JP2004501955A - リポソーム抗新生物薬剤およびその使用 - Google Patents

リポソーム抗新生物薬剤およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、リポソーム抗新生物薬剤組成物に関する。本発明に用いられるリポソーム抗新生物薬剤としては、例えば、カンプトセシンが挙げられる。本発明は、さらに、新生物を処置するために、このような組成物を用いる方法に関する。本発明は、さらに、新脈管形成を阻害するために、このような組成物を用いる方法に関する。このような組成物は、血漿循環における活性な薬剤の半減期を調節するために有用である。このような方法もまた、血漿循環における活性な薬剤の半減期を調節するために有用である。

Description

【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「Liposomal Camptothecins and Uses Thereof」と表題された、2000年6月30日出願の米国仮出願第60/215,556号、および「Liposomal Antineoplastic Drugs and Uses Thereof」と表題された、2001年1月26日出願の米国仮出願第60/264,616号に関し、これらの両方が、全ての目的について本明細書中にこれらの全体が参照として援用される。「Liposomal Camptothecins and Uses Thereof」と表題された、2001年6月29日出願の米国特許出願第_号(代理人整理番号016303−008020を有する)は、全ての目的について本明細書中に参照として援用される。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、リポソーム組成物、および新生物を処置するためおよび新脈管形成を阻害するためにこのような組成物を使用する方法に関する。
【0003】
多くの抗癌剤または抗新生物薬物が、リポソーム中にカプセル化されている。これらとしては、アルキル化剤、ニトロソウレア、シスプラチン、代謝拮抗剤、およびアントラサイクリンが挙げられる。アントラサイクリン抗生物質を含むリポソームを用いる研究は、遊離薬物を与えられるコントロールと比較して、心毒性および皮膚毒性の減少、ならびに腫瘍を保有する動物の長期の生存を明らかに示した。
【0004】
リポソーム抗癌剤は、それらの遊離薬物対照物と比較して薬物動態学を改変する。リポソーム薬物処方について、薬物動態学は、キャリアが血液から取り除かれる速度、およびその薬物がキャリアから放出される速度によってほぼ決定される。血液からの遅いクリアランスを示すリポソームキャリア組成物を同定するために、かなりの努力がなされており、そして、長循環(long−circulating)キャリアが、多くの科学論文および特許に記載されている。例えば、コントロール放出に対する膜ポテンシャルを使用する、リポソームキャリアからの薬物漏出速度を制御するための努力もまた、なされた。
【0005】
治療カンプトセシン(例えば、トポテカン(9−ジメチルアミノメチル−10−ヒドロキシ−カンプトセシン;HycamtinTM)、およびイリノテカンは、カンプトセシンの半合成の水可溶性誘導体であり、シナ蝋Camptotheca acuminataの幹から抽出されるアルカロイドである(Wallら、J.Am.Chem.Soc.88:3888−3890(1966))。カンプトセシンは、トポイソメラーゼインヒビタークラスの抗新生物剤に属し、DNA複製に関連する核酵素トポイソメラーゼIの作用を特異的に阻害する(Hsiangら、Cancer Res.48:1722−1726(1988))。このように、トポテカンは、細胞周期特異的作用機構を示し、S期(DNA複製)の間に作用して、G2細胞周期阻止およびアポトーシスを最終的に導く、DNA中の不可逆的な二本鎖崩壊を生じる。遊離形態において、この薬剤は、腫瘍細胞株およびマウス同種移植片腫瘍モデルおよびヒト異種移植片腫瘍モデルにわたって広範囲の活性を有する(McCabe,F.L.ら、Cancer Invest 12:308−313(1994);Emersonら、Cancer Res.55:603−609(1995);Thompson,Biochim.Biophys.Acta 1400:301−319(1998);Ormrodら、Drugs 58:533−551(1999);Hardmanら、Anticancer Res.19:2269−2274(1999))。より最近には、トポテカンが、抗腫瘍作用機構に寄与し得る強力な抗血管形成性特性を有するということが示された(O’Learyら、Clin.Cancer Res.5:181−187(1999);Clementsら、Cancer Chemother.Pharmacol.44:411−416(1999))。これらの処置全てが、用量制限毒性(例えば、貧血(anaemia)、好中球減少症および血小板減少症を導く非蓄積性の骨髄抑制(myelosuppression))、ならびに粘膜症(musositis)および下痢を含む胃腸関連毒性に関連する。臨床的には、トポテカンは、卵巣癌および小細胞肺癌(SCLC)における第二期治療(second−line therapy)について認可されており、そして現在広範な臨床的評価の焦点である。
【0006】
カンプトセシンの脂質処方物は、治療剤として提唱されてきた(米国特許第5,552,156号およびPCT公開WO95/08986を参照のこと)。しかし、脂質処方物の全てが、薬物送達の目的について等しいというのではなく、広範な研究が、薬物の充填および貯蔵、薬物投与、薬学的動態、生物学的分布、漏出速度、腫瘍蓄積、毒性プロファイルなどについて好ましい特性を示す処方物に関して継続中である。カンプトセシンに対して、この分野は、さらに複雑である。なぜなら、ヒトにおける用量制限毒性は、マウスにおけるものより1/10の低さであり得るからである(Erickson−Millerら、Cancer Chemother.Pharmacol.39:467−472(1997))。
【0007】
抗新生物剤の改善されたリポソーム処方物は、非常に有用であることを証明し得る。新規の臨床的有用性を有する、脂質処方された抗新生物剤を提供することが、本発明の目的である。
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、活性薬剤(例えば、トポテカン)の血漿循環半減期を調節するために有用な組成物および方法を提供する。リポソーム処方物は、臨床的効力を増加し、そして付帯的な毒性を減少する。さらに、本発明は、新生物の処置および新脈管形成の阻害のための方法およびリポソーム組成物を提供する。
【0009】
このように、1つの実施形態において、本発明は、活性薬剤の血漿循環半減期を調節するための方法を提供し、本方法は、以下の工程を包含する:(a)リポソームを提供する工程であって、該リポソーム中に、遊離活性薬剤と沈殿した活性薬剤がカプセル化されている、工程;ならびに(b)このリポソーム中に沈殿した活性薬剤の量を変化させる工程。驚くことに、リポソーム中に沈殿した活性薬剤の量を変化させることによって、血漿中への活性薬剤の放出動態を調節することが可能である。好ましい活性薬剤は、抗新生物薬物(例えば、カンプトセシン(例えば、トポテカン))である。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、a)抗新生物薬物とb)遊離抗新生物薬物および沈殿された抗新生物薬物を有するリポソーム、とを含むリポソーム処方物を提供し、ここで、このリポソーム中に沈殿した抗新生物薬物は、抗新生物薬物全体の少なくとも50%である。リポソーム中に沈殿した抗新生物薬物の量を調整することによって、この薬物の放出をインビトロおよびインビボの両方で調節し得る。特定の好ましい実施形態において、高いリポソーム内濃度の活性薬剤(例えば、トポテカン)は、多量の沈殿形態を生じる。この局面において、その後のインビボでの薬物の放出速度は、遅い。特定の局面において、遅い放出速度は、速い放出速度と比べて好ましくかつより効果的である。
【0011】
なお別の実施形態において、本発明は、a)活性薬剤;b)その中にカプセル化された、遊離活性薬剤と沈殿した活性薬剤とを有するリポソーム;ならびに、c)空のリポソーム、を含む、リポソーム処方物を提供する。
【0012】
この局面において、リポソームの血清半減期は、空のリポソームを処方物中に含むことによって長くされる。種々の脂質のいずれかを使用して本発明のリポソーム組成物を形成し得ることは、当業者には容易に明らかである。現在好ましい実施形態において、この脂質は、スフィンゴミエリンおよびコレステロールの混合物を含み、好ましくは、約30:70〜約60:40のスフィンゴミエリン:コレステロール比(モル比)である。1つの好ましい実施形態において、このリポソームは、55:45比でスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む。
【0013】
さらに別の局面において、本発明は、固形腫瘍を、それを罹患するヒトにおいて処置するための方法を提供し、本方法は、薬学的に受容可能なキャリア中にある有効量の本発明のリポソーム処方物を、このヒトに投与する工程を包含する。種々の固形腫瘍は、本発明の処方物を使用して処置され得る。好ましい実施形態において、処置される固形腫瘍は、肺の固形腫瘍、***の固形腫瘍、結腸の固形腫瘍および前立腺の固形腫瘍からなる群より選択される。別の好ましい実施形態において、本発明はさらに、好中球減少症および血小板欠損を処置するために適切な処置または活性薬剤の同時投与を包含する。
【0014】
好ましい実施形態において、リポソームトポテカンを使用して、固形腫瘍を処置する。さらに、種々の脂質のいずれを使用しても本発明のリポソーム組成物を形成し得ることは、当業者には容易に明らかである。
【0015】
本発明の他の特性、目的および利点、ならびにその好ましい実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになる。
【0016】
(発明の詳細な説明および好ましい実施形態)
多くの抗癌剤の活性は、その薬物動態的挙動に依存する。この薬物動態的挙動は、薬物濃度、および癌細胞が薬物に暴露される期間を規定する。ほとんどの抗癌剤の場合、より長い暴露時間は、これが癌細胞の増加した死滅を生じるので好ましい。一般に、いくつかのパラメーターを使用して、薬物の薬物動態を記載する。血漿クリアランス半減期および曲線下面積(area under the curve)(AUC)が、例である。この血漿クリアランス半減期は、投与された薬物の半分が血漿から除去されるために必要とする時間である。AUCは、経時的な血漿薬物レベルの尺度であり、そして全薬物暴露の指標を提供する。一般に、抗癌剤に関する、増加した血漿クリアランス半減期および血漿AUCは、増加した治療効果に相関する。
【0017】
(I.活性薬剤放出を調節すること)
本発明は、リポソームからの薬物放出を調節するための方法および処方物を提供する。1つの実施形態において、本発明は、活性薬剤の血漿循環半減期を調節するための方法を提供し、本方法は、以下の工程を包含する:(a)リポソームを提供する工程であって、このリポソーム中に、遊離活性薬剤と沈殿した活性薬剤とがカプセル化されている、工程;ならびに(b)このリポソーム中に沈殿した活性薬剤の量を変化させる工程。好ましくは、「遊離活性薬剤」および「沈殿した活性薬剤」は、同一の活性薬剤であるが、本発明は、そのように限定しない。本明細書中で使用される場合、用語「調節すること(工程)」は、リポソームキャリアから活性薬剤を放出する速度を増加することかまたは減少することかのいずれかを意味し得る。抗新生物活性薬剤について、調節することは、好ましくは、活性薬剤の放出速度を減少することかまたは遅くすることかである。
【0018】
好ましい局面において、本発明のリポソームは、ともにカプセル化された、遊離活性薬剤および沈殿した活性薬剤を含む。リポソーム中に沈殿した活性薬剤の量は、種々の機構を使用して変化され得る。例えば、活性薬剤対脂質の比を変化させることによって、沈殿した活性薬剤の量は、増加または減少され得る。低い薬物:脂質比での薬物ローディングは、低濃度の活性薬剤(例えば、トポテカン)をリポソーム内部に生じ、従って、薬物全体のうちのほとんど(すべてではないにしても)は溶液中にある(すなわち、沈殿されておらず、すなわち遊離している)。少量の沈殿は、リポソームからの薬物の速い放出速度を生じる。逆に、高い薬物:脂質比は、高いリポソーム内部濃度および高沈殿量を生じる。薬物が沈殿形態の場合、その後の、インビボまたはインビトロでの放出速度は、遅い。抗新生物薬物(例えば、トポテカン)について、遅い放出速度が好ましい。
【0019】
いかなる特定の理論によって束縛されることもないが、本発明のリポソームは、薬物放出を指示する「沈殿−溶解機構」(PDM)を受けると考えられている。本発明のPDM機構において、リポソーム内部の沈殿した活性薬剤(例えば、トポテカン)の、リポソームの内部溶液への溶解速度は、リポソーム外部の活性薬剤の、外部への放出速度に比べて遅く、従って律速である。すなわち、リポソーム内部での沈殿した薬物から遊離薬物への溶解速度は、その薬物が血漿中にいかに速く放出されるかを決定する。
【0020】
特定の実施形態において、活性薬剤対脂質比は、空のリポソームの添加によって変えられ得る。一般に、空のリポソームまたはその中に活性薬剤が含まれているリポソームのいずれもが、細網内皮系(RES)の細胞によってクリアランスされる。代表的に、RESは、一定用量の注射されたリポソームの80〜95%を1時間以内に排除し、リポソームの取り込みのための選択された標的部位を効果的に競合的除外(outcompeting)する。リポソームのRES取り込みの速度に影響を与える種々の因子が、報告されており、これらには、リポソームのサイズ、電荷、脂質飽和度、および表面成分が挙げられる。空のリポソーム小胞を含めることによって、RESから活性薬剤を含むリポソームを保護することが可能である。このように、空のリポソーム小胞は、実際に、「おとり」として作用することによってリポソームの血液循環寿命を延長する。延長された循環時間は、しばしば、リポソームが注射部位から標的領域、標的細胞または標的部位に到達するために必要とされる。空のリポソーム小胞は、RESを活発に維持し、結果として、その中に活性薬剤が含まれるリポソームの血清半減期が増加される。
【0021】
特定の他の局面において、活性薬剤の沈降を増強する成分が、リポソームに添加される。この局面において、種々の荷電イオンを使用して、小胞内部の沈降された活性薬剤の量を増加し得る。好ましい局面において、二価、三価または多価アニオンが使用される。適切なアニオンとしては、カルボキシレート(−CO )、スルホネート(SO )、スルフェート(SO −2)、ヒドロキシド(−OH)、アルコキシド、ホスフェート(−PO −2)およびホスホネート(−PO −2)が挙げられるが、これらに限定されない。リポソーム内部の沈降された活性薬剤の量を増強する他の成分は、当業者に公知である。
【0022】
さらに、薬物:脂質比は、リポソームのサイズを使用して変えられ得る。使用するリポソーム小胞が大きいほど、薬物:脂質比はより小さい。特定の局面において、活性薬剤対脂質比およびリポソームのサイズの両方を変えて、活性薬剤の効力を最適化する、
小胞中に沈降されるカプセル化された活性薬剤の量は、変化し、そしてこれは、活性薬剤自体に幾分依存する。特定の実施形態において、沈降された活性薬剤の量は、総活性薬剤の少なくとも約25%〜約95%(例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%および95%)である。トポテカンについて、リポソーム中にカプセル化される沈降された活性薬剤の量は、総活性薬剤の少なくとも50%である。
【0023】
好ましい局面において、活性薬剤が抗腫瘍薬物である場合、高い薬物:脂質比を使用することが、より多くの量のカプセル化され沈降された薬物を生じる。結果として、インビボでのリポソームからの薬物放出は、より低い薬物:脂質比で調整された同様の組成物よりも、よりゆっくりである。これらのより高い薬物:脂質比のリポソームは、延長された血漿半減期および増加された血漿AUC値を示す。有利には、これらの処方物は、改善された抗腫瘍効力を示す。
【0024】
特定の実施形態において、活性薬剤:脂質の比は、約0.005〜1:1(w/w)である。
【0025】
好ましくは、活性薬剤:脂質の比は、約0.05〜0.9:1(w/w)であり、そしてより好ましくは、活性薬剤:脂質の比は、約0.1〜0.5:1(w/w)である。活性薬剤の血漿循環半減期を調節することによって、このようにして、活性薬剤の効力を最大化または最適化することが可能である。
【0026】
(II.リポソーム処方物を作製する組成物および方法)
リポソーム、小胞およびリポソーム小胞は、水性の内部を包囲する脂質含有膜を有する構造を示すことが理解される。これらの構造は、他に示されない限り、1以上の脂質膜を有し得るが、一般に、リポソームは、たった1つの膜を有する。このような単一層のリポソームは、本明細書中で「単層」と呼ばれる。多重層のリポソームは、本明細書中で「多層」と呼ばれる。
【0027】
本発明において使用されるリポソームは、好ましくは、合わせられた場合に比較的安定な小胞を形成する脂質から形成される。このようなリポソームを生成するために使用され得る、多くの種々の脂質が、当該分野で公知である。好ましい脂質としては、中性または負に荷電したリン脂質またはスフィンゴ脂質およびステロール(例えば、コレステロール)が挙げられるが、これらに限定されない。脂質の選択は、一般に、例えば、リポソームサイズおよび血流中のリポソームの安定性を考慮して導かれる。
【0028】
本発明の使用のために好ましいリポソーム組成物としては、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを含有するリポソームが挙げられる。このリポソーム組成物中のスフィンゴミエリン対コレステロールの比は、変化し得るが、一般に、約75/25mol%/mol%のスフィンゴミエリン/コレステロール〜約30/50mol%/mol%のスフィンゴミエリン/コレステロールの範囲にあり、より好ましくは、約70/30mol%/mol%のスフィンゴミエリン/コレステロール〜約40/45mol%/mol%のスフィンゴミエリン/コレステロール、そしてさらにより好ましくは、約55/45mol%/mol%のスフィンゴミエリン/コレステロールである。他の脂質は、必要であり得る場合(例えば、脂質酸化を妨げるために、またはリポソーム表面上にリガンドを付着するために)、本発明のリポソーム組成物中に含まれ得る。一般に、脂質が含まれる場合、このような脂質の他の含有は、スフィンゴミエリン/コレステロール比の減少を生じる。この型のリポソームは、スフィンゴソームとして公知であり、そして米国特許第5,814,335号(この教示は、本明細書中で参考として援用される)において、より十分に記載される。
【0029】
例えば、以下に記載されるような、種々の方法が、リポソームを調製するために利用可能である:Szokaら、Ann.Rev.Biophys.Bioeng.9:467(1980);米国特許第4,235,871号;同第4,501,728号;同第4,837,028号、テキストLiposome,Marc J.Ostro編、Marcel Dekker,Inc.,New York,1983,第1章;およびHopeら、Chem.Phys.Lip.40:89(1986)(これら全てが、本明細書中で参考として援用される)。リポソームを生成するためのプロトコルは、一般に以下の工程を包含し、これらの全ては、当該分野で周知である:有機溶媒中で脂質成分を混合する工程;乾燥しそして水性溶媒中でリポソームを再構成する工程;およびリポソームをサイズ化する工程(例えば、押出しによって)。
【0030】
リポソームを調製する代替的方法もまた、利用可能である。例えば、界面活性剤透析に基づく、脂質粒子の自己アセンブリを含む方法が、Wheelerらに対して発行された米国特許第5,976,567号において開示および権利化され、これは、時間のかかる難しい、比例性の乾燥および再構成工程を回避する。連続フロー水和を使用してリポソームを調製するさらなる方法が、開発中であり、そしてしばしば、最も効果的な大規模製造プロセスを提供し得る。
【0031】
活性薬剤(例えば、カンプトセシン)を有するリポソーム処方物の調製は、リポソームへの薬物の充填を必要とする。充填は、受動的または能動的であり得る。受動充填は、一般に、再構成工程の時点での緩衝液への薬物の添加を必要とする。これは、薬物がリポソーム内部に捕捉されるのを可能にし、ここでは、薬物が脂溶性でない場合および小胞がインタクトなままである場合に、薬物が維持される(このような方法は、例えば、PCT公開番号WO95/08986(この教示は、本明細書中で参考として援用される)において使用される)。
【0032】
能動充填は、多くの点で好ましく、そして広範に種々の治療薬剤が、膜のpH勾配またはイオン勾配を使用することによって、ほぼ100%のカプセル化効率でリポソーム中に充填され得る(Mayerら、Biochim.Biophys.Acta 1025:143−151(1990)およびMaddenら、Chem.Phys.Lipids 53:37−46(1990)を参照のこと)。能動充填の多くの方法が、当業者に公知である。このような全ての方法は、脂質性化合物をリポソームの内部に引き込む、いくつかの形態の勾配の確立を包含し、ここでは、それらが、勾配が維持される限り存在し得る。非常に高い量の所望の薬物が、内部に得られ得、薬物が、内部で沈降し、そして継続した取り込みの勾配を生じる。
【0033】
イオノフォア媒介充填は、本発明と共に使用するために特に好ましく、これは、米国特許第5,837,282号(この教示は、参考として本明細書中に援用される)に開示および権利化されている。イオノフォア媒介充填は、電気的中性のプロセスであり、これは、膜電位の形成を生じない。小胞への水素イオン輸送によって、小胞からの並存するマグネシウムイオン輸送が、2:1比で存在する(すなわち、正味電荷の輸送はない)。トポテカンの場合、その薬剤は、中性状態(電荷なし)で膜を通過すると考えられる。小胞内への進入時に、トポテカンは、正に荷電される。イオノフォア媒介充填は、電気的中性のプロセスであるので、膜電位は生成されない。
【0034】
薬学的目的のリポソームカンプトセシンの重要な特徴は、最終処方物の薬物対脂質比である。先に議論したように、薬物:脂質比は、以下の2つの様式:1)同じ薬物:脂質比を各々含有する均質なリポソームを使用するか;または2)空のリポソームを高い薬物:脂質比を有するリポソームと混合することによって、適切な平均薬物:脂質比を提供することによって確立され得る。異なる適用のために、異なる薬物:脂質比が、所望され得る。特定の薬物:脂質比を生成するための技術は、当該分野で周知である。薬物:脂質比は、重量に基づいて、モル濃度に基づいてまたは任意の他の指定された基準に基づいて測定され得る。好ましい薬物:脂質比は、約0.005:1の薬物:脂質(重量)〜約0.2:1の薬物:脂質(重量)、そしてより好ましくは、約0.1:1の薬物:脂質(重量)〜約0.3:1の薬物:脂質(重量)の範囲にある。
【0035】
さらなる重要な特徴は、リポソーム粒子のサイズである。本発明における使用のために、約0.05ミクロン〜約0.15ミクロンのサイズを有するリポソームが、好ましい。
【0036】
本発明はまた、キット形態でリポソーム組成物(例えば、カンプトセシン)を提供する。キットは、既製の処方物または投与前に医薬の混合を必要とする処方物を備え得る。キットは、代表的に、キットの種々のエレメントを保持するための仕切られたコンテナを備える。キットは、可能には水和形態で、本発明の組成物またはその成分を、それらの再水和および投与のための指示書と共に備える。
【0037】
例えば、本明細書中に記載される方法によって調製されるリポソーム組成物は、単独でか、または投与経路および標準的な薬務に従って選択された生理学的に受容可能なキャリア(例えば、生理学的食塩水またはリン酸緩衝液)との混合物のいずれかで投与され得る。一般に、通常の生理食塩水が、薬理学的に受容可能なキャリアとして使用される。他の適切なキャリアとしては、例えば、水、緩衝化水、0.4% 生理食塩水、0.3% グリシンなどが挙げられ、これらは、安定性を増強するための糖タンパク質(例えば、アルブミン)、リポタンパク質、グロブリンなどを含む。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌され得る。得られた水溶液は、使用のためにパッケージされ得るか、または無菌条件下でろ過され、そして凍結乾燥され得、この凍結乾燥調製物が、投与前に滅菌水溶液と合わせられる。これらの組成物はまた、生理学的条件を近似するために必要とされる、薬学的に受容可能な補助物質(例えば、pH調整剤および緩衝化剤、張度調整剤など(例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなど))を含み得る。さらに、この組成物は、脂質保護剤を含み得、これは、保存中のフリーラジカルおよび脂質過酸化損傷に対して脂質を保護する。親油性のフリーラジカル失活剤(例えば、α−トコフェロールおよび水溶性のイオン特異的キレート剤(例えば、フェリオキサミン(ferrioxamine))が適切である。
【0038】
広範に種々の活性薬剤が、本発明のリポソーム組成物および方法に適切である。好ましい局面において、活性薬剤は、抗腫瘍薬物である。現在、約20の認められたクラスの承認された抗腫瘍薬物が存在する。この分類は、特定の薬物によって共有される共通の構造に基づいてか、または薬物による作用の共通の機構に基づく総括である。分類した抗腫瘍薬剤の一般に公知の商業的に認証された(また開発中の)いくつかの部分的リストは、以下のとおりである:
構造に基づく分類:
1.フルオロピリミジン−−5−FU、フルオロデオキシウリジン、フトラファー(Ftorafur)、5’−デオキシフルオロウリジン、UFT、S−1カペシタビン;
2.ピリミジンヌクレオシド−−デオキシシチジン、シトシンアラビノシド、5−アザシトシン、ゲンシタビン、5−アザシトシン−アラビノシド;
3.プリン−−6−メルカプトプリン、チオグアニン、アザチオプリン、アロプリノール、クラドリビン(Cladribine)、フルダラビン、ペントスタチン、2−クロロアデノシン;
4.白金アナログ−−シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、テトラプラチン、白金−DACH、オルマプラチン(Ormaplatin)、CI−973、JM−216;
5.アントラサイクリン/アントラセンジオン−−ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン;
6.エピポドフィロトキシン−−エトポシド、テニポシド;
7.カンプトセシン−−イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトセシン、10,11−メチレンジオキシカンプトセシン、9−ニトロカンプトセシン、TAS 103、7−(4−メチル−ピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトセシン、7−(2−N−イソプロピルアミノ)エチル)−20(S)−カンプトセシン;
8.ホルモンおよびホルモンアナログ−−ジエチルスチルベストロール、タモキシフェン、トレメフィン、トルムデックス(Tolmudex)、チミタック(Thymitaq)、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、エストラジオール、トリオキシフェン、ドロキシフェン(Droloxifene)、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲステロールアセテート、アミノグルテチミド、テストラクトンなど;
9.酵素、タンパク質および抗体−−アスパラギナーゼ、インターロイキン、インターフェロン、ロイプロリド、ペガスパラガーゼ(Pegaspargase)など;
10.ビンカアルカロイド−−ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン;
11.タキサン−−パクリタキセル、ドセタキセル。
【0039】
機構ベースのクラス:
1.抗ホルモン−ホルモンおよびホルモンアナログの分類を参照のこと、アナストロゾール(Anastrozole);
2.抗葉酸(Antiforate)−−メトトレキサート、アミノプテリン、トリメトレキサート、トリメトプリム、ピリトレキシム(Pyritrexim)、ピリメタミン、エダトレキサート(Edatrexate)、MDAM;
3.抗微小管剤−−タキサンおよびビンカアルカロイド;
4.アルキル化剤(古典的および非古典的)−−ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、クロランブシル、メルファラン、ウラシルマスタード)、オキザホスホリン(イフォスファミド、シクロホスファミド、パーホスファミド(Perfosfamide)、トロホスファミド(Trophosphamide))、アルキルスルフォネート(ブスルファン)、ニトロソ尿素(カルムスチン、ロムスシン、ストレプトゾシン)、チオテパ、ダカルバジンなど;
5.代謝拮抗物質−−プリン、ピリミジンおよびヌクレオシド(上記);
6.抗生物質−−アントラサイクリン/アントラセンジオン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、プリカマイシン(Plucamycin)、ペントスタチン、ストレプトゾシン;
7.トポイソメラーゼインヒビター−−カンプトセシン(Topo I)、エピポドフィロトキシン、m−AMSA,エリプチシン(Topo II);
8.抗ウイルス剤−−AZT、ザルシタビン(Zalcitabine)、ゲンシタビン(Gemcitabine)、ジダノシンなど;
9.種々雑多な細胞傷害剤−−ヒドロキシ尿素、ミトーテン、融合毒素、PZA、ブリオスタチン(Bryostatin)、レチノイド、ブチル酸および誘導体、ペントサン、フマギリンなど。
【0040】
全ての抗腫瘍薬剤の目的は、癌細胞の排除(治療)または癌細胞の増殖および伝播の遅延(寛解)である。上記に列挙した抗腫瘍薬剤の大半は、主要な細胞傷害活性を有し、癌細胞に対して直接的な殺傷をもたらすことによって、この目的を追求する。他の抗腫瘍薬物は、身体の自然の免疫を刺激して、癌細胞の殺傷をもたらす。文献は、上記の薬物の全ての活性および機構についての考察などで充たされる。
【0041】
リポソームカンプトセシン、および特に、リポソームトポテカンの特的の処方物を作製する例示的方法を、以下の実施例において示す。
【0042】
(III.リポソームカンプトセシンを使用する方法)
本発明のリポソーム組成物(例えば、カンプトセシン)は、動物(例えば、ヒト)における固形腫瘍の処置において使用される。以下の実施例は、薬物:脂質比、投与される活性薬剤および脂質の投薬量、および異なる腫瘍型を処置するための好ましい投与スケジュールの重要なパラメーターを示す。
【0043】
好ましくは、薬学的組成物は、非経口的(すなわち、関節内、静脈内、腹腔内、皮下または筋内)に投与される。より好ましくは、薬学的組成物は、静脈内点滴によって投与されるか、またはボーラス注射によって腹腔内投与される。薬学的処方物中のリポソームの濃度は、広範に、すなわち、約0.05重量%未満から、通常、少なくとも約2〜5重量%〜多くて10〜30重量%で変化し得、そして選択される特定の投与様式に従って、流体容量、粘性などによって主に選択される。例えば、濃度を増加して、処置に関連する流体負荷を低下させ得る。あるいは、刺激性脂質から構成されるリポソームを低い濃度に希釈して、投与部位での炎症を小さくし得る。投与されるリポソームの量は、使用される特定のカンプトセシン、処置される疾患状態および主治医の判断に依存するが、一般に、ヒトにおいて、約0.01mg/kg体重と約50mg/kg体重との間、好ましくは、約5mg/kg体重と約40mg/kg体重との間である。より高い脂質用量(例えば、50〜120mg/kg)が、マウスに適切である。
【0044】
活性薬剤(例えば、カンプトテシン)の投薬量は、患者の年齢、体重および状態、ならびに処置計画に基づいて、投与する医師の意見に依存する。小細胞肺癌における遊離トポテカンの推奨用量は、1用量あたり1.5mg/M(5日間毎日)であり、3週間ごとに繰り返される。以下の実施例で示された処置における改善が原因で、ヒトにおける活性薬剤(例えば、トポテカン)の用量は、0.015mg/M/用量程度の低さの範囲で有効であり、投与計画に依存して、15〜75mg/M/用量程度の高さでなお寛容可能である。用量は、単一用量であり得、この用量は、4時間毎、6時間毎、または12時間毎、あるいは、1日毎、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、7日毎、8日毎、9日毎、10日毎またはそれらの組み合わせで繰り返して投与され得る。好ましい計画は、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、もしくは6週間毎またはそれらの組み合わせで繰り返される処置サイクルを用い得る。現在好ましい実施形態において、処置は、1週間に1回行われ、この用量は、代表的には、1.5mg/M未満である。
【0045】
特に好ましいトポテカン投薬量および計画は、以下のとおりである:
【0046】
【表1A】
Figure 2004501955
本発明は、具体的実施例により、より詳細に記載される。以下の実施例は、例示目的で提供され、如何様にも本発明を限定することを意図しない。当業者は、重要ではない種々のパラメーターを容易に認識し、これらのパラメーターは、本質的に同じ結果を得るために変更または改変され得る。
【0047】
(IV.実施例)
(A.材料および方法)
1.材料 トポテカン(HycamtinTM,SmithKline Beecham)を、British Columbia Cancer Agencyの薬局から購入した。スフィンゴミエリン(SM)を、Avanti Polar Lipidsから購入した。Northern Lipidsのスフィンゴミエリンを初期の研究において用いたが、Avantiバージョンのものより、あまりエタノールに可溶性ではなかった。コレステロール(CH)および二価の陽イオンイオノフォアA23187をSigmaから購入した。[H]−コレステリルヘキサデシルエーテル(Dupont)を脂質マーカーとして用いた。
【0048】
2.マウス。雌性のICR、BDF−1または無胸腺nu/nu(6−8週齢)を、Harlan−Sprague Dawley(Indianapolis,IN)から購入した。すべての動物を、使用する前に1週間にわたり隔離した。すべての研究を、Canadian Council on Animal Care(CCAC)およびInstitutional Animal Care and User Committee(IACUC)により制定されたガイドラインに沿って行った。
【0049】
3.Mg−A23187法によるトポテカンの処方。トポテカンを、米国特許第5,837,282号に従うMg−A23187イオノフォア法を用いて、SM:CH(55:45,mol/mol)リポソーム中にカプセル化した。最初の薬物 対 脂質比は、0.10(w/w)であり、薬物負荷は、代表的には、95−100%であった。外用緩衝液(external buffer)は、10mM PBS,pH7.5および300mM スクロースからなった。すべての処方物を粒子サイズ、薬物負荷効率、pH、および薬物と脂質の濃度に関して分析した。
【0050】
4.薬物調製および投薬。トポテカン(HycamtinTM)の各バイアルを、1.0mlの滅菌水で水和し、4.0mg/mlのトポテカン濃度にした。引き続いて、薬物のラクトン種について必要な低pHを維持するために、0.9%滅菌生理食塩水中で希釈した。水保存溶液中の非使用薬物(4.0mg/ml)を、遮光して4℃で保存した。リポソームにカプセル化したトポテカンを、0.9%生理食塩水で、投与に必要な濃度に希釈した。すべての薬物投与は、側方尾静脈を介した10ml/kg(200μl/20gマウス)であった。
【0051】
5.薬物動態およびインビボ漏出研究。遊離トポテカンおよびリポソームカプセル化トポテカンの薬物動態および薬物漏出を、側方尾静脈を介したi.v.投与後24時間にわたり、ICRマウスにおいて評価した。2つの異なる薬物 対 脂質比(すなわち、0.10(w/w)および0.02(w/w))を用いて、薬物漏出およびPK挙動に対する薬物 対 脂質比および脂質用量の影響を試験した。カプセル化されたトポテカンを、1mg/kg(10または50mg/kg脂質)および5mg/kgトポテカン(50mg/kg脂質)で投与した。対応して、遊離のトポテカンのPK挙動を、1mg/kgおよび5mg/kgで評価した。血中総トポテカンを、血漿タンパク質の沈降後の蛍光アッセイにより決定した。トポテカンを、それぞれ、380nmおよび518nmの励起波長(2.5nmスリット幅)および発光波長(2.5nmスリット幅)で分光蛍光器により定量した。血漿中の脂質レベルを、[H]−CHE標識の液体シンチレーション計測により決定した。
【0052】
6.MTD研究。MTD研究を、各腫瘍モデルに対応する宿主マウス系統において行った。単一用量および複数用量のMTDを、経時的な体重減少をモニターすることにより決定した。MTDを、20%体重減少を生じる用量と規定した。
【0053】
7.骨髄抑制および好中球減少症研究。トポテカン投与の結果としての末梢血細胞レベルの変化を、4〜6週間にわたりICRマウスにおいて評価した。10mg/kgの遊離トポテカンまたはリポソームカプセル化トポテカンをi.v.投与して1日、3日、5日、7日、14日、および21日目に、血液を、EDTA微量チューブ(microtainer tube)に採取した。空の小胞を、コントロールとして投与した。CBCおよび差示的分析をCentral Labs for Veterinarians(Langley,BC)で行って、細胞レベル、比および形態を定量した。
【0054】
8.腫瘍モデル。標準的プロトコルで用いられるように、L1210マウス白血病モデルおよびCT−26マウス結腸転移モデルを用いた。ヒトMX−1およびLX−1細胞株をDCTD Tumor Repository in Frederick,MDから得た。これらの細胞株を、腫瘍フラグメントとして回収し、3mm×3mmフラグメントの連続的移植によりNCrヌードマウスにおいて増殖させた。細胞株がヌードマウスにおいて3継代を過ぎ、腫瘍株が継代数が10に達したときに再開始するまで、実験を開始しなかった。
【0055】
9.効力研究。遊離トポテカンおよびリポソームトポテカンの投薬すべてを、側方尾静脈を介した10ml/kgの静脈内経路により投与した。L1210およびCT−26モデルにおいて、投薬を1日目に行った(腫瘍細胞注入=0日目)。MX−1およびLX−1腫瘍モデルについて、腫瘍容積を、腫瘍寸法の垂直測定の繰り返しおよび以下の式を用いることにより決定した:
容積(mm)=(L×W)/2
腫瘍が明らかに増殖を示し、100−300mmの範囲にある場合に、MX−1モデルおよびLX−1モデルで投薬を開始した。
【0056】
大部分の薬物が生物学的効果と毒性との間で平衡を示すので、これらの属性の両方を組み込むパラメーターを試験することは有用である。最も一般に用いられるパラメーターは、治療指数(therapeutic index)(TI)である。伝統的には、治療指数は、以下のように規定されている:
TI=LD50/ED50
しかし、LD50研究を行うことはもはや許されないので、これらの研究についての治療指数を、以下のように規定した:
TI=MTD/MED
上記の式において、MTDは最大寛容用量であり、動物の群において20%の平均体重減少を引き起こす用量として規定される;そしてMEDは、最小有効用量であり、固形腫瘍モデルにおいて40以下の最適%T/C値を生じる用量または生存モデルにおいて50±10%の%ILSを生じる用量として規定される。
【0057】
(B.結果)
1.薬物動態および薬物漏出。トポテカンの血漿薬物動態および薬物漏出に対するリポソームカプセル化および薬物 対 脂質比の影響を、ICRマウスにおいて24時間にわたり試験した。トポテカンのリポソームカプセル化(薬物 対 脂質比、0.11、wt/wt)は、この薬物の薬物動態パラメーターに対して劇的な影響を与えた(図1、上部;および表1を参照のこと)。5mg/kg用量のトポテカンでは、遊離薬物に対するリポソーム薬物について、血漿AUCにおいて164倍の増加、Cmaxにおいて24倍の増加および血漿α半減期において24倍の増加が観察された(表1を参照のこと)。歴史的には、リポソーム薬物のAUCおよび血清半減期における大きな改善により、疾患部位(例えば、腫瘍)への薬物の送達(「疾患部位標的化」として公知のプロセス)の増強が得られた。
【0058】
この研究において用いた処方物を、Mg−A23187イオノフォア法により調製した。iv投与して最初の10〜30分後に、最初に薬物が急激に放出され(図1、下部を参照のこと)、続いてより緩やかな放出相が生じた。Mn−A23187処方物およびMg−A23187処方物についてのtl/2放出は、それぞれ、約3時間および約5〜7時間であった;しかし、24時間では、いずれの処方物においても薬物はほとんど存在しなかった。
【0059】
大部分のリポソーム薬物処方物について、カプセル化薬物の薬物動態特性を、脂質組成および用量により制御する。リポソームトポテカンは、非常に低い薬物用量ですら(0.5mg/kg;薬物 対 脂質比、0.10、wt/wt)、別格の抗腫瘍活性を示すことが示された。これらの薬物用量および薬物 対 脂質比において、血漿からのリポソーム排除は、迅速であることが期待される。従って、低用量でのトポテカンの薬物動態が改善され得るか否かを決定するために、トポテカンの低い薬物 対 脂質比(0.02,wt/wt)処方物を調査した。興味深いことに、この研究において、低い薬物 対 脂質比の処方物が、より高い薬物 対 脂質比(0.11,wt/wt)の処方物よりはるかに速く薬物を放出した。この結果は予測外であった。
【0060】
【表1】
Figure 2004501955
すべてのパラメーターは、WINNONLIN PKモデリングソフトウェアを用いて、1または2区画モデルから導出した。
【0061】
2.最大寛容用量。単一および複数用量のMTD研究を、腫瘍保有Balb/cマウス、BDF−1マウスおよびNCr nu/nuマウスにおいて行った。個々のマウスの体重を、各研究の間中モニターして、遊離トポテカンおよびリポソームトポテカンの全身的な寛容性を評価し、可能ならば、MTDを確立した(図2を参照のこと)。リポソームトポテカンの最大寛容用量は、単一投与に関して10mg/kg、q7dx3スケジュールに関して7.5mg/kgおよびq3dx4スケジュールに関して5mg/mlであった。マウスにおける1回の静脈内注入後の遊離トポテカンの報告されたLD50は、75mg/M(約25mg/kg)であった[HycamtinTM製品小論];しかし、40mg/kgまでの用量で体重減少はほとんど観察されなかったが、これは、急性応答に起因したMTDと考えられた。薬物量は、制限されていたので、40mg/kgより高い用量(5〜10分にわたり投与された)については追求しなかった。qdx5スケジュールに対する遊離トポテカンのLD10は、14mg/M2/用量(約4.7mg/kg/用量)であることが以前に示されている(Grochow,et al.,Drug Metab.Dispos.20:706−713(1992))。
【0062】
3.毒性。ヒトにおいて5日間連続(dx5)にわたり1.5mg/M/用量で毎日投与される遊離トポテカンの主要な用量制限毒性(MTD)は、非累積性の骨髄抑制である。先に言及されたように、ヒトは、マウスよりも、骨髄抑制に対してより感受性であり、マウスにおけるMTDのわずか11%を寛容し得るにすぎない(14mg/Mに対して1.5mg/M)。この点において、イヌは、ヒトにおけるトポテカンの骨髄抑制のはるかに良好な予測者であることが示された(Burris,et al.,J.Natl.Cancer Inst.84:1816−1820 (1992))。しかし、マウスは、遊離トポテカンおよびリポソームカプセル化トポテカンの相対的骨髄抑制効果を比較するに適切であるはずである。
【0063】
1つの研究において、末梢WBC数の最大減少が、リポソームトポテカンを投与して3日目に生じた。次いで、末梢血球レベルおよび形態の比較を、遊離トポテカンもしくはリポソームカプセル化トポテカンまたは空の小胞を投与して3日目に行った(表2を参照のこと)。この比較に用いた用量は、リポソームカプセル化トポテカンのMTDであった(10mg/kg)。リポソームトポテカンについて遊離トポテカン(約10倍)、空の小胞(約10倍)、またはコントロール動物(約20倍)と比べて、循環好中球の有意な減少が観察された。総WBCレベルおよびリンパ球亜集団は、コントロール動物に対してリポソームトポテカンについて約2倍減少した。同用量では、遊離トポテカンについてのこれらのパラメーターにおいて、有意差はまったくなかった。注射して21日目に、リポソームトポテカンについての総WBCレベルは、正常動物より約2.5倍低いままであった;しかし、好中球レベルは、正常マウスと比較して、20倍〜3倍の減少まで回復した。リンパ球レベルは、正常マウスより約2倍低いままであった。他の有意差は観察されなかった。
【0064】
注射して3日後の血清化学パラメーターの分析により、未処置動物に対してわずかな変化が明らかになった(表3を参照のこと)。注意すべきわずかな変化は、リポソームトポテカンで処置した動物に関するグロブリンレベルの統計的に有意な増加(約2倍)およびアルブミン/グロブリン比の付随した減少であった。他の有意な変化は観察されなかった。
【0065】
【表2】
Figure 2004501955
(表3.遊離トポテカンまたはリポソームカプセル化トポテカンの10mg/kg静脈内投薬量で処理したICRマウスの血清化学パネル−注射後3日目−)
【0066】
【表3】
Figure 2004501955
(C.マウス腫瘍モデルおよびヒト腫瘍モデルにおける効力の研究:単回用量研究)
(1.L1210マウス白血病) 静脈内L1210マウス白血病モデルが、遊離の化学療法剤とリポソームカプセル化化学療法剤との間の差次的活性を評価するために広範に使用されており、そしてこのモデルは、新規な化学療法剤のインビボNCIスクリーニングにおける元々の(1955〜1975)モデルのうりの1つであった(Plowmanら、Human tumor xenograft models in NCI drug development、「Anticancer Drug Development Guide:Preclinical Screening,Clinical Trials,and Approval」(B.Teicher編)、Humana Press Inc.,Totowa(1997);Waud、Murine L1210 and P388 leukemisas、「Anticancer Drug Development Guide」Preclinical Screening,Clinical Trials,and Approval」(B.Teicher編)、Humana Press Inc.,Totowa(1997))。このモデルは、迅速であり−未処置動物の平均生存は代表的には約7〜8日である−、そして投与された腫瘍細胞は、肝臓および骨髄に播種される(seed)。
【0067】
遊離のトポテカンを単回静脈内用量として投与すると、L1210モデルにおける生存に対して、最小の効果しか有さなかった(図3Aを参照のこと)。最高用量の遊離のトポテカンでは、生存中央値13日(44% ILS)が観察された。この群において、1つの長期生存体(60日)が存在した。対照的に、5mg/kgまたは10mg/kgのいずれかのリポソームトポテカンの単回静脈内(i.e.)投与は、60日目で100%の生存を生じた(図3Bを参照のこと)。1mg/kg用量についての生存中央値は13日(44% ILS)であり、そして生存曲線は、30mg/kgで投与された遊離トポテカンの生存曲線とほぼ同一であった−30倍の効力増強−。より高用量(30mg/kg)のリポソームトポテカンでは、毒性死が観察された。リポソームトポテカンについてのMTDは、単回静脈内投与の後、BDF−1マウスにおいて20mg/kgであった。
【0068】
(2.CT−26マウス結腸癌) マウスCT−26結腸細胞株は、薬物スクリーニングのために有用である。なぜなら、この細胞株は、皮下固形腫瘍として容易に増殖するか、またはこの細胞株を静脈投与して生存モデルとして使用し得るからである。さらに、この腫瘍細胞を、脾内(i.s.)注射により投与し、その後、脾摘出術を行って、この細胞を、肝臓へと播種して実験的転移モデルを生じる。このモデルは、結腸直腸癌の臨床経過によく似ている。このモデルは、広範に使用されており、そして、例えば、他の箇所に詳細に記載される。
【0069】
このCT−26モデルにおいて、トポテカンの単回用量の投与は、生存に対して穏やかな影響を有し、用量範囲5〜40mg/kgにわたって23〜60%のILS%を生じた(図4を参照のこと)。しかし、リポソームカプセル化トポテカンは、5mg/kgより大きい用量では非常に活性であり、90日目で100%の生存(8/8)を生じた。10mg/kgでは、87.5%の生存(7/8)が90日目に観察されたが、死んだ動物の腫瘍負荷は非常に低く、このことは、この動物が、他の要因(例えば、骨髄抑制に関連する感染)に起因して死んだかもしれないことを示唆する。リポソームトポテカンに関する用量応答が観察され、2mg/kg用量は、54%のILS%を生じた。これは、MEDであることが決定され、そしてこれは、40mg/kgの遊離トポテカンを使用して達成されるILS%(58%)に匹敵した−20倍の効力増強−。
【0070】
(3.MX−1ヒト乳癌腫) MX−1は、ヒト乳癌の実験モデルであり、そして倍化時間3.9日を有することが報告されている。この研究において、倍化時間中央値は、一貫して3.6〜3.7日であった。この腫瘍細胞株は、29年齢の雌の原発性腫瘍に由来し、化学療法を受けた既往歴はなかった。そしてこの腫瘍細胞株は、ヌードマウスにおいて連続継代される腫瘍フラグメントとしてDCTD(NCI)腫瘍貯蔵所(tumor repository)により提供される。組織学的に、MX−1は、ほどんど分化していない乳癌腫であり、腺形成またはムチン産生の形跡はない。MX−1は、NCIインビボ腫瘍パネルおよびプレスクリーニング物(1976〜1986)を含んだ、新規な化学療法剤を評価するための3つの異種移植片モデル(MX−1、LX−1、CX−1)のうちの1つであった(Plowmanら、Human tumor xenograft models in NCI drug development.「Anticancer Drug Development Guide:Preclinical Screening,Clinical Trials,and Approval」(B.Teicher編)、Humana Press Inc.,Totowa(1997))。その後、「化合物指向的」発見から「疾患指向的」発見へのNCIの戦略のシフトを反映して、MX−1はより大きな乳癌モデル群(計12)へと組み込まれた。
【0071】
進行した(staged)(100〜300mm)MX−1腫瘍において、遊離のトポテカンは、腫瘍増殖の用量依存性阻害を示した(図5;表1を参照のこと)。最高用量(40mg/kg)において、最適T/C% 24%が得られたが、一方、10mg/kgおよび5mg/kgについての最適T/C%は、それぞれ、66%および78%であった。薬物関連死は観察されず、そしてすべての動物は、この研究を通じて体重を増した。トポテカンのリポソームカプセル化は、T/C%に対して顕著な影響を有し、2mg/kg、5mg/kgまたは10mg/kgの薬物の単回投与の後、それぞれ、最適T/C%が8%、−49%および−62%であった。負のT/C%値は、もとの進行した(staged)腫瘍サイズ(100〜300mm)からの腫瘍体積の後退を示す。NCIのガイドラインによると、最適T/C%が<10%であることは、有意な活性と見なされ、一方、<42%の値は、薬物を開発へとさらに前進させるために許容可能な最低限度である(Corbett,T.編、In vivo mehods for screening and preclinical testing.「Anticancer Drug Development Guide:Preclinincal Screening,Clinical Trials,and Approval」(B.Teicher編)Humana Press Inc.,Totowa(1997))。リポソームカプセル化は、トポテカンの毒性を増加し、遊離トポテカンについてのMIDを、>40mg/kgから10mg/kgへと減少させた。
【0072】
(4.LX−1ヒト肺癌) LX−1は、ヒト小細胞癌(SCLC)の実験モデルである。この腫瘍細胞株は、48歳の男性において見出された転移病変の外科的外植片に由来し、そしてヌードマウスにおいて連続継代される腫瘍フラグメントとして、DCTD(NCI)腫瘍貯蔵所により提供される。このLX−1モデルは、1976〜1986のNCIインビボ腫瘍群の一部であった(Plowman,J.ら、Human tumor xenograft models in NCI drug development.「Anticancer Drug Development Guide:Preclinical Screening,Clinical Trials,and Approval」(B.Teicher編)、Humana Press Inc.,Totowa(1997))。現在は頻度を減らしてしか使用されないが、このLX−1モデルは、その迅速な増殖速度が理由で、依然として、遊離薬物とリポソーム薬物との間の比較活性研究についての有用な異種移植片である。
【0073】
一般に、このLX−1モデルは、遊離薬物およびリポソームカプセル化薬物の両方について、MX−1モデルよりもトポテカンの効果に対して感受性が低い(図6;表1を参照のこと)。用量30mg/kg、10mg/kg、または5mg/kgの遊離トポテカンについての最適T/C%は、それぞれ、43%、55%、および67%であった。抗腫瘍活性が、カプセル化を介して改善され、用量30mg/kg、10mg/kg、または5mg/kgについてのT/C%が、それぞれ、8%、11%、および13%となった。興味深いことに、このリポソームトポテカン用量のすべてが、類似する活性を示した。これは、初期の研究であり、他のモデルにおけるその後の研究(図4〜6を参照のこと)は、用量<5mg/kgで始まる用量応答を示す。このことは、カンプトテシンクラス化合物(およびおそらく他の抗腫瘍性薬剤)が「自己制限的」効力を示し得、それにより臨界閾値用量を超える用量では、さらなる活性の利点が全く観察されないという知見(Thompson、Biochim.Biophys.Acta 1400:301〜319(1998))と、一致する。この状況は、おそらく、その薬物が制限された腫瘍細胞への接近を有する場合かまたはその薬物が腫瘍血管に対して作用して破壊する(すなわち、抗脈管形成活性を有する)場合に、生じ得る。両方の場合において、より高用量の薬物は、ごく小量の利点しか有さないと予期される。
【0074】
L1210研究において観察されるように、トポテカンのカプセル化は、その薬物の毒性を増強し、そしてそのMTDを減少した。腫瘍を保有するヌードマウスにおけるMTDは、10mg/kg(約16%の体重損失)であった。30mg/kgでは、4/6の薬物関連毒性死が観察され、そして最大体重損失は、約29%に達した(27〜34%範囲)。
【0075】
(D.マウス腫瘍モデルおよびヒト腫瘍モデルにおける効力研究:多数回用量研究)
(1.MX−1ヒト乳癌腫) 複数回投与および薬物に対する腫瘍の長期曝露の効果を調べるために、2つの複数用量プロトコル(q3dx4スケジュールおよびq7dx3スケジュール)を、MX−1異種移植片において調べた。q4dx3スケジュールにおいて、遊離トポテカンは、2.5mg/kg/用量および10mg/kg/用量では中程度の活性を示し、1.25mg/kg/用量では、最小の活性を示した(図7;表IIを参照のこと)。この投与スケジュールに関する遊離トポテカンの最適T/C%値は、1.25mg/kg/用量、2.5mg/kg/用量および10mg/kg/用量について、それぞれ、55%、30%、および27%であった。同じ投与スケジュールで投与されたカプセル化トポテカンについて、最適T/C%値は、0.5mg/kg/用量、1.25mg/kg/用量、2.5mg/kg/用量および5mg/kg/用量について、それぞれ、15%、100%、100%、および100%であった。後退したすべての腫瘍を、60日間モニターした。>1.25mg/kg/用量のリポソームトポテカンで処理したすべての動物は、この期間の終わりに、腫瘍を有さないと見なされた。
【0076】
q7dx3投与スケジュールにおいて、5mg/kg/用量または10mg/kg/用量のいずれの遊離トポテカンを用いても、ほとんど活性は観察されなかった(図8;表IIを参照のこと)。同じ用量で、リポソームトポテカンは、進行した(staged)腫瘍の完全な後退を誘導した。しかし、この投与スケジュールにおいて、10mg/kg/用量は毒性があり過ぎた。そして、6/6毒性死(または安楽死)が24日目に観察されたので、この研究のこの部分は停止した。
【0077】
(2.LX−1ヒト肺癌) LX−1モデルにおける最初の研究(単回用量)は、遊離トポテカンが評価用量<30mg/kgでは不活性であり、そしてリポソームトポテカンは腫瘍増殖を阻害するが後退は誘導しないことを示した。この活性を改善するために、複数回(q7dx3)スケジュールを、遊離トポテカンおよびリポソームトポテカンの両方について試験した。この場合、単回用量研究と比較して、かなり大きな活性が遊離トポテカンについて観察され、30mg/kg/用量および10mg/kg/用量について、それぞれ、最適T/C%値5および40が得られた。リポソームトポテカンもまた、有意に改善した活性を示し、5mg/kg/用量で完全な後退(およびその後の再増殖)を生じた。このモデルにおけるリポソームトポテカンについての最適T/C%値は、5mg/kg/日、2.5mg/kg/日、1.25mg/kg/日について、それぞれ、55、3および16であった。
【0078】
(3.治療指数(TI)の比較) 遊離トポテカンおよびリポソームトポテカンの治療指数を、いくつかの異なる投与スケジュールで4つの異なる腫瘍モデルにおいて評価した(表4を参照のこと)。これらの数を作製するために使用した仮定および定義が、表IIIに見出される。いくつかの場合、真のMEDも真のMTDも観察されなかった。従って、真のMEDも真のMTDを、用量応答トレンドに基づいて数学的評価した。例えば、急性MTD 40mg/kgが、単回ボーラス注射として投与された遊離トポテカンについて観察されたが、真のMTD(重量損失に基づく)は、その薬物が5〜10分間にわたって注入された場合には60mg/kgにより近づくようである。また、この分析をいくらか複雑にしたのは、リポソーム処方物の効力のレベルであった。低薬物用量にて、有意な抗腫瘍活性が達成され、MEDが、特定の研究において評価されなければならなかった。これらの場合、表4において注釈をつけた。
【0079】
一般に、リポソームトポテカンについての治療指数の増加は、単回用量投与について比較的大きく(モデルに依存して、5倍、10倍、15倍および18倍)、そして投薬頻度が増加するにつれて減少した。このことが表4に示され、q7dx3スケジュールおよびq3dx4スケジュールについて、それぞれ、TITCS/TIFree比は、4.7〜7.5および3.3であった。投与がより頻繁になるにつれてこのTITCS/TIFree比が減少することは、遊離トポテカンの効力および毒性がスケジュール依存性であることを示す前臨床研究および臨床研究と一致する。
【0080】
(表4.マウス腫瘍モデルおよびヒト腫瘍モデルにおける遊離トポテカンおよびリポソームトポテカンの相対的治療指数
【0081】
【表4】
Figure 2004501955
a 表IIおよび表IIIのデータ;表IVにおける式および定義に基づく
b 急性MTD 40mg/kgを使用して得た;第2の値は、推定MTD(体重)に基づく
c 約2倍大きくあり得る控えめな推定値;低用量での高い活性に起因して、このMEDを評価することは困難である。
【0082】
(E.考察)
トポテカンは、リポソームカプセル化のための優れた候補である。簡単に述べると、トポテカンは、細胞周期(S期)特異的であり、そして長期の曝露とともに活性が大いに増強され、トポテカンは、迅速な血漿薬物動態を示し、そしてこの薬物は、生物学的活性を保持するためにpH6.0より下で維持される必要がある。これは、酸性水性コアを有する比較的非漏出性のリポソーム処方物(例えば、SM:CH、55:45)を使用するための理想的シナリオである。必要な酸性内部は、例えば、pHローディング法またはイオノフォアローディング法によって、作製され得る。ここで、Mg−A23187法によるSM/CHリポソーム中へのトポテカンのカプセル化は、抗腫瘍効力の劇的な増強を生じることを示した。毒性の中程度の増強もまた、リポソームトポテカンについて観察されるが、これは、遊離薬物に対して匹敵する効力(および多くの場合はより優れた効力)を達成する、実質的用量の減少によって、大きく相殺された。
【0083】
治療指数(TI)は、薬物活性の有用なパラメーターである。なぜなら、それは、生物学的活性(ユーザーが規定する指標、すなわち、MED、ED50またはED80)に対する毒性(MTD)の比の尺度であるからである。一般に、TIが低い程、毒性の危険が高い。なぜなら、生物学的効果を惹起するために必要な薬物の容量は、MTDに近づくからである。治療指数は、リポソーム薬物の評価のために特に有用である。なぜなら、TIの相対的変化は、カプセル化の利点(またはその欠如)を規定するために使用され得るからである。本明細書中に示されるように、TIは、3倍から18倍に改善され、それは、使用されるモデルおよび投与スケジュールに依存する。従って、トポテカンのリポソームカプセル化後に観察される生物学的活性の改善は、いかなる毒性の増加も補償するにとどまらない。
【0084】
いかなる理論によっても拘束されることを意図しないが、抗腫瘍活性の有意な改善およびリポソーム形態の薬物の毒性増加は、薬物動態の改善および活性ラクトン形態での薬物の維持から生じると考えられる。これらの研究において、24時間後には、84%のトポテカンが、血漿中にラクトン種として存在したのに対して、たった5分後には遊離トポテカンについて48%のラクトンが存在した。さらに、同じ用量(10mg/kg)の遊離トポテカンおよびリポソームトポテカンを、マウスに静脈投与した場合、ラクトン濃度は、<1時間の時点で、約40倍高かった。24時間にて、リポソーム薬物についてのラクトン血漿濃度は、5.4μg/mlであったのに対して、遊離の薬物について5分で1.5μg/mgであり、遊離トポテカンについてのピークラクトン濃度よりなお3.5倍高かった。
【0085】
(表I)
(単回用量抗腫瘍活性および毒性パラメーターの要旨)
【0086】
【表5】
Figure 2004501955
a 最終処理後の最適T/C%。負の値は、腫瘍後退を示す。
b 腫瘍増殖遅延(処理した腫瘍およびコントロール腫瘍が500mmに達するための時間の差異)
c 未処理腫瘍に対する寿命の増加(%として表す)
d log(細胞殺傷)(量)
e 研究終了時に腫瘍を有さない動物(すなわち、可視的腫瘍がないか、または長期生存体)
f 薬物関連死
g 処理群当たりの最大平均重量損失
h 正の重量変化(すなわち、処理前の重量を下回る重量低下が、どの時点でもなかった)
** 長期生存体
(表II)
(複数回用量抗腫瘍活性および毒性パラメーターの要旨)
【0087】
【表6】
Figure 2004501955
a 最終処理後の最適T/C%。負の値は、腫瘍後退を示す。
b 腫瘍増殖遅延(処理した腫瘍およびコントロール腫瘍が500mmに達するための時間の差異)
c 未処理腫瘍に対する寿命の増加(%として表す)
d log(細胞殺傷)(量)
e 研究終了時に腫瘍を有さない動物(すなわち、可視的腫瘍がないか、または長期生存体)
f 薬物関連死
g 処理群当たりの最大平均重量損失
h 正の重量変化(すなわち、処理前の重量を下回る重量低下が、どの時点でもなかった)
i 測定せず;リポソームカプセル化群における毒性死
** 長期生存体;60日目まで可視的腫瘍が存在しない。
【0088】
表III.
毒性および抗腫瘍活性パラメーターについての規定および式
DRD 薬物関連死亡。動物が死亡するか、または薬物ANDでの最終処置後15日以内に安楽死させたか、その腫瘍重量がコントロールマウスに対する致死的負荷より小さいか、またはその体重減少が、コントロール動物の体重減少より20%を超えた場合に、死亡が薬物に関連するとみなした。
【0089】
GI50 インビトロでの細胞の集団において50%増殖阻害を引き起こす薬物の濃度。NCIは、時間0の時点で細胞数についての補正を強調するためにIC50パラメーターを改名した。従って、式は、以下のとおりである:
GI50=(T−T)/(C−T)×100=50
TおよびTは、それぞれ、48時間および0時間での光学密度である;Cは0時間でのコントロール(細胞数)光学密度である。
【0090】
%ILS 寿命の増加(%)。生存モデルについて、処置動物(T処置)および未処置動物(Tコントロール)についてメジアン生存時間を用いて、以下に従って、これを計算した:
(T処置−Tコントロール)/Tコントロール×100
固形腫瘍モデルについては、腫瘍が2000mm(体重の約10%)に達するまでの時間を、メジアン生存の代わりに倫理的カットオフとして用いた。
【0091】
LCK 細胞殺傷の対数(総数)。このパラメーターは、処置の最後に殺傷された細胞のlog10単位の数を以下の式に従って推定する:
(T−C)×0.301/メジアン倍化時間
正味の細胞殺傷の対数は、以下のように、腫瘍増殖遅延(T−C)パラメーターから処置の持続時間を差し引きすることにより計算され得る:
[(T−C)−処置の持続時間]×0.301/メジアン倍化時間
0の細胞殺傷の対数は、処置の最後における細胞集団が、処置の開始における細胞集団と同じであることを示す。しかし、例えば、4の細胞殺傷の対数は、開始細胞集団における99.99%減少を示す。
【0092】
MBWL 最大体重減少(%)。動物を、最初の薬物投与の前(Wi)および研究の間の種々の日(Wd)に体重測定した。体重の%変化は、以下により計算される:
MBWL=(W−W)/W×100
MED 最小有効用量。これは、いくらか任意のパラメーターである。これらの研究について、本発明者らは、40以下の最適%T/C(固形腫瘍モデルについて)または40〜60%の%ILS(生存モデルについて)を達成する最低用量としてMEDを規定した。
【0093】
MTD 最大寛容用量。20%以下のMBWLを生じる薬物用量。
【0094】
%T/C 処置の最初の過程後に得られたコントロール腫瘍に対する処置腫瘍の最適比。これらの値は、以下の式に従って、各観察日での腫瘍重量から、処置の初日でのメジアン腫瘍重量(TiまたはCi)を差し引きすることにより得られる:
%T/C=(ΔT/ΔC)×100(ここで、ΔT>0)または
%T/C=(ΔT/T)×100(ここで、ΔT<0)
NCI活性基準に従って、以下のスコア付けシステム(Plowman,et al,Human tumor xenograft models in NCI drug development、「Anticancer Drug Development Guide:Preclinical Screening,Clinical Trials,and Approval」(B. Teicher,Ed.),Humana Press Inc.,Totowa(1997)[22])を適用する:
0=不活性、%T/C>40
1=腫瘍阻害、%T/C範囲は1〜40
2=腫瘍静止、%T/C範囲は0〜−40
3=腫瘍退行、%T/C範囲は−50〜−100
4=%T/C範囲は−50〜−100および>30%(腫瘍なしマウス)。
【0095】
TGD 腫瘍増殖遅延(T−Cともあらわされる)。このパラメーターは、任意のサイズ(代表的には、500または1000mm)を得るために処置腫瘍および未処置腫瘍についての時間差(日数で)をあらわす。
【0096】
TI 治療指数。治療指数は、毒性パラメーター(すなわち、LD50、LD10、MTD)および生物学的活性パラメーター(すなわち、ED50−処置群の50%において、規定された生物学的応答を生じる用量)の比である。一般に、TIは、薬物についての安全性の限界を示す。動物モデル研究について、これは、伝統的には、以下の式によって記載される:
TI=LD50/ED50
しかし、LD50研究を行うことは、もはや倫理的に許されないので、本発明者らは、これらの研究のために、以下のように治療指数を規定した:
TI=MTD/MED。
【0097】
上記の説明は、例示であって、制限するものでないと意図することが理解されるべきである。多くの実施形態は、上記の説明を読めば当業者に明らかである。従って、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるのではなく、添付の特許請求の範囲を参照してこのような特許請求の範囲により権利が与えられる等価物の全範囲とともに決定されるべきである。全ての学術文献および参考文献(特許出願および刊行物を含む)の開示は、全ての目的のために、本明細書中に参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ビノレルビンのリポソーム処方物の薬物動態学的挙動を示す。パネルAは、異なる薬物:脂質比(0.1:1、0.2:1、0.3:1)の3つの処方物について、循環するキャリアからの薬物漏出速度を示す。薬物放出は、薬物:脂質比に依存し、最小の放出速度が最高の比(0.3:1)について見られる。パネルBは、血液中での脂質回復を示す。パネルCは、キャリアからの薬物放出速度の調節がビノレルビンについての血液クリアランス半減期に対する変化を生じることを示す。
【図2】図2は、血漿薬物レベルが薬物動態に従って使用される場合の、対応する挙動を示す。パネルAは、薬物貯留 対 時間を示す。パネルBは、脂質回復 対 時間を示す。パネルCは、薬物回復 対 時間を示す。
【図3】図3は、薬物:脂質比の関数として、リポソームビンブラスチンの処方物の薬物動態学的挙動(血液PK)を示す。リポソームキャリアからの薬物漏出は、最初の薬物:脂質比によって決定され、より高い薬物比の処方物について、より遅い放出を伴う。パネルAは、薬物貯留 対 時間を示す。パネルBは、脂質回復 対 時間を示す。パネルCは、薬物放出速度が血液からの薬物クリアランス半減期に対する変化と相関することを示す。
【図4】図4は、薬物:脂質比の関数として、リポソームビンブラスチンの処方物の薬物動態学的挙動(血漿PK)を示す。パネルAは、薬物貯留 対 時間を示す。パネルBは、脂質回復 対 時間を示す。パネルCは、薬物放出速度が血漿からの薬物クリアランス半減期に対する変化と相関することを示す。
【図5】図5は、脂質用量の、PK挙動(血液PK)に対する影響を示す。ここに例示されるように、類似する薬物放出速度(A)、脂質クリアランス速度(B)および薬物クリアランス速度(C)が、16.6mg/kg〜50mg/kgの脂質用量範囲にわたって薬物:脂質比が0.3:1であるリポソームビンブラスチン処方物について見られる。
【図6】図6は、脂質用量の、PKの動きに対する影響を示す(血漿PK)。ここに例示されるように、類似する薬物放出速度(A)、脂質クリアランス速度(B)および薬物クリアランス速度(C)が、16.6mg/kg〜50mg/kgの用量範囲にわたって薬物:脂質比が0.3:1であるリポソームビンブラスチン処方物について見られる。
【図7】図7は、異なる薬物:脂質比のリポソームトポテカンの2つの処方物の薬物動態的挙動を示す。トポテカンが薬物:脂質比0.11:1でロードされる場合、より低い薬物:脂質比0.02:1の処方物を有するパネルBと比較して、より長い血漿クリアランス速度を生じる、よりかなり遅い薬物放出速度が見られること、パネルAは示す。

Claims (63)

  1. 活性薬剤の血漿循環半減期を調節するための方法であって、該方法は、以下:
    (a) リポソームを提供する工程であって、該リポソーム中に、遊離の活性薬剤および沈殿した活性薬剤がカプセル化されている、工程;および
    (b) 該リポソーム中の沈殿した該活性薬剤の量を変化させる工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記工程(b)が、前記活性薬剤 対 脂質の割合を変化させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、空のリポソームの添加により変化する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記工程(b)が、前記リポソームのサイズを変化させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記工程(b)が、前記活性薬剤の沈殿を増強する成分を添加する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記成分が、モノアニオン、ジアニオン、トリアニオン、または多価アニオンである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記工程(b)が、前記活性薬剤 対 脂質の割合、および前記リポソームのサイズの両方を変化させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記活性薬剤が、抗新生物薬物である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記抗新生物薬物が、カンプトセシンである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記カンプトセシンが、イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトセシン、10,11−メチレンジオキシカンプトセシン、9−ニトロカンプトセシン、TAS103、7−(4−メチル−ピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトセシン、および7−(2−N−イソプロピルアミノ)エチル)−20(S)−カンプトセシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記カンプトセシンが、トポテカンである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記活性抗新生物薬物が、ビンカアルカロイドである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ビンカアルカロイドが、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンオレルビン、およびビンデシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記リポソーム中にカプセル化される沈殿した活性薬剤が、該活性薬剤の総量の少なくとも50%である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記リポソーム中にカプセル化される沈殿した活性薬剤が、該活性薬剤の総量の少なくとも60%である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記リポソーム中にカプセル化される沈殿した活性薬剤が、該活性薬剤の総量の少なくとも70%である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記リポソームが、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記リポソームが、55:45の割合でスフィンゴミエリンとコレステロールとを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記活性薬剤の血漿循環半減期が、最適効力に調節される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、約0.005〜1:1(w/w)である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、約0.05〜0.9:1(w/w)である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、約0.1〜0.5:1(w/w)である、請求項21に記載の方法。
  23. 活性薬剤の血漿循環半減期を調節するための方法であって、該方法は、以下:
    (a) リポソームを提供する工程であって、該リポソーム中に、遊離の活性薬剤および沈殿した活性薬剤がカプセル化されている、工程;および
    (b) 該リポソームに非カプセル化活性薬剤を添加する工程、
    を包含する、方法。
  24. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:0.5〜1:1000である、請求項23に記載の方法。
  25. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:1〜1:100である、請求項24に記載の方法。
  26. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:2〜1:10である、請求項25に記載の方法。
  27. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:3〜1:5である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記活性薬剤が、抗新生物薬物である、請求項23に記載の方法。
  29. 前記抗新生物薬物が、カンプトセシンである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記カンプトセシンが、イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトセシン、10,11−メチレンジオキシカンプトセシン、9−ニトロカンプトセシン、TAS103、7−(4−メチル−ピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトセシン、および7−(2−N−イソプロピルアミノ)エチル)−20(S)−カンプトセシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記カンプトセシンが、トポテカンである、請求項30に記載の方法。
  32. リポソーム処方物であって、該リポソーム処方物は、以下:
    a) 抗新生物薬物;および
    b) 遊離の抗新生物薬物および沈殿した抗新生物薬物を有するリポソーム、を含み、ここで、該リポソーム中の沈殿した抗新生物薬物は、抗新生物薬物の総量の少なくとも50%である、処方物。
  33. 前記抗新生物薬物が、カンプトセシンである、請求項32に記載のリポソーム処方物。
  34. 前記カンプトセシンが、イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトセシン、10,11−メチレンジオキシカンプトセシン、9−ニトロカンプトセシン、TAS103、7−(4−メチル−ピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトセシン、および7−(2−N−イソプロピルアミノ)エチル)−20(S)−カンプトセシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項33に記載のリポソーム処方物。
  35. 前記カンプトセシンが、トポテカンである、請求項34に記載のリポソーム処方物。
  36. 前記活性抗新生物薬物が、ビンカアルカロイドである、請求項33に記載のリポソーム処方物。
  37. 前記遊離の抗新生物薬物と前記沈殿した抗新生物薬物とが異なる、請求項32に記載のリポソーム処方物。
  38. 前記ビンカアルカロイドが、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンオレルビン、およびビンデシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項36に記載のリポソーム処方物。
  39. 前記抗新生物薬物 対 脂質の割合が、約0.005〜1:1(w/w)である、請求項32に記載のリポソーム処方物。
  40. 前記抗新生物薬物 対 脂質の割合が、約0.05〜0.9:1(w/w)である、請求項39に記載のリポソーム処方物。
  41. 前記抗新生物薬物 対 脂質の割合が、約0.1〜0.5:1(w/w)である、請求項40に記載のリポソーム処方物。
  42. 前記リポソームが、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項32に記載のリポソーム処方物。
  43. 前記リポソームが、55:45の割合でスフィンゴミエリンとコレステロールとを含む、請求項42に記載のリポソーム処方物。
  44. カプセル化された活性薬剤を含まないリポソームをさらに含む、請求項32に記載のリポソーム処方物。
  45. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:0.5〜1:1000である、請求項44に記載のリポソーム処方物。
  46. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:1〜1:100である、請求項45に記載のリポソーム処方物。
  47. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:2〜1:10である、請求項46に記載のリポソーム処方物。
  48. 活性薬剤を含むリポソーム 対 カプセル化された薬剤を有さないリポソームの割合が、約1:3〜1:5である、請求項47に記載のリポソーム処方物。
  49. リポソーム処方物であって、該リポソーム処方物は、以下:
    a) 活性薬剤;
    b) リポソームであって、該リポソーム中に、遊離の活性薬剤および沈殿した活性薬剤がカプセル化されている、リポソーム;および
    c) 空のリポソーム、
    を含む、リポソーム処方物。
  50. 前記活性薬剤を含むリポソーム 対 前記空のリポソームの割合が、約1:0.5〜1:1000である、請求項49に記載のリポソーム処方物。
  51. 前記活性薬剤を含むリポソーム 対 前記空のリポソームの割合が、約1:1〜1:100である、請求項50に記載のリポソーム処方物。
  52. 前記活性薬剤を含むリポソーム 対 前記空のリポソームの割合が、約1:2〜1:10である、請求項51に記載のリポソーム処方物。
  53. 前記活性薬剤を含むリポソーム 対 前記空のリポソームの割合が、約1:3〜1:5である、請求項52に記載のリポソーム処方物。
  54. 前記活性薬剤が、抗新生物薬物である、請求項49に記載のリポソーム処方物。
  55. 前記抗新生物薬物が、カンプトセシンである、請求項54に記載のリポソーム処方物。
  56. 前記カンプトセシンが、イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトセシン、10,11−メチレンジオキシカンプトセシン、9−ニトロカンプトセシン、TAS103、7−(4−メチル−ピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトセシン、および7−(2−N−イソプロピルアミノ)エチル)−20(S)−カンプトセシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項55に記載のリポソーム処方物。
  57. 前記カンプトセシンが、トポテカンである、請求項56に記載のリポソーム処方物。
  58. 前記活性抗新生物薬物が、ビンカアルカロイドである、請求項57に記載のリポソーム処方物。
  59. 前記ビンカアルカロイドが、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンオレルビン、およびビンデシンからなる群より選択されるメンバーである、請求項58に記載のリポソーム処方物。
  60. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、約0.005〜1:1(w/w)である、請求項49に記載のリポソーム処方物。
  61. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、約0.05〜0.9:1(w/w)である、請求項60に記載のリポソーム処方物。
  62. 前記活性薬剤 対 脂質の割合が、約0.1〜0.5:1(w/w)である、請求項61に記載のリポソーム処方物。
  63. 前記リポソームが、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項49に記載のリポソーム処方物。
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