JP2004346197A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

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尊 松田
Yusuke Tawara
裕介 田原
Shigeki Sugisaka
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Abstract

【課題】本発明の課題は、ポリプロピレン等のフィルムとポリプロピレンシート若しくはポリプロピレン−ポリスチレンアロイシートとを熱圧着して形成される食品用トレーにおいて、該フィルムに印刷するインキであって、ポリプロピレンフィルムとの密着性が良好な印刷インキを提供することである。また、該インキで印刷したフィルムを用いて成形したトレー等の積層体を提供することである。
【解決手段】ポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、エポキシ基を有する化合物及び金属キレート化合物を含有することを特徴とする印刷インキ組成物。
【選択図】 無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムとポリプロピレンシート又はポリプロピレン−ポリスチレンアロイシートとを熱圧着して形成される食品用トレーにおいて、該フィルムに印刷するインキに関する。また該インキを用いて印刷された意匠性フィルム及び該フィルムを用いて作られた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン等のフィルムに意匠性の絵柄等を印刷し、発泡のポリプロピレンシート(以下PPシートという)若しくはポリプロピレン−ポリスチレンアロイシート(以下PP−PSアロイシートという)と該印刷されたフィルムとを熱と圧力によりラミネートして食品用トレー(コンビニエンスストアの弁当容器等)が作られる。この印刷用のインキとしては、塩素化ポリオレフィン樹脂やポリウレタン樹脂を主成分とする印刷インキ組成物が知られている。
【0003】
食品用トレーは、弁当容器等として食品が詰められコンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている。ところで、食品用トレーを製造する過程において、ポリプロピレンフィルム(以下PPフィルムという)にグラビア印刷された印刷物(以下印刷物という)とPPシート若しくはPP−PSアロイシートとを熱と圧力により圧着する工程(以下熱ラミという)があるが、印刷物に使用したグラビアインキのPPフィルムへの密着性が不十分であれば、熱ラミ加工時にPP/インキ間でフィルムとインキ皮膜の剥離が発生し、PPフィルムが熱圧着ロールに取られてフィルムを巻き込み、熱ラミ加工が出来なくなるというトラブルが起きることがある。復旧には巻き込まれたフィルムを取り除く作業を要するなど、生産性・作業性を著しく損なう原因となる。
【0004】
一般にポリウレタン樹脂を主成分とするグラビアインキをPPフィルムに密着させる場合、インキ中に塩素化ポリオレフィンの助剤を添加したグラビアインキを使用することが知られているが、ポリウレタン樹脂と塩素化ポリオレフィン樹脂との相溶性が乏しいことから、添加する塩素化ポリオレフィンの量には著しい制限があり、好ましい方法とは言い難い。即ち、添加する塩素化ポリオレフィンの量を出来るだけ少なくし、且つ十分なPPフィルムへの密着強度を有するポリウレタン系印刷インキ組成物が求められている。
【0005】
特許文献1には各種フィルムに対する接着性が良好なラミネート用ポリウレタン系印刷インキが記載されているが、該インキは熱ラミネート用途ではなく、また接着力向上の手段としてエポキシ基を有するポリエステルポリオール及び金属キレート化合物を使用するものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−273382号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、PPフィルム等の基材に印刷され、PPシート又はPP−PSアロイシートと熱圧着して形成される食品用トレーにおいて、該フィルムに印刷するインキであって、PPフィルムとの密着性が良好な印刷インキを提供することである。また、該インキで印刷したフィルムを用いて成形したトレー等の積層体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、エポキシ基を有する化合物及び金属キレート化合物を添加したインキが上記特性を満たすことを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明の印刷インキ組成物は、ポリウレタン樹脂をバインダーとして、エポキシ基を有する化合物及び金属キレート化合物を含有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
ポリウレタン樹脂とは、通常ジイソシアナート化合物とポリオール化合物及び低分子量の鎖伸長剤の縮重合反応により得られ、分子内にウレタン結合を多数持った柔軟性、弾性に富んだ樹脂である。本発明で好適に用いられるポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。本発明に用いるポリウレタン樹脂としては、分子量1,000〜500,000のものが好ましく、より好ましくは30、000〜100,000である。
【0011】
エポキシ基を有するポリエステルポリオール化合物とは、その分子内に一つ以上のエポキシ基をもっているポリエステルポリオール化合物であり、1分子中に二つ以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂も含む。本発明で好適に用いられるエポキシ基を有する化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−tブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0012】
金属キレート化合物とは、金属イオンが電子受容体となって、電子供与体と配意結合して環状構造を形成する化合物である。金属キレート化合物の金属成分としては、チタン、アルミニウム、鉄等が用いられるが、チタンが望ましい。
【0013】
金属としてチタンが用いられたチタンキレートとしては、チタンアセチルアセトネート、チタンアシレート、チタンアルコキシド等が挙げられるが、特に、チタンアセチルアセトネートが好ましい。チタンキレートの添加量は0.5〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0%である。
【0014】
溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール(IPA)、変性アルコール等のアルコール系溶剤や、これらの混合溶剤等を用いる。添加剤として、必要に応じて、耐摩耗性向上のためのポリエチレンワックス、ブロッキング防止のための二酸化珪素等を添加しても良い。
【0015】
本発明においては、上記のウレタン樹脂に加え、グラビア印刷もしくはフレキソ印刷インキに一般的に用いられる樹脂を併用しても良い。例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂、非塩素化ポリオレフイン樹脂、ポリアミド樹脂、硝化綿樹脂、ケトン樹脂、ポリビニールブチラール樹脂、エポキシ樹脂、エチレン酢酸ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、塩化ビニールとビニールイソブチールエーテルとの共重合体の樹脂等が挙げられる。
【0016】
本発明で使用される樹脂成分の割合は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し、エポキシ基を有する化合物が0〜20質量部、金属キレート化合物0〜10質量部である。また上記に加え、塩素化ポリプロピレン樹脂を0〜20質量部加えるとより好ましい。
【0017】
インキの配合比としては、樹脂が5〜30質量部、顔料が0〜60質量部、添加剤が0〜10質量部であり、溶剤の添加量は、不揮発分が10〜55%程度になることが好ましく、15%〜45%が特に好ましい。
【0018】
インキの製造は、通常のグラビアインキと同様に、樹脂、顔料、溶剤および助剤を秤量し、良く混合、撹拌してからアトライターやサンドミル等の練肉分散機により練肉して仕上げる。
【0019】
意匠性を付与するために本発明の印刷インキが使用されるフイルムは、通常グラビア印刷に使用されるフイルムが用いられる。例を挙げればポリプロピレンフイルム、塩素化ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ナイロンフイルム等が挙げられる。これらのフイルムは、コロナ処理、フレーム処理や延伸処理が施されていてもよい。
【0020】
ラミネートされる基材としては、熱可塑性のプラスチックが使用される。好ましくはポリプロピレン系の樹脂がよく、体質顔料が配合されていてもよい。また、炭酸ガスやブタンガス、空気等で発泡させたシートでもよい。
【0021】
インキの印刷・塗布方法は、一般的なグラビアコート、シルクスクリーン、フレキソ等の任意の方式が用いられるが、例えば、グラビアコートが好ましく用いられる。
【0022】
インキ皮膜の乾燥膜厚は、0.3〜5μmが好ましく、より好ましくは0.8〜2μmである。乾燥皮膜が厚すぎるとブロッキング(インキ皮膜面同士がくっつく)のトラブルを起こしやすい。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例によって、本発明を具体的に説明する。配合組成その他の数値は質量部を表す。
【0024】
[実施例1(印刷インキ組成物(A)の調整)]
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・15.0g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・15.0g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.0g、
塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙ケミカル社製:スーパークロン350T(N.V.60%))・・・5.0g、
顔料(大日本インキ化学工業社製:FASTOGEN BLUE FGF)・・・10.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・48.0g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.5g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.5g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
チタンアセチルアセトネート(松本製薬工業社製:オルガチックスTC−410(N.V.75%))・・・1.0g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分28.8%の印刷インキ組成物(A)を調製した。
【0025】
[実施例2(印刷インキ組成物(B)の調整)]
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・15.0g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・15.0g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.0g、
塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙ケミカル社製:スーパークロン350T(N.V.60%))・・・5.0g、
顔料(CABOT社製:REGAL 250R)・・・10.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・48.0g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.5g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.5g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
チタンアセチルアセトネート(松本製薬工業社製:オルガチックスTC−410(N.V.75%))・・・1.0g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分28.8%の印刷インキ組成物(B)を調製した。
【0026】
[実施例3(印刷インキ組成物(C)の調整)]
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・15.0g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・15.0g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.0g、
塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙ケミカル社製:スーパークロン350T(N.V.60%))・・・5.0g、
顔料(石原産業社製:タイペークR−830)・・・30.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・28.0g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.5g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.5g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
チタンアセチルアセトネート(松本製薬工業社製:オルガチックスTC−410(N.V.75%))・・・1.0g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分48.8%の印刷インキ組成物(C)を調製した。
【0027】
[比較例1(印刷インキ組成物(D)の調整)]
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・15.0g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・15.0g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.0g、
顔料(大日本インキ化学工業社製:FASTOGEN BLUE FGF)・・・10.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・56.0g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.5g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.5g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分23.0%の印刷インキ組成物(D)を調製した。
【0028】
[比較例2(印刷インキ組成物(E)の調整)]
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・15.0g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・15.0g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.0g、
顔料(CABOT社製:REGAL250R)・・・10.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・56.0g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.5g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.5g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分23.0%の印刷インキ組成物(E)を調製した。
【0029】
[比較例3(印刷インキ組成物(F)の調整)]
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・15.0g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・15.0g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.0g、
顔料(石原産業社製:タイペークR−830)・・・30.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・36.0g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.5g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.5g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分43.0%の印刷インキ組成物(F)を調製した。
【0030】
[評価試験]
上記で作成した実施例の印刷インキ組成物(A)、(B)、(C)及び比較例のインキ組成物(D)、(E)、(F)を、ヒガシタニ社製グラビア印刷機を使用し、印刷速度40m/min、175線、30μmの網グラビア版で、厚さ25μmのポリプロピレンフィルム(大阪樹脂化工社製)に印刷を行い、その後、塩素化ポリプロピレン(東洋化成工業社製:ハードレンSD(N.V.20%))をシール剤としてグラビアコーティングした。その後、接着性、熱ラミネート強度及び成型適性について評価した。結果を表1に示す。なお、評価方法は、以下に記した方法による。ここでシール剤とは、熱ラミネートにおいて接着剤として用いられるものをいい、熱圧着により接着する機構のものである。前記特許文献1の明細書の段落40に記載されているドライラミネート加工で用いられる接着剤は熱圧着によるものではないので、本発明における熱ラミネート加工には用いることはできない。
【0031】
[接着性]
印刷物を室温で1日放置後、印刷面にニチバン社製セロハンテープ(幅24mm)をはりつけ、これを急速にはがした時、印刷皮膜が全くはがれなかったものを(◎)、80%以上フイルムに残ったものを(○)、50〜80%残ったものを(△)、20%以下しか残らなかったものを(×)として評価した。
【0032】
[熱ラミネート強度]
PPシート(エフピコ社製:エクスター)の上に、室温で一日放置した印刷物の印刷皮膜面を合わせ、印刷物のフィルム面に厚さ12μmのポリエステルフィルムを置き、林機械製ロール転写機を用いて温度220℃、速度5m/分の条件で熱ラミネートを行い、その後ポリエステルフィルム(熱ラミネートしない)は取り払った。熱ラミネートされた積層体を15mm幅に切り、テンシロン引っ張り試験機(オリエンテック社製)により剥離速度500mm/分、180度剥離の条件でラミネート強度を測定した。ここでは印刷インキと接着剤が介在した状態におけるPPフィルムとPPシートの積層体(幅15mm)との剥離強度(層間接着強度)を測定している。
【0033】
一般に剥離強度試験においては、積層体のラミネート強度を測定した場合、最も接着強度の弱い箇所から剥離する。例えばPPフィルム/インキ/接着剤/PPシートの積層体の場合、PPフィルム/インキ間で剥離した場合は、PPフィルムに対するインキの密着が弱いことの目安になる。同様に接着剤/PPシート間で剥離した場合、接着剤のPPシートに対する接着強度が弱いことの目安になる。一方、PPフィルムとインキの密着性が強く、且つ接着剤とPPシートとの密着性が強い場合、剥離界面は「層」で剥離はせず、インキ/接着剤間でインキがPPフィルムと接着剤の両方に引っ張られて引きちぎられた様になる。これは凝集破壊と呼ばれる現象であり、本発明の印刷インキの場合は最も好ましい剥離と考えられる。
【0034】
[成形適性試験]
PPシート(エフピコ社製:エクスター)の上に、室温で一日放置した印刷物の印刷皮膜面を合わせ、印刷物のフィルム面に厚さ12μmのポリエステルフィルムを置き、林機械製ロール転写機を用いて、温度220℃、速度5m/分の条件で熱ラミネートを行った。その後ポリエステルフィルムを取り除いたラミネート物を、Formech社製真空成形機(Formech 300X型)を用いて直径50mmの半球状の容器を作成し、ブリスターが発生しなかったものを(○)、ブリスターが発生したものを(×)として表示した。ブリスターとは膜面が部分的に剥離して膨れ、水膨れのようになる現象をいう。
【0035】
【表1】
Figure 2004346197
【0036】
【発明の効果】
本発明の印刷インキ組成物は、ポリプロピレン等のフィルムに対する接着性が良好であるので、該インキ組成物で印刷したフィルムを接着剤層を介してPPシート等と熱ラミネート加工する際に、加熱ロールにフィルムが巻き込まれるトラブルが起きにくい。またトレー等に成形するために熱圧着した場合、印刷したフィルムがはがれて気泡状になるブリスターが発生しにくい。

Claims (5)

  1. ポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、エポキシ基を有する化合物及び金属キレート化合物を含有することを特徴とする印刷インキ組成物。
  2. 前記金属キレート化合物の金属成分がチタンである請求項1に記載の印刷インキ組成物。
  3. 前記ポリウレタン樹脂がポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリマーポリオールから成る群から一つ以上選ばれたものである請求項1に記載の印刷インキ組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷インキ組成物を用いて印刷したトレー用意匠性フィルム。
  5. 請求項4に記載のフィルムとポリプロピレンシート又はポリプロピレン−ポリスチレンアロイシートとを熱圧着した積層体。
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