JP2004346286A - 複塩を含有する組成物 - Google Patents

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JP2004346286A JP2003148125A JP2003148125A JP2004346286A JP 2004346286 A JP2004346286 A JP 2004346286A JP 2003148125 A JP2003148125 A JP 2003148125A JP 2003148125 A JP2003148125 A JP 2003148125A JP 2004346286 A JP2004346286 A JP 2004346286A
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Yutaka Kaneda
豊 金田
Taiji Noda
泰司 野田
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Abstract

【課題】アクリル系ブロック共重合体において、加熱によりハロゲン成分が遊離せず、加工装置、乾燥装置などの腐食が起こりにくく、臭気もなく、且つ、物性バランスも良い重合体組成物を提供する。
【解決手段】(A)アクリル系ブロック共重合体と、(B)マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩、を含有することを特徴とする組成物を添加することにより得られる重合体組成物用いて成型体を作製すること。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系ブロック共重合体より遊離するハロゲン含有成分を、マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩により補足する重合体組成物に関する。さらに、原子移動ラジカル重合により製造されたアクリル系ブロック共重合体より遊離するハロゲン含有成分を、マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩により補足する重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子移動ラジカル重合においては、使用される開始剤化合物及び触媒が、それぞれ、ハロゲン原子が結合した第2級もしくは3級炭素原子を分子中に有する化合物、及び、金属原子とハロゲン原子からなる金属ハロゲン化物であることが多い。しかしこのような化合物を用いた製造法では、生成する重合体分子の末端に、必然的に開始剤もしくは触媒由来のハロゲン原子が結合する。従って、得られる重合体分子はハロゲン原子を含有する。通常、上記重合体の製造においては、重合体中に含有される重合溶剤を除去するために蒸発機等の後処理設備が必要となるが、この際に重合体が加熱されることにより、重合体分子の末端に結合したハロゲン原子は容易に脱離する。脱離したハロゲン種は、設備の腐食等の深刻な問題を引き起こす。また、上記重合体を射出成型機、押出機等により加工する際にも同様にハロゲン原子は脱離し、金型等の腐食が進行する問題がある。
【0003】
カチオン重合においても、原子移動ラジカル重合同様に、使用される開始剤化合物及び触媒が、それぞれ、ハロゲン原子が結合した第3級炭素原子を分子中に有する化合物、及び、金属原子と塩素原子からなる金属塩化物であることが多く、この場合は生成する重合体分子の末端に、必然的に開始剤もしくは触媒由来の塩素原子が結合し、得られる重合体分子は塩素原子を含有する。例えば、イソブチレン系ブロック共重合体においては、例えば、ルイス酸触媒下、三級炭素に結合した塩素原子を有する1,4−ビス(a−クロロイソプロピル)ベンゼンなどを重合開始剤として用いるイニファー法により、求核剤であるエレクトロンドナー存在下イソブチレンモノマー、スチレンモノマーを逐次添加してスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体を重合する方法が開示されている(特許文献1)。また、アミン化合物をエレクトロンドナーとして用い、同様の方法でスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体を重合する方法が開示されている(特許文献2)。
【0004】
このような塩素原子を有するイソブチレン系ブロック共重合体は加工成型の際、共重合体の溶融温度以上に加熱すると、塩素成分が遊離し乾燥装置や成型加工装置を腐食する等の問題が発生する。これらの課題を解決するために、塩酸トラップ剤を含む組成物が開示されている(特許文献3)。しかしながら、ここで開示されている塩酸トラップ剤は、ジオクチル錫メルカプタイド、ジブチル錫マレートなどの錫系、エポキシ化大豆油、金属石鹸などのみで、ジオクチル錫メルカプタイドなどの錫系は塩酸をトラップした際に生じる生成物の影響で、組成物に臭気が残るという問題があった。またその他のトラップ剤では、塩酸トラップ能が低く、多量に添加しないと効果がないという課題があった。また、これらの塩酸トラップ剤の中には、特に、食品包装や医療用途に使用する場合、その安全性に関し、課題がある場合があった。
【0005】
原子移動ラジカル重合により製造される、メタアクリル系重合体ブロックおよびアクリル系重合体を含有するアクリル系ブロック共重合体は、熱可塑性エラストマーとして機能することが特許文献4で知られている。しかしながら、上で述べたような腐食の問題について、物性バランスを望ましいレベルに保ったまま解決する手段はいまだに知られておらず、その開発が強く求められていた。
【0006】
【特許文献1】
米国再発行特許発明第34640号明細書
【0007】
【特許文献2】
特公平7−059601号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−179932号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2001−200026号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上に述べた問題を解決し、加工装置、乾燥装置などの腐食が起こりにくく、臭気もなく、且つ、物性バランスも良い重合体組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原子移動ラジカル重合により製造される、メタアクリル系重合体ブロックおよびアクリル系重合体を含有するアクリル系ブロック共重合体に、マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩を添加することにより、成型工程において遊離するハロゲン成分を捕捉し、成型設備を腐食させないとともに、低臭気で、且つ、物性バランスも良い重合体組成物を得るに至った。
【0012】
すなわち本発明の第1は、(A)アクリル系ブロック共重合体と、(B)マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩、を含有することを特徴とする組成物に関する。好ましい実施態様は、
(1)マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩(B)が、水酸化物及び/または炭酸塩の複塩である上記記載の組成物、
(2)水酸化物及び/または炭酸塩の複塩がハイドロタルサイト類化合物である上記記載の組成物、
(3)アクリル系ブロック共重合体(A)全体中、メタアクリル系重合体を主成分とするメタアクリル系重合体ブロック(A1)10〜60重量%とアクリル系重合体を主成分とするアクリル系重合体ブロック(A2)90〜40重量%からなることを特徴とする上記記載の組成物、
(4)アクリル系重合体ブロック(A2)が、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー50〜100重量%並びにこれらと共重合可能な他のアクリル酸エステルおよび/又は他のビニル系モノマー0〜50重量%からなることを特徴とする上記記載の組成物、
(5)アクリル系重合体ブロック(A2)全体中、アクリル酸2−メトキシエチル10〜90重量%、及びアクリル酸ブチル10〜90重量%、更に任意成分としてアクリル酸エチル0〜80重量%を含有する上記記載の組成物、
(6)アクリル系ブロック共重合体(A)が、原子移動ラジカル重合により製造されたブロック共重合体であることを特徴とする上記記載の組成物、
に関する。
【0013】
本発明の第2は、上記記載の組成物を用いた、自動車用、家庭用電気製品用または事務用電気製品用成型品に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
<(A)アクリル系ブロック共重合体>
本発明に用いる(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、メタアクリル系モノマーを主成分とする重合体ブロック(A1)とアクリル系モノマーを主成分とする重合体ブロック(A2)とをそれぞれ少なくとも1つ含有するブロック共重合体である。アクリル系ブロック共重合体(A)は、線状ブロック共重合体および分岐状(星状)ブロック共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体である。
【0015】
前記線状ブロック共重合体は、a−b型のジブロック共重合体、a−b−a型のトリブロック共重合体、b−a−b型のトリブロック共重合体、(−a−b−)n型のマルチブロック共重合体である。前記分岐状(星状)ブロック共重合体は、前記の線状ブロック共重合体を基本構造とする分岐状(星状)ブロック共重合体である。これらの中でも、組成物の物理的性質の点から、a−b−a型のトリブロック共重合体、a−b型のジブロック共重合体、または、これらの混合物が好ましい。
【0016】
アクリル系ブロック共重合体(A)の数平均分子量は特に限定されないが、好ましくは30000〜500000、さらに好ましくは50000〜400000である。数平均分子量が小さいと粘度が低く、また、数平均分子量が大きいと粘度が高くなる傾向があるので、必要とする加工特性に応じて設定される。
【0017】
アクリル系ブロック共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)も特に限定されないが、好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下である。Mw/Mnが1.8を超えるとブロック共重合体の均一性が低下する傾向がある。
【0018】
アクリル系ブロック共重合体(A)のメタアクリル系重合体ブロック(A1)とアクリル系重合体ブロック(A2)の組成比は、重合体ブロック(A1)が10〜60重量%、重合体ブロック(A2)が90〜40重量%である。成型時の形状の保持およびエラストマーとしての弾性の観点から、組成比の好ましい範囲は、重合体ブロック(A1)が15〜55重量%、重合体ブロック(A2)が85〜45重量%であり、さらに好ましくは、重合体ブロック(A1)が20〜50重量%、重合体ブロック(A2)が80〜50重量%である。重合体ブロック(A1)の割合が10重量%より少ないと成形時に形状が保持されにくい傾向があり、重合体ブロック(A2)の割合が40重量%より少ないとエラストマーとしての弾性が低下する傾向がある。
【0019】
また、上記エラストマー組成物の組成比については、硬度の観点から、重合体ブロック(A1)の割合が少ないと硬度が低くなり、また、重合体ブロック(A1)の割合が多いと硬度が高くなる場合があるため、エラストマー組成物の必要とされる硬度に応じて(A1)、(A2)の組成比を設定することができる。また加工性の観点からは、重合体ブロック(A1)の割合が少ないと粘度が低く、また、重合体ブロック(A1)の割合が多いと粘度が高くなる傾向があるので、必要とする加工特性に応じて設定することができる。
【0020】
また、(A1)と(A2)の少なくとも一方の重合体ブロックの主鎖中に、任意成分として、(A3)
一般式(1):
【化1】
Figure 2004346286
(式中、Rは水素原子またはメチル基で、互いに同一でも異なっていてもよい、pは0または1の整数、qは0〜3の整数)で表わされる酸無水物基(以下メタアクリル酸無水物と呼称する)、(A4)カルボキシル基、(A5)該酸無水物基(A3)から誘導されたイミド基、(A6)該カルボキシル基(A4)を金属イオンで一部もしくは全部中和したアイオノマー基(以下メタアクリル酸のアイオノマーと呼称する)、からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を含有するメタクリル酸誘導体モノマーからなる単位が含まれていても良い。これらを含有する効果として、凝集力および極性が向上することで、耐熱性、耐油性、機械物性が改善されることが期待される。アクリル系ブロック共重合体(A)全体中、(A3)、(A4)、(A5)、(A6)からなる群より選ばれる少なくとも一つのメタクリル酸誘導体モノマーからなる単位を1〜60重量%含有することが好ましく、0.5〜50重量%含有することがさらに好ましい。その理由として、この範囲よりも(A3)、(A4)、(A5)、(A6)が少ない場合は、これらを配合する効果が乏しく、また、この範囲を越えると、アクリル系ブロック体の本来有する物性、たとえば柔軟性などのエラストマー的性質が損なわれる場合があるためである。
【0021】
また、(A3)、(A4)、(A5)、(A6)が、(A1)と(A2)の少なくとも一方の重合体ブロックの主鎖中に含まれる場合にあっては、(A1)に含まれていることが好ましい。これは、(A1)に含まれた場合のほうが、耐熱性、耐油性、機械物性が改善される程度が大きいためである。
【0022】
イミド基(A5)としては、前記酸無水物と各種のアミンを反応させて得られるものであれば特に制限されない。アミンとしては、たとえば、アンモニア、1級アミン、2級アミン、3級アミンなどを挙げることができる。1級アミンとしては、たとえば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、t−ブチルアミン;2級アミンとしては、たとえば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン;3級アミンとしては、たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−i−ブチルアミン、トリ−t−ブチルアミンなどをあげることができる。
【0023】
メタアクリル酸のアイオノマー基(A6)としては、メタアクリル酸と各種の金属塩を反応させて得られるものであれば特に制限されない。金属塩としては、たとえば、1〜2価の金属イオンの、酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩などを挙げることができる。1〜2価の金属イオンとしては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などの典型金属などのイオンをあげることができる。挙げたイオンの中では、ナトリウム、亜鉛が好ましい。
【0024】
重合体ブロック(A1)全体中、メタアクリル酸エステルを主成分とするモノマーを重合してなる重合体および/またはそれらから誘導される重合体からなるブロックであり、メタアクリル酸エステル、および任意成分として、メタアクリル酸無水物基(A3)、カルボキシル基(A4)、イミド基(A5)、およびメタアクリル酸のアイオノマー基(A6)からなる群より選ばれる少なくとも一つのメタクリル酸誘導体モノマーからなるモノマー(a1)50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系モノマー(a2)50〜0重量%とからなることが好ましく、(a1)75〜100重量%および(a2)25〜0重量%であることがさらに好ましい。(a1)と(a2)の成分比が上記範囲にあれば、メタアクリル酸重合体の性質を損なわない。
【0025】
(a1)を構成するメタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸−n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸−t−ブチル、メタアクリル酸−n−ペンチル、メタアクリル酸−n−ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸−n−ヘプチル、メタアクリル酸−n−オクチル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸−2−メトキシエチル、メタアクリル酸−3−メトキシブチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸グリシジル、メタアクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタアクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロエチル、メタアクリル酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロデシルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどをあげることができる。
【0026】
上記(a1)を構成する材料の内、加工性、コストおよび入手しやすさの点で、メタアクリル酸メチルが好ましい。耐熱性、反応性が必要な場合は(A3)としてメタアクリル酸無水物基、(A4)としてメタアクリル酸、およびそれらの併用が好ましい。またさらなる耐熱性が必要な場合は、イミド基(A5)、アイオノマー基(A6)が好ましい。所望の耐熱性、凝集力を持たせるためには、これらのメタアクリル酸メチル、メタアクリル酸無水物(A3)、メタアクリル酸(A4)、イミド基(A5)、アイオノマー(A6)の割合を調整すればよい。耐熱性の指標としてはガラス転移温度があげられ、ガラス転移温度が高いほど耐熱性がよい。また、メタアクリル酸イソボルニルなどを共重合させることによってもガラス転移温度を高く、すなわち耐熱性を改良することができる。
【0027】
共重合体ブロック(A1)を構成するメタアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系モノマー(a2)としては、たとえば、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド化合物などをあげることができる。
【0028】
アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸−2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸−2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸−2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸−2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどをあげることができる。
【0029】
芳香族アルケニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。シアン化ビニル化合物としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげることができる。共役ジエン系化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。ハロゲン含有不飽和化合物としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどをあげることができる。ケイ素含有不飽和化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどをあげることができる。不飽和時カルボン酸化合物としては、たとえば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステルなどをあげることができる。ビニルエステル化合物としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどをあげることができる。マレイミド系化合物としては、たとえば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。
【0030】
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビニル系モノマーは、重合体ブロック(A1)に要求されるガラス転移温度の調整、アクリル系重合体ブロック(A2)との相容性などの観点から好ましいものを選択することができる。
【0031】
重合体ブロック(A1)のガラス転移温度は、エラストマー組成物の熱変形の観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。重合体ブロック(A1)のガラス転移温度がエラストマー組成物の使用される環境の温度より低いと、凝集力の低下により、熱変形しやすくなる傾向がある。
【0032】
重合体ブロック(A2)は、アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを重合してなるブロックであり、アクリル酸エステル、および任意成分として、メタアクリル酸無水物基(A3)、カルボキシル基(A4)、イミド基(A5)、および、アイオノマー基(A6)からなる群より選ばれる少なくとも一つのメタクリル酸誘導体モノマーからなるモノマー(a3)50〜100重量%、およびこれと共重合可能なビニル系モノマー(a4)50〜0重量%とからなることが好ましい。
【0033】
重合体ブロック(A2)を構成するアクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−アミノエチル、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸−2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸−2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸−2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸−2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸−2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸−2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどをあげることができる。
【0034】
これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ゴム弾性、低温特性およびコストのバランスの点で、アクリル酸−n−ブチルが好ましい。さらに低温特性が必要な場合は、アクリル酸−2−エチルヘキシルを共重合させればよい。耐油性が必要な場合は、アクリル酸−n−エチルが好ましい。耐油性および低温特性のバランスが必要な場合は、アクリル酸−n−エチル、アクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルの組み合わせ、もしくはアクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルの組み合わせが好ましい。
【0035】
重合体ブロック(A2)を構成するアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系モノマー(a4)としては、たとえば、メタアクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。
【0036】
メタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸−n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸−t−ブチル、メタアクリル酸−n−ペンチル、メタアクリル酸−n−ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸−n−ヘプチル、メタアクリル酸−n−オクチル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸−2−メトキシエチル、メタアクリル酸−3−メトキシブチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸グリシジル、メタアクリル酸−2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付加物、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタアクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロエチル、メタアクリル酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロデシルエチル、メタアクリル酸−2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどをあげることができる。
【0037】
芳香族アルケニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。シアン化ビニル化合物としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげることができる。共役ジエン系化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。ハロゲン含有不飽和化合物としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどをあげることができる。ケイ素含有不飽和化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどをあげることができる。不飽和ジカルボン酸化合物としては、たとえば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステルなどをあげることができる。ビニルエステル化合物としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどをあげることができる。マレイミド系化合物としては、たとえば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。
【0038】
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビニル系モノマーは、重合体ブロック(A2)に要求されるガラス転移温度および耐油性、重合体ブロック(A1)との相容性などのバランスの観点から、好ましいものを選択することができる。
【0039】
重合体ブロック(A2)のガラス転移温度は、エラストマー組成物のゴム弾性の観点から、好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−20℃以下である。重合体ブロック(A2)のガラス転移温度が、エラストマー組成物の使用される環境の温度より高いとゴム弾性が発現されにくいので不利である。
【0040】
<アクリル系ブロック共重合体(A)の製造方法>
アクリル系ブロック共重合体(A)の製造方法としては、とくに限定されないが、制御重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合、連鎖移動剤を用いるラジカル重合および近年開発されたリビングラジカル重合をあげることができる。リビングラジカル重合がブロック共重合体の分子量および構造制御の点ならびに架橋性官能基を有するモノマーを共重合できる点から好ましい。
【0041】
リビング重合とは、狭義においては、末端が常に活性を持ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれ、本発明におけるリビングラジカル重合は、重合末端が活性化されたものと不活性化されたものが平衡状態で維持されるラジカル重合であり、近年様々なグループで積極的に研究がなされている。
【0042】
その例としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(Journal of American Chemical Society,1994,116,7943)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules,1994,27,7228)、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などをあげることができる。本発明において、これらのうちどの方法を使用するかはとくに制約はないが、制御の容易さなどから原子移動ラジカル重合が好ましい。
【0043】
原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒として重合される(例えば、Matyjaszewskiら, Journal of American Chemical Society,1995,117,5614、Macromolecules,1995,28,7901、Science,1996,272,866、またはSawamotoら, Macromolecules,1995,28,1721)。
【0044】
これらの方法によると一般的に非常に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどの停止反応が起こりやすいラジカル重合でありながら、重合がリビング的に進行し、分子量分布の狭いMw/Mn=1.1〜1.5程度の重合体が得られ、分子量はモノマーと開始剤の仕込み時の比率によって自由にコントロールすることができる。
【0045】
原子移動ラジカル重合法において、開始剤として用いられる有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物としては、一官能性、二官能性、または、多官能性の化合物を使用できる。これらは目的に応じて使い分けることができる。ジブロック共重合体を製造する場合は、一官能性化合物が好ましい。A−B−A型のトリブロック共重合体、B−A−B型のトリブロック共重合体を製造する場合は二官能性化合物を使用することが好ましい。分岐状ブロック共重合体を製造する場合は多官能性化合物を使用することが好ましい。
【0046】
一官能性化合物としては、たとえば、以下の化学式で示される化合物などをあげることができる。
−CH
−CHX−CH
−C(CH
−CHX−COOR
−C(CH)X−COOR
−CHX−CO−R
−C(CH)X−CO−R
−C−SO
式中、Cはフェニレン基を表わす。フェニレン基は、オルト置換、メタ置換およびパラ置換のいずれでもよい。Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表わす。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす。Rは炭素数1〜20の一価の有機基を表わす。
【0047】
二官能性化合物としては、たとえば、以下の化学式で示される化合物などをあげることができる。
X−CH−C−CH−X
X−CH(CH)−C−CH(CH)−X
X−C(CH−C−C(CH−X
X−CH(COOR)−(CH−CH(COOR)−X
X−C(CH)(COOR)−(CH−C(CH)(COOR)−X
X−CH(COR)−(CH−CH(COR)−X
X−C(CH)(COR)−(CH−C(CH)(COR)−X
X−CH−CO−CH−X
X−CH(CH)−CO−CH(CH)−X
X−C(CH−CO−C(CH
X−CH(C)−CO−CH(C)−X
X−CH−COO−(CH−OCO−CH−X
X−CH(CH)−COO−(CH−OCO−CH(CH)−X
X−C(CH−COO−(CH−OCO−C(CH−X
X−CH−CO−CO−CH−X
X−CH(CH)−CO−CO−CH(CH)−X
X−C(CH−CO−CO−C(CH−X
X−CH−COO−C−OCO−CH−X
X−CH(CH)−COO−C−OCO−CH(CH)−X
X−C(CH−COO−C−OCO−C(CH−X
X−SO−C−SO−X
式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20アリール基または炭素数7〜20アラルキル基を表わす。Cはフェニレン基を表わす。フェニレン基は、オルト置換、メタ置換およびパラ置換のいずれでもよい。Cはフェニル基を表わす。nは0〜20の整数を表わす。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす。
【0048】
多官能性化合物としては、たとえば、以下の化学式で示される化合物などをあげることができる。
(CHX)
(CH(CH)−X)
(C(CH−X)
(OCO−CHX)
(OCO−CH(CH)−X)
(OCO−C(CH−X)
(SOX)
式中、Cは三置換フェニル基を表わす。三置換フェニル基は、置換基の位置は1位〜6位のいずれでもよい。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす。
【0049】
これらの開始剤として用いられうる有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物は、ハロゲンが結合している炭素がカルボニル基、フェニル基などと結合しており、炭素−ハロゲン結合が活性化されて重合が開始する。使用する開始剤の量は、必要とするブロック共重合体の分子量に合わせて、モノマーとの比から決定すればよい。すなわち、開始剤1分子あたり、何分子のモノマーを使用するかによって、ブロック共重合体の分子量を制御することができる。
【0050】
前記原子移動ラジカル重合の触媒として用いられる遷移金属錯体としてはとくに限定はないが、好ましいものとして、1価および0価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄または2価のニッケルの錯体をあげることができる。これらの中でも、コストや反応制御の点から銅の錯体が好ましい。
【0051】
1価の銅化合物としては、たとえば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅などをあげることができる。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために、2,2′−ビピリジルおよびその誘導体、1,10−フェナントロリンおよびその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミンなどのポリアミンなどを配位子として添加することもできる。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として使用する事ができる。
【0052】
ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加することもできる。さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl(PPh)、および、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr(PBu)も触媒として使用できる。使用する触媒、配位子および活性化剤の量は、特に限定されないが、使用する開始剤、モノマーおよび溶媒の量と必要とする反応速度の関係から適宜決定することができる。
【0053】
前記原子移動ラジカル重合は、無溶媒(塊状重合)または各種溶媒中で行なうことができる。前記溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒などをあげることができ、これらは少なくとも1種を混合して用いることができる。また、溶媒を使用する場合、その使用量は、系全体の粘度と必要とする反応速度(即ち、撹拌効率)の関係から適宜決定することができる。
【0054】
また、前記原子移動ラジカル重合は、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは50〜150℃の範囲で行なわせることができる。前記原子移動ラジカル重合温度が室温より低いと粘度が高くなり過ぎて反応速度が遅くなる場合があるし、200℃を超えると安価な重合溶媒を使用できない場合がある。
【0055】
前記原子移動ラジカル重合により、ブロック共重合体を製造する方法としては、モノマーを逐次添加する方法、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤としてつぎのブロックを重合する方法、別々に重合した重合体を反応により結合する方法などをあげることができる。これらの方法は、目的に応じて使い分けることができる。製造工程の簡便性の点から、モノマーの逐次添加による方法が好ましい。さらに、重合反応により重合体ブロックに導入されたモノマーのエステル部位を官能基変換反応させることによりカルボキシル基、酸無水物基を導入することができる。
【0056】
カルボキシル基を有するブロック共重合体の合成方法としては、特に限定はないが、例えば、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリメチルシリルなどのような、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有するモノマーを含むブロック共重合体を合成し、加水分解もしくは酸分解など公知の化学反応、たとえば特開平10−298248号公報、および特開2001−234146号公報などに記載の方法によってカルボキシル基を生成させる方法がある。また、下に示す方法により誘導した酸無水物基を加水分解してカルボキシル基を生成させる方法もある。
【0057】
酸無水物基を有するブロック共重合体の合成方法としては、前記のカルボキシル基を有するブロック共重合体を、加熱により脱水もしくは脱アルコール反応を行わせることで、隣り合ったモノマーのエステル部位をカルボン酸無水物に変換させることができる。もしくは、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリメチルシリルなどのような、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有するモノマーを含むブロック共重合体を合成し、上記のように加熱により脱アルコール反応を行わせることで、隣り合ったモノマーのエステル部位をカルボン酸無水物に変換させることができる。
【0058】
この方法により誘導した酸無水物基を有するブロック共重合体は、たとえばオートクレーブ中で精製水と加熱することで加水分解することができ、酸無水物基をカルボキシル基に変換することができる。加水分解の条件は特に制限されないが、200℃で2時間加熱する事などがあげられる。
【0059】
重合によって得られた反応液は、重合体と金属錯体の混合物を含んでおり、有機酸を添加して金属錯体を除去する。引き続き、吸着処理により不純物を除去することで、アクリル系ブロック共重合体(A)を含んでなるアクリル系ブロック共重合体溶液を得ることができる。使用することができる有機酸は、特に限定されないが、カルボン酸基、もしくは、スルホン酸基を含有することが好ましい。
【0060】
使用することができる有機カルボン酸、すなわちカルボン酸基を含有する有機物としては、特に限定されないが、たとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、4−メチル吉草酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、イコサン酸などの飽和脂肪族の一官能性のカルボン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などのハロゲンを含有する飽和脂肪族の一官能性のカルボン酸、アセトキシコハク酸、アセト酢酸、エトキシ酢酸、4−オキソ吉草酸、グリコール酸、グリシド酸、グリセリン酸、2−オキソ酪酸、グルタル酸などの置換基を含有する飽和脂肪族の一官能性のカルボン酸、プロピオル酸、アクリル酸、クロトン酸、4−ペンテン酸、アリルマロン酸、イタコン酸、オキサロ酢酸などの脂肪族不飽和の一官能性のカルボン酸、安息香酸、アセチル安息香酸、アセチルサリチル酸、アトロパ酸、アニス酸、ケイ皮酸、サリチル酸などの芳香環あるいは不飽和結合のα位にカルボン酸の炭素が結合した一官能性のカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、3−オキソグルタル酸、アゼライン酸、エチルマロン酸、4−オキソヘプタン2酸、3−オキソグルタル酸などの飽和脂肪族の二官能性のカルボン酸、アセチレンジカルボン酸などの不飽和脂肪族の二官能性のカルボン酸、イソフタル酸などの芳香族の二官能性のカルボン酸、アニコット酸、イソカンホロン酸などのトリカルボン酸、アミノ酪酸、アラニンなどのアミノ酸、などがあげられる。これらの2種以上を併用してもかまわない。これらの中では、有機溶媒への分散しやすさ、酸と金属錯体の反応との生成物の性状、入手しやすさなどから、シュウ酸が好ましい。
【0061】
本発明で使用することができる有機スルホン酸、すなわちスルホン酸基を含有する有機物としては、特に限定されないが、たとえば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などの飽和脂肪族の一官能性のスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、1,3−プロパンスルホン酸、1,4−ブタンスルホン酸、1,5−ペンタンスルホン酸などの飽和脂肪族の二官能性のスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフチルアミンスルホン酸、アミノフェノールスルホン酸などの芳香族の一官能性のスルホン酸、などがあげられる。これらの2以上を併用してもかまわない。これらの中では、有機溶媒への分散しやすさ、酸と金属錯体の反応との生成物の性状、入手しやすさなどから、ベンゼンスルホン酸もしくはその誘導体が好ましく、それらの中ではp−トルエンスルホン酸がより好ましい。
【0062】
好適に使用可能な有機酸の選定に当たり、条件を詳細に説明する。第一に、その有機酸が、除去したい銅を中心とする金属錯体と、金属塩を生成することである。第二に、生成した金属塩が、重合体の溶液あるいは融液から分離可能であることである。第三に、有機酸が、重合体に致命的な影響を与えないことである。有機酸はそれ自体が液体あるいは固体の場合があるが、上の条件を満たせば何れであってもかまわない。
【0063】
これらの条件をさらに詳細に説明する。第一に、有機酸が、除去したい銅を中心とする金属錯体と金属塩を生成するためには、有機酸が、ある程度以上の酸性度を有する必要がある。酸性度の指標として有機化合物の水溶液中の解離定数を用いるならば、第1解離段の酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が、6.0以下であることが好ましく、5.5以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。この解離定数については、たとえば、化学便覧(改訂3版、日本化学会編、1984、基礎編II、339ページの表10.11)などを参考にすることが出来る。たとえば、酢酸のpKaは4.56、安息香酸のpKaは4.20、シュウ酸のpKaは1.04(第1段)、3.82(第2段)である。上表にはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸の値が記載されていないが、いずれも水に可溶であり、ベンゼンスルホン酸のpKaは−2.7(有機化合物辞典942ページ、有機合成化学協会編、1985)、また、p−トルエンスルホン酸は塩酸や硫酸と同程度の強酸であるとされていることから(有機化合物辞典645ページ、有機合成化学協会編、1985)そのpKaは大きくとも2程度であるとすることができる。水に溶けない有機酸の場合は、その誘導体で水溶性の有機酸や、他の酸との強弱関係から類推することができる。
【0064】
第二に、生成した金属塩が、重合体の溶液あるいは融液から分離可能であるためには、生成した金属塩の溶媒に対する溶解度が小さいことが好ましく、難溶であることがさらに好ましく、不溶であることが最も好ましい。金属塩の溶解度を事前に予測することは難しいが、金属錯体の溶媒に対する溶解度、用いる有機酸の溶媒に対する溶解度を参考にすることが出来る。
【0065】
第三に、有機酸が、重合体に致命的な影響を与えないためには、重合体の主鎖や側鎖が酸によって分解されない構造であること、重合体に酸と反応する官能基がないことが好ましい。好ましい場合に該当しない場合は、反応させる有機酸の量や濃度、反応温度、反応時間、溶媒などを調整する必要がある。ただし、重合体の官能基を酸と反応させることで所望の官能基に変換させる場合や、官能基が酸と反応しても化学的手段などで元の状態に戻せる場合などは除く。
【0066】
有機酸の作用により金属錯体の一部が分解してしまう場合を想定して、遊離した配位子をも除去できることが好ましい。すなわち、遊離した配位子が溶媒に不溶であるか、配位子と有機酸との反応により溶媒に不溶な有機塩が生成することが好ましい。この塩の溶解度を事前に予測することは難しいが、配位子の溶媒に対する溶解度、用いる有機酸の溶媒に対する溶解度を参考にすることが出来る。有機酸をそのまま使用するか、水溶液として使用するか、有機溶媒の溶液として使用するかについては、特に制限はないが、上の条件を満たせば何れであってもかまわない。
【0067】
除去する金属錯体は、特に制限されないが、ハロゲン化銅と、窒素を含有する配位子との反応により生成したものである金属錯体であってもかまわない。また、ここであげる窒素を含有する配位子が、2以上の配位座を有するキレート配位子であってもかまわない。これは、前記原子移動ラジカル重合の触媒として好ましく用いられる金属錯体は、1価の銅を中心金属とする金属錯体であり、1価の銅化合物としては、たとえば塩化第一銅、臭化第一銅などのハロゲン化銅があげられ、さらに、触媒活性を高めるために窒素を含有する配位子、たとえば、2,2′−ビピリジル、その誘導体(4,4′−ジノリル−2,2′−ビピリジル、4,4′−ジ(5−ノリル)−2,2′−ビピリジルが例示できる)などの2,2′−ビピリジル系化合物、1,10−フェナントロリン、その誘導体(4,7−ジノリル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジノリル−1,10−フェナントロリンが例示できる)などの1,10−フェナントロリン系化合物、テトラメチルジエチレントリアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミンなどのポリアミンが例示できるが、2以上の配位座を有するキレート配位子が添加される場合があるためである。もちろん、本発明で除去することが可能な金属錯体は、前記原子移動ラジカル重合の触媒に限定されず、触媒機能を持たない金属錯体であってもかまわない。
【0068】
本発明で使用する有機酸の量は、銅を中心とする金属錯体に含有される銅1mol当たり、有機酸1mol以上であることが好ましい。また、配位子の配位座1mol当たり、使用する有機酸の量は0.5molであることが好ましく、1.0mol以上であることが更に好ましい。但し、有機酸の量を増やす程反応時間は短縮されるものの、コストの観点、余剰の有機酸を除く必要の観点などを考慮すると、反応時間を勘案した必要量に抑えることが望ましい。
【0069】
本発明の、有機酸の添加による反応は、無溶媒(ポリマーの融液)または各種の溶媒中で行うことができる。前記溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0070】
溶媒を使用する場合、その使用量は、系全体の粘度と必要とする撹拌効率、および反応速度の関係から適宜決定すればよい。前記反応は、0℃〜200℃の範囲、好ましくは室温〜150℃の範囲で行うことができる。前記反応温度が室温より低いと粘度が高くなり過ぎて反応速度遅くなるし、200℃を超えると安価な重合溶媒を使用できない場合がある。
【0071】
反応の結果生成した金属塩を除去する方法は特に制限されないが、必要に応じて、フィルタープレスなどの濾過、デカンテーション、遠心沈降など公知の方法を使用することが出来る。また必要に応じて、金属塩を除去せずに、次の中和工程に進むことも可能である場合がある。しかしこの場合でも、中和工程終了後には金属塩を除去しなければならない。金属塩が固体状(メタ)アクリル系ブロック共重合体に残存した場合は、減圧押出機による揮発成分除去中に重合体劣化を起こしていたり、成形体の着色や、機械物性低下などの悪影響を及ぼす恐れがある。
【0072】
重合体と、銅を中心金属とする金属錯体を含有する混合物に、有機酸を添加することで金属錯体を除去した後、系が酸性側に寄ることがあり、それが問題になる場合がある。その場合は、系を中和させる工程が必要になる。系を中和させる方法としては既知の方法を使用することができ、特に制限はないが、たとえば、塩基性の固体を使用する方法があげられる。塩基性の固体の例としては、塩基性活性アルミナ、塩基性吸着剤、固体無機酸、陰イオン交換樹脂、セルロース陰イオン交換体などをあげることができる。塩基性吸着剤としては、キョーワード500SH(協和化学製)などをあげることができる。固体無機酸としては、NaO、KO、MgO、CaOなどをあげることができる。陰イオン交換樹脂としては、スチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂、スチレン系弱塩基性陰イオン交換樹脂、アクリル系弱塩基型陰イオン交換樹脂などをあげることができる。
【0073】
上記中和工程時に添加した吸着剤を除去する方法は特に制限されないが、必要に応じて、フィルタープレスなどの濾過、デカンテーション、遠心沈降など公知の方法を使用することが出来る。
【0074】
このようにして得られた重合体溶液は、引き続き、蒸発操作により重合溶媒及び未反応モノマーを除去してアクリル系ブロック共重合体を単離する。蒸発方式としては薄膜蒸発方式、フラッシュ蒸発方式、押出しスクリューを備えた横形蒸発方式などを用いることができる。アクリル系ブロック共重合体は粘着性を有するため、上記蒸発方式の中でも押出しスクリューを備えた横形蒸発方式単独、あるいは他の蒸発方式と組み合わせることにより効率的な蒸発が可能である。
【0075】
蒸発操作により溶剤を除去した重合体は、引き続き、押出し機に供給されペレット化される。押出し機出口は直径2mm〜8mm程度の単一または複数の孔をもつダイスで構成し、押出された樹脂はストランド状で冷却され、その後カットすることにより円柱状のペレットとなる。もしくはホットカット方式又はアンダーウォーターカット方式に代表されるように、ダイス表面を高速回転するカッターを併用して球状ペレットを製造することも可能である。粒度のそろったペレットを安定して製造するにあたってはホットカット方式又はアンダーウォーターカット方式が好ましい。
【0076】
<(B)マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩>
本発明は、マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩を使用する。この複塩は重合体から脱離したハロゲン成分を捕捉するものである。複塩とは、二種以上の塩を含む高次化合物の塩であり、本発明では、金属として少なくともマグネシウムとアルミニウムを含む塩からなる高次化合物の塩である。本発明においてはマグネシウムとアルミニウム以外に金属を複塩中に含んでもよい。マグネシウムとアルミニウム以外に含みうる金属としては特に限定はないが、例えばカルシウム、亜鉛、カリウム、ナトリウムなどが例示できる。
【0077】
複塩を構成するアニオン成分としては特に限定はないが、塩化物イオンとの交換により生成するアニオンの特性より、水酸化物及び/または炭酸塩が好ましい。また、複塩は、少なくとも1分子以上の結晶水を含んでいてもよい。
【0078】
マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩(B)としては、ハイドロタルサイト類化合物が好ましい。ハイドロタルサイト類化合物は天然鉱物であるハイドロタルサイトと工業的に合成したハイドロタルサイト類化合物を含む。ハイドロタルサイト類化合物は下記の一般構造を有する。
Mg1−XAl(OH)(CO3)X/2・mHO(0<X≦0.5)
このようなハイドロタルサイト類化合物は、一般的に無害、無毒な化合物である。
【0079】
ハイドロタルサイト類化合物は、粉体であるが、カチオン重合により重合された塩素原子を含有する重合体または、その重合溶液への分散性を付与するために、表面を有機化合物にて表面処理したものであってもよい。表面処理方法としては、表面コーティングなどが例示され、炭素数10以上のアルキル基で被覆された物が好ましく。被覆方法としては、炭層数10以上の高級脂肪酸での被覆が例示できる。
【0080】
複塩(B)の粒径は、特に制限はないが、重合体への分散性、及び組成物の外観、物性の観点から、平均粒径が10μm以下であり、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。平均粒径の測定は、島津式粉体比表面積測定器にて行った。
【0081】
添加する複塩(B)の添加量は、特に制限は無いが、例えば、ブロック共重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部が望ましい。添加量が0.01重量部未満であると、開始剤や金属触媒由来の遊離ハロゲン成分を補足する効果に乏しく、10重量部を超えると重合体組成物の機械物性を低下させる場合がある。
【0082】
上記したマグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩は、重合溶液に直接添加しても良いし、重合溶液から単離された重合体をトルエンもしくはハロゲン系溶剤等に溶解しその溶液に添加しても良いし、重合体に溶融混練しても良い。
【0083】
<添加剤>
また、必要に応じて次のような添加剤を配合してもよい。添加剤としては、ブロック共重合体(A)および複塩(B)以外の、他の重合体、可塑剤、安定剤、滑剤、難燃剤、顔料、充填剤、離型剤、帯電防止剤、抗菌抗カビ剤などが挙げられる。これらの添加剤は、組成物が使用される用途などに応じて、適宜最適なものを選択すればよい。
【0084】
上記の他の重合体としては、特に限定されないが、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フッ化エチレン−プロピレン−フッ化ビニリデンゴム、アクリルゴム(ACM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム(CO)、エチレン−アクリルゴム、ノルボルネンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー(TPVC)、およびフッ素系熱可塑性エラストマーなど、が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0085】
上記の可塑剤としては、特に限定はないが、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレートのようなイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタル酸のようなテトラヒドロフタル酸誘導体;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルジグリコール等のアジピン酸誘導体;アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等のアゼライン酸誘導体;セバシン酸ジブチル等のセバシン酸誘導体;ドデカン−2−酸誘導体;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル等のマレイン酸誘導体;フマル酸ジブチル等のフマル酸誘導体;トリメリト酸トリス−2−エチルヘキシル等のトリメリト酸誘導体;ピロメリト酸誘導体;クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸誘導体;イタコン酸誘導体;オレイン酸誘導体;リシノール酸誘導体;ステアリン酸誘導体;その他脂肪酸誘導体;スルホン酸誘導体;リン酸誘導体;グルタル酸誘導体;アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの二塩基酸とグリコールおよび一価アルコールなどとのポリマーであるポリエステル系可塑剤、グルコール誘導体、グリセリン誘導体、塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体、エポキシ誘導体ポリエステル系重合型可塑剤、ポリエーテル系重合型可塑剤、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート誘導体、などが挙げられる。本発明において可塑剤はこれらに限定されるいことがなく、種々の可塑剤を用いることができ、ゴム用可塑剤として広く市販されているものも用いることができる。これらの化合物は、ブロック共重合体(A)の粘度を低くする方向に作用することが期待できる。市販されている可塑剤としては、チオコールTP(モートン社製)、アデカサイザーO−130P、C−79、UL−100、P−200、RS−735(旭電化社製)などが挙げられる。これら以外の高分子量の可塑剤としては、アクリル系重合体、ポリプロピレングリコール系重合体、ポリテトラヒドロフラン系重合体、ポリイソブチレン系重合体などがあげられる。
【0086】
上記の安定剤としては、特に限定はないが、トリフェニルホスファイト、ヒンダードフェノール、ジブチル錫マレエートなど、が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0087】
上記の柔軟性付与剤としては、特に限定はないが、プロセスオイル等の軟化剤;動物油、植物油等の油分;灯油、軽油、重油、ナフサ等の石油留分などが挙げられる。軟化剤としては、プロセスオイルが挙げられ、より具体的には、パラフィンオイル;ナフテン系プロセスオイル;芳香族系プロセスオイル等の石油系プロセスオイル等が挙げられる。植物油としては、例えばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、パインオイル、トール油等、が挙げられる。以上の柔軟性付与剤は単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0088】
上記の滑剤としては、特に限定はないが、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックス、ステアリン酸などの有機脂肪酸、ステアリン酸アミドなどの有機酸アミド、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムなど有機酸金属塩など、が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0089】
上記の難燃剤としては、特に限定はないが、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、デカブロモビフェニル、デカブロモビフェニルエーテル、三酸化アンチモンなど、が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0090】
上記の顔料としては、特に限定はないが、カーボンブラック、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛など、が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0091】
上記の充填剤としては、特に限定はないが、無定形フィラー、板状フィラー、針状フィラー、球状フィラー、機能性フィラー、繊維状フィラー、金属粉末など、が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。無定形フィラーとして、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化マグネシウムであり、板状フィラーとして、タルク、マイカ、ガラスフレークであり、針状フィラーとして、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミニウムであり、球状フィラーとして、ガラスビーズ、シリカビーズ、ガラス(シリカ)バルーンであり、機能性フィラーとして金属系導電性フィラー、非金属系導電性フィラー、カーボン系導電性フィラー、磁性フィラー、圧電、焦電フィラー、摺動性フィラーであり、また、繊維状フィラーとしてガラス繊維、金属繊維、アスベスト、ミルドファイバーなどの有機、無機、金属の各種ファイバーが例示できる。
【0092】
<加工・成型方法>
本発明の組成物の成型方法としては、射出成型、射出ブロー成型、ブロー成型、押出ブロー成型、押出成型、カレンダー成型、真空成型、プレス成型などがあげられる。何れの成型方法を選択するかは成型体の形状、重合体の性状、所望の生産性から決めればよい。加工プロセスにスクリューなどによる溶融混練が含まれない場合、たとえばプレス成型などでは、分散不良が起こる場合があり、あらかじめ溶融混練を行うなどの工夫が必要である。また、加工プロセスにスクリューなどによる溶融混練が含まれる場合、たとえば射出成型などであっても、スクリューの長さや条件により分散不良が起こる場合があり、この場合には射出スクリューの背圧を上げたり、あらかじめ溶融混練を行うなどの工夫が必要である。加工・成型方法には特に制限はないが、例えばバッチ式混練装置としてはミキシングロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、高剪断型ミキサーが使用でき、連続混練装置としては単軸押出機、二軸押出機、KCK押出混練機などを用いても良い。さらに、機械的に混合しペレット状に賦形する方法などの既存の方法を用いることができる。混練時の温度は、使用するブロック共重合体(A)の溶融温度、また溶融粘度などに応じて調整するのがよく、例えば、100〜300℃で溶融混練することにより製造できる。
【0093】
<応用例>
得られた成型体は、表皮材料、触感材料、外観材料、耐磨耗性材料、耐油性材料、制振材料、粘着材料のような目的を有する材料として、形状としてはシート、平板、フィルム、小型成型品、大型成型品その他任意の形状として、またパネル類、ハンドル類、グリップ類、スイッチ類のような部品として、さらにそれ以外にもシーリング部材として用いることができる。用途としては、特に制限されないが、自動車用、家庭用電気製品用、または事務用電気製品用が例示される。
【0094】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、EA、BA、MEA、MMA、TBMAは、それぞれ、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−メトキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸−tert−ブチルを意味する。
【0095】
<試験方法>
(射出成型によるさび試験)
射出成型は、ファナック社製射出成型機FAS−150Bを使用した。金型は、4隅にゲートを有するプレートを用いて、、4点から均等に射出したときに成型体中央に15mm×10mm〜30mm×20mm程度(長径×短径)の大きさの楕円形の穴が残るように計量を調節した。この穴には、高温高圧の樹脂から生じる分解ガスが集まると考えられる。射出速度25mm/秒、射出圧力500kgf/cm2、保圧速度1mm/秒、保圧時間4秒、保圧力500kgf/cm2とした。金型温度は40℃とし、ノズル先端温度は、実施例、比較例により任意に変更した。このようにして、中央に穴のあいた、長さ150mm×幅150mm×厚み3mmの成型体を得た。10ショット成型を行い、成型体の穴にあたる部位から取り出した金型の入れ子について、50℃、湿度60%の環境で20分間さびの促進試験を行ったのち、目視で評価した。金型の入れ子表面のさびの状態を観察し、全くさびが認められないものを○、一部さびが生じているものを△、明らかに着色したさびが認められるものを×、として3点法で評価した。
【0096】
(分子量)
本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めた。システムとして、ウォーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)を用いた。
【0097】
(製造例1) 3A0T6型ブロック共重合体の合成
500L反応機に臭化第一銅718.1gを仕込み、反応機内を窒素置換した。アセトニトリル4704gおよびアクリル酸ブチル10728gを予め混合しておいた溶液を、反応機内を減圧にした状態で仕込み、65℃に昇温して30分間攪拌した。その後、アクリル酸ブチル16167.7g、アクリル酸エチル15876.4g、アクリル酸2−メトキシエチル9849.9gおよび酢酸ブチル793.8gの混合溶液、ならびに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル360.4gをアセトニトリル7058.7gに溶解させた溶液を仕込み、85℃に昇温しつつさらに30分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン86.7gを加えて、第一ブロックとなるアクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチルの共重合を開始した。転化率が96%に到達したところで、トルエン96106.8g、塩化第一銅495.6g、メタクリル酸メチル41887.0gを仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン86.7gを加えて、第二ブロックとなるメタクリル酸メチルの重合を開始した。転化率が61%に到達したところで、トルエン60620gを加えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが104200、分子量分布Mw/Mnが1.36であった。得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を23wt%になるよう調整し、及びp−トルエンスルホン酸を856.9g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って固形分を除去した。このブロック共重合体溶液50Lに対し、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)652.9gを加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って吸着剤を除去した。上記重合体溶液をベント口付き横形蒸発機に供給し溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行うことで重合体を単離した。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.01MPa以下の減圧状態を保持した。このようにして標記ブロック共重合体のペレットを作成した。このようにして標記ブロック共重合体のペレットを作成した。
【0098】
(実施例1)
製造例1で得られた樹脂3A0T6を100重量部と、ハイドロタルサイト類化合物(協和化学製 DHT―4A)0.5重量部、カーボンブラック旭15(旭カーボン(株)製)0.5重量部、を表1に従って配合し、先端ダイス温度を170℃、回転数100rpmに設定した同方向二軸押出し機(LABOTEX30HSS、日本製鋼所(株)製)で混練してストランドとし、これをペレタイズして得られたペレットを70℃12時間熱風乾燥して組成物のペレットとして、射出成型によるさび試験を行った。その際の射出成型機のノズル先端温度は230℃であった。さび試験の結果、さびが見られなかった(表1)。
【0099】
【表1】
Figure 2004346286
【0100】
(実施例2)
射出成型機のノズル先端温度を250℃にした以外は、実施例1と同様にしてさび試験まで行った。その結果、一部にさびが見られた。
【0101】
(実施例3)
実施例1において、ハイドロタルサイト類化合物を1.0重量部とし、カーボンブラックを配合しなかったほかは、実施例1と同様にして評価を行った。射出成型機のノズル先端温度が250℃でもさびが見られなかった。
【0102】
(比較例1)
製造例1で製造した3A0T6を、実施例1と同様にして評価を行った。射出成型機のノズル先端温度が230℃で、明らかにさびが見られた。
【0103】
試験の結果、複塩(B)を用いない場合は金型面にさびが生じることから実用が困難であるのに対し、複塩(B)を添加することで、さびの問題が改善されることが明らかである。さらに、複塩(B)の添加部数としては、ブロック共重合体(A)100重量部に対して0.5重量部でも通常の条件では効果が認められ、1.0重量部では高い樹脂温度などの過酷な条件でもさびが生じないことが認められた。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、アクリル系ブロック共重合体にマグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩を添加することにより、遊離ハロゲン成分を抑え、加工成型時の乾燥装置や成型加工装置の腐食が起こりにくく、安全な重合体組成物を得ることが出来る。

Claims (8)

  1. (A)アクリル系ブロック共重合体と、(B)マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩、を含有することを特徴とする組成物。
  2. マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩(B)が、水酸化物及び/または炭酸塩の複塩である請求項1に記載の組成物。
  3. 水酸化物及び/または炭酸塩の複塩がハイドロタルサイト類化合物である請求項2記載の組成物。
  4. アクリル系ブロック共重合体(A)全体中、メタアクリル系重合体を主成分とするメタアクリル系重合体ブロック(A1)10〜60重量%とアクリル系重合体を主成分とするアクリル系重合体ブロック(A2)90〜40重量%からなることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の組成物。
  5. アクリル系重合体ブロック(A2)が、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー50〜100重量%並びにこれらと共重合可能な他のアクリル酸エステルおよび/又は他のビニル系モノマー0〜50重量%からなることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  6. アクリル系重合体ブロック(A2)全体中、アクリル酸2−メトキシエチル10〜90重量%、及びアクリル酸ブチル10〜90重量%、更に任意成分としてアクリル酸エチル0〜80重量%を含有する請求項4又は5に記載の組成物。
  7. アクリル系ブロック共重合体(A)が、原子移動ラジカル重合により製造されたブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜6何れかに記載の組成物。
  8. 請求項1〜7何れかに記載の組成物を用いた、自動車用、家庭用電気製品用または事務用電気製品用成型品。
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JP2006160908A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Kaneka Corp 金属塩を含有する熱可塑性エラストマー組成物および成形品

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