2進記号(1,2)を埋め込む。前記差は(1,2)−(0,0)=(1,2)となる。前記差は前記行列の第4列に見出されることができる。従って、4個目のホスト記号が変更される。前記差が前記行列において見出された場合、関連するホスト記号は、元のPCM値に1を加算することによって変更される。ホスト記号のグループはかくして(1,2,0,2)に変更される。前記デコーダにおいて、前記ベクトルはシンドローム決定を受けさせられる。結果は、
【数16】
となり、実際に前記メッセージ記号(1,2)を表す。
【0027】
ホスト記号のグループに2進の記号(2,2)を埋め込む場合は、前記差は(2,2)−(0,0)=(2,2)となる。(2,2)は(1,1)の倍数であるから、前記行列中にはこの値を持つ列はない。この値(1,1)は前記行列の第3列に見出されることができる。従って、3個目の記号が変更されるが、ここでは前記変更は、対応するPCM値に1を加算するのではなく2を加算する(又は1を減算する)ことを含む。前記ホスト記号のグループはかくして(1,2,2,1)に変更される。前記デコーダにおいて、前記ベクトルはシンドローム決定を受けさせられる。結果は、
【数17】
となり、実際に前記メッセージ記号(2,2)を表す。
【0028】
一般に、ハミング符号が与えられた数m個のパリティチェック記号によって利用される場合には、符号のワード長は(3m−1)/2である。それ故:
【数18】
【数19】
及び
【数20】
である。2つの(R,D)ペアは図3において記号「□」で示され、参照番号31(m=2)及び32(m=3)によって表される。
【0029】
また、ハミング符号の代わりにゴレイ符号が利用されることができる。ただ1つのゴレイ符号、即ち(11,6,5)ゴレイ符号がある。この符号は、最大2個の記号を変更することにより、11個のホスト記号に11−6=5個の3進記号を埋め込むことができる。前記ゴレイ符号の適用は以下を導く:
【数21】
【数22】
及び
【数23】
対応する(R,D)ペアは図3において参照番号33で表される記号「+」により示される。
【0030】
3進埋め込み(クラス=x mod 3)は、より一般的なn進埋め込み(クラス=x mod n)の特別な場合であることに留意されたい。上述したLSB埋め込みもこの特別な場合、即ちn=2の場合である。本発明はいずれの整数nに対しても適用する。
【0031】
2次元符号
本発明の第3の態様によれば、前記メッセージ記号はホスト記号のペアに埋め込まれる。これは上述した埋め込み方法の2次元の変形である。この符号化モードにおいては、記号のペア(xa,xb)の2次元記号空間が、5色に「彩色」される。格子上の各点は記号のペアを表し、隣接する点と異なる色を持つ。色は0〜4に番号づけられ、各色はメッセージ記号w∈{0,1,2,3,4}を表す。以下の表4は、2次元格子(の一部)を示す。
【0032】
【表4】
前記デコーダは受信された記号のペア(ya,yb)の色を見る。前記エンコーダは、(xa,xb)が埋め込まれるべき色wを持つか否かをチェックする。否である場合は変更されたペアが色wを持つように、記号のペア(xa,xb)を変更する。例えば、メッセージw=4が色3を持つホスト記号のペア(xa,xb)=(76,79)に埋め込まれるべきである場合、前記埋め込み部は前記記号を色4を持つペア、即ちペア(ya,yb)=(75,78)に変更する。この埋め込み方式のパラメータは以下のようになる:
【数24】
【数25】
及び、
【数26】
対応する(R,D)ペアは図4において参照番号40で表される記号「◇」として示される(便宜上、境界20及びLSB変調パラメータ21及び22も本図に示される)。
【0033】
前記2次元埋め込み方式はより多くの次元に拡張されることができることは理解されよう。例えば3次元格子においては、各点は同一の層の4つの隣接する点に移動されることができるだけでなく、上下にも移動されることができる。7つの色、即ち7個のメッセージ記号がこの方式において利用可能である。
【0034】
上述したLSB変調及び3進変調方法のように、5進ハミング又はゴレイ符号によって前記2次元の方法も「符号化」されることができる。与えられた数m個のパリティチェックに対して、符号長が(5m−1)/4個の5進記号が得られる。この符号化方式は(5m−1)/2個の記号を処理する。このパラメータは以下のようになる:
【数27】
及び
【数28】
かような(R,D)ペアの2つは図4において記号「□」により示され、参照記号41(m=2)及び42(m=3)によって示される。
【0035】
本発明は以下のように要約されることができる。グレースケールの画像又は音声の信号のような情報信号は、PCM信号のサンプルのシーケンスとして表現される。該信号に補助データを埋め込むために、該信号は僅かに歪められる。与えられた特定の歪みレベルDに対して最大の埋め込みレートRを与える、所謂「レート歪み関数」(20)がある。LSB置換のような先行技術の埋め込み方式(21、22)の効率は改善されることができるように思われる。本発明はかような埋め込み方式を開示する(23、24)。本発明によれば、前記信号はL個(L>1)の信号サンプル(x)のグループに分割される。信号サンプルの各グループに対して、前記信号サンプルの最下位部(x mod n)のベクトルが生成される。n=2に対しては、前記ベクトルは各前記信号サンプルの最下位ビットを有する。前記ベクトルの(エラー検出及び訂正の分野において定義されるものとしての)シンドロームは埋め込まれたデータを表現する。前記グループの1つだけの(又は数個の、いずれにしてもLより小さい数の)信号サンプルが、前記ベクトルが所望のシンドローム値をとることを達成するために変更される必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】補助データ埋め込み及びデコードシステムの概略的な模式図を示す。
【図2】本発明による埋め込み方法の実施例の動作を示すグラフを示す。
【図3】本発明による埋め込み方法の実施例の動作を示すグラフを示す。
【図4】本発明による埋め込み方法の実施例の動作を示すグラフを示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報信号に補助データを埋め込む方法及び装置に関する。本発明は前記補助データを検出する方法及び装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】
PCM符号化情報信号への補助データの埋め込みの既知の方法は、脆い電子透かし(fragile watermarking)とも呼ばれるが、欧州特許第EP−B0205200号において開示されている。この先行技術の方法においては、n個毎の信号サンプルの最下位ビットが、補助データビットに置換される。この埋め込み方式の改善された変形は、欧州特許出願第EP−A0359325号において開示されている。ここでは、実際の補助データビットだけでなく、同一のPCMサンプルの1つ以上の他のビットにも依存して、PCMサンプルの最下位ビットが変更される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、PCM信号への補助データの埋め込みの方法を更に改善することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本目的は請求項1に定義された方法によって達成される。本方法はレート歪み比(rate−distortion ratio)の改善をもたらす。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、補助データ埋め込み及びデコードシステム10の概略的な模式図を示す。分離したメモリレス(memoryless)な送信源11は、記号(symbol)x1...xNのホストシーケンス(host sequence)xを発する。エンコーダ12は、埋め込み部とも呼ばれるが、1/Mの確率で記号0...Mのメッセージwを受信する。前記埋め込み部は前記シーケンスx1...xNを、x及びwの関数として記号y1...y2の混成シーケンスに変更する。前記混成シーケンスyは送信先13に供給され、埋め込まれた前記メッセージを確実に復元することが要求されるデコーダ14によっても観測される。
【0006】
最初の段落において述べた先行技術の埋め込み方法においては、PCMサンプルの最下位ビットが埋め込まれるべきデータビットと既に等しいため、ホスト信号の記号の半分が変更されない。前記記号の残りの半分は、前記ビットを埋め込まれるべき前記データビットに等しくするために、前記最下位ビットを反転させることにより変更される。変更された記号はかくして、前記ホストのPCMサンプルから+1又は−1だけ異なる。このことは以下の表1にまとめられる。
【0007】
【表1】
ホスト記号の変更は歪みを引き起こす。(音声サンプル、画像ピクセルのような)PCM符号化情報信号に関しては、「二乗誤差(squared error)」がしばしば利用される。これは以下のように定義される:
【数1】
前記先行技術の埋め込み方式の平均の歪みは:
【数2】
となる。前記先行技術の埋め込み方式の埋め込みレート(embedding rate)はR=1bit/symbolであり、レート歪み比はそれ故、R/D=2である。
【0008】
前記先行技術の埋め込み方法は、最下位ビット置換の一種であり、ここでは前記メッセージが、前記信号記号のR個の最下位ビット中に埋め込まれる(Rは正の整数)。以下の表2aは、R=2に対する前記最下位ビット置換の方式を示す。
【0009】
【表2a】
この場合、平均の歪みは:
【数3】
であり、レート歪み比はR/D=0.8である。
【0010】
表2aのR=2の埋め込み方式においては、ホスト記号の2つの最下位ビットが、2ビットのメッセージwによって置換されることに留意されたい。前記表が示すように、このことは記号毎にD=32の歪みをもたらす。明らかに、サンプルに3を足すのではなく、1を減じるほうが望ましい。R=2に対するこの戦略は以下の表2bにまとめられる。
【0011】
【表2b】
この場合、歪みは:
【数4】
となり、レート歪み比はR/D=1.33となる。これは表2aにおいて示された方式の比R/D=0.8よりも相当に良い。
【0012】
当発明者は、より良いレート歪み比を持つ埋め込み方式が存在する筈であることを示す、理論的に実現可能なレート歪み曲線を見出した。この「境界」曲線は図2において参照番号20により示される。表1及び表2bに対応する2つの(R,D)ペア、(1,0.5)及び(2,1.5)は、本図においてそれぞれ参照番号21及び22により示される。認識されるように、前記レート歪み比の改善の余地がある。例えば、歪みD≒0.2は理論的にR=1(R/D≒5)に対して実現されることができ、歪みD≒0.9は理論的にR=2(R/D≒2)に対して実現されることができる。大きな埋め込みレートRを小さな歪みDと組み合わせる、即ち大きなレート歪み比R/Dの埋め込み戦略を見出すことに関心がある。
【0013】
「符号化された」LSB変調
本発明の第1の態様によれば、前記メッセージの記号は、L個のホスト記号のグループの各々の最下位ビットにより形成されるベクトルのシンドローム(syndrome)によって表現される。該ベクトルはここではLSBベクトルとも呼ばれる。「シンドローム」という表現は、エラー訂正の分野においては良く知られた概念である。エラー訂正の方式において、受信されたデータワード(data word)(入力ベクトル)は、自身のシンドロームを得るために処理される。通常(必要というわけではないが)、前記処理は与えられたマトリックスによる前記データワードの乗算を含む。前記シンドロームが0である場合、前記データワードの全てのビットが正しい。前記シンドロームが0でない場合、その0でない値は誤ったビットの位置を表す。ハミング符号は3のハミング距離を持ち、従って訂正されるべき1つの誤ったビットを許容する。ゴレイ(Golay)符号のような他の符号は、訂正されるべき複数のデータワードを許容する。
【0014】
数学的な意味で、本発明によるデータ埋め込み方法は、エラー訂正に類似している。多数のデータビットをL個のホスト記号のグループ中に埋め込むために、エンコーダ(図1の参照番号12)は前記グループの1つ以上のホスト記号を変更する。数学的に、ハミングの意味でx1・・・xLに最も近い出力ベクトルy1・・・yLが算出される。デコーダ(図1の参照番号14)は単に、受信された前記LSBベクトルの前記シンドロームを決定する必要がある。前記シンドロームは埋め込まれた補助データを表す。
【0015】
以下の例においては、(7,4,3)のハミング符号が、ホスト記号の最下位ビットにデータを埋め込むために利用される。エラー訂正の分野においては、(7,4,3)のハミング符号は、7−4=3個のパリティビットを利用して、7ビッドのデータワードの中の訂正されるべき1つのビットを許容する(ハミング距離は3である)。これと同様に、本埋め込みの実施例は、ホスト記号において埋め込まれるべき3個のメッセージビットを許容する。前記シンドロームを算出するために、7個のホスト記号の最下位ビットは以下の3×7行列によって乗算される(全ての数学的演算はモジュロ2の演算である):
【数5】
この行列の列は000以外の全てのとりうる組み合わせを含む。
【0016】
7個のホスト記号が最下位ビット0、0、1、1、0、1、0を持つ場合、即ち入力LSBベクトルが(0011010)である場合を仮定する。上述の行列を利用したこのベクトルのモジュロ2の乗算は以下の結果となる:
【数6】
この乗算の出力(001)は、前記入力ベクトル(0011010)の前記シンドロームである。埋め込まれた前記メッセージ記号を表すものは、このシンドロームである。
【0017】
明らかに、元のホスト記号により表される前記シンドロームは、一般に埋め込まれるべき前記メッセージ記号ではない。前記ホスト記号の1つだけの最下位ビットはそれ故変更される必要がある。このことは、以下のステップにより達成される。
・元のLSBベクトルとのシンドロームと、埋め込まれるべき前記メッセージとの差を算出する。例えば、埋め込まれるべき前記メッセージが(010)である場合、モジュロ2の差は(010)−(001)=(011)である。
・前記行列における前記差の列位置dを決定する。本例では、差(011)は前記行列の第3列(d=3)に見出される。
・d個目のホスト記号の最下位ビットを変更する。
【0018】
本例においては3個目のホスト記号の最下位ビットがかように変更され、変更されたベクトル(0001010)に帰着する。前記デコーダにおいて、このベクトルはシンドローム決定を受けさせられる。結果は、
【数7】
となり、実際に前記メッセージ記号(010)を表す。
【0019】
7個の記号毎の歪みは
【数8】
であり(前記ホスト記号の1つも変化されない確率1/8、及び1つの記号が±1だけ変化される確率7/8)、記号毎の平均歪みはD=1/8となる。埋め込みレートは7個の記号毎に3ビット、即ちR=3/7である。対応する(R,D)ペアは図2において参照番号23で表される記号「+」として示される。前記レート歪み比はR/D≒3.4である。
【0020】
より一般的に、ハミング符号に基づく埋め込みは、mビットのメッセージ記号の2m−1個のホスト記号への埋め込みを可能とし、このとき埋め込みレートは、
【数9】
であり、歪みは
【数10】
である。m=2、3、4及び5に対応する(R,D)ペアは図2における記号「+」として示される。前記レート歪み比は
【数11】
となり、大きなmに対しては略mに等しくなる。m=10に対しては、この比は低ビット変調(low−bit modulation)よりもおおよそ5倍だけ大きい。この著しい改善は、埋め込み及びデコードハードウェア又はソフトウェアの適度の複雑さによって達成される。
【0021】
2進のハミング符号の代わりに、ゴレイ符号が利用されることができる。1つの2進のゴレイ符号、即ち(23,12,7)ゴレイ符号がある。エラー訂正符号の分野においては、前記ゴレイ符号は、12個の情報ビットと23−12=11個の保護ビットを持つ23ビットのデータワードにおける3個の誤ったビットを検出し訂正することができる(ハミング距離7)。これと同様に、(23,12,7)ゴレイ符号は、最大で3個の記号を変更することにより、23個のホスト記号に11個のデータビットを埋め込むことができる。前記ゴレイ符号の適用は以下を導く。
【数12】
及び
【数13】
対応する(R,D)ペアは図2の参照番号24で表される「◇」によって示される。前記レート歪み比はR/D≒3.85であり、LSB変調によって達成されることができるものよりも、殆ど2倍良い値である。
【0022】
3進( ternary )埋め込み法
本発明の第2の態様によれば、前記メッセージ記号は、ホスト記号の所謂「クラス」によって表される。w=0、1、2に対してx mod 3=wである場合は、記号xは「クラスw」に属すると言う。言い換えると:
PCM値0、3、6、・・・(クラス0)はメッセージ記号w=0を表し、
PCM値1、4、7、・・・(クラス1)はメッセージ記号w=1を表し、
PCM値2、5、8、・・・(クラス2)はメッセージ記号w=2を表す。
【0023】
データ埋め込み部12(図1を見よ)はここで、変更された記号yiがクラスwとなるように入力記号xiを変更する。これは「低トリット変調(low−trit modulation)」とも呼ばれる。以下の表3はホスト記号xi=9、10及び11に対するこの埋め込み方式を示す。
【0024】
【表3】
埋め込みレートはR=log23≒1.585となり、平均歪み率はD=1/9・6=2/3である。対応する(R,D)ペアは図3において参照番号30により表される記号「◇」として示される(参照を容易にするため、図2に示される境界20及び(R,D)ペア21及び22も本図に示されている)。レート歪み比はR/D≒2.378となり、非常に良い値である。
【0025】
各ホスト記号が埋め込まれたデータを持つ、3進埋め込みの上述した形式は、「符号化されない(uncoded)」3進変調と呼ばれる。しかしながらまた、「符号化された」LSB変調に関して前述したものと同様の方法により、即ちホスト記号のグループに3進記号を埋め込むことにより、「符号化された(coded)」3進変調を実行することが可能である。またこのことは、(3進の)ハミング符号又は(3進の)ゴレイ符号を利用することによっても可能である。
【0026】
m=2のパリティチェックによる3進のハミング符号を利用した埋め込み操作を以下により詳細に示す。2進のハミング符号について上述した原理に従って、3m−1=8個の列(00以外の全ての組み合わせ)を持つ行列が予想されるであろう。しかしながら、他の列の倍数となる列は、前記行列に含まれる必要はない。従って、列の数は(3m−1)/2=4となる。これはベクトルを形成するホスト記号の数でもある。前記行列は、
【数14】
となる。該3進ハミング符号は、それぞれクラス1、2、0及び1を持つ4個のホスト記号のグループに収容されるべき2個の2進メッセージ記号を許容する。ホストベクトル(1,2,0,1)のシンドロームは(ここで全ての数学的演算はモジュロ3であることに留意されたい):
【数15】
となる。このホスト記号のグループに2個の2進記号(1,2)を埋め込む。前記差は(1,2)−(0,0)=(1,2)となる。前記差は前記行列の第4列に見出されることができる。従って、4個目のホスト記号が変更される。前記差が前記行列において見出された場合、関連するホスト記号は、元のPCM値に1を加算することによって変更される。ホスト記号のグループはかくして(1,2,0,2)に変更される。前記デコーダにおいて、前記ベクトルはシンドローム決定を受けさせられる。結果は、
【数16】
となり、実際に前記メッセージ記号(1,2)を表す。
【0027】
ホスト記号のグループに2進の記号(2,2)を埋め込む場合は、前記差は(2,2)−(0,0)=(2,2)となる。(2,2)は(1,1)の倍数であるから、前記行列中にはこの値を持つ列はない。この値(1,1)は前記行列の第3列に見出されることができる。従って、3個目の記号が変更されるが、ここでは前記変更は、対応するPCM値に1を加算するのではなく2を加算する(又は1を減算する)ことを含む。前記ホスト記号のグループはかくして(1,2,2,1)に変更される。前記デコーダにおいて、前記ベクトルはシンドローム決定を受けさせられる。結果は、
【数17】
となり、実際に前記メッセージ記号(2,2)を表す。
【0028】
一般に、ハミング符号が与えられた数m個のパリティチェック記号によって利用される場合には、符号のワード長は(3m−1)/2である。それ故:
【数18】
【数19】
及び
【数20】
である。2つの(R,D)ペアは図3において記号「□」で示され、参照番号31(m=2)及び32(m=3)によって表される。
【0029】
また、ハミング符号の代わりにゴレイ符号が利用されることができる。ただ1つのゴレイ符号、即ち(11,6,5)ゴレイ符号がある。この符号は、最大2個の記号を変更することにより、11個のホスト記号に11−6=5個の3進記号を埋め込むことができる。前記ゴレイ符号の適用は以下を導く:
【数21】
【数22】
及び
【数23】
対応する(R,D)ペアは図3において参照番号33で表される記号「+」により示される。
【0030】
3進埋め込み(クラス=x mod 3)は、より一般的なn進埋め込み(クラス=x mod n)の特別な場合であることに留意されたい。上述したLSB埋め込みもこの特別な場合、即ちn=2の場合である。本発明はいずれの整数nに対しても適用する。
【0031】
2次元符号
本発明の第3の態様によれば、前記メッセージ記号はホスト記号のペアに埋め込まれる。これは上述した埋め込み方法の2次元の変形である。この符号化モードにおいては、記号のペア(xa,xb)の2次元記号空間が、5色に「彩色」される。格子上の各点は記号のペアを表し、隣接する点と異なる色を持つ。色は0〜4に番号づけられ、各色はメッセージ記号w∈{0,1,2,3,4}を表す。以下の表4は、2次元格子(の一部)を示す。
【0032】
【表4】
前記デコーダは受信された記号のペア(ya,yb)の色を見る。前記エンコーダは、(xa,xb)が埋め込まれるべき色wを持つか否かをチェックする。否である場合は変更されたペアが色wを持つように、記号のペア(xa,xb)を変更する。例えば、メッセージw=4が色3を持つホスト記号のペア(xa,xb)=(76,79)に埋め込まれるべきである場合、前記埋め込み部は前記記号を色4を持つペア、即ちペア(ya,yb)=(75,78)に変更する。この埋め込み方式のパラメータは以下のようになる:
【数24】
【数25】
及び、
【数26】
対応する(R,D)ペアは図4において参照番号40で表される記号「◇」として示される(便宜上、境界20及びLSB変調パラメータ21及び22も本図に示される)。
【0033】
前記2次元埋め込み方式はより多くの次元に拡張されることができることは理解されよう。例えば3次元格子においては、各点は同一の層の4つの隣接する点に移動されることができるだけでなく、上下にも移動されることができる。7つの色、即ち7個のメッセージ記号がこの方式において利用可能である。
【0034】
上述したLSB変調及び3進変調方法のように、5進ハミング又はゴレイ符号によって前記2次元の方法も「符号化」されることができる。与えられた数m個のパリティチェックに対して、符号長が(5m−1)/4個の5進記号が得られる。この符号化方式は(5m−1)/2個の記号を処理する。このパラメータは以下のようになる:
【数27】
及び
【数28】
かような(R,D)ペアの2つは図4において記号「□」により示され、参照記号41(m=2)及び42(m=3)によって示される。
【0035】
本発明は以下のように要約されることができる。グレースケールの画像又は音声の信号のような情報信号は、PCM信号のサンプルのシーケンスとして表現される。該信号に補助データを埋め込むために、該信号は僅かに歪められる。与えられた特定の歪みレベルDに対して最大の埋め込みレートRを与える、所謂「レート歪み関数」(20)がある。LSB置換のような先行技術の埋め込み方式(21、22)の効率は改善されることができるように思われる。本発明はかような埋め込み方式を開示する(23、24)。本発明によれば、前記信号はL個(L>1)の信号サンプル(x)のグループに分割される。信号サンプルの各グループに対して、前記信号サンプルの最下位部(x mod n)のベクトルが生成される。n=2に対しては、前記ベクトルは各前記信号サンプルの最下位ビットを有する。前記ベクトルの(エラー検出及び訂正の分野において定義されるものとしての)シンドロームは埋め込まれたデータを表現する。前記グループの1つだけの(又は数個の、いずれにしてもLより小さい数の)信号サンプルが、前記ベクトルが所望のシンドローム値をとることを達成するために変更される必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】補助データ埋め込み及びデコードシステムの概略的な模式図を示す。
【図2】本発明による埋め込み方法の実施例の動作を示すグラフを示す。
【図3】本発明による埋め込み方法の実施例の動作を示すグラフを示す。
【図4】本発明による埋め込み方法の実施例の動作を示すグラフを示す。
Claims (10)
- 補助データ記号に従って選択された信号サンプルの最下位部分を変更することにより、信号サンプルのストリームによって表現される情報信号に補助データを埋め込む方法であって、
前記ストリームを信号サンプルのグループに分割するステップと、
前記信号サンプルの各グループについて、前記信号サンプルの前記最下位部分を表現する記号のベクトルを形成するステップと、
それぞれの前記ベクトルが与えられたシンドロームの制約を満足するように、前記グループの信号サンプルを変更するステップとを有し、前記ベクトルの前記シンドロームは1つ以上の補助データ記号を表現するものである方法。 - 前記信号サンプルの最下位部分を表現する前記記号はxをnで除算した余りであり、ここでxは前記信号サンプルであり、nは整数である、請求項1に記載の方法。
- 前記信号サンプルの最下位部分を表現する前記記号は、多次元空間において信号サンプルの組み合わせに割り当てられるものであり、異なる記号が前記空間において互いに隣接する組み合わせに割り当てられる、請求項1に記載の方法。
- 前記ベクトルの前記シンドロームは、与えられた行列によって前記ベクトルを乗算することにより決定される、請求項1に記載の方法。
- 信号サンプルのストリームによって表現される情報信号に補助データを埋め込むための装置であって、補助データ記号に従って選択された信号サンプルの最下位部分を変更する手段を有し、前記変更する手段は、
前記ストリームを信号サンプルのグループに分割し、
前記信号サンプルの各グループについて、前記信号サンプルの前記最下位部分を表現する記号のベクトルを形成し、
それぞれの前記ベクトルが与えられたシンドロームの制約を満足するように、前記グループの信号サンプルを変更するように構成され、前記ベクトルの前記シンドロームは1つ以上の補助データ記号を表現するものである装置。 - 補助データ記号に従って選択された信号サンプルの最下位部分を変更することにより、信号サンプルのストリームによって表現される情報信号に埋め込まれた補助データを検出する方法であって、
前記ストリームを信号サンプルのグループに分割するステップと、
前記信号サンプルの各グループについて、前記信号サンプルの前記最下位部分を表現する記号のベクトルを形成するステップと、
1以上の補助データ記号を表現する前記ベクトルのシンドロームを決定するステップとを有する方法。 - 前記信号サンプルの最下位部分を表現する前記記号はxをnで除算した余りであり、ここでxは前記信号サンプルであり、nは整数である、請求項6に記載の方法。
- 前記信号サンプルの最下位部分を表現する前記記号は、多次元空間において信号サンプルの組み合わせに割り当てられるものであり、異なる記号が前記空間において互いに隣接する組み合わせに割り当てられる、請求項6に記載の方法。
- 前記ベクトルのシンドロームを決定する前記ステップは、与えられた行列による前記ベクトルの乗算を有する、請求項6に記載の方法。
- 補助データ記号に従って選択された信号サンプルの最下位部分を変更することにより、信号サンプルのストリームによって表現される情報信号に埋め込まれた補助データを検出するための装置であって、前記装置は、
前記ストリームを信号サンプルのグループに分割し、
前記信号サンプルの各グループについて、前記信号サンプルの最下位部分を表現する記号のベクトルを形成し、
1以上の補助データ記号を表現する前記ベクトルのシンドロームを決定するように構成される手段を有する装置。
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