JP2004356229A - 有機光電変換素子 - Google Patents

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泰輔 西森
Junji Adachi
淳治 安達
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淳 阪井
Susumu Kajita
進 梶田
Kenji Kono
謙司 河野
Mitsuo Yaguchi
充雄 矢口
Nobuhiro Ito
宜弘 伊藤
Masahiro Nakamura
将啓 中村
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Abstract

【課題】有機層内での光吸収の効率を高めることができ、光電変換特性に優れた有機光電変換素子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方は透明な二つの電極1,2の間に、光が照射されると電荷を発生する有機層3を備えた有機光電変換素子に関する。有機層3の各電極1,2と接する部分を粗面に形成する。有機層3の各電極1,2と接する部分の粗面で光が散乱され、有機層3に入射された光の有機層3内での光路長が長くなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機太陽電池として使用される有機光電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業の発展に伴いエネルギーの使用量が飛躍的に増加している。その中で地球環境に負荷を与えない、経済的で高性能な新しいクリーンエネルギーの生産技術の開発が求められている。そして太陽電池は無限にあるといってよい太陽光を利用することから、新しいエネルギー源として注目されている。
【0003】
現在実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いた無機太陽電池である。しかし、これら無機シリコン系の太陽電池は、その製造プロセスが複雑でコストが高いという欠点を有するため、一般家庭に広く普及するには至ってない。このような無機太陽電池の欠点を解消するため、簡単なプロセスで低コスト・大面積化が可能な有機材料を用いた有機光電変換素子からなる有機太陽電池の研究が盛んになってきている。
【0004】
従来研究されている有機光電変換素子としては、ショットキー接合を有するもの(J.H.Schon,Appl.Phys.Lett.77,2773(2000))、P型とN型を積層した有機ヘテロ接合を有するもの(P.Peumans,Appl. Phys.Lett.79,126(2001)、特開平6−93258号公報)、P型とN型をブレンドした有機バルクヘテロ接合を有するもの(S.E.Shaheen, Appl. Phys.Lett.78,841(2001))などがある。これらの有機光電変換素子は比較的高い変換効率を示すものであるが、これらで検討されているセルの面積は数mmと非常に小さいものであり、一般に面積が大きくなると効率が悪くなるといわれている。また、基本的に有機材料を用いていることにより、シリコン等無機材料とは異なり、光励起により生成した正孔−電子対の解離度や電極までキャリアを運ぶ移動度が低いという有機材料特有の課題がある。
【0005】
このような有機材料特有の課題を克服するものとして、電子供与体である導電性有機化合物、特に導電性高分子と、電子受容体である化合物半導体粒子とを混合した有機層を備える有機光電変換素子が注目されている(非特許文献1参照)。
【0006】
このものでは、導電性高分子に、より電子移動度の高い化合物半導体を混合させることにより、これまでの有機光電変換素子で問題となっているキャリアの移動度が改善されている。また、この有機光電変換素子では、生成した電子と正孔の分離が導電性高分子−化合物半導体間で起こるため、キャリアの再結合による失活を抑制できる。その上、化合物半導体のナノ粒子を用いることにより、導電性高分子との界面の面積が増加して、電子−正孔解離確率が増加する特徴を有している。このように、導電性高分子と化合物半導体ナノ結晶を混合した有機層を有する有機光電変換素子は、一般家庭に普及しうる太陽電池として非常に有望である。
【0007】
【非特許文献1】
Wendy U.Huynh,Janke J.Dittmer,A.paul Alivisatos、「Hybrid Nanorod−Polymer Solar Cells」、SCIENCE、AMERICAN ASSOCIATION FOR THE ADVANCEMENT OF SCIENCE、2002年3月29日、第295巻、第5564号、p2425−2427
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、現状では、有機光電変換素子の変換効率はシリコン系の無機太陽電池に比べかなり低く、実用的な太陽電池として用いるまでには至っていない。その一つの原因として、有機層内の電子供与性化合物である導電性高分子及び電子受容体である化合物半導体の光吸収が十分ではないということが挙げられる。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、有機層内での光吸収の効率を高めることができ、光電変換特性に優れた有機光電変換素子を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る有機光電変換素子は、少なくとも一方は透明な二つの電極の間に、光が照射されると電荷を発生する有機層を備えた有機光電変換素子において、有機層の各電極と接する部分を粗面に形成して成ることを特徴とするものである
また請求項2の発明は、請求項1において、二つの電極のうち一方の電極は非透明であり、透明な電極と接する部分の粗度が非透明な電極と接する部分の粗度より大きくなるように、有機層の粗面を形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3の発明は、請求項1において、二つの電極のうち一方の電極は非透明であり、非透明な電極と接する部分の粗度が透明な電極と接する部分の粗度より大きくなるように、有機層の粗面を形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図4(a)は有機光電変換素子の基本的構成の一例を示すものであり、透明な基板10の表面上に正極となる電極1を設け、この正極となる電極1の表面上に有機電子供与体と化合物半導体粒子を含有する有機層3を積層し、さらにこの有機層3の表面上に陰極となる電極2を設けることによって、形成されるものである。電極1,2は両方を透明に、あるいはいずれか一方を透明に、他方を非透明に形成されるものであり、少なくとも光の入射側の電極1は透明に形成されるものである。また図4(b)は有機光電変換素子の基本的構成の他の一例を示すものであり、有機層3と正極の電極1との間に正孔輸送層11を設けると共に、有機層3と負極の電極2との間に電子輸送層12を設けるようにしたものであり、このものでは有機層3がいわゆる活性層3aとなり、活性層3aと正孔輸送層11と電子輸送層12の三層で有機層3が形成されるものである。
【0014】
そしてこの図4(a)(b)のように形成される有機光電変換素子にあって、透明な基板10及び透明な電極1を透過して有機層3に太陽光などの光が照射されることによって発生する電荷は、正孔が正極の電極1に移動すると共に電子が負極の電極2に移動することによって、各電極1,2から取り出すことができるものである。
【0015】
ここで、上記の基板10、正極となる電極1、負極となる電極2、正孔輸送層11、電子輸送層12の各材料や、有機層3(活性層3a)の電子供与性有機化合物及び化合物半導体粒子としては、既知のものを用いることができる。
【0016】
すなわち、上記基板10は、光透過性を有するものであり、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ樹脂等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。またさらに、基板10内に基板10の母材と屈折率が異なる粒子、粉体、泡等を含有させることによって、光拡散効果を有するように形成したものも使用することができる。
【0017】
また正極となる電極1は、有機層3内で発生した正孔を効率よく収集するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような電極材料としては、具体的には金などの金属、CuI、ITO(インジウム錫酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料を挙げることができる。電極1は、例えば、これらの電極材料を基板10の表面に真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。また、電極1を透過させて有機層3に光を到達させるためには、電極1の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、電極1のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下である。電極1の膜厚は、電極1の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下に設定するのが好ましく、より好ましくは10〜200nmの範囲である。
【0018】
また、負極となる電極2は、有機層3中に発生した電子を効率良く収集するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような負極となる電極2の電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類等、およびこれらと他の金属との合金、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物などを挙げることができる。また、アルミニウム、Al/Al混合物なども使用可能である。さらに、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を電極2の下地として用い、上記の仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合金)を1層以上積層して負極となる電極2を形成するようにしてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、Al/Alの積層などを例として挙げることができる。また、ITOやIZOなどに代表される透明電極で負極となる電極2を形成し、この電極2側からも光を入射させる構成にしても良い。
【0019】
負極となる電極2は、例えば、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができる。さらに電極2上に、Al等の金属をスパッタリングで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、その他の有機分子、高分子等を蒸着、スパッタリング、CVD、プラズマ重合、塗布した後の紫外線硬化、熱硬化その他の方法で薄膜として積層したりすることも可能である。
【0020】
また、上記正孔輸送層11を構成する正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能力を有し、さらに電子の正孔輸送層11への移動を阻止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的にはフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子など高分子材料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
また、上記電子輸送層12を構成する電子輸送性の材料としては、電子を輸送する能力を有し、さらにホールの電子輸送層12への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を用いることができる。具体的には、バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、オキサジアゾール化合物、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物、TPBI(2,2′,2″−(1,3,5−ベンゼントリル)トリス−[1−フェニル−1H−ベンツイミダゾール])などが挙げられるが、電子輸送性の材料であれば特にこれらに限定されるものではなく、電子移動度が10−6cm/Vs以上の材料が好ましく、10−5cm/Vs以上であることがより好ましい。
【0022】
さらに、上記有機層3(活性層3a)に用いる電子供与性有機化合物としては、フタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物、また有機電子写真感光体に用いられる電荷移動剤、電気伝導性有機電荷移動錯体、更には導電性高分子も用いることができる。
【0023】
フタロシアニン系顔料としては、中心金属がCu、Zn、Co、Ni、Pb、Pt、Fe、Mg等の2価のもの、無金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、その他バアナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン等があるが、特にこれに限定されるものではない。
【0024】
電荷移動剤としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0025】
電気伝導性有機電荷移動錯体としては、テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラチオフラバレン等があるが特にこれに限定されるものではない。
【0026】
導電性高分子としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体など、トルエン等の有機溶媒に可溶なものを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0027】
また、上記有機層3(活性層3a)に用いる電子受容体である化合物半導体粒子としては、化合物半導体ナノ結晶を用いるのが望ましい。ここで、ナノ結晶とは、サイズが1〜100nmであるものである。また、ナノ結晶の形状にはロッド状、球状、テトラポッド状が含まれる。具体的な材料としてはInP、InAs、GaP、GaAs等のIII−V族化合物半導体結晶、CdSe、CdS、CdTe、ZnS等のII−VI族化合物半導体結晶、ZnO、SiO、TiO、Al等の酸化物半導体結晶、CuInSe、CuInS等を挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0028】
そして本発明では、上記のように二つの電極1,2の間に有機層3を備えて形成される有機光電変換素子において、図1に示すように、有機層3と各電極1,2との間の界面は粗面に形成してある。この有機層3の界面の粗面は、有機層3の表面を粗面化処理して形成する他に、電極1,2の表面を粗面化処理することによって形成することもでき、これらの粗面化処理はブラスト処理やアルゴンあるいは窒素などのプラズマ処理によって行なうことができる。また有機層3の界面の粗度は、Ra=10〜50nmの範囲が好ましい。
【0029】
このように有機層3と各電極1,2の間の界面を粗面に形成した有機光電変換素子にあって、太陽光などの光は透明な基板10及び透明な電極1を通して有機層3に入射されるが、有機層3と透明な電極1の界面は粗面に形成されているので、有機層3に入射される光はこの粗面となった界面を通過する際に散乱される。そして、図1に破線矢印で示すように散乱されずに有機層3内をそのまま真っ直ぐ進む光よりも、図1に実線で示すように散乱されて有機層3内を斜め方向に進む光のほうが、有機層3内での光路長が長くなる。従って、有機層3に入射された光の有機層3内での吸収効率が高まり、光電変換効率を向上させることができるものである。また、有機層3内に入射された光は、有機層3と電極2との界面で反射されるが、この有機層3と電極の界面は粗面に形成されているので、反射される光は図1に実線で示すように散乱されて有機層3内を斜め方向に進み、有機層3内での光路長が長くなる。従ってこの点でも有機層3内での光の吸収効率が高まり、光電変換効率を向上させることができるものである。
【0030】
図2は本発明の他の実施の形態を示すものであり、二つの電極1,2のうち基板10の側の電極1を透明に形成すると共に反対側の電極2を非透明に形成し、有機層3の粗面を、透明な電極1との界面の粗度が非透明な電極2との界面の粗度より大きくなるように形成してある。このものにあって、有機層3に入射した光の有機層3内での散乱は、
透明な電極1と接する部分での散乱>非透明な電極2と接する部分での散乱となり、透明な電極1を通して有機層3に入射される光は、透明な電極1を通過する際に透明な電極1の付近でより大きく散乱される。このため、透明な電極1の近傍においてより多くの電荷を発生するように形成した有機層3を有する有機光電変換素子において、有機層3に入射された光をより効率的に光電変換することができるものである。
【0031】
ここで、図2の実施の形態にあって、有機層3の透明な電極1との界面の粗度はRa=30〜50nmの範囲が好ましく、Ra=50nm程度がより適切である。また有機層3の非透明な電極2との界面の粗度はRa=10〜20nmの範囲が好ましく、Ra=10nm程度がより適切である。これは、有機層3の透明な電極1と接する部分と非透明な電極2と接する部分での光の散乱が上記の関係を保ち、且つ有機層3内での局部的に偏り過ぎた電荷発生を起こさないようにするためである。
【0032】
図3は本発明の他の実施の形態を示すものであり、二つの電極1,2のうち基板10の側の電極1を透明に形成すると共に反対側の電極2を非透明に形成し、有機層3の粗面を、非透明な電極2との界面の粗度が透明な電極1との界面の粗度より大きくなるように形成してある。このものにあって、有機層3に入射した光の有機層3内での散乱は、
非透明な電極2と接する部分での散乱>透明な電極1と接する部分での散乱となり、透明な電極1を通して有機層3に入射される光は、非透明な電極2の界面で反射される際に非透明な電極2の付近でより大きく散乱される。このため、非透明な電極2の近傍においてより多くの電荷を発生するように形成した有機層3を有する有機光電変換素子において、有機層3に入射された光をより効率的に光電変換することができるものである。
【0033】
ここで、図3の実施の形態にあって、有機層3の透明な電極1との界面の粗度はRa=10〜20nmの範囲が好ましく、Ra=10nm程度がより適切である。また有機層3の非透明な電極2との界面の粗度はRa=30〜50nmの範囲が好ましく、Ra=50nm程度がより適切である。これは、有機層3の透明な電極1と接する部分と非透明な電極2と接する部分での光の散乱が上記の関係を保ち、且つ有機層3内での局部的に偏り過ぎた電荷発生を起こさないようにするためである。
【0034】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る有機光電変換素子によれば、有機層の各電極と接する部分の粗面で光が散乱され、有機層に入射された光の有機層内での光路長が長くなって、有機層内での光吸収の効率を高めることができ、光電変換効率を向上させることができるものである。
【0035】
また請求項2の発明によれば、透明な電極を通して有機層に入射した光は透明な電極付近でより大きく散乱され、有機層内での光吸収の効率を高めて光電変換効率を向上させることができるものである。
【0036】
また請求項3の発明によれば、透明な電極を通して有機層に入射した光は非透明な電極付近でより大きく散乱され、有機層内での光吸収の効率を高めて光電変換効率を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図4】光電変換素子の構成を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【符号の説明】
1 電極
2 電極
3 有機層

Claims (3)

  1. 少なくとも一方は透明な二つの電極の間に、光が照射されると電荷を発生する有機層を備えた有機光電変換素子において、有機層の各電極と接する部分を粗面に形成して成ることを特徴とする有機光電変換素子。
  2. 二つの電極のうち一方の電極は非透明であり、透明な電極と接する部分の粗度が非透明な電極と接する部分の粗度より大きくなるように、有機層の粗面を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 二つの電極のうち一方の電極は非透明であり、非透明な電極と接する部分の粗度が透明な電極と接する部分の粗度より大きくなるように、有機層の粗面を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
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