JP2004364048A - データ記録装置、データ再生装置、データ記録方法、データ再生方法及びデータ記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出する簡単な構成のデータ再生装置及びデータ再生方法を提供する。
【解決手段】本発明のデータ再生装置は、記録媒体から可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量を示したテーブルとを読み出す再生部と、前記データの復号化を行う復号化部と、前記データの区間のデータ量と前記テーブルとに基づいて前記区間の再生時間を算出する再生時間算出部と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のデータ再生装置は、記録媒体から可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量を示したテーブルとを読み出す再生部と、前記データの復号化を行う復号化部と、前記データの区間のデータ量と前記テーブルとに基づいて前記区間の再生時間を算出する再生時間算出部と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ記録装置、データ再生装置、データ記録方法、データ再生方法及びデータ記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
音楽や映像データのデジタル化に伴い、これらのデータを高能率に符号化して、記憶媒体へ蓄積し、あるいは通信網を利用して伝達する技術が近年実用化され、広く利用されている。またこの技術の普及に伴い、これらのデータを普通に再生させるだけでなく、聞きたい場所、見たい場所を高速に再生しながら検索する高速再生の需要も高まってきている。従来例の高速再生可能なデータ再生装置(データ記録再生装置を含む。)としては、特許文献1に開示された圧縮情報再生装置がある。
【0003】
以下、図2及び図11〜図14を用いて従来のデータ記録再生装置について説明する。ここでは一例として、記憶媒体をメモリカード、記憶媒体に記憶されているデータを圧縮信号処理した音楽データとしている。
はじめに、従来のデータ記録再生装置における構成について、図11を用いて説明する。図11は、従来のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
101は音声圧縮データを記録するメモリカード、1102は音声を入力して符号化し、メモリカード101に記録し、メモリカード101から音声圧縮データを読み出し、復号化した音声を出力するデータ記録再生装置である。
データ記録再生装置1102は、A/Dコンバータ125、符号化部126、記録する音声圧縮データを一時記憶し且つメモリカード101から再生した音声圧縮データを一時記憶するデータバッファ112、メモリカード101に音声圧縮データを記録し且つメモリカード101から音声圧縮データを読み出すメモリカード制御部111、制御部113、ユーザからの入力を受け付け、その結果を制御部113に送信する操作入力部114、データバッファ112から読み出した音声圧縮データを復号化する復号化部115、復号化部115から出力されるデジタル信号(復号化データ)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ116、ヘッダ解釈部123から出力されるビットレート及びデータ間引き率制御部121から出力される復号化データ量から再生時間を算出する再生時間算出部1117を有する。
【0005】
制御部113は、メモリカード制御部111とデータバッファ112と復号化部115とを制御する。
復号化部115は、データ間引き率に応じて、データバッファ112から音楽データを読み出すデータ間引き率制御部121、音声圧縮データのフレーム同期信号パターンを検出する内部フレーム検出部122、フレームヘッダの内容を解釈し、ビットレートなどを読み出すヘッダ解釈部123、音声圧縮データを伸長する伸長部124を有する。
【0006】
以上のように構成されたデータ記録再生装置の音声信号の記録方法を説明する。A/Dコンバータ125は、入力した音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。符号化部126は、音声圧縮データのストリームの管理情報を生成し、ストリームのヘッダとしてメモリカード101に記録する。符号化部126は、デジタル化された音声信号を圧縮符号化し、データバッファ112に一時格納する。メモリカード制御部111は、データバッファ112から音声圧縮データを読み出し、メモリカード101に記録する。
【0007】
音声圧縮データの再生(通常速度再生)及び高速再生時の処理方法について、図2及び図12〜図14を用いて説明する。図2は、従来のデータ記録再生装置の通常速度再生時(データを間引かない再生)の処理方法を示すフローチャートである。
ステップ201で、ユーザがデータ記録再生装置1102に再生指令(通常速度再生)を入力する。ステップ202で、ユーザの再生指令に基づき操作入力部114は再生開始指令を制御部113に発行する。ステップ203で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。ステップ204で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データの先頭部を読み出す。ステップ205で、メモリカード制御部111は読み出した音声圧縮データをデータバッファ112に格納する。
【0008】
ステップ206で、制御部113はデータバッファ112に音声圧縮データが所定量以上格納されたか否かを判断する。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量未満の間は、ステップ204に戻り、制御部113からの指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データを間引くことなく読み出し、データバッファ112に格納し続ける。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量以上になれば(ステップ206)、ステップ207に進む。ステップ207で、制御部113は復号化部115に復号化開始指令を発行する。
【0009】
ステップ208で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを順番に読み出す。通常速度再生の場合、間引き率は1となる(データを全て再生する。)。ステップ209で、内部フレーム検出部122はフレーム同期信号を検出し、復号化(伸長)を行うフレームを検出する。ヘッダ解釈部123はヘッダ内容を解析し、ビットレート等、各パラメータを読み出す。ステップ210で、伸長部124は1フレームの音声圧縮データを伸長する。
ステップ211で、復号化部115は1フレーム復号化完了通知を制御部113に発行する。ステップ208〜ステップ211は、復号化部115の処理である。
【0010】
ステップ212で、再生時間算出部1117は、ヘッダ解釈部123が読み出したビットレート及びデータ間引き率制御部121が算出した復号化データ量(典型的には、復号化したフレーム数に、1フレームの復号化データのデータ量を掛けて算出する。)から、下記の式に基づいて正確な再生時間を算出する。
再生時間=復号化データ量/ビットレート (1)
再生時間算出部1117は、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部(図示しない。例えば液晶表示部である。)は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。ステップ213で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ214で、データ記録再生装置1102は音声を出力する。ステップ215で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ204に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0011】
図12は、従来のデータ記録再生装置の高速再生時(データを間引いた再生)の処理方法を示すフローチャートである。
図12において、再生動作中にステップ1201で、ユーザがデータ記録再生装置1102に高速再生指令を入力する。ステップ1202で、ユーザの高速再生指令に基づき操作入力部114は高速再生(間引き再生)開始指令を制御部113に発行する。ステップ203で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。
【0012】
ステップ1204で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データの先頭部を読み出す。ステップ1205で、メモリカード制御部111は読み出した音声圧縮データをデータバッファ112に格納する。ステップ1206で、制御部113はデータバッファ112に音声圧縮データが所定量以上格納されたか否かを判断する。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量未満の間は、ステップ1204に戻り、制御部113からの指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データを読み出し、データバッファ112に格納し続ける。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量以上になれば(ステップ1206)、ステップ1207に進む。ステップ1207で、制御部113は復号化部115に復号化開始指令を発行する。ステップ1208で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを間引いて読み出す。
【0013】
ステップ1208におけるデータの間引き方法を説明する。例えば、4倍の高速再生を行う場合、間引き率は1/4となる(高速再生の場合、間引き率は1より小さくなる。)。
図14は、データ記録再生装置が4倍の高速再生を行う場合のデータの読み出し方を示す図である。図14において、1401〜1408はデータバッファ112に格納された音声圧縮データである。1401、1405は読み出すブロック単位、1402〜1404、1406〜1408は読み飛ばすブロック単位である。例えば、1ブロック単位を500バイトとする。データ間引き率制御部121は、まず1ブロック単位1401(500バイト)を読み出し、次の3ブロック単位1402〜1404(1500バイト)を読み飛ばす。データ間引き率制御部121は、これを繰り返す。
ステップ1209〜ステップ1211は、通常速度再生時(図2のステップ209〜211)と同様であり、その説明を省略する。復号化部115は、ステップ1208〜1211を実行する。
【0014】
次にステップ1212で、再生時間算出部1117は、ヘッダ解釈部123が読み出したビットレート及びデータ間引き率制御部121が算出した復号化データ量(読み飛ばしたデータも含む。)からおおよその再生時間を算出する(図13で詳述)。再生時間算出部1117は、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。例えば制御部113は、再生時間に基づいて、ユーザが入力した目標ポイント(例えば所望の音楽の先頭ポイント)にアクセスし(再生ポイントを目標ポイントに一致させ)、高速再生動作を停止させる。ステップ1213で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ1214で、データ記録再生装置1102は音声を出力する。ステップ1215で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ1204に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0015】
図13は、従来のデータ記録再生装置の高速再生時(データを間引いた再生)に、再生時間算出部1117が再生時間を算出する方法を示すフローチャートである。ステップ1301において、累計再生時間を0時間(初期値)とする。
ステップ1212(図12)において、再生時間算出部1117は、ステップ1302〜1304(図13)の処理を行う。ステップ1302において、実際に復号化したデータ量を計数する。
ステップ1303において、下記の式(2)により再生時間を算出する。式(2)において、復号化データ量は、再生し、復号化した後のデータの量である。再生しなかったデータ(読み飛ばしたデータ)を含まない。
再生時間=(復号化データ量/ビットレート)×(1/データ間引き率)(2)
【0016】
例えば図14においてはデータ間引き率=1/4であるから、(1/データ間引き率)=4になる。復号化データのビットレートが1920kbps(=48kHz(サンプリング周波数)×20ビット×2チャンネル)で、復号化したブロック(ブロック1401及び1405等)の復号化データ量(復号化されたブロックの音声圧縮データの量ではない。)が4.8Mビットであれば、その区間(ブロック1401〜1408等)の再生時間は、式(2)に数値を代入して2.5秒になる。
再生時間=(4.8M/1920k)×4=2.5s
ステップ1304において、下記の式より累計再生時間を算出する。
累計再生時間=累計再生時間+再生時間
ステップ1302に戻る。
【0017】
【特許文献1】
特許第3226711号公報(第4頁−第6頁、第1図−第2図)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のデータ記録再生装置は、可変ビットレートで符号化された信号を高速再生する場合、正確な再生時間を算出することができなかった。
可変ビットレートで符号化された音声圧縮データにおいては、復号化されたブロックの圧縮率と、復号化されなかったブロックの圧縮率とは同一とはとは限らない。例えば復号化されたブロックの音声圧縮データのデータ量が全体のブロック(読み飛ばされたブロックを含む。)の音声圧縮データのデータ量の1/4であった場合、復号化されたブロックの復号化データのデータ量は、全体のブロックの復号化データのデータ量の1/4を中心として変動する。
従来例のデータ再生装置においては、例えば、高速再生中に聞きたい場所を発見してその点を記憶しておき(再生時間の値を記憶する。)、その後その記憶した点にキューアクセスし、通常速度再生した場合、聞きたい場所とはずれた場所から再生されるという問題があった。
【0019】
また他の方式として、全体のブロック(読み飛ばされたブロックを含む。)の復号化フレーム数から再生時間を算出する方式が考えられる(1フレームの再生時間は一定である。)。しかし、この方式では復号化部115は、間引き前のフレーム数を計数するため、可変ビットレート符号化信号の全てのフレームの切り換わりポイントを知る必要がある。そのため、メモリカード制御部111は、全ての音声圧縮データをデータバッファ112に読み出し、そのフレームの切り換わりポイントを全て検出し、復号化部115に伝達する必要がある。この方法によれば、メモリカード制御部111は復号化しないデータまで読み出す必要がある故、データ記録再生装置の消費電力が不必要に増加する。再生速度が非常に速い場合は復、メモリカード制御部111は、全ての音声圧縮データを読み出すことが困難であった。高速再生時に、復号化部115と制御部113とが上記のような綿密な連携を実現することは困難であった。
【0020】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するもので、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出する簡単な構成のデータ再生装置及びデータ再生方法を提供することを目的とする。
本発明は、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生時に再生時間を簡単な構成で正確に算出することを可能にする、データ記録装置、データ記録方法及びデータ記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。請求項1に記載の発明は、音声情報及び/又は映像情報を可変長符号化し、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータを生成する符号化部と、前記データのデータ量を所定フレーム数毎に計数し、所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルを作成するテーブル作成部と、前記データと前記テーブルとを記録媒体に記録する記録部と、を備えたことを特徴とするデータ記録装置である。
【0022】
請求項6に記載の発明は、音声情報及び/又は映像情報を可変長符号化し、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータを生成する符号化ステップと、前記データのデータ量を所定フレーム数毎に計数し、所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルを作成するテーブル作成ステップと、前記データと前記テーブルとを記録媒体に記録する記録ステップと、を備えたことを特徴とするデータ記録方法である。
【0023】
本発明は、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生(間引き再生)時に再生時間を簡単な構成でかつ正確に算出することを可能にする、データ記録装置及びデータ記録方法を実現出来るという作用を有する。
1フレームの区間は一定の時間である。「所定フレーム数」の区間とは、一定時間の区間である。
【0024】
請求項2に記載の発明は、記録媒体から、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量を示したテーブルと、を読み出す再生部と、前記データの復号化を行う復号化部と、前記データの区間のデータ量と、前記テーブルとに基づいて、前記区間の再生時間を算出する再生時間算出部と、を備えたことを特徴とするデータ再生装置である。
【0025】
請求項7に記載の発明は、記録媒体から、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量を示したテーブルと、を読み出す再生ステップと、前記データの復号化を行う復号化ステップと、前記データの区間のデータ量と、前記テーブルとに基づいて、前記区間の再生時間を算出する再生時間算出ステップと、を備えたことを特徴とするデータ再生方法である。
【0026】
本発明は、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を簡単な構成でかつ正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。
「区間の再生時間」とは、その区間の全てのデータを再生した場合の再生時間を意味する。
【0027】
請求項3に記載の発明は、前記再生時間算出部は、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記重複部分に含まれるフレームの数を計測して算出する、ことを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置である。
【0028】
請求項8に記載の発明は、前記再生時間算出ステップにおいて、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記重複部分に含まれるフレームの数を計測して算出する、ことを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法である。
【0029】
本発明においては、全体が区間に含まれる単位区間の再生時間を、テーブルに示されたデータ量に基づいて正確に算出する。一部が区間に含まれる単位区間の区間との重複部分の再生時間を、その重複部分を再生し、そこに含まれるフレームの数を計測して正確に算出する(再生時間=1フレームの再生時間×フレーム数)。本発明は、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。
【0030】
請求項4に記載の発明は、前記再生時間算出部は、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量から導出したその単位区間における平均ビットレートと、前記その単位区間内における前記区間の端部の位置と、に基づいて算出する、ことを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置である。
【0031】
請求項9に記載の発明は、前記再生時間算出ステップにおいて、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量から導出したその単位区間における平均ビットレートと、前記その単位区間内における前記区間の端部の位置と、に基づいて算出する、ことを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法である。
【0032】
本発明においては、全体が区間に含まれる単位区間の再生時間を、テーブルに示されたデータ量に基づいて正確に算出する。一部が区間に含まれる単位区間の区間との重複部分の再生時間を、可変長符号化データ(典型的には圧縮データ)の平均ビットレートに基づいてほぼ正確に算出する(再生時間=平均ビットレート×可変長データのデータ量、又は再生時間=単位区間×(重複部分の可変長符号化データのデータ量/その単位区間の全部の可変長符号化データのデータ量))。この重複部分の再生時間を、そこを再生しないでも計算できる。本発明において、再生時間の大部分はテーブルに示されたデータ量に基づいて正確に算出される。一部の再生時間についてのみある程度誤差のある方法で計算されるが、全体の再生時間は、従来と比較してはるかに高い精度を持つ値である。本発明は、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間をほぼ正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。
「平均ビットレートに基づいて算出する」とは、平均ビットレート(又はその逆数)そのものを算出して再生時間を算出する場合のみならず、実質的に平均ビットレートと同等の値を算出する場合(例えば計算式が実質的に(単位区間/その単位区間の全部の可変長符号化データのデータ量)を計算することになる場合)を含む。
【0033】
請求項5に記載の発明は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生時に、前記テーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生することを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置である。
請求項10に記載の発明は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生時に、前記テーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生することを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法である。
本発明は、請求項3又は請求項8の方法により、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。本発明によれば、正確にn倍速で高速再生できる。
【0034】
請求項11に記載の発明は、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、前記データの所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルと、を備えたことを特徴とするデータ記録媒体である。
請求項12に記載の発明は、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、前記データの所定のデータのまとまり毎のデータ量を示したテーブルと、を備えたことを特徴とするデータ記録媒体である。
本発明は、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生時に再生時間を簡単な構成でかつ正確に算出することを可能にする、データ記録媒体を実現出来るという作用を有する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0036】
《実施の形態1》
図1〜図6を用いて本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置について説明する。ここでは一例として、記憶媒体をSDメモリカード(登録商標)、記憶媒体に記憶されているデータをSDオーディオ規格(SD Memory Card Specifications Part4 AUDIO SPECIFICATIONS)に準拠したMPEG(Moving Picture Image Coding Expert Group)2−AAC形式の音楽データとしている。
はじめに、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置102の構成を示すブロック図である。
従来例(図11)と異なるのは、テーブル格納部118及びフレーム検出部119を設けた点である。それ以外の点については、基本的に従来例(図11)のデータ記録再生装置と同一である。図1において、従来例(図11)と同一のブロックには同一の符号を付している。
【0037】
101は音声圧縮データ(可変長符号化データ)と所定時間(「単位区間」と呼ぶ。)毎の音声圧縮データのデータ量を示したタイムサーチテーブル(後述)とを記録するメモリカード、102は音声を入力して符号化し、メモリカード101に記録し、メモリカード101から音声圧縮データを読み出し、復号化した音声を出力するデータ記録再生装置である。
データ記録再生装置102は、A/Dコンバータ125、符号化部126、データバッファ112、メモリカード制御部111、制御部113、ユーザからの入力を受け付け、その結果を制御部113に送信する操作入力部114、データバッファ112に記憶された音声圧縮データを読み出し、読み出した音声圧縮データを復号化する復号化部115、復号化部115から出力されるデジタル信号(復号化データ)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ116、再生時間算出部117、テーブル格納部118、データバッファ112から読み出した音声圧縮データ(例えば音楽データ)のフレーム同期信号パターンを検出するフレーム検出部119を有する。
【0038】
データバッファ112は、記録時に記録する音声圧縮データを一時記憶し、再生時にメモリカード101から再生した音声圧縮データを一時記憶する。メモリカード制御部111は、記録時にメモリカード101に音声圧縮データ及びタイムサーチテーブルを記録し、再生時にメモリカード101から音声圧縮データ及びタイムサーチテーブルを読み出す。再生時間算出部117は、通常速度再生時にはヘッダ解釈部123から出力されるビットレート及びデータ間引き率制御部121から出力される復号化データ量から再生時間を算出し、高速再生時にはテーブル格納部118から読み出したタイムサーチテーブル及びフレーム検出部119から出力されるフレーム数から再生時間を算出する。テーブル格納部118は、記録時に制御部113が生成したタイムサーチテーブルを格納し、再生時にメモリカード制御部111を介してメモリカード101から読み出されたタイムサーチテーブルを格納する。
制御部113は、メモリカード制御部111とデータバッファ112と復号化部115とを制御する。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置のタイムサーチテーブルの一例である。実施の形態1のタイムサーチテーブルは、ストリームの所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量からなるテーブルである。図5における単位区間は100フレーム(2.13秒。音声データの1フレームの再生時間は(1024/48k)秒とする。1フレームは1024サンプリング、サンプリングレートは48kHzとする。)である。すなわち、図5は単位区間(100フレーム)毎の可変長符号化データの量をバイト単位で示したものである。各単位区間には、時間軸上の順序に従ってインクリメントする配列番号が付与されている。
復号化部115は、データ間引き率に応じて、データバッファ112から音楽データを読み出すデータ間引き率制御部121、音声圧縮データのフレーム同期信号パターンを検出する内部フレーム検出部122、フレームヘッダの内容を解釈し、ビットレートなどを読み出すヘッダ解釈部123、音声圧縮データを伸長する伸長部124を有する。
【0040】
以上のように構成された実施の形態1のデータ記録再生装置の音声信号の記録方法を説明する。A/Dコンバータ125は、入力した音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。符号化部126は、音声圧縮データのストリームの管理情報(ストリーム全体の情報であってビットレートの情報を含む。)を生成し、ストリームのヘッダとしてメモリカード101に記録する。符号化部126は、デジタル化された音声信号を可変長符号化方式で圧縮符号化し、データバッファ112に一時格納する。メモリカード制御部111は、データバッファ112から音声圧縮データを読み出し、メモリカード101に記録する。メモリカード制御部111が100フレームの音声圧縮データをメモリカード101に記録する毎に、制御部113はその音声圧縮データのデータ量を算出し、タイムサーチテーブル(テーブル格納部118に格納される。)にそのデータ量を書き込む。メモリカード制御部111が1つの音声圧縮データのストリームを記録し終えると、タイムサーチテーブルが完成する。制御部113は、メモリカード制御部111を介してタイムサーチテーブルをメモリカード101に記録する。
【0041】
以上のように構成されデータ記録再生装置において、音声圧縮データの再生及び高速再生時の処理方法について、図2〜図6を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の通常速度再生時(データを間引かない再生)の処理方法を示すフローチャートである。通常速度再生時の処理方法は従来例と同一である。図2は、従来例において既に説明した。
ステップ213で、再生時間算出部117は、ヘッダ解釈部123が読み出したビットレート及び復号化データ量から式(1)に基づいて正確な再生時間を算出する。再生時間算出部117は、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部(図示しない。例えば液晶表示部である。)は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。通常速度再生におけるステップ213において、後述する高速再生時の再生時間算出方法(図4)で再生時間を算出しても良い。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生(データを間引いた再生)時の処理方法を示すフローチャートである。
実施の形態1(図3)が従来例(図12)と異なる点は、タイムサーチテーブルを読み出して格納すること(ステップ304及び305)、フレーム数の計数処理を行うこと(ステップ314〜316)、再生時間の算出方法が異なること(図3のステップ317と図12のステップ1212)である。それ以外の点については、従来例(図13)のデータ再生方法と同一である。図3を説明する。
【0043】
再生動作中にステップ301で、ユーザがデータ記録再生装置102に高速再生指令を入力する。ステップ302で、ユーザの高速再生指令に基づき操作入力部114は高速再生(間引き再生)開始指令を制御部113に発行する。ステップ303で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。
制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101からタイムサーチテーブルを読み出し(ステップ304)、テーブル格納部118に格納する(ステップ305)。
【0044】
ステップ306〜313(図3)は、従来例(図12)のステップ1204〜1211と同一である。これらのステップの説明を省略する。
ステップ310で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを間引いて読み出す。データ記録再生装置102は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生(高速再生)時に、タイムサーチテーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生する((n−1)個の単位区間を再生しない。)。
復号化部115は、ステップ310〜313を実行する。
【0045】
ステップ314〜316において、フレーム検出部119は、単位区間内でのフレーム数Fをカウントする。フレーム検出部119は1フレームの復号化完了通知(ステップ313)を受け取ると、ステップ314において、メモリカード制御部111が新しい単位区間の再生を開始したか(それまで再生していた単位区間の再生が全て完了したか)否かをチェックする。メモリカード制御部111が新しい単位区間の再生を開始したのであれば、フレーム検出部119はフレーム数F=0(初期値)を設定する。ステップ317に進む。メモリカード制御部111が新しい単位区間の再生を開始したのでなければ、フレーム検出部119は、1フレームの復号化完了通知(ステップ313)に応じて、フレーム数Fをインクリメントする。
【0046】
ステップ317で、再生時間算出部117は、正確な再生時間を算出し(図4で詳述)、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。例えば制御部113は、再生時間に基づいて、ユーザが入力した目標ポイント(例えば所望の音楽の先頭ポイント)にアクセスし(再生ポイントを目標ポイントに一致させ)、高速再生動作を停止させる。
ステップ318で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ319で、データ記録再生装置102は音声を出力する。ステップ320で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ306に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0047】
次に図4及び図6を用いて、実施の形態1における、可変長符号方式により符号化された音声圧縮データの高速再生時の再生時間の算出方法(図3のステップ317の詳細)について説明する。図4は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図3のステップ317の詳細フローチャート)である。
再生時間算出部117は、区間の符号化データ量、タイムサーチテーブル及びフレーム数を用いて、以下の方法により再生時間を算出する。
【0048】
図6は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示す図である。図6において、現在の再生点をX(配列番号3の単位区間の中の点)とする。現在の再生点Xにおける正確な再生時間を算出できれば、正確な再生時間表示や目標ポイントへの正確なアクセスが可能となる。図6において、2倍速の高速再生が行われているとする。データ記録再生装置102は、配列番号が奇数の単位区間のみを再生し、配列番号が偶数の単位区間を再生しない。メモリカード制御部111は、最初にメモリカード101から配列番号1の単位区間を再生する。配列番号1の単位区間(17000バイトのデータ量)を再生し終わった時点で、メモリカード制御部111は、タイムサーチテーブルに基づいて、メモリカード101のリードアドレスを17500バイト(配列番号2の単位区間)だけスキップし、配列番号3の単位区間を再生する。配列番号2は再生されず、配列番号1及び3が再生される。
【0049】
再生時間算出部117は、区間0〜現在の再生点X(図6)の間の再生時間を算出するとする。
ステップ313で、復号化部115が1フレーム復号化完了通知を発行する(再生点X)。復号化完了通知を発行する所定単位と、タイムサーチテーブルにおける単位区間とは同一でも良く、異なっていても良い。図4において、最初に区間(再生時間を算出する対象の区間。0〜再生点X)の累計のデータ量を算出する(ステップ401)。再生時間を計算する区間(図6においては、時間0の点から再生点Xまでの区間)の累計のデータ量は46000バイトとする。累計のデータ量は、復号化前のデータ量(メモリカード101に記録されているデータの量)であって、実際に再生したデータの量のみならず、読み飛ばしたデータの量も含む。累計の復号化データ量は、例えばメモリカード101のリードアドレスの変化量に基づいて容易に算出できる。
【0050】
ステップ402で、制御部113はテーブル格納部118からタイムサーチテーブル(図5)を読み出す。ステップ403で、再生時間算出部117は所定単位復号化完了通知を受信したとき(再生点X)の復号化データ量及びタイムサーチテーブルから、再生点Xがタイムサーチテーブルのどの配列番号に位置するかを算出する。タイムサーチテーブル(図5)より、データ量が46000バイトである再生点Xは、配列番号3の単位区間の途中にあることが分かる(図6)。
【0051】
ステップ403において、全体が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間(図6においては配列番号1及び2の単位区間である。)の再生時間T1を算出する。図6において、全体が区間(0〜再生点X)に含まれる単位区間は、配列番号1及び2の単位区間である。図5において、単位区間は100フレームの区間であるため、再生点Xまでの再生時間T1は式(3)より4.27秒となる。
T1=単位区間の再生時間×単位区間の数=(102400/48k)[s]×2=4.27[s] (3)
【0052】
ステップ404において、一部が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間の、区間との重複部分(以下、「重複部分」と呼ぶ。)の再生時間T2を算出する。再生時間T2は図6の斜線部分(34500バイト目以降46000バイトまでの11500バイト分)の再生時間である。
ステップ404で、再生時間算出部117は下記の式(4)より1フレームの再生時間を算出する。1フレームは1024サンプリングとする。
1フレームの再生時間[s]=1024/サンプリング周波数[Hz] (4)再生時間算出部117は下記の計算式(5)より重複部分(図6の斜線部)の再生時間T2を算出する。フレーム検出部119が重複部分のフレーム数Fを計数している。
T2[s]=1フレームの再生時間[s]×フレーム数F (5)
サンプリング周波数が48kHz、重複部分のフレーム数Fが60個の場合、重複部分の再生時間T2は1.28秒(=(1024/48000)×60)となる。
【0053】
ステップ405で、再生時間算出部117は下記の計算式(6)より合計の再生時間を算出する。
T0=T1+T2=4.27+1.28=5.55[s] (6)
合計の再生時間は、5.55秒となる。
ステップ406で、再生時間算出部117は、算出した再生時間5.55秒を制御部113に通知する。
【0054】
本実施の形態1では、ステップ310でデータ間引き率制御部121がデータバッファ112から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いている。これに代えて、ステップ306でメモリカード制御部111がメモリカード101から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いても良い。
本実施の形態1では、記憶媒体はSDメモリカード(登録商標)であるが、これに代えて、MD(Mini−Disk)、DVD(Digital Video Disc)等の他の大容量記録媒体であっても可能である。また、本実施の形態1では、記憶媒体に記憶されているデータはSDオーディオ規格に準拠したMPEG2−AAC形式の音楽データである。記憶媒体に記憶されているデータが他の形式の音声圧縮データであっても、映像圧縮データであっても応用可能である。
【0055】
本実施の形態1では、高速再生時に所定単位復号化完了通知(実施の形態1では、1フレーム復号化完了通知)を受信するたびに図4の再生時間の算出処理を行っていた。これに代えて、2回以上所定単位復号化完了通知を受信する間隔で、図4の再生時間の算出処理を行うこととしてもよい。
本実施の形態1によれば、タイムサーチテーブルに基づいて再生時間T1を正確に算出し、単位区間の重複部分(実際に再生した部分)のフレーム数を計数することにより再生時間T2を正確に算出し、正確な再生時間T0を算出することができる。
【0056】
《実施の形態2》
図7〜図10を用いて本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置について説明する。実施の形態1と同様に、記憶媒体をSDメモリカード(登録商標)、記憶媒体に記憶されているデータをSDオーディオ規格に準拠したMPEG2−AAC形式の音楽データとしている。
はじめに、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の構成について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置702の構成を示すブロック図である。
実施の形態2のデータ記録再生装置702は、フレーム検出部119の代わりにデータ情報格納部720を設けた点、及び再生時間算出部117に代えて再生時間算出部717を有すること(再生時間の算出方法が実施の形態1と異なること)において、実施の形態1(図1)と異なる。それ以外の点については、実施の形態2のデータ記録再生装置702は、実施の形態1(図1)と同一である。図7において、同一ブロックの説明を省略する。
【0057】
データ情報格納部720は、可変長符号化された符号化データの所定のまとまり毎の再生時間及びデータ量の情報(又はビットレート及びデータ量の情報)を格納する。実施の形態2において、符号化データの所定のまとまりは、メモリカード101に格納された音楽データの1トラック(1曲の音楽のストリーム)である。各トラックの再生時間及び可変長符号化された符号化データの量の情報をトラックデータ情報と呼ぶ。
【0058】
図10は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置のトラックデータ情報の集合の一例である。実施の形態2のトラックデータ情報は、ストリームの可変長符号化された符号化データの所定のまとまり(実施の形態2においてはトラック)毎のトラックデータ情報(再生時間及び可変長符号化された符号化データの量)のテーブルである。所定のまとまりの再生時間は、一定であっても良いが、実施の形態2のように一定でなくても良い。図10において、各トラックデータ情報には、時間軸上の順序に従ってインクリメントするトラック番号が付与されている。
実施の形態2のタイムサーチテーブルは、実施の形態1と同一である。
【0059】
以上のように構成された実施の形態2のデータ記録再生装置の音声信号の記録方法を説明する。A/Dコンバータ125は、入力した音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。符号化部126は、音声圧縮データのトラック毎の管理情報(トラック全体の情報であってビットレートの情報を含む。)を生成し、各トラックのヘッダとしてメモリカード101に記録する。符号化部126は、デジタル化された音声信号を可変長符号化方式で圧縮符号化し、データバッファ112に一時格納する。メモリカード制御部111は、データバッファ112から音声圧縮データを読み出し、メモリカード101に記録する。
【0060】
メモリカード制御部111が100フレームの音声圧縮データをメモリカード101に記録する毎に、制御部113はその音声圧縮データのデータ量を算出し、タイムサーチテーブル(テーブル格納部118に格納される。)にそのデータ量を書き込む。メモリカード制御部111が1つの音声圧縮データのストリームを記録し終えると、タイムサーチテーブルが完成する。又、メモリカード制御部111が1トラックの音声圧縮データをメモリカード101に記録する毎に、制御部113はそのトラックのトラックデータ情報(再生時間及び可変長符号化された符号化データの量)を算出し、データ情報格納部720に格納する。
メモリカード制御部111が複数のトラックを含む1つの音声圧縮データのストリームを記録し終えると、タイムサーチテーブル及びトラックデータ情報の集合が完成する。制御部113は、メモリカード制御部111を介してタイムサーチテーブル及びトラックデータ情報の集合をメモリカード101に記録する。
【0061】
以上のように構成されたデータ記録再生装置において、音声圧縮データの再生及び高速再生時の処理方法について、図2、図8〜図10を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の通常速度再生時(データを間引かない再生)の処理方法を示すフローチャートである。通常速度再生時の処理方法は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0062】
図8は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生(データを間引いた再生)時の処理方法を示すフローチャートである。
実施の形態2(図8)が実施の形態1(図3)と異なる点は、タイムサーチテーブルに加えてトラックデータ情報の集合をメモリカード101から読み出すこと(ステップ806及び807)、フレーム数の計数処理を行わないこと(ステップ314〜316に相当するステップが無い。)、再生時間の算出方法が異なること(図8のステップ816と図3のステップ317)である。それ以外の点については、実施の形態1(図3)のデータ再生方法と同一である。図8を説明する。
【0063】
再生動作中にステップ801で、ユーザがデータ記録再生装置102に高速再生指令を入力する。ステップ802で、ユーザの高速再生指令に基づき操作入力部114は高速再生(間引き再生)開始指令を制御部113に発行する。
ステップ803で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。
制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101からタイムサーチテーブルを読み出し(ステップ804)、テーブル格納部118に格納する(ステップ805)。制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101からトラックデータ情報を読み出し(ステップ806)、データ情報格納部720に格納する(ステップ807)。
【0064】
ステップ808〜815(図8)は、実施の形態1(図3)のステップ306〜313と同一である。これらのステップの説明を省略する。
ステップ812で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを間引いて読み出す。データ記録再生装置102は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生(高速再生)時に、タイムサーチテーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生する((n−1)個の単位区間を再生しない。)。
復号化部115は、ステップ812〜815を実行する。
【0065】
ステップ816で、再生時間算出部717は、ほぼ正確な再生時間を算出し(図9で詳述)、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。例えば制御部113は、再生時間に基づいて、ユーザが入力した目標ポイント(例えば所望の音楽の先頭ポイント)にアクセスし(再生ポイントを目標ポイントに一致させ)、高速再生動作を停止させる。
ステップ817で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ818で、データ記録再生装置102は音声を出力する。ステップ819で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ808に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0066】
次に図9及び図6を用いて、実施の形態2における、可変長符号方式により符号化された音声圧縮データの高速再生時の再生時間の算出方法(図8のステップ814の詳細)について説明する。
図6において、現在の再生点をX(配列番号3の単位区間の中の点)とする。図6において、2倍速の高速再生が行われているとする。データ記録再生装置102は、配列番号が奇数の単位区間のみを再生し、配列番号が偶数の単位区間を再生しない。メモリカード制御部111は、最初にメモリカード101から配列番号1の単位区間を再生する。配列番号1の単位区間(17000バイトのデータ量)を再生し終わった時点で、メモリカード制御部111は、タイムサーチテーブルに基づいて、メモリカード101のリードアドレスを17500バイト(配列番号2の単位区間)だけスキップし、配列番号3の単位区間を再生する。配列番号2は再生されず、配列番号1及び3が再生される。
【0067】
図9は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図8のステップ816の詳細フローチャート)である。再生時間算出部717は、区間の符号化データ量、タイムサーチテーブルを用いて、以下の方法により再生時間を算出する。
再生時間算出部717は、区間0〜現在の再生点X(図6)の間の再生時間を算出するとする。
ステップ815で、復号化部115が1フレーム復号化完了通知を発行する(再生点X)。復号化完了通知を発行する所定単位と、タイムサーチテーブルにおける単位区間とは同一でも良く、異なっていても良い。図9において、最初に区間(再生時間を算出する対象の区間。0〜再生点X)の累計のデータ量を算出する(ステップ901)。再生時間を計算する区間(図6においては、時間0の点から再生点Xまでの区間)の累計のデータ量は46000バイトとする。累計のデータ量は、復号化前のデータ量(メモリカード101に記録されているデータの量)であって、実際に再生したデータの量のみならず、読み飛ばしたデータの量も含む。累計の復号化データ量は、例えばメモリカード101のリードアドレスの変化量に基づいて容易に算出できる。
【0068】
ステップ902で、制御部113はテーブル格納部118からタイムサーチテーブル(図5)を読み出す。ステップ903で、再生時間算出部717は所定単位復号化完了通知を受信したとき(再生点X)の復号化データ量及びタイムサーチテーブルから、再生点Xがタイムサーチテーブルのどの配列番号に位置するかを算出する。タイムサーチテーブル(図5)より、データ量が46000バイトである再生点Xは、配列番号3の単位区間の途中にあることが分かる(図6)。
【0069】
ステップ903において、全体が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間(図6においては配列番号1及び2の単位区間である。)の再生時間T’1を算出する。図6において、全体が区間(0〜再生点X)に含まれる単位区間は、配列番号1及び2の単位区間である。図5において、単位区間は100フレームの区間であるため、再生点Xまでの再生時間T’1は式(3)より4.27秒となる。
T’1=単位区間の再生時間×単位区間の数=(102400/48k)[s]×2=4.27[s] (3)
【0070】
実施の形態2(図8)が実施の形態1(図3)と異なるのは、再生時間算出部717が、フレーム数の代わりにトラック毎の平均ビットレートを用いて、一部が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間の、区間との重複部分(以下、「重複部分」と呼ぶ。)の再生時間T’2を算出する点である。それ以外の点については、実施の形態1(図3)のデータ再生方法と同一である。
ステップ904で、制御部113はデータ情報格納部720からトラックデータ情報(図10)を読み出す。再生時間算出部717は下記の式(7)より再生したトラック番号の平均ビットレートを算出する。
平均ビットレート[bps]=データ量[byte]×8/再生時間[s] (7)
現在再生しているのは、トラックデータ情報(図10)のトラック番号1番の音声データであるとする。トラックデータ情報(図10)のトラック番号1番の再生時間、データ量より、トラック番号1番の平均ビットレートは66.7kbps(=(500000×8/60)/103)となる。
【0071】
ステップ905において、重複部分の再生時間T’2を算出する。再生時間T’2は図6の斜線部分(34500バイト目以降46000バイトまでの11500バイト分)の再生時間である。再生時間算出部717は下記の計算式(8)より再生点X以降の再生時間T’2を算出する。
T’2[s]=斜線部分のデータ量[byte]×8/平均ビットレート[bps] (8)
図6において、斜線部分のデータ量は、11500バイト(34500バイト目以降46000バイトまで)である。重複部分の再生時間T’2は1.38秒(=11500×8/66.7)となる。
【0072】
ステップ906で、再生時間算出部717は下記の計算式(9)より合計の再生時間を算出する。
T’0=T’1+T’2=4.27+1.38=5.65[s] (9)
合計の再生時間は、5.65秒となる。
ステップ907で、再生時間算出部717は、算出した再生時間5.65秒を制御部113に通知する。
【0073】
本実施の形態2では、ステップ812でデータ間引き率制御部121がデータバッファ112から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いている。これに代えて、ステップ808でメモリカード制御部111がメモリカード101から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いても良い。
本実施の形態2では、記憶媒体はSDメモリカード(登録商標)であるが、これに代えて、MD(Mini−Disk)、DVD(Digital Video Disc)等の他の大容量記録媒体であっても可能である。また、本実施の形態2では、記憶媒体に記憶されているデータはSDオーディオ規格に準拠したMPEG2−AAC形式の音楽データである。記憶媒体に記憶されているデータが他の形式の音声圧縮データであっても、映像圧縮データであっても応用可能である。
【0074】
本実施の形態2では、テーブル格納部、データ情報格納部の2つの格納部を設けているが、これらの格納部を1つの格納部としてもよい。
本実施の形態2では、高速再生時に所定単位復号化完了通知(実施の形態2では、1フレーム復号化完了通知)を受信するたびに図9の再生時間の算出処理を行っていた。これに代えて、2回以上所定単位復号化完了通知を受信する間隔で、図9の再生時間の算出処理を行うこととしてもよい。
本実施の形態2によれば、タイムサーチテーブルに基づいて再生時間T’1を正確に算出し、平均ビットレートに基づいて単位区間の重複部分(実際に再生した部分)の再生時間T’2をほぼ正確に算出し、実用上問題のない程度に正確な再生時間T’0を算出することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出する簡単な構成のデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生時に再生時間を簡単な構成で正確に算出することを可能にする、データ記録装置、データ記録方法及びデータ記録媒体を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】従来例、本発明の実施の形態1、2によるデータ記録再生装置の通常速度再生時の処理方法を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の処理方法を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図3のステップ317の詳細フローチャート)
【図5】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置のタイムサーチテーブルの一例
【図6】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生時の処理方法を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図8のステップ816の詳細フローチャート)
【図10】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置のトラックデータ情報の一例
【図11】従来のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図
【図12】従来のデータ記録再生装置の高速再生時の処理方法を示すフローチャート
【図13】従来のデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図12のステップ1212の詳細フローチャート)
【図14】従来のデータ記録再生装置の4倍高速再生時のデータの読み出し方を示す図
【符号の説明】
101 メモリカード
102、702、1102 データ記録再生装置
111 メモリカード制御部
112 データバッファ
113 制御部
114 操作入力部
115 復号化部
116 D/Aコンバータ
117、717、1117 再生時間算出部
118 テーブル格納部
119 フレーム検出部
121 データ間引き率制御部
122 内部フレーム検出部
123 ヘッダ解釈部
124 伸長部
125 A/Dコンバータ
126 符号化部
720 データ情報格納部
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ記録装置、データ再生装置、データ記録方法、データ再生方法及びデータ記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
音楽や映像データのデジタル化に伴い、これらのデータを高能率に符号化して、記憶媒体へ蓄積し、あるいは通信網を利用して伝達する技術が近年実用化され、広く利用されている。またこの技術の普及に伴い、これらのデータを普通に再生させるだけでなく、聞きたい場所、見たい場所を高速に再生しながら検索する高速再生の需要も高まってきている。従来例の高速再生可能なデータ再生装置(データ記録再生装置を含む。)としては、特許文献1に開示された圧縮情報再生装置がある。
【0003】
以下、図2及び図11〜図14を用いて従来のデータ記録再生装置について説明する。ここでは一例として、記憶媒体をメモリカード、記憶媒体に記憶されているデータを圧縮信号処理した音楽データとしている。
はじめに、従来のデータ記録再生装置における構成について、図11を用いて説明する。図11は、従来のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
101は音声圧縮データを記録するメモリカード、1102は音声を入力して符号化し、メモリカード101に記録し、メモリカード101から音声圧縮データを読み出し、復号化した音声を出力するデータ記録再生装置である。
データ記録再生装置1102は、A/Dコンバータ125、符号化部126、記録する音声圧縮データを一時記憶し且つメモリカード101から再生した音声圧縮データを一時記憶するデータバッファ112、メモリカード101に音声圧縮データを記録し且つメモリカード101から音声圧縮データを読み出すメモリカード制御部111、制御部113、ユーザからの入力を受け付け、その結果を制御部113に送信する操作入力部114、データバッファ112から読み出した音声圧縮データを復号化する復号化部115、復号化部115から出力されるデジタル信号(復号化データ)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ116、ヘッダ解釈部123から出力されるビットレート及びデータ間引き率制御部121から出力される復号化データ量から再生時間を算出する再生時間算出部1117を有する。
【0005】
制御部113は、メモリカード制御部111とデータバッファ112と復号化部115とを制御する。
復号化部115は、データ間引き率に応じて、データバッファ112から音楽データを読み出すデータ間引き率制御部121、音声圧縮データのフレーム同期信号パターンを検出する内部フレーム検出部122、フレームヘッダの内容を解釈し、ビットレートなどを読み出すヘッダ解釈部123、音声圧縮データを伸長する伸長部124を有する。
【0006】
以上のように構成されたデータ記録再生装置の音声信号の記録方法を説明する。A/Dコンバータ125は、入力した音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。符号化部126は、音声圧縮データのストリームの管理情報を生成し、ストリームのヘッダとしてメモリカード101に記録する。符号化部126は、デジタル化された音声信号を圧縮符号化し、データバッファ112に一時格納する。メモリカード制御部111は、データバッファ112から音声圧縮データを読み出し、メモリカード101に記録する。
【0007】
音声圧縮データの再生(通常速度再生)及び高速再生時の処理方法について、図2及び図12〜図14を用いて説明する。図2は、従来のデータ記録再生装置の通常速度再生時(データを間引かない再生)の処理方法を示すフローチャートである。
ステップ201で、ユーザがデータ記録再生装置1102に再生指令(通常速度再生)を入力する。ステップ202で、ユーザの再生指令に基づき操作入力部114は再生開始指令を制御部113に発行する。ステップ203で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。ステップ204で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データの先頭部を読み出す。ステップ205で、メモリカード制御部111は読み出した音声圧縮データをデータバッファ112に格納する。
【0008】
ステップ206で、制御部113はデータバッファ112に音声圧縮データが所定量以上格納されたか否かを判断する。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量未満の間は、ステップ204に戻り、制御部113からの指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データを間引くことなく読み出し、データバッファ112に格納し続ける。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量以上になれば(ステップ206)、ステップ207に進む。ステップ207で、制御部113は復号化部115に復号化開始指令を発行する。
【0009】
ステップ208で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを順番に読み出す。通常速度再生の場合、間引き率は1となる(データを全て再生する。)。ステップ209で、内部フレーム検出部122はフレーム同期信号を検出し、復号化(伸長)を行うフレームを検出する。ヘッダ解釈部123はヘッダ内容を解析し、ビットレート等、各パラメータを読み出す。ステップ210で、伸長部124は1フレームの音声圧縮データを伸長する。
ステップ211で、復号化部115は1フレーム復号化完了通知を制御部113に発行する。ステップ208〜ステップ211は、復号化部115の処理である。
【0010】
ステップ212で、再生時間算出部1117は、ヘッダ解釈部123が読み出したビットレート及びデータ間引き率制御部121が算出した復号化データ量(典型的には、復号化したフレーム数に、1フレームの復号化データのデータ量を掛けて算出する。)から、下記の式に基づいて正確な再生時間を算出する。
再生時間=復号化データ量/ビットレート (1)
再生時間算出部1117は、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部(図示しない。例えば液晶表示部である。)は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。ステップ213で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ214で、データ記録再生装置1102は音声を出力する。ステップ215で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ204に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0011】
図12は、従来のデータ記録再生装置の高速再生時(データを間引いた再生)の処理方法を示すフローチャートである。
図12において、再生動作中にステップ1201で、ユーザがデータ記録再生装置1102に高速再生指令を入力する。ステップ1202で、ユーザの高速再生指令に基づき操作入力部114は高速再生(間引き再生)開始指令を制御部113に発行する。ステップ203で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。
【0012】
ステップ1204で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データの先頭部を読み出す。ステップ1205で、メモリカード制御部111は読み出した音声圧縮データをデータバッファ112に格納する。ステップ1206で、制御部113はデータバッファ112に音声圧縮データが所定量以上格納されたか否かを判断する。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量未満の間は、ステップ1204に戻り、制御部113からの指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から音声圧縮データを読み出し、データバッファ112に格納し続ける。データバッファ112に格納された音声圧縮データが所定量以上になれば(ステップ1206)、ステップ1207に進む。ステップ1207で、制御部113は復号化部115に復号化開始指令を発行する。ステップ1208で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを間引いて読み出す。
【0013】
ステップ1208におけるデータの間引き方法を説明する。例えば、4倍の高速再生を行う場合、間引き率は1/4となる(高速再生の場合、間引き率は1より小さくなる。)。
図14は、データ記録再生装置が4倍の高速再生を行う場合のデータの読み出し方を示す図である。図14において、1401〜1408はデータバッファ112に格納された音声圧縮データである。1401、1405は読み出すブロック単位、1402〜1404、1406〜1408は読み飛ばすブロック単位である。例えば、1ブロック単位を500バイトとする。データ間引き率制御部121は、まず1ブロック単位1401(500バイト)を読み出し、次の3ブロック単位1402〜1404(1500バイト)を読み飛ばす。データ間引き率制御部121は、これを繰り返す。
ステップ1209〜ステップ1211は、通常速度再生時(図2のステップ209〜211)と同様であり、その説明を省略する。復号化部115は、ステップ1208〜1211を実行する。
【0014】
次にステップ1212で、再生時間算出部1117は、ヘッダ解釈部123が読み出したビットレート及びデータ間引き率制御部121が算出した復号化データ量(読み飛ばしたデータも含む。)からおおよその再生時間を算出する(図13で詳述)。再生時間算出部1117は、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。例えば制御部113は、再生時間に基づいて、ユーザが入力した目標ポイント(例えば所望の音楽の先頭ポイント)にアクセスし(再生ポイントを目標ポイントに一致させ)、高速再生動作を停止させる。ステップ1213で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ1214で、データ記録再生装置1102は音声を出力する。ステップ1215で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ1204に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0015】
図13は、従来のデータ記録再生装置の高速再生時(データを間引いた再生)に、再生時間算出部1117が再生時間を算出する方法を示すフローチャートである。ステップ1301において、累計再生時間を0時間(初期値)とする。
ステップ1212(図12)において、再生時間算出部1117は、ステップ1302〜1304(図13)の処理を行う。ステップ1302において、実際に復号化したデータ量を計数する。
ステップ1303において、下記の式(2)により再生時間を算出する。式(2)において、復号化データ量は、再生し、復号化した後のデータの量である。再生しなかったデータ(読み飛ばしたデータ)を含まない。
再生時間=(復号化データ量/ビットレート)×(1/データ間引き率)(2)
【0016】
例えば図14においてはデータ間引き率=1/4であるから、(1/データ間引き率)=4になる。復号化データのビットレートが1920kbps(=48kHz(サンプリング周波数)×20ビット×2チャンネル)で、復号化したブロック(ブロック1401及び1405等)の復号化データ量(復号化されたブロックの音声圧縮データの量ではない。)が4.8Mビットであれば、その区間(ブロック1401〜1408等)の再生時間は、式(2)に数値を代入して2.5秒になる。
再生時間=(4.8M/1920k)×4=2.5s
ステップ1304において、下記の式より累計再生時間を算出する。
累計再生時間=累計再生時間+再生時間
ステップ1302に戻る。
【0017】
【特許文献1】
特許第3226711号公報(第4頁−第6頁、第1図−第2図)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のデータ記録再生装置は、可変ビットレートで符号化された信号を高速再生する場合、正確な再生時間を算出することができなかった。
可変ビットレートで符号化された音声圧縮データにおいては、復号化されたブロックの圧縮率と、復号化されなかったブロックの圧縮率とは同一とはとは限らない。例えば復号化されたブロックの音声圧縮データのデータ量が全体のブロック(読み飛ばされたブロックを含む。)の音声圧縮データのデータ量の1/4であった場合、復号化されたブロックの復号化データのデータ量は、全体のブロックの復号化データのデータ量の1/4を中心として変動する。
従来例のデータ再生装置においては、例えば、高速再生中に聞きたい場所を発見してその点を記憶しておき(再生時間の値を記憶する。)、その後その記憶した点にキューアクセスし、通常速度再生した場合、聞きたい場所とはずれた場所から再生されるという問題があった。
【0019】
また他の方式として、全体のブロック(読み飛ばされたブロックを含む。)の復号化フレーム数から再生時間を算出する方式が考えられる(1フレームの再生時間は一定である。)。しかし、この方式では復号化部115は、間引き前のフレーム数を計数するため、可変ビットレート符号化信号の全てのフレームの切り換わりポイントを知る必要がある。そのため、メモリカード制御部111は、全ての音声圧縮データをデータバッファ112に読み出し、そのフレームの切り換わりポイントを全て検出し、復号化部115に伝達する必要がある。この方法によれば、メモリカード制御部111は復号化しないデータまで読み出す必要がある故、データ記録再生装置の消費電力が不必要に増加する。再生速度が非常に速い場合は復、メモリカード制御部111は、全ての音声圧縮データを読み出すことが困難であった。高速再生時に、復号化部115と制御部113とが上記のような綿密な連携を実現することは困難であった。
【0020】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するもので、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出する簡単な構成のデータ再生装置及びデータ再生方法を提供することを目的とする。
本発明は、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生時に再生時間を簡単な構成で正確に算出することを可能にする、データ記録装置、データ記録方法及びデータ記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。請求項1に記載の発明は、音声情報及び/又は映像情報を可変長符号化し、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータを生成する符号化部と、前記データのデータ量を所定フレーム数毎に計数し、所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルを作成するテーブル作成部と、前記データと前記テーブルとを記録媒体に記録する記録部と、を備えたことを特徴とするデータ記録装置である。
【0022】
請求項6に記載の発明は、音声情報及び/又は映像情報を可変長符号化し、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータを生成する符号化ステップと、前記データのデータ量を所定フレーム数毎に計数し、所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルを作成するテーブル作成ステップと、前記データと前記テーブルとを記録媒体に記録する記録ステップと、を備えたことを特徴とするデータ記録方法である。
【0023】
本発明は、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生(間引き再生)時に再生時間を簡単な構成でかつ正確に算出することを可能にする、データ記録装置及びデータ記録方法を実現出来るという作用を有する。
1フレームの区間は一定の時間である。「所定フレーム数」の区間とは、一定時間の区間である。
【0024】
請求項2に記載の発明は、記録媒体から、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量を示したテーブルと、を読み出す再生部と、前記データの復号化を行う復号化部と、前記データの区間のデータ量と、前記テーブルとに基づいて、前記区間の再生時間を算出する再生時間算出部と、を備えたことを特徴とするデータ再生装置である。
【0025】
請求項7に記載の発明は、記録媒体から、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量を示したテーブルと、を読み出す再生ステップと、前記データの復号化を行う復号化ステップと、前記データの区間のデータ量と、前記テーブルとに基づいて、前記区間の再生時間を算出する再生時間算出ステップと、を備えたことを特徴とするデータ再生方法である。
【0026】
本発明は、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を簡単な構成でかつ正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。
「区間の再生時間」とは、その区間の全てのデータを再生した場合の再生時間を意味する。
【0027】
請求項3に記載の発明は、前記再生時間算出部は、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記重複部分に含まれるフレームの数を計測して算出する、ことを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置である。
【0028】
請求項8に記載の発明は、前記再生時間算出ステップにおいて、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記重複部分に含まれるフレームの数を計測して算出する、ことを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法である。
【0029】
本発明においては、全体が区間に含まれる単位区間の再生時間を、テーブルに示されたデータ量に基づいて正確に算出する。一部が区間に含まれる単位区間の区間との重複部分の再生時間を、その重複部分を再生し、そこに含まれるフレームの数を計測して正確に算出する(再生時間=1フレームの再生時間×フレーム数)。本発明は、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。
【0030】
請求項4に記載の発明は、前記再生時間算出部は、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量から導出したその単位区間における平均ビットレートと、前記その単位区間内における前記区間の端部の位置と、に基づいて算出する、ことを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置である。
【0031】
請求項9に記載の発明は、前記再生時間算出ステップにおいて、全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量から導出したその単位区間における平均ビットレートと、前記その単位区間内における前記区間の端部の位置と、に基づいて算出する、ことを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法である。
【0032】
本発明においては、全体が区間に含まれる単位区間の再生時間を、テーブルに示されたデータ量に基づいて正確に算出する。一部が区間に含まれる単位区間の区間との重複部分の再生時間を、可変長符号化データ(典型的には圧縮データ)の平均ビットレートに基づいてほぼ正確に算出する(再生時間=平均ビットレート×可変長データのデータ量、又は再生時間=単位区間×(重複部分の可変長符号化データのデータ量/その単位区間の全部の可変長符号化データのデータ量))。この重複部分の再生時間を、そこを再生しないでも計算できる。本発明において、再生時間の大部分はテーブルに示されたデータ量に基づいて正確に算出される。一部の再生時間についてのみある程度誤差のある方法で計算されるが、全体の再生時間は、従来と比較してはるかに高い精度を持つ値である。本発明は、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間をほぼ正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。
「平均ビットレートに基づいて算出する」とは、平均ビットレート(又はその逆数)そのものを算出して再生時間を算出する場合のみならず、実質的に平均ビットレートと同等の値を算出する場合(例えば計算式が実質的に(単位区間/その単位区間の全部の可変長符号化データのデータ量)を計算することになる場合)を含む。
【0033】
請求項5に記載の発明は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生時に、前記テーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生することを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置である。
請求項10に記載の発明は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生時に、前記テーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生することを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法である。
本発明は、請求項3又は請求項8の方法により、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出することが可能なデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという作用を有する。本発明によれば、正確にn倍速で高速再生できる。
【0034】
請求項11に記載の発明は、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、前記データの所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルと、を備えたことを特徴とするデータ記録媒体である。
請求項12に記載の発明は、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、前記データの所定のデータのまとまり毎のデータ量を示したテーブルと、を備えたことを特徴とするデータ記録媒体である。
本発明は、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生時に再生時間を簡単な構成でかつ正確に算出することを可能にする、データ記録媒体を実現出来るという作用を有する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0036】
《実施の形態1》
図1〜図6を用いて本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置について説明する。ここでは一例として、記憶媒体をSDメモリカード(登録商標)、記憶媒体に記憶されているデータをSDオーディオ規格(SD Memory Card Specifications Part4 AUDIO SPECIFICATIONS)に準拠したMPEG(Moving Picture Image Coding Expert Group)2−AAC形式の音楽データとしている。
はじめに、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置102の構成を示すブロック図である。
従来例(図11)と異なるのは、テーブル格納部118及びフレーム検出部119を設けた点である。それ以外の点については、基本的に従来例(図11)のデータ記録再生装置と同一である。図1において、従来例(図11)と同一のブロックには同一の符号を付している。
【0037】
101は音声圧縮データ(可変長符号化データ)と所定時間(「単位区間」と呼ぶ。)毎の音声圧縮データのデータ量を示したタイムサーチテーブル(後述)とを記録するメモリカード、102は音声を入力して符号化し、メモリカード101に記録し、メモリカード101から音声圧縮データを読み出し、復号化した音声を出力するデータ記録再生装置である。
データ記録再生装置102は、A/Dコンバータ125、符号化部126、データバッファ112、メモリカード制御部111、制御部113、ユーザからの入力を受け付け、その結果を制御部113に送信する操作入力部114、データバッファ112に記憶された音声圧縮データを読み出し、読み出した音声圧縮データを復号化する復号化部115、復号化部115から出力されるデジタル信号(復号化データ)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ116、再生時間算出部117、テーブル格納部118、データバッファ112から読み出した音声圧縮データ(例えば音楽データ)のフレーム同期信号パターンを検出するフレーム検出部119を有する。
【0038】
データバッファ112は、記録時に記録する音声圧縮データを一時記憶し、再生時にメモリカード101から再生した音声圧縮データを一時記憶する。メモリカード制御部111は、記録時にメモリカード101に音声圧縮データ及びタイムサーチテーブルを記録し、再生時にメモリカード101から音声圧縮データ及びタイムサーチテーブルを読み出す。再生時間算出部117は、通常速度再生時にはヘッダ解釈部123から出力されるビットレート及びデータ間引き率制御部121から出力される復号化データ量から再生時間を算出し、高速再生時にはテーブル格納部118から読み出したタイムサーチテーブル及びフレーム検出部119から出力されるフレーム数から再生時間を算出する。テーブル格納部118は、記録時に制御部113が生成したタイムサーチテーブルを格納し、再生時にメモリカード制御部111を介してメモリカード101から読み出されたタイムサーチテーブルを格納する。
制御部113は、メモリカード制御部111とデータバッファ112と復号化部115とを制御する。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置のタイムサーチテーブルの一例である。実施の形態1のタイムサーチテーブルは、ストリームの所定フレーム数(単位区間)毎のデータ量からなるテーブルである。図5における単位区間は100フレーム(2.13秒。音声データの1フレームの再生時間は(1024/48k)秒とする。1フレームは1024サンプリング、サンプリングレートは48kHzとする。)である。すなわち、図5は単位区間(100フレーム)毎の可変長符号化データの量をバイト単位で示したものである。各単位区間には、時間軸上の順序に従ってインクリメントする配列番号が付与されている。
復号化部115は、データ間引き率に応じて、データバッファ112から音楽データを読み出すデータ間引き率制御部121、音声圧縮データのフレーム同期信号パターンを検出する内部フレーム検出部122、フレームヘッダの内容を解釈し、ビットレートなどを読み出すヘッダ解釈部123、音声圧縮データを伸長する伸長部124を有する。
【0040】
以上のように構成された実施の形態1のデータ記録再生装置の音声信号の記録方法を説明する。A/Dコンバータ125は、入力した音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。符号化部126は、音声圧縮データのストリームの管理情報(ストリーム全体の情報であってビットレートの情報を含む。)を生成し、ストリームのヘッダとしてメモリカード101に記録する。符号化部126は、デジタル化された音声信号を可変長符号化方式で圧縮符号化し、データバッファ112に一時格納する。メモリカード制御部111は、データバッファ112から音声圧縮データを読み出し、メモリカード101に記録する。メモリカード制御部111が100フレームの音声圧縮データをメモリカード101に記録する毎に、制御部113はその音声圧縮データのデータ量を算出し、タイムサーチテーブル(テーブル格納部118に格納される。)にそのデータ量を書き込む。メモリカード制御部111が1つの音声圧縮データのストリームを記録し終えると、タイムサーチテーブルが完成する。制御部113は、メモリカード制御部111を介してタイムサーチテーブルをメモリカード101に記録する。
【0041】
以上のように構成されデータ記録再生装置において、音声圧縮データの再生及び高速再生時の処理方法について、図2〜図6を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の通常速度再生時(データを間引かない再生)の処理方法を示すフローチャートである。通常速度再生時の処理方法は従来例と同一である。図2は、従来例において既に説明した。
ステップ213で、再生時間算出部117は、ヘッダ解釈部123が読み出したビットレート及び復号化データ量から式(1)に基づいて正確な再生時間を算出する。再生時間算出部117は、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部(図示しない。例えば液晶表示部である。)は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。通常速度再生におけるステップ213において、後述する高速再生時の再生時間算出方法(図4)で再生時間を算出しても良い。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生(データを間引いた再生)時の処理方法を示すフローチャートである。
実施の形態1(図3)が従来例(図12)と異なる点は、タイムサーチテーブルを読み出して格納すること(ステップ304及び305)、フレーム数の計数処理を行うこと(ステップ314〜316)、再生時間の算出方法が異なること(図3のステップ317と図12のステップ1212)である。それ以外の点については、従来例(図13)のデータ再生方法と同一である。図3を説明する。
【0043】
再生動作中にステップ301で、ユーザがデータ記録再生装置102に高速再生指令を入力する。ステップ302で、ユーザの高速再生指令に基づき操作入力部114は高速再生(間引き再生)開始指令を制御部113に発行する。ステップ303で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。
制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101からタイムサーチテーブルを読み出し(ステップ304)、テーブル格納部118に格納する(ステップ305)。
【0044】
ステップ306〜313(図3)は、従来例(図12)のステップ1204〜1211と同一である。これらのステップの説明を省略する。
ステップ310で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを間引いて読み出す。データ記録再生装置102は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生(高速再生)時に、タイムサーチテーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生する((n−1)個の単位区間を再生しない。)。
復号化部115は、ステップ310〜313を実行する。
【0045】
ステップ314〜316において、フレーム検出部119は、単位区間内でのフレーム数Fをカウントする。フレーム検出部119は1フレームの復号化完了通知(ステップ313)を受け取ると、ステップ314において、メモリカード制御部111が新しい単位区間の再生を開始したか(それまで再生していた単位区間の再生が全て完了したか)否かをチェックする。メモリカード制御部111が新しい単位区間の再生を開始したのであれば、フレーム検出部119はフレーム数F=0(初期値)を設定する。ステップ317に進む。メモリカード制御部111が新しい単位区間の再生を開始したのでなければ、フレーム検出部119は、1フレームの復号化完了通知(ステップ313)に応じて、フレーム数Fをインクリメントする。
【0046】
ステップ317で、再生時間算出部117は、正確な再生時間を算出し(図4で詳述)、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。例えば制御部113は、再生時間に基づいて、ユーザが入力した目標ポイント(例えば所望の音楽の先頭ポイント)にアクセスし(再生ポイントを目標ポイントに一致させ)、高速再生動作を停止させる。
ステップ318で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ319で、データ記録再生装置102は音声を出力する。ステップ320で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ306に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0047】
次に図4及び図6を用いて、実施の形態1における、可変長符号方式により符号化された音声圧縮データの高速再生時の再生時間の算出方法(図3のステップ317の詳細)について説明する。図4は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図3のステップ317の詳細フローチャート)である。
再生時間算出部117は、区間の符号化データ量、タイムサーチテーブル及びフレーム数を用いて、以下の方法により再生時間を算出する。
【0048】
図6は、本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示す図である。図6において、現在の再生点をX(配列番号3の単位区間の中の点)とする。現在の再生点Xにおける正確な再生時間を算出できれば、正確な再生時間表示や目標ポイントへの正確なアクセスが可能となる。図6において、2倍速の高速再生が行われているとする。データ記録再生装置102は、配列番号が奇数の単位区間のみを再生し、配列番号が偶数の単位区間を再生しない。メモリカード制御部111は、最初にメモリカード101から配列番号1の単位区間を再生する。配列番号1の単位区間(17000バイトのデータ量)を再生し終わった時点で、メモリカード制御部111は、タイムサーチテーブルに基づいて、メモリカード101のリードアドレスを17500バイト(配列番号2の単位区間)だけスキップし、配列番号3の単位区間を再生する。配列番号2は再生されず、配列番号1及び3が再生される。
【0049】
再生時間算出部117は、区間0〜現在の再生点X(図6)の間の再生時間を算出するとする。
ステップ313で、復号化部115が1フレーム復号化完了通知を発行する(再生点X)。復号化完了通知を発行する所定単位と、タイムサーチテーブルにおける単位区間とは同一でも良く、異なっていても良い。図4において、最初に区間(再生時間を算出する対象の区間。0〜再生点X)の累計のデータ量を算出する(ステップ401)。再生時間を計算する区間(図6においては、時間0の点から再生点Xまでの区間)の累計のデータ量は46000バイトとする。累計のデータ量は、復号化前のデータ量(メモリカード101に記録されているデータの量)であって、実際に再生したデータの量のみならず、読み飛ばしたデータの量も含む。累計の復号化データ量は、例えばメモリカード101のリードアドレスの変化量に基づいて容易に算出できる。
【0050】
ステップ402で、制御部113はテーブル格納部118からタイムサーチテーブル(図5)を読み出す。ステップ403で、再生時間算出部117は所定単位復号化完了通知を受信したとき(再生点X)の復号化データ量及びタイムサーチテーブルから、再生点Xがタイムサーチテーブルのどの配列番号に位置するかを算出する。タイムサーチテーブル(図5)より、データ量が46000バイトである再生点Xは、配列番号3の単位区間の途中にあることが分かる(図6)。
【0051】
ステップ403において、全体が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間(図6においては配列番号1及び2の単位区間である。)の再生時間T1を算出する。図6において、全体が区間(0〜再生点X)に含まれる単位区間は、配列番号1及び2の単位区間である。図5において、単位区間は100フレームの区間であるため、再生点Xまでの再生時間T1は式(3)より4.27秒となる。
T1=単位区間の再生時間×単位区間の数=(102400/48k)[s]×2=4.27[s] (3)
【0052】
ステップ404において、一部が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間の、区間との重複部分(以下、「重複部分」と呼ぶ。)の再生時間T2を算出する。再生時間T2は図6の斜線部分(34500バイト目以降46000バイトまでの11500バイト分)の再生時間である。
ステップ404で、再生時間算出部117は下記の式(4)より1フレームの再生時間を算出する。1フレームは1024サンプリングとする。
1フレームの再生時間[s]=1024/サンプリング周波数[Hz] (4)再生時間算出部117は下記の計算式(5)より重複部分(図6の斜線部)の再生時間T2を算出する。フレーム検出部119が重複部分のフレーム数Fを計数している。
T2[s]=1フレームの再生時間[s]×フレーム数F (5)
サンプリング周波数が48kHz、重複部分のフレーム数Fが60個の場合、重複部分の再生時間T2は1.28秒(=(1024/48000)×60)となる。
【0053】
ステップ405で、再生時間算出部117は下記の計算式(6)より合計の再生時間を算出する。
T0=T1+T2=4.27+1.28=5.55[s] (6)
合計の再生時間は、5.55秒となる。
ステップ406で、再生時間算出部117は、算出した再生時間5.55秒を制御部113に通知する。
【0054】
本実施の形態1では、ステップ310でデータ間引き率制御部121がデータバッファ112から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いている。これに代えて、ステップ306でメモリカード制御部111がメモリカード101から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いても良い。
本実施の形態1では、記憶媒体はSDメモリカード(登録商標)であるが、これに代えて、MD(Mini−Disk)、DVD(Digital Video Disc)等の他の大容量記録媒体であっても可能である。また、本実施の形態1では、記憶媒体に記憶されているデータはSDオーディオ規格に準拠したMPEG2−AAC形式の音楽データである。記憶媒体に記憶されているデータが他の形式の音声圧縮データであっても、映像圧縮データであっても応用可能である。
【0055】
本実施の形態1では、高速再生時に所定単位復号化完了通知(実施の形態1では、1フレーム復号化完了通知)を受信するたびに図4の再生時間の算出処理を行っていた。これに代えて、2回以上所定単位復号化完了通知を受信する間隔で、図4の再生時間の算出処理を行うこととしてもよい。
本実施の形態1によれば、タイムサーチテーブルに基づいて再生時間T1を正確に算出し、単位区間の重複部分(実際に再生した部分)のフレーム数を計数することにより再生時間T2を正確に算出し、正確な再生時間T0を算出することができる。
【0056】
《実施の形態2》
図7〜図10を用いて本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置について説明する。実施の形態1と同様に、記憶媒体をSDメモリカード(登録商標)、記憶媒体に記憶されているデータをSDオーディオ規格に準拠したMPEG2−AAC形式の音楽データとしている。
はじめに、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の構成について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置702の構成を示すブロック図である。
実施の形態2のデータ記録再生装置702は、フレーム検出部119の代わりにデータ情報格納部720を設けた点、及び再生時間算出部117に代えて再生時間算出部717を有すること(再生時間の算出方法が実施の形態1と異なること)において、実施の形態1(図1)と異なる。それ以外の点については、実施の形態2のデータ記録再生装置702は、実施の形態1(図1)と同一である。図7において、同一ブロックの説明を省略する。
【0057】
データ情報格納部720は、可変長符号化された符号化データの所定のまとまり毎の再生時間及びデータ量の情報(又はビットレート及びデータ量の情報)を格納する。実施の形態2において、符号化データの所定のまとまりは、メモリカード101に格納された音楽データの1トラック(1曲の音楽のストリーム)である。各トラックの再生時間及び可変長符号化された符号化データの量の情報をトラックデータ情報と呼ぶ。
【0058】
図10は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置のトラックデータ情報の集合の一例である。実施の形態2のトラックデータ情報は、ストリームの可変長符号化された符号化データの所定のまとまり(実施の形態2においてはトラック)毎のトラックデータ情報(再生時間及び可変長符号化された符号化データの量)のテーブルである。所定のまとまりの再生時間は、一定であっても良いが、実施の形態2のように一定でなくても良い。図10において、各トラックデータ情報には、時間軸上の順序に従ってインクリメントするトラック番号が付与されている。
実施の形態2のタイムサーチテーブルは、実施の形態1と同一である。
【0059】
以上のように構成された実施の形態2のデータ記録再生装置の音声信号の記録方法を説明する。A/Dコンバータ125は、入力した音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。符号化部126は、音声圧縮データのトラック毎の管理情報(トラック全体の情報であってビットレートの情報を含む。)を生成し、各トラックのヘッダとしてメモリカード101に記録する。符号化部126は、デジタル化された音声信号を可変長符号化方式で圧縮符号化し、データバッファ112に一時格納する。メモリカード制御部111は、データバッファ112から音声圧縮データを読み出し、メモリカード101に記録する。
【0060】
メモリカード制御部111が100フレームの音声圧縮データをメモリカード101に記録する毎に、制御部113はその音声圧縮データのデータ量を算出し、タイムサーチテーブル(テーブル格納部118に格納される。)にそのデータ量を書き込む。メモリカード制御部111が1つの音声圧縮データのストリームを記録し終えると、タイムサーチテーブルが完成する。又、メモリカード制御部111が1トラックの音声圧縮データをメモリカード101に記録する毎に、制御部113はそのトラックのトラックデータ情報(再生時間及び可変長符号化された符号化データの量)を算出し、データ情報格納部720に格納する。
メモリカード制御部111が複数のトラックを含む1つの音声圧縮データのストリームを記録し終えると、タイムサーチテーブル及びトラックデータ情報の集合が完成する。制御部113は、メモリカード制御部111を介してタイムサーチテーブル及びトラックデータ情報の集合をメモリカード101に記録する。
【0061】
以上のように構成されたデータ記録再生装置において、音声圧縮データの再生及び高速再生時の処理方法について、図2、図8〜図10を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の通常速度再生時(データを間引かない再生)の処理方法を示すフローチャートである。通常速度再生時の処理方法は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0062】
図8は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生(データを間引いた再生)時の処理方法を示すフローチャートである。
実施の形態2(図8)が実施の形態1(図3)と異なる点は、タイムサーチテーブルに加えてトラックデータ情報の集合をメモリカード101から読み出すこと(ステップ806及び807)、フレーム数の計数処理を行わないこと(ステップ314〜316に相当するステップが無い。)、再生時間の算出方法が異なること(図8のステップ816と図3のステップ317)である。それ以外の点については、実施の形態1(図3)のデータ再生方法と同一である。図8を説明する。
【0063】
再生動作中にステップ801で、ユーザがデータ記録再生装置102に高速再生指令を入力する。ステップ802で、ユーザの高速再生指令に基づき操作入力部114は高速再生(間引き再生)開始指令を制御部113に発行する。
ステップ803で、制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101から再生するストリームのヘッダ(制御情報(ビットレート等を含む。))を読み出す。
制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101からタイムサーチテーブルを読み出し(ステップ804)、テーブル格納部118に格納する(ステップ805)。制御部113の指令に基づき、メモリカード制御部111はメモリカード101からトラックデータ情報を読み出し(ステップ806)、データ情報格納部720に格納する(ステップ807)。
【0064】
ステップ808〜815(図8)は、実施の形態1(図3)のステップ306〜313と同一である。これらのステップの説明を省略する。
ステップ812で、データ間引き率制御部121は、データバッファ112から音声圧縮データを間引いて読み出す。データ記録再生装置102は、n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生(高速再生)時に、タイムサーチテーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生する((n−1)個の単位区間を再生しない。)。
復号化部115は、ステップ812〜815を実行する。
【0065】
ステップ816で、再生時間算出部717は、ほぼ正確な再生時間を算出し(図9で詳述)、算出した再生時間を制御部113に通知する。表示部は、制御部113から再生時間の情報を入力し、表示する。例えば制御部113は、再生時間に基づいて、ユーザが入力した目標ポイント(例えば所望の音楽の先頭ポイント)にアクセスし(再生ポイントを目標ポイントに一致させ)、高速再生動作を停止させる。
ステップ817で、D/Aコンバータ116はデジタル音声信号(復号化データ)をアナログ音声信号に変換する。ステップ818で、データ記録再生装置102は音声を出力する。ステップ819で、再生が終了したか否かをチェックする。再生が終了していなければステップ808に戻り、再生を継続する。再生が終了すれば、処理を終了する。
【0066】
次に図9及び図6を用いて、実施の形態2における、可変長符号方式により符号化された音声圧縮データの高速再生時の再生時間の算出方法(図8のステップ814の詳細)について説明する。
図6において、現在の再生点をX(配列番号3の単位区間の中の点)とする。図6において、2倍速の高速再生が行われているとする。データ記録再生装置102は、配列番号が奇数の単位区間のみを再生し、配列番号が偶数の単位区間を再生しない。メモリカード制御部111は、最初にメモリカード101から配列番号1の単位区間を再生する。配列番号1の単位区間(17000バイトのデータ量)を再生し終わった時点で、メモリカード制御部111は、タイムサーチテーブルに基づいて、メモリカード101のリードアドレスを17500バイト(配列番号2の単位区間)だけスキップし、配列番号3の単位区間を再生する。配列番号2は再生されず、配列番号1及び3が再生される。
【0067】
図9は、本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図8のステップ816の詳細フローチャート)である。再生時間算出部717は、区間の符号化データ量、タイムサーチテーブルを用いて、以下の方法により再生時間を算出する。
再生時間算出部717は、区間0〜現在の再生点X(図6)の間の再生時間を算出するとする。
ステップ815で、復号化部115が1フレーム復号化完了通知を発行する(再生点X)。復号化完了通知を発行する所定単位と、タイムサーチテーブルにおける単位区間とは同一でも良く、異なっていても良い。図9において、最初に区間(再生時間を算出する対象の区間。0〜再生点X)の累計のデータ量を算出する(ステップ901)。再生時間を計算する区間(図6においては、時間0の点から再生点Xまでの区間)の累計のデータ量は46000バイトとする。累計のデータ量は、復号化前のデータ量(メモリカード101に記録されているデータの量)であって、実際に再生したデータの量のみならず、読み飛ばしたデータの量も含む。累計の復号化データ量は、例えばメモリカード101のリードアドレスの変化量に基づいて容易に算出できる。
【0068】
ステップ902で、制御部113はテーブル格納部118からタイムサーチテーブル(図5)を読み出す。ステップ903で、再生時間算出部717は所定単位復号化完了通知を受信したとき(再生点X)の復号化データ量及びタイムサーチテーブルから、再生点Xがタイムサーチテーブルのどの配列番号に位置するかを算出する。タイムサーチテーブル(図5)より、データ量が46000バイトである再生点Xは、配列番号3の単位区間の途中にあることが分かる(図6)。
【0069】
ステップ903において、全体が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間(図6においては配列番号1及び2の単位区間である。)の再生時間T’1を算出する。図6において、全体が区間(0〜再生点X)に含まれる単位区間は、配列番号1及び2の単位区間である。図5において、単位区間は100フレームの区間であるため、再生点Xまでの再生時間T’1は式(3)より4.27秒となる。
T’1=単位区間の再生時間×単位区間の数=(102400/48k)[s]×2=4.27[s] (3)
【0070】
実施の形態2(図8)が実施の形態1(図3)と異なるのは、再生時間算出部717が、フレーム数の代わりにトラック毎の平均ビットレートを用いて、一部が区間(再生時間を算出する区間0〜再生点X)に含まれる単位区間の、区間との重複部分(以下、「重複部分」と呼ぶ。)の再生時間T’2を算出する点である。それ以外の点については、実施の形態1(図3)のデータ再生方法と同一である。
ステップ904で、制御部113はデータ情報格納部720からトラックデータ情報(図10)を読み出す。再生時間算出部717は下記の式(7)より再生したトラック番号の平均ビットレートを算出する。
平均ビットレート[bps]=データ量[byte]×8/再生時間[s] (7)
現在再生しているのは、トラックデータ情報(図10)のトラック番号1番の音声データであるとする。トラックデータ情報(図10)のトラック番号1番の再生時間、データ量より、トラック番号1番の平均ビットレートは66.7kbps(=(500000×8/60)/103)となる。
【0071】
ステップ905において、重複部分の再生時間T’2を算出する。再生時間T’2は図6の斜線部分(34500バイト目以降46000バイトまでの11500バイト分)の再生時間である。再生時間算出部717は下記の計算式(8)より再生点X以降の再生時間T’2を算出する。
T’2[s]=斜線部分のデータ量[byte]×8/平均ビットレート[bps] (8)
図6において、斜線部分のデータ量は、11500バイト(34500バイト目以降46000バイトまで)である。重複部分の再生時間T’2は1.38秒(=11500×8/66.7)となる。
【0072】
ステップ906で、再生時間算出部717は下記の計算式(9)より合計の再生時間を算出する。
T’0=T’1+T’2=4.27+1.38=5.65[s] (9)
合計の再生時間は、5.65秒となる。
ステップ907で、再生時間算出部717は、算出した再生時間5.65秒を制御部113に通知する。
【0073】
本実施の形態2では、ステップ812でデータ間引き率制御部121がデータバッファ112から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いている。これに代えて、ステップ808でメモリカード制御部111がメモリカード101から音声圧縮データを読み出す際にデータを間引いても良い。
本実施の形態2では、記憶媒体はSDメモリカード(登録商標)であるが、これに代えて、MD(Mini−Disk)、DVD(Digital Video Disc)等の他の大容量記録媒体であっても可能である。また、本実施の形態2では、記憶媒体に記憶されているデータはSDオーディオ規格に準拠したMPEG2−AAC形式の音楽データである。記憶媒体に記憶されているデータが他の形式の音声圧縮データであっても、映像圧縮データであっても応用可能である。
【0074】
本実施の形態2では、テーブル格納部、データ情報格納部の2つの格納部を設けているが、これらの格納部を1つの格納部としてもよい。
本実施の形態2では、高速再生時に所定単位復号化完了通知(実施の形態2では、1フレーム復号化完了通知)を受信するたびに図9の再生時間の算出処理を行っていた。これに代えて、2回以上所定単位復号化完了通知を受信する間隔で、図9の再生時間の算出処理を行うこととしてもよい。
本実施の形態2によれば、タイムサーチテーブルに基づいて再生時間T’1を正確に算出し、平均ビットレートに基づいて単位区間の重複部分(実際に再生した部分)の再生時間T’2をほぼ正確に算出し、実用上問題のない程度に正確な再生時間T’0を算出することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、可変ビットレートで圧縮された符号化データを高速再生した(間引き再生した)時の再生時間を正確に算出する簡単な構成のデータ再生装置及びデータ再生方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、可変ビットレートのデータ再生装置において高速再生時に再生時間を簡単な構成で正確に算出することを可能にする、データ記録装置、データ記録方法及びデータ記録媒体を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】従来例、本発明の実施の形態1、2によるデータ記録再生装置の通常速度再生時の処理方法を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の処理方法を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図3のステップ317の詳細フローチャート)
【図5】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置のタイムサーチテーブルの一例
【図6】本発明の実施の形態1によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生時の処理方法を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図8のステップ816の詳細フローチャート)
【図10】本発明の実施の形態2によるデータ記録再生装置のトラックデータ情報の一例
【図11】従来のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図
【図12】従来のデータ記録再生装置の高速再生時の処理方法を示すフローチャート
【図13】従来のデータ記録再生装置の高速再生時の再生時間の算出方法を示すフローチャート(図12のステップ1212の詳細フローチャート)
【図14】従来のデータ記録再生装置の4倍高速再生時のデータの読み出し方を示す図
【符号の説明】
101 メモリカード
102、702、1102 データ記録再生装置
111 メモリカード制御部
112 データバッファ
113 制御部
114 操作入力部
115 復号化部
116 D/Aコンバータ
117、717、1117 再生時間算出部
118 テーブル格納部
119 フレーム検出部
121 データ間引き率制御部
122 内部フレーム検出部
123 ヘッダ解釈部
124 伸長部
125 A/Dコンバータ
126 符号化部
720 データ情報格納部
Claims (12)
- 音声情報及び/又は映像情報を可変長符号化し、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータを生成する符号化部と、
前記データのデータ量を所定フレーム数毎に計数し、所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルを作成するテーブル作成部と、
前記データと前記テーブルとを記録媒体に記録する記録部と、
を備えたことを特徴とするデータ記録装置。 - 記録媒体から、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、所定フレーム数(以下、「単位区間」と呼ぶ。)毎のデータ量を示したテーブルと、を読み出す再生部と、
前記データの復号化を行う復号化部と、
前記データの区間のデータ量と、前記テーブルとに基づいて、前記区間の再生時間を算出する再生時間算出部と、
を備えたことを特徴とするデータ再生装置。 - 前記再生時間算出部は、
全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、
一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記重複部分に含まれるフレームの数を計測して算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。 - 前記再生時間算出部は、
全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、
一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量から導出したその単位区間における平均ビットレートと、前記その単位区間内における前記区間の端部の位置と、に基づいて算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。 - n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生時に、前記テーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生することを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。
- 音声情報及び/又は映像情報を可変長符号化し、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータを生成する符号化ステップと、
前記データのデータ量を所定フレーム数毎に計数し、所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルを作成するテーブル作成ステップと、
前記データと前記テーブルとを記録媒体に記録する記録ステップと、
を備えたことを特徴とするデータ記録方法。 - 記録媒体から、可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、所定フレーム数(以下、「単位区間」と呼ぶ。)毎のデータ量を示したテーブルと、を読み出す再生ステップと、
前記データの復号化を行う復号化ステップと、
前記データの区間のデータ量と、前記テーブルとに基づいて、前記区間の再生時間を算出する再生時間算出ステップと、
を備えたことを特徴とするデータ再生方法。 - 前記再生時間算出ステップにおいて、
全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、
一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記重複部分に含まれるフレームの数を計測して算出する、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法。 - 前記再生時間算出ステップにおいて、
全体が前記区間に含まれる前記単位区間の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量に基づいて算出し、
一部が前記区間に含まれる前記単位区間の前記区間との重複部分の再生時間を、前記テーブルに示されたデータ量から導出したその単位区間における平均ビットレートと、前記その単位区間内における前記区間の端部の位置と、に基づいて算出する、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法。 - n倍速で(nは2以上の任意の正整数)再生時に、前記テーブルのn個の単位区間毎に1個の単位区間を再生することを特徴とする請求項7に記載のデータ再生方法。
- 可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、
前記データの所定フレーム数毎のデータ量を示したテーブルと、
を備えたことを特徴とするデータ記録媒体。 - 可変長符号化された音声情報及び/又は映像情報を含むデータと、
前記データの所定のデータのまとまり毎のデータ量を示したテーブルと、
を備えたことを特徴とするデータ記録媒体。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100883998B1 (ko) | 2006-08-11 | 2009-02-17 | 콴타 컴퓨터 인코포레이티드 | 오디오 파일의 길이 측정방법 및 장치 |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003161171A patent/JP2004364048A/ja active Pending
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KR100883998B1 (ko) | 2006-08-11 | 2009-02-17 | 콴타 컴퓨터 인코포레이티드 | 오디오 파일의 길이 측정방법 및 장치 |
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