JP2004360485A - 内燃機関の動弁休止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト低減と信頼性向上を図りつつ、内燃機関の休筒運転を実施することができる動弁休止装置を提供する。
【解決手段】シャフト(7)の外側とバルブブリッジ(11)の内側との間に摺動可能に嵌挿されるとともに、供給油路(8)と連通し作動油を貯留する油室(22)を内部に有し、カム軸の回転に応じて変位するインナピストン(20)と、インナピストンに設けられ、機関の運転条件に応じ、作動油が供給されたときには、バルブブリッジと係合してインナピストンの動きをバルブブリッジに伝達してバルブを作動させる一方、作動油の供給が解除されたときには、バルブブリッジと係合することなくインナピストンのみ摺動させてインナピストンの動きをバルブブリッジに伝達せずにバルブの作動を休止させる切替手段(30)と、油室内の作動油の圧抜きを行う圧抜手段(40)とを備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁休止装置に係り、詳しくは、休筒運転のためのバルブ休筒機構を有する内燃機関の動弁休止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多気筒の内燃機関(以下、エンジンとする)においては、休筒運転を実施させることがある。このように、気筒内を開閉するバルブの動作を完全に停止させれば、ガス交換を行われなくなり、ポンピングロスが低減され、燃費の向上が図られる。
【0003】
そして、ガソリンエンジンや乗用車向けのディーゼルエンジンにおいては、幾つかの気筒に対して休筒運転を実施したいときには、例えば、カム切替え式、連続可変リフト式、油圧電磁式等の可変バルブタイミング(VVT)機構等の動弁装置が用いられている。これは、これらのエンジンでは、エンジンの作動回転速度範囲が広く、エンジン性能面の要求を鑑みれば、可変バルブタイミング及びリフトの要求が強いからである。換言すれば、休筒運転は、一般に複雑な可変動弁系機構の使用方法の一つとして存在している。
【0004】
ところで、商用車向けの大型ディーゼルエンジンにおいても、近年、燃費の向上や排ガスの低減等の市場要求に対応させるべく、休筒運転が望まれている。例えばエンジンの運転状態が低負荷の時に休筒運転を実施すれば、ポンピングロスの低減及び筒内圧(正味平均有効圧(Pme))の高圧化による燃費低減や、排気温度の上昇による排ガス後処理装置の早期活性化を期待できるからである。
【0005】
しかしながら、大型ディーゼルエンジンでは、そのエンジンの作動回転速度範囲が狭く、可変バルブタイミング等に対する強い要求がないことから、休筒運転を実施するためだけに上記可変動弁系機構を使用すると、そのコスト及び信頼性等の面から最適とは言い難い。
ここで、多気筒のディーゼルエンジンにおいて休筒運転を実施させる内燃機関の動弁休止装置の技術が提案されており、当該装置によれば、動弁休止装置の簡素化が図られるとされる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−241409号公報(第2頁左下欄第4行〜第3頁左下欄第9行、第1図〜第3図等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の技術の動弁休止装置では、シリンダヘッドに配設され作動油が供給される油路を備えたブリッジガイド軸と、ブリッジガイド軸を介して配設されバルブを作動させるブリッジと、ブリッジに螺設され油路を備えたシリンダ本体と、ブリッジに対して摺動可能に嵌挿される当金と、作動油が一の方向に供給されたとき、当金に当接してこの当金の動きをブリッジに伝達してバルブを作動させる一方、作動油が他の方向に供給されたとき、当金との当接が解除され当金の動きをブリッジに伝達せずにバルブを休止させ、これらの切替えを行うスライド板及びロッドを有するピストンとから構成されている。
【0008】
よって、前記従来の技術によれば、ディーゼルエンジンにて休筒運転を実施することは可能であるものの、ブリッジとともに移動するシリンダ本体に油路が形成され、シリンダ本体内にスライド板及びロッドを有するピストンが配置されていることから、休筒機構が複雑になるとともに、大きなスペースが必要となってコンパクト性に欠けるとの問題がある。また、ロッドが長くなれば、応答性にも問題が生ずる。
【0009】
さらに、通常のバルブ作動時には当金とスライド板との当接が継続されるので、ロッドが曲がり易く、耐久性が悪いとの問題もある。また、油路の切替えによってバルブ作動及び休止を実施していることから、例えば、作動油が万一エンジン側から供給されなかったときには、いずれも実施することができないという問題も有する。
【0010】
すなわち、前記従来の技術では、休筒運転を実施にあたり、コスト及び信頼性等の点については格別な配慮がなされていない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、コスト低減と信頼性向上を図りつつ、内燃機関の休筒運転を実施することができる機関の動弁休止装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の内燃機関の動弁休止装置は、気筒内を開閉させるバルブを備えたシリンダヘッドと、シリンダヘッドに配設され、内部に油圧源からの作動油を供給する供給油路を備えたシャフトと、シャフトに摺動可能に外嵌され、バルブを開閉作動させるバルブブリッジと、シャフトの外側とバルブブリッジの内側との間に摺動可能に嵌挿されるとともに、供給油路と連通し作動油を貯留する油室を内部に有し、機関のカム軸の回転に応じて変位するインナピストンと、インナピストンに設けられ、機関の運転条件に応じ、作動油が供給されたときには、バルブブリッジと係合してインナピストンの動きをバルブブリッジに伝達してバルブを作動させる一方、作動油の供給が解除されたときには、バルブブリッジと係合することなくインナピストンのみ摺動させてインナピストンの動きをバルブブリッジに伝達せずにバルブの作動を休止させる切替手段と、油室内の作動油の圧抜きを行う圧抜手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
したがって、請求項1記載の動弁休止装置によれば、剛性を要するバルブブリッジ側には油室を設けず、油室をバルブブリッジの内側に位置するインナピストンに設け、このインナピストンにバルブの作動及び休止の切替手段を設けているので、休筒機構が簡素になるとともに省スペース化を図り、コンパクト性が達成される。
【0013】
また、切替手段は、通常のバルブ作動時にのみ、バルブブリッジとの係合によりインナピストンの動きをバルブブリッジに伝達させるので、耐久性が良好になる。
そして、コスト低減及び信頼性の向上が図られたバルブ休筒機構を現有の大型ディーゼルエンジンに搭載することが可能になり、低負荷時で休筒運転を実施すれば、燃費の向上と排気温度の増大による排ガス後処理装置の早期活性化とが達成される。
【0014】
また、請求項2記載の発明では、切替手段は、作動油の供給と解除により突没する複数の係合部材からなることを特徴としている。
このように、切替手段として複数の係合部材を用いることにより、切替手段の係合と解除とが応答性高く確実なものになる。
また、請求項3記載の発明では、圧抜手段は、シャフトの配設位置に対向するインナピストンの先端部分に設けられたことを特徴としている。
【0015】
これにより、インナピストン内の圧力が適切に調整され、切替手段によるバルブの作動及び休止が確実に実施される。また、圧抜によって排出された油はバルブブリッジ周辺の潤滑を可能にする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明をディーゼルエンジンに適用した場合の実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、エンジンとする)の動弁休止装置が適用されるエンジンの部分構成図が示されている。また、図2は上記動弁休止装置の断面図、図3及び図4は上記動弁休止装置の要部拡大断面図であり、以下、図1乃至図4に基づき本発明に係る内燃機関の動弁休止装置の構成を説明する。
【0017】
本実施形態のエンジンは、多気筒から構成され、一つの気筒の上方に位置するシリンダヘッド1には、気筒内を開閉させる吸気バルブ及び排気バルブが合計四個設けられている。一例としては図1に示すように、シリンダヘッド1には、吸入空気等を気筒に導入する吸気ポート2と、吸気ポート2と気筒とを連通する吸気口の開閉を行う二つの吸気バルブ4、4とが設けられる。なお、二つの排気バルブについては図示を省略する。
【0018】
吸気バルブ4は、シリンダヘッド1に植設されたバルブガイド3を介して上方に向けて配設され、この吸気バルブ4の上端にはバルブ支持部5が設けられている。バルブ支持部5とシリンダヘッド1との間にはバルブスプリング6、6が介装され、バルブ支持部5の上方には休筒装置10が設けられる。
吸気バルブ4、4の間には、シリンダヘッド1から上方に向けて植設されたシャフト7が配される。シャフト7内の中心軸上には、吸気バルブ4、4の作動及び休止に関する作動油を休筒装置10に供給する供給油路8が備えられている。この供給油路8は、シリンダヘッド1の内部に備えられた供給油路9に連通されており、油圧源からの作動油(エンジンオイル)がON/OFFバルブ51を介してエンジン側から供給される。
【0019】
休筒装置10は、バルブ支持部5の上方に配設されるとともに、シャフト7の上方に配設される。そして、ロッカアーム70を介してカム60のカム軸61の回転に応じて作動される。なお、本実施形態では、上記カム軸61はシリンダヘッド1側に設けられている。
休筒装置10は、図2に示されるように、吸気バルブ4、4を作動させるバルブブリッジ11と、カム軸61の回転に応じてロッカアーム70に当接され、バルブブリッジ11の内側及びシャフト7の外側にて上下方向に摺動可能に嵌挿されるインナピストン20とから構成される。
【0020】
バルブブリッジ11は、シャフト7の上方側からシャフト7に摺動可能に外嵌されており、バルブ支持部5の対向位置に配されるバルブ押圧部12と、インナピストン20を受け入れるピストン係合部13と、インナピストン20をガイドするピストンガイド部14と、ガイド部14の下端に位置するガイド下端部15と、シャフト7を受け入れるシャフト係合部16と、シャフト7をガイドするシャフトガイド部17とを備えている。
【0021】
インナピストン20もまた、シャフト7の上方側からシャフト7に嵌挿される。このインナピストン20は、バルブブリッジ11の内側及びシャフト7の外側にて上下方向に摺動するピストン部21と、シャフト7の供給油路8に連通し、ピストン部21の内側にて作動油が貯留される油室22と、ピストン部21の下端に位置するピストン下端部23と、ピストン下端部23とガイド下端部15との間に介装されるインナスプリング24とから構成されるとともに、油路25を介して油室22に連通する切替用油圧通路26、26と、切替用油圧通路26、26内の作動油が供給される二つの切替バルブ(切替手段)30を備えたピストン上端部27と、油室22内の作動油の圧抜きを行うオーバプレッシャバルブ(圧抜手段)40を備えたピストン先端部28とから構成される。
【0022】
電子コントロールユニット(ECU)50では、エンジンの運転条件に基づいて吸気バルブ4、4を作動するか又は休止するかを判断し、この判定結果をON/OFFバルブ51に出力する。そして、ON/OFFバルブ51では、吸気バルブ4、4の作動時には開弁される一方、その休止時には閉弁され、供給油路9の開閉を行う。
【0023】
インナピストン20に設けられた切替バルブ30は、図3に示すように、切替用油圧通路26に対面する受圧部31と、受圧部31から休筒装置10の外側に向けて突没され、その突出時にはバルブブリッジ11の上側に当接してバルブブリッジ11と係合し、このバルブブリッジ11を下方向に押圧するブリッジ押圧部32と、ブリッジ押圧部32の周囲に位置するストッパ部33と、ピストン上端部27に螺合され、切替バルブ30の収納部37を閉じる蓋部34と、蓋部34と受圧部31との間に介装されるバルブスプリング36とから構成される。
【0024】
そして、同図(a)に示されるように、作動油が供給されているときには、切替用油圧通路26からの作動油の油圧が受圧部31に作用する面積が大きくなって、受圧部31が休筒装置10の外方向に強く押される。よって、受圧部31がバルブスプリング36の荷重に抗することにより、ブリッジ押圧部32は、突出口35から休筒装置10の外側に突出される。これにより、インナピストン20の動きはバルブブリッジ11に伝達され、バルブブリッジ11はインナピストン20とともに下方向に移動して吸気バルブ4、4を作動させることになる。
【0025】
一方、同図(b)に示されるように、作動油の供給が解除されているときには、受圧部31を押し出す程の作動油の油圧が切替用油圧通路26内に存在しないことから、作動油の油圧が受圧部31に作用する面積が小さくなる。よって、受圧部31がバルブスプリング36の荷重に従うことにより、ブリッジ押圧部32は、休筒装置10の内側に引込まれる。これにより、インナピストン20の動きはバルブブリッジ11に伝達されず、インナピストン20のみが下方向に移動して吸気バルブ4、4を休止させることになる。
【0026】
また、切替バルブ30と同様にインナピストン20に設けられたオーバプレッシャバルブ40は、図4に示すように、ピストン先端部28に螺合される弁本体部41と、弁本体部41内にて切替用油圧通路26に連通する圧抜用油圧通路42と、圧抜用油圧通路42に連通する弁室44と、弁座43に当接して弁室44を開閉するボール弁体45と、弁本体部41の上方で螺合されて弁室44を閉じる蓋部46と、蓋部46内にて弁室44に連通する潤滑用油路47と、蓋部46とボール弁体45との間に介装されるバルブスプリング48とから構成される。
【0027】
そして、油室22内の作動油の圧力が高くなった場合には、ボール弁体45がバルブスプリング48の荷重に抗して弁座43から離れ、作動油は、圧抜用油圧通路42、弁室44及び潤滑用油路47を介して、ロッカアーム70とバルブブリッジ11との間を潤滑すべく、休筒装置10の外部に排出される。これに対し、油室22内の圧力が所定値に戻ったときには、バルブスプリング48の荷重にしたがってボール弁体45が弁座43に当接する。
【0028】
次に本発明の動弁休止装置の作用について説明する。
図5は、休筒装置10におけるバルブ作動時を説明する図である。同図では、インナピストン20及びバルブブリッジ11の移動量を説明する都合上、休筒装置10がその中心軸(一点鎖線で示す)を挟んで二分割されている。つまり、左側の図は静止時を現しているのに対し、右側の図はリフト時を現している。
【0029】
同図に示すように、ECU50にて休筒運転を実施させる必要がないと判定されたときには、ON/OFFバルブ51が開弁され、油室22には供給油路9及び供給油路8を介してエンジン側からの作動油が供給される。
油室22内の圧力が高まると、切替バルブ30の受圧部31がバルブスプリング36の荷重に打ち勝ち、ブリッジ押圧部32が休筒装置10の外側に飛び出す。この場合、ロッカアーム70からインナピストン20側に伝達された変位は、ピストン部21に伝達されるとともに、バルブブリッジ11側にも伝達される。
【0030】
すなわち、インナピストン20が、リフト量Lで下側に移動すると、バルブブリッジ11に係合されるブリッジ押圧部32も下側に移動し、ブリッジ押圧部32がバルブブリッジ11を下側に向けて押圧する。そして、バルブブリッジ11もまた、リフト量Lで下側に移動して吸気バルブ4、4を作動(リフト)させる。
【0031】
また、油室22内の作動油の圧力は、ピストン部21の摺動に伴って過剰に上昇し得ることから、油室22内の圧力が必要以上に高くなったときには、オーバプレッシャバルブ40を介して調圧される。
一方、図6は、休筒装置10におけるバルブ休止時を説明する図である。同図も図5と同様に、左側の図は静止時を現しているのに対し、右側の図はリフト時を現している。
【0032】
休筒運転は、エンジン回転速度、燃料噴射量、始動時の冷却水温及びブースト圧力等に基づいて、ECU50にて例えば排気温度の昇温を要求する如くの判断がなされた場合に実施される。同図に示すように、ECU50にて休筒運転を実施させる必要があると判定されたときには、ON/OFFバルブ51が閉弁され、油室22には供給油路9及び供給油路8を介したエンジン側からの作動油が供給されない。
【0033】
そして、油室22内の圧力が低いときには、切替バルブ30のブリッジ押圧部32が休筒装置10の内側に向けて引っ込む。この場合、ロッカアーム70からインナピストン20側に伝達された変位は、ピストン部21に伝達されるものの、バルブブリッジ11側には伝達されない。
すなわち、この場合のインナピストン20がリフト量Lで下側に移動すると、ブリッジ押圧部32も下側に移動するが、ブリッジ押圧部32がバルブブリッジ11に係合せずバルブブリッジ11を下側に向けて押圧していないことから、インナピストン20のリフト量Lは、バルブブリッジ11の内側でキャンセルされる。つまり、インナピストン20のみがバルブブリッジ11及びシャフト7に対して摺動する。そして、バルブブリッジ11は下側に移動せず、吸気バルブ4、4を休止させ停止したままとなる。
【0034】
なお、インナピストン20のリフト量Lは、インナスプリング24に伝達されるが、このスプリングの荷重によってはバルブブリッジ11は移動しない。
以上のように、本発明では、バルブブリッジ11の内側にはインナピストン20を設け、インナピストン20の内側にはシャフト7の供給油路8に連通する油室22を設けるとともに、吸気バルブ4、4に対し供給油路8の圧力に応じて作動する二つの切替バルブ30を設け、この切替バルブ30の作動に応じてバルブブリッジ11が作動及び停止され、特定条件ではカム軸61の回転を吸気バルブ4、4に伝えない。換言すれば、本発明では、バルブブリッジの構成の変更と作動油用の油路の構成とを新たに設けるだけで休筒運転を実施できるので、複雑な可変動弁系機構を必要とせず、簡素で低コストかつ信頼性の高い休筒機構を現有のエンジンに簡単に取り付けることができる。
【0035】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、OHC(Over Head Camshaft)式のものが記載されているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、例えば、カム軸がクランクケース側に設けられ、プッシュロッドを有するOHV(Over Head Valve)式であっても良く、この場合にも上記と同様に、現有のエンジンに対して簡素で低コストかつ信頼性の高い休筒機構を簡単に取り付けることができるとの効果を奏する。
【0036】
また、本発明の動弁休止装置は、吸気バルブ側の他、排気バルブ側にも適用させることが可能であり、さらに、切替バルブは、インナスプリングの荷重に応じてインナピストンに三つ以上設けても良いものである。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明の動弁休止装置によれば、剛性を要するバルブブリッジ側には油路を設けず、油路をバルブブリッジの内側に位置するインナピストンに設け、このインナピストンにバルブの作動及び休止の切替手段を設けているので、休筒機構が簡素になるとともに省スペース化を図り、コンパクト性を達成することができる。
【0038】
また、切替手段は、通常のバルブ作動時にのみ、バルブブリッジとの係合によりインナピストンの動きをバルブブリッジに伝達させるので、耐久性を良好にできる。
そして、コスト低減及び信頼性の向上が図られたバルブ休筒機構を現有の大型ディーゼルエンジンに搭載することができ、低負荷時で休筒運転を実施すれば、燃費の向上と排気温度の増大による排ガス後処理装置の早期活性化とを達成できる。
【0039】
また、請求項2記載の発明によれば、切替手段として複数の係合部材を用いることにより、切替手段の係合と解除とを応答性高く確実なものにすることができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、インナピストン内の圧力が適切に調整され、切替手段によるバルブの作動及び休止を確実に実施できる。また、圧抜によって排出された油はバルブブリッジ周辺の潤滑に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの動弁休止装置が適用されるエンジンの部分構成図である。
【図2】図1の動弁休止装置の断面図である。
【図3】図2の動弁休止装置の要部拡大断面図である。
【図4】図2の動弁休止装置の要部拡大断面図である。
【図5】図1の動弁休止装置におけるバルブ作動時を説明する図である。
【図6】図1の動弁休止装置におけるバルブ休止時を説明する図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
4 バルブ
7 シャフト
8 供給油路
10 休筒装置
11 バルブブリッジ
20 インナピストン
22 油室
30 切替バルブ(切替手段)
32 ブリッジ押圧部
40 オーバプレッシャバルブ(圧抜手段)
50 電子コントロールユニット(ECU)
61 カム軸

Claims (3)

  1. 内燃機関の気筒内を開閉させるバルブを備えたシリンダヘッドと、
    該シリンダヘッドに配設され、内部に油圧源からの作動油を供給する供給油路を備えたシャフトと、
    該シャフトに摺動可能に外嵌され、前記バルブを開閉作動させるバルブブリッジと、
    前記シャフトの外側と前記バルブブリッジの内側との間に摺動可能に嵌挿されるとともに、前記供給油路と連通し前記作動油を貯留する油室を内部に有し、前記機関のカム軸の回転に応じて変位するインナピストンと、
    該インナピストンに設けられ、前記機関の運転条件に応じ、前記作動油が供給されたときには、前記バルブブリッジと係合して前記インナピストンの動きを前記バルブブリッジに伝達して前記バルブを作動させる一方、前記作動油の供給が解除されたときには、前記バルブブリッジと係合することなく前記インナピストンのみ摺動させて該インナピストンの動きを前記バルブブリッジに伝達せずに前記バルブの作動を休止させる切替手段と、
    前記油室内の作動油の圧抜きを行う圧抜手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の動弁休止装置。
  2. 前記切替手段は、前記作動油の供給と解除により突没する複数の係合部材からなることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁休止装置。
  3. 前記圧抜手段は、前記シャフトの配設位置に対向する前記インナピストンの先端部分に設けられたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁休止装置。
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