JP2004350603A - 水中油型艶出し剤 - Google Patents

水中油型艶出し剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004350603A
JP2004350603A JP2003153595A JP2003153595A JP2004350603A JP 2004350603 A JP2004350603 A JP 2004350603A JP 2003153595 A JP2003153595 A JP 2003153595A JP 2003153595 A JP2003153595 A JP 2003153595A JP 2004350603 A JP2004350603 A JP 2004350603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water
casein
protein
polishing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003153595A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsushige Yoshimura
光重 吉村
Katataka Ioka
方孝 井岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP2003153595A priority Critical patent/JP2004350603A/ja
Publication of JP2004350603A publication Critical patent/JP2004350603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、艶出し剤としての一般的特性に優れると共に油脂分を含まない生地から油脂分を多く含む多様な生地の焼成品に艶の透明感を与える水中油型艶出し剤を開発することにある。
【解決手段】カゼイン含有蛋白3〜12重量%、油脂2〜10重量%、リン脂質0.01〜1.0重量%を含有し、蛋白に対する糖類が1.5重量倍以下であり、カゼイン含有蛋白に対し、溶融塩を0.5〜10%含有し、粘度が20〜1200mPa・sである、水中油型艶出し剤及びその製造法並びにこれを用いた焼成食品である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成品用の艶出し剤として有用な水中油型艶出し剤及びその製造法、並びにこれを用いた焼成食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来溶き卵等「塗り玉」とかそれに代わる「艶出し剤」とか称する素材をパン等の表面に塗布して焼成し、パン等の表面に艶を与える(艶出しする)ことが行われている。特許文献1では、分離大豆蛋白質2〜12重量%、液状油脂15〜30重量%、水83〜58重量%の割合で含有されるO/W型乳化物の艶出し剤が提案されている。更に特許文献2では、蛋白含有85重量%以上である乳清蛋白濃縮物と消泡作用のある界面活性剤と炭酸カリウムと増粘多糖類を含む艶出し剤が提案されている。しかしながら上記提案の艶出し剤ではまだ不十分であった。本出願人が先に出願した特許文献3では、本発明者等の知見では、菓子パン等の艶出しには有効であっても、生地中の油脂分の高いペストリー等には効果が十分ではなかった。菓子パン生地とペストリー生地の際立った相違点は、生地中に練り込まれる油脂量である。菓子パン生地では練り込み油脂量が粉100部に対して0部〜40部であり、ペストリー生地では練り込み油脂量(折り込みの場合を含む)が粉100部に対して油脂量が40部〜100部である。溶き卵を塗布して焼成する方法では菓子パン、ペストリー関係なく有効であったが、卵の品質のムラによって艶のムラが生じ、均一な艶を安定して付与するのは難しいという問題と共に、焼成はするものの卵の持つサルモレラ菌等の無菌性の問題があった。そこで油脂分を含まない生地から油脂分を多く含む生地の多様な生地に艶の透明感をより増すものを開発すれば、商品価値が高まると考えた。
【0003】
【特許文献1】特開平10−108616号公報
【特許文献2】特開2001−309745号公報
【特許文献3】特開2002−136258号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、艶出し剤としての一般的特性に優れると共に油脂分を含まない生地から油脂分を多く含む多様な生地の焼成品に艶の透明感を与える水中油型艶出し剤を開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、乳蛋白素材を用いるものについては通常含まれる糖類(乳糖)を低下せしめて用いること及びリン脂質を用いることが、多様な生地に艶の透明感を付与できることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、カゼイン含有蛋白、上昇融点20℃以下である油脂及びリン脂質を含有し、蛋白に対する糖類が1.5重量倍以下である水中油型艶出し剤である。第2は、カゼイン含有蛋白3〜12重量%、油脂2〜10重量%、リン脂質0.01〜1.0重量%を含有する、第1記載の水中油型艶出し剤である。第3は、カゼイン含有蛋白に対し、溶融塩を0.5〜10%含有する、第1又は第2記載の水中油型艶出し剤である。第4は、粘度が20〜1200mPa・sである、第1乃至第3の何れか1に記載の水中油型艶出し剤である。第5は、焼成品用艶出し剤である、第1乃至第4の何れか1に記載の水中油型艶出し剤である。第6は、焼成品が粉100部に対して油脂分40部〜100部添加してなる高油分生地を焼成したものである、第5記載の水中油型艶出し剤である。第7は、第1乃至第6の何れか1に記載の水中油型艶出し剤を表面に塗布後焼成してなる焼成食品である。第8は、カゼイン含有蛋白3〜12重量%、油脂2〜10重量%、リン脂質0.01〜1.0重量%を含有させ、蛋白に対する糖類が1.5重量倍以下に配合することを特徴とする水中油型艶出し剤の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用するカゼイン含有蛋白としては、牛乳を原料に脱脂後限外ろ過法(UF)処理により得られたトータルミルクプロテイン及び/又は、牛乳からの酸の添加や発酵による乳酸の生成による酸沈殿やレンネット或いはカルシウムを添加して沈殿させる方法等で得られたカゼイン、カゼインナトリウム等が例示できる。
一般に牛乳蛋白質の80重量%がカゼインであり、本発明においてはこれをカゼイン態と呼ぶ。このカゼイン態は、水中油型艶出し剤中の全蛋白に対して50重量%以上が好ましく、更に75重量%以上が好ましい。50重量%未満の場合は、生地に塗布した場合均一な薄膜が得難く艶がでにくくなる。
本発明に於いてはカゼイン含有蛋白が3〜12重量%が好ましい。カゼイン含有蛋白が下限未満では、生地に塗布した場合均一な薄膜が得難く艶がでにくくなる。逆に上限を超える場合は、水中油型艶出し剤の粘度が高くなり生地表面に均一に塗布し難くなる。
【0007】本発明においては、上昇融点20℃以下である油脂を使用する必要がある。原料として例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、ハイオレックヒマワリ油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、ヤシ脂、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物油脂、並びに、それら油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。好ましくは、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、ハイオレックヒマワリ油、パームオレイン、パームスーパーオレインが望ましい。上昇融点20℃を超える油脂を使用した場合、焼成後油脂結晶が析出し艶が悪くなる。
本発明に於いては油脂が2〜10重量%が好ましい。油脂が下限未満では、均一な水中油型艶出し剤が得難くなり焼成後焼きムラができ易くなる。逆に上限を超える場合は、焼成後の透明感がなくなりくすんだ艶になり易くなる。
油脂の上昇融点は一般的に用いられる測定方法で、その概要は、油脂を毛細管内部へ満たし、固化させた後水に浸漬し、水の温度を上昇させる中で、試料が毛細管内で上昇を始める温度を測定するものである。なお詳細は「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法(1)1996年度版」による。
【0008】本発明においては、リン脂質を使用する必要がある。リン脂質の原料としては、動物性由来もしくは植物性由来のものが挙げられる。本発明で使用されるリン脂質は、動物性由来では卵黄、牛脂等から得られるリン脂質とその酵素処理物、植物性由来では大豆、ひまわり、綿実、米、コーン、サフラワー、オリーブ、パーム、ヤシ、なたね等から得られるリン脂質とその酵素処理物をいい、特定のリン脂質に限られるものではない。使用量はリン脂質換算で水中油型艶出し剤全体に対して0.01〜1.0重量%が好ましく、0.05〜0.6重量%がより好ましい。リン脂質が下限未満の場合は高油分の生地に対して、焼成後の透明感や艶が弱くなる。リン脂質が上限を超える場合、焼成後の透明感がなくなりくすんだ艶になる。
【0009】本発明においては、蛋白に対する糖類が1.5重量倍以下である糖類を含む水相を乳化する必要があり、好ましくは1.2重量倍以下で乳化する必要がある。本発明で使用する糖類としては、単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類、デキストリン、水飴等が例示できる。又、蛋白が糖類と共存しているものを使用する場合は、限外ろ過、酸沈殿法、酵素処理法、カルシウム沈殿法等の処理により含まれている糖類を低下せしめて用いるがよい。蛋白に対する糖類が1.5重量倍を超える場合は、焼成後の透明感がなくなりくすんだ艶になる。
【0010】本発明においては、蛋白に対する乳糖が1.0重量倍以下が好ましい。より好ましくは乳糖を含まないものがよい。蛋白と糖類が共存しているもので、乳糖が1.0重量以上含有されているものを使用する場合は、限外ろ過、酸沈殿法、酵素処理法、カルシウム沈殿法等の処理により含まれている乳糖を低下せしめて用いるがよい。蛋白に対する乳糖が1.0重量倍を超える場合は、焼成後の透明感がなくなりくすんだ艶になる。
【0011】本発明の水中油型艶出し剤については溶融塩を使用するのが好ましく、メタリン酸塩、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩、クエン酸塩、ポリリン酸塩、重曹等を単独又は2種類以上混合使用するのが好ましい。本発明においては溶融塩が、カゼイン含有蛋白に対し0.5〜10%が好ましく、1〜6%がより好ましい。溶融塩が下限未満の場合はカゼイン蛋白の溶解性が悪くなり薄膜が形成されず艶が出ない。溶融塩が上限を超える場合は水中油型艶出し剤の粘度が高くなり生地表面に均一に塗布し難くなる。
【0012】本発明の水中油型艶出し剤については粘度を20〜1200mPa・sの範囲に調整するのが好ましく、澱粉、増粘多糖類等を単独又は2種類以上混合使用するのがよい。本発明で使用する澱粉としては、コーン、米、馬鈴薯、タピオカ、小麦、甘薯等から得られる澱粉類及びそれらのリン酸化澱粉、α化澱粉等の加工澱粉類等が例示できる。又、増粘多糖類としては、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、グアガム等が例示できる。これら原料を単独または2種類以上混合使用し、粘度を20〜1200mPa・sの範囲に調整するのが好ましい。更に好ましくは300〜900mPa・sがよい。粘度が下限未満の場合も上限を超える場合も生地表面に均一に塗布し難くなる。
【0013】本発明の水中油型艶出し剤の製造するに際して、従来使用されてきたモノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤を使用しても、使用しなくてもどちらでもよい。これらの合成乳化剤を使用した場合は、水中油型艶出し剤を容易に得ることができる。その他所望により香料、着色剤、保存料等を使用することができる。
【0014】本発明の水中油型艶出し剤の製造法としては、一般的なクリーム類を製造する要領で行うことができる。具体的には、各種原料を65℃で30分間予備乳化した後、0〜15MPaの条件下にて均質化する。次いで超高温加熱殺菌(UHT)処理した後、再度、0〜15MPaの条件下にて均質化し、冷却後、約24時間エージングする。均質化は、殺菌処理の前後のどちらか一方でも、両者を組み合わせた二段均質化でもよい。
【0015】本発明の水中油型艶出し剤を使用する焼成品としては、ベーカリー製品、焼菓子、和菓子、焼きおにぎり等が挙げられる。ベーカリー製品としては、粉100部に対して油脂量が40部〜100部である高油分タイプの生地で、ペストリー、クロワッサン、デニッシュ等が例示でき、粉100部に対して油脂量が0部〜40部である低油分タイプの生地である山食パン、ハード山食、バタービエノワ、ハイブラン、バターロール、あんパン、クリームパン、チョココルネ等が例示できる。焼菓子としては高油分タイプに代表されるパイ、シュー、クッキー等を始めとして、低油分タイプに代表されるクラッカー、ビスケット、ウエハース等が例示できる。
【0016】本発明の水中油型艶出し剤を焼成前に塗布する方法としては、特に限定されず、部分的浸漬、はけ塗り、スプレー式等が挙げられる。部分的浸漬は、例えば生地の一部又は全部を水中油型艶出し剤に浸漬する方法であり、手動もしくは自動で行える。はけ塗りは、生地に対して水中油型艶出し剤をはけ等の付着手段を用いて塗り付けることである。また、スプレー式は、噴霧装置(スプレー)を用いて水中油型艶出し剤を生地に噴きつける方法である。
【0017】本発明の水中油型艶出し剤を塗布後焼成する方法としては、例えばオーブン、電子レンジ等を用いることができる。オーブンとしては、一般的に使用される固定窯、トレイオーブン、リールオーブン、トンネルオーブン等の運行窯等特に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。水中油型艶出し剤の粘度の測定は、BMロータ型粘度計(東機産業株式会社製)にて行った。(測定条件:室温20℃、品温5℃、回転速度60rpm、BMロータNO2、測定時間30秒)
【0019】
実験例1
ハイオレックヒマワリ油(不二製油株式会社製、商品名:ハイオール75B)6部に大豆レシチン(ツルーレシチン工業株式会社製、商品名:SLPペースト、リン脂質60〜62重量%含有)0.2部を添加混合溶解して油相とし、澱粉(王子ナショナル株式会社製、商品名:インスタントクリアジェル)0.5部を油相に分散させる。これとは別に水86.1部にカゼイン含有蛋白(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:カゼインナトリウムL、蛋白質:91%、うちカゼイン態:91%、糖質:0%)7部、ポリリン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して2.8%)を溶解し水相を調製する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度は663mPa・sであった。
【0020】
実験例2
パームスーパーオレイン(不二製油株式会社製、商品名:パームエース10、上昇融点9℃)4部に卵黄油(キユーピー株式会社製、商品名:卵黄レシチンPL30S、リン脂質30%含有)0.6部を添加混合溶解して油相とする。これとは別に、水88.02部にカゼイン含有蛋白(Baranyatej製、商品名:トータルミルクプロテイン、蛋白質:85%、うちカゼイン態:68%、糖質:5%)7部、ポリリン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して2.8%)、キサンタンガム0.15部(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:サンエース)、グアガム0.03部(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:ネオソフトG)を溶解し水相を調製する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度は457mPa・sであった。
【0021】
実験例3
菜種油(不二製油株式会社製、商品名:製菓用サラダ油)6部に大豆レシチン(ツルーレシチン工業株式会社製、商品名:SLPペースト、リン脂質60〜62%含有)0.2部を添加混合溶解して油相とし、これとは別に水86.92部にカゼイン含有蛋白(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:カゼインナトリウムL、蛋白質:91%、うちカゼイン態:91%、糖質:0%)6.5部、クエン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して3.0%)、キサンタンガム0.15部(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:サンエース)、グアガム0.03部(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:ネオソフトG)を溶解し水相を調製する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度は421mPa・sであった。
【0022】
実験例4
パームスーパーオレイン(不二製油株式会社製、商品名:パームエース10、上昇融点9℃)4部に卵黄油(キユーピー株式会社製、商品名:卵黄レシチンPL30S、リン脂質30%含有)0.6部を添加混合溶解して油相とし、澱粉(ナショナルスターチ株式会社製、商品名:インスタントクリアジェル)0.5部を油相分散させる。これとは別に、水87.7部にカゼイン含有蛋白(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:カゼインナトリウムL、蛋白質:91%、うちカゼイン態:91%、糖質:0%)7部、ポリリン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して2.8%)を溶解し水相を調整する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度は509mPa・sであった。
【0023】
比較実験例1
菜種油(不二製油株式会社製、商品名:製菓用サラダ油)4部を油相とし、これとは別に水89.3部にカゼイン含有蛋白(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:カゼインナトリウムL、蛋白質:91%、うちカゼイン態:91%、糖質:0%)6.5部、クエン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して3.0%)を溶解し水相を調整する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度は120mPa・sであった。
【0024】
比較実験例2
パームスーパーオレイン(不二製油株式会社製、商品名:パームエース10、上昇融点9℃)4部を油相とし、澱粉(日本エヌエスシー株式会社製、商品名:コルフロ67)0.5部を油相分散させる。これとは別に、水88.3部にカゼイン含有蛋白(Baranyatej製、商品名:トータルミルクプロテイン、蛋白質:85%、うちカゼイン態:68%、糖質:5%)7部、クエン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して2.8%)を溶解し水相を調製する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度は412mPa・sであった。
【0025】
比較実験例3
パームスーパーオレイン(不二製油株式会社製、商品名:パームエース10、上昇融点9℃)6部に卵黄油(キユーピー株式会社製、商品名:卵黄レシチンLPL20、リン脂質20%含有)0.6部を添加混合溶解して油相とする。水86.2部にカゼイン含有蛋白(Baranyatej製、商品名:トータルミルクプロテイン、蛋白質:85%、うちカゼイン態:68%、糖質:5%)7部、クエン酸ナトリウム0.2部(カゼイン含有蛋白に対して2.8%)を溶解し水相を調製する。上記水相と油相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、3MPaの均質化をし、135〜145℃に2〜7秒間UHT滅菌処理し、再度3MPaの条件下に均質化して、5℃に冷却後、約24時間エージングして、水中油型艶出し剤を得た。粘度がは17mPa・sであった。
【0026】
水中油型艶出し剤の評価
ペストリー生地と菓子パン生地の双方で艶を評価した。ペストリー生地の代表とするクロワッサン(粉100部に対して油脂分58部)と、菓子パン生地の代表するバターロール(粉100部に対して油脂分12部)で艶の状態を測定。成形冷凍クロワッサン生地(不二製油株式会社販売、商品名:クロワッサン)を室温(20〜25℃)で2時間解凍後、27℃、湿度75%の焙炉で60分醗酵させ、生地の表面に調整した水中油型艶出し剤を0.2g塗布し、200℃で13分焼成。及び、成形冷凍バターロール生地(不二製油株式会社販売、商品名:バターロール)を室温(20〜25℃)で2時間解凍後、36℃、湿度75%の焙炉で60分醗酵させ、各々生地の表面に艶出し剤を0.2g塗布し、190℃で12分焼成。得られたクロワッサンとバターロールの艶の状態を測定した。
【0027】
実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例3
実験例1〜4及び比較実験例1〜3で得られた艶出し剤について、上記方法により評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【表1】
Figure 2004350603
表1から明らかなように、実施例1〜4のようにリン脂質を用い、更に発明品の粘度を調整することでバターロール及びクロワッサンに良好な艶が得られた。これに対して比較実施例1〜3のようにリン脂質を用いなかったり、粘度の調整を行わなかったりすると、バターロールでは艶が得られてもクロワッサンでは艶が得られないことが窺える。
【0028】
【発明の効果】艶出し剤としての一般的特性に優れると共に油脂分を含まない生地から油脂分を多く含む多様な生地の焼成品に艶の透明感を与える水中油型艶出し剤及びその製造法を提供することが可能になった。

Claims (8)

  1. カゼイン含有蛋白、上昇融点20℃以下である油脂及びリン脂質を含有し、蛋白に対する糖類が1.5重量倍以下である水中油型艶出し剤。
  2. カゼイン含有蛋白3〜12重量%、油脂2〜10重量%、リン脂質0.01〜1.0重量%を含有する、請求項1記載の水中油型艶出し剤。
  3. カゼイン含有蛋白に対し、溶融塩を0.5〜10%含有する、請求項1又は請求項2記載の水中油型艶出し剤。
  4. 粘度が20〜1200mPa・sである、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の水中油型艶出し剤。
  5. 焼成品用艶出し剤である、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水中油型艶出し剤。
  6. 焼成品が粉100部に対して油脂分40部〜100部添加してなる高油分生地を焼成したものである、請求項5記載の水中油型艶出し剤。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の水中油型艶出し剤を表面に塗布後焼成してなる焼成食品。
  8. カゼイン含有蛋白3〜12重量%、油脂2〜10重量%、リン脂質0.01〜1.0重量%を含有させ、蛋白に対する糖類が1.5重量倍以下に配合することを特徴とする水中油型艶出し剤の製造法。
JP2003153595A 2003-05-30 2003-05-30 水中油型艶出し剤 Pending JP2004350603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003153595A JP2004350603A (ja) 2003-05-30 2003-05-30 水中油型艶出し剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003153595A JP2004350603A (ja) 2003-05-30 2003-05-30 水中油型艶出し剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004350603A true JP2004350603A (ja) 2004-12-16

Family

ID=34048461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003153595A Pending JP2004350603A (ja) 2003-05-30 2003-05-30 水中油型艶出し剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004350603A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008148599A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 焼成食品用艶出し剤
JP2011205990A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kaneka Corp 焼成食品用艶出しクリーム
JP2012210230A (ja) * 2006-09-28 2012-11-01 National Federation Of Dairy Cooperative Associations 代用乳及びその製造方法
JP2014212730A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 株式会社カネカ 焼成食品用艶出剤

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012210230A (ja) * 2006-09-28 2012-11-01 National Federation Of Dairy Cooperative Associations 代用乳及びその製造方法
JP2008148599A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 焼成食品用艶出し剤
JP4610547B2 (ja) * 2006-12-15 2011-01-12 ミヨシ油脂株式会社 焼成食品用艶出し剤
JP2011205990A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kaneka Corp 焼成食品用艶出しクリーム
JP2014212730A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 株式会社カネカ 焼成食品用艶出剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5859282B2 (ja) 製パン練り込み用油中水型乳化油脂組成物
WO2015012289A1 (ja) ベーカリー製品用チョコレート類及びベーカリー製品の製造法
JP4375922B2 (ja) ロールイン用油脂組成物及びその製造方法
JP6282854B2 (ja) 可塑性油中水型乳化油脂組成物
JP2010268751A (ja) フラワーペースト類
JP4311885B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP2011055786A (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP6572531B2 (ja) ベーカリー製品用チョコレート類及びベーカリー製品の製造法
JP4578429B2 (ja) 焼菓子生地
JP2003199536A (ja) 起泡組成物の製造方法および焼成菓子の製造方法
JP2013102745A (ja) 製パン練り込み用乳化油脂組成物
JP3671877B2 (ja) 水中油型クリーム状組成物
JP2004350603A (ja) 水中油型艶出し剤
JP2019149982A (ja) ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物
JP6557073B2 (ja) チルドパンとその製造方法
JP2015073474A (ja) ベーカリー上掛け用バッター生地
JP2014075997A (ja) 油菓子練込用乳化油脂組成物
JP2013085483A (ja) パン生地
JPH02124054A (ja) 油脂含有イースト組成物及びその製造法
JPH0713B2 (ja) チ−ズ類
JP2005102684A (ja) 菓子類用食感品質改良剤及び該菓子類用食感品質改良剤を含有する菓子類用生地、並びに菓子類の製造方法
JP7211060B2 (ja) シュー生地用水中油型乳化物及びそれを用いたシュー生地
JP7271125B2 (ja) バウムクーヘン生地及びバウムクーヘン
JP2006006108A (ja) 油中水型乳化油脂組成物
JP2008125445A (ja) 加熱加工食品