JP2004358455A - 廃棄物処理方法、廃棄物処理装置、廃棄物処理システム、乾燥装置および乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排出される廃棄物の量を減少させ、環境への悪影響を及ぼさないようにすることができる廃棄物処理方法、廃棄物処理装置、廃棄物処理システム、乾燥装置および乾燥方法の提供。
【解決手段】 分解処理槽5には、粉砕装置14、汚泥貯留槽又は汚泥濃縮貯留槽、有機溶剤投入機6、酵素投入機12、攪拌機15および加熱装置13が設けられている。有機溶剤投入機6は、余剰汚泥を分解するための有機溶剤を貯留して、槽内に投入するための機械である。溶剤として、例えばD−リモネンまたはパインオイルが使用され、特有の香気および防腐作用を有するので、排出された廃棄物を一定期間貯留しても周囲に悪臭を発生させることがない。酵素投入機12は余剰汚泥を分解するための酵素を貯留して、投入するための機械である。α−アミラーゼの作用により、でんぷんを含む厨房からの排水や厨芥等の分解効率を上げることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 分解処理槽5には、粉砕装置14、汚泥貯留槽又は汚泥濃縮貯留槽、有機溶剤投入機6、酵素投入機12、攪拌機15および加熱装置13が設けられている。有機溶剤投入機6は、余剰汚泥を分解するための有機溶剤を貯留して、槽内に投入するための機械である。溶剤として、例えばD−リモネンまたはパインオイルが使用され、特有の香気および防腐作用を有するので、排出された廃棄物を一定期間貯留しても周囲に悪臭を発生させることがない。酵素投入機12は余剰汚泥を分解するための酵素を貯留して、投入するための機械である。α−アミラーゼの作用により、でんぷんを含む厨房からの排水や厨芥等の分解効率を上げることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は廃棄物、例えば大型ビル、工場、下水処理場等から排出される生ゴミ、厨芥、廃水、屎尿を処理する廃棄物処理方法、その廃棄物処理方法に用いられる廃棄物処理装置及びその廃棄物処理装置を用いた廃棄物処理システム、乾燥装置および乾燥方法に関する。
従来、有機性廃水の処理を行うため、廃水を曝気処置装置で好気性の微生物により酸化させ、その廃水を沈殿槽で分離し、堆積した汚泥を処理・廃棄することが行われていた。
微生物の生物酸化(生物処理)によっては、有機物を摂取して増殖した微生物と未処理の廃水とが余剰汚泥として大量に発生する。この余剰汚泥を投棄すれば環境に悪影響を及ぼすので、各種の余剰汚泥の削減および処理方法が開発されている。
余剰汚泥の処理方法の従来例としては、オゾン法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。オゾン法は、酸素(O2)を放電してオゾン(O3)へ変換して、そのオゾンを廃水へ溶解し、処理を行う。
また、余剰汚泥の大部分を占める微生物の細胞壁を溶解するために、強アルカリや強酸を用いる方法もある(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−75978(段落番号[0026]、図1)。
特開2002−320991(段落番号[0027]、図1)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、酸素からオゾンへの変換率や、オゾンの水への溶解度が低いので、難分解性の細胞壁を可溶化するには不十分で排出される余剰汚泥も相当量になる。また、オゾン等で汚泥を可溶化し既存の施設にて分解処理を行うため既存の排水処理槽の負荷が増え不安定になる事もある。そして処理水でのリンの増加がありリン規制のある場所では処理することが出来ない場合もある。
また、特許文献2に記載の技術では、処理後の廃水の中和を行う必要性があり、仮に中和が不十分なまま排水した場合には、環境問題を生じる危険性がある。
そこで本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、排出される廃棄物の量を減少させ、環境への悪影響を及ぼさない廃棄物処理方法、廃棄物処理装置および廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
さらに本発明の別の目的は、炭化処理のようなエネルギーを多量に必要とし、二酸化炭素を発生する処理を行わずに、食品工場等から排出される単一的な素材からなる生ゴミや厨芥を分解できる廃棄物処理方法、廃棄物処理装置および廃棄物処理システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の主たる観点に係る廃棄物処理方法は、貯留領域に廃棄物を貯留する工程と、前記貯留された廃棄物に、テルペン類を含む溶剤を投入する工程と、前記貯留された廃棄物に、α−アミラーゼを含む酵素を投入する工程と、前記溶剤と前記酵素とが投入された廃棄物を攪拌する工程とを具備することを特徴とする。
本発明では、廃棄物に投入されるテルペン類が、廃棄物を固形分と液状分に分解してから攪拌を行うので、処理効率を向上させることができ、廃棄物を高温で乾燥させる必要がなくなる。また、テルペン類の分解作用に加えて、α−アミラーゼは酵素としてでんぷんを分解する作用を有するので、米やじゃがいもを含む厨芥等の廃棄物の処理効率を向上させることができる。さらに、排出される廃棄物は極めて含水率が低いので、廃棄物に含まれる成分によっては家畜の餌、骨材、堆肥等に利用できる。
本発明の一の形態では、前記溶剤は、D−リモネンまたはパインオイルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。これにより、D−リモネンまたはパインオイルは特有の香気があり、また防腐作用を有するので排出された廃棄物を一定期間貯留しても、周囲に悪臭を発生させることがない。
本発明の一の形態では、前記廃棄物は、単一または複数の素材から構成される厨芥であることを特徴とする。これにより、溶剤に加えて酵素も加えるので、レストランや厨房から排出される厨芥が、例えば一種類の魚類だけ、一種類の野菜類だけという生物処理では分解が困難な単一的な素材であっても、安定した処理を行うことができる。
また、本発明の一の形態において、廃棄物や投入された有機溶剤や酵素を加熱する加熱工程、廃棄物を粉砕するための粉砕工程をさらに設けてもよい。これにより、廃棄物を分解しやすい状態にするので、廃棄物の処理効率を向上させることができる。
さらに、本発明の一の形態において、遠心分離や圧搾などにより脱水する脱水工程をさらに設けてもよい。これにより、分解処理槽の効率を上げる事が出来る。
本発明の他の観点に係る廃棄物処理装置は、廃棄物を貯留する貯留部と、前記貯留部に、テルペン類を含む溶剤を投入する第1の投入手段と、前記貯留部に、α−アミラーゼを含む酵素を投入する第2の投入手段と、前記貯留部に貯留された廃棄物と溶剤と酵素とを攪拌する攪拌手段とを具備することを特徴とする。
本発明では、廃棄物に投入される溶剤であるテルペン類が、廃棄物を固形分と液状分を分解し、貯留部で攪拌を行うので、処理効率を向上させることができ、廃棄物を高温で乾燥させる装置を別に設ける必要がなくなる。また、テルペン類の分解作用に加えて、でんぷんを分解するα−アミラーゼを含む酵素を投入するので、米やじゃがいも等を含む厨芥等の廃棄物の処理効率を向上させることができる。さらに、処理された廃棄物は極めて含水率が低いので、廃棄物に含まれる成分によっては、家畜の餌、骨材、堆肥等として資源の再利用を図ることができる。
本発明の一の形態では、前記溶剤は、D−リモネンまたはパインオイルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。これにより、D−リモネンまたはパインオイルは、特有の香気があり、また防腐作用を有するので、排出された廃棄物を一定期間貯留しても、周囲に悪臭を発生させることがない。
本発明の一の形態では、前記廃棄物は、単一または複数の素材から構成される厨芥であることを特徴とする。これにより、容器内において溶剤に加えて酵素も加えるので、レストランや厨房から排出される厨芥が、例えば一種からなる魚類だけ、又は一種からなる野菜類だけという生物処理が困難な単一的な素材であっても、安定した処理を行うことができる。
また、本発明の一の形態において、廃棄物や投入される化合物を加熱する加熱手段、廃棄物を粉砕するための粉砕手段を設けてもよい。これにより、
これにより、分解処理槽の効率を上げる事が出来る。
さらに、本発明の一の形態において、遠心分離や圧搾などにより脱水する脱水手段をさらに設けてもよい。これにより、分解処理槽の効率を上げる事が出来る。
本発明の他の観点に係る廃棄物処理システムは、廃棄物を微生物による生物処理を行う生物処理装置と、前記生物処理装置により生物処理が行われた有機性汚泥から、難解性の物質を含む余剰汚泥を沈殿させる沈殿装置と、前記沈殿装置で沈殿した余剰汚泥を分解するための廃棄物処理装置とを具備することを特徴とする。
本発明では、余剰汚泥に含まれる生物処理時に投入された微生物の細胞壁を、当外廃棄物処理装置により分解するので、負荷をかけずに安定し余剰汚泥の量を減少させることができる。また、排出される廃棄物は含水率が低いので、廃棄物に含まれる成分により家畜の餌、骨材、堆肥等に利用できる。さらに、テルペン類の分解作用に加えて、α−アミラーゼを含む酵素がでんぷんを分解する作用を有するので、米やじゃがいもを含む厨芥等の廃棄物の処理効率を向上させることができる。テルペン類の溶剤として、D−リモネンまたはパインオイルを使用すれば、これらの溶剤には特有の香気があり防腐作用を有するので、排出された廃棄物を一定期間貯留しても周囲に悪臭を発生させることがない。
本発明の一の形態によれば、前記生物処理装置に流出させる廃棄物を貯留する貯留装置と、前記沈殿させられた余剰汚泥を脱水する脱水装置と、前記脱水装置により脱水された余剰汚泥を、分解処理槽に移送する移送部とをさらに具備することを特徴とする。これにより、排出される余剰汚泥の量を一層減少させることができる。
本発明の別の観点に係る乾燥装置は、廃棄物を乾燥するための乾燥装置であって、前記廃棄物を天然油及び酵素と混合して減圧下で加熱処理する手段を具備することを特徴とする。
本発明のまた別の観点に係る乾燥方法は、廃棄物を乾燥するための乾燥方法であって、前記廃棄物と天然油及び酵素と混合し、これらを減圧下で加熱処理することを特徴とする。
以上説明したように、本発明では排出される廃棄物の量を減少させ、環境への悪影響を及ぼさないようにすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る廃棄物処理システムの概略構成図、図2は本発明の一実施形態に係る廃棄物処理システムのフローチャートである。
本廃棄物処理システムは、レストラン、トイレ等を有する大型ビルから排出される廃水の処理について説明するが、これに限定されるものでない。
本発明の廃棄物処理システムは、図1に示すように、沈殿分離槽1、曝気槽3、沈殿槽4、後述する汚泥貯留槽又は汚泥濃縮貯留槽、脱水槽11および分解処理槽5から構成される。
沈殿分離槽1は厨房等から排出された有機性廃水などを一時的に貯留するための槽である。沈殿分離槽1は調整装置2を備えており、調整装置2は曝気槽3に流出させる廃水の流出量を調整する。これにより、曝気槽3や分解処理槽5の処理能力に応じた流出量に調整することができる。
曝気槽3は沈殿分離槽1からの廃水に、微生物による生物処理を行うための槽である。曝気槽3は曝気装置7および微生物投入口9を備えており、微生物投入口9から微生物が投入され、曝気装置7により酸素を多量に含む曝気が発生させられる。これにより、微生物が活性化し、廃水に含まれる有機物の分解作用を促進することができる。曝気槽3に、例えば天然有機酸物質を加えて、微生物を活性化、増殖させてもよい。生物処理された廃水は沈殿槽4に流出される。また、曝気槽3から発生する悪臭を除去するための装置を曝気槽3に設けてもよい。
沈殿槽4は、曝気槽3からの生物処理を施された廃水を静置させて、沈殿物と上澄み液に分離するための槽である。沈殿物である余剰汚泥は脱水槽11、脱水機17に送出される。上澄み液は沈殿槽4に設けられた放水口16から外部に放水される。これにより、廃水から水分と余剰汚泥を分離することができる。
図示を省略した汚泥貯留槽又は汚泥濃縮貯留槽は、外部圧力で沈殿槽4からの余剰汚泥を濃縮する濃縮装置(図示を省略)である。汚泥貯留槽又は汚泥濃縮貯留槽は、濃縮した余剰汚泥を脱水槽11に送出する。
脱水槽11又は脱水機17は、沈殿槽4から送出された沈殿物を脱水するためのものである。脱水は、例えば遠心分離や圧搾により行われる。脱水槽11、脱水機17は返送装置10を備えている。返送装置10は脱水により生じる水分を、返送路8を介して沈殿分離槽1に返送するための装置である。返送路8は曝気槽3や沈殿槽4に通じるものとして構成してもよい。脱水された余剰汚泥は、分解処理槽5に送出される。このように、水槽11又は脱水機17の前に余剰汚泥を濃縮するための濃縮装置(図示を省略)を備えてもよい。これにより、余剰汚泥から水分を一層取り除くことができ、汚泥を濃縮する事が出来、脱水機の処理時間を短縮する事が出来る。
分解処理槽5は、脱水槽11からの余剰汚泥を有機溶剤および酵素により分解して処理するための槽である。分解処理槽5には、粉砕装置14(汚泥処理の場合は使用しない)、脱水機17、有機溶剤投入機6、酵素投入機12、攪拌機15および加熱装置13が設けられている。
粉砕装置14は生ゴミ等を機械的な外力により細かく粉砕する装置であり、分解効率を向上させることができる。脱水機17は、粉砕装置14により粉砕された生ごみ等の水分を脱水する装置である。
有機溶剤投入機6は、余剰汚泥を分解するための有機溶剤を貯留して、分解処理槽5内に投入するための機械である。有機溶剤にはリモネン、テルペン類、松脂などが使用される。テルペン類には、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド等がある。テルペン炭化水素が含まれる溶剤として、例えばD−リモネンがあり、テルペンアルコールが含まれる溶剤として、例えばパインオイルがある。廃棄物に対して0.08重量%〜0.12重量%、より好ましくは0.1重量%前後の天然油を投入すればよい。酵素投入機12は、余剰汚泥を分解するための酵素を貯留して、投入するための機械である。酵素としては、α−アミラーゼを含むことが好ましい形態である。酵素をα−アミラーゼを含んだ酵素を使用することにより、でんぷんを含む厨房からの排水や厨芥等の分解効率を上げることができる。ここで廃棄物が餌や飼料として再利用するものでなければ、苛性ソーダを加えてもよい。攪拌機15は、余剰汚泥と投入された有機溶剤や酵素とを混合させるための機械であり、分解効率を向上させることができ、脱水汚泥と厨芥を同時に処理することができる。加熱装置13は余剰汚泥を加熱してスラリー化するための機械であるが、投入された有機溶剤を回収するために加熱するものとしてもよい。なお、分解処理中に、余剰汚泥に含まれる細胞壁を破壊しやすくするための可溶化剤を加えてもよい。廃棄物が餌や飼料として再利用できない場合には、有機溶剤と酵素に加えて苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を約50%投入することにより、処理コストを抑えることができる。
以上の廃棄物処理システムの動作を、図2に基づいて詳細に説明する。
まず、大型ビル等から排出された有機性廃水や厨芥等(以下、「廃水」という。)は、廃水に含まれる油分の分解や固形物の液化後、沈殿分離槽1に貯留される(ST101)。
貯留された廃水は、調整装置2により流出量が管理されて曝気槽3に送られる。廃水は、曝気槽3で微生物投入口9から投入された微生物による生物処理が行われる(ST102)。
生物処理された廃水はポンプ等により沈殿槽4に送られる。沈殿槽4に送られた廃水は、沈殿物と上澄み液に分離するまで静置され、沈殿が起きる(ST103)。
廃水から分離した上澄み液はろ過などの処理が行われた後、放水口16から放水され、沈殿物は汚泥貯留槽又は汚泥濃縮貯留槽で濃縮される(ST104)。
濃縮された沈殿物は、脱水槽11、粉砕装置14を介して脱水機17に送られる。沈殿物は脱水槽11、脱水機17で遠心分離や圧搾等により脱水が行われる(ST105)。
脱水により発生する水分は、返送路8を介して沈殿分離槽1に返送される。脱水された余剰汚泥は、分解処理槽5に送出され、有機溶剤と酵素が投入され、攪拌機15の攪拌により分解処理が行われる(ST106)。
分解処理槽5内は、温風温度を摂氏約180度〜220度で5〜6時間処理を行うことにより、廃棄物の含水率を低下させることができる。処理前含水率は、例えば、80.1%、13kg、処理後含水率5.9%、2.5kgとなる。含水率は、分解処理槽5から排出される気体の排気温度により判断することができる。発明者の試験によれば、排気温度が摂氏約100度〜120度で物温度の65度の場合には、含水率は約5%〜20%である。排気温度と物温度は、摂氏約180度〜220度の温風温度により処理前の44度から1時間後に物温度摂氏53度、排気温度91度となり、1.5時間経過後物温度摂氏64度、排気温度95度となり、2時間後物温度64度、排気温度110度となり、3時間後、物温度摂氏65度、排気温度102度となり、3.5時間後物温度81度、排気温度102度に達し分解は終了する。分解処理槽5内を加熱するために、床下部に電熱線等を用いた予備ヒーターを設けてもよい。有機溶剤と酵素は、有機溶剤投入機6および酵素投入機12により投入される。この有機溶剤と酵素の投入は、コンピュータを使用して自動制御できる構成にしてもよい。有機溶剤と酵素は、本処理装置の作業を行う作業員等によって投入されてもよい。分解処理において、加熱装置13による加熱により処理が促され、発生する余剰汚泥の量を減少させることができる。分解処理が行われた余剰汚泥は廃棄物として廃棄される。
有機溶剤(天然油)と酵素は油脂が多い場合はは投入前に酵素を入れ、油脂が多くない汚泥や生ゴミの天然油(リモネン、パインオイル等)は、酵素を投入することなく分解処理が出来る。効率よく分解処理を行うには、廃棄物に対して0.08重量%〜0.12重量%、より好ましくは0.1重量%前後の天然油を投入すればよい。そして全量最初に投入するのではなく、全量に対して約3回に分けて投入する方法により非常に効率よく処理する事が出来る。
また、温風温度を最初に約180度〜220度に行うが、天然有機酸(天然油)を投入するように排気温度と物温度で段階的に下げていく方法が非常に効率よく分解処理を行う事が出来る。特に含水率が多い有機物には有効である。
以上により、本発明の廃棄物処理システムの動作は終了する。
このように本実施形態によれば、分解処理槽5において攪拌機15により攪拌しながら、有機溶剤投入機6から溶剤として例えばD−リモネンまたはパインオイルを投入するので、廃棄物を固形分と液状分に分解することができる。
また、これらの溶剤には特有の香気があり防腐作用を有するので、排出された廃棄物を一定期間貯留しても、周囲に悪臭を発生させることがない。
さらに、酵素投入機12からα―アミラーゼを含む酵素が投入されるので、米やじゃがいも等を含む厨芥等の廃棄物の処理効率を向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
この実施形態は、上述した実施形態における分解処理槽5(分解処理槽5から粉砕装置14、脱水機17を除いた構成部)に代えて真空乾燥機を用いたものである。このシステム構成を図4に基づき説明する。
図4に示すように、真空乾燥機は、真空チャンバ21、蒸気ボイラー23、凝縮機26、真空ポンプ27、天然油投入機30及び酵素投入機31を有している。
真空チャンバ21は、外周がジャケット構造となっており、蒸気ボイラー23からジャケット24内に蒸気が送り込まれることで真空チャンバ21内が加熱されるようになっている。真空チャンバ21には、排気用のドレイン25が形成されている。また、真空チャンバ21には、例えば蒸気を凝縮するための凝縮器26を介して真空ポンプ27が接続されており、この真空ポンプ27により真空チャンバ21内が減圧されるようになっている。なお、蒸気に代えて熱媒等を用いて真空チャンバ21内を加熱するようにしても構わない。
真空チャンバ21には、図示を省略した温度計と圧力計が接続されており、同じく図示を省略した制御部はこれらの検出結果に基づき蒸気ボイラー23及び真空ポンプ27を制御することで真空チャンバ21内が所望の温度と圧力に維持されるようになっている。
真空チャンバ21には、図1に示した粉砕装置14(例えばホッパー)により粉砕された余剰汚泥等の廃棄物が投入される投入口28と、乾燥品が排出される排出口29とを有する。投入口28からは、天然油投入機30及び酵素投入機31により天然油と酵素が投入されるようになっている。天然油としては、リモネン、テルペン、松脂などを挙げることができる。廃棄物に対して0.08重量%〜0.12重量%、より好ましくは0.1重量%前後の天然油を投入すればよい。また、酵素としては、α−アミラーゼを含むことが好ましい形態である。酵素を投入することで、例えばテルペンの界面活性作用が促進し、微生物の細胞壁が破壊され、水分が蒸発し易くなる。また、後述するように廃棄物が団子状態となるのを抑えることができる。
真空チャンバ21内には、処理対象物を攪拌・破砕するための回転掻き上げ羽根32が配置されている。回転掻き上げ羽根32は図示を省略したモータにより回転される。なお、真空チャンバ21内に攪拌送風翼を設け、処理対象物の乾燥を促進するようにしても構わない。
このように構成された真空乾燥機において、粉砕装置14により粉砕された廃棄物を天然油と酵素と共に投入口28を介して真空チャンバ21内に投入する。
例えば真空チャンバ21内は−90〜96kpaに減圧され40゜C程度に加熱された状態にあって、投入された廃棄物は回転掻き上げ羽根32により天然油及び酵素と混合されながら、減圧下で加熱され、廃棄物は乾燥されることになる。そして、乾燥品は排出口29から排出される。
このように本実施形態では、廃棄物の乾燥処理を真空乾燥機で行っているので、沸点が低く、エネルギ効率がよく、しかも安全で運転管理が容易である。特に、本実施形態では、このような真空乾燥工程において天然油及び酵素を投入しているので、攪拌効率がよく、乾燥を効率よく行うことができ、しかも臭気が発生することが非常に少なくなる。また、チャンバ内周壁に廃棄物が焦げ付くようなことはなくなる。これは、天然油を用い、しかも沸点の低い減圧下で乾燥処理を行っているからである。
即ち、例えば米やうどん等の麺を常圧下で加熱乾燥処理すると、これらが団子状態となってしまい、熱伝導効率が低くなり、エネルギーロスを生じることになる。しかも、悪臭が発生したり、安全面や運転管理面等で問題があった。これに対して、本実施形態の如く廃棄物の乾燥処理を真空乾燥機で天然油及び酵素を投入しながら行うことで、これらの問題が解決する。
また、本実施形態では、粉砕装置14の種類や最終含水率の設定で生ゴミ等の減量率は異なってくるが、粉砕装置14や回転掻き上げ羽根32を有しているので、図5に示すように、例えば生ゴミ等の減量率については約70%以上、含水率については16%以下にすることができる。
なお、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
上述した実施形態では、廃水を中心として説明したがこれに限られるものではなく、例えば他の実施形態に係る廃棄物処理システムの概略構成図である図3に示すように、対象となる廃棄物が固形分の比率が高いレストランや厨房から排出される厨芥である場合には、収集容器18から集客された廃棄物を粉砕装置14による粉砕、脱水機19による脱水後、分解処理槽5に送出して分解処理を行う構成にしてもよい。これにより、大規模な設備が必要なく、レストランや食品工場の敷地内のような限られた場所であっても、本装置を設置することができる。この場合においても、発明者の試験によれば含水率を約10%にすることができる。
さらにその他の実施形態として、前述の脱水機19の代わりに、外部からの圧力で汚泥を濃縮する汚泥濃縮装置(図示を省略)を設けることにより、例えば工場等から排出される有機性汚泥を分解することができる。
1 沈殿調整槽
3 曝気槽
4 沈殿槽
5 分解処理槽
8 返却路
10 返送装置
11 脱水槽
15 攪拌機
17 脱水機
21 真空チャンバ
23 蒸気ボイラー
27 真空ポンプ
30 天然油投入機
31 酵素投入機
32 回転掻き上げ羽根
3 曝気槽
4 沈殿槽
5 分解処理槽
8 返却路
10 返送装置
11 脱水槽
15 攪拌機
17 脱水機
21 真空チャンバ
23 蒸気ボイラー
27 真空ポンプ
30 天然油投入機
31 酵素投入機
32 回転掻き上げ羽根
Claims (10)
- 貯留領域に廃棄物を貯留する工程と、
前記貯留された廃棄物に、テルペン類を含む溶剤を投入する工程と、
前記貯留された廃棄物に、α−アミラーゼを含む酵素を投入する工程と、
前記溶剤と前記酵素とが投入された廃棄物を攪拌する工程と
を具備することを特徴とする廃棄物処理方法。 - 請求項1に記載の廃棄物処理方法であって、
前記溶剤は、D−リモネンまたはパインオイルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする廃棄物処理方法。 - 請求項1に記載の廃棄物処理方法であって、
前記廃棄物は、単一または複数の素材から構成される厨芥であることを特徴とする廃棄物処理方法。 - 廃棄物を貯留する貯留部と、
前記貯留部に、テルペン類を含む溶剤を投入する第1の投入手段と、
前記貯留部に、α−アミラーゼを含む酵素を投入する第2の投入手段と、
前記貯留部に貯留された廃棄物と溶剤と酵素とを攪拌する攪拌手段と
を具備することを特徴とする廃棄物処理装置。 - 請求項4に記載の廃棄物処理装置であって、
前記溶剤は、D−リモネンまたはパインオイルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする廃棄物処理装置。 - 請求項4に記載の廃棄物処理装置であって、
前記廃棄物は、単一または複数の素材から構成される厨芥であることを特徴とする廃棄物処理装置。 - 廃棄物を微生物による生物処理を行う生物処理装置と、
前記生物処理装置により生物処理が行われた有機性汚泥から、難解性の物質を含む余剰汚泥を沈殿させる沈殿装置と、
前記沈殿装置で沈殿した余剰汚泥を分解するための、請求項4または請求項6に記載の廃棄物処理装置と
を具備することを特徴とする廃棄物処理システム - 請求項7に記載の廃棄物処理システムであって、
前記生物処理装置に流出させる廃棄物を貯留する貯留装置と、
前記沈殿させられた余剰汚泥を脱水する脱水装置と、
前記脱水装置により脱水された余剰汚泥を、分解処理槽に移送し汚泥を減容することを特徴とする廃棄物処理システム。 - 廃棄物を乾燥するための乾燥装置であって、
前記廃棄物を天然油及び酵素と混合して減圧下で加熱処理する手段を具備することを特徴とする乾燥装置。 - 廃棄物を乾燥するための乾燥方法であって、
前記廃棄物と天然油及び酵素と混合し、
これらを減圧下で加熱処理する
ことを特徴とする乾燥方法。
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JP2003276342A JP2004358455A (ja) | 2003-05-13 | 2003-07-17 | 廃棄物処理方法、廃棄物処理装置、廃棄物処理システム、乾燥装置および乾燥方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN104692606A (zh) * | 2014-09-05 | 2015-06-10 | 中创宏远(北京)环保科技有限公司 | 一种基于生物酶的新型生态沉降池 |
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WO2021129819A1 (zh) * | 2019-12-26 | 2021-07-01 | 密西西比国际水务有限公司 | 一种餐厨垃圾资源化利用方法和处理*** |
-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003276342A patent/JP2004358455A/ja active Pending
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