JP2004346374A - 溶射膜の剥離方法及び溶射膜で被覆された部材の製造方法 - Google Patents

溶射膜の剥離方法及び溶射膜で被覆された部材の製造方法 Download PDF

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Koyata Takahashi
小弥太 高橋
Michio Okamoto
美智雄 岡本
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Abstract

【課題】セラミック溶射膜で被覆された部材における溶射膜を、基材を損傷することなく剥離する方法、及び剥離後の基材に再び部分安定化ジルコニア溶射膜を溶射してなる、部分安定化ジルコニアで被覆された部材の製造方法を提供するものである。
【解決手段】部分安定化ジルコニア溶射膜で被覆された部材を薄膜形成プロセスあるいはプラズマ処理プロセスで使用後、温度100〜300℃、湿度50%以上の環境下に置くことにより、溶射膜を剥離し、その後再び部分安定化ジルコニア溶射膜を形成して部分安定化ジルコニアで被覆された部材を製造する。
【選択図】選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、磁気ディスク、磁気ヘッド等の製造のために、薄膜形成あるいはプラズマ処理プロセスに用いるセラミック溶射膜で被覆された部材から、セラミック溶射膜を剥離する方法及び剥離後の部材に再びセラミック溶射膜を形成する該溶射膜で被覆された部材の製造方法に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】
薄膜形成プロセスにおいて、被成膜部以外の部分を覆っている防着板の堆積膜の保持性向上のため、従来から、基材上にアルミナセラミック溶射膜あるいはアルミニウム、モリブデン、タングステンなどの金属溶射膜を設けた部材が用いられてきた(特許文献1、2)。一方、プラズマ処理プロセスにおいては、基材上にアルミナ溶射膜を設けた部材が用いられてきた(文献3)。また、更に耐食性を向上させるために、溶射膜としてイットリア、ジルコニア、ガーネット等についても提案がなされている(特許文献4、5)。
【0003】
これらの溶射膜を施した部材は、薄膜形成、プラズマ処理プロセスで使用後、表面についた堆積膜のみ化学洗浄処理等で落とし再使用するか、薬液によるエッチング、ブラスト等で溶射膜を剥離し再びブラスト後、溶射膜を形成して再使用されている。ブラスト、エッチング処理では、基材まで侵食されるため、剥離回数が増す毎に基材が薄くなったり、変形することにより再使用できる回数はおのずと限られていた。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−120515号公報
【特許文献2】
特開昭63−235465号公報
【特許文献3】
特開平8−69970号公報
【特許文献4】
特開2001−226773号公報
【特許文献5】
米国特許出願公開2002−86153号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の溶射膜を剥離する方法は、ブラスト装置を用い、溶射膜と同時に基材も削り取ってしまい、また、化学洗浄薬液にて下地をわずかに溶解することで溶射膜を除去する方法では、基材が変形もしくは薄くなり部材の寿命を長く保つことが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、セラミック溶射膜で被覆された部材を薄膜形成あるいはプラズマ処理プロセスで使用後、基材を損傷することなく、溶射膜を剥離する方法及び剥離後再びセラミック溶射膜で被覆された部材の再生する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述のような現状に鑑み、鋭意検討を行った結果、部分安定化ジルコニアを溶射膜として選定し、部分安定化ジルコニアの水熱劣化を利用することによって基材を痛めることなく溶射膜を剥離できることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、部分安定化ジルコニア溶射膜で被覆された部材を薄膜膜形成またはプラズマ処理プロセスで使用後、温度100〜300℃、湿度50%以上の環境下に置くことにより該部材から該溶射膜を剥離することを特徴とする溶射膜の剥離方法、および、部分安定化ジルコニア溶射膜で被覆された部材を薄膜形成プロセスあるいはプラズマ処理プロセスで使用後、温度100〜300℃、湿度50%以上の環境下に置くことにより該部材から該溶射膜を剥離し、再び部分安定化ジルコニア溶射膜を形成することを特徴とする溶射膜で被覆された部材の製造方法に関する。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の部分安定化ジルコニア溶射膜の剥離方法は、部分安定化ジルコニアの水熱劣化を利用し、溶射膜を除去する剥離方法である。
【0011】
本発明において、部分安定化ジルコニア溶射膜を設けた部材としては、薄膜形成(PVD、CVD)、プラズマ処理プロセス(エッチング、プレクリーニング、アッシング)に使用されるものであり、例えば、防着板、チャンバー、ベルジャー、リング材等を例示することができ、その基材の材質としては金属、石英ガラス、セラミック等を例示することができる。
【0012】
部材に被覆する部分安定化ジルコニア溶射膜とは、ジルコニアにイットリア、セリア、マグネシア等を1〜15mol%含み、結晶学的には四面体構造のものを溶射し、成膜された溶射膜である。
【0013】
本発明が適用される部材は、例えば、以下のように形成される。溶射膜形成前の下地処理としてアルミナ、炭化ケイ素、ジルコニア等のグリットを用いて、圧力0.1〜0.7MPa程度で基材をブラスト処理し、表面粗さを1〜15μmにする。ブラスト後、基材をフッ酸等のエッチャントに浸けてエッチングしても良い。
【0014】
その後、プラズマ溶射法、フレーム溶射法等の常法を用いて部分安定化ジルコニア粉末を溶射することにより、部分安定化ジルコニア溶射膜を形成する。部分安定化ジルコニア溶射膜の膜厚は0.05〜1mmが好ましい。
【0015】
溶射膜が被覆された部材を上述の薄膜膜形成、プラズマ処理プロセスで用いることにより、堆積膜が形成したり、溶射膜が浸食される。その為、使用時間の増加により堆積膜が剥離したり、溶射膜が侵食され基材がむき出しになる。
【0016】
本発明では、部分安定化ジルコニア溶射膜を被覆した部材を、温度100〜300℃、好ましくは、110〜250℃、湿度50%以上、好ましくは70%以上の環境下におくことで溶射膜が剥離する。温度が高い程、湿度が高い程剥離に要する時間は短いが、該環境におく時間は1時間〜100時間が好ましい。
【0017】
より具体的には、部分安定化ジルコニア溶射膜を被覆した部材を温度調節の出来る圧力容器、例えば、プレッシャークッカーにて上述の条件で処理すればよい。上述の方法で溶射膜が剥離できる理由は、部分安定化ジルコニア溶射膜は正方晶であるが、上述環境下におくことで、単斜晶に相変態する為、膨張して基材から剥離するためである。
【0018】
上記方法で剥離した溶射膜は、掃除機等でおおまかに剥離膜を除去し、超音波洗浄により残査を除去することが好ましい。その後再び部分安定化ジルコニアを溶射することにより部分安定化ジルコニア溶射膜を再形成することができる。超音波洗浄で残査が十分除去できない場合は軽いブラスト処理を行って、さらにフッ酸等でエッチング処理しても良い。
【0019】
溶射膜が除去された下地の状態は溶射前とほぼ同一である為、従来の再溶射処理の際に必要とされていた下地の処理は必要無くなり、そのまま部品に溶射成膜が可能となる。従って、溶射膜除去処理での下地表面の損傷、再度溶射する下地処理での損傷を無くすことができる。
【0020】
【実施例】
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0021】
実施例1
ステンレス基材をブラスト装置でグリットとしてアルミナ#46を用い、圧力0.5MPaで粗面化し、表面粗さRa6〜8μm程度までブラスト処理を行い、続いてプラズマ溶射法で部分安定化ジルコニア(3mol%Y含有)溶射膜を形成した。
【0022】
その後、この溶射膜を形成した部材を防着板としてスパッタ装置に装着し、SiOを30μm成膜した。成膜に用いた上述の部材をプレッシャークッカーに入れ、温度140℃、湿度75%の環境で12時間静置し取り出した。その後超音波洗浄15分を行ったところ、部分安定化ジルコニア溶射膜は基材から完全に除去できていた。
【0023】
さらに超音波洗浄を行い基材表面を清浄化し、再び部分安定化ジルコニア溶射膜を形成した部材としたところ、再利用に供することができた。20回以上再利用したが、ステンレス基材の厚みは変化せず、さらに使うことができた。
【0024】
実施例2
石英ベルジャーをブラスト装置でグリットとして部分安定化ジルコニア(球形)#180を用いてブラスト処理し、表面粗さRa6〜8μmにした後、フッ酸25%溶液中に1時間浸漬し、続いてその表面に部分安定化ジルコニア溶射膜をプラズマ溶射法で形成した。
【0025】
該石英ベルジャーを洗浄乾燥しプレクリーニング装置に装着し、Arを導入してプラズマでクリーニングを行うプロセスでウエハを1000枚処理した。クリーニングで生成される堆積膜が付着した石英ベルジャーをプレッシャークッカーに入れ、温度150℃、湿度100%の環境下に6時間おき、その後常温まで自然冷却した後、石英ベルジャーを取り出したところ、溶射膜を剥離させることができた。
【0026】
その後、石英ベルジャーに対して超音波洗浄を行うことで基材表面を清浄化し、再び部分安定化ジルコニア溶射膜を形成した部材としたところ、再利用に供することができた。20回以上再利用したが、石英ベルジャーの基材の厚みは変化せず、さらに使うことができた。
【0027】
実施例3
アルミニウム合金基材をブラスト装置でグリットとしてアルミナ#46を用い圧力0.5MPaで表面粗さRa3〜7μmまでブラスト処理を行い、続いてプラズマ溶射法で部分安定化ジルコニア溶射膜を形成した。
【0028】
その後この部材をエッチング装置に装着し、100時間程度使用した。エッチングに使用した部材をプレッシャークッカーに入れ、温度132℃、湿度85%の環境に12時間おき、取り出し後超音波洗浄を行ったところ、溶射膜を剥離することができた。その後、該部材に部分安定化ジルコニア溶射膜を形成した部材としたところ、再利用に供することができた。20回以上再利用したが、アルミニウム合金基材の厚みは変化せず、さらに使うことができた。
【0029】
比較例1
石英ベルジャーの内面をブラスト装置でグリットとしてアルミナGA#46を用い圧力0.5MPaでブラスト処理を行い、続いて部分安定化ジルコニア溶射膜を形成した。この石英ベルジャーを半導体製造装置内に使用して堆積膜を付着させた後、GA#24ブラスト材を用い圧力0.5MPaでアルミナ溶射膜を含め堆積膜を除去したところ、石英ベルジャーが0.2mm程度減少した。回数を重ねる毎に石英の厚みが減少し、20回程度処理を行う事で厚みが4mm程度減少し強度低下により使用できなくなった。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、部分安定化ジルコニア溶射膜が基材を損傷すること無く除去することが可能となり、さらに、除去した基材の面に再び部分安定化ジルコニア溶射膜を形成することができる。

Claims (2)

  1. 部分安定化ジルコニア溶射膜で被覆された部材を薄膜形成またはプラズマ処理プロセスで使用後、温度100〜300℃、湿度50%以上の環境下に置くことにより該部材から該溶射膜を剥離することを特徴とする部分安定化ジルコニア溶射膜の剥離方法。
  2. 部分安定化ジルコニア溶射膜で被覆された部材を薄膜形成またはプラズマ処理プロセスで使用後、温度100〜300℃、湿度50%以上の環境下に置くことにより該部材から該溶射膜を剥離し、その後該部材に再び部分安定化ジルコニア溶射膜を形成することを特徴とする溶射膜で被覆された部材の製造方法。
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