JP2004344921A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents

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Seiji Iwama
間 誠 司 岩
Shoji Shibazaki
崎 正 二 柴
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Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】微小形状の穴の加工速度を飛躍的に向上させて加工時間を短縮することができる、生産性の高いレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ加工装置10は、レーザ発振器11と、金属薄板21を載置するXYテーブル19と、レーザ光22を金属薄板21の表面上に導くとともに当該表面上にて所定の微小スポット径に集光させる加工光学系12(ビームスキャナ13、集光レンズユニット16およびアシストガスノズル17)とを備えている。XYテーブル19は、レーザ光22の集光位置が金属薄板21の表面上の任意の位置にくるよう、水平面内で移動する。加工光学系12のビームスキャナ13は、各偏向ミラー14a,14bを回転モータ15a,15bにより回転させ、金属薄板21の表面上の任意の位置に位置付けられたレーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工装置に係り、とりわけ、薄板の表面にレーザ光を照射して多数の微小形状の穴を切断加工するレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
はんだ印刷用メタルマスクを加工するためのはんだ印刷用メタルマスク加工機として、微小スポット径に集光されたレーザ光を例えば厚さ0.5mm以下の金属薄板の表面に照射して多数の微小形状の穴を切断加工するレーザ加工装置が知られている。
【0003】
図4はこのような従来のレーザ加工装置を示す図である。
【0004】
図4に示すレーザ加工装置10′において、レーザ発振器11から出射されたレーザ光22は、加工光学系12′を介して、架台20上に設置されたXYテーブル19上に載置されたはんだ印刷用メタルマスク用金属薄板21の表面上に導かれ、当該表面上にて所定の微小スポット径に集光される。すなわち、レーザ発振器11から出射されたレーザ光22は、折り返しミラー23により金属薄板21の表面に向けて反射された後、集光レンズユニット16により、金属薄板21の表面上にて微小スポット径に集光される。なお、集光レンズユニット16の下部にはアシストガスノズル17が取り付けられており、金属薄板21を切断するために必要な活性ガス(酸素や空気等)がレーザ光22の光軸に沿って噴出されるようになっている。
【0005】
ここで、XYテーブル19の駆動モータ(図示せず)およびレーザ発振器11にはNCコントローラ18が接続されており、このNCコントローラ18による制御の下で、加工される穴の形状をトレースするようXYテーブル19を移動させながら、レーザ発振器11からレーザ光22を照射することにより、金属薄板21に多数の微小形状の穴を切断加工することができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、このようなレーザ加工装置10′により加工されるはんだ印刷用メタルマスクは、マスクサイズが大きくなる一方で、加工される穴のサイズは小さくなる傾向にある。具体的には例えば、1m角程度の大きさのマスクに0.5mm角の穴や直径0.1mmの穴が数万個程度形成される場合も一般的になってきており、このような場合には、大型のXYテーブルの移動によって数多くの微小形状の穴をトレースすることが要求されることとなる。
【0007】
しかしながら、大型のXYテーブルは一般にその重量が大きく、大きな移動速度(加速度)を得ることが困難である。また、大型のXYテーブルは移動時に発生する慣性力も大きく、レーザ光の集光位置のずれに起因して加工後の穴の形状に崩れが発生しやすい。このため、加工される穴のサイズが小さくなるにつれてXYテーブルの移動速度(加速度)を抑えざるを得ず、結果として、加工時間が長くなり、生産性が低下するという問題がある。
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、微小形状の穴の加工速度を飛躍的に向上させて加工時間を短縮することができる、生産性の高いレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の解決手段として、薄板の表面にレーザ光を照射して多数の微小形状の穴を切断加工するレーザ加工装置において、レーザ発振器と、加工対象となる薄板を載置する載置テーブルと、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を前記載置テーブル上に載置された前記薄板の表面上に導くとともに当該表面上にて所定の微小スポット径に集光させる加工光学系と、前記加工光学系により集光されるレーザ光の集光位置が前記載置テーブル上に載置された前記薄板の表面上の任意の位置にくるよう、前記加工光学系および前記載置テーブルの少なくとも一方を相対的に移動させる移動機構とを備え、前記加工光学系は、前記薄板の表面上の任意の位置に位置付けられた前記レーザ光の集光位置を前記薄板の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査するビームスキャナを有することを特徴とするレーザ加工装置を提供する。
【0010】
なお、上述した第1の解決手段において、前記加工光学系の前記ビームスキャナは、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を反射する少なくとも2枚の偏向ミラーと、前記各偏向ミラーをレーザ光の軸線に略直交する軸線のまわりに回転させる回転駆動装置とを有することが好ましい。
【0011】
本発明は、第2の解決手段として、薄板の表面にレーザ光を照射して多数の微小形状の穴を切断加工するレーザ加工方法において、レーザ光の集光位置を加工対象となる薄板の表面上の任意の位置に位置付けるよう、前記レーザ光の集光位置を前記薄板の表面上で相対的に移動させる工程と、前記薄板の表面上の任意の位置に位置付けられた前記レーザ光の集光位置を前記薄板の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査する工程とを含むことを特徴とするレーザ加工方法を提供する。
【0012】
本発明によれば、レーザ光の集光位置を薄板の表面上の任意の位置に位置付けるよう、レーザ光の集光位置を薄板の表面上で相対的に移動させた後、位置付けられたレーザ光の集光位置を薄板の表面上の所定の微小範囲内で走査することにより、薄板に多数の微小形状の穴を切断加工するようにしているので、穴の切断加工のために必要とされるレーザ光の集光位置の相対的な微小移動を、ビームスキャナ等によるレーザ光の集光位置の走査により実現することができる。このため、微小形状の穴を高速にかつ形状の崩れなく切断加工することができ、微小形状の穴の加工速度を飛躍的に向上させて加工時間を短縮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明によるレーザ加工装置の一実施の形態を説明するための図である。なお、本実施の形態では、多数の微小形状の穴を有する金属薄板からなるはんだ印刷用メタルマスクを作製する場合を例に挙げて説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態に係るレーザ加工装置10は、レーザ発振器11と、加工対象となるはんだ印刷用メタルマスク用金属薄板21を載置するXYテーブル(載置テーブル)19と、レーザ発振器11から出射されたレーザ光22をXYテーブル19上に載置された金属薄板21の表面上に導くとともに当該表面上にて所定の微小スポット径に集光させる加工光学系12とを備えている。なお、XYテーブル19は架台20上に設置されている。また、金属薄板21は撓まないように適当な張力がかけられた状態でXYテーブル19上に固定されている。なお、XYテーブル19には、図示しない駆動モータ(移動機構)が設けられており、加工光学系12により集光されるレーザ光22の集光位置がXYテーブル19上に載置された金属薄板21の表面上の任意の位置にくるよう、XYテーブル19を水平面(XY平面)内で移動させることができるようになっている。
【0015】
ここで、加工光学系12は、ビームスキャナ13、集光レンズユニット16およびアシストガスノズル17を有している。このうち、ビームスキャナ13は、レーザ発振器11から出射されたレーザ光22を反射する2枚の偏向ミラー14a,14bと、各偏向ミラー14a,14bに対応して設けられ、各偏向ミラー14a,14bをレーザ光22の軸線に略直交する軸線のまわりに回転させる回転モータ(回転駆動装置)15a,15bとを有し、金属薄板21の表面上の任意の位置に位置付けられたレーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査することができるようになっている。また、集光レンズユニット16は、図2(a)に示すように、集光レンズ16aを有し、ビームスキャナ13を介して出射されたレーザ光22を金属薄板21の表面上にて所定の微小スポット径に集光させるようになっている。さらに、アシストガスノズル17は、図1および図2(a)に示すように、集光レンズユニット16の下部に取り付けられており、金属薄板21を切断するために必要な活性ガス(酸素や空気等)をレーザ光22の光軸に沿って噴出させるようになっている。
【0016】
なお、XYテーブル19の駆動モータ(図示せず)、ビームスキャナ13の回転モータ15a,15b、およびレーザ発振器11には、NCコントローラ18が接続されており、このNCコントローラ18により、XYテーブル19の水平面(XY平面)内での移動および偏向ミラー14a,14bの回転を制御するとともに、XYテーブル19の移動および偏向ミラー14a,14bの回転に同期させて、レーザ発振器11によるレーザ光22の照射の有無(ON/OFF)を制御することができるようになっている。
【0017】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0018】
図1に示すレーザ加工装置10において、レーザ発振器11から出射されたレーザ光22は、加工光学系12を介して、XYテーブル19上に載置された金属薄板21の表面上に導かれ、当該表面上にて所定の微小スポット径に集光される。すなわち、レーザ発振器11から出射されたレーザ光22は、ビームスキャナ13の偏向ミラー14a,14bにより反射された後、集光レンズユニット16により、金属薄板21の表面上にて微小スポット径に集光される。なおこのとき、集光レンズユニット16の下部に取り付けられたアシストガスノズル17により、金属薄板21を切断するために必要な活性ガス(酸素や空気等)がレーザ光22の光軸に沿って噴出される(図2(a)参照)。
【0019】
このようなレーザ加工装置10において、金属薄板21に多数の微小形状の穴を切断加工する場合には、図3に示すように、NCコントローラ18による制御の下で、レーザ発振器11によるレーザ光の照射をOFFにした状態で(ステップ101)、XYテーブル19を水平面(XY平面)内で移動させ、加工光学系12により集光されるレーザ光22の集光位置がXYテーブル19上に載置された金属薄板21の表面上の所望の位置にくるよう、レーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上で相対的に移動させる(ステップ102)。
【0020】
次いで、NCコントローラ18による制御の下で、レーザ発振器11によるレーザ光の照射をONにした状態で(ステップ103)、ビームスキャナ13の偏向ミラー14a,14bを回転させ、金属薄板21の表面上の所望の位置に位置付けられたレーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査しながら、レーザ発振器11からレーザ光22を照射する(ステップ104)。これにより、金属薄板21の表面上の所定の微小範囲内に微小形状の穴が形成される。ここで、レーザ発振器11によるレーザ光22の照射の有無を適宜制御しながら、レーザ光22の集光位置を走査することにより、図2(b)に示すように、所定の微小範囲内に複数の微小形状の穴を形成することも可能である。なお、ビームスキャナ13によるレーザ光22の走査範囲はアシストガスノズル17の先端孔17aの大きさによって制限され、アシストガスノズル17の先端孔17aからレーザ光22が出射される範囲でレーザ光22の走査が行われる。
【0021】
そして、NCコントローラ18による制御の下で、金属薄板21の全面に亘ってステップ101乃至104の処理を繰り返し(ステップ105)、金属薄板21の全面に亘って多数の微小形状の穴を切断加工する。
【0022】
このように本実施の形態によれば、XYテーブル19の移動により、レーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上の任意の位置に位置付けるよう、レーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上で相対的に移動させた後、ビームスキャナ13により、位置付けられたレーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上の所定の微小範囲内で走査することにより、金属薄板21に多数の微小形状の穴を切断加工するようにしているので、穴の切断加工のために必要とされるレーザ光22の集光位置の相対的な微小移動を、ビームスキャナ13によるレーザ光22の集光位置の走査により実現することができる。(XYテーブル19の移動は、切断加工される穴の基準位置までの移動に限定される。)このため、微小形状の穴を高速にかつ形状の崩れなく切断加工することができ、微小形状の穴の加工速度を飛躍的(切断加工をXYテーブル19の移動のみにより行う場合に比べて10倍〜20倍)に向上させて加工時間を短縮することができる。また、XYテーブル19の移動速度(加速度)を必要以上に高める必要がないので、XYテーブル19の駆動モータ(図示せず)のトルクやXYテーブル19の剛性等を抑えることができ、このため、XYテーブル19や架台20等の装置コストを低減することができる。
【0023】
なお、上述した実施の形態においては、レーザ光22の集光位置を金属薄板21の表面上の任意の位置に位置付けるための移動機構としてXYテーブル19を設け、レーザ光22の光学系(レーザ発振器11および加工光学系12)を静止させた状態で金属薄板21を移動させるようにしているが、これに限らず、レーザ光22の光学系(レーザ発振器11および加工光学系12)に移動機構を設け、金属薄板21の側を静止させた状態でレーザ光22の光学系の側の移動させるようにしたり、金属薄板21およびレーザ光22の光学系の両方を移動させるようにしてもよい。
【0024】
また、上述した実施の形態においては、はんだ印刷用メタルマスクを作製する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、薄板の表面に多数の微小形状の穴が形成される種類の製品(エッチング法マスクや電鋳法マスク等)に広く適用することが可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、微小形状の穴を高速にかつ形状の崩れなく切断加工することができ、微小形状の穴の加工速度を飛躍的に向上させて加工時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の一実施の形態の全体構成を示す概略斜視図。
【図2】図1に示すレーザ加工装置のII部分の詳細を示す図。
【図3】図1および図2に示すレーザ加工装置の制御方法を説明するためのフローチャート。
【図4】従来のレーザ加工装置を示す概略斜視図。
【符号の説明】
10 レーザ加工装置
11 レーザ発振器
12 加工光学系
13 ビームスキャナ
14a,14b 偏向ミラー
15a,15b 回転モータ(回転駆動装置)
16 集光レンズユニット
16a 集光レンズ
17 アシストガスノズル
17a 先端孔
18 NCコントローラ
19 XYテーブル
20 架台
21 はんだ印刷用メタルマスク用金属薄板
22 レーザ光

Claims (3)

  1. 薄板の表面にレーザ光を照射して多数の微小形状の穴を切断加工するレーザ加工装置において、
    レーザ発振器と、
    加工対象となる薄板を載置する載置テーブルと、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を前記載置テーブル上に載置された前記薄板の表面上に導くとともに当該表面上にて所定の微小スポット径に集光させる加工光学系と、
    前記加工光学系により集光されるレーザ光の集光位置が前記載置テーブル上に載置された前記薄板の表面上の任意の位置にくるよう、前記加工光学系および前記載置テーブルの少なくとも一方を相対的に移動させる移動機構とを備え、
    前記加工光学系は、前記薄板の表面上の任意の位置に位置付けられた前記レーザ光の集光位置を前記薄板の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査するビームスキャナを有することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記加工光学系の前記ビームスキャナは、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を反射する少なくとも2枚の偏向ミラーと、前記各偏向ミラーをレーザ光の軸線に略直交する軸線のまわりに回転させる回転駆動装置とを有することを特徴とする、請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 薄板の表面にレーザ光を照射して多数の微小形状の穴を切断加工するレーザ加工方法において、
    レーザ光の集光位置を加工対象となる薄板の表面上の任意の位置に位置付けるよう、前記レーザ光の集光位置を前記薄板の表面上で相対的に移動させる工程と、
    前記薄板の表面上の任意の位置に位置付けられた前記レーザ光の集光位置を前記薄板の表面上の所定の微小範囲内で2次元的に走査する工程とを含むことを特徴とするレーザ加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105537782A (zh) * 2016-02-04 2016-05-04 北京理工大学 电场辅助下飞秒激光制备可控弯孔的方法
CN107297365A (zh) * 2017-08-09 2017-10-27 温州职业技术学院 一种双波长复合能量分布的台式激光精密清洗装置

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