JP2004355890A - 燃料電池の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気の圧力を制御する圧力制御系の応答性を損なうことなく、空気の流量を制御する空気制御系のオーバーシュート量を低減することを課題とする。
【解決手段】水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御する燃料電池の制御装置において、空気を燃料電池のカソード17側に供給するコンプレッサ16と、目標空気流量に従ってコンプレッサ16の目標コンプレッサ回転数を算出するFF_Q部21と、カソード17の空気圧力を制御するカソード調圧弁18と、目標カソード圧力に従ってカソード調圧弁18の目標バルブ開度を制御するFF_P部22と、目標カソード圧力とカソード圧力との偏差を算出し、算出された偏差に基づいてコンプレッサ回転数の応答を補正するためのコンプレッサ回転数応答補正量を算出するコンプレッサ回転数応答補正量算出部26とを備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御する燃料電池の制御装置において、空気を燃料電池のカソード17側に供給するコンプレッサ16と、目標空気流量に従ってコンプレッサ16の目標コンプレッサ回転数を算出するFF_Q部21と、カソード17の空気圧力を制御するカソード調圧弁18と、目標カソード圧力に従ってカソード調圧弁18の目標バルブ開度を制御するFF_P部22と、目標カソード圧力とカソード圧力との偏差を算出し、算出された偏差に基づいてコンプレッサ回転数の応答を補正するためのコンプレッサ回転数応答補正量を算出するコンプレッサ回転数応答補正量算出部26とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に供給される空気の流量と圧力を制御する燃料電池の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池車両では一般に、燃料電池のカソード極における空気の流量を制御する空気制御系を構成する装置としてコンプレッサが用いられ、カソード極の圧力を制御する圧力制御系を構成する装置として圧力制御バルブが用いられていた。このような空気供給制御系と圧力制御系は、それぞれ独立して目的に応じて制御を行っていた。この種の従来技術としては、例えば以下に示す文献に記載されものが知られている(特許文献1、又は特許文献2参照)。
【0003】
このように、それぞれ独立して制御を行っている空気制御系と圧力制御系を有する燃料電池車両では、カソード極の空気圧力の応答性を向上させるために、空気の圧力制御を行う際でも、コンプレッサの回転数の制御量を操作することにより圧力の応答性を向上させることが考えられる。また、同様にカソード極の空気流量の応答性を向上させるために、空気の流量制御を行う際でも、圧力制御バルブの開度の制御量を操作することにより空気流量の応答性を向上させることが考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−345112号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8−045525号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術において、カソード極の目標空気流量に対して実空気流量は高応答性を実現しているが、目標空気流量に対して実空気流量がオーバーシュートする場合があった。実空気流量が目標空気流量に対してオーバーシュートしてしまうと、空気流量の急激な変化により燃料電池に多大な負担がかかっていた。さらに、空気流量を制御するコンプレッサは、過渡的に高回転状態となるため、高回転するコンプレッサの駆動モータの騒音が乗員にとって耳障りなものとなっていた。そのため、コンプレッサの駆動モータによるオーバーシュート音を低減させることが求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気の圧力を制御する圧力制御系の応答性を損なうことなく、空気の流量を制御する空気制御系のオーバーシュート量を低減した燃料電池の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御する燃料電池の制御装置において、空気を前記燃料電池の空気極(以下、カソードと記す)側に供給する空気供給手段と、目標空気流量に従って前記空気供給手段の目標コンプレッサ回転数を算出する空気供給制御手段と、前記カソードの空気圧力を制御するカソード圧力制御手段と、目標カソード圧力に従って前記カソード圧力制御手段の目標バルブ開度を制御する開度制御手段と、目標カソード圧力とカソード圧力との偏差を算出する偏差算出手段と、前記偏差算出手段で算出された偏差に基づいてコンプレッサ回転数の応答を補正するためのコンプレッサ回転数応答補正量を算出するコンプレッサ回転数応答補正量算出手段とを有することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、目標カソード圧力と実カソード圧力との偏差に基づいて、コンプレッサ回転数の応答を補正するようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を操作することが可能となり、オーバーシュート量を低減させることができ、かつ圧力の応答性も極端に遅くさせることなく応答性を維持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施形態に係る燃料電池車両の制御装置の構成を示す図である。
【0012】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。この燃料電池を車両の駆動源として利用する車両が燃料電池車両である。すなわち、圧縮水素ボンベ、液体水素タンク、水素吸蔵合金などの水素貯蔵装置を車両に搭載し、水素貯蔵装置から供給される水素と酸素を含む大気を燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出された電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという車両である。
【0013】
燃料電池車両では、燃料電池の発電量は基本的にドライバが要求する駆動力に応じて決定される。駆動力はアクセルやシフトの操作や車速等によって時々刻々演算されるので、燃料電池の発電量もそれに応じて変化する。燃料電池は上述したように、燃料ガスと酸化ガスとを反応させて電気エネルギを取り出すものであるので、燃料電池へのガス供給量を発電量にしたがって変化させるのが効率的である。
【0014】
図1において、この第1の実施形態の燃料電池車両の制御装置は、燃料の水素を貯蔵する燃料タンク11、アノード極14に供給される水素の圧力を調整するアノード調圧弁12、エゼクタ13、アノード極14とカソード極17を備えた燃料電池と、水素パージ弁15、カソード極17に空気を供給するコンプレッサ16、カソード極17の空気の圧力を調整するカソード調圧弁18、アノード調圧弁12、コンプレッサ16ならびにカソード調圧弁18を制御する制御器19を備えて構成されている。
【0015】
カソード(空気)極14ならびにアノード(水素)極17を備えた燃料電池には、図示しない加湿器により加湿された空気、水素が供給される。空気は、大気からコンプレッサ16で加圧され、図示しない空気加湿器で図示しない純水で加湿された後、燃料電池のカソード極17へ供給される。燃料電池で未使用の空気は、カソード調圧弁18から大気へ排出される。燃料電池のカソード極17へ供給される空気の流量と圧力は、コンプレッサ16の回転数およびカソード調圧弁18の開度により制御される。
【0016】
コンプレッサ16は、図示しないモータにより駆動される。制御器19は、コンプレッサを駆動するモータの回転数を参照して、モータが目標の回転数となるようにモータを制御する。また水素は、高圧で水素が充填された燃料タンク11からアノード調圧弁12、ならびにエゼクタ13を経由して、図示しない水素加湿器で図示しない純水で加湿された後、燃料電池のアノード極14に供給される。燃料電池で未使用の水素は、エゼクタ13によって燃料電池のアノード極14へ循環される。
【0017】
燃料電池のアノード極14に供給される水素の圧力は、アノード調圧弁12の開度で制御される。燃料電池のアノード極14に供給される水素の圧力が目標の圧力となるように、アノード調圧弁12は制御器19で制御される。
【0018】
水素パージ弁15は、燃料電池の状態に応じて開閉することにより、燃料電池内部の水つまりや、カソード極17からアノード極14への空気のリークによる出力低下および効率低下を防止するために使用される。
【0019】
図2は図1に示す制御器19における制御系の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2において、制御器19の制御系は、目標空気量T−Q_airを入力して目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを出力するFF_Q部21、目標カソード圧力T−P_cを入力して目標バルブ開度T−Val_Openを出力するFF_P部22、目標コンプレッサ回転数T−COMP_revとコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revとを加算して最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを出力する加算部23、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを入力して実流量Q_aを出力するPlant_Q部24、目標バルブ開度T−Val_Openを入力して実圧力P_cを出力するPlant_P部25、ならびに目標カソード圧力T−P_cと実圧力P_cを入力してコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを演算して出力するコンプレッサ回転数応答補正量算出部26を備えて構成されている。
【0021】
目標空気流量T−Q_airは、図示しないドライバのトルク要求などから決定され、目標空気流量T−Q_airに基づいてFF_Q部21で目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを算出する。FF_Q部21では、例えばあらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定することができる。
【0022】
コンプレッサ回転数応答補正量算出部26では、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cに基づいてコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを算出する。コンプレッサ回転数応答補正量算出部26では、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cの偏差を算出し、その偏差量に対して、例えば下記のようなダイナミクスG(s)を付加する。
【0023】
【数1】
従ってコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revは、次式により算出される。
【0024】
【数2】
上記(1)式のG(s)のTを変化させることで、コンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを操作する。G(s)におけるTの変化は、例えば図3に示すように、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cの偏差量が大きければ大きいほど、G(s)のTを長く(遅く)する。
【0025】
コンプレッサ回転数応答補正量COMP_revと目標空気流量T−Q_airを、加算部23で加算することで、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを算出する。算出された最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lに従って、コンプレッサ16を動作させることにより、空気流量とカソード圧力の応答時間の関係は、図4(a)に示す従来の空気流量応答時間、ならびに同図(b)に示す従来のカソード圧力応答時間に比べて、図5(a)の空気流量応答時間ならびに同図(b)のカソード圧力応答時間に示すようになる。これにより、コンプレッサ16における空気流量のオーバーシュート量を低減することができる。
【0026】
一方、上記(1)式のG(s)のTに対して、例えば図6に示すように制限を設ける。この制限値はカソード圧力応答の時定数よりも長く(遅く)ならないような値とする。上記カソード圧力応答の時定数は、目標カソード圧力に対するカソード側燃料電池出口の圧力の応答性を算出したものである。圧力の応答性を算出するためには、カソード側燃料電池出口に圧力センサを取り付け、目標カソード圧力を入力とし、カソード側燃料電池出口の圧力を出力として、システム同定を行いカソード圧力応答の特性を算出する。
【0027】
上記燃料電池のシステム同定の結果を、本実施形態では例えば下記の式(3)として表す。
【0028】
【数3】
(Sはラプラス演算子とする。)
上式(3)は算出結果の最も簡単な結果である。なお、システム同定の結果の精度を高めたければ、上式(3)の次数(s)を高めることも考えられる。
【0029】
次に、この第1の実施形態における演算順序の手順を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
図7において、ステップS70では、目標カソード圧力を算出し、ステップS71では、実カソード圧力を検出する。なお、ステップS70とステップS71の実行順序はどちらを先におこなってもよい。
【0031】
ステップS70、S71が実行された後、ステップS72では、時定数を算出する。その後、ステップS73では、コンプレッサ回転数応答補正量を算出する。次に、ステップS74では目標空気流量を算出し、続いてステップS75では目標コンプレッサ回転数を算出する。なお、ステップS70〜S73とステップS74〜S75の実行順序は何れを先に実行してもよい。ただし、ステップS73とステップS75の演算が終了した後、ステップS76において目標コンプレッサ回転数とコンプレッサ回転数応答補正量を加算する。
【0032】
その後、加算された最終目標コンプレッサ回転数に基づいて、ステップS77では、コンプレッサ16を駆動する。ステップS78では、目標バルブ開度を算出し、ステップS79では、算出された目標バルブ開度に基づいてカソード調圧弁18を駆動する。なお、ステップS78は、ステップS70で目標カソード圧力が算出され、ステップS77、S79でアクチュエーターを駆動させる前に演算を終了しておく必要がある。
【0033】
上記第1の実施形態においては、目標カソード圧力と実カソード圧力との偏差より、コンプレッサ回転数の応答を補正するようにしているので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を操作することが可能となり、オーバーシュート量を低減させることができる。かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく応答性を維持することができる。
【0034】
また、コンプレッサ回転数の応答を目標カソード圧力の変化幅が大きくなればなるほど、位相を遅くするようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量の位相を操作することが可能となり、オーバーシュート量を低減させることができる。かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく応答性を維持することできる。
【0035】
さらに、コンプレッサ回転数応答補正量の位相操作量に対して、制限値を設けるようにしたので、位相のズレによるコンプレッサ回転数のハンチングや、制御系の発散を防ぐことができる。従って、コンプレッサ回転数をオーバーシュートさせることなく、かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく、制御系の安定性を保証することができる。
【0036】
図8は本発明の第2の実施形態に係る制御器19における制御系の構成を示すブロック図である。
【0037】
図8において、制御器19の制御系は、目標空気量T−Q_airを入力して目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを出力するFF_Q部31、目標カソード圧力T−P_cを入力して目標バルブ開度T−Val_Openを出力するFF_P部32、目標コンプレッサ回転数T−COMP_revとコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revとを加算して最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを出力する加算部33、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを入力して実流量Q_aを出力するPlant_Q部34、目標バルブ開度T−Val_Openを入力して実圧力P_cを出力するPlant_P部35、ならびに目標空気量T−Q_air、目標カソード圧力T−P_c、実流量Q_a及び実圧力P_cを入力してコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを演算して出力するコンプレッサ回転数応答補正量算出部36を備えて構成されている。
【0038】
目標空気流量T−Q_airは、図示しないドライバのトルク要求などから決定され、目標空気流量T−Q_airに基づいてFF_Q部31で目標コンプレッサ回転数T−COMP_revが算出される。FF_Q部31では、あらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定される。
【0039】
実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cと目標空気流量T−Q_airと実流量Q_aとに基づいて、コンプレッサ回転数応答補正量算出部36でコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revが算出される。コンプレッサ回転数応答補正量算出部36では、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cの偏差を算出し、算出した偏差量に対して、例えば下記のようなダイナミクスG(s)を付加する。
【0040】
【数4】
上式(4)によって算出される値によりコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revは、下式(5)によって算出される。
【0041】
【数5】
実流量Q_aと目標空気流量T−Q_airの比較を行い、Q_a>T−Q_airであれば、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_L=目標コンプレッサ回転数T− COMP_rev+コンプレッサ回転数応答補正量COMP_revとする。一方、上記以外であれば、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_L=目標コンプレッサ回転数T− COMP_revとする。これにより、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを算出する。
【0042】
上記最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lに従って、コンプレッサを動作させることにより、空気流量とカソード圧力の応答時間の関係は、図4(a)に示す従来の空気流量応答時間、ならびに同図(b)に示す従来のカソード圧力応答時間に比べて、図9(a)の空気流量応答時間ならびに同図(b)のカソード圧力応答時間に示すようになる。これにより、コンプレッサ16における空気流量のオーバーシュート量を低減することができる。
【0043】
次に、この第2の実施形態における演算順序の手順を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
図10において、ステップS100では、目標カソード圧力を算出し、ステップS101では、実カソード圧力を検出し、ステップS102では、実空気流量を算出する。なお、ステップS100〜S102の実行順序はいずれを先に実行してもよい。
【0045】
次に、ステップS103では、目標空気流量を算出し、ステップS104では、目標コンプレッサ回転数を算出する。なお、ステップS100〜S103とステップS104〜S105の実行順序は何れを先に実行してもよい。ただし、ステップS103とステップS104の演算が終了した後、目標コンプレッサ回転数とコンプレッサ回転数応答補正量をステップS106で加算する。
【0046】
その後、算出された最終目標コンプレッサ回転数に基づいて、ステップS107でコンプレッサを駆動する。ステップS108では、目標バルブ開度を算出し、ステップS109でカソード調圧弁18を駆動する。ステップS105は、ステップS100で目標カソード圧力が算出された後、ステップS107、ステップS109でアクチュエーターを駆動させる前に演算を終了しておく必要がある。
【0047】
上記第2の実施形態においては、実空気流量が目標空気流量を超えないようにコンプレッサ回転数応答補正量を算出するようにしたので、目標空気流量に対して実空気流量をオーバーシュートさせることなく、かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく、応答性を維持することができる。
【0048】
図11は本発明の第3の実施形態に係る制御器19における制御系の構成を示すブロック図である。
【0049】
図11において、制御器19の制御系は、目標空気量T−Q_airを入力して目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを出力するFF_Q部31、目標カソード圧力T−P_cを入力して目標バルブ開度T−Val_Openを出力するFF_P部32、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cとの偏差に基づいてフィードバック制御量を出力するFB_P部41、空気流量系がカソード圧力系に干渉する干渉関係を示すブロック42を備えて構成されている。
【0050】
ブロック42は、目標コンプレッサ回転数が実空気流量に影響を及ぼすブロックP11と、目標コンプレッサ回転数がカソード圧力に影響を及ぼすブロックP12と、目標バルブ開度が実空気流量に影響を及ぼすブロックP21と、目標バルブ開度がカソード圧力に影響を及ぼすブロックP22を備えて構成されている。
【0051】
目標空気流量T−Q_airは、図示しないドライバのトルク要求などから決定され、目標空気流量T−Q_airに基づいてFF_Q部31で目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを算出する。FF_Q部31ではあらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定される。
【0052】
目標圧力TPcに基づいてFF_P部32で目標バルブ開度TVOを算出する。FF_P部32ではあらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定される。
【0053】
実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cからその偏差を求め、その偏差に基づいて、FB_P部41でフィードバック制御量を算出する。算出されたフィードバック制御量はFF_P部32で算出された目標バルブ開度TVOに加算される。フィードバック制御としては、例えばPID制御等の制御器が組み込まれた制御系が考えられる。
【0054】
上記ブロックP11,ブロックP12,ブロックP21,ブロックP22、FF_Q部31、FF_P部32、ならびにFB_P部41の関係は、下式(6)、(7)で示すように表される。
【0055】
【数6】
上式(6)、(7)を実圧力Pcについてまとめると、下式(8)に示すように表される。
【0056】
【数7】
上式(8)を上式(6)に代入し、上式(6)、(7)に基づいて実空気量Qairについてまとめると下式(9)ならびに式(10)、(11)に示すように表される。
【0057】
【数8】
上式(9)をブロック図で表すと、図12に示すようになる。式(11)に示すGpを、図13に示すように、目標位相補償空気流量算出部51で算出した目標位相補償空気流量から、目標カソード圧力に基づいて、圧力、流量を干渉させない制御量を算出する制御量算出部52で算出された非干渉カソード圧力o_Int_c_pを減算することにより、カソード圧力系と空気供給系とを非干渉化することができる。
【0058】
また、式(10)に示すGaを、図13に示すように、目標空気流量T−Q_airを入力とする目標位相補償空気流量算出部51を追加して、その空気流量の目標値に対して位相を補償させる構成にしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を設計の時点で任意に決定することができる。
【0059】
目標位相補償空気流量算出部51では、1/Ga(式(10))のダイナミクスを組み込むことにより、空気供給系のダイナミクスと位相の相殺を行い、下式(12)によって位相を操作する。
【0060】
【数9】
一方、目標空気流量T−Q_airの値が大きければ大きいほど、図14に示すように位相を遅らせる。これを時間応答で表すと図15に示すようになる。図15に示すように、位相を操作することにより、設計者が任意に応答性やオーバーシュート量を設定することができる。図13に示す目標位相補償空気流量算出部51で算出された目標位相補正空気量T_COMP_rev_bを用いてコンプレッサ16を動作させることにより、空気流量とカソード圧力の応答時間の関係は図16に示すようになり、常にコンプレッサ16のオーバーシュート量を低減することができる。
【0061】
次に、この第3の実施形態における演算順序の手順を、図17に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
図17において、ステップS1700では、目標カソード圧力を算出し、ステップS1701では、非干渉カソード圧力を算出する。なお、ステップS1700とステップS1701の実行順序は必ずステップS1700で目標カソード圧力を算出した後、ステップS1701で非干渉カソード圧力を演算する。
【0063】
続いて、ステップS1702では、目標空気流量を算出し、ステップS1703では、目標位相補償空気流量を算出する。なお、ステップS1700〜S1701とステップS1702〜S1703の実行順序は、どちらを先に実行してもよい。ただし、ステップS1701とステップS1703の演算が終了した後、ステップS1704で最終目標コンプレッサ回転数を算出する。
【0064】
その後、ステップS1705では、最終目標コンプレッサ回転数に基づいてコンプレッサ16を駆動する。続いて、ステップS1706では、ステップS1700で算出した目標カソード圧力に基づいて、カソード調圧弁18を駆動する。したがって、ステップS1706は、ステップS1700が終了した後、ステップS1704、ステップS1005でアクチュエーターを駆動させる前に演算を終了しておく必要がある。
【0065】
上記第3の実施形態においては、カソード極の圧力と空気流量の干渉を回避させることにより、空気流量のみを独立に制御できるようにし、その空気流量の目標値に対して位相を補償させるようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を設計の時点で任意に決定させることができる。
【0066】
また、カソード極の圧力と空気流量の干渉を回避させることにより、空気流量のみを独立に制御できるようにし、その空気流量の目標値の変化幅が大きくなればなるほど、位相を遅らせるようにし、位相に変化を与えるようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を低減させることができ、かつ圧力応答性を損なうことなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の制御装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す燃料電池の制御装置における制御系の構成を示す図である。
【図3】時定数と偏差との関係を示す図である。
【図4】空気流量とカソード圧力の従来の応答時間を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、空気流量とカソード圧力の応答時間を示す図である。
【図6】時定数と偏差との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態における燃料電池の制御装置における制御系の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における、空気流量とカソード圧力の応答時間を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態の燃料電池の制御装置における、空気流量系とカソード圧力系の干渉ブロックの構成を示す図である。
【図12】第3の実施形態の燃料電池の制御装置における、空気流量系とカソード圧力系の干渉ブロックの構成を示す図である。
【図13】空気流量系とカソード圧力系の非干渉化と位相補償のブロックを示す図である。
【図14】目標空気流量と時定数との関係を示す図である。
【図15】位相の操作量を示す図である。
【図16】目標空気流量と実空気流量との関係を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…燃料タンク
12…アノード調圧弁
13…エゼクタ
14…アノード極
15…水素パージ弁
16…コンプレッサ
17…カソード極
18…カソード調圧弁
19…制御器
21,31…FF_Q部
22,32…FF_P部
23,33…加算部
24,34…Plant_Q部
25,35…Plant_P部
26,36…コンプレッサ回転数応答補正量算出部
41…FB_P部
42,P11,P12,P21,P22…ブロック
51…目標位相補償空気流量算出部
52…制御量算出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に供給される空気の流量と圧力を制御する燃料電池の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池車両では一般に、燃料電池のカソード極における空気の流量を制御する空気制御系を構成する装置としてコンプレッサが用いられ、カソード極の圧力を制御する圧力制御系を構成する装置として圧力制御バルブが用いられていた。このような空気供給制御系と圧力制御系は、それぞれ独立して目的に応じて制御を行っていた。この種の従来技術としては、例えば以下に示す文献に記載されものが知られている(特許文献1、又は特許文献2参照)。
【0003】
このように、それぞれ独立して制御を行っている空気制御系と圧力制御系を有する燃料電池車両では、カソード極の空気圧力の応答性を向上させるために、空気の圧力制御を行う際でも、コンプレッサの回転数の制御量を操作することにより圧力の応答性を向上させることが考えられる。また、同様にカソード極の空気流量の応答性を向上させるために、空気の流量制御を行う際でも、圧力制御バルブの開度の制御量を操作することにより空気流量の応答性を向上させることが考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−345112号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8−045525号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術において、カソード極の目標空気流量に対して実空気流量は高応答性を実現しているが、目標空気流量に対して実空気流量がオーバーシュートする場合があった。実空気流量が目標空気流量に対してオーバーシュートしてしまうと、空気流量の急激な変化により燃料電池に多大な負担がかかっていた。さらに、空気流量を制御するコンプレッサは、過渡的に高回転状態となるため、高回転するコンプレッサの駆動モータの騒音が乗員にとって耳障りなものとなっていた。そのため、コンプレッサの駆動モータによるオーバーシュート音を低減させることが求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気の圧力を制御する圧力制御系の応答性を損なうことなく、空気の流量を制御する空気制御系のオーバーシュート量を低減した燃料電池の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御する燃料電池の制御装置において、空気を前記燃料電池の空気極(以下、カソードと記す)側に供給する空気供給手段と、目標空気流量に従って前記空気供給手段の目標コンプレッサ回転数を算出する空気供給制御手段と、前記カソードの空気圧力を制御するカソード圧力制御手段と、目標カソード圧力に従って前記カソード圧力制御手段の目標バルブ開度を制御する開度制御手段と、目標カソード圧力とカソード圧力との偏差を算出する偏差算出手段と、前記偏差算出手段で算出された偏差に基づいてコンプレッサ回転数の応答を補正するためのコンプレッサ回転数応答補正量を算出するコンプレッサ回転数応答補正量算出手段とを有することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、目標カソード圧力と実カソード圧力との偏差に基づいて、コンプレッサ回転数の応答を補正するようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を操作することが可能となり、オーバーシュート量を低減させることができ、かつ圧力の応答性も極端に遅くさせることなく応答性を維持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施形態に係る燃料電池車両の制御装置の構成を示す図である。
【0012】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。この燃料電池を車両の駆動源として利用する車両が燃料電池車両である。すなわち、圧縮水素ボンベ、液体水素タンク、水素吸蔵合金などの水素貯蔵装置を車両に搭載し、水素貯蔵装置から供給される水素と酸素を含む大気を燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出された電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという車両である。
【0013】
燃料電池車両では、燃料電池の発電量は基本的にドライバが要求する駆動力に応じて決定される。駆動力はアクセルやシフトの操作や車速等によって時々刻々演算されるので、燃料電池の発電量もそれに応じて変化する。燃料電池は上述したように、燃料ガスと酸化ガスとを反応させて電気エネルギを取り出すものであるので、燃料電池へのガス供給量を発電量にしたがって変化させるのが効率的である。
【0014】
図1において、この第1の実施形態の燃料電池車両の制御装置は、燃料の水素を貯蔵する燃料タンク11、アノード極14に供給される水素の圧力を調整するアノード調圧弁12、エゼクタ13、アノード極14とカソード極17を備えた燃料電池と、水素パージ弁15、カソード極17に空気を供給するコンプレッサ16、カソード極17の空気の圧力を調整するカソード調圧弁18、アノード調圧弁12、コンプレッサ16ならびにカソード調圧弁18を制御する制御器19を備えて構成されている。
【0015】
カソード(空気)極14ならびにアノード(水素)極17を備えた燃料電池には、図示しない加湿器により加湿された空気、水素が供給される。空気は、大気からコンプレッサ16で加圧され、図示しない空気加湿器で図示しない純水で加湿された後、燃料電池のカソード極17へ供給される。燃料電池で未使用の空気は、カソード調圧弁18から大気へ排出される。燃料電池のカソード極17へ供給される空気の流量と圧力は、コンプレッサ16の回転数およびカソード調圧弁18の開度により制御される。
【0016】
コンプレッサ16は、図示しないモータにより駆動される。制御器19は、コンプレッサを駆動するモータの回転数を参照して、モータが目標の回転数となるようにモータを制御する。また水素は、高圧で水素が充填された燃料タンク11からアノード調圧弁12、ならびにエゼクタ13を経由して、図示しない水素加湿器で図示しない純水で加湿された後、燃料電池のアノード極14に供給される。燃料電池で未使用の水素は、エゼクタ13によって燃料電池のアノード極14へ循環される。
【0017】
燃料電池のアノード極14に供給される水素の圧力は、アノード調圧弁12の開度で制御される。燃料電池のアノード極14に供給される水素の圧力が目標の圧力となるように、アノード調圧弁12は制御器19で制御される。
【0018】
水素パージ弁15は、燃料電池の状態に応じて開閉することにより、燃料電池内部の水つまりや、カソード極17からアノード極14への空気のリークによる出力低下および効率低下を防止するために使用される。
【0019】
図2は図1に示す制御器19における制御系の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2において、制御器19の制御系は、目標空気量T−Q_airを入力して目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを出力するFF_Q部21、目標カソード圧力T−P_cを入力して目標バルブ開度T−Val_Openを出力するFF_P部22、目標コンプレッサ回転数T−COMP_revとコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revとを加算して最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを出力する加算部23、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを入力して実流量Q_aを出力するPlant_Q部24、目標バルブ開度T−Val_Openを入力して実圧力P_cを出力するPlant_P部25、ならびに目標カソード圧力T−P_cと実圧力P_cを入力してコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを演算して出力するコンプレッサ回転数応答補正量算出部26を備えて構成されている。
【0021】
目標空気流量T−Q_airは、図示しないドライバのトルク要求などから決定され、目標空気流量T−Q_airに基づいてFF_Q部21で目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを算出する。FF_Q部21では、例えばあらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定することができる。
【0022】
コンプレッサ回転数応答補正量算出部26では、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cに基づいてコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを算出する。コンプレッサ回転数応答補正量算出部26では、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cの偏差を算出し、その偏差量に対して、例えば下記のようなダイナミクスG(s)を付加する。
【0023】
【数1】
従ってコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revは、次式により算出される。
【0024】
【数2】
上記(1)式のG(s)のTを変化させることで、コンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを操作する。G(s)におけるTの変化は、例えば図3に示すように、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cの偏差量が大きければ大きいほど、G(s)のTを長く(遅く)する。
【0025】
コンプレッサ回転数応答補正量COMP_revと目標空気流量T−Q_airを、加算部23で加算することで、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを算出する。算出された最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lに従って、コンプレッサ16を動作させることにより、空気流量とカソード圧力の応答時間の関係は、図4(a)に示す従来の空気流量応答時間、ならびに同図(b)に示す従来のカソード圧力応答時間に比べて、図5(a)の空気流量応答時間ならびに同図(b)のカソード圧力応答時間に示すようになる。これにより、コンプレッサ16における空気流量のオーバーシュート量を低減することができる。
【0026】
一方、上記(1)式のG(s)のTに対して、例えば図6に示すように制限を設ける。この制限値はカソード圧力応答の時定数よりも長く(遅く)ならないような値とする。上記カソード圧力応答の時定数は、目標カソード圧力に対するカソード側燃料電池出口の圧力の応答性を算出したものである。圧力の応答性を算出するためには、カソード側燃料電池出口に圧力センサを取り付け、目標カソード圧力を入力とし、カソード側燃料電池出口の圧力を出力として、システム同定を行いカソード圧力応答の特性を算出する。
【0027】
上記燃料電池のシステム同定の結果を、本実施形態では例えば下記の式(3)として表す。
【0028】
【数3】
(Sはラプラス演算子とする。)
上式(3)は算出結果の最も簡単な結果である。なお、システム同定の結果の精度を高めたければ、上式(3)の次数(s)を高めることも考えられる。
【0029】
次に、この第1の実施形態における演算順序の手順を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
図7において、ステップS70では、目標カソード圧力を算出し、ステップS71では、実カソード圧力を検出する。なお、ステップS70とステップS71の実行順序はどちらを先におこなってもよい。
【0031】
ステップS70、S71が実行された後、ステップS72では、時定数を算出する。その後、ステップS73では、コンプレッサ回転数応答補正量を算出する。次に、ステップS74では目標空気流量を算出し、続いてステップS75では目標コンプレッサ回転数を算出する。なお、ステップS70〜S73とステップS74〜S75の実行順序は何れを先に実行してもよい。ただし、ステップS73とステップS75の演算が終了した後、ステップS76において目標コンプレッサ回転数とコンプレッサ回転数応答補正量を加算する。
【0032】
その後、加算された最終目標コンプレッサ回転数に基づいて、ステップS77では、コンプレッサ16を駆動する。ステップS78では、目標バルブ開度を算出し、ステップS79では、算出された目標バルブ開度に基づいてカソード調圧弁18を駆動する。なお、ステップS78は、ステップS70で目標カソード圧力が算出され、ステップS77、S79でアクチュエーターを駆動させる前に演算を終了しておく必要がある。
【0033】
上記第1の実施形態においては、目標カソード圧力と実カソード圧力との偏差より、コンプレッサ回転数の応答を補正するようにしているので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を操作することが可能となり、オーバーシュート量を低減させることができる。かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく応答性を維持することができる。
【0034】
また、コンプレッサ回転数の応答を目標カソード圧力の変化幅が大きくなればなるほど、位相を遅くするようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量の位相を操作することが可能となり、オーバーシュート量を低減させることができる。かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく応答性を維持することできる。
【0035】
さらに、コンプレッサ回転数応答補正量の位相操作量に対して、制限値を設けるようにしたので、位相のズレによるコンプレッサ回転数のハンチングや、制御系の発散を防ぐことができる。従って、コンプレッサ回転数をオーバーシュートさせることなく、かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく、制御系の安定性を保証することができる。
【0036】
図8は本発明の第2の実施形態に係る制御器19における制御系の構成を示すブロック図である。
【0037】
図8において、制御器19の制御系は、目標空気量T−Q_airを入力して目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを出力するFF_Q部31、目標カソード圧力T−P_cを入力して目標バルブ開度T−Val_Openを出力するFF_P部32、目標コンプレッサ回転数T−COMP_revとコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revとを加算して最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを出力する加算部33、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを入力して実流量Q_aを出力するPlant_Q部34、目標バルブ開度T−Val_Openを入力して実圧力P_cを出力するPlant_P部35、ならびに目標空気量T−Q_air、目標カソード圧力T−P_c、実流量Q_a及び実圧力P_cを入力してコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revを演算して出力するコンプレッサ回転数応答補正量算出部36を備えて構成されている。
【0038】
目標空気流量T−Q_airは、図示しないドライバのトルク要求などから決定され、目標空気流量T−Q_airに基づいてFF_Q部31で目標コンプレッサ回転数T−COMP_revが算出される。FF_Q部31では、あらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定される。
【0039】
実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cと目標空気流量T−Q_airと実流量Q_aとに基づいて、コンプレッサ回転数応答補正量算出部36でコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revが算出される。コンプレッサ回転数応答補正量算出部36では、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cの偏差を算出し、算出した偏差量に対して、例えば下記のようなダイナミクスG(s)を付加する。
【0040】
【数4】
上式(4)によって算出される値によりコンプレッサ回転数応答補正量COMP_revは、下式(5)によって算出される。
【0041】
【数5】
実流量Q_aと目標空気流量T−Q_airの比較を行い、Q_a>T−Q_airであれば、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_L=目標コンプレッサ回転数T− COMP_rev+コンプレッサ回転数応答補正量COMP_revとする。一方、上記以外であれば、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_L=目標コンプレッサ回転数T− COMP_revとする。これにより、最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lを算出する。
【0042】
上記最終目標コンプレッサ回転数T−COMP_rev_Lに従って、コンプレッサを動作させることにより、空気流量とカソード圧力の応答時間の関係は、図4(a)に示す従来の空気流量応答時間、ならびに同図(b)に示す従来のカソード圧力応答時間に比べて、図9(a)の空気流量応答時間ならびに同図(b)のカソード圧力応答時間に示すようになる。これにより、コンプレッサ16における空気流量のオーバーシュート量を低減することができる。
【0043】
次に、この第2の実施形態における演算順序の手順を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
図10において、ステップS100では、目標カソード圧力を算出し、ステップS101では、実カソード圧力を検出し、ステップS102では、実空気流量を算出する。なお、ステップS100〜S102の実行順序はいずれを先に実行してもよい。
【0045】
次に、ステップS103では、目標空気流量を算出し、ステップS104では、目標コンプレッサ回転数を算出する。なお、ステップS100〜S103とステップS104〜S105の実行順序は何れを先に実行してもよい。ただし、ステップS103とステップS104の演算が終了した後、目標コンプレッサ回転数とコンプレッサ回転数応答補正量をステップS106で加算する。
【0046】
その後、算出された最終目標コンプレッサ回転数に基づいて、ステップS107でコンプレッサを駆動する。ステップS108では、目標バルブ開度を算出し、ステップS109でカソード調圧弁18を駆動する。ステップS105は、ステップS100で目標カソード圧力が算出された後、ステップS107、ステップS109でアクチュエーターを駆動させる前に演算を終了しておく必要がある。
【0047】
上記第2の実施形態においては、実空気流量が目標空気流量を超えないようにコンプレッサ回転数応答補正量を算出するようにしたので、目標空気流量に対して実空気流量をオーバーシュートさせることなく、かつ、圧力の応答性も極端に遅くさせることなく、応答性を維持することができる。
【0048】
図11は本発明の第3の実施形態に係る制御器19における制御系の構成を示すブロック図である。
【0049】
図11において、制御器19の制御系は、目標空気量T−Q_airを入力して目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを出力するFF_Q部31、目標カソード圧力T−P_cを入力して目標バルブ開度T−Val_Openを出力するFF_P部32、実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cとの偏差に基づいてフィードバック制御量を出力するFB_P部41、空気流量系がカソード圧力系に干渉する干渉関係を示すブロック42を備えて構成されている。
【0050】
ブロック42は、目標コンプレッサ回転数が実空気流量に影響を及ぼすブロックP11と、目標コンプレッサ回転数がカソード圧力に影響を及ぼすブロックP12と、目標バルブ開度が実空気流量に影響を及ぼすブロックP21と、目標バルブ開度がカソード圧力に影響を及ぼすブロックP22を備えて構成されている。
【0051】
目標空気流量T−Q_airは、図示しないドライバのトルク要求などから決定され、目標空気流量T−Q_airに基づいてFF_Q部31で目標コンプレッサ回転数T−COMP_revを算出する。FF_Q部31ではあらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定される。
【0052】
目標圧力TPcに基づいてFF_P部32で目標バルブ開度TVOを算出する。FF_P部32ではあらかじめ設定された図示しないマップによって一意に決定される。
【0053】
実圧力P_cと目標カソード圧力T−P_cからその偏差を求め、その偏差に基づいて、FB_P部41でフィードバック制御量を算出する。算出されたフィードバック制御量はFF_P部32で算出された目標バルブ開度TVOに加算される。フィードバック制御としては、例えばPID制御等の制御器が組み込まれた制御系が考えられる。
【0054】
上記ブロックP11,ブロックP12,ブロックP21,ブロックP22、FF_Q部31、FF_P部32、ならびにFB_P部41の関係は、下式(6)、(7)で示すように表される。
【0055】
【数6】
上式(6)、(7)を実圧力Pcについてまとめると、下式(8)に示すように表される。
【0056】
【数7】
上式(8)を上式(6)に代入し、上式(6)、(7)に基づいて実空気量Qairについてまとめると下式(9)ならびに式(10)、(11)に示すように表される。
【0057】
【数8】
上式(9)をブロック図で表すと、図12に示すようになる。式(11)に示すGpを、図13に示すように、目標位相補償空気流量算出部51で算出した目標位相補償空気流量から、目標カソード圧力に基づいて、圧力、流量を干渉させない制御量を算出する制御量算出部52で算出された非干渉カソード圧力o_Int_c_pを減算することにより、カソード圧力系と空気供給系とを非干渉化することができる。
【0058】
また、式(10)に示すGaを、図13に示すように、目標空気流量T−Q_airを入力とする目標位相補償空気流量算出部51を追加して、その空気流量の目標値に対して位相を補償させる構成にしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を設計の時点で任意に決定することができる。
【0059】
目標位相補償空気流量算出部51では、1/Ga(式(10))のダイナミクスを組み込むことにより、空気供給系のダイナミクスと位相の相殺を行い、下式(12)によって位相を操作する。
【0060】
【数9】
一方、目標空気流量T−Q_airの値が大きければ大きいほど、図14に示すように位相を遅らせる。これを時間応答で表すと図15に示すようになる。図15に示すように、位相を操作することにより、設計者が任意に応答性やオーバーシュート量を設定することができる。図13に示す目標位相補償空気流量算出部51で算出された目標位相補正空気量T_COMP_rev_bを用いてコンプレッサ16を動作させることにより、空気流量とカソード圧力の応答時間の関係は図16に示すようになり、常にコンプレッサ16のオーバーシュート量を低減することができる。
【0061】
次に、この第3の実施形態における演算順序の手順を、図17に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
図17において、ステップS1700では、目標カソード圧力を算出し、ステップS1701では、非干渉カソード圧力を算出する。なお、ステップS1700とステップS1701の実行順序は必ずステップS1700で目標カソード圧力を算出した後、ステップS1701で非干渉カソード圧力を演算する。
【0063】
続いて、ステップS1702では、目標空気流量を算出し、ステップS1703では、目標位相補償空気流量を算出する。なお、ステップS1700〜S1701とステップS1702〜S1703の実行順序は、どちらを先に実行してもよい。ただし、ステップS1701とステップS1703の演算が終了した後、ステップS1704で最終目標コンプレッサ回転数を算出する。
【0064】
その後、ステップS1705では、最終目標コンプレッサ回転数に基づいてコンプレッサ16を駆動する。続いて、ステップS1706では、ステップS1700で算出した目標カソード圧力に基づいて、カソード調圧弁18を駆動する。したがって、ステップS1706は、ステップS1700が終了した後、ステップS1704、ステップS1005でアクチュエーターを駆動させる前に演算を終了しておく必要がある。
【0065】
上記第3の実施形態においては、カソード極の圧力と空気流量の干渉を回避させることにより、空気流量のみを独立に制御できるようにし、その空気流量の目標値に対して位相を補償させるようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を設計の時点で任意に決定させることができる。
【0066】
また、カソード極の圧力と空気流量の干渉を回避させることにより、空気流量のみを独立に制御できるようにし、その空気流量の目標値の変化幅が大きくなればなるほど、位相を遅らせるようにし、位相に変化を与えるようにしたので、コンプレッサ回転数のオーバーシュート量を低減させることができ、かつ圧力応答性を損なうことなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の制御装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す燃料電池の制御装置における制御系の構成を示す図である。
【図3】時定数と偏差との関係を示す図である。
【図4】空気流量とカソード圧力の従来の応答時間を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、空気流量とカソード圧力の応答時間を示す図である。
【図6】時定数と偏差との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態における燃料電池の制御装置における制御系の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における、空気流量とカソード圧力の応答時間を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態の燃料電池の制御装置における、空気流量系とカソード圧力系の干渉ブロックの構成を示す図である。
【図12】第3の実施形態の燃料電池の制御装置における、空気流量系とカソード圧力系の干渉ブロックの構成を示す図である。
【図13】空気流量系とカソード圧力系の非干渉化と位相補償のブロックを示す図である。
【図14】目標空気流量と時定数との関係を示す図である。
【図15】位相の操作量を示す図である。
【図16】目標空気流量と実空気流量との関係を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…燃料タンク
12…アノード調圧弁
13…エゼクタ
14…アノード極
15…水素パージ弁
16…コンプレッサ
17…カソード極
18…カソード調圧弁
19…制御器
21,31…FF_Q部
22,32…FF_P部
23,33…加算部
24,34…Plant_Q部
25,35…Plant_P部
26,36…コンプレッサ回転数応答補正量算出部
41…FB_P部
42,P11,P12,P21,P22…ブロック
51…目標位相補償空気流量算出部
52…制御量算出部
Claims (6)
- 水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御する燃料電池の制御装置において、
空気を前記燃料電池の空気極(以下、カソードと記す)側に供給する空気供給手段と、
目標空気流量に従って前記空気供給手段の目標コンプレッサ回転数を算出する空気供給制御手段と、
前記カソードの空気圧力を制御するカソード圧力制御手段と、
目標カソード圧力に従って前記カソード圧力制御手段の目標バルブ開度を制御する開度制御手段と、
目標カソード圧力とカソード圧力との偏差を算出する偏差算出手段と、
前記偏差算出手段で算出された偏差に基づいてコンプレッサ回転数の応答を補正するためのコンプレッサ回転数応答補正量を算出するコンプレッサ回転数応答補正量算出手段と
を有することを特徴とする燃料電池の制御装置。 - 目標カソード圧力の変化幅が大きくなるにしたがって、コンプレッサ回転数応答補正量の位相を遅らせる
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池の制御装置。 - コンプレッサ回転数応答補正量の位相操作量は、前記カソード圧力制御手段の応答よりも遅くならない
ことを特徴とする請求項2の燃料電池の制御装置。 - 水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御する燃料電池の制御装置において、
空気を前記燃料電池の空気極(以下、カソードと記す)側に供給する空気供給手段と、
目標空気流量に従って前記空気供給手段の目標コンプレッサ回転数を算出する空気供給制御手段と、
前記カソードの空気圧力を制御するカソード圧力制御手段と、
目標カソード圧力に従って前記カソード圧力制御手段の目標バルブ開度を制御する開度制御手段と、
前記カソードの実圧力を検出するカソード圧力検出手段と、
目標カソード圧力と前記カソード圧力検出手段で検出した実カソード圧力との偏差を算出する偏差算出手段と、
前記偏差算出手段で算出された偏差に基づいてコンプレッサ回転数の応答を補正するためのコンプレッサ回転数応答補正量を算出するコンプレッサ回転数応答補正量算出手段と、
カソード空気流量を計測するカソード空気流量検出手段と、
前記コンプレッサ回転数応答補正量に相当する空気量と前記カソード空気流量検出手段で検出されたカソード空気流量を加算する加算手段とを有し、
前記加算手段で得られた加算値が目標空気流量を超えないようにコンプレッサ回転数応答補正量を決定する
ことを特徴とする燃料電池の制御装置。 - 水素ガスと酸化ガスの供給により電力を発電する燃料電池を制御し、
空気を前記燃料電池の空気極(以下、カソードと記す)側に供給する空気供給手段と、
目標空気流量に従って前記空気供給手段の目標コンプレッサ回転数を算出する空気供給制御手段と、
前記カソードの空気圧力を制御するカソード圧力制御手段と、
目標カソード圧力に従って前記カソード圧力制御手段の目標バルブ開度を制御する開度制御手段とを有する燃料電池の制御装置において、
コンプレッサによって供給される空気の圧力変動と、前記カソード圧力制御手段の開閉に応じて変動する空気流量を、干渉させないように制御量を操作する制御量操作手段と、
目標空気流量の位相を操作して、目標位相補償空気流量を算出する目標位相補償空気流量算出手段を有する
ことを特徴とする燃料電池の制御装置。 - 目標空気流量の変化幅が大きくなるにしたがって、目標位相補償空気流量の位相を遅らせる
ことを特徴とする請求項5記載の燃料電池の制御装置。
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