JP2004351056A - 医用画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、複数の手法を用いて異常陰影候補の検出を行う場合、必要となる特徴量のみを算出して、効率良く短時間で異常陰影候補検出処理を行う。
【解決手段】画像処理装置10において、同一の画像データに対して精度の高い検出処理を行うため、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行う場合、アルゴリズムに基づいて算出された特徴量をデータ保存手段に保存するとともに、他のアルゴリズムに基づいて算出される特徴量が、データ保存手段に保存されている特徴量に重複する場合、重複する特徴量を共通データとして検出する。そして、共通データに基づいて重複する特徴量については、データ保存手段19から取得して、異常陰影候補の検出を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】画像処理装置10において、同一の画像データに対して精度の高い検出処理を行うため、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行う場合、アルゴリズムに基づいて算出された特徴量をデータ保存手段に保存するとともに、他のアルゴリズムに基づいて算出される特徴量が、データ保存手段に保存されている特徴量に重複する場合、重複する特徴量を共通データとして検出する。そして、共通データに基づいて重複する特徴量については、データ保存手段19から取得して、異常陰影候補の検出を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されており、読影医の負担軽減や異常陰影の見落とし減少を目的として、医用画像を画像処理することにより、異常陰影候補を自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという)が開発されている。このCADによれば、種々のアルゴリズムを用いて異常陰影の濃度分布の特徴や形態的な特徴を検出し、異常陰影候補を自動的に検出することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
例えば、マンモグラフィにより乳癌の所見を見つける場合では、種瘤陰影のようなある程度の大きさを持った陰影と、微小石灰化のように非常に小さい陰影を読影することになる。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上では、ガウス分布に近い、白っぽく丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マンモグラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0004】
このような腫瘤及び微小石灰化クラスタの陰影は、その形状や形態、辺縁の状態が異なるものが種々存在し、その特徴から良悪性が鑑別されるため、陰影の特徴は診断を行う読影医にとって非常に重要な情報である。
【0005】
腫瘤陰影の場合、その形状については、円形、楕円形、多角形、分葉形、不整形等に分類され、陰影の境界については、境界が明瞭な境界明瞭平滑、境界が不明瞭な境界不明瞭に分類される。また、陰影の辺縁については、陰影の境界から白い微細なスジがのびる微細分葉状、スピキュラと呼ばれる白いスジが陰影の中心部から放射状にのびるスピキュラ状等に分類される。
【0006】
微小石灰化クラスタの場合、石灰化の形態については、微細な円を描く微細円形石灰化、点を描く点状石灰化、薄く不明瞭な石灰化、多形性或いは不均一な石灰化、微細線状又は微細分枝状石灰化等に分類される。また、その分布形態として、瀰漫性又は散在性、分布の領域性、区域性、集簇性等に分類される。そこで、これら分類される特徴的形態に基づいて、種瘤陰影候補や微小石灰化陰影候補を検出するための技術が提案されている。
【0007】
以下、上述した腫瘤陰影及び微小石灰化クラスタ陰影を検出する手法について列挙する。腫瘤陰影の検出に適した手法としては、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することが可能である。
【0008】
・左右***を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した***領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
【0009】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に適した方法としては、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することができる。
【0010】
・***領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0011】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【特許文献2】
特開2000−311212号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した複数種類の手法においては、同一の画像に対して、それぞれのアルゴリズムに従って複数の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて異常陰影候補検出処理を行うが、複数のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出処理において、それぞれ用いられる特徴量を個々に算出して処理を行っていたため、処理に時間を要し、効率が悪いという問題があった。また、算出された演算結果を用いて、偽陽性候補を削除する際に、閾値を変更して再計算する場合も、同様に、演算自体からやり直すので、時間を要するものとなっていた。
【0013】
本発明の課題は、複数の手法を用いて異常陰影候補の検出を行う場合や、検出された異常陰影候補に対し、偽陽性候補削除処理をやり直す場合のように、再度処理を行う場合に、速やかに所望の結果を得ることができる医用画像処理装置及びプログラムを提供する。特に、複数のアルゴリズムに基づいて、異常陰影候補の検出を行う場合、必要となる特徴量のみ新たに算出し、他は既に演算済みの特徴量を使用することにより、効率良く短時間で異常陰影候補検出処理を行うことができるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
被写体を撮影した同一の医用画像から複数のアルゴリズムに基づいて各種特徴量を算出し、異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記各アルゴリズムで算出される演算結果から、複数のアルゴリズムにわたって共通使用可能な演算結果を検出する共通データ検出手段と、
前記共通データ検出手段により選別された演算結果を保存するデータ保存手段と、を備え
前記異常陰影候補検出手段は、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果の中から保存すべき演算結果を共通データ検出手段により検出させ、当該検出された演算結果を前記データ保存手段に保存させ、他のアルゴリズムに基づいて算出されるべき演算結果のうち、共通使用可能な演算結果が前記データ保存手段に保存されているか否かを判別し、共通使用可能な演算結果がデータ保存手段に保存されている場合、新規な算出を行わず、前記データ保存手段に保存されている演算結果を取得して、異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする。
【0015】
したがって、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補を検出する場合に、複数のアルゴリズムにおいて共通使用可能な演算結果については、先に算出した演算結果のデータをデータ保存手段に保存しておくことにより、データ保存手段に保存された演算結果を取得して、重複した演算を行うことなく、異常陰影候補の検出を行うことができる。これにより、重複する処理工程を省いて、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0016】
すなわち、演算時間を最短にするためには、余分な演算の省略と余分なデータの保存を行わないことである。余分な計算を省略することに関しては、同一医用画像に対して過去に異常陰影候補検出を行い、かつ前記演算結果が保存されている場合、共通データ検出手段にて共通データを検出することにより、余分な演算を行うことなく所望の演算結果を取得して、使用することが可能となる。また、余分なデータの保存を行わないことに関しては、ユーザの行う操作に応じたデータを保存することが可能である。例えば、既に異常陰影検出を行い、演算結果が保存されている医用画像に対して偽陽性削除処理の閾値のみを変化させて異常陰影候補検出を行う場合、特徴量データを読み込み偽陽性削除を行うのみでよい。この場合、データ保存量が少ないほど演算時間は短くなる。
【0017】
請求項2記載の発明は、
被写体を撮影した同一の医用画像から複数のアルゴリズムに基づいて各種演算を行い、演算結果に基づき異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記アルゴリズムに基づいて算出された演算結果を保存するデータ保存手段と、を備え、
前記異常陰影候補検出手段は、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果とが、共通使用可能か否かを判別する判別手段を備え、当該判別手段により、前記演算結果が共通使用可能と判別された場合、新規な算出を行わず、前記データ保存手段に保存されている演算結果を取得して、異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする。
【0018】
したがって、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果が共通使用可能である場合、データ保存手段に保存された演算結果を使用して異常陰影候補の検出を行うため、重複する演算の工程を省略して、効率良く異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の医用画像処理装置において、
前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記外部パラメータを保存し、前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果及び第1の外部パラメータに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の医用画像処理装置において、
前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1の外部パラメータ及び使用したアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、特徴量演算時に用いられる第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1の外部パラメータ及びアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする。
【0022】
請求項3から5記載の発明によれば、あるアルゴリズムを用いて演算結果を算出する際に、第1の外部パラメータ(変数)を使用する場合、演算結果を保存する場合には当該演算に使用した第1の外部パラメータと対で保存し、演算結果の共通使用可否を、当該第1の外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
被写体を撮影した医用画像に対して演算前処理を施すための第2の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果と共に第1及び第2の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1及び第2の外部パラメータ及び使用するアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるかを判別することを特徴とする。
【0024】
したがって、演算前処理で使用された第2の外部パラメータを、演算結果及び第1の外部パラメータと共に保存するため、演算結果の共通使用可否を、第1及び第2の外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0025】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の医用画像処理装置において、
前記異常陰影候補検出手段は、検出した異常陰影候補に対し、偽陽性候補を削除することを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の医用画像処理装置において、
前記異常陰影候補検出手段は、削除のための閾値となる第3の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であることを特徴とする。
【0027】
請求項7又は8記載の発明によれば、第3の外部パラメータを複数設定し、設定された複数の外部パラメータに応じて偽陽性候補の削除を行い、好適な処理結果を得ることができる。
【0028】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出の際に得られる特徴量であることを特徴とする。
【0029】
ここで、特徴量は、その候補が真の異常陰影候補なのか、他の構造物なのかを判別するために用いることが可能なデータである。例えば、偽陽性候補削除処理で閾値を設定し、閾値よりも上か下かで個々の情報を判別する。具体的には、円形度、方向特徴量、強度特徴量、悪性度等がある。
【0030】
したがって、特徴量の保存を行うことにより同一のアルゴリズムと外部パラメータにより得られた異常陰影候補検出結果に対し、偽陽性候補削除の為の閾値のみ変更して再処理する場合は、極めて短時間に結果を表示可能となる。また、アルゴリズムを変更した場合でも、共通データ判別手段により、既に演算済みの特徴量を流用するので、異常陰影の検出処理時間自体も短縮できる可能性がある。
【0031】
請求項10記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出の際に得られる正常構造情報であることを特徴とする。
【0032】
ここで、正常構造情報は、医用画像中の正常部位の領域や座標などを表す位置情報及び特徴量に含まれない各構造物固有の情報ので構成される。例えば、マンモグラフィ画像中でMLO画像中に存在している胸筋領域を検出し、胸筋領域と乳腺、脂肪領域の境界線の2次元的な座標をプロットしたデータが得られる。この座標データは胸筋領域を表すデータとして使用可能であり、同一の医用画像に対し再度、異常陰影候補検出を行う際に再利用できる可能性が高い。他に具体例としては***中の乳腺、乳頭位置、スキンライン情報等がある。
【0033】
請求項11記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補検出の際に得られる異常陰影候補構造情報であることを特徴とする。
【0034】
ここで、異常陰影候補構造情報は、演算中に医用画像中の異常陰影候補と考えられる構造物の領域や座標などを表す位置情報、特徴量に含まれない各構造物固有の情報により構成される。例えば、マンモグラフィー中に微小石灰化が存在する場合、一定の領域以内に数個以上の石灰化が存在しておりクラスタを形成していれば、石灰化クラスタとして検出され得るが、個数がこの条件に満たない場合には、クラスタとしては認識されない。つまり、異常陰影候補検出処理において、検出不可能な微細若しくは特殊な石灰化が存在しており、本来ならば検出されるべきだが、検出されないという状態が生じる場合がある。このような場合、上記石灰化を次点候補としてデータ保存することによって、ユーザが異常陰影候補が存在するか確認したい領域に対して次点候補の表示を行うことは有用である。他に具体例としては、乳腺の構築の乱れ(ディストーション)等がある。
【0035】
したがって、請求項10又は11記載の発明によれば、正常構造情報、又は異常陰影候補構造情報を保存することにより、アルゴリズムを変更しても、アルゴリズムが共通かつ外部パラメータの値が共通である場合には、演算に各データを使用することで、異常陰影候補検出処理に費やす時間を短縮することが可能となる。
【0036】
請求項12記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、異常陰影候補検出の際に得られる特徴量及び/又は正常構造情報及び/又は異常陰影候補構造情報であることを特徴とする。
【0037】
したがって、上記請求項5から7の何れか一項に記載の発明の効果を併せ持った効果を期待でき、次にどのような処理を行うか判らない場合についても演算時間を短縮する効果がある。
【0038】
請求項13記載の発明は、請求項1から7記載記載の医用画像処理装置において、
前記医用画像がマンモグラフィであることを特徴とする。
【0039】
請求項14記載の発明は、
被写体を撮影した医用画像に処理を行い各種特徴量を算出し、異常陰影候補を検出し、検出した異常陰影候補から偽陽性候補を削除する異常陰影候補検出手段を備える医用画像処理装置であって、
前記異常陰影候補検出手段により算出された各種特徴量を保存するデータ保存手段を備え、
前記異常陰影候補検出手段は、偽陽性候補を削除するための閾値を変更可能に設定し、設定された閾値に応じて偽陽性候補を削除する場合に、前記データ保存手段に保存された各種特徴量を取得し、当該各種特徴量に基づいて偽陽性候補を削除することを特徴とする。
【0040】
したがって、算出された各種特徴量を保存し、保存した特徴量を再利用することにより、複数の閾値に基づいて偽陽性候補を削除する処理を行うことができ、重複した演算を行うことなく、効率良く短時間で処理を行うことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
なお、本実施の形態では、患者の***を撮影したマンモグラフィから異常陰影候補を検出する例を説明するが、検出対象はこれに限らず、胸部や腹部等の他の部位を撮影し、その画像から各部位に応じた異常陰影候補を検出することとしてもよい。また、本実施の形態においては、異常陰影候補検出手段により算出される演算結果が特徴量である場合を例として説明を行うが、演算結果はこれに限らず、正常構造情報、異常陰影候補構造情報であってもよい。
【0042】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理装置10は、画像データ入力手段11、画像データ記憶手段12、画像処理手段13、アルゴリズム記憶手段14、指定手段15、アルゴリズム選択手段16、共通データ検出手段17、異常陰影候補検出手段18、データ保存手段19、画像出力制御手段20、表示手段21等を備えて構成される。
【0043】
画像データ入力手段11は、例えば、レーザデジタイザ等であり、患者を撮影した医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理装置10へ入力する。
【0044】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0045】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理装置10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0046】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0047】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ等の光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0048】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0049】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理装置10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0050】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0051】
画像データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、画像データ入力手段11により入力された医用画像データを記憶する。このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0052】
画像処理手段13は、画像データ記憶手段12から入力された医用画像データに各種画像処理を施して画像出力制御手段20に出力する。各種画像処理には、画像コントラストを調整する階調処理、コントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整する周波数強調処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
【0053】
アルゴリズム記憶手段14は、例えば、ハードディスク装置が用いられ、異常陰影候補検出のための複数のアルゴリズムを記憶する。指定手段15は、異常陰影候補検出処理に用いるアルゴリズムの指定、患者の症例情報を入力指定する。この指定手段15は、異常陰影候補検出処理に用いるアルゴリズム種の入力手段15A、異常陰影候補検出処理に使用する外部パラメータ値の入力手段15Bの他に、患者の症例情報等のその他の入力手段15Cを有しても良い。なお、新規演算時や再演算時の入力に際しては、キーボードより直接入力する方式や、表示手段21に表示させたアルゴリズム種や外部パラメータ値から、マウス等で適宜選択する方式等が採用可能である。
【0054】
アルゴリズム選択手段16は、指定手段15により指定されたアルゴリズムを選択し、又は指定手段15により入力された患者の症例情報に基づいて、最適なアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムをアルゴリズム記憶手段14から読み出して、異常陰影候補検出手段18に出力する。ここで、アルゴリズム選択手段16は、異常陰影の種類に応じて最適な異常陰影候補を検出するため、複数のアルゴリズムを選択することが好ましい。また、アルゴリズム選択手段16は、選択したアルゴリズムをアルゴリズム記憶手段14から読み出して、共通データ検出手段17に出力する。
【0055】
共通データ検出手段17は、アルゴリズム選択手段16から与えられるアルゴリズムにより算出される演算結果と、データ保存手段19に保存されている演算結果に基づいて、与えられた複数のアルゴリズムの中から、演算結果が重複するものを共通データとして検出し、共通データを異常陰影候補検出手段18に出力する。ここで重複する演算結果は、少なくとも2つあればよいが、3以上の演算結果が重複する場合であってもよい。
【0056】
異常陰影候補検出手段18は、アルゴリズム選択手段16から与えられる複数のアルゴリズムに従って、画像データ記憶手段12から読み出した画像データの画像解析を行うことにより、各種演算結果を算出し、算出した演算結果に基づいて異常陰影候補と思われる画像領域を検出する。ここで、演算結果は、選択したアルゴリズムを用いた異常陰影候補検出のための演算中で行われている計算の結果であり、演算結果には、特徴量、正常構造情報、異常陰影候補構造情報が含まれる。
【0057】
特徴量は、その候補が真の異常陰影候補なのか、他の構造物なのかを判別するために用いることが可能なデータである。正常構造情報は、医用画像中の正常部位の領域や座標などを表す位置情報、特徴量には含まれない各構造物固有の情報を含んでいる。異常陰影候補構造情報は、医用画像中の異常部位の領域や座標などを表す位置情報、特徴量に含まれない各構造物固有の情報を含んでいる。なお、本実施の形態においては、演算結果が特徴量である場合を例として説明を行う。以下、図2〜図3を参照して、異常陰影候補検出処理が実行される場合に用いられるアルゴリズム及びアルゴリズムに基づいて算出される特徴量について説明する。
【0058】
図2に示すように、例えば、異常陰影候補検出手段18は、選択されたアルゴリズムA〜アルゴリズムDを用いて異常陰影候補の検出を行う。アルゴリズムAは、スピュキュラ状の種瘤陰影の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムAにより算出される特徴量のデータとして、例えば、円形度、候補領域或内の方向成分の集中度、候補辺縁付近のフラクタル次元、候補中心部から放射状に伸びる線上成分の本数等がある。
【0059】
また、アルゴリズムBは、境界明瞭の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムBにより算出される特徴量のデータとして、例えば、候補領域辺縁付近の平均エッジ速度、候補領域或のコントラスト、候補領域の乳腺含有量等がある。アルゴリズムCは、分葉状の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムCにより算出される特徴量のデータとして、例えば、円形度、濃度勾配の方向成分の集中度、標準偏差等がある。さらに、アルゴリズムDは、不整形の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムDにより算出される特徴量のデータとして、例えば、円形度、曲率の平均、標準偏差等がある。
【0060】
また、異常陰影候補検出手段18は、算出した各種特徴量を後述するデータ保存手段19に保存する。異常陰影検出手段18は、共通データに基づいて各アルゴリズムにより算出される特徴量が重複した場合、重複する特徴量については、特徴量の演算を行わず、データ保存手段19から取得する。すなわち、図2においては、アルゴリズムAにより算出される円形度、濃度勾配の方向成分の集中度について、アルゴリズムC,Dにより算出される特徴量と重複するため、アルゴリズムC,Dが実行される場合、対応する特徴量の算出は行われず、データ保存手段19から特徴量が取得される。また、アルゴリズムCにより算出される標準偏差については、アルゴリズムDにより算出される特徴量と重複するため、アルゴリズムDが実行される場合、対応する特徴量の算出は行われず、データ保存手段19から特徴量が取得される。
【0061】
図2において、実際に各アルゴリズムに対応して算出される特徴量の種類を下段に示す。アルゴリズムAにおいては、円形度、候補領域或内の標準偏差、濃度勾配の方向成分の集中度、候補辺縁付近のフラクタル次元、候補中心部から放射状に伸びる線状成分の本数が算出され、データ保存手段19に保存される。また、アルゴリズムBにおいては、候補領域辺縁付近の平均エッジ強度、候補領域或のコントラスト、候補領域の乳腺含有量が算出され、データ保存手段19に保存される。また、アルゴリズムCにおいて、円形度及び濃度勾配の方向成分の集中度については算出されず、標準偏差のみが算出され、データ保存手段19に保存される。さらに、アルゴリズムDにおいて、円形度、標準偏差については算出されず、曲率の平均のみが算出され、データ保存手段19に保存される。
【0062】
以上のように、同一の画像データから、同じ種類の特徴量が算出される場合、特徴量のデータは、同一データとなるため、異常陰影候補検出手段18は、算出した特徴量のデータを後述するデータ保存手段19に保存させるとともに、共通データ手段17から入力される共通データに従って、他のアルゴリズムにより算出すべき特徴量のデータをデータ保存手段19から取得して、算出すべき特徴量の演算を省略する。これにより、異常陰影候補検出処理における工程を省略して、速やかに算出結果を出力し、異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0063】
また、同一の画像データから同一のアルゴリズムを用いて特徴量を算出する場合、計算中で使用する定数値及び閾値(本明細書中、「外部パラメータ」と記す)が同一であれば、算出される特徴量は同一となる。一方で、同一のアルゴリズムを用いて特徴量を算出する場合であっても、計算中で使用する外部パラメータが異なる場合、算出される特徴量は異なるデータとなる。
【0064】
例えば、図3に示すように、アルゴリズムAにより算出された「円形度」が外部パラメータ「A」を用いて算出されている場合、図2に示すアルゴリズムCより算出される「円形度」は、同一の外部パラメータ「A」を用いて算出される場合にのみ、重複する特徴量としてアルゴリズムAにより算出された「円形度」を演算結果に使用することができる。同様に、図3において、アルゴリズムAにより算出された「温度勾配の方向成分」が外部パラメータ「B」を用いて算出されている場合、図2に示すアルゴリズムCにより算出される「温度勾配の方向成分」は外部パラメータが「B」である場合のみ、アルゴリズムAより算出された「温度勾配の方向成分」を重複する特徴量として共通使用することができる。
【0065】
しかしながら、図3において、アルゴリズムCにより算出された「標準偏差」が外部パラメータ「E*D」を用いて算出されていた場合に、図2に示すアルゴリズムDにより算出される「標準偏差」が外部パラメータ「E」を用いて算出すべきである場合、両者の「標準偏差」は異なる特徴量となるため、アルゴリズムDを用いて新たに算出する必要がある。ここでは、各アルゴリズムで特徴量算出の為の外部パラメータ数(2個の変数設定に対し、1個の変数設定)が異なれば、当然のごとく共通使用は不可となる。複数の外部パラメータ存在時は全てが一致して初めて共通使用可能となる。
【0066】
さらに、上述した外部パラメータは、アルゴリズム用いて特徴量を算出する場合に計算中で使用されるだけでなく、アルゴリズム処理前に外部パラメータが使用されることもある。例えば、同一の画像データから同一のアルゴリズムを用いてヒストグラムを作成する場合、ヒストグラムの作成対象となる領域を異なる外部パラメータを用いて領域指定する場合などである。
【0067】
図4は、同一のアルゴリズムAを用いて特徴量を算出する場合に、アルゴリズム処理前に異なる外部パラメータが使用されることにより、異なった特徴量が算出される例を示す。図4(a)に示すように、生画像データからヒストグラム作成用の領域A×Bを指定し、アルゴリズムAを用いてヒストグラムの作成を行い、ヒストグラムの高い方から70%の信号値を算出する。この場合に得られた信号値を特徴量αとする。一方、図4(b)に示すように、生画像データからヒストグラム作成用の領域C×Dを指定し、アルゴリズムAによりヒストグラムの作成を行い、ヒストグラムの高い方から70%の信号値を算出する。この場合に得られた信号値を特徴量βとする。
【0068】
したがって、図4に示すように、同一のアルゴリズムAを用いて、ヒストグラムの作成を行った場合であっても、ヒストグラムから得られる信号値は異なる特徴量となる。そこで、異常陰影候補検出手段18は、同一のアルゴリズムを用いた場合でも、外部パラメータが異なる場合は、特徴量が異なると判断して、同一のアルゴリズムを用いた演算を行い、それぞれの特徴量を算出する。すなわち、異常陰影候補検出手段18は、同一のアルゴリズム、同一の外部パラメータを用いて特徴量の演算を行う場合、共通データ手段17から入力される共通データに従って、算出すべき特徴量のデータをデータ保存手段19から取得して、特徴量の演算を省略する。
【0069】
データ保存手段19は、例えば、ハードディスク装置が用いられ、異常陰影候補検出手段18により算出された演算結果のデータを保存する。また、データ保存手段19は、算出された演算結果に外部パラメータが用いられている場合、演算結果とともに外部パラメータを保存する。さらに、データ保存手段19は、共通データ検出手段17により共通データとして検出された演算結果(外部パラメータがある場合、外部パラメータも含む)のデータを異常陰影検出手段18に出力する。
【0070】
画像出力制御手段20は、表示手段21に医用画像データを出力する際の制御を行う。画像出力制御手段20は、画像処理手段13から入力された処理画像データを表示手段21に出力する際に、異常陰影候補記憶手段(図示せず)に記憶されている異常陰影候補の情報を読み出し、この異常陰影候補の情報に基づいて、処理画像データにおける異常陰影候補の画像領域を矢印でマークする、色を変える等して、異常陰影候補の画像領域を識別可能に出力させる。
【0071】
表示手段21は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等からなる表示手段が適用され、画像出力制御手段20から入力された医用画像データを表示出力する。表示手段としては、医用画像専用の精細高輝度のCRT、LCDが好ましい。
【0072】
なお、医用画像処理装置10に、紙などの記録媒体へ記録を行うプリンタや、フィルムへの記録を行う露光装置等を備え、これらの出力手段により医用画像データを出力する構成であってもよい。
【0073】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
本実施例では、被写体を撮影した生データ(raw date)に対し前処理を施す場合を想定し、このときに使用するパラメータを外部パラメータ▲1▼と呼称する。この前処理に相当する例としては、被写体撮影領域に対し感心領域を設定するための2方向指定(X・Y座標指定)等がある。また、前処理されたデータを用いて、1又は複数のアルゴリズムに基づいて処理を行う。これらのアルゴリズム下での処理時に使用されるパラメータを外部パラメータ▲2▼と称呼する。さらに、偽陽性候補削除時に用いられる閾値を外部パラメータ▲3▼と称呼する。この外部パラメータ▲3▼は、先に行われる前処理、アルゴリズムには依存しないパラメータであり、偽陽性候補の削除を行うための閾値である。
【0074】
以下、異常陰影候補検出処理について詳細に説明する。図5は、本実施の形態における異常陰影候補検出処理を示すフローチャートである。図5に示すように、画像データ入力手段11から放射線画像の画像データが入力されると(ステップS1)、異常陰影候補検出手段18により、外部パラメータ▲1▼が設定されたか否かが判別される(ステップS2)。ここで、外部パラメータ▲1▼は、アルゴリズム処理の行われる前に、設定される外部パラメータであり、例えば、上述した画像データの領域指定に用いられるパラメータである。続いて、外部パラメータ▲1▼が設定された場合(ステップS2;YES)、異常陰影候補検出手段18により、データ保存手段19に同一の外部パラメータ▲1▼を用いて算出された特徴量が保存されているか否かが判別される(ステップS3)。
【0075】
データ保存手段19に同一の外部パラメータ▲1▼を用いて算出された特徴量が保存されていない場合(ステップS3;NO)、異常陰影候補検出手段18により、外部パラメータ▲1▼が設定され、外部パラメータ▲1▼を用いた処理が行われる。また、アルゴリズム選択手段により、アルゴリズムが選択され、異常陰影候補検出手段18により、設定されたアルゴリズムに基づいて新規な特徴量が算出され(ステップS21)、算出された特徴量はデータ保存手段19に外部パラメータ▲1▼とともに保存される(ステップS24)。
【0076】
一方、データ保存手段19に同一の外部パラメータ▲1▼を用いて算出された特徴量が保存されている場合(ステップS3;YES)、アルゴリズム選択手段16により、画像データに適したアルゴリズムが選択され(ステップS4)、選択されたアルゴリズムのうち一のアルゴリズムがアルゴリズム記憶手段14から取得されて、設定される(ステップS5)。さらに、異常陰影候補検出手段により、設定されたアルゴリズムが取得され、算出すべき特徴量が決定される(ステップS6)。
【0077】
続いて、共通データ検出手段17により、データ保存手段19に保存されている特徴量の中から、当該アルゴリズムにて算出されるべき特徴量と共通して使用可能となる特徴量が検出される(ステップS7)。ここで、共通使用可能な特徴量がデータ保存手段に保存されている場合(ステップS7;YES)、共通データ検出手段により、共通使用可能なm個の特徴量がデータ保存手段から取得され、異常陰影候補検出手段18に出力される(ステップS8)。また、共通使用可能な特徴量がデータ保存手段に保存されていない場合(ステップS7;NO)、異常陰影候補検出手段により、新規に特徴量の算出が行われ(ステップS22)、算出された特徴量はデータ保存手段19に外部パラメータと共に保存される(ステップS24)。
【0078】
ステップS9に戻り、異常陰影候補検出手段18により、特徴量の算出時に外部パラメータ▲2▼が設定されたか否かが判別される(ステップS9)。ここで、外部パラメータ▲2▼は、選択されたアルゴリズム用いて特徴量を算出する場合に計算中で使用される外部パラメータである。外部パラメータ▲2▼が設定された場合(ステップS9;YES)、異常陰影候補検出手段18により、取得された特徴量に設定されている外部パラメータ値と設定された外部パラメータ▲2▼が同一であるか否かが判別される(ステップS10)。
【0079】
外部パラメータ▲2▼が同一でない場合(ステップS10;NO)、異常陰影候補検出手段により、設定された外部パラメータ▲2▼を用いて新規に特徴量が算出される(ステップS23)。そして、算出された特徴量は外部パラメータ▲2▼とともにデータ保存手19に保存される(ステップS24)。また、外部パラメータ▲2▼が同一である場合(ステップS10;YES)、データ保存手段から取得された特徴量が共通使用される(ステップS11)。
【0080】
続いて、次の特徴量を算出するか否かが判別され、次の特徴量を算出する場合(ステップS11;YES)、ステップS9に移行して、ステップS9〜S11の処理を繰り返して実行する。また、特徴量の算出が終了した場合(ステップS12;YES)、異常陰影候補検出手段18により、共通使用による特徴量又は新規に算出された特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出が行われる(ステップS14)。
【0081】
異常陰影候補の検出が終了すると、異常陰影候補検出手段18により、他のアルゴリズムを設定し、異なるアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行うか否かが判断される(ステップS14)。他のアルゴリズムを設定して、異常陰影候補の検出を行う場合(ステップS14;YES)、ステップS2に移行して、上述した処理を繰り返して実行する。
【0082】
一方、他のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行わないと判断された場合(ステップS14;NO)、すなわち、アルゴリズム選択手段16により選択された全てのアルゴリズムについて、異常陰影候補の検出が終了した場合、異常陰影候補検出手段18により、検出された異常陰影候補のうち偽陽性であると判断される異常陰影候補を削除する偽陽性候補削除処理が行われる(ステップS15)。
【0083】
ここで、異常陰影候補検出手段18により、偽陽性候補削除処理を行うため、外部パラメータ▲3▼が設定されたか否かが判別される(ステップS16)。外部パラメータ▲3▼が設定された場合(ステップS16;YES)、異常陰影候補検出手段18により、設定された外部パラメータ▲3▼に基づいて偽陽性候補削除処理が行われ、検出結果が算出される(ステップS17)。
【0084】
一方、外部パラメータが設定されない場合(ステップS16:NO)、異常陰影候補検出手段18により、予め設定されている閾値(デフォルト値)により偽陽性候補削除処理が行われ、検出結果が算出される(ステップS18)。算出された検出結果は、画像出力制御手段20に出力され、表示手段21に表示される(ステップS19)。
【0085】
続いて、異常陰影候補検出処理を終了する指示が入力されたか否かが判別され(ステップS20)、異常陰影候補検出処理を終了する指示が入力された場合(ステップS20;YES)、本異常陰影候補検出処理を終了する。また、再度処理を行う場合(ステップS20;NO)、ステップS1に移行して、上述した処理を繰り返して実行する。
【0086】
なお、上述したフローチャートにおいて行われる前処理は、アルゴリズムに拠らない場合を例として説明を行ったが、各アルゴリズム下で前処理的なデータ処理を行う場合もある。この場合、上述したフローチャートにおいては、前処理において、先にアルゴリズムが選択され(ステップS4)、アルゴリズムが設定された後に(ステップS5)、外部パラメータを設定し(ステップS2)、設定された外部パラメータ▲1▼の同一性を判別する(ステップS3)構成であっても良い。
【0087】
また、上述したフローチャートにおいては、前処理で設定される外部パラメータ▲1▼の同一性を各処理毎に判別する構成として説明を行ったが、これに限らず、例えば、同一の患者の画像データについて、連続して処理を施す場合、設定される外部パラメータ▲1▼は同一である場合が殆どであるため、ユーザの設定等により、外部パラメータ▲1▼の同一性を判別することなく処理を行う構成であっても良い。すなわち、ステップS3の処理工程を省略して、診断効率を向上させることができる。
【0088】
また、同一のアルゴリズム、同一の外部パラメータ▲1▼及び外部パラメータ▲2▼により演算された結果を用いて、複数の外部パラメータ▲3▼を設定し、偽陽性候補削除処理の閾値のみをそれぞれ変化させた検出結果を表示させることが可能となる。これにより、算出された演算結果を有効に利用して、複数の外部パラメータ▲3▼に基づいて偽陽性候補削除処理を行い、好適な検出結果を得ることができる。
【0089】
以上のように、本実施の形態によれば、同一の画像データに対して精度の高い検出処理を行うため、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行う場合、アルゴリズムに基づいて算出された特徴量をデータ保存手段に保存するとともに、他のアルゴリズムに基づいて算出される特徴量が、データ保存手段に保存されている特徴量に重複する場合、重複する特徴量を共通データとして検出する。そして、共通データに基づいて重複する特徴量については、データ保存手段19から取得して、異常陰影候補の検出を行うことにより、重複演算を繰り返すことなく、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0090】
また、一のアルゴリズムにより算出された特徴量と、他のアルゴリズムにより算出される特徴量の重複を共通データ検出手段により検出するため、特徴量の算出と独立して処理を行うことができ、処理効率が良い。さらに、データ保存手段に保存された特徴量に基づいて、他のアルゴリズムにより算出される特徴量が重複しているかを検出するため、特徴量の重複を容易に検出することができるとともに、重複する特徴量のデータをデータ保存手段から確実に取得することができる。
【0091】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像処理装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、異常陰影候補検出手段18により算出される特徴量は、上述した例に限らず、種々の特徴量を算出する場合に適用可能である。例えば、その他の特徴量として、医用画像信号のサイズ、ビット数、特定の変数値、ヒストグラムのデータ、強調処理をかけた画像データ等や、微小石灰化クラスタの陰影を検出する場合に算出される特徴量として、3重リングフィルタの方向、強度、コントラスト、サイズ、円形度、サイズとコントラストの比率、可変リングフィルタの方向、一定の領域内に存在する異常陰影候補数の標準偏差、一定領域内に存在する異常陰影候補のサイズの標準偏差等を含む構成であってもよい。
【0092】
また、種瘤陰影を検出する場合に算出される特徴量として、縦横比、最小幅、円形度、候補内部の平均コントラスト、候補中心部の平均コントラスト、重心を中心とした同心円上の画素値分布の標準偏差の平均、候補中心部のrounghnessの正成分及び負成分、乳頭位置を考慮して決定した一定方向の強度成分の割合、候補中心部のアンシャープマスクの画像の標準偏差、重心、2次モーメント、逆差分モーメント、エントロピー、差分統計量のモーメント等を含む構成であってもよい。
【0093】
或いは、異常陰影候補検出手段により算出される演算結果としては、特徴量に限らず、正常構造情報、異常陰影候補構造情報であってもよい。正常構造情報は、医用画像中の正常部位の領域や座標などを表す位置情報及び特徴量に含まれない各構造物固有の情報で構成される。例えば、マンモグラフィ画像中でMLO画像中に存在している胸筋領域を検出し、胸筋領域と乳腺、脂肪領域の境界線の2次元的な座標をプロットしたデータが得られる。この座標データは胸筋領域を表すデータとして使用可能であり、同一の医用画像に対し再度、異常陰影候補検出を行う際に再利用できる可能性が高い。他に具体例としては***中の乳腺、乳頭位置、スキンライン情報等がある。
【0094】
また、異常陰影候補構造情報は、演算中に医用画像中の異常陰影候補と考えられる構造物の領域や座標などを表す位置情報、特徴量に含まれない各構造物固有の情報により構成される。例えば、マンモグラフィ中に微小石灰化が存在する場合、一定の領域以内に数個以上の石灰化が存在しておりクラスタを形成していれば、石灰化クラスタとして検出され得るが、個数がこの条件に満たない場合には、クラスタとしては認識されない。つまり、異常陰影候補検出処理において、検出不可能な微細若しくは特殊な石灰化が存在しており、本来ならば検出されるべきだが、検出されないという状態が生じる場合がある。このような場合、上記石灰化を次点候補としてデータ保存することによって、異常陰影候補が存在するか確認したい領域に対して次点候補の表示を行うことは有用である。他に具体例としては、乳腺の構築の乱れ(ディストーション)等がある。
【0095】
したがって、正常構造情報、異常陰影候補構造情報をデータ保存手段に保存することにより、アルゴリズムを変更しても、アルゴリズムが共通かつ外部パラメータの値が共通である場合には、演算に各データを使用することで、異常陰影候補検出処理に費やす時間を短縮することが可能となる。
【0096】
さらに、本実施の形態においては、異常陰影候補検出手段18により算出された特徴量を全てデータ保存手段19に保存する構成として説明を行ったが、例えば、共通データ検出手段により、複数のアルゴリズムにより算出される特徴量を予め共通データとして検出させ、重複する特徴量のみをデータ保存手段19に保存させる構成であってもよい。これにより、データ保存手段19の記憶容量を有効に利用することができる。
【0097】
その他、本実施の形態における医用画像処理装置10の構成部分の細部構成、及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0098】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補を検出する場合に、複数のアルゴリズムにおいて共通使用可能な演算結果については、先に算出した演算結果のデータをデータ保存手段に保存しておくことにより、データ保存手段に保存された演算結果を取得して、重複した演算を行うことなく、異常陰影候補の検出を行うことができる。これにより、重複する処理工程を省いて、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0099】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果が共通使用可能である場合、データ保存手段に保存された演算結果を使用して異常陰影候補の検出を行うため、重複する演算の工程を省略して、効率良く異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0100】
請求項3から5記載の発明によれば、あるアルゴリズムを用いて演算結果を算出する際に、外部パラメータ(変数)を使用する場合、演算結果を保存する場合には当該演算に使用した外部パラメータと対で保存し、演算結果の共通使用可否を当該外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0101】
請求項6記載の発明によれば、演算前処理で使用された第2の外部パラメータを、演算結果及び第1の外部パラメータと共に保存するため、演算結果の共通使用可否を、第1及び第2の外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0102】
請求項7又は8記載の発明によれば、第3の外部パラメータを複数設定し、設定された複数の外部パラメータに応じて偽陽性候補の削除を行い、好適な処理結果を得ることができる。
【0103】
請求項9記載の発明によれば、特徴量の保存を行うことにより、アルゴリズムを変更した場合においても共通データと判別された特徴量を用いることで、異常陰影候補検出処理に費やす時間が短縮される可能性がある。
【0104】
請求項10又は11記載の発明によれば、正常構造情報、又は異常陰影候補構造情報を保存することにより、アルゴリズムを変更しても、アルゴリズムが共通かつ外部パラメータの値が共通である場合には、演算に各データを使用することで、異常陰影候補検出処理に費やす時間を短縮することが可能となる。
【0105】
請求項12記載の発明は、請求項5から7の何れか一項に記載の発明の効果を併せ持った効果を期待でき、次にどのような処理を行うか判らない場合についても演算時間を短縮する効果がある。
【0106】
請求項14記載の発明によれば、算出された各種特徴量を保存し、保存した特徴量を再利用することにより、複数の閾値に基づいて偽陽性候補を削除する処理を行うことができ、重複した演算を行うことなく、効率良く短時間で処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】異常陰影候補検出手段18により実行されるアルゴリズムの一例について説明する図である。
【図3】異常陰影候補検出手段18により実行されるアルゴリズムの一例について説明する図である。
【図4】異常陰影候補検出手段18により実行される前処理の一例について説明する図である。
【図5】医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補検出処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 医用画像処理装置
11 画像データ入力手段
12 画像データ記憶手段
13 画像処理手段
14 アルゴリズム記憶手段
15 指定手段
16 アルゴリズム選択手段
17 共通データ検出手段
18 異常陰影候補検出手段
19 データ保存手段
20 画像出力制御手段
21 表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されており、読影医の負担軽減や異常陰影の見落とし減少を目的として、医用画像を画像処理することにより、異常陰影候補を自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという)が開発されている。このCADによれば、種々のアルゴリズムを用いて異常陰影の濃度分布の特徴や形態的な特徴を検出し、異常陰影候補を自動的に検出することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
例えば、マンモグラフィにより乳癌の所見を見つける場合では、種瘤陰影のようなある程度の大きさを持った陰影と、微小石灰化のように非常に小さい陰影を読影することになる。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上では、ガウス分布に近い、白っぽく丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マンモグラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0004】
このような腫瘤及び微小石灰化クラスタの陰影は、その形状や形態、辺縁の状態が異なるものが種々存在し、その特徴から良悪性が鑑別されるため、陰影の特徴は診断を行う読影医にとって非常に重要な情報である。
【0005】
腫瘤陰影の場合、その形状については、円形、楕円形、多角形、分葉形、不整形等に分類され、陰影の境界については、境界が明瞭な境界明瞭平滑、境界が不明瞭な境界不明瞭に分類される。また、陰影の辺縁については、陰影の境界から白い微細なスジがのびる微細分葉状、スピキュラと呼ばれる白いスジが陰影の中心部から放射状にのびるスピキュラ状等に分類される。
【0006】
微小石灰化クラスタの場合、石灰化の形態については、微細な円を描く微細円形石灰化、点を描く点状石灰化、薄く不明瞭な石灰化、多形性或いは不均一な石灰化、微細線状又は微細分枝状石灰化等に分類される。また、その分布形態として、瀰漫性又は散在性、分布の領域性、区域性、集簇性等に分類される。そこで、これら分類される特徴的形態に基づいて、種瘤陰影候補や微小石灰化陰影候補を検出するための技術が提案されている。
【0007】
以下、上述した腫瘤陰影及び微小石灰化クラスタ陰影を検出する手法について列挙する。腫瘤陰影の検出に適した手法としては、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することが可能である。
【0008】
・左右***を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した***領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
【0009】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に適した方法としては、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することができる。
【0010】
・***領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0011】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【特許文献2】
特開2000−311212号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した複数種類の手法においては、同一の画像に対して、それぞれのアルゴリズムに従って複数の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて異常陰影候補検出処理を行うが、複数のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出処理において、それぞれ用いられる特徴量を個々に算出して処理を行っていたため、処理に時間を要し、効率が悪いという問題があった。また、算出された演算結果を用いて、偽陽性候補を削除する際に、閾値を変更して再計算する場合も、同様に、演算自体からやり直すので、時間を要するものとなっていた。
【0013】
本発明の課題は、複数の手法を用いて異常陰影候補の検出を行う場合や、検出された異常陰影候補に対し、偽陽性候補削除処理をやり直す場合のように、再度処理を行う場合に、速やかに所望の結果を得ることができる医用画像処理装置及びプログラムを提供する。特に、複数のアルゴリズムに基づいて、異常陰影候補の検出を行う場合、必要となる特徴量のみ新たに算出し、他は既に演算済みの特徴量を使用することにより、効率良く短時間で異常陰影候補検出処理を行うことができるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
被写体を撮影した同一の医用画像から複数のアルゴリズムに基づいて各種特徴量を算出し、異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記各アルゴリズムで算出される演算結果から、複数のアルゴリズムにわたって共通使用可能な演算結果を検出する共通データ検出手段と、
前記共通データ検出手段により選別された演算結果を保存するデータ保存手段と、を備え
前記異常陰影候補検出手段は、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果の中から保存すべき演算結果を共通データ検出手段により検出させ、当該検出された演算結果を前記データ保存手段に保存させ、他のアルゴリズムに基づいて算出されるべき演算結果のうち、共通使用可能な演算結果が前記データ保存手段に保存されているか否かを判別し、共通使用可能な演算結果がデータ保存手段に保存されている場合、新規な算出を行わず、前記データ保存手段に保存されている演算結果を取得して、異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする。
【0015】
したがって、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補を検出する場合に、複数のアルゴリズムにおいて共通使用可能な演算結果については、先に算出した演算結果のデータをデータ保存手段に保存しておくことにより、データ保存手段に保存された演算結果を取得して、重複した演算を行うことなく、異常陰影候補の検出を行うことができる。これにより、重複する処理工程を省いて、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0016】
すなわち、演算時間を最短にするためには、余分な演算の省略と余分なデータの保存を行わないことである。余分な計算を省略することに関しては、同一医用画像に対して過去に異常陰影候補検出を行い、かつ前記演算結果が保存されている場合、共通データ検出手段にて共通データを検出することにより、余分な演算を行うことなく所望の演算結果を取得して、使用することが可能となる。また、余分なデータの保存を行わないことに関しては、ユーザの行う操作に応じたデータを保存することが可能である。例えば、既に異常陰影検出を行い、演算結果が保存されている医用画像に対して偽陽性削除処理の閾値のみを変化させて異常陰影候補検出を行う場合、特徴量データを読み込み偽陽性削除を行うのみでよい。この場合、データ保存量が少ないほど演算時間は短くなる。
【0017】
請求項2記載の発明は、
被写体を撮影した同一の医用画像から複数のアルゴリズムに基づいて各種演算を行い、演算結果に基づき異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記アルゴリズムに基づいて算出された演算結果を保存するデータ保存手段と、を備え、
前記異常陰影候補検出手段は、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果とが、共通使用可能か否かを判別する判別手段を備え、当該判別手段により、前記演算結果が共通使用可能と判別された場合、新規な算出を行わず、前記データ保存手段に保存されている演算結果を取得して、異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする。
【0018】
したがって、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果が共通使用可能である場合、データ保存手段に保存された演算結果を使用して異常陰影候補の検出を行うため、重複する演算の工程を省略して、効率良く異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の医用画像処理装置において、
前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記外部パラメータを保存し、前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果及び第1の外部パラメータに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の医用画像処理装置において、
前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1の外部パラメータ及び使用したアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、特徴量演算時に用いられる第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1の外部パラメータ及びアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする。
【0022】
請求項3から5記載の発明によれば、あるアルゴリズムを用いて演算結果を算出する際に、第1の外部パラメータ(変数)を使用する場合、演算結果を保存する場合には当該演算に使用した第1の外部パラメータと対で保存し、演算結果の共通使用可否を、当該第1の外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
被写体を撮影した医用画像に対して演算前処理を施すための第2の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果と共に第1及び第2の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1及び第2の外部パラメータ及び使用するアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるかを判別することを特徴とする。
【0024】
したがって、演算前処理で使用された第2の外部パラメータを、演算結果及び第1の外部パラメータと共に保存するため、演算結果の共通使用可否を、第1及び第2の外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0025】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の医用画像処理装置において、
前記異常陰影候補検出手段は、検出した異常陰影候補に対し、偽陽性候補を削除することを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の医用画像処理装置において、
前記異常陰影候補検出手段は、削除のための閾値となる第3の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であることを特徴とする。
【0027】
請求項7又は8記載の発明によれば、第3の外部パラメータを複数設定し、設定された複数の外部パラメータに応じて偽陽性候補の削除を行い、好適な処理結果を得ることができる。
【0028】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出の際に得られる特徴量であることを特徴とする。
【0029】
ここで、特徴量は、その候補が真の異常陰影候補なのか、他の構造物なのかを判別するために用いることが可能なデータである。例えば、偽陽性候補削除処理で閾値を設定し、閾値よりも上か下かで個々の情報を判別する。具体的には、円形度、方向特徴量、強度特徴量、悪性度等がある。
【0030】
したがって、特徴量の保存を行うことにより同一のアルゴリズムと外部パラメータにより得られた異常陰影候補検出結果に対し、偽陽性候補削除の為の閾値のみ変更して再処理する場合は、極めて短時間に結果を表示可能となる。また、アルゴリズムを変更した場合でも、共通データ判別手段により、既に演算済みの特徴量を流用するので、異常陰影の検出処理時間自体も短縮できる可能性がある。
【0031】
請求項10記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出の際に得られる正常構造情報であることを特徴とする。
【0032】
ここで、正常構造情報は、医用画像中の正常部位の領域や座標などを表す位置情報及び特徴量に含まれない各構造物固有の情報ので構成される。例えば、マンモグラフィ画像中でMLO画像中に存在している胸筋領域を検出し、胸筋領域と乳腺、脂肪領域の境界線の2次元的な座標をプロットしたデータが得られる。この座標データは胸筋領域を表すデータとして使用可能であり、同一の医用画像に対し再度、異常陰影候補検出を行う際に再利用できる可能性が高い。他に具体例としては***中の乳腺、乳頭位置、スキンライン情報等がある。
【0033】
請求項11記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補検出の際に得られる異常陰影候補構造情報であることを特徴とする。
【0034】
ここで、異常陰影候補構造情報は、演算中に医用画像中の異常陰影候補と考えられる構造物の領域や座標などを表す位置情報、特徴量に含まれない各構造物固有の情報により構成される。例えば、マンモグラフィー中に微小石灰化が存在する場合、一定の領域以内に数個以上の石灰化が存在しておりクラスタを形成していれば、石灰化クラスタとして検出され得るが、個数がこの条件に満たない場合には、クラスタとしては認識されない。つまり、異常陰影候補検出処理において、検出不可能な微細若しくは特殊な石灰化が存在しており、本来ならば検出されるべきだが、検出されないという状態が生じる場合がある。このような場合、上記石灰化を次点候補としてデータ保存することによって、ユーザが異常陰影候補が存在するか確認したい領域に対して次点候補の表示を行うことは有用である。他に具体例としては、乳腺の構築の乱れ(ディストーション)等がある。
【0035】
したがって、請求項10又は11記載の発明によれば、正常構造情報、又は異常陰影候補構造情報を保存することにより、アルゴリズムを変更しても、アルゴリズムが共通かつ外部パラメータの値が共通である場合には、演算に各データを使用することで、異常陰影候補検出処理に費やす時間を短縮することが可能となる。
【0036】
請求項12記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記演算結果は、異常陰影候補検出の際に得られる特徴量及び/又は正常構造情報及び/又は異常陰影候補構造情報であることを特徴とする。
【0037】
したがって、上記請求項5から7の何れか一項に記載の発明の効果を併せ持った効果を期待でき、次にどのような処理を行うか判らない場合についても演算時間を短縮する効果がある。
【0038】
請求項13記載の発明は、請求項1から7記載記載の医用画像処理装置において、
前記医用画像がマンモグラフィであることを特徴とする。
【0039】
請求項14記載の発明は、
被写体を撮影した医用画像に処理を行い各種特徴量を算出し、異常陰影候補を検出し、検出した異常陰影候補から偽陽性候補を削除する異常陰影候補検出手段を備える医用画像処理装置であって、
前記異常陰影候補検出手段により算出された各種特徴量を保存するデータ保存手段を備え、
前記異常陰影候補検出手段は、偽陽性候補を削除するための閾値を変更可能に設定し、設定された閾値に応じて偽陽性候補を削除する場合に、前記データ保存手段に保存された各種特徴量を取得し、当該各種特徴量に基づいて偽陽性候補を削除することを特徴とする。
【0040】
したがって、算出された各種特徴量を保存し、保存した特徴量を再利用することにより、複数の閾値に基づいて偽陽性候補を削除する処理を行うことができ、重複した演算を行うことなく、効率良く短時間で処理を行うことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
なお、本実施の形態では、患者の***を撮影したマンモグラフィから異常陰影候補を検出する例を説明するが、検出対象はこれに限らず、胸部や腹部等の他の部位を撮影し、その画像から各部位に応じた異常陰影候補を検出することとしてもよい。また、本実施の形態においては、異常陰影候補検出手段により算出される演算結果が特徴量である場合を例として説明を行うが、演算結果はこれに限らず、正常構造情報、異常陰影候補構造情報であってもよい。
【0042】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理装置10は、画像データ入力手段11、画像データ記憶手段12、画像処理手段13、アルゴリズム記憶手段14、指定手段15、アルゴリズム選択手段16、共通データ検出手段17、異常陰影候補検出手段18、データ保存手段19、画像出力制御手段20、表示手段21等を備えて構成される。
【0043】
画像データ入力手段11は、例えば、レーザデジタイザ等であり、患者を撮影した医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理装置10へ入力する。
【0044】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0045】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理装置10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0046】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0047】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ等の光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0048】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0049】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理装置10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0050】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0051】
画像データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、画像データ入力手段11により入力された医用画像データを記憶する。このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0052】
画像処理手段13は、画像データ記憶手段12から入力された医用画像データに各種画像処理を施して画像出力制御手段20に出力する。各種画像処理には、画像コントラストを調整する階調処理、コントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整する周波数強調処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
【0053】
アルゴリズム記憶手段14は、例えば、ハードディスク装置が用いられ、異常陰影候補検出のための複数のアルゴリズムを記憶する。指定手段15は、異常陰影候補検出処理に用いるアルゴリズムの指定、患者の症例情報を入力指定する。この指定手段15は、異常陰影候補検出処理に用いるアルゴリズム種の入力手段15A、異常陰影候補検出処理に使用する外部パラメータ値の入力手段15Bの他に、患者の症例情報等のその他の入力手段15Cを有しても良い。なお、新規演算時や再演算時の入力に際しては、キーボードより直接入力する方式や、表示手段21に表示させたアルゴリズム種や外部パラメータ値から、マウス等で適宜選択する方式等が採用可能である。
【0054】
アルゴリズム選択手段16は、指定手段15により指定されたアルゴリズムを選択し、又は指定手段15により入力された患者の症例情報に基づいて、最適なアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムをアルゴリズム記憶手段14から読み出して、異常陰影候補検出手段18に出力する。ここで、アルゴリズム選択手段16は、異常陰影の種類に応じて最適な異常陰影候補を検出するため、複数のアルゴリズムを選択することが好ましい。また、アルゴリズム選択手段16は、選択したアルゴリズムをアルゴリズム記憶手段14から読み出して、共通データ検出手段17に出力する。
【0055】
共通データ検出手段17は、アルゴリズム選択手段16から与えられるアルゴリズムにより算出される演算結果と、データ保存手段19に保存されている演算結果に基づいて、与えられた複数のアルゴリズムの中から、演算結果が重複するものを共通データとして検出し、共通データを異常陰影候補検出手段18に出力する。ここで重複する演算結果は、少なくとも2つあればよいが、3以上の演算結果が重複する場合であってもよい。
【0056】
異常陰影候補検出手段18は、アルゴリズム選択手段16から与えられる複数のアルゴリズムに従って、画像データ記憶手段12から読み出した画像データの画像解析を行うことにより、各種演算結果を算出し、算出した演算結果に基づいて異常陰影候補と思われる画像領域を検出する。ここで、演算結果は、選択したアルゴリズムを用いた異常陰影候補検出のための演算中で行われている計算の結果であり、演算結果には、特徴量、正常構造情報、異常陰影候補構造情報が含まれる。
【0057】
特徴量は、その候補が真の異常陰影候補なのか、他の構造物なのかを判別するために用いることが可能なデータである。正常構造情報は、医用画像中の正常部位の領域や座標などを表す位置情報、特徴量には含まれない各構造物固有の情報を含んでいる。異常陰影候補構造情報は、医用画像中の異常部位の領域や座標などを表す位置情報、特徴量に含まれない各構造物固有の情報を含んでいる。なお、本実施の形態においては、演算結果が特徴量である場合を例として説明を行う。以下、図2〜図3を参照して、異常陰影候補検出処理が実行される場合に用いられるアルゴリズム及びアルゴリズムに基づいて算出される特徴量について説明する。
【0058】
図2に示すように、例えば、異常陰影候補検出手段18は、選択されたアルゴリズムA〜アルゴリズムDを用いて異常陰影候補の検出を行う。アルゴリズムAは、スピュキュラ状の種瘤陰影の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムAにより算出される特徴量のデータとして、例えば、円形度、候補領域或内の方向成分の集中度、候補辺縁付近のフラクタル次元、候補中心部から放射状に伸びる線上成分の本数等がある。
【0059】
また、アルゴリズムBは、境界明瞭の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムBにより算出される特徴量のデータとして、例えば、候補領域辺縁付近の平均エッジ速度、候補領域或のコントラスト、候補領域の乳腺含有量等がある。アルゴリズムCは、分葉状の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムCにより算出される特徴量のデータとして、例えば、円形度、濃度勾配の方向成分の集中度、標準偏差等がある。さらに、アルゴリズムDは、不整形の特徴を判定するためのアルゴリズムであり、アルゴリズムDにより算出される特徴量のデータとして、例えば、円形度、曲率の平均、標準偏差等がある。
【0060】
また、異常陰影候補検出手段18は、算出した各種特徴量を後述するデータ保存手段19に保存する。異常陰影検出手段18は、共通データに基づいて各アルゴリズムにより算出される特徴量が重複した場合、重複する特徴量については、特徴量の演算を行わず、データ保存手段19から取得する。すなわち、図2においては、アルゴリズムAにより算出される円形度、濃度勾配の方向成分の集中度について、アルゴリズムC,Dにより算出される特徴量と重複するため、アルゴリズムC,Dが実行される場合、対応する特徴量の算出は行われず、データ保存手段19から特徴量が取得される。また、アルゴリズムCにより算出される標準偏差については、アルゴリズムDにより算出される特徴量と重複するため、アルゴリズムDが実行される場合、対応する特徴量の算出は行われず、データ保存手段19から特徴量が取得される。
【0061】
図2において、実際に各アルゴリズムに対応して算出される特徴量の種類を下段に示す。アルゴリズムAにおいては、円形度、候補領域或内の標準偏差、濃度勾配の方向成分の集中度、候補辺縁付近のフラクタル次元、候補中心部から放射状に伸びる線状成分の本数が算出され、データ保存手段19に保存される。また、アルゴリズムBにおいては、候補領域辺縁付近の平均エッジ強度、候補領域或のコントラスト、候補領域の乳腺含有量が算出され、データ保存手段19に保存される。また、アルゴリズムCにおいて、円形度及び濃度勾配の方向成分の集中度については算出されず、標準偏差のみが算出され、データ保存手段19に保存される。さらに、アルゴリズムDにおいて、円形度、標準偏差については算出されず、曲率の平均のみが算出され、データ保存手段19に保存される。
【0062】
以上のように、同一の画像データから、同じ種類の特徴量が算出される場合、特徴量のデータは、同一データとなるため、異常陰影候補検出手段18は、算出した特徴量のデータを後述するデータ保存手段19に保存させるとともに、共通データ手段17から入力される共通データに従って、他のアルゴリズムにより算出すべき特徴量のデータをデータ保存手段19から取得して、算出すべき特徴量の演算を省略する。これにより、異常陰影候補検出処理における工程を省略して、速やかに算出結果を出力し、異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0063】
また、同一の画像データから同一のアルゴリズムを用いて特徴量を算出する場合、計算中で使用する定数値及び閾値(本明細書中、「外部パラメータ」と記す)が同一であれば、算出される特徴量は同一となる。一方で、同一のアルゴリズムを用いて特徴量を算出する場合であっても、計算中で使用する外部パラメータが異なる場合、算出される特徴量は異なるデータとなる。
【0064】
例えば、図3に示すように、アルゴリズムAにより算出された「円形度」が外部パラメータ「A」を用いて算出されている場合、図2に示すアルゴリズムCより算出される「円形度」は、同一の外部パラメータ「A」を用いて算出される場合にのみ、重複する特徴量としてアルゴリズムAにより算出された「円形度」を演算結果に使用することができる。同様に、図3において、アルゴリズムAにより算出された「温度勾配の方向成分」が外部パラメータ「B」を用いて算出されている場合、図2に示すアルゴリズムCにより算出される「温度勾配の方向成分」は外部パラメータが「B」である場合のみ、アルゴリズムAより算出された「温度勾配の方向成分」を重複する特徴量として共通使用することができる。
【0065】
しかしながら、図3において、アルゴリズムCにより算出された「標準偏差」が外部パラメータ「E*D」を用いて算出されていた場合に、図2に示すアルゴリズムDにより算出される「標準偏差」が外部パラメータ「E」を用いて算出すべきである場合、両者の「標準偏差」は異なる特徴量となるため、アルゴリズムDを用いて新たに算出する必要がある。ここでは、各アルゴリズムで特徴量算出の為の外部パラメータ数(2個の変数設定に対し、1個の変数設定)が異なれば、当然のごとく共通使用は不可となる。複数の外部パラメータ存在時は全てが一致して初めて共通使用可能となる。
【0066】
さらに、上述した外部パラメータは、アルゴリズム用いて特徴量を算出する場合に計算中で使用されるだけでなく、アルゴリズム処理前に外部パラメータが使用されることもある。例えば、同一の画像データから同一のアルゴリズムを用いてヒストグラムを作成する場合、ヒストグラムの作成対象となる領域を異なる外部パラメータを用いて領域指定する場合などである。
【0067】
図4は、同一のアルゴリズムAを用いて特徴量を算出する場合に、アルゴリズム処理前に異なる外部パラメータが使用されることにより、異なった特徴量が算出される例を示す。図4(a)に示すように、生画像データからヒストグラム作成用の領域A×Bを指定し、アルゴリズムAを用いてヒストグラムの作成を行い、ヒストグラムの高い方から70%の信号値を算出する。この場合に得られた信号値を特徴量αとする。一方、図4(b)に示すように、生画像データからヒストグラム作成用の領域C×Dを指定し、アルゴリズムAによりヒストグラムの作成を行い、ヒストグラムの高い方から70%の信号値を算出する。この場合に得られた信号値を特徴量βとする。
【0068】
したがって、図4に示すように、同一のアルゴリズムAを用いて、ヒストグラムの作成を行った場合であっても、ヒストグラムから得られる信号値は異なる特徴量となる。そこで、異常陰影候補検出手段18は、同一のアルゴリズムを用いた場合でも、外部パラメータが異なる場合は、特徴量が異なると判断して、同一のアルゴリズムを用いた演算を行い、それぞれの特徴量を算出する。すなわち、異常陰影候補検出手段18は、同一のアルゴリズム、同一の外部パラメータを用いて特徴量の演算を行う場合、共通データ手段17から入力される共通データに従って、算出すべき特徴量のデータをデータ保存手段19から取得して、特徴量の演算を省略する。
【0069】
データ保存手段19は、例えば、ハードディスク装置が用いられ、異常陰影候補検出手段18により算出された演算結果のデータを保存する。また、データ保存手段19は、算出された演算結果に外部パラメータが用いられている場合、演算結果とともに外部パラメータを保存する。さらに、データ保存手段19は、共通データ検出手段17により共通データとして検出された演算結果(外部パラメータがある場合、外部パラメータも含む)のデータを異常陰影検出手段18に出力する。
【0070】
画像出力制御手段20は、表示手段21に医用画像データを出力する際の制御を行う。画像出力制御手段20は、画像処理手段13から入力された処理画像データを表示手段21に出力する際に、異常陰影候補記憶手段(図示せず)に記憶されている異常陰影候補の情報を読み出し、この異常陰影候補の情報に基づいて、処理画像データにおける異常陰影候補の画像領域を矢印でマークする、色を変える等して、異常陰影候補の画像領域を識別可能に出力させる。
【0071】
表示手段21は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等からなる表示手段が適用され、画像出力制御手段20から入力された医用画像データを表示出力する。表示手段としては、医用画像専用の精細高輝度のCRT、LCDが好ましい。
【0072】
なお、医用画像処理装置10に、紙などの記録媒体へ記録を行うプリンタや、フィルムへの記録を行う露光装置等を備え、これらの出力手段により医用画像データを出力する構成であってもよい。
【0073】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
本実施例では、被写体を撮影した生データ(raw date)に対し前処理を施す場合を想定し、このときに使用するパラメータを外部パラメータ▲1▼と呼称する。この前処理に相当する例としては、被写体撮影領域に対し感心領域を設定するための2方向指定(X・Y座標指定)等がある。また、前処理されたデータを用いて、1又は複数のアルゴリズムに基づいて処理を行う。これらのアルゴリズム下での処理時に使用されるパラメータを外部パラメータ▲2▼と称呼する。さらに、偽陽性候補削除時に用いられる閾値を外部パラメータ▲3▼と称呼する。この外部パラメータ▲3▼は、先に行われる前処理、アルゴリズムには依存しないパラメータであり、偽陽性候補の削除を行うための閾値である。
【0074】
以下、異常陰影候補検出処理について詳細に説明する。図5は、本実施の形態における異常陰影候補検出処理を示すフローチャートである。図5に示すように、画像データ入力手段11から放射線画像の画像データが入力されると(ステップS1)、異常陰影候補検出手段18により、外部パラメータ▲1▼が設定されたか否かが判別される(ステップS2)。ここで、外部パラメータ▲1▼は、アルゴリズム処理の行われる前に、設定される外部パラメータであり、例えば、上述した画像データの領域指定に用いられるパラメータである。続いて、外部パラメータ▲1▼が設定された場合(ステップS2;YES)、異常陰影候補検出手段18により、データ保存手段19に同一の外部パラメータ▲1▼を用いて算出された特徴量が保存されているか否かが判別される(ステップS3)。
【0075】
データ保存手段19に同一の外部パラメータ▲1▼を用いて算出された特徴量が保存されていない場合(ステップS3;NO)、異常陰影候補検出手段18により、外部パラメータ▲1▼が設定され、外部パラメータ▲1▼を用いた処理が行われる。また、アルゴリズム選択手段により、アルゴリズムが選択され、異常陰影候補検出手段18により、設定されたアルゴリズムに基づいて新規な特徴量が算出され(ステップS21)、算出された特徴量はデータ保存手段19に外部パラメータ▲1▼とともに保存される(ステップS24)。
【0076】
一方、データ保存手段19に同一の外部パラメータ▲1▼を用いて算出された特徴量が保存されている場合(ステップS3;YES)、アルゴリズム選択手段16により、画像データに適したアルゴリズムが選択され(ステップS4)、選択されたアルゴリズムのうち一のアルゴリズムがアルゴリズム記憶手段14から取得されて、設定される(ステップS5)。さらに、異常陰影候補検出手段により、設定されたアルゴリズムが取得され、算出すべき特徴量が決定される(ステップS6)。
【0077】
続いて、共通データ検出手段17により、データ保存手段19に保存されている特徴量の中から、当該アルゴリズムにて算出されるべき特徴量と共通して使用可能となる特徴量が検出される(ステップS7)。ここで、共通使用可能な特徴量がデータ保存手段に保存されている場合(ステップS7;YES)、共通データ検出手段により、共通使用可能なm個の特徴量がデータ保存手段から取得され、異常陰影候補検出手段18に出力される(ステップS8)。また、共通使用可能な特徴量がデータ保存手段に保存されていない場合(ステップS7;NO)、異常陰影候補検出手段により、新規に特徴量の算出が行われ(ステップS22)、算出された特徴量はデータ保存手段19に外部パラメータと共に保存される(ステップS24)。
【0078】
ステップS9に戻り、異常陰影候補検出手段18により、特徴量の算出時に外部パラメータ▲2▼が設定されたか否かが判別される(ステップS9)。ここで、外部パラメータ▲2▼は、選択されたアルゴリズム用いて特徴量を算出する場合に計算中で使用される外部パラメータである。外部パラメータ▲2▼が設定された場合(ステップS9;YES)、異常陰影候補検出手段18により、取得された特徴量に設定されている外部パラメータ値と設定された外部パラメータ▲2▼が同一であるか否かが判別される(ステップS10)。
【0079】
外部パラメータ▲2▼が同一でない場合(ステップS10;NO)、異常陰影候補検出手段により、設定された外部パラメータ▲2▼を用いて新規に特徴量が算出される(ステップS23)。そして、算出された特徴量は外部パラメータ▲2▼とともにデータ保存手19に保存される(ステップS24)。また、外部パラメータ▲2▼が同一である場合(ステップS10;YES)、データ保存手段から取得された特徴量が共通使用される(ステップS11)。
【0080】
続いて、次の特徴量を算出するか否かが判別され、次の特徴量を算出する場合(ステップS11;YES)、ステップS9に移行して、ステップS9〜S11の処理を繰り返して実行する。また、特徴量の算出が終了した場合(ステップS12;YES)、異常陰影候補検出手段18により、共通使用による特徴量又は新規に算出された特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出が行われる(ステップS14)。
【0081】
異常陰影候補の検出が終了すると、異常陰影候補検出手段18により、他のアルゴリズムを設定し、異なるアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行うか否かが判断される(ステップS14)。他のアルゴリズムを設定して、異常陰影候補の検出を行う場合(ステップS14;YES)、ステップS2に移行して、上述した処理を繰り返して実行する。
【0082】
一方、他のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行わないと判断された場合(ステップS14;NO)、すなわち、アルゴリズム選択手段16により選択された全てのアルゴリズムについて、異常陰影候補の検出が終了した場合、異常陰影候補検出手段18により、検出された異常陰影候補のうち偽陽性であると判断される異常陰影候補を削除する偽陽性候補削除処理が行われる(ステップS15)。
【0083】
ここで、異常陰影候補検出手段18により、偽陽性候補削除処理を行うため、外部パラメータ▲3▼が設定されたか否かが判別される(ステップS16)。外部パラメータ▲3▼が設定された場合(ステップS16;YES)、異常陰影候補検出手段18により、設定された外部パラメータ▲3▼に基づいて偽陽性候補削除処理が行われ、検出結果が算出される(ステップS17)。
【0084】
一方、外部パラメータが設定されない場合(ステップS16:NO)、異常陰影候補検出手段18により、予め設定されている閾値(デフォルト値)により偽陽性候補削除処理が行われ、検出結果が算出される(ステップS18)。算出された検出結果は、画像出力制御手段20に出力され、表示手段21に表示される(ステップS19)。
【0085】
続いて、異常陰影候補検出処理を終了する指示が入力されたか否かが判別され(ステップS20)、異常陰影候補検出処理を終了する指示が入力された場合(ステップS20;YES)、本異常陰影候補検出処理を終了する。また、再度処理を行う場合(ステップS20;NO)、ステップS1に移行して、上述した処理を繰り返して実行する。
【0086】
なお、上述したフローチャートにおいて行われる前処理は、アルゴリズムに拠らない場合を例として説明を行ったが、各アルゴリズム下で前処理的なデータ処理を行う場合もある。この場合、上述したフローチャートにおいては、前処理において、先にアルゴリズムが選択され(ステップS4)、アルゴリズムが設定された後に(ステップS5)、外部パラメータを設定し(ステップS2)、設定された外部パラメータ▲1▼の同一性を判別する(ステップS3)構成であっても良い。
【0087】
また、上述したフローチャートにおいては、前処理で設定される外部パラメータ▲1▼の同一性を各処理毎に判別する構成として説明を行ったが、これに限らず、例えば、同一の患者の画像データについて、連続して処理を施す場合、設定される外部パラメータ▲1▼は同一である場合が殆どであるため、ユーザの設定等により、外部パラメータ▲1▼の同一性を判別することなく処理を行う構成であっても良い。すなわち、ステップS3の処理工程を省略して、診断効率を向上させることができる。
【0088】
また、同一のアルゴリズム、同一の外部パラメータ▲1▼及び外部パラメータ▲2▼により演算された結果を用いて、複数の外部パラメータ▲3▼を設定し、偽陽性候補削除処理の閾値のみをそれぞれ変化させた検出結果を表示させることが可能となる。これにより、算出された演算結果を有効に利用して、複数の外部パラメータ▲3▼に基づいて偽陽性候補削除処理を行い、好適な検出結果を得ることができる。
【0089】
以上のように、本実施の形態によれば、同一の画像データに対して精度の高い検出処理を行うため、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補の検出を行う場合、アルゴリズムに基づいて算出された特徴量をデータ保存手段に保存するとともに、他のアルゴリズムに基づいて算出される特徴量が、データ保存手段に保存されている特徴量に重複する場合、重複する特徴量を共通データとして検出する。そして、共通データに基づいて重複する特徴量については、データ保存手段19から取得して、異常陰影候補の検出を行うことにより、重複演算を繰り返すことなく、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0090】
また、一のアルゴリズムにより算出された特徴量と、他のアルゴリズムにより算出される特徴量の重複を共通データ検出手段により検出するため、特徴量の算出と独立して処理を行うことができ、処理効率が良い。さらに、データ保存手段に保存された特徴量に基づいて、他のアルゴリズムにより算出される特徴量が重複しているかを検出するため、特徴量の重複を容易に検出することができるとともに、重複する特徴量のデータをデータ保存手段から確実に取得することができる。
【0091】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像処理装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、異常陰影候補検出手段18により算出される特徴量は、上述した例に限らず、種々の特徴量を算出する場合に適用可能である。例えば、その他の特徴量として、医用画像信号のサイズ、ビット数、特定の変数値、ヒストグラムのデータ、強調処理をかけた画像データ等や、微小石灰化クラスタの陰影を検出する場合に算出される特徴量として、3重リングフィルタの方向、強度、コントラスト、サイズ、円形度、サイズとコントラストの比率、可変リングフィルタの方向、一定の領域内に存在する異常陰影候補数の標準偏差、一定領域内に存在する異常陰影候補のサイズの標準偏差等を含む構成であってもよい。
【0092】
また、種瘤陰影を検出する場合に算出される特徴量として、縦横比、最小幅、円形度、候補内部の平均コントラスト、候補中心部の平均コントラスト、重心を中心とした同心円上の画素値分布の標準偏差の平均、候補中心部のrounghnessの正成分及び負成分、乳頭位置を考慮して決定した一定方向の強度成分の割合、候補中心部のアンシャープマスクの画像の標準偏差、重心、2次モーメント、逆差分モーメント、エントロピー、差分統計量のモーメント等を含む構成であってもよい。
【0093】
或いは、異常陰影候補検出手段により算出される演算結果としては、特徴量に限らず、正常構造情報、異常陰影候補構造情報であってもよい。正常構造情報は、医用画像中の正常部位の領域や座標などを表す位置情報及び特徴量に含まれない各構造物固有の情報で構成される。例えば、マンモグラフィ画像中でMLO画像中に存在している胸筋領域を検出し、胸筋領域と乳腺、脂肪領域の境界線の2次元的な座標をプロットしたデータが得られる。この座標データは胸筋領域を表すデータとして使用可能であり、同一の医用画像に対し再度、異常陰影候補検出を行う際に再利用できる可能性が高い。他に具体例としては***中の乳腺、乳頭位置、スキンライン情報等がある。
【0094】
また、異常陰影候補構造情報は、演算中に医用画像中の異常陰影候補と考えられる構造物の領域や座標などを表す位置情報、特徴量に含まれない各構造物固有の情報により構成される。例えば、マンモグラフィ中に微小石灰化が存在する場合、一定の領域以内に数個以上の石灰化が存在しておりクラスタを形成していれば、石灰化クラスタとして検出され得るが、個数がこの条件に満たない場合には、クラスタとしては認識されない。つまり、異常陰影候補検出処理において、検出不可能な微細若しくは特殊な石灰化が存在しており、本来ならば検出されるべきだが、検出されないという状態が生じる場合がある。このような場合、上記石灰化を次点候補としてデータ保存することによって、異常陰影候補が存在するか確認したい領域に対して次点候補の表示を行うことは有用である。他に具体例としては、乳腺の構築の乱れ(ディストーション)等がある。
【0095】
したがって、正常構造情報、異常陰影候補構造情報をデータ保存手段に保存することにより、アルゴリズムを変更しても、アルゴリズムが共通かつ外部パラメータの値が共通である場合には、演算に各データを使用することで、異常陰影候補検出処理に費やす時間を短縮することが可能となる。
【0096】
さらに、本実施の形態においては、異常陰影候補検出手段18により算出された特徴量を全てデータ保存手段19に保存する構成として説明を行ったが、例えば、共通データ検出手段により、複数のアルゴリズムにより算出される特徴量を予め共通データとして検出させ、重複する特徴量のみをデータ保存手段19に保存させる構成であってもよい。これにより、データ保存手段19の記憶容量を有効に利用することができる。
【0097】
その他、本実施の形態における医用画像処理装置10の構成部分の細部構成、及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0098】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、複数のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補を検出する場合に、複数のアルゴリズムにおいて共通使用可能な演算結果については、先に算出した演算結果のデータをデータ保存手段に保存しておくことにより、データ保存手段に保存された演算結果を取得して、重複した演算を行うことなく、異常陰影候補の検出を行うことができる。これにより、重複する処理工程を省いて、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0099】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果が共通使用可能である場合、データ保存手段に保存された演算結果を使用して異常陰影候補の検出を行うため、重複する演算の工程を省略して、効率良く異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0100】
請求項3から5記載の発明によれば、あるアルゴリズムを用いて演算結果を算出する際に、外部パラメータ(変数)を使用する場合、演算結果を保存する場合には当該演算に使用した外部パラメータと対で保存し、演算結果の共通使用可否を当該外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0101】
請求項6記載の発明によれば、演算前処理で使用された第2の外部パラメータを、演算結果及び第1の外部パラメータと共に保存するため、演算結果の共通使用可否を、第1及び第2の外部パラメータの内容を加味して判別するので、演算結果の誤った共通使用を防止でき、効率良く、かつ、信頼性の高い異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0102】
請求項7又は8記載の発明によれば、第3の外部パラメータを複数設定し、設定された複数の外部パラメータに応じて偽陽性候補の削除を行い、好適な処理結果を得ることができる。
【0103】
請求項9記載の発明によれば、特徴量の保存を行うことにより、アルゴリズムを変更した場合においても共通データと判別された特徴量を用いることで、異常陰影候補検出処理に費やす時間が短縮される可能性がある。
【0104】
請求項10又は11記載の発明によれば、正常構造情報、又は異常陰影候補構造情報を保存することにより、アルゴリズムを変更しても、アルゴリズムが共通かつ外部パラメータの値が共通である場合には、演算に各データを使用することで、異常陰影候補検出処理に費やす時間を短縮することが可能となる。
【0105】
請求項12記載の発明は、請求項5から7の何れか一項に記載の発明の効果を併せ持った効果を期待でき、次にどのような処理を行うか判らない場合についても演算時間を短縮する効果がある。
【0106】
請求項14記載の発明によれば、算出された各種特徴量を保存し、保存した特徴量を再利用することにより、複数の閾値に基づいて偽陽性候補を削除する処理を行うことができ、重複した演算を行うことなく、効率良く短時間で処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】異常陰影候補検出手段18により実行されるアルゴリズムの一例について説明する図である。
【図3】異常陰影候補検出手段18により実行されるアルゴリズムの一例について説明する図である。
【図4】異常陰影候補検出手段18により実行される前処理の一例について説明する図である。
【図5】医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補検出処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 医用画像処理装置
11 画像データ入力手段
12 画像データ記憶手段
13 画像処理手段
14 アルゴリズム記憶手段
15 指定手段
16 アルゴリズム選択手段
17 共通データ検出手段
18 異常陰影候補検出手段
19 データ保存手段
20 画像出力制御手段
21 表示手段
Claims (14)
- 被写体を撮影した同一の医用画像から複数のアルゴリズムに基づいて各種特徴量を算出し、異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記各アルゴリズムで算出される演算結果から、複数のアルゴリズムにわたって共通使用可能な演算結果を検出する共通データ検出手段と、
前記共通データ検出手段により検出された演算結果を保存するデータ保存手段と、を備え
前記異常陰影候補検出手段は、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果の中から保存すべき演算結果を共通データ検出手段により検出させ、当該検出された演算結果を前記データ保存手段に保存させ、他のアルゴリズムに基づいて算出されるべき演算結果のうち、共通使用可能な演算結果が前記データ保存手段に保存されているか否かを判別し、共通使用可能な演算結果がデータ保存手段に保存されている場合、新規な算出を行わず、前記データ保存手段に保存されている演算結果を取得して、異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする医用画像処理装置。 - 被写体を撮影した同一の医用画像から複数のアルゴリズムに基づいて各種演算を行い、演算結果に基づき異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記アルゴリズムに基づいて算出された演算結果を保存するデータ保存手段と、を備え、
前記異常陰影候補検出手段は、一のアルゴリズムに基づいて算出された演算結果と、他のアルゴリズムに基づいて算出される演算結果とが、共通使用可能か否かを判別する判別手段を備え、当該判別手段により、前記演算結果が共通使用可能と判別された場合、新規な算出を行わず、前記データ保存手段に保存されている演算結果を取得して、異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果及び第1の外部パラメータに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2記載の医用画像処理装置。 - 前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1の外部パラメータ及び使用したアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする請求項3記載の医用画像処理装置。 - 前記複数のアルゴリズムのうち少なくとも1つのアルゴリズムは、特徴量演算時に用いられる第1の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果とともに前記第1の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1の外部パラメータ及びアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるか否かを判別することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。 - 被写体を撮影した医用画像に対して演算前処理を施すための第2の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であり、
前記データ保存手段は、前記演算結果と共に第1及び第2の外部パラメータを保存し、
前記異常陰影候補検出手段は、前記データ保存手段に記憶された演算結果、第1及び第2の外部パラメータ及び使用するアルゴリズムに基づいて、当該演算結果が共通使用可能であるかを判別することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の医用画像処理装置。 - 前記異常陰影候補検出手段は、検出した異常陰影候補に対し、偽陽性候補を削除することを特徴とする請求項6記載の医用画像処理装置。
- 前記異常陰影候補検出手段は、削除のための閾値となる第3の外部パラメータを少なくとも1つ設定可能であることを特徴とする請求項7記載の医用画像処理装置。
- 前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出の際に得られる特徴量であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいた異常陰影候補検出の際に得られる正常構造情報であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記演算結果は、前記一のアルゴリズムに基づいて異常陰影候補検出の際に得られる異常陰影候補構造情報であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記演算結果は、異常陰影候補検出の際に得られる特徴量及び/又は正常構造情報及び/又は異常陰影候補構造情報であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記医用画像がマンモグラフィであることを特徴とする請求項1から12記載記載の医用画像処理装置。
- 被写体を撮影した医用画像に処理を行い各種特徴量を算出し、異常陰影候補を検出し、検出した異常陰影候補から偽陽性候補を削除する異常陰影候補検出手段を備える医用画像処理装置であって、
前記異常陰影候補検出手段により算出された各種特徴量を保存するデータ保存手段を備え、
前記異常陰影候補検出手段は、偽陽性候補を削除するための閾値を変更可能に設定し、設定された閾値に応じて偽陽性候補を削除する場合に、前記データ保存手段に保存された各種特徴量を取得し、当該各種特徴量に基づいて偽陽性候補を削除することを特徴とする医用画像処理装置。
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