JP2004506237A - 表示装置 - Google Patents

Abstract

少なくとも１つの光変調パネルと、少なくとも２つの投射エレメントとを有する表示装置であって、動作上、相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像が、第１投射エレメントによって第１の目に示される一方で、相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像が、第２投射エレメントによって第２の目に示される、表示装置である。第２投射エレメントは、小さな視野に実質的に対応する大きな視野の一部分をマスキングする手段を備える。

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも１つの光変調パネルと、少なくとも２つの投射（プロジェクション）エレメントとを有する表示装置であって、動作上、相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像が、第１投射エレメントによって第１の目（アイ）に示される一方で、相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像が、第２投射エレメントによって第２の目に示される、表示装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
米国特許第５，９１２，６５０号から既知である上記の様な表示装置では、相対的に小さな視野について相対的に高い解像度をもつ画像、又は相対的に大きな視野について相対的に低い解像度をもつ画像が、光変調パネルによって、交互に生成される。この表示装置は、第１又は第２画像を、第１又は第２の目に交互に示す手段を備える。従って、相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像が、一方の目により観察され、相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像が、他方の目により観察される。
【０００３】
双方の目に示される画像は、人間の頭脳において組み合わされて、相対的に低い解像度をもつ相対的に大きな視野を有する画像であって、かかる大きな視野の中に、相対的に高い解像度をもつ相対的に小さな視野が位置する画像になる。
【０００４】
しかしながら、米国特許第５，９１２，６５０号に説明される表示装置は、複数の欠点をもつ。該光変調パネルは、相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像を生成し、相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像を生成するように交互に制御されることになる。その結果として、この光変調パネルの制御が、かなり複雑になる。更に、小さな視野に対応する一部も第２投射エレメントにより照射され、この部分は、人間の頭脳で、相対的に高い解像度をもち第１投射エレメントにより形成される画像により置き換えられる。
【０００５】
この結果として、最適な照射（イルミネーション）が得られないことになる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像が、簡略なやり方で生成される一方で、相対的に高い解像度をもつ相対的に小さな視野が、大きな視野の中に位置する、表示装置を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明による表示装置において、この目的は、大きな視野をもつ第２投射エレメントが、小さな視野に実質的に対応する大きな視野の一部分をマスキングする手段を備えるという点において実現される。
【０００８】
小さな視野に対応する大きな視野の一部分が、第２投射エレメントによってマスクされるので、双方の投射エレメントは、関連の投射エレメントにより実行されるべき機能について最適化される。すなわち、相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像を生成し、又は相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像を生成し、一方の画像が一方の目に示されるとともに他方の画像が他方の目に示されるように最適化されることができる。
【０００９】
本発明による表示装置の実施例は、各々の投射エレメントが、別個の光変調パネルを備えており、相対的に小さな視野に関する画像が、第１光変調パネルによって生成されうる一方で、相対的に大きな視野に関する画像が、第２光変調パネルによって生成されうることを特徴とする。
【００１０】
このようにして、画像は連続して双方の目に示されることが可能になる。
【００１１】
本発明による別の実施例は、第２投射エレメントが、光変調パネルと、光変調パネルに先行する（の前に位置する）レンズと、光変調パネルを囲む凹面ミラーと、レンズに先行する層（レイヤ）とを備えており、この層がレンズからの光ビームを凹面ミラーに向かって反射し、前記層は、大きな視野の所望の部分をマスキングするためにマスクされる部分を備えることを特徴とする。
【００１２】
相対的に大きな視野は、凹面ミラーを備えるこのような投射エレメントによって簡略なやり方で生成されることができる。大きな視野から除かれるべき部分は、前記層上に設けられるマスクされた部分によって、効果的にマスクされる。
【００１３】
更に、このマスキングにより、光変調パネルからの光線が、直接目に達することを防ぐ。こうした光線は、目の網膜における画像の形成には何ら貢献しない。これらの光線は逆に画像を乱す。これは迷光（ｓｔｒａｙ ｌｉｇｈｔ）とも呼ばれている。
【００１４】
原則として、光変調パネルから目の瞳孔まで、光線を１００％伝達することは、マスキング効果によって得られることができる。
【００１５】
本発明のこれら及び他の態様は、本明細書の下文に説明される実施例から明らかとなり、これら実施例を参照してより明瞭に説明されるであろう。
【００１６】
図において、対応する構成要素は、同じ参照符号により示される。
【００１７】
【発明の実施の形態】
図１及び図２は、ユーザの頭部の上又は周囲に位置付けられることが可能な、本発明による表示装置の投射エレメント１，２を示す。第１投射エレメント１は、ユーザの第１の目３の前に位置付けられることができ、第２投射エレメント２は、ユーザの他方の第２の目４の前に位置付けられることができる。
【００１８】
第１投射エレメント１は、光変調パネル５と、光変調パネル５に先行する照射ユニット６と、照射ユニット６に先行する２つのレンズ７，８と、レンズ７，８に先行するカバーガラス９とを備える。レンズ７，８は、例えば、投射エレメント１の光軸１２に関して４０°など相対的に小さな視野角１１で、光変調パネル５からの光ビーム１０の像を作る。
【００１９】
図１は、目の瞳孔に対する光変調パネル５の３つのピクセルＰ１，Ｐ２，Ｐ３のみの放射（ｒａｄｉａｔｉｏｎ）を示す。これらピクセルは、中央ピクセルＰ２、光変調パネル５の端部にある２つのピクセルＰ１及びＰ３である。各々個別のピクセルＰ１乃至Ｐ３の放射は、３本の光線によって示される。中央の光線は中央ピクセルから目の瞳孔まで届き、２本の光線は目の端部に届く。
【００２０】
図２は、光変調パネル１３と、光変調パネル１３に先行する照射ユニット１４と、照射ユニット１４に先行するレンズ１５と、レンズ１５を囲むマスキングリング１６と、マスキングリング１６を囲む凹面ミラー１７と、レンズ１５に先行する層（レイヤ）１８とを備える、第２投射エレメント２を示す。層１８は、投射エレメント２の光軸２０を対称的に囲むマスクされた部分１９を備える。
【００２１】
層１８は、光変調パネル１３からの光ビームに対し反射性をもつとともに、凹面ミラー１７からの光ビームに対し透過性がある。
【００２２】
層１８は、半透過型ミラー、偏光の方向に対してセンシティブなミラー、又はコレステリックミラーでありうる。
【００２３】
投射エレメント２は、以下のように動作する。光変調パネル１３からの光ビーム２１は、マスクされた部分１９の外側に位置する層１８の一部分まで、レンズ１５により屈折される。層のこの部分において、光ビーム２１は、凹面ミラー１７に向かって光ビーム２２として反射される。光ビーム２２は、続いて凹面ミラー１７により光ビーム２３として再び反射され、続いて層１８を通過し、目４の方向に向かう。マスクされた部分１９及びマスキングレンズ１６により、またレンズ１５の屈折作用のために、中央に位置する視野２４が照射されることは妨げられる。この結果として、視野２４を囲む視野２５のみが、投射エレメント２を使用することにより、目４に像形成される。視野２５の視野角は、例えば、４０°乃至９６°である。
【００２４】
光変調パネル１３は、相対的に大きな視野の画像を生成する。相対的に低い解像度が、相対的に大きな視野により実現される。更に、投射エレメント２の光線は、網膜の中央部分の外側に像形成される。ここでは、目はより小さな解像度を更に有し、盲点（ｂｌｉｎｄ ｓｐｏｔ）からより遠ざかるにつれて次第に解像度も小さくなる。但し、相対的に小さな視野に関する網膜の高い解像度の中央部分の画像は、光変調パネル５によって生成されるので、この画像は相対的に高い解像度を得る。双方の目３，４上に形成された画像は、人間の頭脳で組み合わされて単一の画像になり、この単一の画像において、相対的に低い解像度をもつ相対的に大きな視野が、相対的に高い解像度をもつ好ましくは中央に位置する小さな視野と組み合わされる。
【００２５】
層１８がコレステリックミラーを備える場合、直線偏光を円偏光に変換するλ／４プレートが、レンズ１５と層１８との間に配される。
【００２６】
層１８が反射型のポラロイド（偏光板）を備える場合、偏光の直線方向を９０°回転するように、λ／４プレートが凹面ミラー１７のすぐ前に配される。
【図面の簡単な説明】
【図１】相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像を生成する、本発明による表示装置の投射エレメントを示す。
【図２】相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像を生成する、本発明による表示装置の投射エレメントを示す。

Claims (8)

1. 少なくとも１つの光変調パネルと、少なくとも２つの投射エレメントとを有し、動作上、相対的に小さな視野において相対的に高い解像度をもつ画像が、第１投射エレメントによって第１の目に示される一方で、相対的に大きな視野において相対的に低い解像度をもつ画像が、第２投射エレメントによって第２の目に示される表示装置であって、
   前記大きな視野をもつ前記第２投射エレメントが、前記小さな視野に実質的に対応する前記大きな視野の一部分をマスキングする手段を備えることを特徴とする表示装置。
2. 各々の投射エレメントが、別個の光変調パネルを備えており、前記相対的に小さな視野の画像が、第１光変調パネルによって生成されることが可能であり、前記相対的に大きな視野の画像が、第２光変調パネルによって生成されることが可能であることを特徴とする、請求項１に記載の表示装置。
3. 前記第２投射エレメントが、前記光変調パネルと、前記光変調パネルに先行するレンズと、前記光変調パネルを囲む凹面ミラーと、前記レンズからの光ビームを前記凹面ミラーに向かって反射する前記レンズに先行する層とを備え、前記層が、前記大きな視野の所望の部分をマスキングするマスクされた部分を備えることを特徴とする、請求項１又は２に記載の表示装置。
4. マスキングリングが、前記レンズを囲むことを特徴とする、請求項３に記載の表示装置。
5. 前記層は、半透過型ミラー、反射型ポラロイド、偏光にセンシティブなミラー又はコレステリックミラーであることを特徴とする、請求項３又は４に記載の表示装置。
6. １／４λ層が、前記レンズ及び前記凹面ミラーと、前記コレステリックミラーとの間に配され、前記１／４λ層によって直線偏光が円偏光に変換可能であることを特徴とする、請求項５に記載の表示装置。
7. １／４λ層が前記凹面ミラーに先行し、前記１／４λ層によって、前記偏光の直線方向が９０°回転可能であることを特徴とする、請求項５に記載の表示装置。
8. 前記大きな視野は約４０°より大きな視野角を有する一方で、前記小さな視野は約４０°より小さな視野角を有し、前記小さな視野の視野角と前記大きな視野の視野角とが、少なくとも隣接することを特徴とする、請求項１乃至７の何れか１項に記載の表示装置。