JP2004354675A - 感光性ポリアミド酸組成物とそれより得られるパターン化したポリイミド樹脂フィルムとそれらの回路基板への利用 - Google Patents

感光性ポリアミド酸組成物とそれより得られるパターン化したポリイミド樹脂フィルムとそれらの回路基板への利用 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリイミド樹脂が本来、有するすぐれた特性に加えて、誘電率が低いポリイミド樹脂フィルムを与える新規な感光性ポリアミド酸組成物と、そのような低誘電率ポリイミド樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】本発明によれば、一般式(I)
【化1】
Figure 2004354675

(式中、Rは2価の有機基を示す。)
で表される繰返し単位からなるポリアミド酸と感光剤としてのある種のジヒドロピリジン誘導体(例えば、ニフエジピン等)とを含むことを特徴とする感光性ポリアミド酸組成物が提供される。このような感光性ポリアミド酸組成物は、これを製膜し、紫外線を照射して、パターン化した後、加熱することによって、誘電率が2.5〜3.0の低い範囲にあるポリイミド樹脂フィルムを与える。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性ポリアミド酸とそれより得られるパターン化した低誘電率のポリイミド樹脂フィルムとそれらの回路基板への利用、即ち、そのようなパターン化した低誘電率のポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層を金属箔基材上に有する回路基板と、そのような回路基板上に導体層からなるパターン回路を設けた回路付きサスペンション基板に関する。
【0002】
例えば、コンピュータ等の外部記憶装置として用いられるハードディスク装置等の磁気ディスク装置において、磁気記録や再生を行うには、上記磁気ディスクと磁気ヘッドとを相対的に走行させ、これによって生じる空気流に抗して、磁気ヘッドを磁気ディスクに弾性的に押し付けて、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間に一定の微小な間隔を保つことが必要である。このように、磁気ヘッドを空気流に抗して磁気ディスクに弾性的に押し付ける磁気ヘッド支持装置がサスペンションであり、このようなサスペンションにパターン化した回路を設けたものが回路付きサスペンションである。
【0003】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂は、その高い耐熱性に加え、機械的強度や電気絶縁性にすぐれた特性を活かして、電気、電子分野において広く用いられている。しかし、従来より知られているポリイミド樹脂は、一般に、有機溶媒への溶解性が悪いので、例えば、ポリイミド樹脂フィルムを得るには、その前駆体であるポリアミド酸を極性有機溶媒に溶解して溶液とし、この溶液を適宜の基板上にキャストした後、300℃以上の高温に加熱して、閉環、イミド化させている。
【0004】
他方、近年においては、高速信号処理を実現するために、誘電率の小さいポリイミド樹脂が求められており、そこで、例えば、分子中にフッ素原子を導入したフッ素化ポリイミド樹脂が種々、開発されている。しかし、従来より知られているそのようなフッ素化ポリイミド樹脂は、一般に、価格が高い。
【0005】
特に、回路基板についていえば、近年、半導体の高密度実装や高速信号処理を目的とした薄膜多層回路基板として、金属箔にポリイミド樹脂からなる絶縁層を設けてなる回路基板が用いられるようになっている。しかし、従来、一般に、絶縁材料として用いられているポリイミド樹脂は、誘電率が3〜5と高いので、高速信号処理には、自ずから限界がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、コンピュータやその周辺機器である記憶装置は、容量の向上の一方で、小型化や低価格化が求められており、このような要望を背景として、なかでも、ハードディスクドライブの技術が著しい進歩をみせている。磁気ヘッドにおいても、従来からのメタルインギャップ(MIG)に対して、最近では、コイル部分を薄膜化した薄膜磁気ヘッド(TFH)や、更には、読み書き兼用で且つ記憶容量も飛躍的に大きい薄膜−磁気抵抗複合ヘッド(MR)の開発が急がれている。
【0007】
しかしながら、従来のように、所要の配線をサスペンション基板上に導線を引き回して構成する技術によっては、その導線がサスペンションの弾性率に影響を与えて、前記浮上量の変動を招来し、場合によっては、磁気ディスクとの接触によって、磁気ディスク装置の耐久性を低下させることもある。
【0008】
そこで、近年、ヘッドを実装するサスペンション基板上に直接、電気回路を形成してなるサスペンションが実用化されるに至っている。しかし、上述したように、従来より知られているポリイミド樹脂は、誘電率が高いので、ここにおいても、高速信号処理には、自ずから限界がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第1の側面として、従来のポリイミド樹脂における上述したような問題を解決するためになされたものであって、ポリイミド樹脂が本来、有するすぐれた特性に加えて、誘電率が低いポリイミド樹脂を与える新規な感光性ポリアミド酸組成物を提供することを目的とし、更には、そのような感光性ポリアミド酸組成物から得られるパターン化した低誘電率のポリイミド樹脂フィルムを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、第2の側面として、従来の金属箔上にパターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層を有する回路基板とそれを用いる回路付きサスペンション基板における上述したような問題を解決するためになされたものであって、より高速の信号処理を可能とする低誘電率ポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層を金属箔上に有する回路基板を提供することを目的とし、更に、そのような回路基板を用いてなる回路付きサスペンション基板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(a)一般式(I)
【0012】
【化8】
Figure 2004354675
【0013】
(式中、Rは2価の有機基を示す。)
で表される繰返し単位からなるポリアミド酸と
(b)一般式(II)
【0014】
【化9】
Figure 2004354675
【0015】
(式中、XからXはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、ニトロ基、メトキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基又はフッ化アルキル基を示し、Yはシアノ基又は一般式−CORを示し、Yはシアノ基又は一般式−CORを示し、ここに、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルコキシ基、アニリノ基、トルイジノ基、ベンジルオキシ基、アミノ基又はジアルキルアミノ基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。RとR、RとRは、ケト基を含む5員環、6員環又は複素環の形成可能な員環となることができる。)
で表されるジヒドロピリジン誘導体とを含むことを特徴とする感光性ポリアミド酸組成物が提供される。
【0016】
ここに、本発明においては、上記一般式(I)で表されるポリアミド酸は、2価基Rが一般式(IIIa)
【0017】
【化10】
Figure 2004354675
【0018】
(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)、
で表される2価基、一般式(IIIb)
【0019】
【化11】
Figure 2004354675
【0020】
(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)
で表される2価基、一般式(IIIc)
【0021】
【化12】
Figure 2004354675
【0022】
で表される2価基、一般式(IIId)
【0023】
【化13】
Figure 2004354675
【0024】
(式中、Zは水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
で表される2価基、及び一般式(IIIe)
【0025】
【化14】
Figure 2004354675
【0026】
で表される2価基から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましい。
【0027】
また、本発明による上記感光性ポリアミド酸を製膜し、これに紫外線を照射した後、加熱して、潜像を形成し、次いで、これを現像して、パターン化を行った後、加熱し、ポリアミド酸をイミド化することを特徴とする、パターン化したポリイミド樹脂フィルムの製造方法が提供される。
【0028】
更に、本発明によれば、上記感光性ポリアミド酸を製膜し、パターン化した後、加熱し、イミド化して得られるパターン化したポリイミド樹脂フィルムが提供される。
【0029】
また、本発明によれば、金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶縁層を有する回路基板において、この絶縁層が上記パターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる回路基板と、金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶縁層を有し、その上に導体層からなるパターン回路を有する回路付きサスペンション基板において、上記絶縁層が上記パターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる回路付きサスペンション基板が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の第1の側面として、本発明による感光性ポリアミド酸とそれより得られるパターン化した低誘電率ポリイミド樹脂フィルムについて説明する。
【0031】
本発明による感光性ポリアミド酸組成物において、ポリアミド酸は、前記一般式(I)で表される繰返し単位からなり、このようなポリアミド酸は、次式(IV)
【0032】
【化15】
Figure 2004354675
【0033】
で表される2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)と一般式(V)
【0034】
【化16】
Figure 2004354675
【0035】
(式中、Rは前記と同じである。)
で表されるジアミンとを、好ましくは、溶媒中にて、反応させることによって得ることができる。
【0036】
上記2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)と反応させるジアミンは、特に限定されるものではなく、例えば、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2−フェニルベンゼン、1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルェーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,8−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、2,4−ジアミノ−s−トリアジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジブロモ−4,4−ジアミノビフェニル、2,2’−ジシアノ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−6,6’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジカルボアルコキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジカルボアルコキシ−6,6’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−[4一(4一アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−「4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス{4−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−シアノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾニトリル等を挙げることができる。
【0037】
これらのジアミンは、その芳香族環上の水素原子の一部若しくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基、シアノ基等で置換されていてもよく、また、上記アルキル基又はアルコキシ基の水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子で置換されていてもよい。また、これらのジアミンは、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0038】
特に、本発明によれば、前記一般式(V)で表されるジアミンのうち、2価基Rが一般式(IIIa)
【0039】
【化17】
Figure 2004354675
【0040】
(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)
で表される2価基、一般式(IIIb)
【0041】
【化18】
Figure 2004354675
【0042】
(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)
で表される2価基、一般式(IIIc)
【0043】
【化19】
Figure 2004354675
【0044】
で表される2価基、一般式(IIId)
【0045】
【化20】
Figure 2004354675
【0046】
(式中、Zは水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
で表される2価基、及び一般式(IIIe)
【0047】
【化21】
Figure 2004354675
【0048】
で表される2価基から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましく用いられる。
【0049】
2価基Rが上記一般式(IIIa) で表されるジアミンとして、例えば、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。
【0050】
2価基Rが一般式(IIIb) で表されるジアミンとして、例えば、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。2価基Rが一般式(IIIc) で表されるジアミンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン等を挙げることができる。
【0051】
2価基Rが一般式(IIId) で表されるジアミンとして、例えば、4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジブロモ−4,4−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等をを挙げることができる。また、2価基Rが一般式(IIIe) で表されるジアミンとして、例えば、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等を挙げることができる。
【0052】
2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)とジアミンとの反応において用いられる溶媒は、ジアミンと上記酸二無水物と共に、これらから得られるポリアミド酸を溶解し得るものであれば、特に、限定されるものではなく、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホロアミド、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、極性溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0053】
更に、本発明によれば、感光性ポリアミド酸や、これより得られるポリイミド樹脂や、更には、これを用いる絶縁材料等に好ましくない影響を与えない範囲内において、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)以外のテトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。
【0054】
そのようなテトラカルボン酸二無水物として、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−トリフルオロメチルプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
【0055】
また、これらのテトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部若しくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基、シアノ基等で置換されていてもよく、また、上記アルキル基又はアルコキシ基の水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0056】
本発明によれば、前記2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)とジアミンとを、好ましくは、上述したような溶媒中、250℃以下の温度、好ましくは、室温(25℃)から80℃の範囲の温度で反応させることによって得ることができる。反応時間は、用いるジアミンのほか、溶媒や反応温度等にもよるが、通常、2〜48時間の範囲である。
【0057】
本発明によれば、このようにして、通常、得られたポリアミド酸を溶液として得ることができる。従って、この溶液をポリアミド酸を溶解しない貧溶媒中に加えて、ポリアミド酸を沈殿させれば、ポリアミド酸を粉末として得ることができる。また、このように粉末として得たポリアミド酸は、これを上述したような溶媒に加え、溶解させて、再び、溶液とすることができる。
【0058】
このようにして得られるポリアミド酸は、通常、数平均分子量が10000〜50000の範囲にあり、重量平均分子量が20000〜100000の範囲にある。
【0059】
本発明による感光性ポリアミド酸組成物は、上述したポリアミド酸と感光剤としてのある種のジヒドロピリジン誘導体とからなる。このような感光性ポリアミド酸組成物は、簡単には、前述したようにして、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)とジアミン成分とを溶媒中で反応させてポリアミド酸溶液を得、このポリアミド酸溶液に感光剤を配合することによって得ることができる。
【0060】
本発明によれば、上記感光剤として、一般式(II)
【0061】
【化22】
Figure 2004354675
【0062】
(式中、XからXはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、ニトロ基、メトキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基又はフッ化アルキル基を示し、Yはシアノ基又は一般式−CORを示し、Yはシアノ基又は一般式−CORを示し、ここに、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルコキシ基、アニリノ基、トルイジノ基、ベンジルオキシ基、アミノ基又はジアルキルアミノ基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。RとR、RとRは、ケト基を含む5員環、6員環又は複素環の形成可能な員環となることができる。)で表されるジヒドロピリジン誘導体が用いられる。
【0063】
具体例としては、例えば、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン(以下、ニフェジピンという。)、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−2,6−ジメチル−1−メチル−4−ヒドロピリジン(以下、N−メチル体という。)、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジアセチル−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン(以下、単にアセチル体という。)等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。必要に応じて、現像剤に対する溶解助剤として、イミダゾールが適当量用いられる。
【0064】
本発明においては、上記ジヒドロピリジン誘導体は、ポリアミド酸の調製に用いたテトラカルボン酸二無水物とジアミンの合計量1モル部に対して、通常、0.05〜0.5モル部の範囲で用いられる。上記現像剤に対する溶解助剤であるイミダゾールも、同様に、必要に応じて、ポリアミド酸の調製に用いたテトラカルボン酸二無水物とジアミンの合計量1モル部に対して、通常、0.05〜0.5モル部の範囲で用いられる。
【0065】
本発明による感光性ポリアミド酸組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で種々の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。そのような熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、セルロイド、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、変性ポリフェニレンオキシド、従来より知られている種々のポリイミド等を挙げることができる。
【0066】
また、必要に応じて、本発明による感光性ポリアミド酸組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で種々の熱硬化性樹脂を含有していてもよい。そのような熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化性ポリブタジエン、ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン、シリコン樹脂、SBR、NBR、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシアネート、フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0067】
このような本発明による感光性ポリアミド酸組成物は、これに紫外線を照射した後、加熱することによって、誘電率が低いポリイミド樹脂を与える。より詳細には、本発明によれば、このような感光性ポリアミド酸組成物の溶液を適宜の基材上に塗布し、乾燥させて、製膜し、これに紫外線を照射して露光(紫外線照射)させた後、加熱(露光後加熱)することによって、ポジ型又はネガ型の潜像を形成し、これを現像し、パターン化を行って、ポジ型又はネガ型の画像、即ち、所要のパターンを得る。そこで、これを最終的に高温に加熱して、ポリアミド酸をイミド化すれば、パターン化したポリイミド樹脂フィルムを得ることができる。
【0068】
このようにして、本発明による感光性ポリアミド酸組成物から得られるポリイミド樹脂は、誘電率が2.5〜3.0の範囲にあり、従って、その低誘電率を活かして、コンピュータ等において信号の高速電送化を実現するための種々の電子部品の製造、特に、回路付きサスペンション基板の絶縁層として、好適に用いることができる。
【0069】
本発明による感光性ポリアミド酸組成物は、用いる感光剤の種類によって幾らか異なるものの、露光後加熱の温度が約120〜150℃の比較的低温であるときは、露光部が現像剤に溶解して、ポジ型画像を形成し、他方、上記露光後加熱の温度が約160〜200℃の比較的高温であるときは、未露光部が現像剤に溶解して、ネガ型画像を形成する。
【0070】
ここに、上記現像剤としては、通常、水酸化テトラメチルアンモニウム等のような有機アルカリの水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリの水溶液が用いられる。アルカリ濃度は、通常、2〜5重量%の範囲が適当である。必要に応じて、上記アルカリ水溶液には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級脂肪族アルコールを加えてもよい。アルコールの添加量は、通常、50重量%以下である。また、現像温度は、通常、25〜50℃の範囲が適当である。
【0071】
本発明による感光性ポリアミド酸組成物によれば、露光後加熱の温度が140℃前後の比較的低温であるときは、未露光部においては、前記ジヒドロピリジン誘導体の1位置のイミノ基水素とポリアミド酸のカルボキシル基との間に水素結合を形成して、ポリイミド樹脂の親水性と被膜の現像液への拡散速度とが低下し、結果として、被膜の現像剤への溶解速度が低下し、他方、露光部においては、露光によって、中性化合物である前記ジヒドロピリジン誘導体が塩基性のピリジン化合物に変化し、これがポリアミド酸と弱い塩構造を形成し、その結果として、被膜の親水性が増大し、現像剤への溶解速度が増す。このように、露光部の現像剤への溶解速度が未露光部よりも大きいために、露光、露光後加熱及び現像後の被膜は、ポジ型画像を与える。
【0072】
他方、本発明による感光性ポリアミド酸組成物によれば、露光後加熱の温度が約170℃以上の比較的高温であるときは、未露光部は、露光後加熱の温度が140℃前後の比較的低温であるときと同様に、被膜の現像剤への溶解速度が低下するが、他方、露光部においては、前記ジヒドロピリジン誘導体が露光によって塩基性のピリジン化合物に変化し、これがポリアミド酸のポリイミド化を促進し、被膜の現像剤への溶解速度を低下させると同時に、上記ピリジン化合物自身も露光後加熱によって更に不溶性の環化化合物に変化すると共に、ポリアミド酸のポリイミド化を促進し、その結果として、露光部の被膜の現像剤に対する溶解性が上記未露光部に比べて一層低下する。このように、露光後の上記加熱温度が約170℃以上の比較的高温であるときは、露光部の現像剤への溶解速度が未露光部に比べて著しく小さいので、露光、露光後加熱及び現像後の被膜は、ネガ型画像を与える。
【0073】
このようにして、本発明による感光性ポリアミド酸組成物から得られるポリイミド樹脂もまた、その前駆体であるポリアミド酸と同様、通常、数平均分子量が10000〜50000の範囲にあり、重量平均分子量が20000〜100000の範囲にある。
【0074】
そこで、本発明の第2の側面として、上述したパターン化した低誘電率ポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層を金属箔基材上に有する回路基板と、そのような回路基板上に導体層からなるパターン回路を設けた回路付きサスペンション基板について説明する。
【0075】
本発明において、回路基板に用いる金属箔基材は、特に、限定されるものではないが、通常、ステンレス箔、銅箔、アルミニウム箔、銅−ベリリウム箔、リン青銅箔、42アロイ箔等が用いられる。更に、本発明によれば、このような金属箔基材は、長尺物が好ましく用いられる。即ち、長尺の金属箔基材にポリイミド樹脂からなる絶縁層を一定のパターンを繰り返すようにして設け、それぞれパターン化した絶縁層の上にそれぞれ導体層からなる所要のパターン回路を形成し、かくして、最終的に、個々のパターン回路ごとに金属箔基材を裁断すれば、個々の回路付きサスペンション基板を得ることができる。
【0076】
そこで、本発明によれば、回路基板は、好ましくは、長尺の金属箔基材、通常、長尺のステンレス箔上に上記感光性ポリアミド酸組成物の溶液を塗布し、乾燥させて、被膜を製膜した後、この被膜を所定のパターンを有するマスクを介して、紫外線に露光させ、加熱(露光後加熱)し、現像し、この後、加熱硬化(ポリアミド酸のポリイミド化)を行って、所定のパターンを有するポリイミド樹脂フィルムを絶縁層として形成させることによって得ることができる。
【0077】
本発明によれば、長尺の金属箔基材上に上述したような感光性ポリアミド酸組成物溶液を塗布し、加熱乾燥させて、ポリアミド酸の被膜を形成し、これにマスクを介して紫外線を照射して所定のパターンを露光させ、露光後加熱し、現像し、好ましくは、所定のパターンを有するネガ画像を形成した後、これを加熱硬化して、イミド化反応を起こさせることによって、ポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層を形成して、本発明による回路基板を得ることができる。このように、ポリアミド酸を加熱してポリイミド化するには、好ましくは、その被膜を真空下又は不活性ガス雰囲気下に300〜400℃程度に数時間、加熱するのが好ましい。
【0078】
この後、この絶縁層の上に常法に従って所定のパターンを有する導体層からなる所定の回路を形成すると共に、所要の端子を形成し、次いで、長尺の金属箔基材を所要の形状に化学的に切り抜くことによって、本発明による回路付きサスペンション基板を得ることができる。
【0079】
次に、本発明によれば、前述したようにして、回路基板を製造した後、パターニング技術の常法に従って、上述したポリイミド樹脂からなる絶縁層の上に導体層からなるパターン回路を形成すると共に、所要の端子を形成した後、最終的に前記絶縁層を含む所要の形状にステンレス箔を化学的に切り抜くことによって、個々の回路付きサスペンション基板を得ることができる。
【0080】
本発明によれば、得られるポリイミド樹脂の基材に対する接着性を向上させるために、必要に応じて、前記ジアミンの一部をアミノ基含有2官能性ポリシロキサンに置換してもよい。このようなアミノ基含有2官能性ポリシロキサンの具体例として、例えば、一般式(VI)
【0081】
【化23】
Figure 2004354675
【0082】
(式中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示し、nは1〜100の整数である。)
で表されるポリシロキサンを挙げることができる。
【0083】
前記ジアミンと上記アミノ基含有2官能性ポリシロキサンとからなる全ジアミンのうち、上記アミノ基含有2官能性ポリシロキサンは、全ジアミンの10モル%以下の割合で用いられる。
【0084】
特に、本発明においては、上記一般式(VI)で表されるアミノ基含有2官能性ポリシロキサンにおいて、Rは炭素数1〜7のアルキレン基であることが好ましく、具体例として、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン等のアルキレン基を挙げることができる。Rは炭素数1〜7のアルキル基であることが好ましく、具体例として、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等のアルキル基を挙げることができる。また、nは好ましくは1〜40である。なかでも、アミノ基含有2官能性ポリシロキサンとして、ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンが好ましく用いられる。
【0085】
次に、本発明によれば、前述したようにして、回路基板を製造した後、パターニング技術の常法に従って、上述したポリイミド樹脂からなる絶縁層の上に導体層からなるパターン回路を形成すると共に、所要の端子を形成した後、最終的に前記絶縁層を含む所要の形状にステンレス箔を化学的に切り抜くことによって、個々の回路付きサスペンション基板を得ることができる。
【0086】
本発明によれば、高感度高コントラストにて精密なパターニング加工を行うことができるので、回路付きサスペンション基板の高容量小型化が可能である。
【0087】
以下に、図面に基づいて本発明による回路付きサスペンション基板及びその製造について詳細に説明する。
【0088】
図1は、本発明による回路付きサスペンション基板1の一例を示す斜視図であり、ステンレス箔基材2の上にポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層(図示せず)を有し、その上に銅導体層3からなる所定のパターン回路が薄膜として形成されている。先端には、基材への切込みによって、ジンバル4が基材に一体に形成されており、この上に磁気ヘッドを有するスライダ(図示せず)が固定される。前後の端部にはそれぞれ所要の端子5及び6が形成されている。但し、図1においては、基板の表面を被覆保護する被覆層(カバー・レイ)が剥離されている状態を示す。
【0089】
図2は、図1において、A−A線に沿う断面図であり、ステンレス箔基材2の上にポリイミド樹脂からなる絶縁層7を有し、その上にクロム薄膜23を介して銅導体層3からなる所定のパターン回路が薄膜として形成されている。この導体層は、ニッケル薄膜28からなる被覆にて保護されており、更に、その上に端子5が形成されている。端子を除く全表面は、被覆層8によって被覆保護されている。
【0090】
図1において、B−B線に沿う断面図であり、ステンレス箔基材2の上にポリイミド樹脂からなる絶縁層7を有し、その上にクロム薄膜23を介して銅導体層3からなる所定のパターン回路が薄膜として形成されている。この導体層は、ニッケル薄膜28からなる被覆にて保護されており、更に、被覆層8によって被覆保護されている。
【0091】
長尺のステンレス箔基材2としては、通常、その厚みが10〜60μm、好ましくは、振動特性の観点から、15〜30μmで、幅が50〜500mm、好ましくは、125〜300mmの範囲のものが用いられる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0092】
図4から図5は、本発明による回路基板の製造工程を示し、図6から図16は、本発明による回路付きサスペンションの製造工程を示す。
【0093】
先ず、図4に示すように、上述したようなステンレス箔基材2の全面に、得られる樹脂層の厚みが2〜20μm、好ましくは、5〜10μmとなるように、感光性ポリアミド酸組成物溶液を塗布し、60〜150℃、好ましくは、80〜120℃で加熱して、上記感光性ポリアミド酸組成物の被膜21を形成する。
【0094】
次に、この感光性ポリアミド酸組成物の被膜に適宜のマスクを介して紫外線を照射し、所定のパターンに露光させる。ここに、露光積算光量は、100〜1000mJ/cm、好ましくは、200〜700mJ/cmの範囲であり、露光波長は、通常、300〜450nm、好ましくは、350〜420nmの範囲である。この露光の後、被膜を80〜200℃、好ましくは、120〜180℃の温度で約2〜10分程度加熱(露光後加熱)し、次いで、現像処理を行う。本発明においては、ネガ型画像を得るのが好ましい。この後、このようにして得られたポリアミド酸のパターン被膜を高温に加熱して、ポリイミド化し、かくして、図5に示すように、ステンレス箔基材2上にポリイミド樹脂からなるパターン化した絶縁層22を形成して、本発明による回路基板を得る。
【0095】
次いで、図6に示すように、パターン化したポリイミドの絶縁層22を有するステンレス箔基材2の全面にクロム薄膜23と銅薄膜24とをスパッタリングにて連続して順次に形成する。クロム薄膜23は、ポリイミドからなる絶縁層22上に銅薄膜24を密着させるのに有用である。ここに、膜厚は、クロム薄膜が100〜600オングストローム、銅薄膜が500〜2000オングストロームの範囲が好ましい。このようにして得られる銅薄膜の表面抵抗は、通常、0.6Ω/□以下である。
【0096】
この後、図7に示すように、上記銅薄膜24の上に厚さ2〜15μm程度の電解銅めっきを行って、銅からなる導体層25を形成する。図7においては、前記クロム薄膜は図示されていない。
【0097】
次いで、図8及び図9に示すように、常法に従って、液状フォトレジスト26又はドライフィルムラミネートを用いるパターニング技術によって、露光及び現像処理を行った後、非パターン部の銅導体層25をエッチングにて除去し、かくして、前記ポリイミド樹脂からなる絶縁層22の上に上記銅からなる所定の導体パターン27を形成する。ここに、銅のエッチングにはアルカリエッチングによることが好ましい。
【0098】
このような非パターン部の銅導体層のエッチング除去の後、更に、前記クロム薄膜23をエッチング除去して、図10に示すように、前記ポリイミド樹脂からなる絶縁層22の上に所定の導体パターン27を得る。クロム薄膜23のエッチングには、例えば、フェリシアン化カリウム系のエッチング液や、このほか、過マンガン酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム系等のエッチング液が用いられる。
【0099】
このようにして、基材上の不必要なクロム薄膜を除去した後、無電解ニッケルめっきを行って、図11に示すように、上記銅導体層27とステンレス箔基材2の表面に硬質のニッケル薄膜28を形成して、銅導体層の表面を被覆、保護する。従って、このニッケルめっきの膜厚は、下層の銅導体層が露出しない程度であればよく、通常、0.05〜0.1μmの範囲である。
【0100】
この後、配線部分の導体パターン27を前記した感光性ポリアミド酸を用いて被覆保護すると共に、所要の端子部には端子を形成し、これを残して、表面を同様に被覆保護して、被覆層(カバー・レイ)を形成する。図12以下において、基材の左側は配線部の形成を示し、右側は端子部の形成を示す。
【0101】
即ち、図12に示すように、配線部では、ポリイミド樹脂29にて導体パターン27を被覆し、端子部では、パターニングによって、端子部を残すと共に、端子を電解めっきにて形成するためのリード部30を残して、前記感光性ポリアミド酸を用いて、前記同様の塗布、露光、露光後加熱、現像及び加熱硬化(イミド化)を行って、ポリイミド樹脂にて被覆し、被覆層31を形成する。
【0102】
次いで、図13に示すように、端子部においては、先ず、導体パターン27の表面を保護していた無電解ニッケルめっき薄膜28図11参照)を剥離し、同時に、ステンレス箔基材2上の無電解ニッケルめっき薄膜28も除去する。この後に、常法に従って、通常のフォトレジストを用いる方法によって、端子部のみを残して、ステンレス箔基材、導体パターン27及びポリイミド樹脂被覆層31をレジストにて被覆した後、上記端子部に電解ニッケルめっき32と電解金めっき33を順次に行って、端子34を形成する。ここに、電解ニッケルめっきと電解金めっきの厚さは、いずれも、1〜5μm程度が適当である。この後、上記レジストを除去する。
【0103】
次いで、図14に示すように、端子34を形成した導体パターン27において、上記電解めっきに用いたリード部30図12参照)を化学エッチングにて除去する。リード部の銅及びクロムの除去は、前述したと同じ方法によればよい。
【0104】
このようにして、リード部を除去した後、ステンレス箔基材2を化学エッチングによって所要の形状に切り抜くために、常法に従って、フォトレジスト35又はドライフィルムラミネートを用いて、露光、現像を行って、図15に示すように、ステンレス箔基材2上に所要のパターンを形成した後、ステンレス箔基材をエッチングにて所要の形状に切り抜く。ここに、エッチング液としては、例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅等の水溶液が用いられる。
【0105】
このエッチング処理の後、純水にて洗浄し、乾燥すれば、図16に示すように、本発明による回路付きサスペンション基板1を得ることができる。即ち、この回路付きサスペンション基板は、ステンレス箔基材2上にポリイミド樹脂からなる絶縁層22を有し、その上に導体層の薄膜からなる導体パターン27、即ち、パターン回路を有し、端子34を除いて、全表面がポリイミド樹脂からなる被覆層31にて被覆保護されている。
【0106】
【発明の効果】
本発明による感光性ポリアミド酸組成物は、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)とジアミンとから得られる前記一般式(I)で表されるポリアミド酸と感光剤としてのある種のジヒドロピリジン誘導体とからなり、高感度高コントラストにて精密なパターニング加工を行うことができ、しかも、このような感光性ポリアミド酸組成物から得られるポリイミド樹脂は、従来より知られているポリイミド樹脂に比べて著しく低い誘電率を有する。従って、本発明によるポリイミド樹脂は、一般の絶縁材料のほか、特に、回路基板や回路付きサスペンション基板における絶縁層に用いることによって、一層の高速信号処理を可能とする。
【0107】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、ポリイミド樹脂フィルムの誘電率は、横河・ヒューレット・パッカード(株)製HP16451B誘電体測定装置を用いて測定した。
【0108】
実施例1
500mL容量四つ口フラスコに2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BSAA)28.63g(55mmol)と1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン16.08g(55mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド178.8gを仕込み、室温で24時間攪拌して、ポリアミド酸のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を得た。このポリアミド酸の分子量をGPC法にて測定した結果、数平均分子量は4.5×10であり、重量平均分子量は9.2×10であった。
【0109】
上記ポリアミド酸の溶液にニフェジピン17.0g(49.1mmol)とアセチル体11.3g(46.1mmol)とイミダゾール2.44g(35.8mmol)を加えて、感光性ポリアミド酸組成物の溶液を調製した。
【0110】
厚み25μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポリアミド酸組成物の溶液を連続コーターにて長尺塗布した後、120℃で2分間加熱乾燥して、感光性ポリアミド酸組成物の被膜を形成した。次いで、マスクを介して、露光量700mJ/cmにて紫外線照射し、160℃で3分間加熱した後、現像処理して、ネガ型画像を形成し、更に、0.01torrの真空下、400℃に加熱して、パターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.74であった。
【0111】
次に、このような回路基板のポリイミドからなる絶縁層上に連続スパッタリング処理によってクロムと銅をそれぞれ500Å及び1000Åの膜厚で薄膜形成した。銅薄膜の表面抵抗は0.3〜0.4Ω/□であった。
【0112】
次いで、ステンレス基材の裏面に軽粘着シートをめっきマスクとして貼着した後、上記銅薄膜の全面に硫酸銅電解めっきを行って、膜厚10μmの銅めっきからなる導体層を形成した。
【0113】
この後、常法に従って、市販のドライフィルムラミネートを110℃で導体層上にラミネートした後、露光量80mJ/cmにてこれを露光させ、現像し、非パターン部の銅導体層をアルカリエッチングして、配線部と端子部と共に電解めっきのリード部を残すように導体層をパターン化し、この後、レジストを除去した。次いで、このように処理したステンレス箔をフエリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液に25℃で浸漬し、不必要な前記クロム薄膜を除去した。
【0114】
この後、このステンレス基材に通常の無電解めっきを施し、膜厚約0.5μmのニッケル薄膜を導体層及び絶縁層を含むステンレス箔の全面上に形成した。次いで、前述したように、ステンレス箔上の導体層の配線部及び端子部に、前記と同様にして、感光性ポリアミド酸組成物を用いて、所要の被覆層を形成した。次いで、基材を硝酸系剥離剤に室温で浸漬して、端子部及びステンレス箔上の前記無電解めっき薄膜を除去した。
【0115】
この後、常法に従って、上記端子部を除いて、通常のフォトレジストて被覆した後、上記端子部に電解ニッケルめっきと電解金めっきを順次に行って、それぞれ膜厚1μmのめっき層を形成し、端子を形成した。この後、上記レジストを剥離した。このめっき処理に続いて、めっきに用いたリード部を導体層から除去するために、銅アルカリエッチングとクロムエッチングを前述したのと同様の方法で行った。
【0116】
このようにして、導体層からめっきリード部を除去した後、ステンレス箔基材を所要の形状に切り抜くために、常法に従って、フォトレジスト又はドライフィルムラミネートを用いて、露光、現像を行って、ステンレス箔上に所要のパターンを形成した後、ステンレス箔基材を塩化第二鉄エッチング液に45℃で浸漬して、所要の形状に切り抜いた。これを純水にて十分に洗浄した後、乾燥して、個々に切り抜かれた回路付きサスペンション基板を得た。
【0117】
このようにして得られた回路付きサスペンション基板によれば、絶縁層が精密にパターニング加工されているので、性能不良を起こすことがなかった。
【0118】
実施例2
ジアミンとして、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.77であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0119】
実施例3
ジアミンとして、9,9’−ビス(アミノフェニル)フルオレンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.85であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0120】
実施例4
ジアミンとして、2,2−ビス〔(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.92であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0121】
実施例5
ジアミンとして、2,2−ビス〔(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.62であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0122】
実施例6
ジアミンとして、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.72であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0123】
実施例7
ジアミンとして、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.61であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0124】
実施例8
ジアミンとして、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.50であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0125】
実施例9
ジアミンとして、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.85であった。また、絶縁層は精密にパターニング加工されたものであった。
【0126】
実施例10
実施例1と同じ感光性ポリアミド酸組成物の溶液を厚み25μmのステンレス(SUS304)箔上に連続コーターにて長尺塗布した後、120℃で2分間加熱乾燥して、感光性ポリアミド酸組成物の被膜を形成した。次いで、マスクを介して、露光量700mJ/cmにて紫外線照射し、140℃で5分間加熱した後、現像処理して、ポジ型画像を形成し、更に、0.01torrの真空下、400℃に加熱して、パターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.70であった。
【0127】
実施例11
実施例1において、ニフェジピン17.0gとアセチル体11.3gに代えて、1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン6.6gを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性ポリアミド酸組成物の溶液を調製した。
【0128】
厚み25μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポリアミド酸組成物の溶液を連続コーターにて長尺塗布した後、120℃で2分間加熱乾燥して、感光性ポリアミド酸組成物の被膜を形成した。次いで、マスクを介して、露光量700mJ/cmにて紫外線照射し、180℃で7分間加熱した後、現像処理して、ネガ型画像を形成し、更に、0.01torrの真空下、400℃に加熱して、パターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は2.72であった。
【0129】
比較例1
テトラカルボン酸二無水物として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いると共に、ジアミンとして、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は3.32であった。
【0130】
比較例2
テトラカルボン酸二無水物として、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを用いると共に、ジアミンとして、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの誘電率は3.11であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回路付きサスペンション基板の一例を示す斜視図である。
【図2】図1において、A−A線に沿う断面図である。
【図3】図1において、B−B線に沿う断面図である。
【図4】、
【図5】、
【図6】、
【図7】、
【図8】、
【図9】、
【図10】、
【図11】、
【図12】、
【図13】、
【図14】、
【図15】及び
【図16】本発明による回路付きサスペンション基板の製造工程を示す要部部分断面図である。
【符号の説明】
1…回路付きサスペンション基板
2…ステンレス箔基材
3…導体層
4…ジンバル
5及び6…端子
7…絶縁層
8…被覆層
21…感光性ポリアミド酸からなる被膜
22…ポリイミド樹脂からなる絶縁層
23…クロム薄膜
24…銅薄膜
25…導体層
26…フォトレジスト
27…導体パターン
28…ニッケル薄膜
29…ポリイミド樹脂
30…リード部
31…ポリイミド樹脂被覆層
33…電解金めっき薄膜
34…端子
35…フォトレジスト

Claims (6)

  1. (a)一般式(I)
    Figure 2004354675
    (式中、Rは2価の有機基を示す。)
    で表される繰返し単位からなるポリアミド酸と
    (b)一般式(II)
    Figure 2004354675
    (式中、XからXはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、ニトロ基、メトキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基又はフッ化アルキル基を示し、Yはシアノ基又は一般式−CORを示し、Yはシアノ基又は一般式−CORを示し、ここに、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルコキシ基、アニリノ基、トルイジノ基、ベンジルオキシ基、アミノ基又はジアルキルアミノ基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。RとR、RとRは、ケト基を含む5員環、6員環又は複素環の形成可能な員環となることができる。)で表されるジヒドロピリジン誘導体とを含むことを特徴とする感光性ポリアミド酸組成物。
  2. 一般式(I)で表される感光性ポリアミド酸において、2価基Rが一般式(IIIa)
    Figure 2004354675
    (式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)、
    で表される2価基、一般式(IIIb)
    Figure 2004354675
    (式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)
    で表される2価基、一般式(IIIc)
    Figure 2004354675
    で表される2価基、一般式(IIId)
    Figure 2004354675
    (式中、Zは水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
    で表される2価基、及び一般式(IIIe)
    Figure 2004354675
    で表される2価基から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の感光性ポリアミド酸組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の感光性ポリアミド酸を製膜し、これに紫外線を照射した後、加熱して、潜像を形成し、次いで、これを現像して、パターン化を行った後、加熱し、ポリアミド酸をイミド化することを特徴とする、パターン化したポリイミド樹脂フィルムの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の感光性ポリアミド酸組成物を製膜し、パターン化した後、加熱し、イミド化して得られるパターン化したポリイミド樹脂フィルム。
  5. 金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶縁層を有する回路基板において、上記絶縁層が請求項4に記載のパターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる回路基板。
  6. 金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶縁層を有し、その上に導体層からなるパターン回路を有する回路付きサスペンション基板において、上記絶縁層が請求項4に記載のパターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる回路付きサスペンション基板。
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