JP2004351803A - シート状吸収体の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超薄型のシート状吸収体を、効率よく、吸水性樹脂粉末の飛散等のトラブルがないように製造方法を提供する。
【解決手段】第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体の製造方法であって、第1不織布シート連続体、第2不織布シートのそれぞれ片面に接着剤を塗布した後、第1不織布シート連続体の接着剤層と、第2不織布シート連続体の接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給し、両接着剤層の間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を各接着剤に付着させ、その後、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体の製造方法であって、第1不織布シート連続体、第2不織布シートのそれぞれ片面に接着剤を塗布した後、第1不織布シート連続体の接着剤層と、第2不織布シート連続体の接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給し、両接着剤層の間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を各接着剤に付着させ、その後、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽失禁用パッドや、使い捨ておむつ・使い捨てパンツ等に有用な、非常に薄型でしかも吸収能力に優れたシート状吸収体を効率的に製造する方法、およびこの製法のための製造装置に関する。また、本発明は、シート状吸収体を備えた使い捨て吸収性物品の製造方法とその製造装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、従来から、2枚の不織布で吸水性樹脂粉末を挟んだ構成の超薄型のシート状吸収体について開発・検討を行っており、出願(特許文献1等)してきた。このシート状吸収体を用いた製品の販売も好調なため、高速で連続生産できる効率的な製造方法を開発する必要があった。
【0003】
現在では、シート状吸収体を構成するいずれか一方の不織布Aの連続体にホットメルト接着剤を塗布した後、接着剤層の上から吸水性樹脂粉末を散布し、ホットメルト接着剤を塗布しておいた別の不織布Bの連続体を重ねて、両者を圧着する製法を採用している。しかし、200〜300m/minレベルでの高速運転時には、上から散布された吸水性樹脂粉末が不織布表面に到着した後に、再び浮き上がる(バウンドする)ことがあり、必要箇所以外(接着剤層の両側等)に粉末が散布されてロスとなったり、装置外へ落下した吸水性樹脂粉末が粉塵の元になる等の不都合があった。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第01/89439号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、吸水性樹脂粉末を不織布で挟んだ構成のシート状吸収体を、効率よく、かつ吸水性樹脂粉末の飛散等のトラブルなく製造できる方法および装置の提供を課題として掲げた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体の製造方法であって、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布すると共に、第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布した後、
前記第1不織布シート連続体の第1ホットメルト接着剤層と、前記第2不織布シート連続体の第2ホットメルト接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給すると共に、第1ホットメルト接着剤層と第2ホットメルト接着剤層との間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を第1ホットメルト接着剤層表面および第2ホットメルト接着剤層表面に付着させ、
上記静電場の下流において、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着するところに要旨を有する。
【0007】
第1電極板を第1不織布シート連続体の外側に、第2電極板を第2不織布シート連続体の外側にそれぞれ配設し、両電極板間に直流高電圧を印加して静電場を形成すること、吸水性樹脂粉末を、空気流によって静電場内へ供給することは、いずれも上記製法における好ましい実施態様である。
【0008】
第2の発明は、第1不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布する第1ホットメルト接着剤塗布手段と、
第2不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する第2ホットメルト接着剤塗布手段と、
静電場形成手段と、
静電場へ吸水性樹脂粉末を供給する吸水性樹脂粉末供給手段と、
第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とを圧着するための圧着ロールとを備えるシート状吸収体の製造装置である。
【0009】
第3の発明は、第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体が、肌面側シートと外側シートの間に装填されてなる使い捨て吸収性物品の製造方法であって、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布すると共に、第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する工程、
前記第1不織布シート連続体の第1ホットメルト接着剤層と、前記第2不織布シート連続体の第2ホットメルト接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給すると共に、第1ホットメルト接着剤層と第2ホットメルト接着剤層との間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を第1ホットメルト接着剤層表面および第2ホットメルト接着剤層表面に付着させる工程、
上記静電場の下流において、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着してシート状吸収体の連続体を得る工程、
このシート状吸収体の連続体を所定の大きさに切り離す工程、
肌面側シートと外側シートとでシート状吸収体を挟持固定する工程、
を有する使い捨て吸収性物品の製造方法である。
【0010】
第4の発明は、第1不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布する第1ホットメルト接着剤塗布手段と、
第2不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する第2ホットメルト接着剤塗布手段と、
静電場形成手段と、
静電場へ吸水性樹脂粉末を供給する吸水性樹脂粉末供給手段と、
第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とを圧着してシート状吸収体の連続体を得るための圧着ロールと、
シート状吸収体の連続体を所定の大きさに切り離す切断手段と、
肌面側シートと外側シートとでシート状吸収体を挟持固定するための圧着ロールと
を備える使い捨て吸収性物品の製造装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のシート状吸収体の製造方法を実施するための製造装置の側面図である。
【0012】
図1に示すように、製造装置M1は、ロールR1に巻かれた所定幅の第1不織布シートの連続体10をその長さ方向へ連続的に走行させる走行手段(R1の軸に連結された図示しない駆動手段(例えばサーボモータ等)あるいはR1の表面に接するように設けられた繰り出しベルト等と、後述する圧着ロール18とからなる)と、ガイドロール11と、この走行する第1不織布シート連続体10の上面に第1ホットメルト接着剤層S1を形成するための第1ホットメルト接着剤塗布手段12と、ロールR2に巻かれた所定幅の第2不織布シートの連続体13をその長さ方向へ連続的に走行させる走行手段(R2の軸に連結された図示しない駆動手段(例えばサーボモータ等)あるいはR2の表面に接するように設けられた繰り出しベルト等と、後述する圧着ロール18とからなる)と、ガイドローラ14と、この走行する第2不織布シート連続体13の上面に第2ホットメルト接着剤層S2を形成するための第2ホットメルト接着剤塗布手段15と、吸水性樹脂粉末供給手段16と、静電場17の形成手段としての第1電極板17aおよび第2電極板17bおよび高電圧発生装置17cと、圧着ロール18とを備えるものである。出来上がったシート状吸収体の連続体19は巻き取られ、ロールR3を形成する。
【0013】
この製造装置M1により、本発明の製造方法を実施するに当たっては、ロールR1から第1不織布シートの連続体10を繰り出して、第1不織布シート連続体10をその長さ方向へ連続的に走行させながら、第1ホットメルト接着剤塗布手段12によって、第1不織布シート連続体10の上面にホットメルト接着剤を連続的に塗布し、第1ホットメルト接着剤層S1を形成する。一方で、ロールR2から第2不織布シートの連続体13を繰り出して、第2不織布シート連続体13をその長さ方向へ連続的に走行させながら、第2ホットメルト接着剤塗布手段15によって、第2不織布シート連続体13の上面にホットメルト接着剤を連続的に塗布し、第2ホットメルト接着剤層S2を形成する。
【0014】
続いて、第1不織布シート連続体10の第1ホットメルト接着剤層S1と、第2不織布シート連続体13の第2ホットメルト接着剤層S2とを向き合わせた状態で、第1不織布シート連続体10と第2不織布シート連続体13とを静電場17へ供給する。この静電場17には、吸水性樹脂粉末供給手段16から、吸水性樹脂粉末Pが連続的に供給される。そして、静電場17に入った吸水性樹脂粉末Pは、静電力によって誘電分極し、プラス電極(第1電極板17aまたは第2電極板17b)かマイナス電極(第2電極板17bまたは第1電極板17a)の方へ強く引き寄せられ、ホットメルト接着剤層S1、S2へ瞬時のうちに接着する。特にホットメルト接着剤層が網状体であれば、その空隙の内部にまで吸水性樹脂粉末Pが引き寄せられる。なお、高電圧発生装置17cにより第1電極板17aにプラス電圧を印加すれば、第1電極板17aがプラス電極に、第2電極板17bがマイナス電極となり、第1電極板17aにマイナス電圧を印加すればその逆となる。
【0015】
そして、静電場17の下流に設けられた圧着ロール18により、第1不織布シート連続体10と第2不織布シート連続体13とが、ホットメルト接着剤層S1とS2によって吸水性樹脂粉末Pを介した状態で強固に接着されて、シート状吸収体の連続体19となる。図例では、シート状吸収体の連続体19はロール状に巻き取られてロールR3を形成する。
【0016】
第1不織布シートの連続体10、第2不織布シートの連続体13としては、液透過性の不織布が好適であり、不織布を構成する繊維の種類としては、レーヨン等の再生繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル等の合成繊維;絹、パルプ(セルロース)等の天然繊維等が好ましく用いられる。芯鞘タイプやサイドバイサイド等の複合繊維を用いてもよい。ポリオレフィン等の疎水性繊維に対しては、公知の親水化処理(不織布化後でもよい)を行うことが推奨される。繊維の繊度は特に限定されず、一般的な1.5〜4dtex(デシテックス)のものでよく、拡散性向上のために、1dtex以下の極細繊維や、6dtex以上の極太繊維を配合してもよい。
【0017】
上記不織布は、公知の乾式法、湿式法いずれの製法で製造されたものも採用可能である。不織布の目付としては、10〜80g/m2が好ましい。10g/m2より小さいと強度不足となり易く、80g/m2を超えると通気性が次第に劣るものとなるため、好ましくない。また、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)、SMMS等の予め積層された複合不織布を用いることも可能である。
【0018】
第1ホットメルト接着剤塗布手段12と、第2ホットメルト接着剤塗布手段15には、シート連続体に塗工機のヘッドを直接接触させて塗工するタイプの各種塗工機や、ビード塗工機、カーテンスプレー塗工機、スパイラル塗工機のような非接触型塗工機が用いられる。中でも好ましいものは、細い繊維状にホットメルト接着剤を吐出するカーテンスプレー塗工機と、線状に吐出された接着剤にエアー回転流を付与してスパイラル状の軌跡を描かせるスパイラル塗工機である。これらにより形成されるホットメルト接着剤層は、ホットメルト接着剤が不織布シートの全面に塗工されず、繊維状または線状の接着剤同士が間隙を有して付着した網状体となるので、シート状吸収体の通気性、吸水性を阻害しない。最も好ましいのは、第1ホットメルト接着剤塗布手段12をスパイラル塗工機とし、第2ホットメルト接着剤塗布手段15をカーテンスプレー塗工機とする構成(あるいはこの逆でもよい)である。スパイラル塗工機で塗工された接着剤層は、カーテンスプレー塗工機で塗工された接着剤層よりも、粗な網状体となり通水性に優れているため、この面を着用者側に配した使い捨て吸収性物品を製造することができる。
【0019】
ホットメルト接着剤としては、第1および第2のホットメルト接着剤とも同種または異種のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。生産性の点からは、60〜180℃程度で溶融するものが好ましく、SIS、SIBS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー;エチレン・酢酸ビニル系コポリマー;ポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン系等のエラストマー類;ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリイソプレン、天然ゴム等のゴム類等が好ましく用いられる。吸液後に膨潤した吸水性樹脂粒子を確実に固定することができ、膨潤による膨大化に追随し得る伸び易さを有するものが好ましく、この点で、スチレン系エラストマーや、ゴム類が好ましい。付着量は、第1ホットメルト接着剤層S1、第2ホットメルト接着剤層S2のいずれにおいても1〜20g/m2が好ましい。
【0020】
吸水性樹脂粉末供給手段16は、ホッパ部16aと導入部16bとから構成されており、空気流によって吸水性樹脂粉末Pを導入部16bから静電場17内へと供給するように構成されている。なお、導入部16bからの空気流によって、第1不織布シートの連続体10と第2不織布シートの連続体13の走行が乱れないように、これらの走行のためのコンベアベルトをシート連続体10,13の反対側から吸引しておくことが望ましい。
【0021】
吸水性樹脂粉末Pとしては、自重の400〜800倍程度の吸水性がある当該分野で公知の樹脂粉末がいずれも使用でき、具体的には、ポリアクリル酸塩系、澱粉・アクリロニトリル系、セルロース系等公知の吸水性樹脂を用いることができる。吸液速度が速いものが好ましく、平均粒径100〜1000μmの範囲が好ましい。また、吸水性樹脂粉末Pの付着量は、100〜250g/m2が好ましい。充分な吸水量を確保でき、第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2とで着実に保持固定が可能な範囲だからである。
【0022】
静電場17における第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2との最大距離は、静電場17に印加された電圧の強度によって適宜設定すればよい。印加電圧は+(または−)10〜100kVが好ましく、第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2との距離は最大で3cmが好ましい。なお、第1不織布シートの連続体10と、第2不織布シートの連続体13は、50〜300m/minで高速走行させることが生産性の点からは望ましい。
【0023】
第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2との距離は、圧着ロール18へ向かって徐々に狭くすることが望ましいため、静電場17の形成のための第1電極板17a、第2電極板17bもその間隔を徐々に狭くするように配置することが望ましい。図例では、第1不織布シートの連続体10を前下がりに、第2不織布シートの連続体13を水平に走行させており、各シートの連続体10,13の外側にこれらのシートの連続体と略平行に第1電極板17aと第2電極板17bを配設している。図例に限られず、第1不織布シートの連続体10を前下がりのまま、または水平に走行させて、第2不織布シートの連続体13を前上がりに走行させてもよい。そして、第1電極板17aと第2電極板17bはこれらのシート連続体10,13とそれぞれ平行に配設するか、シート連続体10、13の走行状態とは無関係に電極板17a・bが平行になるように設置してもよい。
【0024】
本発明の製造方法・製造装置により得られたシート状吸収体の連続体19は、図1に示したようにロール状に巻き取ってストックすることができる。また、シート状吸収体を備える使い捨て吸収性物品の製造ラインへ、シート状吸収体の製造装置をインラインで組み込むことも可能である。
【0025】
図2には、本発明の使い捨て吸収性物品の製造方法を実施するための製造装置M2の主要部の側面図を示した。M1部は、前記した図1に示したシート状吸収体の連続体19の製造部分であり、詳細は前記したとおりである。
【0026】
この製造装置M2は、M1部以外に、解繊パルプ搬送手段20、内側からの吸引機能を備えたパターンドラム21、繊維集合層用裏面シート22のロールR4、第3ホットメルト接着剤塗布手段23、吸収体圧接ロール25、マットカッター上刃27aとアンビル27bとからなる切断手段27、切断された吸収体を受け取るコンベアベルト29、外側シート30のロールR5、肌面側シート31のロールR6、圧着ロール32を備えている。
【0027】
この装置M2は、シート状吸収体の下側に繊維集合層を有する使い捨ておむつを製造できるように構成されている。なお、シート状吸収体は、第1不織布シート側が着用者側となるように走行されている。
【0028】
装置M2では、まず、搬送手段20により空気流で搬送されてきた解繊パルプ繊維Fを、吸引機能を備えたパターンドラム21上へ堆積させて、所定幅の繊維集合体を作りながら、繊維集合層用裏面シート22をロールR4から繰り出して(繰り出し・走行手段は図示しないが、装置M1の場合と同様の構成でよい)、第3ホットメルト接着剤塗布手段32によって適宜ホットメルト接着剤層S3を形成した上へ、パターンドラム21から吸引を解除して繊維の集合体を載せて、繊維集合層の連続体24を形成する。
【0029】
そして、この繊維集合層の連続体24と、M1部によって形成されたシート状吸収体の連続体19とを図示しないホットメルト接着剤で接着して、吸収体圧接ロール25を通過させることで繊維集合層の連続体24とシート状吸収体の連続体19を一体化し、切断手段27で個々の吸収体28へと切断する。切断された個々の吸収体28は、製品の大きさに合わせた所定の間隔で、コンベアベルト29に受け渡される。吸収体28は、さらに、ロールR5から繰り出されて走行する外側シート30の上に裁置され、R6から繰り出された肌面側シート31がその上に被せられ、圧着ロール32で一体化される。肌面側シート31、吸収体28、外側シート30の積層体は、その後、所定長さに切断され、個々の使い捨ておむつとなる。なお、肌面側シート31、吸収体28、外側シート30には、図示しないホットメルト接着剤塗布手段によって、適宜、接着剤が塗布されている。また、図示していないが、使い捨て吸収性物品において公知の種々の構成部材の取り付け手段および工程を加えることは、もちろん可能である。
【0030】
肌面側シート31としては、前記第1不織布シート連続体10と同様の素材が適しており、外側シート30としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムや、液不透過性かつ透湿性の開孔または無開孔プラスチックフィルム、あるいはこれらと不織布との積層体等が好ましい。
【0031】
上記図例では、シート状吸収体19の下側に繊維集合層24が重ねられた吸収体26を備えた使い捨ておむつについて、その製造装置・方法を説明したが、繊維集合層24を積層しなくてもよいし、シート状吸収体19、繊維集合層24をさらに積層してもよい。また、使い捨ておむつではなく、使い捨てパンツや、軽失禁用パッド等を製造する装置・方法に変更しても構わない。
【0032】
【発明の効果】
本発明では、吸水性樹脂粉末を供給する際に静電場を利用したので、一度に上下のシートへと吸水性樹脂粉末を接着させることができ、吸水性樹脂粉末の飛散等のトラブルを抑制し、効率よくシート状吸収体を製造することができるようになった。また、このシート状吸収体の製造ラインを使い捨て吸収性物品の製造ラインへインラインで組み込むことにより、薄型の使い捨て吸収性物品をコスト安に連続製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状吸収体の製造装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の使い捨て吸収性物品の製造装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 第1不織布シートの連続体
11 ガイドロール
12 第1ホットメルト接着剤塗布手段
13 第2不織布シートの連続体
14 ガイドロール
15 第2ホットメルト接着剤塗布手段
16 吸水性樹脂粉末供給手段
17 静電場
17a 第1電極板
17b 第2電極板
17c 高電圧発生装置
18 圧着ロール
19 シート状吸収体の連続体
P 吸水性樹脂粉末
S1 第1ホットメルト接着剤層
S2 第2ホットメルト接着剤層
M1 シート状吸収体製造装置
M2 使い捨て吸収性物品製造装置
21 パターンドラム
22 繊維集合層用裏面シート
24 繊維集合層
25 吸収体圧接ロール
26 吸収体の連続体
27 切断手段
28 吸収体(切断後)
30 外側シート
31 肌面側シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽失禁用パッドや、使い捨ておむつ・使い捨てパンツ等に有用な、非常に薄型でしかも吸収能力に優れたシート状吸収体を効率的に製造する方法、およびこの製法のための製造装置に関する。また、本発明は、シート状吸収体を備えた使い捨て吸収性物品の製造方法とその製造装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、従来から、2枚の不織布で吸水性樹脂粉末を挟んだ構成の超薄型のシート状吸収体について開発・検討を行っており、出願(特許文献1等)してきた。このシート状吸収体を用いた製品の販売も好調なため、高速で連続生産できる効率的な製造方法を開発する必要があった。
【0003】
現在では、シート状吸収体を構成するいずれか一方の不織布Aの連続体にホットメルト接着剤を塗布した後、接着剤層の上から吸水性樹脂粉末を散布し、ホットメルト接着剤を塗布しておいた別の不織布Bの連続体を重ねて、両者を圧着する製法を採用している。しかし、200〜300m/minレベルでの高速運転時には、上から散布された吸水性樹脂粉末が不織布表面に到着した後に、再び浮き上がる(バウンドする)ことがあり、必要箇所以外(接着剤層の両側等)に粉末が散布されてロスとなったり、装置外へ落下した吸水性樹脂粉末が粉塵の元になる等の不都合があった。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第01/89439号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、吸水性樹脂粉末を不織布で挟んだ構成のシート状吸収体を、効率よく、かつ吸水性樹脂粉末の飛散等のトラブルなく製造できる方法および装置の提供を課題として掲げた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体の製造方法であって、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布すると共に、第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布した後、
前記第1不織布シート連続体の第1ホットメルト接着剤層と、前記第2不織布シート連続体の第2ホットメルト接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給すると共に、第1ホットメルト接着剤層と第2ホットメルト接着剤層との間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を第1ホットメルト接着剤層表面および第2ホットメルト接着剤層表面に付着させ、
上記静電場の下流において、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着するところに要旨を有する。
【0007】
第1電極板を第1不織布シート連続体の外側に、第2電極板を第2不織布シート連続体の外側にそれぞれ配設し、両電極板間に直流高電圧を印加して静電場を形成すること、吸水性樹脂粉末を、空気流によって静電場内へ供給することは、いずれも上記製法における好ましい実施態様である。
【0008】
第2の発明は、第1不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布する第1ホットメルト接着剤塗布手段と、
第2不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する第2ホットメルト接着剤塗布手段と、
静電場形成手段と、
静電場へ吸水性樹脂粉末を供給する吸水性樹脂粉末供給手段と、
第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とを圧着するための圧着ロールとを備えるシート状吸収体の製造装置である。
【0009】
第3の発明は、第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体が、肌面側シートと外側シートの間に装填されてなる使い捨て吸収性物品の製造方法であって、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布すると共に、第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する工程、
前記第1不織布シート連続体の第1ホットメルト接着剤層と、前記第2不織布シート連続体の第2ホットメルト接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給すると共に、第1ホットメルト接着剤層と第2ホットメルト接着剤層との間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を第1ホットメルト接着剤層表面および第2ホットメルト接着剤層表面に付着させる工程、
上記静電場の下流において、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着してシート状吸収体の連続体を得る工程、
このシート状吸収体の連続体を所定の大きさに切り離す工程、
肌面側シートと外側シートとでシート状吸収体を挟持固定する工程、
を有する使い捨て吸収性物品の製造方法である。
【0010】
第4の発明は、第1不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布する第1ホットメルト接着剤塗布手段と、
第2不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する第2ホットメルト接着剤塗布手段と、
静電場形成手段と、
静電場へ吸水性樹脂粉末を供給する吸水性樹脂粉末供給手段と、
第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とを圧着してシート状吸収体の連続体を得るための圧着ロールと、
シート状吸収体の連続体を所定の大きさに切り離す切断手段と、
肌面側シートと外側シートとでシート状吸収体を挟持固定するための圧着ロールと
を備える使い捨て吸収性物品の製造装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のシート状吸収体の製造方法を実施するための製造装置の側面図である。
【0012】
図1に示すように、製造装置M1は、ロールR1に巻かれた所定幅の第1不織布シートの連続体10をその長さ方向へ連続的に走行させる走行手段(R1の軸に連結された図示しない駆動手段(例えばサーボモータ等)あるいはR1の表面に接するように設けられた繰り出しベルト等と、後述する圧着ロール18とからなる)と、ガイドロール11と、この走行する第1不織布シート連続体10の上面に第1ホットメルト接着剤層S1を形成するための第1ホットメルト接着剤塗布手段12と、ロールR2に巻かれた所定幅の第2不織布シートの連続体13をその長さ方向へ連続的に走行させる走行手段(R2の軸に連結された図示しない駆動手段(例えばサーボモータ等)あるいはR2の表面に接するように設けられた繰り出しベルト等と、後述する圧着ロール18とからなる)と、ガイドローラ14と、この走行する第2不織布シート連続体13の上面に第2ホットメルト接着剤層S2を形成するための第2ホットメルト接着剤塗布手段15と、吸水性樹脂粉末供給手段16と、静電場17の形成手段としての第1電極板17aおよび第2電極板17bおよび高電圧発生装置17cと、圧着ロール18とを備えるものである。出来上がったシート状吸収体の連続体19は巻き取られ、ロールR3を形成する。
【0013】
この製造装置M1により、本発明の製造方法を実施するに当たっては、ロールR1から第1不織布シートの連続体10を繰り出して、第1不織布シート連続体10をその長さ方向へ連続的に走行させながら、第1ホットメルト接着剤塗布手段12によって、第1不織布シート連続体10の上面にホットメルト接着剤を連続的に塗布し、第1ホットメルト接着剤層S1を形成する。一方で、ロールR2から第2不織布シートの連続体13を繰り出して、第2不織布シート連続体13をその長さ方向へ連続的に走行させながら、第2ホットメルト接着剤塗布手段15によって、第2不織布シート連続体13の上面にホットメルト接着剤を連続的に塗布し、第2ホットメルト接着剤層S2を形成する。
【0014】
続いて、第1不織布シート連続体10の第1ホットメルト接着剤層S1と、第2不織布シート連続体13の第2ホットメルト接着剤層S2とを向き合わせた状態で、第1不織布シート連続体10と第2不織布シート連続体13とを静電場17へ供給する。この静電場17には、吸水性樹脂粉末供給手段16から、吸水性樹脂粉末Pが連続的に供給される。そして、静電場17に入った吸水性樹脂粉末Pは、静電力によって誘電分極し、プラス電極(第1電極板17aまたは第2電極板17b)かマイナス電極(第2電極板17bまたは第1電極板17a)の方へ強く引き寄せられ、ホットメルト接着剤層S1、S2へ瞬時のうちに接着する。特にホットメルト接着剤層が網状体であれば、その空隙の内部にまで吸水性樹脂粉末Pが引き寄せられる。なお、高電圧発生装置17cにより第1電極板17aにプラス電圧を印加すれば、第1電極板17aがプラス電極に、第2電極板17bがマイナス電極となり、第1電極板17aにマイナス電圧を印加すればその逆となる。
【0015】
そして、静電場17の下流に設けられた圧着ロール18により、第1不織布シート連続体10と第2不織布シート連続体13とが、ホットメルト接着剤層S1とS2によって吸水性樹脂粉末Pを介した状態で強固に接着されて、シート状吸収体の連続体19となる。図例では、シート状吸収体の連続体19はロール状に巻き取られてロールR3を形成する。
【0016】
第1不織布シートの連続体10、第2不織布シートの連続体13としては、液透過性の不織布が好適であり、不織布を構成する繊維の種類としては、レーヨン等の再生繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル等の合成繊維;絹、パルプ(セルロース)等の天然繊維等が好ましく用いられる。芯鞘タイプやサイドバイサイド等の複合繊維を用いてもよい。ポリオレフィン等の疎水性繊維に対しては、公知の親水化処理(不織布化後でもよい)を行うことが推奨される。繊維の繊度は特に限定されず、一般的な1.5〜4dtex(デシテックス)のものでよく、拡散性向上のために、1dtex以下の極細繊維や、6dtex以上の極太繊維を配合してもよい。
【0017】
上記不織布は、公知の乾式法、湿式法いずれの製法で製造されたものも採用可能である。不織布の目付としては、10〜80g/m2が好ましい。10g/m2より小さいと強度不足となり易く、80g/m2を超えると通気性が次第に劣るものとなるため、好ましくない。また、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)、SMMS等の予め積層された複合不織布を用いることも可能である。
【0018】
第1ホットメルト接着剤塗布手段12と、第2ホットメルト接着剤塗布手段15には、シート連続体に塗工機のヘッドを直接接触させて塗工するタイプの各種塗工機や、ビード塗工機、カーテンスプレー塗工機、スパイラル塗工機のような非接触型塗工機が用いられる。中でも好ましいものは、細い繊維状にホットメルト接着剤を吐出するカーテンスプレー塗工機と、線状に吐出された接着剤にエアー回転流を付与してスパイラル状の軌跡を描かせるスパイラル塗工機である。これらにより形成されるホットメルト接着剤層は、ホットメルト接着剤が不織布シートの全面に塗工されず、繊維状または線状の接着剤同士が間隙を有して付着した網状体となるので、シート状吸収体の通気性、吸水性を阻害しない。最も好ましいのは、第1ホットメルト接着剤塗布手段12をスパイラル塗工機とし、第2ホットメルト接着剤塗布手段15をカーテンスプレー塗工機とする構成(あるいはこの逆でもよい)である。スパイラル塗工機で塗工された接着剤層は、カーテンスプレー塗工機で塗工された接着剤層よりも、粗な網状体となり通水性に優れているため、この面を着用者側に配した使い捨て吸収性物品を製造することができる。
【0019】
ホットメルト接着剤としては、第1および第2のホットメルト接着剤とも同種または異種のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。生産性の点からは、60〜180℃程度で溶融するものが好ましく、SIS、SIBS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー;エチレン・酢酸ビニル系コポリマー;ポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン系等のエラストマー類;ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリイソプレン、天然ゴム等のゴム類等が好ましく用いられる。吸液後に膨潤した吸水性樹脂粒子を確実に固定することができ、膨潤による膨大化に追随し得る伸び易さを有するものが好ましく、この点で、スチレン系エラストマーや、ゴム類が好ましい。付着量は、第1ホットメルト接着剤層S1、第2ホットメルト接着剤層S2のいずれにおいても1〜20g/m2が好ましい。
【0020】
吸水性樹脂粉末供給手段16は、ホッパ部16aと導入部16bとから構成されており、空気流によって吸水性樹脂粉末Pを導入部16bから静電場17内へと供給するように構成されている。なお、導入部16bからの空気流によって、第1不織布シートの連続体10と第2不織布シートの連続体13の走行が乱れないように、これらの走行のためのコンベアベルトをシート連続体10,13の反対側から吸引しておくことが望ましい。
【0021】
吸水性樹脂粉末Pとしては、自重の400〜800倍程度の吸水性がある当該分野で公知の樹脂粉末がいずれも使用でき、具体的には、ポリアクリル酸塩系、澱粉・アクリロニトリル系、セルロース系等公知の吸水性樹脂を用いることができる。吸液速度が速いものが好ましく、平均粒径100〜1000μmの範囲が好ましい。また、吸水性樹脂粉末Pの付着量は、100〜250g/m2が好ましい。充分な吸水量を確保でき、第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2とで着実に保持固定が可能な範囲だからである。
【0022】
静電場17における第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2との最大距離は、静電場17に印加された電圧の強度によって適宜設定すればよい。印加電圧は+(または−)10〜100kVが好ましく、第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2との距離は最大で3cmが好ましい。なお、第1不織布シートの連続体10と、第2不織布シートの連続体13は、50〜300m/minで高速走行させることが生産性の点からは望ましい。
【0023】
第1ホットメルト接着剤層S1と第2ホットメルト接着剤層S2との距離は、圧着ロール18へ向かって徐々に狭くすることが望ましいため、静電場17の形成のための第1電極板17a、第2電極板17bもその間隔を徐々に狭くするように配置することが望ましい。図例では、第1不織布シートの連続体10を前下がりに、第2不織布シートの連続体13を水平に走行させており、各シートの連続体10,13の外側にこれらのシートの連続体と略平行に第1電極板17aと第2電極板17bを配設している。図例に限られず、第1不織布シートの連続体10を前下がりのまま、または水平に走行させて、第2不織布シートの連続体13を前上がりに走行させてもよい。そして、第1電極板17aと第2電極板17bはこれらのシート連続体10,13とそれぞれ平行に配設するか、シート連続体10、13の走行状態とは無関係に電極板17a・bが平行になるように設置してもよい。
【0024】
本発明の製造方法・製造装置により得られたシート状吸収体の連続体19は、図1に示したようにロール状に巻き取ってストックすることができる。また、シート状吸収体を備える使い捨て吸収性物品の製造ラインへ、シート状吸収体の製造装置をインラインで組み込むことも可能である。
【0025】
図2には、本発明の使い捨て吸収性物品の製造方法を実施するための製造装置M2の主要部の側面図を示した。M1部は、前記した図1に示したシート状吸収体の連続体19の製造部分であり、詳細は前記したとおりである。
【0026】
この製造装置M2は、M1部以外に、解繊パルプ搬送手段20、内側からの吸引機能を備えたパターンドラム21、繊維集合層用裏面シート22のロールR4、第3ホットメルト接着剤塗布手段23、吸収体圧接ロール25、マットカッター上刃27aとアンビル27bとからなる切断手段27、切断された吸収体を受け取るコンベアベルト29、外側シート30のロールR5、肌面側シート31のロールR6、圧着ロール32を備えている。
【0027】
この装置M2は、シート状吸収体の下側に繊維集合層を有する使い捨ておむつを製造できるように構成されている。なお、シート状吸収体は、第1不織布シート側が着用者側となるように走行されている。
【0028】
装置M2では、まず、搬送手段20により空気流で搬送されてきた解繊パルプ繊維Fを、吸引機能を備えたパターンドラム21上へ堆積させて、所定幅の繊維集合体を作りながら、繊維集合層用裏面シート22をロールR4から繰り出して(繰り出し・走行手段は図示しないが、装置M1の場合と同様の構成でよい)、第3ホットメルト接着剤塗布手段32によって適宜ホットメルト接着剤層S3を形成した上へ、パターンドラム21から吸引を解除して繊維の集合体を載せて、繊維集合層の連続体24を形成する。
【0029】
そして、この繊維集合層の連続体24と、M1部によって形成されたシート状吸収体の連続体19とを図示しないホットメルト接着剤で接着して、吸収体圧接ロール25を通過させることで繊維集合層の連続体24とシート状吸収体の連続体19を一体化し、切断手段27で個々の吸収体28へと切断する。切断された個々の吸収体28は、製品の大きさに合わせた所定の間隔で、コンベアベルト29に受け渡される。吸収体28は、さらに、ロールR5から繰り出されて走行する外側シート30の上に裁置され、R6から繰り出された肌面側シート31がその上に被せられ、圧着ロール32で一体化される。肌面側シート31、吸収体28、外側シート30の積層体は、その後、所定長さに切断され、個々の使い捨ておむつとなる。なお、肌面側シート31、吸収体28、外側シート30には、図示しないホットメルト接着剤塗布手段によって、適宜、接着剤が塗布されている。また、図示していないが、使い捨て吸収性物品において公知の種々の構成部材の取り付け手段および工程を加えることは、もちろん可能である。
【0030】
肌面側シート31としては、前記第1不織布シート連続体10と同様の素材が適しており、外側シート30としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムや、液不透過性かつ透湿性の開孔または無開孔プラスチックフィルム、あるいはこれらと不織布との積層体等が好ましい。
【0031】
上記図例では、シート状吸収体19の下側に繊維集合層24が重ねられた吸収体26を備えた使い捨ておむつについて、その製造装置・方法を説明したが、繊維集合層24を積層しなくてもよいし、シート状吸収体19、繊維集合層24をさらに積層してもよい。また、使い捨ておむつではなく、使い捨てパンツや、軽失禁用パッド等を製造する装置・方法に変更しても構わない。
【0032】
【発明の効果】
本発明では、吸水性樹脂粉末を供給する際に静電場を利用したので、一度に上下のシートへと吸水性樹脂粉末を接着させることができ、吸水性樹脂粉末の飛散等のトラブルを抑制し、効率よくシート状吸収体を製造することができるようになった。また、このシート状吸収体の製造ラインを使い捨て吸収性物品の製造ラインへインラインで組み込むことにより、薄型の使い捨て吸収性物品をコスト安に連続製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状吸収体の製造装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の使い捨て吸収性物品の製造装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 第1不織布シートの連続体
11 ガイドロール
12 第1ホットメルト接着剤塗布手段
13 第2不織布シートの連続体
14 ガイドロール
15 第2ホットメルト接着剤塗布手段
16 吸水性樹脂粉末供給手段
17 静電場
17a 第1電極板
17b 第2電極板
17c 高電圧発生装置
18 圧着ロール
19 シート状吸収体の連続体
P 吸水性樹脂粉末
S1 第1ホットメルト接着剤層
S2 第2ホットメルト接着剤層
M1 シート状吸収体製造装置
M2 使い捨て吸収性物品製造装置
21 パターンドラム
22 繊維集合層用裏面シート
24 繊維集合層
25 吸収体圧接ロール
26 吸収体の連続体
27 切断手段
28 吸収体(切断後)
30 外側シート
31 肌面側シート
Claims (6)
- 第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体の製造方法であって、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布すると共に、第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布した後、
前記第1不織布シート連続体の第1ホットメルト接着剤層と、前記第2不織布シート連続体の第2ホットメルト接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給すると共に、第1ホットメルト接着剤層と第2ホットメルト接着剤層との間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を第1ホットメルト接着剤層表面および第2ホットメルト接着剤層表面に付着させ、
上記静電場の下流において、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着することを特徴とするシート状吸収体の製造方法。 - 第1電極板を第1不織布シート連続体の外側に、第2電極板を第2不織布シート連続体の外側にそれぞれ配設し、両電極板間に直流高電圧を印加して静電場を形成するものである請求項1に記載のシート状吸収体の製造方法。
- 吸水性樹脂粉末を、空気流によって静電場内へ供給するものである請求項1または2に記載のシート状吸収体の製造方法。
- 第1不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布する第1ホットメルト接着剤塗布手段と、
第2不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する第2ホットメルト接着剤塗布手段と、
静電場形成手段と、
静電場へ吸水性樹脂粉末を供給する吸水性樹脂粉末供給手段と、
第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とを圧着するための圧着ロールと
を備えることを特徴とするシート状吸収体の製造装置。 - 第1不織布シートと第2不織布シートとの間に高吸水性樹脂粉末が接着固定されてなるシート状吸収体が、肌面側シートと外側シートの間に装填されてなる使い捨て吸収性物品の製造方法であって、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布すると共に、第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する工程、
前記第1不織布シート連続体の第1ホットメルト接着剤層と、前記第2不織布シート連続体の第2ホットメルト接着剤層とを相対向させた状態で静電場内へ供給すると共に、第1ホットメルト接着剤層と第2ホットメルト接着剤層との間隙に吸水性樹脂粉末を供給することにより、吸水性樹脂粉末を第1ホットメルト接着剤層表面および第2ホットメルト接着剤層表面に付着させる工程、
上記静電場の下流において、第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とをロールで圧着してシート状吸収体の連続体を得る工程、
このシート状吸収体の連続体を所定の大きさに切り離す工程、
肌面側シートと外側シートとでシート状吸収体を挟持固定する工程、
を有することを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。 - 第1不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第1不織布シート連続体の片面に第1ホットメルト接着剤を塗布する第1ホットメルト接着剤塗布手段と、
第2不織布シート連続体を長さ方向へ連続的に走行させる走行手段と、
第2不織布シート連続体の片面に第2ホットメルト接着剤を塗布する第2ホットメルト接着剤塗布手段と、
静電場形成手段と、
静電場へ吸水性樹脂粉末を供給する吸水性樹脂粉末供給手段と、
第1不織布シート連続体と第2不織布シート連続体とを圧着してシート状吸収体の連続体を得るための圧着ロールと、
シート状吸収体の連続体を所定の大きさに切り離す切断手段と、
肌面側シートと外側シートとでシート状吸収体を挟持固定するための圧着ロールと
を備えることを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造装置。
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- 2003-05-29 JP JP2003153391A patent/JP2004351803A/ja not_active Withdrawn
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