JP2004340433A

JP2004340433A - 熱交換コイル内洗浄方法

Info

Publication number: JP2004340433A
Application number: JP2003135595A
Authority: JP
Inventors: Tadashi Shiraishi; 正白石
Original assignee: Tokai Engineering Co Ltd
Current assignee: Tokai Engineering Co Ltd
Priority date: 2003-05-14
Filing date: 2003-05-14
Publication date: 2004-12-02
Also published as: US20040226580A1; US7380557B2

Abstract

【課題】熱交換コイル内に水と氷とを強制的に流して該コイル内のスライム，スラッジ，残渣物などの汚れを取り去る。
【解決手段】吸引ポンプ１１と、洗浄汚水回収タンク１２と、洗浄汚水回収タンク１２と熱交換機（空調機）１の熱媒体供給口２ａ又は排出口３ａとを連結する吸引ホース１３と、一方の端部に氷と水とを投入するホッパー２０を有し他方の端部が熱媒体排出口３ａ又は供給口２ａに連結される供給ホース２１を用いる。吸引ホース１３を熱交換機１の熱媒体供給口又は排出口に連結し、供給ホース２１を前記熱交換機１の熱媒体排出口又は供給口に連結し、前記吸引ポンプ１１を駆動するとともに、前記供給ホッパー２０に氷と水を供給し、該氷と水を前記熱交換機１内の熱交換コイルを通して前記洗浄汚水回収タンク１２に回収する。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換コイル内を洗浄する洗浄方法、より詳細には、熱交換コイル内に水と氷とを強制的に流して該コイル内のスライム，スラッジ，残渣物などの汚れを取り去るようにした洗浄方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
熱交換機は、周知のように、熱交換コイル（パイプ）内に水や蒸気等の熱媒体を流し、該熱媒体によって加熱又は冷却された熱交換コイルの外側に空気や水を流して、該空気や水を加熱又は冷却するものであるが、熱交換コイル内が汚れると、熱交換効率が低下する。例えば、冷房の効きが悪い空調機等のほとんどは、熱交換コイル内が汚れていて熱交換されず冷風温度が下がらない。または、熱交換コイル内にスライム，スラッジ，残渣物などでコイルを閉塞し、熱交換コイル内を流れる熱媒体、（空調機であれば、冷水又は温水）の流量を減少させて、熱媒体の定格流量が確保されず、設計温度差がとれないものが多い。
【０００３】
例えば、空調機の熱交換（冷温水）コイルは、１０〜１５年経過すると、頑固な汚れが付着して冷暖房能力の低下、寿命の短縮を引き起こす。この冷暖房能力を回復させるため、従来は、空調機の風量アップを図ったり、熱交換コイルのフィン側（空気側）を高圧水や薬品で洗浄したり、または、稀に、熱交換コイルのコイル内部（熱媒体側）を薬品で洗浄したりしている。
【０００４】
上述のように、従来、熱交換コイルの洗浄方法と言えばその殆どが熱交換コイル表面（空気側）の洗浄で、コイル内面（水側）の洗浄は薬品洗浄以外行われていなかった。なお、雑排水管内に砕氷を投入して雑排水管内を洗浄することは、例えば、本出願人が先に、特開昭６１−２５７２８０号公報において提案した（特許文献１）。
【０００５】
【特許文献１】
特開昭６１−２５７２８０号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、薬品洗浄は熱交換コイル内を腐蝕し、しかも、洗浄後の汚水中に薬品が残存するため、洗浄後の汚水が環境を汚す等の問題があり、リスクが伴うため、既存の熱交換コイルや環境に優しい洗浄工法が待ち望まれていた。
本発明は、この要望に十分対応し得る洗浄方法を提供すようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、吸引ポンプと、洗浄汚水回収タンクと、該洗浄汚水回収タンクと熱交換コイルの熱媒体供給口又は排出口とを連結する吸引用ホースと、一方の端部にホッパーを有し他方の端部が前記熱媒体排出口又は供給口に連結される氷供給用ホースを用い、前記吸引用ホースを前記熱媒体供給口又は排出口に連結し、前記供給用ホースを前記熱媒体排出口又は供給口に連結し、前記吸引ポンプを駆動するとともに、前記氷供給ホッパーより氷と水とを供給し、該氷と水を前記熱交換コイルを通して前記洗浄汚水回収タンクに回収することを特徴としたものである。
【０００８】
請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記熱媒体供給口及び排出口に対する前記吸引用ホースと前記氷供給用ホースの連結を交換して、氷と水の供給と、洗浄汚水の回収を繰り返し行うことを特徴としたものである。
【０００９】
請求項３の発明は、請求項１又は２の発明において、前記氷供給用ホースは、その一部に透明管路部を有し、前記熱交換コイル内を流れる洗浄汚水を目視可能としたことを特徴としたものである。
【００１０】
請求項４の発明は、請求項１乃至３のいずれかの発明において、前記ホッパーより氷と水とを混合して供給する場合、供給する氷と水の割合は、氷１に対して水約４〜６であることを特徴としたものである。
【００１１】
請求項５の発明は、請求項１乃至４のいずれかの発明において、前記氷の大きさは、前記熱交換コイルの内径に対して約１／３〜２／３角に加工されたものであることを特徴としたものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明による熱交換コイル内洗浄方法の一例を説明するための要部構成図で、以下に、本発明を空調機の熱交換コイルに適用した場合の例を説明するが、本発明は、空調機（水・空気間の熱交換）に限定されるものではなく、その他の熱交換機、例えば、水・水間、蒸気・水間、蒸気・空気間の熱交換を行う熱交換コイル等にも適用可能なものである。図１において、１は熱交換コイルを有する空調機（熱交換機）本体、２は該空調機本体１の熱交換コイル内に熱媒体（冷水又は温水）を供給する熱媒体供給ヘッダ、３は空調機本体１の熱交換コイル内を通過した熱媒体を排出する排出ヘッダで、これら空調機本体１及びヘッダ２，３は、ビル内に備えられ、例えば、空調機本体１の裏側に送風ファンを有し、該ファンによって発生される空気流を空調機本体１の熱交換コイル内を流れる熱媒体（冷水又は温水）によって冷却又は温められた熱交換コイルを通して表側に流し、その間に、該空気流から熱を奪って、或いは、該空気流に熱を与えて冷風或いは温風にするものである。
【００１３】
本発明は、例えば、上述のごとき熱交換コイル内を洗浄するための方法に関するもので、図中、１０は吸引ポンプ１１及び洗浄汚水を回収する回収タンク１２を搭載した吸引ポンプ車、２０は氷や水を投入するホッパーで、洗浄作業に当り、ヘッダ２の熱媒体供給口２ａ及びヘッダ３の排出口３ａに接続されている熱媒体供給パイプ（図示せず）及び熱媒体排出パイプ（図示せず）を取り外し、その代りに、図２に詳細に示すように、ヘッダ２の熱媒体（冷温水）供給口２ａに吸引ホース１３の吸引口１３ａを、ヘッダ３の熱媒体（冷温水）排出口３ａに水及び氷供給ホース２１の供給口２１ａを、図示のように接続する。
【００１４】
上述のような接続が完了し、図１に示した状態にした後、吸引ポンプ１１を駆動するとともに、ホッパー２０に氷と水を投入すると、投入された氷と水が供給パイプ２１，ヘッダ３を通して空調機本体１の熱交換コイル内を流れ、該熱交換コイル内壁に氷が当り、氷がパイプ内壁に当るときの衝撃力と水による吸引力とにより、該熱交換コイル（パイプ）内のスライム，スラッジ，残渣物等を一緒に流し、次いで、ヘッダ２及び吸引ホース１３を通して洗浄汚水回収タンク１２内に回収される。
【００１５】
上述のように、本発明によると、熱交換コイル内に、氷と水（氷のみの場合、水のみの場合、氷と水の混合流の場合がある）を、吸引ポンプによる吸引力を利用して流すようにしたので、熱交換コイル内を流れる氷がコイル内壁に衝突する時の衝撃力で該コイル内に付着しているサビ，水垢，スライムなどを取り去ったり、該コイル内に溜っている埃，砂などのスラッジや溶接カス，配管切屑などを流し去ることができる。
【００１６】
本発明によると、前述のように、
（１）熱交換部のコイル内部を氷と水だけでソフトに洗浄する、
（２）熱交換コイル内部のサビ・水垢・スライムなどの汚れをとる、
（３）熱交換コイル内部の埃・砂などのスラッジ類をとる、
（４）熱交換コイル内部の溶接カス・配管キリクズなどの残渣物をとる、
ことができる。
【００１７】
そのため、本発明によると、
（１）氷と水だけで洗浄するので熱交換コイルを傷つけずにソフトに洗浄できる（一般に、熱交換コイルは銅管で構成されているが、氷は銅よりやわらかい），
（２）熱交換コイル内は負圧になる為、吹出し事故や破裂事故の不安がない，
（３）氷と水だけで洗浄するため環境を汚染しない，
（４）古い熱交換機の場合、過激に無理な洗浄を行なうとピンホール、クラック等が水漏れ事故等かえってトラブルとなる危険があるが、本発明によると、このようなトラブルが発生する可能性は皆無に近い，
等の利点がある。
【００１８】
実験によると、氷と水との混合流の場合、氷と水の割合は氷１に対して水５位が良好であり、氷の大きさは、コイル内径の１／３〜２／３角（例えば、コイル径が１５ｍｍならば５〜１０ｍｍ角）に加工した氷が良好である。
【００１９】
吸引ホース１３の一部には、透明のホース１３′が設けられており、該透明ホース部１３′より洗浄汚水の汚れ具合を目視して監察することができ、簡易に洗浄度合を知ることができる。
【００２０】
更には、図１に示した状態（その時の熱媒体の流れ方向を、図３に矢印にて概略的に示す）にて洗浄した後に、図４に示すように、吸引ホース１３をヘッダ３側に接続するとともに、供給ホース２１をヘッダ２側に接続して、ホッパー２０より氷と水を投入し、吸引ポンプ１１にして吸引すると、熱交換コイル４内には、図４に示すように、前回（図３に示す方向）と逆方向に氷と水が流れ、コイル４内をより効果的に洗浄することができる。必要に応じて、この交換を数回繰り返して行なうことにより、更に効果的に洗浄することができる。すなわち、図３に示す流し方と、図４に示す流し方（図３とは逆方向の流れ）を、交互に複数回繰り返すことにより、より効果的に洗浄することができる。
なお、図５に、空調機１内の熱交換コイル４の配設例、及び、氷と水の流れ方を矢印にて分かりやすく示した。
【００２１】
【発明の効果】
洗浄中、熱交換コイル内を流れる氷はコイル銅管より柔らかく、又、水が潤滑材の役目を果たすので、コイル内面を傷つけることは全く無い。
強力な負圧をかけることで、氷の固まりが曲がりくねったコイル内でも勢い良く流れて、コイル内に付着した汚れにぶつかり汚れを落とす。
コイル上部から氷と水を入れて下から吸引、反対に下部から氷と水を入れて上から吸引することを、数回繰り返すことにより頑固な汚れも除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による熱交換コイル内洗浄方法を、空調機の熱交換コイル内洗浄に適用した場合の一例を説明するための要部構成図である。
【図２】空調機の熱交換コイルとの接続関係を斜視的に示す図である。
【図３】熱交換コイル内の洗浄水の流れ方の一例を示す図である。
【図４】熱交換コイル内の洗浄水の流れ方向を逆にした時の例を示す図である。
【図５】熱交換コイル配列例を示す図である。
【符号の説明】
１…空調機本体、２…熱媒体供給ヘッダ、２ａ…熱媒体供給口、３…熱媒体排出ヘッダ、３ａ…熱媒体排出口、４…熱交換コイル、１０…吸引ポンプ車、１１…吸引ポンプ、１２…洗浄汚水回収タンク、１３…洗浄汚水吸引ホース、２０…氷と水とを投入するホッパー、２１…氷と水とを供給する供給ホース。

Claims

吸引ポンプと、洗浄汚水回収タンクと、該洗浄汚水回収タンクと熱交換コイルの熱媒体供給口又は排出口とを連結する吸引用ホースと、一方の端部にホッパーを有し他方の端部が前記熱媒体排出口又は供給口に連結される氷供給用ホースを用い、前記吸引用ホースを前記熱媒体供給口又は排出口に連結し、前記供給用ホースを前記熱媒体排出口又は供給口に連結し、前記吸引ポンプを駆動するとともに、前記氷供給ホッパーより氷と水とを供給し、該氷と水を前記熱交換コイルを通して前記洗浄汚水回収タンクに回収することを特徴とする熱交換コイル内洗浄方法。
前記熱媒体供給口及び排出口に対する前記吸引用ホースと前記氷供給用ホースの連結を交換して、氷と水の供給と、洗浄汚水の回収を繰り返し行うことを特徴とする請求項１に記載の熱交換コイル内洗浄方法。
前記氷供給用ホースは、その一部に透明管路部を有し、前記熱交換コイル内を流れる洗浄汚水を目視可能としたことを特徴とする請求項１又は２に記載の熱交換コイル洗浄方法。
前記ホッパーより氷と水とを混合して供給する場合、氷と水の割合は、氷１に対して水約４〜６であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の空調機の熱交換コイル内洗浄方法。
前記氷の大きさは、前記熱交換コイルの内径に対して約１／３〜２／３角に加工されたものであることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の熱交換コイル内洗浄方法。