JP2004342715A - バンプ形成方法及びバンプ形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性の向上、種々の形状のバンプ形成,微小バンプ形成及びバンプピッチの微小化を可能とする。
【解決手段】バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストを帯電させると共にノズル103内で吐出電圧を導電ペーストに印加することにより導電ペーストの液滴を,吐出口の内径が30[μm]以下のノズルを介して基板に吐出する吐出工程と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結させる焼結工程とによりバンプ形成を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストを帯電させると共にノズル103内で吐出電圧を導電ペーストに印加することにより導電ペーストの液滴を,吐出口の内径が30[μm]以下のノズルを介して基板に吐出する吐出工程と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結させる焼結工程とによりバンプ形成を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばダイオード,IC(集積回路装置)等の半導体素子の基板又はプリント回路基板の電極表面上等にバンプを形成するバンプ形成方法及びバンプ形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バンプの形成方法としては、基板の下地電極形成面側にフォトレジスト膜を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるバンプ形成方法では、基板上にフォトレジスト膜を形成すると共に、下地電極位置に穴を形成し、その中にディスペンサにより導電ペーストを充填し、スピンナを高速回転させ、フォトレジスト膜上のペーストを振り切ることにより穴にのみペーストを充填残留させ、プリべークする。さらに、フォトレジスト膜を除去してから導電ペーストを焼結することで基板上にバンプの形成を行っている。
【0003】
また、他のバンプ形成方法としては、スクリーン印刷を用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。かかるバンプ形成方法では、基板の下地電極形成面側にバンプ形成パターンが形成されたマスクが位置決めされ、マスクを介して導電ペーストが印刷され、マスクの除去後に焼結することで下地電極上にバンプの形成を行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−64047号公報(第1―5図)
【0005】
【特許文献2】
特開平6−204229号公報(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の従来例の場合には、ディスペンサを用いるために穴以外のフォトレジスト膜上にもペーストが塗布されてしまうので、スピンナを用いることにより穴以外のペーストを除去する手間がかかるという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の従来例の場合には、バンプ形成にパターニング済みのマスクを必要とすることから予めバンプの形状について制約を受け、その変更や改良には容易に対応することができないという不都合があった。また、マスクを必要とするため、少量生産においては、コスト高となるという問題もあった。
【0008】
また、近年の半導体素子の高密度化により、基板上の下地電極は微小化,高密度化し、これに対応するためにバンプの微小化,高密度化を図る必要性が生じているが、上記各特許文献記載のバンプ形成技術ではさらなる微小化,高密度化を図るのに困難となっていた。
【0009】
本発明は、パンプ形成の迅速化による生産性の向上を図ることを、その目的とする。また、本発明は、種々の形状のバンプ形成を容易に行うことを、さらに他の目的とする。また、少量生産の場合でのコスト低減をさらに他の目的とする。
また、本発明は、バンプのさらなる微小化,高密度化を図ることをまた別の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、吐出口の内径が30[μm]以下のノズルを備え,バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストを帯電させると共にノズル内で吐出電圧を印加することで導電ペーストの液滴を,基板に設けられた基板上に吐出する吐出工程と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結し、液体成分を除去する焼結工程とを備える、という構成を採っている。なお、ノズルの吐出口の内径とはノズルの吐出口の内部直径のことをいう(以下同じ)。
【0011】
上記構成では、吐出工程において、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を逐次行い、所定形状に従って複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
上記構成では、吐出工程において、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を行い、さらに、焼結工程における焼結を行いバンプを形成する。焼結工程における焼結は、バンプの全体形状に従って積み上げられた後に行っても良いし、一回の吐出のたびに行っても良い。また、液滴の焼結は、吐出直後から基板に命中するまでに行っても良いし、基板上で行っても良い。また、焼結は、間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
なお、「基板」とは、ダイオード,IC等の半導体素子の基板及びプリント回路基板を含むものとする。また、「基板上」とは基板の上であれば良く、また、基板上に設けられた下地電極上を含むものとする。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0012】
また、上記吐出工程にあっては、吐出の為のノズルの吐出口の内径を30[μm]以下、好ましくは20[μm]以下、さらに好ましくは8[μm]以下、より好ましくは4[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある(請求項2,3,4記載の発明の構成)。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくとも液滴の吐出を行うことが可能である。例えば、対向電極が存在しない状態で、ノズル先端部に対向させて基板を配置した場合、当該基板が導体である場合には、基板の対向面を規準としてノズル先端部の面対称となる位置に逆極性の鏡像電荷が誘導され、基板が絶縁体である場合には、基板の対向面を規準として基板の誘電率により定まる対称位置に逆極性の映像電荷が誘導される。そして、ノズル先端部に誘起される電荷と鏡像電荷又は映像電荷間での静電力により液滴の飛翔が行われる。
従って、ノズルからの導電ペーストの吐出を阻害していた吐出電圧の高電位化を回避し、低電位で微細ノズルからの吐出を可能とすると共に、微細径ゆえの微細液滴吐出を可能とし、バンプの微細化を図ると共に当該微細化に伴うピッチの微細化を可能とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、一又は二回以上の吐出工程ごとに焼結工程を行う、という構成を採っている。
上記構成では、請求項1,2,3又は4記載の発明と同様の動作が行われると共に、導電ペースト液滴の吐出ごと或いは所定回数の吐出ごとに焼結が行われる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4又は5記載の発明と同様の構成を備えると共に、導電ペーストの微粒子は、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有する、という構成を採っている。
上記構成により、上述したいずれかの一の材料によるバンプが形成される。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結工程では、赤外線,レーザ光及び電子ビームのうちの少なくとも一種の照射により導電ペーストの液滴を加熱する、という構成を採っている。
上記構成により、焼結工程にあっては、導電ペーストの液滴がその吐出経路上或いは基板上で赤外線,レーザ光又は電子ビームのいずれか一つの照射を受けて焼結される。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、微粒子の粒径が100[nm]以下である、という構成を採っている。
上記構成では、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、100[nm]以下の超微少な微粒子単位での吐出が行われる。
なお、「微粒子の粒径」とは、任意の微粒子サンプル100個を電子顕微鏡法により測定した外接円の直径の個数平均値をいうものとする。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出工程を複数回行い、液滴を積み重ねてバンプを形成する、という構成を採っている。
上記構成では、吐出工程において、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、所定形状に従って複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結工程を吐出工程と並行に行う、という構成を採っている。
「焼結工程を吐出工程と並行に行う」とは、吐出工程と焼結工程とが時間的に重なりがある場合をいうものとする。即ち、液滴の吐出から基板上への着弾までに液滴への焼結が開始されても良いし、既に焼結に要する処理が開始された状態の基板に対して吐出が行われても良い。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結工程を吐出工程の直後に行う、という構成を採っている。
上記構成では、液滴の吐出直後から焼結が開始される。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、レジスト膜に,開口部を形成する開口形成工程と、を有し、吐出工程では、液滴を開口部に吐出する、という構成を採っている。
【0021】
上記構成では、請求項1から11のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、基板上には予めフォトレジスト膜が形成され、さらに、バンプ形成位置には開口部が形成される。そして、この開口部を目指して液滴の吐出が行われ、開口部に応じたバンプ形成が行われる。そして、液滴の焼結後、フォトレジスト膜は除去される。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出口の内径が、形成するバンプサイズの1/3以下である、という構成を採っている。
上記構成により、吐出口の内径よりも3倍以上のサイズのバンプが形成される。
なお、「バンプサイズ」とはバンプに外接する円の直径を示すものとする。以下、同じ。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項1から13のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出工程は、形成するバンプの体積の1/10以下の体積の液滴を複数回吐出し、液滴を積み重ねることによりバンプを形成する、という構成を採っている。
上記構成では、吐出工程において、基板上に形成しようとするバンプの体積の10分の1以下の体積の導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0024】
請求項15記載の発明は、請求項1から14のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、形成するバンプのサイズを70[μm]以下とする、という構成を採っている。
【0025】
請求項16記載の発明は、基板を保持する基板保持手段と、バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる帯電させた導電ペーストの液滴を,基板保持手段上の基板に向けて吐出する,吐出口の内径が30[μm]以下のノズルと、ノズル内の導電ペーストに吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段と、基板保持手段上の基板に対するノズルの位置決めを行う位置決め手段と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結する焼結手段とを備える、という構成を採っている。
【0026】
上記構成では、基板保持手段により保持された基板上の所定位置に位置決め手段により吐出位置が位置決めされたノズルから導電ペーストの液滴の吐出が行われる。かかる吐出は、位置決め手段により、逐次吐出位置を替えて行うことで所定形状のパンプとなるように積み上げられる。
また、焼結手段による焼結は、バンプの全体形状に従って積み上げられた後に行っても良いし、一回或いは所定回数の吐出のたびに行っても良い。また、液滴の焼結は、吐出直後から基板に命中するまでに行っても良いし、基板上で行っても良い。また、焼結は液滴の吐出が行われている間で、間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
【0027】
また、上記構成の場合も、請求項1記載の発明と同様にして、吐出の為のノズルを従来にない30[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。従って、ノズル先端部に誘起される電荷と鏡像電荷又は映像電荷間での静電力により液滴の飛翔が行われる。また、ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。
【0028】
なお、請求項1及び16記載の発明では、従来から知られる静電吸引方式の液滴吐出技術において必須とされる対向電極を不要とすることを可能とするが、本発明にあっても、対向電極を併用しても構わない。対向電極を併用することで、ノズル−対向電極間での電界による静電力を飛翔電極の誘導のために併用することも可能となるし、対向電極を接地すれば、帯電した液滴の電荷を対向電極を介して逃がすことができ、電荷の蓄積を低減する効果も得られるので、むしろ併用することが望ましい構成といえる。
【0029】
また、吐出の為のノズルの吐出口の内径を30[μm]以下、好ましくは20[μm]以下、さらに好ましくは8[μm]以下、より好ましくは4[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度をより高めることを可能とする(請求項17,18,19記載の発明の構成)。
【0030】
請求項20記載の発明は、請求項16,17,18又は19記載の発明と同様の構成を備えると共に、液滴吐出手段による一回又は複数回の吐出毎に、液滴を焼結させるように焼結手段を制御するための制御手段を備える、という構成を採っている。
上記構成では、請求項16,17,18又は19記載の発明と同様の動作が行われると共に、導電ペースト液滴の吐出ごと或いは複数回の吐出ごとに焼結が行われる。
【0031】
請求項21記載の発明は、請求項16,17,18,19又は20記載の発明と同様の構成を備えると共に、導電ペーストの微粒子は、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有する、という構成を採っている。
上記構成により、上述したいずれかの一の材料を含有するバンプが形成される。
【0032】
請求項22記載の発明は、請求項16から21のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結手段は、赤外線,レーザ光又は電子ビームいずれか一種の照射を行う、という構成を採っている。
上記構成により、焼結手段により、導電ペーストの液滴がその吐出経路上或いは基板上で赤外線,レーザ光又は電子ビームのいずれか一つの照射を受けて焼結される。
【0033】
請求項23記載の発明は、請求項16から22のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、微粒子の粒径が100[nm]以下である、という構成を採っている。
上記構成では、請求項16から22のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、100[nm]以下の超微少な微粒子単位での吐出が行われる。
【0034】
請求項24記載の発明は、請求項16から23のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出を複数回行い、液滴を積み重ねてバンプを形成するように液滴吐出手段を制御する、という構成を採っている。
上記構成では、吐出手段により、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、所定形状に従って複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0035】
請求項25記載の発明は、請求項16から24のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結手段による液滴の焼結が、液滴吐出手段による吐出と並行に行われるように、焼結手段が制御される、という構成を採っている。
「吐出と並行に行われる」とは、液滴吐出手段による吐出と焼結手段による焼結とが時間的に重なりがある場合をいうものとする。即ち、液滴の吐出から基板上への着弾までに液滴への焼結が開始されても良いし、既に焼結に要する処理が開始された状態の基板に対して吐出が行われても良い。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0036】
請求項26記載の発明は、請求項16から24のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結手段による液滴の焼結が、液滴吐出手段による吐出の直後に行われるように、焼結手段が制御される、という構成を採っている。
上記構成では、液滴の吐出直後から焼結が開始される。
【0037】
請求項27記載の発明は、請求項16から26のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、位置決め手段は、基板上に形成されたレジスト膜の開口部に液滴が吐出されるように、基板に対する液滴吐出手段の位置決めを行う、という構成を採っている。
【0038】
上記構成では、請求項16から26のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、基板上には予めフォトレジスト膜が形成され、さらに、バンプ形成位置には開口部が形成される。そして、この開口部を目指して液滴の吐出が行われ、開口部に応じたバンプ形成が行われる。そして、液滴の焼結後、フォトレジスト膜は除去される。
【0039】
請求項28記載の発明は、請求項16から27のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出口の内径が、形成するバンプサイズの1/3以下である、という構成を採っている。
上記構成により、吐出口の内径よりも3倍以上のサイズのバンプが形成される。
【0040】
請求項29記載の発明は、請求項16から28のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出工程は、形成するバンプの容積の1/10以下の体積の前記液滴を複数回吐出し、液滴を積み重ねることによりバンプを形成する、という構成を採っている。
上記構成では、基板上に形成しようとするバンプの体積の10分の1以下の体積の導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0041】
請求項30記載の発明は、請求項16から29のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、形成するバンプのサイズを70[μm]以下とする、という構成を採っている。
【0042】
さらに、上記各請求項の構成において、
(1)ノズル形状を電気絶縁材で形成するとともにノズル内に電極を挿入し又はメッキ形成することが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し且つノズルの外側に電極を設けることが好ましい。
(1)及び(2)により、上記各請求項による作用効果に加え、吐出力を向上させることができるので、ノズル径をさらに微小化しても、低電圧で液を吐出することができる。
(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、基板の背後に導電性材料または絶縁性材料の平板を配置することが好ましい。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを
【数1】
で表される流域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:液体の表面張力、ε0:真空の誘電率、r:ノズル半径、h:ノズル形状−基材間距離、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、吐出電圧として印加する任意波形電圧が1000[V]以下であることが好ましい。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の構成において、吐出電圧として印加する任意波形電圧が500[V]以下であることが好ましい。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズルの吐出口と基板との距離が500[μm]以下とすることが、ノズル径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、ノズル内の導電流体(導電ペースト)に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9)上記各請求項の構成、上記(1)〜(8)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
【数2】
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:流体の誘電率、σ:導電率とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図8を参照して説明する。図1は本発明の実施形態たるバンプ形成装置10の概略的な全体構成を示す構成図である。
【0044】
(バンプ形成装置の全体構成)
バンプ形成装置10は、下地電極(図示略)が設けられた基板Kを保持する基板保持手段20と、この基板保持手段20上の基板Kに向けて、バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストの液滴を吐出する液滴吐出手段としての吐出ヘッド100と、基板保持手段20上の基板に対する吐出ヘッド100による吐出位置を位置決めする位置決め手段としてのX−Yステージ40と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結する焼結手段としてのレーザ出射手段50とを備えている。
【0045】
(基板保持手段及びX−Yステージ)
上記基板保持手段20は、上部に水平となる基板Kの載置面を有する基板ステージ21とこの基板ステージ21上で基板Kの挟持と解放とを切替可能な挟持手段22とを備えている。
かかる基板保持手段20は、X−Yステージ40の上部に設けられている。このX−Yステージ40は、水平面上で互いに直交するX軸方向とY軸方向とに基板保持手段20を移動位置決めすることが可能である。このX―Yステージ40は、基板Kを吐出ヘッド100に対する所定のバンプ形成作業開始位置に位置決めすると共に、バンプ形成作業時には吐出ヘッド100から逐次吐出される導電ペーストの液滴が下地電極上の所定の位置に命中するように基板保持手段20を介して基板Kの駆動を行う。
【0046】
(レーザ出射手段)
レーザ出射手段50は、レーザ光源とその光学系からなり、基板保持手段20の上方において図示しない装置フレームに支持されると共に、基板保持手段20の保持された基板Kの上面にレーザ光を照射する。そして、かかるレーザ光の照射により基板Kに吐出された導電ペーストの液滴は加熱され、焼結される。なお、かかるレーザ光の照射はバンプ形成作業時において連続的に照射し続けても良いし、導電ペーストの吐出時にのみ間欠的に行っても良い。
【0047】
(導電ペースト)
導電ペーストについては、熱硬化性樹脂と有機溶剤とを含む液体中に微粒子を分散してなる導電ペーストを使用する。なお、微粒子としては、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有するものが使用される。特に、「ナノペースト(NPシリーズ)」(商標:ハリマ化成株式会社)を導電ペーストとして使用すると、より微細なバンプの形成に好適である。
また、導電ペーストに含まれる微粒子は100[nm]以下とすることが望ましく、これにより、微細なバンプ形成を図ることができる。
【0048】
(吐出ヘッド)
図2は、吐出ヘッド100の使用時において底面となる面(基板Kとの対向面)を紙面手前側にして示すとともに吐出ヘッド100を一部破断して示した分解斜視図である。図2に示すように、吐出ヘッド100は、複数の液室101を内部に形成した液室構造体102と、液室構造体102の底部(使用時における底部)に取り付けられ,帯電可能な導電ペーストを液滴としてその先端部から吐出するための超微小径のノズル103をそれぞれの液室101に対応して具備したノズル板104と、を備える。なお、図2における符号Nは吐出ヘッド100における液滴の吐出方向を示すものとし、当該吐出方向Nは図1における上下方向と一致するものとする。
【0049】
液室構造体102について説明する。図3は、液室構造体102の一つの液室101について主に示した吐出方向Nの法面に沿った断面図である。図2に示すように、液室構造体102は、図2における下方に位置する液室側壁体105と、この液室側壁体105の図2における上方に位置するカバープレート110と一体的に接合して構成されている。
液室側壁体105には、一体的に突条に形成された複数の第一液室隔壁106,106,...が互いに平行となるように設けられている。それぞれの第一液室隔壁106には第二液室隔壁107が積み重なっており、第二液室隔壁107は接着剤層108を介して第一液室隔壁106に接着固定されている。これにより、液室側壁体105上においては、第一液室隔壁106及び第二液室隔壁107の一対からなる突条が複数互いに平行に配列していることによって複数の溝が形成されている。そして、カバープレート110が、液室側壁体105に対向するように且つ前記複数の溝を被覆するようにして、第二液室隔壁107,107,...上に接着剤層109を介して接着固定されている。これにより、両側の第一液室隔壁106及び第二液室隔壁107と、液室側壁体105と、カバープレート110とによって区画された液室101が複数形成される。この液室構造体102の底面においては、各液室101の底が開口しており、液室構造体102の底面に後述するノズル板104を接着固定することで各液室101を塞ぐ。ノズル板104には、各液室101に対応してノズル103が形成されている。
【0050】
また、各液室101は、液室側壁体105の上端面111に近いところで浅くなっており、上端面111付近に浅溝118が形成されている。カバープレート110の上部には、液体導入口119、それに接続したマニホールド120が形成されている。そして、各液室101がカバープレート110で覆われることにより、各液室101の上端部がマニホールド120及び液体導入口119を介して導電ペーストを貯蔵したペースト供給源に接続される。この吐出ヘッド100は各液室101への導電ペーストの供給圧力を付与する図示しない供給ポンプを具備しており、この供給ポンプによって付与された圧力によりペースト供給源から各液室101に導電ペーストが供給される。この供給ポンプは、後述するノズル103の先端部から導電ペーストがこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して導電ペーストの供給を行う。
【0051】
液室隔壁106,107の壁面には電極121が設けられており、電極121上に絶縁層125が設けられている。液室側壁体105における液室101の形成面とは反対となる面に取り付けられた駆動基板122には、各液室101に対応した導電パターン123が形成され、その導電パターン123と電極121とはワイヤボンディング法によって導線124で接続されている。
【0052】
ここで、液室側壁体105の液室隔壁106と液室隔壁107はいずれも圧電セラミックプレートで、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)の圧電セラミック材料で形成されており、積層方向でかつ互いに相反する方向(図3矢印参照)に分極されている。液室隔壁106,107は、電極121に電圧が印加されることで変形し、液室101の容積を縮小せしめて内部の導電ペーストに圧力を付与するが、液滴隔壁106,107単独での圧力では、後述するノズル103の先端部から液滴が吐出せずに、ノズル103の先端部から外部に突出した凸状メニスカスが形成されるだけである。つまり、これら各液室隔壁106,各液室隔壁107,各電極121,各導線124及び駆動基板122は、各ノズル103に設けられたノズル内流路145の導電ペーストがノズル103の先端部から凸状に盛り上がった状態を形成する凸状メニスカス形成手段の構成に含まれることになる。
【0053】
次に、ノズル板104について説明する。図4は、ノズル板104の底面図(図1における下方から見た図)であり、図5は、ノズル板104を切断線A−A’で破断して示した断面図である。ノズル板104は、ベースとなる電気絶縁性の基板141と、基板141の表面141aに形成された複数の吐出電極142,142,...と、複数の吐出電極142,142,...を挟んで基板141の表面141a一面に積層されたノズル層143と、を備える。
【0054】
基板141の裏面141bは、上記の液室構造体102の底面に接着剤等を介して固着している。また、基板141には複数の貫通孔141c,141c,...が形成されており、これら貫通孔141c,141c,...はそれぞれ液室101に対応するように配列されており、それぞれの液室101に連通している。つまり、貫通孔141cは、液室101の下部を構成している。
【0055】
吐出電極142,142,...は、それぞれの貫通孔141cに対応するように形成されている。各吐出電極142は対応する貫通孔141cを塞ぐようにして基板141の表面141aに形成されており、底面視した場合に各吐出電極142が対応する貫通孔141cに重なっている。つまり、各吐出電極142は、対応する液室101に面しており、対応する液室101の底面を構成している。
吐出電極142には、貫通孔141cに重なった部分において貫通穴142aが形成されており、この貫通穴142aは対応した液室101に連通している。また、それぞれの吐出電極142には一体的に形成された配線144が接続されており、それぞれの配線144は後述するバイアス電源30に接続されている。図面においては、底面視した場合に吐出電極142がリング状を呈しており、配線144が方状を呈しているが、本発明はこのような形状に限定されるわけではない。
【0056】
ノズル層143には複数のノズル103,103,...が一体的に形成されており、複数のノズル103,103,...が一列になって並んでいる。かかる一列に並んだ各ノズル103は、基板Kに設けられる下地電極の配設ピッチの一般的な規格値と等しい間隔で設けられており、これにより、複数の下地電極に対して同時にバンプ形成を行うことを可能としている。なお、各ノズル103の間隔は、種々の各基板の下地電極の配設ピッチに等しく設定しても良いことはいうまでもない。
【0057】
さらに、各ノズル103は、基板141に対して略直角に立設するように(垂下するように)形成されている。これらノズル103,103,...はそれぞれ液室101に対応するように配列されており、底面視した場合に各ノズル103のノズル孔103aが対応する貫通孔141cに重なっている。
【0058】
各ノズル103にはその先端部からその中心線に沿って貫通するノズル内流路145が形成されており、ノズル内流路145の末端となるノズル孔103aが各ノズル103の先端部に形成されている。ノズル内流路145は、吐出電極142の貫通穴142aを通じて対応する液室101に連通しており、吐出電極142がノズル内流路145に面している。
各液室101に供給された導電ペーストは、貫通孔141c及びノズル内流路145内にも供給され、各液室101及び各ノズル内流路145内において吐出電極142に直接接触する。なお、図面においては、複数のノズル103,103,...が一列になって並んでいるが、二列以上になって並んでいても良いし、マトリクス状に並んでいても良いが、基板Kの各下地電極の配置に一致することが望ましい。
【0059】
これらノズル103,103,...を含めてノズル層143は電気絶縁性を有しており、ノズル内流路145の内面も電気絶縁性を有している。また、これらノズル103,103,...を含めてノズル層143が撥水性を有するか(例えば、ノズル層143がフッ素を含有した樹脂で形成されている。)、ノズル103,103,...の表層に撥水性を有する撥水膜が形成されていることが好ましい(例えば、ノズル103,103、...の表面に金属膜が形成され、更にその金属膜上にその金属と撥水性樹脂との共析メッキによる撥水層が形成されている。)。ここで撥水性とは、ノズル103で吐出する導電ペーストに対してはじく性質である。
【0060】
それぞれのノズル103についてさらに詳説する。ノズル103は、前述の通り、超微小径で形成されている。ノズル103の形状は、先端部に向かうにつれて径が細くなるように先端部で尖鋭に形成されており、限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、ノズル内流路145の内部直径は1[μm]、ノズル103の先端部における外部直径は2[μm]、ノズル103の根元の直径は5[μm]、ノズル103の高さは100[μm]に設定されている。
なお、ノズル103の各寸法は、上記一例に限定されるものではない。特にノズル内径については、後述する電界集中の効果により液滴の吐出を可能とする吐出電圧が1000[V]未満を実現する範囲であって、例えば、ノズル直径30[μm]以下であり、より望ましくは、直径20[μm]以下であって、現行のノズル形成技術により導電ペーストを通す貫通穴を形成することが実現可能な範囲である直径をその下限値とする。また、これらノズル103,103,...の形状は互いに同じであることが望ましいが、異なる形状であっても良い。
【0061】
次に、ノズル板104を駆動するための回路構成について説明する。この吐出ヘッド100は、上記吐出電極142,142,...に個別に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段25(便宜上図4に図示)と、上記ノズル103,103,...に対向する対向面23aと共にその対向面23aで液滴の着弾を受ける基板Kを支持する基板ステージ21内に設けられる対向電極23(図5に図示)と、を備える。
【0062】
吐出電圧印加手段25は、吐出電極142に直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、バイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とするパルス電圧を吐出電極142に印加する吐出電源29と、をそれぞれの吐出電極142に対応して備えている。バイアス電源30及び吐出電源29は全ての吐出電極142,142,...に共通であっても良いが、この場合には吐出電源29はこれら吐出電極142,142,...個別にパルス電圧を印加する。
【0063】
バイアス電源30によるバイアス電圧は、導電ペーストの吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
【0064】
吐出電圧電源29は、導電ペーストの吐出を行う時にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて吐出電極142,142,...個別に印加する。このときの重畳電圧Vは次式の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
【数1】
但し、γ:導電ペーストの表面張力、ε0:真空の誘電率、r:ノズル半径、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
【0065】
対向電極23は、ノズル103,103,...に垂直な対向面23aを備えており、かかる対向面23aは基板ステージ21の載置面上に配置され、基板Kを載置する。ノズル103,103,...の先端部から対向電極23の対向面23aまでの距離は、一例としては100[μm]に設定される。
また、この対向電極23は接地されているため、常時,接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはそれぞれのノズル103の先端部と対向面23aとの間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
【0066】
なお、吐出ヘッド100は、ノズル103,103,...の超微小化によるそれぞれのノズル103,103,...先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル103,103,...と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電した液滴の電荷を対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
【0067】
(実施形態の動作説明)
図1及び図6に基づいて上記バンプ形成装置10の動作説明を行う。図6はバンプ形成の途中過程を示す動作説明図であり、図中の二点鎖線は形成しようとしているバンプBの形状を示している。
バンプBの形成作業においては、まず、基板Kが基板保持手段20に装着されると、吐出ヘッド100の複数のノズル部37がそれぞれ個別に基板Kの各下地電極に向けて吐出が行われるようにX−Yステージ40により基板Kがその初期位置に位置決めされる。
【0068】
そして、基板Kにレーザ出射手段50によるレーザ光の照射が行われた状態で(焼結工程)、各ノズル部37から導電ペーストの液滴が吐出される(吐出工程)。吐出された液滴は基板Kの下地電極に命中すると同時にレーザ光に照射され、加熱により焼結される。このとき、導電ペーストの液滴中に含まれる液状状態を維持する有機溶媒が蒸発し、熱硬化樹脂が硬化を生じると共に金属粒子が焼結することで命中位置に固着する。
【0069】
この導電ペーストの液滴はその滴径がバンプBよりも充分小さく、繰り返し吐出が行われることで積み上げられるようにしてバンプ形成が行われる。即ち、図6に示すように、液滴一つ分の高さで一つの層が形成されると、その上にまた新たな層を積み上げるように形成し、これを繰り返すことで所定の形状のバンプBを形成する。
【0070】
上記吐出工程における吐出ヘッド100の吐出動作を捕捉して詳細に説明する。図7は導電ペーストの吐出動作と導電ペーストに印加される電圧との関係を示す説明図であって、図7(A)は吐出を行わない状態であり、図7(B)は吐出状態を示す。
供給ポンプによって液体導入口119及びマニホールド120を介してそれぞれのノズル103のノズル内流路145には帯電可能な導電ペーストが供給された状態にあり、かかる状態でそれぞれのバイアス電源30によりそれぞれの吐出電極142を介してバイアス電圧が導電ペーストに印加されている。かかる状態で、導電ペーストは帯電すると共に、それぞれのノズル103の先端部において導電ペーストによる凹状に窪んだメニスカスが形成される(図7(A))。
【0071】
そして、ノズル103,103,...のうち液滴を吐出するノズル103については、吐出電圧電源29によりパルス電圧が吐出電極142を介して導電ペーストに印加されるとともに、このパルス電圧に同期して電極121にもパルス電圧が印加される。電極121にパルス電圧が印加されると、液室隔壁106,107が膨張して液室101の容積が減少することなり、これにより液室101内の導電ペーストの圧力が増加する。従って、ノズル103の先端部において外部に突出した凸状のメニスカスが形成される。更に、電極121にパルス電圧が印加されるのとほぼ同時に吐出電極142にもパルス電圧が印加されるから、外部に突出した凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついには導電ペーストの表面張力に抗して微小液滴が対向電極側に吐出される(図7(B))。
【0072】
そして、吐出電極142に印加されるパルス電圧が終了すると共に、電極121に印加されるパルス電圧が終了すると、液室101の容積が増大することでノズル103の先端部において導電ペーストが凹状に窪んだメニスカスが形成されるとともに、液体導入口119及びマニホールド120を介して導電ペーストを吐出したノズル103のノズル内流路145に導電ペーストが供給される。
【0073】
このように、微小ノズル径の液滴吐出手段に、ノズル内で吐出電圧を印加することにより、低電圧で微小な導電ペーストの液滴を吐出することができるので、微細なバンプも形成することが可能である。
【0074】
なお、上記説明では電極121にパルス電圧が印加されることで液室隔壁106,107が膨張して液室101の容積が増大したが、逆に電極121にパルス電圧が印加されることで液室隔壁106,107が収縮して液室101の容積が減少するように動作しても良い。但しこの場合には、吐出の際において吐出電極142にパルス電圧が印加されている時には電極121にパルス電圧が印加されておらず、吐出しない際において吐出電極142にバイアス電圧が印加されている時には電極121にパルス電圧が印加される。
【0075】
上述のように、バンプ形成装置10は、導電ペーストの液滴を吐出する工程とこれを焼結する工程とでバンプ形成を行うことから、各工程の作業自体は単純であり、フォトレジストやマスク等の前準備を不要とし、作業の容易化及び迅速化を図ると共にこれによる生産性の向上を図ることが可能である。また、バンプ形成作業にフォトレジスト等の薬剤を不要とし、作業後の廃棄物の発生を低減することから周囲の環境に及ぼす影響を十分に低減することが可能である。
また、バンプ形成装置10では、導電ペーストの液滴を吐出すると共にこれを焼結することで複数の層を積み上げるようにバンプの形成を行うことができるので、各層ごとの形状に変化を設けることで、例えば、図8(A)〜(C)に示すような種々の形状のバンプBを形成することが可能となる。
【0076】
(その他)
なお、吐出口の内径が、形成するバンプのサイズの1/3以下であることが、平坦や突起付き等の任意の微細で正確な形状のバンプを形成する上では好ましい。特に形成するバンプの容積の1/10以下の体積の液滴を複数回吐出し、液滴を積み重ねることが好ましい。また、形成するバンプのサイズが50[μm]以下であるときに、特に、形成するバンプのサイズの1/3以下とし、液滴の体積をバンプの体積の1/10とすることが好ましい。
【0077】
例えば、バンプが15[μm]×15[μm]の正方形(バンプのサイズが21[μm])、高さ4[μm]の上面は平坦型のバンプを形成する場合、吐出口の内径が2[μm]のノズルにより、1液滴分量(液滴の体積)を4×10−18[m3](4フェムトリットル)とし、液滴を直径2[μm]の球形の液滴と考えると、分散液の揮発分を考慮すると、およそ250滴の液滴を吐出することにより、バンプを形成することができる。
また、上記と同じ大きさのバンプを形成するために、始めは吐出口の内径が4[μm]のノズルで3×3×2=18滴(1滴=33フェムトリットル)積み重ねた後(約600フェムトリットル分)、吐出口の内径が2[μm]のノズルで形を整えるように残りの300フェムトリットル分を積み上げる(分散液の揮発分を考慮して、約100滴程度)ことにより、118液滴で形成可能なため、微細で正確な形状のバンプを形成することが可能である。
【0078】
なお、焼結手段は、上述したレーザ光出射手段に限られず、電子ビームや赤外線を照射することで加熱を行う構成としても良い。レーザ光出射手段、電子ビームや赤外線を照射する手段を用いて焼結させることにより、局所的に加熱可能のため、熱に弱い部分を備えた基板にバンプを形成する場合でも部品を傷めることを抑制することが可能であり、又は基板の熱による変形も抑制可能である。また、基板を裏面側から加熱するヒートステージを設ける構成としても良い。また、各種の光照射手段とヒートステージとを併用しても良い。
【0079】
また、レーザ出射手段50のレーザ光の照射位置については、基板Kの上面を照射する場合に限定されるものではなく、吐出された液滴がレーザ光に照射されればいずれに照射しても良い。例えば、図9に示すように、吐出液滴が通過する途中の領域を照射するようにその向きを設定しても良い。
また、焼結を行うタイミングとしては、液滴が基板K側に着弾してから行っても良いし、予め基板Kを加熱した状態で吐出を行い焼結させても良い。
【0080】
また、位置決め手段は基板Kを移動させるX−Yステージに限らず、吐出ヘッド20を移動位置決めする手段を用いても良い。また、基板を一定の直線に沿った方向についてのみ移動位置決めする手段と、吐出ヘッドをこれと交差する他の直線方向に沿って移動位置決めする手段とから構成しても良い。
【0081】
また、バンプの形成にあっては、予め基板Kの下地電極形成面にフォトレジスト層を設けると共に下地電極位置のみ除去することでバンプ形成の為の除去部を設けるフォトレジスト層形成工程を設けても良い。かかる工程の後にフォトレジスト層の除去部に導電ペーストの液滴を充填を行うことにより、バンプBの形状を有り安定して形成し得る。
【0082】
また、上記実施形態では、基板Kを水平面内(X軸方向とY軸方向)について位置決めを行っているが、さらに上下方向についても位置決め調節可能としても良い。なお、吐出ヘッド100について上下方向に位置決めを行っても良い。
【0083】
また、吐出ヘッド100にあっては、ノズル103にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル103の外周に電極(例えば上述した撥水膜下に形成された金属膜である。)を設けるか、また或いは、ノズル内流路145の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆しても良い。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極142により電圧が印加されている導電ペーストに対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路145の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路145への導電ペーストの供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
【0084】
(好ましいノズルの吐出口の内径の捕捉説明)
上記実施形態で説明する吐出ヘッド100に備わった各ノズルのノズルの吐出口の内径(内部直径)は、30[μm]以下であることが好ましく、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、ノズルの吐出口の内径は、0.2[μm]より大きくすることにより、液滴の飛翔安定性を向上させることができる。
【0085】
ノズルの吐出口の内径がφ20[μm]未満とすることにより電界強度分布を狭くできるので、ノズルと対向電極の距離の自由度を増すことができる。
ノズルの吐出口の内径がφ8[μm]以下であれば、対向電極の位置精度及び基板K(特に、下地電極)の材料特性のバラ付きや厚さのバラツキの影響を受けずに安定した吐出が可能となる。
【0086】
さらに、ノズルの吐出口の内径がφ4[μm]以下になると、導電ペーストの初期吐出速度を大きくすることができるので、液滴の飛翔安定性が増すと共に、メニスカス部での電荷の移動速度が増すために吐出応答性が向上する。
【0087】
また、ノズルの吐出口の内径がφ4[μm]以下の範囲において、液滴の吐出効率を向上させることができ、該範囲において安定した吐出が行える。
【0088】
[液体吐出装置の理論説明]
本発明では、静電吸引型流体ジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、
【数3】
即ち、
【数4】
或いは
【数5】
という従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微細液滴を形成することができる。
【0089】
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した吐出ヘッド100に適用可能である。
いま、半径rのノズルに流体を注入し、基板Kとしての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図10に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
【数6】
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷、ε0:真空の誘電率、ε:基板の誘電率、h:ノズル−基板間距離、r:ノズル内径の半径、V:ノズルに印加する電圧である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にr<<hのときほぼ1程度となる。
【0090】
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける電界強度Eloc.は、先端部の曲率半径をRと仮定すると、
【数7】
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A.Smith, Surface Science, 23 (1970) 198−210)。
【0091】
今簡単のため、r=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で流体(導電ペースト)がノズルの吐出口の内径rと同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をSとすると、
【数8】
(6)、(7)、(8)式よりα=1とおいて、
【数9】
と表される。
【0092】
一方、ノズル先端部に於ける液体(導電ペースト)の表面張力をPsとすると、
【数10】
ここで、γ:表面張力、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
【数11】
となる。十分に小さいノズルの吐出口の内径rをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとrの関係を求めると、
【数12】
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(5)および式(12)より、
【数13】
が、本発明の動作電圧となる。
【0093】
ある半径rのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図11に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズルの吐出口の内径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微小ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
【0094】
静電吸引による吐出は、ノズル端部における流体(導電ペースト)の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
【数14】
ここで、ε:流体の比誘電率、σ:流体の導電率である。流体の比誘電率を10、導電率を10−6 S/m を仮定すると、τ=1.854×10−5secとなる。あるいは、臨界周波数をfcとすると、
【数15】
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 kHz程度となる。このとき、ノズル半径2μm、電圧500V弱の場合、Gは10−13m3/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl:10−15 l)程度を達成できる。
【0095】
なお、各上記本実施の形態においては、図10に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される鏡像力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にしたり、これら基板または基板支持体に電圧を印加する必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基板Kとの距離は、500[μm]以下に保つことにより、流体の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基板Kに対し一定に保つようにする。
また、基板Kを、導電性または絶縁性の基板Kホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
【0096】
図12は、前述したの吐出ヘッド100の他の基本例の一例としての液体吐出装置の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内流体3との間に制御された電圧が引加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、その厚さが1μm、ノズル内径が2μm、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが流体のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
【0097】
前述した図11は、本発明における吐出開始電圧のノズルの吐出口の内径依存性を示したものである。液体吐出装置として、図2に示した吐出ヘッド100に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、流体吐出の条件は、ノズル基板間距離(L)、印加電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
【0098】
この様子を図12を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズルの吐出口の内径、流体の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル基板間距離(L)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル基板間距離Lを極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。そのため良好な吐出特性を得るためには、ノズル基板間距離は100μm程度以下に抑えることが吐出特性並びに、着弾精度の両面から望ましい。
【0099】
【発明の効果】
本発明は、導電ペースト液滴を液滴吐出手段により吐出し、焼結することでバンプ形成が行われるので、バンプ形成を容易且つ迅速に行うことができ、その生産性の向上を図ることが可能となる。また、パターニングされたマスクを不要とできるので、少量生産下でもコストを低減することできる。さらに、液滴吐出手段と基板との相対的に位置関係を調節することで種々の形状のバンプ形成を容易に行うことが可能となる。さらに、液滴の積み上げ作業によりバンプ形成を行えば、種々の形状のバンプ形成が可能となる。
【0100】
また、本発明は、ノズルの吐出口を30[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めると共にその際に誘導される基板側の鏡像電荷或いは映像電荷までの間に生じる電界の静電力により液滴の飛翔を行っている。このため、従来の静電吸引方式の原理では吐出電圧が過度に高電位となるためにその採用が困難とされていた吐出口30[μm]以下のノズルでの液滴の吐出が低電位で行うことが可能となり、これにより微細な液滴を吐出することが可能となった。これにより、より微細なバンプ形成が可能となると共に、バンプの微細化に伴うバンプピッチの縮小化も可能となった。
【0101】
また、ノズルの吐出口を形成するバンプサイズの1/3以下とするか、吐出する液滴をバンプ体積の1/10以下とするか、又は、形成するバンプサイズを70[μm]以下とすることにより、平坦や突起付き等の任意の微細で正確な形状のバンプを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態たるバンプ形成装置の概略的な全体構成を示す構成図である。
【図2】吐出ヘッドの底面を紙面手前側にして示すとともに吐出ヘッドを一部破断して示した分解斜視図である。
【図3】液室構造体の一つの液室について主に示した吐出方向の法面に沿った断面図である。
【図4】図2に示された吐出ヘッドを示した底面図である。
【図5】図4に示された切断線A−A’で破断して示した断面図である。
【図6】バンプ形成の途中過程を示す動作説明図である。
【図7】導電ペーストの吐出動作と導電ペーストに印加される電圧との関係を示す説明図であって、図7(A)は吐出を行わない状態であり、図7(B)は吐出状態を示す。
【図8】図8(A)〜(C)は種々の形状のバンプを例を示す説明図である。
【図9】レーザ出射手段の照射位置の他の例を示す説明図である。
【図10】吐出ヘッドの基本例として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。
【図11】ノズルのノズル径とメニスカス部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。
【図12】吐出ヘッドの他の基本例としての液体吐出機構の側面断面図を示したものである。
【図13】吐出ヘッドにおける距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
【符号の説明】
10 バンプ形成装置
20 基板保持手段
30 吐出ヘッド(液滴吐出手段)
40 X−Yステージ(位置決め手段)
50 レーザ出射手段(焼結手段)
103 ノズル
B バンプ
K 基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばダイオード,IC(集積回路装置)等の半導体素子の基板又はプリント回路基板の電極表面上等にバンプを形成するバンプ形成方法及びバンプ形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バンプの形成方法としては、基板の下地電極形成面側にフォトレジスト膜を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるバンプ形成方法では、基板上にフォトレジスト膜を形成すると共に、下地電極位置に穴を形成し、その中にディスペンサにより導電ペーストを充填し、スピンナを高速回転させ、フォトレジスト膜上のペーストを振り切ることにより穴にのみペーストを充填残留させ、プリべークする。さらに、フォトレジスト膜を除去してから導電ペーストを焼結することで基板上にバンプの形成を行っている。
【0003】
また、他のバンプ形成方法としては、スクリーン印刷を用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。かかるバンプ形成方法では、基板の下地電極形成面側にバンプ形成パターンが形成されたマスクが位置決めされ、マスクを介して導電ペーストが印刷され、マスクの除去後に焼結することで下地電極上にバンプの形成を行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−64047号公報(第1―5図)
【0005】
【特許文献2】
特開平6−204229号公報(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の従来例の場合には、ディスペンサを用いるために穴以外のフォトレジスト膜上にもペーストが塗布されてしまうので、スピンナを用いることにより穴以外のペーストを除去する手間がかかるという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の従来例の場合には、バンプ形成にパターニング済みのマスクを必要とすることから予めバンプの形状について制約を受け、その変更や改良には容易に対応することができないという不都合があった。また、マスクを必要とするため、少量生産においては、コスト高となるという問題もあった。
【0008】
また、近年の半導体素子の高密度化により、基板上の下地電極は微小化,高密度化し、これに対応するためにバンプの微小化,高密度化を図る必要性が生じているが、上記各特許文献記載のバンプ形成技術ではさらなる微小化,高密度化を図るのに困難となっていた。
【0009】
本発明は、パンプ形成の迅速化による生産性の向上を図ることを、その目的とする。また、本発明は、種々の形状のバンプ形成を容易に行うことを、さらに他の目的とする。また、少量生産の場合でのコスト低減をさらに他の目的とする。
また、本発明は、バンプのさらなる微小化,高密度化を図ることをまた別の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、吐出口の内径が30[μm]以下のノズルを備え,バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストを帯電させると共にノズル内で吐出電圧を印加することで導電ペーストの液滴を,基板に設けられた基板上に吐出する吐出工程と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結し、液体成分を除去する焼結工程とを備える、という構成を採っている。なお、ノズルの吐出口の内径とはノズルの吐出口の内部直径のことをいう(以下同じ)。
【0011】
上記構成では、吐出工程において、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を逐次行い、所定形状に従って複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
上記構成では、吐出工程において、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を行い、さらに、焼結工程における焼結を行いバンプを形成する。焼結工程における焼結は、バンプの全体形状に従って積み上げられた後に行っても良いし、一回の吐出のたびに行っても良い。また、液滴の焼結は、吐出直後から基板に命中するまでに行っても良いし、基板上で行っても良い。また、焼結は、間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
なお、「基板」とは、ダイオード,IC等の半導体素子の基板及びプリント回路基板を含むものとする。また、「基板上」とは基板の上であれば良く、また、基板上に設けられた下地電極上を含むものとする。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0012】
また、上記吐出工程にあっては、吐出の為のノズルの吐出口の内径を30[μm]以下、好ましくは20[μm]以下、さらに好ましくは8[μm]以下、より好ましくは4[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある(請求項2,3,4記載の発明の構成)。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくとも液滴の吐出を行うことが可能である。例えば、対向電極が存在しない状態で、ノズル先端部に対向させて基板を配置した場合、当該基板が導体である場合には、基板の対向面を規準としてノズル先端部の面対称となる位置に逆極性の鏡像電荷が誘導され、基板が絶縁体である場合には、基板の対向面を規準として基板の誘電率により定まる対称位置に逆極性の映像電荷が誘導される。そして、ノズル先端部に誘起される電荷と鏡像電荷又は映像電荷間での静電力により液滴の飛翔が行われる。
従って、ノズルからの導電ペーストの吐出を阻害していた吐出電圧の高電位化を回避し、低電位で微細ノズルからの吐出を可能とすると共に、微細径ゆえの微細液滴吐出を可能とし、バンプの微細化を図ると共に当該微細化に伴うピッチの微細化を可能とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、一又は二回以上の吐出工程ごとに焼結工程を行う、という構成を採っている。
上記構成では、請求項1,2,3又は4記載の発明と同様の動作が行われると共に、導電ペースト液滴の吐出ごと或いは所定回数の吐出ごとに焼結が行われる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4又は5記載の発明と同様の構成を備えると共に、導電ペーストの微粒子は、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有する、という構成を採っている。
上記構成により、上述したいずれかの一の材料によるバンプが形成される。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結工程では、赤外線,レーザ光及び電子ビームのうちの少なくとも一種の照射により導電ペーストの液滴を加熱する、という構成を採っている。
上記構成により、焼結工程にあっては、導電ペーストの液滴がその吐出経路上或いは基板上で赤外線,レーザ光又は電子ビームのいずれか一つの照射を受けて焼結される。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、微粒子の粒径が100[nm]以下である、という構成を採っている。
上記構成では、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、100[nm]以下の超微少な微粒子単位での吐出が行われる。
なお、「微粒子の粒径」とは、任意の微粒子サンプル100個を電子顕微鏡法により測定した外接円の直径の個数平均値をいうものとする。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出工程を複数回行い、液滴を積み重ねてバンプを形成する、という構成を採っている。
上記構成では、吐出工程において、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、所定形状に従って複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結工程を吐出工程と並行に行う、という構成を採っている。
「焼結工程を吐出工程と並行に行う」とは、吐出工程と焼結工程とが時間的に重なりがある場合をいうものとする。即ち、液滴の吐出から基板上への着弾までに液滴への焼結が開始されても良いし、既に焼結に要する処理が開始された状態の基板に対して吐出が行われても良い。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結工程を吐出工程の直後に行う、という構成を採っている。
上記構成では、液滴の吐出直後から焼結が開始される。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、レジスト膜に,開口部を形成する開口形成工程と、を有し、吐出工程では、液滴を開口部に吐出する、という構成を採っている。
【0021】
上記構成では、請求項1から11のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、基板上には予めフォトレジスト膜が形成され、さらに、バンプ形成位置には開口部が形成される。そして、この開口部を目指して液滴の吐出が行われ、開口部に応じたバンプ形成が行われる。そして、液滴の焼結後、フォトレジスト膜は除去される。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出口の内径が、形成するバンプサイズの1/3以下である、という構成を採っている。
上記構成により、吐出口の内径よりも3倍以上のサイズのバンプが形成される。
なお、「バンプサイズ」とはバンプに外接する円の直径を示すものとする。以下、同じ。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項1から13のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出工程は、形成するバンプの体積の1/10以下の体積の液滴を複数回吐出し、液滴を積み重ねることによりバンプを形成する、という構成を採っている。
上記構成では、吐出工程において、基板上に形成しようとするバンプの体積の10分の1以下の体積の導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0024】
請求項15記載の発明は、請求項1から14のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、形成するバンプのサイズを70[μm]以下とする、という構成を採っている。
【0025】
請求項16記載の発明は、基板を保持する基板保持手段と、バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる帯電させた導電ペーストの液滴を,基板保持手段上の基板に向けて吐出する,吐出口の内径が30[μm]以下のノズルと、ノズル内の導電ペーストに吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段と、基板保持手段上の基板に対するノズルの位置決めを行う位置決め手段と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結する焼結手段とを備える、という構成を採っている。
【0026】
上記構成では、基板保持手段により保持された基板上の所定位置に位置決め手段により吐出位置が位置決めされたノズルから導電ペーストの液滴の吐出が行われる。かかる吐出は、位置決め手段により、逐次吐出位置を替えて行うことで所定形状のパンプとなるように積み上げられる。
また、焼結手段による焼結は、バンプの全体形状に従って積み上げられた後に行っても良いし、一回或いは所定回数の吐出のたびに行っても良い。また、液滴の焼結は、吐出直後から基板に命中するまでに行っても良いし、基板上で行っても良い。また、焼結は液滴の吐出が行われている間で、間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
【0027】
また、上記構成の場合も、請求項1記載の発明と同様にして、吐出の為のノズルを従来にない30[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。従って、ノズル先端部に誘起される電荷と鏡像電荷又は映像電荷間での静電力により液滴の飛翔が行われる。また、ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。
【0028】
なお、請求項1及び16記載の発明では、従来から知られる静電吸引方式の液滴吐出技術において必須とされる対向電極を不要とすることを可能とするが、本発明にあっても、対向電極を併用しても構わない。対向電極を併用することで、ノズル−対向電極間での電界による静電力を飛翔電極の誘導のために併用することも可能となるし、対向電極を接地すれば、帯電した液滴の電荷を対向電極を介して逃がすことができ、電荷の蓄積を低減する効果も得られるので、むしろ併用することが望ましい構成といえる。
【0029】
また、吐出の為のノズルの吐出口の内径を30[μm]以下、好ましくは20[μm]以下、さらに好ましくは8[μm]以下、より好ましくは4[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度をより高めることを可能とする(請求項17,18,19記載の発明の構成)。
【0030】
請求項20記載の発明は、請求項16,17,18又は19記載の発明と同様の構成を備えると共に、液滴吐出手段による一回又は複数回の吐出毎に、液滴を焼結させるように焼結手段を制御するための制御手段を備える、という構成を採っている。
上記構成では、請求項16,17,18又は19記載の発明と同様の動作が行われると共に、導電ペースト液滴の吐出ごと或いは複数回の吐出ごとに焼結が行われる。
【0031】
請求項21記載の発明は、請求項16,17,18,19又は20記載の発明と同様の構成を備えると共に、導電ペーストの微粒子は、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有する、という構成を採っている。
上記構成により、上述したいずれかの一の材料を含有するバンプが形成される。
【0032】
請求項22記載の発明は、請求項16から21のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結手段は、赤外線,レーザ光又は電子ビームいずれか一種の照射を行う、という構成を採っている。
上記構成により、焼結手段により、導電ペーストの液滴がその吐出経路上或いは基板上で赤外線,レーザ光又は電子ビームのいずれか一つの照射を受けて焼結される。
【0033】
請求項23記載の発明は、請求項16から22のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、微粒子の粒径が100[nm]以下である、という構成を採っている。
上記構成では、請求項16から22のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、100[nm]以下の超微少な微粒子単位での吐出が行われる。
【0034】
請求項24記載の発明は、請求項16から23のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出を複数回行い、液滴を積み重ねてバンプを形成するように液滴吐出手段を制御する、という構成を採っている。
上記構成では、吐出手段により、基板上に導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、所定形状に従って複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0035】
請求項25記載の発明は、請求項16から24のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結手段による液滴の焼結が、液滴吐出手段による吐出と並行に行われるように、焼結手段が制御される、という構成を採っている。
「吐出と並行に行われる」とは、液滴吐出手段による吐出と焼結手段による焼結とが時間的に重なりがある場合をいうものとする。即ち、液滴の吐出から基板上への着弾までに液滴への焼結が開始されても良いし、既に焼結に要する処理が開始された状態の基板に対して吐出が行われても良い。特に限定して説明する場合を除き、本明細書の記載全体(他の請求項記載の発明も含む)において同様とする。
【0036】
請求項26記載の発明は、請求項16から24のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、焼結手段による液滴の焼結が、液滴吐出手段による吐出の直後に行われるように、焼結手段が制御される、という構成を採っている。
上記構成では、液滴の吐出直後から焼結が開始される。
【0037】
請求項27記載の発明は、請求項16から26のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、位置決め手段は、基板上に形成されたレジスト膜の開口部に液滴が吐出されるように、基板に対する液滴吐出手段の位置決めを行う、という構成を採っている。
【0038】
上記構成では、請求項16から26のいずれか一項に記載の発明と同様の動作が行われると共に、基板上には予めフォトレジスト膜が形成され、さらに、バンプ形成位置には開口部が形成される。そして、この開口部を目指して液滴の吐出が行われ、開口部に応じたバンプ形成が行われる。そして、液滴の焼結後、フォトレジスト膜は除去される。
【0039】
請求項28記載の発明は、請求項16から27のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出口の内径が、形成するバンプサイズの1/3以下である、という構成を採っている。
上記構成により、吐出口の内径よりも3倍以上のサイズのバンプが形成される。
【0040】
請求項29記載の発明は、請求項16から28のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出工程は、形成するバンプの容積の1/10以下の体積の前記液滴を複数回吐出し、液滴を積み重ねることによりバンプを形成する、という構成を採っている。
上記構成では、基板上に形成しようとするバンプの体積の10分の1以下の体積の導電ペーストの液滴の吐出を複数回行い、複数の液滴を積み上げることでバンプを形成する。
【0041】
請求項30記載の発明は、請求項16から29のいずれか一項記載の発明と同様の構成を備えると共に、形成するバンプのサイズを70[μm]以下とする、という構成を採っている。
【0042】
さらに、上記各請求項の構成において、
(1)ノズル形状を電気絶縁材で形成するとともにノズル内に電極を挿入し又はメッキ形成することが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し且つノズルの外側に電極を設けることが好ましい。
(1)及び(2)により、上記各請求項による作用効果に加え、吐出力を向上させることができるので、ノズル径をさらに微小化しても、低電圧で液を吐出することができる。
(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、基板の背後に導電性材料または絶縁性材料の平板を配置することが好ましい。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを
【数1】
で表される流域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:液体の表面張力、ε0:真空の誘電率、r:ノズル半径、h:ノズル形状−基材間距離、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、吐出電圧として印加する任意波形電圧が1000[V]以下であることが好ましい。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の構成において、吐出電圧として印加する任意波形電圧が500[V]以下であることが好ましい。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズルの吐出口と基板との距離が500[μm]以下とすることが、ノズル径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、ノズル内の導電流体(導電ペースト)に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9)上記各請求項の構成、上記(1)〜(8)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
【数2】
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:流体の誘電率、σ:導電率とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図8を参照して説明する。図1は本発明の実施形態たるバンプ形成装置10の概略的な全体構成を示す構成図である。
【0044】
(バンプ形成装置の全体構成)
バンプ形成装置10は、下地電極(図示略)が設けられた基板Kを保持する基板保持手段20と、この基板保持手段20上の基板Kに向けて、バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストの液滴を吐出する液滴吐出手段としての吐出ヘッド100と、基板保持手段20上の基板に対する吐出ヘッド100による吐出位置を位置決めする位置決め手段としてのX−Yステージ40と、吐出された導電ペーストの液滴を焼結する焼結手段としてのレーザ出射手段50とを備えている。
【0045】
(基板保持手段及びX−Yステージ)
上記基板保持手段20は、上部に水平となる基板Kの載置面を有する基板ステージ21とこの基板ステージ21上で基板Kの挟持と解放とを切替可能な挟持手段22とを備えている。
かかる基板保持手段20は、X−Yステージ40の上部に設けられている。このX−Yステージ40は、水平面上で互いに直交するX軸方向とY軸方向とに基板保持手段20を移動位置決めすることが可能である。このX―Yステージ40は、基板Kを吐出ヘッド100に対する所定のバンプ形成作業開始位置に位置決めすると共に、バンプ形成作業時には吐出ヘッド100から逐次吐出される導電ペーストの液滴が下地電極上の所定の位置に命中するように基板保持手段20を介して基板Kの駆動を行う。
【0046】
(レーザ出射手段)
レーザ出射手段50は、レーザ光源とその光学系からなり、基板保持手段20の上方において図示しない装置フレームに支持されると共に、基板保持手段20の保持された基板Kの上面にレーザ光を照射する。そして、かかるレーザ光の照射により基板Kに吐出された導電ペーストの液滴は加熱され、焼結される。なお、かかるレーザ光の照射はバンプ形成作業時において連続的に照射し続けても良いし、導電ペーストの吐出時にのみ間欠的に行っても良い。
【0047】
(導電ペースト)
導電ペーストについては、熱硬化性樹脂と有機溶剤とを含む液体中に微粒子を分散してなる導電ペーストを使用する。なお、微粒子としては、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有するものが使用される。特に、「ナノペースト(NPシリーズ)」(商標:ハリマ化成株式会社)を導電ペーストとして使用すると、より微細なバンプの形成に好適である。
また、導電ペーストに含まれる微粒子は100[nm]以下とすることが望ましく、これにより、微細なバンプ形成を図ることができる。
【0048】
(吐出ヘッド)
図2は、吐出ヘッド100の使用時において底面となる面(基板Kとの対向面)を紙面手前側にして示すとともに吐出ヘッド100を一部破断して示した分解斜視図である。図2に示すように、吐出ヘッド100は、複数の液室101を内部に形成した液室構造体102と、液室構造体102の底部(使用時における底部)に取り付けられ,帯電可能な導電ペーストを液滴としてその先端部から吐出するための超微小径のノズル103をそれぞれの液室101に対応して具備したノズル板104と、を備える。なお、図2における符号Nは吐出ヘッド100における液滴の吐出方向を示すものとし、当該吐出方向Nは図1における上下方向と一致するものとする。
【0049】
液室構造体102について説明する。図3は、液室構造体102の一つの液室101について主に示した吐出方向Nの法面に沿った断面図である。図2に示すように、液室構造体102は、図2における下方に位置する液室側壁体105と、この液室側壁体105の図2における上方に位置するカバープレート110と一体的に接合して構成されている。
液室側壁体105には、一体的に突条に形成された複数の第一液室隔壁106,106,...が互いに平行となるように設けられている。それぞれの第一液室隔壁106には第二液室隔壁107が積み重なっており、第二液室隔壁107は接着剤層108を介して第一液室隔壁106に接着固定されている。これにより、液室側壁体105上においては、第一液室隔壁106及び第二液室隔壁107の一対からなる突条が複数互いに平行に配列していることによって複数の溝が形成されている。そして、カバープレート110が、液室側壁体105に対向するように且つ前記複数の溝を被覆するようにして、第二液室隔壁107,107,...上に接着剤層109を介して接着固定されている。これにより、両側の第一液室隔壁106及び第二液室隔壁107と、液室側壁体105と、カバープレート110とによって区画された液室101が複数形成される。この液室構造体102の底面においては、各液室101の底が開口しており、液室構造体102の底面に後述するノズル板104を接着固定することで各液室101を塞ぐ。ノズル板104には、各液室101に対応してノズル103が形成されている。
【0050】
また、各液室101は、液室側壁体105の上端面111に近いところで浅くなっており、上端面111付近に浅溝118が形成されている。カバープレート110の上部には、液体導入口119、それに接続したマニホールド120が形成されている。そして、各液室101がカバープレート110で覆われることにより、各液室101の上端部がマニホールド120及び液体導入口119を介して導電ペーストを貯蔵したペースト供給源に接続される。この吐出ヘッド100は各液室101への導電ペーストの供給圧力を付与する図示しない供給ポンプを具備しており、この供給ポンプによって付与された圧力によりペースト供給源から各液室101に導電ペーストが供給される。この供給ポンプは、後述するノズル103の先端部から導電ペーストがこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して導電ペーストの供給を行う。
【0051】
液室隔壁106,107の壁面には電極121が設けられており、電極121上に絶縁層125が設けられている。液室側壁体105における液室101の形成面とは反対となる面に取り付けられた駆動基板122には、各液室101に対応した導電パターン123が形成され、その導電パターン123と電極121とはワイヤボンディング法によって導線124で接続されている。
【0052】
ここで、液室側壁体105の液室隔壁106と液室隔壁107はいずれも圧電セラミックプレートで、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)の圧電セラミック材料で形成されており、積層方向でかつ互いに相反する方向(図3矢印参照)に分極されている。液室隔壁106,107は、電極121に電圧が印加されることで変形し、液室101の容積を縮小せしめて内部の導電ペーストに圧力を付与するが、液滴隔壁106,107単独での圧力では、後述するノズル103の先端部から液滴が吐出せずに、ノズル103の先端部から外部に突出した凸状メニスカスが形成されるだけである。つまり、これら各液室隔壁106,各液室隔壁107,各電極121,各導線124及び駆動基板122は、各ノズル103に設けられたノズル内流路145の導電ペーストがノズル103の先端部から凸状に盛り上がった状態を形成する凸状メニスカス形成手段の構成に含まれることになる。
【0053】
次に、ノズル板104について説明する。図4は、ノズル板104の底面図(図1における下方から見た図)であり、図5は、ノズル板104を切断線A−A’で破断して示した断面図である。ノズル板104は、ベースとなる電気絶縁性の基板141と、基板141の表面141aに形成された複数の吐出電極142,142,...と、複数の吐出電極142,142,...を挟んで基板141の表面141a一面に積層されたノズル層143と、を備える。
【0054】
基板141の裏面141bは、上記の液室構造体102の底面に接着剤等を介して固着している。また、基板141には複数の貫通孔141c,141c,...が形成されており、これら貫通孔141c,141c,...はそれぞれ液室101に対応するように配列されており、それぞれの液室101に連通している。つまり、貫通孔141cは、液室101の下部を構成している。
【0055】
吐出電極142,142,...は、それぞれの貫通孔141cに対応するように形成されている。各吐出電極142は対応する貫通孔141cを塞ぐようにして基板141の表面141aに形成されており、底面視した場合に各吐出電極142が対応する貫通孔141cに重なっている。つまり、各吐出電極142は、対応する液室101に面しており、対応する液室101の底面を構成している。
吐出電極142には、貫通孔141cに重なった部分において貫通穴142aが形成されており、この貫通穴142aは対応した液室101に連通している。また、それぞれの吐出電極142には一体的に形成された配線144が接続されており、それぞれの配線144は後述するバイアス電源30に接続されている。図面においては、底面視した場合に吐出電極142がリング状を呈しており、配線144が方状を呈しているが、本発明はこのような形状に限定されるわけではない。
【0056】
ノズル層143には複数のノズル103,103,...が一体的に形成されており、複数のノズル103,103,...が一列になって並んでいる。かかる一列に並んだ各ノズル103は、基板Kに設けられる下地電極の配設ピッチの一般的な規格値と等しい間隔で設けられており、これにより、複数の下地電極に対して同時にバンプ形成を行うことを可能としている。なお、各ノズル103の間隔は、種々の各基板の下地電極の配設ピッチに等しく設定しても良いことはいうまでもない。
【0057】
さらに、各ノズル103は、基板141に対して略直角に立設するように(垂下するように)形成されている。これらノズル103,103,...はそれぞれ液室101に対応するように配列されており、底面視した場合に各ノズル103のノズル孔103aが対応する貫通孔141cに重なっている。
【0058】
各ノズル103にはその先端部からその中心線に沿って貫通するノズル内流路145が形成されており、ノズル内流路145の末端となるノズル孔103aが各ノズル103の先端部に形成されている。ノズル内流路145は、吐出電極142の貫通穴142aを通じて対応する液室101に連通しており、吐出電極142がノズル内流路145に面している。
各液室101に供給された導電ペーストは、貫通孔141c及びノズル内流路145内にも供給され、各液室101及び各ノズル内流路145内において吐出電極142に直接接触する。なお、図面においては、複数のノズル103,103,...が一列になって並んでいるが、二列以上になって並んでいても良いし、マトリクス状に並んでいても良いが、基板Kの各下地電極の配置に一致することが望ましい。
【0059】
これらノズル103,103,...を含めてノズル層143は電気絶縁性を有しており、ノズル内流路145の内面も電気絶縁性を有している。また、これらノズル103,103,...を含めてノズル層143が撥水性を有するか(例えば、ノズル層143がフッ素を含有した樹脂で形成されている。)、ノズル103,103,...の表層に撥水性を有する撥水膜が形成されていることが好ましい(例えば、ノズル103,103、...の表面に金属膜が形成され、更にその金属膜上にその金属と撥水性樹脂との共析メッキによる撥水層が形成されている。)。ここで撥水性とは、ノズル103で吐出する導電ペーストに対してはじく性質である。
【0060】
それぞれのノズル103についてさらに詳説する。ノズル103は、前述の通り、超微小径で形成されている。ノズル103の形状は、先端部に向かうにつれて径が細くなるように先端部で尖鋭に形成されており、限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、ノズル内流路145の内部直径は1[μm]、ノズル103の先端部における外部直径は2[μm]、ノズル103の根元の直径は5[μm]、ノズル103の高さは100[μm]に設定されている。
なお、ノズル103の各寸法は、上記一例に限定されるものではない。特にノズル内径については、後述する電界集中の効果により液滴の吐出を可能とする吐出電圧が1000[V]未満を実現する範囲であって、例えば、ノズル直径30[μm]以下であり、より望ましくは、直径20[μm]以下であって、現行のノズル形成技術により導電ペーストを通す貫通穴を形成することが実現可能な範囲である直径をその下限値とする。また、これらノズル103,103,...の形状は互いに同じであることが望ましいが、異なる形状であっても良い。
【0061】
次に、ノズル板104を駆動するための回路構成について説明する。この吐出ヘッド100は、上記吐出電極142,142,...に個別に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段25(便宜上図4に図示)と、上記ノズル103,103,...に対向する対向面23aと共にその対向面23aで液滴の着弾を受ける基板Kを支持する基板ステージ21内に設けられる対向電極23(図5に図示)と、を備える。
【0062】
吐出電圧印加手段25は、吐出電極142に直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、バイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とするパルス電圧を吐出電極142に印加する吐出電源29と、をそれぞれの吐出電極142に対応して備えている。バイアス電源30及び吐出電源29は全ての吐出電極142,142,...に共通であっても良いが、この場合には吐出電源29はこれら吐出電極142,142,...個別にパルス電圧を印加する。
【0063】
バイアス電源30によるバイアス電圧は、導電ペーストの吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
【0064】
吐出電圧電源29は、導電ペーストの吐出を行う時にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて吐出電極142,142,...個別に印加する。このときの重畳電圧Vは次式の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
【数1】
但し、γ:導電ペーストの表面張力、ε0:真空の誘電率、r:ノズル半径、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
【0065】
対向電極23は、ノズル103,103,...に垂直な対向面23aを備えており、かかる対向面23aは基板ステージ21の載置面上に配置され、基板Kを載置する。ノズル103,103,...の先端部から対向電極23の対向面23aまでの距離は、一例としては100[μm]に設定される。
また、この対向電極23は接地されているため、常時,接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはそれぞれのノズル103の先端部と対向面23aとの間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
【0066】
なお、吐出ヘッド100は、ノズル103,103,...の超微小化によるそれぞれのノズル103,103,...先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル103,103,...と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電した液滴の電荷を対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
【0067】
(実施形態の動作説明)
図1及び図6に基づいて上記バンプ形成装置10の動作説明を行う。図6はバンプ形成の途中過程を示す動作説明図であり、図中の二点鎖線は形成しようとしているバンプBの形状を示している。
バンプBの形成作業においては、まず、基板Kが基板保持手段20に装着されると、吐出ヘッド100の複数のノズル部37がそれぞれ個別に基板Kの各下地電極に向けて吐出が行われるようにX−Yステージ40により基板Kがその初期位置に位置決めされる。
【0068】
そして、基板Kにレーザ出射手段50によるレーザ光の照射が行われた状態で(焼結工程)、各ノズル部37から導電ペーストの液滴が吐出される(吐出工程)。吐出された液滴は基板Kの下地電極に命中すると同時にレーザ光に照射され、加熱により焼結される。このとき、導電ペーストの液滴中に含まれる液状状態を維持する有機溶媒が蒸発し、熱硬化樹脂が硬化を生じると共に金属粒子が焼結することで命中位置に固着する。
【0069】
この導電ペーストの液滴はその滴径がバンプBよりも充分小さく、繰り返し吐出が行われることで積み上げられるようにしてバンプ形成が行われる。即ち、図6に示すように、液滴一つ分の高さで一つの層が形成されると、その上にまた新たな層を積み上げるように形成し、これを繰り返すことで所定の形状のバンプBを形成する。
【0070】
上記吐出工程における吐出ヘッド100の吐出動作を捕捉して詳細に説明する。図7は導電ペーストの吐出動作と導電ペーストに印加される電圧との関係を示す説明図であって、図7(A)は吐出を行わない状態であり、図7(B)は吐出状態を示す。
供給ポンプによって液体導入口119及びマニホールド120を介してそれぞれのノズル103のノズル内流路145には帯電可能な導電ペーストが供給された状態にあり、かかる状態でそれぞれのバイアス電源30によりそれぞれの吐出電極142を介してバイアス電圧が導電ペーストに印加されている。かかる状態で、導電ペーストは帯電すると共に、それぞれのノズル103の先端部において導電ペーストによる凹状に窪んだメニスカスが形成される(図7(A))。
【0071】
そして、ノズル103,103,...のうち液滴を吐出するノズル103については、吐出電圧電源29によりパルス電圧が吐出電極142を介して導電ペーストに印加されるとともに、このパルス電圧に同期して電極121にもパルス電圧が印加される。電極121にパルス電圧が印加されると、液室隔壁106,107が膨張して液室101の容積が減少することなり、これにより液室101内の導電ペーストの圧力が増加する。従って、ノズル103の先端部において外部に突出した凸状のメニスカスが形成される。更に、電極121にパルス電圧が印加されるのとほぼ同時に吐出電極142にもパルス電圧が印加されるから、外部に突出した凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついには導電ペーストの表面張力に抗して微小液滴が対向電極側に吐出される(図7(B))。
【0072】
そして、吐出電極142に印加されるパルス電圧が終了すると共に、電極121に印加されるパルス電圧が終了すると、液室101の容積が増大することでノズル103の先端部において導電ペーストが凹状に窪んだメニスカスが形成されるとともに、液体導入口119及びマニホールド120を介して導電ペーストを吐出したノズル103のノズル内流路145に導電ペーストが供給される。
【0073】
このように、微小ノズル径の液滴吐出手段に、ノズル内で吐出電圧を印加することにより、低電圧で微小な導電ペーストの液滴を吐出することができるので、微細なバンプも形成することが可能である。
【0074】
なお、上記説明では電極121にパルス電圧が印加されることで液室隔壁106,107が膨張して液室101の容積が増大したが、逆に電極121にパルス電圧が印加されることで液室隔壁106,107が収縮して液室101の容積が減少するように動作しても良い。但しこの場合には、吐出の際において吐出電極142にパルス電圧が印加されている時には電極121にパルス電圧が印加されておらず、吐出しない際において吐出電極142にバイアス電圧が印加されている時には電極121にパルス電圧が印加される。
【0075】
上述のように、バンプ形成装置10は、導電ペーストの液滴を吐出する工程とこれを焼結する工程とでバンプ形成を行うことから、各工程の作業自体は単純であり、フォトレジストやマスク等の前準備を不要とし、作業の容易化及び迅速化を図ると共にこれによる生産性の向上を図ることが可能である。また、バンプ形成作業にフォトレジスト等の薬剤を不要とし、作業後の廃棄物の発生を低減することから周囲の環境に及ぼす影響を十分に低減することが可能である。
また、バンプ形成装置10では、導電ペーストの液滴を吐出すると共にこれを焼結することで複数の層を積み上げるようにバンプの形成を行うことができるので、各層ごとの形状に変化を設けることで、例えば、図8(A)〜(C)に示すような種々の形状のバンプBを形成することが可能となる。
【0076】
(その他)
なお、吐出口の内径が、形成するバンプのサイズの1/3以下であることが、平坦や突起付き等の任意の微細で正確な形状のバンプを形成する上では好ましい。特に形成するバンプの容積の1/10以下の体積の液滴を複数回吐出し、液滴を積み重ねることが好ましい。また、形成するバンプのサイズが50[μm]以下であるときに、特に、形成するバンプのサイズの1/3以下とし、液滴の体積をバンプの体積の1/10とすることが好ましい。
【0077】
例えば、バンプが15[μm]×15[μm]の正方形(バンプのサイズが21[μm])、高さ4[μm]の上面は平坦型のバンプを形成する場合、吐出口の内径が2[μm]のノズルにより、1液滴分量(液滴の体積)を4×10−18[m3](4フェムトリットル)とし、液滴を直径2[μm]の球形の液滴と考えると、分散液の揮発分を考慮すると、およそ250滴の液滴を吐出することにより、バンプを形成することができる。
また、上記と同じ大きさのバンプを形成するために、始めは吐出口の内径が4[μm]のノズルで3×3×2=18滴(1滴=33フェムトリットル)積み重ねた後(約600フェムトリットル分)、吐出口の内径が2[μm]のノズルで形を整えるように残りの300フェムトリットル分を積み上げる(分散液の揮発分を考慮して、約100滴程度)ことにより、118液滴で形成可能なため、微細で正確な形状のバンプを形成することが可能である。
【0078】
なお、焼結手段は、上述したレーザ光出射手段に限られず、電子ビームや赤外線を照射することで加熱を行う構成としても良い。レーザ光出射手段、電子ビームや赤外線を照射する手段を用いて焼結させることにより、局所的に加熱可能のため、熱に弱い部分を備えた基板にバンプを形成する場合でも部品を傷めることを抑制することが可能であり、又は基板の熱による変形も抑制可能である。また、基板を裏面側から加熱するヒートステージを設ける構成としても良い。また、各種の光照射手段とヒートステージとを併用しても良い。
【0079】
また、レーザ出射手段50のレーザ光の照射位置については、基板Kの上面を照射する場合に限定されるものではなく、吐出された液滴がレーザ光に照射されればいずれに照射しても良い。例えば、図9に示すように、吐出液滴が通過する途中の領域を照射するようにその向きを設定しても良い。
また、焼結を行うタイミングとしては、液滴が基板K側に着弾してから行っても良いし、予め基板Kを加熱した状態で吐出を行い焼結させても良い。
【0080】
また、位置決め手段は基板Kを移動させるX−Yステージに限らず、吐出ヘッド20を移動位置決めする手段を用いても良い。また、基板を一定の直線に沿った方向についてのみ移動位置決めする手段と、吐出ヘッドをこれと交差する他の直線方向に沿って移動位置決めする手段とから構成しても良い。
【0081】
また、バンプの形成にあっては、予め基板Kの下地電極形成面にフォトレジスト層を設けると共に下地電極位置のみ除去することでバンプ形成の為の除去部を設けるフォトレジスト層形成工程を設けても良い。かかる工程の後にフォトレジスト層の除去部に導電ペーストの液滴を充填を行うことにより、バンプBの形状を有り安定して形成し得る。
【0082】
また、上記実施形態では、基板Kを水平面内(X軸方向とY軸方向)について位置決めを行っているが、さらに上下方向についても位置決め調節可能としても良い。なお、吐出ヘッド100について上下方向に位置決めを行っても良い。
【0083】
また、吐出ヘッド100にあっては、ノズル103にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル103の外周に電極(例えば上述した撥水膜下に形成された金属膜である。)を設けるか、また或いは、ノズル内流路145の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆しても良い。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極142により電圧が印加されている導電ペーストに対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路145の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路145への導電ペーストの供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
【0084】
(好ましいノズルの吐出口の内径の捕捉説明)
上記実施形態で説明する吐出ヘッド100に備わった各ノズルのノズルの吐出口の内径(内部直径)は、30[μm]以下であることが好ましく、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、ノズルの吐出口の内径は、0.2[μm]より大きくすることにより、液滴の飛翔安定性を向上させることができる。
【0085】
ノズルの吐出口の内径がφ20[μm]未満とすることにより電界強度分布を狭くできるので、ノズルと対向電極の距離の自由度を増すことができる。
ノズルの吐出口の内径がφ8[μm]以下であれば、対向電極の位置精度及び基板K(特に、下地電極)の材料特性のバラ付きや厚さのバラツキの影響を受けずに安定した吐出が可能となる。
【0086】
さらに、ノズルの吐出口の内径がφ4[μm]以下になると、導電ペーストの初期吐出速度を大きくすることができるので、液滴の飛翔安定性が増すと共に、メニスカス部での電荷の移動速度が増すために吐出応答性が向上する。
【0087】
また、ノズルの吐出口の内径がφ4[μm]以下の範囲において、液滴の吐出効率を向上させることができ、該範囲において安定した吐出が行える。
【0088】
[液体吐出装置の理論説明]
本発明では、静電吸引型流体ジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、
【数3】
即ち、
【数4】
或いは
【数5】
という従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微細液滴を形成することができる。
【0089】
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した吐出ヘッド100に適用可能である。
いま、半径rのノズルに流体を注入し、基板Kとしての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図10に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
【数6】
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷、ε0:真空の誘電率、ε:基板の誘電率、h:ノズル−基板間距離、r:ノズル内径の半径、V:ノズルに印加する電圧である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にr<<hのときほぼ1程度となる。
【0090】
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける電界強度Eloc.は、先端部の曲率半径をRと仮定すると、
【数7】
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A.Smith, Surface Science, 23 (1970) 198−210)。
【0091】
今簡単のため、r=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で流体(導電ペースト)がノズルの吐出口の内径rと同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をSとすると、
【数8】
(6)、(7)、(8)式よりα=1とおいて、
【数9】
と表される。
【0092】
一方、ノズル先端部に於ける液体(導電ペースト)の表面張力をPsとすると、
【数10】
ここで、γ:表面張力、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
【数11】
となる。十分に小さいノズルの吐出口の内径rをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとrの関係を求めると、
【数12】
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(5)および式(12)より、
【数13】
が、本発明の動作電圧となる。
【0093】
ある半径rのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図11に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズルの吐出口の内径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微小ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
【0094】
静電吸引による吐出は、ノズル端部における流体(導電ペースト)の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
【数14】
ここで、ε:流体の比誘電率、σ:流体の導電率である。流体の比誘電率を10、導電率を10−6 S/m を仮定すると、τ=1.854×10−5secとなる。あるいは、臨界周波数をfcとすると、
【数15】
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 kHz程度となる。このとき、ノズル半径2μm、電圧500V弱の場合、Gは10−13m3/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl:10−15 l)程度を達成できる。
【0095】
なお、各上記本実施の形態においては、図10に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される鏡像力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にしたり、これら基板または基板支持体に電圧を印加する必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基板Kとの距離は、500[μm]以下に保つことにより、流体の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基板Kに対し一定に保つようにする。
また、基板Kを、導電性または絶縁性の基板Kホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
【0096】
図12は、前述したの吐出ヘッド100の他の基本例の一例としての液体吐出装置の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内流体3との間に制御された電圧が引加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、その厚さが1μm、ノズル内径が2μm、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが流体のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
【0097】
前述した図11は、本発明における吐出開始電圧のノズルの吐出口の内径依存性を示したものである。液体吐出装置として、図2に示した吐出ヘッド100に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、流体吐出の条件は、ノズル基板間距離(L)、印加電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
【0098】
この様子を図12を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズルの吐出口の内径、流体の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル基板間距離(L)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル基板間距離Lを極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。そのため良好な吐出特性を得るためには、ノズル基板間距離は100μm程度以下に抑えることが吐出特性並びに、着弾精度の両面から望ましい。
【0099】
【発明の効果】
本発明は、導電ペースト液滴を液滴吐出手段により吐出し、焼結することでバンプ形成が行われるので、バンプ形成を容易且つ迅速に行うことができ、その生産性の向上を図ることが可能となる。また、パターニングされたマスクを不要とできるので、少量生産下でもコストを低減することできる。さらに、液滴吐出手段と基板との相対的に位置関係を調節することで種々の形状のバンプ形成を容易に行うことが可能となる。さらに、液滴の積み上げ作業によりバンプ形成を行えば、種々の形状のバンプ形成が可能となる。
【0100】
また、本発明は、ノズルの吐出口を30[μm]以下とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めると共にその際に誘導される基板側の鏡像電荷或いは映像電荷までの間に生じる電界の静電力により液滴の飛翔を行っている。このため、従来の静電吸引方式の原理では吐出電圧が過度に高電位となるためにその採用が困難とされていた吐出口30[μm]以下のノズルでの液滴の吐出が低電位で行うことが可能となり、これにより微細な液滴を吐出することが可能となった。これにより、より微細なバンプ形成が可能となると共に、バンプの微細化に伴うバンプピッチの縮小化も可能となった。
【0101】
また、ノズルの吐出口を形成するバンプサイズの1/3以下とするか、吐出する液滴をバンプ体積の1/10以下とするか、又は、形成するバンプサイズを70[μm]以下とすることにより、平坦や突起付き等の任意の微細で正確な形状のバンプを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態たるバンプ形成装置の概略的な全体構成を示す構成図である。
【図2】吐出ヘッドの底面を紙面手前側にして示すとともに吐出ヘッドを一部破断して示した分解斜視図である。
【図3】液室構造体の一つの液室について主に示した吐出方向の法面に沿った断面図である。
【図4】図2に示された吐出ヘッドを示した底面図である。
【図5】図4に示された切断線A−A’で破断して示した断面図である。
【図6】バンプ形成の途中過程を示す動作説明図である。
【図7】導電ペーストの吐出動作と導電ペーストに印加される電圧との関係を示す説明図であって、図7(A)は吐出を行わない状態であり、図7(B)は吐出状態を示す。
【図8】図8(A)〜(C)は種々の形状のバンプを例を示す説明図である。
【図9】レーザ出射手段の照射位置の他の例を示す説明図である。
【図10】吐出ヘッドの基本例として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。
【図11】ノズルのノズル径とメニスカス部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。
【図12】吐出ヘッドの他の基本例としての液体吐出機構の側面断面図を示したものである。
【図13】吐出ヘッドにおける距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
【符号の説明】
10 バンプ形成装置
20 基板保持手段
30 吐出ヘッド(液滴吐出手段)
40 X−Yステージ(位置決め手段)
50 レーザ出射手段(焼結手段)
103 ノズル
B バンプ
K 基板
Claims (30)
- バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる導電ペーストを帯電させると共に前記ノズル内で吐出電圧を前記導電ペーストに印加することにより前記導電ペーストの液滴を,吐出口の内径が30[μm]以下のノズルを介して基板に吐出する吐出工程と、
前記吐出された導電ペーストの液滴を焼結させる焼結工程とを備えることを特徴とするバンプ形成方法。 - 前記ノズルの内径が20[μm]以下であることを特徴とする請求項1記載のバンプ形成方法。
- 前記ノズルの内径が8[μm]以下であることを特徴とする請求項1記載のバンプ形成方法。
- 前記ノズルの内径が4[μm]以下であることを特徴とする請求項1記載のバンプ形成方法。
- 一又は二回以上の前記吐出工程ごとに前記焼結工程を行うことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のバンプ形成方法。
- 前記微粒子は、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は前記各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有すること特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のバンプ形成方法。
- 前記焼結工程では、赤外線,レーザ光及び電子ビームのうちの少なくとも一種の照射により前記導電ペーストの液滴を加熱することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のバンプ形成方法。
- 前記微粒子の粒径が100[nm]以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のバンプ形成方法。
- 前記吐出工程を複数回行い、前記液滴を積み重ねてバンプを形成することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のバンプ形成方法。
- 前記焼結工程を前記吐出工程と並行に行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載のバンプ形成方法。
- 前記焼結工程を前記吐出工程の直後に行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載のバンプ形成方法。
- 前記基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜に,開口部を形成する開口形成工程と、を有し、
前記吐出工程では、前記液滴を前記開口部に吐出することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載のバンプ形成方法。 - 前記吐出口の内径が、形成するバンプサイズの1/3以下であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載のバンプ形成方法。
- 前記吐出工程は、形成するバンプの体積の1/10以下の体積の前記液滴を複数回吐出し、前記液滴を積み重ねることによりバンプを形成することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項記載のバンプ形成方法。
- 形成するバンプのサイズが70[μm]以下である特徴とする請求項1から14のいずれか一項記載のバンプ形成方法。
- 基板を保持する基板保持手段と、
バンプ材料となる導電性の微粒子を液体中に分散させてなる帯電させた導電ペーストの液滴を,前記基板保持手段上の基板に向けて吐出する,吐出口の内径が30[μm]以下のノズルと、
前記ノズル内の前記導電ペーストに吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段と、前記基板保持手段上の基板に対する前記ノズルの位置決めを行う位置決め手段と、
前記吐出された導電ペーストの液滴を焼結する焼結手段とを備えることを特徴とするバンプ形成装置。 - 前記ノズルの内径が20[μm]以下であることを特徴とする請求項16記載のバンプ形成装置。
- 前記ノズルの内径が8[μm]以下であることを特徴とする請求項13記載のバンプ形成装置。
- 前記ノズルの内径が4[μm]以下であることを特徴とする請求項16記載のバンプ形成装置。
- 前記液滴吐出手段による一回又は複数回の吐出毎に、前記液滴を焼結させるように前記焼結手段を制御するための制御手段を備えることを特徴とする請求項16,17,18又は19記載のバンプ形成装置。
- 前記微粒子は、金,銀,銅,白金,パラジウム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマス,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミニウムのいずれか一つからなる金属若しくはその酸化物又は前記各金属の内のいずれか二種以上からなる合金を含有すること特徴とする請求項16,17,18,19又は20記載のバンプ形成装置。
- 前記焼結手段は、赤外線,レーザ光及び電子ビームのうちの少なくとも一種の照射を行うことを特徴とする請求項16から21のいずれか一項に記載のバンプ形成装置。
- 前記微粒子の粒径が100[nm]以下であることを特徴とする請求項16から22のいずれか一項に記載のバンプ形成装置。
- 吐出を複数回行い、前記液滴を積み重ねてバンプを形成するように前記液滴吐出手段を制御することを特徴とする請求項16から23のいずれか一項に記載のバンプ形成装置。
- 前記焼結手段による前記液滴の焼結が、前記液滴吐出手段による吐出と並行に行われるように、前記焼結手段が制御されることを特徴とする請求項16から24のいずれか一項に記載のバンプ形成装置。
- 前記焼結手段による前記液滴の焼結が、前記液滴吐出手段による吐出の直後に行われるように、前記焼結手段が制御されることを特徴とする請求項16から25のいずれか一項に記載のバンプ形成装置。
- 前記位置決め手段は、前記基板上に形成されたレジスト膜の開口部に液滴が吐出されるように、前記基板に対する前記液滴吐出手段の位置決めを行うことを特徴とする請求項16から26のいずれか一項に記載のバンプ形成装置。
- 前記吐出口の内径が、形成するバンプサイズの1/3以下であることを特徴とする請求項16から27のいずれか一項記載のバンプ形成装置。
- 前記吐出工程は、形成するバンプの容積の1/10以下の体積の前記液滴を複数回吐出し、前記液滴を積み重ねることによりバンプを形成することを特徴とする請求項16から28のいずれか一項記載のバンプ形成装置。
- 形成するバンプのサイズが70[μm]以下である特徴とする請求項16から29のいずれか一項記載のバンプ形成装置。
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