JP2004503679A - 自動車ボディまたは自動車ボディパーツに多層コーティングを作成する方法 - Google Patents
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Abstract
陰極電着コーティング層と、任意で更なるコーティング層と、外側クリアコーティングとを適用することによって導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに多層コーティングを作成する方法であって、陰極電着コーティング組成物の陰極電着コーティング層が適用され、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有している。
Description
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、多層コーティング層でコートされた自動車ボディまたは自動車ボディパーツを作成する方法に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
腐食防止電着コーティング層と、色合い(color shade)を決める第2の電着コーティング層と、外側保護クリアコート層とを含む多層コーティングを有する自動車ボディおよび自動車ボディパーツは米国特許第5,908,667号から知られている。
【0003】
2層の連続した電着ディップコート層と、色合いを決めるベースコート層と、外側保護クリアコート層とを含む多層コーティングを有する自動車ボディおよび自動車ボディパーツを提供することは、米国特許第5,882,734号から知られている。
【0004】
自動車コーティングにおける合理的な手順と材料の節約のために、得られるコーティングの通常の全体的な特性を実質的に損なうことなく、操作の数およびコーティング層の数を減じる必要がある。自動車コーティングは、特に、腐食防止、耐ストーンチップ性および耐候性に関して、自動車メーカーの要求を満たさなければならない。腐食防止に関しては、電着コーティング組成物は高い均一電着性を有していなければならない。「均一電着性」は、有効な腐食保護にとって重要な、3次元基材の空隙中に堆積される電着コーティング組成物の能力を識別するのに業界で用いられる用語である。すなわち、電着コーティング剤に高い均一電着性がないと、自動車ボディのリセス、凹部およびその他内部表面をコートする能力は低いものしかなく、自動車ボディおよびボディパーツに適正な耐腐食性を与えることができない。自動車ボディは、内部表面から発錆する傾向がある。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、材料を節約し、プロセス工程の少ない自動車コーティングを作成する方法に対する要件を満たすものである。本発明のプロセスを用いて作成されたコーティングはまた、自動車コーティングになされる高い要求、特に、内部表面の腐食防止を含めた腐食防止、耐ストーンチップ性および耐候性に関する要求も満たす。
【0006】
このように、本発明は、陰極電着により陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに適用する工程と、外側コーティング層として、クリアコーティングを適用する工程とを含み、陰極電着コーティング層とクリアコーティングとを適用する間に更なるコーティング層を適用でき、陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマー(1種類以上)とアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマー(1種類以上)とを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有することを特徴とする多層コーティングを作成する方法である。
【0007】
本発明の第1の実施形態は、多層コーティングの色合いを決める陰極電着コーティング組成物のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに陰極電着して、次いで焼成し、その後クリアコーティングを与える多層コーティングの作成方法であって、陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有している。
【0008】
本発明の第2の実施形態は、陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに陰極電着して焼成し、陰極電着コーティング層の焼成の前または後に、多層コーティングの色合いを決める液体コーティング組成物のコーティング層を噴霧し、次いでクリアコーティング層を適用する多層コーティングの作成方法であって、この陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有している。
【0009】
(実施形態の詳細な説明)
第1のコーティング層に適用するために、本発明による方法において用いられる陰極電着コーティング組成物は、例えば、固体含量が10〜30質量%の水性コーティング組成物である。固体は、以下に詳細を述べてある陰極電着バインダーとして用いられるシードポリマーと、架橋剤、顔料および任意で追加のバインダー、ペースト樹脂、フィラーおよび従来からコーティングに用いられている不揮発性添加剤を含む。
【0010】
本発明による方法に用いられる陰極電着コーティング組成物は、陰極電着バインダーとしてアミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーを含む。これは、30〜100mgKOH/gのアミン価および50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシートポリマーであり、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することができる。
【0011】
アミノエポキシ樹脂は、陰極電着バインダーとして当業者に知られており、例えば、特許文献に様々な修正について記載されている。それらはアミン化合物およびポリエポキシドの付加生成物である。前記付加生成物はアミノエポキシ樹脂の好ましい代表例であるが、ここで用いる「アミノエポキシ樹脂」という用語は、エポキシド/二酸化炭素/アミン反応生成物のようなアミノエポキシ樹脂誘導体を含むものとする。エポキシド/二酸化炭素/アミン反応生成物は、アミン化合物の付加生成物および部分または完全炭酸ポリエポキシドと理解される。部分または完全炭酸ポリエポキシドは、一部または全エポキシ基が二酸化炭素と反応して、5員環環状炭酸基、いわゆる2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を与えるポリエポキシドである。アミノ基は、置換基として、および/またはアミノエポキシ樹脂中のポリマー骨格の一成分として存在することができる。
【0012】
アミノエポキシ樹脂は、例えば、芳香族エポキシ樹脂を第1級および/または第2級モノ−および/またはポリアミンと反応させることにより調製することができる。反応は有機溶剤または溶融物中で行うことができる。反応を有機溶剤中で実施する場合は、水混和性溶剤、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノールのようなアルコール類;メトキシプロパノール、ブトキシエタノールのようなグリコールエーテル類;ブチルグリコールアセテートのようなグリコールエーテルエステル、またはキシレンのような水非混和性溶剤を溶剤または溶剤混合物として用いることができる。芳香族エポキシ樹脂は、芳香族ポリグリシジルエーテルを含有するエポキシ基を含む。芳香族ポリグリシジルエーテルは、例えば、ポリフェノール、好ましくはジフェノール、特に、多核ジフェノールのエピクロロヒドリンとの反応から得られる。アミノエポキシ樹脂を合成するには、エポキシおよび/またはシクロカーボネート等量が170〜1000の芳香族エポキシ樹脂またはその混合物を用いるのが好ましい。特に好ましい芳香族エポキシ樹脂は、主に、ジフェニルオールプロパン(ビスフェノールA)のエピクロロヒドリンとの反応から得られる従来から市販されているエポキシ樹脂である。モノ−および/またはポリアミンは、第1級および/または第2級アミノ基に加えて、更なる官能基、特に、ヒドロキシル基および/または第3級アミノ基も含有することができる。第1級および/または第2級アミノ基と、任意でさらに官能基を備えたモノ−および/またはポリアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モルホリン、ステアリルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ラウリルプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、N,N’−ビス−(イソヘキシル)−1,6−ジアミノヘキサン、エタノールアミン、プロパノールアミン、エチレングリコール(2−アミノ−エチル)エーテル、N−メチルアミノエタノールまたはジエタノールアミン、1,6−ジアミノヘキサンまたは2−メチルペンタメチレンジアミンのようなジ第1級アミンの1:2付加物、およびグリシジルエーテルやエステルまたはモノエポキシアルカンのようなモノエポキシドが例示される。
【0013】
アミノエポキシ樹脂を用いて調製すると、シードポリマーのヒドロキシル価が50〜300mgKOH/g、アミン価が40〜200、好ましくは50〜170、特に90〜130mgKOH/gとなり有利である。アミノエポキシ樹脂は、オレフィン性不飽和二重結合を含有するか、またはそれらを含まず、アミノエポキシ樹脂について通常の修正を行うことができる。
【0014】
アミノエポキシ樹脂を存在させて遊離基重合を行うためのモノマー混合物の一成分として用いることのできるヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メソ)アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メソ)アクリレート、イソマーヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル(メソ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル(メソ)アクリレートのアルコキシル化および/またはラクトン化生成物およびこれらの混合物が例示される。かかるアルコキシル化生成物としては、ヒドロキシアルキル(メソ)アクリレート、およびエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドの反応生成物が例示される。ラクトン化生成物としては、ヒドロキシアルキル(メソ)アクリレートおよびラクトンの反応生成物、特にイプシロン−カプロラクトンが例示される。
【0015】
アミノエポキシ樹脂を存在させて遊離基重合を行うためのモノマー混合物の一成分として用いることのできるアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとしては、アミノアルキル(メソ)アクリレートおよびアミノアルキル(メソ)アクリルアミドが例示され、例えば、アミノ基と(メソ)アクリロイルまたは(メソ)アクリルアミド基を結合する2〜4個のC原子をアルキレン基に有している。アミノ基は、特に、第2級または第3級アミノ基である。かかるモノマーとしては、メチルアミノエチル(メソ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メソ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メソ)アクリレート、tert.−ブチルアミノエチル(メソ)アクリレート、n−ブチルアミノエチル(メソ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メソ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メソ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メソ)アクリルアミドおよびこれらの混合物が例示される。
【0016】
ヒドロキシ官能性およびアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーに加えて、モノマー混合物はまた、通常さらに重合性オレフィン性不飽和モノマーも含有する。これらの選択は、通常、更なる官能基は持たないオレフィン性不飽和モノマーからなされる。かかるコモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレンのようなモノビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサティック酸(versatate)ビニルのような脂肪族カルボン酸のビニルエステル;例えば、メチル、エチルまたは3〜6個のC原子を有するアルキルビニルエーテルのようなビニルエーテル;特に、しかしながら、メチル(メソ)アクリレート、エチル(メソ)アクリレート、プロピル(メソ)アクリレート、イソプロピル(メソ)アクリレートのような(シクロ)アルキル(メソ)アクリレート、様々なイソマーブチル(メソ)アクリレート、n−ペンチル(メソ)アクリレート、アミル(メソ)アクリレート、n−ヘキシル(メソ)アクリレート、シクロヘキシル(メソ)アクリレート、イソマーオクチル(メソ)アクリレート、例えば、2−エチルヘキシル(メソ)アクリレート、n−デシル(メソ)アクリレート、n−ドデシル(メソ)アクリレート、ラウリル(メソ)アクリレート、ステアリル(メソ)アクリレートおよびイソボルニル(メソ)アクリレートが例示される。
【0017】
モノマー混合物の組成は、例えば、15〜30質量%のヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーと、5〜25、好ましくは7〜20質量%のアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーと、50〜80質量%の更なるオレフィン性不飽和コモノマーであるのが有利である。芳香族炭化水素基を含む更なるオレフィン性不飽和コモノマーの含量は、モノマー混合物中10質量%以下であると有利である。(シクロ)アルキル基に1〜18個の炭素原子を備えた(シクロ)アルキル(メソ)アクリレートは、更なるオレフィン性不飽和コモノマーとして好ましい。
【0018】
シードポリマーは、アミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性およびアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物のラジカル共重合により調製することができる。「モノマー混合物」という用語は、異なるオレフィン性不飽和モノマーの分離、例えば、連続または交互付加の可能性を排除するものではないが、モノマーは通常、混合物として添加される。モノマー混合物のラジカル重合により、アミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーのビニルポリマー部分が作られる。これは、オレフィン性不飽和モノマーの、アミノエポキシ樹脂のオレフィン性二重結合との重合またはグラフト重合であり、または重合は、オレフィン性二重結合のないアミノエポキシ樹脂の存在下で生じる、またはアミノエポキシ樹脂の水素引抜きにより開始されるアミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーのアミノエポキシ部分へのオレフィン性不飽和モノマーのグラフト重合である。
【0019】
重合は、従来のラジカル開始剤、例えば、過酸化物またはアゾ開始剤の添加により実施される。当業者に知られたラジカル共重合の標準的な方法があり、説明の必要はない。
【0020】
好ましくは、ラジカル重合は、溶融物を存在させて行われないが、アミノエポキシ樹脂、特に水混和性の有機溶剤は存在させて行われる。水混和性有機溶剤としては、アミノエポキシ樹脂の調製に関連して上述した溶剤が例示される。好ましくは、ラジカル重合が完了したら、この手順により、シードポリマー含量が50〜90、特に60〜80質量%の有機溶剤が得られる。
【0021】
アミノエポキシ樹脂の存在下、ラジカル重合を行うアミノエポキシ樹脂およびヒドロキシ官能基、アミノ官能基および任意で更なるオレフィン性不飽和コモノマーは、ラジカル重合が完了したら、アミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーの比率が3〜30となるように用いられ、好ましくは5〜20質量%のアミノエポキシ樹脂部分と、97〜70、好ましくは95〜80質量%のヒドロキシおよびアミノ官能性ビニルポリマー部分とを備え、アミン価が30〜100、好ましくは40〜70mgKOH/gおよびヒドロキシ価が50〜200、好ましくは80〜150mgKOH/gである。
【0022】
特に好ましいシードポリマーは、ここに明確だが限定されずに参照される米国特許第5,272,188号より知られたシードポリマーであり、好ましくはそこに記載された方法により調製される。米国特許第5,272,188号のプロセスにより作成されたシードポリマーは、第2級または第3級アミノ基を有する7〜20質量%の(メソ)アクリレート、15〜30質量%のヒドロキシ官能性(メソ)アクリレート、50〜78質量%のC1〜C18−アルキル(メソ)アクリレートおよび10質量%までの芳香族ビニルモノマーを含む70〜97質量%のモノマー混合物を、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂を存在させて、ラジカル重合することにより調製される。このとき、モノマー混合物とアミノエポキシ樹脂は両方ともそれぞれ7〜18個の炭素原子を有する少なくとも5質量%の同一の脂肪族基を含有している。シードポリマーは、陰極電着可能で、プライマーおよび一層塗料として用いて、耐食性と、洗浄剤およびUVに抵抗性があり、耐候性を有する、ペール着色された黄変しない光沢のあるコーティングフィルムを与える電着コーティング剤の調製に好適な電着コーティングバインダーとして用いることができる。これらの電着コーティング剤が、自動車ボディまたはボディパーツの多層コーティングのニーズを満足するという証拠はない。
【0023】
アルカリ性アミノ基の少なくとも一部を酸で中和した後、シードポリマーを水相に変換させることができる。用いることのできる酸としては、ギ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸およびアミドスルホン酸が例示される。ここでは、水を添加する前および/または後に、有機溶剤を除去して、例えば、減圧蒸留することにより、所望の含量とすることができる。
【0024】
本発明によるプロセスにおいて用いる陰極電着コーティング組成物は、陰極電着バインダーとして用いるシードポリマーに対する架橋剤を含有している。アミノ樹脂、ブロックポリイソシアネートまたはエステル交換反応可能な基を含有する架橋剤のような陰極電着コーティング組成物について知られている従来の架橋剤が例示される。好ましくは、架橋剤は50質量%を超える、特に例えば、100質量%のブロックポリイソシアネートを含む。
【0025】
シードポリマーおよび架橋剤は、陰極電着コーティング組成物中に60〜90:40〜10質量%の比率で存在する。
【0026】
陰極電着バインダーおよび架橋剤として用いるシードポリマーと同様に、陰極電着コーティング組成物はまた、シードポリマーおよび架橋剤の総量に対して25質量%までのその他のバインダーも含有することができる。例を挙げると、シードポリマーとは異なる陰極電着バインダーまたは非イオン性バインダーである。任意に含まれる追加のバインダーは特に、UV放射線の作用により白化しないバインダーである。
【0027】
シードポリマーおよび架橋剤に加えて、陰極電着コーティング組成物は顔料、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄顔料、フタロシアニン顔料およびキナクリドン顔料のような従来の無機および/または有機着色顔料を含む。
【0028】
陰極電着コーティング組成物は、フィラー、例えば、カオリン、タルカムまたは二酸化ケイ素を含有することができる。
【0029】
顔料およびフィラーを分散させて、例えば、公知のペースト樹脂を用いて顔料ペーストとすることができる。
【0030】
添加剤として、特に、陰極電着コーティング組成物について知られた従来の添加剤が利用可能である。これらの例を挙げると、湿潤剤、中和剤、流量調節剤、触媒、腐食防止剤、破裂防止剤、消泡剤、溶剤、光保護剤および酸化防止剤がある。
【0031】
陰極電着コーティング組成物は、好ましくは鉛を含まない、すなわち、鉛を含有しない顔料、腐食防止添加剤または触媒であるのが好ましい。
【0032】
陰極電着コーティング組成物は、陰極電着浴、すなわち、原則的には、いわゆる一液性方法か、いわゆる二液性方法のいずれかを用いて調製することができる。
【0033】
一液性方法により陰極電着コーティング組成物を調製するときは、例えば、顔料および/またはフィラーを陰極電着バインダーおよび/または架橋剤として用いるシードポリマーの一部に分散し、次いで、例えば、この分散液をビーズミルで粉砕して進めることができ、この後、陰極電着バインダーおよび/または架橋剤の欠落部分と混合することによりこのプロセスを完了する。次いで陰極電着コーティング組成物は、酸による中和および水による希釈により得られた材料から調製することができる。
【0034】
二液性方法による陰極電着コーティング組成物を調製するときは、例えば、顔料を添加した陰極電着コーティング組成物を、別個の顔料ペーストと混合することにより、陰極電着バインダーおよび架橋剤として用いるシードポリマーの水分散液から調製して進めることができる。
【0035】
本発明による方法の第2の実施形態において、クリアコーティング層を適用する前に多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を陰極電着コーティング層に適用する。このため、特に、色および/または効果を与えるベースコートを同じやり方で用いて、ベースコート/クリアコートの二層コーティングの作成に用いることができる。これは、例えば、特許文献の数多くの例により知られている。
【0036】
ベースコートは液体コーティング組成物の形態である。これらは一液性または多液性とすることができる。これらは、有機溶剤または水含有ベースコートに基づく系とすることができる。ベースコートは、物理的に乾燥する性質であるか、または共有結合を形成することにより架橋させることができる。
【0037】
水および/または有機溶剤のような揮発性成分と、バインダーおよび任意の架橋剤のような固体成分に加えて、ベースコートは、無機および/または有機着色顔料および/または効果顔料、例えば、二酸化チタン、酸化鉄顔料、カーボンブラック、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、金属顔料、例えば、チタン、アルミニウムまたは銅のもの、干渉顔料、例えば、二酸化チタンコートアルミニウム、コートマイカ、フレーク形態の酸化鉄およびフレーク形態の銅フタロシアニン顔料を含有している。
【0038】
さらに、ベースコートは、例えば、フィラー、触媒、流量調節剤、破裂防止剤、光保護剤および酸化防止剤のようなコーティングに従来用いられいる添加剤を含有することができる。
【0039】
本発明による方法において、適用は焼成した陰極電着コーティング層に直接(第1の実施形態)か、多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を陰極電着コーティング層に適用してある場合には(第2の実施形態)、1または複数のクリアコート層を含むクリアコーティングを適用する。
【0040】
1または複数のクリアコート層を作成するためのクリアコーティング組成物としては、全て従来のクリアコートが好適である。これらは一液性または多液性クリアコートとすることができる。溶剤フリー(液体、または粉末クリアコートの形態)、または溶剤に基づく系、または水希釈性のクリアコートである。水希釈性クリアコート系は、水溶性系または水に分散させた系、例えば、エマルジョン系または粉末クリアコート分散液とすることができる。
【0041】
外側クリアコーティングの代わりに、接着によって透明フィルムを適用することも可能である。
【0042】
本発明による方法において、導電性自動車ボディまたはそのパーツがコートされる。例えば、予備処理された、例えば、リン酸化および任意で不活性化または導電性プリコート金属を含み、またはいくつかの異なる金属および/または金属とプラスチックパーツの組み合わせを混合した構造で結合させることにより作成された自動車ボディ(またはボディパーツ)である。金属としては、亜鉛めっきまたは亜鉛めっきされていない鋼、アルミニウムおよび軽金属合金が例示される。陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層は、従来の方法で、例えば、乾燥フィルム厚さが15〜40μmでこれらの基材上に陰極電着され、例えば、130〜180℃の温度で焼成さる。乾燥フィルム厚さについてのデータは、観察者が目視可能な表面のフィルム厚さに関するものである。観察者が直接見ることのできない領域、例えば、自動車ボディの制限されたキャビティの乾燥フィルム厚さは薄い。しかしながら、本発明による方法に用いられる電着コーティング組成物の高い均一電着性のために、かかる制限キャビティの腐食防止は有効である。
【0043】
本発明による方法の第2の実施形態において、クリアコーティング層を適用する前に多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を液体コーティング組成物に噴霧することにより、陰極電着コーティング層に適用する。多層コーティングの色合いを決めるコーティング層は、予備乾燥済みだが、未だ焼成していない陰極電着コーティング層上にウェット・オン・ウェットで適用し、陰極電着コーティング層について上述した焼成条件下で後者と共に焼成することができる。しかしながら、多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を既に焼成した陰極電着コーティング層に適用するのが好ましい。噴霧適用は、色合いによるが、例えば、8〜40μmの乾燥フィルム厚さの色および/または効果を与えるベースコートで実施するのが好ましい。噴霧プロセスの例を挙げると、圧縮空気噴霧、無空気噴霧または静電高速ロータリ噴霧である。好ましくは、ベースコートの適用は、外側領域、特に、観察者に見える基材表面、すなわち、例えば、自動車ボディの制限キャビティではない領域でのみ実質的に実施される。
【0044】
本発明による方法の両実施形態において、1または複数のクリアコート層の外側クリアコーティングが適用される。いくつかのクリアコート層を適用する場合には、同一または異なるクリアコートとすることができる。好ましくは、1層のみのコート層を適用する。クリアコート層の適用は、乾燥フィルム厚さが40〜100μmとなるように噴霧することにより実施される。噴霧プロセスの例を挙げると、圧縮空気噴霧、無空気噴霧または静電高速ロータリ噴霧である。好ましくは、クリアコートの適用は、外側領域、特に、観察者に見える基材表面、すなわち、例えば、自動車ボディの制限キャビティではない領域でのみ実質的に実施される。本発明による方法の第2の実施形態の場合に、ベースコート層を既に焼成された陰極電着コーティング層に適用してある場合には、クリアコーティングは、例えば、20〜80℃でウェット・オン・ウェットプロセスでの短いフラッシュオフ相の後、フラッシュオフにより予備乾燥されたベースコート層に適用されるのが好ましい。クリアコート層は、例えば、80〜160℃の温度で焼成することにより化学的に架橋されている。
【0045】
本発明による方法により作成された多層コーティングの合計フィルム厚さは好ましくは80〜120μmであるのが好ましい。
【0046】
陰極電着コーティング層は、クリアコーティングのみ(第1の実施形態)か、または色合いおよび/または多層コーティングおよびクリアコーティングの影響を決めるコーティング層(第2の実施形態)を備えている。本発明による方法の第1の実施形態に従って得られた多層コーティングの場合には、色合いは、基材表面に直接適用された陰極電着コーティング組成物から決まる。一方、本発明による方法の第2の実施形態に従って得られた多層コーティングの色合いおよび/または影響は、陰極電着コーティング層に適用されたコーティング層により決まる。
【0047】
第1の実施形態は、単色多層コーティングの作成に特に好適であり、一方、効果多層コーティングは、本発明による方法の第2の実施形態に従って作成されるのが好ましい。単色多層コーティングもまた、本発明による方法の第2の実施形態に従って作成可能であることは言うまでもない。
【0048】
本発明による方法の第1の実施形態は、多層でコートされ、一色または、例えば、3色の斑以下の限られた数の色合いで作成される自動車ボディ(またはボディパーツ)の作成に特に好適である。自動車ボディ(またはボディパーツ)を、色合い範囲に対応する異なる単一色合いの数多くの陰極電着浴において陰極電着コートし、次いでクリアコーティングを与える。
【0049】
本発明による方法の第2の実施形態は、多層でコートされ、一色または、例えば、3つを超える、比較的多数の色合いで作成される自動車ボディ(またはボディパーツ)の作成に特に好適である。自動車ボディ(またはボディパーツ)は、この場合、単一色合いで陰極電着コートされ、次いで所望の色合いでベースコート/クリアコートの2層コーティングが与えられる。
【0050】
特に、複数の単一色合いおよび効果色合いから構成された色合い範囲の、いくつかの異なる色合いの多層でコートされた自動車ボディ(またはボディパーツ)を作成する場合には、本発明による方法の第1および第2の実施形態を組み合わせるのが特に有利である。この場合、自動車ボディ(またはボディパーツ)は、1つ以上の異なる単一色合いで陰極電着でき、次いでその部分にクリアコーティングを与え、残りの部分に更なる色合いでベースコート/クリアコートの2層コーティングを与えることができる。単色陰極電着コーティング層とクリアコーティングのみが与えられた自動車ボディ(またはボディパーツ)の色合いは、現在作成される色合い範囲の最大割合を形作る単一色合いまたは複数の色合いである。
【0051】
本発明による方法によって、自動車ボディおよび自動車ボディパーツに、良好な腐食防止、耐ストーンチップ性および耐候性を備えた多層コーティングを作成することができる。ここで、良好な腐食防止は、本発明に従って作成された多層コーティングの腐食防止作用、および用いた陰極電着コーティング組成物の良好な均一電解性挙動の結果である。本発明による方法はまた、材料も節約し、僅かのプロセス工程しか必要としない。
【0052】
(実施例)
(実施例1)
米国特許第5,272,188号、表4、実施例3に従って、白色陰極電着コーティング組成物を作成した(アミン価が41mgKOH/g、ヒドロキシル価が81mgKOH/gの陰極電着コーティングバインダーとしてシードポリマーを含有、シードポリマーは10質量%のアミノエポキシ部分と90質量%のビニルポリマー部分とからなっていた)。
【0053】
陰極電着コーティング組成物の均一電着性挙動を以下のようにして判断した。リン酸亜鉛自動車鋼板を合わせることにより作成し、27cmの深さで10リットルの陰極電着コーティング組成物の浴に浸漬させた陰極として切り替えた均一電着性ボックスに、電着圧力300Vで2分間30℃でコートし、脱イオン水で15分間175℃(目標温度)で濯いだ後、焼成した。均一電着性ボックス外側の陰極電着フィルム厚さは20μmであった。VDA[ドイツ自動車工業]推奨の621−180に従ってコーティング結果を評価した。得られた均一電着性の尺度となる内部フィルム厚さについての5μm制限は15cmであった。腐食ラインもまた判断した。錆のないゾーンの長さは18cmであった。腐食試験を、DIN 53 167に従った240時間塩水噴霧試験として行った。
【0054】
(実施例2)
粉末クリアコートを作成した。エポキシ当量が380で、平均分子量(Mn)が2000の720gのエポキシ官能性メタクリルコポリマーと、210gの1,12−ドデカンジ酸と、30gの光保護剤(チバ製Tinuvin(登録商標)900(UV吸収剤)とTinuvin(登録商標)111(立体障害アミン光保護剤)の1:1混合物)と、3gのベンゾインと、6gのチバ製Irganox(登録商標)B225(酸化防止剤)と、8gのTroyケミー製Troy(登録商標)EX570(レベリング剤)とを乾燥状態でまず混合し、次いで100〜120℃で押出し機により分散させた。押出し物を冷却し、予備粉砕した後、後者を空気分離ボールミルで平均粒子サイズ(d50)20μmまでミリングして、粉末クリアコートとした。
【0055】
(実施例3)
白色多層コーティングを本発明に従って作成した。リン酸亜鉛自動車鋼板を、実施例1の白色陰極電着コーティング組成物を用いて、通常のやり方で、乾燥フィルム厚さ30μmで陰極電着コートした。陰極電着コーティング層を15分間目標温度175℃で焼成した後、実施例2の粉末クリアコートにより、乾燥フィルム厚さ60μmでオーバーコートし、30分間145℃(目標温度)で焼成した。
【0056】
このようにして作成した白色多層コーティングに技術試験を行った。
−フォードストーンチップ試験EU−BI157−04の特性値は2〜3となった。
−VDA推奨の621−415に従って加速風化試験(塩水噴霧への露出、凝縮および残り相への露出のサイクル)を行い、VDA推奨の621−414に従って12ヶ月の屋外風化試験(試験を厳しくするために塩水への周期的な露出を含む)を行ったところ、切り込み部位でのフィルム下腐食についての値は1.5mmであった。
−白色多層コーティングは、UV放射線による風化試験後、白化や剥離の徴候を示さなかった。
【0057】
上記の実施例は、本発明による方法に従って作成された多層コーティングの自動車部門への好適性を示すものである。試験結果は、自動車メーカーにより必要とされる仕様内にある。陰極電着コーティング組成物に白色顔料を添加する代わりに、その他の顔料を選んでも、またはクリアコーティングを粉末クリアコートの代わりに、自動車業界で大量生産されている従来の他のクリアコートから作成しても、または着色コートを陰極電着コーティング層とクリアコートの間に用いても、これに匹敵する試験結果が得られた。
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、多層コーティング層でコートされた自動車ボディまたは自動車ボディパーツを作成する方法に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
腐食防止電着コーティング層と、色合い(color shade)を決める第2の電着コーティング層と、外側保護クリアコート層とを含む多層コーティングを有する自動車ボディおよび自動車ボディパーツは米国特許第5,908,667号から知られている。
【0003】
2層の連続した電着ディップコート層と、色合いを決めるベースコート層と、外側保護クリアコート層とを含む多層コーティングを有する自動車ボディおよび自動車ボディパーツを提供することは、米国特許第5,882,734号から知られている。
【0004】
自動車コーティングにおける合理的な手順と材料の節約のために、得られるコーティングの通常の全体的な特性を実質的に損なうことなく、操作の数およびコーティング層の数を減じる必要がある。自動車コーティングは、特に、腐食防止、耐ストーンチップ性および耐候性に関して、自動車メーカーの要求を満たさなければならない。腐食防止に関しては、電着コーティング組成物は高い均一電着性を有していなければならない。「均一電着性」は、有効な腐食保護にとって重要な、3次元基材の空隙中に堆積される電着コーティング組成物の能力を識別するのに業界で用いられる用語である。すなわち、電着コーティング剤に高い均一電着性がないと、自動車ボディのリセス、凹部およびその他内部表面をコートする能力は低いものしかなく、自動車ボディおよびボディパーツに適正な耐腐食性を与えることができない。自動車ボディは、内部表面から発錆する傾向がある。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、材料を節約し、プロセス工程の少ない自動車コーティングを作成する方法に対する要件を満たすものである。本発明のプロセスを用いて作成されたコーティングはまた、自動車コーティングになされる高い要求、特に、内部表面の腐食防止を含めた腐食防止、耐ストーンチップ性および耐候性に関する要求も満たす。
【0006】
このように、本発明は、陰極電着により陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに適用する工程と、外側コーティング層として、クリアコーティングを適用する工程とを含み、陰極電着コーティング層とクリアコーティングとを適用する間に更なるコーティング層を適用でき、陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマー(1種類以上)とアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマー(1種類以上)とを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有することを特徴とする多層コーティングを作成する方法である。
【0007】
本発明の第1の実施形態は、多層コーティングの色合いを決める陰極電着コーティング組成物のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに陰極電着して、次いで焼成し、その後クリアコーティングを与える多層コーティングの作成方法であって、陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有している。
【0008】
本発明の第2の実施形態は、陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに陰極電着して焼成し、陰極電着コーティング層の焼成の前または後に、多層コーティングの色合いを決める液体コーティング組成物のコーティング層を噴霧し、次いでクリアコーティング層を適用する多層コーティングの作成方法であって、この陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有している。
【0009】
(実施形態の詳細な説明)
第1のコーティング層に適用するために、本発明による方法において用いられる陰極電着コーティング組成物は、例えば、固体含量が10〜30質量%の水性コーティング組成物である。固体は、以下に詳細を述べてある陰極電着バインダーとして用いられるシードポリマーと、架橋剤、顔料および任意で追加のバインダー、ペースト樹脂、フィラーおよび従来からコーティングに用いられている不揮発性添加剤を含む。
【0010】
本発明による方法に用いられる陰極電着コーティング組成物は、陰極電着バインダーとしてアミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーを含む。これは、30〜100mgKOH/gのアミン価および50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシートポリマーであり、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することができる。
【0011】
アミノエポキシ樹脂は、陰極電着バインダーとして当業者に知られており、例えば、特許文献に様々な修正について記載されている。それらはアミン化合物およびポリエポキシドの付加生成物である。前記付加生成物はアミノエポキシ樹脂の好ましい代表例であるが、ここで用いる「アミノエポキシ樹脂」という用語は、エポキシド/二酸化炭素/アミン反応生成物のようなアミノエポキシ樹脂誘導体を含むものとする。エポキシド/二酸化炭素/アミン反応生成物は、アミン化合物の付加生成物および部分または完全炭酸ポリエポキシドと理解される。部分または完全炭酸ポリエポキシドは、一部または全エポキシ基が二酸化炭素と反応して、5員環環状炭酸基、いわゆる2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を与えるポリエポキシドである。アミノ基は、置換基として、および/またはアミノエポキシ樹脂中のポリマー骨格の一成分として存在することができる。
【0012】
アミノエポキシ樹脂は、例えば、芳香族エポキシ樹脂を第1級および/または第2級モノ−および/またはポリアミンと反応させることにより調製することができる。反応は有機溶剤または溶融物中で行うことができる。反応を有機溶剤中で実施する場合は、水混和性溶剤、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノールのようなアルコール類;メトキシプロパノール、ブトキシエタノールのようなグリコールエーテル類;ブチルグリコールアセテートのようなグリコールエーテルエステル、またはキシレンのような水非混和性溶剤を溶剤または溶剤混合物として用いることができる。芳香族エポキシ樹脂は、芳香族ポリグリシジルエーテルを含有するエポキシ基を含む。芳香族ポリグリシジルエーテルは、例えば、ポリフェノール、好ましくはジフェノール、特に、多核ジフェノールのエピクロロヒドリンとの反応から得られる。アミノエポキシ樹脂を合成するには、エポキシおよび/またはシクロカーボネート等量が170〜1000の芳香族エポキシ樹脂またはその混合物を用いるのが好ましい。特に好ましい芳香族エポキシ樹脂は、主に、ジフェニルオールプロパン(ビスフェノールA)のエピクロロヒドリンとの反応から得られる従来から市販されているエポキシ樹脂である。モノ−および/またはポリアミンは、第1級および/または第2級アミノ基に加えて、更なる官能基、特に、ヒドロキシル基および/または第3級アミノ基も含有することができる。第1級および/または第2級アミノ基と、任意でさらに官能基を備えたモノ−および/またはポリアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モルホリン、ステアリルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ラウリルプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、N,N’−ビス−(イソヘキシル)−1,6−ジアミノヘキサン、エタノールアミン、プロパノールアミン、エチレングリコール(2−アミノ−エチル)エーテル、N−メチルアミノエタノールまたはジエタノールアミン、1,6−ジアミノヘキサンまたは2−メチルペンタメチレンジアミンのようなジ第1級アミンの1:2付加物、およびグリシジルエーテルやエステルまたはモノエポキシアルカンのようなモノエポキシドが例示される。
【0013】
アミノエポキシ樹脂を用いて調製すると、シードポリマーのヒドロキシル価が50〜300mgKOH/g、アミン価が40〜200、好ましくは50〜170、特に90〜130mgKOH/gとなり有利である。アミノエポキシ樹脂は、オレフィン性不飽和二重結合を含有するか、またはそれらを含まず、アミノエポキシ樹脂について通常の修正を行うことができる。
【0014】
アミノエポキシ樹脂を存在させて遊離基重合を行うためのモノマー混合物の一成分として用いることのできるヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メソ)アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メソ)アクリレート、イソマーヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル(メソ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル(メソ)アクリレートのアルコキシル化および/またはラクトン化生成物およびこれらの混合物が例示される。かかるアルコキシル化生成物としては、ヒドロキシアルキル(メソ)アクリレート、およびエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドの反応生成物が例示される。ラクトン化生成物としては、ヒドロキシアルキル(メソ)アクリレートおよびラクトンの反応生成物、特にイプシロン−カプロラクトンが例示される。
【0015】
アミノエポキシ樹脂を存在させて遊離基重合を行うためのモノマー混合物の一成分として用いることのできるアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとしては、アミノアルキル(メソ)アクリレートおよびアミノアルキル(メソ)アクリルアミドが例示され、例えば、アミノ基と(メソ)アクリロイルまたは(メソ)アクリルアミド基を結合する2〜4個のC原子をアルキレン基に有している。アミノ基は、特に、第2級または第3級アミノ基である。かかるモノマーとしては、メチルアミノエチル(メソ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メソ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メソ)アクリレート、tert.−ブチルアミノエチル(メソ)アクリレート、n−ブチルアミノエチル(メソ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メソ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メソ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メソ)アクリルアミドおよびこれらの混合物が例示される。
【0016】
ヒドロキシ官能性およびアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーに加えて、モノマー混合物はまた、通常さらに重合性オレフィン性不飽和モノマーも含有する。これらの選択は、通常、更なる官能基は持たないオレフィン性不飽和モノマーからなされる。かかるコモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレンのようなモノビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサティック酸(versatate)ビニルのような脂肪族カルボン酸のビニルエステル;例えば、メチル、エチルまたは3〜6個のC原子を有するアルキルビニルエーテルのようなビニルエーテル;特に、しかしながら、メチル(メソ)アクリレート、エチル(メソ)アクリレート、プロピル(メソ)アクリレート、イソプロピル(メソ)アクリレートのような(シクロ)アルキル(メソ)アクリレート、様々なイソマーブチル(メソ)アクリレート、n−ペンチル(メソ)アクリレート、アミル(メソ)アクリレート、n−ヘキシル(メソ)アクリレート、シクロヘキシル(メソ)アクリレート、イソマーオクチル(メソ)アクリレート、例えば、2−エチルヘキシル(メソ)アクリレート、n−デシル(メソ)アクリレート、n−ドデシル(メソ)アクリレート、ラウリル(メソ)アクリレート、ステアリル(メソ)アクリレートおよびイソボルニル(メソ)アクリレートが例示される。
【0017】
モノマー混合物の組成は、例えば、15〜30質量%のヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーと、5〜25、好ましくは7〜20質量%のアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーと、50〜80質量%の更なるオレフィン性不飽和コモノマーであるのが有利である。芳香族炭化水素基を含む更なるオレフィン性不飽和コモノマーの含量は、モノマー混合物中10質量%以下であると有利である。(シクロ)アルキル基に1〜18個の炭素原子を備えた(シクロ)アルキル(メソ)アクリレートは、更なるオレフィン性不飽和コモノマーとして好ましい。
【0018】
シードポリマーは、アミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性およびアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物のラジカル共重合により調製することができる。「モノマー混合物」という用語は、異なるオレフィン性不飽和モノマーの分離、例えば、連続または交互付加の可能性を排除するものではないが、モノマーは通常、混合物として添加される。モノマー混合物のラジカル重合により、アミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーのビニルポリマー部分が作られる。これは、オレフィン性不飽和モノマーの、アミノエポキシ樹脂のオレフィン性二重結合との重合またはグラフト重合であり、または重合は、オレフィン性二重結合のないアミノエポキシ樹脂の存在下で生じる、またはアミノエポキシ樹脂の水素引抜きにより開始されるアミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーのアミノエポキシ部分へのオレフィン性不飽和モノマーのグラフト重合である。
【0019】
重合は、従来のラジカル開始剤、例えば、過酸化物またはアゾ開始剤の添加により実施される。当業者に知られたラジカル共重合の標準的な方法があり、説明の必要はない。
【0020】
好ましくは、ラジカル重合は、溶融物を存在させて行われないが、アミノエポキシ樹脂、特に水混和性の有機溶剤は存在させて行われる。水混和性有機溶剤としては、アミノエポキシ樹脂の調製に関連して上述した溶剤が例示される。好ましくは、ラジカル重合が完了したら、この手順により、シードポリマー含量が50〜90、特に60〜80質量%の有機溶剤が得られる。
【0021】
アミノエポキシ樹脂の存在下、ラジカル重合を行うアミノエポキシ樹脂およびヒドロキシ官能基、アミノ官能基および任意で更なるオレフィン性不飽和コモノマーは、ラジカル重合が完了したら、アミノエポキシ/ビニルポリマーハイブリッドバインダーの比率が3〜30となるように用いられ、好ましくは5〜20質量%のアミノエポキシ樹脂部分と、97〜70、好ましくは95〜80質量%のヒドロキシおよびアミノ官能性ビニルポリマー部分とを備え、アミン価が30〜100、好ましくは40〜70mgKOH/gおよびヒドロキシ価が50〜200、好ましくは80〜150mgKOH/gである。
【0022】
特に好ましいシードポリマーは、ここに明確だが限定されずに参照される米国特許第5,272,188号より知られたシードポリマーであり、好ましくはそこに記載された方法により調製される。米国特許第5,272,188号のプロセスにより作成されたシードポリマーは、第2級または第3級アミノ基を有する7〜20質量%の(メソ)アクリレート、15〜30質量%のヒドロキシ官能性(メソ)アクリレート、50〜78質量%のC1〜C18−アルキル(メソ)アクリレートおよび10質量%までの芳香族ビニルモノマーを含む70〜97質量%のモノマー混合物を、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂を存在させて、ラジカル重合することにより調製される。このとき、モノマー混合物とアミノエポキシ樹脂は両方ともそれぞれ7〜18個の炭素原子を有する少なくとも5質量%の同一の脂肪族基を含有している。シードポリマーは、陰極電着可能で、プライマーおよび一層塗料として用いて、耐食性と、洗浄剤およびUVに抵抗性があり、耐候性を有する、ペール着色された黄変しない光沢のあるコーティングフィルムを与える電着コーティング剤の調製に好適な電着コーティングバインダーとして用いることができる。これらの電着コーティング剤が、自動車ボディまたはボディパーツの多層コーティングのニーズを満足するという証拠はない。
【0023】
アルカリ性アミノ基の少なくとも一部を酸で中和した後、シードポリマーを水相に変換させることができる。用いることのできる酸としては、ギ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸およびアミドスルホン酸が例示される。ここでは、水を添加する前および/または後に、有機溶剤を除去して、例えば、減圧蒸留することにより、所望の含量とすることができる。
【0024】
本発明によるプロセスにおいて用いる陰極電着コーティング組成物は、陰極電着バインダーとして用いるシードポリマーに対する架橋剤を含有している。アミノ樹脂、ブロックポリイソシアネートまたはエステル交換反応可能な基を含有する架橋剤のような陰極電着コーティング組成物について知られている従来の架橋剤が例示される。好ましくは、架橋剤は50質量%を超える、特に例えば、100質量%のブロックポリイソシアネートを含む。
【0025】
シードポリマーおよび架橋剤は、陰極電着コーティング組成物中に60〜90:40〜10質量%の比率で存在する。
【0026】
陰極電着バインダーおよび架橋剤として用いるシードポリマーと同様に、陰極電着コーティング組成物はまた、シードポリマーおよび架橋剤の総量に対して25質量%までのその他のバインダーも含有することができる。例を挙げると、シードポリマーとは異なる陰極電着バインダーまたは非イオン性バインダーである。任意に含まれる追加のバインダーは特に、UV放射線の作用により白化しないバインダーである。
【0027】
シードポリマーおよび架橋剤に加えて、陰極電着コーティング組成物は顔料、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄顔料、フタロシアニン顔料およびキナクリドン顔料のような従来の無機および/または有機着色顔料を含む。
【0028】
陰極電着コーティング組成物は、フィラー、例えば、カオリン、タルカムまたは二酸化ケイ素を含有することができる。
【0029】
顔料およびフィラーを分散させて、例えば、公知のペースト樹脂を用いて顔料ペーストとすることができる。
【0030】
添加剤として、特に、陰極電着コーティング組成物について知られた従来の添加剤が利用可能である。これらの例を挙げると、湿潤剤、中和剤、流量調節剤、触媒、腐食防止剤、破裂防止剤、消泡剤、溶剤、光保護剤および酸化防止剤がある。
【0031】
陰極電着コーティング組成物は、好ましくは鉛を含まない、すなわち、鉛を含有しない顔料、腐食防止添加剤または触媒であるのが好ましい。
【0032】
陰極電着コーティング組成物は、陰極電着浴、すなわち、原則的には、いわゆる一液性方法か、いわゆる二液性方法のいずれかを用いて調製することができる。
【0033】
一液性方法により陰極電着コーティング組成物を調製するときは、例えば、顔料および/またはフィラーを陰極電着バインダーおよび/または架橋剤として用いるシードポリマーの一部に分散し、次いで、例えば、この分散液をビーズミルで粉砕して進めることができ、この後、陰極電着バインダーおよび/または架橋剤の欠落部分と混合することによりこのプロセスを完了する。次いで陰極電着コーティング組成物は、酸による中和および水による希釈により得られた材料から調製することができる。
【0034】
二液性方法による陰極電着コーティング組成物を調製するときは、例えば、顔料を添加した陰極電着コーティング組成物を、別個の顔料ペーストと混合することにより、陰極電着バインダーおよび架橋剤として用いるシードポリマーの水分散液から調製して進めることができる。
【0035】
本発明による方法の第2の実施形態において、クリアコーティング層を適用する前に多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を陰極電着コーティング層に適用する。このため、特に、色および/または効果を与えるベースコートを同じやり方で用いて、ベースコート/クリアコートの二層コーティングの作成に用いることができる。これは、例えば、特許文献の数多くの例により知られている。
【0036】
ベースコートは液体コーティング組成物の形態である。これらは一液性または多液性とすることができる。これらは、有機溶剤または水含有ベースコートに基づく系とすることができる。ベースコートは、物理的に乾燥する性質であるか、または共有結合を形成することにより架橋させることができる。
【0037】
水および/または有機溶剤のような揮発性成分と、バインダーおよび任意の架橋剤のような固体成分に加えて、ベースコートは、無機および/または有機着色顔料および/または効果顔料、例えば、二酸化チタン、酸化鉄顔料、カーボンブラック、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、金属顔料、例えば、チタン、アルミニウムまたは銅のもの、干渉顔料、例えば、二酸化チタンコートアルミニウム、コートマイカ、フレーク形態の酸化鉄およびフレーク形態の銅フタロシアニン顔料を含有している。
【0038】
さらに、ベースコートは、例えば、フィラー、触媒、流量調節剤、破裂防止剤、光保護剤および酸化防止剤のようなコーティングに従来用いられいる添加剤を含有することができる。
【0039】
本発明による方法において、適用は焼成した陰極電着コーティング層に直接(第1の実施形態)か、多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を陰極電着コーティング層に適用してある場合には(第2の実施形態)、1または複数のクリアコート層を含むクリアコーティングを適用する。
【0040】
1または複数のクリアコート層を作成するためのクリアコーティング組成物としては、全て従来のクリアコートが好適である。これらは一液性または多液性クリアコートとすることができる。溶剤フリー(液体、または粉末クリアコートの形態)、または溶剤に基づく系、または水希釈性のクリアコートである。水希釈性クリアコート系は、水溶性系または水に分散させた系、例えば、エマルジョン系または粉末クリアコート分散液とすることができる。
【0041】
外側クリアコーティングの代わりに、接着によって透明フィルムを適用することも可能である。
【0042】
本発明による方法において、導電性自動車ボディまたはそのパーツがコートされる。例えば、予備処理された、例えば、リン酸化および任意で不活性化または導電性プリコート金属を含み、またはいくつかの異なる金属および/または金属とプラスチックパーツの組み合わせを混合した構造で結合させることにより作成された自動車ボディ(またはボディパーツ)である。金属としては、亜鉛めっきまたは亜鉛めっきされていない鋼、アルミニウムおよび軽金属合金が例示される。陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層は、従来の方法で、例えば、乾燥フィルム厚さが15〜40μmでこれらの基材上に陰極電着され、例えば、130〜180℃の温度で焼成さる。乾燥フィルム厚さについてのデータは、観察者が目視可能な表面のフィルム厚さに関するものである。観察者が直接見ることのできない領域、例えば、自動車ボディの制限されたキャビティの乾燥フィルム厚さは薄い。しかしながら、本発明による方法に用いられる電着コーティング組成物の高い均一電着性のために、かかる制限キャビティの腐食防止は有効である。
【0043】
本発明による方法の第2の実施形態において、クリアコーティング層を適用する前に多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を液体コーティング組成物に噴霧することにより、陰極電着コーティング層に適用する。多層コーティングの色合いを決めるコーティング層は、予備乾燥済みだが、未だ焼成していない陰極電着コーティング層上にウェット・オン・ウェットで適用し、陰極電着コーティング層について上述した焼成条件下で後者と共に焼成することができる。しかしながら、多層コーティングの色合いを決めるコーティング層を既に焼成した陰極電着コーティング層に適用するのが好ましい。噴霧適用は、色合いによるが、例えば、8〜40μmの乾燥フィルム厚さの色および/または効果を与えるベースコートで実施するのが好ましい。噴霧プロセスの例を挙げると、圧縮空気噴霧、無空気噴霧または静電高速ロータリ噴霧である。好ましくは、ベースコートの適用は、外側領域、特に、観察者に見える基材表面、すなわち、例えば、自動車ボディの制限キャビティではない領域でのみ実質的に実施される。
【0044】
本発明による方法の両実施形態において、1または複数のクリアコート層の外側クリアコーティングが適用される。いくつかのクリアコート層を適用する場合には、同一または異なるクリアコートとすることができる。好ましくは、1層のみのコート層を適用する。クリアコート層の適用は、乾燥フィルム厚さが40〜100μmとなるように噴霧することにより実施される。噴霧プロセスの例を挙げると、圧縮空気噴霧、無空気噴霧または静電高速ロータリ噴霧である。好ましくは、クリアコートの適用は、外側領域、特に、観察者に見える基材表面、すなわち、例えば、自動車ボディの制限キャビティではない領域でのみ実質的に実施される。本発明による方法の第2の実施形態の場合に、ベースコート層を既に焼成された陰極電着コーティング層に適用してある場合には、クリアコーティングは、例えば、20〜80℃でウェット・オン・ウェットプロセスでの短いフラッシュオフ相の後、フラッシュオフにより予備乾燥されたベースコート層に適用されるのが好ましい。クリアコート層は、例えば、80〜160℃の温度で焼成することにより化学的に架橋されている。
【0045】
本発明による方法により作成された多層コーティングの合計フィルム厚さは好ましくは80〜120μmであるのが好ましい。
【0046】
陰極電着コーティング層は、クリアコーティングのみ(第1の実施形態)か、または色合いおよび/または多層コーティングおよびクリアコーティングの影響を決めるコーティング層(第2の実施形態)を備えている。本発明による方法の第1の実施形態に従って得られた多層コーティングの場合には、色合いは、基材表面に直接適用された陰極電着コーティング組成物から決まる。一方、本発明による方法の第2の実施形態に従って得られた多層コーティングの色合いおよび/または影響は、陰極電着コーティング層に適用されたコーティング層により決まる。
【0047】
第1の実施形態は、単色多層コーティングの作成に特に好適であり、一方、効果多層コーティングは、本発明による方法の第2の実施形態に従って作成されるのが好ましい。単色多層コーティングもまた、本発明による方法の第2の実施形態に従って作成可能であることは言うまでもない。
【0048】
本発明による方法の第1の実施形態は、多層でコートされ、一色または、例えば、3色の斑以下の限られた数の色合いで作成される自動車ボディ(またはボディパーツ)の作成に特に好適である。自動車ボディ(またはボディパーツ)を、色合い範囲に対応する異なる単一色合いの数多くの陰極電着浴において陰極電着コートし、次いでクリアコーティングを与える。
【0049】
本発明による方法の第2の実施形態は、多層でコートされ、一色または、例えば、3つを超える、比較的多数の色合いで作成される自動車ボディ(またはボディパーツ)の作成に特に好適である。自動車ボディ(またはボディパーツ)は、この場合、単一色合いで陰極電着コートされ、次いで所望の色合いでベースコート/クリアコートの2層コーティングが与えられる。
【0050】
特に、複数の単一色合いおよび効果色合いから構成された色合い範囲の、いくつかの異なる色合いの多層でコートされた自動車ボディ(またはボディパーツ)を作成する場合には、本発明による方法の第1および第2の実施形態を組み合わせるのが特に有利である。この場合、自動車ボディ(またはボディパーツ)は、1つ以上の異なる単一色合いで陰極電着でき、次いでその部分にクリアコーティングを与え、残りの部分に更なる色合いでベースコート/クリアコートの2層コーティングを与えることができる。単色陰極電着コーティング層とクリアコーティングのみが与えられた自動車ボディ(またはボディパーツ)の色合いは、現在作成される色合い範囲の最大割合を形作る単一色合いまたは複数の色合いである。
【0051】
本発明による方法によって、自動車ボディおよび自動車ボディパーツに、良好な腐食防止、耐ストーンチップ性および耐候性を備えた多層コーティングを作成することができる。ここで、良好な腐食防止は、本発明に従って作成された多層コーティングの腐食防止作用、および用いた陰極電着コーティング組成物の良好な均一電解性挙動の結果である。本発明による方法はまた、材料も節約し、僅かのプロセス工程しか必要としない。
【0052】
(実施例)
(実施例1)
米国特許第5,272,188号、表4、実施例3に従って、白色陰極電着コーティング組成物を作成した(アミン価が41mgKOH/g、ヒドロキシル価が81mgKOH/gの陰極電着コーティングバインダーとしてシードポリマーを含有、シードポリマーは10質量%のアミノエポキシ部分と90質量%のビニルポリマー部分とからなっていた)。
【0053】
陰極電着コーティング組成物の均一電着性挙動を以下のようにして判断した。リン酸亜鉛自動車鋼板を合わせることにより作成し、27cmの深さで10リットルの陰極電着コーティング組成物の浴に浸漬させた陰極として切り替えた均一電着性ボックスに、電着圧力300Vで2分間30℃でコートし、脱イオン水で15分間175℃(目標温度)で濯いだ後、焼成した。均一電着性ボックス外側の陰極電着フィルム厚さは20μmであった。VDA[ドイツ自動車工業]推奨の621−180に従ってコーティング結果を評価した。得られた均一電着性の尺度となる内部フィルム厚さについての5μm制限は15cmであった。腐食ラインもまた判断した。錆のないゾーンの長さは18cmであった。腐食試験を、DIN 53 167に従った240時間塩水噴霧試験として行った。
【0054】
(実施例2)
粉末クリアコートを作成した。エポキシ当量が380で、平均分子量(Mn)が2000の720gのエポキシ官能性メタクリルコポリマーと、210gの1,12−ドデカンジ酸と、30gの光保護剤(チバ製Tinuvin(登録商標)900(UV吸収剤)とTinuvin(登録商標)111(立体障害アミン光保護剤)の1:1混合物)と、3gのベンゾインと、6gのチバ製Irganox(登録商標)B225(酸化防止剤)と、8gのTroyケミー製Troy(登録商標)EX570(レベリング剤)とを乾燥状態でまず混合し、次いで100〜120℃で押出し機により分散させた。押出し物を冷却し、予備粉砕した後、後者を空気分離ボールミルで平均粒子サイズ(d50)20μmまでミリングして、粉末クリアコートとした。
【0055】
(実施例3)
白色多層コーティングを本発明に従って作成した。リン酸亜鉛自動車鋼板を、実施例1の白色陰極電着コーティング組成物を用いて、通常のやり方で、乾燥フィルム厚さ30μmで陰極電着コートした。陰極電着コーティング層を15分間目標温度175℃で焼成した後、実施例2の粉末クリアコートにより、乾燥フィルム厚さ60μmでオーバーコートし、30分間145℃(目標温度)で焼成した。
【0056】
このようにして作成した白色多層コーティングに技術試験を行った。
−フォードストーンチップ試験EU−BI157−04の特性値は2〜3となった。
−VDA推奨の621−415に従って加速風化試験(塩水噴霧への露出、凝縮および残り相への露出のサイクル)を行い、VDA推奨の621−414に従って12ヶ月の屋外風化試験(試験を厳しくするために塩水への周期的な露出を含む)を行ったところ、切り込み部位でのフィルム下腐食についての値は1.5mmであった。
−白色多層コーティングは、UV放射線による風化試験後、白化や剥離の徴候を示さなかった。
【0057】
上記の実施例は、本発明による方法に従って作成された多層コーティングの自動車部門への好適性を示すものである。試験結果は、自動車メーカーにより必要とされる仕様内にある。陰極電着コーティング組成物に白色顔料を添加する代わりに、その他の顔料を選んでも、またはクリアコーティングを粉末クリアコートの代わりに、自動車業界で大量生産されている従来の他のクリアコートから作成しても、または着色コートを陰極電着コーティング層とクリアコートの間に用いても、これに匹敵する試験結果が得られた。
Claims (9)
- 陰極電着により陰極電着コーティング組成物の第1のコーティング層を導電性の自動車ボディまたは導電性の自動車ボディパーツに適用する工程と、外側コーティング層として、クリアコーティングを適用する工程とを含み、前記陰極電着コーティング層とクリアコーティングとを適用する間にさらにコーティング層を適用でき、前記陰極電着コーティング組成物は、3〜30質量%のアミノエポキシ樹脂の存在下、ヒドロキシ官能性オレフィン性不飽和モノマーとアミノ官能性オレフィン性不飽和モノマーとを含む70〜97質量%のモノマー混合物のラジカル重合により調製することのできる、30〜100mgKOH/gのアミン価と50〜200mgKOH/gのヒドロキシル価を有するシードポリマーを陰極電着バインダーとして含有することを特徴とする多層コーティングを作成する方法。
- 前記陰極電着コーティング組成物の前記第1のコーティング層が、前記多層コーティングの色合いを決めるコーティング層として陰極電着され、次いで前記クリアコーティングを適用する工程前に焼成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記多層コーティングが単色コーティングであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記第1のコーティング層が焼成され、前記焼成の前または後、ただし前記クリアコーティングを適用する工程の前に、前記多層コーティングの色合いを決める液体コーティング組成物のコーティング層を前記第1のコーティング層に適用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記陰極電着コーティング層の焼成後に、前記多層コーティングの色合いを決める前記コーティング層を適用することを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記多層コーティングが単色または効果多層コーティングであることを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記外側クリアコーティングが、1または複数のクリアコート層を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記多層コーティングのフィルム全厚が80〜120μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に従って多層コーティングでコートされ、作成されたことを特徴とする自動車ボディまたは自動車ボディパーツ。
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