JP4493498B2 - アクリル系ブロック共重合体および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明のアクリル系ブロック共重合体(A)の構造は、線状ブロック共重合体または分岐状(星状)ブロック共重合体であり、これらの混合物であってもよい。このようなブロック共重合体の構造は、必要とされるアクリル系ブロック共重合体(A)の物性、架橋ゴム(B)、熱可塑性樹脂(C)などとの組成物に必要とされる加工特性や機械特性などの必要に応じて使い分けられるが、コスト面や重合容易性の点で、線状ブロック共重合体が好ましい。
Tga>Tgb
1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+…+(Wm/Tgm)
W1+W2+…+Wm=1
メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成する単量体は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度の関係、Tga>Tgbを満たすもので、所望する物性のアクリル系ブロック共重合体を得やすい点、コストおよび入手しやすさの点から、メタアクリル酸エステル、およびこれと共重合可能な他のビニル系単量体からなることが好ましい。また、酸無水物基(c)、カルボキシル基(d)を有する単量体をメタアクリル酸エステルとして含んでいても良い。メタアクリル酸エステルの割合は、メタアクリル系重合体ブロック(a)全体中、50重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。50重量%未満であると、メタアクリル酸エステルの特徴である、耐候性、高いガラス転移点、樹脂との相溶性などが損なわれる場合がある。共重合可能な他のビニル系単量体の割合は、0〜50重量%が好ましく、より好ましくは0〜25重量%である。
アクリル系重合体ブロック(b)を構成する単量体は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度の関係、Tga>Tgbを満たすもので、所望する物性の組成物を得やすい点、コストおよび入手しやすさの点から、アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能なビニル系単量体からなることが好ましい。また、酸無水物基(c)、カルボキシル基(d)を有する単量体をアクリル酸エステルとして含んでいても良い。アクリル酸エステルの割合は、アクリル系重合体ブロック(b)全体中、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。50重量%未満であると、アクリル酸エステルを用いる場合の特徴である組成物の物性、とくに耐衝撃性や柔軟性、耐油性が損なわれる場合がある。共重合可能な他のビニル系単量体の割合は、0〜50重量%が好ましく、より好ましくは0〜30重量%である。
酸無水物基(c)は、アミノ基、水酸基、エポキシ基などを有する化合物との反応性を有することから、重合体を変性する場合の反応点として、架橋ゴム、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーとブレンドする場合の相溶性改良部位として、ソフトセグメントにさらなるゴム弾性を付与する際の架橋点として用いることができるなどの特徴を有する。また、酸無水物基(c)はガラス転移温度(Tg)が高いことから、ハードセグメントに導入した場合には、アクリル系ブロック共重合体(A)の耐熱性を向上させる効果を有する。酸無水物基を有する重合体のガラス転移温度は、たとえば、ポリメタアクリル酸無水物が159℃と高く、これらを構成する単位を導入することでアクリル系ブロック共重合体の耐熱性を向上することができる。
カルボキシル基は強い凝集力をもち、カルボキシル基を有する単量体はガラス転移温度(Tg)が高く、アクリル系ブロック共重合体の耐熱性を向上させる効果を有する。ヒドロキシル基などの官能基も水素結合能を有するが、カルボキシル基を有する単量体に比較するとTgも低く、耐熱性を向上させる効果は小さい。よって、アクリル系ブロック共重合体(A)の耐熱性や凝集力のさらなる向上の点から、カルボキシル基(d)および/またはカルボキシル基(e)を含んでいてもよい。
前記アクリル系ブロック共重合体(A’)を製造する方法としては、とくに限定されないが、高分子開始剤を用いた制御重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合や連鎖移動剤を用いるラジカル重合、近年開発されたリビングラジカル重合があげられる。なかでも、リビングラジカル重合が、アクリル系ブロック共重合体の分子量および構造の制御の点から好ましい。
C6H5−CH2X、
C6H5−C(H)(X)−CH3、
C6H5−C(X)(CH3)2、
R4−C(H)(X)−COOR5、
R4−C(CH3)(X)−COOR5、
R4−C(H)(X)−CO−R5、
R4−C(CH3)(X)−CO−R5、
R4−C6H4−SO2X
で示される化合物などがあげられる。
X−CH2−C6H4−CH2−X、
X−CH(CH3)−C6H4−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−C6H4−C(CH3)2−X、
X−CH(COOR6)−(CH2)n−CH(COOR6)−X、
X−C(CH3)(COOR6)−(CH2)n−C(CH3)(COOR6)−X
X−CH(COR6)−(CH2)n−CH(COR6)−X、
X−C(CH3)(COR6)−(CH2)n−C(CH3)(COR6)−X、
X−CH2−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−C(CH3)2−X、
X−CH(C6H5)−CO−CH(C6H5)−X、
X−CH2−COO−(CH2)n−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−(CH2)n−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−(CH2)n−OCO−C(CH3)2−X、
X−CH2−CO−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−CO−C(CH3)2−X、
X−CH2−COO−C6H4−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−C6H4−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−C6H4−OCO−C(CH3)2−X、
X−SO2−C6H4−SO2−X
で示される化合物などがあげられる。
C6H3−(CH2−X)3、
C6H3−(CH(CH3)−X)3、
C6H3−(C(CH3)2−X)3、
C6H3−(OCO−CH2−X)3、
C6H3−(OCO−CH(CH3)−X)3、
C6H3−(OCO−C(CH3)2−X)3、
C6H3−(SO2−X)3
で示される化合物などがあげられる。
アクリル系ブロック共重合体(A)は、アクリル系ブロック共重合体(A’)を高温下180〜300℃で加熱する方法が好ましく用いられる。その際、アクリル系ブロック共重合体(A’)を重合体溶液の状態で加圧下で加熱してもよく、重合体溶液から溶剤を蒸発、除去しながら加熱してもよく、アクリル系ブロック共重合体(A’)を直接、加熱溶融してもよいが、酸無水物基への反応性や、製造の簡便さなどの点で、アクリル系ブロック共重合体(A’)を直接、加熱溶融することが好ましい。さらには、アクリル系ブロック共重合体(A’)を溶融混練することがより好ましい。
本発明のアクリル系ブロック共重合体(A)は、架橋ゴム(B)、熱可塑性樹脂(C)、熱可塑性エラストマー(D)、滑剤(E)、無機充填剤(F)、安定剤(G)からなる群より選ばれる少なくとも1種を配合した組成物として用いることができる。また、それらの組成物はシール製品などとして好適に使用することができる。
本発明において、架橋ゴム(B)とは、加硫したゴムまたはコアシェルタイプでグラフト交叉剤などを添加して架橋させたものであり、コアシェルタイプがアクリル系ブロック共重合体(A)との相溶性などの点で好ましい。
本発明で使用しうる熱可塑性樹脂(C)としては、特に限定されず、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状オレフィン共重合樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレン−メチルメタクリレート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、およびポリアミドイミド樹脂などがあげられる。これらは少なくとも1種用いることができる。特に限定されないが、アクリル系ブロック共重合体(A)と相溶性のよいものが好適に用いられ、酸無水物基と反応しうる官能基を有するものがより好適に用いられる。酸無水物基と反応しうる官能基としては、アミノ基、水酸基などが例示され、これらを有する熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などをあげることができる。これ以外にも、酸無水物基と反応する官能基を含有する熱可塑性樹脂なども好適に使用することができる。また、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いた場合は、アクリル系ブロック共重合体(A)と相溶性がよいことから、機械強度は維持しつつ硬度を改善したり、前記樹脂とポリエステル樹脂やポリアミド樹脂との相溶化剤として有効に作用するという効果を有する。
本発明で使用しうる熱可塑性エラストマー(D)としては、特に限定されず、たとえば、スチレンエラストマーやオレフィンエラストマー、ウレタンエラストマー、塩化ビニルエラストマー、エステルエラストマー、アミドエラストマー、アクリルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーを用いることができる。これらは少なくとも1種用いることができる。なかでも耐油性、耐熱性、相溶性の点でアクリルエラストマーが、耐油性、耐熱性、酸無水物基と反応しうる官能基を有する点で、エステルエラストマー、アミドエラストマーが好ましい。これ以外にも、酸無水物基と反応する官能基を含有する熱可塑性エラストマーなども好適に使用することができる。スチレンエラストマー、オレフィンエラストマー、ウレタンエラストマー、塩化ビニルエラストマーを用いた場合は、ゴム弾性や柔軟性などの特性を維持したまま、耐油、耐熱性、耐候性、耐傷つき性を付与できるなどの効果を有する。
本発明で使用し得る滑剤(E)としては、たとえば、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックスなどのワックス類、低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレンなどの低分子量ポリオレフィン、ジメチルポリシロキサンなどのポリオルガノシロキサン、オクタデシルアミン、リン酸アルキル、脂肪酸エステル、エチレンビスステアリルアミドなどのアミド系滑剤、4フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン粉末、シリコーン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、シリカなどがあげられる。これらは少なくとも1種用いることができる。なかでもコスト面や加工性に優れる点から、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。得られる組成物を各種シール製品に利用する場合等は、必要な低摩擦性を付与できる点などからステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
本発明で使用し得る無機充填剤(F)としては、たとえば、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、シリカ、雲母粉、アルミナ、ガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウィスカー、アスベスト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属粉末などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは少なくとも1種用いることができる。なかでも機械特性の改善や補強効果、コスト面等から、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、タルクが好ましい。得られる組成物を各種シール製品に利用する場合は、必要な高弾性率、耐候性、また顔料としても用いることができる点から、カーボンブラックや酸化チタンが好ましい。
本発明で使用し得る安定剤(G)としては、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などがあげられる。特に限定されないが、具体的には、老化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン(PAN)、オクチルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPN)、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン誘導体、ジアリル−p−フェニレンジアミン混合物、アルキル化フェニレンジアミン、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロプロピル)−p−フェニレンジアミン、ジアリルフェニレンジアミン混合物、ジアリル−p−フェニレンジアミン混合物、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン誘導体などのアミン系老化防止剤、2−メルカプトベンゾイミダゾール(MBI)などのイミダゾール系老化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピネート]などのフェノール系老化防止剤、ニッケルジエチル−ジチオカーバメイトなどのリン酸塩系老化防止剤、トリフェニルホスファイトなどの2次老化防止剤、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどがあげられる。また、光安定剤や紫外線吸収剤としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−2−シアノ−3,3‘−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、モノグリコールサリチレート、オキザリック酸アミド、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどがあげられる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体(A)、ならびに、アクリル系ブロック共重合体(A)と架橋ゴム(B)、熱可塑性樹脂(C)、熱可塑性エラストマー(D)、滑剤(E)、無機充填剤(F)、安定剤(G)からなる群より選ばれる少なくとも1種を配合した組成物を加工あるいは、製造する方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー、単軸または多軸の押出機などの公知の装置を用い、機械的に混合しペレット状に賦形する方法などの既存の方法を用いることができる。混練時の温度は、生産性や使用するアクリル系ブロック共重合体(A)、架橋ゴム(B)、熱可塑性樹脂(C)、熱可塑性エラストマー(D)、滑剤(E)、安定剤(G)の溶融温度や、得られるアクリル系ブロック共重合体(A)、ならびに組成物の機械特性などに応じて調整するのがよく、たとえば、100〜300℃で溶融混練することにより製造でき、130〜300℃がより好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。100℃より低いと、アクリル系ブロック共重合体(A)の溶融が不充分となり、架橋ゴム(B)、熱可塑性樹脂(C)、熱可塑性エラストマー(D)、滑剤(E)、無機充填剤(F)、安定剤(G)等との混練が不均一になる場合がある。また、300℃より高いと、アクリル系ブロック共重合体(A)自体が分解する場合がある。
本発明のアクリル系ブロック共重合体(A)、ならびに、アクリル系ブロック共重合体(A)と、架橋ゴム(B)、熱可塑性樹脂(C)、熱可塑性エラストマー(D)、滑剤(E)、無機充填剤(F)、安定剤(G)からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合した組成物は、アクリル系ブロック共重合体が本来有する特性を維持しながら、耐油性、耐熱性、耐熱分解性、耐候性、機械特性、圧縮永久歪などが改善されていることから、自動車、電気・電子部品、たとえば自動車用シール製品、家庭用電気製品用シール製品、事務用電気製品用シール製品としてより好適に用いることができる。本発明のシール製品は、優れた耐油性、耐熱性、などを有するものであり、従来のシール製品、たとえば加硫ゴム系と比較して、成形工程の簡素化やリサイクル性に優れ、オレフィン系熱可塑性エラストマーと比較して、より優れた耐油性、耐候性を有することができる。
(分子量)
本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを使用したGPC測定を行ない、ポリスチレン換算の分子量を求めた。GPC測定はGPC分析装置(システム:ワッカー(Waters)社製のGPCシステム、カラム:昭和電工(株)製のShodex K−804(ポリスチレンゲル))で測定した。クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
アクリル系ブロック共重合体の酸無水物基変換反応の確認は、赤外スペクトル((株)島津製作所製、FTIR−8100)、および核磁気共鳴(BRUKER社製AM400)を用いて行なった。
アクリル系ブロック共重合体のカルボキシル基変換反応の確認は、赤外スペクトル((株)島津製作所製、FTIR−8100)、および核磁気共鳴(BRUKER社製AM400)を用いて行なった。
JIS K6253に従い、23℃における硬度(直後、JIS A)を測定した。ただし、タイプAデュロメータによる硬度が90をこえたものは、タイプDデュロメータにより測定した(JIS D)。
JIS K7113に記載の方法に準用して、(株)島津製作所製のオートグラフAG−10TB形を用いて測定した。測定はn=3にて行ない、試験片が破断したときの強度(MPa)と伸び(%)の値の平均値を採用した。試験片は2(1/3)号形の形状にて、厚さが約2mm厚のものを用いた。試験は23℃にて500mm/分の試験速度で行なった。試験片は原則として、試験前に温度23±2℃、相対湿度50±5%において48時間以上状態調節したものを用いた。
JIS K6301に準拠し、円柱型成形体を圧縮率25%の条件で、70℃、100℃あるいは120℃で22時間または72時間保持し、23℃で30分放置したのち、成形体の厚みを測定し、歪みの残留度を計算した。すなわち圧縮永久歪み0%で歪みが全部回復し、圧縮永久歪み100%で歪みが全く回復しないことに相当する。
ASTM D638に準拠し、組成物の成形体を150℃に保持したASTMオイルNo.3中に72時間浸し、重量変化率(重量%)を求めた。
形状:保持=○、やや膨潤=○〜△、膨潤=△、激しく膨潤または一部溶解=×、完全溶解=××
流動開始温度を比較することにより行なった。流動開始温度は島津製作所製の高化式フローテスターCFT−500C型を用いて5℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重60Kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押出したときに、フローテスターの樹脂押出ピストンが明らかに降下し始める温度(本測定器においてはTfbと表示される)とした。
アクリル系ブロック共重合体の耐熱分解性は、(株)島津製作所(SHIMADZU)製の示差熱熱重量同時測定装置(DTG−50)で測定した。測定は流量50.0ml/分の窒素気流下、加熱速度10.0℃/分の条件でおこなった。5%重量損失温度は、100℃における重量を基準として求めた。
不溶分率(重量%)は試料1g(Wu)を100メッシュ金網に包み、80℃のトルエンまたは60℃のアセトン中で24時間浸漬したのち(トルエンかアセトンかはアクリル系ブロック共重合体が可溶な方を選択する)、トルエンまたはアセトン可溶分を分別し、残留固形分を60℃で真空乾燥し、乾燥後の残留固形分の重量g(Wc)を測定して、試料1g(Wu)に対する残留固形分(Wc)の重量から求めた。不溶分率(重量%)から、反応の進行を確認することができる。
JIS K7215に準拠し、同材料同士の擦れによる摩擦性を測定するため、2mm厚のシートを相手材料として20×20mm、試験片として80×200mmの形状に切り出し、SURFACE PROPERTY TESTER(HEIDON社製 TYPE:14DR)を用いて動的摩擦係数を求めた。試験条件は荷重100gf、速度50mm/分で行なった。粘着性などが強いために測定できない場合は、×と判定した。
前記引張特性などの評価のために得たシートを、再度、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)にて前記シートを作製するために行なった加工温度で混練し、各温度でプレス加工を行なった。
JIS K7216に準拠し、2mm厚の成形体シートを38×6mmに切り出して低温脆化温度測定器(東洋精機(株)製)にて低温脆化温度を測定した。
前記引張特性などを評価するために得た2mm厚の成形体シートを細かくペレット状にして溶融粘度(1500poise)に対する加工温度をキャピログラフ(東洋精機(株)製)で測定した。測定条件は次の通りである。キャピラリー長さ10mm、キャピラリー径1mm、バレル径9.55mm。
製造例1
(MMA−co−TBMA)−b−BA−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=50/50mol%、BA/(MMA−co−TBMA)=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下50TBA7と記載する)の合成
50TBA7を得るために以下の操作を行なった。5Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、臭化銅11.3g(78.5ミリモル)を量り取り、アセトニトリル(窒素バブリングしたもの)180mLを加えた。30分間70℃で加熱攪拌したのち、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.65g(15.7ミリモル)およびBA900ml(6.28モル)を加えた。85℃で加熱攪拌し、配位子ジエチレントリアミン1.64ml(7.85ミリモル)を加えて重合を開始した。
(MMA−co−TBMA)−b−BA−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=95/5mol%、BA/(MMA−co−TBMA)=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下5TBA7と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.80g(16.1ミリモル)、BA900ml(6.28モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%の時点でTBMA40.9ml(0.25モル)、MMA512.6ml(4.82モル)を添加した。TBMAの転化率が60%、MMAの転化率が57%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体5TBA7を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−BA−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=80/20mol%、BA/(MMA−co−TBMA)=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下20TBA7と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.65g(15.7ミリモル)、BA900ml(6.28モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%の時点でTBMA151.9ml(0.94モル)、MMA400.9ml(3.77モル)を添加した。TBMAの転化率が70%、MMAの転化率が64%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体20TBA7を得た。
TBMA−b−BA−b−TBMA(BA/TBMA=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下100TBA7と記載する)の合成
2Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル2.26g(6.3ミリモル)、BA360ml(2.51モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%の時点でTBMA243ml(1.50モル)を添加した。TBMAの転化率が70%、MMAの転化率が68%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体100TBA7を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=95/5mol%、(BA−co−EA−co−MEA)/(MMA−co−TBMA)=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下5T3A7と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル6.04g(16.8ミリモル)、BA362ml(2.52モル)、EA344ml(3.17モル)、MEA195ml(1.51モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、EAの転化率が95%、MEAの転化率が97%の時点でTBMA42.5ml(0.26モル)、MMA534ml(5.02モル)を添加した。TBMAの転化率が63%、MMAの転化率が58%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体5T3A7を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=80/20mol%、(BA−co−EA−co−MEA)/(MMA−co−TBMA)=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下20T3A7と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.89g(16.4ミリモル)、BA362ml(2.52モル)、EA344ml(3.17モル)、MEA195ml(1.51モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、EAの転化率が95%、MEAの転化率が97%の時点でTBMA158ml(0.98モル)、MMA418ml(3.92モル)を添加した。TBMAの転化率が64%、MMAの転化率が59%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体20T3A7を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=80/20mol%、(BA−co−EA−co−MEA)/(MMA−co−TBMA)=60/40重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下20T3A6と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.31g(14.8ミリモル)、BA281ml(1.96モル)、EA267ml(2.47モル)、MEA151ml(1.18モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、EAの転化率が95%、MEAの転化率が97%の時点でTBMA193ml(1.20モル)、MMA509ml(4.78モル)を添加した。TBMAの転化率が64%、MMAの転化率が61%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系アクリル系ブロック共重合体20T3A6を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=50/50mol%、(BA−co−EA−co−MEA)/(MMA−co−TBMA)=60/40重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下50T3A6と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.31g(14.8ミリモル)、BA281ml(1.96モル)、EA267ml(2.47モル)、MEA151ml(1.18モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、EAの転化率が95%、MEAの転化率が98%の時点でTBMA435ml(2.70モル)、MMA287ml(2.70モル)を添加した。TBMAの転化率が67%、MMAの転化率が59%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体50T3A6を得た。
TBMA−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−TBMA((BA−co−EA−co−MEA)/TBMA=60/40重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下100T3A6と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.69g(15.8ミリモル)、BA301ml(2.10モル)、EA286ml(2.64モル)、MEA162ml(1.26モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が96%、EAの転化率が96%、MEAの転化率が98%の時点でTBMA636ml(3.94モル)を添加した。TBMAの転化率が77%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体100T3A6を得た。
TBMA−b−(BA−co−MEA)−b−TBMA(BA/MEA=50/50mol%、(BA−co−MEA)/TBMA=60/40(重量%))型ブロック共重合体(以下、100T2A6と記載する)の合成
5Lセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.45g(15.1mmol)、BA 369ml(2.57mol)、MEA 331ml(2.57mol)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が94%、MEAの転化率が97%の時点でTBMA 503ml(3.10mol)を添加した。TBMAの転化率が72%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするブロック共重合体(100T2A6)を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−MEA)−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=60/40mol%、BA/MEA=67/33mol%、(BA−co−MEA)/(MMA−co−TBMA)=65/35重量%)型ブロック共重合体(以下、40T2A’6.5と記載する)の合成
5Lセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.34g(14.8mmol)、BA 518ml(3.61mol)、MEA 232ml(1.80mol)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、MEAの転化率が97%の時点でTBMA 311ml(1.93mol)、MMA308ml(2.90モル)を添加した。TBMAの転化率が68%、MMAの転化率が62%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするブロック共重合体(40T2A’6.5)を得た。
(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−2EHA)−b−(MMA−co−TBMA)(MMA/TBMA=50/50mol%、BA/2EHA=70/30重量%、(BA−co−2EHA)/(MMA−co−TBMA)=80/20重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下50TEBA8と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.55g(15.4ミリモル)、BA 696ml(4.85モル)、2EHA304ml(1.46モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、2EHAの転化率が95%の時点でTBMA126ml(1.39モル)、MMA124ml(1.39モル)を添加した。TBMAの転化率が83%、MMAの転化率が80%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体50TEBA8を得た。
MMA−BA−MMA(BA/MMA=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下BA7と略称する)の合成
BA7を得るために以下の操作を行なった。
MMA−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−MMA((BA−co−EA−co−MEA)/MMA=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下3A7と略称する)の合成
3A7を得るために以下の操作を行なった。
MMA−b−(BA−co−MEA)−b−MMA(BA/MEA=67/33mol%、(BA−co−MEA)/MMA=65/35重量%)型ブロック共重合体(以下、2A’6.5と記載する)の合成
5Lセパラブルフラスコを窒素置換したのち、臭化銅10.4g(72.2ミリモル)を量り取り、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル10.4g(28.9ミリモル)、BA691ml(4.82モル)、MEA309ml(2.41モル)、アセトニトリル100ml(1.91モル)を加え、85度で30分加熱撹拌し、配位子ジエチレントリアミン1.64ml(7.85ミリモル)を加えて重合を開始した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。BAの転化率が97%、MEAの転化率が98%の時点でトルエン1050ml(9.86モル)、塩化銅7.15g(72.2ミリモル)、MMA535ml(5.00モル)を添加した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。MMAの転化率が89%の時点でトルエン1500mlを加え、冷却して反応を終了させた。
MMA−b−(BA−co−2EHA)−b−MMA(BA/2EHA=70/30重量%、(BA−co−2EHA)/MMA=80/20重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下EBA8と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.55g(15.4ミリモル)、BA695ml(4.85モル)、2EHA305ml(1.46モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、2EHAの転化率が95%の時点でMMA299ml(3.35モル)を添加した。MMAの転化率が70%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体EBA8を得た。
50TBA7−B1の合成
窒素置換した後真空脱揮した500L反応機に、アセトニトリル6272gおよびBA、8940gを予め混合しておいた溶液を、反応機内を減圧にした状態で仕込んだ。次に臭化第一銅813.7gを仕込み、68℃に昇温して30分間攪拌した。その後、BA、57216.0gおよび酢酸ブチル1305.4gの混合溶液、ならびに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル408.4gをアセトニトリル3528.0gに溶解させた溶液を仕込み、75℃に昇温しつつさらに30分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン98.2gを加えて、第一ブロックとなるアクリル酸ブチルの重合を開始した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。BAの転化率が95%に到達したところで、トルエン100249.6g、塩化第一銅561.5g、MMA、17459.8g、TBMA、24797.4gを仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン98.2gを加えて、第二ブロックとなるMMA/TBMAの共重合を開始した。MMAの転化率が58%に到達したところで、トルエン77940gを加えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが104800、分子量分布Mw/Mnが1.25であった。得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25wt%になるよう調整し、及びp−トルエンスルホン酸を728g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングして中和処理を行い、溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って固形分を除去した。このブロック共重合体溶液に対し、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)1200gを加え、反応機内を窒素置換し、室温で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って吸着剤を除去した。上記重合体溶液をベント口付き横形蒸発機(株式会社栗本鉄工所製、横型蒸発機SCP−100)に供給し溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行うことで重合体を単離した。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.01MPa以下の減圧状態を保持した。このようにして標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
20T3A6.8−B1の合成
窒素置換した後、真空脱揮した500L反応機に、アセトニトリル7056gおよびBA、8046gを予め混合しておいた溶液を、反応機内を減圧にした状態で仕込んだ。次に臭化第一銅851.5gを仕込み、68℃に昇温して30分間攪拌した。その後、BA、14588.8g、EA、22226.9g、MEA、13789.9gおよび酢酸ブチル1111.3gの混合溶液、ならびに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル427.4gをアセトニトリル2822.4gに溶解させた溶液を仕込み、75℃に昇温しつつさらに30分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン102.9gを加えて、第一ブロックとなるBA/EA/MEAの共重合を開始した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。BAの転化率が95%に到達したところで、トルエン96202.9g、塩化第一銅587.7g、MMA、30513.5g、TBMA、10834.2gを仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン102.9gを加えて、第二ブロックとなるMMA/TBMAの共重合を開始した。MMAの転化率が59%に到達したところで、トルエン69280gを加えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが95900、分子量分布Mw/Mnが1.36であった。得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を24wt%になるよう調整し、及びp−トルエンスルホン酸を847g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングして中和処理を行い、溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って固形分を除去した。このブロック共重合体溶液に対し、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)940gを加え、反応機内を窒素置換し、室温で2時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。その他は製造例17と同様にして標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
20T3A6.8−B2の合成
窒素置換した後、真空脱揮した500L反応機に、BA、32694.7g、EA、32105.6g、MEA、19918.7g、アセトニトリル2430.4gおよび酢酸ブチル1605.2gを予め混合しておいた溶液を、反応機内を減圧にした状態で仕込んだ。次に臭化第一銅615.0gを仕込み、15分間攪拌した。その後、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル617.4gをアセトニトリル4704.0gに溶解させた溶液を仕込み、75℃に昇温しつつさらに50分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン74.3gを加えて、第一ブロックとなるBA/EA/MEAの共重合を開始した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。BAの転化率が96%に到達したところで、トルエン73751.1g、塩化第一銅424.4g、MMA、29530.3g、TBMA、10485.1gを仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン74.3gを加えて、第二ブロックとなるMMA/TBMAの共重合を開始した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。MMAの転化率が91%に到達したところで、トルエン220000gを加えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが110200、分子量分布Mw/Mnが1.27であった。得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25wt%になるよう調整し、及びp−トルエンスルホン酸を1468g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングして中和処理を行い、溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って固形分を除去した。このブロック共重合体溶液に対し、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)1680gを加え、反応機内を窒素置換し、室温で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。その他は製造例17と同様にして標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
20T3A6−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル371.8g、BA17604.8、EA17287.6g、MEA10725.4gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%に到達したところでMMA33333.3g、TBMA11835.4gを添加した。MMAの転化率が58%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例18と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。 得られたアクリル系ブロック共重合体のGPC分析を行なったところ、数平均分子量Mnが103400、分子量分布Mw/Mnが1.36であった。
50T3A6.5−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル483.0g、BA24431.2、EA23991.0g、MEA14884.3gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%に到達したところでMMA21046.7g、TBMA29891.6gを添加した。MMAの転化率が58%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例18と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
50T3A6−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル424.9g、BA20119.8g、EA19757.3g、MEA12257.7gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が94%に到達したところでMMA21516.7g、TBMA30559.2gを添加した。MMAの転化率が56%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例18と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。得られたアクリル系ブロック共重合体のGPC分析を行なったところ、数平均分子量Mnが101200、分子量分布Mw/Mnが1.28であった。
40T2A’6.5−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル421.7g、BA37031.5g、MEA18800.7gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%に到達したところでMMA23103.6g、TBMA21875.3gを添加した。MMAの転化率が61%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例19と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
50TEBA8−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル377.1g、BA42289.3g、2EHA18337.1gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%に到達したところでMMA7865.0g、TBMA11170.3gを添加した。MMAの転化率が71%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例18と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
BA7−B1の合成
500L反応機で合成を行い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル339.0g、BA48276.0gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が96%に到達したところでMMA31094.8gを添加した。MMAの転化率が60%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例17と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
3A6−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル360.4g、BA16167.7g、EA15876.4g、MEA9849.9gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が96%に到達したところでMMA41887.0gを添加した。MMAの転化率が61%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例18と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
2A’6.5−B1の合成
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル611.5g、BA53720.6g、MEA27232.8gの仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が96%に到達したところでMMA43528.4gを添加した。MMAの転化率が92%に到達したところで反応を終了させた。それ以外は製造例19と同様に製造し、標記ブロック共重合体のペレットを作製した。得られたアクリル系ブロック共重合体のGPC分析を行なったところ、数平均分子量Mnが108300、分子量分布Mw/Mnが1.33であった。
MMA−b−(BA−co−TBA)−b−MMA(BA/TBA=97.5/2.5mol%、(BA−co−TBA)/MMA=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下2.5STBA7と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.65g(15.7ミリモル)、BA877ml(6.12モル)、TBA22.9ml(0.16モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、TBAの転化率が95%の時点でMMA369ml(3.45モル)を添加した。MMAの転化率が65%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体2.5STBA7を得た。
MMA−b−(BA−co−TBA)−b−MMA(BA/TBA=90/10mol%、(BA−co−TBA)/MMA=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下10STBA7と記載する)の合成
5Lのセパラブルフラスコを用い、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.64g(15.7ミリモル)、BA808ml(5.64モル)、TBA91.6ml(0.63モル)の仕込み比で重合を行ない、BAの転化率が95%、TBAの転化率が96%の時点でMMA461ml(4.31モル)を添加した。MMAの転化率が79%の時点で反応を終了させた。それ以外は製造例1と同様に製造し、目的とするアクリル系ブロック共重合体10STBA7を得た。
アクリル系ブロック共重合体50TBA7の酸無水物化反応および特性評価
製造例1で得られたアクリル系ブロック共重合体50TBA7、45gとイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.09gを240℃に設定したラボプラストミル50C150(ブレード形状:ローラー形R60,東洋精機株式会社製)を用いて100rpmで20分間溶融混練して、目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体(得られたポリマーを以下50ANBA7と記載する)を得た。
酸無水物化反応および特性評価
製造例2〜11および製造例12で得られたアクリル系ブロック共重合体(5TBA7、20TBA7、100TBA7、5T3A7、20T3A7、20T3A6、50T3A6、100T3A6、100T2A6、40T2A’6.5、50TEBA8)を、実施例1と同様の処方により酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体を合成した(以下、得られたアクリル系ブロック共重合体を、それぞれ5ANBA7、20ANBA7、100ANBA7、5AN3A7、20AN3A7、20AN3A6、50AN3A6、100AN3A6、100AN2A6、40AN2A’6.5、50ANEBA8と記載する)。
酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体の加水分解によるカルボキシル化反応および特性評価
20AN3A6、20gを水40gと共に耐圧容器に入れ、200℃にて2時間加熱し、目的のカルボキシル基含有アクリル系ブロック共重合体(得られたポリマーを以下20C3A6と記載する)を得た。
50AN3A6を用いたほかは、実施例13と同様の方法により、目的のカルボキシル基含有アクリル系ブロック共重合体(得られたポリマーを以下50C3A6と記載する)を得た。また実施例13と同様の方法により、特性評価用のサンプルを作製した。
100AN3A6を用いたほかは、実施例13と同様に方法により、目的のカルボキシル基含有アクリル系ブロック共重合体(得られたポリマーを以下100C3A6と記載する)を得た。また実施例13と同様の方法により、特性評価用のサンプルを作製した。
製造例13〜16で製造した重合体100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.2重量部を配合し、190℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて50rpmで20分間溶融混練して、塊状のサンプルを得た。
オレフィン系エラストマーであるサントプレーン211−55(エーイーエス・ジャパン(株)製)をスクリュー回転数100rpmにて170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて溶融混練してサンプルを得た。
エステル系エラストマーであるペルプレンP−30B(東洋紡績(株)製)をスクリュー回転数50rpmにて190℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて溶融混練してサンプルを得た。
架橋された厚さ2mmのクロロプレンシート(CR)状成形体から直径30mmの円形物を切り出し、それを6枚重ねて圧縮永久歪み評価用成形体を得、得られた成形体を用いて、硬度および圧縮永久歪みを測定した。また、シート状成形体からダンベルなどを切り出し、耐油性および引張特性を測定した。さらに、シート状成形体を再度プラストミルで混練し、リサイクル性を評価した。架橋されたクロロプレンは良好な機械特性、耐油性、圧縮永久歪み特性を示すものの、リサイクルできないことがわかる。
20T3A6の酸無水物化反応
製造例7で得られた重合体20T3A6、100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.2重量部を配合し、ベント付二軸押出機(44mm、L/D=42.25)(日本製鋼所(株)製)を用い、50rpmの回転数、設定温度240℃で押出混練して、目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体(20AN3A6)を得た。t−ブチルエステル部位の酸無水物基への変換は、実施例1と同様にIR(赤外線吸収スペクトル)および13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により確認できた。このことから、種々の加工機を用いて酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体を得ることができることが確認された。また、押出し機にて製造できることから、製造プロセスが簡便になることがわかる。
酸無水物化反応および特性評価
製造例17で得られた重合体50TBA7-B1、100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.3重量部を配合し、ベント付二軸押出機(44mm、L/D=42.25)(日本製鋼所(株)製)を用い、300rpmの回転数、設定温度240℃で押出混練して、目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体(50ANBA7-B1)を得た。また、この時、二軸押出機の先端に水中カットペレタイザー(GALA INDUSTRIES INC.製CLS−6−8.1 COMPACT LAB SYSTEM)を接続し、水中カットペレタイザーの循環水中に防着剤としてアルフローH−50ES(日本油脂株式会社製)を添加することで、防着性のない球形状のペレットを得た。
酸無水物化反応および特性評価
製造例18〜24で得られたアクリル系ブロック共重合体(20T3A6.8−B1、20T3A6.8−B2、20T3A6−B1、50T3A6.5−B1、50T3A6−B1、40T2A’6.5−B1、50TEBA8−B1)を用いて、実施例17と同様の処方により酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体を合成した(以下、得られたアクリル系ブロック共重合体を、それぞれ20AN3A6.8−B1、20AN3A6.8−B2、20AN3A6−B1、50AN3A6.5−B1、50AN3A6−B1、40AN’2A6.5−B1、50ANEBA8−B1と記載する)。
製造例25〜27で得られたアクリル系ブロック共重合体(BA7−B1、3A6−B1、2A’6.5−B1)100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.3重量部を配合し、ベント付二軸押出機(44mm、L/D=42.25)(日本製鋼所(株)製)を用い、300rpmの回転数、設定温度190℃で押出混練した。また、この時、二軸押出機の先端に水中カットペレタイザー(GALA INDUSTRIES INC.製CLS−6−8.1 COMPACT LAB SYSTEM)を接続し、水中カットペレタイザーの循環水中に防着剤としてアルフローH−50ES(日本油脂株式会社製)を添加することで、防着性のない球形状のペレットを得た。
酸無水物基含有ブロック共重合体の加水分解によるカルボキシル化反応
20AN3A6、100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.2重量部を配合し、サーモミキサー(30mm、L/D=12)(ノリタケ(株)製)を先端に2連にて取り付けた、可視化押出機(30mm、L/D=36)((株)プラスチック工学研究所製)を用い、0.14Kg/時間で水を圧入しながら、25rpmの回転数、設定温度200℃で押出混練して、目的のカルボキシル基含有ブロック体(20C3A6)を得た。
実施例26
アクリル系ブロック共重合体2.5STBA7の酸無水物化反応
製造例28で得られたアクリル系ブロック共重合体2.5STBA7、45gとイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.09gを240℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて100rpmで20分間溶融混練して、目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体(得られたポリマーを以下2.5SANBA7と記載する)を得た。
アクリル系ブロック共重合体10STBA7の酸無水物化反応
製造例29で得られたアクリル系ブロック共重合体10STBA7を用いた以外は実施例26と同様に酸無水物化反応を行い、目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体(得られたポリマーを以下10SANBA7と記載する)を得た。また、実施例26と同様に、ウベスタ3012Uと混練して評価用サンプルを得た。酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたアクリル系ブロック共重合体のアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、2重量%、7重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
製造例13で得られたBA7、100重量部に対してイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.2重量部およびウベスタ3012U(宇部興産株式会社製)を30重量部加え、設定190℃、回転数100rpmで20分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、塊状のサンプルを得た。得られた塊状のサンプルを、190℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。これらの成形体について、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、同様に熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて耐油性、機械強度を測定した。
20ANBA7、100重量部に対して、ポリブチレンテレフタラート樹脂(ジュラネックス2002、ポリプラスチックス(株)製)を100重量部加え、設定温度240℃、回転数100rpmで20分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、塊状のサンプルを得た。得られたサンプルを、設定温度240℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの物性評価用の成形体を得た。得られた成形体の物性を、それぞれ所定の形状に打ち抜き評価した。
酸無水物型アクリル系ブロック共重合体20ANBA7、100重量部に対して、ダイアミドE47−S1(ダイセルヒュルス製)を100重量部加え、設定温度190℃、回転数100rpmで20分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、設定温度190℃で熱プレス成形したほかは、実施例28と同様にして成形体を作製し、評価した。
20ANBA7、100重量部に対して、ウベスタ3012U(宇部興産(株)製)を100重量部加えたほかは、実施例28と同様にして成形体を作製し、評価した。
ポリブチレンテレフタラート樹脂(ジュラネックス2002、ポリプラスチックス(株)製)を設定温度240℃、回転数100rpmで20分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、塊状のサンプルを得た。得られたサンプルを、設定温度240℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの物性評価用の成形体を得た。
ダイアミドE47−S1(ダイセルヒュルス製)を用いたほかは比較例12と同様にして成形体を作製し、評価した。
ウベスタ3012U(宇部興産(株)製)を用いたほかは比較例12と同様にして成形体を作製し、評価した。
20ANBA7を用いたほかは比較例12と同様にして成形体を作製し、評価した。
実施例31
酸無水物基含有ブロック体(20AN3A6)100重量部に対して、架橋ゴム1(シリコーン−アクリル複合ゴム、三菱レイヨン(株)製、S−2001)を10重量部加え、設定温度180℃、回転数100rpmで10分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、塊状の組成物を得た。
カルボキシル基含有ブロック共重合体(20C3A6)100重量部に対して、実施例32では架橋ゴム2(パウダー状NBR、JSR(株)製、PN20HA)、実施例33では架橋ゴム1(シリコーン−アクリル複合ゴム、三菱レイヨン(株)製、S−2001)をそれぞれ10重量部加え、設定温度180℃、回転数100rpmで10分間プラストミルで混練し、塊状の組成物を得た。実施例32と同様にして評価を行なった。
カルボキシル基含有ブロック共重合体(100C3A6)100重量部に対して、架橋ゴム1(シリコーン−アクリル複合ゴム、三菱レーヨン(株)製、S−2001)57重量部を加え、設定温度230℃、回転数100rpmで10分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、設定温度230℃で熱プレス成形した他は、実施例31と同様にして成形体を作製し、評価した。
カルボキシル基含有ブロック共重合体(100C3A6)100重量部に対して、架橋ゴム1(シリコーン−アクリル複合ゴム、三菱レーヨン(株)製、S−2001)64.5重量部、滑剤1(ステアリン酸、ナカライテスク(株)製)0.6重量部および無機充填剤1(カーボンブラック、旭カーボン(株)製、旭#15)1.6重量部を加え、設定温度230℃、回転数100rpmで10分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、設定温度230℃で熱プレス成形した他は、実施例31と同様にして成形体を作製し、評価した。
実施例7でプレス成形した厚さ2mmのシート状成形体を用いて低温脆性を測定した。
カルボキシル基含有ブロック共重合体20C3A6、100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2重量部を配合し、180℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて100rpmで20分間溶融混練して、塊状のサンプルを得た。得られたサンプルを、180℃で熱プレス成形し、直径30mm、厚さ12mmの円柱状成形体を製造し、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、得られた組成物を設定温度180℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの物性評価用の成形体を得た。得られた成形体を用いて、耐油性および引張特性、低温脆化性を測定した。
カルボキシル基含有ブロック共重合体100C3A6、100重量部に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2重量部を配合し、230℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて100rpmで20分間溶融混練して、塊状のサンプルを得た。
実施例36
カルボキシル基含有ブロック共重合体(20C3A6)100重量部に対して、滑剤1(ステアリン酸、ナカライテスク(株)製)5重量部および無機充填剤1(カーボンブラック、旭カーボン(株)製、旭#15)0.25重量部を加え、設定温度180℃、回転数100rpmで10分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、塊状の組成物を得た。
酸無水物基含有ブロック共重合体(20AN3A6)100重量部に対して、滑剤1(ステアリン酸、ナカライテスク(株)社製)20重量部および無機充填剤1(カーボンブラック、旭カーボン(株)製、旭#15)1.25重量部を加えた他は、実施例36と同様にして成形体を作製し、評価した。
カルボキシル基含有ブロック共重合体(20C3A6)100重量部に対して、滑剤2(ステアリン酸亜鉛、日本油脂(株)製)2重量部および無機充填剤2(カーボンブラック、旭カーボン(株)製、旭#60HN)10重量部を加えた他は、実施例36と同様にして成形体を作製し、評価した。
カルボキシル基含有ブロック共重合体(20C3A6)100重量部に対して、滑剤3(ステアリン酸カルシウム、堺化学工業(株)製、SC−100)5重量部および無機充填剤2(カーボンブラック、旭カーボン(株)製、旭#60HN)0.25重量部を加えた他は、実施例36と同様にして成形体を作製し、評価した。
比較例1および比較例2でプレス成形した厚さ2mmのシート状成形体を用いて摩擦性を評価したが、いずれの摩擦性も粘着性が高いため、測定できないレベルであった。
実施例13Bでプレス成形した厚さ2mmのシート状成形体を用いて摩擦性を評価した。また、該シート状成形体を細かく切ってペレット状にし、加工温度を測定した。
カルボキシル基含有ブロック共重合体(20C3A6)100重量部に対して、可塑剤(ポリアクリル酸ブチル、東亞合成(株)製、UP−1000)25重量部、滑剤2(ステアリン酸Zn、堺化学(株)製、SZ−2000)3重量部、無機充填剤2(カーボンブラック、旭カーボン(株)製、旭#60HN)15重量部を加え、設定温度180℃、回転数100rpmで10分間ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練し、塊状の組成物を得た。得られた組成物を180℃で熱プレス成形し、直径30mmおよび厚さ12mmの円柱状成形体を得た。得られた成形体を用いて、硬度および圧縮永久歪みを測定した。また、同様にして得られた組成物を熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状成形体を得た。得られたシート状成形体を用いて耐油性、引張特性を測定した。可塑剤を添加、しても所望の柔軟性、圧縮永久歪、耐油性および引張特性などを有する成形体が得られることがわかる。
実施例41
BA7、100重量部に対して、ウベスタ3012U(宇部興産(株)製)25重量部、20ANBA7、4重量部を配合し、設定温度240℃、回転数100rpmで20分間プラストミルで混練し、塊状のサンプルを得た。得られたサンプルを、設定温度240℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの物性評価用の成形体を得た。得られた成形体の物性を、それぞれ所定の形状に打ち抜き評価した。
BA7、100重量部に対して、ウベスタ3012U(宇部興産(株)製)25重量部を配合し、設定温度240℃、回転数100rpmで20分間プラストミルで混練し、塊状のサンプルを得た。得られたサンプルを、設定温度240℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの物性評価用の成形体を得た。得られた成形体の物性を、それぞれ所定の形状に打ち抜き評価した。
Claims (22)
- (d)カルボキシル基を0.1〜50重量%有する請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- (a−b)n型、b−(a−b)n型および(a−b)n−a型からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体からなる請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 数平均分子量が30000〜500000である請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したアクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1〜1.8である請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- メタアクリル系重合体ブロック(a)5〜80重量%およびアクリル系重合体ブロック(b)95〜20重量%からなる請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 酸無水物基(c)をメタアクリル系重合体ブロック(a)に有する請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 酸無水物基(c)をアクリル系重合体ブロック(b)に有する請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 酸無水物基(c)を0.1〜99.9重量%有する請求項7記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 酸無水物基(c)を0.1〜99.9重量%有する請求項8記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 酸無水物基(c)を有するブロックと同じブロックに、カルボキシル基(d)を有する請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルからなる群より選ばれた1種以上のアクリル酸エステル50〜100重量%、ならびに、これらと共重合可能な他のアクリル酸エステルおよび/または他のビニル系単量体0〜50重量%からなる請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチルからなることを特徴とする請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルからなることを特徴とする請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルからなることを特徴とする請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体を加水分解して酸無水物基が開環し、側鎖に(e)カルボキシル基を有するアクリル系ブロック共重合体。
- 原子移動ラジカル重合により製造されたブロック共重合体である請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- アクリル系ブロック共重合体(A’)が制御ラジカル重合により製造された請求項18記載のアクリル系ブロック共重合体の製造方法。
- アクリル系ブロック共重合体(A)を水と共に溶融混練することを特徴とする請求項16記載のアクリル系ブロック共重合体の製造方法。
- 請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体(A)を成形してなるシール製品。
- 請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体(A)からなる自動車・電気・電子用部品。
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