JP2004342636A - 半導体部品用金属基板及びその製造方法 - Google Patents

半導体部品用金属基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性のある絶縁層を使用することによって、高電気伝導性、高放熱性を発現させ、更にSiに近い熱膨張係数を有す金属薄板を使用することによって高集積化への対応を可能とした半導体部品用金属基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面に、SiO、Al、MgO、ZrOのうちの少なくとも一種を主成分とする酸化物層を形成する半導体部品用金属基板であり、この半導体部品用金属基板の製造方法は、孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面に、気相成長法で酸化物層を形成する半導体部品用金属基板の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体関連部品に使用される金属基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体部品用基板では、高集積化が進んでおり、はんだや銅からなる接続バンプを介して、半導体チップが直接、基板上に接続されるフリップチップ実装の形態が取られるようになってきた。ここで、基板には狭ピッチ回路形成のために薄板化や放熱性向上の要求がある。この要求に対応するため、基板材料には薄板でのハンドリング性の点から機械的強度が高く、かつ熱伝導性の良い金属をコアに用いた基板が、セラミックス基板から代替され使用されるようになってきた。
また、半導体の動作速度上昇に伴い、電気的に高速応答性の点から、高周波信号が利用される動向にあり、金属基板表層の絶縁層には、誘電損失低減の点から低誘電率化の要求と、基板間の低温接合性の要求のために、現状、樹脂が一般的に使用されている。
【0003】
一方、金属をコアとして、酸化物で絶縁層を形成した公知例としては、下記の2件がある。特許文献1については、金属板に無機絶縁物の粉末を溶媒に懸濁させ、電気泳動法で金属板の周囲に絶縁物を付着させた後、焼成することによって絶縁層を形成したメタルコア基板について提案されている。
また、特許文献2については、金属基材の表面に、スプレー法、粉末静電塗装法、電気泳動法等により、結晶化ガラス層を備えたメタルコア基板が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−13903号公報
【特許文献2】
特開平10−253313号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
絶縁層に樹脂を利用した金属基板においては、組立て工程において、樹脂であるため300℃以上の高温に上げて熱処理を施すことができなく、基板に形成されたスルーホール中にCuやAg等の導体粉末を充填して、高温で焼結して、バルクとしての導体の回路を形成することができなかった。
そこで、現状はスルーホールの内壁表面に、メッキでCuやAgのコーティングが施されているが、膜状で薄いため、電気伝導性、熱伝導性、接続信頼性が悪かった。
【0006】
また、上述した特許文献1に開示されるメタルコア基板では、使用する金属材料については特に検討はなされていない。
半導体用途においては、半導体(例えばSiチップ)との熱膨張差が問題となるため、熱膨張係数を調整し易い材料であること、微小なエッチング孔(スルーホール)の形成が容易なこと、エッチング孔の異形化を防止するためには、金属材料中に残留する介在物のサイズが小さくなければならないが、上述の特許文献1にはこれらの金属材料に関する検討は全くなされていない。
特に、今後益々薄くなるであろう半導体用途における金属材料の介在物は、今まで以上に小さくすることが求められる。
【0007】
また、同様に特許文献2に開示されるメタルコア基板では、使用する金属の材質について、鉄系のステンレス鋼かホーロ鋼を例としてあげてあるが、半導体用途においては、例えばSiチップとの熱膨張差が問題となる。
本発明の目的は、耐熱性のある絶縁層を使用することによって、高電気伝導性、高放熱性を発現させ、更にSiに近い熱膨張係数を有す金属薄板を使用することによって高集積化への対応を可能とした半導体部品用金属基板及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するためになされたものである。
即ち本発明は、孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面に、SiO、Al、MgO、ZrOのうちの少なくとも一種を主成分とする酸化物層を形成する半導体部品用金属基板である。
【0009】
好ましくは、酸化物層にSiOを用いた場合、SiOを主成分として、更にLiOを2〜25mass%、NaOを3〜25mass%、KOを3〜25mass%、Pを2〜25mass%の何れかの酸化物を含有する半導体部品用金属基板である。
好ましくは、酸化物層は、厚みが0.01〜5μmである半導体部品用金属基板である。
更に好ましくは、上述の金属薄板は、Niを36〜50mass%%含有するFe−Ni系合金である半導体部品用金属基板である。
【0010】
また本発明は、上述の半導体部品用金属基板の製造方法であって、孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面に、気相成長法で酸化物層を形成する半導体部品用金属基板の製造方法である。
好ましくは、上述の酸化物層は、常圧プラズマ化学気相成長法によって形成する半導体部品用金属基板の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の重要な特徴は、孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板に、SiO、Al、MgO、ZrOのうちの少なくとも一種を主成分とする酸化物層を形成したことである。
孔のサイズを80μm以下に限定した理由は、超高集積化に伴う回路形成のために、孔径を小径化し、かつ狭ピッチで形成する必要があるためである。孔のサイズとは、孔(貫通孔)の形状が円柱の場合はその板平面内の直径であり、角柱の場合は、その板平面内の最も長い対角線を指す。更に好ましくは、20〜60μmであり、20μm未満では、孔内での導体の形成が困難になる場合があるため、好ましい下限は20μmである。
【0012】
板厚を80μm以下に限定した理由は、小径の超微細孔加工の容易性から、80μm以下が必要となる。更に好ましくは、20〜60μmであり、20μm以下では、ハンドリング性が困難になる場合があるため、好ましい下限は20μmである。
また、本発明で用いる薄板は、Fe−Ni系合金の薄板とした。これは、後で詳しく述べるが、Fe−Ni系合金薄板上に酸化物層を形成した金属基板上には、半導体(例えばSiチップ)を搭載する場合があるために、Siに近い熱膨張係数の材料を使用することが重要であるため、熱膨張係数の調整が容易で、しかも、エッチング特性に優れたFe−Ni系合金薄板を用いることにした。
【0013】
介在物のサイズは、最終の薄板になった状態で30μm以下に制御することによって、良好なエッチング孔形状を与える金属基板となる。好ましくは20μm以下である。さらに好ましくは10μm以下である。
30μmを越えた介在物が存在する場合には、エッチング加工した際に、エッチング面から介在物が脱落してエッチング孔の輪郭が凹になる場合や介在物が残存してエッチング孔の輪郭が孔内に凸になって孔が小さくなる場合が発生し、孔の形状精度が悪くなるので、狭ピッチ回路の形成や孔内の電気伝導性の点から問題となる。
【0014】
ここで、本発明の場合、用いるFe−Ni系合金の板厚が80μm以下と極めて薄いため、単純に断面や平面を光学顕微鏡で観察するような介在物評価方法では、2次元での評価であるため、評価の結果と実際にエッチングした時の孔の品位に整合性がない場合がある。そこで、本発明の介在物のサイズは、スライム法を適用して、3次元的なサイズで評価することにする。介在物のサイズを測定するスライム法について説明する。
スライム法について、基本的な測定方法は「神尾ら:鉄と鋼,67(1981),S409」に記載されている。本特許では下記の要領で実施した。
▲1▼ 試料を100gになるように採取し、これをHClを含む水溶液中で、マトリックスを電解することにより介在物を抽出し、その後乾燥する。
▲2▼ 乾燥後の介在物を篩によりサイズ別に分級し、篩の目開きが特定の寸法以上の篩に残った介在物の数をカウントする。
これにより、80μm以下という極めて薄い材料の介在物のサイズを、精度良く知ることができる。
【0015】
また、酸化物として、SiO、Al、MgO、ZrOを選んだ理由は、耐熱性を有すること、絶縁性に優れること、Fe−Ni系合金薄板との熱膨張係数が近いこと、成膜用の原料が得られ易いことによる。
これらの酸化物を使用することによって、基板の耐熱性が得られため、高温に上げて熱処理することが可能となるが、これらの酸化物が主成分(50mass%)以上でなければ、所望の耐熱性、絶縁性、熱膨張係数が満足できない。そのため、本発明ではSiO、Al、MgO、ZrOのうちの少なくとも一種を主成分と規定した。
【0016】
上述のSiO、Al、MgO、ZrOの酸化物のうち、特にSiOは、添加元素を加えることによって熱膨張係数を調整できるため、SiOを用いると良い。
酸化物層としてSiOを主成分とし、更に、LiOを2〜25mass%、またはNaOを3〜25mass%、またはKOを3〜25mass%、またはPを2〜25mass%含有させる目的は、Fe−Ni系合金薄板の熱膨張係数により一層近づけることが可能だからである。
これらの酸化物を上記の範囲内で含有させれば、熱サイクル時のクラックや剥離を抑制することと、加熱によって軟化しやすくし、酸化物層のピンホールやクラックを埋めて絶縁性をより一層向上させることができる。
【0017】
更に、酸化物層は、厚みを0.01〜5μmに制御することが好ましい。
酸化物層の絶縁性としては、半導体の正常な電気的駆動のために、5Vの電圧印加により、リーク電流が10μA/cm以下であることが重要である。酸化物層の厚みが、0.01μm未満では絶縁性が不十分で、上記の所定のリーク電流より大きい電流が流れて電気的に不具合になる場合がある。また、厚みが5μmを超える場合は、熱サイクル時にFe−Ni系合金薄板と酸化物層間の熱膨張差によって発生する応力が大きくなり、酸化物層にクラックが入りすくなるため、厚みは5μm以下とした。好ましくは、0.1〜1.0μmである。
【0018】
Fe−Ni系合金薄板は、Niを36〜50mass%含有するFe−Ni系合金であることが好ましい。
金属基板上には、半導体(例えばSiチップ)を搭載するために、Siに近い熱膨張係数の材料を使用することが重要である。そのために、Fe−Ni系合金では、36〜50mass%のNiを添加調整することで可能となる。更に好ましくは、39〜43mass%である。
このFe−Ni系合金の代表的なものとしては、42%Ni−Fe合金、47%Ni−Fe合金、50%Ni−Fe合金等があるが、42%Ni−6%Cr−Fe合金等の、Fe−Ni−Cr系合金、或いはNiの一部を10mass%以下のCoで置換したFe−Ni−Co系合金、更には、これらの合金に強度を向上させる元素を適宜添加した合金を金属基板の素材として用いても良い。
【0019】
また本発明において、上述の孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面への酸化物層の形成は、気相成長法によって形成することができる。
先ず、Fe−Ni系合金薄板の孔(貫通孔)は、FeCl水溶液を利用した湿式エッチング加工で形成することができる。この方法では孔内の断面形状においてストレート状に加工しにくい点という課題があるが、一方で、同時に複数の孔加工を施すことが可能であり、量産性に優れるという利点を有する。
別な方法として、Fe−Ni系合金薄板の孔(貫通孔)を、パンチとダイスを利用したプレス打抜き加工で形成することも可能である。プレスによる打抜き加工については、孔内において、ストレート状に加工しやすく量産性に優れるが、ばりが発生することと、金型が高価なことが課題である。
本発明においては、何れの方法を適用しても良いが、生産コストや要求される孔(貫通孔)の断面形状とを考慮し、最適な方法を選ぶと良い。
【0020】
次に、上述の孔(貫通孔)を形成したFe−Ni系合金薄板表面に気相成長法で、上述した酸化物を酸化物層として形成する。本発明でいう気相成長法とは、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(以下CVD法と称す)等を利用して、金属や金属化合物を原子状、或いは分子状、或いはプラズマ状にして基板表面に衝突させることにより、金属酸化物層を形成する方法のことである。
この方式では、前述の公知例に記載された粉末を用いたスプレー法、粉末静電塗装法、電気泳動法と比較して、ピンホールの少ない緻密な膜が形成できるため、絶縁性の保証という面において優れている。
【0021】
更に、酸化物層の形成は、上述の気相成長法のうち、特にCVD法の適用が好ましく、最も好ましくは常圧プラズマ化学気相成長法によって形成することが望ましい。
本用途においては、孔の断面形状がストレートに近い形状が要求される場合があるため、孔内への酸化物層の形成のためには、回り込みの良い成膜方法が好ましく、気相成長法の中ではCVD法が最も対応しやすい。更にCVD法の中では、常圧プラズマ化学気相成長法が最も生産性が良い。
本発明で言う常圧プラズマ化学気相成長法とは、金属元素を含む有機物を気化して原料ガスとした後、キャリアガスと共にプラズマ発生空間の中を通過させることにより、プラズマ化したガスを常圧下において基板に吹き付けることで、基板表面に金属酸化物等の層を形成する方法を言う。
【0022】
この常圧プラズマ化学気相成長法は、以下の特長がある。
(1) 真空引きが不要のため、材料の装入・搬出が簡単で連続生産が容易。
(2) プラズマ密度が高いため、毎分0.2μm以上の高速成膜が可能。
(3) プラズマ密度が高いため、低温成膜が可能。
(4) キャリアガスとして安価なArやNガスの使用が可能。
以上のような特長があるため、従来のCVD法のように減圧条件下で処理する必要がなく、処理材はコイルtoコイルでの連続処理が可能であるため、最も生産性の良い方式である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を更に詳細に実施例を用いて説明する。
Fe源とNi源を原料とし、溶解後Ni量が42mass%になるように配合して、真空溶解を行ない、この溶湯を鋳型に鋳造して鋳塊を得た。
これをNo.Aとし、更にNo.Aの鋳塊を電極として、真空アーク再溶解とエレクトロスラグ再溶解を施し、No.BとNo.Cを得た。
次に、1150℃で鍛造して200mm厚さのスラブとした後、1150℃で熱間圧延して3mm厚さのフープとした。次に、このフープに冷間圧延と焼鈍を繰り返して施し、500mm幅×0.04mm厚さ(40μm)のFe−Ni系合金薄板を作製した。
得られたFe−Ni系合金薄板の30〜300℃までの熱膨張係数は4.4×10−6/℃であった。
【0024】
このFe−Ni系合金薄板について、介在物の調査を行った。
30μm以上の介在物の数については、スライム法により40μmの仕上げ帯鋼100gを電解で溶かして介在物を抽出した後、サイズと数を定量評価した。
エッチング孔は、上記のFe−Ni系合金薄板(1)を素材として、FeCl溶液によるスプレーエッチングを施し、図1の形状に複数の貫通孔(2)をエッチング加工した。孔のサイズは60μmである。図2に、孔のSEM写真を示す。
次にエッチング孔の異形については、エッチング後のFe−Ni系合金薄板を光学顕微鏡観察により、孔輪郭(平面、断面)に対し10μm以上の凹部または凸部がある場合に、孔の異形不良とした。測定結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004342636
【0026】
エレクトロスラグ再溶解材は、30μm以上の介在物が無いため、エッチング孔の形状が良好であるが、真空溶解材や真空アーク再溶解材は、30μm以上の介在物が存在し形状不良となった。
そのため、上記No.C(真空溶解+エレクトロスラグ再溶解材)で得た、厚みが40μmのFe−42mass%Ni合金薄板表面に気相成長法で酸化物層を形成した。
気相成長法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、常圧プラズマ化学気相成長法の三手法で成膜テストした。
【0027】
使用した原料について説明する。
スパッタリングでは、各種酸化物のターゲットを用いて、ArガスでこのターゲットをスパッタリングすることによりFe−Ni系合金薄板表面に成膜した。
イオンプレーティングでは、酸化物のペレット状試料を作製し、るつぼに入れた状態でEB溶解しながら、基板に負の電圧を印加すると、この酸化物の気化したガスがイオン化し、基板にこれらのイオンガスを引き付けることによりFe−Ni系合金薄板表面に成膜した。
常圧プラズマ化学気相成長法では、金属アルコキシドを原料として利用し、これらを気化器で加熱して気化させたガスを、キャリアガスのNと共にプラズマ空間を通過させた後、基板に吹き付けることによりFe−Ni系合金薄板表面に成膜し、半導体部品用金属基板とした。
【0028】
評価方法について説明する。
酸化物層の厚みは半導体部品用金属基板の平面部の断面の走査電子顕微鏡写真から測定した。その一例(No.2)を図3に示す。Fe−Ni系合金薄板(1)上に黒色の酸化物層(3)が形成されている様子が分かる。なお、上側に写っているのは半導体部品用金属基板の断面を観察するのに用いた試料作製用当て板である。
絶縁性については、半導体部品用金属基板で孔(貫通孔)の形成されていない平面部において5Vの電圧を印加した状態におけるリーク電流値を測定した。また、耐熱性については、800℃×1hで加熱した際に、酸化物層にクラックが発生するかどうかで判定した。それぞれの結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
Figure 2004342636
【0030】
表2の結果より、本発明による半導体部品用金属基板は、電圧5V印加時のリーク電流値が10μA/cm以下に確保されており、優れた絶縁性を有していることが確認された。また、800℃の熱サイクルを加えた後の酸化物層のクラックについても、クラックの発生は確認されず、良好な状態であった。
この半導体部品用金属基板を半導体部品に組立てて作動させたところ、正常に作動することを確認した。
以上の結果から、本発明を適用すれば、耐熱性と絶縁性を有す酸化物層を形成することが可能で、高集積化に対応した半導体部品用基板を得ることができた。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性のある絶縁層を使用することによって、高電気伝導性、高放熱性を発現させ、更にSiに近い熱膨張係数を有す金属薄板を使用することによって高集積化への対応を可能とした半導体部品用金属基板及びその製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の貫通孔を有するFe−Ni系合金薄板の模式図である。
【図2】Fe−Ni系合金薄板に形成された貫通孔の顕微鏡写真である。
【図3】半導体部品用金属基板に形成した酸化物層断面の顕微鏡写真とその模式図である。
【符号の説明】
1.Fe−Ni系合金薄板、2.貫通孔、3.酸化物層

Claims (6)

  1. 孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面に、SiO、Al、MgO、ZrOのうちの少なくとも一種を主成分とする酸化物層を形成することを特徴とする半導体部品用金属基板。
  2. 酸化物層にSiOを用いた場合、SiOを主成分として、更にLiOを2〜25mass%、NaOを3〜25mass%、KOを3〜25mass%、Pを2〜25mass%の何れかの酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の半導体部品用金属基板。
  3. 酸化物層は、厚みが0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体部品用金属基板。
  4. 金属薄板は、Niを36〜50mass%含有するFe−Ni系合金であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体部品用金属基板。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の半導体部品用金属基板の製造方法であって、孔のサイズが80μm以下の複数の貫通孔を有し、板厚が80μm以下で、介在物のサイズが30μm以下のFe−Ni系合金薄板表面に、気相成長法で酸化物層を形成することを特徴とする半導体部品用金属基板の製造方法。
  6. 請求項5に記載の気相成長法は、常圧プラズマ化学気相成長法であることを特徴とする請求項1〜5に記載の半導体部品用金属基板の製造方法。
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