JP2004341447A - 感光性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、感光性樹脂組成物層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生を抑制することが可能であるとともに、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取って保管し、容易にロールから解くことが可能な感光性フィルムを提供すること。
【解決手段】樹脂フィルム10と、該樹脂フィルム10に対して室温で粘着性を示さない感光性樹脂組成物層14とを備え、前記感光性樹脂組成物層14上には保護フィルムを有さず、ロール状に巻き取り可能な感光性フィルムであって、前記樹脂フィルム10と前記感光性樹脂組成物層14との間に、これらを結着可能であり、前記樹脂フィルム10に対する結着力が前記感光性樹脂組成物層14に対する結着力よりも大きいクッション層12を備えることを特徴とする感光性フィルム。
【選択図】 図2
【解決手段】樹脂フィルム10と、該樹脂フィルム10に対して室温で粘着性を示さない感光性樹脂組成物層14とを備え、前記感光性樹脂組成物層14上には保護フィルムを有さず、ロール状に巻き取り可能な感光性フィルムであって、前記樹脂フィルム10と前記感光性樹脂組成物層14との間に、これらを結着可能であり、前記樹脂フィルム10に対する結着力が前記感光性樹脂組成物層14に対する結着力よりも大きいクッション層12を備えることを特徴とする感光性フィルム。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造分野においては、めっきやエッチング等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物や、これを樹脂フィルムに積層して保護フィルムで被覆した感光性フィルムが広く用いられている。このような感光性フィルムを用いてプリント配線板を製造する場合は、まず、感光性フィルムを基板上にラミネートし、パターン露光した後、未露光部を現像液で除去して、更に、めっき又はエッチング処理を施して最終的に硬化部分を基板上から剥離除去する。
【0003】
近年、プリント配線板の配線の高密度化が進んでおり、感光性フィルムの高い解像度が要求されている。感光性フィルムの高解像度化のためには、感光性樹脂組成物層の薄膜化が効果的であるが、基板の表面凹凸へ追従する感光性樹脂組成物層の量が減少するため、従来の感光性フィルムでは、基板と感光性樹脂組成物層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
【0004】
また、従来の感光性フィルムでは、感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合、感光性フィルムに要求される強度を維持するために、樹脂フィルムには所定の厚みや硬さが要求される。そのため、感光性フィルム全体の柔軟性が低下してしまい、ラミネートすべき基板の表面の凹凸に感光性樹脂組成物層が追従し難く、その結果、基板と感光性樹脂組成物層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
【0005】
このような問題を改善するために様々な手法が提案されており、例えば、基板に水を塗布したのち、感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)、基板に液状の樹脂を積層して接着中間層を形成した後、感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献3参照。)、真空ラミネーターを用いて減圧下で感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献4及び特許文献5参照。)等が提案されている。
【0006】
また、高い解像度の要求に対しては、感光性樹脂組成物層に直接パターンマスクを密着させて露光することができれば、解像度を大幅に向上させることができる。しかし、従来の感光性樹脂組成物層は高い粘着性を有しており、パターンマスクを直接密着させると、その粘着性のためにパターンマスクが剥がれにくくなり、さらに、パターンマスクを汚染するという問題があった。そこで、樹脂フィルム上に、粘着性を有しない感光性樹脂組成物層、粘着性を有する感光性樹脂組成物層、保護フィルムを順次積層した感光性フィルム(例えば、特許文献6及び特許文献7参照。)が提案されている。
【0007】
さらに近年、環境問題への対策の面から、廃棄物を削減する工法が要求されている。従来の感光性フィルムにおいて用いられる保護フィルムは、感光性フィルムをロール状に巻き取って保管する際などに感光性樹脂組成物層を保護するためだけに使用されており、保護フィルムを使わずに感光性フィルムをロール状に巻き取って保管することができれば廃棄物を低減することができる。しかし、樹脂フィルム及び高い粘着力を有する感光性樹脂組成物層を順次積層してなる構造の感光性フィルムをロール状に巻き取った場合、樹脂フィルムの両面で感光性樹脂組成物層が粘着してしまい、基板に樹脂フィルム及び感光性樹脂組成物層をラミネートすることが困難となる。そこで、樹脂フィルムの裏面を剥離層で処理し、感光性樹脂組成物層が樹脂フィルムの表面でのみ粘着する方法(例えば、特許文献8参照。)、樹脂フィルムの上に感光性樹脂組成物層及び非粘着性外層を順次積層する方法(例えば、特許文献9参照。)などが提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭57−21890号公報
【特許文献2】
特開昭57−21891号公報
【特許文献3】
特開昭52−154363号公報
【特許文献4】
特公昭53−31670号公報
【特許文献5】
特開昭51−63702号公報
【特許文献6】
特開平2−230149号公報
【特許文献7】
特開平3−17650号公報
【特許文献8】
米国特許第4,293,635号明細書
【特許文献9】
特開2001−175000号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の製造方法では、水の薄い層を均一に付着させるため、基板表面を清浄にしなければならず、また、小径スルーホール等が存在する場合は、スルーホール中に溜まった水分と感光性樹脂組成物層とが反応を起こしやすく、現像性を低下させるため、充分な製造歩留まりが得られない等の問題があった。
【0010】
また、特許文献3に記載の製造方法では、小径スルーホールの現像性、剥離性等が低下するため充分な製造歩留まりが得られず、また、液状樹脂塗布によるコスト増加等の問題があった。
【0011】
さらに特許文献4及び5に記載の製造方法では、装置が高価であり、真空引きに時間がかかるために、通常の回路形成には使用されることは少なく、導体形成後に用いる永久マスクのラミネートとして利用されているにすぎない。この永久マスクのラミネートの時も、さらに導体への追従性向上が望まれている。
【0012】
そして、特許文献6〜9に記載の感光性フィルムは、さらなる高解像度化のために感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合、基板の表面凹凸へ追従する感光性樹脂組成物が減少するために、基板と感光性樹脂組成物層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、感光性樹脂組成物層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生が充分に抑制され、高い製造歩留まりを実現可能であるとともに、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取って保管可能であり、使用時にはロールから解いて感光性樹脂組成物層を被着体にラミネートすることが可能な感光性フィルムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに対して室温で粘着性を示さない感光性樹脂組成物層とを備え、前記感光性樹脂組成物層上には保護フィルムを有さず、ロール状に巻き取り可能な感光性フィルムであって、前記樹脂フィルムと前記感光性樹脂組成物層との間に、これらを結着可能であり、前記樹脂フィルムに対する結着力が前記感光性樹脂組成物層に対する結着力よりも大きいクッション層を備えることを特徴とする感光性フィルムを提供する。
【0015】
ここで、感光性樹脂組成物層が「室温で粘着性を示さない」とは、樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層とを室温(20℃)で手圧着した場合でも、樹脂フィルムが自重で剥離する程度の粘着(接着)強度を感光性樹脂組成物層が有していることをいい、20℃、60%RHにおける樹脂フィルムに対する感光性樹脂組成物層の接着力(180°ピール強度、JIS Z 0237)が5N/m以下であることを意味する。
【0016】
また、上記「保護フィルム」とは、感光性フィルムの保管時に感光性樹脂組成物層を保護するための、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルム等からなるフィルムを示している。
【0017】
かかる感光性フィルムは、上記構成を有するために、従来の感光性フィルムでは樹脂フィルム上に積層し得なかった、実質的に樹脂フィルムに対する粘着性を示さない感光性樹脂組成物層を積層することが可能となる。そして、実質的に粘着性を示さない感光性樹脂組成物層を有する本発明の感光性フィルムは、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取って保管することが可能となり、ロールから解く際には樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層との間で容易に解くことが可能となる。そのため、保護フィルムを必要としないことから、廃棄物及びコストを削減することができる。また、クッション層を有する本発明の感光性フィルムは、高解像度化のために感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、クッション層の存在によりラミネート時に感光性樹脂組成物層を被着体表面の凹凸に沿って追従性よく密着させることができ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生を充分に抑制することが可能となり、充分な製造歩留まりを得ることができる。さらに、クッション層は感光性樹脂組成物層に対する結着力よりも樹脂フィルムに対する結着力の方が大きいため、感光性樹脂組成物層から樹脂フィルムを剥離する際に、樹脂フィルムとクッション層とを一体として同時に剥離することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0018】
また、上述した本発明の効果をより確実に得るために、前記感光性フィルムにおいては、前記樹脂フィルムに対する感光性樹脂組成物層の接着力が5N/m以下であり、前記樹脂フィルムに対する前記クッション層の結着力が10N/m以上であり、且つ、前記感光性樹脂組成物層に対する前記クッション層の結着力が0.5〜10N/mであることが好ましい。
【0019】
かかる接着力及び結着力の関係を満たす本発明の感光性フィルムは、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取った状態から、樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層との間でより容易且つ確実に解くことが可能となるとともに、感光性樹脂組成物層から樹脂フィルムを剥離する際に、より確実に樹脂フィルムとクッション層とを一体として同時に剥離することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる感光性フィルムの好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
【0021】
図1は本発明の感光性フィルム1を示す断面図であり、図2(a)は図1の感光性フィルム1をロール状に巻き取った際の斜視図であり、図2(b)は図2(a)の破線内部の拡大図である。
【0022】
図1に示すように、感光性フィルム1は、樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14との間に、これらを結着可能であり、樹脂フィルム10に対する結着力が感光性樹脂組成物層14に対する結着力よりも大きいクッション層12を備えている。そして、感光性フィルム1は、クッション層12に対向しない感光性樹脂組成物層14の面F1上に保護フィルムを備えていない。
【0023】
また、感光性フィルム1は、保管時には図2(a)に示すように感光性フィルム1の一端を巻芯16に巻き取り、ロール状にして保管することが可能となっている。このとき、図2(b)に示すように、樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14とは接した状態となっているが、樹脂フィルム10に対して感光性樹脂組成物層は実質的に粘着性を示さないため、感光性フィルム1をロールから解く際には樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14との間で容易に解くことが可能となっている。
【0024】
ここで、感光性樹脂組成物層14に対するクッション層12の結着力をt1、樹脂フィルム10に対するクッション層12の結着力をt2、樹脂フィルム10に対する感光性樹脂組成物層14の接着力をt3とした場合、t1は好ましくは0.5〜10N/mであり、より好ましくは1〜5N/mである。t1が0.5N/m未満では、ラミネート時にクッション層12と感光性樹脂組成物層14との間に空気が混入しやすくなる傾向があり、10N/mを超えると、樹脂フィルム10及びクッション層12を感光性樹脂組成物層14から剥離する際に、感光性樹脂組成物層14が一緒に剥がれやすくなる傾向がある。
【0025】
また、t2は好ましくは10N/m以上であり、より好ましくは100N/m以上である。t2が10N/m未満では、樹脂フィルム10及びクッション層12を感光性樹脂組成物層14から剥離する際に、クッション層12が樹脂フィルム10から剥離しやすくなる傾向がある。
【0026】
更に、t3は5N/m以下であることが必要であり、好ましくは2N/m以下であり、より好ましくは0.5N/m以下であり、さらに好ましくは0.3N/m以下である。t3が5N/mを超えると、感光性フィルム1をロール状に巻いて保管し、感光性フィルム1を解く際に、感光性樹脂組成物層14が樹脂フィルム10から剥がれにくくなるとともに、感光性樹脂組成物層14が基板に接するように感光性フィルム1を基板にラミネートするときに、感光性フィルム1にシワ又は筋が入りやすくなる。また、パターンマスクを感光性樹脂組成物層14に密着させて露光を行った際に、パターンマスクが感光性樹脂組成物層14によって汚染される可能性が生じてしまう。
【0027】
また、t1/t3の値及びt2/t1の値は、それぞれ好ましくは1.05以上であり、より好ましくは1.5以上であり、さらに好ましくは2.0以上である。t1/t3の値が1.05以上であることによって、ロール状に巻き取って保管した感光性フィルム1をロールから解く際に、樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14との間でより容易且つ確実に解くことが可能となる傾向にあり、また、t2/t1の値が1.05以上であることによって、感光性樹脂組成物層14から樹脂フィルム10を剥離する際に、樹脂フィルム10とクッション層12とが結着した状態でこれらを同時に剥離することが可能となる傾向にある。なお、t1、t2及びt3は、それぞれ20℃、60%RHにおける各層間の180°ピール強度(剥離強さ、引き剥がし粘着力ともいう)を示し、ピール強度はJIS Z 0237に準拠して試験片幅20mm、引っ張り速度300mm/minの試験条件で測定することができる。
【0028】
本発明にかかる樹脂フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが好適に用いられる。なお、このような樹脂フィルム10は、単層構造であってもよく、複数の組成からなるフィルムを積層した積層構造であってもよい。
【0029】
上記樹脂フィルム10の厚みは2〜100μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましく、8〜16μmであることが特に好ましい。この厚みが2μm未満では樹脂フィルム10を剥離する際に該樹脂フィルム10が破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると感光性フィルム1全体としての柔軟性が低下し、ラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。
【0030】
本発明にかかる感光性樹脂組成物層14は、(A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合性開始剤とを含有する感光性樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
【0031】
ここで、(A)成分であるバインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地からカルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸などが好ましい。
【0032】
(A)バインダーポリマーの酸価は、50〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜300mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満では現像時間が著しく遅くなる傾向があり、500mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
【0033】
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、5,000〜300,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満では耐現像液性が著しく低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。但し、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
【0034】
また、(A)成分であるバインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0035】
上記スチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有する場合には、密着性及び剥離特性を共に向上させる観点から、単量体の全重量を基準として0.1〜70重量%含むことが好ましく、1〜60重量%含むことがより好ましく、1.5〜50重量%含むことが特に好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、密着性が劣る傾向があり、70重量%を超えると、剥離片が著しく大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0036】
(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
【0038】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(II)
【化2】
CH2=C(R3)−COOR4 (II)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
【0039】
上記一般式(II)中のR4で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(II)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
また、本発明における(A)成分であるバインダーポリマーには、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、アジピン酸無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の2価以上のカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン等の2価以上のアルコールとのエステル化反応により得られるポリエステル樹脂等も使用できる。エポキシ樹脂として、ビスフェノールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられ、またこれらに酢酸、シュウ酸、(メタ)アクリル酸等の1価のカルボン酸と付加したものが挙げられる。
【0041】
これらの(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。ここでいう分散度とは、重量平均分子量/数平均分子量の値のことである。
【0042】
(B)成分であるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、解像度を向上させる観点から、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含有していることが好ましく、感光性樹脂組成物層14の厚みが0.1〜15μmである場合は特に好ましい。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含有する感光性樹脂組成物層14の厚みは、プリント配線の高密度化及び高解像度化の見地より、より好ましくは1〜15μmであり、さらに好ましくは2〜7μmである。
【0043】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンは、単独で、あるいは、他の重合性化合物と併用して用いられる。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンとしては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【化3】
【0044】
上記一般式(I)中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、メチル基であることが好ましい。上記一般式(I)中、X1及びX2は各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。上記一般式(I)中、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数であり、6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることがさらに好ましく、8〜20であることが特に好ましく、8〜16であることが極めて好ましく、8〜12であることが最も好ましい。p+qが4未満では、感光性樹脂組成物層の成分の1つである(A)バインダーポリマーとの相溶性が低下し、回路形成用基板に感光性フィルムをラミネートした際に、剥がれやすい傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加し、現像時にレジスト像が剥がれやすく、半田めっき等に対する耐めっき性も低下する傾向がある。
【0045】
上記炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられるが、解像度、耐めっき性の点からエチレン基、イソプロピレン基が好ましい。
【0046】
また、上記一般式(I)中の芳香環は置換基を有していてもよく、それら置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも相違していてもよい。
【0047】
上記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0048】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0049】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0050】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0051】
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物には、上述のような2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンが好ましく用いられるが、これ以外にも種々の光重合性化合物を使用することができる。すなわち、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0052】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0053】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0054】
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。
【0055】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
【0056】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0057】
これら(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含め、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0058】
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’─ビスジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0059】
(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100重量部として、30〜80重量部とすることが好ましく、40〜70重量部とすることがより好ましい。この配合量が30重量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性フィルムとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。
【0060】
(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100重量部として、20〜60重量部とすることが好ましく、30〜55重量部とすることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
【0061】
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100重量部として、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。この配合量が0.1重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0062】
また、上記感光性樹脂組成物層14には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0063】
上記感光性樹脂組成物層14は、プリント配線の高密度化及び高解像度化の見地から、厚みが0.1〜50μmであることが好ましく、0.1〜25μmであることがより好ましく、1〜15μmであることがさらに好ましく、1〜8μmであることが特に好ましく、2〜7μmであることが最も好ましい。本発明においては、感光性樹脂組成物層14をこのように薄膜化した場合であっても、被着体表面の凹凸に沿って追従性よく感光性樹脂組成物層14をラミネートすることが可能となる。
【0064】
また、上記感光性樹脂組成物層14の波長365nmの紫外線に対する透過率は5〜75%であることが好ましく、7〜60%であることがより好ましく、10〜40%であることが特に好ましい。この透過率が5%未満では密着性が劣る傾向があり、75%を超えると解像度が劣る傾向がある。なお、上記透過率は、UV分光計により測定することができ、上記UV分光計としては、(株)日立製作所製228A型Wビーム分光光度計等が挙げられる。
【0065】
本発明にかかるクッション層12は、エチレンと該エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体を含有する樹脂からなるものことが好ましく、前記共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体であることがより好ましい。ここで、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体におけるモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合、及び、上記エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体におけるモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合は、いずれも50〜90重量%であることが好ましく、50〜80重量%であることがより好ましく、50〜70重量%であることが特に好ましい。上記エチレンの割合が50重量%未満では、いずれの共重合体を用いた場合でもクッション層12と感光性樹脂組成物層14との密着性が高くなり過ぎ、剥離が困難となる傾向がある。一方、エチレンの割合が90重量%を超えると、いずれの共重合体を用いた場合でもクッション層12と感光性樹脂組成物層14との密着性が小さくなり過ぎ、クッション層12を含む感光性フィルム1を作製することが困難となる傾向がある。
【0066】
上記クッション層12の厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましい。クッション層12の厚みが1μm未満ではラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。一方、厚みが100μmを超えるとコストアップとなる傾向がある。
【0067】
また、上記クッション層12は、本発明の効果を阻害しない範囲で、先に述べた(A)成分、(B)成分、又は(C)成分を含有していることが好ましい。これによって、感光性樹脂組成物層14から(B)成分や(C)成分がクッション層12へ移行するのを防止することが可能となる傾向がある。
【0068】
本発明の感光性フィルム1は、以上説明した樹脂フィルム10、クッション層12及び感光性樹脂組成物層14の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
【0069】
本発明において、クッション層12を樹脂フィルム10上に積層するには、例えば上述した組成を有するクッション層を構成する樹脂を樹脂フィルム10上に塗工すればよいが、塗工に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に上記樹脂を溶解し、固形分10〜50重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0070】
また、感光性樹脂組成物層14をクッション層12上に積層するには、例えば上述のような組成を有する感光性樹脂組成物をクッション層12上に塗工すればよいが、塗工に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に上記感光性樹脂組成物を溶解し、固形分30〜70重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0071】
次に、上述の本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの形成方法について、図3(a)〜(e)及び図4(a)〜(d)を参照して説明する。
【0072】
図3(a)〜(e)は、レジストパターンの第1の形成方法を模式的に示す断面図である。第1の形成方法によれば、まず図3(a)に示すように、回路形成用基板18の表面に、樹脂フィルム10、クッション層12、および感光性樹脂組成物層14がこの順に積層されている感光性フィルム1を、感光性樹脂組成物層14が回路形成用基板18に接するようにローラー20を用いて圧着し、図3(b)に示すように、回路形成用基板18上に感光性樹脂組成物層14とクッション層12と樹脂フィルム10とをこの順に積層させる積層工程を行う。次いで、図3(c)に示すように、クッション層12と樹脂フィルム10とを除去して回路形成用基板18上に感光性樹脂組成物層14を備えた積層基板を得る。
【0073】
次に、図3(d)に示すように、紫外線等の活性光線に対して透明部分を有したパターンマスク22を用いることにより、積層基板における感光性樹脂組成物層14の所定部分に活性光線を照射して感光部を形成させる露光工程を行う。そして、図3(e)に示すように、感光部以外の感光性樹脂組成物層14を除去する現像工程を行って、レジストパターン24を形成させる。
【0074】
図4(a)〜(d)は、レジストパターンの第2の形成方法を模式的に示す断面図である。第2の形成方法によれば、まず、図4(a)及び(b)に示しように、第1の形成方法において図3(a)及び(b)を用いて説明した積層工程と同様の手順で、回路形成用基板18上に感光性樹脂組成物層14とクッション層12と樹脂フィルム10とをこの順に積層させた積層基板を得る。
【0075】
次に、図4(c)に示すように、樹脂フィルム10上に紫外線等の活性光線に対して透明部分を有したパターンマスク22を配置し、樹脂フィルム10及びクッション層12を通して、積層基板における感光性樹脂組成物層14の所定部分に活性光線を照射して感光部を形成する露光工程を行う。そして、図4(d)に示すように、樹脂フィルム10、クッション層12を除去した後、感光部以外の感光性樹脂組成物層14を除去する現像工程を行うことで、レジストパターン24を形成させる。
【0076】
上記第1及び第2の形成方法にかかる積層工程において、感光性樹脂組成物層14を回路形成用基板18上に積層する方法としては、例えば、感光性樹脂組成物層14を70〜130℃程度に加熱しながら、回路形成用基板18に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層する方法が挙げられる。このとき、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層を行ってもよい。また、積層性をさらに向上させるために、回路形成用基板18の予熱処理を行ってもよい。なお、回路形成用基板18の積層される表面は通常金属面であるが、特に制限されない。さらに、回路形成用基板18の表面には凹凸が存在していてもよく、本発明の感光性フィルム1を用いることによって凹凸への追従性よくラミネートすることができる。
【0077】
上記第1及び第2の形成方法にかかる露光工程において、積層が完了した感光性樹脂組成物層14は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジパターンマスク22を通して活性光線が画像状に照射される。この際、感光性樹脂組成物層14上に存在する樹脂フィルム10及びクッション層12が透明の場合には、そのまま活性光線を照射してもよく、また、不透明の場合には、除去してから照射する必要がある。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0078】
上記第1及び第2の形成方法にかかる現像工程は、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを形成することによって行われる。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
【0079】
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層14の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0080】
上記水系現像液は、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなるものである。ここで水系現像液におけるアルカリ水溶液の塩基としては、上述した塩基以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でpH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
【0081】
上記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の範囲で水を添加することが好ましい。
【0082】
また、現像工程においては、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
【0083】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
【0084】
次に、上述のレジストパターンの形成方法を用いたプリント配線板の製造方法について説明する。プリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきするものである。
【0085】
回路形成用基板のエッチング又はめっきは、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を従来公知の方法によりエッチング又はめっきすることによって行われる。
【0086】
上記エッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などを用いることができるが、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
【0087】
上記めっきを行う場合のめっき方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどが挙げられる。
【0088】
エッチング又はめっきを行った後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。なお、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよい。
【0089】
また、上記めっきが絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板に対して行われた場合には、パターン以外の導体層を除去する必要がある。この除去方法としては、例えば、レジストパターンを剥離した後に軽くエッチングする方法や、上記めっきに続いてはんだめっき等を行い、その後レジストパターンを剥離することで配線部分をはんだでマスクし、次いで導体層のみをエッチング可能なエッチング液を用いて処理する方法などが挙げられる。
【0090】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0091】
(実施例1〜4及び比較例1〜2)
[感光性樹脂組成物層材料の作製]
表1に示す材料を配合して感光性樹脂組成物層材料(I)の溶液を、表2に示す材料を配合して感光性樹脂組成物層材料(II)の溶液をそれぞれ作製した。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
[クッション層材料の作製]
表3に示す材料を配合し、クッション層材料(I)及び(II)の溶液を作製した。
【表3】
【0095】
[感光性フィルムの作製]
実施例1として、樹脂フィルムに16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名:G2−16)を用い、その上にクッション層材料(I)の溶液を、乾燥後の厚みが20μmになるように均一に塗布し、115℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥してクッション層を形成した。次いで、該クッション層上に感光性樹脂組成物層材料(I)の溶液を、乾燥後の厚みが5μmになるように均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成して、実施例1の感光性フィルムを得た。
【0096】
表4に示した感光性樹脂組成物層材料の溶液及びクッション層材料の溶液をそれぞれ用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例2〜4の感光性フィルムを作製した。
【0097】
さらに、表4に示した感光性樹脂組成物層材料を用い、上記実施例1と同様にして感光性樹脂組成物層を樹脂フィルム上に形成した後、該感光性樹脂組成物層上に保護フィルムとして22μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名:NF−13)を積層して比較例1及び2の感光性フィルムを作製した。
【0098】
<ロールからの解き易さ評価試験>
まず、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた感光性フィルムを、それぞれ樹脂フィルムが外側になるようにしてロール状に巻き取った。
【0099】
次に、厚み35μmの銅はくを片面に積層したガラスエポキシ基板(日立化成工業社製、商品名:MCL−E67−35S)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓社製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥して銅張積層板を得た。
【0100】
得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーター(日立化成工業社製、商品名:HLM−3000)を用いて、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた感光性フィルムを、感光性樹脂組成物層を上記基板に向け、樹脂フィルム側がラミネートロールに触れるようにして上記基板上にラミネートして積層基板を得た。なお、比較例1及び2の場合には、保護フィルムを剥がしながらラミネートを行った。このとき、実施例1〜4で得られた感光性フィルムについて、ロール状に巻き取った状態の感光性フィルムをロールから容易に解くことができたかどうかを目視にて評価した。感光性樹脂組成物層とクッション層との間で容易に解くことができた場合を○、感光性樹脂組成物層とクッション層との間で解くことが困難であった場合を×として、結果を表4に示した。なお、ラミネートの際のラミネートロール速度は1.5m/分、ラミネートロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)とした。
【0101】
<解像度評価試験>
上記評価試験において実施例1〜4及び比較例1、2の感光性フィルムをラミネートして得られた積層基板を23℃まで冷却し、次いで、実施例1〜4で得られた感光性フィルムを用いた積層基板の場合には樹脂フィルム及びクッション層を剥離し、比較例1及び2で得られた感光性フィルムを用いた積層基板の場合には樹脂フィルムのみを剥離した。
【0102】
そして、感光性樹脂組成物層上に、ネガとしてのストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツール及び解像度評価用ネガとしてのライン幅/スペース幅が400/6〜400/47(単位:μm)の配線パターンを有するパターンマスクを密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク製作所社製、型式:EXM─1201)を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が7.0となるエネルギー量で露光を行った。
【0103】
露光後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で、感光性樹脂組成物層を10〜15秒間スプレー現像(スプレー圧力:0.18MPa(1.8kgf/cm2))し、未露光部を除去して現像を行うことでレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンの現像残りの無い最小スペース幅の値を解像度として測定し、結果を表4に示した。なお、この値が小さいほど解像性が優れることを示す。
【0104】
<凹凸追従性評価試験>
実施例の感光性フィルムを上記ロールからの解き易さ評価試験と同様の方法で銅張積層板上にラミネートし、積層基板を得た。そして、ライン幅/スペース幅が1000/100(単位:μm)のパターンマスクを用いた以外は上記解像度評価試験と同様にしてレジストパターンの形成された銅張積層板を得た。次いで得られた銅張積層板を100g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液(30℃)に1〜10分間浸漬し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離して、凹み幅が100μm、凹み深さが1〜10μmの間で1μm刻みで異なる銅張積層板をそれぞれ得た。
【0105】
得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーターを用いて、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた感光性フィルムを、感光性樹脂組成物層を銅張積層板に向け、樹脂フィルムがラミネートロールに触れるようにしてラミネートして積層基板を得た。なお、比較例1及び2の場合には、保護フィルムを剥がしながらラミネートを行った。また、ラミネートロールの軸と銅張積層板の凹みの長さ方向とが平行となるようにラミネートを行い、ラミネートロール速度は1.5m/分、ラミネートロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)とした。
次いで、得られた積層基板を23℃まで冷却した後、実施例1〜4で得られた感光性フィルムの場合には樹脂フィルム及びクッション層を剥離し、比較例1及び2で得られた感光性フィルムの場合には樹脂フィルムのみを剥離した。
【0106】
そして、感光性樹脂組成物層上に、ネガとしてのストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツール及び解像度評価用ネガとしてのライン幅/スペース幅が100/100(単位:μm)の配線パターンを有するパターンマスクを基板の凹みの長さ方向と直角に交差する方向に置いて密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が6.0となるエネルギー量で露光を行った。
【0107】
露光後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で、感光性樹脂組成物層を10〜15秒間スプレー現像(スプレー圧力:0.18MPa(1.8kgf/cm2))し、光硬化部以外の部分を除去して現像を行うことで基板上にレジストパターンを形成した。レジストパターンが形成された基板に対して塩化第2銅エッチング液(2モル/L CuCl2、2N−HCl水溶液、50℃)を100秒間スプレー(スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm2)し、レジストで保護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離して基板上に銅のラインが形成されたプリント配線板を作製した。
【0108】
基板上の凹みに感光性フィルムが充分に追従していない場合は、レジストと基板間に空隙が生じるため、銅のラインはレジストと凹みの交点部分でエッチング液が浸み込み、銅が溶解してしまい連続した銅ラインが得られず、断線不良となる。そして、凹み深さの異なる銅張積層板を用いてプリント配線板をそれぞれ作製した際に、断線が開始する凹み深さ(μm)を凹凸追従性(この値が大きい程、追従性は優れる)として、結果を表4に示した。なお、実用使用可能な凹凸追従性範囲は、一般に3μm以上と考えられる。
【0109】
<パターンマスク汚染性評価試験>
上記解像度評価試験で使用したパターンマスクの、感光性樹脂組成物層上に密着させた面を目視で観察し、パターンマスク汚染性を評価した。ここで、感光性樹脂組成物が付着しているパターンマスク部分の面積が、パターンマスクの感光性樹脂組成物層との密着面全体の面積の1%以下である場合はパターンマスク汚染性無しとし、1%を超える場合はパターンマスクの汚染性有りとした。その結果を表4に示した。
【0110】
<ピール強度評価試験>
実施例1〜4の感光性フィルムを上記解像度評価試験と同様の方法で銅張積層板上にラミネートした積層基板と、同様にして感光性フィルムを銅張積層板上にラミネートした後クッション層及び樹脂フィルムを剥離し、樹脂フィルムを感光性樹脂組成物層にラミネートした積層基板とを用意した。これらの試験片を20℃、60%RHで2時間放置した後、クッション層と感光性樹脂組成物層との間、および感光性樹脂組成物層と樹脂フィルムとの間の180°ピール強度(剥離強さ)を、レオメーターを用いて引っ張り速度300mm/minで測定した。その結果を表4に示した。なお、樹脂フィルムとクッション層との間のピール強度はいずれも100N/m以上であり、剥離することができなかった。
【表4】
【0111】
以上の結果から、本発明の感光性フィルム(実施例1〜4)は、比較例1〜2の感光性フィルムと比較して、優れた凹凸追従性が得られることが確認された。さらに、実施例3及び4の感光性フィルムでは、パターンマスク汚染性が無いことが確認された。また、実施例1〜4の感光性フィルムは、ロール状に巻き取った状態から、樹脂フィルム、クッション層及び感光性樹脂組成物層が順次積層した状態で容易に解くことが可能であった。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の感光性フィルムによれば、感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、感光性樹脂組成物層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生が抑制されるので、高い製造歩留まりを実現することができる。また、本発明の感光性フィルムは、優れた追従性を有していることから、従来のラミネート装置を用いてそのままラミネートすることが可能であるという利点を有している。さらに、本発明の感光性フィルムは、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取り、ロールから解くときに樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層との間で容易に解くことが可能であり、廃棄物及びコストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる感光性フィルムの断面図である。
【図2】(a)は図1の感光性フィルムをロール状に巻き取った際の斜視図であり、(b)は(a)の破線内部の拡大断面図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの第1の形成方法を模式的に示す工程図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの第2の形成方法を模式的に示す工程図である。
【符号の説明】
1…感光性フィルム、10…樹脂フィルム、12…クッション層、14…感光性樹脂組成物層、18…回路形成用基板、22…パターンマスク。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造分野においては、めっきやエッチング等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物や、これを樹脂フィルムに積層して保護フィルムで被覆した感光性フィルムが広く用いられている。このような感光性フィルムを用いてプリント配線板を製造する場合は、まず、感光性フィルムを基板上にラミネートし、パターン露光した後、未露光部を現像液で除去して、更に、めっき又はエッチング処理を施して最終的に硬化部分を基板上から剥離除去する。
【0003】
近年、プリント配線板の配線の高密度化が進んでおり、感光性フィルムの高い解像度が要求されている。感光性フィルムの高解像度化のためには、感光性樹脂組成物層の薄膜化が効果的であるが、基板の表面凹凸へ追従する感光性樹脂組成物層の量が減少するため、従来の感光性フィルムでは、基板と感光性樹脂組成物層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
【0004】
また、従来の感光性フィルムでは、感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合、感光性フィルムに要求される強度を維持するために、樹脂フィルムには所定の厚みや硬さが要求される。そのため、感光性フィルム全体の柔軟性が低下してしまい、ラミネートすべき基板の表面の凹凸に感光性樹脂組成物層が追従し難く、その結果、基板と感光性樹脂組成物層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
【0005】
このような問題を改善するために様々な手法が提案されており、例えば、基板に水を塗布したのち、感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)、基板に液状の樹脂を積層して接着中間層を形成した後、感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献3参照。)、真空ラミネーターを用いて減圧下で感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献4及び特許文献5参照。)等が提案されている。
【0006】
また、高い解像度の要求に対しては、感光性樹脂組成物層に直接パターンマスクを密着させて露光することができれば、解像度を大幅に向上させることができる。しかし、従来の感光性樹脂組成物層は高い粘着性を有しており、パターンマスクを直接密着させると、その粘着性のためにパターンマスクが剥がれにくくなり、さらに、パターンマスクを汚染するという問題があった。そこで、樹脂フィルム上に、粘着性を有しない感光性樹脂組成物層、粘着性を有する感光性樹脂組成物層、保護フィルムを順次積層した感光性フィルム(例えば、特許文献6及び特許文献7参照。)が提案されている。
【0007】
さらに近年、環境問題への対策の面から、廃棄物を削減する工法が要求されている。従来の感光性フィルムにおいて用いられる保護フィルムは、感光性フィルムをロール状に巻き取って保管する際などに感光性樹脂組成物層を保護するためだけに使用されており、保護フィルムを使わずに感光性フィルムをロール状に巻き取って保管することができれば廃棄物を低減することができる。しかし、樹脂フィルム及び高い粘着力を有する感光性樹脂組成物層を順次積層してなる構造の感光性フィルムをロール状に巻き取った場合、樹脂フィルムの両面で感光性樹脂組成物層が粘着してしまい、基板に樹脂フィルム及び感光性樹脂組成物層をラミネートすることが困難となる。そこで、樹脂フィルムの裏面を剥離層で処理し、感光性樹脂組成物層が樹脂フィルムの表面でのみ粘着する方法(例えば、特許文献8参照。)、樹脂フィルムの上に感光性樹脂組成物層及び非粘着性外層を順次積層する方法(例えば、特許文献9参照。)などが提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭57−21890号公報
【特許文献2】
特開昭57−21891号公報
【特許文献3】
特開昭52−154363号公報
【特許文献4】
特公昭53−31670号公報
【特許文献5】
特開昭51−63702号公報
【特許文献6】
特開平2−230149号公報
【特許文献7】
特開平3−17650号公報
【特許文献8】
米国特許第4,293,635号明細書
【特許文献9】
特開2001−175000号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の製造方法では、水の薄い層を均一に付着させるため、基板表面を清浄にしなければならず、また、小径スルーホール等が存在する場合は、スルーホール中に溜まった水分と感光性樹脂組成物層とが反応を起こしやすく、現像性を低下させるため、充分な製造歩留まりが得られない等の問題があった。
【0010】
また、特許文献3に記載の製造方法では、小径スルーホールの現像性、剥離性等が低下するため充分な製造歩留まりが得られず、また、液状樹脂塗布によるコスト増加等の問題があった。
【0011】
さらに特許文献4及び5に記載の製造方法では、装置が高価であり、真空引きに時間がかかるために、通常の回路形成には使用されることは少なく、導体形成後に用いる永久マスクのラミネートとして利用されているにすぎない。この永久マスクのラミネートの時も、さらに導体への追従性向上が望まれている。
【0012】
そして、特許文献6〜9に記載の感光性フィルムは、さらなる高解像度化のために感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合、基板の表面凹凸へ追従する感光性樹脂組成物が減少するために、基板と感光性樹脂組成物層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、感光性樹脂組成物層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生が充分に抑制され、高い製造歩留まりを実現可能であるとともに、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取って保管可能であり、使用時にはロールから解いて感光性樹脂組成物層を被着体にラミネートすることが可能な感光性フィルムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに対して室温で粘着性を示さない感光性樹脂組成物層とを備え、前記感光性樹脂組成物層上には保護フィルムを有さず、ロール状に巻き取り可能な感光性フィルムであって、前記樹脂フィルムと前記感光性樹脂組成物層との間に、これらを結着可能であり、前記樹脂フィルムに対する結着力が前記感光性樹脂組成物層に対する結着力よりも大きいクッション層を備えることを特徴とする感光性フィルムを提供する。
【0015】
ここで、感光性樹脂組成物層が「室温で粘着性を示さない」とは、樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層とを室温(20℃)で手圧着した場合でも、樹脂フィルムが自重で剥離する程度の粘着(接着)強度を感光性樹脂組成物層が有していることをいい、20℃、60%RHにおける樹脂フィルムに対する感光性樹脂組成物層の接着力(180°ピール強度、JIS Z 0237)が5N/m以下であることを意味する。
【0016】
また、上記「保護フィルム」とは、感光性フィルムの保管時に感光性樹脂組成物層を保護するための、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルム等からなるフィルムを示している。
【0017】
かかる感光性フィルムは、上記構成を有するために、従来の感光性フィルムでは樹脂フィルム上に積層し得なかった、実質的に樹脂フィルムに対する粘着性を示さない感光性樹脂組成物層を積層することが可能となる。そして、実質的に粘着性を示さない感光性樹脂組成物層を有する本発明の感光性フィルムは、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取って保管することが可能となり、ロールから解く際には樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層との間で容易に解くことが可能となる。そのため、保護フィルムを必要としないことから、廃棄物及びコストを削減することができる。また、クッション層を有する本発明の感光性フィルムは、高解像度化のために感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、クッション層の存在によりラミネート時に感光性樹脂組成物層を被着体表面の凹凸に沿って追従性よく密着させることができ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生を充分に抑制することが可能となり、充分な製造歩留まりを得ることができる。さらに、クッション層は感光性樹脂組成物層に対する結着力よりも樹脂フィルムに対する結着力の方が大きいため、感光性樹脂組成物層から樹脂フィルムを剥離する際に、樹脂フィルムとクッション層とを一体として同時に剥離することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0018】
また、上述した本発明の効果をより確実に得るために、前記感光性フィルムにおいては、前記樹脂フィルムに対する感光性樹脂組成物層の接着力が5N/m以下であり、前記樹脂フィルムに対する前記クッション層の結着力が10N/m以上であり、且つ、前記感光性樹脂組成物層に対する前記クッション層の結着力が0.5〜10N/mであることが好ましい。
【0019】
かかる接着力及び結着力の関係を満たす本発明の感光性フィルムは、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取った状態から、樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層との間でより容易且つ確実に解くことが可能となるとともに、感光性樹脂組成物層から樹脂フィルムを剥離する際に、より確実に樹脂フィルムとクッション層とを一体として同時に剥離することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる感光性フィルムの好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
【0021】
図1は本発明の感光性フィルム1を示す断面図であり、図2(a)は図1の感光性フィルム1をロール状に巻き取った際の斜視図であり、図2(b)は図2(a)の破線内部の拡大図である。
【0022】
図1に示すように、感光性フィルム1は、樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14との間に、これらを結着可能であり、樹脂フィルム10に対する結着力が感光性樹脂組成物層14に対する結着力よりも大きいクッション層12を備えている。そして、感光性フィルム1は、クッション層12に対向しない感光性樹脂組成物層14の面F1上に保護フィルムを備えていない。
【0023】
また、感光性フィルム1は、保管時には図2(a)に示すように感光性フィルム1の一端を巻芯16に巻き取り、ロール状にして保管することが可能となっている。このとき、図2(b)に示すように、樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14とは接した状態となっているが、樹脂フィルム10に対して感光性樹脂組成物層は実質的に粘着性を示さないため、感光性フィルム1をロールから解く際には樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14との間で容易に解くことが可能となっている。
【0024】
ここで、感光性樹脂組成物層14に対するクッション層12の結着力をt1、樹脂フィルム10に対するクッション層12の結着力をt2、樹脂フィルム10に対する感光性樹脂組成物層14の接着力をt3とした場合、t1は好ましくは0.5〜10N/mであり、より好ましくは1〜5N/mである。t1が0.5N/m未満では、ラミネート時にクッション層12と感光性樹脂組成物層14との間に空気が混入しやすくなる傾向があり、10N/mを超えると、樹脂フィルム10及びクッション層12を感光性樹脂組成物層14から剥離する際に、感光性樹脂組成物層14が一緒に剥がれやすくなる傾向がある。
【0025】
また、t2は好ましくは10N/m以上であり、より好ましくは100N/m以上である。t2が10N/m未満では、樹脂フィルム10及びクッション層12を感光性樹脂組成物層14から剥離する際に、クッション層12が樹脂フィルム10から剥離しやすくなる傾向がある。
【0026】
更に、t3は5N/m以下であることが必要であり、好ましくは2N/m以下であり、より好ましくは0.5N/m以下であり、さらに好ましくは0.3N/m以下である。t3が5N/mを超えると、感光性フィルム1をロール状に巻いて保管し、感光性フィルム1を解く際に、感光性樹脂組成物層14が樹脂フィルム10から剥がれにくくなるとともに、感光性樹脂組成物層14が基板に接するように感光性フィルム1を基板にラミネートするときに、感光性フィルム1にシワ又は筋が入りやすくなる。また、パターンマスクを感光性樹脂組成物層14に密着させて露光を行った際に、パターンマスクが感光性樹脂組成物層14によって汚染される可能性が生じてしまう。
【0027】
また、t1/t3の値及びt2/t1の値は、それぞれ好ましくは1.05以上であり、より好ましくは1.5以上であり、さらに好ましくは2.0以上である。t1/t3の値が1.05以上であることによって、ロール状に巻き取って保管した感光性フィルム1をロールから解く際に、樹脂フィルム10と感光性樹脂組成物層14との間でより容易且つ確実に解くことが可能となる傾向にあり、また、t2/t1の値が1.05以上であることによって、感光性樹脂組成物層14から樹脂フィルム10を剥離する際に、樹脂フィルム10とクッション層12とが結着した状態でこれらを同時に剥離することが可能となる傾向にある。なお、t1、t2及びt3は、それぞれ20℃、60%RHにおける各層間の180°ピール強度(剥離強さ、引き剥がし粘着力ともいう)を示し、ピール強度はJIS Z 0237に準拠して試験片幅20mm、引っ張り速度300mm/minの試験条件で測定することができる。
【0028】
本発明にかかる樹脂フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが好適に用いられる。なお、このような樹脂フィルム10は、単層構造であってもよく、複数の組成からなるフィルムを積層した積層構造であってもよい。
【0029】
上記樹脂フィルム10の厚みは2〜100μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましく、8〜16μmであることが特に好ましい。この厚みが2μm未満では樹脂フィルム10を剥離する際に該樹脂フィルム10が破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると感光性フィルム1全体としての柔軟性が低下し、ラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。
【0030】
本発明にかかる感光性樹脂組成物層14は、(A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合性開始剤とを含有する感光性樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
【0031】
ここで、(A)成分であるバインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地からカルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸などが好ましい。
【0032】
(A)バインダーポリマーの酸価は、50〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜300mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満では現像時間が著しく遅くなる傾向があり、500mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
【0033】
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、5,000〜300,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満では耐現像液性が著しく低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。但し、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
【0034】
また、(A)成分であるバインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0035】
上記スチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有する場合には、密着性及び剥離特性を共に向上させる観点から、単量体の全重量を基準として0.1〜70重量%含むことが好ましく、1〜60重量%含むことがより好ましく、1.5〜50重量%含むことが特に好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、密着性が劣る傾向があり、70重量%を超えると、剥離片が著しく大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0036】
(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
【0038】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(II)
【化2】
CH2=C(R3)−COOR4 (II)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
【0039】
上記一般式(II)中のR4で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(II)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
また、本発明における(A)成分であるバインダーポリマーには、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、アジピン酸無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の2価以上のカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン等の2価以上のアルコールとのエステル化反応により得られるポリエステル樹脂等も使用できる。エポキシ樹脂として、ビスフェノールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられ、またこれらに酢酸、シュウ酸、(メタ)アクリル酸等の1価のカルボン酸と付加したものが挙げられる。
【0041】
これらの(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。ここでいう分散度とは、重量平均分子量/数平均分子量の値のことである。
【0042】
(B)成分であるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、解像度を向上させる観点から、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含有していることが好ましく、感光性樹脂組成物層14の厚みが0.1〜15μmである場合は特に好ましい。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含有する感光性樹脂組成物層14の厚みは、プリント配線の高密度化及び高解像度化の見地より、より好ましくは1〜15μmであり、さらに好ましくは2〜7μmである。
【0043】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンは、単独で、あるいは、他の重合性化合物と併用して用いられる。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンとしては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【化3】
【0044】
上記一般式(I)中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、メチル基であることが好ましい。上記一般式(I)中、X1及びX2は各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。上記一般式(I)中、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数であり、6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることがさらに好ましく、8〜20であることが特に好ましく、8〜16であることが極めて好ましく、8〜12であることが最も好ましい。p+qが4未満では、感光性樹脂組成物層の成分の1つである(A)バインダーポリマーとの相溶性が低下し、回路形成用基板に感光性フィルムをラミネートした際に、剥がれやすい傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加し、現像時にレジスト像が剥がれやすく、半田めっき等に対する耐めっき性も低下する傾向がある。
【0045】
上記炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられるが、解像度、耐めっき性の点からエチレン基、イソプロピレン基が好ましい。
【0046】
また、上記一般式(I)中の芳香環は置換基を有していてもよく、それら置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも相違していてもよい。
【0047】
上記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0048】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0049】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0050】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0051】
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物には、上述のような2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンが好ましく用いられるが、これ以外にも種々の光重合性化合物を使用することができる。すなわち、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0052】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0053】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0054】
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。
【0055】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
【0056】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0057】
これら(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含め、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0058】
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’─ビスジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0059】
(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100重量部として、30〜80重量部とすることが好ましく、40〜70重量部とすることがより好ましい。この配合量が30重量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性フィルムとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。
【0060】
(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100重量部として、20〜60重量部とすることが好ましく、30〜55重量部とすることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
【0061】
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100重量部として、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。この配合量が0.1重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0062】
また、上記感光性樹脂組成物層14には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0063】
上記感光性樹脂組成物層14は、プリント配線の高密度化及び高解像度化の見地から、厚みが0.1〜50μmであることが好ましく、0.1〜25μmであることがより好ましく、1〜15μmであることがさらに好ましく、1〜8μmであることが特に好ましく、2〜7μmであることが最も好ましい。本発明においては、感光性樹脂組成物層14をこのように薄膜化した場合であっても、被着体表面の凹凸に沿って追従性よく感光性樹脂組成物層14をラミネートすることが可能となる。
【0064】
また、上記感光性樹脂組成物層14の波長365nmの紫外線に対する透過率は5〜75%であることが好ましく、7〜60%であることがより好ましく、10〜40%であることが特に好ましい。この透過率が5%未満では密着性が劣る傾向があり、75%を超えると解像度が劣る傾向がある。なお、上記透過率は、UV分光計により測定することができ、上記UV分光計としては、(株)日立製作所製228A型Wビーム分光光度計等が挙げられる。
【0065】
本発明にかかるクッション層12は、エチレンと該エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体を含有する樹脂からなるものことが好ましく、前記共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体であることがより好ましい。ここで、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体におけるモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合、及び、上記エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体におけるモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合は、いずれも50〜90重量%であることが好ましく、50〜80重量%であることがより好ましく、50〜70重量%であることが特に好ましい。上記エチレンの割合が50重量%未満では、いずれの共重合体を用いた場合でもクッション層12と感光性樹脂組成物層14との密着性が高くなり過ぎ、剥離が困難となる傾向がある。一方、エチレンの割合が90重量%を超えると、いずれの共重合体を用いた場合でもクッション層12と感光性樹脂組成物層14との密着性が小さくなり過ぎ、クッション層12を含む感光性フィルム1を作製することが困難となる傾向がある。
【0066】
上記クッション層12の厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましい。クッション層12の厚みが1μm未満ではラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。一方、厚みが100μmを超えるとコストアップとなる傾向がある。
【0067】
また、上記クッション層12は、本発明の効果を阻害しない範囲で、先に述べた(A)成分、(B)成分、又は(C)成分を含有していることが好ましい。これによって、感光性樹脂組成物層14から(B)成分や(C)成分がクッション層12へ移行するのを防止することが可能となる傾向がある。
【0068】
本発明の感光性フィルム1は、以上説明した樹脂フィルム10、クッション層12及び感光性樹脂組成物層14の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
【0069】
本発明において、クッション層12を樹脂フィルム10上に積層するには、例えば上述した組成を有するクッション層を構成する樹脂を樹脂フィルム10上に塗工すればよいが、塗工に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に上記樹脂を溶解し、固形分10〜50重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0070】
また、感光性樹脂組成物層14をクッション層12上に積層するには、例えば上述のような組成を有する感光性樹脂組成物をクッション層12上に塗工すればよいが、塗工に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に上記感光性樹脂組成物を溶解し、固形分30〜70重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0071】
次に、上述の本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの形成方法について、図3(a)〜(e)及び図4(a)〜(d)を参照して説明する。
【0072】
図3(a)〜(e)は、レジストパターンの第1の形成方法を模式的に示す断面図である。第1の形成方法によれば、まず図3(a)に示すように、回路形成用基板18の表面に、樹脂フィルム10、クッション層12、および感光性樹脂組成物層14がこの順に積層されている感光性フィルム1を、感光性樹脂組成物層14が回路形成用基板18に接するようにローラー20を用いて圧着し、図3(b)に示すように、回路形成用基板18上に感光性樹脂組成物層14とクッション層12と樹脂フィルム10とをこの順に積層させる積層工程を行う。次いで、図3(c)に示すように、クッション層12と樹脂フィルム10とを除去して回路形成用基板18上に感光性樹脂組成物層14を備えた積層基板を得る。
【0073】
次に、図3(d)に示すように、紫外線等の活性光線に対して透明部分を有したパターンマスク22を用いることにより、積層基板における感光性樹脂組成物層14の所定部分に活性光線を照射して感光部を形成させる露光工程を行う。そして、図3(e)に示すように、感光部以外の感光性樹脂組成物層14を除去する現像工程を行って、レジストパターン24を形成させる。
【0074】
図4(a)〜(d)は、レジストパターンの第2の形成方法を模式的に示す断面図である。第2の形成方法によれば、まず、図4(a)及び(b)に示しように、第1の形成方法において図3(a)及び(b)を用いて説明した積層工程と同様の手順で、回路形成用基板18上に感光性樹脂組成物層14とクッション層12と樹脂フィルム10とをこの順に積層させた積層基板を得る。
【0075】
次に、図4(c)に示すように、樹脂フィルム10上に紫外線等の活性光線に対して透明部分を有したパターンマスク22を配置し、樹脂フィルム10及びクッション層12を通して、積層基板における感光性樹脂組成物層14の所定部分に活性光線を照射して感光部を形成する露光工程を行う。そして、図4(d)に示すように、樹脂フィルム10、クッション層12を除去した後、感光部以外の感光性樹脂組成物層14を除去する現像工程を行うことで、レジストパターン24を形成させる。
【0076】
上記第1及び第2の形成方法にかかる積層工程において、感光性樹脂組成物層14を回路形成用基板18上に積層する方法としては、例えば、感光性樹脂組成物層14を70〜130℃程度に加熱しながら、回路形成用基板18に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層する方法が挙げられる。このとき、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層を行ってもよい。また、積層性をさらに向上させるために、回路形成用基板18の予熱処理を行ってもよい。なお、回路形成用基板18の積層される表面は通常金属面であるが、特に制限されない。さらに、回路形成用基板18の表面には凹凸が存在していてもよく、本発明の感光性フィルム1を用いることによって凹凸への追従性よくラミネートすることができる。
【0077】
上記第1及び第2の形成方法にかかる露光工程において、積層が完了した感光性樹脂組成物層14は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジパターンマスク22を通して活性光線が画像状に照射される。この際、感光性樹脂組成物層14上に存在する樹脂フィルム10及びクッション層12が透明の場合には、そのまま活性光線を照射してもよく、また、不透明の場合には、除去してから照射する必要がある。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0078】
上記第1及び第2の形成方法にかかる現像工程は、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを形成することによって行われる。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
【0079】
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層14の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0080】
上記水系現像液は、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなるものである。ここで水系現像液におけるアルカリ水溶液の塩基としては、上述した塩基以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でpH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
【0081】
上記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の範囲で水を添加することが好ましい。
【0082】
また、現像工程においては、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
【0083】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
【0084】
次に、上述のレジストパターンの形成方法を用いたプリント配線板の製造方法について説明する。プリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきするものである。
【0085】
回路形成用基板のエッチング又はめっきは、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を従来公知の方法によりエッチング又はめっきすることによって行われる。
【0086】
上記エッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などを用いることができるが、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
【0087】
上記めっきを行う場合のめっき方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどが挙げられる。
【0088】
エッチング又はめっきを行った後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。なお、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよい。
【0089】
また、上記めっきが絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板に対して行われた場合には、パターン以外の導体層を除去する必要がある。この除去方法としては、例えば、レジストパターンを剥離した後に軽くエッチングする方法や、上記めっきに続いてはんだめっき等を行い、その後レジストパターンを剥離することで配線部分をはんだでマスクし、次いで導体層のみをエッチング可能なエッチング液を用いて処理する方法などが挙げられる。
【0090】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0091】
(実施例1〜4及び比較例1〜2)
[感光性樹脂組成物層材料の作製]
表1に示す材料を配合して感光性樹脂組成物層材料(I)の溶液を、表2に示す材料を配合して感光性樹脂組成物層材料(II)の溶液をそれぞれ作製した。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
[クッション層材料の作製]
表3に示す材料を配合し、クッション層材料(I)及び(II)の溶液を作製した。
【表3】
【0095】
[感光性フィルムの作製]
実施例1として、樹脂フィルムに16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名:G2−16)を用い、その上にクッション層材料(I)の溶液を、乾燥後の厚みが20μmになるように均一に塗布し、115℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥してクッション層を形成した。次いで、該クッション層上に感光性樹脂組成物層材料(I)の溶液を、乾燥後の厚みが5μmになるように均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成して、実施例1の感光性フィルムを得た。
【0096】
表4に示した感光性樹脂組成物層材料の溶液及びクッション層材料の溶液をそれぞれ用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例2〜4の感光性フィルムを作製した。
【0097】
さらに、表4に示した感光性樹脂組成物層材料を用い、上記実施例1と同様にして感光性樹脂組成物層を樹脂フィルム上に形成した後、該感光性樹脂組成物層上に保護フィルムとして22μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名:NF−13)を積層して比較例1及び2の感光性フィルムを作製した。
【0098】
<ロールからの解き易さ評価試験>
まず、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた感光性フィルムを、それぞれ樹脂フィルムが外側になるようにしてロール状に巻き取った。
【0099】
次に、厚み35μmの銅はくを片面に積層したガラスエポキシ基板(日立化成工業社製、商品名:MCL−E67−35S)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓社製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥して銅張積層板を得た。
【0100】
得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーター(日立化成工業社製、商品名:HLM−3000)を用いて、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた感光性フィルムを、感光性樹脂組成物層を上記基板に向け、樹脂フィルム側がラミネートロールに触れるようにして上記基板上にラミネートして積層基板を得た。なお、比較例1及び2の場合には、保護フィルムを剥がしながらラミネートを行った。このとき、実施例1〜4で得られた感光性フィルムについて、ロール状に巻き取った状態の感光性フィルムをロールから容易に解くことができたかどうかを目視にて評価した。感光性樹脂組成物層とクッション層との間で容易に解くことができた場合を○、感光性樹脂組成物層とクッション層との間で解くことが困難であった場合を×として、結果を表4に示した。なお、ラミネートの際のラミネートロール速度は1.5m/分、ラミネートロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)とした。
【0101】
<解像度評価試験>
上記評価試験において実施例1〜4及び比較例1、2の感光性フィルムをラミネートして得られた積層基板を23℃まで冷却し、次いで、実施例1〜4で得られた感光性フィルムを用いた積層基板の場合には樹脂フィルム及びクッション層を剥離し、比較例1及び2で得られた感光性フィルムを用いた積層基板の場合には樹脂フィルムのみを剥離した。
【0102】
そして、感光性樹脂組成物層上に、ネガとしてのストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツール及び解像度評価用ネガとしてのライン幅/スペース幅が400/6〜400/47(単位:μm)の配線パターンを有するパターンマスクを密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク製作所社製、型式:EXM─1201)を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が7.0となるエネルギー量で露光を行った。
【0103】
露光後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で、感光性樹脂組成物層を10〜15秒間スプレー現像(スプレー圧力:0.18MPa(1.8kgf/cm2))し、未露光部を除去して現像を行うことでレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンの現像残りの無い最小スペース幅の値を解像度として測定し、結果を表4に示した。なお、この値が小さいほど解像性が優れることを示す。
【0104】
<凹凸追従性評価試験>
実施例の感光性フィルムを上記ロールからの解き易さ評価試験と同様の方法で銅張積層板上にラミネートし、積層基板を得た。そして、ライン幅/スペース幅が1000/100(単位:μm)のパターンマスクを用いた以外は上記解像度評価試験と同様にしてレジストパターンの形成された銅張積層板を得た。次いで得られた銅張積層板を100g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液(30℃)に1〜10分間浸漬し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離して、凹み幅が100μm、凹み深さが1〜10μmの間で1μm刻みで異なる銅張積層板をそれぞれ得た。
【0105】
得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーターを用いて、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた感光性フィルムを、感光性樹脂組成物層を銅張積層板に向け、樹脂フィルムがラミネートロールに触れるようにしてラミネートして積層基板を得た。なお、比較例1及び2の場合には、保護フィルムを剥がしながらラミネートを行った。また、ラミネートロールの軸と銅張積層板の凹みの長さ方向とが平行となるようにラミネートを行い、ラミネートロール速度は1.5m/分、ラミネートロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)とした。
次いで、得られた積層基板を23℃まで冷却した後、実施例1〜4で得られた感光性フィルムの場合には樹脂フィルム及びクッション層を剥離し、比較例1及び2で得られた感光性フィルムの場合には樹脂フィルムのみを剥離した。
【0106】
そして、感光性樹脂組成物層上に、ネガとしてのストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツール及び解像度評価用ネガとしてのライン幅/スペース幅が100/100(単位:μm)の配線パターンを有するパターンマスクを基板の凹みの長さ方向と直角に交差する方向に置いて密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が6.0となるエネルギー量で露光を行った。
【0107】
露光後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で、感光性樹脂組成物層を10〜15秒間スプレー現像(スプレー圧力:0.18MPa(1.8kgf/cm2))し、光硬化部以外の部分を除去して現像を行うことで基板上にレジストパターンを形成した。レジストパターンが形成された基板に対して塩化第2銅エッチング液(2モル/L CuCl2、2N−HCl水溶液、50℃)を100秒間スプレー(スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm2)し、レジストで保護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離して基板上に銅のラインが形成されたプリント配線板を作製した。
【0108】
基板上の凹みに感光性フィルムが充分に追従していない場合は、レジストと基板間に空隙が生じるため、銅のラインはレジストと凹みの交点部分でエッチング液が浸み込み、銅が溶解してしまい連続した銅ラインが得られず、断線不良となる。そして、凹み深さの異なる銅張積層板を用いてプリント配線板をそれぞれ作製した際に、断線が開始する凹み深さ(μm)を凹凸追従性(この値が大きい程、追従性は優れる)として、結果を表4に示した。なお、実用使用可能な凹凸追従性範囲は、一般に3μm以上と考えられる。
【0109】
<パターンマスク汚染性評価試験>
上記解像度評価試験で使用したパターンマスクの、感光性樹脂組成物層上に密着させた面を目視で観察し、パターンマスク汚染性を評価した。ここで、感光性樹脂組成物が付着しているパターンマスク部分の面積が、パターンマスクの感光性樹脂組成物層との密着面全体の面積の1%以下である場合はパターンマスク汚染性無しとし、1%を超える場合はパターンマスクの汚染性有りとした。その結果を表4に示した。
【0110】
<ピール強度評価試験>
実施例1〜4の感光性フィルムを上記解像度評価試験と同様の方法で銅張積層板上にラミネートした積層基板と、同様にして感光性フィルムを銅張積層板上にラミネートした後クッション層及び樹脂フィルムを剥離し、樹脂フィルムを感光性樹脂組成物層にラミネートした積層基板とを用意した。これらの試験片を20℃、60%RHで2時間放置した後、クッション層と感光性樹脂組成物層との間、および感光性樹脂組成物層と樹脂フィルムとの間の180°ピール強度(剥離強さ)を、レオメーターを用いて引っ張り速度300mm/minで測定した。その結果を表4に示した。なお、樹脂フィルムとクッション層との間のピール強度はいずれも100N/m以上であり、剥離することができなかった。
【表4】
【0111】
以上の結果から、本発明の感光性フィルム(実施例1〜4)は、比較例1〜2の感光性フィルムと比較して、優れた凹凸追従性が得られることが確認された。さらに、実施例3及び4の感光性フィルムでは、パターンマスク汚染性が無いことが確認された。また、実施例1〜4の感光性フィルムは、ロール状に巻き取った状態から、樹脂フィルム、クッション層及び感光性樹脂組成物層が順次積層した状態で容易に解くことが可能であった。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の感光性フィルムによれば、感光性樹脂組成物層を薄膜化した場合であっても、感光性樹脂組成物層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、被着体と感光性樹脂組成物層との未接着部分の発生が抑制されるので、高い製造歩留まりを実現することができる。また、本発明の感光性フィルムは、優れた追従性を有していることから、従来のラミネート装置を用いてそのままラミネートすることが可能であるという利点を有している。さらに、本発明の感光性フィルムは、保護フィルムを用いることなくロール状に巻き取り、ロールから解くときに樹脂フィルムと感光性樹脂組成物層との間で容易に解くことが可能であり、廃棄物及びコストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる感光性フィルムの断面図である。
【図2】(a)は図1の感光性フィルムをロール状に巻き取った際の斜視図であり、(b)は(a)の破線内部の拡大断面図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの第1の形成方法を模式的に示す工程図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの第2の形成方法を模式的に示す工程図である。
【符号の説明】
1…感光性フィルム、10…樹脂フィルム、12…クッション層、14…感光性樹脂組成物層、18…回路形成用基板、22…パターンマスク。
Claims (6)
- 樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに対して室温で粘着性を示さない感光性樹脂組成物層とを備え、前記感光性樹脂組成物層上には保護フィルムを有さず、ロール状に巻き取り可能な感光性フィルムであって、
前記樹脂フィルムと前記感光性樹脂組成物層との間に、これらを結着可能であり、前記樹脂フィルムに対する結着力が前記感光性樹脂組成物層に対する結着力よりも大きいクッション層を備えることを特徴とする感光性フィルム。 - 前記樹脂フィルムに対する感光性樹脂組成物層の接着力が5N/m以下であり、前記樹脂フィルムに対する前記クッション層の結着力が10N/m以上であり、且つ、前記感光性樹脂組成物層に対する前記クッション層の結着力が0.5〜10N/mであることを特徴とする請求項1記載の感光性フィルム。
- 前記感光性樹脂組成物層は、(A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性フィルム。
- 前記クッション層は、エチレン及びこれと共重合可能なモノマーの共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の感光性フィルム。
- 前記共重合体は、モノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合が50〜90重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合が50〜90重量%であるエチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体であることを特徴とする請求項5記載の感光性フィルム。
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CN112740107A (zh) * | 2018-09-28 | 2021-04-30 | 富士胶片株式会社 | 带图案的基材的制造方法、电路基板的制造方法及触摸面板的制造方法 |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140908A patent/JP2004341447A/ja active Pending
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