JP2004342802A - 突起電極付きプリント基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】システムインパッケージの小形化および高密度化を図り、信頼性を確保するとともに、生産性向上を図り、設備費用を極力抑え、製造コストを低減することができる突起電極付きプリント基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1および第2の導体層部分24,25のうち、融点の低い第2の導体層部分25がプリント基板20aに溶融接合される構成であるので、突起電極21を比較的低い加熱温度でもってプリント基板20aに簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板20aに加熱、加圧によって突起電極21を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1および第2の導体層部分24,25のうち、融点の低い第2の導体層部分25がプリント基板20aに溶融接合される構成であるので、突起電極21を比較的低い加熱温度でもってプリント基板20aに簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板20aに加熱、加圧によって突起電極21を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、突起電極付きプリント基板およびその製造方法に関し、たとえば携帯電話および携帯情報端末などに好適に用いられる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話および携帯情報端末の急速な普及の原動力の一つとして、機器の飛躍的な小形化がある。その背景には、従来、複数の大規模集積回路(LSI:Large Scale Integration )で構成されていたシステムおよび機能を、一つの半導体素子に集約するシステムオンチップ(SOC:System on Chip)化の技術の進歩がある。その一方で、必要な複数の半導体素子を組合わせて、プリント基板上に直接搭載し、一パッケージ化したシステムインパッケージ(SIP:System In Package)が近年、注目を集めている。
【0003】
近年、携帯電話に代表される携帯情報機器においては、高機能化が進むのに伴って商品サイクルが短くなってきており、携帯情報機器の開発期間を極力短縮することが切望されている。たとえば、携帯電話において一つの機能変更が生じた場合、SOCにおいては、半導体素子の設計からプロセスまでのすべてに影響を与える変更が必要になるので、その開発に膨大な費用と時間を要するのに対し、SIPにおいては、一部の半導体素子の種類を変更または追加したり、プリント基板の若干の変更を行うなどによって対応することが可能になるため、SIPは、SOCと比べて開発期間の大幅な短縮と開発コストの大幅な低減を図ることができる。
【0004】
前記SIPの小形化、高密度化を図るためには、ショート防止を図るためのバンプなどの突起電極が設けられたベアチップ半導体素子を、その能動素子面を下に向けて電気的に接続するいわゆるフェースダウンでもって、プリント基板にフリップチップボンディング法にて実装する手法が有効である。しかし、このSIPは、複数の半導体素子を組合わせて一つのシステムを構成するため、前記複数の半導体素子のうち、自社製以外の他社製半導体素子を搭載しなければならない場合がある。つまり、SIPにおいて、突起電極が設けられていない他社製半導体素子を必要とする場合には、フリップチップボンディング法以外のたとえばワイヤーボンディング法などの実装手法を用いる必要があり、それ故、半導体素子と、プリント基板の電極部との間の距離が実質的に広がりSIPの小形化に支障をきたす。
【0005】
従来プリント基板にバンプなどの突起電極を形成したうえで突起電極が設けられていない半導体素子つまりベアチップ半導体素子などを搭載する技術(特許文献1)が開示されている。図6は、前記特許文献1に開示された突起電極付きプリント基板1の製造方法を段階的に示す説明図である。図6(a)に示すように、内層導体2を形成してあるプリント基板1に、スルーホールおよびバイヤホールなどの貫通導通穴3を形成する。またプリント基板1の表面部に、外層導体4,5、および電極端子6をメッキ法にて形成する。さらに所定の箇所にソルダーレジスト層7を形成する。
【0006】
次に、図6(b)に示すように、メッキレジスト8をプリント基板1に形成し、ベアチップ半導体素子10を接続する電極端子6に、フォト法および炭酸ガスレーザにて微小な穴を開け、その後、メッキ法にて、所定の金属を析出することによって、電極端子6上に突起電極9を形成する。次に、図6(c)に示すように、メッキレジスト7を剥離した後、ベアチップ半導体素子10を、フリップチップボンディング法にて突起電極9を介してプリント基板1に接続する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−208910号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の従来技術では、プリント基板1の表面部の外層導体4,5などの回路を形成するためのメッキプロセスとは別に、突起電極9を形成するための専用のメッキプロセスが必要になるうえ、突起電極9を、たとえば無電解銅メッキを約20μm以上30μm以下積層し、無電解ニッケルメッキを約10μm積層し、さらに無電解金メッキを約0.5μm積層して形成するので、メッキプロセスが複雑化する。また、各金属を析出するために多大な処理時間が必要になる。それ故、タクトタイムおよび工数が大きくなり生産性が低くなる。また、メッキプロセスが複雑化する分、その設備費用も高くなり製造コストが高くつく。
【0009】
したがって本発明の目的は、システムインパッケージの小形化および高密度化を図り、信頼性を確保するとともに、生産性向上を図り、設備費用を極力抑え、製造コストを低減することができる突起電極付きプリント基板およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、突起電極が形成されるプリント基板であって、
突起電極は、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分が一体的に積層されて成り、それら導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合されていることを特徴とする突起電極付きプリント基板である。
【0011】
本発明に従えば、二層以上の導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合される構成であるので、突起電極を比較的低い加熱温度でもってプリント基板に簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板に加熱、加圧によって突起電極を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保することができる。また、前記公報に記載の従来のものと比べて製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
また本発明は、前記二層以上の導体層部分のうち、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分の厚さよりも大きく形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分の厚さを、上述したように大きく形成することによって、突起電極をプリント基板に溶融接合するときの熱応力による突起電極の形状変化を極力防止することができる。それ故、プリント基板上において、隣接する突起電極のピッチを狭くすることが可能となる。
【0014】
また本発明は、前記二層以上の導体層部分から成る突起電極は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分が、金、銅およびニッケルのうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成され、プリント基板に溶融接合されている導体層部分が、インジウム、銀、錫、ビスマスおよび亜鉛のうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分と、この導体層部分以外の導体層部分とをそれぞれ上述した金属によって構成することで、フリップチップボンディング法を用いることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を図ることができるとともに、突起電極をプリント基板に簡単に接合することができる突起電極付きプリント基板を容易に実現することができる。
【0016】
また本発明は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分において、プリント基板に臨む表面積は、プリント基板の表面積よりも小さく形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、突起電極をプリント基板に形成する際、プリント基板に対して突起電極の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、導体層部分のプリント基板に臨む表面積が、プリント基板の表面積よりも小さく形成されているので、プリント基板に対する前記導体層部分の相対位置の許容範囲が広がる。それ故、プリント基板に対し、突起電極を高精度に位置合わせする必要がなくなるので、突起電極の形成を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0018】
また本発明は、前記突起電極を介してベアチップ半導体素子を搭載可能なプリント基板において、
プリント基板に接合材を介して接合する電子部品を含み、接合材の融点は、ベアチップ半導体素子を搭載するための突起電極のプリント基板に溶融接合される導体層部分の融点よりも低く設定されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、プリント基板に、所定の加熱温度でもって溶融接合された突起電極を介して、ベアチップ半導体素子を搭載した後、プリント基板に接合材を介して電子部品を接合する。接合材の融点は、ベアチップ半導体素子をプリント基板に溶融接合する導体層部分の融点よりも低く設定されているので、電子部品をプリント基板に接合する際、前記所定の加熱温度よりも低い加熱温度に設定することができる。それ故、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができ、安定した接続信頼性を保持することができる。
【0020】
また本発明は、前記接合材は、導電性接着材および錫を含む合金から成ることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができる接合材を、容易に実現することができる。
【0022】
また本発明は、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して、突起電極形成用基板から剥離可能に、突起電極を形成する工程と、
プリント基板に突起電極を転写する工程とを含むことを特徴とする突起電極付きプリント基板の製造方法である。
【0023】
本発明に従えば、突起電極を剥離可能に形成する工程においては、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層する。次工程において、突起電極をプリント基板に転写することができる。したがって、プリント基板に、必要な箇所のみ突起電極を転写によって形成することが可能になる。前記公報に記載の従来技術においては、突起電極をプリント基板に形成する際のメッキプロセスが複雑化し、各金属を析出するため多大な処理時間が必要になるのに対し、本発明においては、突起電極を突起電極形成用基板に設けるプロセスと、プリント基板を形成するプロセスとを並行してまたは略並行して行うことが可能となる。それ故、プリント基板単体でのプロセスを簡単化することができる。
【0024】
また本発明は、プリント基板に突起電極を転写する工程は、
前記二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合する段階と、
突起電極を突起電極形成用基板から剥離する段階とを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して突起電極を剥離可能に形成した後、二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合し、その後、突起電極を突起電極形成用基板から剥離する。突起電極形成用基板から最も遠い前記最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合するため、プリント基板に突起電極を確実にかつ簡単に形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る突起電極付きプリント基板20の要部断面図である。本実施形態は、たとえば携帯電話および携帯情報端末などに好適に用いられる突起電極付きプリント基板に本発明の突起電極付きプリント基板を適用した場合の一例を示す。以下の説明は、突起電極付きプリント基板の製造方法についての説明をも含む。なお、図1には、プリント基板20の厚み方向一方が上方に、厚み方向他方が下方に示され、突起電極21の並び方向一方が左方に、並び方向他方が右方に示される。
【0027】
突起電極21付きプリント基板20は、プリント基板20aと、複数の突起電極21とを含んでいる。プリント基板20aは、たとえば、ガラス布エポキシ樹脂またはアラミド繊維不織布エポキシ樹脂などの絶縁基板材料から平板状に形成されている。このプリント基板20aの上面部22には、べアチップ半導体素子(以下、単に半導体素子と呼ぶこともある)を搭載するための複数の接合ランド部23が、後述する半導体素子の電極部のピッチ、または、電子部品の電極部のピッチに合わせて所定間隔おきに付設されている。これら接合部としての接合ランド部23は、プリント基板20aの上面部22に銅メッキが施された後、順次、ニッケル無電解メッキ、金の無電解メッキが施されて成り、各接合ランド部23はプリント基板20aに含まれている。
【0028】
各接合ランド部23には、それぞれ融点の異なる第1および第2の導体層部分24,25が一体的に積層されて成る突起電極21が溶融接続されている。また、それら導体層部分24,25のうち、融点が低い方の導体層部分25(後述する)が接合ランド部23に溶融接合されている。すなわち、接合ランド部23の上面部には、突起電極21の下段部に位置する第2の導体層部分25が、突起電極21全体の厚さのたとえば約1/8の厚さに積層されている。この下段部に位置する第2の導体層部分25は接合ランド部23の上面部に臨み、かつ、前記上面部に臨む第2の導体層部分25の表面積S1は、接合ランド部23の上面部の表面積S2よりもやや小さく形成されている。この約1/8の厚さに積層された第2の導体層部分25の上面部に、第1の導体層部分24が積層され、突起電極21全体の厚さのたとえば約7/8の厚さに積層されている。
【0029】
第1の導体層部分24は、金、銅およびニッケルのうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成される。本実施形態において、第1の導電層部分24は、具体的にはたとえば融点が約1063℃である金を用いて構成される。第2の導体層部分25は、インジウム、銀、錫、ビスマスおよび亜鉛のうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成される。本実施形態において、第2の導体層部分25は、具体的にはたとえば融点が約138℃である錫およびビスマスなどの合金などを用いて構成される。第1の導体層部分24の厚さTmは、下段部に位置する第2の導体層部分25であってプリント基板20aに溶融接合されている第2の導体層部分25の厚さTdよりも大きく形成されている。
【0030】
図2は、プリント基板20aに突起電極21を転写する工程を段階的に示す説明図であり、図3は、プリント基板20aに突起電極21を形成する工程を示すフローチャートである。ここで、Si(i=1,2,3)はステップを示す。プリント基板20aに突起電極21を転写する際には、図2(a)および図3のステップ1に示すように、たとえばガラス基板などの絶縁基板である突起電極形成用基板26の厚み方向一方の表面部に、たとえばITOである導体層27を蒸着によって形成する。次に、導体層27上にメッキレジスト28を塗布し、半導体素子29の電極部30のピッチP(図4参照)に合わせて所定間隔おきに、複数の開口部28aを露光現像およびエッチングによってパターニングする。各開口部28aは、突起電極形成用基板26の厚み方向に平行な軸線をもつ上端開放状でたとえば直径約60μmの円筒形状に形成され、かつ、接合ランド部23の上面部に臨む第2の導体層部分25の表面積S1が、接合ランド部23の上面部の表面積S2よりもやや小さくなるように、メッキレジスト28用マスクの開口径を適宜調整することによって形成される。導体層27としては、たとえば、金、白金、チタンタングステン、クロム、上述したITOなどのうちのいずれかを使用する。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、各開口部28aに、順次、第1の導体層24、第2の導体層25をメッキ法によって形成する。前記メッキ法としては、電解メッキ法、無電解メッキ法などの湿式メッキ法または蒸着などの乾式メッキ法が適用可能である。なお、突起電極21を形成した後、メッキレジスト28を除去してもよい。以上説明した工程によって、二層の導体層部分24,25から成る突起電極21が、突起電極形成用基板26に形成される。
【0032】
次に、図2(c)および図3のステップ2に示すように、プリント基板20aの複数の接合ランド部23に対して、複数の突起電極21が対向するように配置したうえで、搭載対象である所望の半導体素子29を搭載するのに必要な接合ランド部23に対して複数の突起電極21をそれぞれ相対的に位置決めする。その後、複数の突起電極21を、突起電極形成用基板26側から図示外のツールを用いて加圧しつつ、前記下段部に位置する第2の導体層部分25だけが溶融するたとえば約240℃の温度まで加熱して、下段部に位置する第2の導体層部分25を溶融する。
【0033】
プリント基板20aに溶融接合される第2の導体層部分25において、プリント基板20aに臨む表面積S1は、接合ランド部23の上面部の表面積S2よりもやや小さくなるように形成されているので、突起電極21をプリント基板20aに形成する際、プリント基板20aに対して突起電極21の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、第2の導体層部分25の接合ランド部23に臨む表面積S1が、接合ランド部23の表面積S2よりもやや小さくなるように形成されているので、プリント基板20aに対する前記導体層部分25の相対位置の許容範囲が広がる。それ故、プリント基板20aに対し、突起電極21を高精度に位置合わせする必要がなくなるので、突起電極21の形成を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0034】
その後、図3のステップ3に示すように、前記ツールおよび突起電極形成用基板26を、プリント基板20aから離隔することによって、突起電極21が突起電極形成用基板26から剥離して、プリント基板20aの接合ランド部23上に突起電極21を転写する。プリント基板20aの接合ランド部23上に、複数の突起電極21を転写、形成する際には、第2の導体層部分25を溶融させるとともに、第1の導体層部分24は溶融しない条件において実施する。すなわち、第2の導体層部分25を溶融させ、接合ランド部23の材料と溶融接合させることで、図1に示すように、突起電極形成用基板26上の突起電極21を、プリント基板20aの接合ランド部23上に確実に転写、形成することができる。
【0035】
以上説明した突起電極21付きプリント基板20によれば、第1および第2の導体層部分24,25が一体的に積層されて成る突起電極21がプリント基板20に溶融接合されているので、搭載対象のたとえばベアチップ半導体素子29を、プリント基板20aに接続する場合に、ベアチップ半導体素子29に、突起電極を形成するなどの接続前処理を施す必要がなくなる。それ故、搭載対象となる半導体素子29の形態上の制限を極力解消することが可能となる。また、フリップチップボンディング法を用いることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を図ることができる。また、第1および第2の導体層部分24,25のうち、融点の低い第2の導体層部分25がプリント基板20aに溶融接合される構成であるので、突起電極21を比較的低い加熱温度でもってプリント基板20aに簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板20aに加熱、加圧によって突起電極21を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保することができる。また、前記公報に記載の従来のものと比べて製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
また、プリント基板20aに溶融接合されている第2の導体層部分25以外の第1導体層部分24の厚さTmを、上述したように大きく形成することによって、突起電極21をプリント基板20aに溶融接合するときの熱応力による突起電極21の形状変化を極力防止することができる。それ故、プリント基板20a上において、隣接する突起電極21のピッチを狭くすることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を一層図ることができる。また、突起電極21付きプリント基板20の製造方法によれば、突起電極21を形成する工程においては、突起電極形成用基板26に、それぞれ融点の異なる第1および第2の導体層部分24,25を一体的に積層し、次工程において、突起電極21をプリント基板20aに転写することができる。したがって、プリント基板20aに、必要な箇所のみ突起電極21を転写によって形成することが可能になる。前記公報に記載の従来技術においては、突起電極をプリント基板に形成する際のメッキプロセスが複雑化し、各金属を析出するため多大な処理時間が必要になるのに対し、本実施形態においては、突起電極21を突起電極形成用基板26に設けるプロセスと、プリント基板20aを形成するプロセスとを並行してまたは略並行して行うことが可能となる。それ故、プリント基板単体でのプロセスを簡単化することができる。突起電極形成用基板26から最も遠い前記最表層の導体層部分を溶融してプリント基板20a側の接合ランド部23と接合するため、プリント基板20aに突起電極21を確実にかつ簡単に形成することができる。
【0037】
図4は、突起電極21付きプリント基板20に半導体素子29を搭載する工程を段階的に示す説明図であり、図5は、突起電極21付きプリント基板20にチップ部品31を接合した状態の断面図である。ただし、前記実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。ベアチップ半導体素子29において、その複数の電極部30は所定間隔おきに付設されている。プリント基板20aにおいて、これら電極部30の所定間隔に合わせて突起電極21が形成されている。
【0038】
突起電極21付きプリント基板20に半導体素子29を搭載する場合、図4(a)に示すように、半導体素子29の複数の電極部30と、プリント基板20a上の複数の突起電極21とを位置合わせし、半導体素子29の厚み方向一方から所定の超音波と圧力、場合によりさらに温度を付加させた超音波接合の条件下で、各接合ランド部23上の突起電極21と半導体素子29の電極部30とを接続する。突起電極21において、半導体素子29に臨む厚み方向一方の表面積S3は、半導体素子29の電極部30の表面積S4よりもやや小さく形成されているので、各電極部30と突起電極21とを位置合わせする場合、プリント基板20aの突起電極21に対して、半導体素子29の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、突起電極21の半導体素子29に臨む厚み方向一方の表面積S3が、電極部30の表面積S4よりもやや小さく形成されているので、突起電極21に対する半導体素子29の相対位置の許容範囲が広がるので、半導体素子29の高精度な位置合わせが不要になる。したがって、半導体素子29の実装を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0039】
次に図4(b)に示すように、突起電極21が形成されている部分を除き、接続後の半導体素子29とプリント基板20aとの間にアンダーフィル32を注入する。これによって、プリント基板20aの突起電極21に対し、半導体素子29を強固に接続することができ、良好な接続信頼性を得ることができる。突起電極21と半導体素子29の電極部30とを接続する手法として、たとえば、異方性導電フィルム、異方性導電性ペーストによる熱圧着接続や熱と加圧による固層拡散接続などによる他の手法も適用することができる。また、突起電極21と半導体素子29の電極部30とを接続する前に、突起電極21付きプリント基板20上に、アンダーフィル32を予め塗布しておいてもよい。
【0040】
半導体素子29をプリント基板20aに搭載した後、このプリント基板20aに、電子部品31であるチップ抵抗およびチップコンデンサを搭載する場合、電子部品31をプリント基板20aに接合するための接合材33は、接合ランド部23に溶融接合される上述した第2の導体層部分25の融点よりも低い融点に設定されている。前記接合材33は、導電性接着材および錫を含む合金、具体的にはたとえば、錫とビスマスとの合金、錫とインジウムとの合金、錫と亜鉛との合金などから構成されている。したがって、プリント基板20aに、接合材33を介して、第2の導体層部分25の融点よりも低い融点付近の加熱温度でもって、チップ抵抗およびチップコンデンサを接合する。このように、電子部品31をプリント基板20aに接合するための接合材33は、接合ランド部23に溶融接合される第2の導体層部分25の融点よりも低い融点に設定されているので、プリント基板20aに、半導体素子29を搭載した後、電子部品31を搭載する際、プリント基板20a上に接合した突起電極21の導体層部分25が再溶融せず、安定した接続信頼性を保持することができる。
【0041】
本発明の実施の他の形態として、三層以上の導体層部分が一体的に積層されて成る突起電極を適用することも可能である。銅、ニッケル、または、銅ニッケルなどの合金を用いて第1の導体層部分を構成してもよい。インジウム、銀、錫、ビスマス、亜鉛、または、錫および銀、錫および亜鉛などの合金などを用いて第2の導体層部分を構成してもよい。突起電極形成用基板は、ガラス基板に必ずしも限定されるものではなく、たとえば、石英基板、ポリイミドなどの絶縁基板を用いてもよい。本実施形態においては、円筒形状の突起電極について説明したが、突起電極は、必ずしも円筒形状に限定されるものではなく、円錐形状または多角形状の突起電極を適用可能である。電子部品を接合する接合材は、上述したものの他に、金属粉を含んだ導電性接着剤および錫を含む合金、すなわち、錫−銀系に融点降下元素であるインジウム、ビスマス、亜鉛などを添加した三元系以上の接合材も適用可能である。その他、前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、二層以上の導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合される構成であるので、突起電極を比較的低い加熱温度でもってプリント基板に簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板に加熱、加圧によって突起電極を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保することができる。また、前記公報に記載の従来のものと比べて製造コストの低減を図ることができる。
【0043】
また本発明によれば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分の厚さを、上述したように大きく形成することによって、突起電極をプリント基板に溶融接合するときの熱応力による突起電極の形状変化を極力防止することができる。それ故、プリント基板上において、隣接する突起電極のピッチを狭くすることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を一層図ることができる。
【0044】
また本発明によれば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分と、この導体層部分以外の導体層部分とをそれぞれ上述した金属によって構成することで、フリップチップボンディング法を用いることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を図ることができるとともに、突起電極をプリント基板に簡単に接合することができる突起電極付きプリント基板を容易に実現することができる。
【0045】
また本発明によれば、突起電極をプリント基板に形成する際、プリント基板に対して突起電極の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、導体層部分のプリント基板に臨む表面積が、プリント基板の表面積よりも小さく形成されているので、プリント基板に対する前記導体層部分の相対位置の許容範囲が広がる。それ故、突起電極の形成を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0046】
また本発明によれば、プリント基板に、所定の加熱温度でもって溶融接合された突起電極を介して、ベアチップ半導体素子を搭載した後、プリント基板に接合材を介して電子部品を接合する。接合材の融点は、ベアチップ半導体素子をプリント基板に溶融接合する導体層部分の融点よりも低く設定されているので、電子部品をプリント基板に接合する際、前記所定の加熱温度よりも低い加熱温度に設定することができる。それ故、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができ、安定した接続信頼性を保持することができる。
【0047】
また、本発明によれば、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができる接合材を、容易に実現することができる。
【0048】
また、本発明によれば、突起電極を剥離可能に形成する工程においては、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層する。次工程において、突起電極をプリント基板に転写することができる。したがって、プリント基板に、必要な箇所のみ突起電極を転写によって形成することが可能になる。前記公報に記載の従来技術においては、突起電極をプリント基板に形成する際のメッキプロセスが複雑化し、各金属を析出するため多大な処理時間が必要になるのに対し、突起電極を突起電極形成用基板に設けるプロセスと、プリント基板を形成するプロセスとを並行してまたは略並行して行うことが可能となる。それ故、プリント基板単体でのプロセスを簡単化することができる。
【0049】
また、本発明によれば、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して突起電極を剥離可能に形成した後、二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合し、その後、突起電極を突起電極形成用基板から剥離することができる。突起電極形成用基板から最も遠い前記最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合するため、プリント基板に突起電極を確実にかつ簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る突起電極付きプリント基板の要部断面図である。
【図2】プリント基板に突起電極を転写する工程を段階的に示す説明図である。
【図3】プリント基板に突起電極を形成する工程を示すフローチャートである。
【図4】突起電極付きプリント基板に半導体素子を搭載する工程を段階的に示す説明図である。
【図5】突起電極付きプリント基板にチップ部品を接合した状態の断面図である。
【図6】従来の突起電極付きプリント基板を製造する方法を段階的に示す説明図である。
【符号の説明】
20 プリント基板
21 突起電極
23 接合ランド部
24 第1の導体層部分
25 第2の導体層部分
26 突起電極形成用基板
29 半導体素子
31 電子部品
【発明の属する技術分野】
本発明は、突起電極付きプリント基板およびその製造方法に関し、たとえば携帯電話および携帯情報端末などに好適に用いられる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話および携帯情報端末の急速な普及の原動力の一つとして、機器の飛躍的な小形化がある。その背景には、従来、複数の大規模集積回路(LSI:Large Scale Integration )で構成されていたシステムおよび機能を、一つの半導体素子に集約するシステムオンチップ(SOC:System on Chip)化の技術の進歩がある。その一方で、必要な複数の半導体素子を組合わせて、プリント基板上に直接搭載し、一パッケージ化したシステムインパッケージ(SIP:System In Package)が近年、注目を集めている。
【0003】
近年、携帯電話に代表される携帯情報機器においては、高機能化が進むのに伴って商品サイクルが短くなってきており、携帯情報機器の開発期間を極力短縮することが切望されている。たとえば、携帯電話において一つの機能変更が生じた場合、SOCにおいては、半導体素子の設計からプロセスまでのすべてに影響を与える変更が必要になるので、その開発に膨大な費用と時間を要するのに対し、SIPにおいては、一部の半導体素子の種類を変更または追加したり、プリント基板の若干の変更を行うなどによって対応することが可能になるため、SIPは、SOCと比べて開発期間の大幅な短縮と開発コストの大幅な低減を図ることができる。
【0004】
前記SIPの小形化、高密度化を図るためには、ショート防止を図るためのバンプなどの突起電極が設けられたベアチップ半導体素子を、その能動素子面を下に向けて電気的に接続するいわゆるフェースダウンでもって、プリント基板にフリップチップボンディング法にて実装する手法が有効である。しかし、このSIPは、複数の半導体素子を組合わせて一つのシステムを構成するため、前記複数の半導体素子のうち、自社製以外の他社製半導体素子を搭載しなければならない場合がある。つまり、SIPにおいて、突起電極が設けられていない他社製半導体素子を必要とする場合には、フリップチップボンディング法以外のたとえばワイヤーボンディング法などの実装手法を用いる必要があり、それ故、半導体素子と、プリント基板の電極部との間の距離が実質的に広がりSIPの小形化に支障をきたす。
【0005】
従来プリント基板にバンプなどの突起電極を形成したうえで突起電極が設けられていない半導体素子つまりベアチップ半導体素子などを搭載する技術(特許文献1)が開示されている。図6は、前記特許文献1に開示された突起電極付きプリント基板1の製造方法を段階的に示す説明図である。図6(a)に示すように、内層導体2を形成してあるプリント基板1に、スルーホールおよびバイヤホールなどの貫通導通穴3を形成する。またプリント基板1の表面部に、外層導体4,5、および電極端子6をメッキ法にて形成する。さらに所定の箇所にソルダーレジスト層7を形成する。
【0006】
次に、図6(b)に示すように、メッキレジスト8をプリント基板1に形成し、ベアチップ半導体素子10を接続する電極端子6に、フォト法および炭酸ガスレーザにて微小な穴を開け、その後、メッキ法にて、所定の金属を析出することによって、電極端子6上に突起電極9を形成する。次に、図6(c)に示すように、メッキレジスト7を剥離した後、ベアチップ半導体素子10を、フリップチップボンディング法にて突起電極9を介してプリント基板1に接続する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−208910号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の従来技術では、プリント基板1の表面部の外層導体4,5などの回路を形成するためのメッキプロセスとは別に、突起電極9を形成するための専用のメッキプロセスが必要になるうえ、突起電極9を、たとえば無電解銅メッキを約20μm以上30μm以下積層し、無電解ニッケルメッキを約10μm積層し、さらに無電解金メッキを約0.5μm積層して形成するので、メッキプロセスが複雑化する。また、各金属を析出するために多大な処理時間が必要になる。それ故、タクトタイムおよび工数が大きくなり生産性が低くなる。また、メッキプロセスが複雑化する分、その設備費用も高くなり製造コストが高くつく。
【0009】
したがって本発明の目的は、システムインパッケージの小形化および高密度化を図り、信頼性を確保するとともに、生産性向上を図り、設備費用を極力抑え、製造コストを低減することができる突起電極付きプリント基板およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、突起電極が形成されるプリント基板であって、
突起電極は、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分が一体的に積層されて成り、それら導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合されていることを特徴とする突起電極付きプリント基板である。
【0011】
本発明に従えば、二層以上の導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合される構成であるので、突起電極を比較的低い加熱温度でもってプリント基板に簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板に加熱、加圧によって突起電極を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保することができる。また、前記公報に記載の従来のものと比べて製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
また本発明は、前記二層以上の導体層部分のうち、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分の厚さよりも大きく形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分の厚さを、上述したように大きく形成することによって、突起電極をプリント基板に溶融接合するときの熱応力による突起電極の形状変化を極力防止することができる。それ故、プリント基板上において、隣接する突起電極のピッチを狭くすることが可能となる。
【0014】
また本発明は、前記二層以上の導体層部分から成る突起電極は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分が、金、銅およびニッケルのうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成され、プリント基板に溶融接合されている導体層部分が、インジウム、銀、錫、ビスマスおよび亜鉛のうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分と、この導体層部分以外の導体層部分とをそれぞれ上述した金属によって構成することで、フリップチップボンディング法を用いることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を図ることができるとともに、突起電極をプリント基板に簡単に接合することができる突起電極付きプリント基板を容易に実現することができる。
【0016】
また本発明は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分において、プリント基板に臨む表面積は、プリント基板の表面積よりも小さく形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、突起電極をプリント基板に形成する際、プリント基板に対して突起電極の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、導体層部分のプリント基板に臨む表面積が、プリント基板の表面積よりも小さく形成されているので、プリント基板に対する前記導体層部分の相対位置の許容範囲が広がる。それ故、プリント基板に対し、突起電極を高精度に位置合わせする必要がなくなるので、突起電極の形成を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0018】
また本発明は、前記突起電極を介してベアチップ半導体素子を搭載可能なプリント基板において、
プリント基板に接合材を介して接合する電子部品を含み、接合材の融点は、ベアチップ半導体素子を搭載するための突起電極のプリント基板に溶融接合される導体層部分の融点よりも低く設定されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、プリント基板に、所定の加熱温度でもって溶融接合された突起電極を介して、ベアチップ半導体素子を搭載した後、プリント基板に接合材を介して電子部品を接合する。接合材の融点は、ベアチップ半導体素子をプリント基板に溶融接合する導体層部分の融点よりも低く設定されているので、電子部品をプリント基板に接合する際、前記所定の加熱温度よりも低い加熱温度に設定することができる。それ故、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができ、安定した接続信頼性を保持することができる。
【0020】
また本発明は、前記接合材は、導電性接着材および錫を含む合金から成ることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができる接合材を、容易に実現することができる。
【0022】
また本発明は、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して、突起電極形成用基板から剥離可能に、突起電極を形成する工程と、
プリント基板に突起電極を転写する工程とを含むことを特徴とする突起電極付きプリント基板の製造方法である。
【0023】
本発明に従えば、突起電極を剥離可能に形成する工程においては、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層する。次工程において、突起電極をプリント基板に転写することができる。したがって、プリント基板に、必要な箇所のみ突起電極を転写によって形成することが可能になる。前記公報に記載の従来技術においては、突起電極をプリント基板に形成する際のメッキプロセスが複雑化し、各金属を析出するため多大な処理時間が必要になるのに対し、本発明においては、突起電極を突起電極形成用基板に設けるプロセスと、プリント基板を形成するプロセスとを並行してまたは略並行して行うことが可能となる。それ故、プリント基板単体でのプロセスを簡単化することができる。
【0024】
また本発明は、プリント基板に突起電極を転写する工程は、
前記二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合する段階と、
突起電極を突起電極形成用基板から剥離する段階とを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して突起電極を剥離可能に形成した後、二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合し、その後、突起電極を突起電極形成用基板から剥離する。突起電極形成用基板から最も遠い前記最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合するため、プリント基板に突起電極を確実にかつ簡単に形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る突起電極付きプリント基板20の要部断面図である。本実施形態は、たとえば携帯電話および携帯情報端末などに好適に用いられる突起電極付きプリント基板に本発明の突起電極付きプリント基板を適用した場合の一例を示す。以下の説明は、突起電極付きプリント基板の製造方法についての説明をも含む。なお、図1には、プリント基板20の厚み方向一方が上方に、厚み方向他方が下方に示され、突起電極21の並び方向一方が左方に、並び方向他方が右方に示される。
【0027】
突起電極21付きプリント基板20は、プリント基板20aと、複数の突起電極21とを含んでいる。プリント基板20aは、たとえば、ガラス布エポキシ樹脂またはアラミド繊維不織布エポキシ樹脂などの絶縁基板材料から平板状に形成されている。このプリント基板20aの上面部22には、べアチップ半導体素子(以下、単に半導体素子と呼ぶこともある)を搭載するための複数の接合ランド部23が、後述する半導体素子の電極部のピッチ、または、電子部品の電極部のピッチに合わせて所定間隔おきに付設されている。これら接合部としての接合ランド部23は、プリント基板20aの上面部22に銅メッキが施された後、順次、ニッケル無電解メッキ、金の無電解メッキが施されて成り、各接合ランド部23はプリント基板20aに含まれている。
【0028】
各接合ランド部23には、それぞれ融点の異なる第1および第2の導体層部分24,25が一体的に積層されて成る突起電極21が溶融接続されている。また、それら導体層部分24,25のうち、融点が低い方の導体層部分25(後述する)が接合ランド部23に溶融接合されている。すなわち、接合ランド部23の上面部には、突起電極21の下段部に位置する第2の導体層部分25が、突起電極21全体の厚さのたとえば約1/8の厚さに積層されている。この下段部に位置する第2の導体層部分25は接合ランド部23の上面部に臨み、かつ、前記上面部に臨む第2の導体層部分25の表面積S1は、接合ランド部23の上面部の表面積S2よりもやや小さく形成されている。この約1/8の厚さに積層された第2の導体層部分25の上面部に、第1の導体層部分24が積層され、突起電極21全体の厚さのたとえば約7/8の厚さに積層されている。
【0029】
第1の導体層部分24は、金、銅およびニッケルのうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成される。本実施形態において、第1の導電層部分24は、具体的にはたとえば融点が約1063℃である金を用いて構成される。第2の導体層部分25は、インジウム、銀、錫、ビスマスおよび亜鉛のうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成される。本実施形態において、第2の導体層部分25は、具体的にはたとえば融点が約138℃である錫およびビスマスなどの合金などを用いて構成される。第1の導体層部分24の厚さTmは、下段部に位置する第2の導体層部分25であってプリント基板20aに溶融接合されている第2の導体層部分25の厚さTdよりも大きく形成されている。
【0030】
図2は、プリント基板20aに突起電極21を転写する工程を段階的に示す説明図であり、図3は、プリント基板20aに突起電極21を形成する工程を示すフローチャートである。ここで、Si(i=1,2,3)はステップを示す。プリント基板20aに突起電極21を転写する際には、図2(a)および図3のステップ1に示すように、たとえばガラス基板などの絶縁基板である突起電極形成用基板26の厚み方向一方の表面部に、たとえばITOである導体層27を蒸着によって形成する。次に、導体層27上にメッキレジスト28を塗布し、半導体素子29の電極部30のピッチP(図4参照)に合わせて所定間隔おきに、複数の開口部28aを露光現像およびエッチングによってパターニングする。各開口部28aは、突起電極形成用基板26の厚み方向に平行な軸線をもつ上端開放状でたとえば直径約60μmの円筒形状に形成され、かつ、接合ランド部23の上面部に臨む第2の導体層部分25の表面積S1が、接合ランド部23の上面部の表面積S2よりもやや小さくなるように、メッキレジスト28用マスクの開口径を適宜調整することによって形成される。導体層27としては、たとえば、金、白金、チタンタングステン、クロム、上述したITOなどのうちのいずれかを使用する。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、各開口部28aに、順次、第1の導体層24、第2の導体層25をメッキ法によって形成する。前記メッキ法としては、電解メッキ法、無電解メッキ法などの湿式メッキ法または蒸着などの乾式メッキ法が適用可能である。なお、突起電極21を形成した後、メッキレジスト28を除去してもよい。以上説明した工程によって、二層の導体層部分24,25から成る突起電極21が、突起電極形成用基板26に形成される。
【0032】
次に、図2(c)および図3のステップ2に示すように、プリント基板20aの複数の接合ランド部23に対して、複数の突起電極21が対向するように配置したうえで、搭載対象である所望の半導体素子29を搭載するのに必要な接合ランド部23に対して複数の突起電極21をそれぞれ相対的に位置決めする。その後、複数の突起電極21を、突起電極形成用基板26側から図示外のツールを用いて加圧しつつ、前記下段部に位置する第2の導体層部分25だけが溶融するたとえば約240℃の温度まで加熱して、下段部に位置する第2の導体層部分25を溶融する。
【0033】
プリント基板20aに溶融接合される第2の導体層部分25において、プリント基板20aに臨む表面積S1は、接合ランド部23の上面部の表面積S2よりもやや小さくなるように形成されているので、突起電極21をプリント基板20aに形成する際、プリント基板20aに対して突起電極21の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、第2の導体層部分25の接合ランド部23に臨む表面積S1が、接合ランド部23の表面積S2よりもやや小さくなるように形成されているので、プリント基板20aに対する前記導体層部分25の相対位置の許容範囲が広がる。それ故、プリント基板20aに対し、突起電極21を高精度に位置合わせする必要がなくなるので、突起電極21の形成を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0034】
その後、図3のステップ3に示すように、前記ツールおよび突起電極形成用基板26を、プリント基板20aから離隔することによって、突起電極21が突起電極形成用基板26から剥離して、プリント基板20aの接合ランド部23上に突起電極21を転写する。プリント基板20aの接合ランド部23上に、複数の突起電極21を転写、形成する際には、第2の導体層部分25を溶融させるとともに、第1の導体層部分24は溶融しない条件において実施する。すなわち、第2の導体層部分25を溶融させ、接合ランド部23の材料と溶融接合させることで、図1に示すように、突起電極形成用基板26上の突起電極21を、プリント基板20aの接合ランド部23上に確実に転写、形成することができる。
【0035】
以上説明した突起電極21付きプリント基板20によれば、第1および第2の導体層部分24,25が一体的に積層されて成る突起電極21がプリント基板20に溶融接合されているので、搭載対象のたとえばベアチップ半導体素子29を、プリント基板20aに接続する場合に、ベアチップ半導体素子29に、突起電極を形成するなどの接続前処理を施す必要がなくなる。それ故、搭載対象となる半導体素子29の形態上の制限を極力解消することが可能となる。また、フリップチップボンディング法を用いることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を図ることができる。また、第1および第2の導体層部分24,25のうち、融点の低い第2の導体層部分25がプリント基板20aに溶融接合される構成であるので、突起電極21を比較的低い加熱温度でもってプリント基板20aに簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板20aに加熱、加圧によって突起電極21を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保することができる。また、前記公報に記載の従来のものと比べて製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
また、プリント基板20aに溶融接合されている第2の導体層部分25以外の第1導体層部分24の厚さTmを、上述したように大きく形成することによって、突起電極21をプリント基板20aに溶融接合するときの熱応力による突起電極21の形状変化を極力防止することができる。それ故、プリント基板20a上において、隣接する突起電極21のピッチを狭くすることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を一層図ることができる。また、突起電極21付きプリント基板20の製造方法によれば、突起電極21を形成する工程においては、突起電極形成用基板26に、それぞれ融点の異なる第1および第2の導体層部分24,25を一体的に積層し、次工程において、突起電極21をプリント基板20aに転写することができる。したがって、プリント基板20aに、必要な箇所のみ突起電極21を転写によって形成することが可能になる。前記公報に記載の従来技術においては、突起電極をプリント基板に形成する際のメッキプロセスが複雑化し、各金属を析出するため多大な処理時間が必要になるのに対し、本実施形態においては、突起電極21を突起電極形成用基板26に設けるプロセスと、プリント基板20aを形成するプロセスとを並行してまたは略並行して行うことが可能となる。それ故、プリント基板単体でのプロセスを簡単化することができる。突起電極形成用基板26から最も遠い前記最表層の導体層部分を溶融してプリント基板20a側の接合ランド部23と接合するため、プリント基板20aに突起電極21を確実にかつ簡単に形成することができる。
【0037】
図4は、突起電極21付きプリント基板20に半導体素子29を搭載する工程を段階的に示す説明図であり、図5は、突起電極21付きプリント基板20にチップ部品31を接合した状態の断面図である。ただし、前記実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。ベアチップ半導体素子29において、その複数の電極部30は所定間隔おきに付設されている。プリント基板20aにおいて、これら電極部30の所定間隔に合わせて突起電極21が形成されている。
【0038】
突起電極21付きプリント基板20に半導体素子29を搭載する場合、図4(a)に示すように、半導体素子29の複数の電極部30と、プリント基板20a上の複数の突起電極21とを位置合わせし、半導体素子29の厚み方向一方から所定の超音波と圧力、場合によりさらに温度を付加させた超音波接合の条件下で、各接合ランド部23上の突起電極21と半導体素子29の電極部30とを接続する。突起電極21において、半導体素子29に臨む厚み方向一方の表面積S3は、半導体素子29の電極部30の表面積S4よりもやや小さく形成されているので、各電極部30と突起電極21とを位置合わせする場合、プリント基板20aの突起電極21に対して、半導体素子29の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、突起電極21の半導体素子29に臨む厚み方向一方の表面積S3が、電極部30の表面積S4よりもやや小さく形成されているので、突起電極21に対する半導体素子29の相対位置の許容範囲が広がるので、半導体素子29の高精度な位置合わせが不要になる。したがって、半導体素子29の実装を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0039】
次に図4(b)に示すように、突起電極21が形成されている部分を除き、接続後の半導体素子29とプリント基板20aとの間にアンダーフィル32を注入する。これによって、プリント基板20aの突起電極21に対し、半導体素子29を強固に接続することができ、良好な接続信頼性を得ることができる。突起電極21と半導体素子29の電極部30とを接続する手法として、たとえば、異方性導電フィルム、異方性導電性ペーストによる熱圧着接続や熱と加圧による固層拡散接続などによる他の手法も適用することができる。また、突起電極21と半導体素子29の電極部30とを接続する前に、突起電極21付きプリント基板20上に、アンダーフィル32を予め塗布しておいてもよい。
【0040】
半導体素子29をプリント基板20aに搭載した後、このプリント基板20aに、電子部品31であるチップ抵抗およびチップコンデンサを搭載する場合、電子部品31をプリント基板20aに接合するための接合材33は、接合ランド部23に溶融接合される上述した第2の導体層部分25の融点よりも低い融点に設定されている。前記接合材33は、導電性接着材および錫を含む合金、具体的にはたとえば、錫とビスマスとの合金、錫とインジウムとの合金、錫と亜鉛との合金などから構成されている。したがって、プリント基板20aに、接合材33を介して、第2の導体層部分25の融点よりも低い融点付近の加熱温度でもって、チップ抵抗およびチップコンデンサを接合する。このように、電子部品31をプリント基板20aに接合するための接合材33は、接合ランド部23に溶融接合される第2の導体層部分25の融点よりも低い融点に設定されているので、プリント基板20aに、半導体素子29を搭載した後、電子部品31を搭載する際、プリント基板20a上に接合した突起電極21の導体層部分25が再溶融せず、安定した接続信頼性を保持することができる。
【0041】
本発明の実施の他の形態として、三層以上の導体層部分が一体的に積層されて成る突起電極を適用することも可能である。銅、ニッケル、または、銅ニッケルなどの合金を用いて第1の導体層部分を構成してもよい。インジウム、銀、錫、ビスマス、亜鉛、または、錫および銀、錫および亜鉛などの合金などを用いて第2の導体層部分を構成してもよい。突起電極形成用基板は、ガラス基板に必ずしも限定されるものではなく、たとえば、石英基板、ポリイミドなどの絶縁基板を用いてもよい。本実施形態においては、円筒形状の突起電極について説明したが、突起電極は、必ずしも円筒形状に限定されるものではなく、円錐形状または多角形状の突起電極を適用可能である。電子部品を接合する接合材は、上述したものの他に、金属粉を含んだ導電性接着剤および錫を含む合金、すなわち、錫−銀系に融点降下元素であるインジウム、ビスマス、亜鉛などを添加した三元系以上の接合材も適用可能である。その他、前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、二層以上の導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合される構成であるので、突起電極を比較的低い加熱温度でもってプリント基板に簡単に接合することができるだけでなく、プリント基板に加熱、加圧によって突起電極を接合する際のダメージを極力小さくすることが可能になり、プリント基板自体の信頼性を確保することができる。また、前記公報に記載の従来のものと比べて製造コストの低減を図ることができる。
【0043】
また本発明によれば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分の厚さを、上述したように大きく形成することによって、突起電極をプリント基板に溶融接合するときの熱応力による突起電極の形状変化を極力防止することができる。それ故、プリント基板上において、隣接する突起電極のピッチを狭くすることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を一層図ることができる。
【0044】
また本発明によれば、プリント基板に溶融接合されている導体層部分と、この導体層部分以外の導体層部分とをそれぞれ上述した金属によって構成することで、フリップチップボンディング法を用いることが可能となり、システムインパッケージの小形化および高密度化を図ることができるとともに、突起電極をプリント基板に簡単に接合することができる突起電極付きプリント基板を容易に実現することができる。
【0045】
また本発明によれば、突起電極をプリント基板に形成する際、プリント基板に対して突起電極の高精度な位置合わせが不要になる。つまり、導体層部分のプリント基板に臨む表面積が、プリント基板の表面積よりも小さく形成されているので、プリント基板に対する前記導体層部分の相対位置の許容範囲が広がる。それ故、突起電極の形成を簡単化することができるとともにタクトタイムを短縮することができる。
【0046】
また本発明によれば、プリント基板に、所定の加熱温度でもって溶融接合された突起電極を介して、ベアチップ半導体素子を搭載した後、プリント基板に接合材を介して電子部品を接合する。接合材の融点は、ベアチップ半導体素子をプリント基板に溶融接合する導体層部分の融点よりも低く設定されているので、電子部品をプリント基板に接合する際、前記所定の加熱温度よりも低い加熱温度に設定することができる。それ故、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができ、安定した接続信頼性を保持することができる。
【0047】
また、本発明によれば、プリント基板に一旦接合された突起電極の導体層が再溶融するのを未然に防止することができる接合材を、容易に実現することができる。
【0048】
また、本発明によれば、突起電極を剥離可能に形成する工程においては、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層する。次工程において、突起電極をプリント基板に転写することができる。したがって、プリント基板に、必要な箇所のみ突起電極を転写によって形成することが可能になる。前記公報に記載の従来技術においては、突起電極をプリント基板に形成する際のメッキプロセスが複雑化し、各金属を析出するため多大な処理時間が必要になるのに対し、突起電極を突起電極形成用基板に設けるプロセスと、プリント基板を形成するプロセスとを並行してまたは略並行して行うことが可能となる。それ故、プリント基板単体でのプロセスを簡単化することができる。
【0049】
また、本発明によれば、突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して突起電極を剥離可能に形成した後、二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合し、その後、突起電極を突起電極形成用基板から剥離することができる。突起電極形成用基板から最も遠い前記最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合するため、プリント基板に突起電極を確実にかつ簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る突起電極付きプリント基板の要部断面図である。
【図2】プリント基板に突起電極を転写する工程を段階的に示す説明図である。
【図3】プリント基板に突起電極を形成する工程を示すフローチャートである。
【図4】突起電極付きプリント基板に半導体素子を搭載する工程を段階的に示す説明図である。
【図5】突起電極付きプリント基板にチップ部品を接合した状態の断面図である。
【図6】従来の突起電極付きプリント基板を製造する方法を段階的に示す説明図である。
【符号の説明】
20 プリント基板
21 突起電極
23 接合ランド部
24 第1の導体層部分
25 第2の導体層部分
26 突起電極形成用基板
29 半導体素子
31 電子部品
Claims (8)
- 突起電極が形成されるプリント基板であって、
突起電極は、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分が一体的に積層されて成り、それら導体層部分のうち、最も低い融点の導体層部分がプリント基板に溶融接合されていることを特徴とする突起電極付きプリント基板。 - 前記二層以上の導体層部分のうち、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分の厚さよりも大きく形成されることを特徴とする請求項1に記載の突起電極付きプリント基板。
- 前記二層以上の導体層部分から成る突起電極は、プリント基板に溶融接合されている導体層部分以外の導体層部分が、金、銅およびニッケルのうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成され、プリント基板に溶融接合されている導体層部分が、インジウム、銀、錫、ビスマスおよび亜鉛のうち少なくともいずれか一つから成る金属、または不可避不純物を含む前記金属によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の突起電極付きプリント基板。
- プリント基板に溶融接合されている導体層部分において、プリント基板に臨む表面積は、プリント基板の表面積よりも小さく形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の突起電極付きプリント基板。
- 前記突起電極を介してベアチップ半導体素子を搭載可能なプリント基板において、
プリント基板に接合材を介して接合する電子部品を含み、接合材の融点は、ベアチップ半導体素子を搭載するための突起電極のプリント基板に溶融接合される導体層部分の融点よりも低く設定されることを特徴とする請求項1に記載の突起電極付きプリント基板。 - 前記接合材は、導電性接着材および錫を含む合金から成ることを特徴とする請求項5に記載の突起電極付プリント基板。
- 突起電極形成用基板に、それぞれ融点の異なる二層以上の導体層部分を一体的に積層して、突起電極形成用基板から剥離可能に、突起電極を形成する工程と、
プリント基板に突起電極を転写する工程とを含むことを特徴とする突起電極付きプリント基板の製造方法。 - プリント基板に突起電極を転写する工程は、
前記二層以上の導体層部分のうち、突起電極形成用基板から最も遠い最表層の導体層部分を溶融してプリント基板側の接合部と接合する段階と、
突起電極を突起電極形成用基板から剥離する段階とを含むことを特徴とする請求項7に記載の突起電極付きプリント基板の製造方法。
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