JP2004506719A - サリポルフィンまたはその誘導体の心臓疾患治療への応用およびその製法 - Google Patents

サリポルフィンまたはその誘導体の心臓疾患治療への応用およびその製法 Download PDF

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Abstract

本発明は、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死を含む心臓疾患の治療および/または予防のための、サリポルフィンおよびその誘導体を開示する。

Description

【0001】
[発明の分野]
本発明は、心臓疾患の治療および/または予防に有用な医薬組成物に関し、より詳細には、心臓疾患を治療および/または予防する活性成分としてのサリポルフィン(Thaliporphine)またはその誘導体の用途に関する。
【0002】
[関連技術の説明]
近年、世界的に老齢人口の増加が進んでいるが、その主要因は医学の発達とライフスタイルの改善にある。しかし、老齢化に伴って、心血管に関連する疾患、たとえば、狭心症、急性心筋梗塞および冠状動脈粥様硬化などが増加してきており、これらは血管収縮と血栓に深い関わりがある。さらに、冠動脈血栓は、心臓肥大を引き起こすことが多く、ひいては、心衰および不整脈を誘発する。また、頻拍性不整脈も心筋虚血に関与している。一般的に、突然死の主な原因は、致死的心室不整脈に起因する虚脱であると考えられている。閉塞した冠動脈を開通させた後の再潅流もまた、不整脈の一因となっている。不整脈は、血栓溶解療法および冠動脈血管形成術の施術後の死亡率および疾病率を高める要因である。再潅流不整脈の原因として、現在までにいくつかが報告されているが、フリーラジカルの発生とその後の膜脂質過酸化反応がその最たる原因とされている。
【0003】
ところで、心不全患者の治療薬としては、利尿剤、ジギタリス、バソプレシンといった変換酵素抑制剤、交感神経活性剤またはホスホジエステラーゼ抑制剤などが用いられている。中でも、ジギタリス、交感神経活性剤およびホスホジエステラーゼ抑制剤は心臓収縮効果の点では優れているが、一方で、不整脈あるいは急速心拍を誘発する可能性があるため、長期間にわたる使用は、患者の生存率改善においては何ら効果を示さない。近年では、交感神経α,βアドレナリン受容体の活性遮断作用を有するバソプレシン受容体ブロッカー、エンドセリン(vasoendotheliosin)受容体ブロッカーおよびカルベジロールの投与が、心不全患者の生存率改善に有効であることが認められている(たとえば、Ye TLら著「J.Pharmacol.Exp.Ther.,」1992年出版、263:92−98;Bristow MRら著「Circulation」1996年出版、94:2807−2816; Colucci WSら著「Circulation」1996年出版、94:2800−2806)。
【0004】
冠動脈塞栓、心不全および不整脈は互いに密接に関与し合っていることから、心不全治療の従来薬であるウアバインを用いると、心筋収縮力は増強されるものの、往々にして不整脈が誘発されることになるため、この薬物も患者の生存率を高めるという点においては有用ではない。したがって、不整脈、心筋梗塞、および、急性冠動脈疾患に起因する心不全の悪化を抑制するためのより有効な薬剤が依然として必要とされている。
【0005】
これまでに、心筋収縮力を増強し得る化合物として、たとえば、2−フェニル−4−オキソヒドロキノリン(Su MJら著「Brit.J.Pharmacol.,」1993年出版、110:310−316)、LauraceaeおよびRutaceaeの成分であるサリポルフィン(Su MJら著「Eur.J.Pharmacol.,」1994年出版、254:141−150)、Fissistigma glaucescenesの成分であるliriodenine(Chang GJら著「Brit.J.Pharmacol.,」1996年出版:118、p.503−512)、Cryptocarya chinensisの成分である(−)−caryachine(Wu MHら著「Brit.J.Pharmacol.,」1995年出版、116:3211−3218)、およびベルベリン誘導体などが報告されている。これらのうち、liriodenine,(−)−caryachineおよびベルベリン誘導体は、不整脈にも効果があることが裏付けられている。これまで抗不整脈活性の評価は、ラットの摘出心臓を30分間結紮した後再潅流して、不整脈を誘発することにより行われていた。しかし、外向きK電流は、その他の動物とラットとではやや差異があることが判明しているため、この種の実験においては、この外向きK電流における差異を明らかにすべく、実験動物としてモルモットも用いられている。また、サリポリフィンには、心収縮力を強め、内向きCa電流を増加させる機能があるが、心収縮力の増強は虚血性心筋壊死に対してメリットがないことが報告されている(Suら(1994、前出))。このように、理論上は上述のような機能を有する薬物も、心筋梗塞および不整脈の治療に有効ではない。本発明は、サリポルフィンおよびその誘導体が、特に低用量であっても心臓疾患の治療および予防に有用であることを証明すべく、その応用および製法を提供することを目的とする。
【0006】
[発明の要旨]
本発明は、1つの形態において、哺乳動物の心臓疾患に対する治療および/または予防のためのものであって、下記一般式I:
【0007】
【化10】
Figure 2004506719
【0008】
(式中、Rは水素、アセチル、プロピオニル、ブチリルもしくはターシャリー−ブトキシカルボニル(BOC)基)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩と、医薬的許容される担体または賦形剤とからなる医薬組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、もう1つの形態において、下記一般式I:
【0010】
【化11】
Figure 2004506719
【0011】
(式中、Rはプロピオニル、ブチリルまたはBOC基である)で表される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0012】
本発明は、別な形態において、哺乳動物の心臓疾患に対する治療または/および予防するものとして、一般式IIおよび一般式IIを活性成分として含んだ医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、下記一般式II:
【0013】
【化12】
Figure 2004506719
【0014】
(式中、Rは水素、アセチル、プロピオニル、ブチリルまたはBOC基であり、Rはエチル、アリル、プロピル、ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルメチルである)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体または賦形剤とからなるものである。
【0015】
本発明は、もう1つの別の形態において、哺乳動物の心臓疾患に対する治療または/および予防するものとして、一般式IIIおよび一般式IIIを活性成分として含んだ医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、下記一般式III:
【0016】
【化13】
Figure 2004506719
【0017】
(式中、Rは水素、アセチル、プロピオニル、ブチリルまたはBOC基である)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体または賦形剤とを含んでなる。
【0018】
本発明は、さらなる別の形態において、一般式I、IIもしくはIIIで表される有効量の化合物、その誘導体またはその医薬上許容される塩を投与する工程を含む、哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する方法を提供する。
【0019】
[発明の詳細な説明]
以下、本発明がより十分に理解され、その利点が明らかとなるように、図面と対応させながら説明する。
【0020】
サリポルフィン(以下、簡単にTHPという。)は、クスノキ科などの植物から抽出されるフェノールアポルフィンアルカロイド系の天然化合物である。過去の研究において、THPは、強力なNaチャネルおよびKチャネル遮断活性を有する、Ca2+チャネルの部分作動薬であることが明らかとされている。かかるTHPのNaチャネルおよびKチャネル遮断活性は、心臓虚血または虚血再潅流に伴う不整脈の発生率および重症度を軽減させることができるものではあるが、この物質のCa2+−チャネル活性が、Ca2+過負荷を増加させ、虚血または虚血再潅流に伴う不整脈を誘発してしまう。
【0021】
本発明の実施形態において、THPまたはその誘導体の不整脈に対する効果を、モルモット摘出心臓を用いて全虚血−再潅流することにより評価し、さらに、典型的モデルとしての結紮−再潅流ラットと比較した。
【0022】
また、本発明の別な実施形態では、0.6〜0.8μMのウアバインによりNa/Kポンプを阻害することで、モルモットの心収縮力を増強して不整脈を誘発し、その後で、THPおよびその誘導体を投与し、ウアバイン誘発不整脈に対する効果を観察した。
【0023】
本発明のもう1つの別の実施形態では、静脈注射によりTHPを投与して、実験動物の生存率と、心臓虚血または虚血再潅流時のインビボにおける不整脈の発生率および重症度と、心臓虚血時の心筋壊死の範囲とを観察した。
【0024】
さらに、THPと既存の抗不整脈薬とを、ラットおよびモルモットに対する電気生理的効果によって比較して、THPおよびその誘導体のフリーラジカル消去能を評価するとともに、動物の血中ラクタートデヒドロゲナーゼ(LDH)の濃度変化を測定した。ここで、LDH濃度の増加を心筋損傷程度の指標とした。また、本発明では、心臓虚血または虚血再潅流時における動物血液中の一酸化窒素(NO)生成量に対するTHPまたはその誘導体の影響についても評価を行った。
【0025】
本発明の一態様として、THPもしくはその誘導体、エステル、またはその医薬上許容される塩を含有してなる医薬組成物は、経口または注射によって必要な患者に投与される。また、この医薬組成物は、医薬的に許容される担体または賦形剤を含むものとしてもよく、この場合も同様にして経口または注射によって必要な患者に投与される。この種の医薬組成物の化学式は、当業者に周知である。
【0026】
本明細書において使用される医薬上許容される塩としては、無機酸(たとえば、塩酸、臭酸、硫酸またはリン酸)の塩;有機酸(たとえば、酢酸、マレイン酸、酒石酸またはメタンスルホン酸)の塩;ならびにアミノ酸(たとえば、アルギニン、アスパラギン酸およびグルタミン酸)の塩があげられる。好ましい製剤の形態としては、たとえば、滅菌水溶液もしくは分散液、滅菌粉末、タブレット、トローチ、丸薬またはカプセルなどがあげられる。また、THPまたはその誘導体を、徐放性製剤あるいは処方中に取り入れてもよい。医薬上許容される担体としては、任意のおよび全ての溶媒、崩壊剤、結合剤、賦形剤、潤滑剤、ならびに吸収遅延剤などがあげられる。なお、本発明に係る化合物はエステルとしても提供され得るが、この場合において、これらエステルは当然に本発明の範囲内に含まれる。
【0027】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、いずれも本発明を限定するものではない。
【0028】
[実施例]
<実施例1> サリポルフィンの調製
1.ノルグラシン(Norglaucine)の調製
Phoebe formosana Hayata (Hayata)の茎部を2%酢酸で抽出し(60℃で3回)、(+)−ラウロリトシン(laurolitsine)を豊富に含む抽出液を得た。この粗精製物である(+)−ラウロリトシン(50g)を、500mlの反応瓶に入れてから、N,N−ジメチルホルミアミド(DMF)(250ml)およびギ酸エチル(40ml)を添加した。その混合物を90℃で60時間攪拌してから、メタノールで再結晶し、N−ホルミルラウロリトシン(formyllaurolitsine)7.5gを得た。物理データは次のとおりであった。融点275〜277℃;H NMR(CDOD,400MHz)δ8.61,8.44(1H,s,N−CO),8.45,8.40(1H,s,H−11),7.21,7.16(1H,s,H−8),6.61(1H,s,H−3),3.89(3H,s,10−OMe),3.58(3H,s,1−OMe);EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)341(90),296(40),283(100),240(30),58(70)。
【0029】
次いで、N−ホルミルラウロリトシン(10.3g,29.4mmol)、メタノール(100ml)、炭酸カリウム(12.3g)およびヨードメタン(13ml)を反応瓶に入れた。そして、その混合物を2分間減圧脱気した後で密封した。次に、その混合物を60℃で24時間攪拌し、減圧濃縮してから、クロロホルム(300ml)と水(150ml×2)で分配した。さらに、その有機相を炭酸水素ナトリウム(NaCO)で脱水し、ろ過、減圧濃縮してから、その残留物をメタノールで再結晶して、針状のN−ホルミルノルグラシン(formylnorglaucine)(9.5g,87%)を得た。物理データは次のとおりであった。融点151〜152℃;H NMR(CDCl,400MHz)δ8.37,8.23(1H,s,N−CO),8.12,8.11(1H,s,H−11),6.78,6.74(1H,s,H−8),6.63,6.60(1H,s,H−3),4.46(dd,J=14.4,4.3Hz),4.89(1H,dd,J=13.9,4.2Hz,H−6a),3.90(9H,s,3xOMe),3.65(3H,s,1−OMe);EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)[M]365(5),355(100),340(40)。
【0030】
次いで、N−ホルミルノルグラシン(2.00g,5.42mmol)、水酸化カリウム(2.30g,41.5mmol)およびエタノール(50ml)を100ml反応瓶に入れ、その混合物を3時間加熱還流し(Chastanet J.ら 「Heterocycles」1992,34:1567−1572)、減圧濃縮して、水(100ml)とクロロホルム(300mlx3)で分配した。その有機相を硫酸ナトリウム(NaSO)で脱水し、さらにろ過、減圧濃縮して得られた固体物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤として0.2%メタノール/クロロホルムを使用する)で精製して、(+)−ノルグラシン(1.75g,95%)を得た。物理データは次のとおりであった。無定形固体;[α] 24+77.1°(c=0.35, CHCl,);H NMR(CDCl,400MHz)δ8.09(1H,s,H−11),6.73(1H,s,H−8),6.58(1H,s,H−3),3.90(3H,s,9−OMe),3.88(3H,s,10−OMe),3.86(3H,s,2−OMe),3.65(3H,s,1−OMe),3.81(1H,dd, J=13.9, 4.2Hz,H−6a);HR LC/MS m/z[M+H]342.1682(C2024NO 理論値342.1705)。
【0031】
2.(+)−サリポルフィン(THP)の調製
ノルグラシン(1.90g, 5.2mmol)、メタノール(50ml)および35.5%ホルムアルデヒト(6.0ml)を250ml反応瓶に順番に入れた。その混合物に、室温下で水酸化ホウ酸ナトリウム(NaBH)(総量2.0g,52mmol)を攪拌しながら分けて加えた。その後、その混合物を6時間反応させてから、減圧濃縮し、水(150ml)およびクロロホルム(150mlx3)で分配した。その有機相を塩水で洗浄してから、硫酸ナトリウム(NaSO)で脱水し、さらにろ過、減圧濃縮して得られた固体物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルムを使用する)で精製して、固体精製物としてのグラシン(glaucine)(1.78g,90%)を得た。物理データは次のとおりであった。融点112〜114℃(ジメチルエーテル);[α] 24+120.0°(c=0.30,MeOH);H NMR(CDCl,400MHz)δ8.06(1H,s,H−11),6.75(1H,s,H−8),6.56(1H,s,H−3),3.91(3H,s,9−OMe),3.88(3H,s,10−OMe),3.86(3H,s,2−OMe),3.64(3H,s,1−OMe),2.54(3H,s,N−Me)。
【0032】
次いで、グラシン(3.02g,8.45mmol)を100ml反応瓶に入れ、氷浴下で90%硫酸(6.0ml)を加え入れた(Castedo L.ら「Heterocycles」1980,14:1135−1138)。その混合物を2分間減圧脱気してから、反応瓶を密封した。その後、暗所に置いて室温下13日間攪拌し、その反応混合物を、氷水(100ml)が入ったフラスコに攪拌しながら注ぎ入れた。そして、その混合物をアンモニア水(25%)で摘定してph8.0にした後、クロロホルム(80mlx3)で抽出した。その有機相を硫酸ナトリウム(NaSO)で脱水し、ろ過、減圧濃縮して、その残留物(3.48g)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤として1−3%メタノール/クロロホルムを使用する)で精製してサリポルフィン(1.82g,収率62%)を得た。物理データは次のとおりであった。融点185〜187℃(MeOH);[α] 24+66.7°(c=0.31,MeOH);H NMR(CDCl,400MHz)δ8.03(1H,s,H−11),6.76(1H,s,H−8),6.52(1H,s,H−3),3.90(6H,s,2−OMeおよび9−OMe),3.88(3H,s,10−OMe),2.53(3H,s,2−NMe);EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)[M]341(100),326(34),298(24),267(28)。
【0033】
<実施例2> (+)−N−プロピルノルサリポルフィン(Propylnorthaliporphine)の調製
1.(+)−N−プロピルノルグラシン(Propylnorglaucine)の調製
実施例1に記載したN−ホルミルラウロリトシンの調製法に基づき、粗精製物のラウロリトシン(30g)をDMF(75ml)と無水プロピオン酸(6ml)の混合物中に溶解した。その混合物を室温下で24時間反応させてから、メタノールで再結晶してN−プロピニルラウロリトシン(propinyllaurolitsine)(8.02g)を得た。物理データは次のとおりであった。融点185〜189℃;H NMR(CDOD,400MHz)δ8.06(1H,s,H−11),3.71(1H,s,H−8),6.61(1H,s,H−3),3.88(3H,s,10−OMe),3.59(3H,s,1−OMe),2.52(2H,q,J=7.2Hz,NCOC CH),1.16(3H,t,J=7.2Hz, NCOCH );EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)[M]369(100),296(87),283(85),269(44),240(16),57(34)。
【0034】
次いで、N−プロピニルラウロリトシン(2.50g,6.78mmol)、メタノール(25ml)および炭酸カリウム(2.60g)からなる混合物中に、ヨードメタン(3.5ml,56.2mmol)を加えた。その後、実施例1と同じ反応条件および方法により、N−プロピニルノルグラシン(2.21g,82.4%)を得た。物理データは次のとおりであった。融点150〜152℃(MeOH);H NMR(CDCl,400MHz)δ8.13(1H,s,H−11),6.76(1H,s,H−8),6.60(1H,s,H−3),3.89(3H,s,9−OMe),3.87(6H,s,2−OMeまたは10−OMe),3.59(3H, 1−OMe),2.45(2H,q,J=7.2Hz,NCOC CH),1.18(3H,t,J=7.2Hz, NCOCH );EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)[M]397(79),324(58),311(100),265(16),57(20)。
【0035】
次いで、乾燥した反応瓶に、無水THF(15ml)と水素化アルミニウムリチウム(LiAIH)(380mg,10mmol)を順次加え入れ、10分間攪拌した。懸濁した混合物を、無水THF(5ml)に溶解したN−プロピニルノルグラシン(4.0g,10.1mmol)中に滴下して加えた。そして、その混合物を2時間加熱還流させた後、その混合物に氷浴下で硫酸ナトリウム10水和物(NaSO・10HO)を加えて、過剰なLiAIHを分解した。さらに、その混合物をセライトでろ過し、残留物をクロロホルムで洗浄した。続いて、その凝縮したろ液および洗浄液を濃縮し、ジエチルエーテルで再結晶してN−プロピル−ノルグラシン(3.36g,86%)を得た。物理データは次のとおりであった。融点95〜97℃;[α] 24+106.7°(c=0.33,MeOH);H NMR(CDCl,400MHz)δ8.03(1H,s,H−11),6.75(1H,s,H−8),6.54(1H,s,H−3),3.86(3H,s,1−OMe),3.83(6H,s,2−OMeまたは10−OMe),3.60(3H,s,1−OMe),2.88および2.43(2H,m,N−C ),1.50(2H,m,N−CH CH),0.93(3H,t,J=7.2Hz,N−C );EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)[M]383(100),368(82),354(45),352(36),281(19)。
【0036】
2.(+)−プロピルノルサリポルフィンの調製
実施例1に記載した(+)−THPの調製法により、N−プロピルノルグラシン(1.20g,10.3mmol)を90%硫酸(3ml)と反応させて(+)−プロピルサリポルフィン(346mg,収率30%)を得た。物理データは次のとおりであった。融点66〜70℃(MeOH);[α] 24+60.2°(c=0.33,MeOH);H NMR(CDCl,400MHz)δ8.00(1H,s,H−11),6.75(1H,s,H−8),6.51(1H,s,H−3),3.90(6H,s,2−OMeまたは9−OMe),3.89(3H,s,10−OMe),2.60(1H,m)および2.43(1H,m)(N−C CH),1.57(2H,m,N−CH CH),0.95(3H,t,J=7.2Hz,N−C );EIMS(70eV)m/z(rel.int.%)[M]369(100),354(22),340(36),298(20)。
【0037】
<実施例3> ラットおよびモルモットに対するTHPの電気生理的効果
心電図記録
実験は、米国立健康研究所(US National Instutute of Health(NIH)出版の「動物実験に対する指針(The Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)」(NIH出版番号85−23,1996年改訂)にしたがって行った。ウレタン(1.25g/kg i.p.)でヘパリン化させ知覚脱失させた後に、成体ラットおよびモルモットを屠殺した。次いで、心臓を摘出し、ランゲンドルフ潅流(Langendorff perfusion)によって大動脈に10μMのキニジンとTHPを潅流させた。続いて、銀線が接続された一組の双極電極をコッホ(Koch)の三角の先端に配置し、ヒス束心電図を記録した。さらに、銀線が接続されたもう一組の双極電極を右心室の表面に配置してT波を記録した。上大静脈近傍の右心房は、300msの拍動周期で一定率に拍動していた。QT間隔、ならびに洞房結節(SA間隔)、房室結節(AH間隔)およびヒス−プリキンエ系(HV間隔)の伝導時間をそれぞれ心電図で測定した。同時に、ヒス−プリキンエ系の回復曲線(つまり、HとVとの関係)も記録し、さらに、心房、心室および房室結節の反応期を同じ手法によって記録した。その結果は図1および2に示すとおりである。
【0038】
<実施例4> THPまたはその誘導体の抗酸化効果およびフリーラジカル消去能
ヒト低密度リポタンパク質(LDL;100μg/ml)と、ジメチルスルオキサイド(DMSO,0.1%,基底群と対照群)または各種濃度のTHPとを、37℃で10分間前保温してから、硫酸銅(CuSO)を加え、基底群を除いてさらに12時間培養し、THPが脂質過酸化反応におよぼす影響を測定した。その結果は図3に示すとおりである。
【0039】
各種濃度のTHPに、1,1ジフェニル−2−ピクリリヒドラジル(DPPH,100μM)を加えて、室温(25℃)下で30分間培養し、吸光度517nmにおけるDPPHの降下を測定して、THPのDHHPフリーラジカル消去に対する用量反応曲線を割り出した。その結果は図4に示すとおりである。
【0040】
<実施例5> THPまたはその誘導体の抗不整脈効果
1.ラットの結紮−潅流誘発不整脈
ラットの摘出心臓を、左主冠動脈を絹結紮糸(silk ligature)で一時的に縛って結紮し、心筋虚血を誘発した。次いで、結紮糸の緊張を弛緩させることで再潅流して、不整脈を誘発した。その後、THP10μMを投与してから、心房と心室の心電図を記録した。その結果は図5に示すとおりである。
【0041】
2.モルモットの全虚血−再潅流誘発不整脈
モルモットの摘出心臓を全虚血してから結紮し、その結紮糸の緊張を弛緩させることで再潅流した。その後、各種濃度のTHPを投与して、心室細動(VF)を記録した。その結果は表1のとおりであった。
【0042】
【表1】
Figure 2004506719
【0043】
3.モルモットのウアバイン誘発不整脈
モルモットの心室にウアバイン0.6〜0.8μMを投与したところ、収縮力の増加が観察された。そして、5〜10分間後に不整脈が誘発された。ここで、THPまたはその誘導体を投与して、ウアバイン誘発不整脈を抑制した。その結果は図6および7に示すとおりである。
【0044】
4.THPのラットに対する臨床効果
左主冠動脈を絹結紮糸で一時的に縛って結紮し、心筋虚血を誘発した。次いで、結紮糸の緊張を弛緩させることで再潅流した(手術群)。この本当に絹で結紮した動物とは別に、偽手術の動物には、あらゆる外科的処置を施したが、左冠動脈の回りに巡らせただけで、縛ることはしなかった(偽手術群)。また、THP(3.5x10−7,3.5x10−6,3.5x10−5 g/kg)のボーラス、L−NAME(Nω−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル;1x10−3 g/kg)または賦形剤(ジメチルスルホキシド/塩化ナトリウム(NaCl)10.9%,1:10;v/v)を、冠動脈閉塞の15分前に、動物の頚静脈より注入した。次いで、冠動脈を30分間閉塞、または5分間閉塞した後で30分間再潅流し、(1)偽手術+賦形剤、(2)偽手術+THP(3.5x10−5g/kg)、(3)本物の手術+賦形剤、(4)本物の手術+THP(3.5x10−7g/kg)、(5)本物の手術+THP(3.5x10−6g/kg)、(6)本物の手術+THP(3.5x10−5g/kg)、(7)本物の手術+L−NAME(1x10−3g/kg)+THP(3.5x10−5g/kg)の群にそれぞれ無作為に分けた。虚血または再潅流前およびその間に、心拍数(HR)、血圧(BP)およびECG変化を記録した。そして、心室異所性拍動をLambeth Convetionで推奨される診断基準によって評価し、さらに、生存動物における心室頻脈(VT)および心室細動(VF)を含む心室頻脈性不整脈の発生率と持続時間を測定した。マン・ホイットニー検定により、賦形剤と薬物とでそれぞれ処置した群のVTおよびVFの持続時間の差を分析した。また、不整脈の実験において、賦形剤処置ラットと薬物処置ラットとのBPおよびHR変化を、ボンフェローニの検定後、分散分析(ANOVA)を行うことで分析した。VTおよびVFの発生率ならびに死亡率における差は、カイ2乗検定(Chi−square test)によって分析した。これら結果は表2および3に示すとおりである。
【0045】
【表2】
Figure 2004506719
【0046】
【表3】
Figure 2004506719
【0047】
心筋壊死域は、塩化トリフェニルテトラゾリウムを用いるエバンスブルー(Evans blue)染色法により測定した。左冠動脈前下行枝を4時間閉塞した後に、ラットを屠殺した。その心筋壊死細胞の重量は、心室の全重量または閉塞領域に対する割合で表した。また、対応のないスチューデントt検定により、心筋壊死域を統計的に分析した。その結果は表4のとおりであった。
【0048】
【表4】
Figure 2004506719
【0049】
細胞の損傷を血漿中のLDHを測定することで評価した。虚血または虚血−再潅流終了時に、頚動脈カテーテルで動脈血液サンプルを採取して、ヘパリン添加チューブに集めた。その血液を4℃に維持した後で、2000×gで15分間遠心分離を行った。血漿が回復したら、アリコートを用いて、シグマ社製の市販キットによりLDH活性を測定した。その除タンパク質血漿サンプルを、分析を行うまで凍結しておいた。そして、Yanu Fらが「Clin.Chem」(1997,43:657−662)にて報告したNO/オゾン化学発光法によってNO(一酸化炭素)を測定した。さらに、対応のないスチューデントt検定により、血漿中のNOとLDHの差を統計的に分析した。その結果は表5および6のとおりである。
【0050】
【表5】
Figure 2004506719
【0051】
【表6】
Figure 2004506719
【0052】
キニジンで処置した心臓のSA,AH,HV間隔およびT波は、いずれも延長していた(図1参照)。キニジン処置と対比して、THPで処置した心臓は、そのS−A間隔は依然として影響を受けず、HV間隔が僅かに延長しただけであった。このことは、キニジンが選択性に乏しいことを裏付ている。また、3,10および30μMのTHPによって、心房有効不応期(atrial effective refractory period(AERP)が60msから90,100および120msまでそれぞれ延長し、心室有効不応期(ventricular effective refractory period(VERP)が160msから160,170および190msまでそれぞれ延長し、さらに、房室結節有効不応期(AV node effective refractory period(AVNERP)が170msから170、200および240msにまでそれぞれ延長した。同一の手法でTHPと比較すると、3、10および30μMのキニジンによっては、心房有効不応期が40msから60,80および130msまでそれぞれ延長し、心室有効不応期が180msから170,180および190msまでそれぞれ延長し、さらに、房室結節有効不応期が130msから150、200および245msまでそれぞれ延長した。また、3、10および30μMのTHPは、ウェンケバッハ型の周期(Wenckbach cycle length(WCL)を200msから210,230および280msへとそれぞれ変化させ、一方、3、10および30μMのキニジンは、WCLを150msから170,210および300msまでそれぞれ変化させた。このように、THPとキニジンは、いずれも心房有効不応期,心室有効不応期,房室結節有効不応期を延長させたが、AV結節の伝導性を阻害した(つまり、AH間隔を延長させた)のはキニジンのみであった。これとは対照的に、THP濃度を10μMまで高めても、AV結節における伝導性は阻害されなかった。
【0053】
3〜10μMのTHPは、ラットとモルモットのいずれにおいても、その心房あるいは心室細胞の活動電位の期間を延長させた(データは示していない)。さらに、THPは、ラットにおける一過性外向きカリウム電流(Ito)およびモルモットにおける遅延外向きカリウム電流(I)に対して著しい抑制作用を示した。また、THPは内向きナトリウム電流を抑制できるが、内向きカルシウム電流を増強することを見出した(Su MJら「Eur.J.Pharmacol」 1994,254 141−150)。したがって、THPは、活動電位の期間の延長作用、心収縮力の増強作用および心拍数の減少作用を有する。
【0054】
低密度リポタンパク質(LDL)中のチオバルビツール酸化反応生成物(thiobarbituric acid−reactive substance(TBARS)の生成を観察することにより、THPが脂質過酸化におよぼす影響を評価した。LDLを硫酸銅(CuSO)存在下に12時間さらすと、TBARSの増加(図3参照)に表れているように、LDLの脂質過酸化が見られた。THPを加えると、CuSO誘発によるTBARSの生成が濃度依存的に抑制された(IC50,15.7μmol/L)。さらに、LDLの抗酸化に対し、THPは、チサンキン/チサンキン酸化酵素系に起因して生成されるスーパーオキシドアニオンを12.6μMのEC50で濃度依存的に除去することができた。
【0055】
1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DHHP)分析システムにおいて、THPのフリーラジカル消去能はIC0.200であった。THP添加後の吸光度517nmにおけるフリーラジカルの減少を、DHHPの不対電子捕捉によって観察した。図4に示されるように、THPは、12.4μmol/LのIC0.200で濃度依存的にDPPHを消去した。
【0056】
THPの濃度を3〜30μにしたら、30分間結紮後再潅流により誘発されたラット摘出心臓の心臓不整脈が正常に回復した。そのIC50は15.7μmol/Lであった(図5参照)。同じように、THPの濃度を10μMとすると、全虚血後再潅流により誘発されたモルモット摘出心臓の不整脈が効果的に抑制された(表1参照)。ラットとモルモットの冠動脈の構造は互いに類似していないが、THPは、両動物の摘出心臓における虚血−再潅流誘発不整脈に対し、いずれにも有意な抑制効果を示した。
【0057】
図6および7に示すように、モルモット心室にウアバイン0.6〜0.8μMを投与すると、心収縮力の増加が観察され、その5〜10分後に不整脈が誘発された。このときに、THPまたはその誘導体10〜20μMを投与すると不整脈は治まったが、一方、同じ濃度のキニジン投与によってはこうした効果は認められなかった(データは示していない)。
【0058】
THPを静脈内投与したところ、心筋虚血のラットにおける拡張期・収縮期血圧および心拍数(HR)に対しては変化が見られなかった(図8および9参照)。また、賦形剤群と薬物群との間に統計上の有意差はなかった(THPは3.5x10−6または3.5x10−5g/kg)。
【0059】
虚脱した状態で、賦形剤群の重篤な心房不整脈は、冠動脈を6〜7分間閉塞した後に始まって、8〜12分間後にピークに達し、開始から約15分間で正常に戻った。VFの期間は32.1±8.9秒、VTの期間は36.8±8.8秒であった。賦形剤群のラット14匹中、VFの発生率は57%であったのに対し、VTの発生率は100%であった。THPを3.5x10−5g/kg投与すると、VTの発生率が10%、VFの発生率が0%に低減した(p<0.05)。VTおよびVFの期間については、0.3±0.3秒および0.0±0.0秒と顕著に減少した(p<0.05)。特に注目すべき発見は、3.5x10−7g/kgと極めて少ない用量においてさえも、THPは死亡率を効果的に減少させたということである。また、L−NAME+THP群のVTまたはVFの発生率および時間ならびに死亡率は、対照群(手術−賦形剤)で測定されたものに同程度であった。このことは、L−NAME(1x10g−3/kg)が、THPの抗不整脈活性および死亡率減少に対する効果を完全に抑えてしまうということを示唆している(表2参照)。
【0060】
再潅流誘発による不整脈の重症度は、虚血の期間に大いに左右される。したがって、5分間虚血後30分間再潅流を行うという手順は、心拍障害の発生率を最も高くするために設定したものである。表3に示すように、賦形剤群のうち、約88%の動物が再潅流の期間中にVFを発生し、そのうち75%がVFを主因として死亡した。これとは対照的に、THP(3.5x10−6および3.5x10−5g/kg)で前処置しておいた動物は、VFの発生率が88%から29%と13%(p<0.05)に、VFの持続期間が92.4±20.5秒から9.2±8.3秒と1.2±1.2秒(p<0.05)に、それぞれ劇的に減少した。さらに、3.5x10−6g/kgのTHP(p<0.05)によって、死亡率も75%から0%に減った。これに対し、L−NAMEとの共投与は、THP(3.5x10−5g/kg)の抗不整脈活性と死亡率抑制効果を部分的に打ち消すことにしかならなかった。
【0061】
4時間の虚血後、染色法によって現れた虚血域と心筋壊死域との差異を検討した。虚血域は、各群の間で有意差を示さなかった(表4参照)。つまり、左冠動脈の閉塞によって危険にさらされる細胞の量は、各群間で同じであるということである。賦形剤群での壊死域は、虚血域の割合(45.2±1.0%)または全心房の割合(19.8±2.2%)で表した。これによれば、虚血の心臓細胞は全て壊死するということがわかる。THPを用量依存的に投与したら、心筋壊死の範囲が縮小した。かかる縮小は、壊死域/虚血域(THP3.5x10−7,10−6,10−5g/kgに対し、それぞれ38.1±5.0%,29.0±2.5%,10.7±1.8%)または壊死域/全心室(THP3.5x10−7,10−6,10−5g/kgに対し、それぞれ17.9±2.3%,13.4±1.2%,5.0±0.9%)のいずれにおいても観察された。一方、L−NAME+THP群は、その心臓壊死域が、対照群(手術−賦形剤)において観察されたものと差はなかった。つまり、L−NAME(1mg/kg)は、THP(3.5x10−5g/kg)の壊死抑制効果(infarct−sparing effect)を打ち消してしまうということがわかった。
【0062】
虚血および虚血−再潅流の期間において、細胞障害の生化学的指標(LHD放出)を測定したところ、閉塞前の対象群(123.6±20.6U/L)において、低LDH活性が観察され、また、閉塞または閉塞−再潅流後、手術−賦形剤ラットの血漿中に酵素の大量増加が見られた(それぞれ、500.5±84.1および273.7±29.2U/L)。しかし、THPを投与すると、虚血または虚血−再潅流の期間におけるLDH放出が用量依存的に減少した(表5参照)。
【0063】
一酸化炭素(NO)の放出量を、30分間の虚血、または5分間の虚血後30分間の再潅流を行った動物の血漿中の亜硝酸塩(NO )および硝酸塩(NO )によって測定した。偽手術群は、THP前処置を行った場合および行わない場合で、NOが9.6±2.3および7.6±0.9μmol/Lとそれぞれ測定された。手術群において、THPは、血漿中のNO増加に対して劇的な効果を示した。つまり、用量3.5×10−6g/kgで、未処置(賦形剤)の虚血および虚血後再潅流の動物と比べると、それぞれ2および3.5倍の効果があった(表6参照)。
【0064】
以上に説明したように、本発明により、THPおよびその誘導体は、虚血または再潅流誘発の心室不整脈の重度を抑制するだけでなく、長期間にわたる冠動性閉塞症後の心臓壊死域を縮小させることできるものであることが証明された。同時に、THPおよびその誘導体は、局所虚血または再潅流を行ったラットの血液中のNOを増加させるとともに、LDHレベルを低減させることも発見された。上述したように、従来の抗不整脈薬は、再潅流誘発不整脈に対する効果が低い上に、副作用を引き起こす可能性がある。これに対し、本発明に係るTHPおよびその誘導体は、その多元的な薬効により、有効な抗不整脈剤および心臓保護剤として使用され得る。
【0065】
以上、好適な実施例により本発明を説明したが、本発明を限定しようとするものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲を逸脱しない限りは、各種変更を加えることができる。即ち、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で限定したものが基準となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
キニジン10μMの房室結節伝導に対する作用を記録した心電図である。図中、Aは心房分極、Hはヒス束分極、Sは電気刺激、Vは心室分極をそれぞれ示す。
【図2】
サリポルフィン10μMの房室結節伝導に対する作用を記録した心電図である。Aは心房分極、Hはヒス束分極、Sは電気刺激、Vは心室分極をそれぞれ示す。
【図3】
銅誘発のヒトLDLの脂質過酸化に対するサリポルフィンの抑制作用を示すグラフである。データは平均値±標準偏差で表した(n=4)。対照群と比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。
【図4】
DHHPラジカル消去に対するサリポルフィンの用量反応曲線である。データは平均値±標準偏差で表した(n=4)。
【図5A】
サリポルフィン10μMにより、虚血−再潅流誘発の多形性心室頻拍が正常な洞律動に回復したことを示す心電図であり、図中、Aは心房分極、Vは心室分極を示す。
【図5B】
サリポルフィンの抗不整脈効果を示すグラフである。
【図6A】
モルモット右心室におけるウアバイン誘発の心臓不整脈を測定した図である。
【図6B】
モルモット右心室におけるウアバイン誘発の心臓不整脈を測定した図である。
【図7A】
モルモット右心室におけるウアバイン誘発の心臓不整脈を測定した図である。
【図7B】
モルモット右心室におけるウアバイン誘発の心臓不整脈を測定した図である。
【図7C】
モルモット右心室におけるウアバイン誘発の心臓不整脈を測定した図である。
【図8】
冠動脈結紮を30分間行った対照群およびサリポルフィン処置群のラットにおける収縮期・拡張期血圧を示す図である。対照群と2種類の濃度のサリポルフィン処置群との差は統計的に無意味である(ANOVA)。
【図9】
冠動脈結紮を30分間行った対照群およびサリポルフィン処置群のラットの脈拍を示す図である。対照群と2種類の濃度のサリポルフィン処置群との差は統計的に重要ではない(ANOVA)。

Claims (16)

  1. 哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する医薬組成物であって、
    (i)一般式I:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルもしくはターシャリー−ブトキシカルボニル基)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体、またはその医薬上許容される塩と、
    (ii)医薬上許容される担体または賦形剤と
    からなる医薬組成物。
  2. 前記心臓疾患が、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死である請求項1記載の医薬組成物。
  3. 一般式I:
    Figure 2004506719
    (式中、Rはプロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基である)で表される化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩。
  4. 一般式II:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基であり、Rはエチル、アリル、プロピル、ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルメチルである)で表される化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩。
  5. 哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する医薬組成物であって、
    (i)一般式II:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基であり、Rはエチル、アリル、プロピル、ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルメチルである)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩と、
    (ii)医薬上許容される担体または賦形剤と
    からなる医薬組成物。
  6. 前記心臓疾患が、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死である請求項5記載の医薬組成物。
  7. 一般式III:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基である)で表される化合物、そのエステル誘導体または医薬上許容される塩。
  8. 哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する医薬組成物であって、
    (i)一般式III:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基である)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩と、
    (ii)医薬上許容される担体または賦形剤と
    からなる医薬組成物。
  9. 前記心臓疾患が、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死である請求項8記載の医薬組成物。
  10. 前記医薬組成物は、経口または注射で必要な患者へ投与されるものである請求項1、5または8いずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. 哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する方法であって、
    一般式I:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基である)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体またはその医薬上許容される塩を哺乳動物へ投与する工程を含む方法。
  12. 前記心臓疾患が、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死である請求項11記載の方法。
  13. 哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する方法であって、
    一般式II:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基であり、Rはエチル、アリル、プロピル、ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルメチルである)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物へ投与する工程を含む方法。
  14. 前記心臓疾患が、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死である請求項13記載の方法。
  15. 哺乳動物の心臓疾患を治療および/または予防する方法であって、
    一般式III:
    Figure 2004506719
    (式中、Rは水素、アセチル、プロピニル、ブチリルまたはターシャリー−ブトキシカルボニル基である)で表される有効量の化合物、そのエステル誘導体、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物へ投与する工程を含む方法。
  16. 前記心臓疾患が、心臓不整脈、心筋虚血または心筋梗塞、および心臓不整脈または急性心筋梗塞に起因する突然死である請求項15記載の方法。
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