JP2003212598A - 石英ガラス部品及びセラミック部品並びにそれらの製造方法 - Google Patents

石英ガラス部品及びセラミック部品並びにそれらの製造方法

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JP2003212598A
JP2003212598A JP2002305754A JP2002305754A JP2003212598A JP 2003212598 A JP2003212598 A JP 2003212598A JP 2002305754 A JP2002305754 A JP 2002305754A JP 2002305754 A JP2002305754 A JP 2002305754A JP 2003212598 A JP2003212598 A JP 2003212598A
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quartz glass
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Koyata Takahashi
小弥太 高橋
Michio Okamoto
美智雄 岡本
Masanori Abe
昌則 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体等のプレクリーニング装置や成膜装置に
用いられる石英ガラス部品およびセラミック部品では、
その使用中に部品自体の剥離、部品表面に付着する膜状
物質の剥離、及びプラズマによる部品表面の腐食による
製品の汚染、並びに部品の短寿命化及び頻繁な部品交換
による生産性の低下等の問題があった。 【解決の手段】半導体等の成膜装置及びプレクリーニン
グ装置に用いる石英ガラス及びセラミックの部品におい
て、表面がセラミック溶射膜で被覆され、なおかつ表面
粗さRaが5〜20μmに制御されたものは膜状物質の
付着性が高く、表面粗さRaが1〜5μmに制御された
ものでは耐プラズマ性が高く、さらにセラミック溶射膜
を形成する基材の表面に溶射膜に対するアンカー効果の
大きい溝形状を形成したものでは基材に対するセラミッ
ク溶射膜自体の剥離がなく、耐久性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体等の製造に
おける成膜装置、プレクリーニング装置に用いる石英ガ
ラス部品及びセラミック部品に係るものである。本発明
の石英ガラス部品及びセラミック部品は、成膜、プレク
リーニング操作の際に装置内の部品に付着する膜状物質
の剥離による発塵を防止し、また装置内で発生するプラ
ズマに対する部品の耐久性を著しく向上するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体等の製品基板の成膜、プレクリー
ニングでは、成膜装置、プレクリーニング装置内部に用
いる部品に膜状物質が付着する。これらの部品を成膜、
プレクリーニングで連続使用すると、付着した膜状物質
が厚くなり、それらが剥離して装置内の発塵となり、装
置内及び製品基板を汚染することが知られている。また
成膜装置、プレクリ−ニング装置では装置内でプラズマ
が発生するが、プラズマが部品の表面を腐食し、部品の
劣化、及びそれに伴う発塵の問題も生じていた。これら
の現象は製品基板の品質低下や歩留まり低下の原因とな
り、大きな問題であった。
【0003】従来、付着した膜状物質の剥離による発塵
を低減する方法としては、部品の表面にブラスト処理を
施して表面を梨地状にして膜状物質の付着性を大きくす
る方法が知られている。例えば、米国特許第54606
89号明細書では、石英ベルジャーの内面への飛来粒子
の付着性を向上させる為、ブラスト処理を施すことが記
載されている。またセラミックシリンダーに堆積する膜
状物質の付着性を向上させる為、表面にブラスト加工を
施すことが記載されている。(例えば、特許文献1参
照)しかし、石英ガラスをブラスト加工した粗面は、強
度が弱い部分や割れて剥がれかけたかけらがあり、膜状
物質が付着しにくい、或いは剥がれ易いという問題があ
った。一方、石英ガラスをブラスト加工した後、フッ酸
溶液でエッチング処理する方法も開示されている。(例
えば、特許文献2)しかし石英ガラスをブラストした表
面をフッ酸溶液でエッチング処理した表面は、膜状物質
が付着し易い場所とそうでない場所ができるために、直
接その上に付着した場合、付着性が十分でないという問
題があった。
【0004】部品への膜状物質の付着性を向上させるた
め、部品の表面にモリブデン、タングステン、アルミニ
ウム、タングステンカーバイドなどの金属或いは金属炭
化物のプラズマ溶射膜を形成し、付着した膜状物質の剥
離を防止する方法も提案されている。(例えば、特許文
献3、4参照)しかしこれらで提案されている溶射膜は
金属或いは金属炭化物の溶射膜であったため、膜状物質
の付着性は十分なものではなかった。
【0005】成膜装置、プラズマクリーニング装置で
は、プラズマによる部品の表面腐食と劣化、及びそれに
伴う発塵についても従来から問題が指摘されている。こ
れらの装置で使われる石英ガラス部品は、プラズマによ
り侵食され、発生した石英ミストが製品基板に付着して
歩留りを低下する。また石英ガラス部品の劣化に伴い、
部品交換の回数が増大するため、装置の稼働時間が低下
するという問題が指摘されている。(例えば、特許文献
5参照)このような問題を解決するために石英ガラス部
品の表面に石英よりプラズマに対して高い耐久性を有す
るアルミナ系セラミックの緻密な溶射膜を爆発溶射によ
り形成することが開示されている。(例えば、特許文献
6参照)また石英やアルミナのベルジャーの表面にプラ
ズマに対してアルミナよりもさらに高い耐食性を有する
第3a族化合物あるいは、第3a族化合物とアルミナか
らなる、特にイットリアとアルミナからなるセラミック
溶射膜を形成することが開示されている。(例えば特許
文献7参照)しかしこれらの方法では、耐プラズマ性に
ついてはある程度の効果は得られるものの、膜状付着物
の付着性の改善について何ら示唆を与えるものではなか
った。
【0006】このように金属溶射膜の先行文献では、膜
状物質の付着性の改善には溶射膜が利用できることが示
唆されているが、溶射膜に対する膜状物質の付着性を高
める具体的な形状、或いはその様な溶射膜の表面形状を
実施する方法を具体的に実現可能な形で示唆する文献は
なかった。またセラミック溶射膜は耐プラズマ性に優れ
ることは知られているが、膜状物質の付着性を満足する
セラミック溶射膜を具体的に実現する方法を開示した文
献は見当たらない。
【0007】例えば、セラミック溶射膜の表面形状を具
体的にコントロールする方法を示唆する文献がある。
(例えば、非特許文献1参照)当該文献には、純アルゴ
ン雰囲気のプラズマ溶射において、スプレーガンと基板
との距離を長くすることによってセラミック溶射膜の表
面形状が粗く出来ることが報告されている。しかし、当
該文献の方法で得られる溶射膜の表面形状は凹凸が大き
すぎ、溶射膜自体の表面の強度、膜状物質の付着性につ
いて十分な効果が期待できるものではなかった。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6319842号
【特許文献2】特開平8−104541号公報
【特許文献3】特開昭60−120515号公報
【特許文献4】特開平4−268065号公報
【特許文献5】特開昭63−13333号公報
【特許文献6】特開平8−339895号公報
【特許文献7】特開2001−226773号公報
【非特許文献1】Proceeding of the
15th International Therm
al Spray Conference,25−29
May 1998
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、半導体等の製品
基板の成膜装置やプラズマクリーニング装置に用いる石
英ガラス部品及びセラミック部品では、膜状物質の付着
性、或いは耐プラズマ性を十分に満足するものがなく、
成膜又はプレクリーニングを長時間連続的にすることが
出来なかった。本発明は、半導体等の製品基板の成膜や
プレクリーニングの装置内に用いる石英ガラス部品及び
セラミックス部品であり、堆積する膜状物質の付着性、
或いは耐プラズマ性が高く、長時間の連続使用が可能な
優れた部品を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述のよう
な現状に鑑み、鋭意検討を行った結果、石英ガラス面上
にセラミック溶射膜を形成した石英ガラス部品におい
て、その表面粗さRaが特に5〜20μmで、なおかつ
相対密度が70〜97%であるセラミック溶射膜を形成
した石英ガラス部品では膜状物質の付着性が優れること
を見出した。また特定のブラスト加工、或いはブラスト
加工とフッ酸を含む酸によるエッチングの組み合わせで
処理することによって表面に幅5〜50μmの溝を有す
る石英ガラスにセラミック溶射膜を形成した石英ガラス
部品では、セラミック溶射膜が石英ガラスに対する密着
性に特に優れ、なおかつ耐プラズマ性(Raが1〜5μ
m)或いは膜状物質の付着性(Raが5〜20μm)に
優れることを見出した。さらにセラミック基材上にセラ
ミックス溶射膜を形成したセラミックス部品において
も、表面粗さRaが5〜20μmのセラミック溶射膜を
形成したセラミック部品では、膜状物質の付着性が高い
ことを見出し、本発明を完成させるに至ったものであ
る。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の石英ガラス部品は、石英ガラス基
材上に表面粗さRaが5〜20μmで相対密度が70〜
97%のセラミック溶射膜が形成されていることを特徴
とする石英ガラス部品である。
【0013】本発明で言う石英ガラス基材上とは、少な
くとも石英ガラス部品を成膜装置又はプレクリーニング
装置に用いた場合、膜状物質が付着する、或いはプラズ
マに触れる石英ガラスの表面である。但し、本発明の部
品においては、その使用に際して、膜状物質が付着しな
い面、或いはプラズマが触れない面にセラミック溶射膜
が溶射されていることを妨げるものではない。
【0014】本発明の石英ガラス部品は、表面粗さRa
が5〜20μmのセラミックス溶射膜が形成されていな
ければならない。表面粗さRaが5μm未満では表面に
付着した膜状物質の応力が十分に分散されず、付着性が
十分でない。一方20μmを超えると、飛来した粒子が
溶射膜の内部に十分に廻りこむことが出来ず、付着性が
十分でない。ここでいう表面粗さRaは触針式の表面粗
さ計で測定することができる。
【0015】セラミック溶射膜の相対密度は70〜97
%でなければならない。セラミック溶射膜の相対密度
は、小さい方が表面の気孔が増えて表面積が大きくな
り、膜状物質の付着性が向上する。また相対密度が小さ
いほうがセラミック溶射膜の内部応力が小さく、セラミ
ック溶射膜自体が石英ガラスから剥離し難いという効果
がある。一方、相対密度が小さ過ぎるとセラミック溶射
膜自身の強度、セラミック溶射膜と石英ガラス間の密着
性が低下する。逆に相対密度が高く緻密過ぎると、セラ
ミック溶射膜の内部応力が大きく、セラミック溶射膜が
石英ガラスから剥離し易い。そのため、セラミック溶射
膜の相対密度は70〜97%の範囲でなくてはならず、
さらに好ましくは85〜95%の範囲であることが好ま
しい。セラミック溶射膜の相対密度は、SEM断面の画
像解析、或いは形成されたセラミック溶射膜を剥ぎとっ
てアルキメデス法で測定することが出来る。
【0016】セラミック溶射膜は特にアルミナ、部分安
定化ジルコニア又はマグネシア−アルミナスピネルであ
ることが好ましい。これらのセラミックはセラミックの
中でも特に耐プラズマ性と膜状物質の付着性に優れてい
る。アルミナの結晶型にはα型、β型、γ型があるが、
本発明の石英ガラス部品では、いずれの結晶型も用いる
ことが出来る。部分安定化ジルコニアはイットリア或い
はセリアを1重量%〜10重量%の範囲で添加したもの
を用いることが好ましい。マグネシア−アルミナスピネ
ルは、マグネシアとアルミナのモル比が1:1であるも
のを用いることが好ましい。
【0017】セラミック溶射膜の材料として部分安定化
ジルコニアを用いた場合には、膜状物質が付着した後
に、それを酸エッチング以外の方法でも除去出来る。例
えば、100〜300℃、湿度50%以上の環境に保持
することによって、容易かつ基材を傷めることなく、部
分安定化ジルコニア溶射膜を膜状物質と共に脱離除去す
ることが出来る。
【0018】セラミック溶射膜は高純度であることが好
ましく、99重量%以上、特に99.9重量%以上であ
ることが好ましい。半導体等の成膜やプレクリーニング
に石英ガラス部品を用いる場合、Naは特に好ましくな
い元素である。本発明の石英ガラス部品のセラミック溶
射膜表面は直接プラズマにさらされ、溶射膜から不純物
が飛び出す可能性があるため、特にNa含有量が0.0
5%以下であることが好ましい。溶射膜の純度は、溶射
膜を剥離後溶解して化学分析するか、溶射膜の表面を蛍
光X線分析することによって評価することが出来る。
【0019】セラミック溶射膜の膜厚は0.05〜0.
5mmであることが好ましい。0.05mm未満では溶
射膜が不均一であるため、溶射膜を施したことによって
得られる効果が不十分であり、0.5mmより厚いと溶
射膜の内部応力により溶射膜が石英ガラスから剥がれ易
い。セラミック溶射膜の膜厚は、厚みが既知の石英ガラ
ス部品に溶射膜を形成した後に部品全体の厚みを測る
か、或いは溶射後の断面を顕微鏡観察することによって
測定することができる。
【0020】本発明の石英ガラス部品では、表面粗さR
aが5〜15μmで、マイクロクラックの平均長さが1
〜100μmであり、当該マイクロクラックの石英ガラ
ス基材表面に対する平均角度が10〜70°である石英
ガラス基材上にセラミック溶射膜が形成されていること
が好ましい。この様な表面形状の石英ガラス基材上に形
成されたセラミックス溶射膜は、基材に対する密着性が
高い。また、この様な制限された長さのマイクロクラッ
クを有する石英ガラス自身は強度が高いという特徴があ
る。
【0021】石英ガラス基材は、石英ガラス基材表面に
垂直で100μmを超える深いマイクロクラックが多い
ほど強度が下がりやすい。マイクロクラックは少ない方
が良いが、長さ20μm以上のマイクロクラックが50
個/cm2以下であることが好ましい。
【0022】当該マイクロクラックの石英ガラス基材表
面に対する平均角度は10〜70°であり、特に40〜
70°の範囲であることが好ましい。平均角度が10°
より小さい浅い角度のものは、石英ガラス基材の表面か
ら石英ガラスが破片として剥離し易く、70°を超える
と石英ガラス基材本体の強度が低下する。
【0023】石英ガラス基材の表面粗さは触針式の表面
粗さ計で評価することが出来、マイクロクラックの状態
は光学顕微鏡による観察で確認することができる。マイ
クロクラックの平均角度はマイクロクラック50個程度
の平均を求めれば良い。
【0024】次に本発明の石英ガラス部品は、幅が5〜
50μmの溝を10〜200本/mm有する石英ガラス
面上にセラミック溶射膜が形成されている石英ガラス部
品である。
【0025】石英ガラス部品に幅が5〜50μmの溝を
有する石英ガラスでは、石英ガラスとセラミック溶射膜
の密着性が著しく向上する。幅が5μm未満の溝では、
溝の中にセラミック溶射膜が十分入り込めないためセラ
ミック溶射膜へのアンカー効果が十分でなく、50μm
を超える溝でもセラミック溶射膜との噛み込みが十分で
ない。
【0026】溝の長さはセラミック溶射膜との接触面積
やセラミック溶射膜の内部応力による石英ガラスの割れ
を防ぐために短い方が好ましいが、適当な表面粗さを得
るためには、ある程度の長さは必要である。そのため本
発明の石英ガラス基材上の溝の長さは10〜200μm
であることが好ましい。
【0027】溝の数は10〜200本/mmの範囲であ
る。溝の数が10本/mmより少ないとアンカー効果が
十分でなく、200本/mmを超えると溝と溝が重な
り、効果が低減する。この様な溝は後述する特徴のある
ブラスト処理、或いはブラスト処理とフッ酸を含む酸に
よるエッチングとの組み合わせで形成することが出来
る。図1に溝が多数形成された石英ガラス表面を斜め方
向から観察したSEM像を示す。細長い楕円形状の部分
が夫々凹状の溝である。
【0028】本発明の溝を有する石英ガラス基材に形成
するセラミック溶射膜の表面粗さRaは1〜20μmの
範囲である。石英ガラス上に上述の様な特徴のある溝を
形成した場合、表面粗さRaが1〜5μmの範囲でもセ
ラミック溶射膜が石英ガラスから剥離しない。表面粗さ
Raが5〜20μmの範囲では膜状物質の付着性に優れ
る。Raが1〜5μmでは、膜状物質の付着性は5〜2
0μmの場合に比べて劣るが、耐プラズマ性が従来の部
品に比べて特に優れている。
【0029】セラミック溶射膜はこの場合もアルミナ、
部分安定化ジルコニア又はマグネシア−アルミナスピネ
ルであることが好ましい。
【0030】セラミック溶射膜の純度は99重量%以
上、特に99.9重量%以上であり、Na含有量が0.
05%以下であることが好ましい。またセラミック溶射
膜の膜厚は0.05〜0.5mmであることが好まし
い。
【0031】さらに本発明の部品は上述の石英ガラス部
品と併せて、セラミックを基材としたセラミック部品を
提案するものである。本発明のセラミック部品はセラミ
ック基材上に表面粗さRaが5〜20μmのセラミック
溶射膜が形成されているセラミック部品である。セラミ
ックス部品の場合も同様にセラミック溶射膜の表面粗さ
Raが5〜20μmで高い膜状物質の付着性が達成され
る。
【0032】本発明で言うセラミック基材上とは、少な
くともセラミック部品を成膜装置又はプレクリーニング
装置に用いた場合、膜状物質が付着する、或いはプラズ
マに触れる部分のセラミック基材表面をさす。但し、膜
状物質が付着しない面、或いはプラズマが触れない面に
セラミック溶射膜が溶射されていることを妨げるもので
はない。
【0033】セラミック溶射膜の純度も99重量%以
上、特に99.9重量%以上であり、Na含有量が0.
05%以下であることが好ましい。セラミック溶射膜の
膜厚は0.05〜0.5mmであることが好ましい。
【0034】用いるセラミック基材としては、アルミ
ナ、ジルコニア、ムライト、イットリウムアルミニウム
ガーネット、窒化珪素、窒化アルミニウムの焼結体など
が使用できる。
【0035】セラミック部品の場合も、セラミック溶射
膜はアルミナ、部分安定化ジルコニア、又はマグネシア
−アルミナスピネルであることが特に好ましいが、アル
ミナの場合には、特にα―アルミナであることが好まし
い。α―アルミナは耐酸性が高いため、α―アルミナの
溶射膜上に付着した膜状物質を酸エッチングで除去する
際に、溶射膜自体が溶解し難く、何回も繰り返して使用
できるからである。
【0036】次に本発明の石英ガラス部品及びセラミッ
ク部品の製造方法を説明する。
【0037】本発明の石英ガラス部品は、石英ガラス基
材上に、平均粒径が30〜60μmの原料粉末を用い、
プラズマ溶射法によりセラミック溶射膜を形成する。
【0038】用いる原料の平均粒径が30〜60μmの
範囲を用いてプラズマ溶射することによって本発明の範
囲のセラミック溶射膜を形成することができる。平均粒
径が30μm未満では、得られるセラミック溶射膜の表
面粗さRaが小さくなり過ぎる。一方、60μmを超え
ると表面粗さRaが大きくなり過ぎて、膜状物質の付着
性及びセラミック溶射膜自身の石英ガラス基材への密着
性が低いものとなる。原料粉末の平均粒径は、遠心沈降
型の粒度分布測定装置等で測定することが出来る。
【0039】セラミックの溶射前には、石英ガラス基材
表面はブラスト加工によって表面を荒らすことが好まし
い。また石英ガラスをブラスト加工した後には、石英ガ
ラスの表面に石英の割れたかけらが残っている為、セラ
ミック溶射前に酸及び純水により洗浄する事が好まし
い。この場合、超音波洗浄をすることが特に効果的であ
る。
【0040】石英ガラス基材表面をグリットブラストす
ると、表面近傍にマイクロクラックが生じて石英ガラス
基材の強度は下がる。ここで、部分安定化ジルコニア等
からなる石英ガラス基材との衝突により破砕しない十分
な靱性を有する球状のグリットを用い、該基材表面をブ
ラストすることにより、セラミック溶射膜の下地となる
石英ガラス基材の表面粗さRaが5〜15μmで、該基
材表面のマイクロクラックの平均長さが100μm以
下、基材表面に対する平均角度が70°以下の状態を形
成することができる。ここで用いるグリットとしては、
当初は球状でも使用時に割れて球状でなくなるものでは
本発明の効果が得られ難い。例えばシリカグリット等
は、使用前は球状であるが、靱性が低いためにブラスト
時に球状でなくなるため、本発明で使用するのは好まし
くない。
【0041】本発明のプラズマ溶射では、プラズマガン
と石英ガラス基材間距離を140〜180mmの範囲
で、なおかつプラズマガスに水素を添加して行うことが
好ましい。プラズマガンと石英ガラス基材間距離が14
0mmより短いと、緻密で相対密度が97%以上の溶射
膜となり、溶射膜の内部応力によって溶射膜が石英ガラ
ス基材から剥がれ易い。また溶射膜の表面粗さRaも小
さくなり、膜状物質の付着性が低下する。一方、180
mmより長いと、溶射膜の石英ガラスへの密着性が低
く、溶射膜の表面粗さRaも20μmを超えるため膜状
物質の付着性が低下する。プラズマガンと基材間距離が
さらに長くなると、溶射粒子が石英ガラス上につかなく
なる。
【0042】プラズマ溶射は通常アルゴンガス中で行わ
れるが、アルゴンに水素を添加することによりプラズマ
炎の温度を高くすることが出来、特に先端部分のプラズ
マ温度の低下を抑制することが出来る。水素の添加は1
0〜50%、特に20〜40%の範囲が好ましい。スプ
レーガンと基材距離を長くすると、プラズマ中の溶射液
滴化粒子(一般にスプラッツと呼ばれる)が基材到達時
に冷却され、溶射膜の表面が粗くなり、密度が下がるこ
とは先に引例した非特許文献1にも示されている。その
ため単にスプレーガンと基材の距離を長くしただけで
は、溶射膜の表面が粗くなり過ぎて本発明の範囲のセラ
ミック溶射膜の表面形状を得ることはできない。本発明
の方法では、スプレーガンと基材の距離を長くする際
に、プラズマガスの中に水素を添加することにより溶射
液滴化粒子のプラズマ炎先端で好適な溶融状態が達成さ
れ、本発明の範囲のセラミック溶射膜の表面形状を実現
できることを見出した。
【0043】本発明の石英ガラス部品のセラミック溶射
膜を形成するには、特に高純度の原料を用いることが好
ましい。特に99重量%以上、さらには99.9重量%
以上の高純度品を用いることが好ましい。溶射原料粉末
は電融粉砕法、造粒法などで作製することもでき、造粒
顆粒を焼結して相対密度80%以上に緻密化した球状の
粉末を用いることが本発明の表面形状を達成する上で特
に好ましい。
【0044】本発明の石英ガラス部品の純度を上げる、
特に表面のNa含有量を下げるためには、セラミック溶
射膜を形成後、酸洗浄しても良い。酸洗浄の液として
は、硝酸、フッ酸の水溶液などがあげられ、数十分〜数
時間の浸漬により表面のNa含有量を低減することがで
きる。
【0045】次に本発明の幅が5〜50μmの溝を10
〜200本/mm有する石英ガラス基材面上にセラミッ
ク溶射膜が形成されている石英ガラス部品は、石英ガラ
ス基材の表面をブラスト加工した後、少なくともフッ化
水素を含む酸でエッチング処理して溝を形成し、その
後、セラミック溶射膜を形成するこによって製造する。
【0046】当該部品は、セラミックの溶射前にまずア
ルミナなどのグリットによりブラスト加工により表面を
粗らし、表面粗さRaとして2〜20μm、特に好まし
くは5〜15μmの粗面を形成する。石英ガラス基材表
面は、ブラスト加工するとマイクロクラックを含む強度
の弱い層が形成されるが、本発明の場合、ブラスト加工
の後にフッ酸を含む酸でエッチングして特徴のある基材
表面を形成する。
【0047】石英ガラスのブラスト加工では、特に球状
のグリットを用いることが好ましい。石英ガラスをグリ
ットでブラスト加工すると、通常は表面近傍にマイクロ
クラックが生じて石英ガラスの強度が下がるが、本発明
では、球状のグリットを用いて石英ガラス表面をブラス
ト加工すると、100μmを超える石英ガラスに深く食
い込んだクラックを形成することなく、100μm以下
の好適なマイクロクラックを石英ガラス基材表面に形成
出来る。
【0048】また特に球状のグリットを用いた場合、溝
の長さが10〜200μmで比較的短く、なおかつ表面
粗さRaが5〜15μmの粗面を形成することが出来
る。球状グリットを用いた場合、生成する溝の長さはグ
リットの直径より短いものが得られ易い。そのため球状
グリットの直径は200μm以下の物を用いることが好
ましい。
【0049】グリットの材質としては、アルミナ、炭化
珪素、ジルコニアなどを用いる事が可能である。球状の
グリットを用いる場合は、石英ガラス基材との衝突によ
り破砕しない十分な靱性を有するものが好ましく、この
ような材質としては特に部分安定化ジルコニアが好まし
い。
【0050】次にブラスト加工した石英ガラスを少なく
ともフッ酸を含む酸でエッチング処理する。エッチング
処理では、強度の低下した部分が溶解除去されるだけで
なく、本発明の特徴である幅が5〜50μmの溝が形成
される。この様な溝は先のブラスト加工によって形成さ
れた100μm以下のマイクロクラックを核として、ク
ラックの割れ目を広げる様にして形成される。
【0051】エッチングに用いる酸のフッ酸の濃度は5
〜50重量%の範囲が好ましい。エッチング処理時間は
フッ酸の濃度や温度によっても異なるが、0.5〜24
時間の範囲である。フッ酸には硝酸などの酸を添加して
もよい。形成される溝は、顕微鏡で観察する事により確
認できる。溝幅が10〜20μm程度になってからはエ
ッチング速度は遅くなるため、溝のサイズを制御する事
は容易である。この溝は酸濃度と時間の調整によって1
0〜200本/mmの数に調整出来る。
【0052】ここで、グリットWA#220を用いて、
圧力0.5MPaでブラスト後、24重量%フッ化水素
酸で1時間エッチング処理した石英ガラス基材表面にア
ルミナ溶射膜を形成した石英ガラス部品の断面を図2に
示す。幅が10〜30μmの溝にセラミック溶射膜がし
っかりとアンカーされていることが観察される。比較の
ために図3に石英ガラス基材をブラスト加工(グリット
WA#60、圧力0.5MPa)した後にフッ酸でエッ
チングすることなく直接アルミナの溶射膜を形成した石
英ガラス部品の断面を示す。図3では石英ガラス基材の
強度を低下させる深いマイクロクラックが多数観察され
る上に、割れて剥がれかけたかけらの残存が確認でき
る。さらにマイクロクラックの中にはセラミック溶射膜
が入り込んでおらず、溶射膜のアンカー効果が不十分
で、密着性が低いことがわかる。
【0053】セラミック溶射膜の形成方法はプラズマ溶
射法が特に好ましいが、溝を形成した石英ガラスを用い
る本発明の石英ガラス部品の場合は、高速フレーム溶射
法、爆発溶射法、ローカイド溶射法などを適用すること
も可能である。溶射膜の形成にプラズマ溶射法を用いた
場合、その条件は先に示した条件と同様である。
【0054】セラミック溶射膜に用いる溶射原料の純
度、膜厚、溶射するセラミックの種類、溶射後の酸洗浄
等の好ましい態様は、先の石英ガラス部品の場合と同様
である。
【0055】次にセラミック基材上に表面粗さRaが5
〜20μmのセラミック溶射膜が形成されているセラミ
ック部品は、平均粒径が30〜60μmの原料粉末を用
いたプラズマ溶射法によりセラミック溶射膜を形成して
製造することが出来る。
【0056】セラミックを基材として用いる場合、セラ
ミック溶射をする前のブラスト加工、酸での洗浄、原料
粉末の純度、原料粉末の形状、溶射膜の膜厚、溶射にお
けるスプレーガンと基板の距離、プラズマガスの組成等
の好ましい範囲は前述の石英ガラス部品の場合と同様で
ある。
【0057】ここでセラミック部品の場合、セラミック
溶射膜の形成後に1000℃以上1600℃以下で熱処
理することが好ましい。1000℃以上に熱処理するこ
とにより、セラミック溶射膜の結晶欠陥が低減し、セラ
ミック溶射膜の耐酸性が向上する。セラミック溶射膜の
耐酸性が向上すると、セラミック部品を成膜やプレクリ
ーニングに用いた後、酸エッチングによって部品上の付
着した膜状物質を除去する際に、セラミック溶射膜自身
の溶解が少なく、何回も繰り返し部品を使用することが
できる。熱処理の効果が発現する理由としては、例えば
セラミック溶射膜がアルミナの場合、1000℃以上で
熱処理することにより、溶射膜中のγ―アルミナの含有
量が減ることが挙げられる。アルミナ以外の場合でも、
結晶の格子欠陥の低減によって、同様の効果が得られ
る。一方、熱処理温度が1600℃を超えると、部品の
割れ等の問題があり好ましくない。熱処理時間は、数分
から10時間程度、30分から3時間程度の範囲であ
り、熱処理雰囲気は大気中或いは純酸素雰囲気中で行う
ことが好ましい。
【0058】セラミック溶射膜を形成した石英ガラス部
品及びセラミック部品は、成膜装置やプレクリーニング
装置のベルジャー、シールドあるいは絶縁部品で堆積膜
が付着する部分の部品として用いることが出来る。ここ
で成膜とは、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法やスパッタ法等の気相プラズ
マを利用して基板上に薄膜を形成する方法を言い、プレ
クリーニングとは、基板の表面をプラズマによってエッ
チングして清浄化することを言う。
【0059】
【実施例】本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する
が本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではな
い。
【0060】実施例1 図4に断面の概要図を示したプレクリーニングに用いる
石英ベルジャーを作製した。石英ベルジャー41内面を
ホワイトアルミナのグリットWA#60を用いて、圧力
0.5MPaでブラスト後、純水で超音波洗浄し、オー
ブンで乾燥した。その後、石英ベルジャーの内面に、A
rとH2の流量比を80:20としてプラズマ溶射によ
りアルミナ溶射膜42を形成した。プラズマ溶射には、
電融粉砕法で作製した純度99.8%で平均粒径30μ
m、50μmの2種類の溶射材を用いた。溶射膜の膜厚
は、場所により異なるが0.2〜0.3mmであった。
溶射膜の表面粗さRaは、溶射材の平均粒径30μm、
50μmに対して、それぞれ9μm、12μmであっ
た。溶射後、温度40℃に保たれた5重量%の硝酸水溶
液に1時間浸漬後、超純水で超音波洗浄し、クリーンオ
ーブンで乾燥し、セラミック溶射膜がアルミナである石
英ベルジャーを完成した。
【0061】フッ酸で剥がしたアルミナ溶射膜をアルキ
メデス法で相対密度を測定した。実施例1で溶射材の平
均粒径が30μmの場合の溶射膜の相対密度は83%、
平均粒径が50μmの場合の溶射膜の相対密度は80%
であった。
【0062】実施例2 石英ベルジャー41内面をホワイトアルミナのグリット
WA#60を用いて、圧力0.5MPaでブラスト後、
純水で超音波洗浄し、オーブンで乾燥した。その後、石
英ベルジャーの内面に、ArとH2の流量比を75:2
5、プラズマガンと石英ガラス基材の距離を150mm
としてプラズマ溶射によりアルミナ溶射膜42を形成し
た。プラズマ溶射には、平均粒径が50μmで焼結によ
り約95%の相対密度である球状のアルミナ造粒粉末
(純度99.99重量%)を用いた。溶射膜の膜厚は、
場所により異なるが0.2〜0.3mmであった。溶射
膜の表面粗さRaは13μmであった。溶射後、超純水
で超音波洗浄し、クリーンオーブンで乾燥し、石英ベル
ジャーを完成した。フッ酸で剥がしたアルミナ溶射膜に
ついて、アルキメデス法で溶射膜の相対密度を測定した
ところ、相対密度は81%であった。アルミナ溶射膜の
Na含有量を蛍光X線分析法により測定したところ、検
出限界の0.01重量%未満であった。
【0063】実施例3 原料粉末に、平均粒径が40μmのYSZ粉末(イット
リア5重量%含有部分安定化ジルコニア)、及び平均粒
径45μmで99.9%のアルミナと99.9%のマグ
ネシアを1:1に混合して作製した顆粒の球状造粒粒子
(各純度99.9重量%)を用い、実施例2と同様の方
法で石英ガラス部品を作製した。溶射膜の膜厚は0.2
〜0.3mm、溶射膜の表面粗さRaが夫々15μm、
17μmの石英ガラス部品が得られた。アルキメデス法
による溶射膜の相対密度は、夫々88%と92%であっ
た。
【0064】比較例1 石英製のベルジャー内面をホワイトアルミナのグリット
WA#60を用いて、圧力0.5MPaでブラスト後、
超純水で超音波洗浄し、クリーンオーブンで乾燥し、ア
ルミナ溶射膜を形成する事無く石英ベルジャーとした。
石英ベルジャーの表面粗さは5μmであった。
【0065】比較例2 溶射材の平均粒径を20μmとし、ArとH2の流量比
を70:30とし、プラズマガンと石英ガラスの距離を
80mmとした他は実施例1と同様の方法でアルミナ溶
射膜付き石英ベルジャーを作製した。溶射膜の表面粗さ
は3μmであり、表面粗さが小さいものであった。
【0066】実施例4 実施例1、2、3いずれの石英ベルジャーも溶射膜のは
がれがなく良好な仕上がりであった。実施例1、2、3
及び比較例1、2の石英ベルジャーをプレクリーニング
装置に用いた。アルミナ溶射膜の無い比較例1、アルミ
ナ溶射膜の表面粗さRaの小さい比較例2は、100時
間使用後、装置内に石英ベルジャーから剥離した膜状物
質に起因する粒子が採取されたが、実施例1、2、3の
場合、200時間使用後においても剥離粒子は観測され
ず、同一条件の使用において、2倍の時間連続的に使用
できることが確認出来た。比較例2の場合、付着した膜
状物質の剥離だけでなく、アルミナ溶射膜自体の剥離、
膨れ上がりが観測された。
【0067】同様に実施例1、2、3及び比較例1、2
の石英ベルジャーをCVD法による成膜装置に用いた。
アルミナ溶射膜の無い比較例1、アルミナ溶射膜の表面
粗さRaの小さい比較例2は、70時間使用後に装置内
に付着した膜状物質の剥離による粒子が採取されたが、
実施例1、2、3の場合、150時間使用後においても
剥離粒子は観測されず、同一条件の使用において、2倍
の時間連続的に使用できることが確認出来た。
【0068】実施例5 幅10mm、長さ40mm、厚み6mmの石英ガラス板
をホワイトアルミナのグリットWA#48と、粒径分布
が20〜125μmの部分安定化ジルコニアビーズを用
いて、圧力0.5MPaでブラスト後、純水で超音波洗
浄し、オーブンで乾燥した。石英ガラス板をブラストし
た面の表面粗さRaは夫々7μm、8μmであった。そ
の後、石英ガラス板のブラストした面に、ArとH2
流量比を75:25としてプラズマ溶射によりアルミナ
溶射膜を形成し、石英ガラス部品を作製した。プラズマ
溶射には、電融粉砕法で作製した純度99.9%で平均
粒径40μmの溶射材を用いた。溶射膜の膜厚は、0.
2mmであった。溶射膜の表面粗さRaはいずれも11
μmであった。
【0069】アルミナグリットと球状の部分安定化ジル
コニアグリットを用いて試作した石英ガラス板を各々1
1枚準備し、各1枚の断面を光学顕微鏡で10mm焦点
を移動させながら長さ20μm以上のマイクロクラック
について調べた。アルミナグリットを用いた場合マイク
ロクラックの平均長さが130μmで基材表面に対する
平均角度はほぼ90°であったが、球状の部分安定化ジ
ルコニアグリッドを用いた場合はマイクロクラックの平
均長さが80μmで基材表面に対する平均角度は約60
°であった。また、各々11枚について曲げ強度を測定
したところ、アルミナグリットの場合は40MPa、球
状ジルコニアグリットの場合は60MPa、また、ブラ
スト前の石英ガラス板が100MPaであった。ブラス
ト材を球状の部分安定化ジルコニアビーズを用いること
で特に曲げ強度の低下が抑えられることがわかった。
【0070】実施例6 石英ベルジャー51内面をホワイトアルミナ(WA)の
グリットを用いて、圧力0.5MPaでブラスト後、内
面に24重量%フッ化水素酸を注ぎ、1時間保持してエ
ッチング処理することにより、溝の層52を形成した。
ここでグリットとして、WA#220、WA#120、
WA#60の3種類を用いて、3個の石英ベルジャーを
作製した。エッチング処理後の、各々の石英ベルジャー
内面の表面粗さRaは、グリットWA#220、WA#
120、WA#60に対して、それぞれ、4μm、8μ
m、14μmであった。いずれも溝幅は10〜30μm
で、溝の長さはWA#220で10〜120μm、WA
#120で10〜200μm、WA#60で20〜30
0μmであった。溝52を形成した各々の石英ベルジャ
ーの内面に、プラズマ溶射によりアルミナ溶射膜53を
形成した。プラズマ溶射には、平均粒径50μmで純度
99.8%の溶射材を用いた。溶射膜の膜厚は、場所に
より異なるが0.2〜0.4mmであった。溶射膜の表
面粗さは、グリットWA#220、WA#120、WA
#60に対して、それぞれ、9μm、10μm、14μ
mであった。溶射後、クリーンルーム中で洗浄を行い、
セラミック溶射膜がアルミナである石英ベルジャーを完
成した。石英ベルジャーの構造の概略を図5に示す。
【0071】実施例7 石英ベルジャー51内面をYSZ(5重量%イットリア
添加部分安定化ジルコニア焼結顆粒:球状で粒径40〜
120μm)を用いて、圧力0.5MPaでブラスト
後、内面に24重量%フッ化水素酸を注ぎ、1時間保持
してエッチング処理することにより、表面粗さRaが7
μm、溝幅が10〜30μmで溝の長さが10〜120
μmの溝の層52を形成した。次に石英ベルジャーの内
面に、YSZ溶射顆粒(5重量%イットリア添加部分安
定化ジルコニア焼結顆粒:球状で平均粒径40μm)及
び平均粒径45μmで99.9%のアルミナと99.9
%のマグネシアを1:1に混合して作製した顆粒を用い
てプラズマガンと石英ガラスの距離を150mmとして
プラズマ溶射により部分安定化ジルコニア溶射膜、及び
マグネシアーアルミナスピネル溶射膜53を形成した。
溶射膜の膜厚は何れも0.15〜0.25mmで、溶射
膜の表面粗さは夫々12μm、15μmであった。溶射
後、クリーンルーム中で洗浄を行い、セラミック溶射膜
が部分安定化ジルコニア、及びマグネシア−アルミナス
ピネルである石英ベルジャーを夫々完成した。
【0072】実施例8 実施例6、7ではいずれの石英ベルジャーも溶射膜に全
くはがれがなく良好な仕上がりであった。実施例6、7
と比較例1、2の石英ベルジャーをプレクリーニングに
用いた。比較例1、2の石英ベルジャーは、50時間使
用後に装置内に膜状物質の剥離による粒子が採取された
が、実施例6、7の場合、100時間使用後においても
剥離粒子は観測されず、同一条件の使用において、2倍
の時間連続的に使用できることが確認出来た。
【0073】同様に実施例6、7、比較例1、2の石英
ベルジャーをスパッタ法による成膜に用いた。アルミナ
溶射膜の無い比較例1、アルミナ溶射膜の表面粗さRa
の小さい比較例2は、70時間使用後に装置内に膜状付
着物の剥離による粒子が採取されたが、実施例6、7の
場合、150時間使用後においても剥離粒子は観測され
ず、同一条件の使用において、2倍の時間連続的に使用
できることが確認出来た。
【0074】ここで実施例7の部分安定化ジルコニアの
溶射膜を形成した石英ベルジャーを、スパッタ成膜装置
で連続使用後に温度130℃、湿度90%の環境に6時
間放置した。部分安定化ジルコニア溶射膜は付着した膜
状物質とともにほとんど剥がれ落ちた。わずかに残った
部分も純水中で超音波洗浄することにより簡単に除去す
ることができた。
【0075】実施例9 プレクリーニングに用いるセラミックシリンダーを作製
した。セラミックシリンダー(99.9%アルミナ製)
を炭化珪素グリットC#24を用いて、圧力0.5MP
aでブラストすることにより表面粗さRaを9μmとし
た。次にセラミックスシリンダーの内面に、YSZ溶射
顆粒(5重量%イットリア添加部分安定化ジルコニア焼
結顆粒:球状で平均粒径40μm)を用いてプラズマ溶
射により部分安定化ジルコニア溶射膜を形成した。セラ
ミックシリンダーの一部を切り出して評価した結果、溶
射膜の膜厚は0.1〜0.2mmで、溶射膜の表面粗さ
は11μmであった。溶射後、クリーンルーム中で洗浄
を行い、セラミック溶射膜が部分安定化ジルコニアであ
るセラミックシリンダーを完成した。
【0076】実施例10 セラミックシリンダーを炭化珪素グリットC#24を用
いて圧力0.5MPaでブラスト後、硝フッ酸(硝酸3
0%、フッ酸24%混合水溶液)に2時間浸漬した他は
実施例9と同様の方法でプラズマ溶射により部分安定化
ジルコニア溶射膜を形成し、セラミックシリンダーを完
成した。セラミックシリンダーの一部を切り出して評価
した結果、表面粗さRaは9μmであった。
【0077】実施例9と10の溶射膜の剥離強度を測定
することによって密着性を比較した。密着性は、セラミ
ックと溶射膜を冶具に接着剤で張付け、反対方向に引っ
張り、剥れる時の剥離強度で評価した。剥離強度は実施
例9で3MPa、実施例10で5MPaであった。ブラ
スト後のセラミックシリンダーの硝フッ酸浸漬により、
溶射膜の密着性が向上する事が示された。
【0078】比較例3 セラミックシリンダーをアルミナグリットWA#24を
用いて圧力0.5MPaでブラストすることにより表面
粗さRaを3μmとした後、プラズマ溶射による溶射膜
を形成しないでセラミックシリンダーとした。
【0079】実施例11 実施例9、10と比較例3のセラミックシリンダーをC
VD成膜装置とプレクリーニング装置に用いた。同一条
件での比較において、実施例9、10のセラミックシリ
ンダーは溶射膜の無い比較例3に比べて2倍以上の時間
連続的に使用できた。
【0080】次に、CVD成膜装置で連続使用後のセラ
ミックシリンダーを温度140℃、湿度75%の環境に
6時間放置した。部分安定化ジルコニア溶射膜は付着し
た膜状物質とともにほとんど剥がれた。わずかに残った
部分も純水で超音波洗浄することにより除去することが
できた。
【0081】実施例12 ドーナツ状のセラミックリング(99.9%アルミナ
製)を炭化珪素グリットC#24を用いて、圧力0.5
MPaでブラストすることにより表面粗さRaを9μm
とした。次にセラミックリングに、平均粒径35μmで
99.9%のアルミナ粉末を用いてプラズマ溶射により
アルミナ溶射膜を形成した。溶射膜の膜厚は、0.1〜
0.2mmで、溶射膜の表面粗さRaは10μm、X線
回折により結晶形はほとんどγ―アルミナであった。セ
ラミックリングは4個作成し、その内3個は溶射後、電
気炉に投入し、夫々900℃、1100℃、1300℃
で各2時間保持して十分温度が下がった後に取り出し
た。クリーンルーム中で洗浄を行い、4個のセラミック
リングを完成した。
【0082】完成後、セラミックリングをスパッタ成膜
及びプレクリーニングに用いたところ溶射膜の無い比較
例3に比べて2倍以上連続的に使用を継続できた。
【0083】次にセラミックリングを各々使用後半分に
切り取って、半分を硝フッ酸(硝酸30%、フッ酸24
%混合水溶液)に20分間浸漬してプレクリーニングに
よって付着した膜状物質を全て除去した。さらに5時間
硝フッ酸に浸漬後、硝フッ酸に浸漬してないセラミック
リングと溶射膜の剥離強度を測定することによって密着
性を比較した。密着性は、セラミック基材と溶射膜を冶
具に接着剤で張付けて反対方向に引っ張り、剥れる時の
剥離強度で評価した。
【0084】硝フッ酸に浸漬してないサンプルの溶射膜
の剥離強度は、熱処理無し、熱処理温度900℃、11
00℃、1300℃に対して、各々4MPa、6MP
a、10MPa、15MPaであった。また、硝フッ酸
に浸漬したサンプルの剥離強度は、熱処理無し、熱処理
温度900℃、1100℃、1300℃に対して、各
々、0.5MPa、2MPa、8MPa、13MPaで
あった。1000℃以上の熱処理により剥離強度は2倍
以上となっており、硝フッ酸処理をした後も溶射膜の密
着性が高い溶射膜であることがわかった。X線回折によ
り溶射膜の結晶型を調べたところ、1100℃以上の熱
処理を行った試料では結晶型がほとんどα−アルミナで
あり、γ―アルミナは観測されなかった。
【0085】実施例13 次にマグネシアーアルミナスピネルの溶射膜を有するド
ーナツ状のセラミックリングを作成した。セラミックリ
ング(99.9%アルミナ製)を炭化珪素グリットC#
24を用いて、圧力0.5MPaでブラストすることに
より表面粗さRaを9μmとした。次にセラミックリン
グに、平均粒径45μmで99.9%のアルミナと9
9.9%のマグネシアを1:1に混合して作製した顆粒
を用いてプラズマ溶射によりスピネル溶射膜を形成し
た。溶射膜の膜厚は、0.1〜0.2mmで、溶射膜の
表面粗さRaは12μm、X線回折により結晶形はスピ
ネル構造であった。セラミックスリングは4個作成し、
その内3個は溶射後、電気炉に投入し、各々900℃、
1100℃、1300℃で各2時間保持して十分温度が
下がった後に取り出した。クリーンルーム中で洗浄を行
い、4個のセラミックリングを完成した。
【0086】セラミックリングをプレクリーニングに用
いたところ溶射膜の無い比較例3に比べて2倍以上連続
的に使用を継続できた。
【0087】次にセラミックリングを使用後半分に切り
取って、各々半分を硝フッ酸(硝酸30%、フッ酸24
%混合水溶液)に20分間浸漬してプレクリーニングの
付着膜を全て除去できた。さらに5時間硝フッ酸に浸漬
後、硝フッ酸に浸漬してないセラミックリングとともに
サンプルを切り出し、溶射膜の密着性を調べた。密着性
は、セラミック基材と溶射膜を冶具に接着剤で張付けて
反対方向に引っ張り、剥れる時の剥離強度で評価した。
【0088】硝フッ酸に浸漬してないサンプルの剥離強
度は、熱処理無し、熱処理温度900℃、1100℃、
1300℃に対して、各々5MPa、7MPa、12M
Pa、18MPaであった。また、硝フッ酸に浸漬した
サンプルの剥離強度は、熱処理無し、熱処理温度900
℃、1100℃、1300℃に対して、各々、1MP
a、2MPa、9MPa、15MPaであった。100
0℃以上の熱処理により密着性は2倍以上、硝フッ酸に
浸漬後も密着性の高い溶射膜が形成された。
【0089】
【発明の効果】本発明の石英ガラス部品及びセラミック
部品は以下の効果を有する。 (1)従来の石英ガラス部品及びセラミック部品に比べ
て膜状物質の付着性に優れるため、成膜装置やプレクリ
ーニング装置に使用した際に、膜状物質の剥離に起因す
る発塵による製品汚染がなく、なおかつ長時間の連続使
用が可能である。 (2)基材がセラミック溶射膜を密着させるアンカー効
果に優れた溝形状を有しているものは、基材とセラミッ
ク溶射膜の密着性に優れ、セラミック溶射膜自体の剥離
がない耐久性に優れた部品である。 (3)本発明の部品で表面粗さRaが1〜5μmのもの
は、従来の部品に比べて耐プラズマ性に優れており、部
品のプラズマによる腐食による発塵、部品の劣化がな
く、製品汚染がなく、なおかつ長時間の連続使用が可能
である。
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラスト加工とフッ酸エッチング処理後の石英
ガラス表面を斜めから観察したSEM像である。
【図2】ブラスト加工とフッ酸エッチング処理をした石
英ガラス表面にセラミック溶射膜を溶射した断面のSE
M像である。
【図3】ブラスト加工だけでフッ酸エッチング処理をし
ない石英ガラス表面にセラミック溶射膜を溶射した断面
のSEM像である。
【図4】ブラスト加工した上にセラミックス溶射膜を形
成した石英ベルジャーの断面図の模式図である。
【図5】ブラスト加工とフッ酸エッチングをした上にセ
ラミックス溶射膜を形成した石英ベルジャーの断面図の
模式図である。
【符号の説明】
21:石英ガラス基材 22:ブラスト及びフッ酸エッチング処理した石英ガラ
ス基材表面 23:セラミック溶射膜 24:セラミック溶射膜が石英ガラス基材表面にアンカ
ー状に食い込んだ溝 31:石英ガラス基材 32:ブラストした石英ガラス基材表面 33:セラミック溶射膜 34:石英ガラス基材の強度を低下する深いマイクロク
ラック 35:石英ガラス基材表面の剥離しかけたかけら 41:石英ベルジャー 42:セラミック溶射膜 51:石英ベルジャー 52:溝が形成された石英ガラス基材の表面層 53:セラミック溶射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 4/02 C23C 4/02 4/10 4/10 Fターム(参考) 4G059 AA08 AA20 AC01 EA01 EA07 EB05 4K031 AA01 AA08 AB02 AB07 BA01 BA02 BA04 CB01 CB18 CB41 CB42 CB43 DA04 EA01 EA12 FA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石英ガラス基材上に表面粗さRaが5〜2
    0μmで相対密度が70〜97%であるセラミック溶射
    膜が形成されていることを特徴とする石英ガラス部品。
  2. 【請求項2】石英ガラス基材上の表面粗さRaが5〜1
    5μm、当該石英ガラス基材表面のマイクロクラックの
    平均長さが1〜100μm、尚且つ当該マイクロクラッ
    クの石英ガラス基材表面に対する平均角度が10〜70
    °である石英ガラス基材上に、表面粗さRaが5〜20
    μm、相対密度が70〜97%であるセラミック溶射膜
    が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の石
    英ガラス部品。
  3. 【請求項3】幅が5〜50μmの溝を10〜200本/
    mm有する石英ガラス基材面上に、セラミックス溶射膜
    の表面粗さRaが1〜20μmのセラミック溶射膜が形
    成されていることを特徴とする石英ガラス部品。
  4. 【請求項4】幅が5〜50μm、長さが10〜200μ
    mの溝を10〜200本/mm有する石英ガラス基材面
    上に、セラミック溶射膜の表面粗さRaが1〜20μm
    のセラミック溶射膜が形成されていることを特徴とする
    請求項3に記載の石英ガラス部品。
  5. 【請求項5】前記セラミック溶射膜がアルミナ、部分安
    定化ジルコニア、又はマグネシア−アルミナスピネルで
    あることを特徴とする請求項1〜4に記載の石英ガラス
    部品
  6. 【請求項6】セラミック基材上に表面粗さRaが5〜2
    0μmのセラミック溶射膜が形成されていることを特徴
    とするセラミック部品。
  7. 【請求項7】前記セラミック溶射膜がα―アルミナ、部
    分安定化ジルコニア、又はマグネシア−アルミナスピネ
    ルであることを特徴とする請求項6に記載のセラミック
    部品。
  8. 【請求項8】石英ガラス基材上に、平均粒径が30〜6
    0μmの原料粉末を用い、プラズマ溶射法によりセラミ
    ック溶射膜を形成すること特徴とする請求項1〜5に記
    載の石英ガラス部品の製造方法。
  9. 【請求項9】プラズマガンと石英ガラス基材間距離を1
    40〜180mmの範囲で、プラズマガスに少なくとも
    水素を10〜50%加えてプラズマ溶射し、セラミック
    溶射膜を形成することを特徴とする請求項1〜5に記載
    の石英ガラス部品の製造方法。
  10. 【請求項10】石英ガラス基材表面を球状のグリットで
    ブラストした後、プラズマガンと基材間距離を140〜
    180mmの範囲で、プラズマガスに少なくとも水素を
    10〜50%加えてプラズマ溶射し、セラミック溶射膜
    を形成することを特徴とする請求項1〜5に記載の石英
    ガラス部品の製造方法。
  11. 【請求項11】石英ガラス基材の表面をブラスト加工し
    た後、少なくともフッ酸を含む酸でエッチング処理し、
    その後、セラミック溶射膜をプラズマ溶射法によって形
    成することを特徴とする請求項1〜5に記載の石英ガラ
    ス部品の製造方法。
  12. 【請求項12】石英ガラス基材の表面をブラスト加工し
    た後、少なくともフッ酸を含む酸でエッチング処理し、
    プラズマガンと基材との距離を140〜180mmの範
    囲で、プラズマガスに少なくとも水素を10〜50%加
    えてプラズマ溶射すること特徴とする請求項1〜5の石
    英ガラス部品の製造方法。
  13. 【請求項13】セラミック基材の表面をブラスト加工し
    た後、平均粒径が30〜60μmの原料粉末を用いたプ
    ラズマ溶射法によりセラミック溶射膜を形成すること特
    徴とする請求項6又は請求項7に記載のセラミック部品
    の製造方法。
  14. 【請求項14】セラミック基材の表面をブラスト加工し
    た後、少なくともフッ酸を含む酸でエッチング処理し、
    プラズマガンと基材との距離を140〜180mmの範
    囲で、プラズマガスに少なくとも水素を10〜50%加
    えてプラズマ溶射すること特徴とする請求項6又は請求
    項7のセラミック部品の製造方法。
  15. 【請求項15】セラミック基材の表面をブラスト加工し
    た後、プラズマガンと基板との距離を140〜180m
    mの範囲で、プラズマガスに少なくとも水素を10〜5
    0%加えてプラズマ溶射してセラミック溶射膜を形成し
    た後、1000℃以上1600℃以下で熱処理すること
    を特徴とする請求項6又は請求項7に記載のセラミック
    部品の製造方法。
  16. 【請求項16】セラミックス基材の表面をブラスト加工
    した後、少なくともフッ酸を含む酸でエッチング処理し
    た後、プラズマガンと基材との距離を140〜180m
    mの範囲で、プラズマガスに少なくとも水素を10〜5
    0%加えてプラズマ溶射してセラミックス溶射膜を形成
    し、さらに1000℃以上1600℃以下で熱処理する
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のセラミ
    ック部品の製造方法。
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