JP2004355977A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004355977A
JP2004355977A JP2003153075A JP2003153075A JP2004355977A JP 2004355977 A JP2004355977 A JP 2004355977A JP 2003153075 A JP2003153075 A JP 2003153075A JP 2003153075 A JP2003153075 A JP 2003153075A JP 2004355977 A JP2004355977 A JP 2004355977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
container
battery
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003153075A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Hiruma
光生 晝間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2003153075A priority Critical patent/JP2004355977A/ja
Publication of JP2004355977A publication Critical patent/JP2004355977A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】放電容量が高く、かつ高温貯蔵した際の電池膨れが抑制された非水電解質二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】正極、負極及び非水電解質を含む発電要素を容器内に収納する工程と、前記容器の開口部を仮封止して仮封止二次電池を得る工程と、前記仮封止二次電池に初充電を施す工程と、前記仮封止二次電池を40〜80℃の範囲の雰囲気温度で貯蔵する工程と、前記仮封止二次電池における容器開口部の仮封止を解除して放置することにより、前記容器の内部に存在するガスの少なくとも一部を外部に放出させる工程と、前記容器の開口部を本封止する工程とを具備することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子技術、実装技術の進歩により、パーソナルコンピューター、電話機をはじめ多くの電子機器が小型化、ポータブル化されてきている。それに伴い、これらの電子機器の電源として用いられる二次電池に対する高性能化が要求されている。
【0003】
かかる二次電池としては、正極活物質にLiMnO、LiCoOなどの化合物を用い、負極活物質にリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物あるいはカルコゲン化合物を用い、LiBF、LiPFなどのリチウム塩をエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフランなどの非水溶媒に溶解した電解液を用いた非水電解質二次電池が開発されている。中でも、正極にLiCoO、負極にリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物、例えば黒鉛、球状炭素、炭素繊維などを用いるリチウムイオン二次電池が現在多く使用されている。
【0004】
ところで、このような非水電解質二次電池を充電状態で高温下に貯蔵すると、電解液に用いられている非水溶媒が分解してガス化し、これにより電池の内圧が上昇し、電池が膨れるという問題を生じる。
【0005】
この問題を解決するために、非水溶媒の分解を抑制する効果のある添加剤を非水電解液に添加することが行われている。例えば特許文献1は、有機溶媒に添加剤としてフェニル基に隣接する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体またはシクロアルキルベンゼン誘導体が含有されている電解液を開示している。
【0006】
しかしながら、上記の添加剤のうち、例えばシクロヘキシルベンゼンような添加剤を含む電解液を備える非水電解質二次電池は、数日以上の長期間高温貯蔵した際には、添加剤の効果により電池膨れが抑制されるものの、高温貯蔵を24時間程度の短期間とすると、添加剤を含まない非水電解質二次電池よりもむしろ電池膨れが大きくなることがあった。非水電解質二次電池に所定の電池膨れが生じるまでの時間に対しては、ユーザによって様々な基準が設けられているために、これらの基準を単一の電池仕様で満足することができるように、長期間の高温貯蔵時だけでなく、短期間の高温貯蔵時の電池膨れも抑制された非水電解質二次電池が求められている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−15155号公開公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放電容量が高く、かつ高温貯蔵した際の電池膨れが抑制された非水電解質二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、正極、負極及び非水電解質を含む発電要素を容器内に収納する工程と、
前記容器の開口部を仮封止して仮封止二次電池を得る工程と、
前記仮封止二次電池に初充電を施す工程と、
前記仮封止二次電池を40〜80℃の範囲の雰囲気温度で貯蔵する工程と、
前記仮封止二次電池における容器開口部の仮封止を解除して放置することにより、前記容器の内部に存在するガスの少なくとも一部を外部に放出させる工程と、
前記容器の開口部を本封止する工程と
を具備することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非水電解質二次電池の製造方法の一実施形態について説明する。
【0011】
(電池の組立て工程)
正極と負極の間にセパレータを介在させて電極群を得る。次いで、この電極群と非水電解質を含む発電要素を容器内に収納する。
【0012】
以下、正極、負極、セパレータ及び非水電解質について説明する。
【0013】
1)正極
正極は、集電体と正極活物質含有層とを含み、例えば、以下に説明する方法で作製することができる。
【0014】
正極活物質、結着剤、及び必要に応じて導電剤を適当な有機溶媒に懸濁して合剤スラリーとし、この合剤スラリーを集電体である基板の片面もしくは両面に、所望する大きさよりも大きな面積となるように塗布し、乾燥して薄板状にしたものを所望の大きさに裁断することにより正極を作製することができる。また、正極活物質を結着剤、及び必要に応じて導電剤とともに混練し、シート化したものを集電体に貼着することにより正極を作製することもできる。
【0015】
合剤スラリーを作製する分散装置としては、ボールミル、ビーズミル、ディソルバー、サンドグラインダー、ロールミル等が採用される。
【0016】
集電体表面に形成される正極活物質含有層の厚さ(集電体の厚さは除く)は、50μm以上、200μm以下の範囲にあることが望ましい。
【0017】
集電体としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を挙げることができる。特に、加工性に優れ、安価であることから、アルミニウム箔を用いることが最も好ましい。集電体としてアルミニウム箔を用いる場合、十分な箔の強度が得られ、また二次電池の高容量化を図れることから、その厚さを10μm以上、40μm以下の範囲とすることが望ましい。
【0018】
正極活物質としては、例えば、LiMO(ただし、MはCo、Ni、Mnなどの遷移金属、0.05≦x≦1.10の値)で表されるもので、LiCoO、LiNiO、LiNiCo(1−y)、LiMnOなどを挙げることができる。
【0019】
結着剤としては、フッ化ビニリデン系フッ素樹脂を使用することができる。
【0020】
フッ化ビニリデン系フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、あるいは他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重合させたものを挙げることができる。
【0021】
かかる他のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体としては、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−フッ化ビニリデンの共重合体を挙げることができる。結着剤には、これらの化合物を単独で使用するか、あるいは、他の化合物と混合したものを使用することができる。結着剤に含有させる他の化合物の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0022】
特に、優れた電池特性が得られ、電極製造が容易であることから、結着剤にはポリフッ化ビニリデンを用いることが好ましい。
【0023】
有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル、アセトン、トルエン等を挙げることができる。
【0024】
導電剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等を挙げることができる。
【0025】
結着剤の配合量は、正極活物質と導電剤の合計100重量部に対して、2重量部〜10重量部の範囲にすることが好ましい。結着剤の配合量を上記範囲内とすることにより、電池製造が容易になり、優れた電池特性、電極強度を保持することができる。上記範囲よりも多くすると、非水電解質二次電池の大電流特性、サイクル特性が低下する恐れがあり、一方、上記範囲よりも少なくすると、正極活物質間の結着力、集電体との密着力を保つことができず電池特性が低下する恐れがある。
【0026】
導電剤の配合量は、正極活物質100重量部に対して、1重量部〜20重量部の範囲にすることが好ましい。
【0027】
有機溶媒の配合量は、正極活物質と結着剤と導電剤の合計100重量部に対して、50重量部〜150重量部の範囲にすることが好ましい。有機溶媒の配合量を上記範囲よりも多くすると、合剤スラリーの安定性が劣化し、均一な膜厚の電極が得られにくくなる恐れがあり、一方、上記範囲よりも少なくすると、合剤スラリーの粘度が高くなり、塗工性が劣化する恐れがある。
【0028】
正極は、正極活物質含有層の塗布量を片面当り100〜400g/mの範囲にすることが、電池特性の点あるいは電池製造の容易性の点で好ましい。
【0029】
2)負極
負極は、集電体と負極活物質含有層とを含み、例えば、以下に説明する方法で作製することができる。
【0030】
負極活物質、結着剤、及び必要に応じて導電剤を適当な有機溶媒に懸濁して合剤スラリーとし、この合剤スラリーを集電体である基板の片面もしくは両面に、所望する大きさよりも大きな面積となるように塗布し、乾燥して薄板状にしたものを所望の大きさに裁断することにより負極を作製することができる。また、負極活物質を結着剤、及び必要に応じて導電剤とともに混練し、シート化したものを集電体に貼着することにより負極を作製することもできる。
【0031】
合剤スラリーを作製する分散装置としては、正極で挙げたものと同様の装置が採用される。
【0032】
集電体表面に形成される負極活物質含有層の厚さ(集電体の厚さは除く)は、電極の製造がしやすく、また良好な電解液の含浸性、電気化学的特性などが得られることから、50μm以上、200μm以下の範囲にすることが望ましい。
【0033】
集電体としては、例えば銅箔、ニッケル箔等を挙げることができるが、電気化学的な安定性及び捲回時の柔軟性等を考慮すると、銅箔を用いることが最も好ましい。集電体として銅箔を用いる場合、十分な箔の強度が得られ、また二次電池の高容量化を図れることから、その厚さを8μm以上、20μm以下の範囲とすることが望ましい。
【0034】
負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物またはカルコゲン化合物を含むもの、軽金属からなるもの等を挙げることができる。中でもリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物またはカルコゲン化合物を含む負極は、二次電池のサイクル寿命などの電池特性を向上させることができるために好ましい。
【0035】
リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物としては、例えばコークス、炭素繊維、熱分解気相炭素質物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維またはメソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げることができる。中でも、電極容量が高くなることから、2500℃以上で黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維またはメソフェーズ球状カーボンを用いることが好ましい。
【0036】
リチウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS)、二硫化モリブデン(MoS)、セレン化ニオブ(NbSe)などを挙げることができる。このようなカルコゲン化合物を負極に用いると、二次電池の電圧は降下するものの、負極の容量が増加するため、二次電池の容量を向上させることができ、更に、負極はリチウムイオンの拡散速度が大きいため、二次電池の急速充放電性能を向上させることができる。
【0037】
軽金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、リチウム金属、リチウム合金などを挙げることができる。
【0038】
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン系フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を挙げることができる。
【0039】
有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン等を挙げることができる。
【0040】
結着剤の配合量は、負極活物質100重量部に対して、2重量部〜15重量部の範囲にすることが電池特性、電極強度の保持の点で好ましい。
【0041】
特に負極活物質として炭素質物を用いた際は、結着剤にポリフッ化ビニリデンを用いることが望ましく、その配合量は、負極活物質100重量部に対して、2重量部〜15重量部の範囲にすることが電池特性、電極強度の保持の点で好ましい。
【0042】
有機溶媒の配合量は、負極活物質と結着剤の合計100重量部に対して、50重量部〜150重量部の範囲にすることが好ましい。有機溶媒の配合量を上記範囲よりも多くすると、合剤スラリーの安定性が劣化し、均一な膜厚の電極が得られにくくなる恐れがあり、一方、上記範囲よりも少なくすると、合剤スラリーの粘度が高くなり、塗工性が劣化する恐れがある。
【0043】
負極は、負極活物質含有層の塗布量を片面当り50〜300g/mの範囲にすることが、電池特性の点あるいは電池製造の容易性の点で好ましい。負極活物質として炭素質物を用いた場合には、負極活物質含有層の塗布量を片面当り50〜200g/mの範囲にすることが、電池特性の点あるいは電池製造の容易性の点で好ましい。
【0044】
3)セパレータ
セパレータは、例えば、合成樹脂製不織布、ポリエチレン製多孔質フィルム、ポリプロピレン製多孔質フィルムなどの多孔質材料から形成される。
【0045】
4)非水電解質
この非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質とを含むものである。また、この非水電解質は、液状もしくはゲル状の形態を有する。
【0046】
非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート、例えば1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)などの鎖状エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエーテル、例えばγ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エステル、例えばアセトニトリル(AN)などの窒素化合物、例えばスルホラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)などの硫黄化合物、シクロヘキシルベンゼン(CHB)のような芳香族化合物などを挙げることができる。使用する非水溶媒の種類は、1種類もしくは2種類以上にすることができる。
【0047】
中でも、シクロヘキシルベンゼン(CHB)のような芳香族化合物を含む非水電解質は、非水電解質二次電池を充電状態で高温下に貯蔵した際に前記芳香族化合物が非水溶媒の分解抑制用添加剤として働くため、非水電解質の酸化分解を抑制することができる。
【0048】
非水電解質中のCHBの配合量は、0.1〜5重量%の範囲にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。CHBの配合量を0.1重量%未満にすると、充電高温貯蔵が長時間に亘った際の膨れが大きくなる可能性がある。一方、CHBの配合量が5重量%を超えると、CHBの分解反応によるガス発生量が多くなるため、本発明の製造方法により膨れを抑えられない可能性がある。CHBの配合量のさらに好ましい範囲は、0.5〜2重量%である。
【0049】
また、非水電解質二次電池の特性改善を目的として、分解抑制用添加剤以外の他の添加剤を加えることも可能である。
【0050】
このCHBを含む非水電解質には、CHB以外の溶媒(以下、他の溶媒と称す)を含有させるが、この他の溶媒の組成は、以下に掲げるものが望ましい。
【0051】
すなわち、EC、PC及びγ−BLからなる群より選ばれる少なくとも1種、EC、PC及びγ−BLからなる群より選ばれる少なくとも1種とDMC、MEC、DEC、DME、DEE、THF、2−MeTHF及びANからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる混合溶媒が望ましい。特に、負極にリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いる場合には、非水電解質二次電池のサイクル寿命を向上させる観点から、他の溶媒には、ECとPCとγ−BL、ECとPCとMEC、ECとPCとDEC、ECとPCとDEE、ECとAN、ECとMEC、PCとDMC、PCとDEC、または、ECとDECからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0052】
電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、四塩化アルミニウムリチウム(LiAlCl)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩を挙げることができる。中でもLiPF、LiBF、LiN(CFSOを用いると、導電性や安全性が向上されるために好ましい。
【0053】
電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5モル/L〜2モル/Lの範囲にすることが好ましい。
【0054】
(仮封止工程)
容器の開口部を仮封止して仮封止二次電池を得る。ここで、仮封止二次電池とは、仮封止後に一時的に開放系にすることを前提として組み立てられた初充放電可能な状態にある二次電池を意味する。
【0055】
(初充電工程)
初充電は、例えば、定電流/定電圧方式の充電により行われる。
【0056】
非水電解質二次電池の形態が角形あるいは薄型である場合、初充電工程を、仮封止二次電池の厚さ方向と直交する両面を加圧しながら行うことが望ましい。これは、角形二次電池及び薄型二次電池に用いられる容器が、薄くて変形しやすい材質(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金のような金属)から形成されているために一旦膨れると元の形状に戻り難いためである。この加圧により、初充電工程でECのような環状カーボネートあるいはMECのような鎖状カーボネートの分解反応で発生するガスにより容器が膨れて二次電池の厚みが増すのを抑えることができる。
【0057】
(高温貯蔵工程)
仮封止二次電池を40〜80℃の範囲の雰囲気温度で高温貯蔵する。
【0058】
高温貯蔵工程において、雰囲気温度を上記範囲とするのは以下に説明する理由によるものである。
【0059】
雰囲気温度を40℃未満にすると、高温貯蔵工程においてCHBのような分解抑制用添加剤の分解が十分に進行せず、その後のガス放出工程で容器内のガスを完全に放出させたとしても、未反応分が使用中の充電高温貯蔵の際に分解するために電池膨れの抑制が達成されない。一方、雰囲気温度が80℃を超えると、分解抑制用添加剤の分解反応だけでなく、これ以外の非水溶媒の分解反応も生じるため、非水電解質の損失量が多くなり、また、これら分解反応により正極表面に生成した有機皮膜によって内部抵抗が増加し、放電容量あるいは充放電サイクル特性が低下する。雰囲気温度のより好ましい範囲は、50〜70℃である。
【0060】
充電状態での高温貯蔵時、シクロヘキシルベンゼン(CHB)のような分解抑制用添加剤の分解反応(ガス化反応)は、24時間程度経過した後に生じる傾向があることを本発明者らは究明した。さらに実験を進めた結果、電池特性を損なわずに電池膨れを抑制する観点から貯蔵時間を2〜48時間の範囲とすることが好ましいことがわかった。以下に貯蔵時間を前記範囲に限定する理由を詳しく説明する。
【0061】
貯蔵時間を2時間未満とすると、分解抑制用添加剤の分解反応が終了しないうちにガス放出工程に移行するため、使用中の充電高温貯蔵時に未反応分の分解反応を生じる恐れがある。一方、貯蔵時間が48時間を超えると、分解抑制用添加剤とこれ以外の非水溶媒の分解反応を生じるため、二次電池の放電容量もしくは充放電サイクル特性が低下する恐れがある。
【0062】
非水電解質二次電池の形態が角形あるいは薄型である場合、高温貯蔵工程は、仮封止二次電池の厚さ方向と直交する両面を加圧しながら行うことが望ましい。電池膨れの抑制には、少なくとも高温貯蔵工程においてこの加圧を行うことが望ましく、また、十分な効果を得るためには前記初充電工程から高温貯蔵工程まで継続して、上記のように容器を固定することが望ましい。
【0063】
(ガス放出工程)
前記仮封止二次電池における容器開口部の仮封止を解除して放置することにより、前記容器の内部に存在するガスの少なくとも一部を外部に放出させる。
【0064】
仮封止の解除は、仮封止二次電池を15〜30℃の温度範囲の雰囲気で放置することにより冷却してから行うことが好ましい。これは、以下に説明する理由によるものである。
【0065】
非水電解質に含まれる非水溶媒、中でも、一般的に多く使用されているメチルエチルカーボネート(MEC)は低沸点であるために、仮封止二次電池の温度が30℃を超えたままで仮封止の解除を行うと、非水溶媒が揮発して非水電解質の損失を生じ、放電容量が低下する恐れがある。このため、30℃以下という非水溶媒の沸点よりも低い温度にまで仮封止二次電池を冷却してから仮封止を解除することが好ましい。但し、15℃よりも低い温度まで冷却しても、過冷却によるエネルギー損失が大きくなるだけで、非水溶媒の揮発の抑制に対しては大幅な改善を望めない可能性があることから、15〜30℃の範囲にすることが望ましい。
【0066】
前記ガス放出工程は、露点がマイナス15℃以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0067】
前記不活性ガスには、二次電池を開放することによる特性低下の抑制と製造コストの削減から、アルゴンガスを使用することが好ましい。
【0068】
不活性ガス雰囲気の露点をマイナス15℃以下にするのは、不活性ガス雰囲気の露点がマイナス15℃よりも高いと、結露により容器内に混入した水分によって正極活物質が劣化する恐れがあるからである。露点を低くすれば低くするほど、容器内部への水分(結露)の混入をより防ぐことができるが、過剰な冷却はエネルギー効率を悪化させる原因になることから、露点はマイナス80℃以上とすることが好ましい。
【0069】
(本封止工程)
前記容器の開口部を本封止する。
【0070】
本封止は、容器の内圧が常圧に戻ってから行われることが望ましい。これは、容器の内圧が常圧よりも高い状態で本封止を行なうと、非水電解質中に分解ガスが溶存した状態で本封止が行われることとなり、使用中における高温貯蔵の際に分解ガスが非水電解質から放出されて膨れを生じる恐れがあるからである。容器の内圧が常圧に戻ってから本封止を行なうことによって、非水電解質の分解ガスの溶解度を常圧での溶解度まで下げることができ、分解ガスを容器外部に十分に放出させることができる。
【0071】
なお、本封止工程は、ガス放出工程で説明したのと同様な条件の不活性ガス雰囲気で行われることが好ましい。
【0072】
以上説明した本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法によれば、放電容量を損なうことなく、充電状態の二次電池を高温で貯蔵した際の膨れを抑制することができる。
【0073】
すなわち、仮封止した二次電池に初充電を施した後、40〜80℃の範囲の雰囲気温度で貯蔵することによって、非水電解質を強制的に分解してガスを発生させることができる。次いで、仮封止二次電池の容器開口部の仮封止を解除して放置することにより、分解ガスの少なくとも一部を容器外部に放出させることができる。その後、本封止を施すことにより得られた非水電解質二次電池は、高い放電容量を実現することができ、また、使用中における充電高温貯蔵の際に非水電解質の分解反応がほとんど生じないため、ガス発生量を少なくすることができ、膨れを抑制することができる。
【0074】
特に、本発明は、CHBのような添加剤を含む非水電解質を備えた二次電池の充電高温貯蔵時、24時間以内の膨れを抑える効果が高いため、24時間程度の短期間の貯蔵とそれより長い期間での貯蔵双方における膨れが少ない非水電解質二次電池を提供することができる。
【0075】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0076】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0077】
(実施例1)
まず、実施例1の方法により得られる角形非水電解質二次電池を図1を参照して説明する。
【0078】
図1に示すように、金属、例えばアルミニウムからなる有底矩形筒状の外装缶1は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁体2が配置されている。扁平形状の電極群3は、前記外装缶1内に収納されている。前記電極群3は、負極4とセパレータ5と正極6とを、前記正極6が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製したものである。
【0079】
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ7は、前記外装缶1内の前記電極群3上に配置されている。金属製の蓋体8は、前記外装缶1の上端開口部に、例えばレーザ溶接により液密に接合されている。前記蓋体8には、非水電解液を注入するための注液孔10が開口されている。前記注液孔10を含む蓋体8部分には、この注液孔10を塞ぐように封止蓋11が例えばレーザ溶接により液密に接合されている。また、前記蓋体8の中心付近には、負極端子の取出穴9が開口されている。負極端子12は、前記取出穴9にガラス製または樹脂製の絶縁材13を介してハーメティックシールされている。前記負極端子12の下端面には、負極リード14が接続され、かつこの負極リード14の他端は前記電極群3の負極4に接続されている。絶縁封口板15は、蓋体8の上面に配置されている。絶縁性の外装チューブ16は、外装缶1の側面並びに底面周縁と、絶縁封口板15の周縁を被覆している。
【0080】
以下、この二次電池の製造方法を説明する。
【0081】
<正極の作製>
まず、正極活物質である平均粒径3μmのリチウムコバルト酸化物(LiCoO)粉末100重量部に、導電剤としてアセチレンブラック3重量部及びグラファイト3重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量部(活物質と導電剤の合計100重量部に対して)を有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた溶液とを添加し、汎用分散機にて4時間、分散混合し、合剤スラリーを得た。
【0082】
次に、得られた合剤スラリーを、片面当りの塗布量が200〜300g/mとなるように集電体基板であるアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に塗布し、乾燥した後、プレスして正極6を作製した。
【0083】
<負極の作製>
まず、メソフェーズピッチを原料としたメソフェーズピッチ炭素繊維(MCF)をアルゴン雰囲気下、1000℃で炭素化した後、平均繊維長20μm、平均繊維径8μm、粒度1〜80μmに90体積%が存在するように、かつ粒径が0.5μm以下の粒子が5%以下になるように適度に粉砕した後、アルゴン雰囲気下、3000℃で黒鉛化することにより炭素質物を製造した。
【0084】
次いで、得られた炭素質物を、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた溶液に加え、汎用分散機で3時間、分散混合し、合剤組成が炭素質物100重量部に対して、ポリフッ化ビニリデン5重量部からなる合剤スラリーを調製した。
【0085】
得られた合剤スラリーを、片面当りの塗布量が100〜150g/mとなるように集電体基板である銅箔の両面に塗付し、乾燥した後、プレスして負極4を作製した。
【0086】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比1:2)に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1M溶解したものに、非水溶媒分解抑制用添加剤としてシクロヘキシルベンゼン(CHB)を1重量%溶解することにより非水電解液を調製した。
【0087】
<電池の組立て>
正極6、ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ5及び負極4をそれぞれこの順序で積層した後、正極6が外側に位置するように渦巻状に捲回した後、この捲回物を10kgf/cmの加圧力で圧縮して偏平状の電極群3を作製した。
【0088】
厚さが0.2mmのアルミニウムシートを外寸法で厚さ4.1mm、幅30mm、高さ50mmとなるように成形した外装缶1内に前記電極群3を収納し、上端開口部に蓋体8をレーザシーム溶接して前記電極群3を密封した後、減圧下、非水電解液を前記蓋体8の注液孔10から注入した。
【0089】
次いで、注液孔10にフッ素ゴム栓(図示しない)を挿入して密栓し、このフッ素ゴム栓の上部と電池容器の底部とを押さえるようにクランプ(図示しない)を用いて挟むことで、液密に仮封止し、仮封止二次電池を作製した。なお、クランプを用いるのは、ガスの発生等により電池容器の内圧が上昇した場合に、前記注液孔10から栓が外れるのを防ぐためである。また、上記したようなゴム製の栓を使用する代わりに、前記注液孔10を含む前記蓋体8にゴム製の板を被せて前記注液孔10を塞ぎ、このゴム板の上面と電池容器の底面とを押さえるようにクランプ等で挟むことにより電池容器を液密に仮封止することもできる。
【0090】
次いで、図2に示すように、例えばポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等の耐熱性樹脂からなる矩形の型枠21を、この仮封止二次電池の外装缶1に嵌めることにより外装缶1の幅広な面(電池の厚さ方向と直交する面)を押さえながら定電流定電圧(1C、4.2V)で6時間初充電を行った後、雰囲気温度60℃で24時間貯蔵した。
【0091】
仮封止二次電池を25℃の雰囲気に放置することにより冷却した後、露点がマイナス70℃のアルゴンガス雰囲気下において仮封止用のフッ素ゴム栓を取り除き、30分間放置して内圧が常圧に戻ってから型枠21を取り外し、前記注液孔10を含む蓋体8部分に封止蓋11をレーザシーム溶接して前記注液孔10を本封止した。ひきつづき、絶縁封口板15を蓋体8上に配置し、外装チューブ16で被覆することにより、前述した図1に示す構造を有し、定格外寸法が厚さ4.4mm、幅30mm、高さ48mmで、0.2C放電容量が620mAhである角形非水電解質二次電池を製造した。
【0092】
(実施例2)
高温貯蔵時の雰囲気温度を40℃、貯蔵時間を2時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0093】
(実施例3)
高温貯蔵時の雰囲気温度を40℃、貯蔵時間を48時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0094】
(実施例4)
高温貯蔵時の雰囲気温度を80℃、貯蔵時間を2時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0095】
(実施例5)
高温貯蔵時の雰囲気温度を80℃、貯蔵時間を36時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0096】
(実施例6)
高温貯蔵時の雰囲気温度を60℃、貯蔵時間を48時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0097】
(実施例7)
高温貯蔵時の雰囲気温度を40℃、貯蔵時間を1時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0098】
(実施例8)
高温貯蔵時の雰囲気温度を80℃、貯蔵時間を1時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0099】
(比較例1)
高温貯蔵時の雰囲気温度を30℃、貯蔵時間を1時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0100】
(比較例2)
高温貯蔵時の雰囲気温度を30℃、貯蔵時間を60時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0101】
(比較例3)
高温貯蔵時の雰囲気温度を100℃、貯蔵時間を2時間とした以外、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0102】
(比較例4)
非水電解液の注入後、仮封止ではなく本封止、すなわち前記注液孔10を含む蓋体8部分に封止蓋11をレーザシーム溶接し、次いで実施例1と同様にして初充電を施すことにより角形非水電解質二次電池を製造した。
【0103】
(比較例5)
非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比1:2)に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1M溶解したもの、すなわち非水溶媒中にCHBを含まないものを調製し、この非水電解液の注入後、すぐに前記注液孔10を含む蓋体8部分に封止蓋11をレーザシーム溶接して前記注液孔10を本封止し、実施例1と同様にして初充電を施すことにより角形非水電解質二次電池を製造した。
【0104】
<貯蔵試験>
実施例1〜8及び比較例1〜5の角形非水電解質二次電池をそれぞれ5個ずつ用意し、これらに定電流定電圧(1C、4.2V)で3時間充電を行い、その後、雰囲気温度80℃で24時間または96時間貯蔵し、貯蔵前後での電池容器の厚さの差を測定し、その平均値を電池膨れ(mm)として下記表1に記載する。
【0105】
<放電試験>
実施例1〜8及び比較例1〜5の角形非水電解質二次電池をそれぞれ5個ずつ用意し、これらに定電流定電圧(1C、4.2V)で3時間充電を行い、その後、0.2Cで3Vまで放電したときの放電容量(mAh)を測定し、その平均値を下記表1に併記する。
【0106】
【表1】
Figure 2004355977
【0107】
表1から明らかなように、本発明の製造方法に従った実施例1〜8の非水電解質二次電池は、初充電後のガス放出を行わなかった比較例4の非水電解質二次電池とほぼ同等の高い放電容量を実現しながら、24時間貯蔵後の電池膨れを小さくできている。また、実施例1〜8の二次電池は、CHB無添加の比較例5の非水電解質二次電池とほぼ同等の高い放電容量を持ちつつ、96時間貯蔵後の電池膨れを小さくすることができ、本発明の方法がCHBによる膨れ抑制の効果に影響を及ぼさないことを確認できた。
【0108】
また、実施例3および実施例6の非水電解質二次電池の試験結果から、貯蔵時間を同じ48時間とした場合、貯蔵温度を50〜70℃の範囲とすることにより、高い放電容量を維持しながら、電池膨れをさらに小さくすることができることを確認できた。
【0109】
これに対して、高温貯蔵時の雰囲気温度を40℃未満にした比較例1及び比較例2の非水電解質二次電池は、貯蔵時間を1時間としても、60時間としても、実施例1〜8の非水電解質二次電池と比較して、24時間貯蔵後の電池膨れが大きかった。
【0110】
高温貯蔵時の雰囲気温度を80℃を超える温度にした比較例3の非水電解質二次電池は、高温貯蔵時の電池膨れは小さかったものの、実施例1〜8の非水電解質二次電池と比較して放電容量が低かった。
【0111】
なお、前述した実施例では、分解抑制用添加剤としてCHBを用いる例を説明したが、分解抑制用添加剤には充電状態の非水電解質二次電池を高温に貯蔵した際の非水溶媒の分解を抑制する効果を有するものであればいかなるものを用いてもよい。
【0112】
また、前述した実施例では、金属製容器を用いた非水電解質二次電池について説明したが、本願発明は、ラミネートフィルム製容器を用いる非水電解質二次電池にも適用することができる。
【0113】
また、前述した実施例においては、正極とセパレータと負極とが偏平状に捲回された電極群を用いる例を説明したが、この代わりに、正極とセパレータと負極との積層物からなる電極群、正極とセパレータと負極との積層物が1回以上折り曲げられた構造の電極群を用いても良い。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、高温貯蔵した際の電池膨れが抑制され、かつ優れた放電容量を有する非水電解質二次電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の方法により製造される角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。
【図2】実施例1の製造方法における初充電工程及び高温貯蔵工程を説明するための模式図。
【符号の説明】
1…外装缶、2…絶縁体、3…電極群、4…負極、5…セパレータ、6…正極、7…スペーサ、8…蓋体、9…取出穴、10…注液孔、11…封止蓋、12…負極端子、13…絶縁材、14…負極リード、15…絶縁封口板、16…外装チューブ、21…型枠。

Claims (2)

  1. 正極、負極及び非水電解質を含む発電要素を容器内に収納する工程と、
    前記容器の開口部を仮封止して仮封止二次電池を得る工程と、
    前記仮封止二次電池に初充電を施す工程と、
    前記仮封止二次電池を40〜80℃の範囲の雰囲気温度で貯蔵する工程と、
    前記仮封止二次電池における容器開口部の仮封止を解除して放置することにより、前記容器の内部に存在するガスの少なくとも一部を外部に放出させる工程と、
    前記容器の開口部を本封止する工程と
    を具備することを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 前記ガス放出工程を露点がマイナス15℃以下の不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
JP2003153075A 2003-05-29 2003-05-29 非水電解質二次電池の製造方法 Pending JP2004355977A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003153075A JP2004355977A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 非水電解質二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003153075A JP2004355977A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 非水電解質二次電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004355977A true JP2004355977A (ja) 2004-12-16

Family

ID=34048134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003153075A Pending JP2004355977A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 非水電解質二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004355977A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251224A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池の製造方法
WO2009096135A1 (ja) 2008-01-31 2009-08-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 密閉型電池製造方法
JP2009295595A (ja) * 2009-09-17 2009-12-17 Toyota Motor Corp 密閉型電池製造方法
CN102468488A (zh) * 2010-10-28 2012-05-23 三洋电机株式会社 非水电解液二次电池及其制造方法
JP2013105678A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Toyota Motor Corp 密閉型電池及びその製造方法
US10490808B2 (en) 2011-02-18 2019-11-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Non-aqueous electrolyte secondary battery and production method thereof
CN111989801A (zh) * 2018-04-17 2020-11-24 三星Sdi株式会社 二次电池
CN113519083A (zh) * 2019-03-12 2021-10-19 株式会社东芝 约束夹具及电池的制造方法
JP2022079233A (ja) * 2020-11-16 2022-05-26 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 非水電解液二次電池の製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251224A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池の製造方法
US9099754B2 (en) 2008-01-31 2015-08-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sealed type cell manufacturing method
WO2009096135A1 (ja) 2008-01-31 2009-08-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 密閉型電池製造方法
JP2009295595A (ja) * 2009-09-17 2009-12-17 Toyota Motor Corp 密閉型電池製造方法
CN102468488A (zh) * 2010-10-28 2012-05-23 三洋电机株式会社 非水电解液二次电池及其制造方法
JP2012109219A (ja) * 2010-10-28 2012-06-07 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液二次電池及びその製造方法
US10490808B2 (en) 2011-02-18 2019-11-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Non-aqueous electrolyte secondary battery and production method thereof
US11139465B2 (en) 2011-02-18 2021-10-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Non-aqueous electrolyte secondary battery and production method thereof
JP2013105678A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Toyota Motor Corp 密閉型電池及びその製造方法
CN111989801A (zh) * 2018-04-17 2020-11-24 三星Sdi株式会社 二次电池
CN113519083A (zh) * 2019-03-12 2021-10-19 株式会社东芝 约束夹具及电池的制造方法
CN113519083B (zh) * 2019-03-12 2024-06-18 株式会社东芝 约束夹具及电池的制造方法
JP2022079233A (ja) * 2020-11-16 2022-05-26 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 非水電解液二次電池の製造方法
JP7249982B2 (ja) 2020-11-16 2023-03-31 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 非水電解液二次電池の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5046352B2 (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法
JP3797197B2 (ja) 非水電解質二次電池
KR100390099B1 (ko) 비수전해질 및 비수전해질 이차전지
JP2004134261A (ja) 非水電解液二次電池
JP2000058117A (ja) 非水系二次電池
KR101431259B1 (ko) 비수전해액 첨가제 및 이를 이용한 이차 전지
JP3990107B2 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
JP2006260864A (ja) リチウム二次電池の製造方法
JP2010086722A (ja) 非水電解質電池
JP2004031165A (ja) 非水電解質電池
JP2009134970A (ja) 非水電解質電池
JP2005302382A (ja) 非水電解液二次電池パック
JP2004355977A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2001015156A (ja) 非水電解質電池
KR100652284B1 (ko) 비수전해질 및 비수전해질 이차전지
JP5205863B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP4560854B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2003007331A (ja) 非水電解質二次電池
JP2001126684A (ja) 非水電解液電池
JP4085481B2 (ja) 電池
JP2002313418A (ja) 非水電解質及び非水電解質二次電池
JP2002260726A (ja) 非水電解質二次電池
JPH10270079A (ja) 非水電解液電池
JPH11214036A (ja) 高分子電解質セパレーター、リチウム二次電池およびその製造方法
JP4938923B2 (ja) 二次電池