JP2004500308A5 - - Google Patents

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JP2004500308A5
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【書類名】明細書
【発明の名称】プロテインチロシンホスアターゼのモジュレーター
【特許請求の範囲】
【請求項1】下記の3 つの基準を満足する化合物:
(1) 式I により表される構造を有する:
【化1】
Figure 2004500308
式中、R 、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである;
(2) ホスホチロシン認識単位リガンド、好ましくはSH2 ドメインを含有する1 またはそれ以上のタンパク質またはPTP アーゼのインヒビターまたはモジュレーターとして作用する;そして(3) 2500ダルトンより低いか、あるいはそれに等しい分子量を有する。
【請求項2】式IIにより表される請求項1 に記載の化合物:
【化2】
Figure 2004500308
式中、式中、R 、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてRは好ましくはH である。
【請求項3】下記の3 つの基準を満足する化合物:
(1) 式III により表される構造を有する:
【化3】
Figure 2004500308
式中、R、R、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてRおよびRは互いに共有結合している;
(2) ホスホチロシン認識単位リガンド、好ましくはSH2 ドメインを含有する1 またはそれ以上のタンパク質またはPTP アーゼのインヒビターまたはモジュレーターとして作用する;そして(3) 2500ダルトンより低いか、あるいはそれに等しい分子量を有する。
【請求項4】式IVにより表される請求項3 に記載の化合物:
【化4】
Figure 2004500308
式中、R、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、RおよびRは互いに共有結合しており、そしてR は好ましくはH である。
【請求項5】式V により表される請求項4 に記載の化合物:
【化5】
Figure 2004500308
式中、R、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、RおよびRは互いに共有結合しており、そしてR は好ましくはH である。
【請求項6】式VIにより表される請求項5 に記載の化合物:
【化6】
Figure 2004500308
式中、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、RおよびRは互いに共有結合しており、そしてR は好ましくはH である。
【請求項7】式VII により表される請求項3 に記載の化合物:
【化7】
Figure 2004500308
式中、A は式VII 中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、そしてR、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【請求項8】式VIIIにより表される請求項7 に記載の化合物:
【化8】
Figure 2004500308
式中、A は式VIII中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、R 、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてR は好ましくはH である。
【請求項9】式IXにより表される請求項7 に記載の化合物:
【化9】
Figure 2004500308
式中、A は式IX中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、そしてR、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【請求項10】式X により表される請求項9 に記載の化合物:
【化10】
Figure 2004500308
式中、A は式X 中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、そしてR、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【請求項11】式XIにより表される請求項10に記載の化合物:
【化11】
Figure 2004500308
式中、A は式XI中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、R 、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてR は好ましくはH である。
【請求項12】式XII により表される請求項10に記載の化合物:
【化12】
Figure 2004500308
式中、Rはプロトンドナーおよび/またはプロトンアクセプター、好ましくは−COOH 、5−テトラゾリル、−NH、−CONHであることができ、そしてR 、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【請求項13】1 またはそれ以上のPTP アーゼの古典的、競合インヒビターとして実質的に作用する、前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】1 またはそれ以上のPTP アーゼの混合型インヒビターとして実質的に作用する、請求項1 〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】チロシンキナーゼシグナリング経路の調節に関係する1 またはそれ以上のPTP アーゼのインヒビターとして実質的に作用する、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】1 または2 以上の調節PTP アーゼとの相互作用を介してレセプター−チロキナーゼシグナリング経路、好ましくはインスリンレセプターファミリーのインスリンレセプター、IGF−1 レセプターおよび/またはインスリンレセプターの他のメンバーのシグナリング経路、EGF レセプターファミリー、血小板由来成長因子レセプターファミリー、神経成長因子レセプターファミリー、肝細胞成長因子レセプターファミリー、成長因子レセプターファミリーおよび/または他のレセプター型チロシンキナーゼファミリーのメンバーのシグナリング経路を実質的に阻害またはモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】1またはそれ以上の調節PTP アーゼのモジュレーション、好ましくはSrc キナーゼファミリーまたは他の細胞内キナーゼのモジュレーションを通して、非レセプターチロシンキナーゼのシグナリングを実質的に阻害またはモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】シグナルトランスダッション経路を陰性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性を実質的に阻害またはモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】シグナルトランスダッション経路を陽性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼ、好ましくはCD45の活性を実質的に阻害またはモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】免疫細胞におけるシグナルトランスダッション経路を陽性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性を実質的に阻害またはモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】シグナルトランスダッション経路を陰性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性を阻害またはモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性部位への結合あるいは前記PTP アーゼに対する基質の結合に陰性に影響を及ぼす他の部位への結合を介して、1 またはそれ以上のPTP アーゼを阻害する、アロステリックモジュレーターである、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】酵素の活性部位の外側に位置する構造、好ましくはSH2 ドメインとの相互作用を介して、1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性をモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】非PTP アーゼシグナリング分子のSH2 ドメインまたはPTB ドメインに対する本発明の化合物の結合を介して、シグナルトランスダクション経路をモジュレートする、請求項1 〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】選択的PTP アーゼインヒビターまたは選択的ホスホチロシン認識単位リガンドである化合物により特徴づけられる、前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】非選択的PTP アーゼインヒビターにより特徴づけられる請求項1 〜24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】少なくとも4 つのPTP アーゼまたは4 つのPTP アーゼファミリーのインヒビターまたはモジュレーターにより特徴づけられる請求項26に記載の組成物。
【請求項28】本明細書に記載されていないPTP アーゼに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項29】表1 に列挙されているPTP アーゼに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項30】PTP αファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項31】PTP αに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項32】PTP εに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項33】CD45に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項34】PTP βファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項35】PTP βに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項36】PTP−DEP1に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項37】PTP−LAR ファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項38】PTP−LAR に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項39】PTP σに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項40】PTP δに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項41】PTP μファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項42】PTP μに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項43】PTP κに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項44】PTP1B ファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項45】PTP1B に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項46】TC−PTPに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項47】SHP−PTP ファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項48】SHP−1 に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項49】SHP−2 に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項50】PTP ζファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項51】PTP ζに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項52】PTP γに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項53】PTP−PESTファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項54】PTPH1 ファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項55】PTPH1 に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項56】PTPD1 に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項57】PTPD2 に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項58】PTPMEG1 に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項59】IA−2ファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項60】IA−2に対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項61】IA−2βに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項62】PTP ψファミリーに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項63】PTP ψに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項64】PTP ρに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項65】PTP φに対して選択的であることにより特徴づけられる請求項25に記載の化合物。
【請求項66】1000ダルトンより小さい、好ましくは100 ダルトンより大きい分子量を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】1 またはそれ以上のPTP アーゼに対して200 μM より小さいKi値を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項68】1 またはそれ以上のPTP アーゼに対して2 μM より小さいKi値を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項69】1 またはそれ以上のPTP アーゼに対して100nM より小さいKi値を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項70】1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子に対して200 μM より小さいIC50値を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子に対して2 μM より小さいIC50値を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項72】1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子に対して100nM より小さいIC50値を有する前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項73】1 つまたは2 のPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して<2 μM のKi値および少なくとも2 つの他のPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して>50μM のKi値を有する、請求項1 〜66のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項74】1 つまたは2 つPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して<100nM のKi値および少なくとも2 つの他のPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して>10μM のKi値を有する、請求項1 〜66のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】1 またはそれ以上のPTP アーゼあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子の活性をモジュレートする薬物を製造するための前記請求項のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項76】糖尿病I 型、糖尿病II型、障害されたグルコース耐性(tolerance)、インスリン耐性(resistance) 、肥満症、免疫不全、例えば、自己免疫およびAIDS、凝固系の機能障害を有する疾患、アレルギー性疾患、オステオポローシス、増殖性障害、例えば、癌および乾癬、成長ホルモンの合成または作用が減少または増加した疾患、成長ホルモンの放出/それに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの合成または作用が減少または増加した疾患、脳疾患、例えば、アルツハイマー病および精神***病、および感染症を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項77】糖尿病I 型、糖尿病II型、障害されたグルコース耐性、インスリン耐性、および/または肥満症を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項78】免疫不全、例えば、慢性関節リウマチ、全身的エリテマトーデスのような自己免疫を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項79】免疫抑制剤として使用する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項80】免疫不全、例えば、AIDSを有する症状管理または治療する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項81】アレルギー性疾患、例えば、ぜん息およびアレルギー性皮膚疾患を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項82】増殖性障害、例えば、癌を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項83】オステオポローシスを管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項84】乾癬を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項85】成長ホルモンの合成または作用が減少または増加した疾患、成長ホルモンの放出/それに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの合成または作用が減少または増加した疾患を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項86】凝固系の機能障害を有する疾患を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項87】脳疾患、例えば、アルツハイマー病および精神***病を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項88】感染症を管理、治療または予防する薬剤を製造するための、請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項89】請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物と、薬学上許容される担体または希釈剤とを含んでなる医薬組成物。
【請求項90】0.5mg 〜1000mg/単位の請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる請求項89に記載の医薬組成物。
【請求項91】管理を必要とする被検体に、有効量の請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物または組成物を投与することからなる、前記被検体における1 またはそれ以上のPTP アーゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子の活性をモジュレートする方法。
【請求項92】適当な固相マトリックスにカップリングされた請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項93】下記の工程からなる、生物学的試料から請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物に対するアフィニティーを有するタンパク質または糖タンパク質を単離する方法:
・ 請求項89に記載の固定化化合物を前記生物学的試料と接触させて、前記固定化化合物が前記タンパク質または糖タンパク質との結合により複合体を形成するようにさせ、
・ 前記生物学的試料から非結合物質を除去し、前記複合体を単離し、そして
・ 前記タンパク質または糖タンパク質を前記複合体から抽出する。
【請求項94】下記の工程からなる、生物学的試料から請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物に対するアフィニティーを有するタンパク質−チロシンホスファターゼを単離する方法:
・請求項89に記載の固定化化合物を前記生物学的試料と接触させて、前記固定化化合物が前記タンパク質−チロシンホスファターゼとの結合により複合体を形成するようにさせ、
・ 前記生物学的試料から非結合物質を除去し、前記複合体を単離し、そして
・ 前記タンパク質−チロシンホスファターゼを抽出する。
【請求項95】下記の工程からなる、生物学的試料から前記請求項のいずれか一項に記載の化合物に対するアフィニティーを有する、Src 相同性2 ドメイン含有タンパク質またはホスホチロシン結合ドメイン含有タンパク質を単離する方法:
・ 請求項89に記載の固定化化合物を前記生物学的試料と接触させて、前記固定化化合物が前記Src 相同性2 ドメイン含有タンパク質またはホスホチロシン結合ドメイン含有タンパク質との結合により複合体を形成するようにさせ、
・ 前記生物学的試料から非結合物質を除去し、前記複合体を単離し、そして
・ 前記Src 相同性2 ドメイン含有タンパク質またはホスホチロシン結合ドメイン含有タンパク質を前記複合体から抽出する。
【請求項96】蛍光または放射性分子にカップリングされた請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項97】下記の工程からなる、生物学的試料から請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物に蛍光または放射性分子をカップリングさせる方法:
・ 前記化合物を前記蛍光または放射性分子と反応混合物中で接触させて複合体を産生し、
・ 非複合化物質を除去し、そして前記複合体を反応混合物から単離する。
【請求項98】下記の工程からなる、請求項93に記載の化合物を使用して細胞または被検体においてプロテイン−チロシンホスファターゼあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を検出する方法:
・ 細胞またはその抽出物または前記被検体からの生物学的試料を接触させるか、あるいは前記化合物を前記被検体の中に注入して、前記化合物が前記プロテイン−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子と複合体を産生するようにさせ、
・ 前記複合体を検出し、これにより前記プロテイン−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記他の分子の存在を検出する。
【請求項99】下記の工程からなる、請求項93に記載の化合物を使用して細胞または被検体においてプロテイン−チロシンホスファターゼあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を定量する方法:
・ 細胞またはその抽出物または前記被検体からの生物学的試料を接触させるか、あるいは前記化合物を前記被検体の中に注入して、前記化合物が前記プロテイン−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子と複合体を産生するようにさせ、
・ 前記複合体の量を測定し、これにより前記プロテイン−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子の存在を検出する。
【請求項100】下記の工程からなる、請求項93に記載の化合物を使用して細胞または被検体においてプロテイン−チロシンホスファターゼの所定のタンパク質−チロシンホスファターゼまたはグループあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を定量する方法:
・ 細胞またはその抽出物または前記被検体からの生物学的試料を接触させるか、あるいは前記化合物を前記被検体の中に注入して、前記化合物が前記プロテイン−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子と複合体を産生するようにさせ、
・ 前記複合体により誘導される生物学的作用を測定する。
【請求項101】細胞または哺乳動物における吸収後、請求項1 〜71のいずれか一項に規定した構造または機能を有する化合物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な化合物、新規な組成物、それらの使用方法、およびそれらの同定方法に関し、ここでこのような化合物はプロテインチロシンホスファターゼ(PTPアーゼ、PTP)の薬学上有用なインヒビター、例えば、PTP1B 、TC−PTP、CD45、SHP−1 、SHP−2 、PTP α、PTP ε、PTP μ、PTP δ、PTP σ、PTP ζ、PTP β、PTPD1 、PTPD2 、PTPH1 、PTP−MEG1、PTP−LAR 、およびHePTP またはホスホチロシン単位のリガンドである。これらの化合物は広い範囲の疾患、自己免疫疾患、急性および慢性の炎症、オステオポローシス、種々の型の癌および悪性疾患、およびI 型糖尿病およびII型糖尿病の管理および治療において適用される。
【0002】
発明の背景
プロテインチロシンホスファターゼ(PTPアーゼ) 、例えば、下記の非限定的例、PTP α、LAR 、TC−PTP、SHP−1 、SHP−2 、PTP β、CD45、PTP1B 、HePTP のin vivo 活性の定義によれば、それらの独特の活性は代謝、成長、増殖および分化に関係する基本的細胞シグナリングメカニズムの細胞内モジュレーションおよび調節において主要な役割を演ずることが見出された(Flint et al. 、The EMBO J.12:1937−46 、1993;Fischer et al. 、Science 253:401−6 、1991) 。チロシンホスファターゼの過度の発現または活性の変更もまた種々の疾患の症状および進行に寄与することがある(Wiener et al.、 J.Natl.Cancer Inst.86:372−8、1994;Hunter およびCooper、 Ann.Rev.Biochem.54:897−930 、1985) 。さらに、これらのPTP アーゼがある種の型の疾患、例えば、糖尿病、自己免疫疾患、急性および慢性の炎症および種々の型の癌の治療を促進できるという証拠が増加しつつある。
【0003】
現在、タンパク質のリン酸化は細胞の機能の異なる段階の間にシグナルをトランスデュースするために細胞が利用する重要なメカニズムとしてよく認識されている(Fischer et al. 、Science 253:401−6 、1991;Flint et al. 、The EMBO J.12:1937−46 、1993) 。ホスファターゼの少なくとも2 つの主要なクラスが存在する:(1) セリンまたはスレオニン部分上に1 またはそれ以上のホスフェート基を含有するタンパク質( またはペプチド) を脱リン酸化するもの(Ser/Thrホスファターゼと命名される) および(2) アミノ酸チロシンから1 またはそれ以上のホスフェート基を除去するもの( プロテインチロシンホスファターゼまたはPTP アーゼと命名される) 。PTP アーゼは2 つのグループに分類することができる酵素の1 ファミリーである;a) 細胞内または非トランスメンブランPTP アーゼおよびb) レセプター型またはトランスメンブランPTP アーゼ。
【0004】
細胞内PTP アーゼ:最も知られている細胞内型PTP アーゼは、220 〜240 アミノ酸残基から成る、単一の保存された触媒ホスファターゼを含有する。PTP アーゼドメインの外側領域は、細胞内PTP アーゼを細胞レベル以下に局在化することにおいて重要な役割を演ずると考えられる(Mauro、 L.J. およびDixon 、 J.E.TIBS 19:151−155(1994)) 。精製しかつ特性決定すべき第1 細胞内PTP アーゼは、ヒト胎盤から単離されたPTP1B であった(Tonks et al. 、J.Biol.Chem.263:6722−6730(1988))。その後まのなくして、PTP1B はクローニングされた(Charbonneau et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5252−5256(1989);Chernoff et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2735−2789(1989))。
【0005】
細胞内PTP アーゼの他の例は次の通りである:(1) T 細胞PTP アーゼ(Bool et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5257−5261(1989)) 、(2) ラット脳PTP アーゼ(Guan et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1501−1502(1990)) 、(3) ニューロンホスファターゼSTEP(Lombroso et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7242−7246(1991)) 、
【0006】
(4) エズリンドメイン含有PTP アーゼ:PTPMEG1(Guet al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5867−57871(1991))、PTPH1(YangおよびTonks 、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5949−5953(1991)) 、PTPD1 およびPTPD2(M φller et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7477−7481(1994))、FAP−1/BAS(Sato et al. 、Science 268:411−415(1995));Banville et al.、 J.Biol.Chem.269:22320−22327(1994);Maekawa et al. 、 FEBS Letters 337:200−206(1994))、およびSH2 ドメイン含有PTP アーゼ:PTP1C/SH−PTP1/SHP−1(Plutzky et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1123−1127(1992);Shen et al. 、Nature Lond.352:736−739(1991))およびPTP1D//SH−PTP2/SHP−2(Vogel et al. 、Science 259:1611−1614(1993);Feng et al. 、Science 259:1607−1611(1993);Bastein et al.、 Biochem.Biophys.Res.Commun.196:124−133(1993))。
【0007】
低いホスホチロシン−プロテインホスファターゼ(LMW−PTPアーゼ) は、前述の細胞内PTP アーゼに対して非常にわずかの配列の同一性を示す。しかしながら、この酵素は下記の特性のためにPTP アーゼに属する:(i) それはPTP アーゼ活性部位モチーフを有する:Cys−Xxx−Xxx−Xxx−Xxx−Xxx−Arg(Cirri et al.、 Eur.J.Biochem.214:647−657(1993)) ;(ii) このCys 残基は「古典的」PTP アーゼを使用する状況に類似する触媒反応の間にホスホ中間体を形成する(Cirri et al. 、supra;Chiarugi et al. 、FEBS Lett.310:9−12(1992)) ;(iii) この分子の全体のフォルディングはPTP1B およびエルシニア(Yersinia)PTP のそれに対する驚くべき類似度を示す(Su et al.、 Nature 370:575−578(1994))。
【0008】
レセプター型PTP アーゼは、a) 推定上のリガンド結合細胞外ドメイン、b) トランスメンブランセグメント、およびc) 細胞内触媒領域から成る。レセプター型PTP アーゼの推定上のリガンド結合細胞外ドメインの構造およびサイズは非常に発散性である。対照的に、レセプター型PTP アーゼの細胞内触媒領域は互いに対してかつ細胞内PTP アーゼに対して非常に相同的である。大部分のレセプター型PTP アーゼは2 つの縦列に重複した触媒PTP アーゼドメインを有する。
【0009】
同定すべき第1 レセプター型PTP アーゼは次の通りであった:(1) CD45/LCA(Ralph、 S.J. 、 EMBO J.6:1251−1257(1987))および(2) LAR(Streuli et al.、 J.Exp.Med.168:1523−1530(1988)) これらはPTP1B に対する相同性に基づく酵素のこのクラスに属すると認識された(Charbonneau et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5252−5256(1986))。CD45は高分子量の糖タンパク質の1 ファミリーであり、最も豊富な白血球細胞表面の糖タンパク質の1 つであり、そして造血系の細胞上で独占的に発現されるように思われる(Trowbridge およびThomas、 Ann.Rev.Immunol.12:85−116(1994)) 。
【0010】
CD45およびLAR がPTP アーゼファミリーのメンバーとして同定された後、レセプター型PTP アーゼグループのいくつかの異なるメンバーが直ぐに同定およびクローニングされた。こうして、(3) PTP α、(4) PTP β、(5) PTP δ、(6) PTP ε、および(7) PTP ζが1 つの初期の研究において同定された(Krueger et al. 、EMBO J.9:3241−3252(1990)) 。レセプター型PTP アーゼの他の例は次の通りである:(8) PTP γ(Barnea et al. 、Mol.Cell.Biol.13:1497−1506(1995)) これは、PTP ζ(KruegerおよびSaito 、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7417−7412(1992)と同様に、細胞外領域に炭酸無水物様ドメインを含有する、(9) PTP μ(Gebbink et al. 、FEBS Letters 290:123−130(1991)) 、(10) PTPκ(Jiang et al. 、Mol.Cell.Biol.13:2942−2951(1993)) 。
【0011】
構造の差に基づいて、レセプター型PTP アーゼはサブタイプに分類することができる(Fischer et al. 、Science 253:401−406(1991)):(I) CD45 ;(II) LAR 、 PTPδ、(11) PTPσ;(III) PTPβ、(12) SHP−1(Matozaki et al. 、J.Biol.Chem.269:2075−2081(1994))、(13) PTP−U2/GLEPPI(Seimiya et al. 、 Oncogene 10:1731−1738(1995);Thomas et al.、 J.Biol.Chem.269:19953−19962(1994)) 、および(14) DEP−1:(IV) PTP α、_PTP ε。すべてのレセプター型PTP アーゼは、III 型を除外して、2 つのPTP アーゼドメインを含有する。新規なPTP アーゼは連続的に同定され、そして500 より多い異なる種がヒトゲノムにおいて、すなわち、プロテインチロシンキナーゼスーパーファミリーの予測されたサイズに近いサイズで、見出されることが期待される(HanksおよびHunter、 FASEB J.9:576−596(1995)) 。
【0012】
PTP アーゼはプロテインチロシンキナーゼ(PTK) に対する生物学的対応物である。したがって、PTP アーゼの1 つの重要な機能はPTK の活性をコントロール、ダウンレギュレートすることである。しかしながら、PTP アーゼの機能のいっそう複雑な映像が今回出現する。いくつかの研究において、いくつかのPTP アーゼは細胞のシグナリングの陽性メディエイターとして実際に作用することができることが示された。
【0013】
1 例として、SH2 ドメインドメイン含有SHP−2 はインスリン刺激Ras 活性化(Noguchi et al. 、Mol.Cell.Biol.14:6674−668d2(1994))においておよび成長因子誘導突マイトジェンのシグナルトランスダクション(Xiao et al.、 J.Biol.Chem.269:21244−21248(1994)) の陽性メディエイターとして作用するように思われるが、相同的SHP−1 は成長因子刺激された増殖の陰性レギュレーターとして作用するように思われる(Bignon およびSiminovitch 、 Cancer Imunol.Immunopathol.73:168−179(1994)) 。陽性レギュレーターとしてPTP アーゼの他の例は、チロシンキナーゼのSrc ファミリーの活性化を定めるように設計された研究により提供された。特に、いくつかの証拠が示すように、CD45は、多分Fyn およびLck のC 末端チロシンの脱リン酸化により、造血細胞を積極的に活性化している(Chan et al.、 Ann.Rev.Immunol.12:555−592(1994))。
【0014】
二重特異的プロテインチロシンホスファターゼ(dsPTPアーゼ)は、ホスホルチロシンならびにホスホル− セリン/スレオニンからのホスフェートを加水分解できるPTP アーゼファミリー内のサブクローンを定める。dsPTP アーゼはPTP アーゼの構造配列を含有する:Cys−Xxx−Xxx−Xxx−Xxx−Xxx−Arg 。少なくとも3 つのPTP アーゼは、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK) /マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)を脱リン酸化しかつ不活性化ことが示された:MAPKホスファターゼ(CL100、3CH134)(Charles et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5292−5296(1993));PAC−1(Ward et al. 、 Nature 367:651−654(1994));rVH6(Mourey et al. 、 J.Biol.Chem.271:3795−3802(1996)) 。
【0015】
dsPTP アーゼの転写は異なる刺激、例えば、酸化的ストレスまたは熱ショックにより誘導される(Ishibashi et al. 、J.Biol.Chem.269:29897−29902(1994);Keyse およびEmslie、 Nature 359:644−647(1992))。さらに、それらを細胞周期の調節に関係づけることができる:cdc25(MillarおよびRussell 、 Cell 68:407−410(1992));KAP(Hannon et al. 、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1731−1735(1994)) 。興味深いことには、二重特異的ホスファターゼcdc25 によりcdc2のチロシン脱リン酸化は酵母における有糸***の誘導のために必要とされる( 下記の文献において概観されている:WaltonおよびDixon 、 Ann.Rev.Biochem.62:101−120(1993))。
【0016】
PTP アーゼは本来種々の人工基質を使用して組織ライゼイトから同定され、精製され、したがって、それらの脱リン酸化機能はよく知られていなかった。チロシンキナーゼによるチロシンリン酸化は細胞増殖、細胞形質転換および細胞分化に通常に関連づけられるので、PTP アーゼもまたこれらの事象に関連づけられると仮定された。この関連は現在多数のPTP アーゼを使用する事例であることが証明された。PTP1B 、すなわち、その構造が最近解明されたホスファターゼ(Barford et al. 、Science 263:1397−1404(1994))はインスリン誘導卵母細胞成熟に関係することが示され(Flint et al. 、The EMBO J.12:1937−46(1993))そして、最近、この酵素の過度の発現はp185c−erbB2 関連乳癌および卵巣癌に関係づけることができることが示唆された(Wierner et al. 、J.Natl.Cancer Inst.86:372−8(1994);Wierner et al.、 Am.J.Obstet.Gynecol.170:1177−883(1994))。
【0017】
インスリン誘導卵母細胞成熟メカニズムは、S6キナーゼの活性化をブロックするPTP1B の能力に相関された。癌との関連は最近の証拠であり、これはPTP1B の過度の発現が乳癌および卵巣癌におけるp185c−erbB2 レベルの増加に統計的に相関されることを示唆する。疾患の病因学および進行におけるPTP1B の役割はまだ明らかにされていない。したがって、PTP1B のインヒビターは癌におけるPTP1B の役割の解明を促進し、ある場合において、ある型の癌についての療法的処置を提供することができる。
【0018】
多数の他の新しく論じられたホスファターゼの活性は現在研究されている。これらの2 つ:SHP−1 およびSyp/PTP1D/SHPTP2/PTP2C/SHP−2は、最近、血小板由来成長因子および表皮成長因子が誘導する応答の活性化に関係づけられた(Li et al.、 Mol.Cell.Biol.14:509−17(1994)) 。双方の成長因子は正常の細胞プロセシングならびに疾患の状態、例えば、癌およびアテローム性動脈硬化症に関係づけられるので、これらのホスファターゼのインヒビターもまた治療効能を示すことが仮定された。したがって、本発明の化合物は、種々のPTP アーゼに対して阻害活性を示し、前述の疾患の治療または管理において適用される。
【0019】
PTP アーゼ:インスリンレセプターシグナリング経路/糖尿病
インスリンは種々の代謝プロセスの重要なレギュレーターであり、そして血液グルコースのコントロールにおいて主要な役割を演ずる。その合成またはシグナリングに関係する欠陥は真性糖尿病に導く。インスリンがそのレセプターに結合すると、b−サブ単位の細胞内部分中のいくつかのチロシン残基の急速な( 自己) リン酸化が生ずる。
【0020】
インスリンレセプター基質−1(IGF−1) を包含する他の細胞基質のチロシンリン酸化により、シグナルをさらに下流に伝送するインスリンレセプターチロシンキナーゼ(IRTK)を完全に活性化するためには、3 つの密接に位置するチロシン残基( チロシン−1150 ドメイン) のすべてをリン酸化しなくてはならない(Wilden et al.、 J.Biol.Chem.267:16660−16668(1992);MyersおよびWhite 、 Diabetes 42:643−650(1993);LeeおよびPilch 、 Am.J.Physiol.266:C319−C334(1994);White et al.、 J.Biol.Chem.263:2969−2980(1988)) 。チロシン−1150 がその非リン酸化状態で自己阻害性であることを示した、最近のX 線結晶学の研究により、チロシン− トリプレットの機能についての構造的基準が提供された(Hubbard et al. 、Nature 372:746−754(1994)) 。
【0021】
いくつかの研究において、自己リン酸化IRTKの活性をin vitro脱リン酸化により逆転できることが明瞭に示され( 下記の文献において概観されている:Goldstein 、 Receptor 3:1−15(1993);Mooney およびAnderson、 J.Biol.Chem.264:6850−6857(1989)) 三リン酸化チロシン−1150 ドメインは二および一リン酸化型に比較してプロテインチロシンホスファターゼ(PTPアーゼ) の最も感受性のターゲットである(King et al.、 Biochem.J.275:413−418(1991)) 。したがって、このチロシン− トリプレットがIRTK活性のコントロールスイッチとして機能することを推測することが試みられている。
【0022】
事実、IRTKはPTP 仲介in vivo 脱リン酸化により厳密に調節されるように思われる(Khan et al.、 J.Biol.Chem.264:12931−12940(1989);Faure et al. 、 J.Biol.Chem.267:11215−11221(1992);Rothenberg et al.、 J.Biol.Chem.266:8302−8311(1991)) 。インスリンがラット肝癌細胞(Meyerovitch et al. 、Biochemistry 31:10338−10344(1992))およびアロキサン糖尿病のラット(Boylan et al.、 J.Clin.Invest.90:174−179(1992))中のPTP アーゼ活性を示差的に調節するという発見により、インスリンシグナリング経路へのPTP アーゼの緊密なカップリングはさらに証明される。
【0023】
IRTK調節に関係するPTP アーゼの同一性は比較的ほとんど知られていない。しかしながら、インスリンレセプターに対する活性をもつPTP アーゼの存在は上に示したように証明することができる。さらに、強いPTP アーゼインヒビターのパーバナデートを全細胞に添加するとき、脂肪細胞(Fantus et al.、 Biochemistry 28:8864−8871(1989);Eriksson et al.、 Diabetologia 39:235−242(1995)) および骨格筋(Leighton et al.、 Biochem.J.276:289−292(1991)) においてほとんど完全なインスリンの応答を得ることができる。さらに、最近の研究において、パーオキソバナジウム化合物の新しいクラスはin vivo の効力がある低血糖化合物として作用することが示された(Posner et al.、 supra) 。これらの化合物のうちの2 つは、EGF レセプターよりも効力があるインスリンレセプターの脱リン酸化インヒビターであることが証明された。
【0024】
最近、偏在的に発現されたSH2 ドメインを含有するPTP アーゼ、SHP−2(Vogel et al.、1993、 supra) はIGF−1 に関連し、それを脱リン酸化するが、明らかにIRそれ自体に関連しないことが見出された(Kuhne et al. 、J.Biol.Chem.269:15833−15837(1994))。以前の研究によれば、IRTK調節に関係するPTP アーゼは膜関連分子(Faure et al. 、J.Biol.Chem.267:11215−11221(1992))およびグリコシル化分子(H ring et al.、 Biochemistry 23:3298−3306(1984);Sale 、 Adv.Prot.Phosphatases 6:159−186(1991)) のクラスに属することが示唆される。組換えPTP1B ならびにLAR およびPTPaの細胞質ドメインを使用して、精製されたIRの脱リン酸化/不活性化のラットを比較することによって、それらの結論に到達された。
【0025】
最近、ラット肝癌細胞系統におけるインスリンシグナリングに対するLAR の作用を研究するために、アンチセンス阻害が使用された(Kulas et al. 、J.Biol.Chem.270:2435−2438(1995))。LAR タンパク質レベルの約50%の抑制は、インスリン誘導自己リン酸化のほぼ150 %の増加と平行した。しかしながら、わずかに適度の35%のIRTK活性の増加が観測されたが、インスリン依存性ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI 3−キナーゼ) 活性は350 %だけ有意に増加した。LAR レベルの減少はIRTKチロシンリン酸化または活性の基底レベルを変更しなかった。インスリンレセプターそれ自体または下流の基質に対するPI 3− キナーゼの活性化に重大であるチロシン残基を、LAR は特異的に脱リン酸化することを著者らは推測している。
【0026】
以前の報告はsrc 活性化(Zheng et al. 、Nature 359:336−339(1992):den Hertog et al.、 EMBO J.12:3789−3798(1993)) およびGRB−2 との相互作用(den Hertog et al.、 EMBO J.13:3020−3032(1994);Su et al.、 J.Biol.Chem.269:18731−18734(1994)) によるシグナルトランスダクションにおけるPTP αの役割を示すが、このホスファターゼおよびその密接に関係するPTP εがインスリンレセプターシグナルの陰性レギュレーターとして機能することを最近の研究は示唆している(Mφller et al. 、1995、 supra) 。
【0027】
また、この研究が示すように、レセプター様PTP アーゼはIRTKの調節において有意な役割を演ずるが、細胞内PTP アーゼは、示したとしても、わずかの活性をインスリンレセプターに対して示すように思われる。PTP アーゼαおよびεの陰性調節活性のターゲットはレセプターそれ自体であるように見えるが、細胞内TC−PTPのダウンモジュレート作用はIR活性化シグナルにおける下流の機能のためであるように思われる。PTP1B およびTC−PTPは密接に関係するが、PTP1B はインスリン処理細胞のリン酸化パターンに対して影響をほとんど及ぼさなかった。
【0028】
双方のPTP アーゼは、それらの細胞レベル以下の局在化を決定し、これにより定められた細胞基質へのそれらのアクセスを決定する、明確な構造的特徴を有する(Frangione et al. 、Cell 68:545−560(1992);Faure およびPosner、 Glia 9:311−314(1993))。したがって、IRTKに対するPTP1B およびTC−PTPの活性の欠如は、少なくとも一部分、それらが活性化インスリンレセプターと共局在化しないという事実により説明することができる。この概観を支持して、細胞レベル以下の局在化の研究に基づく肝細胞におけるIR関連PTP アーゼの候補として、PTP1B およびTC−PTPは排除された(Faure et al. 、J.Biol.Chem.267:11215−11221(1992))。
【0029】
トランスメンブランPTP アーゼCD45は、造血細胞特異的であると考えられ、最近の研究において、ヒト多重骨髄腫細胞系統U266においてインスリンレセプターチロシンキナーゼを陰性的に調節することが見出された(Kulas et al. 、J.Biol.Chem.271:755−760(1996))。
【0030】
多数の場合において特異的遺伝子の重要性を解明するとき、ノックアウト(K.O.)マウスは有用であった。上に提示された結果から期待されるように、特にLAR K.O.マウス、PTP α K.O. マウスおよびPTP1B K.O.マウスは、それぞれ、インスリンシグナリングに関して重要情報を提供することができるであろう。2 つのグループはLAR K.O.マウスを発生させた(Schaapveld et al.、 Developmental Biology 188:134−146(1997);Skarnes et al. 、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6592−6596(1995)) 。Goldstein および共同研究者らはSkarnes et al.(supra) からのLAR K.O.マウスを分析し、そしてこれらのマウスはグルコース−ホメオスタシスにおいて深遠な欠陥を示すことを主張した(Ren et al.、 Diabetes 47:493−497(1998)) 。
【0031】
しかしながら、この研究における対照マウスはK.O.マウスよりも消化遺伝的バックグラウンドを有した。Schaapveld et al.(supra)が実施したLAR K.O.マウスを使用する他の研究は、Ren et al.(supra)(A.R.Sorensen et al. 、Diabetologia 40(Suppl 1):556−556(1997)) が得た結果を確証しなかった。
【0032】
最近の徹底的な研究において、PTP1B K.O.マウス( すなわち、PTP1B−/−マウス) が同一遺伝的バックグラウンドの+/+ および+/− マウスと比較された(Elcheby et al. 、Science 283:1544−1548(1999))。この後者の研究(Elcheby et al. 、supra)、PTP1B をコードする遺伝子の崩壊は健康なマウスを生ずることが見出され、これらのマウスは、飼料供給された状態において、それらのPTP1B+/+同腹子におけるよりもわずかに低い血液グルコースレベルを有しそして前記同腹子において見出される濃度の約1/2 のインスリン濃度を有した。さらに、インスリンおよびグルコース双方の耐性試験はPTP K.O.マウスにおいて増強されたインスリン感受性を示した。
【0033】
高脂肪食事で、PTP1B−/−マウスおよびPTP1B−/+マウスは体重増加に対して耐性であり、インスリン感受性に止まった。対照的に、PTP1B+/+マウスは急速に体重を増加し、インスリン耐性となった。インスリンレセプターおよびインスリンレセプター基質−1(IGF−1) のチロシンリン酸化レベルを分析すると、PTP1B+/+マウスと比較して、PTP1B−/−マウス( 肝臓および筋肉) におけるこれらのタンパク質のリン酸化は増加することが示された。これらの結果のすべては、前述のin vitro研究と対照的に、PTP1B がインスリンレセプターシグナリング経路の陰性レギュレーターとして主要な役割を演ずるようであるという見解に従う。著者らは、「これらの結果はPTP1B をII型糖尿病および肥満症の処理のための潜在的療法上のターゲットとする」と結論した(Elcheby et al. 、supra)。
【0034】
PTP アーゼ:ソマトスタチン
ソマトスタチンは、細胞増殖を包含する、いくつかの生物学的機能を阻害する(Lamberts et al.、 Molec.Endocrinol.8:1289−1297(1994))。ソマトスタチンの抗増殖活性の一部分はホルモンおよび成長因子の分泌( 例えば、成長ホルモンおよび表皮成長因子) のその阻害に対して二次的であるが、ソマトスタチンの他の抗増殖作用はターゲット細胞に対する直接的作用のためである。1 例として、ソマトスタチンアナローグは、細胞におけるPTP アーゼレベルの一般的活性化よりむしろ、多分単一PTP アーゼ、またはPTP アーゼのサブセットの刺激を介して、膵臓癌の増殖を阻害する(Liebow et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2003−2007(1989);Colas et al. 、 Eur.J.Biochem.207:1017−1024(1992)) 。
【0035】
最近の研究において、CHO−k1細胞において安定に発現されるソマトスタチンレセプターSSRT2 ではなく、SSRT1 のソマトスタチン刺激はPTP アーゼ活性を刺激することができ、そしてこの刺激は百日咳トキシン感受性であることが見出された。ホルモンおよび成長因子の分泌に対するソマトスタチンの阻害作用がホルモン産生細胞におけるPTP アーゼ活性ので同様な刺激により引き起こされるかどうかはまだ決定されていない。
【0036】
PTP アーゼ:免疫系/自己免疫
レセプター型PTP アーゼCD45はT 細胞活性化に対してばかりでなく、かつまたT 細胞レセプター仲介シグナリングカスケードの維持に対して重大な役割を演ずることは、いくつかの研究により示唆される。これらの研究は下記の文献において概観されている:Weiss A.、 Annu.Rev.Genet.25:487−510(1991);Chan et al.、 Ann.Rev.Immunol.12:555−592(1994);TrowbridgeおよびThomas、 Ann.Rev.Immunol.12:85−116(1994)) 。CD45は細胞表面の糖タンパク質のうちの最も豊富なものの1 つであり、造血細胞上でもっぱら発現される。
【0037】
T 細胞において、CD45はリンパ球のシグナルトランスダックション機構の重要成分の1 つであることが示された。特に、抗原がT 細胞レセプターに結合した後、CD45ホスファターゼはT リンパ球の抗原刺激増殖において重要な役割を演ずることを証拠は示唆した(Trowbridge 、 Ann.Rev.Immunol.12:85−116(1994)) 。いくつかの研究が示唆するように、CD45のPTP アーゼ活性はLck 、すなわち、Src ファミリーのタンパク質チロシンキナーゼのリンパ球特異的メンバーの活性化においてある役割を演ずる(Mustelin et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6302−6306(1989);Ostergaard et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8959−8963(1989)) 。CD45のホスファターゼ活性はC 末端チロシン残基の脱リン酸化によりLck を活性化し、次いでこれをT 細胞活性化に関係づけることができることを、これらの著者らは仮定した。
【0038】
最近の研究において、組換えp56lckは組換えCD45細胞質ドメインのタンパク質と特異的にアソシエートするが、関係するPTP αa の細胞質ドメインとアソシエートしないことが見出された(Ng et al.、 J.Biol.Chem.271:1295−1300(1996)) 。p56lck−CD45 の相互作用は、ホスホチロシンを必要としない非形式的SH2 ドメインの相互作用を介して仲介されるように思われる。未熟B 細胞において、Src ファミリーのプロテインチロシンキナーゼの他のメンバーであるFyn は、Lck およびSyk に比較して、CD45のための選択的基質であると思われる(Katagiri et al.、 J.Biol.Chem.270:27987−27990(1995)) 。
【0039】
CD45− エクソン6 に対する突然変異をもつトランスジェニックマウスを使用する研究は成熟T 細胞の欠如を示した。これらのマウスは、典型的なT 細胞仲介応答を使用する抗原チャレンジに対する応答しなかった(Kishihara et al. 、Cell 74:143−56(1993)) 。したがって、CD45ホスファターゼのインヒビターは自己免疫疾患に関連する症状における有効な治療剤である。
【0040】
また、CD45はマスト細胞の抗体仲介脱顆粒のために必須であることが示された(Berger et al.、 J.Exp.Med.180:471−6(1994)) 。これらの研究は、また、CD45欠乏マウスを使用して実施された。この場合において、IgE 仲介脱顆粒は野生型において証明されたが、マウスからのCD45欠乏T 細胞において証明されなかった。これらのデータが示唆するように、CD45インヒビターはアレルギー性障害の症状の処置または治療においてある役割を演ずることができるであろう。
【0041】
他の最近発見されたPTP アーゼ、すなわち、誘導可能なリンパ系特異的プロテインチロシンホスファターゼ(HePTP) もまた免疫応答に関係づけられた。このホスファターゼは休止T リンパ球およびB リンパ球の双方において発現されるが、非造血細胞において発現されない。これらの細胞を刺激すると、HePTP 遺伝子からのmRNAレベルは10〜15倍に増加する(Zanke et al. 、Eur.J.Immunol.22:235−239(1992)) 。T 細胞およびB 細胞の双方において、HePTP は持続された刺激の間に特異的残基の脱リン酸化を通して免疫応答をモジュレートする機能をすることができる。しかしながら、その正確な役割はまだ定められていない。
【0042】
同様に、造血細胞特異的SHP−1 は陰性レギュレーターとして作用し、造血細胞の発生において必須の役割を演ずるように思われる。こうして、SHP−1 はエリトロポイエチンシグナリング経路の調節において有意な役割を演じ、これは完全なSHP−1 を欠如するマウスにおいて増強される(Schultz et al. 、Cell 73:1445−1454)。前述のCD45、HePTP およびSHP−1 の重要な機能に従い、選択的PTP アーゼインヒビターは免疫抑制因子および免疫刺激因子として魅力的な薬剤の候補ならびに造血系のインヒビターおよび刺激因子であることができる。1 つの最近の研究は、T 細胞に比較して見掛けのB 細胞選択的アポトーシスを誘導する、バナジウムをベースとするPTP アーゼインヒビター、BMLOV 、の能力を証明することによって、免疫調節因子としてのPTP アーゼインヒビターの可能性を例示する(Schieven et al.、 J.Biol.Chem.270:20824−20831(1995)) 。
【0043】
PTP アーゼ:細胞−細胞の相互作用/癌
適当な基質上で繊維芽細胞が増殖するとき、特異的接触点が形成されるin vitro現象である、フォーカル接着プラークは、少なくとも一部分、細胞および細胞の自然の取り囲みを模擬するように思われる。繊維芽細胞が細胞外マトリックスに接着し、その上で広がるとき、いくつかのフォーカル接着性タンパク質はチロシン残基上でリン酸化される(Gumbiner et al.、 Neuron 11:551−564(1993)) 。しかしながら、これらのタンパク質の異常なチロシンリン酸化は細胞の形質転換に導くことがある。
【0044】
PTP アーゼとフォーカル接着との間の緊密な関連は、エズリン様N 末端ドメインをもついくつかの細胞内PTP アーゼ、例えば、PTPMEG1(Gu et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5867−5871(1991))、PTPH1(YangおよびTonks 、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5949−5953(1991)) およびPTPD1(M φller et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7477−7481(1994))の発見により支持される。エズリン様ドメインは、細胞膜と細胞骨格との間の結合として作用すると考えられるいくつかのタンパク質に対して、類似性を示す。PTPD1 はin vitroにおいてc−src によりリン酸化されかつそれとアソシエートし、加水分解されてフォーカル接着のリン酸化の調節に関係する(Mφller et al. 、supra)。
【0045】
PTP アーゼはフォーカル接着タンパク質のリン酸化を担うものを包含する、チロシンキナーゼの作用に対抗し、したがって、形質転換の自然インヒビターとして機能することができる。TC−PTP、および特にこの酵素のトランケート型(Cool et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:7280−7284(1990)) は、v−erb およびv−fms の形質転換活性を阻害することができる(Lammers et al. 、J.Biol.Chem.268:22456−22462(1993);Zander et al. 、Oncogene 8:1175−1182(1993)) 。そのうえ、HER2/neu遺伝子のオンコジーン型による形質転換は、PTP1B を過度に発現するNIH3T3繊維芽細胞において抑制されることが見出された(Brown−Shimer et al.、 Cancer Res.52:478−482(1992)) 。
【0046】
PTP1B の発現レベルは、neu で形質転換された哺乳動物細胞系において増加されることが見出された(Zhay et al.、 Cancer Res.53:2272−2278(1993)) 。c−neu およびv−Ha−rasを過度に発現するが、c−myc またはint−2 を発現しないトランスジェニックマウスにおけるネズミ哺乳動物腫瘍において、PTP εが高度に発現されるという最近の発見により、癌の発生におけるチロシンキナーゼとPTP アーゼとの間の緊密な関係はさらに証明される(ElsonおよびLeder 、 J.Biol.Chem.270:26116−26122(1995)) 。さらに、PTPgをコードするヒト遺伝子は3p21にマッピングされ、この領域は腎臓および肺の癌腫において頻繁に欠失される染色体領域である(LaForgia et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5036−5040(1991)) 。
【0047】
これに関して、PTP アーゼは繊維芽細胞の増殖のコントロールに関係するように思われることは意味があるようである。最近の研究において、高い密度で収集されたSwiss 3T3 細胞は膜関連PTP アーゼを含有し、その活性は平均すると低いかあるいは中程度の密度で収集された細胞のそれよりも8 倍高いことが見出された(Pallen およびTong、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:6996−7000(1991)) 。著者らの仮説によると、細胞増殖の密度依存的阻害は問題の1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性増大の調節を含む。この見解に従うと、新規な膜結合レセプター型PTP アーゼDEP−1 は、WI−38 ヒト胚肺繊維芽細胞およびAG1518繊維芽細胞系統の細胞密度が増加すると、発現レベルを増大する( >=10倍) ことを示した(Oestman et al. 、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9680−9684(1994)) 。
【0048】
2 つの密接に関係するレセプター型PTP アーゼ、PTP κおよびPTP μは、非付着性昆虫細胞において発現されるとき、同種親和性細胞−細胞相互作用を仲介することができ、これらのPTP アーゼが細胞−細胞のシグナリングにおいて正常の生理学的機能を有しうることが示唆される(Zondag et al.、 J.Biol.Chem.270:14247−14250(1995)) 。前述の研究から明らかなように、PTP アーゼは正常細胞増殖の調節において重要な役割を演ずる。
【0049】
しかしながら、上に指摘したように、最近の研究において、PTP アーゼはまた細胞内シグナリングの陽性メディエイターとして機能することができ、これによりマイトジェン応答を誘導または増強することができることが示された。したがって、ある種のPTP アーゼ活性の増加は細胞の形質転換および腫瘍の形成を生ずることがある。事実、1 つの研究において、PTP αの過度の発現はラット胚繊維芽細胞の形質転換に導くことが見出された(Zheng、 supra) 。さらに、新規なPTP 、すなわち、SAP−1 は膵臓癌および結腸直腸癌の細胞において高度に発現されることが見出された。
【0050】
SAP−1 は染色体19領域q13.4 にマッピングされ、19q13.2 にマッピングされた癌胎児性抗原に関係づけることができる(Uchida et al.、 J.Biol.Chem.269:1220−12228(1994) 。さらに、dsPTP アーゼ、cdc25 、はcdc2をThr14/Thr−15において脱リン酸化し、これにより有糸***の陽性レギュレーターとして機能する(Hunter 、 Cell 80:225−236(1995)において概観されている) 。したがって、特異的PTP アーゼのインヒビターはある種の型の癌の治療において有意な療法上の価値を有するであろう。
【0051】
PTP アーゼ:血小板凝集
最近の研究はPTP アーゼが血小板凝集に中心的に関係することを示す。アゴニスト誘導血小板活性化はPTP1B をカルパイン触媒切断反応を生じ、同時にPTP アーゼ活性を2 倍刺激する(Frangioni et al. 、EMBO J.12:4843−4856(1993))。PTP1B の切断は酵素の細胞レベル以下の再置換に導き、血小板に富んだ血漿中の可逆的から不可逆的血小板凝集への転移と相関する。さらに、SH2 ドメイン含有PTP アーゼ、SHP−1/SH−PTP1 は、凝集依存的方法でトロンビン刺激後に血小板中の細胞骨格に転位することが見出された(Li et al.、 FEBS Lett.343:89−93(1994)) 。
【0052】
上の2 つの研究において多少の詳細が最近問題となったが、PTP1B およびSHP−1 は血小板凝集において有意な機能的役割を演ずるという全体の一致が存在する(Ezumi et al. 、J.Biol.Chem.270:11927−11934(1995))。これらの観察に従い、PTP アーゼインヒビターパーバナデートで血小板を処理すると、チロシンリン酸化、分泌および凝集が有意に増加する(Pumiglia et al.、 Biochem.J.286:441−449(1992)) 。
【0053】
PTP アーゼ:オステオポローシス
骨の形成速度は骨芽細胞の数および活性により決定され、そして骨芽細胞の数および活性は、それぞれ、骨芽細胞の祖先細胞の増殖および分化の速度により決定される。組織形態学的研究において、骨芽細胞数はヒトにおける骨の形成速度の一次的決定因子であることが示された(Gruber et al.、 Mineral Electrolyte Metab.12:246−254(1987);Lau et al.、 Biochem.J.257:23−36(1989)において概観されている) 。酸性ホスファターゼ/PTP アーゼを骨芽細胞増殖の陰性調節に関係づけることができる。
【0054】
こうして、ホスファターゼ阻害活性を有するフッ化物は、骨芽細胞増殖を増加させることによって脊髄骨密度を増加することが見出された(Lau et al. 、supra)。この観察と一致して、PTP アーゼ活性を有する骨芽細胞の酸性ホスファターゼがフッ化物のマイトジェン濃度に対して高度に感受性であるこが見出された(Lau et al. 、J.Biol.Chem.260:4653−4660(1985);Lau et al.、 J.Biol.Chem.262:1389−1397(1987);Lau et al. 、 Adv.Protein Phosphatases 4:165−198(1987))。興味深いことには、骨芽細胞様細胞系統UMR106.06 をコラーゲン型−1マトリックス上で成長させたとき、非被覆組織培養プレートに比較して、膜結合PTP アーゼ活性のレベルは劇的に増加することが最近見出された。
【0055】
PTP アーゼ活性の有意な増加は密度依存的成長阻止線維芽細胞において観測された(Pallen およびTong、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:6996−7000(1991)) ので、PTP アーゼ活性の増加は細胞成長を直接的に阻害することを推測することができる。こうして、フッ化物およびホスファターゼインヒビター( モリブデートおよびバナデート) のマイトジェン作用は、骨芽細胞の細胞増殖を陰性的に調節する酸性ホスファターゼ/PTP アーゼのそれらの阻害により説明することができる。
【0056】
骨および精巣において発現された、新規な副甲状腺調節された、レセプター様PTP アーゼ、すなわち、OST−PPが最近同定されたことにより、骨形成におけるPTP アーゼの掛かり合いの複雑な特質はさらに示唆される(Mauro et al. 、J.Biol.Chem.269:30659−30667(1994))。OST−PPは一次骨芽細胞の分化および基質形成後にアップレギュレートされ、引き続いて培養において骨を活性的に無機質化する骨芽細胞においてダウンレギュレートされる。
【0057】
ホスファターゼインヒビターはOST−PPまたは他のPTP アーゼの阻害を介して分化を妨害し、これにより連続する増殖に導くと仮定することができる。これは前述のフッ化物の作用と一致し、かつチロシンホスファターゼインヒビターオルトバナデートが骨芽細胞の増殖およびマトリックスの形成を増強するように思われるという観察と一致するであろう(Lau et al. 、Endocrinology 116:2463−2468(1988))。さらに、バナデート、バナジルおよびパーバナデートのすべては骨芽細胞様細胞系統UMR106の増殖を増加することが最近観測された。バナジルおよびパーバナデートはバナデートよりも強い細胞増殖の刺激因子である。細胞アルカリ性ホスファターゼ活性により測定して、バナデートのみが細胞分化を調節することができる(Cortizo et al. 、Mol.Cell.Biol.145:97−102(1995)) 。
【0058】
PTP アーゼ:微生物
PTP アーゼがエルシニア(Yersinia)の病原性において主要な因子でありうるという事実を、Dixon および共同研究者らは指摘している(Clemens et al. 、Molecular Microbiology 5:2617−2620(1991)において概観されている) 。チロシンホスフェートが細菌の中に存在しないと考えられるいるので、この発見はむしろ驚くべきことである。
【0059】
エルシニア(Yersinia)属は3 種からなる:エルシニア・ペスティス(Y.pestis)( 腺ペストに関係する) 、エルシニア・シュードツベルクローシス(Y.pseudotuberculosis)およびエルシニア・エンテロコリチカ(Y.enteocolitica)(腸炎および腸間膜リンパ節炎を引き起こす) 。興味深いことには、二重特異的ホスファターゼVH1 はワクシニアウイルスにおいて同定された(Guan et al.、 Nature 350:359−263(1991))。これらの観察が示すように、PTP アーゼは微生物および寄生生物の感染において重大な役割を演じ、さらに感染症の新規な、推定上の治療原理としてホスファターゼインヒビターを暗示する。
【0060】
発明の簡単な説明
前述したように、PTP アーゼは種々の細胞のシグナリングプロセスにおいて必須因子である。したがって、これらの酵素のインヒビターまたはモジュレーター、またはPTP アーゼのサブセット、またはさらに1 つの特異的PTP アーゼは、魅力的な薬剤候補である。しかしながら、現在まで制限された組のインヒビターのみが文献に報告されてきている。最も効力があるインヒビターのいくつかはチロシンリン酸化ペプチドのアナローグであり、したがって、経口的使用に適当ではない。
【0061】
I. バナデートおよびパーバナデート
バナデートおよびパーバナデート/パーオキソバナジウム化合物は、細胞および動物においてインスリン様作用を誘導する。バナデートの処方を使用する、わずかの逸話的、臨床研究は、II型糖尿病のヒトにおいて陽性作用を示した。細胞レベルにおける作用メカニズムはPTP アーゼの阻害を介すると考えられる。最近、パーバナデート( バナデートおよび過酸化水素の複合体) は、活性部位の触媒システインの酸化を介するPTP アーゼの不可逆的インヒビターであることが見出された(Huyer et al. 、J.Biol.Chem.272:843−851(1997))。
【0062】
さらに、作用はアッセイ構成成分、例えば、EDTAおよび還元剤( 例えば、ジチオスレイトール、DTT)に対して非常に感受性である。バナデートおよびパーオキソバナジウムをベースとする化合物は広い範囲のPTP アーゼを阻害することに注意すべきである。特定のPTP アーゼを選択的に阻害する化合物を開発することを試みるとき、作用のメカニズム、すなわち、活性部位システインの酸化は実質的な問題を引き起こすであろうことが考えられる。さらに、バナデート、パーバナデートおよびパーオキソバナジウムをベースとするインヒビターの毒性作用は、慢性疾患、例えば、糖尿病の治療のために、それらを使用することを妨害するようである。
【0063】
II. ビスホスホネート
ビスホスホネートは骨障害、例えば、オステオポローシスおよびパジェット病を治療する治療剤として首尾よく使用されてきている。ビスホスホネートは、骨のターンオーバーの減少および骨のミネラル密度の正味増加が存在する破骨吸収を阻害する( 概観については、下記の文献を参照のこと:Rodan およびFleisch 、 J.Clin.Invest.97:2692−2696(1996))。細胞レベルにおける作用のメカニズムはPTP アーゼ器官移植ビスホスホネートの阻害活性を介する( 破骨において) と現在考えられている(Skorey et al.、 J.Biol.Chem.272:22472−22480(1997);Opas et al.、 Biochemical Pharmacology 54:721−727(1997)) 。しかしながら、アレンドロネートの阻害作用はアッセイ構成成分、例えば、EDTAおよびDTT に対して非常に感受性であることが見出された。
【0064】
さらに、阻害は時間依存的であることが示された。生化学的レベルにおける作用のメカニズムは、活性部位における触媒システインの酸化を介することが最近示された(Skorey et al.、 vide supra)。ビスホスホネートは広い範囲のPTP アーゼを阻害することに注意すべきである。特定のPTP アーゼを選択的に阻害するビスホスホネートを開発することを試みるとき、作用のメカニズム、すなわち、活性部位システインの酸化は実質的な問題を引き起こすであろうことが考えられる。
【0065】
III. 金化合物
自己免疫および炎症障害の治療において首尾よく使用されてきている二ナトリウムアウロチオマラート(AuTM)は、ホスファターゼインヒビターとして作用ことが最近示された(Wang et al.、 Biochemical Pharmacology 54:703−711(1997)) 。しかしながら、AuTMはこれらの酵素中の活性部位の求核システインとの相互作用を介してPTP アーゼを阻害するように思われる。ジチオスレイトールはこの阻害を妨害するか、あるいはほとんど完全に妨害することがあり、これは本発明の化合物と対照的である。ビスホスホネートについてのように、金化合物を選択性インヒビターの開発に使用しようとする場合、このような問題が生ずるようである。
【0066】
前述のインヒビターは非選択的である。観測された毒性作用または副作用のあるものは、少なくとも一部分、それらが選択性を欠如することにより、引き起こされるようである。
こうして、効力のある、選択性インヒビターにさらに最適化するために使用できる、非ペプチドの、競合的または混合型、可逆的古典的ホスファターゼインヒビターまたは化合物が強く要求されている。
【0067】
発明の詳細な説明
PTP1B および合成、ビオチニル化、33P リン酸化ペプチドを基質として使用して、高い処理量のスクリーニングシンチレーション近接アッセイ(SPA−Amersham)を開発した。このペプチド基質はインスリンレセプターキナーゼの活性化ループ、すなわち、Thr−Arg−Asp−Ile−Tyr−Glu−Thr−Asp−Tyr−Tyr−Arg−Lys−NH 、に対応し、そしてインスリンレセプターチロシンキナーゼを使用してこの基質をチロシン残基上で33P リン酸化した。化合物のライブラリーをスクリーニングし、多数のヒットが同定された。
【0068】
驚くべきことには、これらのヒットの1 つ、すなわち、オキサリル− アミノ安息香酸は古典的、競合的、可逆的活性部位特異的インヒビター( 下文参照) として作用することが証明された。2−( オキサリ− ルアミノ) 安息香酸は下記の文献に最初に記載された:Friedlaender et al. 、Chem.Ber.14:1921(1881)。しかしながら、この化合物は数十年間知られてきているが、PTP アーゼインヒビター活性を示すという報告は存在しない。
【0069】
第1 に、我々は下記の文献に記載されている古典的定常状態の酵素反応速度論的方法を使用して、2−( オキサリ− ルアミノ) 安息香酸およびそのアナローグの阻害モードを分析した:R.A.Copeland、 Enzymes−A Practical Introduction to Structure, Mechanism and Data Analysis 、 VCH Publishers, Inc. 、 New York 、1996( 第1 図) 。例示はいかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない。特に、本発明の範囲はいかなる時間依存性を示さないインヒビターに限定されることを意図しない。同様に、本発明の範囲は古典的、競合的インヒビターに限定されることを意図しない。
【0070】
第1 図から明らかなように、本発明の化合物のあるもの( オキサリルアミノ安息香酸により例示される) はPTP1B の可逆的、古典的競合的インヒビターとして挙動する( インヒビター濃度と見掛けのKmとの間の直線の関係( 第1 図(B) ;Vmaxに対する影響なし( 第1 図(C))。Ki値は約30μM であることが見出された。Kiの計算は詳細に後述され、さらに「定義」の節における例により例示される。
我々は、また、前述したように、これらの条件は他のPTP アーゼインヒビターの阻害に有意に影響を及ぼすことが従来見出された、アッセイ構成成分の影響を研究した。EDTAをアッセイ緩衝液に添加し、そしてジチオスレイトールの代わりにグルタチオンを使用した( 第2 図) 。
【0071】
第2 図から明らかなように、本発明のインヒビターは、重要な特徴として、前述のインヒビターと鋭いコントラストなし、アッセイ構成成分、例えば、EDTAおよび還元剤に対して不感受性である( インヒビター濃度と見掛けのKmとの間の直線の関係( 第2 図(B) ;Vmaxに対する影響なし( 第2 図(C))。Ki値は約50μM であることが見出された。Vmaxがインヒビター濃度に対して独立であるという事実により、阻害プロセスの可逆的特質は明瞭に示される。
さらに、本発明の化合物のあるものは時間依存性の徴候を示さないことは第3 図において証明される。再び、これは本発明の可逆的特質を示す。
【0072】
我々は、1 組の新規な化学的アナローグを分析することによって、PTP アーゼの阻害能力を定める化学的因子を正確に同定することにした。重要なことには、下記において例示するように、このヒット( すなわち、2−( オキサリ− ルアミノ) 安息香酸) のアナローグは同一酵素の反応速度論的プロファイルを保持した、すなわち、古典的競合的阻害と同様に挙動する。こうして、この分野においてよく知られている手法を使用して、PTP アーゼの活性部位に結合し/それを阻害し/モジュレートしおよび/またはpTyr認識単位をもつ他の分子に結合するために必要な因子を系統的方法で変化させることによって、本発明の化合物を誘導することができる。
【0073】
2−( オキサリ− ルアミノ) 安息香酸アナローグの酵素との反応速度論的挙動の例は、第4 図および第5 図に示されている。驚くべきことには、これらの新規化合物は、2−( オキサリ− ルアミノ) 安息香酸を使用して観測されるインヒビターの古典的競合モードを保持する。これから明らかなように、プロテインチロシンホスファターゼのインヒビターとしてなお作用する本来の化合物の新規なアナローグを当業者は作ることができる。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない1 例として、2−( オキサリ− ルアミノ) 安息香酸を置換基を付加し、これにより効能および選択性を変化させて本発明の他の好ましい化合物を製造することができる。
【0074】
このような新規化合物は、プロテインチロシンホスファターゼまたはpTyr認識単位をもつ他の化合物のインヒビターまたはモジュレーターであることができ、そして古典的、競合的インヒビターまたは混合型インヒビターであることができる。こうして、本発明は、プロテインチロシンホスファターゼを包含する、pTyr認識単位をもつ分子の非選択的および選択的インヒビターおよびモジュレーターを製造する方法を提供する。
本発明の化合物はさらにプロドラッグとして作用するように修飾することができる。
【0075】
化合物、例えば、酵素インヒビターが生化学的アッセイにおいて非常に効力がありかつ選択的であり、しかもin vivo において不活性であるということは、薬剤発見におけるよく知られている問題である。このいわゆる生物学的利用能の欠如は、多数の困難な因子、例えば、消化管中の吸収の欠如または低さ、肝臓における第1 通過代謝、細胞における低い吸収に帰属されることがある。生物学的利用能を決定する因子は完全には理解されていないが、生化学的アッセイにおいて効力がありかつ選択的であるが、in vivo において低い活性を示すか、あるいは示さない化合物を、生物学的に活性な化合物の修飾する方法について、この分野においてよく知られている、多数の例が科学的文献の中に存在する。
【0076】
細胞または哺乳動物における吸収が促進されるような方法において、前記化合物の生物学的利用能を改良する化学的基を結合させることによって、「もとの化合物」と命名する、本発明の化合物を修飾することは本発明の範囲内に入る。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、前記修飾の例は、1 またはそれ以上のカルボキシ基をエステル( 例えば、メチルエステル、エチルエステル、アセトキシメチルエステルまたは他のアシルオキシメチルエステル) に変化させることを包含する。化学的基をさせるさせることによって、このような修飾された、本発明の化合物、すなわち、もとの化合物、は「修飾された化合物」と命名される。
【0077】
前記化学的基は本発明の請求の範囲において明らかであるか、あるいは明らかでないことがある。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、修飾された化合物の他の例は、特定位置において環化された化合物、いわゆる「環状化合物」であり、これらは細胞または哺乳動物の中に吸収されたとき、分子中の1 またはそれ以上の同一特定位置において加水分解されて、本発明の化合物、すなわち、もとの化合物( これは次いで「非環状」と言われる) を生ずる。疑いを回避するために、多くの場合において後者の化合物は、細胞または哺乳動物において吸収された後、加水分解されない他の環状またはヘテロサイクル構造を含有するであろうことが理解される。
【0078】
一般に、前記修飾された化合物は、もとの化合物、すなわち、結合した化学的基または前記修飾を含まない本発明の対応する化合物のそれに類似する挙動を生化学的アッセイにおいて示さないであろう。前記修飾された化合物は生化学的アッセイにおいて不活性であることさえある。しかしながら、細胞または哺乳動物の中に吸収された後、修飾された化合物のこれらの結合した化学的基は引き続いて自発的に、あるいは内因的酵素または酵素合成により除去して、本発明の化合物、すなわち、もとの化合物を生ずる。細胞または哺乳動物における吸収後および前記結合基の除去または前記環状化合物の加水分解後、化合物はもとの化合物と同一構造を有することができ、これによりそれらの活性を再獲得し、それゆえ吸収後細胞および/またはin vivo 中で活性となる。
【0079】
この分野においてよく知られている多数の手順を使用して、結合した化学的基が除去されたこと、あるいは環状化合物が細胞または哺乳動物の中に吸収された後加水分解されたことを確認することができる。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない1 例は下記に記載されている。アメリカン・ティシュー・コレクション(American Tissue Collection)から入手できる哺乳動物細胞系を、前記修飾された化合物とインキュベートする。この分野においてよく知られている条件下でインキュベートした後、細胞を適当に洗浄し、溶解し、ライゼイトを単離する。この分野においてよく知られている適当な対照を含めなくてはならない。
【0080】
この分野においてよく知られている多数の異なる手順を引き続いて使用して、前記ライゼイトから前記化合物を抽出し、精製することができる。前記環状化合物は結合した化学的基を保持するか、しないことができるか、あるいは前記環状化合物加水分解されているか、されてきていないことができる。同様に、この分野においてよく知られている多数の手順を使用して、前記精製された化合物を構造的かつ化学的に特性決定することができる。
【0081】
前記精製された化合物は前記細胞ライゼイトから単離され、それゆえ前記細胞系統により吸収されているので、前記構造的かつ化学的に特性決定された化合物をもとの未修飾化合物( すなわち、前記結合した化学的基または前記非環状化合物を含まない) との比較は、結合した化学的基が細胞中で除去されているかどうか、あるいは環状化合物が加水分解されているかどうかついての情報を直ちに提供するであろう。
【0082】
それ以上の分析として、前記精製された化合物を本発明において詳細に記載されているように酵素反応速度論的分析に付した。反応速度論的プロファイルが前記結合した化学的基を含まないが、前記修飾された化合物と異なるもとの化合物のそれに類似する場合、これにより前記化学的基が除去されているか、あるいは前記環状化合物が加水分解されていることが確証される。同様な技術を使用して、全動物または哺乳動物において本発明の化合物を分析することができる。
【0083】
好ましいプロドラッグは、下記の一般的手順により製造できる本発明の化合物のアセトキシメチルエステルである(C.Schultz et al. 、The Journal of Biological Chemistry 、1993、268:6316−6322)。
カルボン酸(1当量) を乾燥アセトニトリル(2ml/0.1mmol) の中に懸濁させる。ジイソプロピルアミン(3当量) を添加し、次いでブロモメチルアセテート(1.5当量) を添加する。この混合物を窒素雰囲気下に一夜室温において撹拌する。アセトニトリルを真空下に除去して油を生成し、これを酢酸エチル中で希釈し、水(3×) で洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過し、次いで溶媒を真空下に除去すると、粗製油が得られる。生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、適当な溶媒系を使用する。
【0084】
定義
シグナル伝達は、所定の細胞または組織の活性化を追跡するすべての細胞プロセスを規定するために使用する集合的用語である。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、シグナル伝達の例は、ポリペプチドのホルモンおよび成長( 例えば、インスリン、インスリン様成長因子I およびII、成長ホルモン、表皮成長因子、血小板由来成長因子) 、サイトカイン( 例えば、インターロイキン) 、細胞外マトリックス成分、および細胞−細胞相互作用である。
【0085】
ホスホチロシン認識単位/チロシンホスフェート認識単位/ pTyr 認識単位は、リン酸化ホスホチロシン残基(pTyr)を含有する分子に対するアフィニティーを有するタンパク質または糖タンパク質の領域またはドメインである。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、pTyr認識単位の例は次の通りである:PTP アーゼ、SH2 ドメインおよびPTB ドメイン。さらに、いくつかのレセプター型PTP アーゼまたはレセプター様PTP アーゼにおいて、第2 ドメイン(C末端ドメイン) は触媒活性をもたない可能性が最も少ないであろう。
【0086】
非限定的例として、CD45の第2 ドメインは活性PTP アーゼとして作用ように思われない(Kashio et al.、 J.Biol.Chem.273:33856−22863(1998)および本明細書における参考文献参照) 。しかしながら、CD45の第2 ドメインはホスホチロシン認識単位として重要な役割を演じ、そしてin vivo におけるインターロイキン−2の分泌およびTCRzの基質レクルートメントのために重要である(Kashio et al.、 supra) 。こうして、この場合におけるCD45の第2 ドメインはSH2 ドメインと同様な役割を演じ、それゆえホスホチロシン認識単位として作用する。形式的に証明されないが、PTP アーゼに類似する他の分子、例えば、IA−1およびIR−2b はpTyr認識単位として作用する。
【0087】
ホスホチロシン認識単位を有するタンパク質は、ホスホチロシン認識単位を含有するタンパク質または糖タンパク質として定義される。
リガンドは、他の分子に結合する分子または化合物として定義される。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、リガンド例は、タンパク質または糖タンパク質に結合する、2500ダルトンに等しいか、あるいはそれより低い分子量を有する非ペプチド分子である。
【0088】
ホスホチロシン認識単位リガンドは、1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつタンパク質または糖タンパク質の1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位に結合する分子として定義される。こうして、ホスホチロシン認識単位リガンドの非限定的例は、PTP アーゼインヒビターおよび/またはPTP アーゼモジュレーターを包含する。ホスホチロシン認識単位リガンドの他の非限定的例は、SH2 ドメインおよび/またはPTB ドメインに結合する化合物である。
【0089】
PTP アーゼは、pTyrを含有するタンパク質または糖タンパク質を脱リン酸化する能力を有する酵素である。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、PTP アーゼの例は次の通りである:「古典的」PTP アーゼ( 細胞内PTP アーゼ( 例えば、PTP1B 、TC−PTP、PTP1C 、PTP1D 、PTPD1 、PTPD2)およびレセプター型PTP アーゼ( 例えば、PTP α、PTP ε、PTP β、PTP γ、CD45、PTP κ、PTP μ) 、二重特異的ホスファターゼ(VH1、VHR 、cdc25)、LMW−PTP アーゼまたは酸性ホスファターゼ。GenBank に報告されている現在知られている古典的および他のPTP アーゼのリストを表1 〜表8 に示す( 適当な受け入れ番号が示されている) 。
【0090】
【表1】
Figure 2004500308
【0091】
【表2】
Figure 2004500308
【0092】
【表3】
Figure 2004500308
【0093】
【表4】
Figure 2004500308
【0094】
【表5】
Figure 2004500308
【0095】
【表6】
Figure 2004500308
【0096】
【表7】
Figure 2004500308
【0097】
【表8】
Figure 2004500308
【0098】
PTP アーゼモジュレーターは、PTP アーゼ活性の変化を引き起こす化合物である。PTP アーゼモジュレーターはPTP アーゼ活性を低くするか、あるいは高くすることができる。PTP アーゼモジュレーターは、本発明によれば、PTP アーゼの活性部位に結合するか、あるいはPTP アーゼの活性部位の外側領域に結合する( いわゆるアロステリックモジュレーター) ことができる。PTP アーゼモジュレーターの他の非限定的例は、PTP アーゼの基質特異性を変更する化合物である。
【0099】
PTP アーゼドメインは、典型的には、しかし常にではないが、特徴的酵素活性、すなわち、pTyrを含有するタンパク質または糖タンパク質を脱リン酸化する能力、を有する完全なPTP アーゼ分子である。古典的PTP アーゼのPTP アーゼドメインは典型的には220 〜350 アミノ酸残基から成り、PTP1B のアミノ酸残基番号30〜270 に対応する。PTP アーゼドメインは、真核および原核の発現系において、ドメインそれ自体としてまたは融合タンパク質の一部分として発現されることができる。
【0100】
SH2 ドメインSrc 相同性2(SH2)ドメインは、pTyr( ホスホチロシン残基) を含有するタンパク質に結合する非触媒タンパク質モジュールである、すなわち、SH2 ドメインはpTyr認識単位である。SH2 ドメインは、約100 アミノ酸残基から成り、シグナル伝達プロセスに関係する多数の異なる分子の中に見出される。SH2 ドメインを含有するタンパク質の非限定的例は次の通りである:Src 、Hck 、Lck 、Syk 、Zap70 、SHP−1 、SHP−2 、STATs 、Grb−2 、Shc 、p85/P13K、Gap 、vav(下記の文献を参照のこと:Russell et al.、 FEBS Lett.304:15−20(1992);Pawson 、 Nature 373:573−580(1995);Sawyer、 Biopolymers(Peptide Science)47:243−261(1998);および本明細書中の参考文献) 。
【0101】
SH2 ドメイン/pTyrタンパク質の相互作用のための構造的要件は、合成、チロシンリン酸化ペプチドを使用して分析され、さらにX 線結晶学およびNMR により解明されてきている。特徴のモチーフ、FLVRES( 単一アミノ酸コード) はpTyrのための結合ポケットの一部分を形成する。さらに、1 またはそれ以上の他のポケットはアフィニティーおよび選択的の決定においてある役割を演ずる。こうして、SrcSH2ドメインにおいて、疎水性ポケットはpTyr残基に対して3 残基C 末端に位置するアミノ酸に結合する( すなわち、pY+3)。多数の研究はpTyr残基に対してC 末端に位置する残基の重要性を指摘した( 概観については、Pawson、 supra参照) 。
【0102】
SH2 ドメインに結合するリガンドの決定 SH2 ドメインへの非ホスフェート含有リガンドの結合を評価するために有用な、当業者によく知られている、いくつかの方法が開発されてきている。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、1 つの例は、最近、Yao および共同研究者らにより発表された(Yao et al. 、J.Med.Chem.42:25−35(1999))。これらの著者らは、Grb2 SH2ドメイン結合(IC50)に対する非ホスフェート含有リガンドの阻害能力を測定する表面プラズモン共鳴方法を使用した。
【0103】
簡単に述べると、組換えGST−Grb2 SH2ドメインを種々の量のリガンドとインキュベートし、表面結合SHC ホスホペプチド、DDPSpYVNVQ( 単一アミノ酸コード、ここでpYはホスホチロシン残基を示す) を横切って流れさせた。平衡結合(Ru(max)) 量を測定し、リガンドの非存在下の結合と比較した。上記SHC ホスホペプチド、DDPSpYVNVQを対照として使用した。同様に、この分野においてよく知られている適当な表面結合チロシンリン酸化ペプチドを使用して、他のSH2 ドメインについてリガンドの結合を測定することができる。
【0104】
SH2 ドメインに結合するペプチドリガンドを評価する他の非限定的アプローチは、いくつかの研究所により開発されてきている(Fantl et al. 、Cell 69:413−423(1992);Ward et al. 、J.Biol.Chem.271:5603−5609(1996);および本明細書中の参考文献) 。また、当業者によりよく理解されているわずかの修飾を有するSH2 ドメインに対する非ペプチドリガンドを評価するために、このようなアッセイを使用することができる。
【0105】
PTB ドメイン 最近、新規な型のpTyr認識単位(PTPドメイン=ホスホチロシン結合ドメイン) がshc において同定され、これはアダプタータンパク質である(KavanaughおよびWilliams、 Science 266:1862−1865) 。PTB ドメインはSH2 ドメイン( 約190 残基) より長い。shcPTBドメインに結合するリガンドについてのアッセイは最近Kavanaugh および共同研究者らにより開発された(Kavanaugh et al. 、Science 268:1177−1179(1995);Laminet et al.、 J.Biol.Chem.271:264−269(1996)) 。
【0106】
PTP アーゼファミリーは、構造的に関係するPTP アーゼの1 グループとして定義された。こうして、PTP アーゼファミリーを定める1 つの許容された方法は、1 またはそれ以上のPTP アーゼドメインの外側のPTP アーゼの一次構造または他の全体の構造に基づく(Fisher et al.(1991)Science 253:401−406;B.J.Goldstein(1995)in Protein Profile 、 Vol.2、 No.13、 Academic Press Ltd.、London) 。このように方法において定義されたPTP アーゼファミリーの非限定的例は、次の通りである:
【0107】
(a) SH2 ドメインを含有するPTP アーゼ、SHP ファミリー:SHP−1 ;SHP−2
(b) PTP1B ファミリー:PTP1B ;TC−PTP
(c) エズリン含有PTP ファミリー:PTPH1 ;PTPD1 ;PTPD2 ;PTPMEG
(d) PTP−BSA ファミリー
(e) プロリン− グルタミン酸− セリン− スレオニン(PEST)を含有するPTP アーゼ:PTP−PEST;PEP
(f) 非常に小さい、高度にグリコシル化細胞外領域を含有するPTP アーゼ、PTP αファミリー:PTP α;PTP ε
(g) 1 つの細胞内PTP ドメインを有するレセプター型PTP アーゼ、PTP βファミリー:PTP β、PEP−1、GLEPP−1 、SAP−1
【0108】
(h) 免疫グロブリン様ドメインおよびフィブロネクチンIII 様ドメインを有する細胞外領域を有するPTP アーゼ、PTP−LAR ファミリー:PTP−LAR ;PTP σ;PTP δ
(i) MAM ドメインを有する細胞外領域を含有するPTP アーゼ、PTP μファミリー:PTP μ;PTP κ
(j) 炭酸無水物に類似する細胞外領域を含有するPTP アーゼ、PTP ζファミリー:PTP ζ、PTP γ
(k) IA−2ファミリー
(l) PTP ψファミリー
(m) CD45ファミリー
【0109】
すべてのPTP アーゼがいずれかのファミリーに分類されてきているか、あるいは分類することができるわけではいことに注意すべきである。
別方法として、PTP アーゼはまた一次配列の配列整列に基づいてファミリーに分割することができる(Goldstein vide supra)。この分野においてよく知られているコンピュータープログラム( 例えば、GCG University of Wisconsin 、 refs)を使用して、このような整列を実施することができる。いわゆる系統樹を生ずるコンピュータープログラム、例えば、CLUSTALXを使用して、それ以上の分析を実施した。
【0110】
前記系統樹の1 例は第7 図に示されている。PTP アーゼをファミリーに分割する前述の方法はかなりのオーバーラップを示すことに注意すべきである。ファミリーへのPTP アーゼの好ましい定義はPTP アーゼの一次配列整列に基づく。なぜなら、所定のPTP アーゼファミリーまたは特定のファミリーのメンバーと選択的に反応するPTP アーゼインヒビターまたはモジュレーターの開発を可能とするアッセイを確立するために、この定義を引き続いて使用することができるからである( すなわち、選択的インヒビター) 。
【0111】
細胞プロセスのモジュレーションは、1) 進行している、正常または異常な、シグナル伝達を増加または減少させる、2) 正常のシグナル伝達を開始する、および3) 異常なシグナル伝達を開始する、本発明の化合物の能力として定義される。
【0112】
pTyr 仲介シグナル伝達のモジュレーション/ pTyr 認識単位を有する分子の活性のモジュレーションは、1) pTyr 認識単位( 例えば、PTP アーゼ、SH2 ドメインまたはPTB ドメイン) を有するタンパク質または糖タンパク質の活性を増加または減少させるか、あるいは2) pTyr 認識部位に対する直接的作用を介してまたは間接的メカニズムを介して、pTyr認識単位を有するタンパク質または糖タンパク質とのpTyr含有分子のアソシエーションを減少または増加させる、本発明の化合物の能力として定義される。
【0113】
いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、pTyr仲介シグナル伝達のモジュレーション/pTyr認識単位を有する分子の活性のモジュレーションの例は次の通りである:a) 進行している細胞プロセスのシグナル伝達を増加または減少させるPTP アーゼ活性の阻害;b) 正常または異常な細胞活性を開始させるPTP アーゼ活性の阻害;c) 進行している細胞プロセスのシグナル伝達を増加または減少させるPTP アーゼ活性の刺激;d) 正常または異常な細胞活性を開始させるPTP アーゼ活性の刺激;e) 進行している細胞プロセスのシグナル伝達を増加または減少させるpTyrをもつタンパク質または糖タンパク質へのSH2 ドメインまたはPTB ドメインの結合の阻害;f) 正常または異常な細胞活性を開始させるpTyrをもつタンパク質または糖タンパク質へのSH2 ドメインまたはPTB ドメインの結合の阻害。
被検体は、ヒトを包含する任意の哺乳動物種として定義される。
【0114】
本発明による PTP アーゼ阻害の定義
化合物は、下記の条件を満足する場合、PTP アーゼインヒビターとして定義される:(a) 阻害能力は以後詳細に記載するように決定しなくてはならず、そして阻害定数Kiは1000μM 以下でなくてはならない;(b) 少なくとも1 つのPTP アーゼは本発明の化合物により阻害されなくてはならない。任意のPTP アーゼを分析に使用することができる。PTP アーゼの非限定的例は次の通りである:PTP1B ;SHP−1 ;SHP−2 ;PTP−PEST;PTP α;PTP μ;LAR ;CD45。それ以上の例は表1 に記載されている。さらに、本明細書に記載されていないPTP アーゼを使用することができる。
【0115】
阻害定数の決定
阻害定数(Ki 値) は、インヒビター蛍光クェンチングを含む多数の異なる実験手順に従い決定することができる。すべての場合において、本発明の化合物を評価するために、このような方法は酵素の触媒活性に対する化合物の作用を測定する手順に従い補足することができる。このようなアッセイの条件を下に例示する。
【0116】
PTP アーゼ
分析に使用するPTP アーゼは、無傷の分子またはPTP アーゼドメインとして発現されなくてはならない。
【0117】
アッセイ条件
アッセイ条件は酵素安定性を保証するように選択しなくてはならない、すなわち、酵素は基質の非存在下にアッセイ期間にわたって初期活性の少なくとも50%を保持しなくてはならない。
【0118】
緩衝液系
本発明の化合物の分析のために、この分野においてよく知られている任意の緩衝液系を選択することができる。
緩衝液
100mM のNaAc( 酢酸ナトリウム)pH5.5
0.1 %のBSA(ウシ血清アルブミン)
15mMのDTT(ジチオスレイトール)
緩衝液
100mM のNaAcpH5.5
50mMのNaCl
0.1 %のBSA
5mM のDTT
【0119】
緩衝液
100mM のNaAcpH5.5
50mMのNaCl
0.1 %のBSA
5mM のGSH(グルタチオン)
1mM のEDTA
緩衝液
50mMのHEPES pH7.0
100mM のNaCl
0.1 %のBSA
5mM のDTT
【0120】
緩衝液
50mMのHEPES pH7.0
100mM のNaCl
0.1 %のBSA
5mM のGSH
1mM のEDTA
緩衝液
20mMのMES pH6.0
150mM のNaCl
5mM のDTT
0.1 %のBSA
【0121】
緩衝液
(Ellis & Morrison(1982)Methods Enzymol.117:301−342に記載されている一定強度の緩衝液) 50mMのTris
50mMのBis−Tris
100mM の酢酸塩
pH範囲:4.5 〜9.0
還元剤(DTT、GSH 、2−メルカプトエタノール) を含むか、あるいは含まない
担体タンパク質( 例えば、BSA 、ゼラチン) を含むか、あるいは含まない
【0122】
反応時間
反応時間は2 〜60分が好ましい。
反応温度
本発明の化合物の分析のために、この分野においてよく知られている任意の反応温度を選択することができる。好ましい温度は4 ℃〜37℃の範囲である。
【0123】
基質
反応において使用する基質は下記から選択される:(a) p−ニトロホスフェート(pNPP);(b) チロシンリン酸化ペプチド;(c) 自然基質( 例えば、自己リン酸化インスリンレセプター) またはその一部分( 例えば、インスリンレセプターの自己リン酸化チロシンキナーゼドメイン) 。pNPPを基質として使用するとき、ほぼ405nm の波長における光学密度の測定により、酵素反応を追跡する。(b) および(c) の場合において、解放されたホスフェートの測定によるか、あるいはこの分野においてよく知られている手順に従う分光光度測定/蛍光測定法により、酵素反応を追跡する。
【0124】
化合物および基質の濃度
阻害定数の最適な決定を保証するために、基質およびインヒビターの濃度を下記のガイドラインに従い独立に変化させなくてはならない。
基質の濃度範囲は好ましい最大、最終アッセイ濃度とともに変化させなくてはならない。この最終アッセイ濃度は同一条件下に決定された酵素についてのKm値のそれの少なくとも10倍である。最小最終アッセイ濃度は、同一条件下に決定された酵素についてのKm値のそれに等しいか、あるいはそれより低いことが好ましい。
少なくとも2 つの異なるインヒビター濃度を使用しなくてはならない。濃度は実際の化合物に依存するが、非線形回帰分析が当業者に受容される正確度で阻害定数の決定を可能とするような方法において、濃度を選択しなくてはならない。
【0125】
阻害定数 Ki の計算
定義
Vo、初期速度は時間ゼロに対応する反応である。
Kmは、酵素の完全基質濃度において最大の得ることができる速度(Vmax)の50%に対応する初期速度を得るために使用される基質濃度である。Kmはインヒビターを添加しないで測定される。
【0126】
Vmaxは、酵素の完全基質濃度において決定された最大の得ることができる初期速度( 制限速度) である。
Kappは、インヒビターの存在下に決定された見掛けのKm値である。
Vappは、インヒビターの存在下に決定された見掛けのVmax値である。
競合インヒビターは、酵素の基質結合部位に結合する化合物または基質結合部位を閉塞するために十分に密接して存在する化合物として定義される。真の競合的インヒビター( また、古典的競合インヒビターと命名される) は、Vmaxに作用しないで、Kappを増加させる。
【0127】
混合型インヒビターは、KmおよびVmaxの双方に影響を与えるインヒビターとして定義される。
非競合インヒビターは、Kmに作用しないで、Vappを減少させるインヒビターとして定義される。
古典的ミカエリス・メンテン反応速度論に従うと、競合インヒビターの阻害定数Kiは下記方程式から計算することができる:
Kapp =(Km/Ki) ×[i ]+Km (方程式1 )
ここで[i ]はインヒビター濃度である。
【0128】
混合型インヒビターKiの競合部分Kic は下記方程式から計算することができる:
Kic=i/((Vm/Km)×(Kapp/Vapp) −1) (方程式2 )
混合型インヒビターKiの非競合部分Kiu は下記方程式から計算することができる:
Kiu=i/(Vmax/Vapp−1) (方程式3 )
競合または混合型阻害を仮定して、上記において定義した古典的ミカエリス・メンテン酵素反応速度論のモデルに適合する線形変換手法または非線形回帰を使用して、所定化合物についてのKi値を計算することができる。本発明の好ましい化合物は、競合または混合型インヒビターのクラスに属する。
【0129】
上記酵素反応速度論のパラメーターの定義についての情報は酵素反応速度論の参考書の中に見出される。このような参考書の非限定的例は次の通りである:(a) Copeland(vide supra);(b) M.Dixon & E.C.Webb 、 Enzymes、第2 版、 Longmans 、 London 、1996;(c) A.Cornish−Bowden 、 Fundamentals of Enzyme Kinetics、 Portland Press 、1995。
【0130】
阻害定数の計算−実施例
Ki値の計算は、いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、下記実施例によりいっそう明らかとなるであろう。
PTP1B を本発明の化合物(実施例2 に記載されている)とインキュベートした。N 末端321 アミノ酸に対応するPTP1B のトランケート型を大腸菌(E.coli)中で発現させ、この分野においてよく知られている発表された手法を使用して均質に精製した。本質的にBurke et al.、 Biochemistry 35;15989−15996(1996)) に記載されている条件下に、酵素反応を実施した。アッセイ条件は次の通りである。96ウェルのプレートの半分をこの実験のために使用した。
【0131】
p−ニトロホスフェート(pNPP)を基質として使用した( 表2 参照) 。pNPPの下記最終アッセイ濃度を使用した:10mM( 行A 中のすべてのウェルに添加した) 、5mM (行B 中のすべてのウェルに添加した) 、2.5mM (行C 中のすべてのウェルに添加した) 、1.25mM(行D 中のすべてのウェルに添加した) 、0.63mM(行E 中のすべてのウェルに添加した) 、0.31mM(行F 中のすべてのウェルに添加した) 、0.16mM(行G 中のすべてのウェルに添加した。基質を行H に添加しなかった(pNPP のそれに対応するアッセイ緩衝液の体積を行H に添加した) 。
【0132】
DMSO中に溶解した3−( オキサリル− アミノ) ナフタレン−2− カルボン酸( 実施例2)をインヒビターとして使用し、下記最終アッセイ濃度で使用した:100 μM(列A 中のすべてのウェルに添加した) 、33.3μM (列2 中のすべてのウェルに添加した) 、11.1μM (列3 中のすべてのウェルに添加した) 、3.7 μM (列4 中のすべてのウェルに添加した) 。アッセイ緩衝液をインヒビターの代わりに列5 および6 に添加した( 列1 〜4 におけるインヒビターと同一体積) 。アッセイ緩衝液( 最終アッセイ濃度) :100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %のウシ血清アルブミン。
【0133】
反応を酵素PTP1B の添加により開始した。アッセイ緩衝液をインヒビターの代わりに列6 に添加した( 列1 〜5 におけるインヒビターと同一体積) 。各ウェル中の総体積は100 μl であり、10μl のDMSO中に溶解したインヒビターまたはインヒビターを含まない対照ウェルに添加した10μl のDMSOを含んだ。温度は25℃であった。60分後、NaOHを添加し、吸収を405nm において測定した。結果を表9 示す。
【0134】
【表9】
Figure 2004500308
【0135】
Ki 値の計算
表9 からの実際のデータを表10にアッセイの構成とともに示す。
【表10】
Figure 2004500308
【0136】
第1 に、吸収の測定値は、表11に示すように、対照ウェル6 から誘導されたOD405 値について補正しなくてはならない。
【表11】
Figure 2004500308
ウェルH1〜H5中の値は、インヒビターそれ自体に由来するいずれかの色(OD405) を示す。この実施例において、インヒビターはOD405 値を発生しなかった。列6 中の値は基質の吸収によるOD405 値を示す。したがって、表4 中の補正されたOD405 値は、表12に示すように、インヒビターおよび/または基質により引き起こされる405nm における吸収についてさらに補正しなくてはならない。
【0137】
【表12】
Figure 2004500308
分析したインヒビター濃度( それぞれ、100 、33.3、11.1および3.7 μM)の各々においてインヒビターのKi値を計算するために、表5 中の補正された値をここで使用する。これらのデータの古典的ミカエリス・メンテンのプロットを第4 図(A) に示す。表5 中のデータの非線形回帰解析を使用して、各インヒビター濃度について、見掛けのKm値 (mM;Kapp) および見掛けのVmax値(OD405値;Vapp) を計算する (表13) 。
【0138】
【表13】
Figure 2004500308
これらのデータは第4 図(B) および(C) にグラフで示されている。
表6 中のデータおよび方程式1(上を参照) を使用して、各インヒビター濃度についてKi値を計算する (表14) 。
【0139】
【表14】
Figure 2004500308
インヒビター濃度に無関係に、Ki値はほとんど同一であるように見える。これをインヒビターがVmax値を変化させないという事実と組合わせると、このインヒビターは古典的、競合インヒビターであると結論することができる。さらに、これは、混合型インヒビターを仮定しかつ方程式2(上を参照) を使用して、Kiの競合部分(Kic) を計算することによって例示される。インヒビターが混合型である場合、計算されたKic 値は表7 におけるKi値と有意に異なるであろう。本発明のインヒビターについてのKic 値を表15に示す。
【0140】
【表15】
Figure 2004500308
表8 中のKic 値は表7 中のKi値とほとんど同一であるように見える。
インヒビターの特異性は、ある種の1 またはそれ以上のPTP アーゼを他のPTP アーゼよりも効率よく阻害またはモジュレートする、このような化合物の性質として定義される。選択的インヒビターは1 つのPTP アーゼのみまたは1 つのPTP アーゼファミリーのみを阻害することができる。しかしながら、他の選択的インヒビターは、また、ある組のいくつかのPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーを他の組のPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーよりも効率よく阻害する化合物を包含する。
【0141】
いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、選択性を有する1 例は、PTP1B に対して50μM のKi値およびPTP αに対して500 μM またはそれ大きいKi値を有する競合インヒビターである。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、選択的モジュレーターの例は、PTP αの活性に影響を与えないで、SHP−1 の活性を2倍増加させるモジュレーターである。
【0142】
インヒビターの潜在能力の評価における異なるPTP アーゼの使用をさらに例示するために、他のPTP 構築物を作りかつ発現させる方法を簡単に説明する。当業者は、この説明を読むと、PTP アーゼインヒビターの潜在能力ならびに選択的( 下文参照) の評価に使用できる他のPTP アーゼドメインを発現させ、精製することができるであろう。簡単に述べると、組織または細胞または細胞系統の適当な源を使用してRNA(全体のまたはメッセンジャーRNA)を単離する。非限定的例として、RNA を胎盤、肝臓、骨格筋、脂肪組織、および末梢血白血球から単離することができる。
【0143】
この分野においてよく知られている標準的手順(Ausubel、 F.M. et al.( 編) 、SHORT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、第2 版:A compendium of methods from Current Protocols in Molecular Biology 、 John Wiley & Sons, Inc.、 New York ISBN 0−471−57735−9(1992);Ausubel, Frederick M.Current Protocols on CD−ROM User’s Guide;Current protocols in molecular biology 、 John Wiley & Sons, Inc.(1998)) を使用して、適当なRNA 調製物からcDNAを製造した。このようなcDNA調製物を引き続いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR) のための鋳型として使用した。
【0144】
さらに、適当なcDNA鋳型は商業的源、例えば、クロンテク(Clontech)(1020 East Meadow Circle、 Palo Alto、 CA94303) から入手できることに注意すべきである。PCR 技術を使用して下記PTP アーゼドメインに対応するcDNAを製造した(Ausubel et al. 、supra):PTP1B ;PTP αドメイン1 ;PTP εドメイン1 ;CD45ドメイン1 および2 。適当な発現ベクターの中へのクローニングを可能とするために、オリゴヌクレオチドの中に適当な制限部位を含めた。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、これらの実施例において、pGEX発現ベクター(Pharmacia) を使用した。
【0145】
他の発現ベクターの中に好都合にクローニングするために( 本明細書において示されていない) 、構築物((M)として示す) のいくつかの中に追加のN 末端メチオニン(Met−M) を含めた。双方の鎖の配列決定により、すべての配列は確証された。それ以上の詳細は表9 に記載されている。PCR のために使用したオリゴヌクレオチドについての情報および問題の特定のPTP アーゼについてのGenBank の受け入れ番号により、これらのPTP アーゼドメインをコードするcDNAを得ることができる。適当な発現ベクターの中に挿入するために、上記グルタチオン−S− トランスフェラーゼ(GST) 融合タンパク質をコードする発現ベクターで大腸菌(Escherichia coli)を形質転換させた。
【0146】
一夜の培養物を1:25に希釈し、37℃において3 時間成長させた。次いで、イソプロピルー1− チオー b−D−ガラクトピラノシドの添加によりGST 融合タンパク質の発現を誘導させ、培養物を室温においてさらに3 時間成長させた。製造業者の使用説明書(Pharmacia) に従い、最小の変更を加えて、GST 融合タンパク質を精製した。簡単に述べると、すべての精製工程をほぼ4 ℃において実施した。窒素圧(>2000psi)下にパール(Parr)細胞崩壊ボンベ中で、溶解前に、細胞ペレットを溶解緩衝液(50mM のイミダゾール、5mM のEDTA、0.1 %のb−メルカプトエタノール、10%のグリセロール、10μg/mlのアプロチニン、0.1 %のリゾチームおよび1mM のPMSF;pH7.2)の中に1 時間撹拌することによって懸濁(5ml/g) させた。
【0147】
トリトン−X100(0.1 %) をライゼイトに添加し、1 時間撹拌した後、40000gにおいて30分間遠心した。GST 平衡化緩衝液(50mM のイミダゾール、1mM のEDTA、150mM のNaClおよび10%のグリセロール;pH7.2)と平衡化したグルタチオンセファローズカラム(Pharmacia) に上清を適用し、最初に同一緩衝液で洗浄した。流れ方向を変化させ、洗浄を洗浄緩衝液(50mM のTris、1mM のEDTAおよび10%のグリセロール;pH8)で続けた。最後に、結合したタンパク質を洗浄緩衝液中の10mMのグルタチオンで溶離した。CD45融合タンパク質をG25 およびモノQ カラム(Pharmacia) でさらに精製した。
【0148】
精製されたPTP ドメインを使用するまで−80 ℃において貯蔵した。使用直前に、酵素調製物を適当に希釈した。この分野においてよく知られている同様な方法を使用して、表1 に示す分子の触媒ドメインを得ることができることに注意すべきである。PTP1B について本質的に前述されたようにPTP アーゼインヒビターの潜在能力および選択性を評価するために、GST−PTP アーゼ融合タンパク質を使用する。これらのアッセイをさらに例示するために、PTP αドメイン1 を使用する非限定的実施例を記載する。他のPTP アーゼドメインのために、同様な手順を使用することができる。
【0149】
96ウェルのプレートの半分をこの実験のために使用した。p−ニトロホスフェート(pNPP)を基質として使用した。pNPPの下記最終アッセイ濃度を使用した:20mM、10mM、5mM 、2.5mM 、1.25mM、0.63mM、0.31mM。ジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解した化合物5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−( オキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸を3−( オキサリル− アミノ) ナフタレン−2− カルボン酸をインヒビターとして使用し、下記最終アッセイ濃度で使用した:200 μM 、66.6μM 、22.2μM 、7.4 μM 。PTP1B について詳細に前述したように、アッセイ緩衝液を酵素、および/または基質の代わりに対照ウェルに添加した。
【0150】
アッセイ緩衝液( 最終アッセイ濃度) :100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %のウシ血清アルブミン。反応を酵素GST−PTP αドメイン1(最終希釈1:10000)の添加により開始した。各ウェル中の総体積は100 μl であり、10μl のDMSO中に溶解したインヒビターまたはインヒビターを含まない対照ウェルに添加した10μl のDMSOを含んだ。温度は25℃であった。60分後、10μl の0.5Mの水酸化ナトリウム溶液(50 %(v/v) のエタノール中の) を各ウェルに添加し、吸収を405nm において測定した。
【0151】
結果を第6A図に示す。計算したKi値は4 μM(メジアン値) である。同一化合物(5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−( オキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸) を下記緩衝液中のPTP α( 最終希釈1:2000) に対して試験したときの結果を第6B図に示す:50mMのHEPES pH7.0 、100mM のNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %のウシ血清アルブミン。60分後、20μl の0.5Mの水酸化ナトリウム溶液(50 %(v/v) のエタノール中の) を各ウェルに添加し、吸収を405nm において測定した。それ以外、条件は第6A図について記載した通りである。これらの条件下の計算したKi値は約70mM( メジアン値) である。
【表16】
Figure 2004500308
【0152】
選択的インヒビターは選択性を示すインヒビターとして定義される。
非選択的インヒビターは選択性を示さないインヒビターとして定義される。
選択的モジュレーターは選択性を示すインヒビターとして定義される。
選択的および非選択的インヒビターの概念をさらに例示するために、それぞれ、非選択的および選択的インヒビターの例を表17に記載する。表10中の実施例はいかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しないことを強調すべきである。
【0153】
【表17】
Figure 2004500308
【0154】
表17から明らかなように、実施例82の化合物は非選択的インヒビターの1 例であるが、実施例83の化合物は選択的インヒビターとして挙動する。実施例83における化合物は、他のPTP アーゼに対して試験したとき、これらのPTP アーゼに対して阻害性であることができることに注意すべきである。しかも、この定義によれば、実施例83における化合物は、それが表10中の試験した他のPTP アーゼに対して作用しないで、PTP1B を阻害するという事実のために、選択的インヒビターである。また、この定義によれば、実施例82における化合物は、もつとしても、PTP−LAR に対して弱い活性を有するが、いくつかのPTP アーゼに対して阻害能力を有するために、非選択的インヒビターである。
【0155】
化学的基は、任意の単一の原子または共有結合した原子の任意の基または分子として定義され、それらのラジカルを包含する。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を包含する。
用語「アルキル」は、C−C 直鎖状飽和およびC−C 不飽和脂肪族炭化水素基、C−C 分枝鎖状飽和およびC−C 不飽和脂肪族炭化水素基、C−C 環状飽和およびC−C 不飽和脂肪族炭化水素基、および特定した数の炭素原子を有するC−C 環状飽和および不飽和脂肪族炭化水素基で置換されているC−C 直鎖状もしくは分枝鎖状およびC−C 直鎖状もしくは分枝鎖状不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。
【0156】
例えば、この定義は下記のものを包含するが、これらに限定されない:メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、ブチル(Bu)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペネチル、ヘキセニル、イソプロピル(i−Pr)、i−ブチル(i−Bu)、t−ブチル(t−Bu)、s−ブチル(s−Bu)、イソペンチル、ネオペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、メチルシクロプロピル、エチルシクロヘキセニル、ブテニルシクロペンチル、およびその他。
【0157】
用語「置換アルキル」は、置換基が下記のものから独立して選択される、上に定義したアルキル基を表す:ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、カルバモイル、ヒドロキシ、COR、C−C アルキル、C−C アルキルオキシ、アリールオキシ、アリールC−C アルキルオキシ、チオ、C−C アルキルチオ、アリールチオ、アリールC−C アルキルチオ、NR 、C−C アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールC−C アルキルアミノ、ジ(アリールC−C アルキル)アミノ、C−C アルキルカルボニル、アリールC−C アルキルカルボニル、C−C アルキルカルボキシ、アリールC−C アルキルカルボキシ、
【0158】
−C アルキルカルボニルアミノ、C−C アルキル−アミノCOR11 、アリールC−C アルキルカルボニルアミノ、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペラジニル、−CONR、−C−CアルキルCONR 、または飽和または部分的飽和環状5 、6 または7 員アミンまたはラクタム;ここでR11 はヒドロキシ、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、アリールオキシ、アリールC−C アルキルオキシであり、そしてRは上記において定義した通りであるか、あるいはNR であり、ここでR、Rは上記において定義した通りである。
【0159】
用語「アルキルオキシ」(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、アリルオキシ、シクロヘキシルオキシ)は酸素架橋を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を表す。用語「アルキルオキシアルキル」は示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した「アルキルオキシ」基を表す。
用語「アリールオキシ」(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシおよびその他)は、酸素架橋を通して結合した下記におい定義するアリール基を表す。
【0160】
用語「アリールアルキルオキシ」(例えば、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシおよびその他)は、酸素架橋を通して結合した下記におい定義する「アリールアルキル」基を表す。
用語「アリールアルキルオキシアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した上に定義した「アリールアルキルオキシ」基を表す。
用語「アリールチオ」(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオおよびその他)は、硫黄架橋を通して結合した下記におい定義する「アリール」基を表す。
【0161】
用語「アルキルオキシカルボニル」(例えば、メチルフォルミアト、エチルフォルミアトおよびその他)は、カルボニル基を通して結合した上に定義した「アルキルオキシ」基を表す。
用語「アリールオキシカルボニル」(例えば、フェニルフォルミアト、2−チアゾリルフォルミアトおよびその他)は、カルボニル基を通して結合した上に定義した「アリールオキシ」基を表す。
用語「アリールアルキルオキシカルボニル」(例えば、ベンジルフォルミアト、フェネチルフォルミアトおよびその他)は、カルボニル基を通して結合した上に定義した「アリールアルキルオキシ」基を表す。
【0162】
用語「アルキルオキシカルボニルアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した上に定義した「アルキルオキシカルボニル」基を表す。
用語「アリールアルキルオキシカルボニルアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した上に定義した「アリールアルキルオキシカルボニル」基を表す。
用語「アルキルチオ」(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、シクロヘキセニルチオおよびその他)は、硫黄架橋を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を表す。
【0163】
用語「アリールアルキルチオ」(例えば、フェニルメチルチオ、フェニルエチルチオ、およびその他)は、硫黄架橋を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した「アリールアルキル」基を表す。
用語「アルキルチオアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した「アルキルチオ」基を表す。
用語「アリールアルキルチオアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した「アリールアルキルチオ」基を表す。
【0164】
用語「アルキルアミノ」(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、N−プロピル−N− ヘキシルアミノ、(2−シクロペンチル)プロピルアミノ、ヘキセニルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニルおよびその他)は、アミン架橋を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した1 または2 つの「アルキル」基を表す。
【0165】
2 つのアルキル基はそれらが結合する窒素原子と一緒になって3 〜14個の炭素原子および0 〜3 個の窒素、酸素または硫黄から選択される追加のヘテロ原子を含有する飽和、部分的飽和または芳香族環状、二環式または三環式環系を形成することができ、環系は少なくとも1 つのC−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C−C アルキルオキシ、C−C アルキルオキシC−C アルキル、NR10、C−C アルキルアミノC−C アルキル置換基で置換されていてもよく、ここでアルキルおよびアリール基は定義の節において定義したように置換されていてもよく、そしてRおよびR10 は上記において定義した通りである。
【0166】
用語「アリールアルキルアミノ」(例えば、ベンジルアミノ、ジフェニルエチルアミノおよびその他)は、アミン架橋を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した1 または2 つの「アリールアルキル」基を表す。2 つの「アリールアルキル」基はそれらが結合する窒素原子と一緒になって3 〜14個の炭素原子および0 〜3 個の窒素、酸素または硫黄から選択される追加のヘテロ原子を含有する飽和、部分的飽和または芳香族環状、二環式または三環式環系を形成することができ、環系は少なくとも1 つのC−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C−C アルキルオキシ、C−C アルキルオキシC−C アルキル、NR10、C−C アルキルアミノC−C アルキル置換基で置換されていてもよく、ここでアルキルおよびアリール基は定義の節において定義したように置換されていてもよく、そしてRおよびR10 は上記において定義した通りである。
【0167】
用語「アルキルアミノアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した「アルキルアミノ」基を表す。
用語「アリールアルキルアミノアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した「アリールアルキルアミノ」基を表す。
用語「アリールアルキル」(例えば、ベンジル、フェニルエチル)は、示した数の炭素原子を有するアルキルまたは上に定義した置換アルキル基を通して結合した下記におい定義する「アリール」基を表す。
用語「アルキルカルボニル」(例えば、シクロオクチルカルボニル、ペンチルカルボニル、3−ヘキセニルカルボニルおよびその他)は、カルボニル基を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を表す。
【0168】
用語「アリールアルキルカルボニル」(例えば、フェニルシクロプロピルカルボニル、フェニルエチルカルボニルおよびその他)は、カルボニル基を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義した「アリールアルキル」基を表す。
用語「アルキルカルボニルアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した「アルキルカルボニル」基を表す。
用語「アリールアルキルカルボニルアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した「アリールアルキルカルボニル」基を表す。
【0169】
用語「アルキルカルボキシ」(例えば、ヘプチルカルボキシ、シクロプロピルカルボキシ、3−ペンテニルカルボキシ)は、カルボニルが引き続いて酸素架橋を通して結合している、上に定義した「アルキルカルボニル」基を表す。
用語「アリールアルキルカルボキシ」(例えば、ベンジルカルボキシ、フェニルシクロプロピルカルボキシおよびその他)は、カルボニルが引き続いて酸素架橋を通して結合している、上に定義した「アリールアルキルカルボニル」基を表す。
【0170】
用語「アルキルカルボキシアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した「アルキルカルボキシ」基を表す。
用語「アリールアルキルカルボキシアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した「アリールアルキルカルボキシ」基を表す。
用語「アルキルカルボニルアミノ」(例えば、ヘキシルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニル− アミノメチル、メチルカルボニルアミノフェニルおよびその他)は、カルボニルが引き続いてアミノ基の窒素原子を通して結合している、上に定義した「アルキルカルボニル」基を表す。窒素原子はそれ自体アルキルまたはアリール基で置換されることができる。
【0171】
用語「アリールアルキルカルボニルアミノ」(例えば、ベンジルカルボニルアミノおよびその他)は、カルボニルが引き続いてアミノ基の窒素原子を通して結合している、上に定義した「アリールアルキルカルボニル」基を表す。窒素原子はそれ自体アルキルまたはアリール基で置換されることができる。
用語「アルキルカルボニルアミノアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した「アルキルカルボニルアミノ」基を表す。窒素原子はそれ自体アルキルまたはアリール基で置換されることができる。
【0172】
用語「アリールアルキルカルボニルアミノアルキル」は、示した数の炭素原子を有する上に定義した「アルキル」基を通して結合した「アリールアルキルカルボニルアミノ」基を表す。窒素原子はそれ自体アルキルまたはアリール基で置換されることができる。
用語「アルキルカルボニルアミノアルキルカルボニル」は、カルボニル基を通して結合したアルキルカルボニルアミノアルキル基を表す。窒素原子はさらに「アルキル」または「アリール」基で置換されることができる。
【0173】
用語「アリール」は、安定な結合を形成できる任意の環位置において共有結合した非置換、1 、2 または3 置換の1 環式、多環式、ビアリールおよびヘテロサイクル芳香族基を表し、ある種の好ましい結合点は当業者にとって明らかであろう(例えば、3−インドリル、4−イミダゾリル)。アリール置換基は下記の基から成る群より独立して選択される:ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキルオキシ、ヒドロキシ、COR、C−C アルキルオキシ、C−C アルキルオキシC−C アルキル、アリールオキシ、アリールC−C アルキルオキシ、アリールC−C アルキルオキシC−C アルキル、
【0174】
チオ、C−C アルキルチオ、C−C アルキルチオ、C−C アルキルチオC−C アルキル、アリールチオ、アリールC−C アルキルチオ、アリールC−C アルキルチオC−C アルキル、NR 、C−C アルキルアミノ、C−C アルキルアミノC−C アルキル、アリールアミノ、アリールC−C アルキルアミノ、アリールC−C アルキルアミノC−C アルキル、ジ(アリールC−C アルキル)アミノC−C アルキル、、C−C アルキルカルボニル、C−C アルキルカルボニルC−C アルキル、アリールC−C アルキルカルボニル、アリールC−C アルキルカルボニルC−C アルキル、C−C アルキルカルボキシ、
【0175】
−C アルキルカルボキシC−C アルキル、アリールC−C アルキルカルボキシ、アリールC−C アルキルカルボキシC−C アルキル、カルボキシC−C アルキルオキシ、C−C アルキルカルボニルアミノ、C−C アルキルカルボニルアミノC−C アルキル、− カルボニルNR−CアルキルCOR11 、アリールC−C アルキルカルボニルアミノ、アリールC−C アルキルカルボニルアミノC−C アルキル、−CONR、または−C−Cアルキル−CONR、ここでR、R、R、およびR11 は上記において定義した通りであり、そしてアルキルおよびアリールは定義の節において上に定義したように置換されていてもよい。
【0176】
アリールの定義は下記のものを包含するが、これらに限定されない:フェニル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル、ナフチル(1−ナフチル、2−ナフチル)、ピロリル(3−ピロリル)、インダゾリル(1−インダゾリル、2−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル)、トリアゾリル(1, 2, 3−トリアゾル−1− イル、1, 2, 3−トリアゾル−2− イル、1, 2, 3−トリアゾル−4− イル、1, 2, 4−トリアゾル−3− イル)、オキサゾリル(2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソキサゾリル(3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、チアゾリル(2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、
【0177】
チオフェニル(2−チオフェニル、3−チオフェニル、4−チオフェニル、5−チオフェニル)、フラニル(2−フラニル、3−フラニル、4−フラニル、5−フラニル)、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル)、ピリミジニル(2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピラジニル、ピリダジニル(3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル)、キノリル(2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル)、
【0178】
ベンゾ[b ]フラニル(2−ベンゾ[b ]フラニル、3−ベンゾ[b ]フラニル、4−ベンゾ[b ]フラニル、5−ベンゾ[b ]フラニル、6−ベンゾ[b ]フラニル、7−ベンゾ[b ]フラニル)、2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル(2−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル)、3−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル)、4−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル)、5−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル)、6−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル)、7−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]フラニル)) 、ベンゾ[b ]チオフェニル(2−ベンゾ[b ]チオフェニル、3−ベンゾ[b ]チオフェニル、4−ベンゾ[b ]チオフェニル、5−ベンゾ[b ]チオフェニル、
【0179】
6−ベンゾ[b ]チオフェニル、7−ベンゾ[b ]チオフェニル)、2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル(2−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル)、3−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル)、4−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル)、5−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル)、6−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル)、7−(2, 3− ジヒドロ− ベンゾ[b ]− チオフェニル))、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル(2−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル)、3−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル)、
【0180】
4−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル)、5−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル)、6−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル)、7−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェニル))、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル(2−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル)、3−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル)、4−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル)、5−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル)、
【0181】
6−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル)、7−(4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[2, 3−c]ピリジル))、インドリル(1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、インダゾール(1−インダゾール、2−インダゾール、3−インダゾール、4−インダゾール、5−インダゾール、6−インダゾール、7−インダゾール)、ベンズイミダゾリル(1−ベンズイミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、3−ベンズイミダゾリル、4−ベンズイミダゾリル、5−ベンズイミダゾリル、6−ベンズイミダゾリル、7−ベンズイミダゾリル、8−ベンズイミダゾリル)、ベンゾキサゾリル(1−ベンゾキサゾリル、2−ベンゾキサゾリル)、
【0182】
ベンゾチアゾリル(1−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、3−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、カルバゾリル(1−カルバゾリル、2−カルバゾリル、3−カルバゾリル、4−カルバゾリル)、5H− ジベンズ[b, f]アゼピン(5H− ジベンズ[b, f]アゼピン−1− イル、5H− ジベンズ[b, f]アゼピン−2− イル、5H− ジベンズ[b, f]アゼピン−3− イル、5H− ジベンズ[b, f]アゼピン−4− イル、5H− ジベンズ[b, f]アゼピン−5− イル)、10, 11− ジヒドロ− ジベンズ[b, f]アゼピン(10, 11− ジヒドロ− ジベンズ[b, f]アゼピン−1− イル、10, 11− ジヒドロ− ジベンズ[b, f]アゼピン−2− イル、
【0183】
10, 11− ジヒドロ− ジベンズ[b, f]アゼピン−3− イル、10, 11− ジヒドロ− ジベンズ[b, f]アゼピン−4− イル、10, 11− ジヒドロ− ジベンズ[b, f]アゼピン−5− イル)、ピペリジニル(2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピロリジニル(1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、フェニルピリジル(2−フェニルピリジル、3−フェニルピリジル、4−フェニルピリジル)、フェニルピリミジニル(2−フェニルピリミジニル、4−フェニルピリミジニル、5−フェニルピリミジニル、6−フェニルピリミジニル)、フェニルピラジニル、フェニルピリダジニル(3−フェニルピリダジニル、4−フェニルピリダジニル、5−フェニルピリダジニル)。
【0184】
用語「アリールカルボニル」(例えば、2−チオフェニルカルボニル、3−メトキシ− アントリルカルボニル、オキサゾリルカルボニルおよびその他)は、カルボニル基を通して結合した上に定義した「アリール」基を表す。
用語「アリールアルキルカルボニル」(例えば、(2, 3− ジメトキシフェニル)− プロピルカルボニル、(2−クロロナフチル)ペンテニルカルボニル、イミダゾリルシクロペンチルカルボニル)は、「アルキル」基引き続いてカルボニルを通して結合している、上に定義した「アリールアルキル」基を表す。
不斉中心を有する本発明の化合物は、ラセミ体、ラセミ体混合物、および個々の鏡像異性体またはジアステレオマーとして存在することができ、すべての異性体型ならびにそれらの混合物は本発明に包含される。
【0185】
塩基性または酸性基が構造の中に存在する、本発明の化合物の薬学上許容される塩は、また、本発明の範囲内に入る。酸性置換基、例えば、−COOH 、5−テトラゾリルおよびP(O)(OH) が存在するとき、投与形態として使用するための、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩を生成することができる。塩基性基、例えば、アミノまたは塩基性ヘテロアリール基、特にピリジル基が存在するとき、酸性塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、パルミチン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびその他を投与形態として使用することができる。
【0186】
また、−COOH またはP(O)(OH) が存在するとき、薬学上許容されるエステル、例えば、メチルエステル、t−ブチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、およびその他、および持続放出またはプロドラッグ処方物として使用するために溶解度または加水分解濃塩酸を変更するこの分野において知られているエステルを使用することができる。
さらに、本発明の化合物のあるものは水または普通の有機溶媒との溶媒和物を形成することができる。このような溶媒和物は本発明の範囲内に入る。
用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医学者、医師およびその他が探求する組織、システム、動物、または人間の生物学的または医学的応答を誘発する、薬物または薬剤の量を意味する。
【0187】
発明の説明
ある種の構造的フラグメントからなる化合物は1 またはそれ以上のPTP アーゼあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ分子に対して阻害またはモジュレーション能力を有することが、驚くべきことには示された。
したがって、本発明は、下記の3 つの基準を満足する化合物に関する:
(1) 式I により表される構造を有する:
【化13】
Figure 2004500308
式中、R 、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである;
(2) ホスホチロシン認識単位リガンド、好ましくはSH2 ドメインを含有する1 またはそれ以上のPTP アーゼまたはタンパク質のインヒビターまたはモジュレーターとして作用する;そして(3) 2500ダルトンより低いか、あるいはそれに等しい分子量を有する。
【0188】
好ましい態様において、本発明の化合物は、式IIにより表される:
【化14】
Figure 2004500308
式中、式中、R 、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてRは好ましくはH である。
【0189】
他の好ましい態様において、化合物は下記の3 つの基準を満足する:
(1) 式I により表される構造を有する:
【化15】
Figure 2004500308
式中、R、R、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてRおよびRは互いに共有結合している;
【0190】
(2) ホスホチロシン認識単位リガンド、好ましくはSH2 ドメインを含有する1 またはそれ以上のPTP アーゼまたはタンパク質のインヒビターまたはモジュレーターとして作用する;そして
(3) 2500ダルトンより低いか、あるいはそれに等しい分子量を有する。
【0191】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式IVにより表される:
【化16】
Figure 2004500308
式中、R、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、RおよびRは互いに共有結合しており、そしてR は好ましくはH である。
【0192】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式V により表される:
【化17】
Figure 2004500308
式中、R、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、RおよびRは互いに共有結合しており、そしてR は好ましくはH である。
【0193】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式VIにより表される:
【化18】
Figure 2004500308
式中、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、RおよびRは互いに共有結合しており、そしてR は好ましくはH である。
【0194】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式VII により表される:
【化19】
Figure 2004500308
式中、A は式VII 中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、そしてR、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【0195】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式VIIIにより表される:
【化20】
Figure 2004500308
式中、A は式VIII中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、R 、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてR は好ましくはH である。
【0196】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式IXにより表される:
【化21】
Figure 2004500308
式中、A は式IX中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、そしてR、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【0197】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式X により表される:
【化22】
Figure 2004500308
式中、A は式X 中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、そしてR、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【0198】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式XIにより表される:
【化23】
Figure 2004500308
式中、A は式XI中の二重結合と一緒になって上に定義した任意のアリールを表し、R 、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせであり、そしてR は好ましくはH である。
【0199】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式XII により表される:
【化24】
Figure 2004500308
式中、Rはプロトンドナーおよび/またはプロトンアクセプター、好ましくは−COOH 、5− テトラゾリル、−NH、−CONHであることができ、そしてR 、R、RおよびRは任意の化学的基または化学的基の組合わせである。
【0200】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、式XXにより表される:
【化25】
Figure 2004500308
式中、
A は式I 中の二重結合と一緒になってフェニル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル、フルオレニル−9− オン、ナフチル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジルまたはピラジニルを形成するか、あるいは
【0201】
A は式I 中の二重結合と一緒になってインドリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[b]フラニル、インダゾリル、ベンゾ[b]イソキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、9H− チエノ[2, 3−c] クロメニル、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b]チオフェニル、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[2, 3−b] ピリジル、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[2, 3−c] ピリジル、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[3, 2−c] ピリジル、4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[3, 2−b] ピリジル、4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c] ピラニル、4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c] チオピラニルまたは4, 5, 6, 7− テトラヒドロ−4, 7−エタノン− チエノ[2, 3−b] ピリジルを形成するか、あるいは
【0202】
A は式I 中の二重結合と一緒になってフラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1, 2, 3−オキサジアゾリル、フラザニルまたは1, 2, 3−トリアジリルを形成するか、あるいは
【0203】
A は式I 中の二重結合と一緒になってフロ[2, 3−b] ピリジル、チエノ[2, 3−b] ピリジル、ピロロ[2, 3−b] ピリジル、チエノ[2, 3−c] ピリジル、ピロロ[2, 3−c] ピリジル、フロ[3, 2−c] ピリジル、チエノ[3, 2−c] ピリジル、ピロロ[3, 2−c] ピリジル、フロ[3, 2−d] ピリジル、チエノ[3, 2−d]ピリジル、ピロロ[3, 2−d] ピリジル、フロ[2, 3−d] ピリミジニル、チエノ[2, 3−d] ピリミジニル、ピロロ[2, 3−d] ピリミジニル、フロ[2, 3−d] ピラジニル、チエノ[2, 3−d] ピラジニル、ピロロ[2, 3−d] ピラジニル、フロ[2, 3−c] ピリダジニル、チエノ[2, 3−c] ピリダジニル、ピロロ[2, 3−c] ピリダジニル、フロ[2, 3−d] ピリダジニル、
【0204】
チエノ[2, 3−c] ピリダジニル、ピロロ[2, 3−d] ピリダジニル、フロ[3, 2−c] ピリダジニル、チエノ[3, 2−c] ピリダジニル、ピロロ[3, 2−c] ピリダジニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1, 8− ナフチリジニル、クロマニル、チオクロマニル、イソクロマニル、イソチオクロマニル、2, 3− ジヒドロ− チエノ[2, 3−b] フラニル、4, 6− ジヒドロ− チエノ[2, 3−c] フラニル、2, 3− ジヒドロ− チエノ[3, 2−b] フラニル、4, 5− ジヒドロ− チエノ[2, 3−b] チオフェニル、4, 6− ジヒドロ− チエノ[3, 4−b]チオフェニル、5, 6− ジヒドロ− チエノ[3, 2−b]チオフェニル、
【0205】
4, 5− ジヒドロ− チエノ[2, 3−b] ピロリル、チエノ[3, 2−d] イソチアゾリル、チエノ[3, 2−d] チアゾリル、チエノ[2, 3−d] チアゾリル、チエノ[2, 3−c] ピロリル−4, 6−ジオン、1H− チエノ[2, 3−d] イミダゾリル、6H− チエノ[2, 3−b] ピロリル、5, 6− ジヒドロ−4H−チエノ[2, 3−c] ピロリルまたは4H− チエノ[3, 2−b]ピロリルを形成し、
【0206】
およびRはCOR、OR 、CF 、ニトロ、シアノ、SOH、SONR、PO(OH) 、CHPO(OH)、CHFPO(OH)、CFPO(OH)、C(=NH)NH 、NR 、および下記の5 員のヘテロサイクルから成る群より独立して選択される:
【化26】
Figure 2004500308
【0207】
、R16 およびR17 は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、トリハロメチル、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシC−C アルキル、C−C アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC−C アルキルオキシカルボニル、C−C アルキルオキシ、C−C アルキルオキシC−C アルキル、アリールオキシ、アリールC−C アルキルオキシ、アリールC−C アルキルオキシC−C アルキル、チオ、C−C アルキルチオ、C−C アルキルチオC−C アルキル、アリールチオ、
【0208】
アリールC−C アルキルチオ、アリールC−C アルキルチオC−C アルキル、NR 、C−C アルキルアミノC−C アルキル、アリールC−C アルキルアミノC−C アルキル、ジ(アリールC−C アルキル)アミノC−C アルキル、C−C アルキルカルボニル、C−C アルキルカルボニルC−C アルキル、アリールC−C アルキルカルボニル、アリールC−C アルキルカルボニルC−C アルキル、C−C アルキルカルボキシ、C−C アルキルカルボキシC−C アルキル、アリールカルボキシ、アリールC−C アルキルカルボキシ、
【0209】
アリールC−C アルキルカルボキシC−C アルキル、C−C アルキルカルボニルアミノ、C−C アルキルカルボニルアミノC−C アルキル、− カルボニルNR−CアルキルCOR11 、アリールC−C アルキルカルボニルアミノ、アリールC−C アルキルカルボニルアミノC−C アルキル、CONR 、またはC−C アルキルCONR 、ここでアルキルおよびアリール基は置換されていてもよく、そしてR11 はNR またはC−C アルキルNR であるか、あるいはR16 およびR17 は水素であり、RはA−B−C−D−C−C アルキルであり、ここで
【0210】
A はC−C アルキル、アリールまたはアリールC−C アルキルであり、
B はアミノ、チオ、SO、SO またはオキソであり、
C はC−C アルキル、アミノであり、
D は化学的結合、アミノまたはC−C アルキルであり、ここでアルキルまたはアリール基は置換されていてもよいか、あるいは
【化27】
Figure 2004500308
であり、ここでR12 、R13 およびR14 は独立して水素、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキルであり、そしてアルキルおよびアリールは置換されていてもよく、
【0211】
は水素、ヒドロキシ、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、NR 、C−C アルキルオキシであり、ここでアルキルおよびアリールは置換されていてもよく、
はヒドロキシ、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、CF 、NR であり、ここでアルキルおよびアリールは置換されていてもよく、
は水素、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキルであり、ここでアルキルおよびアリールは置換されていてもよく、
【0212】
およびRは独立して水素、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、C−C アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールC−C アルキルカルボニル、C−C アルキルカルボキシまたはアリールC−C アルキルカルボキシから選択され、ここでアルキルおよびアリールは置換されていてもよいか、あるいは
【0213】
およびRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって3 〜14個の炭素原子および0 〜3 個の窒素、酸素または硫黄から選択される追加のヘテロ原子を含有する飽和、部分的飽和または芳香族環状、二環式または三環式環系を形成することができ、環系は少なくとも1 つのC−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C−C アルキルオキシ、アリールC−C アルキルオキシ、C−C アルキルオキシC−C アルキル、NR10またはC−C アルキルアミノC−C アルキル置換基で置換されていてもよく、
【0214】
ここでRおよびR10 は水素、C−C アルキル、アリール、アリールC−C アルキル、C−C アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールC−C アルキルカルボニル、C−C アルキルカルボキシまたはアリールC−C アルキルカルボキシから成る群より独立して選択され、ここでアルキルおよびアリールは置換されていてもよいか、あるいは
およびRは独立して飽和または部分的飽和の環状5 、6 または7 員のアミン、イミドまたはラクタムである。
【0215】
本発明の化合物は、プロテインチロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子の活性を種々の作用メカニズムを介してモジュレートまたは阻害することができる。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない、このような作用メカニズムの例は、上記において定義した(a) 古典的競合的阻害;(b) 非競合的阻害;(c) 混合型阻害。
さらに、本発明は、細胞または哺乳動物において吸収された後、上記において定義した構造を有する化合物に関する。
【0216】
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物は、1 またはそれ以上のPTP アーゼの古典的、競合インヒビターとして実質的に作用する。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、1 またはそれ以上のPTP アーゼの混合型インヒビターとしてに作用する。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物は、チロシンキナーゼシグナリング経路の調節に関係する1 またはそれ以上のPTP アーゼのインヒビターとして実質的に作用する。
【0217】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、1 または2 以上の調節PTP アーゼとの相互作用を介してレセプター−チロキナーゼシグナリング経路、好ましくはインスリンレセプターファミリーのインスリンレセプター、IGF−1 レセプターおよび/または他のメンバーのシグナリング経路、EGF レセプターファミリー、血小板由来成長因子レセプターファミリー、神経成長因子レセプターファミリー、肝細胞成長因子レセプターファミリー、成長因子レセプターファミリーおよび/または他のレセプター型チロシンキナーゼファミリーのメンバーのシグナリング経路を実質的に阻害またはモジュレートする。
【0218】
他の好ましい態様において、1またはそれ以上の調節PTP アーゼのモジュレーション、好ましくはSrc キナーゼファミリーまたは他の細胞内キナーゼのモジュレーションを通して、非レセプターチロシンキナーゼのシグナリングを実質的に阻害またはモジュレートする。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、シグナルトランスダッション経路を陰性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性を実質的に阻害またはモジュレートする。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、シグナルトランスダッション経路を陽性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼ、好ましくはCD45の活性を実質的に阻害またはモジュレートする。
【0219】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、免疫細胞におけるシグナルトランスダッション経路を陽性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性を実質的に阻害またはモジュレートする。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、シグナルトランスダッション経路を陰性に調節する1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性を阻害またはモジュレートする。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性部位への結合あるいは前記PTP アーゼに対する基質の結合に陰性に影響を及ぼす他の部位への結合を介して、1 またはそれ以上のPTP アーゼを阻害する、アロステリックモジュレーターである。
【0220】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、酵素の活性部位の外側に位置する構造、好ましくはSH2 ドメインとの相互作用を介して、1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性をモジュレートする。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、非PTP アーゼシグナリング分子のSH2 ドメインまたはPTB ドメインに対する本発明の化合物の結合を介して、シグナルトランスダクション経路をモジュレートする。
1 つの態様において、本発明の化合物は、選択的PTP アーゼインヒビターまたは選択的ホスホチロシン認識単位リガンドである化合物により特徴づけられる。
本発明の化合物は、例えば、本明細書に記載しないPTP アーゼ、または、好ましくは表1 に列挙するPTP アーゼ、に対して選択的であることができる。
【0221】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は、非選択的PTP アーゼインヒビター、例えば、少なくとも4 つのPTP アーゼまたは4 つのPTP アーゼファミリーのインヒビターまたはモジュレーターにより特徴づけられる。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP αファミリーに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP αに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP εに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はCD45に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP βファミリーに対して選択的である。
【0222】
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP βに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP−DEP1に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP−LAR ファミリーに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP−LAR に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP σに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP δに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP μファミリーに対して選択的である。
【0223】
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP μに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP κに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP1B ファミリーに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP1B に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はTC−PTPに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はSHP−PTP ファミリーに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はSHP−1 に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はSHP−2 に対して選択的である。
【0224】
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP ζファミリーに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP γに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP−PESTファミリーに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTPH1 ファミリーに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTPH1 に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTPD1 に対して選択的である。
【0225】
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTPD2 に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTPMEG1 に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はIA−2ファミリーに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はIA−2に対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はIA−2βに対して選択的である。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はPTP ψファミリーに対して選択的である。
【0226】
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP ψに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP ρに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物はPTP φに対して選択的である。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1000ダルトンより小さい、好ましくは100 ダルトンより大きい分子量を有する。
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のPTP アーゼに対して200 μM より小さいKi値を有する。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のPTP アーゼに対して2 μM より小さいKi値を有する。
【0227】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のPTP アーゼに対して100nM より小さいKi値を有する。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 つまたは2 つPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して<2 μM のKi値および少なくとも2 つの他のPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して>50μM のKi値を有する。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 つまたは2 つPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して<100nM のKi値および少なくとも2 つの他のPTP アーゼまたはPTP アーゼファミリーに対して>10μM のKi値を有する。
【0228】
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物はは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子に対して200 μM より小さいIC50値を有する。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子に対して2 μM より小さいIC50値を有する。
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ1 またはそれ以上の分子に対して100nM より小さいIC50値を有する。
【0229】
1 つの好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のPTP アーゼ、例えば、チロシンキナーゼシグナリング経路の調節に関係するタンパク質チロシンホスファターゼのインヒビターとして作用する。好ましい態様は、調節PTP アーゼとの相互作用を介してレセプター−チロキナーゼシグナリング経路、例えば、インスリンレセプターファミリーのインスリンレセプター、IGF−1 レセプターおよび他のメンバーのシグナリング経路、EGF レセプターファミリー、血小板由来成長因子レセプターファミリー、神経成長因子レセプターファミリー、肝細胞成長因子レセプターファミリー、成長因子レセプターファミリーおよび他のレセプター型チロシンキナーゼファミリーのメンバーのシグナリング経路をモジュレートすることを包含する。
【0230】
本発明のそれ以上の好ましい態様は、調節PTP アーゼのモジュレーションによる非レセプターチロシンキナーゼシグナリングのモジュレーション、例えば、Src キナーゼファミリーおよび他の非レセプターチロシンキナーゼのメンバーのモジュレーションである。本発明の好ましい態様の1 つの型は、シグナル伝達プロセスを陰性に調節するPTP アーゼ活性のモジュレーションに関する。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない例は、エリトロポイエチンシグナリング経路を陰性に調節するSHP−1 である。
【0231】
本発明の好ましい態様の他の型は、シグナル伝達プロセスを陽性に調節するPTP アーゼ活性のモジュレーションに関する。いかなる方法おいても本発明の範囲を限定することを意図しない後者の例は、Src ファミリーのチロシンキナーゼを脱リン酸化し、これにより造血系からの細胞中のシグナリングにおいて重積極的役割を演ずるCD45である。T リンパ球および/またはB リンパ球を包含する、リンパ球の活性を調節するために、好ましいCD45インヒビターの1 つの型を使用することができる。
【0232】
他の好ましい態様において、本発明の化合物は1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性部位のモジュレーターまたはインヒビターとして作用する。他の好ましい態様において、本発明の化合物は、酵素の活性部位の外側に位置する構造、好ましくはSH2 ドメインとの相互作用を介して1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性をモジュレートする。他の好ましい態様は、非PTP アーゼシグナリング分子のSH2 ドメインまたはPTB ドメインへの本発明の化合物の結合を介して、シグナル伝達をモジュレートすることを包含する。
好ましい態様において、本発明の化合物は、1 つのPTP アーゼファミリーに対して他のPTP ファミリーに対するよりも10倍より高い効力を有する選択的インヒビターである。
【0233】
1 つの態様において、本発明の化合物は、糖尿病I 型、糖尿病II型、障害されたグルコース耐性、インスリン耐性、肥満症、免疫不全、例えば、自己免疫およびAIDS、凝固系の機能障害を有する疾患、アレルギー性疾患、オステオポローシス、増殖性障害、例えば、癌および乾癬、成長ホルモンの合成または作用が減少または増加した疾患、成長ホルモンの放出/それに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの合成または作用が減少または増加した疾患、脳疾患、例えば、アルツハイマー病および精神***病、および感染症を管理、治療または予防する薬剤を製造するために使用することができる。
【0234】
他の態様において、本発明の化合物は次のように使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、糖尿病I 型、糖尿病II型、障害されたグルコース耐性、インスリン耐性、および/または肥満症を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、免疫不全、例えば、慢性関節リウマチ、全身的エリテマトーデスのような自己免疫を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、免疫抑制剤として使用することができる。
【0235】
他の態様において、本発明の化合物は、免疫不全、例えば、AIDSを有する症状管理または治療するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、アレルギー性疾患、例えば、ぜん息およびアレルギー性皮膚疾患を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、増殖性障害、例えば、癌を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、オステオポローシスを管理、治療または予防するために使用することができる。
【0236】
他の態様において、本発明の化合物は、乾癬を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、成長ホルモンの合成または作用が減少または増加した疾患、成長ホルモンの放出/それに対する応答を調節するホルモンまたはサイトカインの合成または作用が減少または増加した疾患を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、凝固系の機能障害を有する疾患を管理、治療または予防するために使用することができる。
他の態様において、本発明の化合物は、脳疾患、例えば、アルツハイマー病および精神***病を管理、治療または予防するために使用することができる。
【0237】
他の態様において、本発明の化合物は、感染症を管理、治療または予防するために使用することができる。
さらに、本発明の化合物は、前述の疾患および障害を管理、治療または予防する薬剤の製造に使用することができる。
他の好ましい態様は、細胞−細胞の相互作用ならびに細胞−マトリックスの相互作用をモジュレートするために使用することができる。
本発明は、さらに、活性成分として、少なくとも1 種の本発明の化合物と、薬学上許容される担体または希釈剤とを含んでなる医薬組成物に関する。必要に応じて、医薬組成物は、異なる活性を示す本発明の化合物の少なくとも1 種、例えば、抗生物質的にまたは薬理学的に活性な物質を含むことができる。
【0238】
好ましい態様として、本発明の化合物は、糖尿病I 型、糖尿病II型、障害されたグルコース耐性、インスリン耐性、および肥満症を有する患者におけるインスリンレセプターチロシンキナーゼシグナリング経路の調節に関係する1 またはそれ以上のPTP アーゼを阻害またはモジュレートする治療剤として使用することができる。他の好ましい態様は、PTP アーゼ活性の一般的または特異的機能障害、例えば、増殖的障害、特に乾癬または新形成性疾患を有する患者の管理するための本発明の化合物の使用を包含する。他の態様として、本発明の化合物は、オステオポローシスの管理のための医薬製剤において使用することができる。
【0239】
さらに、本発明の好ましい態様は、1 またはそれ以上のPTP アーゼの活性をモジュレートするか、あるいは成長ホルモンおよびIGF−1 およびIGF−2 を包含するそのアナローグまたはソマトメジンまたは調節分子の活性のコントロールまたは誘導に関係するホスホチロシンに対するアフィニティーを有する他のシグナル伝達分子の活性をモジュレートすることによって、これらのホルモンおよび任意の調節分子の分泌または作用を増加する医薬製剤において、本発明の化合物を使用することを包含する。
【0240】
本発明の化合物は、正常または混乱した免疫機能、例えば、自己免疫反応の刺激因子または抑制因子として、免疫系の種々の障害を管理する医薬製剤において使用することができる。本発明のそれ以上の態様は、アレルギー性疾患、例えば、ぜん息、皮膚反応、結膜炎管理するための本発明の化合物の使用を包含する。
他の態様において、本発明の化合物は、免疫抑制に使用される医薬製剤において使用することができる。このような使用の非限定的例は、器官および/または組織の移植においてである。
他の態様において、本発明の化合物は、血小板凝集を予防または誘導するための医薬製剤において使用することができる。
【0241】
なお他の態様において、本発明の化合物は、感染症を管理するための医薬製剤において使用することができる。特に、本発明の化合物は、エルシニア(Yersinia)および他の細菌により引き起こされる感染症ならびにウイルスまたは他の微生物により引き起こされる障害を管理するために使用することができる。
本発明の化合物は、動物、例えば、商業的に重要な動物における疾患の管理または予防にさらに使用することができる。
【0242】
また、この分野においてよく知られている手法を使用して固定化された本発明の化合物の使用に基づくアフィニティー精製手法を介する、PTP アーゼを単離する方法は本発明の範囲内に入る。当業者によく知られている、このような方法は、新規なPTP アーゼまたはホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を同定するために使用することができる。非限定的例として、本発明の化合物は固相へのカップリングにより固定化することができる。本発明の化合物とカップリングさせた固相の上に、当業者によく知られている方法により列挙として調製された組織試料または細胞系統からの試料を通過させることができる。
【0243】
前記固相に非特異的に結合する物質を除去するように設計された適当な手法で洗浄した後、当業者によく知られている標準的手法を使用して、大部分のPTP アーゼまたはホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を本発明の化合物に結合させる。前記TPアーゼまたはホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を引き続いてこの分野においてよく知られている手法により解放させ、当業者によく知られている標準的手法に従いアミノ酸配列分析に付すことができる。対応するcDNAのヌクレオチド配列への逆翻訳を適当な遺伝暗号により推定することができる。
【0244】
前記ヌクレオチド配列を使用して同等オリゴヌクレオチドを設計し、製造し、次いでこれを使用して、単離されたPTP アーゼまたはpTyr認識単位をもつ分子に対応するか、あるいはそれに類似するタンパク質または糖タンパク質をコードする適当なcDNAライブラリーからの部分的または全長のcDNAクローンを同定することができる。1 またはそれ以上の前記オリゴヌクレオチドまたは単離されたcDNAクローンを同様に使用して、前記cDNAクローンに対応するゲノムクローンを単離することができる。当業者によく知られている手法により、前記部分的または全長のcDNAクローンを適当なベクターの中に挿入し、タンパク質を発現させ、精製することができる。
【0245】
前記精製されたタンパク質、の中に挿入PTP アーゼを使用して、記載した本発明の化合物の阻害能力および選択性をさらに分析することができる。
さらに、本発明は、適当な固相マトリックス、例えば、ワング(Wang)樹脂またはリンク(Rink)樹脂にカップリングされた本発明の化合物に関する。
さらに、本発明は、下記の工程からなる、生物学的試料から本発明による化合物に対するアフィニティーを有するタンパク質または糖タンパク質を単離する方法に関する:
【0246】
・ 適当な固相マトリックスへのカップリングにより固定化された本発明の化合物を前記生物学的試料と接触させて、前記固定化化合物が前記タンパク質または糖タンパク質との結合により複合体を形成するようにさせ、
・ 前記生物学的試料から非結合物質を除去し、前記複合体を単離し、そして
・ 前記タンパク質または糖タンパク質を前記複合体から抽出する。
【0247】
さらに、本発明は、下記の工程からなる、生物学的試料から本発明による化合物に対するアフィニティーを有するタンパク質−チロシンホスファターゼを単離する方法に関する:
・ 適当な固相マトリックスへのカップリングにより固定化された本発明の化合物を前記生物学的試料と接触させて、前記固定化化合物が前記タンパク質−チロシンホスファターゼとの結合により複合体を形成するようにさせ、
・ 前記生物学的試料から非結合物質を除去し、前記複合体を単離し、そして
・ 前記タンパク質−チロシンホスファターゼを抽出する。
【0248】
さらに、本発明は、下記の工程からなる、生物学的試料から本発明による化合物に対するアフィニティーを有する、Src 相同性2 ドメイン含有タンパク質またはホスホチロシン結合ドメイン含有タンパク質を単離する方法に関する:
・ 適当な固相マトリックスへのカップリングにより固定化された本発明の化合物を前記生物学的試料と接触させて、前記固定化化合物が前記Src 相同性2 ドメイン含有タンパク質またはホスホチロシン結合ドメイン含有タンパク質との結合により複合体を形成するようにさせ、
・ 前記生物学的試料から非結合物質を除去し、前記複合体を単離し、そして
・ 前記Src 相同性2 ドメイン含有タンパク質またはホスホチロシン結合ドメイン含有タンパク質を前記複合体から抽出する。
【0249】
本発明は、また、蛍光または放射性分子にカップリングされた本発明の化合物に関する。
さらに、本発明は、下記の工程からなる、生物学的試料から請求項1 〜74のいずれか一項に記載の化合物に蛍光または放射性分子をカップリングさせる方法に関する:
・ 前記化合物を前記蛍光または放射性分子と反応混合物中で接触させて複合体を産生し、
・ 非複合化物質を除去し、そして前記複合体を反応混合物から単離する。
【0250】
さらに、本発明は、下記の工程からなる、本発明の化合物を使用して細胞または被検体においてタンパク質−チロシンホスファターゼあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を検出する方法に関する:
・ 細胞またはその抽出物または前記被検体からの生物学的試料を接触させるか、あるいは前記化合物を前記被検体の中に注入して、前記化合物が前記タンパク質−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子と複合体を産生するようにさせ、
・ 前記複合体を検出し、これにより前記タンパク質−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記他の分子の存在を検出する。
【0251】
さらに、本発明は、下記の工程からなる、本発明の化合物を使用して細胞または被検体においてタンパク質−チロシンホスファターゼあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を定量する方法に関する:
・ 細胞またはその抽出物または前記被検体からの生物学的試料を接触させるか、あるいは前記化合物を前記被検体の中に注入して、前記化合物が前記タンパク質−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子と複合体を産生するようにさせ、
・ 前記複合体の量を測定し、これにより前記タンパク質−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子の存在を検出する。
【0252】
また、本発明は、下記の工程からなる、本発明の化合物を使用して細胞または被検体においてタンパク質−チロシンホスファターゼの所定のタンパク質−チロシンホスファターゼまたはグループあるいは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ他の分子を定量する方法に関する:
・ 細胞またはその抽出物または前記被検体からの生物学的試料を接触させるか、あるいは前記化合物を前記被検体の中に注入して、前記化合物が前記タンパク質−チロシンホスファターゼまたは1 またはそれ以上のホスホチロシン認識単位をもつ前記分子と複合体を産生するようにさせ、
・ 前記複合体により誘導される生物学的作用を測定する。
【0253】
薬理学的方法
上記適用について、投与量は使用する本発明の化合物、投与モードおよび所望の療法に依存して変化するであろう。しかしながら、一般に、約0.5mg 〜約1000mg、好ましくは約1mg 〜約500mg の本発明の化合物の投与量を、好都合には1 〜5 回/日、必要に応じて持続放出性形態で使用すると、満足すべき結果が得られる。通常、経口投与に適当な投与形態は、薬学上許容される担体または希釈剤と混合された、約0.5mg 〜約1000mg、好ましくは約1mg 〜約500mg の本発明の化合物を含んでなる。
【0254】
本発明の化合物は、その薬学上許容される付加塩の形態で、または可能ならば金属塩またはC1−6アルキルアンモニウム希釈剤として投与することができる。このような塩の形態は、遊離酸形態とほぼ同程度の活性を示す。
本発明は、また、本発明の化合物またはその薬学上許容される塩を含んでなる医薬組成物に関し、通常、継代培養化合物は、また、薬学上許容される担体または希釈剤を含有する。本発明の化合物を含有する組成物は慣用技術により製造することができ、そして、好都合な形態、例えば、カプセル剤、錠剤、溶液または懸濁液の形態を取ることができる。
【0255】
使用する薬学上の担体は慣用の固体または液体の担体であることができる。固体の担体の例は、ラクトース、白陶土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシアゴム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸である。液体の担体の例は、シロップ、落花生油、オリーブ油および水である。
同様に、担体または希釈剤は、この分野において知られている任意の時間遅延物質、例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートの単独、またはそれとワックスとの混合物を包含することができる。
【0256】
経口投与のために固体の担体を使用する場合、調製物を錠剤化し、硬質ゼラチンカプセルの中に粉末またはペレットの形態で入れるか、あるいはそれはトローチ剤またはロゼンジの形態であることができる。固体の担体の例は広く変化するが、通常約25mg〜約1gである。液体の担体を使用する場合、調製物はシロップ、乳濁液、軟質ゼラチンカプセルまたは無菌の注射可能な液体、例えば、水性または非水性液状懸濁液または溶液の形態であることができる。
【0257】
一般に、本発明の化合物を10〜200mg /単位投与量の活性成分と薬学上許容される担体とを含んでなる単位投与形態で小出しされる。
患者、例えば、人間に薬剤として投与するとき、本発明による化合物の投与量は1 〜500mg/日、例えば、約100mg/投与量である。
慣用の錠剤化技術により製造できる典型的な錠剤は下記の成分を含有する:
【0258】
コア:
Figure 2004500308
被覆:
Figure 2004500308
【0259】
投与経路は、活性化合物を適当なまたは所望の作用部位に効果的に輸送する任意の経路、例えば、経口または非経口、特に経直腸、経皮、皮下、鼻内、筋肉内、局所、静脈内、尿管内、眼用溶液または軟膏であることができ、経口経路は好ましい。
【0260】
本発明の化合物を製造する方法を下記の実施例により例示する。これらの実施例は本発明を限定しない。
実施例
以後、TLC は薄層クロマトグラフィーであり、CDCl はデュウテリオクロロホルムであり、CD3OD はテトラデュウテリオメタノールである、そしてDMSO−d ヘキサデュウテリオジメチルスルホキシドである。化合物の構造は元素分析またはNMR により確証し、ここで標題化合物中の特性プロトンに帰属されるピークを必要に応じて示す。
【0261】
H NMRシフト(δ )は内部参照標準としてテトラメチルシランからのダウンフィールドの部/百万部(ppm )で与えられる。M.p.は融点であり、℃で与えられており、補正されていない。カラムクロマトグラフィーは下記の文献に記載されている技術を使用してメルク(Merck )シリカゲル60(Art.9385)上の実施された:W.C.Still et al.、 J.Org.Chem.43:2923(1978) 。HPLC分析は、実験の節において説明されたように、5 μmol のC18 ×250mm カラムを使用して実施され、水およびアセトニトリルの種々の混合物で溶離された、流速=1ml /分。
【0262】
出発物質として使用した化合物は既知の化合物であるか、あるいはそれ自体知られている方法により容易に製造できる化合物である。ワング(Wang)樹脂は4−ヒドロキシメチルフェノールエーテルのリンカーを有するポリスチレンである。2−アミノチオフェンは、Gewald et al. 、Chem.Ber.99:94(1966)に従い製造される。3−アミノチオフェンは、H.HartmannおよびJ.Liebscher 、 Synthesis 275(1984)に従い製造される。
【0263】
実施例
【化28】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ 安息香酸
【0264】
乾燥テトラヒドロフラン(250ml) 中のアントラニル酸(20.1g , 0.15mmol) の撹拌溶液に、エチルオキサリルクロライド(10.0g 、0.073mol) を滴下した。生ずる混合物を室温において15分間撹拌し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、粗製16.4g (94%) の2−( エトキシオキサリル− アミノ) 安息香酸が油として得られた。
エタノール(350ml) 中の上記安息香酸(10.0g 、0.042mol) の溶液に、水(100ml) 中の水酸化ナトリウム(3.7g、0.092mol) の溶液を添加した。生ずる反応溶液を室温において60時間撹拌した。濃塩酸をpH=1 に添加し、沈澱を濾過し、水(3×100ml)、ジエチルエーテル(3 ×80ml) で洗浄し、真空乾燥すると、7.1g(81 %) の標題化合物が固体として得られた。
【0265】
M.p.:214−215℃:
NO5, 0.2HO についての計算値;
C, 51.68%; H, 3.37 %; N, 6.70 %.
実測値C, 50.96%; H, 3.32 %; N, 6.52 %.
【0266】
実施例1 に記載される手順と同様にして、下記の化合物が製造された。
実施例
【化29】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ ナフタレン −2− カルボン酸
M.p.:227−228℃:
13NOについての計算値;
C, 60.24%; H, 3.50 %; N, 5.40 %.
測定値C, 59.98%; H, 3.46 %; N, 5.25 %.
【0267】
実施例
【化30】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5− ヨード 安息香酸
MS(ES): m/z=326(M+1)
NlO5, 0.75xHOについての計算値
C, 31.01%; H, 2.17 %; N, 4.02 %.
測定値C, 31.14%; H, 2.33 %; N, 3.76 %.
【0268】
実施例
【化31】
Figure 2004500308
4−( オキサリル アミノ )− ビフェニル −3− 安息香酸
5−ブロモ−2− アミノ−安息香酸メチルエステル(3.0g、13.01mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0 )(0.5g、0.44mmol) 、トルエン(40ml) および2N水性炭酸ナトリウム(14.8ml) の懸濁液に、室温においてメタノール(10ml)中のフェニルホウ酸(2.2g、17.3mmol) の溶液を添加した。生ずる混合物を還流温度に4 時間加熱し、冷却し、水(50ml)で希釈した。
【0269】
不溶性物質を濾過し、相を分離した。水相を酢酸エチル(100ml) で抽出し、一緒にした有機相を水(2×80ml) 、希薄水性アンモニア(80ml) および飽和塩化ナトリウム溶液(80ml) で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させると、3.4gの粗製4−アミノ− ビフェニル−3− カルボン酸メチルエステルが得られ、これをシリカゲル(1 リットル)上に精製し、溶離剤として酢酸エチルおよびヘプタン(1:3 )の混合物を使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発させると、2.7g(91 %) の4−アミノ− ビフェニル−3− カルボン酸メチルエステル得られた。
【0270】
4−アミノ− ビフェニル−3− カルボン酸メチルエステルを実施例1 に記載される手順と同様にして標題化合物に変換した。
M.p.:223−224℃.
1511NO5, 0.5xHOについての計算値;
C, 61.23%; H, 4.11 %; N, 4.76 %.
測定値C, 60.96%; H, 4.01 %; N, 4.62 %.
【0271】
実施例
【化32】
Figure 2004500308
4− ブロモ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.71(d,J=7.5Hz, 1H), 8.25(s, 1H), 7.80(d,J=7.5Hz,1H).
MS: ESl(−): 288[M−1(81Br)), 287(M−1(80Br)].
【0272】
実施例
【化33】
Figure 2004500308
4, 5− ジメトキシ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.42(s, 1H), 7.60(s, 1H), 3.95(s, 3H), 3.86(s, 3H).
MS: ESl(−): 268[M−1].
【0273】
実施例
【化34】
Figure 2004500308
5− ニトロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.90(d, J=7.5Hz, 2H), 8.42(s, 1H).
MS: ESl(−): 253[M−1].
【0274】
実施例
【化35】
Figure 2004500308
4− ニトロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ9.60(s, 1H), 8.36(m, 1H),8.02(m,1H).
MS: ESl(−): 253[M−1].
【0275】
実施例
【化36】
Figure 2004500308
5− クロロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.72(d,J=7.5Hz, 1H), 8.10(s, 1H), 7.60(d, J=7.5Hz, 1H).
MS: ESl(−): 242[M−1(35Cl)], 244[M−1(37Cl)].
【0276】
実施例 10
【化37】
Figure 2004500308
4− クロロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.80(s, 1H), 8.10(d,J=7.5Hz, 1H), 7.22(d,J=7.5Hz, 1H).
MS: ESl(−): 242[M−1(35Cl)], 244[M−1(37Cl)].
【0277】
実施例 11
【化38】
Figure 2004500308
3− メチル −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ2.2(s, 3H), 7.2−7.7(m, 3H), 10.5(s, 1H), 12.9(s, 1H).
【0278】
実施例 12
【化39】
Figure 2004500308
4, 5− ジフルオロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ8.03(m, 1H), 8.61(dd, 1H), 12.55(s, 1H, NHCO).
【0279】
実施例 13
【化40】
Figure 2004500308
N−(2− カルバモイル フェニル )− オキサルミン酸:
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ7.20(t, 1H), 7.55(t, 1H), 7.73(bs, 1H, CONH), 7.83(d, 1H), 8.30(bs, 1H, CONH), 8.52(d,1H), 12.9(s, 1H, NHCO).
【0280】
実施例 14
【化41】
Figure 2004500308
2−( エトキシオキサリル アミノ )− 安息香酸:
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ1.33(t, 3H), 4.30(q, 2H), 7.24(t, 1H), 7.65(t, 1H), 8.03(d, 1H), 8.56(d,1H), 12.6(s, 1H, NHCO).
【0281】
実施例 15
【化42】
Figure 2004500308
6− クロロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ10.68(bs, 1H), 8.06(d, J=9Hz, 1H), 7.43(t, J=9Hz, 1H), 7.27(d, J=9Hz, 1H).
【0282】
実施例 16
【化43】
Figure 2004500308
3− メトキシ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ9.98(bs, 1H), 7.37−7.25(m, 3H), 3.80(s, 3H).
【0283】
実施例 17
【化44】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )− テレフタル酸:
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ7.28(s, 1H), 8.22(d, J=9Hz, 1H), 7.75(d, J=9Hz, 1H).
【0284】
実施例 18
【化45】
Figure 2004500308
5− フルオロ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.50(m, 1H), 7.25(m, 1H), 7.22(m, 1H).
MSm/z 227.2(M−1)
【0285】
実施例 19
【化46】
Figure 2004500308
3, 5− ジブロモ −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.08(s, 1H), 8.05(s, 1H).
MSm/z 366.1(M−1).
【0286】
実施例 20
【化47】
Figure 2004500308
3, 5− ジヨード −2−( オキサリル アミノ 安息香酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.45(s, 1H), 8.25(s, 1H).
MSm/z 460.1(M−1).
【0287】
実施例 21
【化48】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(3− チオフェン −3− イル イソキサゾル −5− イル )− 安息香酸:
1, 4− ジオキサン(6.0ml) 中のチオフェン−3− カルボキシアルデヒド(2.0g 、18mmol) の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.24g、18mmol) およびトリエチルアミン(2.5ml、18mmol) を添加した。この混合物を0.5 時間超音波処理し、室温において116 時間、35℃において48時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物をジクロロメタン中に溶解し、水で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させると、1.97g(87%) のチオフェン−3− カルボアルデヒドオキシムが油として得られた。
【0288】
室温において撹拌したテトラヒドロフラン(2.5ml) 中のチオフェン−3− カルボアルデヒドオキシム(120mg、0.99mmol) および2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−エチニル− 安息香酸メチルエステル(100mg、0.33mmol) の溶液に、0.75M の漂白剤(1.3ml、0.99mmol) を添加した。この溶液をまず室温において24時間撹拌し、次いで35℃において24時間撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、残留物をジクロロメタン中に溶解し、水、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させた。
【0289】
残留フィルムを調製用TLC で精製すると、21mg(15 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− チオフェン−3− イルイソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステルが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.75(s, 1H), 8.92(d, 1H, J=11Hz), 8.59(s, 1H), 8.06(d, 1H, J=11Hz), 7.91(S, 1H), 7.59(d, 1H, J=7Hz), 7.28(d, 1H, J=7Hz), 6.90(s, 1H), 4.07(s, 3H), 1.65(s, 9H).
【0290】
上記2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− チオフェン−3− イルイソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステル(10mg、0.23mmol) を20%のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.3ml) 中に溶解し、室温において21時間撹拌した。溶媒を真空除去すると、8.4mg(98%) の2−( オキサリル− アミノ)−5−(3− チオフェン−3− イルイソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ12.75(s, 1H), 8.95(d, 1H, J=11Hz), 8.62(s, 1H), 8.18(d, 1H, J=11Hz), 7.75(m, 1H), 7.65(m, 1H), 7.60(s, 1H), 4.07(s, 3H).
【0291】
室温においてメタノール(1.5ml) およびテトラヒドロフラン(0.5ml) 中の2−( オキサリル− アミノ)−5−(3− チオフェン−3− イルイソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステル(8.4mg、0.23mmol) の溶液に、1N水酸化リチウム(90μl 、0.090mmol)に添加した。この溶液を48時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物を水中に再溶解した。この溶液を1N塩酸でpH=1 に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。一緒にした抽出液を真空蒸発させると、6.4mg(79%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.75(d, 1H, J=11Hz), 8.70(s, 1H), 7.95(s, 1H), 7.82(d, 1H, J=11Hz), 7.70(m, 1H), 7.60(m, 1H).
MSm/z 357(M−1).
【0292】
実施例 22
【化49】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(3− フェニル イソキサゾル −5− イル )− 安息香酸:
1, 4− ジオキサン(6.0ml) 中のベンズアルデヒド(2.0g 、19mmol) の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.3g 、19mmol) およびトリエチルアミン(2.6ml、19mmol) を添加した。この混合物を0.5 時間超音波処理し、室温において116 時間、35℃において24時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物をジクロロメタン中に溶解し、水で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させると、1.9g(84 %) のベンズアルデヒドオキシムが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.18(s, 1H), 7.60(m, 2H), 7.41(m, 3H).
【0293】
室温において撹拌したテトラヒドロフラン(2.5ml) 中のベンズアルデヒドオキシム(120mg、0.99mmol) および2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−エチニル− 安息香酸メチルエステル(100mg、0.33mmol) の溶液に、0.75M の漂白剤(1.3ml、0.99mmol) を添加した。この溶液をまず室温において24時間撹拌し、次いで35℃において24時間撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、残留物をジクロロメタン中に溶解した。
【0294】
この溶液を水、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させた。残留物をジエチルエーテルで洗浄すると、固体状沈澱が得られ、これを濾過すると、59mg(42 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− フェニル− イソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.75(s, 1H), 8.85(d, 1H, J=11Hz), 8.62(s, 1H), 8.06(d, 1H, J=11Hz), 7.91(m, 2H), 7.52(m, 3H), 6.90(s, 1H), 4.07(s 3H),1.65(s, 9H).
【0295】
上記2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− フェニル− イソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステル(28mg、0.07mmol) を20%のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(0.5ml) 中に溶解し、室温において6 時間撹拌した。溶媒を真空除去すると、25mg(100%) の2−アミノ−5−(3−フェニル− イソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.75(s, 1H), 8.85(d, 1H, J=11Hz), 8.62(s, 1H), 8.15(d, 1H, J=11Hz), 7.91(m, 2H), 7.52(m, 3H), 6.90(s, 1H), 4.07(s 3H)
【0296】
室温においてメタノール(2.5ml) およびテトラヒドロフラン(1.0ml) 中の上記2−アミノ−5−(3−フェニル− イソキサゾル−5− イル)−安息香酸メチルエステル(8.4mg、0.23mmol) の溶液に、1N水酸化リチウム(1.4ml 、0.136mmol)に添加した。この溶液を12時間撹拌した。溶媒を真空除去した。残留物を水中に溶解し、1N塩酸でpH=1 に酸性化し、水、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、7.7mg(64%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.91(d, 1H, J=11Hz), 8.62(s, 1H), 8.15(d, 1H, J=11Hz), 7.91(m, 2H), 7.49(m, 3H), 7.25(s, 1H), 4.07(s 3H).
LC/MSm/z: 351(M−1).
【0297】
実施例 23
【化50】
Figure 2004500308
5− エチニル −2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
トルエン(100ml) 中の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸(5.0g、12.8mmol) およびN, N− ジメチルホルムアミドジt−ブチルアセテート(12ml、51.2mmol) の溶液を20時間加熱還流させた。
【0298】
反応を室温に冷却し、真空濃縮し、残留物を酢酸エチル(150ml)中に溶解した。酢酸エチル相を水(3×35ml) 、ブライン(20ml) で洗浄し、揮発性物質を真空蒸発させた。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、25%酢酸エチル/ヘキサンを溶離剤として使用した。純粋な画分を一緒にし、真空濃縮すると、2.3gの2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.54(d, J=9Hz, 1H), 8.27(s, 1H), 7.83(d, J=9Hz, 1H), 1.62(s, 18H).
【0299】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸t−ブチルエステル(0.83g 、1.86mmol) 、トリメチルシリルアセテート(2ml)およびトリエチルアミン(1ml、7.44mmol) をN, N− ジメチルホルムアミド(5ml) 中に溶解し、溶液をアルゴンでパージした。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(26mg 、0.15mmol) およびヨウ化銅(I)(4mg 、0.15mmol) を添加し、反応混合物を60℃において5 時間撹拌した。粗製混合物を酢酸エチル(40ml)で希釈し、水(3×10ml) およびブライン(2×10ml) で洗浄した。溶媒を真空蒸発させると、0.77g(99%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−トリメチルシラニルエチニル− 安息香酸t−ブチルエステルが得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.59(s, 1H), 8.71(d, J=9Hz, 1H), 8.07(d, J=9Hz, 1H), 1.62(s, 9H), 1.61(s, 9H), 0.25(s, 9H).
【0300】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−トリメチルシラニルエチニル− 安息香酸t−ブチルエステル(0.57g 、1.37mmol) をテトラヒドロフラン(5ml) 中に溶解し、テトラヒドロフラン(1.7ml、1.51mmol) 中のテトラブチルアンモニウムフルオライドおよび酢酸(2:3 )の0.9M溶液で3 時間処理した。揮発性物質を真空蒸発させ、粗製物質を酢酸エチル(35ml)の中に抽出した。酢酸エチル抽出液を1M塩酸(5ml)、飽和重硫酸ナトリウム溶液(5ml)、ブライン(5ml) で洗浄し、真空蒸発させると、0.36g(76%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−エチニル− 安息香酸t−ブチルエステルが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.74(d, J=10Hz, 1H), 8.12(s, 1H), 7.65(d, J=10Hz, 1H), 3.08(s, 1H), 1.62(s, 9H), 1.58(s, 9H).
【0301】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−エチニル− 安息香酸t−ブチルエステル(0.36g 、1.04mmol) を、室温において50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(15ml)で3 時間処理した。反応混合物を真空濃縮し、残留物を水およびジエチルエーテルで洗浄すると、乾燥後、0.21g(86%) の標題化合物が得られた。
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ8.23(d, J=10Hz, 1H), 8.05(s, 1H), 7.76(d, J=10Hz, 1H), 4.24(s, 1H)
LC/MS[M−H]: 232.07
HPLC(254.4nm): 3.112s,(49 %) .
【0302】
実施例 24
【化51】
Figure 2004500308
5−(3− ジメチルアミノ プロプ −1 −イニル )−2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸
無水テトラヒドロフラン(40ml)中の5−ヨードアントラニル酸(3.0g、11.4mmol) およびN, N− ジイソプロピルエチルアミン(4ml 、22.8mmol) の溶液に、インダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(4.47g 、22.8mmol) を添加した。
【0303】
反応を室温において3 時間撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、粗製混合物を酢酸エチル(70ml) の中に抽出した。有機抽出液を1 %塩酸(2 ×15ml) およびブライン(10ml)で洗浄し、真空蒸発させると、2.8g(63 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.57(d, J=9Hz, 1H), 8.43(d, J=2Hz, 1H), 8.00(d, J=9Hz, 2Hz, 1H), 1.59(s, 9H).
【0304】
窒素雰囲気下にジクロロメタン(15ml)中の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸(2.1g、5.37mmol) の溶液に、トリエチルアミン(3.75g 、26.85mmol)およびN, N− ジメチルアミノピリジン(0.1g) を添加した。メトキシメチルクロライド(1.2ml , 16.11mmol)を添加し、反応混合物を4 時間撹拌し、最小体積に真空濃縮し、これをシリカゲルのカラムに直接負荷し、50%酢酸エチル/ヘキサンで溶離した。純粋な画分を一緒にし、濃縮すると、1.5g(64 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸メトキシメチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.56(d, J=9Hz, 1H), 8.42(s, 1H), 7.89(d, J=9Hz, 1H), 5.54(s, 2H), 3.60(s, 3H),1.61(s, 9H).
【0305】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸メトキシメチルエステル(0.16g 、1.11mmol) 、トリエチルアミン(51μl 、0.37mmol) および1−ジメチルアミノ−2− プロピン(0.12ml、1.11mmol) の溶液を無水アセトニトリル(3ml) 中で調製し、アルゴンでパージした。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5mg、0.0074mmol) およびヨウ化銅(I)(1mg 、0.0074mmol) を添加し、反応をアルゴン雰囲気下に18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10ml)中に再溶解した。有機相を1 塩酸(5ml)で洗浄し、水相を追加の酢酸エチルで抽出した。
【0306】
一緒にした有機抽出液をブライン(5ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮すると、油が得られた。粗製油をジクロロメタン中に溶解し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、5 %メタノール/ジクロロメタン/0.1 %トリエチルアミンを溶離剤として使用した。純粋な画分を一緒にすると、81mg(60 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− ジメチルアミノ− プロプ−1− イニル)−安息香酸メトキシメチルエステルが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.52(s, 1H), 8.75(d, J=9Hz, 1H), 8.21(s, 1H), 7.64(d, J=9Hz, 1H), 5.53(s, 2H), 3.59(s, 3H), 3.46(s, 2H), 2.38(s, 6H), 1.61(s, 9H).
【0307】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− ジメチルアミノ− プロプ−1− イニル)−安息香酸メトキシメチルエステル(32.3g)を、室温において50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(3ml) で処理した。この混合物を固体に濃縮し、生ずる固体をジクロロメタンで洗浄すると、20mg(83 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ8.60(d, J=9Hz, 1H), 8.05(s, 1H), 7.60(d, J=9Hz, 1H), 4.07(s, 2H), 2.73(s, 6H).
【0308】
実施例 25
【化52】
Figure 2004500308
5−(2−((1− ベンジルカルバモイル −3− メチル ブチル )− イソプロピル カルバモイル )− ビニル )−2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸
5−(2−((1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−イソプロピル− カルバモイル)−ビニル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−安息香酸メトキシメチルエステル(0.41g 、0.22mmol) を、50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(6ml) の溶液で2.5 時間処理した。この混合物を真空濃縮し、水から沈澱させた。生ずる結晶質固体を濾過し、真空乾燥すると、0.10g(85%) の標題化合物が固体として得られた。
【0309】
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.76(d, J=9Hz, 1H), 8.31(s, 1H), 7.94(d, J=9Hz, 1H), 7.49(d, J=16Hz, 1H),7.46−7.38(m, 5H), 7.13(d, J=16Hz, 1H), 4.49(m, 1H), 4.10(s, 2H), 3.95(m, 1H), 2.49(m, 1H), 1.90(m, 1H), 1.56(m, 1H), 1.38(d, J=6Hz, 3H), 1.35(d, J=7Hz, 3H), 0.97(d, J=6Hz, 6H).
LC/MS[M−H] : 522.55.
【0310】
下記の化合物を実施例1 におけるのと同様な方法で製造した。
実施例 26
【化53】
Figure 2004500308
4− フルオロ −2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ7.11(m, 1H), 8.12(m, 1H), 8.42(dd, 1H), 12.62(s, 1H, NHCO).
【0311】
実施例 27
【化54】
Figure 2004500308
5− ヒドロキシ −2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.19(s, 1H), 9.78(bs, 1H), 8.44(d, J=10Hz, 1H),7.42(d, J=2Hz, 1H), 7.05(dd, J=10Hz, 2Hz).
【0312】
実施例 28
【化55】
Figure 2004500308
5− メチル −2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.20(s, 1H), 8.51(d, J=10Hz, 1H), 7.83(d, J=2Hz, 1H), 7.42(dd, J=10Hz, 2Hz, 1Hz), 2.29(s, 3H).
【0313】
実施例 29
【化56】
Figure 2004500308
5−(3− オクチル イソキサゾール −5− イル )−2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
アセトン(15ml)中の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸(1.8g 、4.6mmol)および炭酸カリウム(1.6g 、11.5mmol) の溶液に、ヨードメタン(3g) を添加した。反応を2時間加熱還流させ、次いでTLC 分析に反応が完結したことがわかった。粗製混合物を酢酸エチル(75ml)で希釈し、水(2×15ml) およびブライン(10ml)で洗浄した。有機相を真空濃縮すると、1.8g(94 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸メチルエステルが得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.52(s, 1H), 8.53(d, J=9Hz, 1H), 8.39(s, 1H), 8.87(d, J=9Hz, 1H), 3.98(s, 3H), 1.61(s, 9H).
【0314】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸メチルエステル(0.86g 、2.12mmol) 、トリメチルシリルアセチレン(2ml) およびトリエチルアミン(1.2ml、8.48mmol) をN, N− ジメチルホルムアミド(5ml) 中に溶解し、この溶液をアルゴンでパージした。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(30mg 、0.42mmol) およびヨウ化銅(I)(4mg , 0.021mmol)を添加し、反応をアルゴン雰囲気下に3 時間撹拌した。粗製混合物を酢酸エチル(40ml)で希釈し、水(3×10ml) およびブライン(2×10ml) で洗浄した。有機相を真空蒸発させると、0.8g(99 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−トリメチルシラニルエチニル− 安息香酸メチルエステルが得られ、これをそれ以上精製しないで使用した。
【0315】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−トリメチルシラニルエチニル− 安息香酸メチルエステル(0.15g 、0.4mmol)をテトラヒドロフラン(2ml) 中に溶解し、テトラヒドロフラン(0.44ml 、0.4mmol)中のテトラブチルアンモニウムフルオライドおよび酢酸(2:3 )の0.9M溶液で3 時間処理した。揮発性物質を真空蒸発させ、粗製物質を酢酸エチル(25ml)の中に抽出した。酢酸エチル抽出液を1M塩酸(5ml) 、飽和重硫酸ナトリウム溶液(5ml) で洗浄し、真空蒸発させると、0.1g(83 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−エチニル− 安息香酸メチルエステルが油として得られた。
【0316】
テトラヒドロフラン(3ml) 中の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−エチニル− 安息香酸メチルエステル(0.1g、0.33mmol) およびノナルドキシム(0.15g、0.99mmol) の溶液を漂白剤(0.75M、1.3ml 、0.99mmol) で処理した。反応を室温において24撹拌した。TLC 分析により、出発物質の存在が示されたので、反応を35℃に12時間加熱した。溶媒を真空除去し、粗製物質を酢酸エチル(35ml)中に溶解し、水(2×10ml) およびブライン(10ml)で洗浄した。
【0317】
有機抽出液を真空蒸発させると、0.1g(66 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− オクチル− イソキサゾリル−4− イル)−安息香酸メチルエステルが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.89(d, J=10Hz, 1H), 8.52(d, J=1Hz, 1H), 7.97(dd, J=10, 1Hz, 1H), 6.41(s. 1H), 4.02(s, 3H), 2.73(t, J=8Hz, 2H), 1.70(m, 2H), 1.62(s, 9H), 1.37−1.25(bm, 12H), 0.89(t, J=8Hz, 3H).
【0318】
50%メタノール/テトラヒドロフラン(2ml) 中の上記( イソキサゾリル−4− イル)−安息香酸メチルエステル(9.1mg、0.02mmol) の溶液に、1N水酸化リチウム(60 μl 、0.06mmol) を添加し、生ずる混合物を室温において48時間撹拌した。TLC 分析(30 %メタノール/ジクロロメタン) により反応の完結が示され、追加の1N水酸化リチウムを添加した(20μl 、0.002mmol)。反応をさらに72時間撹拌した。反応混合物のpHを1N塩酸の添加により約0 に調節した。
【0319】
この混合物を真空濃縮し、粗製物質を酢酸エチル(20ml)中に溶解した。有機層をブライン(2×5ml)で洗浄し、真空濃縮すると、5.4mg(70%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.87(d, J=10Hz, 1H), 8.55(s, 1H), 8.04(d, J=10Hz, 1H), 6.74(s, 1H), 2.70(t, J=8Hz, 2H), 1.72(m, 2H), 1.38−1.20(bm, 12H), 0.90(t, J=8Hz, 3H).
【0320】
実施例 30
【化57】
Figure 2004500308
5−(2−((1− ベンジルカルバモイル −3− メチル ブチル )− イソプロピル カルバモイル )− エチル )−2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
メタノール(5ml) 中のイソプロピルアミン(0.43ml、5.0mmol)の溶液に、イソバレルアルデヒド(0.54ml、5.0mmol)を添加した。15分間撹拌した後、テトラヒドロフラン中のベンジルイソシアニドの溶液(1M、5ml , 5.0mmol)を添加し、次いでアクリル酸(0.34ml、5.0mmol)を添加した。反応を室温において72時間撹拌し、揮発性物質を真空除去し、生ずる油を酢酸エチル(40ml)中に溶解した。
【0321】
有機混合物を1N塩酸(10ml) およびブライン(10ml)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空蒸発させた。粗製残留物をクロマトグラフィーにより精製し、30%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサンからまでの勾配を使用した。純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、1.5g(100%) のN−(1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−N−イソプロピル− アクリルアミドが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ8.13(bs, 1H), 7.30−7.19(m, 5H), 6.49(dd, J=16Hz, 12Hz, 1H), 6.25(d, J=16Hz, 1H), 5.66(d, J=12Hz, 1H), 4.38(d, J=6Hz, 2H), 4.10−4.02(m, 1H), 2.22−2.13(m, 1H), 1.76−1.70(m, 1H), 1.62−1.54(m, 2H), 1.25(d, J=7Hz, 3H), 1.20(d, J=7Hz, 3H),0.94(d, J=7Hz, 3H), 0.90(d, J=7Hz, 3H).
【0322】
N, N− ジメチルホルムアミド中のN−(1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−N−イソプロピル− アクリルアミド(0.55g 、1.74mmol) 、2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−ヨード− 安息香酸メチルエステル(0.5g、1.15mmol) 、酢酸パラジウム(3.0mg、0.023mmol)およびトリ(o− トリル) ホスフィン(10.0mg 、0.07mmol) の溶液をアルゴン雰囲気下に、撹拌しながら、100 ℃に3 時間加熱した。反応を室温に冷却し、酢酸エチル(50ml)中で希釈した。有機相を水(2×15ml) およびブライン(10ml)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空蒸発させた。粗製油質をクロマトグラフィーにより精製し、30%酢酸エチル/ヘキサンを溶離剤として使用した。
【0323】
純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、0.15g(20%) の5−(2−((1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−イソプロピル− カルバモイル)−ビニル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−安息香酸メトキシメチルエステルが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.58(s, 1H), 8.82(d, J=9Hz, 1H), 8.22(s, 1H), 7.80(d, J=9Hz, 1H), 7.60(d, J=16Hz, 1H), 7.30−7.22(m, 5H), 6.80(d, J=16Hz, 1H), 5.58(s, 2H),4.43(bs, 2H), 4.21−4.15(m, 1H), 3.60(s, 3H), 2.21−2.16(m, 1H), 1.82−1.78(m, 1H), 1.61(s, 9H), 1.61−1.58(m, 1H), 1.35(d, J=7Hz, 3H),1.24(t, J=7Hz, 3H), 0.99(d, J=7Hz, 3H), 0.94(d, J=7Hz, 3H).
【0324】
メタノール(1ml) 中の5−(2−((1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−イソプロピル− カルバモイル)−ビニル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−安息香酸メトキシメチルエステル(10.7mg 、0.017mmol)の溶液に、5 %パラジウム/炭素(2.2ng) を添加し、生ずる混合物を水素ガス(30psi) 下に3 時間撹拌した。この混合物をセライトを通して濾過し、真空蒸発させた。NMR により反応が完結しないことが示されので、それを水素化条件にさらに4 時間付した。再び、この混合物を濾過し、真空蒸発させると、5−(2−((1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−イソプロピル− カルバモイル)−エチル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−安息香酸メトキシメチルエステルが油として得られた。
【0325】
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.41(s, 1H), 8.68(d, J=9Hz, 1H), 8.07(bs, 1H), 7.98(s, 1H), 7.43(d, J=9Hz, 1H), 7.30−7.22(m, 5H), 5.52(s, 2H), 4.45−4.33(m, 2H), 4.04−3.96(m, 2H), 3.58(s, 3H), 2.95(t, J=7Hz, 2H), 2.72−2.61(m, 2H), 2.30(m, 1H), 1.62(s, 9H), 1.59(m, 1H partially obscured by neighboring singlet), 1.22(d, J=6Hz, 6H), 0.95(d, J=7Hz, 3H), 0.91(d, J=7Hz, 3H).
【0326】
5−(2−((1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−イソプロピル− カルバモイル)−エチル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−安息香酸メトキシメチルエステル(4mg、0.0064mmol) をアセトン(3ml) 中に溶解し、3 滴の1N塩酸で処理した。反応を2 日間撹拌し、次いでアセトンを真空蒸発させた。残留物を酢酸エチル(10ml)中に溶解し、ブライン(2×2ml)で洗浄し、真空蒸発させた。生ずる油を20%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(3ml) で3 加熱処理した。揮発性物質を真空蒸発させると、2mg(61%) の標題化合物が油として得られた。
【0327】
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.64(d, J=9Hz, 1H), 8.00(s, 1H), 7.51(d, J=9Hz, 1H), 7.50−7.40(m, 5H), 4.17(t, J=8Hz, 1H), 4.14(s, 2H), 3.73(m, 1H), 2.95(t, J=6Hz, 2H), 2.82−2.63(m, 2H), 2.42(m, 1H), 1.80(m, 1H), 1.30(m, 1H), 1.26(d, J=6Hz, 3H), 1.10(d, J=6Hz, 3H), 0.90(d, J=6Hz, 6H).
LC/MS [M−H] : 524.74
【0328】
実施例 31
【化58】
Figure 2004500308
5−(2−((1− カルバモイル −3− メチル ブチル )− イソプロピル カルバモイル )− エチル )−2−( オキサリル アミノ )− 安息香酸:
【0329】
5−(2−((1− ベンジルカルバモイル−3− メチル− ブチル)−イソプロピル− カルバモイル)−ビニル)−2−( オキサリル− アミノ)−安息香酸(33ng、0.063mmol)および105 %パラジウム/炭素をメタノール(3ml) 中で混合し、水素ガス(1気圧) 下に18時間撹拌した。この混合物をセライトを通して濾過し、揮発性物質を真空蒸発させると、27mg(99 %) の標題化合物が得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.64(d, J=9Hz, 1H), 8.00(s, 1H), 7.51(d, J=9Hz, 1H), 4.17(t, J=8Hz, 1H), 3.72(m, 1H), 2.96(t, J=6Hz, 2H), 2.82−2.63(m, 2H), 2.41(m, 1H), 1.80(m, 1H), 1.30(m, 1H), 1.25(d, J=6Hz, 3H), 1.13(d, J=6Hz, 3H), 0.90(d, J=6Hz, 6H).
LC/MS [M−H] : 435.66
【0330】
実施例 32
【化59】
Figure 2004500308
2−((5− メルカプト −[1.3.4] オキサジアゾール −2− カルボニル )− アミノ )− 安息香酸:
エタノール(75ml)中の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−安息香酸(2.0g 、8.43mmol) の溶液に、ヒドラゾンハイドレート(0.8g 、16.86mmol)を添加した。生ずる混合物を還流温度において3 時間撹拌した。冷却した反応混合物に水(200ml) を添加し、この混合物を1N塩酸でpH=4 に酸性化した。沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において16時間真空乾燥し、これにより1.4g(69 %) の2−( ヒドラジノオキサリル− アミノ)−安息香酸が固体として得られた。
【0331】
0 ℃に冷却したメタノール(20ml)中の上記2−( ヒドラジノオキサリル− アミノ)−安息香酸(1.0g、4.15mmol) の溶液に、水酸化カリウム(0.5g 、8.72mmol) および二硫化炭素(0.7g、9.54mmol) を添加した。生ずる混合物を低温において6 時間撹拌した。冷却した反応混合物に、水(100ml) を添加し、この混合物を1N塩酸でpH=1 に酸性化した。沈澱を濾過し、水およびヘプタンで洗浄し、50℃において真空乾燥した。乾燥した生成物(0.65g)をシリカゲル(400ml) のクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル中の5 %酢酸を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、揮発性物質を真空蒸発させた。
【0332】
残留物水で洗浄し、50℃において16時間真空乾燥すると、0.4g(36 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:226−237℃
10Sについての計算値;
C, 45.28%; H, 2.66 %; N, 15.84%.
測定値;C, 45.48%; H, 2.66 %; N, 15.36%.
【0333】
実施例 33
【化60】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ )− イソニコチン酸:
0 ℃において乾燥テトラヒドロフラン(50ml)中の3−アミノ− イソニコチン酸(0.5g、3.62mmol) およびトリエチルアミン(1ml)の撹拌溶液に、エチルオキサリルクロライド(0.5g 、3.69mmol) を滴下した。生ずる反応混合物を室温において3 時間撹拌し、濾過し、揮発性物質を真空蒸発させた。残留物に、水(50ml)を添加し、生ずる混合物をジエチルエーテル(2×50ml) で抽出した。
【0334】
有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO) し、溶媒を真空蒸発させると、0.4g(46 %) の3−( エトキシオキサリル− アミノ)−イソニコチン酸が固体として得られた。
エタノール(25ml)中の上記イソニコチン酸(0.4g 、1.7mmol)の溶液に、水(10ml)中の水酸化ナトリウム(141mg、3.53mmol) の溶液を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(50ml)中に溶解し、ジエチルエーテル(50ml)で洗浄した。水相に1N塩酸をpH=1 に添加した。沈澱を濾過し、50℃において18時間真空乾燥した。
【0335】
乾燥した固体残留物を沸騰するアセトン(50ml)で5 分間洗浄し、濾過し、50℃において真空乾燥すると、80mg(22 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.: >250℃;
についての計算値;
C, 45.72%; H, 2.88 %; N, 13.33%.
測定値;C, 45.62%; H, 2.98 %; N, 13.04%.
【0336】
実施例 34
【化61】
Figure 2004500308
5−( オキサリル アミノ )−2, 6− ジオキソ −1, 2, 3, 6− テトラヒドロ ピリミジン −4− カルボン酸:
テトラヒドロフラン(1ml) 中の5−アミノオロチン酸(61.1mg、0.36mmol) の溶液に、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(140mg、0.71mmol) およびトリエチルアミン(50μl 、0.36mmol) を添加した。この混合物を室温において20時間撹拌した。
【0337】
溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(5.0ml) 中に溶解し、1 %塩酸(2×2ml)で洗浄し、次いで水(2×2ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物を調製用TLC(Kieselgel 60F254、0.5mm 、ヘキサン:酢酸エチル、80:20)により精製すると、30mg(28 %) の5−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−2, 6− ジオキソ−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ− ピリミジン−4− カルボン酸が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.80(s, 9H), 7.56(s, 2H), 8.96(s, 1H).
【0338】
5−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−2, 6− ジオキソ−1, 2, 3, 6−テトラヒドロ− ピリミジン−4− カルボン酸(28mg、0.094mmol)を、室温においてジクロロメタン中の20%トリフルオロ酢酸(1.0ml) 中で2 時間撹拌した。反応混合物をトルエンと真空共蒸発乾固させると、22.6mg(100%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.30(s, 2H).
【0339】
実施例 35
【化62】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ )− ピラジン −2− カルボン酸:
テトラヒドロフラン(1ml) 中の3−アミノピラジン−2− カルボン酸(64.2mg 、0.46mmol) の溶液に、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(180mg、0.92mmol) およびトリエチルアミン(64.3 μl 、0.46mmol) を添加した。この混合物を室温において20時間撹拌した。
【0340】
溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(5.0ml) 中に溶解し、1 %塩酸(2×2ml)で洗浄し、次いで水(2×2ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をジエチルエーテル(4×1.0ml)で洗浄すると、48mg(39 %) の3−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−ピラジン−2− カルボン酸が固体として得られた。
HNMR(CDCl+CDOD)δ1.70(s, 9H), 8.02(d, 1H, J=1.5Hz), 8.36(d, 1H, J=1.5Hz).
【0341】
3−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−ピラジン−2− カルボン酸(31.7mg、0.12mmol) を、室温においてジクロロメタン中の20%トリフルオロ酢酸(1.0ml) 中で2 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物をトルエンと真空共蒸発乾固させると、25mg(100%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ7.80(d, 1H, J=1.5Hz), 8.15(d, 1H, J=1.5Hz), 8.62(s, 1H).
【0342】
実施例 36
【化63】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )− ニコチン酸:
テトラヒドロフラン(1ml) 中の2−アミノニコチン酸(61.4mg、0.45mmol) の溶液に、イミダゾル− 酢酸1−イル− オキソ−t− ブチルエステル(174.2mg、0.89mmol) およびトリエチルアミン(62μl 、0.45mmol) を添加した。この混合物を室温において20時間撹拌した。
【0343】
溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(5.0ml) 中に溶解し、1 %塩酸(2×2ml)で洗浄し、次いで水(2×2ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物(125mg) を調製用TLC(Kieselgel 60F254、1mm 、CHCl/MeOH 、80/20)により精製すると、7.9mg(7 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−ニコチン酸が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ1.80(s, 9H), 7.40(m, 1H), 8.50−8.70(m, 2H).
【0344】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−ニコチン酸(7.1mg、0.03mmol) を、室温においてジクロロメタン中の20%トリフルオロ酢酸(0.5ml) 中で2 時間撹拌した。揮発性物質を真空共蒸発乾固させると、5.6mg(100 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.40(m, 1H), 8.50−8.70(m, 2H).
【0345】
実施例 37
【化64】
Figure 2004500308
6− クロロ −5− イソプロピルアミノ −3−( オキサリル アミノ )− ピラジン −2− カルボン酸:
テトラヒドロフラン(1ml) 中の3−アミノ−6− クロロ−5− イソプロピルアミノ− ピラジン−2− カルボン酸(65.4mg 、0.27mmol) の溶液に、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(104.8mg、0.54mmol) およびトリエチルアミン(37.4μl 、0.27mmol) を添加した。この混合物を室温において20時間撹拌し、次いで50℃に1.5 時間加熱した。
【0346】
溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(5.0ml) 中に溶解し、1 %塩酸(2×2ml)で洗浄し、次いで水(2×2ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗製の97mg(97 %) の3−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−6−クロロ−5− イソプロピルアミノ− ピラジン−2− カルボン酸が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.50(d, 6H), 1.80(s, 9H), 4.10(s, 3H), 4.40(m, 1H).
【0347】
3−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−6−クロロ−5− イソプロピルアミノ− ピラジン−2− カルボン酸(30mg、0.1mmol)をテトラヒドロフラン(1ml) 中に溶解し、室温において1.0N水酸化リチウム(1ml、1mmol)を添加した。反応混合物を室温において3 日間撹拌した。溶媒を真空除去した後、残留物を酢酸エチル(20ml)中に溶解し、水(4×3.0ml)で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、21mg(82 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ1.42(d, 6H), 4.50(m, 1H).
MS m/z 228(M−74).
【0348】
実施例 38
【化65】
Figure 2004500308
5, 6− ジクロロ −3−( オキサリル アミノ )− ピラジン −2− カルボン酸・ジリチウム塩:
テトラヒドロフラン(0.5ml) 中の3−アミノ−5, 6−ジクロロ− ピラジン−2− カルボン酸(57mg、0.26mmol) の溶液に、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(100.6mg、0.513mmol)およびトリエチルアミン(35.8μl 、0.26mmol) を添加した。この混合物を室温において20時間撹拌し、次いで40℃に4 時間加熱した。
【0349】
溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチル(5.0ml) 中に溶解し、1 %塩酸(2×2ml)で洗浄し、次いで水(2×2ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留油を調製用TLC(Kieselgel 60F254、1mm 、ヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製すると、23.6mg(26 %) の3−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5, 6− ジクロロ− ピラジン−2− カルボン酸が油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.58(s, 9H), 1.80(s, 9H), 3.90(s, 3H).
【0350】
テトラヒドロフラン(0.5ml) 中の3−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5, 6− ジクロロ− ピラジン−2− カルボン酸(23mg、0.07ml) の溶液に、水酸化リチウム(0.5ml) の1.0N溶液を添加し、生ずる混合物を3 日間撹拌した。溶媒を真空除去した後、残留物を酢酸エチル(20ml)中に溶解し、水(4×3.0ml)で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、14mg(80 %) の標題化合物が固体として得られた。
MS m/z 290.3(M−74).
【0351】
実施例 39
【化66】
Figure 2004500308
2− メチル −4−( オキサリル アミノ )−1H− ピロール −3− カルボン酸:
ジクロロメタン(20ml)中の4−( メトキシオキサリル− アミノ)−2−メチル−1H−ピロール−3− カルボン酸t−ブチルエステル(2.0g、7.09mmol) の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(10ml)を添加した。生ずる反応混合物を室温において2 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させると、1.6g(100%) の4−( メトキシオキサリル− アミノ)−2−メチル−1H−ピロール−3− カルボン酸が固体として得られた。
【0352】
エタノール(100ml) 中の上記ピロール−3− カルボン酸(1.2g、5.31mmol) の溶液に、水(50ml)中の水酸化ナトリウム(0.47g、11.7mmol) の溶液を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(100ml) 中に溶解した。水相に濃塩酸をpH=1 に添加した。この懸濁液を酢酸エチル(50ml)およびジクロロメタン(50ml)で洗浄し、沈澱を濾過し、50℃において2 時間真空乾燥した。固体をイソプロパノール(100ml)中に溶解し、濾過し、真空蒸発させると、0.4g(36 %) の標題化合物が固体として得られた。
, 0.1xHO としての計算値;
C, 44.91%; H, 3.86 %; N, 12.98%.
測定値C, 45.06%; H, 3.89 %; N, 12.72%.
【0353】
実施例 40
【化67】
Figure 2004500308
1− ベンジル −3−( オキサリル アミノ )−1H− ピラゾール −4− カルボン酸:
0 ℃の乾燥テトラヒドロフラン(150ml) 中の3−アミノ−1H−ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステル(5.0g、0.032mmol)の撹拌溶液に、エチルオキサリルクロライド(5.3g 、0.039mmol)を滴下した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。エチルオキサリルクロライド(5.3g 、0.039mmol)の追加の部分を滴下し、反応混合物を室温においてさらに18時間撹拌した。
【0354】
揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(200ml) と酢酸エチル(200ml) との混合物中に溶解した。未溶解物質を濾過し、50℃において18時間真空乾燥すると、4.0g(49 %) の3−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、3.7g(45 %) の3−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。7.7g(94 %) の総収率が得られた。
【0355】
乾燥N, N− ジメチルホルムアミド(75ml)中の上記ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステル(3.7g、0.015mol) の溶液に、水素化ナトリウム(640mg、0.016mol、鉱油中の60%) を添加した。生ずる反応混合物を室温において0.5 時間撹拌した。この反応混合物に、ベンジルブロミド(2.7g 、0.016mol) を添加し、この混合物を50℃において4 時間撹拌した。水(100ml) を添加し、反応混合物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。
【0356】
一緒にした有機抽出液を水(100ml) 、飽和塩化ナトリウム水溶液(2×50ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物(3.8g)をシリカゲル(800ml) 上に精製し、酢酸エチルとヘプタンとの混合物(1:1) を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、0.9g(18 %) の1−ベンジル−3−(エトキシオキサリル− アミノ)−1H− ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0357】
純粋でない画分を収集し、溶媒を真空蒸発させた。残留物(1.0g)をジエチルエーテル(30ml)結晶化させ、濾過し、50℃において2 時間真空乾燥すると、0.9g(18 %) の1−ベンジル−3−(エトキシオキサリル− アミノ)−1H− ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。1.8g(36 %) の総収率が得られた。
エタノール(50ml)中の上記1H− ピラゾール−4− カルボン酸エチルエステル(0.9g、2.61mmol) の溶液に、水(25ml)中の水酸化ナトリウム(0.26g、6.51mol)の溶液を添加した。生ずる反応混合物を室温において60時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(100ml) 中に溶解した。
【0358】
水相に濃塩酸をpH=1 に添加した。沈澱を濾過し、50℃において18時間真空乾燥すると、0.55g(73%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:189−191℃:
1311,1.75xHOとしての計算値;
C, 48.68%; H, 4.56 %; N, 13.10%.
測定値C, 48.81%; H, 4.17 %; N, 12.84%.
【0359】
実施例 41
【化68】
Figure 2004500308
4− シクロヘキシル −2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
エタノール(10ml)中の4−シクロヘキシル−2−(エトキシオキサリル− アミノ)−チオフェン−3− カルボン酸(60mg、0.18mmol) の溶液に、水(5ml) 中の1N水酸化ナトリウム(0.5ml) の溶液を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。この反応混合物に、濃塩酸をpH=1 に添加した。沈澱を濾過し、50℃において18時間真空乾燥すると、30mg(55 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.: >250℃:
1315NOS, 1.5x HOとしての計算値;
C, 48.14%; H, 5.59 %; N, 4.32 %.
測定値C, 47.84%; H, 9.92 %; N, 4.21 %.
【0360】
実施例 42
【化69】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4− フェニル チオフェン −3− カルボン酸:
エタノール(50ml)中の4−フェニル−2−(エトキシオキサリル− アミノ)−チオフェン−3− カルボン酸エチルエステル(2.2g、6.33mmol) の溶液に、水(25ml)中の水酸化ナトリウム(630mg、15.83mmol)を添加した。
【0361】
生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌し、揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(100ml) 中に溶解し、ジエチルエーテル(2×100ml)で洗浄した。水相に濃塩酸をpH=1 に添加し、生ずる混合物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。一緒にした有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させると、NMR によれば、0.8gのモノエチルエステルおよび標題化合物の混合物が得られた。生成物の混合物をエタノール(40ml)、水(20ml)および水酸化ナトリウム(400ml) の混合物中に溶解し、生ずる混合物を室温において18時間撹拌し、揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(50ml)中に溶解し、ジエチルエーテル(50ml)で洗浄した。
【0362】
水相に濃塩酸をpH=1 に添加し、沈澱を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、2−プロパノール(25ml)中に溶解した。未溶解物質を濾過し、有機相を真空蒸発させると、180mg(10%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:196−198℃:
13NOS, 0.5 HOについての計算値;
C, 52.00%; H, 3.36 %; N, 4.66 %.
測定値C, 52.21%; H, 3.44 %; N, 4.50 %.
【0363】
実施例 43
【化70】
Figure 2004500308
5−(4− フルオロ フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
乾燥テトラヒドロフラン(40ml)中の5−(4− フルオロ− フェニル)−3−アミノチオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(1.0g 、4.0mmol)およびトリエチルアミン(11.1ml 、80mmol) の溶液を氷上で冷却し、エチルオキサリルクロライド(1.2g 、9.0mmol)を滴下した。
【0364】
2 時間撹拌した後、反応混合物を溶媒を真空蒸発させた。残留物をジクロロメタン中に溶解し、0.1N塩酸(2×−dicared) で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、トルエン/酢酸エチル(19:1)を溶離剤として使用すると、1.19g(85%) の5−(4− フルオロ− フェニル)−3−( エトキシオキサリル− アミノ)−チオフェン−2− カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0365】
メタノール(150ml) 中の5−(4− フルオロ− フェニル)−3−( エトキシオキサリル− アミノ)−チオフェン−2− カルボン酸エチルエステル(1.19g 、3.4mmol)の溶液に、2N水酸化ナトリウム(20ml)を添加した。反応混合物を60℃において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させた。残留物に水および1N塩酸をpH=1 に添加し、生成物をジクロロメタン/2−プロパノールの混合物で抽出した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。生成物をメタノール/水から再結晶化させると、619mg(67%) の標題化合物が固体として得られた。
13FNOS, 0.5HOとしての計算値;
C, 49.06%; H, 2.83 %; N, 4.40 %.
測定値C, 49.06%; H, 2.72 %; N, 4.31 %.
【0366】
実施例43に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 44
【化71】
Figure 2004500308
5−(4− イソブチル フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
1717NOS, 0.33xHOとしての計算値;
C, 57.79%; H, 5.00 %; N, 3.96 %.
測定値C, 57.79%; H, 5.08 %; N, 3.89 %.
【0367】
実施例 45
【化72】
Figure 2004500308
5−(4− クロロ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸 ・一ナトリウム塩:
M.p.: >250℃:
13ClNOSNa, 1xHOとしての計算値;
C, 42.63%; H, 2.52 %; N, 3.55 %.
測定値C, 42.69%; H, 2.48 %; N, 3.83 %.
【0368】
実施例 46
【化73】
Figure 2004500308
4−( オキサリル アミノ )−[2.3]− ビチオフェニル −5− カルボン酸:
M.p.:220−222℃:
11NOとしての計算値;
C, 44.44%; H, 2.37 %; N, 4.71 %.
測定値C, 44.17%; H, 2.43 %; N, 4.54 %.
【0369】
実施例 47
【化74】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ )−5− フェニル チオフェン −2− カルボン酸・一ナトリウ ム塩:
M.p.: >250℃:
13NOSNa, 1.6xHOとしての計算値;
C, 45.64%; H, 3.30 %; N, 4.09 %.
測定値C, 45.25%; H, 2.93 %; N, 3.92 %.
【0370】
実施例 48
【化75】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸・一ナトリウム塩:
M.p.: >250℃:
NOSNa, 1.5x HOとしての計算値;
C, 31.83%; H, 2.67 %; N, 5.30 %.
測定値C, 32.23%; H, 3.14 %; N, 5.15 %.
【0371】
実施例 49
【化76】
Figure 2004500308
4− メチル −3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸・一ナトリウム塩
M.p.:232−234℃:
NOSNa, 1.5x HOとしての計算値;
C, 34.54%; H, 3.26 %; N, 5.03 %.
測定値C, 34.58%; H, 3.30 %; N, 4.81 %.
【0372】
実施例 50
【化77】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ )−5−(4− フェノキシ フェニル )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: 230 ℃(分解)
1913NOS, 1.25x HO としての計算値
C, 56.22%; H, 3.85 %; N, 3.45 %.
測定値C, 56.00%; H, 3.57 %; N, 3.39 %.
【0373】
実施例 51
【化78】
Figure 2004500308
5−(4− ベンジルオキシ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: 210 ℃(分解)
2015NOSとしての計算値
C, 60.45%; H, 3.80 %; N, 3.52 %.
測定値C, 59.94%; H, 3.79 %; N, 4.45 %.
【0374】
実施例 52
【化79】
Figure 2004500308
5−(4−(4− メトキシ フェノキシ )− フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: 215 ℃(分解)
2015NOS, 1.5HOとしての計算値
C, 54.54%; H, 4.12 %; N, 3.18 %.
測定値C, 54.80%; H, 3.88 %; N, 3.15 %.
【0375】
実施例 53
【化80】
Figure 2004500308
5−(4− ヒドロキシ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸・一ナトリウム塩
M.p.: 205−206 ℃
13NOSNa, 0.75x HOとしての計算値
C, 45.42%; H, 3.08 %; N, 4.07 %.
測定値C, 45.11%; H, 3.16 %; N, 3.98 %.
【0376】
実施例 54
【化81】
Figure 2004500308
5−(3− ニトロ フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
室温において窒素雰囲気下にジクロロメタン(2.2ml) 中の3−ニトロフェネチルアルコール(102mg 、0.61mmol) に、ジクロロメタン(2.7ml) 中のデス・マーチン(Dess−Martin) パーイオディナン試薬(285mg 、0.67mmol) の溶液を添加した。反応混合物を室温において窒素雰囲気下に45分間撹拌し、この時TLC 分析( ヘキサン/酢酸エチル、50/50)により反応の完結が示された。
【0377】
ジエチルエーテル(5.0ml) を添加し、次いで10%硫酸ナトリウム/飽和重炭酸ナトリウム(1:1 、5.0ml)の溶液を添加した。10分間静置後、このエマルジョンは透明な不均質溶液になった。追加のジクロロメタンを添加し、有機相を水(5ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させると、100mg(100 %) の3−ニトロフェニル− アセトアルデヒドが透明な油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ3.90(s, 2H), 7.65(d, 2H), 8.20(s, 1H), 8.25(m, 1H), 9.90(s, 1H).
【0378】
N, N− ジメチルホルムアミド(0.5ml) 中のt−ブチルシアノアセテート(67mg 、0.48mmol) 、3−ニトロフェニル− アセトアルデヒド(86mg、0.52mmol) 、トリエチルアミン(73μl 、0.52mmol) および元素状硫黄(17mg、0.52mmol) の混合物を60℃において1.5 時間撹拌した。室温に冷却した後、暗色溶液を酢酸エチルで希釈し、水(3×5ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、粗製2−アミノ−5−(3−ニトロ− フェニル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(191mg)が得られた。
【0379】
調製用TLC (ヘキサン/酢酸エチル、80/20 )により精製すると、74mg(49 %) の2−アミノ−5−(3−ニトロ− フェニル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.56(s, 9H), 6.05(s, 2H), 7.20(s, 1H), 7.40(t, 1H), 7.68(d, 1H), 7.90(d, 1H), 8.25(s, 1H).
【0380】
テトラヒドロフラン(0.5ml) 中の2−アミノ−5−(3−ニトロ− フェニル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(66mg、0.21mmol) 、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(202mg、1.03mmol) およびトリエチルアミン(40.4 μl 、0.21mmol) の溶液を室温において3 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル中に溶解し、水(3×5ml)およびブライン(5ml) で連続的に洗浄した。有機層を乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、粗生成物が得られた。
【0381】
調製用TLC により精製すると、91mg(98 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(3− ニトロ− フェニル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.54(s, 9H), 1.62(s, 9H), 7.5(s, 1H), 7.55(t, 1H, J=8.4Hz), 7.84(d, 2H, J=8.4Hz), 8.16(d, 1H, J=8.4Hz), 8.45(s, 1H).
MS m/z : 447(M−1).
【0382】
上記3−ニトロフェニル− チオフェン(85mg、0.19mmol) をジクロロメタン(3.0ml) 中のトリフルオロ酢酸の20%溶液中に溶解し、室温において6 時間撹拌した。この溶液をトルエンと真空共蒸発乾固させると、64mg(100%) の標題化合物が得られた。
H−NMR(400MHz, CDOD) δ7.71(t, 1H, J=8.25Hz), 7.8(s, 1H), 8.1(d, 1H, J=7.5Hz), 8.2(d, 1H, J=9Hz), 7.86(m, 1H).
MS m/z : 335(M−1).
【0383】
実施例54に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 55
【化82】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−( フェニル メチル チオフェン −3− カルボン酸:
M.p.: 230−231 ℃
1411NOSとしての計算値
C, 54.89%; H, 3.63 %; N, 4.40 %.
測定値C, 54.94%; H, 3.63 %; N, 4.43 %.
【0384】
実施例 56
【化83】
Figure 2004500308
5−( ナフタレン −2− イル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.42−7.49(m, 2H), 7.66(d, 1H, J=4.5Hz), 7.75(m, 1H), 7.8−7.9(m, 3H), 8.04(d, 1H, J=7.5Hz).
【0385】
実施例 57
【化84】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5− フェニル チオフェン −3− カルボン酸:
M.p.: 238−240 ℃
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.3(t, 1H, J=4.5Hz), 7.38(t, 1H, J=4.5Hz), 7.54(s, 1H), 7.61(m, 3H).
13NO 1xHO としての計算値;
C, 47.13%; H, 3.04 %; N, 4.23 %.
測定値C, 47.34%; H, 3.53 %; N, 4.20 %.
【0386】
実施例 58
【化85】
Figure 2004500308
5−(2− フルオロ フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.18−7.23(m, 2H), 7.30(m, 1H), 7.63−7.69(m, 2H).
MSm/z : 308(M−1).
【0387】
実施例 59
【化86】
Figure 2004500308
5−(3− クロロ フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
収率:99%。
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.28(m, 1H), 7.38(m, 1H), 7.52−7.61(m, 3H).
MSm/z: 324(M−1).
【0388】
実施例 60
【化87】
Figure 2004500308
5−(2, 4− ジクロロ フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.37(m, 1H), 7.39(m, 1H), 7.52−7.58(m, 3H).
MSm/z: 358(M−1).
【0389】
実施例 61
【化88】
Figure 2004500308
5−(4− ブロモ フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.51(s, 4H), 7.54(s, 1H).
MSm/z: 370(M−1).
【0390】
実施例 62
【化89】
Figure 2004500308
5− エチル −2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ1.35(t, 3H, J=3.75), 2.95(q, 2H), 7.05(s, 1H).
MSm/z: 170.2(M−73)(−COCOOH), 228.1(M−1).
【0391】
実施例 63
【化90】
Figure 2004500308
5− メチル −2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ2.6(s, 3H), 7.05(s, 1H).
MSm/z: 228(M−1).
【0392】
実施例 64
【化91】
Figure 2004500308
5−(3− メチル フェニル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ2.39(s, 3H), 7.12(d, 1H, J=8Hz), 7.25(t, 1H, J=7.5Hz), 7.4(m, 2H), 7.5(s, 1H).
MSm/z: 304, 232(M−1).
【0393】
実施例 65
【化92】
Figure 2004500308
5− ジベンゾフラン −2− イル −2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDCOCD) δ7.4(t, 1H, J=2Hz), 7.52(t, 1H, J=2Hz), 7.7(m, 3H), 7.9(t, 1H, J=2Hz), 8.25(d, 1H, J=2Hz), 8.5(s, 1H).
MSm/z: 380.5(M−1).
【0394】
実施例 66
【化93】
Figure 2004500308
5−(2−(4− クロロ フェニル )− エチル )− チオフェン −3− カルボン酸・一ナトリウム塩:
M.p.: >250℃
1511ClNa, 0.75xHOとしての計算値
C, 46.28%; H, 3.24 %; N, 3.60 %.
測定値C, 46.17%; H, 3.38 %; N, 3.40 %.
【0395】
実施例 67
【化94】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
M.p.:225−228℃
, 1.25xHOとしての計算値
C, 35.37%; H, 3.18 %; N, 5.89 %.
測定値C, 35.53%; H, 2.82 %; N, 5.72 %.
【0396】
実施例 68
【化95】
Figure 2004500308
5−(1, 3− ジオキソ −1, 3− ジヒドロ イソインドール −2− イルメチル )−2−( オキサリル アミノ チオフェン −3− カルボン酸:
ジクロロメタン(1ml) 中の2−(3− ヒドロキシ− プロピル)−イソインドール−1, 3−ジオン(0.2g 、0.97mmol) 、0.7N臭化ナトリウム(0.7ml、0.46mmol) 、2, 2, 6, 6− テトラメチル−1− ピペリジニルオキシ、遊離基TEMPO(3.0mg 、0.02mmol) の0 ℃の撹拌混合物に、漂白剤(2.1ml, 4.9mmol)および炭酸水素ナトリウム(117mg 、1.4mmol)の溶液を滴下した。添加完了後、混合物を0 ℃において2 時間撹拌した。
【0397】
この混合物を酢酸エチル(3×20ml) で抽出した。一緒にした有機抽出液を10%チオ硫酸ナトリウム(3×10ml) 、ブライン(10ml)で洗浄し、乾燥(MgSO) し、溶媒を真空蒸発させた。残留物を酢酸エチル(2×1ml)で洗浄すると、乾燥後、161mg(81%) の3−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イル)−プロピオンアルデヒドが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ9.82(s, 1H), 7.85(dd, 2H, J=5.6, 2.8Hz), 7.73(dd, 2H, J=5.6, 2.8Hz), 4.04(t, 2H, J=7.2Hz), 2.89(t, 2H, J=7.2Hz).
【0398】
ジクロロメタン(10ml)中の上記(150mg 、0.74mmol) 、トリエチルアミン(113ml 、0.81mmol) および硫黄(24mg、0.81mmol) の溶液に、室温においてt−ブチルシアノアセテート(114mg 、0.81mmol) を添加した。この混合物を撹拌し、窒素雰囲気下に2 時間加熱還流させた。室温に冷却した後、沈澱を濾過し、189mg の2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0399】
濾液を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(50ml)中に取り、0.5 N塩酸(2×10ml) 、飽和重亜硫酸ナトリウム溶液(2×10ml) 、ブライン(10ml)で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過した。溶媒を真空蒸発させ、残留物を冷酢酸エチル(2×1ml)で洗浄すると、52, mgの2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。241g(91 %) の総収率が得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ7.86(dd, 2H, J=7.2, 4Hz), 7.72(dd, 2H, J=7.2, 4Hz), 6.97(s, 1H), 5.83(s, 2H, NH), 4.78(s, 2H),1.56(s, 9H)
【0400】
テトラヒドロフラン(2ml) 中の上記チオフェン(100mg 、0.28mmol) の撹拌溶液に、テトラヒドロフラン(1ml) 中のイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(60mg 、0.31mmol) の溶液を添加した。この混合物を室温において3 時間撹拌した。溶媒を真空蒸発させた。残留物を酢酸エチル(50ml)中に溶解し、0.5 N塩酸(2×5ml)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×5ml)、ブライン(5ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過した。溶媒を真空蒸発させると、130mg(96%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.23(s, 1H), 7.87(dd, 2H, J=7.2, 4Hz), 7.73(dd, 2H, J=7.2, 4Hz), 7.24(s, 1H), 4.93(s, 2H), 1.60(s, 9H), 1.57(s, 9H).
【0401】
ジクロロメタン(1ml) 中のトリフルオロ酢酸(1ml) の溶液に、上記ジt−ブチルエステル(100mg , 0.21mmol) を添加した。この溶液を室温において1 時間撹拌した。残留物をジクロロメタン(3×1ml)で洗浄すると、63mg(82 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.05(s, 1H), 7.89(m, 2H), 7.87(m, 2H), 7.10(s, 1H), 4.83(s, 2H).
MSm/z: 373(M−1).
【0402】
実施例43に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 69
【化96】
Figure 2004500308
5−(3, 4− ジメトキシ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: 230−231 ℃
15131, 1xHO として計算
C, 48.78%; H, 4.09 %; N, 3.79 %.
測定値C, 49.01%; H, 3.75 %; N, 3.79 %.
【0403】
実施例 70
【化97】
Figure 2004500308
5−(3− メチル フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.:217−218℃
1411, 0.75xHOとして計算
C, 50.22%; H, 3.76 %; N, 4.18 %.
測定値C, 50.02%; H, 3.73 %; N, 4.16 %.
【0404】
実施例 71
【化98】
Figure 2004500308
5−(3, 5− ジメトキシ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: 223−225 ℃
15131, 1.25xHOとしての計算値
C, 48.19%; H, 4.18 %; N, 3.75 %.
測定値C, 48.25%; H, 4.10 %; N, 3.39 %.
【0405】
実施例 72
【化99】
Figure 2004500308
5−(3− ニトロ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: >250℃
13Na, 1.25xHOとしての計算値
C, 41.01%; H, 2.51 %; N, 7.36 %.
測定値C, 41.03%; H, 2.38 %; N, 7.17 %.
【0406】
実施例 73
【化100】
Figure 2004500308
5−(3− アミノ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
M.p.: >250℃
1310, 0.5xHO としての計算値
C, 49.52%; H, 3.52 %; N, 8.88 %.
測定値C, 49.48%; H, 3.44 %; N, 8.71 %.
【0407】
実施例 74
【化101】
Figure 2004500308
5−(4− メトキシ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン 酸:
M.p.: 220−221 ℃
14111, 0.4xHO としての計算値
C, 51.19%; H, 3.62 %; N, 4.62 %.
測定値C, 51.29%; H, 3.53 %; N, 3.96 %.
【0408】
実施例 75
【化102】
Figure 2004500308
5−(4− アミノ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
1310, 0.5xHO としての計算値
C, 49.52%; H, 3.52 %; N, 8.88 %.
測定値C, 49.40%; H, 3.87 %; N, 8.23 %.
【0409】
実施例 76
【化103】
Figure 2004500308
5−(4−(2−(2− メトキシ フェニル )−2− オキソ エトキシ )− フェニル )−3−( オキサ リル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
N, N− ジメチルホルムアミド(35ml)中の3−( エトキシオキサリルアミノ)−5−(4− ヒドロキシフェニル) チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(524mg 、1.5mmol)および炭酸カリウム(275mg、2.0mmol)の溶液に、窒素雰囲気下にω− ブロモ−2− メトキシアセトフェノン(460mg 、2.0mmol)を添加した。3 時間撹拌した後、沈澱の粗製3−( エトキシオキサリルアミノ)−5−(4−(2−(2− メトキシフェニル)−2−オキシ− エトキシ) フェニル)−チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(1.0g) を濾過した。
【0410】
メタノール(15ml)中の粗製3−( エトキシオキサリルアミノ)−5−(4−(2−(2− メトキシフェニル)−2−オキシエトキシ) フェニル)−チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(0.5g) の溶液に、1N水酸化ナトリウム(10ml)を添加した。65℃において3 時間撹拌した後、生成物を濾過により単離し、水およびエタノールの混合物(1:1) で洗浄すると、290mg の標題化合物が固体として得られた。
M.p.: 286−287 ℃.
2218Na としての計算値;
C, 50.19%; H, 3.42 %; N, 2.66 %.
測定値C, 51.18%; H, 3.42 %; N, 2.58 %.
【0411】
実施例 77
【化104】
Figure 2004500308
5−(4− カルボキシメトキシ フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸・三ナトリウム塩:
N, N− ジメチルホルムアミド(5ml) 中の3−( エトキシオキサリルアミノ)−5−(4− ヒドロキシフェニル) チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(307mg 、1.0mmol)および炭酸カリウム(166mg、1.2mmol)の溶液に、窒素雰囲気下に2−ブロモアセトアミド(165mg、1.2mmol)を添加した。50℃において16時間撹拌した後、水の添加により反応混合物を急冷し、沈澱5−(4− カルバモイルメトキシ− フェニル)−3−( エトキシオキサリルアミノ)−チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(70mg) が濾過により単離された。
【0412】
濾液のpHを1N塩酸で1 〜2 に調節し、半加水分解生成物、5−(4− カルバモイルメトキシ− フェニル)−3−( オキサリルアミノ)−チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(300mg )が濾過により単離された。メタノール(5ml) および水(5ml) 中の5−(4− カルバモイルメトキシ− フェニル)−3−( オキサリルアミノ)−チオフェン−2− カルボン酸メチルエステル(295mg 、0.78mmol) の懸濁液に、1N水酸化ナトリウム(2ml) を添加した。5 日間撹拌した後、沈澱を濾過すると、105mg(88%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.: >300℃.
151210Naとしての計算値
C, 38.56%; H, 2.59 %; N, 3.00 %.
測定値;C, 38.73%; H, 2.74 %; N, 3.06 %.
【0413】
実施例77に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 78
【化105】
Figure 2004500308
5−(4−(4− フルオロ ベンジルオキシ )− フェニル )−3−( オキサリル アミノ )− チオフェン −2− カルボン酸:
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ5.15(s, 2H), 7.1(d, 2H), 7.25(t, 2H),7.55(q, 2H), 7.7(d, 2H), 8.2(s, 1H).
SP/MS: 415(M+, 12 %), 372, 353, 299, 218, 190, 162, 109(100%).
【0414】
実施例 79
【化106】
Figure 2004500308
5−((2−(1, 3− ジオキソ −1, 3− ジヒドロ イソインドール −2− イル )− アセチルアミノ )− メチル )−2−( オキサリル アミノ )− チオフェン −3− カルボン酸:
ジクロロメタン(2ml) 中の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イル− メチル)−チオフェン−3− カルボン酸tve(0.4g、0.82mmol、実施例30に記載されているようにして製造した)の溶液に、無水ヒドラジン(28ml 、0.9mmol)を添加し、この混合物を周囲温度において窒素雰囲気下に19時間撹拌した。
【0415】
ヒドラジン(84ml、2.7mmol)およびジクロロメタン(5.5ml) の追加の部分を添加し、さらに88時間撹拌した。ジクロロメタン(50ml)を添加し、反応混合物をソニケーター中に20分間入れ、セライトを通して濾過した。濾液を真空蒸発させると、0.24g(82%) の5−アミノメチル−2−(t−ブトキシオキサリル− アミノ)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られ、これをそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
【0416】
窒素雰囲気下に氷浴中で冷却した乾燥アセトニトリル(10ml)中の(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イル)−酢酸(0.17g、0.82mmol) 、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.133g 、0.98mmol) および2, 6ルチジン(0.4ml) の溶液に、1−(3− ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカーボジイミド塩酸塩(0.21g、1.1mmol)を添加し、この溶液を0.5 時間撹拌した。5−アミノメチル−2−(t−ブトキシオキサリル− アミノ)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.24g 、0.68mmol) を添加し、冷却浴を除去し、この溶液を周囲温度において20時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物をジクロロメタン中に溶解し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液および1N塩酸で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空蒸発させた。
【0417】
残留物(0.18g) を窒素雰囲気下に乾燥テトラヒドロフラン(6ml) 中に溶解し、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(0.25g、1.3mmol)を添加し、この溶液を周囲温度において17時間撹拌し、溶媒を真空蒸発させ、残留物をジクロロメタンと飽和水性重炭酸ナトリウム溶液との混合物中に溶解した。有機層を乾燥(NaSO)し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけると、0.1gの2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−((2−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イル)−アセチルアミノ)−メチル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.3(bs, 1H), 7.9(m, 2H), 7.8(m, 2H), 7.1(s, 1H), 6.5(m, 1H), 4.6(m, 2H), 4.4(s, 2H), 1.8(s, 9H), 1.6(s, 9H).
【0418】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−((2−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イル)−アセチルアミノ)−メチル)−チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.1g、0.18mmol) に、ジクロロメタン(4ml) 中の20%トリフルオロ酢酸を添加し、反応混合物を窒素雰囲気下に周囲温度において14時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、固体が残るまで、残留物をジクロロメタンで粉砕した。沈澱を濾過し、18時間真空乾燥すると、標題化合物が定量的に固体として得られた。
M.p.: 243−244 ℃(分解).
MSm/z: 430(M−1).
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.1(s, 1H), 8.9(s, 1H), 7.8−7.9(m, 4H), 7.1(s, 1H), 4.4(m, 2H), 4.2(s, 2H).
【0419】
実施例 80
固相化学のアプローチを使用して、64メンバーのライブラリーを下記のスキームに従い合成した。
【化107】
Figure 2004500308
【0420】
【化108】
Figure 2004500308
はR 基の結合点を示す。
百分率は220nm におけるHPLCのピークの面積を意味する。
【0421】
【表18】
Figure 2004500308
【0422】
【表19】
Figure 2004500308
【0423】
【表20】
Figure 2004500308
【0424】
【表21】
Figure 2004500308
【0425】
【表22】
Figure 2004500308
【0426】
【表23】
Figure 2004500308
【0427】
実施例 81
【化109】
Figure 2004500308
6− ベンゾイル −2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸、一ナトリウム塩:
【0428】
ベンゼン(100ml) 中のN−ベンゾイル−4− ピペリドン(20.0g、0.1mol) 、エチルシアノアセテート(10.9ml 、0.1mol) 、酢酸アンモニウム(2.0g)および酢酸(6ml) の混合物を、ディーン・スターク水トラップを装備した3 首反応フラスコ中で還流温度に1 時間加熱させた。冷却した反応混合物を酢酸エチル(100ml) で希釈し、水(3×100ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(80ml)で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させると、定量的収率で(1− ベンゾイル− ピペリジン−4− イリデン)−シアノ− 酢酸エチルエステルがゆっくり結晶化する油として得られた。
【0429】
エタノール(35ml)中の上記ベンゾイル− ピペリジン−4− イリデン(10.0g 、0.034mol) 、硫黄(1.13g 、0.035mol) 、モルホリン(6.5ml)の混合物を50℃に2 時間加熱し、室温において一夜撹拌した。沈澱を濾過し、96%エタノール(3×50ml) 、ジエチルエーテル(3×50ml) で洗浄し、真空乾燥すると、9.27g(84%) の2−アミノ−6− ベンゾイル−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− チエノ[2, 3−c]ピリジン−3− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0430】
0 ℃において乾燥テトラヒドロフラン(30ml)中の上記4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[2, 3−c]ピリジン−3− カルボン酸エチルエステル(5.0g、0.015mol) 、トリエチルアミン(4.21ml、0.03mol)の撹拌溶液に、乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中のエチルオキサリルクロライド(1.9ml、0.017mol) の溶液を滴下した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌し、氷水(300ml)中に注ぎ、酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させると、4.2g(84 %) の6−ベンゾイル−2−(エトキシオキサリル− アミノ)−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[2, 3−c]ピリジン−3− カルボン酸エチルエステルが結晶化するが油として得られた。
【0431】
エタノール(100ml) 中の上記[2, 3−c]ピリジン−3− カルボン酸エチルエステル(4.2g、9.76mmol) の溶液に、水(100ml) 中の水酸化ナトリウム(0.9g 、21.46mmol)の溶液を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水(100ml) 中に溶解し、酢酸エチル(2×100ml)で洗浄した。水相に濃塩酸をpH=1 に添加し、沈澱を濾過し、水(2×50ml) 、ジエチルエーテル(2×30ml) で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、2.9g(79 %) の標題化合物が固体として得られた。
【0432】
M.p.: 非晶質:
1713Na1,1xHO としての計算値;
C, 49.28%; H, 3.65 %; N, 6.76 %.
測定値;C, 49.31%; H, 3.86 %; N, 6.53 %.
【0433】
実施例81に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 82
【化110】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ ベンゾ[ ]チオフェン −3− カルボン酸:
M.p.: 230−231 ℃:
1111NOSとしての計算値;
C, 49.07%; H, 4.12 %; N, 5.20 %.
測定値;C, 49.87%; H, 4.37 %; N, 5.06 %.
【0434】
実施例 83
【化111】
Figure 2004500308
6− ベンゾイル −2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
1716,1.75HO についての計算値;
C, 52.10%; H, 5.01 %; N, 7.15 %.
測定値;C, 52.11%; H, 4.81 %; N, 7.01 %.
【0435】
実施例 84
【化112】
Figure 2004500308
6− メチル −2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
M.p.: >250℃
1112S, 0.6HO についての計算値;
C, 44.77%; H, 4.51 %; N, 9.49 %.
測定値;C, 44.54%; H, 4.17 %; N, 9.21 %.
【0436】
実施例 85
【化113】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸 ナトリウム塩:
M.p.: >250℃
10SNa, 0.75xHOについての計算値;
C, 39.16%; H, 3.12 %; N, 4.57 %.
測定値;C, 39.29%; H, 3.67 %; N, 4.41 %.
【0437】
実施例 86
【化114】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
1818S, 1xHOについての計算値;
C, 55.09%; H, 5.14 %; N, 7.14 %.
測定値;C, 55.47%; H, 5.04 %; N, 7.07 %.
【0438】
実施例 87
【化115】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ −4, 7− エタノ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
1212S, 0.75xHO についての計算値;
C, 46.52%; H, 4.39 %; N, 9.04 %.
測定値;C, 46.48%; H, 4.79 %; N, 8.87 %.
【0439】
実施例 88
【化116】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸、塩酸塩:
4−オキソ− ピペリジンカルボン酸t−ブチルエステルを出発物質として使用した。ジクロロメタン中の25%トリフルオロ酢酸を使用してBoc 基を除去した。
1010S, 1HCl, 0.5xHOについての計算値;
C, 38.35%; H, 4.34 %; N, 8.64 %.
測定値;C, 38.04%; H, 3.83 %; N, 8.87 %.
【0440】
実施例 89
【化117】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− ピリジン −2− イルメチル −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
アセトン(40ml)中の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− チエノ[2, 3−c]ピリジン−3− カルボン酸エチルエステルトリフルオロ酢酸塩(1.5g、3.40mmol) 、炭酸カリウム(2.4g 、17.1mmol) の混合物に、2−ピコリルクロライド塩酸塩(0.61g 、3.7mmol)を添加した。
【0441】
生ずる混合物を還流温度において18時間撹拌し、濾過し、真空蒸発させた。残留物をジエチルエーテルで粉砕し、固体を濾過し、シリカゲル(300ml)上に精製し、酢酸エチル/エタノール/トリエチルアミン(3:1:0.4) の混合物を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、溶離剤を真空蒸発させると、650mg(39%) の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−ピリジン−2− イルメチル−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− チエノ[2, 3−c]ピリジン−3− カルボン酸トリエチルアンモニウム塩が固体として得られた。
【0442】
エタノール(15ml)中の上記トリエチルアンモニウム塩(650mg , 1.40mmol) の溶液に、1N水性水酸化ナトリウム溶液(4.1ml 、4.1mmol)を添加し、次いで水(15ml)を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を水( 中に溶解し、ジエチルエーテル(2×10ml) で洗浄した。水相に1N塩酸をpH=1 に添加し、水相を真空蒸発させた。残留物を2−プロパノール/水(1:1 、40ml) の混合物中に懸濁させ、1 時間撹拌し、固体を濾過し、2−プロパノール(2 ×15ml) で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、181mg(38%) の粗製標題化合物が得られた。
【0443】
粗生成物(181mg)を水(10ml)および5N水酸化ナトリウム(10ml)の混合物中に溶解し、ジエチルエーテル(2×10ml) で洗浄した。水相を1N塩酸でpH=3 に酸性化し、沈澱を濾過し、水(3×20ml) で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、51mg(11 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.: 238−244 ℃
1615S, 2.5xHOについての計算値;
C, 47.29%; H, 4.96 %; N, 10.34%.
測定値;C, 47.43%; H, 4.84 %; N, 10.00%.
【0444】
実施例89に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 90
【化118】
Figure 2004500308
6−(3− メトキシ ベンジル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
M.p.: 233−237 ℃
1818S, 1xHOについての計算値;
C, 52.93%; H, 4.94 %; N, 6.86 %.
測定値;C, 52.79%; H, 4.99 %; N, 6.42 %.
【0445】
実施例 91
【化119】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− ピリジン −2− イルメチル −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸・塩酸塩:
M.p.: 234−238 ℃
1615 1xHCl, 0.5xHOについての計算値;
C, 47.24%; H, 4.21 %; N, 10.33%.
測定値;C, 47.35%; H, 4.10 %; N, 10.35%.
【0446】
実施例 92
【化120】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− キノリン −2− イルメチル −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸
M.p.: >250℃
2017S, 1xHOについての計算値;
C, 55.95%; H, 4.22 %; N, 9.61 %.
測定値;C, 55.94%; H, 4.46 %; N, 9.78 %.
【0447】
実施例 93
【化121】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− ピリジン −2− イルメチル −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸、塩酸塩:
M.p.:230−235℃
1615S, 1xHCl, 1xHO についての計算値;
C, 46.21%; H, 4.36 %; N, 10.10%.
測定値;C, 45.82%; H, 4.42 %; N, 10.02%.
【0448】
実施例 94
【化122】
Figure 2004500308
6−( オキサリル アミノ )−1H− インドール −7− カルボン酸・一ナトリウム塩:
乾燥テトラヒドロフラン(100ml) 中の6−アミノ−1H−インドール−7− カルボン酸エチルエステル(1.5g、7.3mmol 、J.Org.Chem.61:1155−1158(1996) に記載されているようにして製造した)、トリエチルアミン(1.55ml 、11.0mmol) の撹拌溶液に、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)中のエチルオキサリルクロライド(980μl 、88.0mmol) の溶液を滴下した。生ずる反応混合物を室温において2 時間撹拌し、氷水(300ml) 中に注ぎ、沈澱を濾過し、50℃において真空乾燥すると、2.25g(100 %) の6−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− インドール−7− カルボン酸エチルエステルが油として得られた。
【0449】
エタノール(30ml)中の上記1H− インドール−7− カルボン酸エチルエステル(2.0g、6.60mmol) の溶液に、水(30ml)中の1N水性水酸化ナトリウム溶液(16.4ml 、16, 4mmol)を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留水相を1N塩酸でpH=1 に酸性化した。沈澱を濾過し、水(2×50ml) 、ジエチルエーテル(2×30ml) で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、1.34g(82%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃
11Na, 1.5xHOについての計算値;
C, 44.46%; H, 3.39 %; N, 9.43 %.
測定値;C, 44.31%; H, 3.34 %; N, 9.00 %.
【0450】
実施例94に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 95
【化123】
Figure 2004500308
6−( オキサリル アミノ )−1H− インドール −5− カルボン酸・一ナトリウム塩:
6−アミノ−1H−インドール−5− カルボン酸エチルエステルは、J.Org.Chem.61:1155−1158(1996) に記載されているようにして製造した。
M.p.:>250 ℃
11Na, 1.5xHOについての計算値;
C, 44.46%; H, 3.39 %; N, 9.43 %.
測定値;C, 44.44%; H, 3.68 %; N, 9.00 %.
【0451】
実施例 96
【化124】
Figure 2004500308
3−[4−(3− モルホリン −4− イル プロピオニル )− ピペラジン −1− イルメチル ]−6−( オキサリル アミノ )−1H− インドール −5− カルボン酸・一ナトリウム塩:
酢酸(8ml) 中の37%水性ホルムアルデヒド(2.7g、33.0mmol) の氷***液に、ピペラジン−1− カルボン酸t−ブチルエステル(2.7g 、15mmol) の溶液を滴下した。15分間撹拌した後、酢酸(80ml)およびテトラヒドロフラン(80ml)の混合物中の6−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− インドール−5− カルボン酸(4.0g、13.0mmol) の溶液を添加し、生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。
【0452】
揮発性物質を真空蒸発させ、残留物に水(100ml) を添加した。水相を酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、一緒にした有機抽出液を水(2×100ml)、飽和水性塩化アンモニウム溶液(1×80ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させた。残留物をジエチルエーテル(50ml)で粉砕し、沈澱を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、50℃において真空乾燥すると、3.4g(51 %) の3−(4− ブトキシカルボニル− ペラジン−1− イルメチル)−6−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0453】
ジクロロメタン(20ml)中の上記6−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステルの溶液に、室温においてトリフルオロ酢酸(20ml) を添加した。生ずる混合物を1時間撹拌し、揮発性物質を真空蒸発させ、残留物に水(50ml)を添加し、生ずる混合物を30分間撹拌した。沈澱を濾過し、水( 50で洗浄し、ジエチルエーテル(50ml)中に溶解し、50℃において真空乾燥すると、3.6g(100%) の6−( エトキシオキサリル− アミノ)−3−ピペラジン−1− イルメチル−1H−インドール−5− カルボン酸エチルエステルトリフルオロ酢酸塩が固体として得られた。
【0454】
ジクロロメタン(100ml) およびトリエチルアミン(2.5ml) 中の上記ピペラジン(3.0g , 5.81mmol) の氷冷混合物に、ジクロロメタン(10ml)中のクロロプロピオニル塩化物(0.6ml 、6.39mmol) の混合物を滴下した。生ずる混合物を室温において1時間撹拌し、水(50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させると、1.8g(68 %) の3−(4− アクリロイル− ペラジン−1− イルメチル)−6−( エトキシオキサリル− アミノ)−1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステルが油として得られた。
【0455】
エタノール(50ml)中の上記アクリロイル− ピペラジン(0.5g、1.1mmol)の溶液に、モルホリン(0.24g、2.74mmol) を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌し、揮発性物質を真空蒸発させた。残留物を水(50ml)中に溶解し、pHを1N塩酸で2 に調節し、酢酸エチル(2×50ml) で洗浄した。水相を1N水酸化ナトリウムで中和し、沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において3 時間真空乾燥すると、0.3g(50 %) の6−( エトキシオキサリル− アミノ)−3−[4−(3−モルホリン−4− イル− プロピオニル)−ピペラジン−1− イルメチル]−1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0456】
エタノール(5ml) 中の上記1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステル(0.2g、0.37mmol) の溶液に、水(15ml)中の水酸化ナトリウム(45mg 、1.10mmol) を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌し、1N塩酸の添加によりpHを1 に調節した。水相を酢酸エチル( ×25ml) で洗浄し、1N塩酸の添加によりpHを5 に調節し、次いでジクロロメタン(25ml)を添加した。沈澱を濾過し、水(50ml)で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、30mg(17 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃
LC−MS (E )M/Z 488
【0457】
実施例 97
【化125】
Figure 2004500308
1−(3− メトキシ ベンジル )−6−( オキサリル アミノ )−1H− インドール −5− カル ボン酸:
乾燥N, N− ジメチルホルムアミド(40ml)中の6−アミノ−1H−インドール−7− カルボン酸エチルエステル(1.0g、3.30mmol;J.Org.Chem.61:1155−1158(1996)に記載されているようにして製造した) の溶液に、水酸化ナトリウム(0.28g、7.3mmol;鉱油中の60%) を添加した。
【0458】
反応混合物を1.5 時間撹拌し、乾燥N, N− ジメチルホルムアミド(2.5ml) 中の3−メトキシベンジルクロライド(0.5ml、3.6mmol)の溶液を滴下した。生ずる混合物を1.5 時間撹拌し、水(300ml) 中に注ぎ、ジエチルエーテル(3×100ml)で洗浄した。未溶解物質を濾過し、水相を1N塩酸の添加によりpH=4 酸性化した。沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、400mg(29%) の6−( エトキシオキサリル− アミノ)−1−(3− メトキシ− ベンジル)−1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0459】
エタノール(10ml)中の上記1H− インドール−5− カルボン酸エチルエステル(0.3g 、0.7mmol)の溶液に、1N水酸化ナトリウム(2.1ml、2.1mmol)および水(10ml)を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、1N塩酸の添加によりpHを2 に調節し、沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、230mg(89%) の標題化合物が固体として得られた。M.p.:222−226℃
1916, 0.4xHO としての値算値;
C, 60.77%; H, 4.51 %; N, 7.46 %.
測定値;C, 60.96%; H, 4.44 %; N, 7.28 %.
【0460】
実施例81に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 98
【化126】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] チオピラン −3− カルボン酸:
10NOとしての計算値;
C, 41.80%; H, 3.16 %; N, 4.88 %.
測定値;C, 41.97% ; H, 3.20%; N, 4.69 %.
【0461】
実施例 99
【化127】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−9H− チエノ [2, 3−c] クロメン −3− カルボン酸・一ナトリウム塩:
【0462】
ベンゼン(500ml) 中の4−クロマノン(20g、0.14mmol) 、エチルシアノアセテート(16.8g、0.15mmol) および酢酸アンモニウム(11.4g、0.15mmol) の溶液に、酢酸(5ml) を添加し、生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌し、生成した水をディーン・スターク水トラップの中に集めた。酢酸アンモニウムの追加の部分(10g、0.13mmol) を添加し、さらに8 時間加熱還流させた。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物に水(500ml) を添加し、水相を酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。一緒にした有機抽出液を水(2×100ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させると、28g の未変化出発物質とクロマン−4− イリデン− シアノ− 酢酸エチルエステルが油として得られた。
【0463】
エタノール(250ml) 中の粗生成物の溶液に、硫黄(2.5g 、0.008mol) およびモルホリン(15ml)を添加した。生ずる混合物を50℃において4 時間撹拌し、室温に冷却し、濾過した。揮発性物質を真空蒸発させると、30g の粗生成物が得られた。
生成物を2 つの部分分割し、酢酸エチル/ヘプタン(1:3) 混合物を使用してシリカゲル(900ml) 上に半精製した。半純粋画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、粗製油が得られ、これをジエチルエーテル(80ml)中に溶解し、ヘプタン(125ml)の添加により結晶化させた。沈澱を濾過し、ヘプタンで洗浄し、50℃において真空乾燥すると、8.9g(24 %) の2−アミノ−9H−チエノ[2, 3−c]クロメン−3− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0464】
0 ℃の乾燥テトラヒドロフラン(100ml) 中の上記2−アミノ−9H−チエノ[2, 3−c]クロメン−3− カルボン酸エチルエステル(2.9g、10.53mmol)、トリエチルアミン(3ml) の撹拌溶液に、乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中のエチルオキサリルクロライド(1.6g 、11.6mmol) の溶液を滴下した。生ずる混合物を室温において1.5 時間撹拌し、氷水(200ml) 中に注ぎ、沈澱を濾過し、50℃において真空乾燥すると、2.6g(66 %) の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−9H− チエノ[2, 3−c]クロメン−3− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0465】
エタノール(25ml)中の上記エチルエステル(1.5g、4.0mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(480mg、12mmol) および水(50ml)を添加した。生ずる反応混合物を室温において42時間撹拌した。水(100ml) を添加し、この混合物をジエチルエーテル(100ml) で洗浄した。濃塩酸の添加によりpHを1 に調節し、沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、0.6g(47 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:227−228℃
14NOSNa, 0.5HO としての計算値;
C, 48.01%; H, 2.59 %; N, 4.00 %.
測定値;C, 48.39%; H, 2.93 %; N, 3.93 %.
【0466】
実施例 100
【化128】
Figure 2004500308
2−((2−H− テトラゾル −5− カルボニル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0467】
−20 ℃に冷却したN, N− ジメチルホルムアミド(1.6ml) およびアセトニトリル(5ml) の混合物に、アセトニトリル(1ml) 中の塩化オキサリル(0.8g 、6.31mmol) の混合物を滴下した。生ずる混合物を15分間撹拌し、テトラゾール−5− カルボン酸二カリウム塩(1g 、5.25mmol、J.Med.Chem.29:538−549(1986) に記載されているようにして製造した) を添加し、生ずる混合物をさらに20分間撹拌した。
【0468】
この混合物に、2−アミノ−4, 5−ジヒドロ−7H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(1.3g、5.25mmol) 、ピリジン(2.2ml) およびアセトニトリル(2.5ml) の溶液を2 時間かけて滴下した。反応混合物を室温に到達させ、次いでそれを還流温度に0.5 時間加熱した。冷却した混合物を水(100ml) 中に注ぎ、濃塩酸の添加によりpHを1 に調節した。沈澱を濾過し、ヘプタンで洗浄し、50℃において18時間真空乾燥すると、1.3g(70 %) の2−((1H− テトラゾール−5− カルボニル) アミノ)−4, 5− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0469】
上記t−ブチルエステル(0.6g、1.71mmol) をジクロロメタン(5ml) 中に溶解し、トリフルオロ酢酸(5ml)を添加した。生ずる反応混合物を室温において40分間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物にジエチルエーテル(50ml)、水(25ml)および1N水酸化ナトリウム(2ml) を添加した。相を分離し、水相をジエチルエーテル(50ml)で洗浄し、濃塩酸の添加によりpHを1 に調節した。沈澱を濾過し、水(25ml)で洗浄し、50℃において18時間真空乾燥すると、180mg(38%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃
10S, 0.25xHOとしての計算値;
C, 40.07%; H, 3.19 %; N, 23.36%.
測定値;C, 40.39% ; H, 3.18%; N, 22.92%.
【0470】
実施例 101
【化129】
Figure 2004500308
N−(3−(2H− テトラゾル −5− イル )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラジン −2− イル オキサルミン酸・二ナトリウム塩:
2−アミノ−4, 5−ジヒドロ−7H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸エチルエステル(26g 、0.114mol) をホルムアミド(200ml)中に溶解し、生ずる混合物を還流温度において1.5 時間撹拌した。室温に冷却した後、沈澱を濾過し、水(2×80ml) で洗浄し、50℃において18時間真空乾燥すると、10.0g(42%) の5, 6− ジヒドロ−8H−ピラノ[4’, 3’:4, 5] チエノ[2, 3−d]ピリミジン−4− オンが固体として得られた。
【0471】
オキシ塩化リン(70ml) に、上記ピリミジン−4− オン(7.0g、0.04mol)およびN, N− ジメチルホルムアミド(0.2ml) を添加した。生ずる混合物を還流温度において2 時間加熱し、氷水(700ml) 上に注いだ。沈澱を濾過し、酢酸エチル(400ml) および水(250ml) の混合物中に懸濁させ、15分間撹拌した。水相を濾過し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させると、5.2g(68 %) の4−クロロ−5, 6−ジヒドロ−8H−ピラノ[4’, 3’:4, 5] チエノ[2, 3−d]ピリミジンが固体として得られた。
【0472】
エタノール(40ml)中の上記チエノ− ピリミジン(4.5g、0.02mol)の加温溶液に、エタノール(20ml)中のヒドラゾンハイドレート(10.0ml)の溶液を滴下した。生ずる溶液を2 時間加熱還流させ、室温に冷却し、沈澱を濾過し、エタノール(20ml)で洗浄し、50℃において1.5 時間真空乾燥すると、3.2g(73 %) の5, 6− ジヒドロ−8H−ピラノ[4’, 3’:4, 5] チエノ[2, 3−d]ピリミジン−4− イルヒドラジンが固体として得られた。
【0473】
氷浴の中で冷却した50%水性酢酸(100ml) 中のヒドラジン(3.0g、0.014mol) の溶液に、水(10ml)中の亜硝酸ナトリウム(1.0g 、0.015mol) の溶液を滴下した。反応混合物を2 時間撹拌し、沈澱を濾過し、水(25ml)で洗浄し、50℃において1 時間真空乾燥すると、3.0g(95 %) の10, 11− ジヒドロ−8H−ピラノ[4’, 3’:4, 5] チエノ[3, 2−e]テトラゾロ[5, 1−c]ピリミジンが固体として得られた。
【0474】
ジオキサン(30ml)中の上記テトラゾロ(2.5g) の溶液に、1N水酸化ナトリウム(25ml)を滴下した。反応混合物を3 時間撹拌し、氷水(100ml) 中に注ぎ、酢酸の添加によりpHを4 調節した。沈澱を濾過し、水(25ml)で洗浄し、50℃において18時間真空乾燥すると、2.2g(82 %) のN−(3−(2H− テトラゾル−5− イル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラジン−2− イル) ホルムアミドが固体として得られた。
【0475】
上記ホルムアミド(0.6g、2.7mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(50ml)中に溶解し、トリエチルアミン(1ml) を添加した。生ずる混合物に氷浴の中で冷却し、これに乾燥テトラヒドロフラン(5ml) 中のエチルオキサリルクロライド(0.4g 、2.98mmol) の溶液を滴下した。生ずる反応混合物を室温において2 時間撹拌し、揮発性物質を真空蒸発させた。残留物に水(50ml)、ジエチルエーテル(50ml)および1N塩酸をpH=2 に添加し、小さい沈澱を濾過した。有機相を分離し、乾燥(NaSO)し、濾過し、真空蒸発させた。残留物(0.4g) をジクロロメタン(20ml)中に懸濁させ、1 時間撹拌し、固体物質を濾過し、50℃において真空乾燥すると、0.16g(18%) のN−(3−(2H− テトラゾル−5− イル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラジン−2− イル) オキサルミン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0476】
エタノール(15ml)中の上記オキサルミン酸エチルエステル(0.16g、0.49mmol) の溶液に、1N水酸化ナトリウム(1.0ml, 1.01mmol) を添加した。生ずる反応混合物を室温において2 時間撹拌した。沈澱を濾過し、エタノール(10ml)で洗浄し、50℃において48時間真空乾燥すると、40mg(83 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃
10SNa, 3xHOとしての計算値;
C, 30.54%; H, 3.33 %; N, 17.81%.
測定値;C, 30.70% ; H, 3.35%; N, 17.49%.
【0477】
実施例81に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 102
【化130】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピリジン 3, 6− ジカルボン酸 6− ベンジルエステル:
M.p.:>250 ℃
1816S としての計算値;
C, 53.46%; H, 3.99 %; N, 6.93 %.
測定値;C, 53.44% ; H, 4.15%; N, 6.69 %.
【0478】
実施例 103
【化131】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c]ピリジン−3, 6− ジカルボン酸 6− エチルエステル:
M.p.:245−247℃
1314S としての計算値;
C, 45.61%; H, 4.12 %; N, 8.18 %.
測定値;C, 45.71% ; H, 4.31%; N, 7.86 %.
【0479】
実施例 104
【化132】
Figure 2004500308
6− アセチル −2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸:
M.p.:242−244℃
1212S, 0.25xHO としての計算値;
C, 45.50%; H, 3.98 %; N, 8.84 %.
測定値;C, 45.64% ; H, 3.97%; N, 8.51 %.
【0480】
実施例 105
【化133】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− フェニルカルバモイルメチル −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ チエノ [2, 3−c] クロメン −3− カルボン酸:
M.p.:242−246℃
1817S, 1xHOとしての計算値;
C, 51.30%; H, 4.54 %; N, 9.97 %.
測定値;C, 51.08% ; H, 4.52%; N, 9.63 %.
【0481】
実施例 106
【化134】
Figure 2004500308
5−(1, 3− ジオキソ −1, 3− ジヒドロ イソインドール −2− イル メチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピリジン −3− カルボン酸
【0482】
ベンゼン(80ml)中のベンジルオキシアセトアルデヒド(8.3 g、0.06mol)の混合物に、1−メトキシ−3− トリメチルシリルオキシ−1, 3−ブタジエン(10.6g、0.06mol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下に15分間撹拌し、0 ℃に冷却し、0.2M塩化亜鉛(55ml、0.03ml) の溶液を滴下した。反応混合物を16時間かけて室温に放温した。生ずる油を酢酸エチル(100ml) で希釈し、1N塩酸(3 ×50ml) で洗浄し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(3 ×50ml) 、ブライン(3 ×50ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させた。
【0483】
生ずる油をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:2 )を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発後、7.1g60%) のベンジルオキシメチル−2, 3−ジヒドロ− ピラン−4− オンが油として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ7.39−7.31(m, 6H), 5.42(dd, J=6.1Hz, 1H), 4.61(d, J=3Hz, 1H), 4.57(m, 1H), 3.70(m, 2H), 2.74(dd, J=17Hz, 14Hz, 1H), 2.41(ddd, J=17Hz, 2Hz, 1Hz, 1H).
【0484】
酢酸エチル(50ml)中の上記2, 3− ジヒドロ− ピラン−4− オン(7.1g、0.032mol) および10%炭素担持パラジウム(0.4g) をパール(Parr)ボンベ震盪機中に入れ、30psi において水素化した。反応混合物を2 時間震盪し、この時TLC 分析( メタノール/ジクロロメタン1:9)により反応の完結が示された。反応混合物をシリカのパッドを通して濾過し、揮発性物質を真空蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチルを溶離剤として使用した。純粋な画分を収集すると、3.0g(75 %) の2−ヒドロキシメチル− テトラヒドロ− ピラン−4− オンが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ4.36−4.29(m, 1H), 3.77−3.66(m, 3H), 3.61−3.54(m, 1H), 2.65−2.43(m, 2H), 2.34−2.27(m, 2H), 2.04(bs, 1H, CHOH).
【0485】
上記テトラヒドロ− ピラン−4− オン(1.90g 、0.015mol) 、t−ブチルシアノアセテート(2.7g、0.019mol) 、硫黄(0.51g 、0.016mol) およびモルホリン(2.55ml、0.03mol)を無水エタノール(20ml)中に溶解し、50℃に16時間加熱した。反応混合物を冷却し、濾過し、濾液を真空蒸発させた。生ずる油を酢酸エチル(50ml)中に溶解し、水(2×50ml) 、ブライン(2×50ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) した。
【0486】
溶媒を真空蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:1 )を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発後、3.7g90%) の2−アミノ−5− ヒドロキシメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ4.64(s, 2H), 3.80−3.67(m, 3H), 2.77−2.72(m, 1H), 2.57−2.53(m, 1H), 1.54(s, 9H).
【0487】
上記カルボン酸t−ブチルエステル(3.0g, 0.015mol) 、フタルイミド(2.10g 、0.014mol) およびトリフェニルホスフィン(3.68g 、0.014mol) を乾燥テトラヒドロフラン(60ml)中に溶解し、窒素雰囲気下に0 ℃に冷却した。ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(2.71ml、0.014mol) を0 ℃においてを滴下し、この溶液を一夜撹拌し、室温にゆっくり放温した。揮発性物質を真空蒸発させ、生ずる固体を酢酸エチル(60ml)中に溶解した。有機相をブライン(2×50ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、真空蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、最初に酢酸エチル/ヘキサン(1:3 )を溶離剤として使用した。
【0488】
生成物がいったん溶離し始めると、溶離混合物を酢酸エチル/ヘキサン(1:2 )に切り替えた。純粋な画分を収集し、真空蒸発後、2.90g(47%) の2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ7.87−7.85(m, 2H), 7.83−7.71(m, 2H), 5.94(bs, 2H), 4.59(d, J=14Hz, 1H), 4.52(d, J=14Hz, 1H), 4.0−3.98(m, 2H), 3.83−3.79(m, 1H), 2.87(d, J=17Hz, 1H), 2.58(dd, J=17Hz, 9Hz, 1H), 1.50(s, 9H).
【0489】
ジクロロメタン(5ml) 中の上記4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.5g、1.2mmol)に、窒素雰囲気下にトリエチルアミン(0.33ml 、2.4mmol)およびイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル( (0.47g 、2.4mmol)を添加した。反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、固体残留物を酢酸エチル(20ml) 中に溶解した。有機相を1 %塩酸(2 ×10ml) 、ブライン(2×10ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) した。
【0490】
有機相を真空蒸発させると、0.64g(99%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.48(s, 1H, NHCO), 7.88−7.86(m, 2H), 7.74−7.72(m, 2H), 4.78(d, J=19Hz, 1H), 4.65(d, J=19Hz, 1H), 4.07−3.90(m, 2H), 3.88−3.80(m, 1H), 2.97(d, J=17Hz, 1H), 2.68(dd, J=17Hz, 9Hz, 1H), 1.58(s, 9H), 1.54(s, 9H).
【0491】
上記t−ブチルエステル(2.8g、5.16mol)をトリフルオロ酢酸およびジクロロメタン(1:5)の混合物(36ml) 中に溶解した。反応を室温において6 時間撹拌した。沈澱を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、50℃において真空乾燥すると、1.26g(57%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.: 245.2−245.6 ℃.
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H, NHCO), 7.95−7.80(m, 4H), 4.75(d, J=20Hz, 1H), 4.62(d, J=20Hz, 1H), 3.96−3.69(m, 3H), 3.01(d, J=18Hz, 1H), 2.60(dd, J=18Hz, 9Hz, 1H).
1914S としての計算値;
C, 53.02%; H, 3.28 %; N, 6.51 %.
測定値;C, 53.01%; H, 3.31 %; N, 6.41 %.
【0492】
実施例 107
【化135】
Figure 2004500308
6−( ベンゾイルアミノ メチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸を、エタノール(2ml) およびジクロロメタン(3ml) の溶液中に溶解した。
【0493】
ヒドラジン(28μl 、0.9mmol)を添加し、反応を窒素雰囲気下に室温において24時間撹拌した。TLC 分析により、出発物質がまだ存在することが示された。ヒドラジンの追加の部分(28μl 、0.9mmol)を添加し、反応を室温において16時間撹拌し、次いで45℃において5 時間撹拌した。この混合物を真空濃縮し、ジクロロメタン中に再溶解し、不溶性物質を濾過した。濾液を収集し、真空濃縮すると、粗製5−アミノメチル−2−(t−ブトキシオキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られ、これをそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
【0494】
上記粗製5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.25g 、0.60mmol) を、ジクロロメタンおよびアセトニトリル(1:1 、5ml)中に懸濁させた。トリエチルアミン(0.25ml 、1.8mmol)を添加し、次いで1−ヒドロキシ− ベンゾトリアゾールハイドレート(0.10g 、0.72mmol) および1−(3− ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカーボジイミド塩酸塩(0.14g 、0.72mmol) を固体として添加した。不均質反応混合物を室温において2時間撹拌し、その後この混合物は均質であった。
【0495】
溶媒を真空蒸発させ、残留物をジクロロメタン中に溶解し、1M塩酸で2 回洗浄し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、真空濃縮すると、固体が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1) 混合物を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発させると、50mg(2工程にわたって16%) の5−( ベンゾイルアミノ− メチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ12.46(s, 1H), 7.81(d, J=7Hz, 2H), 7.51−7.42(m, 3H), 6.72(bs, 1H), 4.83(d, J=17Hz, 1H), 4.74(d, J=17Hz, 1H), 4.05−3.98(m, 1H), 3.86−3.78(m, 1H), 3.45−3.38(m, 1H), 2.97(d, J=19Hz, 1H), 2.68(dd, J=19Hz, 9Hz, 1H), 1.61(s, 9H), 1.58(s, 9H).
【0496】
上記ベンゾイルアミノ− メチル− チエノ[2, 3−c]ピラン(40mg、0.078mmol)を、ジクロロメタン(2ml) 中の2 %トリフルオロ酢酸で4 時間処理した。揮発性物質を真空蒸発させ、ジクロロメタンで粉砕すると、沈澱が形成し、これを濾過し、乾燥すると、30mg(95 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.31(s, 1H), 8.63(t, J=4Hz, 1H), 7.86(d, J=7Hz, 2H), 7.51−7.43(m, 3H), 4.80(d, J=17Hz, 1H), 4.64(d, J=17Hz, 1H), 3.82(m, 1H), 3.44(m, 2H), 2.95(d, J=18, 1H), 2.52(dd, J=18Hz, 9Hz, 1H).
LC/MS[M−H]:403.39.
HPLC(254.4nm): 2.99s, 84%.
【0497】
実施例 108
【化136】
Figure 2004500308
5− ベンゾイルオキシメチル −2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0498】
2−アミノ−5− ヒドロキシメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.23g 、0.87mmol) 、安息香酸(0.10g 、0.96mmol) およびトリエチルアミン(0.23ml 、1.7mmol)をジクロロメタン(4ml) 中に溶解し、窒素雰囲気下に撹拌した。1−(3− ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカーボジイミド塩酸塩(0.17g、0.96mmol) および1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート(0.12g 、0.96mmol) を固体として添加した。反応混合物を室温において2 日間撹拌し、次いで溶媒を真空蒸発させた。粗製混合物を酢酸エチル中に溶解し、1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)した。
【0499】
溶媒を真空蒸発させると、黄色固体が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1) 混合物を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発させると、0.22g(70%) の2−アミノ−5− ベンゾイルオキシメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ 8.06(d, J=7Hz, 2H), 7.55(t, J=7Hz, 1H), 7.42(t, J=7Hz, 2H), 4.64(s, 2H), 4.44(d, J=5Hz, 2H), 4.03−3.97(m, 1H), 2.88(d, J=18Hz, 1H), 2.64(dd, J=17Hz, 10Hz, 1H), 1.50(s, 9H).
LC/MS[M+H]:390.48
【0500】
乾燥テトラヒドロフラン(5ml) 中に溶解した上記カルボン酸t−ブチルエステル(0.18g 、0.45mmol) に、窒素雰囲気下にトリエチルアミン(0.18ml 、1.4mmol)およびイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(0.26g、1.4mmol)を添加した。反応混合物を室温において3 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、生ずる固体を酢酸エチル(10ml) 中で再構成した。有機層を1 %塩酸(2 ×10ml) 、ブライン(2×10ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。
【0501】
生ずる油をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1) 混合物を溶離剤として使用すると、0.20g(90%) の5−ベンゾイルオキシメチル−2−(t−ブトキシオキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ 8.07(d, J=7Hz, 2H), 7.56(t, J=7Hz, 1H), 7.44(t, J=7Hz, 2H), 4.85(d, J=15Hz, 1H), 4.77(d, J=15Hz, 1H), 4.49(d, J=5Hz, 2H), 4.03−3.99(m, 1H), 2.99(d, J=17Hz, 1H), 2.72(dd, J=17Hz, 11Hz, 1H), 1.58(s, 9H), 1.60(s, 9H).
【0502】
上記t−ブチルエステル(0.15g 、0.29mmol) をジクロロメタン(3ml) 中の20%トリフルオロ酢酸中に溶解した。直ちに溶液は暗いオレンジ色化し、これは急速に赤色となった。反応を室温において1.5 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させると、褐色固体が得られ、これをジエチルエーテルおよび水で2 回洗浄した。生ずる固体を真空乾燥すると、30mg(25 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.40(s, 1H), 7.98(d, J=7Hz, 2H), 7.67(t, J=7Hz, 1H), 7.54(t, J=7Hz, 2H), 4.83(d, J=15Hz, 1H), 4.70(d, J=15Hz, 1H), 4.44(d, J=5Hz, 2H), 4.02−3.99(m, 1H), 2.99(d, J=16Hz, 1H), 2.70(dd, J=16Hz, 9Hz, 1H).
LC/MS[M−H]:404.05.
HPLC(254.4nm):7.16s, 90 %.
【0503】
実施例 109
【化137】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(1− オキソ −1, 3− ジヒドロ イソインドール −2− イルメチル )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0504】
無水エタノール(5ml) 中の2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.308g、1.48mmol) の溶液に、ヒドラジン(47 μl 、1.48mmol) を添加した。反応を80℃において4 時間撹拌し、次いで室温においてさらに12時間撹拌した。形成した沈澱を濾過し、濾液を真空濃縮した。油状残留物にジクロロメタン(15ml)を添加し、形成した沈澱を濾過した。濾液を真空濃縮すると、0.19g(90%) の2−アミノ−5− アミノメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ 5.91(bs, 2H),4.62(s, 2H), 3.64−3.60(m, 1H), 2.92−2.84(m, 2H), 2.80−2.75(m, 1H), 2.52−2.45(m, 1H), 1.53(s, 9H).
LC−MS[M+H] :285
【0505】
フタルジカルボキシアルデヒド(52mg、0.36mmol) を無水アセトニトリル(2ml) および酢酸(44μl 、0.72mmol) の混合物中に溶解した。上記2−アミノ−5− アミノメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.11g 、0.36mmol) を添加し、反応を室温において20分間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(25ml)中に溶解した。有機混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(5ml)、1 %塩酸(5ml) 、ブライン(5ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、真空蒸発させた。
【0506】
残留物をクロマトグラフィーにより精製し、15%酢酸エチル/ジクロロメタン〜17%酢酸エチル/ジクロロメタンの勾配を溶離剤として使用すると、45mg(30 %) の2−アミノ−5−(1−オキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ 7.85(d, J=7Hz, 1H), 7.53(t, J=7Hz, 1H), 7.47−7.43(m, 2H), 4.68(d, J=17Hz, 1H), 4.58−4.51(m, 3H), 3.99(dd, J=14Hz, 3Hz, 1H), 3.93−3.89(m, 1H), 3.66−3.61(m, 1H), 2.88(d, J=17Hz, 1H), 2.55(dd, J=17Hz, 11Hz, 1H), 1.52(s, 9H).
【0507】
無水ジクロロメタン(4ml) 中の2−アミノ−5−(1−オキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(45mg、1.1mmol)の溶液に、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(73mg 、3.3mmol)およびトリエチルアミン(17 μl 、1.1mmol)を添加した。反応を窒素雰囲気下に室温において5 時間撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、粗製物質を酢酸エチル(20ml)中に溶解した。
【0508】
有機溶液を0.5 N塩酸(3ml) 、飽和重炭酸ナトリウム溶液(3ml) 、ブライン(5ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン(100%) 、次いで17%酢酸エチル/ジクロロメタンを溶離剤として使用すると、54mg(91 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1− オキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0509】
HNMR(400MHz, CDCl)δ 12.50(s, 1H), 7.84(d, J=8Hz, 1H), 7.53(t, J=7Hz, 1H), 7.47−7.43(m, 2H), 4.81−4.65(m, 3H), 4.53(d, J=17Hz, 1H), 4.01(dd, J=14Hz, 3Hz, 1H), 3.96−3.89(m, 1H), 3.69−3.62(m, 1H), 2.97(d, J=17Hz, 1H), 2.63(dd, J=17Hz, 11Hz, 1H), 1.59(s, 9H) 1.56(s, 9H).
APCl−MS[M+H] :529.5
【0510】
上記2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1− オキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(52mg、0.098mmol)を、室温において50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(3ml)の溶液で処理した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物をジクロロメタン(10ml)で3回粉砕した。形成した固体を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると、28mg(70 %) の標題化合物が固体として得られた。
【0511】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H), 7.69(d, J=8Hz, 1H), 7.61−7.59(m, 2H), 7.51−7.45(m, 1H), 4.81(d, J=15Hz, 1H), 4.65(d, J=15Hz, 1H), 4.60(s, 2H), 3.95−3.92(m, 1H), 3.75(d, J=5Hz, 2H), 2.94(d, J=16Hz, 1H), 2.56(dd, J=16Hz, 10Hz, 1H).
APCl−MS[M+H] :417.3
HPLC(254.4nm):3.079s(100%)
【0512】
実施例 110
【化138】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− オキソ −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ ベンゾ[ ]チオフェン −3− カルボン酸:
2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−オキソ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸(3.0g、0.013mmol)を、室温において水(40ml)、エタノール(20ml)およびテトラヒドロフラン(20ml)の混合物中に溶解した。生ずる混合物に、1N水酸化ナトリウム(20.24ml、20.24mmol)を添加した。
【0513】
生ずる反応混合物を室温において72時間撹拌し、濃塩酸の添加によりpHを3 に調節した。沈澱を濾過し、水(2×15ml) 、ジエチルエーテル(2×15ml) で洗浄し、真空乾燥すると、1.96g(73%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>230 ℃
11NOS についての計算値;
C, 46.64%; H, 3.30 %; N, 4.94 %.
測定値;C, 46.97%; H, 3.30 %; N, 5.80 %.
【0514】
実施例1 に記載される手順と同様にして、下記の化合物が製造された。
実施例 111
【化139】
Figure 2004500308
4− カルボキシメチル −2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ ベンゾ[ ]チオノフェン −3− カルボン酸:
2−カルボメトキシメチルシクロヘキサノンは、2−カルボエトキシ− メチルシクロヘキサノンについてJ.Am.Chem.Soc.81:3955−3959(1959)に記載されているのと同一方法で製造した。
M.p.:>250 ℃
1313,0.75HO についての計算値;
C, 45.81%; H, 4.29 %; N, 4.11 %.
測定値;C, 45.79%; H, 4.02 %; N, 4.08 %.
【0515】
実施例 112
【化140】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6− オキソ −4, 7− ジヒドロ −5H− チエノ [2, 3−c] チオピラン −3− カルボン酸:
1−オキソ−2, 3, 5, 6−テトラヒドロ−4H−チオピラン−4− オンは、J.Org.Chem.27:282−284(1962) に記載されているように製造した。
M.p.:>250 ℃.
10, 0.2xNaCl についての計算値;
C, 38.13%; H, 2.88 %; N, 4.45 %.
測定値;C, 37.98%; H, 2.82 %; N, 4.29 %.
【0516】
実施例 113
【化141】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6, 6− ジオキソ −4, 7− ジヒドロ −5H− チエノ [2, 3−c] チオピラン −3− カルボン酸:
1, 1− ジオキソ−2, 3, 5, 6−テトラヒドロ−4H−チオピラン−4− オンは、J.Org.Chem.60:1665−1673(1965) に記載されているように製造した。
M.p.:>250 ℃
10Na, 1xHO についての計算値;
C, 33.43%; H, 2.81 %; N, 3.90 %.
測定値;C, 33.43%; H, 2.78 %; N, 3.76 %.
実施例107 に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
【0517】
実施例 114
【化142】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(((4− オキソ クロメン −4H−3− カルボニル アミノ メチル )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0518】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H), 9.47(t, J=4Hz, 1H), 9.08(s, 1H), 8.19(dd, J=8Hz, 2Hz, 1H), 7.90(dt, J=8Hz, 2Hz, 1H), 7.78(d, J=8Hz, 1H), 7.60(t, J=8Hz, 1H), 4.88(d, J=15Hz, 1H), 4.70(d, J=15Hz, 1H), 3.83−3.79(m, 1H), 3.72−3.66(m, 1H), 3.55−3.48(m, 1H), 2.95(d, J=15Hz, 1H), 2.60(dd, J=15Hz, 8Hz, 1H).
LC/MS[M−H] : 471.4
HPLC(254.4nm):3.105s, 94%.
【0519】
実施例 115
【化143】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(((4− オキソ クロメン −4H−2− カルボニル アミノ メチル )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0520】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H), 9.33(t, J=4Hz, 1H), 8.05(d, J=8Hz, 1H), 7.89(t, J=8Hz, 1H), 7.76(d, J=8Hz, 1H), 7.53(t, J=8Hz, 1H), 6.84(s, 1H), 4.83(d, J=15Hz, 1H), 4.66(d, J=15Hz, 1H), 3.89−3.84(m, 1H), 3.56−3.45(m, 2H), 2.98(d, J=18Hz, 1H), 2.63−2.52(m, 1H,DMSOにより部分的に不明瞭).
LC/MS[M−H] : 471.4
HPLC(254.4nm):2.886s, 95%.
【0521】
実施例 116
【化144】
Figure 2004500308
5−((3− フラン −3− イル アクリロイルアミノ )− メチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0522】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H), 8.20(t, J=5Hz, 1H), 7.99(s, 1H), 7.71(s, 1H), 7.33(d, J=15Hz, 1H), 6.68(s, 1H), 6.42(d, J=15Hz, 1H), 4.81(d, J=15Hz, 1H), 4.65(d, J=15Hz, 1H), 3.74−3.67(m, 1H), 3.44−3.34(m, 2H), 2.91(d, J=17Hz, 1H), 2.53(dd, 1H,DMSOにより部分的に不明瞭).
LC/MS[M−H] : 419.4
HPLC(254.4nm):2.822s, 91%
【0523】
実施例 117
【化145】
Figure 2004500308
5−((3− フラン −2− イル アクリロイルアミノ )− メチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0524】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H), 8.37(t, 1H), 7.77(s, 1H), 7.23(d, J=15Hz, 1H), 6.76(d, J=3Hz, 1H), 6.57(dd, J=3Hz, 2Hz, 1H), 6.50(d, J=15Hz, 1H), 4.81(d, J=15Hz, 1H), 4.65(d, J=15Hz, 1H), 3.74−3.67(m, 1H), 3.48−3.32(m, 2H), 2.91(d, J=17Hz, 1H), 2.53(dd, 1H, DMSOにより部分的に不明瞭).
[M−H] : 419.3
HPLC(254.4nm):2.815s, 86%
【0525】
実施例 118
【化146】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(((3− オキソ インダン −1n− カルボニル アミノ メチル )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0526】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.33(s, 1H), 8.81(bs, 1H), 7.74−7.62(m, 3H), 7.47(t, J=7Hz, 1H), 4.83(d, J=15Hz, 1H), 4.67(d, J=15Hz, 1H), 4.29(t, J=5Hz, 1H), 3.41−3.25(m, 3H), 2.91(d, J=15Hz, 1H), 2.77(d, J=5Hz, 2H), 2.58−2.51(m, 1H, DMSOにより部分的に不明瞭).
LC/MS[M−H] : 457.5
HPLC(254.4nm):2.634s, 97%.
【0527】
実施例106 に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 119
【化147】
Figure 2004500308
5−(2, 4− ジオキソ チアゾリジン −3− イルメチル )−2− オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD and DMSO−d)δ4.88(m, 2H), 3.97−3.89(m, 3H),3.72−3.69(m, 2H), 3.08(m, 1H), 3.02(m, 1H).
MS(ESI(−)):399.
HPLC(254.4nm):2.67, s, 100%.
【0528】
実施例81に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 120
【化148】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(2’− スピロ [1’, 3’] ジオキソラン )−6, 7− ジヒドロ −4H− ベンゾ[ ]チオフェン −3− カルボン酸:
M.p.:232−234℃
1313NOS, 1xHO としての計算値;
C, 45.22%; H, 4.38 %; N, 4.06 %.
測定値;C, 45.24%; H, 4.39 %; N, 3.98 %.
実施例107 に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
【0529】
実施例 121
【化149】
Figure 2004500308
5−((3, 5− ジメトキシ ベンゾイルアミノ )− メチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0530】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.31(s, 1H), 8.63(t, J=5Hz, 1H), 7.02(s, 2H), 6.62(s, 1H), 4.80(d, J=15Hz, 1H), 4.64(d, J=15Hz, 1H), 3.82−3.79(m, 1H), 3.77(s, 6H), 3.47−3.45(m, 2H), 2.94(d, J=17Hz, 1H), 2.53(dd, J=17Hz, 11Hz, 1H).
LC/MS[M−H] : 463.4
HPLC(254.4nm):3.161s, 93%
【0531】
実施例 122
【化150】
Figure 2004500308
5−(5, 6− ジクロロ −1, 3− ジオキソ −1, 3− ジヒドロ イソインドール −2− イルメチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0532】
ピリジン(778 μl 、9.62mmol) およびクロロホルム(6.0ml)の混合物中の2−ヒドロキシメチル− テトラヒドロ− ピラン−4− オン(625mg、4.81mmol) の溶液に、0 ℃において窒素雰囲気下に、4−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(1.60g、7.22mmol) をゆっくり添加した。この混合物を室温に放温し、3 時間撹拌した。クロロホルム(30ml) を添加し、この溶液を2.0N塩酸(3×10ml) 、5 %NaHCO(3×10ml) および水(3×10ml) で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。
【0533】
固体残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/ヘキサン/酢酸エチル(1:1:0 〜8:0:2)を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、揮発性物質を真空蒸発させると、0.98g(65%) の4−ニトロベンゼンスルホン酸4−オキソ− ピラン−2− イルメチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ2.37(d, 2H, J=7.8Hz), 2.57(m, 1H), 3.63(m, 1H), 3.89(m, 1H), 4.20−4.26(m, 3H), 8.14(dd, 2H, J=0.6Hz, J=9Hz), 8.42(dd, 2H, J=0.6Hz, J=9Hz).
MSm/z: 315.3(M+).
【0534】
4−ニトロベンゼンスルホン酸4−オキソ− ピラン−2− イルメチルエステル(0.5g、1.59mmol) 、エチレングリコール(986mg 、15.9mmol) およびp−トルエンスルホン酸|61mg、0.32mmol) をヘキサン(20ml) 中で還流させた。溶媒を真空除去すると、固体が得られた。固体をジクロロメタン(30ml)中に溶解し、連続的に飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×5ml)および水(2×5ml)で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空除去すると、582mg(100 %) の4−ニトロベンゼンスルホン酸1, 4, 8−トリオキサ− スピロ[4, 5]デク−7− イルメチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.53−1.73(m, 4H), 3.54(m, 1H), 3.8(m, 2H), 3.96(m, 4H), 4.15(m, 2H), 8.12(dd, 2H, J=1.5Hz, J=9.0Hz), 8.40(dd, 4H, J=1.5Hz, J=9.0Hz).
MSm/z: 359.3.
【0535】
3, 4− ジクロロフタルイミド(90, 2mg 、0.42mmol) を室温においてN, N− ジメチルホルムアミド(2.0ml) 中に溶解した。水素化ナトリウム(17mg 、0.42mmol) を窒素雰囲気下に添加した。4−ニトロベンゼンスルホン酸1, 4, 8−トリオキサ− スピロ[4, 5]デク−7− イルメチルエステル(100mg 、0.28mmol) を添加し、この混合物を140 ℃に3 時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水(5ml) に添加し、この混合物を酢酸エチル(3×15ml) で抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出液を1.0N塩酸(2×5ml)、水(2×5ml)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×5ml)および水(2×5ml)で洗浄した。
【0536】
乾燥(NaSO)し、次いで濾過した後、溶媒を真空蒸発させると、97mg(94 %) の5, 6− ジクロロ−2−(1, 4, 8−トリオキサ− スピロ[4, 5]デク−7− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオンが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.60(m, 2H), 1.78(m, 2H), 3.54(m, 1H), 3.64(m, 1H), 3.88(m, 2H), 3.95(m, 4H), 7.95(d, 2H, J=3Hz).
MSm/z: 373.7(M+).
【0537】
5, 6− ジクロロ−2−(1, 4, 8−トリオキサ− スピロ[4, 5]デク−7− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオン(87mg、0.234mmol)をテトラヒドロフラン(2.5ml) 中に溶解した。1.0N塩酸(1.0ml) をこの溶液に添加し、この混合物を75℃に20時間加熱した。不均質混合物を真空蒸発乾固し、生ずる固体をジクロロメタン(10ml)中に溶解し、水(2×2ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、62.1mg(81 %) の5, 6− ジクロロ−2−(4−オキソ− テトラヒドロ− ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオンが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ2.31−2.41(m, 2H), 2.48(t, 1H, J=2.0Hz), 2.62(m, 1H), 3.60(m, 1H), 3.72(m, 1H), 3.99(m, 2H), 4.29(m, 1H), 7.96(d, 2H, J=2.7Hz).
MSm/z: 331.1(M+).
【0538】
5, 6− ジクロロ−2−(4−オキソ− テトラヒドロ− ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオン(60mg、0.24mmol) を50℃においてエタノール中のt−ブチルシアノアセテート(33.5mg、0.24mmol) 、元素状硫黄(6.44mg、0.20mmol) およびモルホリン(32.4μl 、0.37mmol) とともに20時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、生ずる固体をジクロロメタン(30ml)中に溶解し、水(2×10ml) で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物(111mg) を調製用TLC(Kieselgel 60F254、1mm)により精製し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1) 混合物を溶離剤として使用した。
【0539】
溶媒を真空蒸発させた後、純粋な化合物:28mg(32 %) の2−アミノ−5−(5, 6− ジクロロ−1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.54(s, 9H), 2.90(m, 1H), 3.35(m, 2H), 2.60(m, 2H), 2.90(m, 1H), 4.62(m, 1H), 7.95(d, 2H, J=1.8Hz).
MSm/z: 483.3(M+), 427(M−57).
【0540】
テトラヒドロフラン(2ml) 中の2−アミノ−5−(5, 6− ジクロロ−1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(27.5mg、0.057mmol)、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(55.8mg 、0.29mmol) およびトリエチルアミン(16 μl 、0.114mmol)の混合物を室温において20時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、生ずるシロップをジクロロメタン(15ml)中に溶解し、水(3×3ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。
【0541】
残留物(35.7mg)を調製用TLC(Kieselgel 60F254、0.5mm)により精製し、ヘキサン/酢酸エチル(8:2) 混合物を溶離剤として使用した。単離後、8.5mg(24%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(5, 6−ジクロロ−1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.58(s, 18H), 2.68(m, 1H), 2.97−3.02(m, 1H), 3.82(m, 1H), 4.63−4.68(m, 1H), 4.77−4.82(m, 1H), 7.97(d, 2H, J=2.1Hz).
MSm/z 611.4(M+).
【0542】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(5, 6−ジクロロ−1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(3.5mg 、5.7 ×10〜3mmol)をジクロロメタン(1.0ml) 中の20%トリフルオロ酢酸中に溶解し、室温において2 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させると、2.7mg(95%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ2.66(m, 1H), 3.10(m, 1H), 3.80(m, 1H), 3.98(m, 2H), 4.66(m, 1H), 4.74(m, 1H).
MSm/z 498.3(M−).
【0543】
実施例122 に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 123
【化151】
Figure 2004500308
5−(1, 3− ジオキソ −1, 3, 4, 5, 6, 7− ヘキサヒドロ イソインドール −2− イルメチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
73.1mg(62 %) の2−(1, 4, 8− トリオキサ− スピロ[4, 5]デク−7− イルメチル)−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− イソインドール−1, 3−ジオンが油として得られた。
【0544】
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.42−1.58(m, 2H), 2.24(m, 2H), 2.62(m, 2H), 3.10(m, 2H), 3.50(m, 2H), 3.71(m, 3H), 3.94(m, 6H), 5.9(m, 2H).
50mg(92 %) の2−(4− オキソ− テトラヒドロ− ピラン−2− イルメチル)−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− イソインドール−1, 3−ジオンが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ0.86(m, 2H), 1.64(m, 2H), 2.22(m, 1H), 2.34(m, 2H), 2.61(m, 3H), 3.13(m, 2H), 3.79(m, 1H), 3.95(m, 1H), 4.28(m, 1H), 5.92(m, 2H).
【0545】
調製用TLC(Kieselgel 60F254、1mm、ヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製した後、36mg(47 %) の2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3, 4, 5, 6, 7−ヘキサヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.53(s, 9H), 2.22(m, 2H), 2.62(m, 2H), 2.83(m, 1H), 3.11(m, 2H), 3.56(m, 1H), 3.83(m, 2H), 4.50(m, 2H), 5.89(m, 2H).
MSm/z 419.5(M+), 363.4(M−57).
【0546】
調製用TLC(Kieselgel 60F254、0.5mm、ヘキサン/酢酸エチル、8:2)により精製後、2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1, 3−ジオキソ−1, 3, 4, 5, 6, 7−ヘキサヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.60(s, 18H), 2.24(m, 2H), 2.92(m, 3H), 3.14(m, 2H), 3.90(m, 2H), 4.11(m, 1H), 4.63(m, 1H), 4.78(m, 1H), 5.91(m, 2H).
MSm/z 545.4(M−), 489.4(M−57).
【0547】
17.2mg( 定量的収率) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ2.28(m, 2H), 2.55(m, 2H), 2.97(m, 2H), 3.31(m, 2H), 3.56−3.93(m, 3H), 4.70(m, 2H), 5.91(m, 2H).
MSm/z 433.3(M−).
【0548】
実施例 124
【化152】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−5−(1, 1, 3,− トリオキソ −1, 3− ジヒドロ −1H− ベンゾ [d] イソチアゾル −2− イルメチル )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.09−7.8(m, 4H), 4.85−4.67(m, 3H), 4.21−4.12(m, 1H), 4.02−3.94(m, 1H), 3.11−3.06(m, 1H), 2.90−2.80(m, 1H).
MS(ESI(−)): 465.
HPLC(254.4nm):2.31, s, 99 %.
【0549】
実施例 125
【化153】
Figure 2004500308
5−[(4− メトキシ ベンゼンスルホニルアミノ )− メチル ]−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0550】
ジクロロメタン(1ml) 中の2−アミノ−5− アミノメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(101mg、0.35mmol) の溶液に、ピリジン(32 μl 、0.39mmol) および4−メトキシベンゼンスルホニルクロライド(82mg 、0.38mmol) を添加した。反応混合物を室温において48時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(2ml) で希釈し、調製用TLC (ヘキサン/酢酸エチル、1:1 )にかけると、10mg(10 %) の2−アミノ−5−((4− メトキシ− ベンゼンスルホニルアミノ)−メチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0551】
HNMR(400MHz, CDCl)δ7.82(d, J=9Hz, 2H), 6.93(d, J=9Hz, 2H), 5.3(bs, 2H), 4.57(s, 2H), 3.84(s, 3H), 3.72(m, 1H), 3.10−3.06(m, 1H), 2.95−2.87(m, 1H), 2.69−2.64(m, 1H), 2.41−2.32(m, 1H), 1.47(s, 9H).
MS:APCI(−): 453[M−H].
【0552】
ジクロロメタン(1ml) 中の2−アミノ−5−((4− メトキシ− ベンゼンスルホニルアミノ)−メチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(8mg、0.017mmol)の溶液に、トリエチルアミン(7.4μl 、0.051mmol)およびイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(10mg 、0.051mmol)を添加し、室温において16時間撹拌した。揮発性物質を真空除去し、残留物にジクロロメタン(2ml) を添加した。
【0553】
この溶液を調製用TLC(10%メタノール/90%ジクロロメタン) により精製すると、10mg(100%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−((4−メトキシ− ベンゼンスルホニルアミノ)−メチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ7.83(d, J=9Hz, 2H), 6.93(d, J=9Hz, 2H), 4.68(m, 2H), 3.85(s, 3H), 3.7(m, 3H), 3.29−3.22(m, 1H), 2.80−2.75(m, 1H), 2.53−2.43(m, 1H), 1.56(s, 18H).
MS:APCI(+): 582.8[M+H], 527(−1 tert−Bu).
【0554】
2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−((4−メトキシ− ベンゼンスルホニルアミノ)−メチル)−[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(10mg 、0.017mmol)を、ジクロロメタン(2ml) 中の25%トリフルオロ酢酸の溶液に添加した。反応混合物を室温において2 時間撹拌し、この時、溶媒を真空除去した。ジエチルエーテルの添加により残留物を沈澱させ、ジエチルエーテルで2 回洗浄すると、乾燥後、2mg(25%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ7.78(d, J=9Hz, 2H), 7.02(d, J=9Hz, 2H), 4.76−4.63(m, 2H), 3.84(s, 3H), 3.75(m, 1H), 3.50−3.47(m, 2H), 2.89−2.83(m, 1H), 2.52−2.42(m, 1H).
MS:APCI(+): 471[M+H];
【0555】
実施例 126
【化154】
Figure 2004500308
N−(6− ヒドロキシ −3− ヒドロキシメチル −4, 5, 6, 7− テトラヒドロ ベンゾ[ ]チオフェン −2− イル )− オキサラム酸:
【0556】
2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−(2’−スピロ[1’, 3’]ジオキソラン)−6, 7− ジヒドロ−4H−ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(20g 、0.05mol)を、0 ℃において水(1ml) を含有するトリフルオロ酢酸とジクロロメタン(200ml) との(1:4) 混合物中に溶解した。反応混合物を0 ℃において1 時間撹拌し、室温において20時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、固体残留物をジエチルエーテル(2×100ml)で粉砕し、真空乾燥すると、15.08mg(100 %) の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−オキソ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸が固体として得られた。
【0557】
エタノール(50ml)とジクロロメタン(50ml)との混合物に、2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−オキソ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸(2.0g、6.43mmol) を添加し、次いでホウ水素化ナトリウム(124mg 、ペレット)を添加した。生ずる混合物を室温において1 時間撹拌し、追加のホウ水素化ナトリウムのペレットを添加した。さらに4 時間撹拌した後、反応混合物を0 ℃の水(100ml) とギ酸(100ml)との混合物の添加により反応を急冷した。水相を酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、一緒にした有機相をブライン(100ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、真空蒸発させると、860mg(43%) の標題化合物が固体として得られた。
【0558】
18時間放置した後、水相を濾過し、濾過ケークを水(2×15ml) 、ジエチルエーテル(2×15ml) で洗浄し、真空乾燥すると、追加の部分の710mg(48%) の標題化合物が固体として得られた。
1113, 0.5xHO についての計算値;
C, 47.14%; H, 5.03 %; N, 5.00 %.
測定値;C, 47.19%; H, 5.00 %; N, 4.94 %.
【0559】
実施例81に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 127
【化155】
Figure 2004500308
2−( オキサリル アミノ )−6−(2’− スピロ [1’, 3’] ジオキソラン )−6, 7− ジヒドロ −4H− ベンゾ[ ]チオフェン −3− カルボン酸:
M.p.:>250 ℃.
1313NOSについての計算値;
C, 47.70%; H, 4.00 %; N, 4.28 %.
測定値;C, 47.93%; H, 4.09 %; N, 4.27 %.
【0560】
実施例 128
【化156】
Figure 2004500308
6− ヒドロキシ −2−( オキサリル アミノ )−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ ベンゾ[ ]チオフェン −3− カルボン酸:
【0561】
2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−(2’−スピロ[1’, 3’]ジオキソラン)−6, 7− ジヒドロ−4H−ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸エチルエステル(8.7g、22.7mmol) を、ジクロロメタン(100ml) 中の25%トリフルオロ酢酸の氷浴冷却混合物中に溶解し、エタノール(0.5ml) を添加した。反応混合物を0 ℃において2 時間撹拌し、室温において48時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物をエタノール(100ml) 中に溶解し、真空蒸発(2 回)させた。固体残留物をジエチルエーテル(80ml)で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、6.68g(88%) の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−オキソ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
【0562】
ジクロロメタン(40ml)とエタノール(40ml)との混合物中の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−オキソ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸エチルエステル(2.0g、5.89mmol) この溶液をホウ水素化ナトリウム(64mg、1.77mmol) を添加した。反応混合物を室温において64時間撹拌し、追加のホウ水素化ナトリウム(22.3mg、0.59mmol) を添加し、さらに18時間撹拌した。さらに6 時間撹拌しながら、2 つの部分のホウ水素化ナトリウム(23mgおよび15mg) を添加した。この反応混合物に、氷冷飽和塩化アンモニウム溶液(50ml) を添加し、生ずる混合物を酢酸エチル(3×50ml) で抽出した。一緒にした有機抽出液を乾燥(NaSO)し、濾過し、真空蒸発させた。
【0563】
残留物を2 回酢酸エチル(100ml) 中に溶解し、真空蒸発させた。固体残留物をジエチルエーテル(80ml)で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、1.46g(75%) の2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−ヒドロキシ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。1.35g のこの物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:1) 混合物を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、0.9gの純粋な2−( エトキシオキサリル− アミノ)−6−ヒドロキシ−4, 5, 6, 7−テトラヒドロ− ベンゾ[b ]チオフェン−3− カルボン酸エチルエステルが固体として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.42(m, 6H), 1.86(m, 2H), 2.02(m, 1H), 2.71(dd, 1H), 2.85(m, 1H), 3.00(m, 2H), 4.19(bs, 1H), 4.40(dq, 4H), 12.45(bs, 1H, NHCO).
【0564】
エタノール(10ml)中の上記ジエチルエステル(0.3g、0.88mmol) の溶液に、1N水酸化ナトリウム(3.1ml、3.08mmol) を添加した。生ずる反応混合物を室温において16時間撹拌した。水相を濃塩酸の添加によりpH=1 に酸性化し、反応混合物をもとの体積の1/2 に真空蒸発させた。沈澱を濾過し、小さい部分のジエチルエーテルで洗浄し、50℃において16時間真空乾燥すると、130mg(52%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ1.63(m, 1H), 1.86(m, 1H), 2.5(m, 1H, partly obscured by DMSO), 2.71(m, 1H), 2.86(m, 2H), 3.91(m, 1H),4.87(bs, 1H), 12.35(bs, 1H, NHCO).
【0565】
実施例107 に記載する方法に類似する方法において、下記の化合物を製造した。
実施例 129
【化157】
Figure 2004500308
5−(2− メチル −4− オキソ −4H− キナゾリン −3− イルメチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0566】
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ12.32(s, 1H), 8.10(d, J=8Hz, 1H), 7.80(t, J=7Hz, 1H), 7.59(d, J=8Hz, 1H), 7.49(t, J=7Hz, 1H), 4.78(d, J=15Hz, 1H), 4.53(d, J=15Hz, 1H), 4.39(d, J=15Hz, 1H), 4.21(dd, J=15Hz, 9Hz, 1H), 4.00−3.94(m, 1H), 3.05(d, J=17Hz, 1H), 2.74−2.65(m, 1H、付近の架橋により部分的に不明瞭).
13CNMR(100.6MHz,DMSO−d)δ167.7, 162.8, 161.6, 157.6, 156.1, 148.3, 146.9, 136.0, 130.5, 127,9. 127.8, 126.5, 121.4, 115.0, 74.4, 65.9, 49.8, 31.4, 25.0.
[M−H] :442.1
HPLC(254.4nm):2.631s, 81%.
【0567】
実施例 130
【化158】
Figure 2004500308
7−(1, 3− ジオキソ −1, 3− ジヒドロ イソインドール −2− イルメチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0568】
フタルイミドアセトアルデヒドジエチルアセタール(100g、0.38mol)および1N塩酸(600ml)の混合物を還流温度において5 分間撹拌するか、あるいは均質溶液が得られるまで撹拌した。反応混合物を冷却し、沈澱を濾過し、50℃において16時間真空乾燥すると、63.3g(88%) のフタルイミド− アセトアルデヒドが固体として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ4.58(s, 2H), 7.76−7.78(m, 2H), 7.90−7.92(m, 2H), 9.67(s, 1H).
【0569】
ベンゼン(600ml) 中のフタルイミドアセトアルデヒド(64g 、0.34mol)およびトランス−1− メトキシ−3−(トリメチルシリル)−1, 3− ブタジエン81.5g 、0.38mol)の混合物を15分間撹拌し、これに0 ℃においてジクロロメタン(55.5ml 、0.17mol)中の塩化亜鉛ジエチルエーテル錯体の45%溶液を滴下した。反応を一夜室温放温した。反応混合物に水(500ml) を添加し、生ずる混合物を酢酸エチル(200ml) で抽出した。有機抽出液を連続的に1.0N塩酸(2×200ml)およびブライン(200ml) を示した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、ゆっくり結晶化する油(98g)が得られた。
【0570】
この固体に、酢酸エチルとジエチルエーテルとの混合物(400ml、1:1)を添加し、生ずる沈澱を濾過し、小さい部分のジエチルエーテルで洗浄し、50℃において1 時間真空乾燥すると、59.8g(69%) の2−(4− オキソ−3, 4−ジヒドロ−2H −ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオンが固体として得られた。濾液を真空蒸発させ、残留物をシリカゲル(1 リットル)のカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル/ヘキサン(1:2) 混合物を溶離剤として使用した。
【0571】
純粋な画分を収集し、溶媒をほとんど乾固まで真空蒸発させ、固体を濾過し、50℃において16時間真空乾燥すると、追加の15g(17%) の2−(4− オキソ−3, 4−ジヒドロ−2H −ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオンが固体として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ2.61(d, 2H), 3.85(dd, 1H), 4.18(dd, 1H), 4.76(m, 1H), 5.43(d, 1H), 7.28(d, 1H), 7.69−7.77(m, 2H), 7.84−7.88(m, 2H).
【0572】
2−(4− オキソ−3, 4−ジヒドロ−2H −ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオン(13g 、0.051mol) を酢酸エチル(250ml) 中に溶解し、パール(Parr)壜中に入れた。10%Pd/C(1.5g) を注意して添加し、この混合物を30psi の水素圧力に6.5 時間震盪した(パール装置) 。濾過し、次いで酢酸エチルを真空蒸発させると、11.5g の次工程のために十分に純粋な粗製2−(4− オキソ− テトラヒドロ− ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオンが得られた。
【0573】
小さい試料(250mg)をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチルの勾配(100/0 から50/50 まで)を使用することによって、分析的に純粋な化合物を得ることができた。純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、142mg(55%) の2−(4− オキソ− テトラヒドロ− ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオンが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ2.30−2.68(m, 4H), 3.62(m, 1H), 3.74(m, 1H), 4.00(m, 2H), 7.75(m, 2H), 7.88(m, 2H).
【0574】
エタノール中の2−(4− オキソ− テトラヒドロ− ピラン−2− イルメチル)−イソインドール−1, 3−ジオン(18.7g 、0.072mol) 、t−ブチルシアノアセテート(11.2g、0.079mol) および元素状硫黄(2.5g 、0.079mol) の撹拌混合物にモルホリン(20ml)を添加し、生ずる混合物を50℃において3 時間真空乾燥した。冷却した反応混合物を濾過し、揮発性物質を真空蒸発させた。残留物に水(200ml) およびジエチルエーテル(100ml) を添加した。沈澱を濾過し、50℃において真空乾燥すると、9.1g(30 %) の2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0575】
濾液を酢酸エチル(2×150ml)で抽出し、ブライン(100ml) で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物(20g) をシリカゲル(1リットル) のカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(1:2) 混合物を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をジエチルエーテルで洗浄し、固体を濾過し、50℃において真空乾燥すると、2.2g(7%) の2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0576】
濾液を真空蒸発させると、10.2g(34%) の2−アミノ−7−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.50(s, 9H), 2.54−2.63(m, 1H), 2.84−2.90(m, 1H), 3.79(q, 1H), 3.96−4.04(m, 2H), 4.48−4.62(m, 2H), 5.91(bs, 2H, NH), 7.70(m, 2H), 7.84(m, 2H).
【0577】
2−アミノ−7−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.50(s, 9H), 2.71−2.90(m, 2H), 3.67−3.77(m, 2H), 4.02−4.15(m, 2H), 4.90(m, 1H), 6.04(bs, 2H, NH), 7.70(m, 2H), 7.84(m, 2H).
【0578】
乾燥テトラヒドロフラン(150ml) 中の2−アミノ−7−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(10.2g、0.25mol)、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(7.2g 、0.37mol)の混合物を室温において4 時間撹拌した。追加の部分のイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(2.0g 、0.01mol)を添加し、生ずる混合物を室温において16時間撹拌した。
【0579】
沈澱を濾過し、小さい部分のジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥すると、3.5g(26 %) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−7−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。濾液を真空蒸発させ、残留物に水(100ml) および酢酸エチル(100ml) を添加した。
【0580】
沈澱を濾過し、50℃において真空乾燥すると、追加の0.8g(6%) の2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−7−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.60(s, 9H), 1.62(s, 9H), 2.79−2.97(m, 2H), 3.73(m, 1H), 3.83−3.88(dd, 1H), 4.07−4.16(m, 2H), 5.09(m, 1H), 7.71(m, 2H), 7.85(m, 2H), 12.55(bs, 1H, NHCO).
【0581】
上記2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−7−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.8g、1.47mmol) を、ジクロロメタン(30ml)中の25%トリフルオロ酢酸の溶液を添加した。この混合物を室温において6 時間撹拌し、この時、溶媒を真空除去した。ジエチルエーテルの添加により残留物を沈澱させ、濾過し、50℃において真空乾燥すると、0.5g(79 %) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃.
1914S, 0.5xHOとしての計算値;
C, 51.94%; H, 3.44 %; N, 6.38 %.
測定値;C, 52.02%; H, 3.37 %; N, 6.48 %.
【0582】
実施例 131
【化159】
Figure 2004500308
7−( アセチルアミノ メチル )−2−( オキサリル アミノ )−4, 7− ジヒドロ− 5H −チエノ [2, 3−c] ピラン −3− カルボン酸:
【0583】
エタノール(100ml) 中の2−アミノ−7−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(6.0g 、0.014mol) の混合物に、ヒドラゾンハイドレート(1.4ml、0.028mol) を添加した。反応混合物を1 時間加熱還流させ、冷却し、沈澱を濾過した。濾液を真空蒸発させ、残留物に水(100ml) を添加し、生ずる混合物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。
【0584】
一緒にした有機抽出液をブライン(100ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空蒸発させると、2.9g(71 %) の2−アミノ−7− アミノメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが油として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.55(s, 9H), 2.70−2.97(m, 4H), 3.69−3.78(m, 1H), 4.13(m, 1H), 4.50(m, 1H), 6.09(bs, 2H, thiophen−NH).
【0585】
ジクロロメタン(50ml)中の上記2−アミノ−7− アミノメチル−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(1.5g、5.27mmol) およびトリエチルアミン(1.5ml) の氷***液に、アセチルクロライド(0.46g、5.80mmol) を滴下した。反応混合物を室温に到達させ、さらに0.5 時間撹拌した。反応混合物を水(2×25ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をシリカゲル(1リットル) のカラムクロマトグラフィーにより精製し、まず酢酸エチル、後に酢酸エチル/エタノール(20:1)混合物を溶離剤として使用した。
【0586】
純粋な画分を収集し、溶媒を真空蒸発させると、0.3g(17 %) の7−( アセチルアミノ− メチル)−2−アミノ−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.56(s, 9H), 1.99(s, 3H), 2.77(m, 2H), 3.19(m, 1H), 3.67−3.79(m, 2H), 4.09−4.16(m, 1H), 4.63(m, 1H), 5.91(bs, 1H), 6.10(bs, 2H).
【0587】
テトラヒドロフラン(40ml)中の上記7−( アセチルアミノ− メチル)−2−アミノ−4, 7−ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.3g 、0.92mmol) の混合物に、乾燥テトラヒドロフラン(5ml) 中のイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(0.22g、1.10mmol) の混合物を滴下した。この混合物を室温において3 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(100ml) 中に溶解し、水(50mmol)およびブライン(50ml)で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、真空蒸発させた。
【0588】
残留物(0.4g)をジイソプロピルエーテル(5ml)およびジエチルエーテル(5ml) の混合物とともに撹拌した。沈澱を濾過し、濾液を真空蒸発させると、0.25g(60%) の7−( アセチルアミノ− メチル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが油として得られた。
M.p.:220−222℃.
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ1.87(s, 3H), 2.82(bs, 2H), 3.19(m, 1H), 3.51(m, 1H), 3.67(m, 1H), 4.07(m,1H), 4.69(m, 1H), 8.14(t, 1H, NHCOMe), 12.3(s, 1H, NHCOCOOH).
【0589】
上記7−( アセチルアミノ− メチル)−2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(0.2g、0.44mmol) を、ジクロロメタン(20ml)中の25%トリフルオロ酢酸の溶液を添加した。反応混合物を室温において4 時間撹拌し、この時、溶媒を真空除去した。ジエチルエーテルの添加により残留物を沈澱させ、濾過し、50℃において真空乾燥すると、0.11g(73%) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(300MHz, CDCl)δ1.64(s, 9H), 1.65(s, 9H), 2.02(s, 3H), 2.87(m, 2H), 3.29(m, 1H), 3.74(m,1H), 3.89(ddd, 1H), 4.18(m, 1H), 4.78(m, 1H), 5.93(bs, 1H, NHCOMe), 12.5(s, 1H, NHCOCOOH).
【0590】
実施例 132
【化160】
Figure 2004500308
【0591】
ジクロロメタン(30ml)中に溶解した2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステル(4.5g 、0.0011mol)に、水(16ml)中に溶解した重炭酸ナトリウム(1.0g、0.0011mol)を添加した。反応混合物を0 ℃に冷却し、9−フルオレニルメチルクロロホルメート(3.0g、0.012mol) を添加した。5 分間撹拌した後、反応混合物を室温に加温し、16時間激しく撹拌した。有機層を分離し、ブライン(10ml)で洗浄した。
【0592】
水相をジクロロメタン(2×20ml) で抽出し、一緒にした有機相を乾燥(MgSO) し、濾過し、真空蒸発させると、オレンジ色固体が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタンを溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発させると、5.6g(81 %) の5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−(9H−フルオレン−9− イルメトキシカルボニルアミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルが固体として得られた。
【0593】
HNMR(400MHz, CDCl)δ10.60(bs, 1H), 7.87−7.84(m, 2H), 7.75(d, J=8Hz, 2H), 7.73−7.70(m, 2H), 7.60(d, J=8Hz, 2H), 7.39(t, J=8Hz, 2H), 7.30(t, J=8Hz, 2H), 4.74(d, J=14Hz, 1H), 4.62(d, J=14Hz, 1H), 4.48(d, J=7Hz, 2H), 4.27(t, J=7Hz, 1H), 4.05−4.00(m, 2H), 3.86−3.80(m, 1H), 2.92(d, J=17Hz, 1H), 2.64(dd, J=17.9Hz, 1H), 1.52(s, 9H).
LC/MS[M+H] :637.49
【0594】
上記F−moc 保護チエノ[2, 3−c]ピラン(5.5g、8.6mmol)を0 ℃においてジクロロメタン(30ml)中の20%トリフルオロ酢酸の溶液に添加した。反応を室温において4 時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物をジエチルエーテルで沈澱させ、濾過し、乾燥すると、4.2g(85 %) の5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−(9H−フルオレン−9− イルメトキシ− カルボニルアミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸が固体として得られた。
HNMR(400MHz, DMSO−d)δ10.22(brs, 1H), 7.88(d, J=5Hz, 2H), 7.88−7.82(m, 4H), 7.66(d, J=5Hz, 2H), 7.40(t, J=5Hz, 2H), 7.32(t, J=5Hz, 2H), 4.68−4.48(m, 4H), 4.34(t, J=5Hz, 1H), 3.90−3.81(m, 2H), 3.72−3.67(m, 1H), 2.87(m, 1H), 2.51(m, 1H).
【0595】
ワング樹脂(Wang−Resin)(3.75g 、4.5mmol)にジクロロメタン(50ml)を添加し、この混合物を窒素雰囲気下に0 ℃に冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(25ml) を添加し、次いでメタンスルホニルクロライド(2.25ml 、29mmol) を添加した。反応を0 ℃において0.5 撹拌し、次いで室温においてさらに0.5 時間撹拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(2×30ml) 、N−メチルピロリドン(20ml)で洗浄し、再びジクロロメタン(2×30ml) で洗浄した。ワング樹脂メタンスルホニルエステルを2 時間真空乾燥し、次の工程において直接使用した。
【0596】
ワング樹脂メタンスルホニルエステルおよび5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−(9H−フルオレン−9− イルメトキシ− カルボニルアミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸(4.85g 、8.4mmol)に、N−メチルピロリドン(45ml)を添加した。炭酸カルシウム(2.2g、6.7mmol)を添加し、反応を窒素雰囲気下に16時間撹拌し、次いで80℃において36時間撹拌した。この混合物を室温に冷却し、樹脂を濾過し、水、メタノール、およびジクロロメタンで反復して洗浄し、2 時間真空乾燥すると、5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−(9H−フルオレン−9− イルメトキシ− カルボニルアミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸ワング樹脂エステルが得られた。
【0597】
上記ワング樹脂エステル(4.85%) を、テトラヒドロフラン(20ml)中の20%ピペリジンの溶液中で45分間撹拌した。次いで樹脂を濾過し、テトラヒドロフラン(2×20ml) 、メタノール(2×20ml) 、およびジクロロメタン(3×20ml) で洗浄し、3 時間真空乾燥すると、2−アミノ−5−(1, 3− ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸ワング樹脂エステルが得られた。
【0598】
上記ワング樹脂エステル(4.85g)をジクロロメタン(50ml)およびトリエチルアミン(30ml)の混合物中に懸濁させた。イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(4.2g 、0.021mol) を窒素雰囲気下に添加し、反応を室温において16時間撹拌した。樹脂を濾過し、メタノール(30ml)、次いでジクロロメタン(30ml)で洗浄し、このプロセスを2 回反復した。樹脂を数時間真空乾燥すると、2−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸ワング樹脂が得られた。
【0599】
上記ワング樹脂エステルの小さい試料をジクロロメタン(3ml) 中の20%トリフルオロ酢酸で1 時間処理した。樹脂を濾過し、濾液を真空濃縮した。残留物をジクロロメタンから2 回蒸発させると、30mgの固体が得られ、これは実施例106 において合成した化合物と一致するH NMRおよびMSを有した。こうしてワング樹脂の負荷は0.6mmol/g であると決定された。
【0600】
上記ワング樹脂エステル(3.0g、1.8mmol)をジクロロメタン(25ml)中に懸濁させた。ヒドラジン(0.14ml 、4.5mmol)を添加し、反応を窒素雰囲気下に室温において24時間撹拌した。樹脂を濾過し、メタノールおよびジクロロメタンで交互に多数回洗浄した。濾液を収集し、濃縮すると、260mg の固体が得られた。副生物の分析により反応は不完全であると決定され、この時、樹脂を再びジクロロメタン(15ml)中に懸濁させ、ヒドラジン(50 μl)でさらに16時間処理した。
【0601】
前述したように樹脂を濾過しかつ洗浄すると、濾液から追加の30g の副生物が得られた。この時点において、反応は完結したと判定され、樹脂を3 時間真空乾燥すると、2.67g の5−アミノメチル−2−(t−ブトキシオキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸t−ブチルエステルワング樹脂が得られた。この樹脂はアミンについて陽性のニンヒドリン試験を与えた。
【0602】
上記ワング樹脂(2.67g)をテトラヒドロフラン/ジクロロメタン(1:1 、90ml) , 混合物中に懸濁させ、オントブロック(OntoBlock)(80ウェル、0.02mmol/ ウェル) に分配させた。ブロックを排液した。そうしている間に、80のカルボン酸を個々のバイアル(0.044mmol/バイアル) の中に秤量して入れた。1−(3− ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカーボジイミド塩酸塩(0.85g 、4.4mmol)、1−ヒドロキシ− ベンゾトリアゾールハイドレート(0.6g、4.4mmol)、およびトリエチルアミン(1.1ml、8.0mmol)の溶液をN, N− ジメチルホルムアミド(100ml) 中で調製した。
【0603】
この溶液を各バイアル(1ml/ バイアル) に添加し、次いで各バイアルの内容物をオントブロック(OntoBlock) のウェルに移した(時々バイアルを超音波処理して完全な溶解を達成した)。次いでブロックを2 日間震盪させた。この時において、ブロックを排液し、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄した。次いでブロックを真空デシケーターの中に2 時間入れ、次いで1ml のイミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル( ジクロロメタン中の0.2M)を各ウェルに添加した。次いでブロックを16時間震盪させた。
【0604】
再び、上記方法に従い、ブロックを洗浄した。洗浄後、ジクロロメタン中の20%トリフルオロ酢酸溶液の1ml を各ウェルに添加し、45分間放置した。ウェルを追加の0.5ml のジクロロメタン中の20%トリフルオロ酢酸溶液で処理し、濾液を再び収集した。揮発性物質を真空蒸発させると、80の化合物がマクロタイタープレートの中に固体として得られた。プレートを質量分析により分析し、ここでウェルのうちの66は分子イオンとして期待した生成物を示した。
は結合点である。
百分率は220nm におけるHPLCのピークの面積を意味する。
【表24】
Figure 2004500308
【0605】
【表25】
Figure 2004500308
【0606】
【表26】
Figure 2004500308
【0607】
【表27】
Figure 2004500308
【0608】
【表28】
Figure 2004500308
【0609】
【表29】
Figure 2004500308
【0610】
【表30】
Figure 2004500308
【0611】
【表31】
Figure 2004500308
【0612】
実施例 133
【化161】
Figure 2004500308
3−( オキサリル アミノ )− チエノ [2, 3−b] ピリジン −2− カルボン酸・一ナトリウム塩:
【0613】
0 ℃の乾燥テトラヒドロフラン(50ml)中の3−アミノ− チエノ[2, 3−b]ピリジン−2− カルボン酸メチルエステル(1.0g、4.8mmol)、トリエチルアミン(1.0ml、7.20mmol) の撹拌溶液に、乾燥テトラヒドロフラン(5ml) 中のエチルオキサリルクロライド(0.8g 、5.76mmol) の溶液を滴下した。生ずる反応混合物を室温において3 時間撹拌し、氷水(200ml) 中に注いだ。沈澱を濾過し、50℃において真空乾燥すると、0.9g(61 %) の3−( エトキシオキサリル− アミノ)−チエノ[2, 3−b]ピリジン−2− カルボン酸メチルエステルが固体として得られた。
【0614】
エタノール(20ml)中の上記チエノ[2, 3−b]ピリジン−2− カルボン酸メチルエステル(0.5g、1.62mmol) の溶液に、水(10ml)中の水酸化ナトリウム(0.2g 、4.87mmol) の溶液を添加した。生ずる反応混合物を室温において18時間撹拌し、1N塩酸の添加によりpHを約2 に調節し、沈澱を濾過し、水(2×50ml) 、ジエチルエーテル(2×30ml) で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、130mg(30%) の標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃
10Na, 1xHO についての計算値;
C, 39.22%; H, 2.30 %; N, 9.15 %.
測定値;C, 39.32%; H, 2.35 %; N, 8.89 %.
【0615】
実施例 134
【化162】
Figure 2004500308
7−( オキサリル アミノ )− チエノ [2, 3−b] ピラジン −6− カルボン酸:
テトラヒドロフラン(0.5ml) 中の6−アセチル− チエノ[2, 3−b]ピラジン−7− カルボン酸メチルエステル(62.7ml, 0.3mmol)の溶液に、イミダゾル−1− イル− オキソ− 酢酸t−ブチルエステル(117.6mg、0.6mmol)およびトリエチルアミン(42 μl 、0.3mmol)を添加した。
【0616】
生ずる混合物を室温において20時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(5.0ml) 中に溶解し、1 %塩酸(2×2ml)、水(2×2ml)で洗浄し、乾燥(MgSO) し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、96mg(95 %) の6−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−チエノ[2, 3−b]ピラジン−7− カルボン酸メチルエステルが固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDCl)δ1.60(s, 9H), 3.80(s, 3H), 8.60(d, 1H, J=1.5Hz), 8.70(d, 1H, J=1.5Hz).
【0617】
ジオキサン(1.2ml)中の上記6−(t− ブトキシオキサリル− アミノ)−チエノ[2, 3−b]ピラジン−7− カルボン酸メチルエステル(37.8mg、0.122mmol)の溶液に、水酸化リチウム(45mg)および水(0.6ml) を添加し、この混合物を室温において20時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(30ml)中に溶解し、1.0N塩酸(3×3ml)、水(3×3ml)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、溶媒を真空蒸発させると、20mg(67 %) の標題化合物が固体として得られた。
HNMR(400MHz, CDOD)δ8.64(d, 1H, J=1.5Hz), 8.66(1H, d, J=1.5Hz).
MS m/z 150.0(M−117)COOH およびCOCOOHの解放。
【0618】
実施例 135
【化163】
Figure 2004500308
5−( オキサリル アミノ )−2, 3− ジヒドロ チエノ [2, 3−b] フラン −4− カルボン酸:
エタノール(200ml) 中のジヒドロ− フラン−3− オン(11.5g 、0.134mol、Org.Syn.Coll.Vol. 5、866に記載されているように製造した)の溶液に、エチルシアノアセテート(16.6g、0.147mol) 、硫黄(4.7g、0.147mol) およびモルホリン(15ml) を添加した。
【0619】
適度な発熱反応を45℃において1 時間撹拌した。反応混合物を冷却し、濾過し、濾液を真空蒸発させた。生ずる油を酢酸エチル(400ml) 中に溶解し、水(2×100ml)、ブライン(100ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)した。溶媒を真空蒸発させ、残留物(28g) をフラッシュクロマトグラフィー(1 リットルシリカゲル)にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:1) 混合物を溶離剤として使用した。半純粋な画分を収集すると、蒸発後、8.4gの5−アミノ−2, 3−ジヒドロ− チエノ[2, 3−b]フラン−4− カルボン酸エチルエステルが油として得られた。
【0620】
乾燥テトラヒドロフラン(150ml) 中の上記5−アミノ−2, 3−ジヒドロ− チエノ[2, 3−b]フラン−4− カルボン酸エチルエステルに、トリエチルアミン(10ml)を添加し、乾燥テトラヒドロフラン(25ml)中のエチルオキサリルクロライド(4.9g 、0043mol)の混合物を窒素雰囲気下に0 ℃においてを滴下した。反応混合物を室温において18時間撹拌した。揮発性物質を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチル(400ml) 中に溶解した。有機相を水(200ml) 、ブライン(100ml) で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、有機相を真空蒸発させた。
【0621】
残留物をシリカゲルの通路に通過させて濾過し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1) 混合物を溶離剤として使用した。溶媒を真空蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1 リットルシリカゲル)にかけ、酢酸エチル/ヘキサン混合物(1:2 )を溶離剤として使用した。純粋な画分を収集し、真空蒸発させ、ジエチルエーテルで洗浄すると、0.5g(1.2%) の5−( エトキシオキサリル− アミノ)−2, 3− ジヒドロ− チエノ[2, 3−b]フラン−4− カルボン酸エチルエステルが油として得られた。
【0622】
エタノール(10ml)および水(25ml)の混合物中の上記5−( エトキシオキサリル− アミノ)−2, 3− ジヒドロ− チエノ[2, 3−b]フラン−4− カルボン酸エチルエステル(0.4g、1.2mmol)の溶液に、1N水酸化ナトリウム(3.8ml、3.8mmol)の溶液を添加した。この混合物を室温において20時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)で希釈し、酢酸エチル(50ml)で洗浄した。水相を1N塩酸でpH=2 に酸性化した。沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、NMR によれば、0.2gの5−( オキサリル− アミノ)−2, 3− ジヒドロ− チエノ[2, 3−b]フラン−4− カルボン酸エチルエステルが得られた。
【0623】
このモノ− エステルを水(40ml)とエタノール(10ml)の混合物中に溶解し、この混合物に1N水酸化ナトリウム(3ml、3mmol)を添加した。反応混合物を室温において20時間撹拌した。この混合物を1N塩酸でpH=2 に酸性化し、沈澱を濾過し、水で洗浄し、50℃において真空乾燥すると、150mg(465−( オキサリル− アミノ)−標題化合物が固体として得られた。
M.p.:>250 ℃.
HNMR(300MHz, DMSO−d)δ3.12(t, 2H), 4.89(t, 2H), 12.0(bs, 1H, NHCO).
【図面の簡単な説明】
【図1】
第1 図は、定常状態の酵素の反応速度論的分析の結果を示す。異なる濃度の基質、p−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)、およびインヒビター、2−( オキサリルアミノ) 安息香酸(0、7.4 、22.2、66.7および200 μM −最終アッセイ濃度) と96ウェルのプレート中でPTP1B をインキュベートした。緩衝液:100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のジチオスレイトール、0.1 %(w/v) のウシ血清アルブミン。インキュベーション時間:45分。温度:25℃。水酸化ナトリウムを添加し、吸収を405nm において読む。(A) ミカエリス・メンテン(Michaelis Menten)のプロット;(B) 見掛けのKm値/インヒビター濃度のプロット;(C) 見掛けのVmax/インヒビター濃度のプロット。それ以上の詳細については、「定義」の節を参照のこと。実験No.1230−5 。
【図2】
第2 図は、定常状態の酵素の反応速度論的分析の結果を示す。緩衝液が次の通りである以外、第2 図における条件( 最終アッセイ濃度) :100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %のウシ血清アルブミン。インキュベーション時間:60分。実験No.1167−3 。
【図3】
第3 図は、時間経過の実験の結果を示す。(A) 下記の化合物を含有する緩衝液中で2.5mM のp−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)と室温において96ウェルのプレート中でPTP1B をインキュベートした。化合物、2−( オキサリルアミノ) 安息香酸を250 、125 および62.5μM の最終アッセイ濃度で添加した。反応を酵素の添加により開始し、示した時間においてNaOHの添加により反応を停止させた。最後に、405nm における吸収をすべてのウェルにおいて測定した。(B) EDTAを1 μM の最終濃度で添加した以外、(A) における通りであった。
【図4】
第4 図は、定常状態の酵素の反応速度論的分析の結果を示す。異なる濃度の基質、p−ニトロフェニルホスフェート、およびインヒビター、3−( オキサリル− アミノ) ナフタレン−2− カルボン酸(0、3.7 、11.1、33.3および100 μM −最終アッセイ濃度) と96ウェルのプレート中でPTP1B をインキュベートした。緩衝液( 最終アッセイ濃度) :100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %(w/v) のウシ血清アルブミン。インキュベーション時間:60分。温度:25℃。水酸化ナトリウムを添加し、吸収を405nm において読む。(A) ミカエリス・メンテンのプロット;(B) 見掛けのKm値/インヒビター濃度のプロット;(C) 見掛けのVmax/インヒビター濃度のプロット。それ以上の詳細については、「定義」の節を参照のこと。
【図5】
第5 図は、定常状態の酵素の反応速度論的分析の結果を示す。異なる濃度の基質、p−ニトロフェニルホスフェート、およびインヒビター、2−( オキサリル− アミノ)−4, 5, 6, 7− テトラヒドロ− ベンゾ[b] チオフェン−3− カルボン酸(0、18.5、55.6、166.7 および500 μM −最終アッセイ濃度) と96ウェルのプレート中でPTP1B をインキュベートした。緩衝液( 最終アッセイ濃度) :100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のジチオスレイトール、および0.1 %(w/v) のウシ血清アルブミン。インキュベーション時間:60分。温度:25℃。水酸化ナトリウムを添加し、吸収を405nm において読む。(A) ミカエリス・メンテンのプロット;(B) 見掛けのKm値/インヒビター濃度のプロット;(C) 見掛けのVmax/インヒビター濃度のプロット。それ以上の詳細については、「定義」の節を参照のこと。
【図6】
第6 図は、定常状態の酵素の反応速度論的分析の結果を示す。(A) ミカエリス・メンテンのプロット。異なる濃度の基質(pNPP)、p−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)、およびインヒビター、5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−( オキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸(0、7.4 、22.2、66.7および200 μM −最終アッセイ濃度) と96ウェルのプレート中でPTP αをインキュベートした。緩衝液( 最終アッセイ濃度) :100mM の酢酸ナトリウムpH5.5 、50mMのNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %のウシ血清アルブミン。温度:25℃。60分後、10μl の0.5Mの水酸化ナトリウム溶液(50 %(v/v) エタノール中の) を各ウェルに添加し、吸収を405nm において読む。(B) ミカエリルス・メンテンのプロット。異なる濃度の基質(pNPP)、p−ニトロフェニルホスフェート、およびインヒビター、5−(1, 3−ジオキソ−1, 3−ジヒドロ− イソインドール−2− イルメチル)−2−( オキサリル− アミノ)−4, 7− ジヒドロ−5H−チエノ[2, 3−c]ピラン−3− カルボン酸(0、37、111.1 、333.3 および1000μM −最終アッセイ濃度) と96ウェルのプレート中でPTP αをインキュベートした。緩衝液( 最終アッセイ濃度) :50mMのHEPES pH7.0 、100mM のNaCl、5mM のグルタチオン、1mM のEDTA、および0.1 %のウシ血清アルブミン。温度:25℃。60分後、20μl の0.5Mの水酸化ナトリウム溶液(50 %(v/v) エタノール中の) を各ウェルに添加し、吸収を405nm において読む。それ以上の詳細については、「定義」の節を参照のこと。
【図7】
第7 図は、PTP アーゼドメインI の多重配列整列に基づく相同性樹を示す。
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