JP2004352861A - 記録液およびこれを用いた記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出安定性に優れ、普通紙上に文字や画像などを多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位記録が可能な記録液とこれを用いた記録方法を提供する。
【解決手段】水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含んでなる記録液において、特定のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドブロック共重合体、エチレンオキサイド/ブチレンオキサイド/エチレンオキサイドブロック共重合体、又はプロピレンオキサイド/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体からなる界面活性剤を配合する。
【選択図】 なし
【解決手段】水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含んでなる記録液において、特定のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドブロック共重合体、エチレンオキサイド/ブチレンオキサイド/エチレンオキサイドブロック共重合体、又はプロピレンオキサイド/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体からなる界面活性剤を配合する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させて記録対象に付着して記録を行う記録方法に用いる記録液に関するものであり、さらに詳しくは、吐出安定性に優れ、コピー用紙、レポート用紙など、いわゆる普通紙上に文字や画像などを多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位記録が可能な記録液とこれを用いた記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、ディフレクション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリットジェット方式およびスパークジェット方式などに代表される種々の作動原理により、微小な液滴を飛翔させて記録紙に付着させ、画像・文字などの記録を行なう方式である。
【0003】
ところで、このようなインクジェット記録方式に用いる記録液に対しては、ノズル目詰まりを起こさないことが求められているが、ノズルの目詰まりを生じさせる要因の一つとして、記録液中に生ずる微小な泡の存在が最近注目されている。
【0004】
一般に、記録液には空気等の気体が溶解するが、記録液の温度上昇に伴い気体の記録液に対する溶解度が低下するため、記録液中に溶解しきれない気体が分離し、それが記録液中で微小な泡となる。具体的には、記録液充填タンクや記録液流路やインクジェットヘッドチップ内に存在する記録液の温度が上昇すると、記録液中に溶存していた気体が放出され、微小な泡が形成されるのである。このような微少な泡がヘッドチップ内に存在すると、場合により、不吐出が起きたり、飛翔液滴が曲がるなどの吐出不良が生じ、結果的に、記録画像にカスレや白抜けが生じ、記録画像の品質を著しく低下させるという問題がある。特に、熱エネルギーを作用させて微小な液滴を飛翔させる記録方式(即ち、サーマル方式およびバブルジェット方式のインクジェット記録方式)の場合、記録液をヒーターで急熱し、記録液の膜沸騰で生成する気泡の圧力で液滴を吐出するため、ヒーター近傍に熱が蓄積され、インク流路内にある記録液の温度が非常に上昇し易くなっており、その結果、前述した問題が非常に顕在化し易い状況にある。
【0005】
このような記録液に含まれる微小な泡に起因する記録画像の品質低下を改良する目的で、水性顔料インクに低級アルコールのプロピレンオキサイド付加重合体を配合することが提案されているが(特許文献1、2参照)、微小な泡の発生を十分に抑制したとはいえず、更なる改良が求められていた。また、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体を記録液に用いることも提案されている(特許文献3参照)が、このようなエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体を用いた記録液は、その泡立ちが無視できず、記録液充填タンクやインク流路などに微小な泡が残った場合には、吐出安定性に劣り、場合によっては不吐出が生じた。
【0006】
また、インクジェット記録方式に用いる記録液に対しては、ノズル目詰まりを起こさないという要請に加えて、コピー用紙やレポート用紙などの普通紙(上質紙)に対して記録を行った場合でも、光学濃度が低下したり、境界にじみや混色ベタ斑が発生しないようにするということも要請されている。
【0007】
この要請に対しては、水不溶性色材をスルホン酸(塩)基を有する高分子および/またはリン酸(塩)基を有する高分子で処理したものを色材として使用し、更に、記録液にカルボン酸(塩)基を有する高分子を添加することや(特許文献4)、記録液に、D−マンヌロン酸とL−グルロン酸の比が0.5〜1.2の範囲にあるアルギン酸を配合することや(特許文献5)、記録液にフッ素系またはシリコン系から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤とアルギン酸塩とを配合することが提案されているが(特許文献6)、十分な結果が得られたとはいえず、更なる改良が求められていた。
【0008】
また、これらの問題は、高速記録を可能にした、いわゆるラインヘッドインクジェットプリンタ(特許文献7〜9参照)においてより顕著になっていた。この理由は、記録用紙の送り方向と直角にヘッドを走査しながら記録を行う従来のシリアルインクジェットプリンタに比べ、記録用紙の送り方向の直角の方向に1以上のラインヘッドを配置したインクジェットプリンタ(例えば、印刷対象の送り方向を横切るように記録液充填タンクより記録液を導く流路を形成し、該流路の両側もしくは片側に複数のノズルを有するヘッドチップを複数個配置する液体吐出装置)では、吐出ノズル数が多くて発熱が大きく、記録液充填タンクからヘッドチップまでの距離が長くて構造が複雑で微小泡が発生し易くし、しかも取り除き難くためである。また、各色間の液滴の吐出周期が極めて短いため、必然的にインクジェット用紙中への浸透性に優れた記録液を用いねばならず、普通紙を用いた場合には、該記録液が普通紙の深さ方向へ染込み過ぎて光学濃度が低下し易く、また液滴が十分に紙の内部へ浸透しないうちに次色の液滴が次々と打ち込まれるために各色間の境界にじみや混色ベタ斑が発生し易いためである。
【0009】
【特許文献1】特開2001−2964号公報
【特許文献2】特開平10−46075号公報
【特許文献3】特開平1−230685号公報
【特許文献4】特開2000−154342号公報
【特許文献5】特開平8−290656号公報
【特許文献6】特開平8−193177号公報
【特許文献7】特開2002−36522号公報
【特許文献8】特開2001−315385号公報
【特許文献9】特開2001−301199号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、吐出安定性に優れ、コピー用紙、レポート用紙など、いわゆる普通紙上に文字や画像などを多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位記録が可能な記録液とこれを用いた記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
記録液の充填タンク、流路およびヘッドチップ内などに形成された微小泡立ちによる吐出安定性の低下、普通紙を用いてインクジェット記録を行った場合の低い光学濃度、各色間の境界にじみや混色ベタ斑などの問題について本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、水、色材および有機溶剤を含んでなる記録液に特定のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体を界面活性剤として含有させることにより、間欠(復帰)吐出などへ悪影響を及ぼさずにこれらの問題が改良できることを見出した。さらに、該記録液の動的表面張力を最適化することにより、光学濃度、境界にじみおよび混色ベタ斑をより一層改良できることを見出した。
【0012】
即ち、本発明は、水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含んでなる記録液において、該界面活性剤として下記化学構造式(1)、(2)又は(3)
【0013】
【化4】
HO(C2H4O)l(C3H6O)m(C2H4O)nH (1)
(式(1)中、l、mおよびnは、0<l+n≦10、16≦m≦31を満足する整数であり、且つエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が10〜20質量%である。)
【0014】
【化5】
HO(C2H4O)p(C4H8O)q(C2H4O)rH (2)
(式(2)中、p、qおよびrは、0<p+r≦13、13≦q≦24を満足する整数であり、且つエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が10〜30質量%である。)
【0015】
【化6】
HO(C3H6O)x(C2H4O)y(C3H6O)zH (3)
(式(3)中、x、yおよびzは、12≦x+z≦31、0<y≦18を満足する整数であり、且つエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が20〜30質量%である。)
【0016】
で表されるエチレンオキサイド/アルキレン(プロピレン又はブチレン)オキサイドブロック共重合体の少なくとも1種類を含むことを特徴とする記録液を提供する。なお、本明細書において、化学構造式(1)のブロック共重合体をEOlPOmEOnと、化学構造式(2)のブロック共重合体をEOpBOqEOrと、そして化学構造式(3)のブロック共重合体をPOxEOyPOzと記載する場合がある。
【0017】
また、本発明は、記録液の微小な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させて記録対象に付着させて記録を行う記録方法において、記録液として前述の化学構造式(1)、(2)又は(3)で表されるエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の少なくとも1種類以上を界面活性剤として含む記録液を用いることを特徴とする記録方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の記録液について詳細に説明する。
【0019】
本発明の記録液は、水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含有するが、その界面活性剤として前述の化学構造式(1)、(2)又は(3)で示される、いわゆるプルロニック型の非イオン系界面活性剤の少なくとも1種を使用する。このため、本発明の記録液は、普通紙にインクジェット記録を行った場合に得られる画像の光学濃度が高くなる。また、境界にじみや混色ベタ斑の発生が抑制される。しかも、記録液中の微小な泡によるノズルの目詰まり問題を解消することができる。
【0020】
なお、本発明の記録液の泡立ち性を、JIS 3362−1998に規定される起泡力と泡の安定性として調査したところ、起泡力は約50mm以下、泡の安定性は約5mm以下であった。それに対し、特許文献3や4に記載のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体を使用した記録液の場合には、起泡力が約80mm以上、泡の安定性が約10mm以上であり、不満足なものであった。
【0021】
化学構造式(1)において、l、mおよびnは、0<l+n≦10、16≦m≦31を満足する整数である。ここで、エチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すlとnの和(l+n)が10を超えると、記録液の泡立ち性が大きくなり、該記録液を充填したタンクやヘッドまでの流路などに気泡が溜まるなどして、吐出方向が乱れたり、場合によっては吐出不能を引き起こすなどの不具合を生じるため好ましくない。また、プロピレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すmが31を超えると、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体が高分子量過ぎるため、記録液の粘度が高く、間欠(復帰)吐出性に劣り、且つ普通紙を用いた場合には、乾燥・定着速度が遅くなるため好ましくない。一方、mが16未満の場合には、本発明の目的である普通紙の各色間の境界にじみや混色ベタ斑を満足なレベルまで改良できないことがある。
【0022】
また、化学構造式(1)におけるエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量は、10〜20質量%である。エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を下回る場合には、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体の水への溶解性が劣り、場合によっては、これらが記録液中で分離して吐出安定性を低下させることがある。一方、エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を上回る場合には、記録液の泡立ち性が大きくなり好ましくない。
【0023】
化学構造式(2)における、p、qおよびrは、0<p+r≦13、13≦q≦24を満足する整数である。ここで、エチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すpとrの和(p+r)が13を超えると、記録液の泡立ち性が大きくなり、該記録液を充填したタンクやヘッドまでの流路などに気泡が溜まるなどして、吐出方向が乱れたり、場合によっては吐出不能を引き起こすなどの不具合を生じるため好ましくない。また、ブチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すqが24を超えると、エチレンオキサイド/ブチレンオキサイドブロック共重合体が高分子量過ぎるため、記録液の粘度が高く、間欠(復帰)吐出性に劣り、且つ普通紙を用いた場合には、乾燥・定着速度が遅くなるため好ましくない。一方、qが13未満の場合には、本発明の目的である普通紙の各色間の境界にじみや混色ベタ斑を満足なレベルまで改良できないことがある。
【0024】
また、化学構造式(2)におけるエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量は、10〜30質量%である。エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を下回る場合には、エチレンオキサイド/ブチレンオキサイドブロック共重合体の水への溶解性が劣り、場合によっては、これらが記録液中で分離して吐出安定性を低下させることがある。一方、エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を上回る場合には、記録液の泡立ち性が大きくなり好ましくない。
【0025】
化学構造式(3)における、x、yおよびzは、12≦x+z≦31、0<y≦18を満足する整数である。ここで、エチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すyが18を超えると、記録液の泡立ち性が大きくなり、該記録液を充填したタンクやヘッドまでの流路などに気泡が溜まるなどして、吐出方向が乱れたり、場合によっては吐出不能を引き起こすなどの不具合を生じるため好ましくない。また、プロピレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すxとzとの和(x+z)が31を超えると、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体が高分子量過ぎるため、記録液の粘度が高く、間欠(復帰)吐出性に劣り、且つ普通紙を用いた場合には、乾燥・定着速度が遅くなるため好ましくない。一方、(x+z)が12未満の場合には、本発明の目的である普通紙の各色間の境界にじみや混色ベタ斑を満足なレベルまで改良できないことがある。
【0026】
また、化学構造式(3)におけるエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量は、20〜30質量%である。エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を下回る場合には、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体の水への溶解性が劣り、場合によっては、これらが記録液中で分離して吐出安定性を低下させることがある。一方、エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を上回る場合には、記録液の泡立ち性が大きくなり好ましくない。
【0027】
このようなブロック共重合体の中でも、特に本発明の記録液へ好適に用いることのできるものを以下に示す。ここで、(l+n)、m、(p+r)、q、(x+z)およびyは整数である。
【0028】
化学構造式(1)の好ましいEOl/POm/EOnとしては、(l+n)/mが、3〜5/16、3〜5/17、3〜5/18、3〜6/19、3〜6/20、4〜6/21、4〜7/22、4〜7/23、4〜7/24、4〜8/25、4〜8/26、4〜8/27、5〜9/28、5〜9/29、5〜9/30、5〜10/31等であるものが挙げられる。
【0029】
化学構造式(2)の好ましいEOp/BOq/EOrとしては、(p+r)/qが、2〜7/13、3〜7/14、3〜8/15、3〜9/16、3〜9/17、3〜10/18、3〜10/19、3〜11/20、4〜11/21、4〜12/22、4〜13/23、4〜13/24等であるものが挙げられる。
【0030】
化学構造式(3)の好ましいPOx/EOy/POzとしては、(x+z)/yが、4〜6/12、5〜7/13、5〜7/14、5〜8/15、6〜9/16、6〜9/17、6〜10/18、7〜10/19、7〜11/20、7〜11/21、8〜12/22、8〜13/23、8〜13/24、9〜14/25、9〜14/26、9〜15/27、10〜15/28、10〜16/29、10〜16/30、11〜17/31等であるものが挙げられる。
【0031】
化学構造式(1)、(2)又は(3)のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは800〜2,600の範囲である。
【0032】
化学構造式(1)、(2)又は(3)のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の添加量は、少なすぎると吐出安定性や普通紙に印画した際の境界にじみや混色ベタ斑を満足に改良することができず、多すぎると印画後の光学濃度が低下する等の不都合が生じることがあるので、記録液中に好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜3質量%である。
【0033】
本発明の記録液は、25℃におけるその動的表面張力が数式(i)
【0034】
【数2】
35≦γ20,γ1≦40 (i)
(式中、γ20(mN/m)およびγ1(mN/m)は、各々20Hz時の動的表面張力および1Hzの動的表面張力である。)
【0035】
を満足すると、光学濃度、境界にじみおよび混色ベタ斑をより一層改良することができる。この理由は定かではないが、本発明におけるエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の効果と相まって、記録液の普通紙中への浸透速度、言い換えれば、普通紙内部におけるパルプ繊維に沿った横および深さ方向への記録液の広がりが均一で適当なものとなるためと推測できる。
【0036】
このような動的表面張力の測定は、例えば、特開昭63−31237号公報に記載されているような、従来公知の動的表面張力の測定原理に基づき作製された動的表面張力計により測定できる。具体的には、例えば、最大泡圧力法による動的表面張力計としてKruss社 BP−2やLAUDA社 MPT−2をあげることができ、また振動ジェット法による動的表面張力計として協和界面科学社のJET−2などをあげることができる。
【0037】
本発明における記録液の動的表面張力の調整は、基本的に、化学構造式(1)、(2)又は(3)のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の種類および添加量の変更により適宜行うことができるが、満足な調整を行うことが困難な場合には、本発明の目的を阻害しない範囲で、従来公知のその他の界面活性剤を適宜併用することができる。その他の界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコールアルコキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、第1級アルコールエトキシレートおよび第2級アルコールエトキシレートなどのアルキルエーテル型非イオン界面活性剤;多環フェノールエトキシレートなどの特殊フェノール型非イオン界面活性剤;グリセライトのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールオレート、ポリオキシアルキレンタロエート、ソルビタンラウリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステルなどのエステル型非イオン界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイドなどのアマイド型非イオン界面活性剤;アセチレングリコールおよびそのエチレンオキサイド付加物;アルコールサルフェートナトリウム塩、高級アルコールサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩などの陰イオン界面活性剤;モノ長鎖アルキルカチオン、ジ長鎖アルキルカチオン、アルキルアミンオキサイドなどの陽イオン界面活性剤;ラウリルアミドプロピル酢酸ベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤などをあげることができる。但し、その他の界面活性剤の添加量は、記録液中に添加された、本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の質量に対して40%以下、より好ましくは20%以下である。一概には言えないが、40%を超えるような添加をした場合には、光学濃度が低下し、各色間の境界にじみや混色ベタ斑が生じることがあるため好ましくない。
【0038】
本発明における記録液を構成する色材としては、従来公知の染料、顔料、着色ポリマー微粒子などを単独で、あるいは混合して用いることができるが、特に水溶性染料を用いることが好ましい。ここで水溶性染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料のいずれでも良いが、水への溶解度、発色性や堅牢性などの観点から適宜選択することが好ましい。
【0039】
以下に水溶性染料の好適な例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249;C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、94;C.I.フードイエロー3、4;C.I.フードレッド7、9、14;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86 、120、132、142、144;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;C.I.ダイレクトオレンジ26、29、62、102;C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171;C.I.ベーシックイエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91;C.I.ベーシックレッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;C.I.ベーシックブル−1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;C.I.ベーシックブラック2、8;C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、12、17;C.I.リアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95などをあげることができる。
【0040】
本発明の記録液における色材の添加量は、記録液の全質量に対して1〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%であり、記録液の粘度、乾燥性、吐出安定性、発色性や印画物の保存安定性などを考慮して決定される。
【0041】
本発明の記録液は水を液媒体として使用するものであるが、記録液に所望の物性を与え、色材の水への溶解性や分散性を改良し、且つ記録液の乾燥を防止するなどの目的で従来公知の有機溶媒を単独で、あるいは混合して用いることができる。
【0042】
以下に有機溶剤の好適な例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾイリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどの含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどの含硫黄化合物類などをあげることができる。
【0043】
本発明の記録液における有機溶剤の添加量は、該記録液の全質量に対して5〜50質量%、より好ましくは10〜35質量%であり、色材の場合と同様に、記録液の粘度、乾燥性や吐出安定性などを考慮して決定される。
【0044】
さらに、本発明の記録液には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などのpH調整剤;エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどのキレート試薬;デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどの防腐剤;酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどの防錆剤;その他、例えば特開平9−227811号公報に提案されているような紫外線吸収剤などを適宜添加することもできる。
【0045】
本発明の記録液は、微少な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させて記録対象に付着させて記録を行う記録方法に好適に適用することができる。この記録方法としては、例えば、圧電素子の振動を利用して微小な液滴を飛翔させる、いわゆるピエゾ方式(特開昭55−65559号公報、同62−160243号公報、特開平2−270561号公報など)、あるいは熱エネルギーを作用させて微小な液滴を飛翔させる、いわゆるサーマル方式およびバブルジェット方式(テレビジョン学会誌 Vol.37 No.2(1983)118〜123ページ、電子写真学会誌 第22巻 第2号(1984)56〜66ページ等)、従来公知のインクジェット記録方式が挙げられる。
【0046】
特に本発明の記録液は、シリアルインクジェットプリンタに適用することができるが、ラインヘッドを有するインクジェットプリンタ(第2783288号、第2863207号、第3114776号、第3347493号、特開2002−240300号公報、同2002−292859号公報、同2002−307666号公報、同2002−36522号公報)の吐出安定性、光学濃度の低下、境界にじみや混色ベタ斑などの問題点を克服することができるため、ラインヘッドインクジェットプリンタに好適に適用することができる。例えば、本発明の記録液は、印刷対象、すなわち普通紙を含むインクジェット記録用紙の送り方向と直角に、記録液を充填したタンクより記録液を導く流路を形成し、該流路の両側に交互に複数のヘッドチップを配置することにより、簡易なヘッド構造で印画精度を高解像度化した、高速記録可能なラインヘッドインクジェットプリンタ(特開2002−36522号公報)で、良好なインクジェット記録を行うことができる。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
【0048】
実施例1
下記表1、表2の各成分をそれぞれ混合し、さらにポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(ミリポア社、Millex−0.22)にてろ過し、マゼンタおよびシアンの各記録液を得た。これらを実施例1の記録液セットとした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
実施例1の記録液セットの動的表面張力をKruss社 BP−2(測定条件:キャピラリー径0.215mm、温度25℃)を用いて測定したところ、マゼンタ記録液は、γ20=41.5mN/m、γ1=38.6mN/m、シアン記録液は、γ20=42.5mN/m、γ1=39.3mN/mを有していた。
【0052】
実施例2〜9
EOl/POm/EOnの(l+n)とmとを表3に示したように変更した以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、実施例2〜9の各記録液セットを得た。
【0053】
比較例1〜6
EOl/POm/EOnの(l+n)とmとを表3に示したように変更した以外は、実施例1の記録液セットと同様に調整し、比較例1〜6の各記録液セットを得た。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例10〜16
本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体をEOp/BOq/EOrに変更し、(p+r)とqを表4に示したようにした以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、実施例10〜16の各記録液セットを得た。
【0056】
比較例7〜9
EOp/BOq/EOrの(p+r)とqとを表4に示したようにした以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較例7〜9の各記録液セットを得た。
【0057】
【表4】
【0058】
実施例17〜25
本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体をPOx/EOy/POzに変更し、(x+z)とyを表5に示したようにした以外は、実施例1の記録液セットと同様に調整し、実施例17〜25の各記録液セットを得た。
【0059】
比較例10〜12
POx/EOy/POzの(x+z)とyを表5に示したように変更した以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較例10〜12の各記録液セットを得た。
【0060】
【表5】
【0061】
比較例13〜16
界面活性剤の種類およびその添加量を表6に示したように変更した以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較例13〜16の各記録液セットを得た。
【0062】
【表6】
【0063】
(評価)
実施例1〜25および比較例1〜16の各記録セットの評価は、以下の方法で行い、その結果をまとめて表7〜10に示した。
【0064】
(1)吐出安定性(泡の発生と画像の乱れ)
特開2002−36522号公報に提案されているラインプリンタ(A4判横巾のラインヘッドを有し、解像度は600dpiである)本体から、ラインヘッドと記録液充填タンクが一体となっているヘッドカートリッジを外し、記録液充填タンクに、本発明の各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填した。ここで、各記録液は充填タンクから流路を通り、ヘッドチップの内部まで充たされている。該ヘッドカートリッジを10℃、50%RHの環境下で5日間保管し、さらに40℃、50%RHの環境下で5日間保管した。その後20℃、50%RHの環境に戻してから該ヘッドカートリッジをラインプリンター本体に装着し、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)を用い各単色のベタ印画を行った。印画直後に該ヘッドカートリッジをラインプリンター本体から外し、さらに該ヘッドカートリッジから記録液充填タンクを外して、ヘッド内の記録液を観察し、泡の存在を確認した。この時の画像の乱れ具合とヘッド内の記録液の泡について目視で以下のように評価した。
【0065】
(ランク 評価基準)
◎: ベタ印画部全体に白抜けは無く且つヘッドチップ内に泡はみられない場合
○: ヘッドチップ内に微小な泡が極少量みられ、極わずかな白抜けがみられるが、画像品質への影響がほとんど無い場合
△: 部分的に白抜けが見られ、またヘッドチップ内に微小な泡が確認できる場合
×: 白抜けが酷く、ベタ印画画像の品質低下が著しく、またヘッドチップ内には微小な泡が多数確認できる場合
【0066】
(2)吐出安定性(間欠吐出性)
各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填したラインプリンターのヘッドカートリッジカバー(ノズルキャップ)を外した状態で25℃、10%RHの環境下に10分間置いた後、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)を用い各色の単色ベタ印画を行った。この時の画像のカスレ具合について目視で以下のように評価した。
【0067】
(ランク 評価基準)
○: ベタ画像部は鮮明で、カスレはみられない場合
△: 部分的にカスレがみられる場合
×: 全体的にカスレが生じており、ベタ印画画像の品質低下が著しい場合
【0068】
(3)光学濃度
各実施例および比較例のマゼンタ記録液のみを充填したラインプリンターを用い、市販のPPC用紙(リコー社製、マイペーパー)に単色ベタ印画を行った。該単色ベタ印画の反射光学濃度をマクベスTR924にて測定した。
【0069】
(4)境界にじみ
各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填したラインプリンターを用い、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)に隣接した各色の単色ベタ印画を行った。この時の画像境界部分のにじみ具合について目視で以下のように評価した。
【0070】
(ランク 評価基準)
◎: マゼンタ色とシアン色の境界部分ににじみは全くみられない場合
○: マゼンタ色とシアン色の境界部分に極小さいにじみがあるものの、画像品質への影響はみられない場合
△: 部分的に比較的大きな境界にじみがみられる場合
×: 全体的に境界にじみが生じており、画像品質の低下が著しい場合
【0071】
(5)混色ベタ斑
各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填したラインプリンターを用い、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)に該マゼンタ記録液とシアン記録液を重ね合わせ、ブルー色のベタ印画を行った。この時のブルーベタ画像の斑の程度(色濃度の均一性)について目視で以下のように評価した。
【0072】
(ランク 評価基準)
◎: ブルーベタ画像に斑がみられない場合
○: ブルーベタ画像に極小さい斑はあるものの、画像品質への影響はみられない場合
△: 小さな斑が多くみられる場合
×: 全体的に大きな斑が生じており、画像品質の低下が著しい場合
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
表7〜10に示す様に、実施例1〜25に示した本発明の記録液であれば、該記録液中の泡の発生を抑えるため吐出安定性が良好で、間欠吐出性も問題なく、光学濃度が高く、境界にじみおよび混色ベタ斑を改良することができた。特に、実施例2、5、7、11、13、18、21および24は、本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体を含有し、且つ記録液の動的表面張力を好適なものとしたことにより、光学濃度、境界にじみおよび混色ベタ斑を一層良好なものとすることができた。
【0078】
一方、比較例1〜16の記録液には、本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体が含有されていないか、または該記録液の動的表面張力が適当なもので無かったことから、画像の乱れが生じ、光学濃度が低く、境界にじみや混色ベタ斑が生じた。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出安定性に優れ、コピー用紙、レポート用紙などの普通紙に多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位な記録が可能な記録液およびこれを用いた記録方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させて記録対象に付着して記録を行う記録方法に用いる記録液に関するものであり、さらに詳しくは、吐出安定性に優れ、コピー用紙、レポート用紙など、いわゆる普通紙上に文字や画像などを多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位記録が可能な記録液とこれを用いた記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、ディフレクション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリットジェット方式およびスパークジェット方式などに代表される種々の作動原理により、微小な液滴を飛翔させて記録紙に付着させ、画像・文字などの記録を行なう方式である。
【0003】
ところで、このようなインクジェット記録方式に用いる記録液に対しては、ノズル目詰まりを起こさないことが求められているが、ノズルの目詰まりを生じさせる要因の一つとして、記録液中に生ずる微小な泡の存在が最近注目されている。
【0004】
一般に、記録液には空気等の気体が溶解するが、記録液の温度上昇に伴い気体の記録液に対する溶解度が低下するため、記録液中に溶解しきれない気体が分離し、それが記録液中で微小な泡となる。具体的には、記録液充填タンクや記録液流路やインクジェットヘッドチップ内に存在する記録液の温度が上昇すると、記録液中に溶存していた気体が放出され、微小な泡が形成されるのである。このような微少な泡がヘッドチップ内に存在すると、場合により、不吐出が起きたり、飛翔液滴が曲がるなどの吐出不良が生じ、結果的に、記録画像にカスレや白抜けが生じ、記録画像の品質を著しく低下させるという問題がある。特に、熱エネルギーを作用させて微小な液滴を飛翔させる記録方式(即ち、サーマル方式およびバブルジェット方式のインクジェット記録方式)の場合、記録液をヒーターで急熱し、記録液の膜沸騰で生成する気泡の圧力で液滴を吐出するため、ヒーター近傍に熱が蓄積され、インク流路内にある記録液の温度が非常に上昇し易くなっており、その結果、前述した問題が非常に顕在化し易い状況にある。
【0005】
このような記録液に含まれる微小な泡に起因する記録画像の品質低下を改良する目的で、水性顔料インクに低級アルコールのプロピレンオキサイド付加重合体を配合することが提案されているが(特許文献1、2参照)、微小な泡の発生を十分に抑制したとはいえず、更なる改良が求められていた。また、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体を記録液に用いることも提案されている(特許文献3参照)が、このようなエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体を用いた記録液は、その泡立ちが無視できず、記録液充填タンクやインク流路などに微小な泡が残った場合には、吐出安定性に劣り、場合によっては不吐出が生じた。
【0006】
また、インクジェット記録方式に用いる記録液に対しては、ノズル目詰まりを起こさないという要請に加えて、コピー用紙やレポート用紙などの普通紙(上質紙)に対して記録を行った場合でも、光学濃度が低下したり、境界にじみや混色ベタ斑が発生しないようにするということも要請されている。
【0007】
この要請に対しては、水不溶性色材をスルホン酸(塩)基を有する高分子および/またはリン酸(塩)基を有する高分子で処理したものを色材として使用し、更に、記録液にカルボン酸(塩)基を有する高分子を添加することや(特許文献4)、記録液に、D−マンヌロン酸とL−グルロン酸の比が0.5〜1.2の範囲にあるアルギン酸を配合することや(特許文献5)、記録液にフッ素系またはシリコン系から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤とアルギン酸塩とを配合することが提案されているが(特許文献6)、十分な結果が得られたとはいえず、更なる改良が求められていた。
【0008】
また、これらの問題は、高速記録を可能にした、いわゆるラインヘッドインクジェットプリンタ(特許文献7〜9参照)においてより顕著になっていた。この理由は、記録用紙の送り方向と直角にヘッドを走査しながら記録を行う従来のシリアルインクジェットプリンタに比べ、記録用紙の送り方向の直角の方向に1以上のラインヘッドを配置したインクジェットプリンタ(例えば、印刷対象の送り方向を横切るように記録液充填タンクより記録液を導く流路を形成し、該流路の両側もしくは片側に複数のノズルを有するヘッドチップを複数個配置する液体吐出装置)では、吐出ノズル数が多くて発熱が大きく、記録液充填タンクからヘッドチップまでの距離が長くて構造が複雑で微小泡が発生し易くし、しかも取り除き難くためである。また、各色間の液滴の吐出周期が極めて短いため、必然的にインクジェット用紙中への浸透性に優れた記録液を用いねばならず、普通紙を用いた場合には、該記録液が普通紙の深さ方向へ染込み過ぎて光学濃度が低下し易く、また液滴が十分に紙の内部へ浸透しないうちに次色の液滴が次々と打ち込まれるために各色間の境界にじみや混色ベタ斑が発生し易いためである。
【0009】
【特許文献1】特開2001−2964号公報
【特許文献2】特開平10−46075号公報
【特許文献3】特開平1−230685号公報
【特許文献4】特開2000−154342号公報
【特許文献5】特開平8−290656号公報
【特許文献6】特開平8−193177号公報
【特許文献7】特開2002−36522号公報
【特許文献8】特開2001−315385号公報
【特許文献9】特開2001−301199号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、吐出安定性に優れ、コピー用紙、レポート用紙など、いわゆる普通紙上に文字や画像などを多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位記録が可能な記録液とこれを用いた記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
記録液の充填タンク、流路およびヘッドチップ内などに形成された微小泡立ちによる吐出安定性の低下、普通紙を用いてインクジェット記録を行った場合の低い光学濃度、各色間の境界にじみや混色ベタ斑などの問題について本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、水、色材および有機溶剤を含んでなる記録液に特定のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体を界面活性剤として含有させることにより、間欠(復帰)吐出などへ悪影響を及ぼさずにこれらの問題が改良できることを見出した。さらに、該記録液の動的表面張力を最適化することにより、光学濃度、境界にじみおよび混色ベタ斑をより一層改良できることを見出した。
【0012】
即ち、本発明は、水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含んでなる記録液において、該界面活性剤として下記化学構造式(1)、(2)又は(3)
【0013】
【化4】
HO(C2H4O)l(C3H6O)m(C2H4O)nH (1)
(式(1)中、l、mおよびnは、0<l+n≦10、16≦m≦31を満足する整数であり、且つエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が10〜20質量%である。)
【0014】
【化5】
HO(C2H4O)p(C4H8O)q(C2H4O)rH (2)
(式(2)中、p、qおよびrは、0<p+r≦13、13≦q≦24を満足する整数であり、且つエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が10〜30質量%である。)
【0015】
【化6】
HO(C3H6O)x(C2H4O)y(C3H6O)zH (3)
(式(3)中、x、yおよびzは、12≦x+z≦31、0<y≦18を満足する整数であり、且つエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が20〜30質量%である。)
【0016】
で表されるエチレンオキサイド/アルキレン(プロピレン又はブチレン)オキサイドブロック共重合体の少なくとも1種類を含むことを特徴とする記録液を提供する。なお、本明細書において、化学構造式(1)のブロック共重合体をEOlPOmEOnと、化学構造式(2)のブロック共重合体をEOpBOqEOrと、そして化学構造式(3)のブロック共重合体をPOxEOyPOzと記載する場合がある。
【0017】
また、本発明は、記録液の微小な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させて記録対象に付着させて記録を行う記録方法において、記録液として前述の化学構造式(1)、(2)又は(3)で表されるエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の少なくとも1種類以上を界面活性剤として含む記録液を用いることを特徴とする記録方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の記録液について詳細に説明する。
【0019】
本発明の記録液は、水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含有するが、その界面活性剤として前述の化学構造式(1)、(2)又は(3)で示される、いわゆるプルロニック型の非イオン系界面活性剤の少なくとも1種を使用する。このため、本発明の記録液は、普通紙にインクジェット記録を行った場合に得られる画像の光学濃度が高くなる。また、境界にじみや混色ベタ斑の発生が抑制される。しかも、記録液中の微小な泡によるノズルの目詰まり問題を解消することができる。
【0020】
なお、本発明の記録液の泡立ち性を、JIS 3362−1998に規定される起泡力と泡の安定性として調査したところ、起泡力は約50mm以下、泡の安定性は約5mm以下であった。それに対し、特許文献3や4に記載のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体を使用した記録液の場合には、起泡力が約80mm以上、泡の安定性が約10mm以上であり、不満足なものであった。
【0021】
化学構造式(1)において、l、mおよびnは、0<l+n≦10、16≦m≦31を満足する整数である。ここで、エチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すlとnの和(l+n)が10を超えると、記録液の泡立ち性が大きくなり、該記録液を充填したタンクやヘッドまでの流路などに気泡が溜まるなどして、吐出方向が乱れたり、場合によっては吐出不能を引き起こすなどの不具合を生じるため好ましくない。また、プロピレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すmが31を超えると、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体が高分子量過ぎるため、記録液の粘度が高く、間欠(復帰)吐出性に劣り、且つ普通紙を用いた場合には、乾燥・定着速度が遅くなるため好ましくない。一方、mが16未満の場合には、本発明の目的である普通紙の各色間の境界にじみや混色ベタ斑を満足なレベルまで改良できないことがある。
【0022】
また、化学構造式(1)におけるエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量は、10〜20質量%である。エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を下回る場合には、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体の水への溶解性が劣り、場合によっては、これらが記録液中で分離して吐出安定性を低下させることがある。一方、エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を上回る場合には、記録液の泡立ち性が大きくなり好ましくない。
【0023】
化学構造式(2)における、p、qおよびrは、0<p+r≦13、13≦q≦24を満足する整数である。ここで、エチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すpとrの和(p+r)が13を超えると、記録液の泡立ち性が大きくなり、該記録液を充填したタンクやヘッドまでの流路などに気泡が溜まるなどして、吐出方向が乱れたり、場合によっては吐出不能を引き起こすなどの不具合を生じるため好ましくない。また、ブチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すqが24を超えると、エチレンオキサイド/ブチレンオキサイドブロック共重合体が高分子量過ぎるため、記録液の粘度が高く、間欠(復帰)吐出性に劣り、且つ普通紙を用いた場合には、乾燥・定着速度が遅くなるため好ましくない。一方、qが13未満の場合には、本発明の目的である普通紙の各色間の境界にじみや混色ベタ斑を満足なレベルまで改良できないことがある。
【0024】
また、化学構造式(2)におけるエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量は、10〜30質量%である。エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を下回る場合には、エチレンオキサイド/ブチレンオキサイドブロック共重合体の水への溶解性が劣り、場合によっては、これらが記録液中で分離して吐出安定性を低下させることがある。一方、エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を上回る場合には、記録液の泡立ち性が大きくなり好ましくない。
【0025】
化学構造式(3)における、x、yおよびzは、12≦x+z≦31、0<y≦18を満足する整数である。ここで、エチレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すyが18を超えると、記録液の泡立ち性が大きくなり、該記録液を充填したタンクやヘッドまでの流路などに気泡が溜まるなどして、吐出方向が乱れたり、場合によっては吐出不能を引き起こすなどの不具合を生じるため好ましくない。また、プロピレンオキサイドの繰り返しユニット数を表すxとzとの和(x+z)が31を超えると、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体が高分子量過ぎるため、記録液の粘度が高く、間欠(復帰)吐出性に劣り、且つ普通紙を用いた場合には、乾燥・定着速度が遅くなるため好ましくない。一方、(x+z)が12未満の場合には、本発明の目的である普通紙の各色間の境界にじみや混色ベタ斑を満足なレベルまで改良できないことがある。
【0026】
また、化学構造式(3)におけるエチレンオキサイドユニットの分子中における含有量は、20〜30質量%である。エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を下回る場合には、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体の水への溶解性が劣り、場合によっては、これらが記録液中で分離して吐出安定性を低下させることがある。一方、エチレンオキサイドユニットの含有量がこの範囲を上回る場合には、記録液の泡立ち性が大きくなり好ましくない。
【0027】
このようなブロック共重合体の中でも、特に本発明の記録液へ好適に用いることのできるものを以下に示す。ここで、(l+n)、m、(p+r)、q、(x+z)およびyは整数である。
【0028】
化学構造式(1)の好ましいEOl/POm/EOnとしては、(l+n)/mが、3〜5/16、3〜5/17、3〜5/18、3〜6/19、3〜6/20、4〜6/21、4〜7/22、4〜7/23、4〜7/24、4〜8/25、4〜8/26、4〜8/27、5〜9/28、5〜9/29、5〜9/30、5〜10/31等であるものが挙げられる。
【0029】
化学構造式(2)の好ましいEOp/BOq/EOrとしては、(p+r)/qが、2〜7/13、3〜7/14、3〜8/15、3〜9/16、3〜9/17、3〜10/18、3〜10/19、3〜11/20、4〜11/21、4〜12/22、4〜13/23、4〜13/24等であるものが挙げられる。
【0030】
化学構造式(3)の好ましいPOx/EOy/POzとしては、(x+z)/yが、4〜6/12、5〜7/13、5〜7/14、5〜8/15、6〜9/16、6〜9/17、6〜10/18、7〜10/19、7〜11/20、7〜11/21、8〜12/22、8〜13/23、8〜13/24、9〜14/25、9〜14/26、9〜15/27、10〜15/28、10〜16/29、10〜16/30、11〜17/31等であるものが挙げられる。
【0031】
化学構造式(1)、(2)又は(3)のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは800〜2,600の範囲である。
【0032】
化学構造式(1)、(2)又は(3)のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の添加量は、少なすぎると吐出安定性や普通紙に印画した際の境界にじみや混色ベタ斑を満足に改良することができず、多すぎると印画後の光学濃度が低下する等の不都合が生じることがあるので、記録液中に好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜3質量%である。
【0033】
本発明の記録液は、25℃におけるその動的表面張力が数式(i)
【0034】
【数2】
35≦γ20,γ1≦40 (i)
(式中、γ20(mN/m)およびγ1(mN/m)は、各々20Hz時の動的表面張力および1Hzの動的表面張力である。)
【0035】
を満足すると、光学濃度、境界にじみおよび混色ベタ斑をより一層改良することができる。この理由は定かではないが、本発明におけるエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の効果と相まって、記録液の普通紙中への浸透速度、言い換えれば、普通紙内部におけるパルプ繊維に沿った横および深さ方向への記録液の広がりが均一で適当なものとなるためと推測できる。
【0036】
このような動的表面張力の測定は、例えば、特開昭63−31237号公報に記載されているような、従来公知の動的表面張力の測定原理に基づき作製された動的表面張力計により測定できる。具体的には、例えば、最大泡圧力法による動的表面張力計としてKruss社 BP−2やLAUDA社 MPT−2をあげることができ、また振動ジェット法による動的表面張力計として協和界面科学社のJET−2などをあげることができる。
【0037】
本発明における記録液の動的表面張力の調整は、基本的に、化学構造式(1)、(2)又は(3)のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の種類および添加量の変更により適宜行うことができるが、満足な調整を行うことが困難な場合には、本発明の目的を阻害しない範囲で、従来公知のその他の界面活性剤を適宜併用することができる。その他の界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコールアルコキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、第1級アルコールエトキシレートおよび第2級アルコールエトキシレートなどのアルキルエーテル型非イオン界面活性剤;多環フェノールエトキシレートなどの特殊フェノール型非イオン界面活性剤;グリセライトのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールオレート、ポリオキシアルキレンタロエート、ソルビタンラウリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステルなどのエステル型非イオン界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイドなどのアマイド型非イオン界面活性剤;アセチレングリコールおよびそのエチレンオキサイド付加物;アルコールサルフェートナトリウム塩、高級アルコールサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩などの陰イオン界面活性剤;モノ長鎖アルキルカチオン、ジ長鎖アルキルカチオン、アルキルアミンオキサイドなどの陽イオン界面活性剤;ラウリルアミドプロピル酢酸ベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤などをあげることができる。但し、その他の界面活性剤の添加量は、記録液中に添加された、本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体の質量に対して40%以下、より好ましくは20%以下である。一概には言えないが、40%を超えるような添加をした場合には、光学濃度が低下し、各色間の境界にじみや混色ベタ斑が生じることがあるため好ましくない。
【0038】
本発明における記録液を構成する色材としては、従来公知の染料、顔料、着色ポリマー微粒子などを単独で、あるいは混合して用いることができるが、特に水溶性染料を用いることが好ましい。ここで水溶性染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料のいずれでも良いが、水への溶解度、発色性や堅牢性などの観点から適宜選択することが好ましい。
【0039】
以下に水溶性染料の好適な例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249;C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、94;C.I.フードイエロー3、4;C.I.フードレッド7、9、14;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86 、120、132、142、144;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;C.I.ダイレクトオレンジ26、29、62、102;C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171;C.I.ベーシックイエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91;C.I.ベーシックレッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;C.I.ベーシックブル−1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;C.I.ベーシックブラック2、8;C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、12、17;C.I.リアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95などをあげることができる。
【0040】
本発明の記録液における色材の添加量は、記録液の全質量に対して1〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%であり、記録液の粘度、乾燥性、吐出安定性、発色性や印画物の保存安定性などを考慮して決定される。
【0041】
本発明の記録液は水を液媒体として使用するものであるが、記録液に所望の物性を与え、色材の水への溶解性や分散性を改良し、且つ記録液の乾燥を防止するなどの目的で従来公知の有機溶媒を単独で、あるいは混合して用いることができる。
【0042】
以下に有機溶剤の好適な例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾイリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどの含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどの含硫黄化合物類などをあげることができる。
【0043】
本発明の記録液における有機溶剤の添加量は、該記録液の全質量に対して5〜50質量%、より好ましくは10〜35質量%であり、色材の場合と同様に、記録液の粘度、乾燥性や吐出安定性などを考慮して決定される。
【0044】
さらに、本発明の記録液には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などのpH調整剤;エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどのキレート試薬;デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどの防腐剤;酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどの防錆剤;その他、例えば特開平9−227811号公報に提案されているような紫外線吸収剤などを適宜添加することもできる。
【0045】
本発明の記録液は、微少な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させて記録対象に付着させて記録を行う記録方法に好適に適用することができる。この記録方法としては、例えば、圧電素子の振動を利用して微小な液滴を飛翔させる、いわゆるピエゾ方式(特開昭55−65559号公報、同62−160243号公報、特開平2−270561号公報など)、あるいは熱エネルギーを作用させて微小な液滴を飛翔させる、いわゆるサーマル方式およびバブルジェット方式(テレビジョン学会誌 Vol.37 No.2(1983)118〜123ページ、電子写真学会誌 第22巻 第2号(1984)56〜66ページ等)、従来公知のインクジェット記録方式が挙げられる。
【0046】
特に本発明の記録液は、シリアルインクジェットプリンタに適用することができるが、ラインヘッドを有するインクジェットプリンタ(第2783288号、第2863207号、第3114776号、第3347493号、特開2002−240300号公報、同2002−292859号公報、同2002−307666号公報、同2002−36522号公報)の吐出安定性、光学濃度の低下、境界にじみや混色ベタ斑などの問題点を克服することができるため、ラインヘッドインクジェットプリンタに好適に適用することができる。例えば、本発明の記録液は、印刷対象、すなわち普通紙を含むインクジェット記録用紙の送り方向と直角に、記録液を充填したタンクより記録液を導く流路を形成し、該流路の両側に交互に複数のヘッドチップを配置することにより、簡易なヘッド構造で印画精度を高解像度化した、高速記録可能なラインヘッドインクジェットプリンタ(特開2002−36522号公報)で、良好なインクジェット記録を行うことができる。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
【0048】
実施例1
下記表1、表2の各成分をそれぞれ混合し、さらにポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(ミリポア社、Millex−0.22)にてろ過し、マゼンタおよびシアンの各記録液を得た。これらを実施例1の記録液セットとした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
実施例1の記録液セットの動的表面張力をKruss社 BP−2(測定条件:キャピラリー径0.215mm、温度25℃)を用いて測定したところ、マゼンタ記録液は、γ20=41.5mN/m、γ1=38.6mN/m、シアン記録液は、γ20=42.5mN/m、γ1=39.3mN/mを有していた。
【0052】
実施例2〜9
EOl/POm/EOnの(l+n)とmとを表3に示したように変更した以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、実施例2〜9の各記録液セットを得た。
【0053】
比較例1〜6
EOl/POm/EOnの(l+n)とmとを表3に示したように変更した以外は、実施例1の記録液セットと同様に調整し、比較例1〜6の各記録液セットを得た。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例10〜16
本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体をEOp/BOq/EOrに変更し、(p+r)とqを表4に示したようにした以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、実施例10〜16の各記録液セットを得た。
【0056】
比較例7〜9
EOp/BOq/EOrの(p+r)とqとを表4に示したようにした以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較例7〜9の各記録液セットを得た。
【0057】
【表4】
【0058】
実施例17〜25
本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体をPOx/EOy/POzに変更し、(x+z)とyを表5に示したようにした以外は、実施例1の記録液セットと同様に調整し、実施例17〜25の各記録液セットを得た。
【0059】
比較例10〜12
POx/EOy/POzの(x+z)とyを表5に示したように変更した以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較例10〜12の各記録液セットを得た。
【0060】
【表5】
【0061】
比較例13〜16
界面活性剤の種類およびその添加量を表6に示したように変更した以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較例13〜16の各記録液セットを得た。
【0062】
【表6】
【0063】
(評価)
実施例1〜25および比較例1〜16の各記録セットの評価は、以下の方法で行い、その結果をまとめて表7〜10に示した。
【0064】
(1)吐出安定性(泡の発生と画像の乱れ)
特開2002−36522号公報に提案されているラインプリンタ(A4判横巾のラインヘッドを有し、解像度は600dpiである)本体から、ラインヘッドと記録液充填タンクが一体となっているヘッドカートリッジを外し、記録液充填タンクに、本発明の各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填した。ここで、各記録液は充填タンクから流路を通り、ヘッドチップの内部まで充たされている。該ヘッドカートリッジを10℃、50%RHの環境下で5日間保管し、さらに40℃、50%RHの環境下で5日間保管した。その後20℃、50%RHの環境に戻してから該ヘッドカートリッジをラインプリンター本体に装着し、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)を用い各単色のベタ印画を行った。印画直後に該ヘッドカートリッジをラインプリンター本体から外し、さらに該ヘッドカートリッジから記録液充填タンクを外して、ヘッド内の記録液を観察し、泡の存在を確認した。この時の画像の乱れ具合とヘッド内の記録液の泡について目視で以下のように評価した。
【0065】
(ランク 評価基準)
◎: ベタ印画部全体に白抜けは無く且つヘッドチップ内に泡はみられない場合
○: ヘッドチップ内に微小な泡が極少量みられ、極わずかな白抜けがみられるが、画像品質への影響がほとんど無い場合
△: 部分的に白抜けが見られ、またヘッドチップ内に微小な泡が確認できる場合
×: 白抜けが酷く、ベタ印画画像の品質低下が著しく、またヘッドチップ内には微小な泡が多数確認できる場合
【0066】
(2)吐出安定性(間欠吐出性)
各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填したラインプリンターのヘッドカートリッジカバー(ノズルキャップ)を外した状態で25℃、10%RHの環境下に10分間置いた後、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)を用い各色の単色ベタ印画を行った。この時の画像のカスレ具合について目視で以下のように評価した。
【0067】
(ランク 評価基準)
○: ベタ画像部は鮮明で、カスレはみられない場合
△: 部分的にカスレがみられる場合
×: 全体的にカスレが生じており、ベタ印画画像の品質低下が著しい場合
【0068】
(3)光学濃度
各実施例および比較例のマゼンタ記録液のみを充填したラインプリンターを用い、市販のPPC用紙(リコー社製、マイペーパー)に単色ベタ印画を行った。該単色ベタ印画の反射光学濃度をマクベスTR924にて測定した。
【0069】
(4)境界にじみ
各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填したラインプリンターを用い、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)に隣接した各色の単色ベタ印画を行った。この時の画像境界部分のにじみ具合について目視で以下のように評価した。
【0070】
(ランク 評価基準)
◎: マゼンタ色とシアン色の境界部分ににじみは全くみられない場合
○: マゼンタ色とシアン色の境界部分に極小さいにじみがあるものの、画像品質への影響はみられない場合
△: 部分的に比較的大きな境界にじみがみられる場合
×: 全体的に境界にじみが生じており、画像品質の低下が著しい場合
【0071】
(5)混色ベタ斑
各実施例および比較例のマゼンタ記録液とシアン記録液をセットで充填したラインプリンターを用い、市販のコピー用紙(リコー社製、マイペーパー)に該マゼンタ記録液とシアン記録液を重ね合わせ、ブルー色のベタ印画を行った。この時のブルーベタ画像の斑の程度(色濃度の均一性)について目視で以下のように評価した。
【0072】
(ランク 評価基準)
◎: ブルーベタ画像に斑がみられない場合
○: ブルーベタ画像に極小さい斑はあるものの、画像品質への影響はみられない場合
△: 小さな斑が多くみられる場合
×: 全体的に大きな斑が生じており、画像品質の低下が著しい場合
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
表7〜10に示す様に、実施例1〜25に示した本発明の記録液であれば、該記録液中の泡の発生を抑えるため吐出安定性が良好で、間欠吐出性も問題なく、光学濃度が高く、境界にじみおよび混色ベタ斑を改良することができた。特に、実施例2、5、7、11、13、18、21および24は、本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体を含有し、且つ記録液の動的表面張力を好適なものとしたことにより、光学濃度、境界にじみおよび混色ベタ斑を一層良好なものとすることができた。
【0078】
一方、比較例1〜16の記録液には、本発明のエチレンオキサイド/アルキレンオキサイドブロック共重合体が含有されていないか、または該記録液の動的表面張力が適当なもので無かったことから、画像の乱れが生じ、光学濃度が低く、境界にじみや混色ベタ斑が生じた。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出安定性に優れ、コピー用紙、レポート用紙などの普通紙に多色記録しても光学濃度が高く、境界にじみや混色ベタ斑の無い、高品位な記録が可能な記録液およびこれを用いた記録方法を提供することができる。
Claims (4)
- 水、色材、有機溶剤および界面活性剤を含んでなる記録液において、該界面活性剤として下記化学構造式(1)、(2)又は(3)
で表されるエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドブロック共重合体の少なくとも1種類を含むことを特徴とする記録液。 - 記録液の微小な液滴を記録信号に応じて複数のノズルから吐出させ、記録対象に付着させて記録を行う記録方法において、該記録液として請求項1又は2記載の記録液を使用することを特徴とする記録方法。
- ラインヘッドインクジェットプリンタを用いて記録液の液滴を吐出させる請求項3記載の記録方法。
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