JP2004348038A - カラーフィルター用光重合性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター用光重合性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルター Download PDF

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Masaki Wakita
全規 脇田
Hitoshi Hayakawa
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Abstract

【課題】耐熱性、耐薬品性に優れたカラーフィルターを提供すること、及び該カラフィルターを作製することができるカラーフィルター用光重合性着色組成物を提供することにある。
【解決手段】色材、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物を含有するカラーフィルター用光重合性着色組成物であって、前記光重合性化合物が、多分岐状マクロモノマーであるカラーフィルター用光重合性着色組成物、及び透明基板上に着色画素部を有し、該着色画素部が、前記カラーフィルター用光重合性着色組成物の硬化塗膜層であるカラーフィルター。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフォトリソグラフィー法によってパターン形成可能なカラーフィルター用光重合性着色組成物、およびカラー液晶ディスプレイ、カラースキャナ、固体撮像素子等に使用するカラーフィルターに関し、さらに詳しくは、露光・現像によるパターン形成工程を経た後の耐久性を要求される用途に好適な耐久性に優れたカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顔料、染料等の色材を用いた光硬化性着色組成物の一つとして、バインダー樹脂または分散剤等を用いて色材を分散した着色組成物に、光重合性多官能モノマー、光反応開始剤を添加した光硬化性着色組成物が知られており、これを基材上に塗布して乾燥させマスクを用いて露光、次いで現像し着色パターンを形成させた後、焼き付けしてパターンを固着する等の方法による着色画像作成方法等が知られている。特にこれら光硬化性着色組成物の利用分野の一つとして、カラー液晶ディスプレイ、カラースキャナ、固体撮像素子等に使用するカラーフィルターがある。カラーフィルターは、ブラックマトリックスを設けた透明基板上に、それぞれ赤、緑、青の光の3原色を選択的に透過するように、または、シアン、マジェンタ、イエローの色の3原色を選択的に反射するように、色材を各画素部に配置することにより形成されている。
カラーフィルター用材料に必要な特性としては、カラー液晶ディスプレイ製造工程に起因するものが多く、たとえば透明電極の蒸着またはスパッタリング工程、焼成工程等で要求される耐熱性、洗浄工程や配向膜塗布工程等で要求される耐溶剤性、さらに画像表示時にはカラーフィルターを透過した光が画像情報となるため耐光性も要求される。
【0003】
そこでこれら要求を満たすため、 光重合性多官能モノマーとしては従来(メタ)アクリロイル基を2〜8個有する化合物が使われており、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが、光硬化の感度に優れる顔料分散レジストとして用いられている。しかし、近年はタクトタイム短縮のために露光時間が短縮されてきており、従来使用されている光重合性多官能モノマーにとって露光量が十分でなく、硬化不十分のため露光・現像工程を経たフィルターの耐熱性や耐薬品性が不十分となることがある(例えば特許文献1参照。)。
また、最近、カラーフィルターの最大の用途であるカラー液晶ディスプレイが、カラーモニターやカラーテレビに用いられるようになり、カラー液晶ディスプレイにも従来の要求特性に加えて「色再現性」が強く求められている。そのため、カラーフィルターに使用する着色剤にも、色純度および色濃度が高く、透明性の高いものが要求されている。
【0004】
このような背景のもと、塗膜の色純度、色濃度および透明性が高く、さらに、良好なアルカリ現像性と耐熱性や耐溶剤性等を両立させたカラーフィルター用光重合性着色組成物、およびそれを使用した、色純度、色濃度および透明性が高く、耐熱性、耐溶剤性または耐薬品性に優れ、実用性の高いカラーフィルターが望まれている。
【特許文献1】
特開平11−326624号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性、耐薬品性に優れたカラーフィルターを提供すること、及び該カラフィルターを作製することができるカラーフィルター用光重合性着色組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、カラーフィルター用光重合性着色組成物中の光重合性化合物として、多分岐状マクロモノマーを使用することにより、上記課題を解決ことを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、色材、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物を含有するカラーフィルター用光重合性着色組成物であって、前記光重合性化合物が、多分岐状マクロモノマーであるカラーフィルター用光重合性着色組成物を提供する。
また、透明基板上に着色画素部を有し、該着色画素部が、前記カラーフィルター用光重合性着色組成物の硬化塗膜層であるカラーフィルターを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】
(色材)
本発明のカラーフィルター用光重合性着色組成物で使用する色材(a)としては、カラーフィルターとして通常使用されている染料、顔料を特に支障なく用いることができるが、耐熱性、耐光性の面から顔料が好適に使用できる。
【0009】
(顔料)
本発明で使用される顔料としては、有機顔料と無機顔料を用いることができる。本発明で用いられる有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド9, C.I.ピグメントレッド97, C.I.ピグメントレッド122, C.I.ピグメントレッド123, C.I.ピグメントレッド149,C.I.ピグメントレッド168, C.I.ピグメントレッド177,C.I.ピグメントレッド180,C.I.ピグメントレッド192, C.I.ピグメントレッド215,C.I.ピグメントレド216,C.I.ピグメントレッド217,C.I.ピグメントレッド220,C.I.ピグメントレッド223,C.I.ピグメントレッド224,C.I.ピグメントレッド226,C.I.ピグメントレッド227,C.I.ピグメントレッド228,C.I.グメントレッド240,C.I.グメントレッド254,C.I.ピグメントレッド48:1などの赤色顔料;C.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36などの緑色顔料;C.I.ピグメントブルー15, C.I.ピグメントブルー15:6, C.I.ピグメントブルー22, C.I.ピグメントブルー60, C.I.ピグメントブルー64などの青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット19, C.I.ピグメントバイオレット23,C.I.ピグメントバイオレット29, C.I.ピグメントバイオレット30,C.I.ピグメントバイオレット37, C.I.ピグメントバイオレット40, C.I.ピグメントバイオレット50などのバイオレット顔料;C.I.ピグメントイエロー20,C.I.ピグメントイエロー24, C.I.ピグメントイエロー83, C.I.ピグメントイエロー86,C.I.ピグメントイエロー93 ,C.I.ピグメントイエロー109,C.I. ピグメントイエロー110, C.I. ピグメントイエロー117, C.I. ピグメントイエロー125, C.I. ピグメントイエロー137, C.I. ピグメントイエロー138,C.I.ピグメントイエロー139, C.I. ピグメントイエロー147, C.I. ピグメントイエロー148, C.I. ピグメントイエロー150, C.I. ピグメントイエロー153,C.I.ピグメントイエロー154, C.I.ピグメントイエロー166, C.I.ピグメントイエロー168,C.I. ピグメントイエロー185などの黄色顔料;C.I.ピグメントブラック7などの黒色顔料などが挙げられる。また本発明で用いられる無機顔料としては、例えば、カーボン系、チタン系、バリウム系、アルミニウム系、カルシウム系、鉄系、鉛系、コバルト系などが挙げられる。
これらの顔料は、それぞれ単独でも、また2つ以上の顔料を併用して使用することもできる。
【0010】
(顔料分散剤)
顔料を分散させて着色組成物を製造することも可能である。各種の顔料分散剤を使用することができ、特に限定されるものではないが、例を挙げれば、界面活性剤;顔料の中間体もしくは誘導体、染料の中間体もしくは誘導体;ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂型分散剤等が挙げられる。これら顔料分散剤の中でも、特に、主鎖または側鎖にN,N−ジ置換アミノ基および酸性基を有するアクリル系重合体を含有する顔料分散剤を使用することが好ましい。樹脂型分散剤の市販品には、例えば、ビックケミー社製の「BYK−160」、「BYK−161」、「BYK−2001」、エフカーケミカルズ社製の「エフカ46」、味の素社製の「アジスパーPB−814」などがある。これらの分散剤は、1種単独でも、あるいは、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、前記顔料分散組成物の製造で用いる溶剤としては、顔料分散剤および、更に必要により配合されるその他の成分を溶解し、色材(a)を安定的に分散させることができる溶剤を使用することが好ましい。このような溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル系溶剤、エトキシプロピオネートなどのプロピオネート系溶剤、トルエン、キシレン、メトキシベンゼンなどの芳香族系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドンなどの窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤、カルバミン酸エステルなどが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0011】
(顔料分散組成物の不揮発分)
前記顔料分散組成物中の不揮発分の含有率は、10〜35質量%の範囲にあるのが好ましい。また、該不揮発分中に含有される色材(a)の含有率は8〜23質量%の範囲にあることが好ましく、該不揮発分中に含有される顔料分散剤の含有率は2〜15質量%の範囲にあることが好ましい。
【0012】
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(b)はカラーフィルター製造時の現像処理工程で用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば特に制限はないが、代表的な樹脂としてカルボキシル基を有する共重合体が用いられる。カルボキシル基を有する共重合体は、カルボキシル基含有モノマーと、それに共重合が可能な他のモノマーとの共重合体(以下、共重合樹脂(b−1)と略記する)である。
【0013】
カルボキシル基含有モノマーは、例えば、不飽和モノカルボン酸や不飽和ジカルボン酸など、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸であることが必要であり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらカルボキシル基含有モノマーに共重合が可能なモノマーとは、重合性不飽和結合を有する化合物である。 これらの例としてはメチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、スチレンなどの重合性モノマーが挙げられる。これらのモノマーも、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0014】
また、上記の共重合樹脂(b−1)ではなく、以下に挙げるカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂を用いることでさらに耐熱性、耐溶剤性および耐薬品性に優れたカラーフィルターを形成することができる。
カルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂(以下、アミノ樹脂(b−2)と略記する)は、例えば、
(1)カルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアミノ化合物と、アルデヒド化合物とを縮合させる方法、または
(2)カルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアルデヒド化合物と、アミノ化合物とを縮合させる方法
によって製造することができる。
【0015】
カルボキシル基を有するアミノ化合物としては、たとえば、2−、3−、または4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、5−メチル−2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、4−メトキシ−2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、2−メチル−4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、2−クロロ−4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、などが挙げられる。
【0016】
フェノール性水酸基を有するアミノ化合物としては、たとえば、2−、3−、または4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノール、4−メチル−2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノール、2−メトキシ−4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノール、3−クロロ−4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノール、などが挙げられる。
【0017】
カルボキシル基を有するアルデヒド化合物としては、たとえば、グリオキシル酸およびその水和物、スクシンセミアルデヒド、などが挙げられる。
フェノール性水酸基を有するアルデヒド化合物としては、たとえば、2−、3−、または4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−、3,5−、2,5−、または2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒド、などが挙げられる。
【0018】
アルデヒド化合物としては、上記したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアルデヒド化合物のほか、たとえば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール;トリオキサン、パラホルムアルデヒドのようなホルムアルデヒド縮合体;ホルムアルデヒド水溶液のような水溶液;メチルヘミホルマール、n−ブチルヘミホルマールまたはイソブチルヘミホルマール、などが挙げられる。
【0019】
アミノ化合物としては、上記したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアミノ化合物のほか、たとえば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、フタログアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、などが挙げられる。
【0020】
アミノ樹脂(b−2)を前記(1)または(2)の方法により製造する際、複数種のアミノ化合物または複数種のアルデヒド化合物を用いることができる。たとえば、ベンゾグアナミンと4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸を所望の比率で併用し、あるいはホルムアルデヒドとグリオキシル酸を所望の比率で併用できる。このように、原料のアミノ化合物またはアルデヒド化合物を複数使用することにより、得られるアミノ樹脂の酸価を調整し、アミノ樹脂(b−2)の溶剤に対する溶解性を制御することができる。
【0021】
上記の方法により得られるアミノ樹脂(b−2)は、縮合反応によって生成するメチロール基を、アルコールを用いてエーテル化することにより、安定化させることができる。
本発明で使用するアミノ樹脂(b−2)は、公知慣用の製造方法に従い、アミノ化合物1.0モルとアルデヒド化合物1.5〜8モルと、エーテル化用アルコール3〜20モルとを、必要に応じて、公知慣用の溶剤の存在下で、反応させる方法により、製造することができる。
【0022】
アミノ化合物またはアルデヒド化合物を2種以上併用する場合、その割合に特に制限はないが、得られるアミノ樹脂(b−2)の酸価が低すぎると、水可溶性溶剤への溶解性が劣り、また、熱硬化時のカルボキシル基またはフェノール性水酸基による硬化促進作用が低下する傾向にあり、一方、得られるアミノ樹脂(b)の酸価が高すぎると、着色硬化皮膜層が耐水性に劣る傾向にある。従って、アミノ樹脂(b−2)の酸価が20〜250mgKOH/gの範囲となるように、組成を調整することが好ましい。
【0023】
メチロール基をエーテル化したアミノ樹脂(b−2)は、公知慣用の方法により製造することができる。たとえば、
(1)エーテル化用アルコールにアルデヒド化合物を加えた溶液に、アミノ化合物を加え、必要に応じて酸性触媒の存在下、50〜140℃で20分間〜7時間反応させ、縮合反応ならびにエーテル化反応を同時に行う方法、
(2)アルデヒド化合物とアミノ化合物とを、pH8〜10の範囲内で反応させてアミノ化合物をメチロール化し、次にエーテル化用アルコールの存在下で、pH2〜6の範囲内でアルキルエーテル化する方法、
(3)エーテル化用アルコールにアルデヒド化合物を加えた溶液に、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、フタログアナミン、ステログアナミンおよびスピログアナミンよりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアミノ化合物を加え、縮合反応およびエーテル化反応の途中で、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸および/または(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−フェノールを加える方法、
(4)エーテル化用アルコールに、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール、グリオキシル酸、スクシンセミアルデヒドおよび2−、3−または4−ヒドロキシベンズアルデヒドよりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアルデヒド化合物を加え、次いで尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、フタログアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、および(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−フェノールよりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアミノ化合物を加え、縮合反応およびエーテル化反応を行う方法、
等が挙げられる。
【0024】
アミノ樹脂(b−2)が有するカルボキシル基またはフェノール性水酸基を、アンモニアまたは有機アミン等のような種々の揮発性塩基で、完全中和または部分中和して、水、または水と水可溶性溶媒との混合物に溶解または分散化することも可能である。
アミノ樹脂(b−2)が有するカルボキシル基またはフェノール性水酸基を中和するために用いる有機アミンには特に制限はないが、たとえば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミンまたはトリエチルアミン等の、アルキルアミン類;N−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン等の、ヒドロキシルアミン類;エチレンジアミンまたはジエチレントリアミン等の多価アミン類等が挙げられる。これらは、単独使用でも2種以上を併用して用いることもできる。
なお、共重合樹脂(b−1)、アミノ樹脂(b−2)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
(光反応開始剤/光増感剤)
本発明で用いる光反応開始剤(c)としては、光により解離してラジカルを発生するような光重合開始剤が使用でき、例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ビスメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等のベンゾフェノン類;キサントン、チオキサントン等のキサントン類;p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、ビイミダゾールなどが挙げられる。
また、光重合反応としてカチオン重合を用いる場合は、光により解離して酸を発生するようなオニウム塩や有機塩といった光重合開始剤が使用でき、例えば、トリアリルスルホニウム塩、フェロセシウム塩、スルホニルオキシケトンやシリルベンジルエーテルなどが挙げられる。
【0026】
光反応開始剤として市販されているものとしては、例えば、チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア−184」、「イルガキュア−369」、「ダロキュア−1173」、「イルガキュアー261」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュアーDETX」、「カヤキュアーOA」、ストーファー社製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アクゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成社製「ビイミダゾール」、ユニオンカーバイド社製「シラキュアーUVI6990」、「シラキュアーUVI6974」などが挙げられる。
【0027】
また、前記光反応開始剤に各種の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物、ニトリル類、その他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0028】
光反応開始剤の配合率は、特に限定されるものではないが、光硬化時の感光度が高く、顔料分散レジストの塗膜を乾燥させたときの光反応開始剤の結晶析出による塗膜物性の劣化を防止できることから、多分岐状マクロモノマー(d)100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲が好ましい。
【0029】
(多分岐状マクロモノマー)
本発明に用いられる多分岐状マクロモノマー(d)とは紫外線(UV)や電子線(EB)などの放射線の照射により反応する官能基を末端に有する多分岐ポリマーである。ここで言う多分岐ポリマーとは中心点に存在する分岐点から延びた分子鎖が更に分岐点を有し、中心点から遠くなるに従って末端数が増加していく構造のポリマーである。いわゆる「デンドリマー」も多分岐状マクロモノマー(d)に包含される。
【0030】
本発明における多分岐状マクロモノマー(d)の放射線の照射下における反応は、使用する放射線種にもよるがラジカル重合、ラジカル付加、イオン重合等によって進行する。従って、多分岐状マクロモノマー(d)の末端に存在する官能基は、これらの反応を生じるものであればいかなるものでよく、また、単一種の官能基であっても、複数の種類の官能基が混在していてもよい。これらの官能基を例示すれば、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基やメルカプト基と(メタ)アクリロイル基、マレイミド基やビニル基の組み合わせがあげられる。紫外線照射による反応では、その高い反応性から(メタ)アクリロイル基やマレイミド基が好ましい。
【0031】
本発明における多分岐状マクロモノマー(d)はその分子形状及び、その形状に由来する末端官能基の高反応性が重要である為、カラーフィルター組成物としての使用に際して分解等の不都合が生じない限り、いかなるモノマー単位及び結合様式の骨格を有していても構わない。
【0032】
本発明に用いられる多分岐状マクロモノマー(d)は、例えば、日本国特許第2927291号や日本国特許第3008936号に開示されているようなビニル基を有するデンドリマーである。また、日本国特許2574201、WO00−56802、WO99−16810、タマリア(Tamalia)氏他による「Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 29」(1990年)の138〜175頁や石津氏らによる「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(アイピーシー社刊)の123〜153頁に記載の多分岐ポリマーを、その末端に存在する水酸基やカルボキシル基等の官能基を上述の放射線の照射により反応する官能基に誘導化して用いることができる。
【0033】
例えば、多分岐ポリマーの末端の官能基が水酸基の場合、一分子中に放射線の照射により反応する官能基及び水酸基と反応する官能基を有する化合物を用いて誘導化できるが、この水酸基と反応する官能基としては、カルボキシル基、カルボン酸エステル、イソシアネート基やエポキシ基等があげられ、それぞれ、公知の触媒等を用いた直接エステル化反応、エステル交換反応、ウレタン化反応、付加反応等により誘導体化できる。この誘導体化に用いることができる化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイミド酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、マレイミド酢酸ブチル、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートがあげられる。
【0034】
また、多分岐ポリマーの末端の官能基がカルボキシル基の場合、一分子中に放射線の照射により反応する官能基及びカルボキシル基と反応する官能基を有する化合物を用いて誘導化できるが、このカルボキシル基と反応する官能基としては、水酸基、エポキシ基等があげられ、それぞれ、公知の触媒等を用いたエステル化反応や付加反応等により誘導体化できる。この誘導体化に用いることができる化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルマレイミドアセテート、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートがあげられる。
【0035】
また、多分岐ポリマーの末端にハロゲン原子がある場合、一分子中に放射線の照射により反応する官能基及びハロゲン化アルキルやハロゲン化アリルと反応する官能基を有する化合物を用いて誘導化できるが、このハロゲン化アルキルやハロゲン化アリル基と反応する官能基としては、水酸基があげられ、公知の触媒等を用いたエーテル化反応により誘導体化できる。この誘導体化に用いる化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンやグリシドールがあげられる。
【0036】
上述の多分岐状マクロモノマーの中でも入手のしやすさから、日本国特許2574201、WO00−56802、WO99−16810に記載の水酸基を有する多分岐ポリマーの(メタ)アクリロイル誘導体が好ましい。これらの末端水酸基型の多分岐ポリマーはBoltorn(Perstorp社)、Hybrane(DSM)といった商標で市販されており、同様に容易に入手可能なアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを用いた直接エステル化やエステル交換反応により、放射線の照射下で反応する官能基を導入することができる。
【0037】
本発明に用いられる多分岐状マクロモノマー(d)の好適な重量平均分子量は1,000から30,000である。重量平均分子量が1,000より小さいと耐熱性が低く、30,000以上であると解像度の低下や未露光部の現像残り等を生じる。より好ましくは重量平均分子量は、2,000から15,000である。
【0038】
本発明に用いられる多分岐状マクロモノマー(d)における放射線の照射下で反応する官能基量は2.5mmol/g以上が好ましく、さらに好ましくは3mmol/gである。2.5mmol/gより少ないと硬化性が低下するため好ましくない。また、本発明に用いられる多分岐状マクロモノマー(d)は、カラーフィルター組成物としての使用に妨げのない他の官能基を併せて有することができる。
【0039】
本発明における多分岐状マクロモノマー(d)の配合率はアルカリ可溶性樹脂(b)100質量部に対して5〜500質量部、好ましくは20〜300質量部である。5質量部未満では画素の強度不足、表面平滑性の低下が起こる傾向にあり、500質量部を超えるとアルカリ現像性が低下する傾向にあるため好ましくない。
【0040】
(従来の光重合性化合物)
耐熱性などの効果が若干低下するが、多分岐状マクロモノマー(d)と従来用いられている光重合性官能基を有する化合物を併用してもよい。例えば、光重合反応としてカチオン重合を用いる場合は多官能ビニルエーテル化合物、多官能エポキシ化合物や多官能オキセタン化合物等を用いることができる。
【0041】
また、光重合反応としてラジカル反応を用いる場合の従来の光重合性化合物の例としては、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】
前記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物等が挙げられる。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリオール類(例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのポリエトキシジオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール等)と、有機ポリイソシアネート類(例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、水酸基含有(メタ)アクリレート類(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)との反応物などが挙げられる。
さらに、ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、多塩基酸化合物又はその無水物とポリオール類との反応物であるポリエステルポリオール類と(メタ)アクリル酸との反応物などが挙げられる。ここで用いる多塩基酸化合物又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの無水物等が挙げられ、ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0043】
本発明においては、上記に挙げた光重合性官能基を有する化合物の中でも、(メタ)アクリロイル基を2〜8個有する化合物が好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが、光硬化の感度に優れる顔料分散レジストが得られることから多分岐状マクロモノマー(d)と併用する場合は特に好ましい。
【0044】
(顔料分散レジスト)
さらに、本発明の顔料分散レジストには、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、顔料誘導体、染料、樹脂、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤等、公知慣用の添加剤を添加することができる。
本発明の顔料分散レジストの配合としては、色材(a)とアルカリ可溶性樹脂(b)と光反応開始剤(c)と多分岐状マクロモノマー(d)と顔料分散剤と溶剤とを含有してなり、かつ、色材(a)の含有率が4〜20質量%で、アルカリ可溶性樹脂(b)の含有率が3〜15質量%で、光反応開始剤(c)の含有率が0.1〜7質量%で多分岐状マクロモノマー(d)の含有率が0.5〜25質量%で、しかも、不揮発分の合計の含有率が10〜40質量%であるものが好ましく、さらに、顔料分散剤の含有率が0.8〜9質量%であるものが特に好ましい。
【0045】
(カラーフィルター作製工程)
一般に、カラーフィルターは以下の工程を経て作成される。
顔料分散レジストを、カラーフィルター用基板のブラックマトリックスを設けた側全面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを通して紫外線あるいは可視光を照射し、現像することによって、画素部に顔料分散レジストの光硬化塗膜層を形成する。その後必要に応じて、加熱処理(ポストベーク)して該顔料分散レジストの光硬化塗膜層をさらに熱硬化させることもできる。各色ごとに同様の操作を3回繰り返して、所定の位置に赤色、緑色、青色(あるいは、シアン、マジェンタ、イエロー)の画素を有するカラーフィルターを作成する。
【0046】
(各工程)
以下に、本発明のカラーフィルターの製造方法を、上記一般的な製造方法を例として、工程順にさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
(顔料レジストの塗布方法)
本発明の顔料分散レジストをカラーフィルター用基板表面に塗布する方法については、特に限定はない。塗布方法としては、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法等の方法を用いることができる。
【0048】
カラーフィルター用基板に塗布した顔料分散レジストの塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常50〜150℃で、1〜15分間程度である。
顔料分散レジスト塗膜の光硬化に用いる光としては、各種のエネルギー線が使用できるが、200〜500nmの波長範囲の紫外線あるいは可視光を使用するのが好ましい。なかでも、波長が短く、エネルギーの高い紫外線を使用するのが特に好ましい。紫外線あるいは可視光の光源としては、フォトファブリケーションの分野で広く使用されているものを使用することができ、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミウムレーザー、アルゴンレーザー、Nd−YAGレーザーを用いたTHGやFHG光レーザーなどが挙げられる。光源としてレーザーを使用した場合は、フォトマスクを使用しないで、顔料分散レジスト塗膜に直接画素パターンを描画することができる。
【0049】
本発明の顔料分散レジストは、上記の光だけではなく、電子線に対しても感度を有するので、レーザーと同様に、電子線で顔料分散レジスト塗膜に直接画素パターンを描画することもできる。この場合は、前記光硬化性組成物中に必ずしも光重合開始剤を配合する必要はない。
顔料分散レジストの塗膜に光照射して画素パターンを焼き付けた後、現像する際に用いるアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの水溶液などを使用することができる。該アルカリ現像液中に、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶剤、界面活性剤を適当量添加してもよい。
【0050】
(現像方法)
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。現像後は、水洗し、乾燥させる。
【0051】
(顔料分散レジスト−色)
本発明の顔料分散レジストは、得られた光硬化塗膜層を有する基板を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、顔料分散レジストの光硬化塗膜中に残存する未反応のエチレン性不飽和二重結合を熱硬化させ、各色ごとに同様の操作を3回繰り返し、所定の位置の画素部に、それぞれ赤色、緑色、青色の顔料分散レジストの光硬化塗膜層を有するカラーフィルターを作成する。
上記工程を経て得られる本発明のカラーフィルターは、特に耐熱性・耐溶剤性ならびに耐薬品性に優れている。
【0052】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、以下において、部および%は特に断りのない限り、すべて質量基準であるものとする。作成した塗膜についての性能試験は以下の方法を用いた。
【0053】
<性能試験及び評価基準>
保存安定性:
緑色顔料分散液を40℃で24時間保存した際の粘度を測定し、
○ 初期粘度に対する変化率が 10%未満
× 初期粘度に対する変化率が 10%以上
とした。なお粘度測定はトキメック社製E型粘度計を用いて行った。
現像特性:
スピンコーターを用いてガラス板上にカラーレジストを塗布し、80℃で3分間予備乾燥させて膜厚1.6μmの塗膜を形成した。この塗膜を所定のパターンマスクを用い、高圧水銀灯で80mJ/cm露光した後、25℃に保持したアルカリ現像液で現像した。現像液として0.5wt%の炭酸ナトリウム水溶液中で現像した後、純水でさらに洗浄した際に、線幅20μmのパターン(残し)が可能であるかを評価した。
耐熱性−1:
現像後の塗膜であって、現像特性の評価結果が○のものについて、230℃、30分のアフターベークを行い、アフターベーク前後の透明性(Y値)の変化で評価した。
○ アフターベーク前後の透明性変化量の差ΔYが0.1未満
× アフターベーク前後の透明性変化量の差ΔYが0.1以上
とした。なお色度測定はオリンパス製顕微分光測定装置OSP−SP200を用いて行った。
耐熱性−2:
アフターベークの終わった塗膜をさらに250℃で1時間加熱し、加熱前後の色調における透明性(Y値)の変化で評価した。
○ 加熱前後の色調における透明性(Y値)の変化量の差ΔY 0.3未満
× 加熱前後の色調における透明性(Y値)の変化量の差ΔY 0.3以上
とした。
耐薬品性:
ポストベークまで終わらせた塗膜を用いて23℃のN−メチル−2−ピロリドン中に60分浸漬し、浸漬前後の色度の変化で評価した。
◎ 浸漬前後の色度の変化量 0.5未満
○ 浸漬前後の色度の変化量 0.5以上1未満
× 浸漬前後の色度の変化量 1以上
とした。
【0054】
( 製造例−1〔カルボキシル基を有するアミノ樹脂の調製〕)
温度計、還流冷却管、および撹拌機を備えた反応容器に、21部の水を含有する2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸184.46部、ベンゾグアナミン2.99部、ホルマロールNB210部、n−ブタノール102.48部を仕込み、攪拌しながら、4時間還流して大部分の水を留去した。
次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以後PGMAcと略記する)を加えて冷却し、さらにPGMAcを加えて不揮発分が40%となるよう調整した。樹脂固形分の酸価(試料1g中に存在する酸性基を中和するのに要した水酸化カリウムのミリグラム数、以下同じ)が90mgKOH/gの、カルボキシル基を有するアミノ樹脂(B−1)を得た。ポリスチレン換算の数平均分子量;Mwが5000であった。
【0055】
(製造例−2〔多分岐状マクロモノマーの調製〕)
7%酸素導入管、温度計、コンデンサーを備えたディーンスタークデカンター、および攪拌機を備えた反応容器に、「Boltorn H40」10部、Cl(Sn(CHO)Sn(CHCl0.25部、エチルアクリレート100部、およびヒドロキノン0.05部を加え、混合溶液中に3ml/分の速度で7%酸素を吹き込みながら、撹拌下に加熱した。デカンターへの留出液量が1時間あたり15〜20部となるように加熱量を調節し、1時間ごとにデカンター内の留出液を取り出し、これに相当する量のエチルアクリレートを加えながら20時間反応させた。
反応終了後、エチルアクリレートを減圧下で留去し、残留物を酢酸エチル70部に溶解し、50℃の温水30部で3回洗浄して触媒を抽出した。その後、ヒドロキノンを除去する為に5%水酸化ナトリウム水溶液20部で4回洗浄し、さらに1%硫酸水溶液20部で1回、水20部で2回洗浄した。得られた有機層にメトキノン0.0045部を加え、減圧下、7%酸素を導入しながら溶媒を留去し、ビニル基を有する多分岐ポリエステル13部を得た。得られた多分岐ポリエステルの重量平均分子量は7730、数平均分子量は3880であり、多分岐状マクロモノマー(D−1)へのビニル基導入率は85モル%であった。
【0056】
( 実施例1)
五十嵐機械製造製高速分散機「TSG−6H」を用い、C.I.ピグメントグリーン36の 15部、アジスパーPB−814を7.5部、PGMAcの73部、トルエン4.5部からなる分散液を0.5mmφのジルコニアビーズにて2000rpm、2時間分散を行い、緑色顔料分散液(A−1)を得た。次に、上記の如く得られた緑色顔料分散液(A−1)48部に対し、EXCEDIC BINDER ZL295(B−2)の溶液15部(ベンジルメタクリレートとメチルメタクリレートの重合体であって重量平均分子量が18000、酸価が90mgKOH/g、の樹脂の溶液であって、不揮発分40.7%、)、製造例2で調整した多分岐状マクロモノマー(D−1)4部、イルガキュア#369 2部、PGMAc31部を加え混合して、このものを、孔径1.0μmのフィルターでろ過し、カラーフィルター用光重合性着色組成物(G−1)を得た。
【0057】
得られたカラーフィルター用光重合性着色組成物(G−1)25gをガラス容器中に移して密閉し、40℃にて24時間保存し、性能試験の方法に従い、保存安定性を評価した。この結果、保存安定性は良好であった。次に、カラーフィルター用光重合性着色組成物(G−1)を、スピンコーターを用いてガラス板上に回転数800m−1の回転数で9秒間回転塗布した後、80℃で3分間予備乾燥して塗膜を形成させた。得られた塗膜に所定のパターンマスクを透して、高圧水銀灯を用いて80mJ/cmを露光した。現像次いで洗浄を行った後、現像特性を評価した。評価後アフターベークを行い、残りの性能試験の項目に従って評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。この結果、現像特性、耐熱性及び耐薬品性に優れたカラーフィルター用着色パターンが得られた。また、耐熱試験後の塗膜の吸収スペクトル及び薄膜X線回折を測定したところ、緑色顔料の結晶型変化及び結晶径の増加は観測されなかった。
【0058】
( 実施例2)
実施例1において使用したZL295を、実施例1で得られたアミノ樹脂(B−1)に変える以外は実施例1と同様にして、カラーフィルター用重合性着色組成物(G−2)を得た。次に、得られたカラーフィルター用光重合性着色組成物(G−2)25gをガラス容器中に移して密閉し、40℃にて24時間保存し、保存安定性を評価した。この結果、保存安定性は良好であった。次に、得られた光重合性着色組成物(G−2)を用いてガラス基板上に実施例1と同様に塗膜を形成させた。実施例1と同様に露光、現像次いで洗浄を行った後、性能試験項目に従って評価した。これらの評価結果を表1に示した。この結果、現像特性、耐熱性及び耐薬品性に優れたカラーフィルター用着色パターンが得られた。また、耐熱試験後の塗膜の吸収スペクトル及び薄膜X線回折を測定したところ、緑色顔料の結晶型変化及び結晶径の増加は観測されなかった。
【0059】
( 比較例1)
実施例1において使用した多分岐状マクロモノマー(D−1)を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下DPHAと略記する)に変える以外は実施例1と同様にして、カラーフィルター用重合性着色組成物(G−3)を得た。実施例1と同様にして保存安定性及び塗膜の諸特性を評価し、評価結果を表1に示した。この結果、保存安定性は良好であるものの、得られた塗膜は耐熱性及び耐薬品性に劣るものであった。
【0060】
【表1】
Figure 2004348038
【0061】
表中の数字は全て質量部を表す。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
Irg#369:イルガキュア#369
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0062】
【発明の効果】
本発明の感光性着色組成物は、その組成物の安定性を改善すべく中心点から遠くなるに従って末端数が増加していく多分岐状マクロモノマーであるため、従来用いられている多官能モノマーより強固な塗膜を形成できる。その結果、耐熱性、耐水性、耐溶剤性ならびに耐薬品性に優れ、かつ工程中での組成物の安定性が極めて良く、実用性の高いカラーフィルター用光重合性着色組成物およびカラーフィルターを提供できる。

Claims (4)

  1. 色材、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物を含有するカラーフィルター用光重合性着色組成物であって、前記光重合性化合物が、多分岐状マクロモノマーであることを特徴とするカラーフィルター用光重合性着色組成物。
  2. 前記多分岐状マクロモノマーが多分岐状ポリエステルである請求項1に記載のカラーフィルター用光重合性着色組成物。
  3. 前記アルカリ可溶性樹脂が、
    (1)ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、スクシンセミアルデヒド及びヒドロキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも一つのアルデヒド化合物と、
    (2)メラミン、ベンゾグアナミン、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸からなる群から選ばれる少なくとも一つのトリアジン系化合物、
    とを縮合してなるアルカリ可溶性樹脂である請求項1または2に記載のカラーフィルター用光重合性着色組成物。
  4. 透明基板上に着色画素部を有し、該着色画素部が、請求項1から3のいずれかの請求項に記載のカラーフィルター用光重合性着色組成物の硬化塗膜層であることを特徴とするカラーフィルター。
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