JP2004361365A - セキュリティシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度が向上したセキュリティシステムを提供することにある。
【解決手段】セキュリティシステムは、物質透過性のある電磁波を使用したミリ波透視映像検出装置100と、トレース方式探知装置200とを有する。制御装置300は、ミリ波透視映像検出手段100によって不審物が検出された際に、トレース方式の探知装置300を動作させて、特定物質を探知する。トレース方式の探知装置300としては、質量分析機能を有する探知装置を用いる。
【選択図】図2
【解決手段】セキュリティシステムは、物質透過性のある電磁波を使用したミリ波透視映像検出装置100と、トレース方式探知装置200とを有する。制御装置300は、ミリ波透視映像検出手段100によって不審物が検出された際に、トレース方式の探知装置300を動作させて、特定物質を探知する。トレース方式の探知装置300としては、質量分析機能を有する探知装置を用いる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空港,税関,原子力発電所などのセキュリティニーズの高い場所において、爆発物,危険物や禁制薬物の有無を判定するセキュリティシステムに係り、特に、人によって携帯される物体を検出するに好適なセキュリティシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空港や税関等での荷物検査等では、例えば、特開2002−362730号公報に記載されているように、X線を用いたものが知られている。これはX線を用いて手荷物や小包といったものの内部に爆発物,危険物,不正薬物などといったものを非破壊検査(透過検査及び断層検査)を行うもので、画像解析により得られた情報から隠蔽された社会悪品及び申告外物品を摘発しようとするものである。また、高精度な検出装置として、X線CTを使ったX線CT探知装置も知られている。
【0003】
しかし、X線は人体に照射することによる影響が懸念されるため、人によって携帯される物体を検出するには適していない。そこで、例えば、特表2001−512257号公報に記載されているように、金属探知器により、銃器や爆発物などを検査するものが知られている。ウォークスルータイプのゲート型金属探知器により、乗客が危険物を所持していないかどうか検査している。しかし、金属探知器による検査では、非金属の危険物等を発見することか困難であるという間題がある。
【0004】
そこで、例えば、同じく特表2001−512257号公報に記載されているように、ミリ波カメラ装置や蒸気収集解析装置を組み合わせたものが知られている。これによって、非金属の危険物等も発見することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−362730号公報
【特許文献2】
特表2001−512257号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特表2001−512257号公報に記載されている蒸気収集解析装置は、高精度な検出が可能である反面、検査に時間が掛かるという問題がある。ウオークスルータイプのゲート型検出器に蒸気収集解析装置を組み込んだ場合、1人の検査に約20秒を要する。従って、100人の検査を行うには、少なくとも、30分以上(2000秒)要することとなり、検査速度が低いと言う問題がある。
【0007】
本発明の目的は、非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度が向上したセキュリティシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、物質透過性のある電磁波を使用した透視映像検出手段と、トレース方式の探知手段とを有し、特定物質を探知するセキュリティシステムにおいて、前記透視映像検出手段によって不審物が検出された際に、前記トレース方式の探知手段を動作させる制御手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度を向上し得るものとなる。
【0009】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記物質透過性のある電磁波としてミリ波を使用し、前記トレース方式の探知手段として質量分析機能を有する探知装置を用いるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの全体構成を示す外観図である。図2は、本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1は、本実施形態によるセキュリティシステムを、旅客を検査するポータルのシステムに適用した例を示している。本実施形態によるセキュリティシステムは、ミリ波透視映像検出装置100と、トレース式探知装置200と、制御装置300とを備えている。
【0012】
空港などの施設において、ポータル型の検査ゲートGには、物質透過性のある電磁波を使用し、透視映像により所持品の検査が行う装置として、ミリ波透視映像検出装置100が設けられている。被検者が、ポータル型の検査ゲートGを通過することにより、ミリ波透視映像検出装置100により、透視映像により所持品の検査が行われる。
【0013】
また、ポータル型の検査ゲートGには、吸引部280が設けられており、ポータル型の検査ゲートGに待機する被験者が携帯する物体から発生する対象物質であるスまたは微粒子を吸引する。吸引された対象物質は、濃縮部290で濃縮される。濃縮部290は、フィルタ部と加熱部から構成され、フィルタ部でトラップし、加熱部によって急速に加熱することで濃縮する。濃縮された対象物質は、トレース式探知装置200に取り込まれる。
【0014】
トレース式探知装置200は、質量分析装置から構成される。質量分析装置としては、大気圧化学イオン化を用いたものが物質の選択性が高く好適である。トレース式探知装置200は、微量な対象物質を質量分析して、対象物質を特定する。
【0015】
制御装置300は、ミリ波透視映像検出装置100によって検出された透視映像をパターン認識により、爆発物,危険物,不正薬物等の不審物の存在を検出する。不審物の存在が検出されると、トレース式探知装置200を起動して、対象物質の質量分析を行い物質を特定する。
【0016】
ミリ波透視映像検出装置100は、1秒程度の短時間で検出を行うことができる。ミリ波透過映像検出装置100によって不審物が認められない場合には、そのまま対称人物を通過させることができるので、必要最小限の時間で検査を実施することができる。また、ミリ波透視映像検出装置100によって不審物が検出された場合のみトレース式探知装置200により、対象物質を特定することにより検査速度を向上できるものである。検査結果は、表示装置Dに表示される。
【0017】
次に、図2を用いて、本実施形態によるセキュリティシステムの詳細構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0018】
ミリ波透視映像検出装置100は、送受信アンテナ110と、信号処理部120とを備えている。送受信アンテナ110は、対象旅客に対して、周波数を変調させた電磁波を照射する。また、送受信アンテナ110は、照射した電磁波の反射波を受信する。送受信アンテナ110は、例えば、FPA(Focal Plane Array)と称される2次元配列されたアレイ状のアンテナを用いている。アンテナの焦点面がアレイ状に形成されるため、信号処理部120の信号処理により、2次元のイメージ情報を得ることができる。
【0019】
信号処理部120は、受信した反射波と元の電磁波と混合させてビート波を生成する。さらに、このビート波をスペクトル解析しピークが存在する周波数および強度を解析することに2次元像を得て、人体および所持品の検出が行われる。
得られた2次元イメージ像データは、制御装置300に出力する。
【0020】
このとき使用される電磁波の周波数は、電磁波として十分な透過性をもちかつ検出したい対象物を見分けることができるだけの分解能が必要であり、また大気中での減衰が小さいことが求められる。その要求を満たすためには周波数30〜300GHz(波長1〜10mm)である、ミリ波と言われる電磁波を使用する。波長1〜10mmのミリ波は衣服を通り抜けるが、人体や携行品から反射され、衣服の中に秘匿されている所持品の透過画像を得ることができる。波長が1〜10mmであるので、数センチメートルの大きさの秘匿物に対しては十分鮮明な画像が得られ、危険物などの所持品がある場合には確実に検出することができる。また、電磁波の照射から透過映像の表示までは瞬時に行われるため、たとえばX線CT装置に比べ高速に検査を行うことが可能である。
【0021】
制御装置300は、不審物判定部310,320を備えている。不審物判定部310には、ミリ波透視映像検出装置100によって検出された2次元イメージ像データが入力する。不審物判定部310は、入力した2次元イメージ像データを用いて、パターン認識により、不審物を検出する。不審物判定部310には、爆発物,危険物,不正薬物などの不審物として検出すべき物体の一般的な形状が登録されている。たとえば、TNTやニトログリセリンなどの場合にはこれらの爆発物を収納する一般的な形状が登録され、プラスチック爆弾のように不定型なものに対しては起爆部の形状が登録され、麻薬・覚醒剤等については錠剤の形状や袋の形状などが登録されている。不審物判定部310は、パターン認識により、予め登録されている不審物の形状と類似する形状のものが検出されたか否かを表示器410により表示する。表示器410は、例えば、緑と赤のランプ等で構成され、不審物が検出されない場合には、緑のランプを点灯する。緑ランプが点灯された場合には、検査官は、検査ゲートGに待機する被験者に通過を指示し、次の被験者を検査ゲートGに誘導する。従って、不審物が検出されない被験者は、スムーズに検査ゲートGを通過できる。一方、不審物が検出された場合には、不審物判定部310は、赤のランプを点灯する。それと同時に、不審物が検出された場合には、不審物判定部310は、トレース式探知装置200に指令を送り、トレース式探知装置200による分析を開始させる。また、不審物判定部310は、2次元表示器420にミリ波透視映像検出装置100によって検出された2次元イメージ像データを表示し、検査官は目視によって不審物の有無を判定することもできる。
【0022】
トレース式探知装置200による検出には、例えば、20秒程度を必要とする。したがって、トレース式探知装置200による詳細検査が必要となった場合には、被験者は、検査が終了するまで検査ゲートGに待機する。
【0023】
トレース式探知装置200は、イオン源210と、質量分析部220と、検出器230とから構成されている。イオン源210には、濃縮部290で濃縮された対象物質が導入される。対象物質は、イオン源210でイオン化され、質量分析部220にて、質量毎に分散される。分散されたイオンは、それぞれ、検出器230によって検出される。
【0024】
検出器230によって検出された信号は、制御装置300の不審物判定部320に出力する。不審物判定部320には、予め爆発物,危険物,不正薬物などの不審物として検出すべき物体の質量数が登録されている。不審物判定部320は、検出器230の検出信号から、ピークがある質量数を求め、予め登録された不審物として検出すべき物体の質量数を比較して、検出信号中に不審物のピークが含まれているか否かを判定し、結果をアラーム430に表示警告する。
【0025】
アラーム430は、例えば、緑と赤のランプ及びブザー等で構成され、不審物が検出されない場合には、緑のランプを点灯する。緑ランプが点灯された場合には、検査官は、検査ゲートGに待機する被験者に通過を指示し、次の被験者を検査ゲートGに誘導する。一方、不審物が検出された場合には、不審物判定部310は、赤のランプを点灯すると同時に、ブザーにて警報を発する。また、不審物判定部320は、トレース式探知装置200によって検出された物質の名称を表示器440に表示する。これによって、検査官は不審物の種類を知ることができる。
【0026】
表示器410,440や2次元表示器420やアラーム430としては、ディスプレイDを用いることができるが、表示器410やアラーム430は別体に備えてもよいものである。
【0027】
以上説明したように、本実施形態では、ミリ波透視映像検出装置100によって不審物が認められた場合に、トレース式探知装置200を動作させるようにしているので、全体の検査速度が向上する。例えば、トレース式探知装置200による検査時間を1人20秒とすると、トレース式探知装置だけによって、検査をする場合には、100人の検査に約30分(2000秒)を要する。ミリ波透視映像検出装置100による検査時間は、1人1秒程度である。もし仮に、100人の被験者の内、トレース式探知装置による検査が必要が被験者が1人であるとすると、本実施形態の場合には、100人についてのミリ波透視映像検出装置100による検査が100秒であり、1人についてのトレース式探知装置200により検査が20秒とすると、トータルで、2分(120秒)と大幅に短縮することができる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によれば高速性を要求される検査はミリ波透過映像検出装置によって行い、詳細な検査が必要となった場合には、トレース式探知装置で並行して探知するので、総合的な不審物探知の検査時間を短縮することができる。
【0029】
なお、ミリ波による検知方式としては、上述したようにミリ波エネルギーを照射し、物体から反射される反射波を検知するアクティブ方式の他に、物体から輻射する微妙なミリ波エネルギーを検知するパッシブ方式も用いることができる。パッシブ方式を使用すれば電磁波を人体に対して照射する必要がないため、人の健康に与える影響はまったくないという利点がある。
【0030】
なお、透視映像検出装置としては、ミリ波によるものの他に、短波によるものなども用いることができる。但し、短波によるものは、ミリ波に比べて波長が長い分分解能が低下することになる。また、トレース式探知装置としては、質量分析装置以外に、ガスクロマトグラフと、その検出器として化学発光を用いたものやイオンモビリティを用いたものを用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの全体構成を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…ミリ波透過映像検出装置
200…トレース式探知装置
300…制御装置
380…吸引部
390…濃縮部
D…ディスプレイ
G…ポータル式検査ゲート
【発明の属する技術分野】
本発明は、空港,税関,原子力発電所などのセキュリティニーズの高い場所において、爆発物,危険物や禁制薬物の有無を判定するセキュリティシステムに係り、特に、人によって携帯される物体を検出するに好適なセキュリティシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空港や税関等での荷物検査等では、例えば、特開2002−362730号公報に記載されているように、X線を用いたものが知られている。これはX線を用いて手荷物や小包といったものの内部に爆発物,危険物,不正薬物などといったものを非破壊検査(透過検査及び断層検査)を行うもので、画像解析により得られた情報から隠蔽された社会悪品及び申告外物品を摘発しようとするものである。また、高精度な検出装置として、X線CTを使ったX線CT探知装置も知られている。
【0003】
しかし、X線は人体に照射することによる影響が懸念されるため、人によって携帯される物体を検出するには適していない。そこで、例えば、特表2001−512257号公報に記載されているように、金属探知器により、銃器や爆発物などを検査するものが知られている。ウォークスルータイプのゲート型金属探知器により、乗客が危険物を所持していないかどうか検査している。しかし、金属探知器による検査では、非金属の危険物等を発見することか困難であるという間題がある。
【0004】
そこで、例えば、同じく特表2001−512257号公報に記載されているように、ミリ波カメラ装置や蒸気収集解析装置を組み合わせたものが知られている。これによって、非金属の危険物等も発見することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−362730号公報
【特許文献2】
特表2001−512257号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特表2001−512257号公報に記載されている蒸気収集解析装置は、高精度な検出が可能である反面、検査に時間が掛かるという問題がある。ウオークスルータイプのゲート型検出器に蒸気収集解析装置を組み込んだ場合、1人の検査に約20秒を要する。従って、100人の検査を行うには、少なくとも、30分以上(2000秒)要することとなり、検査速度が低いと言う問題がある。
【0007】
本発明の目的は、非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度が向上したセキュリティシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、物質透過性のある電磁波を使用した透視映像検出手段と、トレース方式の探知手段とを有し、特定物質を探知するセキュリティシステムにおいて、前記透視映像検出手段によって不審物が検出された際に、前記トレース方式の探知手段を動作させる制御手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度を向上し得るものとなる。
【0009】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記物質透過性のある電磁波としてミリ波を使用し、前記トレース方式の探知手段として質量分析機能を有する探知装置を用いるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの全体構成を示す外観図である。図2は、本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1は、本実施形態によるセキュリティシステムを、旅客を検査するポータルのシステムに適用した例を示している。本実施形態によるセキュリティシステムは、ミリ波透視映像検出装置100と、トレース式探知装置200と、制御装置300とを備えている。
【0012】
空港などの施設において、ポータル型の検査ゲートGには、物質透過性のある電磁波を使用し、透視映像により所持品の検査が行う装置として、ミリ波透視映像検出装置100が設けられている。被検者が、ポータル型の検査ゲートGを通過することにより、ミリ波透視映像検出装置100により、透視映像により所持品の検査が行われる。
【0013】
また、ポータル型の検査ゲートGには、吸引部280が設けられており、ポータル型の検査ゲートGに待機する被験者が携帯する物体から発生する対象物質であるスまたは微粒子を吸引する。吸引された対象物質は、濃縮部290で濃縮される。濃縮部290は、フィルタ部と加熱部から構成され、フィルタ部でトラップし、加熱部によって急速に加熱することで濃縮する。濃縮された対象物質は、トレース式探知装置200に取り込まれる。
【0014】
トレース式探知装置200は、質量分析装置から構成される。質量分析装置としては、大気圧化学イオン化を用いたものが物質の選択性が高く好適である。トレース式探知装置200は、微量な対象物質を質量分析して、対象物質を特定する。
【0015】
制御装置300は、ミリ波透視映像検出装置100によって検出された透視映像をパターン認識により、爆発物,危険物,不正薬物等の不審物の存在を検出する。不審物の存在が検出されると、トレース式探知装置200を起動して、対象物質の質量分析を行い物質を特定する。
【0016】
ミリ波透視映像検出装置100は、1秒程度の短時間で検出を行うことができる。ミリ波透過映像検出装置100によって不審物が認められない場合には、そのまま対称人物を通過させることができるので、必要最小限の時間で検査を実施することができる。また、ミリ波透視映像検出装置100によって不審物が検出された場合のみトレース式探知装置200により、対象物質を特定することにより検査速度を向上できるものである。検査結果は、表示装置Dに表示される。
【0017】
次に、図2を用いて、本実施形態によるセキュリティシステムの詳細構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0018】
ミリ波透視映像検出装置100は、送受信アンテナ110と、信号処理部120とを備えている。送受信アンテナ110は、対象旅客に対して、周波数を変調させた電磁波を照射する。また、送受信アンテナ110は、照射した電磁波の反射波を受信する。送受信アンテナ110は、例えば、FPA(Focal Plane Array)と称される2次元配列されたアレイ状のアンテナを用いている。アンテナの焦点面がアレイ状に形成されるため、信号処理部120の信号処理により、2次元のイメージ情報を得ることができる。
【0019】
信号処理部120は、受信した反射波と元の電磁波と混合させてビート波を生成する。さらに、このビート波をスペクトル解析しピークが存在する周波数および強度を解析することに2次元像を得て、人体および所持品の検出が行われる。
得られた2次元イメージ像データは、制御装置300に出力する。
【0020】
このとき使用される電磁波の周波数は、電磁波として十分な透過性をもちかつ検出したい対象物を見分けることができるだけの分解能が必要であり、また大気中での減衰が小さいことが求められる。その要求を満たすためには周波数30〜300GHz(波長1〜10mm)である、ミリ波と言われる電磁波を使用する。波長1〜10mmのミリ波は衣服を通り抜けるが、人体や携行品から反射され、衣服の中に秘匿されている所持品の透過画像を得ることができる。波長が1〜10mmであるので、数センチメートルの大きさの秘匿物に対しては十分鮮明な画像が得られ、危険物などの所持品がある場合には確実に検出することができる。また、電磁波の照射から透過映像の表示までは瞬時に行われるため、たとえばX線CT装置に比べ高速に検査を行うことが可能である。
【0021】
制御装置300は、不審物判定部310,320を備えている。不審物判定部310には、ミリ波透視映像検出装置100によって検出された2次元イメージ像データが入力する。不審物判定部310は、入力した2次元イメージ像データを用いて、パターン認識により、不審物を検出する。不審物判定部310には、爆発物,危険物,不正薬物などの不審物として検出すべき物体の一般的な形状が登録されている。たとえば、TNTやニトログリセリンなどの場合にはこれらの爆発物を収納する一般的な形状が登録され、プラスチック爆弾のように不定型なものに対しては起爆部の形状が登録され、麻薬・覚醒剤等については錠剤の形状や袋の形状などが登録されている。不審物判定部310は、パターン認識により、予め登録されている不審物の形状と類似する形状のものが検出されたか否かを表示器410により表示する。表示器410は、例えば、緑と赤のランプ等で構成され、不審物が検出されない場合には、緑のランプを点灯する。緑ランプが点灯された場合には、検査官は、検査ゲートGに待機する被験者に通過を指示し、次の被験者を検査ゲートGに誘導する。従って、不審物が検出されない被験者は、スムーズに検査ゲートGを通過できる。一方、不審物が検出された場合には、不審物判定部310は、赤のランプを点灯する。それと同時に、不審物が検出された場合には、不審物判定部310は、トレース式探知装置200に指令を送り、トレース式探知装置200による分析を開始させる。また、不審物判定部310は、2次元表示器420にミリ波透視映像検出装置100によって検出された2次元イメージ像データを表示し、検査官は目視によって不審物の有無を判定することもできる。
【0022】
トレース式探知装置200による検出には、例えば、20秒程度を必要とする。したがって、トレース式探知装置200による詳細検査が必要となった場合には、被験者は、検査が終了するまで検査ゲートGに待機する。
【0023】
トレース式探知装置200は、イオン源210と、質量分析部220と、検出器230とから構成されている。イオン源210には、濃縮部290で濃縮された対象物質が導入される。対象物質は、イオン源210でイオン化され、質量分析部220にて、質量毎に分散される。分散されたイオンは、それぞれ、検出器230によって検出される。
【0024】
検出器230によって検出された信号は、制御装置300の不審物判定部320に出力する。不審物判定部320には、予め爆発物,危険物,不正薬物などの不審物として検出すべき物体の質量数が登録されている。不審物判定部320は、検出器230の検出信号から、ピークがある質量数を求め、予め登録された不審物として検出すべき物体の質量数を比較して、検出信号中に不審物のピークが含まれているか否かを判定し、結果をアラーム430に表示警告する。
【0025】
アラーム430は、例えば、緑と赤のランプ及びブザー等で構成され、不審物が検出されない場合には、緑のランプを点灯する。緑ランプが点灯された場合には、検査官は、検査ゲートGに待機する被験者に通過を指示し、次の被験者を検査ゲートGに誘導する。一方、不審物が検出された場合には、不審物判定部310は、赤のランプを点灯すると同時に、ブザーにて警報を発する。また、不審物判定部320は、トレース式探知装置200によって検出された物質の名称を表示器440に表示する。これによって、検査官は不審物の種類を知ることができる。
【0026】
表示器410,440や2次元表示器420やアラーム430としては、ディスプレイDを用いることができるが、表示器410やアラーム430は別体に備えてもよいものである。
【0027】
以上説明したように、本実施形態では、ミリ波透視映像検出装置100によって不審物が認められた場合に、トレース式探知装置200を動作させるようにしているので、全体の検査速度が向上する。例えば、トレース式探知装置200による検査時間を1人20秒とすると、トレース式探知装置だけによって、検査をする場合には、100人の検査に約30分(2000秒)を要する。ミリ波透視映像検出装置100による検査時間は、1人1秒程度である。もし仮に、100人の被験者の内、トレース式探知装置による検査が必要が被験者が1人であるとすると、本実施形態の場合には、100人についてのミリ波透視映像検出装置100による検査が100秒であり、1人についてのトレース式探知装置200により検査が20秒とすると、トータルで、2分(120秒)と大幅に短縮することができる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によれば高速性を要求される検査はミリ波透過映像検出装置によって行い、詳細な検査が必要となった場合には、トレース式探知装置で並行して探知するので、総合的な不審物探知の検査時間を短縮することができる。
【0029】
なお、ミリ波による検知方式としては、上述したようにミリ波エネルギーを照射し、物体から反射される反射波を検知するアクティブ方式の他に、物体から輻射する微妙なミリ波エネルギーを検知するパッシブ方式も用いることができる。パッシブ方式を使用すれば電磁波を人体に対して照射する必要がないため、人の健康に与える影響はまったくないという利点がある。
【0030】
なお、透視映像検出装置としては、ミリ波によるものの他に、短波によるものなども用いることができる。但し、短波によるものは、ミリ波に比べて波長が長い分分解能が低下することになる。また、トレース式探知装置としては、質量分析装置以外に、ガスクロマトグラフと、その検出器として化学発光を用いたものやイオンモビリティを用いたものを用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、非金属危険物等の検出が可能であるとともに、検査速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの全体構成を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施形態によるセキュリティシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…ミリ波透過映像検出装置
200…トレース式探知装置
300…制御装置
380…吸引部
390…濃縮部
D…ディスプレイ
G…ポータル式検査ゲート
Claims (2)
- 物質透過性のある電磁波を使用した透視映像検出手段と、トレース方式の探知手段とを有し、特定物質を探知するセキュリティシステムにおいて、
前記透視映像検出手段によって不審物が検出された際に、前記トレース方式の探知手段を動作させる制御手段を備えたことを特徴とするセキュリティシステム。 - 請求項1記載のセキュリティシステムにおいて、
前記物質透過性のある電磁波としてミリ波を使用し、
前記トレース方式の探知手段として質量分析機能を有する探知装置を用いたことを特徴とするセキュリティシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163359A JP2004361365A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | セキュリティシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163359A JP2004361365A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | セキュリティシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004361365A true JP2004361365A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34055201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003163359A Pending JP2004361365A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | セキュリティシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004361365A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007080930A1 (ja) * | 2006-01-11 | 2007-07-19 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | セキュリティーゲートシステム及びセキュリティーゲート制御方法 |
JP2010008272A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Maspro Denkoh Corp | ミリ波撮像装置 |
JP2010101829A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Stanley Electric Co Ltd | 人体検知装置 |
CN116482038A (zh) * | 2023-06-19 | 2023-07-25 | 北京中科太赫兹科技有限公司 | 基于kid探测器的远距离人携危险物探测管理*** |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163359A patent/JP2004361365A/ja active Pending
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